クトゥルフ神話TRPG・リプレイ
■ 『 死花を咲かせる 』 3ページ ■
2023年10月25日




綴矢/何を知ってるんですか、草摩先輩……!
草摩/そういう台詞を待ってた、綴矢。
迅/草摩くん、ねこちゃんのこと「綴矢」って呼び捨てなんだ。仲良し?
実散/兄ちゃんは基本的に誰でも下の名前呼びだから(笑)
草摩/ある魔術師が、花の種に魔術を掛けた。毎日、毎日、失ってしまった大切な人に会いたいがための儀式だった。
綴矢/…………。
草摩/その花は、正確には植物は……精神や魂を吸い取る習性があった。吸い取って、新たに与えるという能力を持っていた。
迅/便利だね。
草摩/便利だ。うまく使えればな。
実散/……うまく使えないよね、そんな便利すぎるもの。
草摩/ああ、一人の精神力で制御できるものではなかった。だから能力の半分しか使えなかった。半分……「ただ会うだけなら、会う時間を少しでも長くいさせるぐらいなら可能」という。魂を、この世に留まらせるぐらいだったら可能だった。肉体はダメでも、魂さえあれば。精神さえあれば。話はできるからな。
実散/夢の中で?
綴矢/それが、今の俺と犬巻の状態……。
迅/……悲しいけど、十分すぎる延命だよな
草摩/しかし、この魔術師は限界を感じた。この手段を取ってると……魂がな、苦しむんだ。
実散/苦しむ……。
草摩/「そんなことはやめて!」と言いたくなるぐらいの苦しみを味わうんだ。よく判らないがな。
迅/……人の遺体から精神力吸い取ってるんだろ? 他人の。「他人の力で生きながらえたくない」ってか?
草摩/そういうことなのかな。俺には分からない。
実散/いぬくんも他者の魂を使った延命は、嫌がってたね……。
KP/ずっと会えるなんていいと思うのにな、と草摩はちょっと不思議そうです。
綴矢/……人の命を使ってまで、自分を生かす価値はあるのか。そう、考えてるのか。
迅/俺はいぬくんは1日しか知らないけど、まあ、そういうのは嫌がる性格だよね。
草摩/有効活用しているとは思わないか。生きた人間でやっている訳ではない。生きた人間なら問題になるかもしれないが。
綴矢/死んだ人間でも問題でしょうよ。
迅/そうだね……と頷きはするけど、俺は口を出さない。
実散/ねえ、死んだ人間の有効活用ならいい、って考えはヤメてね? 多分ねこくんは俺と同じところに怒ってくれると思うけど。死んだからってその人の体のものはその人のものだよ。
綴矢/ご遺体はその人が生きた最期の証です。それを他人が勝手に利用して良い筈がない。
実散/臓器移植だって生前の許可がいるでしょ。
迅/……ん。
草摩/そうか。
綴矢/それに……ご遺体が戻らないことで傷つくご遺族や友人もいるんですよ。
迅/そう、だな。
実散/ジンセンパイ?
迅/……すまん、立派なおまわりさんとお医者さんに比べ、俺は即答できる奴じゃない。でも、ねこちゃんの言う通りだ。……尊厳と、残された人間のありうる思いは守らないと。
草摩/そんな訳で、ここの魔術師は「悪魔退散」の準備を行なった。悪魔……植物の退散だな。
迅/消せるの?
草摩/ある装置に植物を無力化できるだけの準備をした。
綴矢/ああ、日記にも書いてあったな。
草摩/そう。植物を弱らせ、その装置のスイッチを押す。そうすれば……終わる。
実散/それが、魔術師のしようとしたこと。……で、兄ちゃんは? 兄ちゃんは何しようとしたの?
綴矢/スイッチってのはネックレスだっけか。
草摩/ネックレスはここのどこかを探せば見つかる筈。俺は、俺がしようとしたことは、ほぼここの魔術師と同じだ。
綴矢/は?
迅/まじかよ。
草摩/昴は、いいやつだった。死ぬには惜しい奴だった。生かしてやりたいと思った。蘇らせてやりたいと思った。
綴矢/…………。
草摩/そこで、思い出した。相談したんだ。マオニイに。
実散/マオニイに!?
綴矢/あ……マオニイは植物のこと知ってる!
草摩/そうだ、マオニイは地獄の植物のことを熟知していた。
迅/草摩くんの知り合い、凄いね?
実散/その知り合い、猫ですけどね。
綴矢/しかも本当は猫じゃない。
KP/当の本人達が草摩の胸元からにゃーっと顔を出します。
綴矢/ネコチャンが出てきた!(笑) この子猫たちが共犯?
草摩/そうだ。マオニイに「昴をどうにかする方法は無いか」聞いた。そしてこの植物の話を聞いた。マオニイはこの廃墟となった植物園のことを知っていた。教えてくれた。
迅/なんで猫とおしゃべりできるの?
実散/昔から俺と兄ちゃんは、子猫のマオニイとおしゃべりできる環境で育ってきたので……(笑)
草摩/マオニイは「自分ちの庭と同じような植物を栽培していた魔術師がいた」ということを教えてくれた。俺達の元実家、今は礼二兄さんの家に生えていたやつと同じもので儀式をしていた。
迅/まさかの同じ神話生物ネタだったから繋げたの!?(笑)
実散/よく別々のシナリオを繋げたな〜!(笑)
綴矢/そもそも花園さん家はいったい何なんすか?
草摩/マオニイの話を聞いた俺は、いざ昴の遺体をここに連れてこようと……オニキスに相談した。オニキスなら事件現場でもニュルッと証拠隠滅もできるしな。
実散/過去卓ネタのオンパレードか?
綴矢/シナリオの繋げ方がすげー!(笑)
草摩/雛たちは……オニキスにお願いしたとき「イッショニイキターイ!」と言ったから葬儀場についてきた。そこで監視カメラに興味津々で証拠が残ってしまったな……。雛たちを連れて来たせいで某ストーカーのカメラジャックに決定的瞬間を撮られてしまったようだ。
実散/ストーカーは何なんだよ。
迅/ストーカーはストーカーだよ(笑)
綴矢/この状況、ストーカーしか犯罪として立件できない(一同爆笑)
草摩/俺は昴の遺体をオニキスで奪い、ここに連れてきて、ここの魔術師がやっていた例の儀式をやろうとしていた。だが、先を越されてしまった。しばらくはマオニイが「めっ」して封じていた植物がな……近くの葬儀場から他の遺体を吸うことで、予想以上に元気になったようだ。
実散/マオニイったらこの植物園で悪さしていた神話生物くんに「めっ」してたんだ?(笑)
綴矢/「滅!」してくれたら良かったのに。
実散/マオニイ強くてかわいいね〜。まあ、マオニイの正体ってメンダコ双子だもんな……(笑)
草摩/俺とオニキスが昴の遺体を回収する前に、ミツバツ植物園の植物が先に昴を誘拐してしまった。先を越されてどうしようと思っていたところだが……俺はある提案をみんなにしようと思う。
迅/提案?
草摩/どうして魔術師が1人で儀式を完遂させなかったのか。1人では、できなかったからだ。
実散/……複数人だとできる?
草摩/できるぞ。
綴矢/出来るんですか。
草摩/ああ。昴が生きる世界を作る手伝いを、しないか。できるぞ。どうだ。
綴矢/う……。
実散/やり方による。ごめんね、即答できなくて。兄ちゃん、ちゃんと説明してみて。
迅/ミチルちゃんつっよ(笑)
草摩/さすがみちる。しっかり者だ。
綴矢/……俺は実散さんが訊いてくれなかったら、手段を聞く前に賛成してました。
実散/ねこくんはそうなるよね……。

