シノビガミ -忍神- ・ リプレイ
■ 『 ロードムービー リアクト 』 4ページ目 ■
2012年1月25日




 ●3サイクル−3/宵春

時臣/さて、今度こそ俺がジャンヌの【秘密】を取りに……!
宵春/待った。オレも行動したい。
GM/ジャンケンかダイスの出目が高い方が先にシーンやってくれよ。
宵春/じゃ、ここはダイスの出目にしよう。1D6振りまーす。(ころころ)3。
時臣/(ころころ)2。
宵春/3と2の対決か。さっきから出目が悪すぎるね、我ら(笑) では先に宵春のシーンをやらせてもらうよ。目的は、時姫に戦闘を仕掛ける。
凛厘/やっぱり!
宵春/先手必勝だ! まあとりあえずシーン表は振ろうか。(ころころ)7だった。

 回想シーン表7:助けを求める右手が、あなたに向かってまっすぐ伸びる。あなたは、必死でその手を掴もうとするが、あと一歩のところで、その手を掴み損ねる……。

宵春/『回想シーン表』が良いなぁ。どの出目でもドキッとする描写ばっかりで好きなんだよね……なかなか使えないけど。
時臣/使えばいいじゃん。それっぽいシーンを演出してさ。
宵春/……そろそろ時姫を連れて海に行く?
時臣/じゃあ……もう少しで海が見える街に近付くって感じかな。まだ到着しない。そんな……駅のホームにしよう。
金田/戦闘映えしやすそうな舞台だ(笑)
宵春/度重なる襲撃をかわしつつ、時臣達は海を目指す……だが、追手の追撃は留まることを知らない。
時臣/時姫と駅のベンチで寄り添っているところに、現れるのか……。
金田/そんな時臣と時姫を、僕達は守っているんだけどね。
凛厘/あたしもいつの間にか守っている側になっていました。
宵春/それじゃあ……時臣達が座っているベンチのホームの、向かい側に立っていることにしよう。「いよおおおおぉ? オレの声が聞こえるかぁ、ときおみいいいぃぃ!」 いつの間にか現れる宵春。
時臣/「あ、あの声は……またお前か!」
宵春/「会いたかったよ、時臣ぃ……お前も隠れるのが下手だなああああぁ?」 シーンプレイヤーが見付けちゃうだけなんだけどね!(笑)
時臣/襲い好きなプレイヤーのせいで毎度大変だよ!(笑) 「宵春……お前、また時姫を狙うのか」
宵春/「ああ、時姫を倒しにきた! でも時姫と同等の力を持ったお前も標的さぁ! まあここは時姫を優先的に殺さなきゃなあぁ……さっさと時姫をこちらに引き渡せば良いんじゃないかなああぁ!?」
時臣/「時姫を渡した途端、お前は時姫を殺すだろ」
宵春/「当然! オレの本当の目的は、時姫を殺すことだしなあぁ!」
時臣/「妹を殺されると判って引き渡す馬鹿な兄がいるか!」
宵春/「いやいやぁ、馬鹿なんて謙遜しなくていいよぉ。お前は比良坂も騙されるぐらい優秀な力の持ち主じゃないかぁ! アレコレ裏工作したから時姫誘拐の実行犯に選ばれたんだよなああぁ!?」
時臣/「……ああ。俺は10年間、家族を取り戻すために必死だったからな」
宵春/「そんな頭の良い時臣としりとりで対決しよう!
凛厘/何故ッ!?(一同爆笑)
時臣/しりとりで済むんだったらするわ!(笑) 「じゃあ、しりとりの『り』!」
宵春/「リジェネレイトガンダム!」
時臣/「ムース!」
宵春/「スーパーガンダム!」
時臣/「昔話!」
宵春/「シルエットガンダム!」
時臣/「ムカデ!」
宵春/「デビルガンダム!」
時臣/宵春テメェいいかげんにしろぉ!?(一同爆笑)
ジャンヌ/……ちなみに、「麦茶」。
宵春/それだと「ヤ」かな? なら……「ヤマトガンダム」。『Gガンダム』の外伝に出てきたやつね。
凛厘/「麦作!」
宵春/「クロスボーンガンダム」。
金田/「虫メガネ」。
宵春/「ネーデルガンダム」。
時臣/や、やばい……どんどん面白くなってきた……でも正直この展開どうでもいいッ! 宵春、お前……ガンダム見過ぎだろ!(笑)
宵春/病室でガンダムシリーズ全巻DVD網羅してたとか、【秘密】なので自分じゃ言えません。
凛厘/言ってる! 宵春さん言ってるよ!(笑)
宵春/「ひとりぼっちで閉じ込められてるとやることも限られてねぇ! 現実逃避する以外にやることねーし、外に出ても楽しいことなんてありゃしねぇ。あ、でも言われた通りに破壊活動するのは楽しいかなああぁ?」
時臣/「こ、この外道……」
宵春/「時姫なんて……ひとりぼっちじゃ何にも出来ねぇ、でもって外に出ても破壊活動も出来ねぇ。お前なんか外に出たって良いとこ一切無いだろ? さっさと死んだ方が良くねー?」
時臣/「勝手に決めつけるな! 時姫は……この1ヶ月近くを、奪われた10年間を目を輝かして取り戻そうとしていたんだ!」
宵春/「良いねぇ、何にも言わなくてもそういう風に守ってくれるお兄ちゃんがいて! 居なきゃすぐ死んじゃうぐらい弱いもんなぁ!?」
GM/「…………」 時姫は、震えながら時臣の後ろに隠れるだけです。
宵春/「お前が何も言わなくてもお兄ちゃんがなんでも代弁してくれるかぁ! 良いねぇ! オレにもそんな優しいお兄ちゃんがいれば変わってたのかねぇ!?」
時臣/「お前のような外道、守ろうとする奴なんて居ないだろ!」
宵春/「そうだなぁ。オレなんかを守ろうとするなんて奴なんていなかった。おかげでオレはこんなに逞しく生きている! 誰かに守られて優しい心なんて持っちまったら、強さもなあなあになっちまうもんだろおぉ!? 今じゃ1人だった過去に感謝してるぜええぇ!」
凛厘/「……宵春さん……貴方。なんか、悲しいですね」
宵春/「……あ?」 んなこと言われたら露骨に嫌そうな顔をするよ。
凛厘/「貴方も時姫と同じ、連れて行かれて一人にされたんですよね。時姫は時臣のように救い出してくれる人が現れてくれたけど……。宵春さんは、一人でテレビを見たり変なことを言ったり……一人で楽しむことを覚えて、今も一人で『隠忍である自分にとって危険なもの』と戦っているんですよね……誰一人、支援してくれない状態で」
宵春/「一人で戦うことぐらい忍じゃ普通だろ。鞍馬神流のお前も一人で忍務に挑んで、そこの隠忍のワンコだって一人でやって来たじゃないか」
金田/「この状態の僕達を、本当に一人だと言える?」
宵春/「…………」 ジャキッと二丁拳銃を構えて、「バーカ、良い話にまとめんなよ」と発砲。戦闘開始させてください。
ジャンヌ/そこに乱入。「……一人でもなんでもいいじゃない。私は宵春に助太刀するわ」と、宵春側につきます。
時臣/「またアンタか……!」
ジャンヌ/「別に私は宵春と慣れ合うつもりはないけど、時姫をどうにかするという目的は同じだから。……力は利用させてもらうわ」
時臣/「俺は、時姫を傷付ける者は誰であろうが容赦しないぞ!」
金田/時臣を守るように立ちます。
凛厘/……なんだか悲しい気分になりながら、凛厘も戦闘参加します。

