アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 舟に刻みて欲を求む 』 1ページ ■
2016年9月10日




 ●プリプレイ

 2016年9月。セッション会場となるGMのマーサーの自宅にて。
 『ドロリア』シリーズ以降久々のPvPシナリオセッションに、セッションプレイヤーであるしゅうらせいさんなちこピロの4名が集まっていた……。


GM/『アナザーワールドSRS(以降、AW)』秘密ありセッション、始めていきまーす。
一同/よろしくお願いしますー!
GM/今回は『AW』で、サイコロフィクションシリーズで使われている「秘密ルール」を使った話がしたいというコンセプトのシナリオをご用意しました。一度は『シノビガミ』で作ろうかと思ったシナリオだったんですが、どうしても私がストーリーの根底を『AW』の世界観で作ってしまうので……「いっそ『AW』で秘密ルールをしよう!」と開き直りました。詳しいことは、ハンドアウトをお読みください!



 『アナザーワールドSRS・シナリオ〜舟に刻みて欲を求む』
 コンセプト:豪華客船×人身売買(機関天足)×秘密ありPvPがやりたい!



【レギュレーション】
 キャラクターレベル6で開始。
 PvPを想定。パーティープレイではないため、ハンドアウトにコネクション&推奨クラスの明記無し。
 PC4人は、豪華客船『グリッター号』クルーズ5日間の旅に参加した船舶客となる。
 PC4人の目的は、毎夜行なわれる能力者のみを商品(ジュエル)として扱った人身売買オークション。君達は客(ジューエラー)として毎夜違う者で遊んでもいいし、気に入った者を買い取り持ち帰ってもいい。
 PC4人とNPC達は、たまたま同じバーラウンジで飲食を楽しんでいたとき出会ったものとする。PC同士の知り合い設定は、各々決定してよい。

【ハンドアウト:PC1】
 君は遊び目的でグリッター号の旅に参加したジューエラーだ。
 (一夜を共にする者を探している、興味本位など、参加動機は自由に設定してよい)
 裏社会で噂になっていた能力者限定のオークションに参加するのは初めてだ。
 1日目の夜は同志達と楽しく過ごせた。2日目を迎えるこの旅が、素晴らしい時間になれば良いのだが。
▼セカイのイベント:遊び目的初心者として船舶客になる。

【ハンドアウト:PC2】
 君は仕事目的でグリッター号の旅に参加したジューエラーだ。
 (配下を得るため、研究や実験のための被験者が欲しいなど、参加動機は自由に設定してよい)
 初めて参加したオークションの1日目の夜は様子見で終わった。翌日、何やら慌ただしい話を聞いてしまう。
 スタッフの1人が行方不明になったというが……?
▼セカイのイベント:仕事目的初心者として船舶客になる。

【ハンドアウト:PC3】
 君は遊び目的でグリッター号の旅に参加したジューエラーだ。
 (一夜を共にする者を探している、興味本位など、参加動機は自由に設定してよい)
 裏社会で噂になっていた能力者限定のオークションに参加するのは、初めてではない。
 2日目の朝、慌てているスタッフも何があったのか。そして今夜は落ち着いて過ごせるだろうか。
▼セカイのイベント:遊び目的常連として船舶客になる。

【ハンドアウト:PC4】
 君は仕事目的でグリッター号の旅に参加したジューエラーだ。
 (配下を得るため、研究や実験のための被験者が欲しいなど、参加動機は自由に設定してよい)
 このオークションにはたびたび参加しているが、知り合いのスタッフ・七海が見当たらなくなったという話を聞いた。そのことも気になるが、自分も良い買い物をしないと。
▼セカイのイベント:仕事目的常連として船舶客になる。

(内訳:PC1が遊び目的初心者、PC2が仕事目的初心者、PC3が遊び目的常連、PC4が仕事目的常連)
(※シナリオ舞台は2000年初頭とする。近代ではあるが、携帯電話やネット普及率がまだ50%の時代)


【その他 注意事項】
・全員に≪鎮静剤≫を2つ配布。
・3ラウンド制。サイコロフィクションでいうプライズは無し。
・クラス面:[異端者][アーティスト][イレギュラー]禁止。この3クラスは元々GM向けのクラスなので、PvPに向かないため。
・ルール面:『追加ライフパス』&『英霊ルール』禁止。『異端堕ちルール』解禁。


【登場NPC紹介】
▼NPC1:一ノ瀬。ジューエラー。恰幅の良い中年男性。自分に従事するジュエル欲しさに参加した。
▼NPC2:二宮。ジューエラー。育ちの良い、凛とした雰囲気の少年。配下(サーヴァント)欲しさに参加した。
▼NPC3:三澤。ジューエラー。カメラマン風の一般的な男性。興味本位で参加した。
▼NPC4:四ツ谷。女性。ジューエラー。魔術の研究目的の協力者欲しさに参加した。
▼NPC5:五木。男性。ジュエル。大人しく従順な青年。
▼NPC6:六川。女性。ジュエル。小動物的な少女。
▼NPC7:七海。女性。ジュエル。スタッフとしても働くお姉さん的な存在。行方不明スタッフ。秘密なし。
▼NPC8:大山。男性。50代前後の和装姿の男。グリッター号アミューズメント部門責任者。


【特殊ルール】
▼シーンの進行
 未行動のシーンプレイヤーがシーンを演出し、「情報判定」「感情判定」「メジャーアクションを行なう判定」を行なう。全員行動済になったら1ラウンド終了。
 3ラウンド制なので、3ラウンド全員行動が終了したらクライマックスフェイズに移行する。

▼情報判定ルール
 サイコロフィクションと同じ。シーンを始める前に好きなキャラクターを1体選び、キャラクターの【秘密】か、NPCの【居所】のいずれかを選択する。
 自身がキャラクターメイキングの際に設定した【情報判定能力値】に成功したら、選択した情報を入手する。
 【情報判定能力値】はキャラメ時に自由に設定してよい。(【体力】で秘密を暴く、【幸運】的に居所を知る、など)
 難易度は指定された情報によって異なるが、基本難易度は9とする。(期待値5が出れば成功する行為レベル)

▼感情判定ルール
 サイコロフィクションと同じ。シーンを始める前に好きなキャラクターを1体選び、【情報判定能力値】で成功したら感情表に従った感情を結ぶことができる。情報共有も発生する。
 1:共感/不信 2:友情/怒り 3:愛情/妬み 4:忠誠/侮蔑 5:憧憬/劣等感 6:狂信/殺意

