アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 熾天の箱庭シリーズ・第1作『 杏色の空から 』1ページ目 ■
2016年5月29日




 ●プリプレイ

マーサー(以降、GM)/『アナザーワールドSRS(以降、AW)』機関シナリオセッション、始めていきましょうー。
プレイヤー1・いまふれ/よろしくお願いしますー!
プレイヤー2・桐生/機関シナリオ初挑戦!
GM/今回は、『AW』の中でも閉塞感のある舞台『機関』こと『熾天の箱庭』というステージで遊んでいただきます。

 『熾天の箱庭』
 超人類能力開発研究所『機関』を舞台にしたAWセッションの総称。2015年から単発セッションで遊ばれ続けている追加ステージシリーズ。
 『機関』とは、AW現代から10年ほど前に退魔組織教会によって解体された、非人道的な研究を進めていた異能力研究所のこと。設立当初は真っ当な異能研究がされていたが、力を追い求めるあまり邪神信仰の宗教団体となった。

 閉鎖的な箱庭舞台で、「異端堕ちルール」「神の能力」「機関ライフパス」をメインのシナリオを楽しめる。
 またどれも戦闘データとしては強力で、ダークサイドを描く物語が多く、キャラクターロスト率が他のセッションと比べ高いので1話完結推奨となっている。

 戦闘特化もの、鬱シナリオ、血生臭くドロドロとした箱庭の中でもがき生きるキャラクターが好きなプレイヤーにオススメしたいステージである。
 そのため、
バッドエンドやデッドエンドが苦手な人はご注意を。
 なお、『AW4版』にはこの『熾天の箱庭』以外に
『ロストワールド(荒廃した近未来を描いた舞台)』というステージも新たに追加された。おって発表する予定。

GM/主に機関シナリオは、少人数の戦闘重視ハートフルボッコ鬱ストーリー製造ステージとして遊ばれています。今回はその中でも、オーソドックスなライト鬱ハンドアウトをご用意してきました。
プレイヤー1・いまふれ/わーい、今から嫌な予感しかしないぞー。
GM/今回は2人プレイなので、ドラマ性重視でいきましょう! PC1に葛藤してもらう話だよ!



 アナザーワールドSRS シナリオ名『杏子色の空から』



【レギュレーション】
 キャラクターレベル3で開始。機関所属のキャラクターを作成すること。
 機関が教会に解体されず脅威をふるっていた2000年初頭頃が舞台。PC1とPC2の関係は自由に設定すること。PC間で監督者の関係を構築してもよい。

ハンドアウト:PC1】
 コネクション:NPC1  関係:愛情  推奨クラス:なし

 君は機関にいる。もう自分に未来は無いと思っている立場の人間だ。
 とある任務としてNPC1に会わされた。何年も外に出たことのない囚われのNPC1の、世話役を任されたのだ。
 ……かつて、一目惚れをしてしまった相手に再会できた君。これからどうやって過ごせばいいのだろうか。
▼セカイのイベント:NPC1と話す
▼コネクションNPC1:NPC1

 もう何年も機関にいるという能力者。大人しく従順な性格。
 言われるがままの生活を強いられているらしく、何か重要な役目を負っているようだ。
▼公式NPC:上門 狭山(かみかど・さやま)
 機関の人物。全ての権力が集約する第一部署「御臓」のリーダーであり、機関という組織の最高責任者。君にNPC1の世話を命じた。

【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:夜須庭 航  関係:上司  推奨クラス:魔術師 or 処刑人

 君は機関にいる研究員だ。自分の欲望に突っ走った結果、機関で研究を続けることを自ら望んできた。
 だがそろそろ試練が訪れた。親しくしていたPC1を『聯合』にかけるかという話を聞いてしまったのだ。
 上司の命令は絶対だ。自分も荒波を立てたくない。PC1を見捨てる訳にはいかない。一体どうするべきだろう?
▼セカイのイベント:上司から今後の方針を聞く
▼公式NPC:夜須庭 航(やすにわ・こう)

