アナザーワールドSRS・リプレイ・DROWNING/phantasmagoria
■ 第6ループ1話 『Omen』 3ページ ■
2010年3月16日




 ●ミドルフェイズ5/February 6rd Scene 2

GM/一番最初は相馬さんのシーンをやろうか。……相馬さんは決死の攻撃を避けきりその場を去るけど、後ろで魔力の波動を感じた。キャスターの全体攻撃が行われたとき……同じく逃げてるエルが立ち止まります。
相馬/ん、なんじゃ?
GM/「……。ごめん、本拠地に戻ろう」……エルは後ろを振り返って気にするような素振りをするけど、すぐに傷付いた相馬を引き摺って離れようとします。
相馬/すまぬ。……なあ、エルよ。尋ねてよいか。
GM/「なに、マスター……?」
相馬/もしや、突如一人だけで現れたあの小童が……おぬしの大切なものか?
GM/「……。うん。でも彼なら大丈夫……セイバーが守ってくれたみたいだから」
相馬/……そうか。頭を撫でながら言います。では戻るかのぉ。
GM/「それより……マスターが無事で良かった」
相馬/ワシもじゃ。危うくおぬしを失うところじゃった。
GM/……では、2人で廃アパートのボロリアVまで戻ってきます。
相馬/はあ、しくじった。まさかあれほど乱入者が来るとは……。おぬしもようやったな。ぐいっとエルを抱き寄せて、頭を撫でます。
GM/「うん……。あ、そうだ……」ガラガラとエルが窓を開けて、変な声を出します。
相馬/うん?
GM/……ほーほー。パタパタパタと梟さんが現れます。
相馬/またか!(笑) や、ヤな予感がするのぉ……。
GM/「……お願い」とエルが言うと、梟さんは飛んで行ってしまいました。
相馬/なんじゃ、さっきのは……。
GM/「助けてくれるようお願いした」……言って、また抱きついてきます。「ごめんね……ちゃんとした魔術師じゃない俺なんかじゃ本領発揮できないよね」
相馬/あれはワシがあやつらの力を甘く見過ぎただけじゃ。余計な邪魔も入ったし、まさか≪籠抜け≫をあのように使用されるとは……(笑)
GM/「でも、俺みたいなダメな奴と一緒だったから負けたんだよね……ごめん」
相馬/だから何故謝る。……おぬしは自分一人だけで何とかなると思っておるのか? 聖杯戦争というものは二人の力が両合わさっていくんじゃ。おぬしがマスターとしておるのは誰じゃ? このワシじゃぞ。勝てぬ訳が無かろう。というか勝ってみせる!
GM/「……弱気になるのは俺の悪い癖なんだ。でも……そう言われると、凄く、元気が出る」
相馬/ワシはこの戦いに絶対に勝つから、おぬしはワシについて来れば良いのじゃ。
GM/「……優しい人が国を治めるのはとても良い事だと思う。だから……俺は全力でサポートするよ」
相馬/うむ、頼むぞ。……そういえばおぬし、『久々に人と会話した』と以前言っておったが、誰とも会話をすることなく何処かで閉じ篭っていたということか?
GM/「……うん。俺は、普通の人間じゃないから」
相馬/……前に、『今回の聖杯戦争のサーヴァントじゃない』と言っておったが……。
GM/では、エルが10年前に生き残ったサーヴァントだと明かします。「俺は元サーヴァントだけど、聖杯が欲しくてマスターになろうとしたんだ……けど、やっぱり俺の実力じゃ……」と弱気なことを言います。
相馬/先程ワシが言ったことを忘れたか?
GM/「……そんなつもりじゃ……ごめんなさい」。ぎゅっと相馬さんに抱きついてきます。……バタンと相馬さんの体を畳みへ倒して、上から口付けます。
相馬/おや? ……それを受けとめます。
GM/長いキスをして、身体を弄ってきます。……供給をしようとしているみたいだね。
相馬/……うぬぅ、若干の心苦しさが……見た目は大人だけど精神年齢が幼い奴にオイタをするのも如何なものかと(笑)
GM/「どうしたの……?」
相馬/なんでもない……だが、なんか、おぬしを抱くのは気が引けるのぉ。
GM/「好きに扱ってくれていいんだよ」
相馬/いやいやいや! おぬしな、そういうことを軽々しく言うものではないぞ!
GM/「俺は道具だから」
相馬/ど、道具って……おぬし、自分をそのような言い方をするな。
GM/「痛いことだって耐えられるし……嫌なら俺、声も上げないから……乱暴にしたっていいよ。10年前のマスターもそうやってた」
盟/…………黒須!?
航/黒須っ!?
相馬/黒須ぅ!? お前かぁ!(笑)
亜紀/いたいけな青少年に何してんですか、黒須さぁん……!(笑)
GM/という訳で……成程、エルは昔のマスターに冷たくというか酷く乱暴な相手をされていたんだと君は思います。
相馬/酷くって……。おぬしは、マスターに恵まれなかったのじゃな。
GM/「…………。けど、そんなとき……大切な友達が出来たんだ」
相馬/……それがあの小童か。
盟/……そっか、だからエルって航に懐いたんだね。黒須に乱暴されたけど、航と祐希は優しかったから……精神安定剤だったのかな。
亜紀/「道具としてじゃなくて俺を見てくれる航が好き」だったんだ。教会に保護されていた祐希はマスターの航と友達感覚だったし。
航/エル、中身は5歳だし。
GM/エルは、喜んでもらおうと思って迫ったのに拒まれたので困った顔をしています。どうしたらいいか判らなくてオロオロし始めます。
相馬/……。今までのマスターはおぬしを物のように扱っていたようだが、ワシはそのつもりはないから安心せい。
GM/「じゃあ……どうすればいいの?」
相馬/うぬぅ、ぐぐぐ……。今回は、口付けだけで終わらせておきます。
GM/なら口付けられて、その唇をペロペロと舐めます。3D6回復しておいてください。……そんなことをやっていると、窓の方からコンコン。(梟になって)「ほーほー……ほへっ」
相馬/……鳥が来たようじゃの。
GM/「あ……来てくれたね」エルが開けると、ほーほーと梟が……≪鎮静剤≫≪興奮剤≫を投げてよこす。
相馬/はあっ!?(笑)
GM/「俺達を助けてくれるよう頼んだら持ってきてくれたよ」
相馬/お、おぬし……戦えてしかも兵糧まで調達出来るとは(笑) 優秀じゃのぉ、なでなで!
GM/1D6ボーナスで【HP】【MP】回復しておいてください。
相馬/はい。エルを抱き締めて寝ることにします……。

