アナザーワールドSRS・リプレイ・ビクティムガール
■ 第3ループ 『 connect 』 1ページ ■
2013年9月7日




 ●プリプレイ

GM/お待たせしました、『ビクティムガール』第3ループを始めたいと思います。
しをん/わーい! 最終ループにするぞー!
鴉華羽/最終ループにしなきゃ嫌だー!
燐音/生き残りたい! 生き残りたい!(笑)
GM/物凄いヤル気に溢れた第3ループ、皆さんはキャラクターレベルが12になりました。早速レベルアップ報告をしていきましょう。

▼PC1:高良しをん(キャラクターレベル12)
 クラス[魔術師8/異端者4]
 魔術師より、≪暗黒の渦≫ ≪幻惑の衣≫ ≪心身置換≫ ≪上級魔術≫ ≪刻印倍化≫を取得。
 異端者より、≪忘却の末≫を取得。
 一般特技より、≪+100直感≫≪鏡の加護≫を取得。

しをん/ついに≪暗黒の渦≫を取りました。[魔術師]の凄い特技、[9D6+クラスレベル]点ダメージだよー!
鴉華羽/やったー、ついにだー!
しをん/最大【MP】は68点、結構高いですね。そして【霊力命中値】が17なので、攻撃が外れることはないと思います!

▼PC2:神白鴉華羽(キャラクターレベル12)
 クラス[闘士10/狂戦士2]
 闘士より、≪破却打ち≫ ≪殺界≫ ≪熱血の防壁≫ ≪黄金の身体≫を取得。
 狂戦士より、≪巨大武器≫ ≪機能維持≫ ≪猛る身体≫ ≪失われた日々≫を取得。

GM/[闘士]を特化させると宣言していた鴉華羽ちゃんですが、クラスレベル11以上は特殊な処理になるため別のクラスを取得するのをオススメした結果……2つ目のクラスが生えました。
鴉華羽/鴉華羽が[狂戦士]になったよ。理由は……色々と失くしたしね。
燐音/既にいっぱい失くしているね!(笑)
しをん/ううっ、また直人とのクリスマスデートもノーカンになっちゃった……。
鴉華羽/≪機能維持≫+≪黄金の身体≫を使用することで【防御点】を26点まで上昇させる予定だよ。最大【HP】も60点になったから褒めて褒めて!(笑)
しをん/固いなぁ。さすが機動戦士アゲハ!(笑)
GM/今までは防御に専念する鴉華羽ちゃんだったけど、今回は固くなる以外に≪破却打ち≫と≪殺界≫で火力を持つようになったね。アタッカーが増えたのは嬉しいことだ。

▼PC3:永丘燐音(キャラクターレベル12)
 クラス[狂戦士2/狩人5/処刑人5]
 狂戦士より、≪機能維持≫ ≪猛る身体≫を取得。
 狩人より、≪ハヤテの爪先≫ ≪交わる矢≫ ≪狩猟感覚≫を取得。
 処刑人より、≪堕い討ち≫ ≪深淵剤≫を取得。
 一般特技より、≪鏡の加護≫を取得。

燐音/新しく≪ハヤテの爪先≫を取ったので、2回行動ができるようになりました。一番大きい変化は……[処刑人]のクラスレベルが5になったので、薬物の効果が[5D6+5]点の回復になりましたね。
しをん/ありがたい! ヤク投入されるー!(笑)

▼PC4:大十字小鳥(キャラクターレベル8)
 クラス[感応力師8/世界使い4]
 感応力師より、≪最復元≫ ≪スクリーンリンク≫ ≪上級感応力≫ ≪絆の星≫ ≪シンパシー≫を取得。
 世界遣いより、≪リバース≫ ≪マイヒーロー≫を取得。
 一般特技より、≪強化手術:意志2≫を取得。

小鳥/≪上級感応力≫を取ったので、回復や軽減に固定値が8点が付くようになりました。
鴉華羽/【HP】回復役の固定値は凄い! ありがてぇ!
小鳥/[世界遣い]の副特技は何を取るか凄く悩んだんですが……ピロ先輩から≪マイヒーロー≫を取ると良いよって言われたので取得してみました。
燐音/たとえ1点だけでも【回避値】が上昇するのは悪くないよ。
GM/「1足りた」で生き残ることもありますしね。≪マイヒーロー≫は誰かをシーンに登場させる副特技なので、誰でも呼んでやってください。

