アナザーワールドSRS・リプレイ・人外夜会
■ 第4話 『 ロストワールド・後編 』 2ページ ■
2015年10月18日




 ●ミドルフェイズ4/アイザック 〜ズル〜

アイザック/NPCチャートを振ります。(ころころ)出目は5。では【MP】を減らして、6の脩駕のシーンにいきます!(1D6ころころ)消費5点……でかい(笑)
榛名/出目が相変わらず良いですね!(笑)
アイザック/榛名。先ほど言っていた心当たりのある人物の名前を教えてほしい。エージェントに所属している範囲内で出来ることはする。
榛名/ちょっと重かった口が開きます。……今異端刑務所にいるっていう、相庭 脩駕って人なんですけど。
アイザック/相庭 脩駕? 思い出す……ああ、あの。当時、未成年だったAか。

 陽向が出来なかったという教会の手続きを、代行することで終わらせるアイザックが。
 AF判定の結果は『現在難易度:668分の118』となった。


GM/それでは……N市教会からやや離れたところにある、相庭 脩駕が居るという異端刑務所に、陽向と一緒に到着しました。ちなみに、榛名くんは異端刑務所に行ったことはあるの?
榛名/初めてですね。裁判所がいいとこかな……だから緊張しちゃう。
GM/アイザックさんは……速水さんの関係でも何回か刑務所に行ったことあるもんね。それでは、面談室に入ります。叡斗くんと同い年ぐらいの少年と対面します。髪が長く、お洒落ができない刑務所内でも整った外見だなと思える子です。
榛名/イケメンだ。ども……榛名です。
GM/「あ、叡斗がよく話をしている名前……」 挨拶をした脩駕はそう言います。面会に来た叡斗くんは日常的に話しそうだなって。
アイザック/叡斗ならしょっちゅう来ては話してますね。
榛名/仲良いんですね。
GM/早速ですが、陽向が脩駕に事情を説明します。キャンキャンキャンキャン!
アイザック/かわいい。
GM/脩駕はクーンクーンと応えます。
アイザック/陽向はコーギーで叡斗はチワワかな。
榛名/3人で1人の犬!?(笑) 101匹わんちゃんかな!?
GM/統十郎さんも犬だな、大きめの(笑・脩駕になって)「叡斗を助ける方法……。自分が考えられる手段と言ったら、3つ考えられる。1つ目は≪世界創造≫。2つ目は≪贄の儀式≫」
アイザック/その案は、既に一度挙げられた……。教会としては最小限の被害でこの問題を処理したいと考えている。
榛名/す、救いたいのは山々だけどさ! 150人の犠牲は……当然許せない。
GM/「3つ目の方法。……俺の呼びかけで何とかする」
榛名/え? 呼びかけ?
GM/「詳しい俺と叡斗の関係は話せないけど……。俺は叡斗のマスターだ。疑似的な……」 主人格・脩駕はサブ人格・叡斗を従える権力がありました。今は≪世界創造≫のおかげで叡斗くんは独立した個体になりましたが、本来は脩駕に支配権があったため、うまくいけばその力を取り戻して一時的に叡斗くんを従僕させられないかと話します。
アイザック/……そんなことが……。
GM/ゲーム的に表現するなら、他人が「叡斗くん止まって!」と言っても抵抗判定難易度20のところを、脩駕が「叡斗止まれ!」と命じれば難易度17ぐらいにまで軽減できる感じです。でもそれをするためには……脩駕には叡斗くんがいるシーンに登場してもらわなければいけません。そして脩駕は、囚人です。
榛名/あっ……。
アイザック/彼が作戦に必要と言うなら、ここから一時的に出してもらえるように責任者に掛け合わなきゃならん。
榛名/でも、出られるのか?
GM/「掛け合えば可能かな。でも……すぐに出るのは現実的に無理でしょ。……叡斗には時間が無いのに……」
榛名/どうすればいいんだ!?
GM/「出せと命令できる人に当てがあるならいいけど……」
アイザック/…………。アクセン!
榛名/アクセンさん?
アイザック/自分の携帯を出します。アクセンに電話をします。ピピピ!
GM/「私だ」
榛名/お前だったのか。
アイザック/くそ、そのやり取りはいい!(笑) アクセン、頼みがある。
GM/「仕事、しているぞ」
アイザック/そちらではない(笑) 相庭 脩駕を連れて教会に戻りたい。理由は疑似令呪で叡斗を押さえつけるかもしれない。
GM/ではGMはお尋ねします。『イベントキー:供給』はありますか?
榛名/……あっ!(笑)
アイザック/……あります! 供給した! しました!
GM/アクセンは元気があるので余裕があります。つまり供給をしてないと「やだ」って断られます。でも今は「可能だ、やろう」と言います。
アイザック/恩に着る。
榛名/アイザックさんすげー! アクセンさんもすげー! アイザックさんが身を削った甲斐がありましたね!(笑)
GM/プツッ。電話が切られました。…………。数分後、何故か刑務所内の職員達がぱたくら何人か動き回り始めます。
榛名/おおお、これは……?
GM/プルルルル。榛名くんへトキリンからの電話が掛かります。
榛名/あ、もしもし?
GM/(ときわになって)「何したんですか!?」
榛名/え……どうしたんですか?
GM/「重要な作戦会議中だったのにいきなり鶴瀬総支配人が電話に出た途端あちこち電話を掛け始めていきなり『異端犯罪者を一時釈放する』なんて言い始めたんですけど!?」
アイザック/そっちに電話が入ったんだ!?(笑)
GM/ここでギャグ注釈を入れます。……アクセンは10年前、異端刑務所に収監されました。本来ならばあの人は大犯罪者なので、異端刑務所に居なければなりません。
榛名/ええ……(笑)
GM/ところがどっこい、鶴瀬総支配人に≪魅了の魔眼≫を使った結果、クリティカル成功してアクセンは脱走しました。それを聞いたトキリン大爆笑。「じゃあ一般人のふりしてやり過ごしませんか?」と提案しました。
榛名/鶴瀬さん、まだ魅了にかかっているんですよね!(笑)
GM/鶴瀬は操られており、要は言いなりです。これは誰かがこの真実に気付いて鶴瀬を解呪してあげない限り、アクセンは普通に活動をし続けるのです。という訳で、アイザックがアクセンに電話→アクセンが鶴瀬に電話→洗脳鶴瀬が異端刑務所に電話→イマココ!
榛名/功を奏した! アクセンさんさまさまだなー!(笑)
GM/なお、高坂は「刑務所から出てきたってことはあの人は許されたんだな?」と思ってときわの隣のアクセンを信用してます。
アイザック/高坂さーん!? もっと疑おうよー!?(笑)
GM/なんということでしょう! たった15分で相庭 脩駕が釈放されました! これには脩駕本人も「いいの!?」と焦り顔。
榛名/アクセンさんってそういう人なんです! あの人が「コクッ」ってやった瞬間、国が動きます! 現に今、動かしました!(笑)
アイザック/鶴瀬さん、可哀想!(笑)
GM/さすがに鶴瀬は怒っていい。とはいえ、看守さんも「相庭くんは模範囚だから問題なんて起こさない! いい子だし大丈夫だな!」とちゃんと見送ってくれます。
榛名/協力的な人たちで本当にありがたいですねー!(笑)
アイザック/陽向もビックリだよ!(笑) すぐ刑務所に戻ってくるという約束をして、教会に連れて行こう!
GM/テッテレー、脩駕が仲間になった! 『イベントキー:脩駕』をゲット! という訳で、シーン終わりです。叡斗くんへのダメージ2D6点をどうぞ。
アイザック/いきます!(ころころ)7。この出目を戦闘のとき出したいー!(笑)