 一方その頃。
 一足先に戦闘離脱した盟と藤原は……。


GM/では次、盟ちゃんのシーン。傷の深い藤原は……。
盟/藤原、【HP】1です
航/1ぃ!?(笑) 凄い痩せ我慢してるな、藤原!
GM/そんなボロボロな状態だけど、どこにワープさせましたか。
盟/……安心な僕の屋敷に戻ろう! ロザリーとヘンリーが治療してくれる。藤原を連れて八木沼邸に行きます。
GM/意識はあるけれど満身創痍な藤原に、ロザリーとヘンリーが駆けつけすぐさま治療をし始めます。
盟/ロザリー、すぐに薬の用意をして……!
GM/(ロザリーになって)「盟様もどうぞこちらへ! 傷を癒しましょう……」と、大体の応急処置をしてくれます。出血を止め、少しでも傷が癒えるように呪文をかけてくれました。
盟/自分の治療が終わった後に、藤原の傍に近寄ります。大丈夫か、藤原……?
GM/(藤原になって)「動かずに。そちらこそ苦しいのでしょう?」
盟/こんなの別にどうだっていい! そのまま……今度は自分からキスをしに行きます!
GM/口付けられます。
盟/……まだこれじゃ、足りないか?
GM/「……。はい、全然足りませんね」
盟/じゃ、じゃあ……。
GM/「……驚かないでくださいね」。藤原はパチッと指を鳴らすと、周囲に獣や化物がぞろっと出現します。
盟/え……。召喚のコストがかかるだろ、やめろ!
GM/「こうした方が私好みのテリトリーになるのですよ」と、おどろおどろしい雰囲気になった部屋で言います。周囲を自分仕様の≪スーパーテリトリー≫に変更したと思ってください。
盟/お前がそれでいいならいいが……本当に平気か?
GM/「ならば……君の身体を貸していただけるかな」
盟/……コクッと頷いて……自分から脱いでいきます。
GM/お互い相当ダメージ入ってるんだよね。……折角だから枕事判定をしてみようか。【理知】判定の難易度10をやってみて。
盟/≪堕落の訓え≫があるのでヤル気満々でいきます!(ころころ)達成値16です。
GM/よし、それならお互い4D6点回復していいよ。
盟/(ころころ)藤原17点回復。盟は……12点回復。盟は低いな。
GM/ありがとう、上で頑張ってくれたから疲れちゃったんだ(笑) ……色々とやってくれる盟を、途中までされるが儘にされていた藤原は、率先的に抱きしめてきます。
盟/あっ、お前は動かなくていい……!
GM/「君自身も心に傷を負っているでしょう?」
盟/それは……。でも、お前の傷に比べたら大したことはない!
GM/「素直になりなさい」
盟/……。あ、亜紀があそこに居てビックリした……。咄嗟にお前を守るべきか、亜紀に攻撃をするべきなのか……判らなかった。
GM/「やはり知り合いだったんだな……」
盟/すまない。あんなことで心が揺らぐとはマスターとしては失格だ! ……泣きそうになります。
GM/「……」。頬を撫でて、もう一度口付けし直す。「……今日はこのあたりで眠ってください」
盟/……でも、お前の体は本当に大丈夫なのか?
GM/「ええ。眠った後に……また話し合いましょう」
盟/話し合う……今後のことか?
GM/「ええ、今後のことです。……私の夢を見た後なら、もしかしたら違う言葉が聞けるかもしれない」
盟/う、うん……。じゃあ、今夜はこのまま眠っていいか?
GM/「いいですとも」……胸の中でどうぞ眠っておいてください。

