アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 天使が消した12月 』 3ページ ■
2018年12月16日




 ●トリガーイベント2 〜12月16日〜

GM/遠野ちゃんは、禁書に書かれた呪文を唱えます。普通の能力者でも使うことは難しい禁書だ。一瞬、息苦しくなりますが……。
遠野/1点分の苦しさ。
GM/そう、たった1点だけの苦しさだ(笑) ……気付くと君達は、ある場所に立ってます。周りを見渡せば、遠野だけはどこか判る。ここは、とある研究施設だ。
アンラ/あ。
遠野/うわっ。……ここは、機関? 周りに人は居ますか?
GM/幸いここには居ない。
栞/良かった。……ここ、何年前なんだろうな?
GM/おや、あんなところにカレンダーが置いてあるよ。なんということだ、ちょうど10年前の日付ではないか! ちょうど10年前の12月16日だ! 機関解体事件が起きたのは10年前に12月31日……あの歴史的大事件のちょっと前の日です。
遠野/うわあっ! 過去に来ちゃった!? ヤバイ……皆さんここ、機関内です!
GM/右手をご覧ください。あちらにおりますのは、デスクワークでヘトヘトで君達のような部外者にも気付かない研究者達でございます。
遠野/デスクワークじゃなくて、デスワークやん!(一同笑)
栞/機関解体事件が起きてなくても既に死にかけですやん!(笑)
アンラ/わあ、社畜ってんなぁ……(笑)
遠野/えらい所に来ちゃったわぁ……本当に帰れるかな。とりあえず人目につかないように……。
GM/あっちの棟に行けば過去の遠野ちゃんに会えるよ。
遠野/見たくない、凄く見たくない(笑)
GM/……えーと、本来の予定ではここで公式NPCの西大家 銀之助さんをシーン登場させる予定だったんですが。GMは出したいキャラクターができました。遠野のおばちゃんが現れます。
アンラ/……あっ!?
遠野/おばちゃんっ!?
GM/「なーに、あんた達? 新人? こんな忙しい時期にボーッと突っ立ってたら主任に引っ叩かれるわよ!」
遠野/お……お……おばちゃん……。
アンラ/……遠野が感極まっているから俺が前に出よう! お、俺達は不審者じゃないんです。
GM/「外回りの仕事から帰ってきたとこ? それとも今日から配属? ははーん、さえは外から来たばっかだから白衣を着てないんでしょ? 寒くない?」
アンラ/そ、そうなんですよ! とりあえずここで待機って言われててー。すみません、心配してくれてありがとうございます!
GM/彼女はコソッと背中の方に、リボンの付いた箱を隠します。君達に見せないように。
栞/……あ。
遠野/……それは、プレゼントですか?
GM/「ぷぷぷぷぷプレゼントぉ!?」 おばちゃんの声が裏返ります。「う、うーん……そうよぉ、プレゼントよぉ」
遠野/あ、す、すみません! つい目に入ってしまったので……もうすぐクリスマスですし、そういう贈り物ですか?
GM/「そ、そんなところよ。……私、女の子を監督してるんだけどね、その子にあげようと思ってね。でもその子にガツガツ叱ってるからおばちゃんなんかにプレゼントを貰っても怖がらせるだけじゃないかって思ったら渡せなくってねー」
遠野/…………。ふえ、ふえええ……ふえええええん。
栞/……泣いちゃった。
アンラ/……これ、泣いちゃう……泣いちゃうよ……。
GM/ちなみに、遠野ちゃんはおばちゃんからクリスマスプレゼントを貰った覚えは?
遠野/……無い、です……無いんじゃないかな……。
GM/なら、このクリスマスプレゼントは無かったことにされたんだろうね。
遠野/……。あの……その、その子、絶対あげたら喜ぶと思いますよ……。
GM/「喜ぶもんかしらね?」
遠野/はい……心を込めて用意してくれた物なら、その子は絶対喜ぶと思います……。自分の顔はあまり見せずに、言います……。
GM/「……そうよね! ていうかせっかく買ったのに捨てるなんてもったいないわね! ちゃんと渡すわ!」 その瞬間、遠野ちゃんに不思議なことが起きます。あれ、さっきまで私は「クリスマスプレゼントなんて貰ったことがない」と思っていたのに、「貰ったような気がしてきた」と思えてきます。
遠野/あ……あああ……!?
GM/そのように歴史が改変されたからです。じわじわと「あれは記憶違いだ。私はクリスマスプレゼントを貰っていた」という確信へ変わっていきます。
栞/……れ、歴史が変わった。
GM/「いやねー、私も柳田ちゃんが『プレゼントを貰うと嬉しい』って言ってるのを見て『やっぱりうちの子もそうなのかな』って思ってねー」
アンラ/『うちの子』って、もうお母ちゃんじゃん!?(笑)
栞/……柳田、さん? 誰よその女?
遠野/柳田ちゃん? その名前に心当たりは?
GM/遠野ちゃんには無い。「ああ、最近配属されたあんた達にいきなり言っても判らないわよね! T−02の子よ。私はね、実験体とはいえナンバーで呼び合うの好きじゃないのよねー!」

 『イベントキー:柳田 朔』
 幸山 千歳の本名を表わすイベントキー。


栞/柳田 朔(やなぎだ・さく)ちゃん……イベントキーだ!
GM/「柳田ちゃんは朱指が『本当だったら家族全員お連れしたかった』って言ってたぐらいの能力者なんだけど、結局彼女しか機関に招けなかったらしいのよ。で、当時のことを忘れたいっていうから本名は呼ばないように……でも私はつい本名で呼んじゃうのよ。ご両親も柳田ちゃんを探しているだろうしね、大事な本名を忘れちゃダメよって!」
アンラ/おばちゃん、機関の良心かよ(笑)
GM/「画材セットを買ってきてあげたんだから、彼女にも何か買ってきた方が良かったかしら。柳田ちゃんも何か貰うの、大好きみたいだから」

 『イベントキー:クリスマスプレゼント』
 タイミング:オート  対象:単体  代償:1MP
 クリスマスプレゼントを用意していたことを表わすイベントキー。クリスマスプレゼントを持ち、対象に渡すことができる。


アンラ/……そうか。栞に謎のダイスロールをしたのって、「飲み物をあげた」からだ。
栞/物を渡したからか。そっか、なるほど!
GM/このシーンでPCが得られる情報は以上です。遠野ちゃんは「そろそろ帰った方が負担にならないぞ」と思います。
遠野/そうですね……ではここで……ありがとうございます……。
栞/もう、いいんですか?
アンラ/……遠野の頭をポンと撫でます。
遠野/……うん。でも……その前に。私達はそろそろ行きます。別れ際、ちゃんと挨拶をしないと……。
栞/……おばちゃんに私からも言いましょうか。クリスマスプレゼントは画材セットなんですね。あげたら、きっと絵が上手くなりますよ。
遠野/そうなるといいな、本当に!(笑)
GM/なるなる。きっとなるって。
遠野/……えっと。遠野さんも、寒いけど風邪を引かないようにしてください。どうか元気で。ペコリと頭を下げます。
GM/「また明日ねー」 彼女は去って行きます。
遠野/……はい。……はい……。
GM/「……あれ? 私、遠野って名乗ったかしら?」 そう思ったおばちゃんは首を傾げて振り向くが、そのときにはもう君達は居ない。