▼PC5:シヲンボックス(キャラクターレベル8)
 クラス[狂戦士1/領域遣い5/稀人2]
 狂戦士より、≪機能維持≫ ≪狂舞1・2≫を取得
 領域遣いより、≪大地の勅命≫ ≪鏡像≫ ≪粒子のカーテン≫を取得。
 稀人より、≪ちいさな呪い≫ ≪眠りの心臓≫を取得。

GM/シヲンボックスが[狂戦士]になったの!? 何があったの!?(笑)
小鳥/か、鞄が何を失ったんだ?(笑)
しをん/前々からキャンディを入れては無くなったり、煙草を入れては無くなってたんですよ。
燐音/中身が失われていいの!?(笑)
GM/それ、鞄として生きていけないような……(笑) さて、最初に第3ループのハンドアウトを読み上げましょうか。

【PC1:高良しをん & PC2:神白鴉華羽 用 ハンドアウト】
 コネクション:クェでむ  関係:好意

 2回目のループ。3度目の世界。君達は絶望の中で時を戻すことになった。
 落ち込む君達を、クェでむがポヨポヨと励ます。そんなクェでむが、あることを口にした。
 「回線が切れてるでむー。誰かお父さんとの繋がりを切ったでむかー?」


しをん/ポヨポヨ! 効果音が可愛い!(笑)
鴉華羽/回線が切れてるって!? 直人!? 何かあったの!?
しをん/えっ……本当だ。直人の身に何が?
燐音/……ていうかクぇでむ。「回線」って言い方がアレだよ(一同笑)

【PC3:永丘燐音 & PC4:大十字小鳥 用 ハンドアウト】
 コネクション:秋津エリ  関係:信頼

 2回目のループ。3度目の世界。君達は絶望の中で時を戻すことになった。
 ある日、エリが君達に「提案がある」と言ってきた。彼女は自分のソウルジェムを差し出して口を開く。
 「……これに≪過去視≫をしてみてくれないか」