 一方その頃。
 最後まで戦い続けた亜紀&アサシン組は……。

GM/亜紀くん達は深夜に自宅へ帰って来ます。……お母さん達は「きっと教会のお仕事で帰ってきたんだな」と納得してることでしょう。
亜紀/ごめんなさい……後でちゃーんと怒られます!(笑)
GM/亜紀の部屋に入ります。(アサシンになって)「おーっと、まーたシャツに血糊付いてたー」
亜紀/洗いに行くから脱いで脱いで。
GM/「待て待て。回復するのが先だろ?」
亜紀/あ、そっか。傷付いてるんだからそっちが先だよね、ごめん。
GM/「来いよ」……抱き寄せます。胸の中に押し込められます。
亜紀/う。うぅ……。
GM/「判ってるな、これからするコト?」
亜紀/……う、うん。
GM/「そんなシュミは無い?」
亜紀/……興味ぐらいはあるぞ。
GM/バサッとベッドに押し倒して、抱き寄せて弄ります。……3D6点回復してください。
亜紀/(ころころ)亜紀は12点で全回復、アサシンも12点回復します。
GM/12点か、それなりに高い出目じゃないか(笑) 「お前さんのカラダ、貰うぜ? ホントなら肉喰っちまいたいぐらいなんだけどさ」
亜紀/肉はちょっとやめて……(笑)
GM/茶化しながらアサシンは口付けてきます。「ご経験はお有りで?」
亜紀/な、無いです……。
GM/「奇遇だな、俺もよく判ってないんだ」
亜紀/そうなの? だ、大丈夫だ! 俺も初めてだから!(笑)
GM/「そういうんじゃなくて。初めてかどうかが判らないんだよ……記憶喪失みたいなもんだからな」
亜紀/……そうなんだ?
GM/それで会話は終了。そのままシーツの中に埋もれていきましょう……。

 そして最後。
 戦闘から逃げ延びてきた真セイバーと、航は……。

GM/航は鎧男に連れられて、自宅近くの空き地に下ろされます。(真セイバーになって)「ケガはない?」
航/大丈夫、守ってくれたから無傷です!
GM/「良かった」……鎧男の方は、キャスターの攻撃を受けたせいか少し傷を負ったようだね。
航/ご、ごめんなさい。
GM/「危険な所に居たのはどうして?」
航/だ、だ……だって、セイバーに会いたくて……。
GM/「……オ、オレ、何か忘れモンとかしちゃった? 篭手とか置きっぱなしだったとか!?」
航/それは無い!(笑) しいて言うなら俺のハートです!
GM/「はあ? ど、どうしたん君?」……理解出来ないという声を出します。
航/俺……小さい頃、事故に巻き込まれて、そのときも守ってくれた人が居たんです。
GM/「……そうなんだ」
航/で、もしかしてその人が貴方なんじゃないかと思ったら……なんか居ても立ってもいられなかったんですっ!
GM/「……それはオレじゃない……けど。君は、これからも放っておいたらオレを追って来る?」
航/……また、捜しに行っちゃうと思います。
GM/「それなら……。聖杯戦争について説明したとき、マスターとサーヴァントについて話したよね?」
航/うん……。
GM/「……オレと契約しないか? 契約すれば、最大限キミを守ることが出来る」
航/……それだと、俺は貴方と一緒に居られて楽しいけど、貴方の迷惑になるんじゃ。
GM/「いや、今オレにはマスターがいない。だから正直……現在辛いトコで、拠所になってくれる人を捜していたんだ。オレを好く思ってくれる人が隣に居るならとても心強い」
航/俺に手伝えること……あるんですか。
GM/「ある。……ハッキリ言ってオレのワガママに付き合ってもらうことになるけど、キミさえ良ければオレと一緒にいてほしい」
航/……俺、最大限貴方を助けたいです!
GM/「危険なことには変わりない。それでも、ついてきてくれる?」
航/さっきも守ってくれましたよね。じゃあ大丈夫です! キラキラした目で言います。
GM/では真セイバーは航の前に膝をついて……「契約を、マスター」と言います。
航/……契約します!
GM/契約完了。キャラクターシートのサーヴァントに『真セイバー』とお書きください。「オレはセイバー。キミの名前は……何だっけ?」
航/わ、航です。
GM/「じゃあワタルちゃん。宜しく頼むよ」
航/……ちゃん、なの?(笑)
GM/という訳で、真セイバーと契約した航は自宅のアパートに戻って来ます。
航/ご飯の用意します。
GM/「あ、お腹減った? 手伝うよ」
航/俺はそんなでもないけど。
GM/「サーヴァントは食べなくてもいいんだぞ」
航/……俺、人と一緒に食事がしたいなぁ。
GM/「……そっか。キミの願いだったら叶えなきゃいけないな」
航/ありがとう。ご飯を作ります。
GM/鎧がちゃぶ台を出して座ります。
航/……脱いだら?
GM/「脱いでいいの?」
航/脱げよ。……常識的に考えて(笑)
GM/「あっち向いててくれる?」……ぬぎぬぎすると、どうやら自分よりちょっと年上みたいだね。色素薄くて緑色の目だ。
航/あんまり俺と年変わらないのかー。綺麗な目だなー。
GM/という訳でご飯を一緒に食べます。「(突如声のテンションを変えて)美味い! 美味すぎる!(一同爆笑) 現代社会ってこんだけ進歩してたんだね!」
航/俺、自慢じゃないけど【反射】は5あるからな!(笑) 亜紀は料理は得意だけど覚的な物がな……うん、見栄えがいいんだ。
GM/「聖杯に『アキちゃんの破壊的な味オンチを直す』って願うか!?」
航/そしたら絶対亜紀が幸せになれるだろうなぁ(笑)
GM/笑いながら話をしていますね。冗談を言うことができる人のようです。ワイワイと騒ぎながら……「ところで、親御さんは?」
航/いないんだ。
GM/「そうか。遠征してるのか」
航/そんなとこ。俺より先にあっち逝ってる。……空を指差します。
GM/「……そ、そうか。だから一人でやっているのか。大変なんだね」
航/別にそんな気にすることじゃないから。……大変だって言われると大変な気がしちゃうからやめてよ。いっぱい優しい人が居たからここまで生きてこられたんだし。
GM/「……幸せ者だな、キミは。色んな人達がキミを大事に想ってるのかな」
航/……そうだね。ちょっと心苦しいぐらいだけどね。
GM/「あ、これだけは言っておくな。……これから眠ると夢を見る。そのとき、契約した相手と交感状態になって互いの過去が見ることがあるんだ。同時に、マスターの過去も見てしまう」
航/う。
GM/「キミの楽しい記憶も、辛い記憶も、オレは知ることになる。いいかな?」
航/う、うん。頑張る……俺のも見られて困るものはないから。
GM/「心配はしてないよ。きっとキミはオレを受け留めてくれる人だから」……というところでこの辺で終わりにしておこう。(時計を見て)……これにて前半戦は終了になるけど、まだ時間があるから『契約した相手の夢を見る』までやっちゃおうか?
相馬/はーい、やっちゃいましょう。
GM/じゃあその前にマスターシーン。……ビルの上でアーチャーがつまんなそうな顔をしています。(アーチャーになって)「んー、みんな居なくなっちゃったー。さっきの鎧がセイバーで、広範囲に魔法が使ったのがキャスター? あとはー」……ブツブツ言っている少年の後ろから、何者かの攻撃が襲い掛かる!
盟/あ……青森達か!
航/そっか、全サーヴァントが集まっているところでランサーさんが機会を逃がす訳が無いよな!(笑)
GM/アーチャーが振り返ると、そこには2人の男性がいる。刀を持ったオッサンが近寄っていく。
盟/(青森になって)「そっちも結構MP使っちゃった後のようだねえ? サーヴァント1人みたいだし、ちょっとパーティーには乗り遅れちゃったけど充分遊べそうだなぁ!」
航/そこに弁慶さんが「遊びじゃ、ないんですよ」と言ながら眼鏡を外してバッとサーヴァントモードに変身する!
GM/カッコイー!
亜紀/カッコイー!(笑)