 叡斗の現在【HP】34→27

榛名/≪紅蓮の指≫を使用します。アイザックさんにまた動いてもらいましょう。
アイザック/(1D6ころころ)陽向のシーンだ。では、車ですぐ戻ろう。

 脩駕を連れて、叡斗が今も戦うN市の教会へ向かう一同。
 AF判定の難易度は600まで減少し……。


アイザック/(ころころ)クリティカルです!
GM/すげー!? またクリティカル!? 『現在難易度:600分の148』です!
榛名/普通そんなにクリティカル出ませんからね!?(笑)
アイザック/戦闘で死ぬかもしれん!(笑)
GM/では……N市に戻ってきた一同。一面の雪、いや溶けてるからみぞれ状態。12月の景色なら納得できる景色になっています。今は7月ですが。
榛名/マジかよ。さすがに凄いな、この状況……。
アイザック/狂化状態というのは、これほどなのか……。
GM/異常気象だとニュースがテレビのラジオからも流れているね。それでもその程度の騒ぎしか起きていないから良いと言うべきかな。では、陽向のシーンということで車の中で陽向が話し始めますね。「……オレも、脩駕と一緒に叡斗がいる地下に下りることはできる?」
榛名/それは……。
GM/脩駕が「危険だから行かない方がいい」と断ります。すると陽向は「叡斗が危ない目に遭っているんだから! オレが力になるんだったら助けてやりたい! 行きたい!」と言います。
榛名/……きっと、叡斗くんも陽向くんが危険な目に遭っていたら同じこと言うんだろうな。
アイザック/……言うわ(笑)
榛名/魂の形って本当に似るんだなー!(笑)
GM/「脩駕がいれば叡斗の抵抗判定の難易度が17になるかもしれない。そこに、もう一人……オレもいれば、難易度15ぐらいに下がったりすると思う!」
榛名/それは凄い! 頼りになる!
GM/「ただ、オレは狙われたら一発で死ぬ。具体的に言うと、最大【HP】は25だ。ダメージ25点以上が出れば死ぬ」
榛名/うえー……そうなりますよね。
GM/「攻撃をされる前に、脩駕とオレで呼びかけて叡斗を救うんだ。戻ってきてくれるかは、叡斗が全て握っている……」
アイザック/アイザックも榛名も蘇生やカバー特技が無い。ほぼ一般人に等しい少年たちを前に出すのは憚れるな。あと判定ダイスって振るの、私ですよね!?(笑)
GM/なちこ以外にいないよ(笑) 「叡斗を助けられたら、オレ達はオートタイミングで退場する。……もし叡斗が救えなかったら、オレが犠牲になってでも叡斗を救ってみせるから」 マジな目をします。
アイザック/……これ、危ないな!?
GM/もし叡斗くんを助けることができなかったら、[世界遣い]の陽向は[異端者]の脩駕と手を組んで叡斗くんを救うことを優先します。何度も言いますが、世界の抑止力ルールがあるためこのセッションでPCの叡斗くんを死なせません。ですが、狂化した叡斗くんを止めるために集められたNPCのエージェント150人には……。
榛名/NPC150人が、死ぬ……!? そ、その目、やりかねないですね!?
アイザック/そんな彼らのストッパーが叡斗だったので……やばいな。必ず救助を成功させよう。
榛名/俺達で何とかしよう……!
GM/ではでは、陽向と話したので『イベントキー:陽向』を差し上げます。……これでブリジット、陽向、ときわ、まりさ、脩駕、全員のイベントキーをゲットできたね。そろそろ叡斗くんの【HP】もヤバイ。クライマックスフェイズが近付いてきたよ。


 ●ミドルフェイズ5/アイザック 〜最後の手〜

アイザック/そろそろアクセンが決定打を持ってきてくれると思う。(ころころ)5、ピンポイントでアクセンのシーンだ!
GM/出目が高い。なちこ、クリティカル連発といい今日の出目が良すぎる(笑)
榛名/怖いな〜(笑)

 教会に向かっているであろうアクセンを待つ一同。
 AF判定の難易度は452まで下がり、いざアイザックが判定を行なったところ……。


アイザック/(ころころ)クリティカルです。
GM/連発しすぎじゃない!?(笑)
榛名/おかしいおかしい! いくらなんでも2D6で10以上が出過ぎですよ!?(笑)
GM/いやー、絶好調すぎるわ。『現在難易度:452分が194』ですよ……。ねえ、せっかくだから先に叡斗くんのダメージを決めようか。2D6を握り締めて!
アイザック/いきまーす。(ころころ)えへへ、11!
榛名/なんでそんな出目が高いんですかぁ!?(一同爆笑) さすがなちこ先輩の出目ですね!(笑)