 機関の人物。あらゆる異能を研究、開発する第二部署「頭垓」のリーダーであり、上司の研究員。研究の為に身を捧げているようなマッドサイエンティスト。

【その他】
・「追加クラス:アーティスト&イレギュラー」禁止。
・「追加ルール:異端堕ち」ルール解禁。4版ルルブP.98参照。
・「ラウンド制限:1ラウンド」でクライマックスフェイズに突入する、ショートシナリオ。戦闘あり。


プレイヤー2・桐生/キャラクターレベルが初期レベル開始の3だ。戦闘はあるのか?
GM/ありますが、どちらかというとキャラクターの個性重視に作ってほしいな。AF判定をしてもらうので、キャラクターありきで作ってもらえると楽しめると思います。
プレイヤー1・いまふれ/専門用語がたくさん出てきてますね?
GM/いくつか解説をしますか。まず『機関』というものから。機関は、とある山奥の研究所を差す言葉です。山奥に一つの国を形成していると思ってください。そこは門に囲まれた古い大きなお屋敷……本拠地の総称を『本丸』と言いますが、その中で異能力結社が研究など活動をしています。やっていることは様々です。
プレイヤー1・いまふれ/ふむふむ。
GM/基本的に機関シナリオの使用PCは、個室を与えられた階級にいます。そうでない人や下っ端は、雑魚寝の共同生活を強いられています。独自のシステムが敷かれた機関の中で一番注目すべきことは、『監督制度』と『聯合』でしょう。
プレイヤー1・いまふれ/『監督制度』というのは?
GM/一部上流の人でない一員には、『監督者』と呼ばれる監視員がつきます。監視員は対象者の素行を監視し、問題があれば第一部署「御臓」に報告し処刑する義務があります。ようは「裏切らないように監視して、やましいことをしていたら処刑するように言いつける」というどっかの独裁国家のようなシステムです。
プレイヤー1・いまふれ/う、うわあ(笑)
GM/その処刑とか殺処分のことを『聯合』と呼びます。聯合とは、魂は神に捧げられ、血肉や骨は全て機関のものになることです。……具体的に何をされるかというと、[異端者]の≪混沌の胚≫ですね。

 ≪混沌の胚≫
 魂に刻まれた記憶をすべて奪い取る[異端者]の副特技。
 死亡した対象が取得している全特技を、この特技の使用者の特技として使用可能にする。


プレイヤー2・桐生/「いらない奴は全部食べて自分達の糧にしよう」っていう考えだな。
GM/ちなみに、機関の一員は「1年に1回必ず成果を出さなきゃいけない。出せないと聯合される」という暗黙の了解があります。ちゃんと聯合するかは上の会議で決まることなんですが、「1年間も何もしなかった人なんていらねーよ」って誰もが思うことだよね? 普通に一員として頑張っていれば、聯合されることなんてありません。
プレイヤー1・いまふれ/でも今回のハンドアウトは……思いっきりPC1が聯合されそうですよね。
GM/ですね。頑張ればされないと思います。普通は。
プレイヤー2・桐生/でもこれ、セッションだからなー。何されるか判らないしなー(笑)
プレイヤー1・いまふれ/PC1とPC2の上司の公式NPCさんって、どんな人ですか?
GM/PC1の上司である上門 狭山(かみかど・さやま)さんは、機関の最高責任者……社長さんみたいな人です。とっても厳しく真面目な男性で、商才のある人です。≪絶対の自信≫でどんなものも成功させてきた実績がある人をイメージしてください。
プレイヤー2・桐生/思いっきり≪狩人≫だ!
GM/PC2の上司である夜須庭 航(やすにわ・こう)さんは、研究所ものといえば必ずいらっしゃるマッドサイエンティストなキャラクターです。汚れた白衣にボサボサの髪、眼鏡、無精髭、くたびれた態度、でも研究成果は超一流という[魔術師]です。とっても優しい上司だよ!
プレイヤー1・いまふれ/マッドサイエンティストって時点で怖いですよー(笑)
GM/「社長さんとマッドサイエンティストは絶対いるよね?」という考えのもと、このような公式NPCが生み出されました。実際どんな人かは、会ってからのお楽しみということで!