 【現実の植物園-ガーデニングダイス】
 探索者が地獄の植物の影響・精神を弱らせる為にガーデニングを行うなら、既に過去の魔術師によってその為の用具はボロボロだが用意されている。
 <博物学> or <DEX×2>でガーデニングダイスを行う。
 (※探索者は悪魔退散を行う場合、地獄の植物との<POW対抗ロール>を行う為
 極限まで地獄の植物のPOWを下げておかなければならない。

迅/ああ、みんなで協力して下げるのか。
KP/植物はPOWがとっても高いです。1人でやるとヘトヘトになるので、みんなで減らして頑張ろう。
綴矢/そういえば、旧花園家に居た植物のPOWも高かったな……でもここにPOW18の実散さんがいるじゃろ?
実散/どやっ(笑)
KP/旧花園家に居た植物は今は大人しく、礼二兄さんがその庭で家庭菜園してるよ。
実散/礼二兄さん、いつもおいしい野菜ごちそうになってます!
綴矢/強すぎない?(笑) その庭の土壌、大丈夫なの?
KP/マオニイがいるにゃ。
綴矢/でも暴走させてたじゃん!?(笑)
KP/あれは弟を失った兄の暴走なので……(笑) という訳で、説明しました。しますか?
迅/なんか眉唾物だけど……どうする?
綴矢/……俺は……犬巻を、蘇らせたい、です。でも……。
実散/でも?
綴矢/それが許されることなのか、そうして生き返らせたことを……犬巻が許してくれるのか……。
迅/さっきの草摩くんの言い分になるけど、「生きた人を使うんじゃない、死んだ遺体の有効活用」……そうだと、踏ん切れる?
綴矢/……俺は監察医になるための勉強をしています。監察医は、亡くなった方の死因を調べ、真実を明らかにする仕事です。ご遺体に対して敬意を払っています。……だから、この魔術師とやらがやろうとしていたことは許せない。
草摩/許せないから、お前はしないか?
綴矢/たとえ最愛の人のためであっても、死者を冒涜するのは許されざる行為です……と俺自身に無関係だったら言いきれたでしょうね。
迅/でも、本音は?
綴矢/……他者を犠牲にしてでも、最愛の人を遺そうとした魔術師の気持ちが……分かる。分かるから、最後の踏ん切りがつかない。
迅/よし、俺が推そう。
実散/ジンセンパイ?
迅/俺は今、先に死んだ人たちのおかげで栄誉を手に入れてるの。今の俺は「人の死で成り立っている」と言っても過言ではない。人の努力の屍を乗り越えて自分の大事なものを手に入れるの、推す。やろう。俺はできるよ。やったから。
綴矢/苗場さん……。
迅/ねこちゃんができないししたくないなら、俺しちゃうよ? やりたくなったから!
実散/ジンセンパイは直接関係無いのに?
迅/なんで? こんなにおしゃべりしてその気にさせる話をいっぱいされたらさ、やってやろうじゃんって思うよ。俺、冒険家だから。
綴矢/カッコイイ……!(笑)
実散/ええな!(笑) ……兄ちゃん。
草摩/なんだ?
実散/話したいことは以上? これ以上の黒幕ロールは無い?
草摩/無いな。
実散/ここからどんでん返しの裏切りとかない?
草摩/無いぞ。キスしてもいい。
綴矢/なんで?(笑)
実散今から嘘ついたらキスは一生できないものとする。どう? 本当に無いぞって言える?
草摩/な……無いぞ……ホントに無いって……信じてくれッ……!
実散/泣いてかわいいから信じる。
綴矢/必死か!?(一同爆笑) キスが交渉材料になってる!(笑) こんな必死な草摩先輩、初めて見た……教授に怒られた時ですらこんなに困ってなかったのに!
迅/その教授、いつも怒ってない?(笑)
綴矢/最終的には死んだ目で諦めてましたね(笑)
草摩/教授は疲れていたんだ、仕方ない。
綴矢/疲れさせたのアンタですよ?