 叡斗の現在【HP】27→16

GM/叡斗くんは前線系の[闘士]だから【HP】60もあるし余裕で生きるだろと思ってたのに……ギリギリだね(笑)
アイザック/やばいやばい、絶対次の2D6で殺してしまう!(笑)
GM/脩駕を乗せた車が教会に到着。そこはもう、「外に狂化の影響が出すぎだよ!」「このままだと一大事!」「さっさと倒してしまおう!」という大勢の声で溢れておりました。
榛名/あわわ、大騒ぎ!?
GM/ですが、まりさが「待てって! さっき電話でアイザックさんが手掛かりゲットしたからって言ってたからー!」と出撃寸前の一同を止めている状態です。
榛名/さすがまりさ!
アイザック/遅くなってすまない。すぐにその場に駆けつけます!
GM/まりさの顔がパァッと明るくなります。
アイザック/か、かわいい、さすが美少女!(笑) ギリギリの状況のようだな。……アクセンは来ているか?
GM/「呼んだか」 ちょうどそのとき、ほぼ同じタイミングのように新たにリムジンが到着。赤毛の人が降り立ちます。「やあ。元気でやってるか」
アイザック/おかげ様でだ。何か判ったのか?
GM/まずは確認です。叡斗くんの【HP】が尽きる前である今、イベントキー……ブリジット、陽向、ときわ、まりさ、脩駕はお持ちですか?
榛名/はい! 全員と会えました!
GM/イベントキーを全て所持した状態でミドルフェイズを続けられた場合、アクセンが『ある解決策』を提案します。「私が血を吸えばいい」
榛名/……あっ。
GM/「≪背徳の従者≫だ。彼の血を吸い、私の配下にする。私がマスターとして暴走を止めよう」
榛名/なるほど!?

 ≪背徳の従者≫
 死者を無理矢理蘇らせる[異端者]の副特技。
 戦闘不能・死亡から【HP】を1まで回復する。使用者と『契約』完了し、使用者のサーヴァントになる。


アイザック/荒療治だな。
GM/「ブリジットを見て思い出したのだ、『そういえば私はその特技を使ってブリジットを配下にしたのだ』と。私が血を吸うだけでいいのだ、100%配下にできる。中の人が許してくれればな
アイザック/……いくつか確認したいことがある。
GM/事務所の確認、してください。
榛名/プロデューサーさん!(笑)
アイザック/≪背徳の従者≫を使用した結果、叡斗が吸血鬼化することはないんだな?
GM/「ない。血を吸い過ぎず、私の血を与えなければ吸血鬼化はない」
アイザック/貴方の加減次第か。契約状態に持ち込む訳だが、その後は?
GM/「一次的に洗脳し、私の指示に従ってもらう。完全に眷属にするのではなく、一時キャラクターシートのマスター欄に私の名前を書いてもらう。『契約』の切り方は心霊治療を受ければ消えるし、『契約』解除を令呪で命令してもよい。ケシゴムがあれば名前を消せるぞ
榛名/マジックペンを使わなければ! ヨシ!(笑)
アイザック/ならば決まりだな。
GM/「それと、もう一つ。吸血の手段は私の思い付きだが、禁書を探っていた結果が……これだ」 アクセンは1冊の禁書を出します。「教会が魔物を封印している手段と同じものだ」
アイザック/なに……?
GM/「10年前に魔物は、陵珊山にいた能力者達によって封印された。その封印を守るべく魔物自身を鎖で雁字搦めに抑え込んでいる。その鎖に関する本、『啓発の鎖の禁書』だ」
アイザック/元々は、[聖職者]の特技の……!

 『イベントキー:啓発の鎖の禁書』
 タイミング:セットアッププロセス  判定:【任意命中値】+30  対象:単体  射程:20+30m  代償:6HP  回数:なし
 30ラウンド間、【行動値】を−[30+3]する。この特技によって【行動値】が0以下になった場合、行動不能となる。


GM/この「30」というのはアイザックさんから頂いた30です。
榛名/吸われた甲斐がありましたね!(笑)
アイザック/アイザックは犠牲になったのだ! 腐女子の私が「ほら、アクセンに血を吸われて正解だったじゃねえか!」って拍手してる!(一同爆笑)
GM/「魔物の封印が解かれるかもしれない。そうでなくても、暴走した奴の歯止めがきかないかもしれない。持っておいて損は無いだろう? 今すぐ目を通せば2人とも使えるぞ」 2人とも『イベントキー:啓発の鎖の禁書』を入手してください。
アイザック/アイザックは≪瞬間思考≫でセットアップ特技が2つ使用できる。使わせてもらおう。
榛名/凄い! アイザックさん凄い! NPCみたいな動きができる!(笑)
アイザック/ここまでくれば完璧だ。再度、高坂に掛け合ってくる。アクセンも地下に来てくれ。
榛名/よろしくお願いします! ……やっと叡斗くんに会えるー!
GM/では……これにてクライマックスフェイズに参ります。その前に、ちょっとしたマスターシーンを挟ませてください。

 アイザックが先導して、高坂のもとにアクセンを連れて行く。
 榛名とときわは脩駕と陽向を伴ない、教会の地下へ向かう。まりさを始めとする多くのエージェント達も、万が一に備えて万全の待機をしている。
 その光景を、ブリジットは黙って見ていた。榛名達の後を追おうとしているブリジットに、
 「お久しぶりですね」
 ただ一人、話し掛ける男がいた。いつの間にかブリジットの背後に立っている、金髪碧眼の人物。名をルージィルという。


榛名/おおお!? ルージィルさんだ! 『人外夜会』では珍しい人物が出た!(笑)
アイザック/ループの人がいる! 我々、全然ループしない卓ばっかですもんね。
GM/『AW』の設定上、基本的に「異端・人外はループできない」というのがあるせいでね……アクセンやえんくんやアイザックさんは対象外になっちゃうんだよ。タイムスリップも『イースの禁書』を使った例外だしね。

 ブリジット「あー……あんたはあの10年前の事件の後も生きてたんだっけ」
 ルージィル「いえ、死んでますよ。今はレジスタンスから神の眷属に再就職しまして(笑)」
 ブリジット「そうかい。かつての同僚を見かけたから声でも掛けたのかい?」

 ルージィル「これから最悪の未来が訪れる可能性が、ありえます。
 棚氷 叡斗は救えず、魔物の封印が解かれ、150人が死ぬ。それだけに留まらず、N市の民も虐殺される。ありえる未来です。
 そのような世界になってしまったら、私が手を差し伸べるとしましょう」

 ブリジット「助けてやるから安心して戦ってこい、そう言いたいのか?」
 ルージィル「そうですね。安心して戦ってください。……ですが、『それでいいのですか』?」
 ブリジット「何が?」
 ルージィル「英霊は現界する理由となる願いを叶えたら、もしくは、その願いが叶わないと確定したら、昇華されてしまう。
 貴方は、『ある人物』のために現界した英霊。既に活動している理由は『その人物』のためではなく、『別の人物』のためになってしまっている。
 存在意義が揺らいでいます。いくら明石 榛名から魔力供給を受けているとはいえ、基盤が崩れている今、その身を保っているのもお辛い筈」
 ブリジット「何が言いたい」