しをん/えっ? ソウルジェムに≪過去視≫を?
鴉華羽/なるほど、何かエリさんのことが判るかもしれない。
GM/そうエリが気付いてしまったんです。……次に第2ループから第3ループへの時間跳躍のペナルティの話をしましょう。前回のクライマックス戦闘に勝利したPC達は、代償が重いものから「【能力基本値】マイナス1」の軽い代償で済むようになりました。戦闘勝利の報酬です。
しをん/これでも軽いんだね。
GM/ただ演出は重くしてもいいよ。具体的に代償は何にしたか教えてください。
しをん/しをんは【反射】を減らしました。第2ループで煙草中毒者になりましたが、第3ループでは「人の感情や気配の中毒者」になります。強い感情に惹かれるようになりました。
燐音/おお、なんだか異端っぽいぞ?
しをん/具体的なペナルティは……単独での演出は難しいかな。みんなと一緒に居るのがいいって思うようになります。
GM/他人の感情をすぐ得たいと考えてしまうあまり、一人で居られず誰かにベッタリしてしまう……みたいな? あとは「ねぇねぇ聞いて聞いて!」かな。
燐音/構ってほしくなるんだな。
鴉華羽/甘えん坊は可愛い(笑) 鴉華羽は【幸運】を下げました。その結果【幸運】ボーナスも3に下がってしまいました。ペナルティは、前回受けた体の傷がそのまま残っています。
GM/うわっ、体に傷が残っているのか! まだ化粧も覚えていない年頃の女の子なのに……!?
鴉華羽/第2ループのクライマックス戦闘で負った傷が顔や腕に残っています。冬の時期は目立たないけど、体中に傷があるから出来るだけ長袖を着ていますね。
燐音/それだとスカートもロングスカートしか履けない……。
GM/活発的な女の子だったのに……。知らない人に見たらぎょっとされるかもしれないから、確かに【幸運】が下がるという説明に合っているね。
燐音/燐音は【反射】を下げました。ペナルティは……手足が麻痺して、物がうまく掴めなくなりました。あと、鏡や窓ガラスに写った姿がずっと闇タコに映ります。
しをん/うわぁ、相当なペナルティですね。
燐音/他の人の闇タコ姿は気を抜かなければ見えないよ。でも自分の姿だけは、どうしても化け物にしか見えない。わりとストレスな生活かな……。お手洗いに行ってもなるべく鏡を見えないようにしてます。
しをん/毎朝の身繕いが大変そう……。
鴉華羽/毎朝メイドさんにやってもらうってことで……セレブだし(笑)
小鳥/小鳥は【幸運】を下げました。第2ループの代償が「肉が食べられない」だったので、第3ループでは「全体的に食べ物が受け付けなくなる」にしました。
鴉華羽/ご飯が食べられない!?
小鳥/何を食べても気持ち悪い、味が受け付けないね。野菜は多少マシ。我慢して食べることはできます。
GM/ベジタリアンは変わってないんだ、栄養を摂るのが大変だね。お豆腐とかを食べてほしい……。
燐音/それは≪−50調理≫になっても仕方ないね。だって味見ができないもん。
GM/皆さん、ペナルティを考えてくれてありがとうございます。みんなつらい。……ところで、気付いてしまったことがあるんですが。5人目のPCがいるんですよね。
燐音/えっ。……まさか、シヲンボックス?(笑)
しをん/そうだった! ほむほむもPCだった、忘れてた!(笑)
GM/思いっきりGMも忘れてたわ(笑) たとえ人間ではなくてもホムンクルスは「5人目のPC」なのでループ継続してレベルアップをしている以上、ペナルティを負わなければなりません。何の【基本能力値】を減少させますか?
しをん/えーと……じゃあ【体力】を減らそうかな。最大【HP】が減るけど。
GM/綻びができて耐久力が無いバッグになりました。
燐音/ますます鞄としては致命的に。肩掛けの部分がボロッとしちゃったんだな(笑)


 ●マスターシーン


 激しい戦いが繰り広げられる。次元回廊ウズマキで激闘が続く。
 彼女の体はウズマキ内で爆発を起こし、破片が渦を巻いた空間に飛び散った。

「散りなさい、バルムンク! もう貴方の思い通りにはさせません!」

 そのとき、氷の矢が欺く神の胸に突き刺さる。
 瞬間、邪悪を纏った体は鏡のようにバリバリと中央からヒビが入り……。

「ルティナベール、貴方も道連れよ! 貴方達がいくら頑張ったところで、邪神に勝てると思って!?」

 弾き飛ぶガラスの破片。
 四散し、その空間に穴を空ける。その穴の中に……欺く神の一部が入っていった。

 ――欺く神は、息を切らしながらニヤリと笑う。

「大本の核はエリンに飛ばされた……魂が割れてしまった。
 でも平気。すぐにあっちの私は自分の体を集めて、あっちで大騒ぎを起こす。私もまずは私を回復させなきゃ……」

 欺く神は、自分の手を見る。新しい手を、体を、目を見た。
 ちょっとヤニ臭い部屋にある全身鏡に映った姿は……。




 ANOTHER WORLD SRS
  「VICTIM GIRL」

 Second Loop 『 ...god... 』




しをん/……お、おう? おう、何!?(笑)
鴉華羽/ふ、増えるしをんだ! やっぱりしをんは増えるんだね!(笑)
しをん/勝手に増えるんじゃねー!(笑)