実散/……兄ちゃんは本気でいぬくんを救うためにあれこれ考えてくれた。ありがと。ねこくん、俺はきっと頼りになるよ。きっと兄ちゃんの提案も上手くできると思う。あとは……ねこくんがしたいかどうか聞かせてくれる?
綴矢/いいんですか? その、実散さん……ずっと顔険しかったじゃないですか。
実散/…………。本当はね、兄ちゃんは、もっと違うことをするんじゃないかって思ってたの。
迅/違うこと?
実散/そう。俺のためのこと。……俺は凄く自意識過剰でね、「兄ちゃんは俺のために何でもする」と思っているし、それは事実ではあるんだけど……まさか兄ちゃんが「俺のためじゃなくて、いぬくんのために知恵をしぼって行動を起こしていた」とは思わなかった。やり方がアレな方法でも、他人のために動くようになった兄ちゃんを応援したいんだ。
迅/甘すぎだよ、ミチルちゃん(笑)
実散/だって俺ね、兄ちゃんがいたるくんに尻に敷かれてたりたかひろくんに甘えてぎゅっしてるの大好きなの〜。零課の仲間だから懐いてるのかなって思ったけど……ただの後輩くんのためにそんなに真剣に動いてくれるんだって判って、嬉しいよ。
草摩/正直なことを言えば、この廃植物園を放置したことやマオニイという保険を用意していたのも、みちるのためだ。
綴矢/だろうなあ……。
迅/だろうなあ。
実散/だろうねえ。自意識過剰。
草摩/もし……まだ相模原の肉体が残っていたなら。もっと早くマオニイからここのことを知らされていたなら、俺はみちるのために儀式をしていただろう。
実散/……だろうねえ。兄ちゃんのそういうとこ、大変だなあって思うけど、俺は好き。あと兄ちゃんが第一に「俺は涼ちゃんが好き」って理解してそう口走るの、好き。
草摩/迅先輩。ありがとうございます。
迅/はい?
草摩/貴方は俺の理解者だ。貴方の言葉があり、そう自信がついたから、やろうと思ったんですよ。後押しはあの日、酒で気分が乗ってた俺をその気にさせてくれた。そう、迅先輩のおかげです。
迅/困ります……(一同爆笑) そう言われても困ります……事件の発端を俺のせいにしないでくれますか(笑)
綴矢/それはそう! ……もし天鴻や格くんや百合人さんが万が一死んだら、していましたか?
草摩/ああ。……儀式をするなら、あっちだ。来るなら、来い。
迅/行くよ。
実散/ついて行く〜。
綴矢/……行きます。犬巻は生き返らせたいし、少なくとも危ない植物を野放しには出来ない。
KP/ざくざくざく、進みます……植物園の奥の奥へ。
綴矢/……あの、今更なんですけど。
迅/なんだい?
綴矢/草摩先輩って何者?
迅/俺が知りたい。ねこちゃんは知らないの、草摩くんの正体?
綴矢/知ってたら訊いてませんが!?
実散/俺の兄ちゃんだよ?
綴矢/そうなると実散さんは何者かって言う話になるんですけど?
迅/さっきから足元うろうろしてたマオニイっていう子猫のこともよく知らないんだけど何……?
実散/あれはこの事件を起こしている「地獄の植物」を栽培してる子猫で〜。
迅/栽培!?(笑)
綴矢/猫って植物栽培できるの!? ……深く考えるとSANチェック発生しそうだから止めよ(笑)

 【苗床】
 あらゆる人間の死体が散乱している。
 探せば犬巻昴の死体も見つかるだろう。

迅/うわっ。鼻を覆う!
実散/……これは、凄い所だね。
綴矢/探します。犬巻……!
KP/既に腐敗しきっている物や干からびている物が大半だ。その中央に……鮮度が良い方の犬巻昴の死体が寝かされていた。
綴矢/犬巻! 駆け寄ります!
迅/ま、マジかよ……本当にあった……。
KP/それでも蔦が張り、蕾が飾られ、不気味な花が咲いている。SANチェック(1/1D6+1)
実散/……涼ちゃん。あのとき見た彼女を思い出す。悲しくてたまらないよ。