 ルージィル「『棚氷 叡斗を救いたいから協力する』のは感動的ですが、その身はそのために作られていない。
 貴方は、無理をなさっている。平気な顔をして、実のところ相当苦痛なのでしょう? 『棚氷 叡斗の救済』ではなく、元の『アクセンの救済』のため欲望のままにその身を費やした方が、貴方自身も楽で幸せになれるというのに」


アイザック/ほ、本当にそうなんですわ……(笑)

 ブリジット「……元々、オレがしたことだ。オレが事態を引き起こした。オレがあいつの大切な人を誘拐させて、オレが狂化させちまったに違いない。
 でも、直前までオレのことを考えて、説得をしてくれた。≪悔改めよ≫を使ってでもあいつを助けたいと……叡斗のこと、救いたいと思っちまったんだよ。
 おかしいのは分かっている。オレのせい、オレが悪いって。でも、それでもな! 『オレが消滅したって構わない』から……!」
 ルージィル「貴方が幸せになる世界、ここだといいですね」


GM/ルージィル、姿を消します。……世界の抑止力ルールがあるため、PC達が死亡という最悪な世界にはなりません。ですが、ブリジットだけは、クライマックスフェイズで全滅になった場合はキャラロスト扱いにします。このようなペナルティを用意しないと「負けても大丈夫!」って思ってゲームの緊張感が無くなるのでね。
アイザック/私達が負けても、運が良ければ蘇れる……って思うと本気じゃなくなる可能性もありますからね。
榛名/萌々花や陽向くんみたいな[世界遣い]達が助けてくれるかもしれないもんな……。でも、ブリジットさんも救われてほしいなぁ!


 ●クライマックスフェイズ 〜救助〜

GM/それでは、教会の地下に到着です。アイザックさん、榛名くん、アクセン、ときわ、脩駕と陽向、まりさや萌々花ちゃんなど大勢のエージェント達……。みんながやって来ても充分戦えるほど、地下のある場所は天井も高く広い空間です。大きなものを封印している所だから。
アイザック/えんも来い!
榛名/えんはチャカポコチャカポコした結果、30倍に増えて部屋中がまっキンキンですよ。
アイザック/怖い!(笑)
GM/榛名くんが一度封をした扉を、エージェント達が開けます。するとビュオオっと冷たい風が! 「寒っ! 北極か!?」って思えます。
榛名/極寒!
アイザック/長時間いると肺が凍ってしまう!
GM/寒いけど、足元はビチャビチャと水浸し。氷が溶けて足場が悪いです。あ、戦闘上のペナルティは無いです(笑)
榛名/叡斗くんが魔物と拮抗してるんだ!
GM/えー……では、大変申し訳ないのだけど、最後の叡斗くんへのダメージロールをしてもらってもいいですか?
アイザック/はーい……。(ころころ)8点ダメージです。殺しそう! あと1シーンあったら殺してた!(笑)

 叡斗の現在【HP】16→8

GM/すげえギリギリ!(笑) ここで叡斗くんの【HP】が0になってた場合、叡斗くんは狂化モードで暴れて大変な状態でクライマックス戦闘を……となるところだったんですが、無事に生きてます。
アイザック/良かった……。
GM/まず、クライマックス戦闘のルールを確認していきましょう。

【戦闘マップ】
 エンゲージ1:脩駕、陽向、アクセン、エージェント達(トループ)
 エンゲージ2:榛名、アイザック
 (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ3:叡斗、魔物

【叡斗の扱い】
 叡斗は、キャラクターレベル15のデータを使用する。
 狂化状態であるため、「最大ダメージを与える行動」を率先的に行なう。
 命中対象は全てランダムで決定する。1:脩駕と陽向、2:アクセン、3:エージェント達、4:榛名、5:アイザック、6:魔物。
 なお、クライマックス戦闘での叡斗の【HP】は、ミドルフェイズ中に公開されていた【HP】と別の数値を使用する(ミドルフェイズ中の【HP】は狂化に関するもの)。


GM/これから戦う叡斗くんの【HP】は8じゃありません。「ミドルフェイズ中に【HP】0になったらペナルティ」というミニゲームだっただけで、クライマックス戦闘は別の数値で戦ってもらいます。
榛名/はーい。ところで叡斗くんって範囲攻撃は持ってましたっけ?
アイザック/持ってます。≪疾風迅雷≫で射程は至近だけど範囲ですね。
GM/ということは……もし初手で叡斗くんが動いて、榛名くんを命中対象にした場合、同じエンゲージにいるアイザックさんも範囲攻撃の餌食になるね。これ、アクセン達を当てられたら大惨事だ(笑)
榛名/やだなー!(笑)

【魔物の扱い】
 とても凶悪な存在だと身に染みて判る。【HP】は無限大。全員が「倒せる気がしない」と本能で察する。
 3ラウンドのクリンナッププロセスまでに決着がつかない場合、大勢が暴れる不安定な状況の隙をついた魔物が封印を解いてしまう。バッドエンド。
 命中対象は全てランダムで決定する。ランダムチャートは叡斗と同じものを使用する。


GM/勝とうとは思わないこと! 魔物はおもむろに攻撃します。
アイザック/おもむろて!(笑)

【脩駕と陽向の扱い】
 脩駕と陽向は2人で1体のキャラクターとして扱う。最大【HP】25。
 クリンナッププロセスに≪オリジナル特技「呼びかけ」≫を使用する。宣言後、叡斗は【意志】判定(難易度:20)を行なう。成功した場合、狂化が一時的に解除される。
 脩駕がシーンにいる場合、難易度−3。陽向がシーンにいる場合、難易度−2。
 つまり叡斗は【意志】判定(難易度:15)に成功すれば、正気に戻れる。


アイザック/GM振ってください!(笑)
GM/なちこが振ってください!(笑)
アイザック/嫌やー! この状況で出目が暴走したら怖いー!(笑)
GM/叡斗くんの【意志】は5やろ!? 2D6で10が出ればOKだよ! 今日のなちこならイケる!(笑)
榛名/≪幻想式≫は使えますね?
GM/叡斗くんを味方だと認識するなら。
榛名/味方ですよぉー!