 ――4人は現代へ戻ってくる。
 おばちゃんと話した時間は長かった。だが戻ってきた時間は、遠野が時間跳躍の呪文を唱えたたった1秒後の世界だった。


遠野/あの……あのおばちゃんが、本当に10年前の機関解体事件で死んだか……≪違わぬ息吹≫で寿命を知ることはできますか。
GM/寿命を知りたい?
遠野/うん……。
GM/涙目で俯いて顔を見せないようにしていた君は知ることができないよ。
アンラ/……そうだよね。
遠野/……判りました。ありがとうございます。


 ●ミドルフェイズ4/黒旋風 〜強大な兵器〜

栞/ラストの判定をしましょうか。まだ3時間しか経ってないから、残り時間は8時間ですね。
遠野/なら……光の正体について、また文献をあさろうか。

★『AF判定:光の正体について「文献をあさる」』
 ・使用能力値:【理知】【幸運】
 ・難易度:60

※「町を滅ぼした光について、思い出したものと合致した資料を探す」演出に成功すること。
 成功した場合、
1D6+2時間が経過した上で光についての情報が入手する。
※協調行動OK。難易度:8。


黒旋風/よーし、オレは≪霧暴き≫をしちゃうぞー! 3以上を出さなきゃオッケーだな!(ころころ)成功、ダイスロールの結果……4時間しか経過しないことが判明!
アンラ/おー、いいぞー! そこの判定が終わったら供給をしような。
黒旋風/おう! サイゼリヤでご飯を食べような! ごはんごはーん!
栞/それは後の楽しみにしてようね(笑)
アンラ/じゃあ協調行動に参加できるか判定を……(ころころ)げっ、こんなときにファンブルって!?
遠野/こういうときにクリチケだよ!
アンラ/そうだ、クリチケだ! 判定を振り直す!(ころころ)はい、成功です!
遠野/じゃあ私も協調行動ができるか判定を(ころころ)クリティカルした。
アンラ/嘘だろ!?(笑)
GM/……えーと、振り直しのクリチケはもうゲットしてたよね。じゃあ【HP】か【MP】のどちらかを1D6回復にしておこうか?
遠野/【MP】を回復しておきます。(ころころ)全回復したわ。
アンラ/さっきの時間跳躍分が回復しちゃった。そんな6って出るもんなの?(笑)
栞/いやいや、出過ぎですよ(笑) さあ、文献をあさろう。つまりはさっきと同じ方法……≪狩猟感覚≫で忍び込んで≪幻の射撃≫で資料を取り寄せよう。
黒旋風/その前にすることがあるな。……天使の攻撃によってボロボロにはなってないがバラバラ崩れている棚を直していこうぜ。≪怪力無双≫で倒れた棚をよいしょっと!
遠野/傷ついた資料を≪星の息吹≫と≪リバース≫で回復ー!
アンラ/折れている資料を≪ハーデス≫で回復。
栞/現場復旧がしやすいように≪スポットライト≫。あと≪投擲≫で小熊を投げて高い所の復旧をさせる。
黒旋風/今の小熊ピョーン面白かった! アネキ、もう一回やって! ≪躍動の呪歌≫! それと、≪物品調達≫でオレが世話になってるブドウ園で作ったブドウパイをみんなに食べさせるー!
アンラ/いただきます。美味しいー!
遠野/美味しいー! 中のブドウが美味しいー! 後でお店を教えて。
黒旋風/うんうん教えるー! 美味しいってさ、恵瑠のアネキー!
栞/(←恵瑠の中の人)儲かりまーす。

 あれこれと書庫で文献をあさった結果、『難易度:6』まで減少させる4人。

黒旋風/『現在難易度:6』だな! ならファンブルが出なければ成功だ!
アンラ/それはフラグだ(笑)
黒旋風/いっくぜー!(ころころ)ファンブルだぁー!
栞/え、えっと!?(笑)
遠野/≪リライト≫! ファンブル無効化の≪リライト≫があります! 消してー!
黒旋風/リライトしてぇー!(笑) ……大声を出したところで真夜中の書庫を警備していた人が現れた。けど。
アンラ/クロちゃんの口を咄嗟に塞ぐ!
黒旋風/むぐっ。……むぐぐ、これ、読んでー。実はオレ、字が読めないんだー(笑)
遠野/うん、じゃあ私が読むぞー(笑)
GM/本ではなくレポートまとめみたいなやつです。タイトルは『A市駐屯地防衛設備所訓練による一時的な特殊兵器配備について』。
栞/A市駐屯地……とは?
GM/A市にある自衛隊基地のことです。A市と隣のS市、その2つと隣接しているN市では、とても異端が多い理由があります。という訳で様々な退魔組織や異能力団体、国の団体が集まって街の平和を守っています。自衛隊の基地があるのはもちろんなのです。
遠野/う、うん……。
GM/レポートにはこうあります。「極秘事項。今年度12月1日〜1月31日にかけて大規模異端事件発生した際の武力行使を想定した一般兵特殊訓練を異能力団体の合同訓練として行なう」 12月6日の今日は訓練の真っ最中ですね。
栞/武力行使の……特殊訓練?
GM/もしここに≪コネ「レジスタンス」≫か≪コネ「特命課」≫がいたなら自動成功かつプラス情報がありますが、簡単に言えば「自衛隊による異端討伐訓練」をしているそうです。そのレポートには、訓練に使われる武装リストを発見します。
栞/ほう?
GM/その中で一番レアな武器を読んでみましょうか。『ミサイルMST315を3機配備。これは[聖職者]のスキルウェポン≪浄化の一撃≫を超巨大化させて一般人にもスイッチ1つで扱えるようにしたものである』。簡単に言えば、3つ揃えば街を破壊するぐらいのダメージのある対超巨大生物討伐兵器ってところです。閃光して、広範囲に炸裂する爆弾です。
遠野/……これかー!(笑)
アンラ/ふむふむ、判りやすい。真っ黒だ。
GM/さて、君達はさっき……『イベントキー:繰り糸×クリエイトゲイトの禁書』をゲットしましたね。そこに「視界内にある単体の対象を、自由な場所に移動させる」って効果が書かれていました。
栞/あ、ありましたね。
アンラ/……あいつ、このミサイルを禁書を使って街を破壊したのか!
GM/視界内にある単体でなければならないので、視界に収めねば禁書は使えません。さて……そのミサイルを見るためにはどこに行かなくてはいけないか。レポートに基地の住所が記されています。

 『イベントキー:A市 防衛駐屯地』
 タイミング:イニシアチブ  射程:シーン  代償:1HP
 A市にある防衛駐屯地に向かうことを表わすイベントキー。クライマックスフェイズに突入する。


遠野/行こう。行かんとヤバイ。
アンラ/でも……クライマックスフェイズに行く前に、ちーちゃんに会いに行きたいかな?
栞/うん、クリスマスプレゼント……何かあげようか。
遠野/でもそれは、明日会うって言ったし。防衛駐屯地を突破して、その帰りでクリスマスプレゼントをあげるので……。
GM/それでいいのね。
遠野/……え?
アンラ/……多分、天使の力の源はチルドレン達だ。何かしらの方法で魔力供給を中断させることができたら、クライマックスフェイズが有利になるかな。
遠野/な、なるほど! そうですね!
栞/それに……もし私達が天使を倒した後、天使を信頼しているチルドレン達がちゃんと私達に会ってくれるかという問題もあるんですよ。しっかりと話をした後じゃないと。
遠野/そっか……じゃあ、先にちーちゃんに会いに行こう。
アンラ/それと、シーン終わりだから供給をしよう! みんなでご飯しよう!
黒旋風/そうだぜ、まずはみんなでご飯を食べて減った【MP】を回復しようぜー! オレ、お腹ぺこぺこだから3D6点回復したいー!