 戦闘開始:PC5人+NPC時姫の6人戦闘。
 1ラウンド目、プロット5に宵春、プロット4に金田、プロット3に時臣とジャンヌと凛厘、プロット1に時姫。


宵春/一番最初は、宵春からか……。ここはお約束、≪奥義≫【範囲攻撃】!
凛厘/今度こそ「奥義破り判定」を成功させる! ≪刀術≫から指定特技の≪拷問術≫まで7だからイケる!(ころころ)うえええ!? 3だったー!?
ジャンヌ/あ、しかも逆凪いでる。ファンブルエリア行きだね。
凛厘/なんでぇー!?
時臣/凛厘! 「遁甲符」あげるから振り直してくれ!
凛厘/やだぁ、怖くて振り直したくない……でも頑張って振り直します!(ころころ)や、やった、10で成功!
宵春/ちぇー。≪奥義≫発動しなかったー。これで宵春はターンエンドです。
GM/次は、プロット4の金田の番だ。
金田/……1つ隣の宵春に、≪奥義≫を使用します。【クリティカルヒット】。
宵春/げっ。

 「奥義・黄金の牙!
 野獣の牙が敵を噛み砕く――!


宵春/わー、【クリティカルヒット】ってランダムに4点ダメージだっけ……。
ジャンヌ/その前に、ジャンヌが≪奥義≫を使用。効果は【絶対防御】。
金田/えー!?

 「……Jecasseletemps

凛厘/……演出は?
ジャンヌ/無し。考えてないんじゃなくて、無し。【クリティカルヒット】なんて発動しなかった。何も起きてない、以上。
時臣/えーと、どういう意味で何語だ……?
ジャンヌ/フランス語だけど、意味はヒミツ。あと翻訳ソフトを使ったから正直自分でも合ってるかどうか自信が無い。とにかく、宵春への4点ダメージは無かったことになります。
宵春/フランス語よく判んないけどありがてぇ!(笑)
金田/フランス語よく判んないけどチクショー!(笑)

 金田の【クリティカルヒット】の「見切り判定」は、宵春が成功し、奥義情報を獲得。
 ジャンヌの【絶対防御】の「見切り判定」は、時臣が成功。情報共有のため、金田と凛厘もジャンヌの奥義情報を獲得。


GM/次は、プロット3の時臣とジャンヌと凛厘だ。PC番号順に頼む。
時臣/おうよ。【爆破】をジャンヌに……いや、ジャンヌは≪火術≫持ちだから宵春に……いや、宵春も≪砲術≫持ちなんだよな。
ジャンヌ/どっち選んでも、どっちもどっちだよ。
時臣/だな。じゃあ……脅威なのは【範囲攻撃】持ちの宵春だ! 宵春を【爆破】する!(ころころ)6で成功!
宵春/「出来るもんならやってみなぁー!?」(ころころ)7で回避成功!
時臣/余裕で避けられた……けど、【連撃】でもう一回攻撃!(ころころ)6で成功!
宵春/もう一度回避して良いんだよね?(ころころ)はい、7で回避成功。
時臣/ああっ、ダメだったー!
ジャンヌ/次は、PC3の私の番。……プロット1にいる時姫に攻撃。
時臣/「しまった!?」
ジャンヌ/時姫に【爆破】を仕掛けます。(ころころ)7で成功。射撃ダメージ2点を与える。
GM/時姫は……≪走法≫で避けるけど、12が出ないと回避できないな。
金田/スペシャル狙いで振れ!
凛厘/……いや、その前に! あたしも≪奥義≫使います!
ジャンヌ/ああ、確か【判定妨害】だったね。
凛厘/うわーん! 言わないでくださいー!(笑)

 「破術・雪崩斬りッ!
 仕込んでいた刀で、相手の攻撃を掻き乱す――!


凛厘/ジャンヌさんの爆弾を全て刀で斬って、不発にさせます! それで時姫を守る!
宵春/「見切り判定」するよ。(ころころ)お、5・6で成功。いっそスペシャルが出ればいいのに……いや、今出ても【生命力】減ってないから意味無いか。
金田/そっか、宵春チームはまだ【生命力】1点も削れてないんだ……。
ジャンヌ/(ころころ)私も「見切り判定」に成功。凛厘の奥義情報を貰います。
GM/次は、凛厘の番だな。
凛厘/はい。ジャンヌさんに攻撃を。ファンブルが出なきゃいいや。(ころころ)…………。
宵春/あ、凛厘の中の人が倒れた。

 出目は、1・2。
 ……さっきから涙が出るほどの活躍である。


凛厘/おおおお終わりですうううう! このダイス、解雇ぉー! 違うの使うぅー!

 こんなことを言ってるが、プレイヤー5人が使っているダイスは全て、宵春の中の人・マーサーのものである。

宵春/いやぁ……相変わらず、持ち主に優しい出目を出すダイスだ(笑)
ジャンヌ/『AW・リプレイ〜バッドルイド』のときも似たようなこと、あったよな(笑)

 2ラウンド目:プロット4に時臣、プロット3に宵春とジャンヌと金田、プロット2に凛厘、プロット1に時姫でスタート。

時臣/おっ。俺が一番最初か。……ここは、宵春に攻撃!(ころころ)11で成功!
宵春/(ころころ)7で成功。避けます。
GM/次はプロット3の宵春、ジャンヌ、金田。
宵春/もう【範囲攻撃】は使わない方向でいこう。……時姫に【幻兵】で攻撃。
金田/接近戦ダメージと、集団戦ダメージが1点ずつか。
宵春/(ころころ)よし、6で成功。≪幻術≫で避けて。
GM/(ころころ)……6で成功のところを5で失敗。ランダムで1点ダメージを受けるな。
宵春/(ころころ)4が出た。妥当にいけば[謀術]だけど?
GM/時姫はもう既に[謀術]が潰れている。なので、[体術]を潰す。……これで時姫の【生命力】は残り1。
時臣/マジで!? 時姫、死にかけてる!?
宵春/(ころころ)ちなみに、集団戦ダメージでは4が出たよ。
GM/……変調表4は、行方不明。
一同/行方不明ぃ!?