 これだから弁慶厨は。

GM/青森の「判ってるよー!」の声と共に戦闘が始まる。そして……アーチャー、ロスト。
航/ですよねー。……でもお父ちゃんを助けられたし、最後にカッコイイお兄さんと戦えてアーチャーもそれなり満足なんじゃないかな。


 ●エンディングフェイズ/February 6rd Scene 3

GM/では全員、夢のシーンでエンディングにしようか。最初は航から……。

 ――航は夢を見る。『これは夢だ』と自覚するほどの夢だった。
 力強く美しい女性が愛の言葉を囁いていた。
 身を寄せ合い、口付けられ、君は幸せに微笑んだ。だが、女が刃を持って襲いかかって来る。
 何故だろう。自分の心の居場所が判らない。抱かれる記憶もある、襲われる記憶もある。愛されると殺されるが同時にある……。
 奇妙な感覚に、君は不安感に押し潰されそうになった。


航/な、なんか大変なことが行われているのかな……。目を覚ましますが。
GM/鎧を脱いだ彼は隣で寝ているよ。「ん、んー……」
航/あ……起こしちゃった?
GM/「…………夢の中でもアキちゃんの料理は食べたくなかった」(一同爆笑)
亜紀/ひどーい! ぷんぷん!(笑)
盟/見ちゃったんだ……長い幼馴染人生だもんね(笑) 初めて作った亜紀の料理とか、毎度調理実習のたびに持ってきてくれる亜紀とか……。
相馬/ただあの笑顔を見ると断れない……食べたくないと思ってもオートで食べてしまう……口の中に広がるあのエキセントリックでイナズマのような味(笑)
航/うん、よく出来てるよ! ……味以外は(一同笑)
GM/キミはツライ人生を歩んできたんだね
航/いやいやいや!(笑)
GM/「そうでなくても。……とても良いご友人と、ご家族だったね」
航/……う。でも貴方の方が……俺より辛い人生だったよね。よく判んなかったけど……なんか自分が自分じゃない感覚がした。
GM/「オレの夢、見たんだ」
航/……うん。
GM/「オレ……自分の周りで何が起きているのか本当に判らなかったんだ。自分が愛した人も忘れて、違う人を愛したりして……大変なことにいつの間にか自分がいたらしくって」
航/……ヒーローみたいにカッコイイって勝手に想ってたけど、もしかして気を悪くしてた?
GM/「ううん、そんなことはない。……オレは人を不幸にしてきた。キミが言うヒーローだなんてカッコイイもんなんかじゃない。でも……オレはみんなを救える本物のヒーローになりたい」
航/……カッコイイ。それが、聖杯に願うこと?
GM/「正直に言うと、『不幸の原因であるオレを変えたい』だよ。自身の呪いを解くのが夢なんだ。だからキミも手伝ってほしい」
航/……うん! 俺だって俺の周りの人は幸せでいてほしいから……その気持ちは凄くちっちゃいレベルかもしれないけど、判るよ。
GM/「……でも」
航/でも?
GM/「……昨日の戦い覚えてる? アキちゃんがいたよね」
航/あ。
GM/「ここまでテンション上げておいて言うのは酷だけど、少なからずキミは……友人と戦うことで不幸になる」
航/でも……オレだけじゃなくてセイバーだって亜紀とは親しくしていたんだから戦うのは嫌じゃない? それは苦しいことじゃないの?
GM/「オレは一度決めたことは諦めない! それはきっとアキちゃんも同じだと思うから……一番気になるのは、キミのココロだよ」
航/……同じ苦しい気持ちなら、2人で持ったら半分でなるよ。気遣ってくれるだけで俺の気分は随分ラクだよ。
GM/「そっか。……ついて来てくれるって言ってくれるキミをオレは心から信頼するよ! 少しでもキミが傷付かない未来を作ろう」
航/……うん、ありがとう。
GM/「じゃあ良い天気だ、外でも行こうか!……そんなサワヤカに笑うセイバー。「あ、外出る前に鎧着なきゃ!
航/えーっ!? そのままでいいんじゃないのー!?(笑)

 ――亜紀は夢を見る。『これは夢だ』と自覚するほどの夢だった。
 夢独特の不思議な空間に居た。
 真っ白だ。上も下も左も右も真っ白。
 しかし、壁が目の前に現れた。そこには何か文字が書かれている。内容は、100年ほど前の歴史や、食事のレシピ、簡単なメモ書きで『当たり前のこと』が描かれている。