 全員でサイゼリヤでご飯をしたということで、契約関係同士3D6点回復した。


 ●トリガーイベント3 〜プレゼント〜

遠野/今のクリスマス時期なら、コンビニでもクリスマスプレゼントが売ってますよね。それを買ってきます。
栞/なんなら変装します? 髭を付けて、ほっほっほサンタじゃよって(笑)
アンラ/メリィです!
黒旋風/サンバだサンバだー!
遠野/天使VSサンタはダメ!(笑) ……その足で、ちーちゃんのお家に向かいます。
GM/では……今回の世界線ではちーちゃんと会っていません。だけど記憶を継続して持っている君は、彼女が住んでいるあのビルに向かう。すると彼女の、近所のコンビニから……大勢で食べる量のおでんを買って帰ろうとしている姿が見えた。
遠野/大きいおでんの器を下げている、みたいな?(笑)
GM/そうそう。他のチルドレン達の朝ご飯を買いに行ってあげているみたい。そんな彼女に話し掛ける……遠野とサンタ3匹。
栞/ほっほっほサンタじゃよ。
アンラ/メリィです!
黒旋風/サンバだサンバだー!
栞/……って、一番サンタっぽいアンラさんがジャンヌ・ダルク・オルタ・リリィなのは何で!?(一同笑)
遠野/違う違う、そうじゃなくて!(笑) ……ちーちゃん! 声を掛けます。
GM/声を掛けられた彼女は驚いて、「遠野ちゃんだ」と凄く驚き、嬉しそうな顔をします。遠野ちゃんに駆け寄ろうとすると大量のおでんがバシャバシャと揺れる。
遠野/ああっ、私が近づくから走らないで!(笑) ちーちゃん、久しぶり……。
GM/久しぶりの再会に喜ぶちーちゃん。反応は前回の世界と同じなので、スキップスキップで省略させていただきます。彼女の台詞は前回同様全部話して聞いたことにしてください。
遠野/はい。……実は、ちーちゃんに渡したい物があって。
GM/「渡したい物?」
遠野/実は……前に、この辺でちーちゃんを見かけたことがあって……それで……。
GM/「それで?」
遠野/それで……それで。
GM/「なーに?」
遠野/……クリスマスプレゼント! 渡したくて! あげる!
GM/彼女は突然のプレゼントにビックリ。とても嬉しそうな顔をします。「嬉しいよ。凄く嬉しい。でも遠野ちゃん、私、今……お金無いの。遠野ちゃんに何もお返しできないの」
遠野/い、いいんだよ、お返しなんて。
GM/「私はお仕事してないし、生活は天使様が言うことを聞いて、なんとかやってるだけだし、だから凄く嬉しい、とっても嬉しいけど、ありがとうだけど、ごめんね」
栞/……うん?
アンラ/あれ? ……何か、反応が……前と変わらない?
遠野/プレゼントはあげたいからあげるものだから、そういうのは気にしないで受け取って。
GM/「こういうプレゼント、ちゃんと貰ったのは初めてかもしれない。今まで山奥でみんなで隠れ住んでいたの。クリスマスの景色を見るのも数年ぶりなの」
遠野/あの、もし良かったら、私は友達の助けになりたいんだ。だからちーちゃんが良ければ……。
GM/「そこまでしてくれるの? 私、本当に何にも無いんだよ? お金も無いし、働けるかも判らないし、後ろ盾も……。心配してくれてありがとうね、遠野ちゃん」
遠野/うん。…………。
栞/…………。
アンラ/…………。
遠野/……待って。これって、前のシーンと同じ展開……何も変わってない……?
GM/うん。特に何も無ければシーンエンドにするよ。
遠野/……ま、待って。そうだ。これ、昔……機関にいた人に聞いた話なんだけど。ちーちゃんの本名って、柳田 朔って……。
GM/「うん、そうだね」 ちーちゃんの顔が少し凍ります。
遠野/……自分の本名、知ってた?
GM/「うん、知ってる」
遠野/……そっか。えっと……えっと……? 何をしたらいいんだろう?
GM/…………。【幸運】判定で難易度10に成功したら、黒旋風が何かを言い始めます。
遠野/クロちゃん……?(ころころ)【幸運】判定成功です。
黒旋風/なあ、こいつらってこんな水も電気も通ってない所に住んでるの?
遠野/う、うん。
栞/エレベーターは止まってるから階段で最上階まで行きましたね。
黒旋風/こいつ、洞窟の中で何年も住んでたって言ったよな。オレも洞窟で寝泊まりをよくしてたけど、10年もだっけ? でもって3日前にこの街に天使に誘われて来たって。
遠野/うん……。
黒旋風/こいつ、本名じゃない名前で通っていたんだよな。でもって、もう本名は判ってるんだよな。
アンラ/うん……柳田ちゃんっておばちゃんは教えてくれた。
黒旋風/本名が判っているんだから本物の戸籍もあって実家に戻れるよな。本当の名前を名乗って表に出れば、両親に会えるかもしれない。……きちんと保護されて、もっと良い生活ができるんじゃないか?
遠野/あっ!?
栞/浮浪者のままだと……あらゆる恩恵を受けられませんしね。そっか。偽名のまま、山奥で天使様と繋がっているだけじゃ……空想のものと繋がっているだけ。それだと社会では生けられない。
アンラ/バイトも探せねえぞ……(笑)
GM/実際に住所不定で本名も隠していて保証人もいない彼女を雇ってくれる人はいないと言ってます。彼女だけではこの世界で生きられない。生活をサポートしてくれるのは天使様。その天使様を彼女が誰よりも信頼しているのは……。
アンラ/当たり前の話だ……。
GM/……ところで、どうやってPC1の遠野ちゃんは今に至るんだっけ?
遠野/お家があるし……帰る場所もあるから。
GM/社会に生きる手段が無い元チルドレンだった。でも遠野ちゃんは生きていける。引っ越しを手伝ってくれた栞さんや大人のアンラさんが救済してくれたから。……じゃあ、彼女は?
遠野/「きちんとお家に帰ることもできるんだよ」って言葉を……本名といっしょにプレゼントしてあげれば。
アンラ/うん……!
栞/……思いついたから言いますね。ここ、色んな子達がいっぱいいて、色彩だらけですね?
遠野/それを聞いて、頷きます。……私が10年間お世話になっている教会という場所は、もっと色彩豊かだよ。
GM/「どういうこと?」
遠野/ツノとか羽とか生えた人達が、自分の力を使って仕事をしているの。……私はちーちゃんやチルドレンの子達に、ここ以外の場所を見てほしい。もし良かったらみんなも教会に行ってほしい。私はみんなの生活がラクになるように助けたいの!
GM/……未来に生きたいと考えているポジティブな彼女は、力強く頷きます。
遠野/教会に来ればもっと綺麗な景色が見られるしね、そこで助けてくれる人もいるよ……。
GM/彼女を支援するために名前と、確固とした立場と支援してくれる人達が必要だ。それは……そう言ってくれる君が必要ということでもある。今の美作遠野が受けたものと同じものが、必要だ。「ねえ……本当にここに居る全員を助けてくれる場所なんてあるのかな?」
遠野/あるよ!
GM/「明日……ううん、今日。まだ午前中だし、午後にそこへ連れて行ってくれる?」
遠野/行こうよ! ぜひ、案内するから!
アンラ/……あのさ。ところで……どうして君達、ここに住んだの?
GM/「天使様がここを用意してくれたの。天使様が魔力を分け与えてくれたらキレイなモノを見せてくれるって言うから、ここに引っ越してきたの」
アンラ/へー、つまり……朔ちゃんはお金が無いから、代わりに魔力をあげてここに住まわせてもらっている訳だな?
GM/「そう。3日前からね」
アンラ/美作ちゃんがくれる権利があれば法律で守ってくれるんだよ。こんな暮らしをしなくていいんだ。それを考えたら……自分の身を削るのは、おじちゃんは良くないと思うんだ。
GM/「……このことについて、天使様とちゃんと話そうと思う。えいっ!
アンラ/えいっ?
GM/天使様とのリンクを切ってみたよ。これできっと天使様はそのうち帰ってきてくれると思う。何か私達にあったら来てくれる人だもの」
アンラ/おっとぉ?(笑)
GM/彼女は友人達にも伝えます。「みんなー、天使様とのリンクを切ってー。そうすれば天使様の帰りが早くなると思うからー」 次々ブツブツと魔力供給が切られていきます。
栞/あー……良いんじゃないですかね、これで?(笑)
GM/彼女達はこれから訪れる12時に何が起きるか知らない。天使が膨大な魔力を使って、街で何かをするなんて知らない。……今までの世界の彼女達は、12時になったらビルの最上階からキレイな景色を見ているだけだった。
遠野/そうだったんだね……。
GM/「遠野ちゃん。これで天使様は数時間後には戻って来ると思うの。そのときお話をしてみるね」
遠野/あ、ありがとう!
栞/よし……天使との魔力供給も切れたことだし、クライマックスフェイズに移行するイベントキーを使いますか!