 ●オープニングフェイズ1/しをん&鴉華羽 〜お父さんの異変〜

GM/しをんちゃんと鴉華羽ちゃんのオープニングシーンから始めよう。第3ループ目、鴉華羽ちゃんが魔法少女になった翌日まで時空を越えてきたみんな。……しをんと鴉華羽の2人が登場しているシーンを作りたいのだけど、いつがいいかな?
しをん/学校に行くシーンでいいかな。
鴉華羽/そうだね。……登校する鴉華羽ですが、今まで厚着をしないタイプだったけど今は手袋とマフラーをしています。
しをん/今までは「マフラーなんていらない!」って言って走っていたのに……鴉華羽が着込んでいる。いつもの鴉華羽と違う……。
鴉華羽/大勢と戦って全部その攻撃を庇ったときにできた傷だよ。かなりの数になるからね。
しをん/そ、そっか……うう……。
GM/時間跳躍して再び訪れた平和な登校の光景。しをんちゃんは鴉華羽の変化に驚愕する。だけど朝練のため登校する生徒達は「おはよー!」と君達を普通に受け入れている。何も変わったことなど無いかのように。
燐音/他の人達からすると普通の光景だけど、以前のループの世界を知っている我々にとっては違うものに思えるんだね。
しをん/…………。
鴉華羽/……しをんちゃん?
しをん/鴉華羽……その傷……。
鴉華羽/し、しをんちゃん、あんまり気にしないで。
しをん/ほっぺむぎゅう。
鴉華羽/ふええっ!?(笑) ほっぺ伸びる伸びる! なんでなんでー!?(笑)
しをん/それ、庇ってくれたとき、できた傷なんだよね。……ありがとう。
鴉華羽/……うん。これはね、私が「守る」って言って作った傷なんだよ。私が負うって決めた傷なの。しをんちゃんが気にすることなんで一つも無いんだから。
しをん/……うん……。静かに、チャリアカーに乗ってます。
GM/この会話、しをんちゃんをチャリアカーに乗せて登校しているものだったのか。
鴉華羽/自転車を漕ぐには問題無いもん!(笑)
GM/そうでした。……君達はごく普通に学校に向かう。朝練を終え、続々と教室に集まってくる平和なクラスメイト達。元気な挨拶をする女子達も、「うおおおおおテストがー!」と喚く森本も変わらない。
鴉華羽/あたし達は期末テストの内容を全部覚えているもんね!(笑)
しをん/もう3回目のテストだから楽勝だな! やーい森本、あたし達に負けてやんのー! プギャー!(一同笑)
GM/テストが終わって一息入れたところで。……ぽいんぽいん。ぽいんぽんぽいん。教室にいる君達の耳に、魔法少女のマスコットの足音のようなものが聞こえます。
しをん/……それ、どこから聞こえてくる音?
GM/窓の外からにします。
しをん/……授業してる中、さりげなく窓を開けます。
GM/ぽいーん。クェでむが入ってきます。しをんと鴉華羽以外の人はクェでむは視えてないのでご安心ください。
鴉華羽/クェでむー! 遊びに来たの?
GM/君達の教室は2階にある。
燐音/どうやって上がってきたの!?(一同笑)
小鳥/校舎の壁をロッククライミングしてる姿が怖いな!?(笑)
しをん/……鴉華羽。クェでむをふにふにしてこい。ふにふにすると心が休まるから。
鴉華羽/わーい! ふにふにー!(笑)
GM/(クェでむになって)「わーい! ふにふにでむ! 2人とも元気でむかー!」 クェでむは前回の記憶を継続していません。ループの代償を払ってないからね。魔法少女になった君達を構いにきただけです。……だが突如。
しをん/突如?
GM/「でむー?」 クェでむが首を傾げます。
燐音/首とは。
小鳥/明らかに手で体を曲げたんだ(笑)
GM/これだから第弐基関は。
しをん/可愛いだろが! やかましい!(一同笑)
GM/「……あれれ? 回線が切れたでむー」
鴉華羽/……えっ?
GM/「誰かお父さんとの繋がりを切ったでむか?」
鴉華羽/ちょっ……待って、ちょっと待って! お父さんとの繋がりって、直人に何かあったってことなの!?
GM/「わあっ、鴉華羽はお父さんのこと知ってるでむね!」 クェでむは身内を知っている人がいたことを知って凄く嬉しそうです。「クェでむとお父さんは繋がっているでむよ。正確には、お父さんがクェでむをいつも見守ってくれているでむ。≪望淵鏡≫で