 こうして相談の結果。
 いまふれがPC1ハンドアウト、桐生がPC2ハンドアウトを選択し、キャラメをすることになった。


GM/キャラクターメイキングが終わったので自己紹介に参りましょう。ばばっと紹介しちゃってください。
プレイヤー1・いまふれ(以降、コハク)/はい。名前は、水倉 コハク(みずくら・こはく)にしました。男性の兵士です。
GM/キャラメの最中、ずっと振ってるダイスの出目が1〜3しか出なかったんですよね……(笑)
コハク/今のうちに低い出目が出きるといいです(笑) 職業を兵士にしました。『ライフパス特技』で≪機関「朱指 所属」≫を取ったからです。

 ≪機関「朱指 所属」≫
 機関の武器を持ち護る手指であり実働部隊を率いる第三部署「朱指」所属かそのコネクションを持つことを表わすライフパス特技。
 ダメージに+[消費した【正気度】×6]。

GM/ルールブックの説明にも書いてあるんですが第三部署「朱指」は、機関の荒事を担当している戦闘集団です。「異端狩り」を行なっているチームですね。……ということで、そういった作戦に参加してる人?
コハク/そうです。≪片手武器≫の太刀で戦います。
GM/どうして機関には所属してるんですか?
コハク/家族を異端に殺されて一人身になって、どうにかして自分の力を生かしたいから異端狩りをしている舞台に所属したくて機関に来ました。研究がしたいというより、少しでも危険な異端を減らしたいという考えでした。
プレイヤー2・桐生/凄く真っ当な人だ……。
GM/異能を知るためには異端を研究材料として多く仕入れたいから、コハクさんのような人材は大募集中です!
コハク/……でも、ハンドアウトの一文で「もう自分に未来は無いと思っている立場の人間だ」って書いてありますから、今はもう「これ以外生き方って本当に無いのかな」「異端以外も狩っている気がするけど本当にこれでいいのかな」って思い始めてるんだと思います。長い人外狩りの中で、生きることに無気力になりつつあります。
GM/でもまだ、離反する気は無いと?
コハク/うん。けどあんまり生きる気力ねーなー! どうしよっかなー! って感じです。……機関から抜けることってできるんですか?
GM/ちゃんとした手続きを取れば可能です。研究内容を外の組織に売らないようにといった契約を交わして、「御臓」に許可を取れば退職金だって出ます。ちゃんと仕事をしていればお給金だって出るよ!
プレイヤー2・桐生/機関は休みもあるし住む場所も用意されてるホワイト企業だからな。
GM/成果が出せないと殺処分されるけど。
コハク/ホワイト……なのかなぁ?(笑) 性格は、大人しいタイプをしようと思います。日本人なので髪の毛は黒ですけど、目の色は琥珀色。イメージは『刀剣乱舞』の大倶利伽羅でいきます。
GM/おおお! カッコイイ! 語ることはなくてなれ合う気がない人だ! カッコイイ!(笑)
コハク/生きてるって何だろ、生きてるって何。
プレイヤー2・桐生/なんか懐かしい歌を唄われたぞ(笑)

NO IMAGE 水倉 コハク(プレイヤー名:いまふれ)
 クラス:[感応力師1/闘士1/狩人1]
  体力:12(+4)  反射:13(+4)  知覚:12(+4)
  理知:12(+4)  意志:12(+4)  幸運:12(+4)
  HP最大値:19  MP最大値:17  正気度:8
重要キーワード:酒  背景:大切な(家族)を失くしている
特徴:メイド・執事(お手伝い)である  ボーナス効果:≪機関「朱指 所属」≫
職業:兵士  性別:男  年齢:23
 スキルウェポン→≪片手武器≫
 感応力師→≪肉体復元≫ ≪シンパシー≫
 闘士→≪武人の知恵≫ ≪熱血の防壁≫
 狩人→≪決死の射弾≫ ≪食糧調達≫