 ●クライマックスフェイズ 〜突入〜

黒旋風/【HP】が一番高い黒旋風がイベントキーの代償を払ってクライマックスフェイズに行くぜ! こっちこっちだぞー!

 『イベントキー:A市 防衛駐屯地』
 タイミング:イニシアチブ  射程:シーン  代償:1HP
 A市にある防衛駐屯地に向かうことを表わすイベントキー。クライマックスフェイズに突入する。


GM/黒旋風が先導して、A市防衛駐屯地に向かいます。メインの商業施設や居住区とは離れた、林が多いところにひっそりと基地はございます。
アンラ/よし、行くぞー。
GM/入口には警備員さんが居ます。大きな門に左右に2人、男性がビシッと立って警備をしているのですが……能力者なら「あの人達、石化してるよね?」と判ります。
遠野/うわっ。天使に≪石化の魔眼≫を使われたのかもしれない。
アンラ/お仕事熱心にも見えるけど……どう見てもあの人達、固まってるよな?
GM/つまり警備する人がいるように見えていない。中に入りたい放題だね。
栞/入りましょうか。急ぎましょうか。
アンラ/レッツゴー!
黒旋風/オレが1HPを払ってバリケードばりばりー! あ、≪物品調達≫で注文した物品がこのシーンで届くから先に渡しておくな!
栞/わーい、≪興奮剤≫ゲットだ。やったー。
遠野/≪落下する光≫をゲットだー!
GM/準備をして突入する君達。中に居る人達は、みんな石化しています。戦えた警備員さんは倒されてしまったのか、地面に伏して気絶しています。戦闘不能状態であり、死亡はしていません。
遠野/早く何とかしてあげなきゃ……中に進んで行きます!
GM/基地の中には……対異端兵器が厳重に保管された倉庫がございます。天井も広く、ヘリコプターが入るような室内にも倒れている警備員達。
アンラ/うわ、えげつねえな。
GM/奥の方にはミサイルらしき影。そのミサイルに……今まさに、手で触れようとしている、美しい影。
遠野/あっ!
GM/美しい影、美しい姿。男か女かも判らない……すなわち! 朕である!
栞/やっぱり朕なんですね!(一同爆笑)
GM/ここまできて朕じゃないキャラって駄目でしょ?
アンラ/「わーい! 朕、ミサイル解析したーい!」って顔してるんでしょ!? 「あ、これミサイル解体して3つぐらい余ったネジ」
遠野/危ない! 絶対ヤバイやつやーん!(笑)
黒旋風/おいお前! 待てぇー! あれあれ、遠野あれだよ! あいつが悪い奴だよー!
遠野/はーい、そこまでぇー!
GM/天使は、声を掛けられて君達の方へ振り返る。彼の周囲に光が舞う。問答無用の戦闘の構えだ。
栞/……兵器なんですよね、彼は。
GM/ここにある特殊ミサイルと同じ、兵器だよ。恐ろしい攻撃をしてくるように、光が浮いて……と思ったが。明らかにその出力は弱い。魔力が不足しているようで、天使は首を傾げます。
遠野/弱体化しているよ!
アンラ/今のうちにいくか!
黒旋風/ウズマキから斧を出すぜ! 大暴れするぞー! ……でも、ここであまり大暴れはしない方が良い気がするぜ!
アンラ/そ、それな!(笑) 近くに危険なミサイルがあるしな。
GM/具体的に言うと、ファンブルすると恐ろしいことが起きるよ。
遠野/……け、消して≪リライト≫して!?(笑)
GM/うん、≪リライト≫は必須かもよ。では……天使の口が開きます。

 「爛れた世界には浄化の光が必要である。
 選ばれし我らには、穢れた世を正しき道へ導く使命がある。光を生み出し、人々を導く使命がある」


GM/……という、福山潤のめっちゃええ声がします。
栞/朕の良い声が!(笑)
GM/この台詞、元機関チルドレンである遠野ちゃんはビクリと体が震えるほど聞いた言葉かもしれません。……機関の訓えだ。機関の最高責任者であり君達チルドレンの支配者、実質の神であった上門 狭山のありがたいお言葉だから覚えている筈。
遠野/……反射的に一瞬体が強張る、けど、ぶんぶんって首を振るう!