▼感情修正ルール
 自分が【感情】を持っているキャラクターが行為判定を行なう直前に、修正をつけることができる。
 プラスの感情なら達成値+2、マイナスの感情なら達成値−2。≪叱咤激励≫と≪異端審問≫レベルの支援ができる。効果は重複可能。感情修正は1ラウンド1回まで使用可能。

▼居所ルール
 NPCの【居所】を持っていると、そのNPCを味方として操作できる。
 サイコロフィクションと違い、PCには【居所】が無い。NPCの【居所】は、最初に入手したキャラクターのみ所持できるものとし、複数のキャラクターが共有することはできない。
 タイミング:オートで他人に【居所】を譲渡することは可能。
 【居所】を持ったNPCが【襲撃】された場合、味方になっているキャラクターが代理で抵抗判定(難易度は【幸運】難易度14固定)を行なうことができる。
 【襲撃】され行方不明になったNPCの【居所】は入手できない。


【真夜中シーン】
 このシナリオでは、『真夜中シーン』という特殊なステージが存在する。ラウンドの終わり(全員行動済み後、クリンナッププロセス終了後とする)に挿入される。
 真夜中シーンになったら、各プレイヤーは配布された自分の『真夜中カード』の中から真夜中シーンの行動を一つ選ぶ。
 1【襲撃】 2【護衛】 3【パス】
 真夜中カードに【襲撃】を選んでいた場合、その対象を【護衛】している者がいなければ【襲撃】は成功する。PCだった場合、20点のダメージ(【防御点】有効。ダメージ軽減特技使用不可。【HP】0になっても次ラウンドで1点まで回復する)を受ける。NPCだった場合、【HP】0になり、行方不明となる。
 【襲撃】の対象が【護衛】している者が1人以上いれば【襲撃】は失敗し、何も起きない。襲撃者が2人以上いても、【護衛】が1人いれば【襲撃】は失敗する。
 次ラウンドの開始時にGMは【襲撃】と【護衛】の結果のみを説明する。誰が襲撃したか、護衛したかなどは発表しない。



GM/『シノビガミ』のプライズ無しシナリオ『追憶』と『殺人鬼』、そしてトークゲームの『人狼』をリスペクトしたシナリオとなっています。だから登場NPCの人数が8人で多くてごめんね。少しでも判りやすくするために名前を単純にしてみたよ。
プレイヤー1・しゅうら/……NPCの中に、あの人がいますね(笑)
プレイヤー4・ピロ/うん、噂はかねがね聞いている彼がいるね(笑)
プレイヤー3・なちこ/誰とは言いませんが、思いっきりNPC一覧に大山さんがいますね(笑)
GM/えーと、参加プレイヤーの皆さんは大山さんについてご存知かな?
プレイヤー2・せいさん/はい、本日はよろしくお願いします!(笑)

 器守 大山(うつわもり・おおやま)
 超人類能力開発研究所『機関』の上層部の一員であり、第四部署『天足』のリーダー。
 いつもニコニコと笑みを絶やさない、温和な性格の男性。見るからに優しいおじさんだが、機関解体事件発生まで『天足』という能力者の人身売買を行なっていた闇組織の責任者をしていた。
 『天足』では老若男女問わず、捕らえた能力者で商売をしていたが、本人は1桁の子供が大好きなペドフィリア。
 詳しくは、リプレイ『エンジェルダスト』、コラム『異端・異端犯罪者 辞典』参照。


GM/大山さんがどんな人か一言で言うと、「幼女ハァハァ! ネコミミ萌え〜! ロリのオマ○コぺろぺろ! 男女は問わない!」って感じの変態親父です。
プレイヤー1・しゅうら/一切伏せないからプレイヤー一同がドン引くレベル。
GM/でも仕事は出来るんだよ。令呪研究の第一人者だし、奴隷市場の調教師として大成功を遂げて莫大な富を生み出す凄くてとっても優しいおじさんなんだよ。堂々とした変態なだけで。
プレイヤー3・なちこ/私達は、そんな大山さんがアミューズメント部門の責任者をしている豪華客船に乗る訳ですね(笑)
GM/ええ、豪華客船クルーズ旅行です。横浜から出港し、北海道をぐるっと回って帰ってくる4泊5日の、食べ放題・お買い物三昧・カジノ三昧・アーティスト達のショーや演奏会が連日開かれる楽園ですよ。料金は先払い制で、個人的な買い物以外……お食事などはどのお店でもいくらでも食べてもいいというシステムになっています。
プレイヤー2・せいさん/おー、凄いー!
GM/ちなみに私は中学校の修学旅行で船旅をした程度だったので……この日のために「豪華客船で人身売買オークション」を題材にしたレディースコミック、官能小説、BL作品、なろう系を読みあさってきました(笑) 探したら、わりといっぱいあってビックリなジャンルでした。
プレイヤー4・ピロ/よく聞く題材だとは思うけど、そんなにいっぱいあるんだ……(笑)
GM/……そんな訳で、私はBL漫画や小説やCDを大量に聞いた状態で今日に挑んでいる。今のブームは子安武人なのですまない。

プレイヤー1・しゅうら/PC1ハンドアウトを選択。
プレイヤー2・せいさん/PC2ハンドアウトを選択。
プレイヤー3・なちこ/PC3ハンドアウトを選択。
プレイヤー4・ピロ/PC4ハンドアウトを選択。

GM/それでは、キャラクターメイキングをして自己紹介に参りましょう!