 『変調:行方不明』。
 その戦闘が終了したあと、メインフェイズ中に行動ができない。
 1サイクルの終了時に、≪経済力≫の行為判定を行い、成功するとこの効果は無効かされる。


金田/あ、でも時姫はメインフェイズに動くPCじゃないから、実害は無い……?
GM/けど面白いから行方不明になろう。
時臣/おおい!?(笑)
凛厘/行方不明になっちゃうの!?
GM/大丈夫、プライズの所持者が時姫をどう扱うか決定権があるから。でも時姫は……宵春の怒涛の攻撃の波に襲われ、行方をくらませてしまいます。時姫、戦闘から脱落。
時臣/「と、時姫!? 時姫の姿が見えない!(笑) どこに行ったんだ……!?」
GM/で、1サイクルの終了時に復活できるんだから……クライマックスフェイズ前には戻ってくるんじゃないかな? 戻ってくると良いね。
凛厘/戻ってこない可能性もあるの!?(笑)
GM/……≪経済力≫に成功するためには≪伝達術≫からだから、7以上出れば変調は回復される。7なら期待値だよ。でもマーサーのダイスだからな。
宵春/な、なんかうちのダイスが粗相を……ゴメン(笑)
ジャンヌ/気を取り直して、ジャンヌのターンいくぞ。目的の時姫を倒すことが終わったので、地道に【生命力】を削る方向にいきます。……鞍馬の凛厘を先に潰しておく。
凛厘/えー(笑)
ジャンヌ/【爆破】で攻撃。(ころころ)10で成功。
凛厘/あたしも≪砲術≫持ちなので6で成功できるんですよ。(ころころ)……4……。
ジャンヌ/残念でした。
凛厘/は、【判定妨害】を!
GM/もう凛厘が回避判定を振った後だからダメな。凛厘、脱落。
凛厘/わーん!(笑) 2点くらっちゃうと死んじゃうんで、[戦術]を潰しておくだけで[体術]はすぐに「兵糧丸」使って回復しておきますね……。
GM/次は、金田の番。
金田/宵春に【クリティカルヒット】を……。
宵春/絶対、奥義破れるぞ。
金田/……したいところだけど、ここは【逆鱗】でやや強化されてる【痛打】+【流星雨】を打とう!(ころころ)【痛打】成功。【流星雨】は……(ころころ)9で成功。
GM/3マス以内の全員に射撃ダメージ2点だな。全員避けろ。
宵春/≪幻術≫から(ころころ)よっしゃ、11で成功!
ジャンヌ/≪用兵術≫から(ころころ)やった、10でギリギリ成功。
時臣/お前ら、出目良いな!? ≪潜伏術≫から(ころころ)……7、失敗。
金田/あ。
GM/【流星雨】を使った金田も回避判定しろよ。
金田/(ころころ)…………あのッ!?

 金田が振った出目は……1・2。
 まるで仕組まれたかのような、しかし間違いなく、何度見ても1と2であった。


時臣/嘘だろぉー!?(一同爆笑)
宵春/凄い、1・1じゃないのも逆に凄い! 私のダイス、私以外に優しくないなぁー!?(笑)
ジャンヌ/……えーと(笑) 時臣と金田に射撃戦ダメージ2点だったっけ? 生きてる?
時臣/……「兵糧丸」が1つ残ってる。だから、[器術]だけ潰して[忍術]は回復させておく。
金田/ま、まさかの展開……2D6振って5ぐらい出ろよ!(笑) [体術]と[忍術]を潰します……。
宵春/知ってるか、宵春とジャンヌって【生命力】1点も削れてないんだぜ?

 現在の【生命力】状況。
 時臣:1
 宵春:8(【頑健】持ちのため)
 ジャンヌ:6
 金田:2
 凛厘:1
 時姫:1


時臣/マジかよ、絶望的じゃないか! 面白くなってきた!(笑)
凛厘/しかも時姫は行方不明だし!(笑)
GM/では、4ラウンド目になるけど。残った宵春とジャンヌの2人、どうする?
宵春/勝利はジャンヌに譲るよ。宵春は脱落を宣言する。時姫の【生命力】を削ることが目的の戦闘だったんだから……戦果は時臣に一方的に【感情】でも結ばせれば?
時臣/一方的に何の【感情】?
ジャンヌ/(暫く悩んで)……いや、ここは……プライズの時姫を貰います。
時臣/ここに来てプライズを持っていくか!?
ジャンヌ/だってこのまま時姫を行方不明にするのもアレだろ(笑) それよりは、こちら側が時姫を奪って時臣から引き裂いたという方がしっくり来る。
凛厘/やっと海の近くまで来たのに……連れてかれちゃうんだ……。
金田/それはつらいな……。
ジャンヌ/なので、背の高い女が倒れた時姫を抱きかかえて連れて行こうとする。
時臣/うわあ、やられたけど噛みつく勢いで止めるぞ!「ま、待てよ! ……待ってくれ……」
ジャンヌ/その声を聞かずに去ろうとする。
時臣/「待ってくれよ! お願いだ……また俺から時姫を奪わないでくれ!」
ジャンヌ/「…………。そんなにこの子が大事?」
時臣/「大事だよ! たった1人の家族だったんだ、当然だろ!」
ジャンヌ/「家族だから大事が当然なんて限らない」
時臣/「俺は時姫を奪われたときから時姫を取り戻すことだけを考えて生きてきた! やっとその夢が叶ったんだ! ……頼むから俺から妹を引き離さないでくれ!」
ジャンヌ/「妹……。そんなに好きなんだ……」
時臣/「好きだよ! 愛してる! たった1人の家族だから、大切に決まってる!」
ジャンヌ/「ありがとう。その言葉、忘れないわ」
時臣/「……え?」
ジャンヌ/と言って、その場を去ります。……うーん、シリアスは苦手だな。「宵春、面白いこと言ってシーンを切って」
宵春/「親方! 空から女の子が!」「よし、火を放て!」
時臣/あともう少しでサイクル終わるからそれまでシリアスに我慢しろッ!(笑)


 ●3サイクル−4/時臣

時臣/今度こそ俺のシーンでいいかな。……ジャンヌの【秘密】を取りにいく。
GM/どうぞどうぞ。時臣が【秘密】をゲットすれば全公開だよ。
宵春/まずはシーン表を振ろうか。
時臣/ああ。(ころころ)8だ。