プレイヤー2・桐生(以降、エセル)/キャラクター名は、エセルドレーダ。愛称はエセルです。[領域遣い]で[稀人]の性別不明をやります。
GM/エセルドレーダって魔導書の精霊か何か?(笑)
エセル/有名なのは『デモンベイン』のナコト写本だろうけど、エセルドレーダってアレイスター=クロウリーの愛犬の名前らしいよ。
GM/ってことは、犬耳っ子の人外?
エセル/いや、人外だけどこのエセルドレーダはアンドロイド。機関の第二部署「頭垓」で開発された魔導生命体。機関の研究所で開発されて、調整を受けて、任務のために出荷されるロボット。魔法で動く人造兵器です。
GM/そういう意味の犬か、なるほどー。
エセル/外見年齢は……(1D6ころころ)2が出たので、12歳で。中性的な外見なのは、男である必要も女である必要も無いから。普通のロボットは感情の起伏は無いけど、このエセルドレーダは人間味のあるキャラでいく。
GM/感情はある子なんだ。
エセル/じゃないとPCとして成長でいないからな(笑) ちなみにPC1のコハクの監督者です。コハクを見張っています。
GM/12歳の少年少女に素行をチェックされる23歳のお兄さんだね、良いなー(笑)
エセル/データの特徴は……出目の結果、≪移動力上昇≫を無駄に取ってみた。【全力移動】で54メートル走れる。
GM/めっちゃ早いな、ジェットエンジンでも付いてるのか(笑)
エセル/あとデータが修正されてから使ったことがなかった≪痺れ薬≫と≪睡眠薬≫を取ってみた! 戦闘で使えたら面白そうだー。あと……実は、『剣』の結繰ちゃんを凄くリスペクトしてる。
GM/してるの!?(笑)
エセル/中の人が(笑) あんなキャラをやりたいという意味でだけど……エセルドレーダ自身も、かの有名なキテが造ったとか言われる最高の人形のようになりたいなーとか憧れていたら面白いかなって!
GM/結繰ちゃんは大昔から稼働しているカラクリ人形だもんね。アンドロイド界ではちょっとしたカリスマなのか……(笑)

 エセルドレーダ(プレイヤー名:桐生)
 クラス:[領域遣い1/稀人2]
  体力:11(+3)  反射:13(+4)  知覚:12(+4)
  理知:13(+4)  意志:12(+4)  幸運:12(+4)
  HP最大値:17  MP最大値:18  正気度:8
重要キーワード:創られし者  背景:遠くにいる(番号交換した人)に通信ができる
特徴:中性的である  ボーナス効果:≪移動力上昇≫
職業:アンドロイド  性別:不明  年齢:外見年齢12歳
 スキルウェポン→≪鋼神の鉄槌≫
 領域遣い→≪全方位視覚≫
 稀人→≪光の一手≫ ≪見通す眼≫ ≪お守り≫
 一般特技→≪睡眠薬≫ ≪痺れ薬≫

GM/それでは次に、NPC1について考えていきましょう。囚われのヒロインはどんな子がいいか、PC1さんが決めちゃってください。
コハク/大人しい女の子というか……守りたくなるようなヒロインで。喋れない子がいいです。コハクは喋らないキャラなので、それで盛り上がれたらいいなって。
エセル/それ盛り上がるのか!?(笑)
コハク/名前は……扶桑(ふそう)でお願いします。
GM/わあ、壮大な名前がきましたね! すっかり外見イメージは『艦これ』の扶桑お姉さまになりました……黒髪で美しい和のヒロインって感じでいきます!