プレイヤー1・しゅうら(以降、絢)/キャラクター名、籠原 絢(かごはら・じゅん)です。クラス編成は[闘士]3レベル、[狩人]3レベルです。火力が欲しくて作った!
プレイヤー3・なちこ/ジュンジュン!
絢/ジュンジュンは平凡な男の子です。ライフパスの『重要キーワード』は「平凡」で、『背景』は「平凡で特に目立った特長は無い」です。職業はフリーターです。
プレイヤー4・ピロ/ねえ、なんでこの船に乗っちゃったの? カイジ感!(笑)
絢/なんで船に乗ったのか理由ですが、親戚のおじさんに「お前も年なんだから社会勉強してきなさい!」と言われて渡されたチケットのところに行ったらコレだったんです。
プレイヤー3・なちこ/その親戚のおじさん、この船の常連なんじゃない?(笑)
絢/どうして俺はこんなとこに来てしまったんだろう……今期は捨てた! お願いだからみんな仲良くしてください!
プレイヤー2・せいさん/切実!(笑)
GM/ジュンジュン先生の来世にご期待ください!(笑)

 籠原 絢(プレイヤー名:しゅうら)
 クラス:[闘士3/狩人3]
  体力:14(+4)  反射:15(+5)  知覚:13(+4)
  理知:10(+3)  意志: 9(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:37  MP最大値:18  正気度:6
重要キーワード:平凡  背景:平凡で特に目立った特長はない  特徴:床下手である
ボーナス効果:≪限定回復・HP≫  スキルウェポンのイメージ:弓矢
職業:フリーター  性別:男  年齢:19  身長:180cm  髪色:黒  瞳色:灰
 スキルウェポン→≪無の射撃≫
 闘士→≪命の糧≫ ≪武闘家の血≫ ≪鬼の羽根≫ ≪鳥躍≫ ≪戦乙女の知恵≫ ≪浸蝕≫
 狩人→≪悪雨≫ ≪狩猟の銀手1・2≫ ≪闇纏い≫ ≪零力射撃≫
 一般特技→≪鎮静剤(無料取得2回分)≫

プレイヤー2・せいさん(以降、蘭)/キャラクター名は、香取 蘭(かとり・らん)と申します。コナンくんみたいに「ラーン!」と呼んでください!
GM/ラーン!
蘭/ただし、後半で呼んでください! その方が盛り上がると思います!(一同笑) 身長は170センチ。性別は……男装しているので男に見える筈です。
プレイヤー4・ピロ/ほう、香取くんちゃんですね(笑)
蘭/年齢は25歳、クラス編成は[狩人]6レベルです。職業は探し屋です。今回この船にはお仕事関係で乗りました。クライアントから「良いものを掘り当ててこい」と言われています! 見た目は……三白眼でつり目に困り眉ですね。
絢/か、可愛い!
蘭/真面目で堅そうな雰囲気だけど、話せば魅力的な人間ですよー。よろしくお願いしまーす!

 香取 蘭(プレイヤー名:せいさん)
 クラス:[狩人6]
  体力:12(+4)  反射:12(+4)  知覚:15(+5)
  理知:12(+4)  意志:10(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:26  MP最大値:20  正気度:7
重要キーワード:孤独  背景:2人家族がいる  特徴:探し屋をやっている
ボーナス効果:≪限定回復・MP≫  スキルウェポンのイメージ:銃
職業:探し屋  性別:男装  年齢:25  身長:170cm  髪色:茶  瞳色:茶
 スキルウェポン→≪無の射撃≫ ≪幻の射撃≫
 狩人→≪覇魔矢≫ ≪闇纏い≫ ≪ハヤテの爪先≫ ≪射法訓≫ ≪技芸の雨≫ ≪狩猟感覚≫ ≪蜂の唄≫ ≪神域の耳≫ ≪絶対の自信≫ ≪的抜き≫ ≪零力射撃≫
 一般特技→≪鎮静剤(無料取得2回分)≫

プレイヤー3・なちこ(以降、木ノ葉)/キャラクター名が、庵理 木ノ葉(あんり・このは)です。クラスが[狂戦士]5レベル、[稀人]1レベルです。
絢/アンリたん!
木ノ葉/見た目は普通の人間ですが……『重要キーワード』が「創られし者」なので、実はキメラです。
蘭/ほう、キメラ? カッコイイ!
木ノ葉/職業は産業スパイ。狙った先に忍び込んで、大事なデータを盗んで他の場所に売るという悪いお仕事をしています。ストレスの掛かる仕事だから、パーッとお金を使って息抜きをしないとやってらんない!
GM/遊び目的にグリッター号に乗り込んだんだね。
プレイヤー4・ピロ/しかも常連。定期的に遊びに来てるんだ。
蘭/今回も危険なお仕事を頑張ったんだろうなー。
木ノ葉/頑張った自分にご褒美!(笑) サングラスを掛けた胡散臭い女性です。おっぱいは作りました。
蘭/やった! 作られたおっぱいだ!(笑)

 庵理 木ノ葉(プレイヤー名:なちこ)
 クラス:[狂戦士5/稀人1]
  体力:19(+6)  反射:21(+7)  知覚:12(+4)
  理知: 2(+1)  意志:10(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:47  MP最大値:19  正気度:4
重要キーワード:創られし者  背景:モラルを失くしている  特徴:床上手である
ボーナス効果:≪ダイス振り直し≫  スキルウェポンのイメージ:梟に変身し、カギ爪で戦う
職業:産業スパイ  性別:女  年齢:26  身長:164cm  髪色:灰茶  瞳色:橙
 スキルウェポン→≪殺戮の身体≫
 狂戦士→≪失われた日々≫ ≪獣化≫ ≪狩場≫ ≪不屈≫ ≪単一化≫ ≪戦神の巣≫ ≪食鬼≫ ≪カウンター≫ ≪夢想劇≫
 稀人→≪光の一手≫ ≪見通す眼≫ ≪虚空の翼≫
 一般特技→≪鎮静剤(無料取得2回分)≫

プレイヤー4・ピロ(以降、ウルリヒ)/キャラクター名は、ウルリヒ=N=オウェンです。男の30代後半ぐらい。
GM/ウルリヒさんですか、どこの国の人なんですか?
ウルリヒ/ドイツ人だよ。クラス編成は[魔術師]5レベル、[稀人]1レベル。表向きは宝石商をしています。
木ノ葉/ああ、「表向きは」なんですね(笑)
GM/宝石商で30代後半のお金持ちの男性……CVは子安武人ですか?
ウルリヒ/どちらかというと、速水奨かな?(笑) 外見特徴は、右目に大きめの眼帯をしています。
絢/その右目、喋るんですよね! 「おいウル太郎!」って!
ウルリヒ/喋らないよ!?(一同笑) 仕事目的で参加している理由は、従業員が欲しいと思っています。あと[魔術師]の≪ホムンクルス生成≫でホムンクルスを作りました。
GM/ホムンクルスはPCが持てる2体目のPCです。PC扱いなんですが、ミドルフェイズで自分の手番を持つことはできません。また、GMの采配で登場不可のシーンもありえますのでご注意ください。さて、ウルリヒさんのホムンクルスの形状は?
ウルリヒ/ウルリヒの右目です。眼球に魔力を込めていて、違う力を扱えるようにしてあります。CV:速水奨だから優雅にいくよ!(笑)