 ……とても心が空虚だ。


亜紀/ウズマキだらけなら見たことあるけどこんな夢見たことない……。こんな世界にジャックは居たのか?
GM/壁には文字が幾つも書き殴ってあるけど、どれも実感が湧かない。知識だけが漠然とばら撒かれているようだ。……そこに、何か人影が現れます。
亜紀/そっちに振り返ります。
GM/顔が無い。髪の毛も無く情報が無いのに、ただ『人』だっていうのが判る。
亜紀/……誰?
GM/さあ。顔がどっちに付いているかも判らない。……でもその人影は、君に近付いて……ぺたぺたと君を触ります。
亜紀/今の身体はジャックですよね? なんだこれ……。ここじゃない所に行こう! 出口を探してみます。
GM/無いです。全部が真っ白。不安感が募る夢……が終わります。
亜紀/うう……怖い。空しい気分で起き上がります。
GM/ジャックは裸で隣に寝ています。
亜紀/わ、そうだった恥ずかしい!(笑) ……おはよう、ジャック。
GM/彼はグシグシ目を擦りながら起き上がります。……泣いていたようだ。
亜紀/拭ってやります。
GM/「あ……アクビだよ」
亜紀/ホントに?
GM/「……ウソ」
亜紀/ウソかー(笑) 俺の夢を見たの?
GM/「……見た」
亜紀/俺も見たよ。
GM/「俺の記憶なんて見たって何も無かっただろ。ワケ判んなかっただろ」
亜紀/……ちょっと怖かった。虚しい感じで……。
GM/「ちょっと怖いぐらいで済むんだな、お前は。……自我という揺らぎの無いものを持っているから」
亜紀/俺は亜紀だっていう感覚を持っているし、夢は夢だって割り切れるからね……。ジャックは今ここにいるよ。
GM/「ふう、在り来たりな言葉でもあったかいモンだな。……本当にお前さん、この街が好きなんだな。幼馴染の連中とずっと遊んでた。なんだ……スッゴイ胸がモヤモヤする」
亜紀/……ジャックはずっとあの白い世界に居たの? あの人影は……。
GM/「誰か知らない。ただ、『俺』を知ろうとしていた誰かなんだろうな。……不特定多数が『俺』を想像して描いていくんだ。だけどそれは断片的な記録からしか推測できなくて……俺自身はそれを見られることでしか維持できない。自分自身が誰だって確定できないから、真っ白で何も無い世界で立ってるしかない」
亜紀/……ジャック・ザ・リッパーっていう名前は?
GM/「何人か候補は居るらしいけど、俺自身は『訳の判らない殺人鬼の表れ』らしいよ。念の具現化だからな」……凄く抽象的に描写したけど、『真っ白』はジャックが何も持っていないことの表れ、『文字』は事実で記されている記録、『影』はジャック・ザ・リッパーを題材に描く人って意味です。
航/……とりあえず悪夢だな。
GM/「うわー、一気にヤル気無くしたわー。スッゲエ良い思い出に浸って幸せな気分になれたけどさー」
亜紀/……今は幸せじゃない?
GM/「……幸せなのか判らねえ。寧ろ、幸せって何だ? お前さんみたいに知り合いと暮らすことが幸せなのか?」
亜紀/俺は幸せって感じるかな。でも幸せって人それぞれだから……うーん。
GM/「じゃあ、誰かと喋って食事して寝れば幸せなのか」
亜紀/なれるかもしれないよ。
GM/「……なれるのか」
亜紀/うん。俺は周りに人が居てくれたら幸せだから。
GM/「……聖杯にそれ願おうかな」
亜紀/え、元々の願いは? あったんでしょ?
GM/「俺の願いは、『俺自身が何者か知りたい』だった。……でも、知ったところで幸せが無いんだったら意味が無い」
亜紀/……じゃあ、俺が、ジャックの幸せを一緒に探してやるよ。
GM/「いいの?」
亜紀/いいよ。
GM/「いいのか?」
亜紀/いいよ。だって……昨日も助けてくれたし、昨晩も抱きしめてくれたし、嫌いじゃないよ?
GM/グイッと亜紀の身体を引き寄せます。「……一緒に寝るのが幸せなら、俺はもう幸せってやつなんだよな。……まだ実感が湧かない。もうちょいヤらせろ」。
亜紀/あ、朝から……!?(笑)
GM/という訳でベッドに再度落ちていきます。第2ラウンド開始! シーンアウトしておきまーす。
亜紀/なんだってー!? お前は色欲しかないのかーっ!(笑)