【アクセンの扱い】
 戦闘マップに配置しているが、戦闘参加はしない。
 叡斗の範囲攻撃の対象になっても、≪契機惑乱≫があるためアクセンには命中しない。
 魔物の攻撃対象になっても、≪タイマストトバールの魔眼≫や≪器の支配・改≫があるためアクセンには命中しない。(ある意味、命中対象の当たり枠)
 叡斗が正気に戻った状態で、叡斗を【HP】0にすること。クリンナッププロセスにアクセンが≪背徳の従者≫を使用できれば、叡斗をサーヴァントにできる。
 サーヴァントになった叡斗に狂化解除の令呪を使用すれば、叡斗を完全救出できるものとする。


GM/アクセンは言わば壁役ですね。≪麗しき犠牲の盾≫も持っているので、いざとなったらPCを庇わせることもできますよ。
榛名/頼り甲斐のある壁ですな!
アイザック/アクセン、そこにいてくれ!(笑)

【行動値】
 魔物:50
 アクセン:28
 叡斗:18
 アイザック:17
 榛名:17
 脩駕&陽向:1


GM/それでは、クライマックス戦闘を始めましょう。第1ラウンド、セットアッププロセス。一番手の魔物、≪死の宣告≫を使用。
榛名/うえー!? 対象はアクセンさんですか!?
GM/指定すんな(笑) ダイスで対象を決めますよ。(ころころ)脩駕&陽向、2ラウンド目に2人は死にます。
アイザック/死ぃ!?
榛名/そ、その前に1ラウンド目で叡斗くんを取り戻せて戦闘除外すればいいんですよ!
GM/その通り。だから必然的に、1ラウンド目に脩駕と陽向の仕事を終わらせてあげないとヤバイね。では叡斗はセットアップに≪黄金の身体≫を使用。【防御点】を15点追加。
アイザック/セットアップに≪瞬間思考≫+≪空間知識≫+≪啓発の鎖≫を使用します! 対象は誰に……?
榛名/叡斗くんにしましょう! 範囲攻撃が来るのはヤバイです!
アイザック/では、叡斗を狙います。命中14+30で振りますよ。
GM/アイザックさんから吸った血による力です、ご堪能ください(笑)
アイザック/凄いなぁ! 命中44で振る!(ころころ)えっ、ひどい!? 命中ダイスが1・1!? ファンブル!
榛名/えええええ!?(一同笑)
GM/なちこ、凄いわ!? あんだけクリティカルを出しておきながら! 一番重要な戦闘の初っ端ダイスがファンブル! うますぎるよ! 『アウエリ』だったら雪崩に巻き込まれるよ!?(一同爆笑)
アイザック/ここでも死んでるわ!(笑)
GM/……ブリジット、手を上げていいですか。(ブリジットになって)「な、なあ! オレ使っていいか!? ≪悔改めよ≫!
アイザック/使っていいですかぁ!?(笑)
榛名/ぶ、ブリジットさぁん……ありがとう!(笑)
GM/「おいロンゲ本気出せえええぇー!」(一同笑)
アイザック/クソッタレー!(笑・ころころ)命中50です! 温情だけでポンコツな私は生きている!(一同爆笑)
GM/(ころころ)叡斗くんは回避15で避けられませんでした。≪啓発の鎖≫を受けた叡斗くんは、手足が縛られ、行動済みになります。全力≪戦乙女の知恵≫+≪魔法剣≫殴りができなくなりました。
榛名/ありがてえ、良かった。榛名はセットアップで≪闇の衣≫を纏います! もう第1ラウンドが終わったかのような充実感!(笑)
GM/セットアッププロセスが終わったので、メインプロセスに移行します。一番最初は、魔物。
榛名/その前に、≪鳥躍≫を使用! 榛名がメインプロセスを得ます! ささっと叡斗くんに攻撃しますよ、全力でダメージを叩き込んで【HP】を0にしなきゃ!
GM/……あ、【幸運】判定で難易度8をしてください。アクセンがボソッと何か言うのを聞いたかです。
アイザック/(ころころ)12で成功です。
GM/(アクセンになって)「奴の【HP】は258だぞ」
榛名/なにその凄い具体的な数字!?
GM/「452−194だ」
榛名/え。……あああー!? なるほど!?
アイザック/ミドルフェイズのAF判定、あれって無駄じゃなかったんだ!? ラスボスの【HP】だったんだ……!
榛名/目標値が判った……いきます! ≪幻惑の衣≫+≪這いよる混沌≫+≪機能維持≫+≪魔法剣≫で、叡斗くん攻撃! 保険の為に≪幻想式≫を使用します。榛名は抜かりない男である!

 ≪幻想式≫を使用しての命中判定に成功した榛名は、叡斗に【防御点】無視109点のダメージを与える。
 そして、イニシアチブプロセスで≪血の彫像≫+≪血のいざない≫を宣言し、モブ1体を作成した。

榛名/菌的な何かが現れます!
GM/えんくんのカビルンルン?(笑) では魔物のターンです。行動は全てランダムで決定します。GMも何が起きるか判らない!(ころころ)魔物は封印を突破して、爆散します。
アイザック/ええっ!?
GM/[領域遣い]の≪爆散≫を使用。シーン視界全員に14D6点ダメージを与えます。
アイザック/死ぬって!(笑) ≪光の一手≫の使用を宣言します!
GM/禍々しい塊から黒い触手がババッと出てきて、この場にいる全員に襲い掛かる。全員「なんだあれ!?」と茫然と受けちゃうところでしたが、アイザックさんのおかげでみんな助かります。
榛名/アカン! さすがにアカン!(笑) アイザックさん、ヒーローだ! 後で表彰されますよ!
アイザック/判らないぞ、最初にファンブル出したから。
GM/安心して、ここは貴方がファンブルを出した事実は無かったことにされた世界よ(一同笑) ……そんな訳で、こういった大ダメージの攻撃がランダムで起こります。