 ウルリヒ=N=オウェン(プレイヤー名:ピロ)
 クラス:[魔術師5/稀人1]
  体力:10(+3)  反射: 6(+2)  知覚:12(+4)
  理知:18(+6)  意志:18(+6)  幸運:12(+4)
  HP最大値:21  MP最大値:37  正気度:12
重要キーワード:魔術の実験  背景:目が義眼だ  特徴:大屋敷に住んでいる
ボーナス効果:≪薬物取得・興奮剤≫  スキルウェポンのイメージ:魔法剣
職業:宝石商  性別:男  年齢:30後半  身長:180cm  髪色:黒  瞳色:青
 スキルウェポン→≪魔法剣≫
 魔術師→≪幻想式≫ ≪刻印増強≫ ≪タナトスの足枷≫ ≪ホムンクルス生成≫ ≪望淵鏡≫ ≪魔道具1・2≫ ≪魔法のローブ1・2≫
 稀人→≪光の一手≫ ≪守護の石≫
 一般特技→≪鎮静剤(無料取得2回分)≫ ≪興奮剤≫ ≪強化手術:理知≫

 ウルリヒの右目(キャラクターレベル4)
 クラス[聖職者1/領域遣い3]
  体力:11(+3)  反射:10(+3)  知覚:12(+4)
  理知:14(+4)  意志:15(+5)  幸運:11(+3)
  HP最大値:19  MP最大値:26
 聖職者→≪悔改めよ≫ ≪叱咤激励≫ ≪さきもりの声≫ ≪主の恵み≫
 領域遣い→≪大地の勅命≫ ≪大地の守護者≫ ≪武装粒子≫ ≪食物錬成≫ ≪恵みの蔦≫
 一般特技→≪興奮剤≫


 ●オープニングフェイズ 〜グリッター号1日目〜

GM/一番最初のオープニングシーンは、PC1の絢くんから。初心者の君視点でこの旅を描いていきましょう。
絢/わあ、ドキドキする! リュックサックを担いでスニーカー履いて、船を見上げています! 一般人っつらしとこ!
ウルリヒ/一般人じゃなくて、「一般の能力者」な(笑)
GM/『豪華客船グリッター号クルーズ5日間』。横浜発の北海道ぐるりと一回りの旅の初日、君はついに港にやって来ました。ブオーという音とともに船は出港。君は横浜に帰ってこられるか。
ウルリヒ/セッションの目的、変わってるよ?(笑)
木ノ葉/使命が「生きて横浜に帰る」になってますね(笑)
蘭/客船旅行って言ったらアレですよね! 紙テープを持って、行ってらっしゃーい!
絢/俺は横浜にいたい!
GM/乗ってくれ(笑) 街行く人達……いえ、船行く人達は身なりの良い服装の人が多いね。通い慣れたセレブや、奮発した中流階級以上の人々が君の横を楽しそうに通り過ぎていきます。
絢/し、収入の高そうな服を着ている……!(笑)
GM/船の中は吹き抜けになっている7階建ての景色。船の中とは思えない都市のような造りで、寧ろこの世のものではないようにさえ思えてきます。船の中なのに植物があり、噴水があり……。
ウルリヒ/庶民的に言うなら大きなららぽーとみたいな感じだ。
絢/でも俺、ららぽーとすら行ったことねーよ!?(笑) 買い物しようと思っても、ゼロがたくさん並んでいて……変な声しか出ない!
GM/ここで1人ずつNPCを登場させていきましょう。渋い顔つきの中年男性が、絢くんを「こんな奴もいるんだ」という表情でジロジロ見ています。「……君」
絢/は、はい?
GM/「……ん? 首輪してないな?」
絢/え? ……首輪?
GM/「し、失礼した」 買い物をしようとうろついていた中年男性・一ノ瀬(いちのせ)は、勘違いしていたことを謝罪します。
絢/……やべぇ、俺が売り物だと思われていた!?(一同笑)
木ノ葉/売り物のジュエルはみんな首輪をしているんだ?
GM/首輪というよりチョーカーと言った方が見栄えがいいかな。要は、人間を買う側のジューエラー(客)と、買われる側のジュエル(商品)の区別をチョーカーでつけるシステムがあるんだと察してください。
絢/はー! 俺があと5年若かったら日常的にチョーカー着けてたよ!? 19歳で良かったー!(笑)
GM/非礼を詫びた一ノ瀬は去って行きます。その近くで……腕時計を買っていた少年がやり取りを見ていたのかクスッと笑います。
絢/し、少年なのに腕時計を買ってる!? 凄い!
GM/少年・二宮(にのみや)は、君と目が合うとニコッと笑って会釈をしました。その後は店員のお姉さんに「ママにプレゼントする時計が欲しいんですが、どれがオススメなんですか?」とにこやかに会話をしている。「まだ自分は子供なので、お恥ずかしながらどれが良い物なのか判らないのです。なので一番良い物を頂けますか?」
絢/値段を見ずにダイヤモンドの腕時計を買ってるー!? 俺のような一般市民が来てはいけなかった世界なんだブルブル!(笑)
GM/ブルブルしている絢くんを見た二宮は「た、体調が悪くなった方がいらっしゃいます!」と心配してくる。
絢/ハッ!? ぜ、全然構わなくていいからお買い物を続けてくださいっ!
GM/「大丈夫ですか? 振動は最小限に抑えられていますが、海の上ですし船酔いになる人もいるんですよ。気分が悪くなったらすぐ医務室に行くべきだと思います。医務室の場所は判りますか? ハンカチをどうぞ」
絢/優しい! 良い人だ! 超好感度上がる! ハンカチ使えねぇ! やっべぇ良いニオイがする!
蘭/その感想はヤバイだろ(笑) しかもそれ、ファビュラス酔いだ。
木ノ葉/綺麗な刺繍がしてあるハンカチなんだろうなぁ。使いたくない気分も判るよ、庶民として(笑)