 都市シーン表:古びた劇場。照明は落ち、あなたたちのほかに観客の姿は見えないが……。

ジャンヌ/よし、ジャンヌは時姫を攫って古びた劇場に入った。海とは程遠い室内に時姫を連れて来た。時姫を拘束して舞台に居よう。
凛厘/すっごい絵になるなぁ……。
宵春/まるで自己顕示欲の強い悪者のようだ。
時臣/お前らにピッタリだよ(笑) で、時姫を血眼になって捜す俺! その結果、劇場に駆けつける俺! 「時姫……見付けた……!」
ジャンヌ/「……どこに行っても追いかけてくれる。捜しに来てくれる……時姫は愛されてるわね」
時臣/「ああ、愛しているさ! たった一人の妹なんだから!」
ジャンヌ/「……それ、聞きたくなかったわ」
凛厘/時臣と一緒に出てきていいですか? 「……ジャンヌさん。貴方、時臣のことが好きなんですか? だから『聞きたくない』って言ったんですか?」
ジャンヌ/無言になる。
時臣/「……なあ、さっきの『ありがとう』って、何だったんだ?」
ジャンヌ/口を噤む。自分からは何も話さない。
時臣/【秘密】と関係してるのか。「アンタ、一体何者なんだ?」と言いながら判定を……って使える特技はもう[忍術]しかねぇ。
金田/残りの【生命力】は1だけだもんな。
時臣/ここは≪第六感≫でジャンヌが何者であるか探るしかない。(ころころ)よし……8で成功。
ジャンヌ/≪第六感≫で【秘密】が判るってことは、こういう台詞が良いかな。「……やっと気付いてくれたわね」(言いながら、【秘密】を公開する)
時臣/うん……?(【秘密】を受け取る。

 時臣、ジャンヌの【秘密】を入手。
 金田、ジャンヌの【秘密】を入手。
 凛厘、ジャンヌの【秘密】を入手。


GM/宵春はジャンヌの【秘密】を知っているから、これで全公開情報になる。じゃあ、公開しようか……。

 PC3:ジャンヌ=タンプランツの【秘密】
 貴方は、時姫である。

時臣金田凛厘/はあっ!?

 生まれてからずっと斜歯の結界に閉じ込められていた。
 貴方は出来れば海が見たいと思っている。


GM/「生まれてから」のところは時臣の言った設定により、「10年前から」に変更されました。なお、PC3にのみ「自由記述項目」にGMの付け足しが大いに入ってます。
ジャンヌ/はい。プレイ前にGMと相談して、元にあったハンドアウトの内容を改変しました。

 貴方は「前の世界」でPC1と逃亡の中、何の願いを叶えることも出来ず、自我を凍結され、最終的には死亡した。
 だがPC1への愛情が深かったために「世界の特例」として選ばれ、他者の体を借りて自由に生きることができている。
 NPCの時姫を殺せば、魂にまで刻まれている呪印から解放され、平和な日々を送ることができる。


金田/……ど、どういうことだ?
時臣/それは時臣の台詞でも言うぞ。「一体、どういうことなんだ……?」
ジャンヌ/「つまり、私も時姫だってこと」 ちなみに、≪奥義≫の意味は『時を壊す』。名字のタンも『時』って意味。時臣だけじゃなく、PC3も時姫という名前に繋がりを作ってたんだよ。
時臣/「でも……時姫は、そこに……!」と、拘束されている時姫を見る。
GM/その時姫はひどく弱っていてグッタリしてる。この会話は聞こえていないことにしよう。その方がややこしくないから。
ジャンヌ/……あのさ。時臣の判定が終わったし、このままジャンヌのシーンに移行していい? その方が演出しやすいし、説明も出来るから。
時臣/了解。時臣は混乱したままシーンを切ります……。


 ●3サイクル−5/ジャンヌ

ジャンヌ/このままクライマックスフェイズにいく勢いで、ラストのサイクルを演出します。シーン表を振るよ。(ころころ)5だ。

 回想シーン表5:目の前に横たわる死体。地面に血が広がっていく。あれは、私のせいだっただろうか……?

金田/ここで『回想シーン表』! 綺麗な流れだな!(笑)
ジャンヌ/舞台の上で時臣に語り始めます。「……これは別の世界の話。そこは、海ではなかった。海には程遠い場所で、時臣は死んだ」
時臣/し、死んだ……。
ジャンヌ/ジャンヌという斜歯忍軍のクノイチが時臣にトドメを刺した。時臣は深手を負い、「死亡」を選択した。
凛厘/時臣、死んじゃった……。
ジャンヌ/「時臣とジャンヌは相打ちだった。でも時姫は斜歯の手に渡り、結界に戻された」
宵春/……ルールブックの結末案には、『時姫を連れ帰ろうとする陣営が勝利すると、彼女は何とか生き延びるが自我を凍結され、封印される』ってあるな。
ジャンヌ/「私はジャンヌに連れ戻され、あそこに閉じ込められた。二度とこんなことが起きないようにって、封印された。私は動くことも喋ることも出来ない姿にされたけど、意思はあった」
金田/意思、あったんだ。
ジャンヌ/『自我を凍結される』とあるけど、されなかったんだよ。正確には、出来なかったと言うべきか。
宵春/でも動けない、話せない……下手に感情がある状態でそうなるって。
凛厘/ひ、悲惨……。
ジャンヌ/「真っ暗闇の中で、私はずっと時臣のことを考えていた。それでもどんどん自分の心が死んでいくのが判った。時臣のことを考えながら自分の死に怖い怖いと思い続けていたら、ある声がした」
時臣/「声?」
ジャンヌ/いきなり静かで優雅な声で笑いながら)「そこまで愛に生きる人を殺すなんて出来ない。世界は貴方のような人間を求めている。もう一度幸せになりたいと思いませんか? 幸せになる意思があるなら時を戻してみせましょう」……そう、金髪碧眼の男は言った。
宵春/……ぶっ!(笑)
GM/封印の中の暗闇から、いつの間にか渦の巻いた世界に居たと。
ジャンヌ/「そして再び、私……時姫は目を覚ました。真っ暗闇だった視界が、今度は真っ赤になっていた。ビルが倒壊していたわ。そして血だらけになって立っている自分がいた。……きっと本物のジャンヌはビル倒壊のときに死んだのよ」
金田/時臣のオープニングシーンで!?
時臣/冗談で言ったオープニングで!?(笑)
ジャンヌ/「ジャンヌは死んで魂を失くした体になった。暗闇の中で魂だけが彷徨っていた私が、その体に入りこんだ。私は自由に外で動き回れる体を手に入れた。でも、私はジャンヌになったから時姫じゃなくなって……時臣は見向きもしてくれなくなった」
金田/え……なんで時姫はそのままなんだ? ジャンヌの体に時姫の魂があるのに? あれ?
GM/簡単だよ。「前の世界の時姫の魂」を「今の世界のジャンヌの死体」に入れただけだもの。「今の世界の時姫」は五体満足、魂も全部あるよ。
時臣/つまり、『未来日記』状態!?(笑)
宵春/そこで「今の時姫の体に魂の記憶をコンバートしてあげる」とかしないんだ……! 『アナザーワールドSRS』で言うところの≪オレンジの記憶≫みたいな……。
GM/そんなことしたら面白くねーし。金髪碧眼の男が満足しないだろ。
宵春/金髪ロリならそれぐらいのことしてくれるのに! さっすがルージィルさん、えげつねぇ!(一同笑)