 アイザックはマイナーアクション≪興奮剤EX≫+≪上級感応力≫+令呪で全体の【MP】を38点回復。
 メジャーアクションは待機を選択した。


GM/100人近くに≪興奮剤EX≫を撒いてくれた(笑) ではクリンナッププロセスに参ります。脩駕と陽向が、叡斗の名前を呼ぶ。ただ名前を呼んでいるように見えますが、魂に訴えかける声です。……叡斗くん。
叡斗/はい……。
GM/難易度15の【意志】判定をどうぞ。2D6で10以上が出れば成功だよ。
榛名/≪幻想式≫を使用!
GM/2D6で6以上が出れば成功になりました。どうぞ。
叡斗/参ります!(ころころ)……出ました! 達成値16!
GM/狂化状態が一時解除になります!
叡斗/……剣を構えていた状態から、ふっと力が抜ける。
GM/「やったか!?」 みんなが希望に満ちた目で叡斗を見る。その台詞はフラグである。
榛名/あかん!(笑)
叡斗/周囲を見渡す。まったく状況が読み込めない……身体がも重い。
GM/一時解除に成功しました。あとは、この状態の叡斗くんの【HP】を0にして、戦闘不能にすることでアクセンの≪背徳の従者≫が可能となります。これにて任務完了の脩駕と陽向はシーン離脱します。
アイザック/そうだ、逃がさないと! 急いでこの場から出てくれ!
榛名/早く逃げて! 後は任せろー!
GM/脩駕が陽向の手を引いて急いで出ていきます。その2人の姿を叡斗くんは意識していいよ。
叡斗/あれは……相庭くんか……。
榛名/いつもの叡斗くんらしい顔になってきたな。ほっとするー!

 来たる2ラウンド目。
 セットアッププロセスにアイザックは魔物に対して≪啓発の鎖≫を使用。【行動値】50の相手だったが、榛名による令呪を使用することで恐ろしいランダム行動をする魔物を行動済にすることができた。
 そうして榛名はメインプロセスで、再び≪魔法剣≫の【防御点】無視を宣言し……。


榛名/(ころころ)叡斗くんに、ダメージは……153点の無視ダメージ!
アイザック/いったー!
GM/どちらも【防御点】無視だから、109+153で……262。258、いった。……どのように叡斗くんに攻撃を?
榛名/萌々花がiPadでスキャンした魔導書をトレースして、そこから剣を出す! 血のように真っ赤な剣が、叡斗くんの氷の障壁を打ち砕く!
GM/叡斗くんを攻撃というより、暴走した叡斗くんの異能である氷を破壊という感じかな。では、榛名の赤い剣がバキバキと壁を破壊!
アイザック/全て破壊されたところで……アクセン!
GM/アイザックさんが声を掛けたときには、既にアクセンは叡斗の至近に立っている。
榛名/早い!(笑)
アイザック/怖い!(笑)
GM/(アクセンになって)「氷遣いの血は歯に染みるんだが」
アイザック/ジョーク!(笑)
GM/叡斗くんがなんだと顔を上げた瞬間、首元に食らいつく。牙が立てられます。
叡斗/叡斗は悲鳴を上げます。
榛名/ギャー! 絹を裂くような悲鳴が!(笑)
GM/…………。
叡斗/う……。
GM/…………。
叡斗/…………。
GM/…………。
榛名/…………。
GM/…………。
アイザック/長くないか?
榛名/吸いすぎ! 吸いすぎ! 長い長い長い!(笑)
GM/……ちゅー……。
アイザック/みんなも「長い長い」言い始めるぞ!(笑)
榛名/あらゆる角度から来る「長い長い」!(笑)
GM/萌々花ちゃんもまりさも「長いね」「長っ」って愚痴り始め、ついにはブリジットが「長いんだよバカ!」ってキレるレベル。
アイザック/おいアクセン、もういいだろ(笑)
GM/榛名と叡斗のどっちかを吸うの、念願だったんだ。……けどここで、しをんちゃんが「やめてあげなよ」と発言。「はい、おばあさま」とアクセンは口を離します。
榛名/あっ(笑)
GM/おばあさまの言われたことはしっかり聞く孫であった。おばあさまじゃないけど。孫でもないけど。という訳で、アクセンが叡斗くんに「正気に戻れ」と令呪使用を宣言。永続狂化→一時的狂化→正常に戻します。
叡斗/そこで……叡斗は寝落ちますね。
GM/アクセンは大事に抱きかかえて榛名くん達へやって来ます。
榛名/あああー!? 姫抱っこだ!
アイザック/やぶさかではない(笑) すぐにここから出るぞ! 大慌てでこの場から全員出たところで、扉を閉める!
GM/叡斗くんの異能の暴走が無くなったことにより、氷が無くなっていく。そして外は元の夏の暑さを取り戻していく……。クライマックス戦闘、これにて終了です。お疲れ様でした。
榛名/良かったー! 冷や汗が凄い! でも……戻ってこられた。
アイザック/終わったな……。でもアクセンがこんな大勢の前で堂々と血を吸うなんて、みんな≪魅了の魔眼≫で記憶操作されるのでは?
GM/よくご存知で。
アイザック/付き合い長くなってきましたから!(笑)
GM/みんな帰るぞ〜という流れの中、アクセンが「そういえば皆の衆」と少し大きな声で呼びかけます。……PC代表者の美雲ちゃんと、しゅうらちゃんのPCに出てきてもらいましょう。ここに居そうなしゅうらちゃんのキャラって誰?
榛名/薫子ですね。(薫子になって)「高坂さん高坂さん! 薫子も頑張りましたよ褒めて褒めてチュッチュですよチュッチュー!」
GM/(高坂になって)「はいはい冗談はいいから早く上に戻って傷の手当をしような〜。それにしてもあんな凄そうな吸血鬼だったんだな、アクセンくんって……」 そう言って一同は、声を上げたアクセンを見る。
榛名/(薫子になって)「いやー、アクセンさん激ヤバでしたね! イケメンだし!」
GM/目を見た瞬間、意識が飛ぶ。
榛名/(薫子になって)「ウッ」
GM/(高坂になって)「…………。みんなの戦い、凄かったね!」
榛名/(薫子になって)「ホントみんな凄かったねー! ヤバかったねー!」
アイザック/(美雲になって)「マジヤバかったねー! ていうかやっぱ怪我人多いわー! 医務室いっぱいでしょ! あたしいつ診てもらえるかなー?」
榛名/(薫子になって)「3時間待ちっすかねー!」
GM/……という訳で、「アクセンが吸血鬼でしかも魔王」という記憶は、シーンにいるほぼ全員打ち消されましたとさ。善良な薫子ちゃんや美雲ちゃんはアクセンの支配下に置かれるのであった!
アイザック/また勝手な……(笑)
榛名/アクセンさん、ずっとこういうことしてる人なんすね……(笑)