 ●オープニングフェイズ1/コハク 〜邂逅〜

GM/最初はコハクのオープニングフェイズから。君は今日も機関で働く一員として、一日を終える。激しい戦いを終えた君は山奥の本丸の個室に帰ってきた。……あ、それともエセルドレーダと同室なのかな?
コハク/一緒でいいんですかね?
エセル/いつでも≪見通す眼≫でコハクを監視している身なので、別室でも全く問題無いな。
GM/いつでも監視カメラってるのかよ(笑) ちなみに今日の仕事である異端狩りは簡単なもので、現在の【HP】と【MP】は満タンです。
コハク/他愛ない戦いだったな。……体力は大丈夫だけど気は重いので、すぐ個室のベッドに倒れて明日に備えて寝る。最近ずっと意味の無い戦いをしている気がする、って気分が乗らないことばかりしていたコハクは明日のために寝る。趣味が無い男なので。
GM/クールな人だなー。寝ようと部屋にこもっていると、すぐに呼び出しが掛かります。急な招集は決して珍しい話じゃないけど、今夜ばかりは例外だ。なにせ君を呼び出したのは、この機関の最高責任者なのだから。
コハク/……流石に気を引き締めて、意を決して呼び出された場所に向かう。
GM/呼び出された場所は、本殿のとある廊下です。
エセル/廊下? 部屋じゃないんだ。
GM/依頼を渡すシーンなら応接間や会議室的な場所だけど、今日は廊下だった。呼び出された約束の時間ピッタリに、とある男性が現れる。頭から爪先まで乱れがなくビシッとした、厳格な雰囲気を全身に纏わせた彼が、上門 狭山最高責任者その人だ。
コハク/…………。社長だ、偉い人だ……どうしよう(笑) あ、彼に何か呼び名ってあります?
エセル/「所長」が一番しっくりくる呼び名かな? 研究所の長なんだから。
コハク/では、頭を下げたまま所長の言葉を待つ。
GM/頭を上げよ、なんて優しい言葉を一切投げ掛けてくることはない。
コハク/怖い!(笑)
GM/そのままスタスタとコハクが立つ横を通りすぎ、「ついて来い」と凛とした声を投げる。連れてこられた先は、君が一度も来たことのない和室です。
コハク/黙ってついていく。
GM/所長こと上門 狭山は、和室の襖を開けます。中は綺麗な畳の間……だと思ったら座敷牢。格子には魔術の結界が仕掛けられています。牢屋の中には白い着物を纏った黒髪の女が正座しております。
コハク/その姿に、ハッとする。……あの女は……。
GM/美しい女性だ。神秘的な雰囲気を纏っていて、ほんの少し見えた顔は……切なそうなものだったけど、愛くるしいものでもあった。
コハク/……綺麗だ……。
GM/「水倉 コハク。貴様に奴の世話役を命ずる」
コハク/……頭を下げてます。
GM/「昨晩、こいつの世話役が『聯合』にかけられてな。適任がおらん。貴様を借りる許可は『朱指』のリーダーである剣菱(けんびし)に取ってある。期限は7日間だ。何か質問は?」 この所長は横暴で、必要なことしか喋らないことで有名です。疑問があったらちゃんと訊いておこう!
コハク/……どうして自分が、って丁寧に訊いてみたいです。
GM/仕事が入っていない人物を見繕った結果、君がヒットした……というかなり適当な理由っぽいです。
コハク/世話って何をすればいいんですか?
GM/世話は世話。この通り部屋から出せないようにしている女だから世話をしてやらんと死ぬとのこと。お前の本職は兵士だし後任が見つかるまでの1週間だけでいいよだって。
コハク/名前は何っていうのと、彼女は何者だってことも訊きたいです。
GM/名称は扶桑。何だという答えには「死なれては困る被験体だ」と答えます。ある程度答えると、所長は去って行きます。
コハク/ええええ、困る!(笑)
エセル/狭山はな、「反応に困る高坂」だと思うといいよ!
コハク/それすっごく困りますね!?(笑) 高坂さんは優しいし判りやすいのに!