 知らない人のためにご説明しましょう。
 すがく&桐生&マーサー&銃撃戦が制作した『アナザーワールドSRS』という「ジャンル:ループシナリオ推奨TRPG」というものがございます。
 それに「みんなが幸せになるために人生をやり直してくれる係」の金髪ロリ、「面白い・楽しいという理由だけで勝手に人生をやり直させてくれる係」の金髪碧眼の男というNPCがおります。
 詳しくは『アナザーワールドSRS』のリプレイシリーズをご覧ください。この日は元々、中の人達がリプレイシリーズの続編をする予定だったということで、『シノビガミ』でこのようなパロディ展開となりました。


宵春/(←主に『AW』のGMをしている人)「世界を幸せにするために優秀な人材を生き返らせる」ロリと違って、ルージィルさんっていう金髪碧眼の人は「深い愛情を抱いている面白い人材だったらなんでも生き返らせちゃう」んだよ……。
時臣/(←主に『AW』の世界設定制作担当の人)ロリは絶対「世界にとって良いこと」にしか動かないキャラクターだから、ちょっと都合の悪いことでも動いてくれる優しいキャラクターとして作ったんだ……。リプレイにしてないセッションでいっぱい登場してるキャラだから、いつかリプレイ化するシナリオに出そうと相談してたんだけど。
GM/実は今日やる予定だったセッションがそれだった。
凛厘/で……その「優しい」の結果が、ジャンヌさんのような例ですか。
金田/PC3のオープニングに出てた男性がそれか(笑) 差し支えなければ、時姫の【秘密】って見ていい?
GM/いいよ。このシナリオではあまり意味を持たないもんだし。

 NPC:時姫の【秘密】
 PC1を見て一目で恋に落ちてしまった。
 貴方は何がなんでもPC1を助けたいと思っている。


宵春/時姫がPC1の【秘密】を持ってたんだ。うんうん、シナリオではあまり意味を持たないもんだよね……!(←『ロードムービー』でPC1をやった人)
GM/一応、時姫にも付け足しの「自由記述項目」はあるんだよ。

 なお、この世界の時姫はある理由で口がきけず、【判定妨害】の≪奥義≫も使用することができない。
 (ある理由は他のPCと関わってくることだから、ここでは教えないよ!)


金田/「ここでは教えないよ!」って(笑) 喋れないのも力が使えないのも、PC3がいるからとか?
GM/ぶっちゃけ理由を話そう。……変に時姫のキャラ立ちをさせるとPC3のキャラロールに影響が出ると思ったから、喋れない設定にしました。
宵春/あ、それは良い判断だ。これで時姫が元気っ娘になったらクール系のPC3と別人になるし。「ジャンヌが本物の時姫」じゃなくて「どちらも本物の時姫」設定なんだから、PCを潰さずNPCを動かさないようにする判断は正しいと思うよ。
凛厘/そっか、「ジャンヌさんが時姫だったんですね」じゃなくて、「ジャンヌさんも時姫なんですね」って言わなきゃいけないんだ……!
宵春/……このままクライマックスシーンに移行するんだよね? なら、宵春も登場していいかな。
ジャンヌ/いいよ。全員登場許可します。時臣も凛厘と金田を連れて来てるんだし。
宵春/舞台袖から宵春が出てきます。「時姫を殺せばこの女は時姫になれる。そう言われて今の今まで、オレの時姫殺しに加担してくれたんだ」
時臣/「時姫を殺せば……?」
宵春/「そう。時姫を殺さなければこの女は3サイクル後、死んじまうだってよ!」
ジャンヌ/そうなの?
宵春/え、そうじゃないの!?(笑)
時臣/あ……呪印ってコレのことか! 凛厘の【秘密】を全公開していいかな?
凛厘/どうぞどうぞ! 前のシーンで全公開するつもりのものだったのでどんどん公開してください!(笑) 自分じゃ【秘密】を言えないので誰か言ってください!
時臣/……凛厘が調べたという時姫の資料を出して、言います。

 PC5:茂裏川凛厘の【秘密】
 貴方にしか知らされていないことだが、時姫は、結界の外に出ると、呪印にむさぼられて死んでしまう。
 呪印が彼女を殺すのは、1ヶ月後3サイクル終了後だ。