 【SANチェック】
 実散(7成功):88→87(1点減少)
 綴矢(6成功):68→67(1点減少)
 迅(24成功):63→62(1点減少)


迅/みんな、それほど動揺はしてないな。
綴矢/覚悟はしてたんで……。それと、見つかった事への安堵の方が大きい。
KP/<目星>ロールができます。成功した人はどうぞ。
迅/(ころころ)85、失敗。言いながらやっぱ動揺してた。
綴矢/(ころころ)7で成功。
実散/(ころころ)あ、96でファンブルだわ。
綴矢/実散さんがファンブル!?
KP/やっぱり実散は、とある人物が想像してしまう。SANをさらに−1で。

 【SAN減少】
 実散:87→86(1点減少)


綴矢/納得のファンブル結果だ(笑) 実散さん、大丈夫ですか? 顔色が……。
実散/ん、平気〜……大丈夫って顔をしてるけど、全然<目星>をする気が無くてずっと花を見ちゃう。
迅/ミチルちゃん、やっぱりショックなんだな……。ミチルちゃんをよしよしします。

 <目星>→綴矢が成功。
 キラリと光を反射するネックレスの宝石が視界に入った。
 苗床の人間の誰かが身に着けていた物だろう。触れると冷たく、何処か不思議な感覚に包まれる。

綴矢/ん、これは……もしかして、例のネックレスじゃ?
KP/ネックレスをゲットしておいてください。
綴矢/とりあえずスイッチと犬巻の遺体は確保できた……あとは地獄の植物ってやつを弱らせれば良いんだよな?

 探索者が悪魔退散の仕上げをすると言う意思を持って植物園に踏み入れたからだろう。
 植物園の様子が変化する。……蔓や蔦が動き閉じた蕾は一瞬にして開く。
 その花はまるで捕食者の様に“牙”を向けた。

綴矢/うわ!?
実散/来たね。よーし! 深呼吸して頑張ろうー!
迅/深呼吸したくないね、ここ〜(笑)
綴矢/……なんかよく分かんねえ植物に、犬巻を渡してたまるかよ!
KP/地獄の植物のDEXは、2d6+6で決定します。(ころころ)DEX12になりました。

 【イニシアチブ】
 綴矢:17
 迅:15
 実散:13
 植物:12


KP/あ、鈍足だ。
迅/やった! 一番遅いぞ。
KP/探索者が地獄の植物の影響・精神を弱らせるためにまずはガーデニングを行なう。ガーデニングは<博物学>か<DEX×2>で。その後、<精神分析>を行なう。失敗か成功化によって植物のPOWの減少率が変わる。
綴矢/ふむふむ。あ、だから精神分析のバフがあったんだ?

 悪魔退散の行ない方は、ネックレスの破壊すること。それと、退散のPOW対抗。どれも行動宣言で可能。
 地獄の植物は探索者に攻撃する代わりに探索者に<POW×5>を行わせる。
 成功した場合影響は無いが、失敗した場合、探索者の精神或いは魂を吸収し、SANチェック(1/1D10)を行わせる。

実散/わーお、下手なタイミングでやらない方がいいかもね?

 〇ラウンドが終了した時点で戦闘は地獄の植物の勝利と言った形で否が応でも強制的に終了される。
 SAN値が0になった場合も同様。

KP/「〇ラウンド」がいったい何ラウンドかは伏せておきますね。という訳で、個々の手番で「ガーデニング」「精神分析」「ネックレス破壊」「精神対抗」の中から好きな行動を選んでもらいます。
綴矢/出来るだけ、下げられるだけPOWを下げたいですね。
実散/でも時間はかけすぎたら駄目だね!
KP/それと……今ネックレス持ってるのは、ねこさん。ネックレスを破壊できるのもねこさんです。実散と迅は「ネックレス破壊」はできません。戦闘技能でネックレスの宝石を破壊できますが、宝石には耐久値があります。
実散/ねこくんって戦闘技能は何かある? ダメージを与えられる行動はできるかな?
綴矢/親から貰ったパンチぐらいですね。<こぶし>が50%成功で、ダメージボーナスが1d4かな。
迅/ダメボが1d4あるんだ! じゃあ大丈夫だな。
綴矢/順番的に問題無いなら、先にネックレス壊しちゃいますか。ネックレスを壊します!
KP/ネックレスは回避しません。<こぶし>ロールをどうぞ。判定にクリティカルすればダメージ倍で破壊できますよ。
綴矢/<こぶし>で振ります。(ころころ)32、成功した!(1d3+1d4ころころ)ダメージは7点!
迅/本気! 最大値!(笑)
KP/ガシャーン!(笑) 力の限りねこさんは宝石を壊しました。耐久値0です!
綴矢/どっせい! 医者はひ弱だと思われがちだが今は違うギュッ!(一同爆笑)
実散/やったー! 最大値アタックきもちいいー!(笑)
迅/さすがにただのネックレスにHP10点も無いよね(笑) よし、ガーデニングでもやるか。50%で。(ころころ)79で失敗です。
KP/残念。まだ大丈夫なラインまで届かない。
実散/同じくガーデニング!(ころころ)12で成功! やりぃ! 兄ちゃん、こうだよね!?
草摩/そうだぞ。
実散/オニキスも手伝って!
迅/テケリリテケリリ。
KP/うわ黒いのが植物園を呑み込んでいく(笑) ガーデニングは成功したので、次は<精神分析>を頑張ってください。……その前に、植物のターン。地獄の植物は探索者に攻撃する代わりに探索者に<POW×5>を行わせる。(ころころ)ねこさんを対象。
迅/ねこちゃーん!?
実散/ねこくん触手プレイする気ー!?
迅/いぬくんには刺激が強そう(笑)
KP/ねこさん、<POW×5>してください。
綴矢/75%以下成功かな。(ころころ)89、失敗した。
KP/失敗した場合探索者の精神或いは魂を吸収し、SANチェック(1/1D10)を行わせる。