    ◆

GM/PC2の蘭さんはどうしているかな?
蘭/仕事目的でグリッター号に乗り込みましたので、白のスーツを着て洒落こんでいます。でも初心者なので落ち着きを払っているように見せかけて……凄くキョロキョロしてます(笑)
木ノ葉/ついついキョロキョロしちゃうんだね、可愛いな(笑)
蘭/す、凄いところだ……凄いところに来てしまった……5日間遊びきれるかな!?(笑)
GM/料金は前払いなので、個人的なお買い物以外は自由にできます。好きな飲食店にふらっと立ち寄って食べまくってもいいし、ふらっとミュージアムで芸術鑑賞してもいいし、何も持たずにエステで体を癒してもいい。
蘭/キョロキョロと軽く遊ぶ算段を立てながら、「いやいや仕事だし!」と頭を振るいます。
GM/「失礼しますっ!」 蘭さんに話し掛けてくる男性がいます。
蘭/はい?
GM/「自分、こういうものなんですが」と名刺を渡されます。名前は三澤(みさわ)。某三流雑誌の編集者の記者さんだそうだ。「取材をお願いしてもよろしいでしょうか?」
蘭/はあ……。取材ですか、わたくしで良ければ。
GM/取材といっても軽い質問だけです。どこのお店目当てですか、何のイベントに行くつもりですか、ここのご感想は……などなど。深いところまで訊いてこない、ただの街頭アンケートって感じです。
蘭/仕事で来ているので深いところまで話せませんしね。
GM/うんうん。蘭さんにいくつか質問する彼ですが、その顔は……複雑そう。「やっぱみんな、口が堅いなぁ……」 どうやらこのグリッター号ではいつものジャーナリストっぷりが発揮できなくて焦っているようです。
ウルリヒ/まぁな。ここはただのセレブの旅じゃないし。
GM/ある程度質問を終えた彼は、「お客さんは……オークションについてはご存知の人ですか?」と、ずずいと切り込んできます。
蘭/それに関しては……笑って応えておきます。
GM/「そうなんですか。ありがとうございます。……ちぇっ、やっぱりみんな話してくれないか〜」 三澤はどうやら人身売買オークションのお客に取材をしたいらしい。しかしたとえここで公然と奴隷のやり取りをしていても、お客は悪事だと自覚があるのでどうも口が堅い。蘭さんにも取り合ってもらえないことを察した三澤は、丁寧にお礼を言って去って行きます。
蘭/良い船旅を〜(笑) 貰った名刺はしまっておきますね。
GM/すると、すぐ傍のカフェテラスに座っていた女性が「あの人ったらこの辺りでずっとフラれっぱなしなのよぉ」と、楽しそうに蘭さんへ話し掛けてきます。
蘭/[狩人]で耳が良いので、すぐにすっとそちらを向きます。
GM/20代後半ぐらいの女性、名前を四ツ谷(よつや)といいます。「あの坊や、全然ここの雰囲気に慣れていないみたいなの。さっきから道行く人に話し掛けて取材を申し出てるんだけど、なかなか良い人に当たらなくってねぇ」
蘭/なるほどー。
GM/「貴方みたいに落ち着きを払っていれば誰かしら助けてくれるかもしれないのに。でも……貴方も実は初めてだったり?」
蘭/はい。実のところそうでして。そちらは?
GM/四ツ谷と名乗った女性は「ここには2〜3回目よ」と常連っつらをします。「今回は……良い買い物ができるかしら。噂では良い物があるって聞いているけど」
蘭/この船に2〜3回も乗ってる。……それはそれで怖いよ(笑) やはり目玉商品ってのもあるんですかね?
GM/「あるって言われてるわ。でも今夜から4日間も開催してるから、商品も小出しにされるでしょうね。貴方も良い買い物ができるといいわね」
蘭/……そうですね、楽しみです。会う人、すれ違う人をよく見ながら夜まで待ちましょう。だって仕事で来たんだしね!
GM/その声からは「遊びたい!」って心が滲み出ているよ(笑)