金田/「自由記述項目」は?
凛厘/……実は、書いてないんです。これだけで充分だと思ったんで、あえて【秘密】を追記しませんでした。
宵春/凛厘は時臣のために時姫のことを調べて、このことを知って、いても立ってもいられなくて時臣の援助をしに来たのか……。け、健気だ(笑)
凛厘/いつか自分の口でこのことを伝えようと思ったんですが、あまりに時姫と楽しく話している姿が眩しくて言えませんでした。【秘密】は自分から言えないものですし(笑) ……生き別れの兄妹を応援してあげたくて、ずっと時臣を支えてきました。
GM/呪印は時姫の体ではなく、魂自体に刻み込まれたもの。だから今の時姫も、前の時姫であるジャンヌも、1ヶ月後3サイクル終了時に結界内に居なければ死んでしまうということだ。
宵春/でも、ジャンヌの場合は……時姫を殺すことができたら?
GM/呪印から解放される。そういう『例外』になりました。
時臣/呪印から解放されるためにも、今の時姫を殺さなければならない……。
宵春/……なんだか、金田の呪いと似てるね。
金田/あっ……。
GM/それは偶然だけどさ(笑) きっと同じような仕組みの呪いなんだろうな。ただ解呪の方法が【感情】を結べば済むのと、相手の命を奪うことが必要なのとで大きく違うけど。
ジャンヌ/「……時臣。私は、死にたくない訳じゃないの。死にたくないから時姫を殺すんじゃないわ」
時臣/「え……」 それは、思ってもいなかった言葉だ。
ジャンヌ/「この世界には時姫が2人いる。貴方の愛する時姫が2人いることになるわ。……でも、貴方は『たった1人の家族だけが大切』って言った。裏を返せば、2人目の家族なんていらないってことでしょう?」
凛厘/「と、時臣はそんなつもりで言ったんじゃないよ!」
ジャンヌ/だろうけどね。「私は死にたいんじゃなくて、時姫として時臣に見てほしいの。だから……もう1人の時姫を殺して、ちゃんとしたお兄ちゃんの家族になるわ!」
宵春/そこで本物の「お兄ちゃん」呼び……!
時臣/うお……どうしたらいいんだ……。
宵春/……どうもしようもないかな。
金田/元々、『ロードムービー』のシナリオ自体が、どうしようもないものだからな……。
時臣/どうしようもないのか……ううん……(暫く悩んだ後に)「……アンタが時姫だっていうなら、アンタも俺の家族だ」
ジャンヌ/「……そう言ってくれるの?」
時臣/「……でも、アンタが時姫を殺そうって言うなら、アンタは俺の敵だ! 俺は……今、この世界に生きる俺は、この世界で生きようとしている時姫の兄だから」
ジャンヌ/「……じゃあ、私が今この世界に生きる時姫になればいいだけの話!」 戦闘態勢になります。
時臣/「ごめん……出来ればアンタも救いたい。けど、だからって何も出来ない時姫を見殺すことは出来ない!」
ジャンヌ/そんなこと言われたら、ジャンヌは泣きながら戦闘しちゃうぞ。
時臣/ごごごごめん!(笑)
宵春/「話は済んだかい? ……泣く必要は無いさ、時姫を殺せばいいんだろぉ? 殺せば晴れてお兄ちゃんって言える日が来るんだぜ。笑いながら時姫を殺そうぜ!」
時臣/ジャンヌには同情の余地があるが……宵春には超敵視するぞ! お前は時姫を本気で殺しにかかってるからな。
宵春/「おう、超敵視すればいいよ。オレはお前らと判り合う要素なんて一切用意してねーし! ただ時姫を殺す! 隠忍に有害なモンを殺す! それは隠忍の本能でやってるんだ、その本能を否定するムカつく奴も一緒に殺すぜ!」
金田/時臣の前に立つ。
凛厘/同じくあたしも立ちます。……宵春さんのこと、同情の目で見ちゃいます。
宵春/「あ? なんだよその目は」
金田/「……僕は呪いから解放された。運良く、時臣お兄ちゃんに救ってもらえた」
宵春/「だな。お前は自然と勝ち組になった。でもあの女はどうやっても救えねぇ。勝ちにいくしかな」
金田/「今……頑張って、時臣お兄ちゃんはジャンヌさんを救おうと考えた。何か救える方法が無いかって探している顔だった」
宵春/「無様な顔だね! ホントに無様だ。考えたって救える方法なんて無いのに!」
金田/「考えて、考えて……その結果、時臣お兄ちゃんの手で全てを終わらせることで、彼女を救おうとしてるんだ」
宵春/「殺して終わり? あはははは、オレと同じ考えかぁ! 考えたって無駄だったってことだったなあぁ! 時臣もオレと同じ外道だったってことじゃねーかぁ!」
金田/「悩んだ時臣お兄ちゃんの姿を悪く言うな! 全部諦めて殺して終わりなんて馬鹿なことをしようとするお前といっしょにするな!」
宵春/「オレは悩まなくていい、一番手っ取り早いことをしてるだけだろうが」
金田/「それが諦めなんだよ!」……一度【感情】を結び損ねてバッドエンドフラグが立ちかけたけど、戦闘でなんとかしてもらったから、その手間のことを思いながら、言います。
凛厘/「宵春さん……前に貴方が言っていたことだけど、貴方にも救いになってくれるお兄ちゃんが居れば良かったのに。ううん、救いになってくれていた人は居たかもしれないけど……貴方が全部諦めようとするから見過ごしてしまって居ないことになっちゃっただけじゃないの……?」
宵春/「…………。あー、長話疲れた。ヤクも切れてきたしさっさと始めようぜ。時姫を殺す。時姫を守ろうとしている奴も殺す。全員だ。銃弾の雨を降らせてやる! ここをクライマックスにしてやるよ!」
時臣/「……ごめん、終わらせてあげるよ……時姫!」
ジャンヌ/「私は始めるのよ……新しい人生を、お兄ちゃんといっしょに!」 ジャンヌのサイクルなので、ここは凛厘に【感情】を結んでおきます。(ころころ)≪衣装術≫で戦闘態勢に入る準備をしながら……7で成功。
GM/1D6振ってくれ。
ジャンヌ/(ころころ)4だ。
凛厘/(ころころ)6です。

 ジャンヌ、凛厘に対して『侮蔑』の【感情】を結ぶ。
 凛厘、ジャンヌに対して『殺意』の【感情】を結ぶ。



 ●クライマックスフェイズ

 クライマックス戦闘、スタート。
 1ラウンド目:プロット5にジャンヌと金田、プロット4に時臣と宵春、プロット3に凛厘、プロット1に時姫。


ジャンヌ/ジャンヌは泣きながら攻撃をします。【爆破】を……時姫にしたいけど。
GM/時姫はプロット1なので、射程外だね。
ジャンヌ/……仕方ない。凛厘の総攻撃が怖いので、凛厘に攻撃します。≪火術≫で(ころころ)3。
金田/失敗だ!
宵春/しかも、逆凪いでる!
ジャンヌ/…………(黙ってファンブルエリアにコマを移動させる)。
宵春/きっと興奮しちゃって攻撃という攻撃が出来なかったんだよ(笑) じゃあ次は金田のターンだ。
金田/【クリティカルヒット】を、プロット4にいる宵春に使用!
宵春/「奥義破り判定」するよ。7で成功だから……(ころころ)6・5が出た、11で成功。
時臣/……そこで時臣の≪奥義≫使用! 【判定妨害】!

 「秘儀・朧睨み!」
 隠忍だけではなく、全ての種族を牽制する時姫の力を今、解放する!


時臣/時姫の≪奥義≫が【判定妨害】だったから、同じものにしてみた。宵春の振った高い出目1つを1にしてくれ。
宵春/1・5で……6。「奥義破り判定」は失敗だ。でも逆凪いではいないな。良かった。
金田/けどこれで金田の【クリティカルヒット】の効果が発動。宵春にダメージ4点がいくぞ!
宵春/ぐお……4点は流石に痛ぇ。

 宵春は、【頑健】分の2スロットと[器術]と[忍術]を潰した。
 このとき、宵春とジャンヌは2人とも時臣の≪奥義≫の「見切り判定」を行なうが、どちらも失敗してしまった。


GM/次は、プロット4の時臣と宵春。まずは時臣のターンから。
時臣/時臣は、ジャンヌに対して【爆破】!(ころころ)7で成功!
ジャンヌ/逆凪いでるので判定できません。でも、≪奥義≫の【絶対防御】でダメージ無し!

 ジャンヌの≪奥義≫に時臣と金田と凛厘は「奥義破り判定」に挑戦するが、全員失敗。ジャンヌはノーダメージ。
 その後、宵春が【範囲攻撃】を行なう……が、金田が「奥義破り判定」を成功させ、宵春のダメージを防いだ。


凛厘/宵春さんとジャンヌさんの2人に、【後の先】+【時雨】+【痛打】で攻撃します!(ころころ)よし、全部の判定成功! 命中しました!
宵春/回避!(ころころ)成功した。宵春は当たらない。
ジャンヌ/(ころころ)残念、ジャンヌは当たってしまった。
凛厘/ジャンヌさんは合計3点の射撃戦ダメージを受けてください!
ジャンヌ/流石……鞍馬の一撃は怖いな。[体術]と[謀術]と[妖術]を潰します。