 ●エンディングフェイズ/榛名&叡斗 〜歓喜〜

GM/榛名と叡斗のエンディングシーンをしましょう。……叡斗くんは優先的に特別治療室に運ばれ、待機していた心霊治療のスタッフとかに対応されました。榛名くんも第一線で戦っていたので医務室に放り込まれます。叡斗くん、目を覚ましていいよ。
叡斗/目が覚めます。……ここは、どこだ?
GM/医務室の天井が見える。
叡斗/ここは医務室か? 身体を起こそうとしますが……重い。それでもなんとか起き上がります。……明石さん?
榛名/うええ叡斗くん!? おおお!?
叡斗/思わず声を掛けながらベッドから下りようとして、失敗! がこん!
榛名/叡斗くん!? ちょちょちょ!?
叡斗/明石さん……大丈夫ですか?
榛名/こっちの台詞でっせ、それは! 記憶はあまり無いよね? いや、無くていいんだけどさ!
叡斗/はい。ただ……色んな声がとにかく頭の中にずっと響いていた。気が付いたら色んな人に囲まれていて……。そうだ、陽向は!? あと、相庭くんによく似た人の姿も見たんだが!
榛名/驚くなよ。あれは、相庭 脩駕くんです。
叡斗/嘘だろ。
GM/その2人なら、この部屋の……扉を挟んだ向こうで座って待ってるよ。
叡斗/……様子を見に行こうか。
榛名/いやいや、安静にしろって!
GM/2人が登場していいのかな? それなら部屋に入ってくる「叡斗〜! キャンキャンキャン!」という陽向と、「叡斗……クゥーンクゥーン」と心配そうな脩駕の姿が。
榛名/すげー、みんな犬だ(笑)
叡斗/陽向も、相庭くんも……久しぶりだな。
GM/(脩駕になって)「久しぶり……と言いたいところだけど、前に面会に来てくれたから数週間ぶりだよ」 (陽向になって)「叡斗が元気で良かった! 戻ってきてくれて良かった! 遠くに行かなくて良かった!」
叡斗/2人とも元気で良かった……どうやら2人に助けられたみたいだな。名前を呼ぶ声がずっと聞こえていたよ。
GM/(陽向になって)「そりゃ良かった! 本当に良かった! 叡斗が遠くに行ったら大変だよ……まあ、きっと統十郎さんが追い返してくれるだろうけどね。『こっち来ちゃ駄目だよ』って」
叡斗/言いそう、だな。……相庭くん。すまなかったな、改めて。……君の気持ちをまるで分かってなかった。
GM/(脩駕になって)「どういうこと?」
叡斗/46億の魂の声を聞いた。そして僕は正気を失った。僕があの声を聞いていたのはたったの1日。君は16年だ。すまなかったな……。
GM/「……なんでそっちが謝るんだか」 脩駕は、叡斗のおでこにキスします。
叡斗/うわっ!?(笑)
GM/「不意打ちでしないと、防御されるから」
叡斗/ううっ……。
GM/「……ありがとう。これからも元気でいて。周りの人にもっと愛されて、統十郎さん達の分まで、生きよう」
叡斗/……うん。……明石さん。
榛名/うっす。
叡斗/貴方にはたくさん助けられた。ありがとう。
榛名/それはこっちの台詞だよ。俺のこと、一生懸命探してくれたの、叡斗くんだし。俺はそれの恩返しをしただけ。
叡斗/……うん。
榛名/叡斗くんがいなくなったら悲しむ人がたくさんいる。叡斗くんに死んでほしくない人達が大勢いて、その人達が助けに駆けつけてくれた結果、助かったんだ。
叡斗/…………。そっか、そうだな……。両手で顔を覆います。僕は何にも分かってなかったな……。榛名さん、貴方も、変わりましたね。いつもとまったく違う。
GM/具体的に言うと、いつもの艦これTシャツじゃない。
榛名/こんなの今日だけだよ! 明日からひきこもりに戻るよ! もう当分お外には出ません!
叡斗/まあ、そんなこと言わずに。……榛名さん。
榛名/なんすか?
GM/「明石さん」じゃなくて「榛名さん」だね。
榛名/はっ!? ……な、なんすか!?
叡斗/……随分前から「明石さん」って呼び方が他人行儀だなって思ってたんですよ。でも……言って、失敗したかなって思ってる。
榛名/うえええ!? ああああ!? ふううう!?(笑) ……ちょっと寝るかー! 休む! 俺ちょっと寝るわー!
GM/そう言う榛名のもとにも萌々花ちゃんが「ハルナー!」とお見舞いに突撃しに来たり、その後ろにはおじいちゃんのサトルくんがいたり。まりさが心配して駆けつけてきたり、子供みたいに泣いて喜ぶトキリンがいたり。賑やかな日常が、無事に戻ってきたのでした……。


 ●エンディングフェイズ/アイザック&えん 〜どうして〜

GM/お次に、アイザックさんとえんくんのエンディングシーンです。
えん/えんはモブですから生きてます!(笑) いや〜、みんな生きてて良かったねー!
アイザック/正直このような経験は初めてで慌ただしかった。さすがにここまで恐ろしい経験は早々したくないものだな……。
GM/アイザックさんとえんくんは、叡斗くんももちろんのことエージェント全員が無事であることを確認できました。そして高坂が現場復旧委員会との相談のもと、「恐ろしく冷たい竜巻の影響で季節外れのみぞれが発生」という表向きの報告をすることになりましたとさ。
えん/異常気象、頑張ったね!(笑)
アイザック/魔物の前に行って死人が出なかったのは奇跡だな。
えん/まー、ひとえに若者とアイザックさんと魔王様のおかげじゃないでしょうかー?
アイザック/もう飲んでいるのか、えん?(笑) 私は仕事が残っている。教会に戻るぞ……。
えん/えー、もっと一緒に居ましょうよー。アイザックさんの足元にすがりつく!
アイザック/やめてくれ。
えん/ねえ、すっごい不思議だったんだけど。……アクセンさん。
GM/(アクセンになって)「何かね」
えん/アクセンさんだったら、魔物側につくと思ってた。魔物の味方だったんでしょ? それなのに叡斗くんを助ける方に動いてさ、なんで? それ疑問を持ったんだけど。
GM/「大勢に『助けろ』と頼まれたから助けた。その方が良いと言われたからだ。それだけだが?」
えん/……ははは。
アイザック/確かにそうだ、そうだが……。眉を顰めます。やはり貴方が考えているのことは、よく判らない。……そういえば、ブリジットの件で……教会に処遇はどうなるか知らないか。
GM/「ブリジットは私のものではないから知らないよ。それは榛名殿と相談してくれ」
えん/まあ、主従関係ですらないもんな。
GM/「その通りだ。私のキャラクターシートにはサーヴァント欄は『叡斗』と書かれている
アイザック/そろそろ目覚める頃だから契約を切ってやってくれ。
GM/「…………」
アイザック/なんだその顔は(笑)
えん/なんか、惜しそうな顔をしたね?(笑) アイザックさーん。アクセンさんのこの顔は……手籠めにしたいっぽいよ。ド好みだもんねー!(笑)
GM/可能であれば榛名も欲しい。
アイザック/おい。勘弁してくれ。今後の任務に差し支える。
GM/え? マジで? 何も手ぇ出してないのに? 契約ここでもう切らなきゃいけないの? まだ食べてないのに? 榛名と一緒に丼でもいいのに? どうして? えええー? という顔をしながら良い子のアクセンは契約を切りました。
えん/本音ダダ漏れじゃないですか!(一同爆笑)
アイザック/なんだ今の間は(笑) 叡斗的には「怖かったよ! 早く切ってよ!」って思ってますよ! 頸動脈ガップリ食べられたらそりゃ怖がるよ!(一同笑)