GM/「ムリヤリ感を出すことでこの世界の閉塞感を与える」「親しみやすさなどない窮屈感で世界観を演出する」「本題に首を突っ込む姿勢じゃないと容赦なく死ぬよというプレッシャーをかける」キャラとして作ってます。意味はあるキャラ造形なんですよ、これ(笑)
コハク/計算された怖さなんですね……(笑) 所長が去った後に、扶桑がいる座敷牢に近づきます。
GM/あ、ちゃんと座敷牢の鍵は渡されています。
コハク/……コハクは人の世話なんてしたことがない、先ほどまで武器を握っていた男です。だから近づいたはいいものの、何をすればいいか本当に判らない。
GM/でも近づいてくれた。狭山がいなくなったことで牢の女が、コハクの方を向きます。長く美しい黒髪。神秘的な杏色の目の女は、淑やかそうな表情、でもどことなく悲しげな雰囲気を纏っています。
コハク/その人離れした美しさに、思わず言葉を失う。
GM/彼女は黙ってコハクの方を向いて、両手をついて頭を下げます。「どうぞ……よろしくお願い致します……」
コハク/無言でその姿を見ている。でも、内心ドキドキしています。……かつて、心を奪われた人物だったから。
GM/そう、コハクは以前彼女に会ったことがある。何の拍子だったか忘れてしまったけど、機関に長く所属している君は彼女を見かけたことがあった。
コハク/そのときは気にしないようにしていたけど、改めて会うと……鼓動が早くなる。
GM/黙っているコハクに対し、扶桑と呼ばれたか弱そうな女は少しだけ首を傾げる。「あの……何か?」
コハク/……俺は、何をすればいい? 世話役を任されたと言ってもどうすればいいのか判らん。まず何をしたらいいんだ?
GM/「……わたくしのことは、あまりお気になさらないでください。前の世話役の方は下々の世話までしてくれましたが、自分一人で出来ないこともありませんから……」 なんだか彼女は、少し君に距離を置こうとしているようだ。
コハク/…………。本当に、どうしたらいいんだ……。もっと女や動物の世話に適任なんてここには大勢いるじゃないか。なんで俺なんだ……って本気で焦り始める。
GM/静かに焦っている様子に、扶桑も静かに焦ります。声も荒げず、慌てもせず、でもどうしようって顔をしてます……が。
コハク/が?
GM/「……お名前を。教えていただけませんか……?」
コハク/……ああ、俺の名前か。水倉 コハクだ。今日から1週間だけお前の世話役になった。後任者が決まるまで面倒を見せさせてもらうぞ。……自己紹介はこれでいいか? ぶっきらぼうに言う。
GM/本当にクールだなぁ。コハクという名前を彼女は呑み込み、コクンと頷きます。「……キレイなお名前ですね。わたくし、そのお名前……好きです。綺麗な色のお名前……」
コハク/…………。そんなの、名前だけだ。赤くなりながら、フンッと視線を外します。
GM/年の近い男性。怒鳴るようなことをしないコハクの様子に、少しだけ扶桑は笑います。でもすぐに悲しそうな顔をしながら、「ここではない場所で出会えたなら、貴方のことをもっと……好きになれたかもしれないのに」と呟く。
コハク/ここではない場所って、何だ。
GM/「それは……この山奥の機関ではない場所、という意味です。……もっと自由な場所で出会えたなら……いえ、よく知らないのですが、あっ……すみません、こんなことを言うのは」 失礼ですよねさすがにと、扶桑は口を噤みます。
コハク/……何か訳ありのようだな。お前が言いたくないのなら言わなくていい。世話役なんだ。話し相手ぐらいにはなれる。……好きに俺を使え。
GM/優しいのか突っぱねているのか判らない言葉。でも扶桑は……静かな君の立ち振る舞いに、前者だと思います。「ありがとうございます、コハク様……これから7日間、よろしくお願い致します……」 また深々と、頭を下げたのでした。