 【SANチェック】
 綴矢(57成功):67→66(1点減少)


迅/やった! ……でも失敗すると1d10も減少するのは怖い!
実散/ねこくんを助けてオニキス!
迅/テケリリテケリリ! 黒いのビシャー! 助けた!
KP/ポケモンみたい(笑)
実散/よし! オニキスが巨大化して触手を切ってくれた!
綴矢/これはこれでSANチェックもんじゃね? オニキスってあれかな、ゴースト/あく?
迅/(オニキスになって)「我を感謝しろ、そこのメカクレ!」(笑)
KP/続きまして、2ラウンド目に突入してねこさん! <精神分析>かPOW対抗をおすすめします。
綴矢/POW下げてからじゃないとPOW対抗するのは怖い! <精神分析>します!(ころころ)73、失敗です。えーん。

 【地獄の植物に精神分析ダイス】
 <精神分析>失敗→地獄の植物のPOWを1d5+5下げる。

KP/失敗でも下げられます。成功するともっと下げられます。
綴矢/お、失敗でも下げられる!(ころころ)最大値の10。
迅/最大値じゃん!(笑)
実散/ねこくんの出目が奮いすぎてる!(笑)
綴矢/やる気すぎる(笑) 塩を撒いて弱らしてやる! 食らえカルタゴアタック!
迅/喫茶俺でテイクアウトしてきた塩だ!(笑) ……地獄の植物ってどれぐらいPOWあるのか知らないけど、まだ下げるべきだと思うんだ。
綴矢/うん、この手番は下げ続けて良いと思います。
迅/じゃあ<精神分析>します! 50%以下成功で(ころころ)84、失敗。草摩くん! 草摩くんのなんか凄いとこ見てみたーい! 助けて。
KP/草摩がいるのでなんとかなります。
綴矢/パッシブでバフを与えられる草摩先輩、凄すぎない?(笑)
迅/(ころころ)8減少。
KP/草摩が「雛たち、頼む」と言うと「「「ワァー!!!」」」と襲いかかる雛たち。
実散/ひなちゃーん!
迅/うわなんだあの。……なんだ……?
綴矢/白玉……みたいな、何か……?
実散/あれはアイホートの雛! 自分の卵を産み付けて草の動きを相殺してるよ!
綴矢/怖っ!(笑)
迅/普通に怖っ!(笑) 俺は見なかった!
実散/俺が雛ちゃん達を応援するよー! そんな実散もPOWを下げます。おそらく3ラウンドぐらいまではセーフラインだと思うので(ころころ)<精神分析>46、成功。やったわ。