 2ラウンド目:プロット5に時臣とジャンヌと金田、プロット4に宵春と凛厘、プロット1に時姫を配置。

GM/まずは、プロット5のジャンヌと金田から。PC番号順でジャンヌからいこう。
時臣/ジャンヌに【爆破】!(ころころ)9で成功!
ジャンヌ/【矢止めの術】で回避する。(ころころ)7で成功。
時臣/その成功に、≪奥義≫で【判定妨害】!
宵春/その奥義を破るよ。(ころころ)11で奥義破り成功。
GM/ダメージが入らない、凄い接戦だな。
ジャンヌ/ジャンヌは……本当は時臣を攻撃したいけど、≪火術≫バトルは大変だ。だから金田を【爆破】で攻撃します。(ころころ)7で成功。
金田/回避はクリティカルじゃなきゃ無理だ!
宵春/回想シーンを使ったらどうにかなるんじゃ?
金田/≪火術≫に一番近い特技で≪掘削術≫なんだ。だから2D6で14を出さないと無理。クリティカル狙いで!(ころころ)……出目は良いけど、失敗。
ジャンヌ/では、金田に射撃戦ダメージ2点です。
金田/【生命力】残り2だったので……倒れます。
GM/死亡は選択する?
金田/しない。それに同じプロットだから、金田も攻撃する! ジャンヌに【クリティカルヒット】!
宵春/それも破るぜ。(ころころ)よし、7でギリギリ成功。【クリティカルヒット】は無かったことに!
金田/ぐっ……ここまでか。
GM/金田、脱落。次は、プロット4の宵春と凛厘だ。
宵春/宵春は問答無用で時姫に【幻兵】で攻撃……したかったんだけど、コストが足りない。ちくしょー、だから無難に凛厘を落とす!(ころころ)はい、9で成功。
凛厘/その命中に【判定妨害】! 出目1つを1にして!
ジャンヌ/奥義を破る。≪衣装術≫があるから6で成功する。(ころころ)9で成功。
宵春/凛厘に射撃戦1点と、集団戦1点を与えた。
凛厘/あああっ! 落ちたー! ……でも同時攻撃だからまだ行動します。ジャンヌさんに向かって【痛打】+【後の先】+【時雨】!(ころころ)はい、全部成功したので宵春さんには2点、ジャンヌさんには3点のダメージです!
宵春/避けるぜ。(ころころ)はーい、9で成功! そのダメージ当たらない!
ジャンヌ/(ころころ)……あ、4で失敗。3点受けちゃった。「兵糧丸」で1点回復して、[謀術]と[戦術]を潰します。
凛厘/ま、まだ【生命力】2点ある……。
時臣/いや、これであと【生命力】2点だ!
GM/そしてこれで凛厘は脱落、と。
凛厘/「時臣……頑張って……!」

 3ラウンド目:プロット5に時臣、プロット4にジャンヌ。プロット1には相変わらず時姫。それを狙うかのようにプロット2に宵春。

GM/宵春のプロットは2か……時姫潰しにいったな。その前に、時臣の番だ。
時臣/宵春を先に叩くべきだとは思う……でも、ここはジャンヌを攻撃しよう。
ジャンヌ/私で良いの?
時臣/いざとなったら、死亡を選択して総攻撃で宵春を倒せばよい。
ジャンヌ/……そういう判断になるか。
時臣/だから、ジャンヌを先に倒す! 【爆破】!(ころころ)……うお、5のギリギリ成功!
宵春/なかなか実の妹を殺す気になれないだろうしね。
ジャンヌ/【矢止めの術】を使用。(ころころ)1・6の7で、成功……。
時臣/そこに【判定妨害】!
ジャンヌ/「奥義破り判定」を(ころころ)……1・2で、逆凪。
金田/また1・2!?(笑)
宵春/今日のダイスは1・1よりも1・2が大活躍だなぁ!(笑)
時臣/命中成功……しかも【爆破】は、2点ダメージだ。
ジャンヌ/……2点を食らう。ジャンヌの残り【生命力】は、2点。倒れた。
凛厘/た、倒した……。
ジャンヌ/……ここで、ジャンヌは「死亡」を選択。
凛厘/……やっぱ選択しちゃうんだ。
金田/ここで生き延びても、クライマックスフェイズに死亡だしな。
ジャンヌ/ジャンヌは、宵春を攻撃します。
時臣/……あれ!?
宵春/あれえっ!?(笑)
ジャンヌ/宵春を【爆破】します。「……自分は死ぬことが確定した。時姫を殺すことが出来なかった。でも死なせないように頑張っているお兄ちゃんの姿と、守られている時姫……自分自身を見て、ちょっと安心した」
時臣/「…………」
ジャンヌ/「自分は死んじゃうけど、自分は大事にされている。なら、そんな兄の為に最期に出来ることは……これから兄が悲しまないようにすること」
金田/でも、宵春は……まだ【生命力】が4点あるよ? 【爆破】だけじゃ倒せないんじゃ。
宵春/ここは良いシーンだからスペシャルが出るよ。スペシャルを出すよ。6・6を出せよ。ファンブル出すんじゃねーぞ。
ジャンヌ/そんな簡単に出せるか!(笑) 【爆破】!(ころころ)…………。
時臣/……マジかよ……。

 ジャンヌがぽいっと振ったその出目は……狙ったかのように、6・6。
 ……まごうことなき、スペシャルだった。


凛厘/え。……えっ、ええええ!? ここで6ゾロ出しちゃう!?(笑)
GM/……命中判定のスペシャルは、1D6ダメージになる。1D6振ってくれ。
ジャンヌ/(ころころ)……5。
時臣/4以上!?(笑) いった!?
宵春/た、倒された!? 味方に処分されちまった!?(笑)
ジャンヌ/6・6も出るとは思わなかったけど……まさか、4以上も出るとは思わなかった……。命中判定に「回想シーン」使うのも忘れてたのに、やべーな。
宵春/マジかよー! 味方に処分されちまったー!? おもしれーッ!(一同笑)