 「今から光を連れていく。多くの人々に光を届ける。そして穢れた世界を浄化する。
 それが我々の使命。世界を救う者達の使命。負の感情で溢れた悲しき世界を消さなければ、本当の平穏は訪れはしない。
 ……だというのに、何故君達は魔力を切ったのだ?
 君達はキレイな世界を作りたかったのではないのか? キレイな世界を見たかったのではないか?」


GM/天使は、ここにいない誰かに話し掛けるように口を開いています。
遠野/…………。
アンラ/……キレイな世界を見せると言っておきながら、センスの無いことをするよな。遠野ちゃんの芸術を見習えよ、お前!
栞/ぷっ。
遠野/あのさぁ。
栞/……い、いえ、失礼(笑)
遠野/もうーっ、複雑そうな顔をします!(笑)
アンラ/苦しそうな顔が緩んだので良かったと思っておきます!(笑)
GM/それが狙いか、憎いことしやがって(笑)

 「光は必要だ。絶対なる光が必要だ。この世界は穢れている。
 穢れた世界を正すために私は生まれた。どうか人々に世界を。救いを。全人類に正しい未来を」


GM/本当にその声は美しく、誰もが認める聖人のような天使が審判を下します。
遠野/……それで貴方を生み出した機関はどうなった!?
GM/…………。
遠野/…………。
GM/それは、面白い問いかけだな。「機関は、消えた。浄化された。粛正された。……穢れていた?」
遠野/そうだよ。その穢れた彼らの訓えに、今もまだ従順でいるの? 機関に造られた貴方が一番正しいとでも!?
栞/なるほど、穢れた機関が造った兵器が整っているという道理はどこにあるでしょう。その証明はどこにあるんでしょうね。……それはあまりに簡単な推理ですね。これは初歩的なことですよ。
GM/簡単で初歩的な推理か。じゃあ……天使なりに一生懸命考えて返答しよう。「私は、この世界をキレイにする。キレイにしなければならない。キレイにしなければならない。その使命で生まれたのだから……」
アンラ/……可哀想な奴だ。

【エンゲージ】
 エンゲージ1:遠野、栞、アンラ、黒旋風
 (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ2:天使、モブA、モブB
 (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ3:ミサイルA、ミサイルB、ミサイルC


GM/ミサイルは3ラウンドで何か恐ろしいことになります。それまでに何とかしましょう。
アンラ/はい!
GM/ファンブルが出たら、『ミサイルファンブルチャート』となるものがあるのでそれを振ってください。1D6を振ったら楽しいことが起きるよ!
遠野/ヤバイなー!(笑)

【行動値】
 アンラ:15
 天使:15
 遠野:12
 栞:12
 黒旋風:10
 モブ:8


アンラ/ああっ、天使の【行動値】15か、惜しい! 俺の方が早かったら≪チェルノボーグ≫が使えたのに!
GM/第1ラウンドのセットアップを始めましょう。……【行動値】15の天使から。オリジナル特技≪天使のセットアップ≫を使用。(ころころ)……彼は≪箱舟の主≫を使ってクリティカル値を−2しました。
アンラ/ほう?

 栞は≪蜂の唄≫を使用し、敵に5メートル近づきダメージアップ。
 黒旋風は≪霧暴き≫で天使を対象識別をし、判定成功した。


GM/オリジナル特技≪天使のセットアップ≫の解説をします。天使は、14種類のクラスの特技を全て持っています。
アンラ/……ぶっ!?(笑)
GM/ですが、追加クラスの[アーティスト]と[イレギュラー]だけは戦闘中の使用ができないという設定になっています。なのでラウンドごとに、「12種類の何のクラスに特化しているか」を決定します。先程のダイスロールでは[領域遣い]という結果が出たので、1ラウンド目は≪特技マスター:領域遣い≫を取得して[領域遣い]の全特技を使えるようになりました。
遠野/はい……全部か。って、もしかして自爆するの!?(笑) このラウンドで天使を倒すと≪爆砕≫で自爆するよ!
GM/[領域遣い]である以上は自爆の可能性があります。ただ、次のラウンドになれば違うクラスになります。
栞/このラウンドで倒すのはオススメしない!(笑)
アンラ/出来れば、次のラウンドで倒した方がいいんだな!?
GM/なお、NPC1からの魔力供給が切れています。いくら全特技を取得しているといっても、最終的にはガス欠がありえますのでご安心ください。つまりは供給を切ってなかったら特技使いたい放題だったね。
黒旋風/……ってことが判ったぜー!
栞/よーしよしよし、クロ偉いー!
黒旋風/偉いって言われたー! 嬉しいー! 尻尾ぱたぱた!

 モブは≪闇の血統≫でダメージアップを行なった。
 メインプロセスに移行し、アンラはマイナーアクションで天使がいるエンゲージまで移動した。


アンラ/≪デスブリンガー≫で天使を殴ります! SDを使える最大値使います。(ころころ)命中18!
GM/回避します。(ころころ)当たります。
栞/やった! ラスボスなんだ、全力でいこう。
アンラ/ダメージロールだ。(ころころ)うえっ……半数の出目が1だ。
黒旋風/そのダメージロールに≪悔改めよ≫! 振り直そう!
アンラ/振り直そう。そのダメージロール直前に≪インドラ≫使用を宣言! もう一度ダメージロール!(ころころ)さっきよりは増えた、52。
黒旋風/令呪使っていいか! 令呪で+20!
遠野/そのダメージロールに≪禍福のさざなみ≫を使います!(ころころ)1が出ない、大丈夫だったから+20!
栞/そのダメージロールに≪ミネルヴァ≫を使用します! 良い出目が出て(ころころ)ナイフで6点追加!
遠野/そのナイフの≪ミネルヴァ≫に令呪を使用! +20! でもって……ダメ押しで≪交わる矢≫。(ころころ)4追加です。
アンラ/そこの≪交わる矢≫に対して令呪を切りまーす!
黒旋風/なあなあ遠野遠野、オレも≪禍福のさざなみ≫を持ってるんだー!
遠野/いっちゃう? いっちゃおうかー!(笑)
黒旋風/チャレンジしよー!(ころころ)よし成功、ダメージロールに+20!
遠野/イエーイ、禍福上手ー!(笑)
黒旋風/でもってこの≪禍福のさざなみ≫に令呪が乗せられるぜー!
遠野/乗せちゃうかー!
アンラ/……えっと? 俺、3桁以上の計算ができないんだぞ?(笑) ええっと……はい合計で、物理ダメージ183点です(一同爆笑)
栞/ひゃく、はちじゅう、さん!? そんなにいった!?(笑) 前のめりなパーティーだなぁ!
GM/183んん!?(笑) ……そっか、アンラさん以外の3人が全員ダイスロールバフ持ちだったんだっけ! すげえ! えっと……アンラさんのスキルウェポンってどんな攻撃イメージだった?
アンラ/鉤爪です。ガリッといきますね。
GM/ガリッ。その後にナイフが飛んできたり手斧が飛んできたり……?
遠野/スケッチブックで鋭く武器の絵を描いて、投げる!(笑)
GM/では、朕のありがたい言葉をお聞きください。

 「………………………………………………何それ?」

遠野/せやね!(一同爆笑)
GM/あの……ラスボスが1ターンキルどころかワンパンだと思ったわ。まだ生きてるけど。
栞/セーフなんですね。黒髭危機一髪かな?(笑)
アンラ/倒しちゃいけないって新しいタイプの戦闘だね!?(笑)
栞/次は【行動値】15の天使のターンです。一矢報いてください。
アンラ/お前、どっちの味方だよ!?(笑)

 天使は栞に対して攻撃。栞は≪ゼロの歩み≫でわざと回避判定を失敗した。

GM/はい、栞さんへ霊力ダメージ42点です。
栞/無理です、そんなの受けたら私は倒れます。
遠野/栞さんに≪銃幕≫を使ってダメージ軽減をします!(ころころ)7点軽減です。
黒旋風/栞のアネキに≪白き守り手たち≫でダメージ軽減するぜ!(ころころ)12点軽減!
栞/……あと2点軽減してくれたら生き残ります。
遠野/≪交わる矢≫で1D6をプラスします。2以上が出ることに賭けましょう!(ころころ)6が出た!
アンラ/凄いぞ、遠野ちゃんのダイス! はー、ギリギリ!
栞/現在【HP】5点で立ってます。死ぬかと思いました。アイルビーバッグ!