 ●エンディングフェイズ 〜今後の関係〜

GM/……最後に、榛名くんと叡斗くんのエンディングシーンをもう1つ。ブリジットについての話をさせてください。榛名くん達が休んでいるときにひょいっと現れる猫のようなことをしたい。
榛名/猫だ。犬が去った後に猫が来る(笑) それじゃあ、さっき「休む!」と言って叡斗くんと一緒に一寝入りした後ですかね?
GM/にゃーん。では、深夜の時間帯で。
叡斗/ゆっくり休憩中。
榛名/…………。俺、寝すぎて寝れねえ……。
叡斗/僕もだ。
榛名/しりとりでもする? マジカルバナナとか? ……あ、やったことない顔だな!?
叡斗/き、聞いたことはあるが……。
榛名/でも実は俺もいまいち分かってないんだよね、友達いなかったからやったことない!
叡斗/ぐぐって調べてやってみるか……。
GM/なんだこの会話は(笑) 2人きりで話していると、ふっと風が吹き……いつの間にか窓辺にブリジットが居ます。
榛名/おっ? ブリジットさん……?
叡斗/叡斗は正気に戻ってからブリジットに会うのが初めてだ。……良かった、怪我は無かったんだな。
GM/叡斗くんの鼻を引っ張る。
叡斗/ぐ? 痛いぞ、なんで引っ張るんだ?
GM/「痛覚がある。反応もある。自我が生きてるな。……これからあんたは心霊治療通いの日々を送るだろう。異端堕ちをしたが戻ってきたというレアケースな患者としてな」
叡斗/あんまりそういうのは好まないんだが……むう。
GM/「……ありがと。こんなオレを救ってくれたヒーローだからな。お礼ぐらい言わないと」
叡斗/なんだ……いやに素直じゃないか。どうした、風邪でも引いたのか?
GM/「先に、この3部作セッションの本来予定していたシナリオの話をしていい?
榛名/どうぞ。
GM/「『ブリジットによって魔物の目の前で悪さがされてしまった! なんとかPC達はブリジットを食い止めたが、魔物の封印に綻びが出てしまう! 暴走するアクセン&アイザック、暗躍するえん&ヴィオラ、その他異端系PC達! このままだとロストワールドと同じ世界になってしまう……!』を止める最終回だったんだぜ」
叡斗/叡斗の狂化のせいで、だいぶ変わりましたね!(一同笑)
GM/めちゃくちゃ楽しいシナリオに変更されたね! これだからTRPGは面白い!(笑) ……ブリジットは、榛名を見る。「こいつを救えた。目的を達成した。残りの令呪で契約関係を切ろう」
榛名/あ。…………。やだ。
GM/「切れよ。助けるために現界を続けた。救えたんだから、もう」
榛名/いーやーだ。
GM/「殺すぞ!?」
榛名/やーだ!
叡斗/お、おい、2人とも……怪我人が何をやってるんだ(笑)
GM/「オレは死人だぞ! もうこの世に留まっていたって願いを叶えることもできない、世界に居る意味なんて無い」
榛名/本当にいいのか! それで! 良くない! ……なんというか、お前は居た方がいい。俺の魔力があればずっと居られるんだろ?
GM/「そうだよ。お前が魔力をずっとオレに送っているから、目的達成で終わったのに昇華できねえんだよ」 叡斗くんはこの会話を聞いて、『ブリジットが叡斗くんを助けるために榛名くんと契約した』ことを察してください。
叡斗/ブリジット……。ちょっと感激します。なんていい奴なんだキラキラキラ!
GM/「その目やめろ!」(笑)
榛名/ていうか、目的が無きゃ消えなきゃいけないんだったら、俺はとっくに死んでなきゃいけなくなる!
GM/「お前そんな寂しい奴だったの!?」 自分のことを棚に上げて言います(一同笑)
榛名/俺は1年前までずっとひきこもりで! 未だに全然夢とか無いし! 対人恐怖症で人と話すと1ラウンド間ヒィーッってなる! こんなオープンな男達に関わることでなんとか話せるようになっている! だからさみどりさんの花屋でバイトも始められるようになったんだ!
GM/そ、そういやそうだったね(笑)
榛名/そして、友達も出来たし……。そんな俺でも生きているんだから、お前だって居ていいだろ!
叡斗/拾い物だと思って、生きているのもアリなんじゃないか。……完全に拾い物の命の叡斗が言います。
榛名/そうだよ。まずは仲良くなるためにマジカルバナナでもしよう。ルールをぐぐるか!
GM/「えっ、お前らマジカルバナナ知らない世代かよ!?」 10年前の人が驚きます。
叡斗/今、ちょうど調べようとしていたところだ。
GM/「これが、ジェネレーションギャップ……? ルール教えてやるよ! っていうかなんでお前らあんな名作ゲームを知らねえんだ!? 一大ブームを起こした番組だぞ!?」 ……なんかブリジット、年下を世話するタイプかもしれない(笑)
叡斗/2人とも、ひとりっ子だから懐きますね!(笑)
榛名/わーい、きょうだいができたー!(笑) お母さんなら「なるほどね」でブリジットさんとの同居ぐらい許してくれます。
叡斗/お母さん、緩い!(笑)
GM/わー……魔力という餌を貰いにいく飼い猫になりました。という訳で、ろくでもないことを教え始める……そんなシーンで『人外夜会』第4話、終わりにします! 3部作セッションお疲れ様でしたー!




→第5話に続く

AWリプレイページ・トップページへ戻る