 ●オープニングフェイズ2/エセル 〜指令〜

エセル/……エセルドレーダは既に心配だ! コハクから死臭しかしない!
GM/おお、早速過保護っぷり発揮してる(笑)
エセル/もういっそエセルは監督者としてコハクを大事にしてることにしていいかな!?
コハク/はい、どうぞ。でもコハクは「その心配をよそに」って感じの態度にしますね(笑)
GM/既に可愛いエセルドレーダのオープニングフェイズをするよ!(笑) エセルドレーダってオフの日はどうしてるの?
エセル/スリープモードを押してもらえるまでずっと働いてる。部署は……ハンドアウトには「頭垓」ってあるから、ずっと魔術の研究チームの雑用をしてるんじゃないかな。お茶汲みとか!
GM/お茶汲みなんだ。「こんな茶なんて飲めるか! 先人のカラクリ人形は完璧なお茶を淹れるぞ!」
エセル/沸騰したやつ頭から掛けてやる。
GM/導入からロボット三原則を守らない気だ、こいつ!?(笑)
エセル/バッキャロー強いモンが勝つんだヨ、機関じゃな!
GM/お前オモシロ系ロボットか!?(笑) 研究員の頭にヤカンで熱湯をかけている君に「はぁ、火傷に効く薬って用意あったかなぁ〜」ってのんびりした声が聞こえてきます。この研究チームで一番偉い人です。
エセル/航センセイ!
コハク/ロボットの暴走を止めないんだ?(笑)
GM/止めないね、自主性を伸ばすスタイルの優しいおじさんですから。のんびりと溜息をつきながら話す白衣の先生こと夜須庭 航は、なんでもエセルに話をしてくれる優しい上司です。
エセル/良い上司なら美味しいお茶を淹れル!
GM/(航になって)「ふぅ、エセルドレーダのお茶は美味しいねぇ。シュークリームと一緒にユンケルを混ぜるなんて徹夜5日目に効きまくりだよ
エセル/それ絶対死ぬやつじゃねーか。
コハク/死ぬんです?
GM/シュークリーム+ユンケル=シュンケルというとても美味しい組み合わせだからやってみてね。疲れ知らずに働けて死ねるらしいよ! 社畜推奨食材だよ!
エセル/そもそも徹夜5日目の時点で寝ろとしか言えないけどな!
GM/シュークリームをはむはむしながら航先生は「コハクくんが聯合候補になってるらしいねー。シュークリームうまい」って資料を読みながら雑談します。
エセル/…………んんッ!?(笑) 航センセイ! ワンモア!
GM/シュークリームうめえ。徹夜5日目の体に染みわたる。
エセル/そっちじゃナイ!(笑) エセルのコハクがなんだっテ!?
コハク/「エセルのコハク」なんだ(笑)
エセル/「一人称:名前」だから!(笑)
GM/航先生はゆったりのんびり、口の端にクリームを付けながらお話します。「ほら、君が監視してるコハクくんだけどさぁ。この前リーダー会議で『聯合するかもリスト』に名前入っててさぁ。ビックリだねぇ」
エセル/マジデ!? そんなにコハクって成績悪イ!?
GM/エセルドレーダ的にはそんなに。クールで取っつきにくそうな印象を持たれやすいけど、殺処分案件に繋がるようなミスもしてないよ。今日だって朱指の仕事を終えて帰ってきたし。
エセル/オープニングフェイズだからとはいえ【HP】も【MP】も満タンで帰ってきたぐらいダゾ!?
GM/ふぅ、ごちそうさまーって航先生はお仕事に戻ろうとします。研究が楽しくて楽しくてたまらないような笑みを浮かべて「よーし、やるかー」って背伸び。「突然のお別れになったとしたら、監督者として悲しいでしょう? 1週間は優しく接してあげるんだよー」ってアドバイスをしてくれます。
エセル/……1週間、ちゃんとコハクを見てやれって?
GM/ご自由に解釈してね。
エセル/……上の決定は絶対。それに背くつもりは全然ナイ。でもオカシイ! 理屈にあわナイ! だって仕事出来てるなら問題なんて無いんダシ! おかしいコトは正さないトー!
GM/……アンドロイドっていうから冷たい系なのかと思ったら、わりと熱血系ロボットで可愛いな(笑)
エセル/中の人が熱いキャラしかできないだけだけどな!(笑)
GM/ここでPC同士合流しておきましょう。コハクとエセルは好きなタイミングで出会ってくださいな。
エセル/ライフパスに『遠くにいる番号交換した人と通信できる』があるから、すぐにコハクに連絡スル! 今ドコ!?
コハク/座敷牢の部屋って電波は通じます?
GM/山奥の本丸だけど、電波塔はしっかり立っているので通信は可能です。エセルはすぐにコハクの元に駆けつけられるよ。
エセル/あの部屋に行ってもいいんだ? じゃあ【全力移動】で全速力向かうゾ! コハク! 何シタ!?
コハク/まだ何もしてない。
エセル/ダヨナァ!?(笑) ……って、座敷牢の中の人を見るのはエセルも初めて?
GM/うん、初めて。綺麗な女性が座ってコハクと見つめ合ってた。
エセル/どういうコト何してるのコハク!?
コハク/判らん。俺が知りたい。いきなり所長に女の世話役なんて命じられた。どうすればいいんだ。
エセル/判らないコト多すぎるヨ。……でも、1週間世話しろって命令なんだから背いたらそれこそ聯合されるネ?
GM/そうだね。という訳で、これから1週間にできることを提示するよ。