    ◆

GM/PC3の木ノ葉さんのオープニング……ですが、この辺りで夜のシーンに参りましょう。
木ノ葉/夜! ついに夜ですね!(笑)
GM/横浜を出て半日船の中で過ごした後。このシーンは他のPC達と顔合わせをしたいと思います。いいですか?
木ノ葉/ぜひぜひ!
GM/ディナーの後はあっちではサーカスが始まり、あっちではオーケストラの演奏、あっちではお金が飛び交うカジノが大盛り上がり。……木ノ葉さんは、例のオークション会場にいます。
木ノ葉/はい。
GM/真ん中に商品が並ぶステージ。中央の舞台に集まる群衆。その周囲にはいくつも飲食可能な丸いテーブルとソファがあり……立ってジュエルを見て競売に参加するのも良し、遠巻きにオークションを眺めているも良しのフリーダムな光景です。
絢/ほー、凄い光景だ……。
GM/一見ステージの上でパフォーマーがダンスを踊りそう。でもステージに上がるのは、綺麗に着飾ってはいるけど首輪をして値段が貼られた人間です。舞台の上に立つジュエルと呼ばれる売り物の人間達は、競売にかけられるほど美しい人達が多い。美少女がステージに現れるなり「その娘を買おう!」とセレブ達が名乗りを上げる。
蘭/おおおー……。
GM/他のオークションと違うのは、売られていく人間が「普通でない」ということ。マイクパフォーマーはジュエルの説明として「どのような異能力があるか」を述べています。そう、ここは能力者を専門にした人身売買オークションなのです。
木ノ葉/人外種族とか、珍しい能力を持った人が売られているんですね。
GM/時に「二億だ!」と受けを買っていくスーパー攻め様に会場が「おおっ!?」と湧きます。
絢/BLのテンプレートっぽい人がいるぞ!?(一同爆笑)
蘭/ほ、本当にいるんだ! 「二億だ」って言って受けを買っていく人!?(笑)
ウルリヒ/石油王モノって一定数あるからな……(笑)
GM/会場で競売に掛けられているのは上玉のジュエルです。みんなに競わせたい大物が売られていきます。……木ノ葉さんは率先して買う派? それとも遠巻きに見ている派?
木ノ葉/いくらこの前大きな仕事が成功したからって、あそこの舞台に上がるような子達は高すぎるかなー。
GM/じゃあ遠巻きに見ている木ノ葉さんに、首輪をしたジュエルがお酌をしにきます。競売にかけられない下の下の商品である彼女の名前は、六川(ろくかわ)と申します。
木ノ葉/あら。
GM/名札のところにちゃんと値段も書いてあるので、彼女も売り物だよ。『一晩の価格』と『身受け価格』がどっちも書いてある。あっちで「二億だ!」という商品を見た後だと、物凄く安物だって思えます。「え、えっと、お酒……お酒は、飲まれますか……?」 しどろもどろ。
木ノ葉/ありがとう。じゃあ同じ物をいただけます?
GM/「……な、何を飲んでましたか!?」
木ノ葉/ぷぷっ!(一同笑)
GM/「あっ……伝票っ! 伝票を見させてください! はいっ! 判りました! 今すぐお持ちしますっ!」 あのイモっぽさ、彼女はステージには上がれないなと一目で判ります。
木ノ葉/はーい、ゆっくりでいいからねー(笑)
蘭/でも……あれはあれで需要はあるんだろうな(笑)
絢/うん、可愛い。ドジッ子属性ってやつだ(笑)
GM/さて、六川が去った後……木ノ葉さんへお酒を持ってきたのはしっかり者っぽい男の子です。名札には五木(いつき)とあります。首輪をしているジュエルの男の子で、しっかりとした体つき、それなりに端整な顔立ちです。
木ノ葉/あらら? この子は愛想が無いからステージに上がれないのかしら? 先ほどの女の子は持ってきてくれないんですかって笑いながら尋ねよう。
GM/静かな声で、五木は「……彼女はお盆を濡らしましたので」と答えます。
ウルリヒ/ああ、今頃裏で叱られてるやつだ(笑)
木ノ葉/ではこれは実質3杯目のシャンパンね(笑) 私は全然怒ってないのでまた六川さんが来ても大丈夫よー。
GM/「大変失礼いたしました。それでは」 ……静かに五木は去って行きます。
ウルリヒ/その光景をクスクス笑いながら見ていよう。そして木ノ葉さんに声を掛ける。……貴方はさっきの女の子の方が好みですか?
GM/速水奨のターン! ドロー!
絢/さっきまでスーパー攻め様子安のターンだったところに!?
蘭/ええ声の空間だ! 半分は速水奨、もう半分は子安武人!
GM/その数は百万人にも及んだ!
ウルリヒ/凄く嫌な船だなぁ!?(一同爆笑)
木ノ葉/今夜一緒に過ごすならあんな子が良いかもしれませんね。貴方も売り物だったら検討しましたけど?
ウルリヒ/それには肩をすくめます。その言葉はそっくりそのまま貴方にお返ししましょう、美しい人。
木ノ葉/あらどうもっ! 貴方は何を飲んでらっしゃるんです?
ウルリヒ/マティーニを少し。そちらはシャンパンと言ってましたね。まだ様子見といったところですか?
木ノ葉/そんなところです。とてもじゃないけどステージのジュエルは手が届かなくて。
ウルリヒ/あそこに立つ者達はディーラーの方でも目玉商品ですからね。ああ、申し遅れました。名刺を渡します。ウルリヒ=N=オウェンと申します。
木ノ葉/名刺という上等な物は持っていないのですみません。私は庵理 木ノ葉と申します。……あら、宝石商? どんな宝石を取り扱っているのか気になりますねぇ。
ウルリヒ/色々ですよ。加工したり加工されたりしたものを販売しております。庵理さんはご職業は何を? いえ……この場でこのような詮索は不躾でしたね。
絢/……こえぇ。なんて妖艶な空間なんだ。大人の探り合いって感じでスゲェ……。
GM/六川が、絢と蘭のいるテーブルに「マルゲリータをお待ちのお客様〜!」とやって来ます。
絢/ハイハイハイここでーす! オレンジジュースも俺です!
蘭/カシオレと取り皿はこっちでーす!
ウルリヒ/すげえ庶民ぽさが増した!(一同笑) 六川は早速お盆をひっくり返すんじゃないか?
GM/お盆をひっくり返したら誰か≪悔改めよ≫をください。
木ノ葉/残念ながらこの卓はパーティープレイじゃないから[聖職者]がいないんだ(笑) だから木ノ葉が傾いているお盆をすっと水平に直してあげます! またお叱りを受けたら大変だからね。
GM/(六川になって)「ああっ!? お客様ありがとうございます! すみませんすみません! ありがとうございます命の恩人です! 一晩買ってください!
ウルリヒ/アプローチが早いなっ!?(一同笑)
木ノ葉/そちらからアプローチがあるとは思いませんでした。検討しておきます(笑)
ウルリヒ/そして次の瞬間ツマミを運ぼうとして転びかける六川の姿が!
絢/ああっ、ピーナッツが吹っ飛ぶ! もったいない! 全部拾って食べる!
GM/そんなドジッ子六川だけど、彼女を「萌え〜」って思って買うおじさんもたくさんいるでしょう。あれは天然モノの良い商品だから。
蘭/気持ちは判る、天然モノの天然は高いですからね!(笑)
ウルリヒ/そろそろマルゲリータの席の2人を見たので声を掛けよう(笑) そちらの2人は、この船は初めてですか?
蘭/はいっ、カシオレを持ちながら頷きます! ……なんかタキシードがどんどん似合わなくなっていくな(笑)
絢/蘭ちゃんもタキシードに着られてる感がしてきたね!(笑) まあ俺はスーツすら着てないけどな。
ウルリヒ/そちらの子は……。と言いながら、絢の首元を見て……ああ、失礼(笑)
木ノ葉/木ノ葉も絢くんの顎をクイッと持ちます。
絢/ああん! 俺、もう首元を見られるのこれで13回目です!(笑)
ウルリヒ/昼間から12回ぐらいマダムに「あら貴方は売り物じゃないのね」って言われてたんだね(笑) 衣装部に行けばタキシードぐらい貸してくれますよ、と親切心に言います。なんならそこのテーラーで一着仕立ててあげてもいいですよ。
絢/なんでそんな金持ちなんですか!?(一同笑)
木ノ葉/私は蘭さんを見ます。貴方は……彼とは違うみたいですね。その様子だとお仕事で来ているんですか?
蘭/ええ、美しいものを探しているんです。ですがここにはそれが多すぎる。
ウルリヒ/貴方も充分美しいですよ。
絢/か、カッコイイ台詞だなぁ! 俺も言ってみてー!(笑)
ウルリヒ/……君、お名前は?
絢/お、俺は籠原 絢です!
ウルリヒ/……何歳? 言える? 9歳?
絢/19歳でぇすっ!(笑)
蘭/未成年だったからオレンジジュースだったんだ……(笑) わたくしは香取 蘭と申します。好きに呼んでください。そちらの綺麗なお姉さん達は?
木ノ葉/私は庵理 木ノ葉です。夜目がきかないとできないような派遣をやっています。
絢/意味深だ! 夜勤バイトじゃなさそう!
ウルリヒ/考え方が庶民だな!(笑) 順々に名刺を渡します。宝石商をやっているウルリヒと申します。
絢/うわっ、名刺も良い匂いがする!?(一同笑) 今日は匂いを嗅いでばっかだ……。
木ノ葉/では、今夜の素敵な出会いにカンパーイ!(笑)