 ――相馬は夢を見る。見たことのない異国の夢だった。
 まったく知らない世界。誰かがエルを呼んでいる。
 そのエルは一向に現れない。何故なら……この世界では自分がエルだったからだ。


GM/「エル! エルはいないか! 何故来ない!?」と騒々しい声が聞こえます。
相馬/エル? ……その声がする方向に行ってみます。
GM/騒ぎ散らしているところへ行ってみると、金髪赤目の男がふんぞり返っています。「我が呼んでいるのに何故来ないのだ! 何があった!? このギルガメッシュにさっさと理由を話せ!」
相馬/な……なんじゃこの超尊大!(笑) コイツ、ワシと同じニオイがする!
GM/「お前何があった、隠し事があるのか!? お前の悩みは我の悩みだ、さっさと話せ!」
航/ジャイアンだ! 超イケメンのキレイなジャイアンだ!(笑)
相馬/ここは話を合わせておくかのぉ……な、なんでもないよーってエルっぽく答えておきます(笑)
GM/「我は半分は神、半分は人、最強の存在ぞ。我に言えば何でも解決してやろう! 他ならぬ親友のお前の為ならば!」
相馬/此奴……神だなんだと言ってはおるが、エルにとっては大事なものらしいのぉ。……おぬしがワシに似ておると言っていたエルの友人か。
GM/「よう判らんが話を聞こう!」
航/ナチュラルな顔で【知覚】判定に失敗してるぞ、コイツ!(笑)
GM/夢の中でエルは彼と仲良く平和に暮らしているようです。エルの元に寄って来る子供達と遊んであげたり、動物とお話をしたり、ギルガメッシュが子供に「ジャンプはそこに置いておけ!」と言ったり。
相馬/楔形文字の石板ジャンプ!?(笑) 重い!? ……しかしなんじゃあ、あやつは充実した生活を送っておくのか。
GM/シーンが突如変わります。……胸が苦しい。いつの間にか君はベッドの上に居ます。さっきまで笑い合っていた男が、必死の顔で君に呼び掛けている。「エル! 死ぬんじゃない! 我をおいていくな!」
相馬/……これは……辛い死別じゃのぉ。
GM/ずっと偉そうで自信満々だった顔が涙で濡れていく。「お前に逝かれたら我はどうしたらいい!? お前が居たから……我は、世界を制することをやめたのだぞ!」
相馬/……此奴、ワシと似たことを考えておったのか。ギルの顔を見つめながら手を握りながら……何も返せずにいます。
GM/シーンが変わります。……君は淡々と生きている。夜、とある『現代風な服装の人間』を殺したり、とある『異国の格好をした人間』を殺したりしている。
盟/……10年前の聖杯戦争?
GM/無感情に生きている君。昼間は教会のとある部屋に閉じ込められている中……君は、子供達が泥団子を作って遊んでいる姿を遠くから見ている。
相馬/……確か此奴は子供好きじゃったのぉ。
GM/そのとき、コンコンと君が居た部屋の扉がノックされ、泥だらけの少年が走り寄ってくる。「エルー! 作ったよー! エルに言われた通り作ったらすっごく泥団子がピッカピカになったー!」と……航が言います。
航/小さな航になって)「見て見て! エルが教えてくれたやり方ホントキレイになるな! さすがエルだよ!」
相馬/……目線を下げて、航の頭を撫でます。
航/(小さな航になって)「えへー。コレ、エルにあげるよ! プレゼントは獲得チェックの基本だって誰かが言ってた!」
相馬/……エルのあったかい気持ちがじんわりと伝わってきて、ぽんぽん抱きしめながらありがとうと言います。
航/ぎゅーって抱きついておきます!