 【地獄の植物に精神分析ダイス】
 <精神分析>成功→地獄の植物のPOWを1d10+5下げる。

綴矢/凄い! めっちゃ下がるやん。
実散/(ころころ)13減少。やっちゃえ、イゴさん!
KP/イゴさん「■■■■■――!!!」
迅/バーサーカーだ!?(笑)
綴矢/また何か出て来たー!?(笑)
実散/イゴさんありがと!(^ε^)-☆Chu!! やっぱ俺ポケモントレーナーになるわ。
綴矢/イゴさんはかくとう/あく?
KP/かくとう/あく、良いな(笑) では植物のターン。(ころころ)ねこさんを狙います。
綴矢/また俺ー!? まあ、犬巻の遺体確保してるもんな! 
KP/地獄の植物は探索者に攻撃する代わりに探索者に<POW×5>を行わせる。ねこさん、ロールをどうぞ。
綴矢/75%以下成功!(ころころ)あ、75で成功した。
KP/ぴったり! 成功した場合、影響は無いです! そして3ラウンド目、またねこさんのターンになります。
綴矢/もう1回ぐらい<精神分析>しておくか? 今トータルで何点下がったんだっけ?
実散/10と8と13……21だね。いけそうな数値にはなってそう?
綴矢/俺と苗場さんで下げて、最後POW高い実散さんに対抗判定してもらう?
迅/それがいい。可能な限り下げよう! クリチケあるなら安泰!
綴矢/実散さんの対抗判定でも駄目そうだったら、次のターンまた下げよう! なので<精神分析>します。(ころころ)おっ25、成功した!
KP/地獄の植物のPOWを1d10+5下げてください。
綴矢/(ころころ)15、最大値。ねえ!?(一同爆笑)
実散/凄い! 凄すぎて笑う!(笑)
迅/本気だ! 本気の目だ!(笑) それだけいぬくんのこと、奪われたくないんだよ……。
綴矢/怖い怖い怖い、中の人がドン引きする(笑) ……犬巻は渡さねえし、返してもらうぞ!
迅/かっけー。追撃で俺も<精神分析>するよ。(ころころ)37……あ、成功した。いいかげんかわいい子ばっか相手にしないで、俺とかで勘弁してやれよ!(ころころ)13減少。出目良いな。
実散/やったー! センパイすごーい!
KP/合計でPOWが49も減ってる。めっちゃ減ってる。
迅/ミチルちゃん、頼んだ!
実散/POW対抗します。実散のPOWは18です。対抗値は?
KP/……95以下で成功です。
綴矢/ファンブルしなければ成功ってこと!?
実散/頼んだ俺〜!(ころころ)53、成功。兄ちゃん! 兄ちゃんに決めた!
草摩/ぴーかちゅー! バリバリバリバリ。
実散/何の音!?(笑)
KP/草摩ボルトの音です。
綴矢/鳴き声はピカチュウだけど、草摩さんはくさタイプでしょ(一同爆笑)
KP/……ジュワッ。戦闘終了です。
実散/ですよね! やったー!
KP/植物達が枯れていく様を見届ける。蔓や蔦がどくんどくんと脈打ち、葉を散らす。その度に周囲の木々も瑞々しさを落としていった。
迅/一気に倒れていくな……。足元をぱっぱって払おう。
綴矢/これで少なくとも、新たな犠牲者は出ない……。
KP/物言わぬ犬巻の周囲にまとわりついていたものも、力を無くします。物言わぬただの犬巻です。
綴矢/いつまでも我が物顔で犬巻に巻き付いてんじゃねえ。払う。
草摩/……みちる。
実散/なに、兄ちゃん。
草摩/俺は、前に、天鴻に言われたことがある。
実散/……たかひろくんに? 何を?
草摩/俺が天鴻の傷をどうにかしたい、癒したい……そう言ったとき天鴻は、「この傷は自分だけのものだから」と俺からの救済を拒んだ。『人間観察卓』のことだ。
綴矢/言ったなあ……(笑)
実散/本当にこのセッション、過去ネタオンパレード卓かよ(笑)
迅/クロスオーバーネタが凄いな(笑)
草摩/あれを言われてから、俺なりに考えた。過去の傷を俺の手で癒すことは、やってはいけないのかと。
実散/そのときのたかひろくんは、そういうことを言いたい気分だったんだよ。たかひろくんの心を尊重してあげて。
草摩/それでも俺は何度も考えた。かつて俺がみちるの死を拒んでやってみせたように。みちるが大好きな相模原の死を、今から拒むことはできないかと。
実散/…………。
草摩/日々、俺が魔術を学びたかったのは、その一心だった。『ハロウィン卓』ではちっとも習得できずにいてショックだったけどな。
実散/本当に過去ネタのオンパレードでいくのかよ。
綴矢/人体蘇生は人類にはまだ早いんですよ……草摩さん、ハガレン読もう?
草摩/相模原の死を拒む儀式には、今の未熟な俺は……まだ到達できない。でも到達できないなりに、そこまでの蓄積された知識と経験が、今の俺にはある。だから俺は……頑張っていたお前達3人の横で、それを行なう。
実散/行なう?
草摩/かつてみちるを救済したときと同じことを。
綴矢/え?
草摩/『同居人』と同じことを。
迅/また過去ネタオンパレード!?
草摩/だってここには大量の人の死と……さらにさらに大量の花の死があるんだから。
綴矢/おーっと!? ニャルを呼ぶの!?
実散/……あっ! そうかここは廃植物園! 兄ちゃんにとっては大量の枯れた植物も、均しく命!

 魔法陣に魂という対価を支払った。呼応するかの如く、地鳴りが聞こえ始める。
 大気がピリピリと揺れ、周囲の空間が不自然に湾曲をしている様に見えた。
 決して酔いでも、脳を揺さぶられた訳でもない。刹那、爆心地のように地面が打ち震えた。
 死肉を配置した場所から、紅く発光する直線が現れて図形を描いていく。
 それは五芒星。禍々しく、冒涜的なまでに恐ろしい何かが、その門から這い出て来ようとしているのだった。

迅/なにあれ、あれなに?(笑)
実散/『同居人』のやつ!(笑)
綴矢/なになになに!? ねえ! あれやらして大丈夫なの!?(笑)

 蠢く漆黒の触手の細い先端が、七色に照りかえる液体をまき散らしながらせり上がって来る。来る、何か、途轍もない狂気が訪れる。
 眩い閃光が視界を包み込んだ後、五芒星の眼の中心にいたのは、一人の、男とも女とも取れない、魅惑的な誰かだ。
 「やぁ、僕を呼んでくれたのかい? …………また?

迅/また!(一同笑)
実散/ニャル的には「何度目だよ」って感じだよね!(笑)