 遠野は≪落下する光≫で攻撃し、対象は敵全体へ。
 命中判定は一度目は失敗したが、クリチケを使って振り直しをし、天使以外のモブ全員を攻撃成功した。


アンラ/ダメージロールに、ラスト令呪を使用! おりゃー、ぶっ飛ばせー!
栞/ダメージロールに≪交わる矢≫を使用しましょう。(ころころ)1点ボッチですか追加してください。
遠野/その結果……29+1で、30点ダメージ!
GM/おめでとうございます。モブは【防御点】無しの【HP】30点なので、倒れます。
アンラ/ピタリ賞だ!
遠野/すごーい!?(笑) 2人の支援があってピッタリ倒したー!
黒旋風/あっ! おい遠野、敵を倒した直後なら≪機関「天足 所属」≫が使えるぜ! 移動だ移動だー! 逃げておけー!
遠野/そ、そうだった! これを自身に使用して、マイナーアクションでエンゲージ移動しておきます。
アンラ/……あ。忘れていたけど俺、≪ゾーンバースト≫の効果で全部範囲攻撃だった。
遠野/……モブ、実は倒してたやつ?
GM/…………。そのモブ、【HP】が213だったんです。だから仕方ない。
遠野/いいんですよGM、そんなこと言わなくて!(一同笑)

 栞は≪撃滅≫+≪覇魔矢≫+≪無の射撃≫で、天使に命中19で攻撃を行なう。
 無事命中させた栞は≪ゼロの歩み≫の効果でダメージアップされたダメージロールを振った。


栞/1点でもダメージが入れば、バッドステータス:毒になります。
GM/……朕が毒になる。ケーカちゃん、頑張れ!(一同笑)
栞/(ころころ)よし、出目が良い! 霊力ダメージ25点です!
GM/入ります、毒。まだ生きてます。
黒旋風/黒旋風は誰かを再行動化させる≪躍動の呪歌≫を使うんだ。……アンラの方を見る。
アンラ/倒してしまっても構わんのだろう?
黒旋風/おうよ! アンラの親父やっちまえー! ≪躍動の呪歌≫でアンラを未行動状態にする! どんどんやっちまえー!
遠野/やっちゃえ、おじちゃんー!(笑)
アンラ/≪シヴァ≫+≪デスブリンガー≫で攻撃! SDは使える分だけ使う!(ころころ)命中19!
GM/(ころころ)当たります。
アンラ/ダメージロール直前に≪インドラ≫を使います。(ころころ)うわ、6が出てる。物理ダメージ67点!
GM/天使の【HP】が0になりました。彼は戦闘不能になったとき、≪爆砕≫という自爆技を使います!
アンラ/≪光の一手≫! その特技を打ち消す!
GM/自爆技は、無かったことにされました。……完全勝利です!
遠野/ワンターンキルだった! みんな強い!(笑)
栞/ふう、綺麗に締まったな(笑)
GM/……いやぁ、複数枚の≪交わる矢≫と≪ミネルヴァ≫、そして2つある≪禍福のさざなみ≫があるパーティーだったら、総攻撃したのは成功だよ。それも全部≪禍福のさざなみ≫が成功したからだけどね(笑)
アンラ/気持ち良いダメージだったなー! 全部のダメージが乗ったの初めてだよ(笑)


 ●エンディングフェイズ 〜午後〜

GM/最期の一撃、アンラさんの鉤爪が天使にトドメを刺した。トドメの一撃を貫かせたとき、苦しみもしない肉体に「人間みのない、こいつはロボットなんだ」と感じます。
アンラ/そうか……。
GM/苦しみもしないけど機能停止に向かっている天使は、鉤爪を振り下ろしたアンラさんに問い掛けるように口を開く。「世界を浄化しなければ……君達は美しい世界で生きられない。それでも、その役目を負う私を、その職務を全うさせてくれないのか」
アンラ/浄化しなくても大丈夫だよ。みんな幸せに今も生きてる。お前はこれから、もっとキレイな場所に行ける。
GM/「それは、本当に?」
アンラ/もちろん、本当だ。ゆっくり休め。
GM/嘘偽りない、真っ直ぐな目で答えてくれた。嬉しいな。「……では、私ではない誰かが、世界が美してしてくれると願っている。皆を良き未来へ導く者達が現れることを、心から願って……いる……」 言語機能が完全に崩れた彼は、ガクリとただの塊となる。器に宿っていた魂は蒼い光になって消え、アンラの前にはただの機械が残った。
アンラ/……ああ……。
遠野/……正直あの子達を利用していたことは許してない、けど……。自分のスケッチブックを取り出して、バッと描きます。ちゃんと覚えておこうと思うよ。貴方も機関の一員だったから。
GM/覚えておいてくれるんだ?
遠野/うん……癪だけど、自分はちゃんと覚えておく。
GM/……ありがとうございます。そこにあるのは残骸。そして普通に鎮座しているミサイル。ミサイルは「俺らの出番じゃないの?」の顔でシーンの端っこにいます。
遠野/そのままミサイルさんはお座りしてて! いい子だから!(一同笑)
黒旋風/なあなあ、ここの警備員達はこのままでいいか?
アンラ/先に俺達が去らないとヤバイ。
栞/うん、逃げるのが先。何も起きてないんだからそのまま去りましょう。静かにそうしましょう!
遠野/そうだね、石化もそのうち解けるから。
黒旋風/よーし、こっそりスタコラサッサするぜー! わーわーっ!
アンラ/天使の残骸は……俺が持っていくな。
GM/防衛駐屯地を出て、誰にもバレない場所まで逃げてくると……お腹がぐーと鳴ってくる正午だ。外は寒いけど、空は良い天気。ピカッと頭上が光ることはない。時計を見れば……もう既に12時5分だった。
栞/うん……とっくに過ぎてた。
遠野/ふう、良かった! 何も無かったね。
GM/では、ここでマスターシーンをやらせてください。

 とある廃ビルの最上階にて。

 「みんなー。天使様が言っていた『あの時間』になるよ。窓際に来て」

 朝食のおでんを食べ終わった彼女達は、隠れるためのブラインドを開けて、街を一望する。
 眼下に広がるのは、平和な街並み。クリスマス前の日曜日だから、駅前に人々が行き交っている。
 
 それは、この街を知っているならいつも通りの景色だ。
 空は光らない。浄化もされない。何も起きない。そのまま、正午12時を迎える。

「……凄い。駅の周辺のイルミネーションが、キラキラしてる。12時になったら色が変わった!」
「凄い凄い! 夜になったらもっとキレイになるよ!」
「天使様はこれを私達に見せたかったのかな? とてもキレイだね!」
「山奥の中でずっと隠れて住んでいるつもりだったけど……みんなで勇気出してここまで来て良かったね」