 少年を抱き締めているとまたシーンが変わる。
 今度は、抱きついていた少年が無表情の顔でススに汚れて呆然としていた。
 近寄ろうとしても近付くことはできない。代わりに、1人の儚げな少年が口を開いた。
「大丈夫だよ……お父さんやお母さんがいなくなっても……ワタルは僕達が守っていくから」


GM/チュンチュンと朝日が差し込む時間に相馬さんは目を覚ますと……隣で鳩に囲まれてエルが寝ているのを発見します
航/楽しそうだな! 羽毛布団か!(笑)
相馬/あったかいんだろうね! でも鳩クサーイ!(笑)
GM/相馬さんが起きると窓から出て行く鳩達(笑) ムクリとエルが起き上がります。……エルは額をずっと抑えつけておきます。
相馬/ああ、ワシの夢を見たのか(笑) そうじゃ、この傷は奴の矢で出来た傷じゃぞ。
GM/「痛くない? いや……痛いから悔しいんだよね」
相馬/……うむ、まあな。あれにはホントにしてやられたからのぉ。あー、今でも思い出して腹が立つ!
GM/ぎゅっ! 腹が立っているところに抱きつきます。「……マスターが悔しいのが判った。世界を自分のモノに出来ないのって……悔しいよね」
相馬/……いや、正直に言うとな。世界を己の物に出来なかったというよりは……信頼してしていた者に裏切られたことが一番腹立たしいかの。
GM/「……辛かった?」
相馬/うむ……悲しかったぞ。
GM/「俺は……裏切ることなんてしないよ。ずっと従順にマスターについていく」
相馬/らしいな。……おぬしの過去について訊きたいことがあるんじゃがいいか。おぬしはあの少年が落ち込んでいたとき、何故駆け寄ってやらなかったのじゃ?
GM/「駆け寄りたかったよ。でも、俺は……大切な友人の大切なものを、大切な時間をまた奪ったんだ……だから聖杯を取って幸せにしてあげるんだ」
相馬/……それがおぬしの願いか。
GM/「そうだよ。決して……マスターの邪魔はしないから。マスターはマスターの願いを叶えて。俺はほんの少しお零れを貰えるだけでいい」
相馬/大丈夫じゃ。おぬしの願いを邪魔立てするようなことはせん。……頭を撫でます。
GM/「……。10年ぶりに……こうやっていっぱい触れてもらえて、ホントに嬉しい……」
相馬/……そうか。抱き締めます。
GM/「やっぱり……ひとりぼっちはイヤだね。マスターをひとりぼっちにさせないよ。俺はずっとマスターの手足でいるから……」
相馬/……ありがとう。首元に顔をうずめます。