 「願いを聞こうか。魂を犠牲にしてまで僕を呼び出した君は、何を願う?」
 ――無貌の神は、願いを尋ねる。
 「毎度おなじみですまん。…………時を、戻して」


 ●エンディング

KP/ねこさんは、恐ろしいものを見た。そんな気がする。
綴矢/うう……。
KP/ねこさん。ニャルラトホテプと会ったら、驚きます?
綴矢/驚かない人類、花園双子以外おる?(一同爆笑)
KP/めーっちゃ怖かった何かを見たとかにしてください。だって貴方は今、普通に犬巻の部屋に置き去りにされているのだから。
綴矢/はっ!?
実散/置き去りにされた……?
KP/ねこさんは目を覚ます。そこは、犬巻の部屋だった。
綴矢/あ……? ここは……あれ、俺、確か植物園にいた筈じゃ……。
KP/「あれ、起きちゃいました?」
綴矢/え。
KP/シャワールームから、ひとっ風呂浴びた犬巻が出てくる。
綴矢/いぬ、まき?
KP/カレンダーを見ると……アルカディアでの飲み会があった日である。2人は飲み会の後、コンビニで酒を買い、犬巻の部屋に来た。そして2人の時間を過ごした。その時間である。
迅/俺と初めて会った飲み会の日まで、時間が戻った。
綴矢/………あれ? オープニングの飲み会の日だ……あれ? 犬巻……? ほんとに、犬巻?
昴/えっ。そう言われると、どうかな? 不安。
綴矢/犬巻の体が……あったかい。心臓、動いてる……生きてる……。
昴/ふ、風呂に入ったばかりだし、さっきまで……ねこさんと、したので……。
綴矢/ぽすん、と抱きつく。
昴/だから汗を流してきまし……わっ?
綴矢/生きてる……良かった。
KP/ねこさんが泣いてることに気付いて、犬巻は慌てながらも……ぎゅうっと、ベッドの上でねこさんを抱きしめます。
綴矢/犬巻に抱きついたまま、涙を零す。犬巻……。
昴/ね、ねこさんも……めっちゃ怖い夢を見たんですか? 俺も怖い夢を見たとき、こうやって慰めてくれましたよね……。
綴矢/犬巻……。死なないで、生きて。
昴/…………。
綴矢/死ぬようなこと、するな。生きる事を諦めるな。
昴/……すぐお返事すること、出来なくてすみません。俺、無茶をよくするから。俺なんかはガムシャラに頑張らないと世の中のお役に立てな……。
綴矢/ゴッ。殴りました。
昴/うっ。
綴矢/俺なんかとか、言うな。お前が死んだら、俺はお前が生き返るために何でもするからな。
昴/冷静なねこさんに限って、そんな……。
綴矢/なんでもするんだよ。お前のためなら、何だってするんだよ。
昴/……はは、そんなこと言われたら……嬉しくて涙が出ます。どんな夢見てきたんですか?
綴矢/お前が無茶して死んで、死んだ挙句に、変な植物の苗床になって植物人間になった夢……。
昴/怖い夢ですね。ねこさんもそういう夢見るんだ……。
綴矢/夢の中のお前、酷いんだぞ。俺に「自分のことを忘れてください」とか言いやがる。
昴/言いそう!
綴矢/ばか。
昴/……注意してくれたなら、約束しますね。言いませんし、諦めないし、死ぬようなこと、しません。約束……しますね。ねこさんの涙に誓って。
綴矢/約束破ったら、針一億本飲ます……。
昴/口から針が溢れそう。
綴矢/ぎゅう。
昴/……ぎゅう。抱きしめて、その……キスしていいですか と言う前に、キスします。
綴矢/ん……。
昴/……やっと、すんなりできた。少しは俺も成長するので、前向きになってください!
綴矢/……ふ、ふふ。よくできました。約束したんだから、絶対守れよ。無茶してデート行けなくなったら、怒るぞ。
昴/もっちろん!

 生きて欲しい。笑って欲しい。話したい。触れ合いたい。
 その願いに呼応する様に、暖かい血を流す肌の色を持ち始める。
 徐々に生を宿す人間の姿へと戻っていく現実。
 愛すると言う事。会話すると言う事。触れ合うと言う事。多くを捨て一人を救うと言う事。
 それらが貴方達に何を齎したのかは、貴方達しか知らない。