 彼らはただ……いつも通りの街並みの光を見て、キレイだと笑い合うだけだった。


遠野/ああ……良かった……良かった……。
アンラ/幸せな世界だ……。

 みんなが感激して窓の外を見下ろしている中、千歳……いや、朔が声を上げた。

 「聞いて、みんな。…………私の友達がこれから来るんだけどね、そしたらみんなで……!」

    ◆

GM/以上でマスターシーンは終わりです。黒旋風が「駅に戻ろうぜー!」と言ってるところですが……アンラは背後に小さな女の子の気配を感じた。
アンラ/……ああ。
GM/龍の聖剣が現れます。「蓬来アンラ、お疲れ様。もうあのピカッは無いわよ」
アンラ/くあー、今回も疲れたよ。あの痛みをもう味合わないためにやってきたが……もう【正気度】が無いからループはしないぞ。できないぞ。
GM/「はい、クリスマスプレゼント」 ロリは君にコンビニで売ってるアイスクリームを渡してきます。
アンラ/ありがたく貰っておくよ。
GM/「これでも食べて【正気度】を回復して」
アンラ/これで!? それって、今後も俺を働かせる気か!?
GM/「まだまだこき使うわよ。だって貴方みたいに優しくて強くてみんなを助けてくれる人は大好きだもの」
アンラ/……あーあーあーっ! 判ったよ! また働けばいいんだろーっ!(笑)

    ◆

栞/このままお昼ご飯に行こうかという流れになるでしょう。でもちょっと待って。先に報告書を書いておきたいです。これから教会に行くためにも。
遠野/ハッ、そういえば!(笑)
アンラ/そんなの後でいいだろ。だから隈が酷くなるんだよー(笑) 先にメシにしておこうぜ!
黒旋風/そうだぜ栞のアネキ、何度食ってもミラノドリアはうまいぜ?
アンラ/またサイゼリヤに行くつもりか!?(笑)
栞/……参ったなぁ。でも味が判るようになってから食べたいので、仮眠を取らせてください。私達はこれまでずっと不眠不休だ。これじゃあ我々が機械ですよ。
遠野/そ、そういえば……。
GM/『AW』のPC達は長らくループ生活を延々と繰り返します。体は眠らなくても疲れないけど、精神はどんどん消耗して廃人に近くなっていきます。そして君達はまさにその状態、36時間以上ぶっ通しで活動中で時間感覚が麻痺してます(笑)
栞/寝てないんですよ、私達!(笑)
黒旋風/じゃあ……先に寝るか?
遠野/うん。ちょっと一眠りしようか。
黒旋風/あのさあのさ! あともう少しでクリスマスだから、今日から駅前のクリスマスイルミネーションが凄く綺麗になるんだぜ! また今夜みんなで集合するのはどうだ?
栞/ああ、それが良いですね。夜に起きるようにアラームをセットしておきますか。
黒旋風/それな! おやすみー!
栞/メリークリスマス。自宅へお休みしにいきます。
GM/……自宅に眠りにきた栞さん。君の自宅兼探偵事務所の電話が、ぷるるるると鳴ります。
栞/電話を取ります。はい、穂村探偵事務所。
GM/「こんにちは。こちら、牧探偵事務所の牧 実です

 牧 実。
 A市の裏通りに事務所を構える私立探偵。浮気調査と人探しが得意な女性。
 地味ながら堅実な調査をモットーとしており、辛抱強い情報収集能力には定評がある。中の人は、すずか。詳しくは『小さな友人の頼み事』参照


遠野/すずかちゃんのPCだ!
栞/すずか先輩のPCだ……絶対有能に決まってる! そういう声が電話からする!(笑)
GM/(実になって)「調査していたことについて、結果が出ましたよ」
栞/ほほう。電話で話しながら目薬を差します。……どういうことになりましたか?
GM/「美作 遠野ちゃんの本名も、ご実家も判明しました。実はですね、彼女のご両親は……」

 『遠野の両親探しチャート(1D6)』

 ポイント20点以上:両親健在。2人とも元気に生きているよ! 平和だよ!
 ポイント18点以上:両親健在。普通だよ。でもちょっと問題があるかも……?
 ポイント15点以上:片親健在。単身だけど健やかに生きてるよ!
 ポイント12点以上:片親健在。だけど色んな事情で不幸みたいだよ……。
 ポイント10点以上:2人とも死亡してるよ。残念だ。
 ポイント10点以下:探してみたけど、全然判らなかったよ……。


GM/これは栞さんのみがダイスを振れるチャートでした。栞さんが側面下でやっていた、遠野ちゃんへのクリスマスプレゼントだしね。
栞/……あの、ここに≪死闘の半身≫という「【HP】と【MP】が5以下だったらGMからヒントが貰える」という特技があるんですよ。今の【MP】は1点なんですが使えませんか?(笑)
GM/おー、良いですね。ではその特技を使用したことでGMからの提案です。黒旋風を呼び出してください。あいつは支援の天才ですから役に立ちますよ。あいつは今、恵瑠ちゃんの家でグースカしている筈ですが……。
栞/恵瑠先輩の家へいるクロちゃんに連絡を取ります。
黒旋風/来たよ!
栞/早い!?(一同爆笑) い、いや、実はなクロ。仕事の手伝いをしてもらいたいんだが……。
黒旋風/ガッテンだ! 栞さんに≪躍動の呪歌≫と≪叱咤激励≫! という訳で、追加でもう一度チャートを1D6+2振っちまえー!
アンラ/す、すげえ支援だ!(笑)
栞/渾身の支援だ! 出来るだけ良い出目が出て!(ころころ)……1。
黒旋風/≪悔改めよ≫ッ!
遠野/判断が早い!(一同笑) 1秒もせずに言い切った!
栞/お願い、良い出目が出て! せめて上がって!(ころころ)……6だ! クロちゃんの支援ありがとう! 奇跡が起きたよ!
遠野/凄い! 6+2だから……8!
アンラ/天地をひっくり返しやがった!(笑) なんて聡明な女性だー!
GM/チャートのポイントが20越えです。おめでとうございます。最高値を叩き出しました。最高の出目を出した栞のアネキに感謝。……実さんが結果をご報告します。
栞/ゴクリ。
GM/「とっても良い情報が判りましたよ。美作遠野という偽名を聞いていたせいで先入観が邪魔して、なかなかここに辿り着けずにいました。遠野という名前は、名字だったんですね」
栞/は、はい?
GM/「彼女の本当のお名前、偽名でもなんでもなく、遠野なんですよ。……彼女は、遠野さんというお家なんです。そして母親は今も健在で……でもちょっと昔、悪いお仕事をしていたようでして。表に出たくないということでずっとあちこち隠れるように全国を渡っていたのですよ」
栞/……おばちゃん!?
アンラ/おばちゃん! 遠野のおばちゃんじゃん!
GM/「ですが、彼女との交渉は成功しております。ご両親と彼女を会わせる日程を、栞さん、貴方が組んであげてください」
遠野/そ、そんな……そんなクリスマスプレゼントを貰ったら……泣いちゃうっ!
アンラ/大丈夫、泣いていいんだよ!
栞/有意義な情報、ありがとうございます。このお礼は後日確かに。素敵なクリスマスプレゼントになりそうですね。そうお礼を言って、電話を切ります。……良かった……。
黒旋風/よし栞のアネキ! 仕事は終わったよな? 寝ようぜ!
栞/うん、寝る。お休み。
黒旋風/オレも寝る。おやすみ! アネキのベッドに入る。
栞/……そこ?
黒旋風/一緒に寝る!
栞/……ソファーもあるよ?
黒旋風/寝るー! 隣でぐがーって寝る! ぐがーっ!
栞/……そういうとこですよ、クロちゃん、そういうとこ自覚を持って(笑) と言いながら栞も寝ます……。