 ――盟は夢を見る。想像もしたことない夢だった。

GM/ではオチになります。
盟/トリでいいんですか!? 航が最後じゃなくていいんですかっ!?
航/いやいや、藤原さんは重要ポジションだろ(笑)
GM/という訳で盟ちゃんは夢を見ます。……君は夢の中でとある玉座に座っていた。その場所はなんともおどろおどろしい世界で、周囲にはモンスターが居る、絵に描いたような地獄だ。
盟/でも、なんとなく心が落ち着くんだな……。
GM/君の胸には罵声が浴びせられる。だけれども君は何も言わない。ずっとその罵声を受け続け、批難の言葉も何も言わずただただ受け入れるのみ。
盟/……くそう、言い返せばいいのに口が開かない。うう!
GM/ひたすらストレスが溜まっていくようなそんな雰囲気。……そうして君は目を覚ます。目の前にいるのは……黒須だ。
盟/はあ? なんで僕の家に……って、僕の家じゃない!?(笑)
GM/うん。見たことのない……地下室のように暗い場所に居る。
盟/足元には召喚陣。目の前には黒須。……何してんのぉ!?(笑)
GM/「契約の詠唱によりお前を召喚した。我が名は、黒須柊」
盟/知ってるよ!(一同爆笑) 何なの黒須!? なにしてるんだよビキビキ!?
GM/「今度こそ、完全なる聖杯を」
盟/プフー!
航/プフーって言った!(笑) お前の恋敵だよ!
GM/そして黒須は君を外に連れ出す。「では……俺の計画に従ってもらう。頼んだぞ。お前の名前は今日から……藤原幸正だ」
盟/ハッピートゥルース!?(笑)
航/だけど藤原さんだから「素晴らしい名前です」ってオートで言っちゃうんだ! 「このような素晴らしい名前を付けて下さる貴方はきっと素晴らしい人なのでしょう。何故なら私も特別な存在だから」(一同爆笑)
盟/ヴェルターズオリジナルー!?(笑) 特別な黒須! ちくしょー黒須何考えてんだよ!? ビキビキ! あの男ゼッタイぶっ殺す! なに中立とかよく言えたもんだね! はあ!?
GM/……その辺で目を覚ましておこうか(笑) 君が目を覚ますと、綺麗なスーツを新しく着て部屋に入って来る藤原さんが居ます。(藤原になって)「目覚めましたか?」
盟/怪我はもう大丈夫なの!? パッと起きて近寄ります。
GM/「それは私の台詞。そちらこそ大丈夫ですか」
盟/僕は大丈夫だけど……。
GM/「こちらは見ての通りです……」と、君の手元にあるキャラクターシートの数値ぐらいを言います。「ところで……私の過去を見ましたね?」
盟/……コクっと頷きます。
GM/「もうこのような話し方は必要ありませんか?」
盟/……あ、ああ。もしかして……ハー、デス?
GM/「…………頭の良いヤツで助かった」。マスターの皮を被っていたのを外します。
盟/お前……英霊なのか?
GM/「そう。……我がクラスはライダー。真名は、ハーデス。我が正体は既に夢の中で判っているだろう」
盟/……僕がお前だったら、あいつらをメタメタにしてやりたい!
GM/「私も一度は考えた。だけれどもそうではなく……民が幸福に過ごせる世界を作る。私はそちらを選んだ。それを聖杯に願うために現界した」
亜紀/……その結果が、前回のループのエンディングか。
GM/でも盟ちゃんは今回デジャブ持ってないんだっけ? じゃあ……その話を聞いてちょっとゾワッと背筋が凍った程度にしておこうか。
盟/……黒須は、やっぱりお前のマスターだったんだな。
GM/「そうだ。私も何度も記憶削除の術を君に掛けていたのだが……」
盟/そんなことしてたの!?
GM/さりげなく頑張ってたよ。実際に判定はしてないけどそういうことをしていたと言います。「術を掛けようとしたが一向に効かなかった。流石私をサーヴァントとするだけの魔術師なだけある」
盟/……当たり前だ!
GM/「君ほど素晴らしい力の持ち主ならば聖杯を手にする日は近いだろう。だから私は君についていくことにした。……君の記憶を見てしまったしな」
盟/……カッコ悪い記憶ばかりだっただろう。
GM/「マスターに……いや、元マスターである黒須柊に、大切にされている記憶だった」
盟/……でも、全部判らなくなった。だって……黒須はきっと、10年前から聖杯戦争に参加してたんだ! 僕の両親を殺したかもしれないじゃないか!
GM/「やはり……聖杯戦争に参加する理由は両親が原因だったか」
盟/……僕の両親は僕よりも聖杯戦争を選んだ。ならば僕の価値をもう一度再確認するためには、両親さえ成しえなかったことを成しえればいい! そうすれば僕の価値は……それ以上になる! あいつらを見返せる!
GM/「良い心意気だ。君の実力と覚悟を知った今、これからはサーヴァント……ライダーとして君に仕えていきたい。私がライダーと判明したからには2人で聖杯手にすることができる。もう別のサーヴァントを得ることは考えなくて良い」
盟/……お前がサーヴァントで良かったよ。
GM/「それは有難い」
盟/だって……他のサーヴァントが出来たら、昨日僕にしたことをするだろ!?
亜紀/……独占欲?(笑)
盟/いや、勝つ為に仕方ないっていうことは判っているんだけど! 嫌っていうか……うん、なんか変なこと言ってるよな、僕。
GM/……ちょっと驚いたような顔をして、クスっと笑います。
盟/な、なんだ!?
GM/「こんな男を惚れる理由が、どこにあったかな?」
盟/……初対面であんなことしといて、よく言うよ。理由なんて判んないよ……好きなんだもん。
GM/「……」。何か言おうとしますが、口を少し開いて、やめます。
盟/……い、今の無し!(笑) だって……僕だけ好きみたいじゃん。
GM/「君のことは嫌いではないよ」
盟/ほら、そうやって余裕ぶる! 僕には余裕なんて無いんだからね!? イライラしたので枕を投げます!(笑)
GM/「……充分に、私は、貴方を好きになる可能性がある」
盟/そ、そうなのか? なら絶対に好きにならせてやる……(笑)
GM/「楽しみにしているよ。……では先に確認しておかなければならないことがあるな。黒須柊についてだ」
盟/……教えてくれ。
GM/「それではマスター、私の知っている限りをお話しましょう」……というところでシーンアウトしておきましょう。
盟/……黒須と完全に敵対したな。あ、そういえば実は僕、黒須以外の恋愛ロールは初めてだ(笑)
GM/しかし藤原さんは黒須に既に……いや、やめておこう。
盟/黒須憎い!(笑)
GM/そしてエルも黒須に既に……いや、やめておこう。
相馬/黒須憎い!(一同笑)
盟/黒須、爆散しろ!(一同爆笑)
GM/あ、最後にマスターシーンをやるよ。……それは教会の風景……。

 聖杯戦争の監督官の元へ報告をしに来るエージェント達。数人のエージェント達が教会に訪れ、出撃していった。
 そんな人々の動きの中で、青森とミスターBが立ち去ろうとしていた。
 青森が教会をさっさと出て行ってしまう。しかしミスターBは扉に手を掛けたとき、振り返った。
「昨晩の話は無かったことにしましょう」
 ……冷たく言い放ち、彼は歩き始めた。


亜紀/……弁慶さんに、交渉を持ちかけてた?

 バタンと閉じられる教会の重々しい扉。
 閉じる音に紛れて、黒須は深い溜息を吐いた。
 それと同時。誰かが出る扉の重い音と、疲れた溜息に姿を隠していたかのように……金髪の幼女は現れる。

「貴方……この頃、絶不調。何をやってもダメね。そんなに失敗ばかりして……私が許してると思う?
 でもまだ諦める気が無いんだったら……少しぐらいは貴方に手助けしてあげてもいいわ。だって貴方は選ばれたうちの1人なんだもの。

 では、おいでなさい――――『アヴェンジャー』」