    ◆

GM/PC4のウルリヒさんのオープニングですが、乾杯シーンの延長です。常連のウルリヒさんはこのグリッター号に何度か乗ったので、裏手から出てきた50歳ぐらいの男性の顔に見覚えがあります。
ウルリヒ/……やべえ。順番的にやべえ人がやって来るぞ(笑)
GM/ええ、ご察しの通り……ここのアミューズメント部門の責任者をしている大山という館長です。「あっ! ウルリヒくんじゃないか、今回もご来航ありがとう〜」 にこやかな笑顔を浮かべながらペコペコと頭を下げてきます。
ウルリヒ/今回も参加させてもらいにきました。近くにいたボーイにお酒を大山さんに渡すよう言って……。
GM/「いえいえお気遣いなく。自分はお仕事中だし!」
ウルリヒ/そんな堅いことは言わずに(笑) お酒を渡して、会場を見渡します。今回もご盛況のようですね。
GM/「しかし前回に比べて規模は縮小してね。あまり良い商品が数ご用意することができなくって……」
ウルリヒ/仕入れがうまくいかなかったんですか?
GM/「うん。けど下の者も頑張ってくれているよ。頑張っている部下を怒ってもどうしようもないしね。明日も良い子を出していくのでよろしく」
ウルリヒ/その目玉商品を楽しみにしています。
GM/「それでは良い旅を!」 大山は、館内の見回り兼お得意様への挨拶回りをしています。
木ノ葉/私も大山さんにペコッとします。初めてな絢くんと蘭さんにご紹介しておきますね。……あの人は大山さん。ここの責任者よ。
絢/うわー! ウルリヒさんは凄い人とお知り合いなんですね!
ウルリヒ/何度か仕事関係で顔を合わせているだけですよ。
蘭/へー。優しそうなおじさんだなー。
ウルリヒ/……それには苦笑します。
絢/えっ。今なんで笑ったんですか?
木ノ葉/私はあまりあの人のことは知りませんけど、こんなお仕事をやっている人ですからね。マトモじゃないのは確かですよ。
絢/こんなぁ……お仕事ぉ……?
ウルリヒ/なんだその「タンポポおいしいのぉ?」みたいな声は(一同笑) ここに集まっている人達で脛に傷を持たない人達はいないでしょう? ……ああ、そこに例外がいますが(笑)
蘭/きっと彼も船を降りる頃には判るでしょう。
木ノ葉/無傷で降りられると良いんですけど。
絢/えーっ!? なんすかそれ!? 俺、傷付けられるんですか!?(笑)
ウルリヒ/3日後ぐらいには首輪が着けられているとかありうるからなぁ……(笑)
GM/では最後に、ウルリヒさんのもとに七海(ななみ)というジュエルの女性がやって来ます。常連のウルリヒさんとは顔見知りですね。「ウルリヒ様! 今日は良い買い物ができましたか?」 ニコニコうっふん。大人な女性というか、水商売っぽい感じの娘です。
ウルリヒ/ああ、七海さん。今のところはまだこれといって。
GM/「アタシじゃ今夜の良い買い物になれませんか? まだ声を掛けられてない売れ残りなんですよぉ、寂しいなぁ〜」 彼女は甘えてきます。
ウルリヒ/七海を上から下まで見て……他の良いのが見つからなければ声を掛けてさしあげましょう。それまで魅力的な貴方が買い手がついてなければね。
GM/「お願いしますぅー」 おっぱいを武器にしてきそうな、営業トークに慣れた女性ですね。同じく常連のお客様である木ノ葉さんにも七海は「あっ、庵理様だぁ! また来てくださったのですねぇ!」と華やかな笑顔を向けます。
木ノ葉/あらあら、この前はお世話になりました。
蘭/こ、この前? なんだか意味深ですね(笑)
木ノ葉/機会があったら蘭さんにも教えてあげますよ。
絢/ね、狙われてるよ!?(笑)
木ノ葉/私が先に買う前に、ウルリヒさんが買ってるかもしれませんから早めに手はつけておかないとね。
ウルリヒ/そのときは、一緒に楽しめばいいじゃないですか。
木ノ葉/3人で。それも良いかもしれませんね。
絢/お、おおおおお……? なんかよく判らないけどスゲー!(笑)
GM/そんな風に君達が乾杯をしていると、メインのショーや今日の目玉は終わってしまいます。イベントは23時頃に一旦終了。ですがお店は24時間営業、これから飲み始める人もいるでしょう。お部屋に戻ってお眠りになるお客様も多いです。……この後は、翌朝のシーンになります。
木ノ葉/ひとまずショーも一段落。みんな解散ですね。何かしておくことはあります?
GM/……じゃあ、スーパー攻め様が絢くんの元に来て「……君」と子安声で顎を掴んでくる。
絢/子安なにやってんの!?(一同爆笑) 14回目かよ!? お、俺は売り物じゃないですからね! もしかして俺って買われる前に買わなきゃいけないの!?
ウルリヒ/余計なお世話かもしれないけど、身なりに気を付けた方が誤解が無くなると思うよ(笑)
蘭/僕と一緒にこれからスーツを買いに行くのはどうだろう?(笑)
GM/行った方がいいね。第二第三の子安が君を狙うかもしれない。
絢/第二第三の子安って何!? 怖いっ! 今すぐスーツを買いに行こう!(一同笑)
木ノ葉/お部屋に帰るときは大きな声で「ただいま!」って言いながら入るんですよ〜。誰かいるって知らせることで「ここは狙っちゃいけないんだ」って夜這いを減らせるから!(笑)
ウルリヒ/この船の乗客は居てもお構いなしな気もするけどな(笑)
木ノ葉/じゃあ私は六川さんを買って帰りまーす! またお会いすることがあればよろしくー!
絢/おおう!? ナチュラルに六川さんを買っていった!(笑) お、おやすみなさーいー!
木ノ葉/……このとき七海さんではなく六川さんを選んでしまったことが、まさかあんなことになるとは思いもしなかったのです(一同爆笑)