    ◆

GM/栞さんから遠野ちゃんへのプレゼントは、もう暫く後の話。では一方その頃、遠野ちゃんは……。
遠野/ちーちゃんのお家まで迎えに行きます。仮眠を取る……と言っても、ちーちゃんとした約束は午後からだから先に教会へ連れて行ってからにします。まだ私は若いし!
GM/君は元気だね。では……彼女と約束した午後の時間になると、廃ビルの中から「綺麗だったね」と話し合う彼女達が出てきます。姿を一般人に見られたくない子達はフードを深く被ったりしてるけど、外に出ているよ。「あ、遠野ちゃん。来てくれた」
遠野/うん、来たよ! 今から案内するからついて来て。
GM/「行こう」「行こう行こう!」 10人ばかりを連れて、昼間の街を歩きます。クリスマスのイルミネーションが綺麗な昼の通りを歩きます。夜でないのにキラキラと光った道をみんなで歩いていきます。
遠野/はい……。
GM/フードを被った異形の子が、チラチラと隙間からキラキラを間近に見ては、目を輝かせています。3日前の真夜中にコソコソと街を訪れたときは、見ている余裕は無かったからでしょう。
遠野/可愛いー(笑)
GM/「あのね、遠野ちゃん。天使さまから連絡があったよ」 ≪テレパシー≫という[稀人]の特技で、12時頃に通信があったそうです。
遠野/……何て言ってた?
GM/「世界を綺麗にしてくれる人達が現れた。君達のもとにそれが出来ると名乗る者達が現れるだろう。君達は安心して浄化されていく美しい世界で生きていきなさい」
アンラ/……ハハハ。なんだよそれ、憎いこと言いやがって(笑)
GM/「きっと天使様は、遠野ちゃん達のことを言ったと思うの。これは天使様からの……教会に行くことを不安がっていた私達へのプレゼントだと思うの」
遠野/プレゼントを渡すのは、サンタクロースの仕事じゃない?(笑)
GM/「天使様ってサンタクロースだったのかもね。私達をこの街に連れてきてくれて、遠野ちゃんに会わせてくれた素敵なプレゼントをくれたサンタさん……新しい生活を始めるキッカケをくれたサンタさんなんだ」
遠野/……そうかもね! 今から未来に進むから、プレゼントを残して……彼は去って行ったのかな。
GM/君達は、教会にやって来ます。教会の礼拝堂はクリスマス時期は、めっちゃ綺麗です。
遠野/ほら見て、凄く綺麗!
GM/「わあ、凄い!」「わー!」「キレーイ!」 フードを被っていた子が取っ払うぐらいの感激を見せる子達。「早く近くに行こうよ、遠野ちゃん!」
遠野/……判った、朔ちゃん!
GM/名前を呼ばれて、駆け出す二人。≪単一化≫で限られた感情ではなく、本当の感情を曝け出すような笑顔を見せた彼女と共に……綺麗な教会へと向かいましょう。


 アナザーワールドSRS
   『 天使が消した12月 』   END





GM/『アナザーワールドSRS〜天使が消した12月』、終わりにします。お疲れ様です。
一同/お疲れ様でーす!
アンラ/それぞれの大役を果たして嬉しかった。もうっ……そういうところだぞ! そういうところだぞ、天使!
GM/アンラさんの台詞があったから、≪テレパシー≫で連絡を入れる天使にしようと思えたんだよ。ちなみに、柳田 朔という本名は美作 遠野から考えました。「遠野→遠野物語→柳田邦夫しか考えつかん!→美作の作から朔」という単純なものだけど。
栞/ほうほう。……あの、チャートがいつの間にか作られていてビックリしましたよ。遠野のおばちゃん、ずるくないですか!?(笑)
遠野/それ! 本当それ!
アンラ/それは、遠野ちゃんが最初に遠野のおばちゃんのキャラクターを肉付けしてくれたからだよ。戦闘も楽しかった。結局みんなで物理攻撃で倒す精神が!(笑)
GM/バリツはバスターだから。殴れば勝つから。
栞/そう、脳筋だから(笑)
黒旋風/黒旋風をまたキャラロールできて楽しかったー! みんなでサイゼリヤでご飯いっぱい食べて楽しかったー!
遠野/クロちゃん可愛かったー!(笑) ……しっかし、戸籍はビックリしたなぁ。
GM/戸籍というのは一例です。ざっくると言うなら「彼女達に居場所を与えてあげる」をしてくれればOKなんだよ。想定していたクリアー条件は、「NPC1の実家、家族、本物の居場所を探してあげる」、もしくは「PC1が今の立場を手に入れた経緯を話す」なんです。
遠野/そうなの!?
GM/「PC1にはPC2やPC3のように自分を支援してくれた人がいるんだよ。だから君も私みたいになれるよ」、この台詞でも彼女は説得に応じました。……ずばり言うと、遠野ちゃんが真っ先に言ってくれた「教会に連れて行こうと言い出す」は大正解ですよ。遠野ちゃんはそれで救われた筈だから。これ以上無い答えをありがとう。
アンラ/栞がちーちゃんにプレゼントしたらダイスロールしたのは……?
GM/申し訳無いがあれは、実はブラフ。「NPC1に何かをプレゼントする行為は、めちゃくちゃ大事なことですよ」って印象づけるためにやってみせたダイスロールでした。
栞/そうだったんですね。何とかなって良かったー。
GM/天使ですが、彼がちーちゃん達の魔力を利用していたのは事実です。ただ彼の「彼女達チルドレンを救いたい」や「世界中の人々を救いたい」は本気です。また、本気だからこそ「救うためには世界を浄化する=ミサイルを落として綺麗サッパリ殺す」を貫こうとします。彼女達を騙すという心は一切ありません。
アンラ/天使に嫌な感情は抱けなかった。それに最後に話を聞いてくれたのは、そういうことだったんだな……悪の敵じゃなかったんだ。悲しい存在だった。
遠野/きちんと機能を止めてあげられて良かったよ……。
GM/機関は元々「人々を救うために異能を使おう」をモットーに動いていたし、それが暴走した結果「神様が救ってくれるに違いない=邪神召喚」に繋がってしまった組織なんです。そういった「善の部分」の暴走を描きたいと思って作った設定でした。……あとは12月にやるセッションだから、クリスマスシナリオがやりたかったの!
栞/判ります。それにしても……遠野ちゃんが冒頭でスケッチブックに描いた絵に「ツノの生えた人」。これ鮮やかに拾ったなって思いました。機関時代の子達がこの街に居ることを思わせるという無駄の無い演出!
遠野/そう! クロちゃんの台詞に伏線を張るとか思わないよ!(笑) てっきりストレートに絵が下手なことの比喩だと……。
アンラ/普通に絵が下手なんだって思ってたよ(笑)
栞/……その絵を芸術だってラストの台詞に繋げるアンラさんも憎いね(笑)
アンラ/あれは格好つけたかったんだー! 年季の入った正義の味方が大好きなんだー!(笑) 自分の身を呈して守った世界を天使がラストの言葉で受け取ってくれたなら、あの天使は兵器じゃなくて本当に概念の天使になったと思っちゃうね。
遠野/うん。良いシナリオだったー! ありがとう、2018年の締めにピッタリのシナリオだったよー!




END

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