AF判定リスト】
※AF判定は、PC1しか行なえない。
※PC2は、PC1の行なうAF判定に『協調行動』をすることで支援ができる。協調行動の難易度は6とする。
※PC2はシーンプレイヤーになれない。つまり、PC1の行動が終了したら1ラウンドが終了する。
※1ラウンドの描写を1週間とする。
※『契約』はミドルフェイズ前に可能。シーン内ではマイナーアクション扱いとする。

『AF判定:扶桑との交流』
 ・使用能力値:【理知】【意志】
 ・難易度:30
 ・ラウンド制限:1ラウンド

※「扶桑と交流する」演出に成功すること。成功した場合、扶桑と話をすることができる。

『AF判定:成果を出す』
 ・使用能力値:【体力】【反射】
 ・難易度:30
 ・ラウンド制限:1ラウンド

※「航のもとで機関の一員として成果を出す」演出に成功すること。成功した場合、航から話を聞くことができる。


GM/今回はPC1しかシーンを立てることができません。PC2はPC1の手助けをするポジションということでお願いします。
エセル/1回限りのメジャーアクションでクライマックス突入か……! ミニセッションらしいな!
コハク/つまり、AF判定で調べられる情報が2つあるのに、実際情報を開示できるのは1つのみですか?
GM/その通りです。もし判定に一度でも失敗してしまったら、どれも開示できずにクライマックスフェイズに突入します。
エセル/圧倒的情報不足! 完全に運ゲーじゃねえか。
GM/人間、その時間に何をするって選べるのは1つだけじゃん? どんなもの選んでも新鮮だし、後悔もするもんだから、一番やりたいことを選ぶのが良いんじゃないかな。
エセル/深いんだか深くないんだか判らないこと言いやがって(笑)
コハク/無難にいくと扶桑と交流するのがいいんだろうけど、狭山所長や航先生が何を考えているのか知りたくはある。
エセル/やっぱりヒロインと交流しておくのはいいことだよな。でも航センセイも何でも知ってそうだし、個人的には航センセイのキャラは嫌いじゃないので出てきてほしくはある(笑)
コハク/……コハクは扶桑とどう交流していいか判らない。でも……ここは『AF判定:扶桑との交流』をします!
GM/かしこまりました。それでは1ラウンド限りのミドルフェイズ、参りましょう。

 ミドルフェイズに入る前、相談の結果……マスターがエセル、サーヴァントがコハクで『契約』を行なった。