    ◆

GM/朝が明けます。2日目の始まりです。せっかくだから……六川を買ってくれた木ノ葉さんのシーンから始めよう。
木ノ葉/やったー、朝チュンだ(笑) 木ノ葉は……起きたらシャワーを浴びてますね。
GM/シャワーから上がる木ノ葉お姉さんのサービスカットを映しましょう(笑) 一晩買ってもらった六川は、昨晩大変可愛がってもらいました。木ノ葉さんのお髪を乾かしたりとお世話をした後、一晩の契約が終わったということで……丁寧な挨拶をしてからお別れになります。
絢/一晩だけなんですね……。
ウルリヒ/目玉商品じゃないジュエルでもない限り、身受けするとしたら最終日じゃないのかな?
GM/木ノ葉さんの部屋を出て行く六川。すぐに六川は、同僚の女の子に声を掛けられました。木ノ葉さんはその会話を聞いても構いません。
木ノ葉/ほう?
GM/「七海さんはどこに行ったか知ってる?」「えっ、知らないけど?」「七海さんたらお客様に落札されたにも関わらず、昨晩お部屋に向かわなかったんだって」「ええっ、七海さんが!?」「しかも朝探してもいないし……」
木ノ葉/おやおや?
GM/「連絡はしたの?」「したけど、応答無し」「じゃあどこに行ったの?」「判らない……」「船の中なんだから行方不明になる訳ないじゃん」
絢/……こ、怖ぇ(笑)
木ノ葉/七海さんという女性の雰囲気からして……まさか自殺をするような子には思えないわね。
蘭/身投げの可能性ですか?
木ノ葉/ジュエルの子によってはあるでしょ? 売られていく自分の今後の人生を悲観して海に……ってことも。
GM/では時間を少し進めましょう。PC4人は偶然にも朝食を同じカフェで取ります。綺麗な海の景色を楽しむビュッフェ形式のカフェにやって来た君達ですが。……絢くんは良い格好になってるの?
絢/昨日の夜に蘭さんに仕立ててもらいました! タキシードに着られてます! ガッチリ!(笑)
ウルリヒ/……そういう服は夜に着るものだよ(笑)
蘭/うん、朝ならもっとラクな格好でいい。上着をボーイさんに預けなよ(笑)
絢/ええーっ!? せっかく着たのにー!
木ノ葉/……あら、随分賑やかですね。他に席が空いてなくて、お隣良いですか?
ウルリヒ/私もご一緒させていただいてもいいかな?
蘭/どうぞ。
絢/ふぉうふぉ!
蘭/もうめっちゃ食ってる!? ビュッフェだからって!(一同笑)
木ノ葉/そんなにいっぱいお皿に取らなくても食べ放題なんですから焦らないで(笑) 私はコーヒーを飲んでいます。ふぁーあ、朝日が眩しい……。
ウルリヒ/おや、昨夜はお楽しみでしたね?(笑)
木ノ葉/はい。私は夜行性なものでして。
絢/へー! 木ノ葉さんって吸血鬼なんですか!?
木ノ葉/ふふっ、そうだったら今頃六川さんはこの世にはいませんね。
ウルリヒ/六川さんならさっき、あちらでコーヒーを零してましたよ(笑)
GM/そうやって4人でモーニングを楽しんでいると……一ノ瀬という男性が、ウルリヒさんに話し掛けてきます。「申し訳ない。よろしいですか?」
ウルリヒ/お、一ノ瀬さんだ。どうしましたか?
GM/「昨晩貴方は七海という女と話をしていましたね。どこに行ったかご存知ですか?」
ウルリヒ/少し考える素振りをして……。私が会ったのはオークション会場が最後です。それが何か?
GM/「昨日声を掛けたのですが、私の部屋に来なかったもので」 一ノ瀬は苦い顔をしています。これは契約違反だ、上に文句を言いに行こう……と、妥当なクレームを一ノ瀬は言いに行ってくるとその場を去ります。買ったにも関わらず商品が届かなくなったら苦情を言うのは当然ですね。
木ノ葉/……しかし彼女のような人が、無断で客のもとに行かないなんてしなさそうだけど。
GM/PC4人は一ノ瀬の会話や、スタッフ達の小声から「七海というスタッフが行方不明になった」ということを知ります。一体どうしたのか? そうしてグリッター号2日目が始まります。それでは本編を始めていきましょう!
絢/事件がついに始まりましたね! ドキドキするー!
GM/シーン描写は、昼間にグリッター号でセレブな遊びをするも良し、夜にアダルティな場面を作っても良しです。前のシーンが夜だったとしても昼の時間帯をしても構いません。
蘭/「一方その頃」ってやつだな。
GM/PC4人が全員行動済みになったら、真夜中になって1日が経過します。改めてシーン進行の確認をしましょう。

【セッションの流れ】
 1ラウンド:ミドルフェイズ×4シーン
 1ラウンド:真夜中シーン1回目
    ↓
 2ラウンド:ミドルフェイズ×4シーン
 2ラウンド:真夜中シーン2回目
    ↓
 3ラウンド:ミドルフェイズ×4シーン
 3ラウンド:真夜中シーン3回目
    ↓
 トリガーイベント(シナリオのフラグによって発生する特別イベント)
    ↓
 クライマックスフェイズ(戦闘)
    ↓
 エンディングフェイズ


GM/情報を得る難易度は基本的に、難易度9で固定です。期待値5が出れば成功するレベルですね。ではここで、PCの皆さんの情報判定に使う能力値の決定をしてもらいます。
絢/絢は【反射】で情報判定をします。
蘭/欄は【知覚】でします。
木ノ葉/木ノ葉は【反射】でお願いします。
ウルリヒ/ウルリヒは【理知】でいきます。
GM/次に『真夜中シーン』の確認ですが、このシーンに【襲撃】されるとPCならダメージを負い、NPCなら行方不明になります。要は七海さんは「1日目の真夜中シーンに誰かによって【襲撃】された」のですね。
蘭/ほうほう。
ウルリヒ/GM、『契約』はどのタイミングで可能にしますか?
GM/『契約』は「シーンの最後」にすることができます。『供給』は1シナリオに1回まで可能で、『契約』と同じく「シーンの最後」に可能です。
木ノ葉/NPCと『契約』は結べますか?
GM/結べます。ただNPCにも意思があるので、事情次第では断られるかもしれません。でも基本的にNPCは【居所】を手に入れれば懐くと思ってください。
ウルリヒ/凄く欲望に忠実なことを言っていい? ……大山さんに懐かれたいなぁ!(一同笑)
蘭/判ります! せっかくこの場にいるのなら大山さんにですね!(笑)