 【End.1/死花を枯らせる】

 <SAN報酬>

 ・悪魔退散を行った:1d10
 ・探索者の生還:1d10
 ・犬巻昴の蘇生:1d10
 ・探索者、犬巻昴、生還。

KP/以上がねこさんのエンディングでした。
綴矢/あざっす! 生きてて良かった! 実散さんと苗場さんにお礼を言わなくちゃ。草摩先輩にも。
KP/次に、実散と迅のエンディングシーンです。……2人は目を覚まし、スマホのカレンダーを確認をする。あの飲み会が終わった直後の日付だった。実散と迅は時が戻っていることに気付く。そして、何やらねこさんから平和な連絡が入っていることにも気付く。
綴矢/「犬巻生きてました!!!!!」って連絡します。
迅/良かった、平和な連絡だ。
実散/万歳オニキスの写真をペタッと貼って返信!
綴矢/「ありがとうございます、お二人が居なかったら俺きっと犬巻と一緒に花園で過ごしてました。お礼は今度草摩先輩も含めて改めてさせてください」
実散/うふふ、楽しみにしておくー! ねこくんおすすめのお店とか教えてね
迅/うん、元気な「2人の」姿を見せてよ。俺、泣いてるねこちゃんの姿の方が記憶長いからね?
実散/この4日間、ずっと悲しい顔をしていましたもんね〜。
迅/そうそう。飲み会は1日だけ、悲しいねこちゃんの姿は数日間ずっとだったもんね。比率がおかしいよ。
実散/2人の仲良しな姿をセンパイにいっぱい見てもらわないと! ……あっ。ねこくんとの連絡が終わったら電話してもいいですか?
迅/うん? 大事な電話?
実散/もしもしポリスメン? 今から言う場所の警備をよろしく。今から言う不審者情報をもとに監視と立てこもり事件が起きるかもしれないから警戒してね。
迅/やるじゃん(笑)
綴矢/有能。事件当日に犬巻の足腰を立たなくするか……ぐらいしか考えてなかった(笑)
実散/事前逮捕はさすがに無理だったらいつでも機動隊が出られるよう声を掛けておいてね。かわいい俺の名前を使って チーフの<信用>と<言いくるめ>で立てこもり事件をストップします。
綴矢/実散さん、敵に回しちゃいけない人だ……天鴻が「実散さんがすげえ無茶振りしてくる!」って言ってますよ(笑)
実散/全国の零課のお友達〜! 助けて
迅/いっそオニキスちゃん達も出動させておく?
実散/オニキスは子猫だから……そうだ! ハンギョくんのお友達にいっぱい遊びに来てって誘っておこ!
KP/ギョギョ?
綴矢/ギョ? 儀式するギョ?
草摩/儀式するかギョ。
綴矢/するギョ!
実散/立てこもり事件を回避してくれるならいいよー! はーい、お電話終了でーす!
迅/なんか別の事件が始まりそう……(笑) ミチルちゃん、そろそろ俺も帰る頃合いだから。ご挨拶しておくね。
実散/あと5日ほど居てもいいんですよ? だって喫茶俺の無料チケット、まだまだ丸々5日分あるじゃないですか。
迅/そうだね、タイムスリップしてきたから喫茶俺のチケット、まだ1回も使ってないや(笑) ……ふうっと煙草を吸う。吸いながら、ミチルちゃんの頭をぽんぽんします。
実散/ぽんぽん。ん〜?
迅/ミチルちゃんは、つらいことがあった人なんだね。この数日を一緒に過ごして、そうなんだって伝わってきたよ。
実散/ジンセンパイの言う通り、つらいことがない人なんていませんよ。ねこくんにはねこくんのつらいことがありますし、俺にもあるってだけです……乗り越えてきたものが。
迅/うん。
実散/そう、乗り越えてきたものがあったから、今があるんです。……今回のねこくんは、つらいものを消すために頑張って、努力した結果、全部消せました。それはして良かったこと。でも、消すことができなくてもこうやって生きてはいける訳で。俺はそういう人なんですよ。
迅/……んー。今ね、俺、ミチルちゃんに……いいこと言おうとしていた。
実散/いつも言ってますよね?
迅/ここでいいこと言って、惚れてもらおうとしていた。
実散/既に大好きですよ〜?
迅/兄ちゃんやユリちゃんよりも俺に惚れてもらおうとしてたよ。
実散/……それはそれは。かなり凄いこと言おうとしてたんですね?
迅/だって、新たにお互いの生活のため引っ越しするレベルまで2人が仲が進展してるとなったらさ……「今すぐ俺のポイントを稼いで俺の方に引き寄せたい」って思った訳よ。ようは、ユリちゃんの恋の邪魔だ。
実散/……わあ、それ言っちゃうんだ。
KP/言っちゃうんだ……。
綴矢/清々しい。
迅/で、俺への好感度を稼いでミチルちゃんを我が物にしようとした。
実散/堂々とした清々しいNTR話術ですね。
KP/NTR話術?(笑)
迅/それよ。
綴矢/肯定した(笑)
迅/俺への寝返り、できそうにない? 大変なことをしてきたミチルちゃんを肯定して、慰めて、可愛がる俺への逆転劇……無い?
実散/大好きですよ、ジンセンパイ。センパイが吸ってる煙草を奪う。
迅/お?
実散/奪って唇に、ちゅ。
迅/…………。こっ、小悪魔〜!
実散/俺はジンセンパイにちゅっするぐらいセンパイのことが大好きです。けど、センパイ一筋になるにはもうちょっとイベント進展しないとダメですね? でもジンセンパイのこと大好きなのは変わらないので、俺に話したかったっていういいこと、そのうちお話してください。
迅/…………。
実散/じゃあ、ご飯を食べに行きましょう。喫茶俺に!
迅/…………。
KP/小悪魔……。
綴矢/実散さんはフェアリー/あくか。
KP/悪ばっかりじゃん。
迅/……あのさあ。そこで小悪魔キスするにも、唇はないんじゃない? 極悪だよ。
KP/そう思う。
綴矢/ほんそれ。
実散/自分でも唇にキスして「うわぁ」って思いました。
迅/自分でも思ってんじゃん!(笑)
実散/いやだって……ジンセンパイの煙草立ち絵があったから煙草を生かした演出がしたくて。
綴矢/わかる(笑)
迅/はーあ。……諦めもさせてくれないとか、極悪な後輩だよ。そこで「俺は百合人一筋です! 残念でした!」とかじゃねーの、普通……。助けてねこちゃん、俺の恋がエンディングにならなかった!
綴矢/俺は今、犬巻わからせで忙しいので。
迅/フラレて終わる筈のエンディングが! 失敗したんですけど!? NTRが捗るぜ、ありがとうございます(一同爆笑)
実散/感謝されちゃった!(一同笑) 大丈夫ですジンセンパイ、チャンスはあるよ!
百合人/なんでチャンスあるのよッ!?
KP/百合人先輩が参戦した!(一同爆笑) 




END

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