 こうして宵春とジャンヌが、同時脱落。
 勝ち残ったのは、【生命力】1点で戦い、生き残った……時臣と時姫だった。



 ●エンディングフェイズ

GM/全員まとめてエンディングフェイズをするぞ。……古びた劇場、舞台の上での戦闘は、満身創痍で戦っていた時臣が勝利する。
宵春/宵春がジャンヌに討たれた後からやっていい?
ジャンヌ/うん、衝撃的なラストからやって。
宵春/(引き絞るような声で)「……ち、ちくしょおおおおぉ! これだから情に絆された奴はああぁぁ! どんどん弱くなっちまうじゃねえかよおおぉぉ!」と、「やっぱぼっち最高!」を叫ぶ!
凛厘/ラストの付け足しが無ければカッコイイのに!(笑)
宵春/「最期の力で時臣と一緒に死ぬことだってできただろうおぉ!? あの世でお兄ちゃんと一緒になれたじゃねーかぁ! なのになんで有害なアイツらを殺さないっ!?」
ジャンヌ/「……今の今まで、気付かなかったことがあるの」
金田/「な、何……?」
ジャンヌ/「……あの世に逝けば、先に逝ってしまった私のお兄ちゃんと一緒なんだって」
凛厘/あ……。
時臣/……前に死んだ俺のことか?
ジャンヌ/「それに、私はお兄ちゃんと一緒がいい……」と、今の時臣と時姫を引き離したくないと言う。だから宵春を討ったと説明する。
宵春/宵春は地に伏せながら……凛厘の【秘密】を思い出そうか。「あはははは! どうせ1ヶ月経ったら時姫は死ぬ! 連れ戻そうとする斜歯もいないし、もう1人の時姫とやらもここで死んだ! 時臣を殺せないのは悔しいが……1ヶ月間追っかけまわした甲斐はあったかなああああぁ!?」 でも時臣を倒せなかったので、悔しそうに血をゲロります。
金田/なんかすっごく重症そうな描写だけど……「死亡」は選択する?
宵春/「死亡」は選ばない。あらゆる物を吐きまくって、汚くなりながらも……「あはははは何やったって妹は死ぬんだあああぁ! 時臣ぃ! お前がルールブックの結末案に書かれているような復讐の鬼になるのが楽しみだよぉ!」
時臣/そこはもうちょっと言い方を変えろよ!(一同笑)
宵春/「お前の心が死んでいくのが楽しみだよぉ! せいぜいオレみたいに汚く足掻くんだなぁ、お兄ちゃああぁん!」……散々な捨て台詞を言って、宵春は幻のように消えていきます。エンディングシーンから退場。
金田/最後まで外道な奴だった……。「時臣お兄ちゃん!」 駆けつけます!
凛厘/「時臣! ……時姫も、大丈夫!?」
時臣/「俺は大丈夫……」 だけど、ジャンヌは?
GM/死亡を選択したジャンヌ、何かしたいことは?
ジャンヌ/……何かしたいこと、特に思い当たらないかな。時姫を殺すことが出来なかったんだから、大人しくここは散る。時姫を殺せなかったら生きていても意味が無いんだから。
時臣/ボロボロの時姫を抱えながらも……ジャンヌの元に近寄るよ。
ジャンヌ/「そこで『時姫を置いてジャンヌに駆け寄る』はしてくれないんだ?」
時臣/「……ごめん」
ジャンヌ/「……ううん、いいの。そこで時姫を蔑ろにしないってことは、それだけ私が想われてるってことだもの」
時臣/「ジャンヌ……いや、時姫」
ジャンヌ/「うん……」
時臣/「……俺は、お前を愛せない」
ジャンヌ/「…………」
時臣/「俺の妹はたった1人だ。この時姫だけだ」
ジャンヌ/「……そうね」
時臣/「だから、俺はたった1人の妹を愛し続ける。大事にする。絶対に離さない。きっとそれは……前の世界の俺もそう言うと思うんだ」
ジャンヌ/「……うん、言ってた」
時臣/「だろ? だから、死んだらさ……死んだ前の世界の俺に愛してもらってくれ。俺はお前を愛せないけど、俺ならお前を愛すだろうから」
ジャンヌ/「……うん。そうする。バイバイ、お兄ちゃん。また後でね……」 そう言って、死にます。
金田/……時姫はどんな感じですか?
GM/【生命力】1で生き残っているし、目も覚ます。でもクライマックスフェイズは終わったからもうすぐ……。
凛厘/「……時臣! 今すぐ時姫を帰そう!」
金田/「でも、それだと……」
凛厘/「死ぬよりはいいでしょ!? ジャンヌさんは、ううん、時姫は……時臣と時姫を離れ離れにさせないために最期ガンバってくれたんだよ! それなら時姫を殺さないようにしなきゃ!」
時臣/……今から海に行くことは出来ないか?
GM/ジャンヌがこの劇場を海からどれくらい遠いものにしたか判らないけど、「遠い」って設定してたし、それを考えると無理かな。このクライマックスが終わったら余程のことが無い限り、時姫は死ぬことになる。
時臣/「…………」
GM/目覚めた時姫は、体も精神力もボロボロになりながらも、時臣の腕をぎゅっと掴む。
金田/「……時臣お兄ちゃん、どうする?」
時臣/「……時姫は、どうしたい?」 時姫自身に尋ねてみる。
GM/無言で、時臣の目を見て……出ない筈の声を振り絞って、掠れた声で「……お兄ちゃんがつらくないやり方がいい……」と言う。結界の外に出てから、どんどん声が出せなくなって体が衰弱していったということにしよう。
凛厘/時臣が、つらくないって……。
時臣/「…………。判った。凛厘……時姫を、帰そう」
金田/「……そうするんだ?」
時臣/「凛厘の言う通り、死ぬよりかはいい。ジャンヌ……いや、時姫がしてくれたように……死で離れ離れになるよりかはずっといい判断の筈だ」
凛厘/凛厘が連れ戻すことに成功したことにすれば、時姫は死にませんよね?
GM/うん、大丈夫にする。
金田/「でも、ジャンヌさんの言う話だと……『封印し直されて自我を凍結される』って」
時臣/「そんなことさせない。される前に、また取り戻してみせるさ。10年かけて今回の計画が実現したんだ。今度はもっと早く取り戻してみせる」
凛厘/「時臣……」
時臣/「だから……凛厘、金田。そのときは手を貸してもらうぞ。嫌だなんて言わせないからな」
金田/「もちろん僕は、時臣お兄ちゃんの力になる」
凛厘/……渋い顔をしながらも、無言でコクッと頷いて、あたしが時姫を抱えます。そのまま、時姫を連れて行く……!
時臣/そんな2人の後ろ姿を……金田と一緒に、見送る。

「時姫……今度は、今度こそ海を見せてやるからな……またお兄ちゃんが行くまで、待っていてくれ」

 ――そういえば、もう1人の時姫も「海が見たい」と願っていた。でも海を見ることが出来ずに、2度目の生を閉じてしまったという。
 また時姫は心が死んで、ある声に導かれていってしまうんだろうか?
 兄の「待っていてくれ」の言葉通りに、暗闇の中で待ち続けることが出来るのだろうか?

 今はまだ判らない。
 何度目か判らない再会が、数年後か、違う世界になるかは……誰にも判らないことだった――。



 シノビガミ・リプレイ
  〜 ロードムービー リアクト 〜   END





金田/自我を封印された時姫がまた『特例』に選ばれて、また違う世界の時姫を殺しにいくのかもしれないんだな。
GM/そしてまた海を見れずに封印される……。無限ループって怖くね?(笑)
ジャンヌ/そういう設定にアレンジしたのはGMのせいだよ!(笑)
宵春/良いなー、無限に悲劇が続くって! ループシナリオ好きにはたまらないね!(笑)
時臣/ただでさえ悲劇しか生まない公式シナリオに、また新しい悲劇要素を付け足しやがって……。ハッピーエンドな『ロードムービー』をやっている人達が見たいよ!(笑)
GM/あるのかなぁ、ハッピーエンド。何度も演じても真エンドには辿り着けず、が一番美しいんじゃないかな。……という訳で、今回のセッションお疲れ様でした。
一同/お疲れ様でしたー!




END