 ≪望淵鏡≫
 魔法で離れた場所を覗く[魔術師]の副特技。

小鳥/ああ、直人は[魔術師]でしたもんね……。
GM/直人は第弐基関に所属していた魔道具研究家です。それぐらいできます。「お父さんはクェでむを監視していたでむ。何か不都合なことがあればお父さんが『クェでむ、それ話しちゃダメだからね』ってメッセージを送信してくれたでむー」 第1ループで真相に近づこうとした君達をファンブルにさせた事件、覚えていますか。
燐音/あ、第1ループでせっかくの判定を失敗させられたやつだ……。
GM/クェでむのお父さん……奥田直人は、「魔法少女が欺く神になること」を推奨しています。なので、魔法少女作成プロジェクトに邪魔してくる奴は妨害する行動を取ります。シーンに登場していなくても、邪魔する奴は、妨害できるシステムになっています。
しをん/だけど今はネットワークに切れた。「ネットワークに接続しています」ってなっているの?(笑)
GM/そのようです。おかげで君達が今、何をしても妨害するような存在は誰1人いません。
小鳥/……自由に動けるようになった。
鴉華羽/直人がクェでむを見ていないようになった。……でもそれって、直人にとって異常事態ってことでしょ!?
しをん/そうだよね、良いこととは思えない。……鴉華羽。病院に行こう。直人の様子を見てこよう。学校をサボろう!
鴉華羽/すみません先生、お腹が痛いんで帰りまーす!
しをん/全部痛いんで帰ります。病院へダッシュ!
小鳥/(学校の先生になって)全部痛いのかよ! 走ってるじゃねーかよ!?(一同笑)
GM/先生が見事ツッコんでくれた(笑) さて、しをんちゃん達は直人が入院している病院に……昼ぐらいにやって来ました。…現在、直人は精密検査中です。
鴉華羽/すぐに会えないの!?
GM/会えません。どうやら直人は予兆なく奇跡的な回復を見せて、お医者様一同が「一体何が起きたんだ!?」と調べまくっている最中です。
鴉華羽/あ、そっか……あたしが魔法少女になった直後に時間跳躍してきたから……直人が治った直後なんだ。
GM/その通り。直人は放課後の時間にならないと病室に戻ってきません。
しをん/すぐには会えないのか……。
GM/直人と仲良しな君達は、誰も居ない直人の個室に入ることができます。
しをん/…………。チェストの中を、あさることはできる?
GM/できるよ。クッキーなどお見舞いのお菓子が入っていそうなチェストの中をガサゴソとあさると……魔導書が発見できます。
しをん/魔導書があった……。取り出します。
GM/直人の魔導書に触れたしをんちゃん。【意志】か【幸運】判定をしてみて。
しをん/うん? 【意志】で(ころころ)達成値14です。
GM/さすがしをんちゃんも[魔術師]、余裕の達成値だ。では直人の魔導書に触れたしをんちゃんは……魔導書に仕掛けられた≪越境の書≫を把握できました。
しをん/えっ、≪越境の書≫!?

 ≪越境の書≫
 新たな世界の相手に届く魔法の記録を残す[魔術師]の副特技。
 「次のイベント」「次のループ」「次の世界」などに仕掛けを作ることができる。
 例えば「次のループの対象へ、自動再生されるメッセージを送る」「前のループに書いた日記を残しておく」など再現が可能。

燐音/「聞こえますか……直人です……貴方の脳内に直接語り掛けています……」
小鳥/言わずにはいられなかった!?(一同笑)
しをん/第2ループの直人のメッセージが、第3ループの魔導書に何かをこめたってこと……? どんな仕掛けがしてあるの?
燐音/鴉華羽さんへのノロケだけだったらどうしよう。
鴉華羽/それはそれで!
しをん/ふざけんなッ!(一同爆笑) もっと伝えるべきことがあるだろ。シヲンボックス、もしノロケだったら食べていいからな。
鴉華羽/ああー!? ノロケ食べないでー!(笑)
GM/では魔導書に触れた君達は……2つほど仕掛けが施されているのですが、そのうち『PC達向けのメッセージ』を受け取ることができます。
しをん/はーい。……えっ、2つもあるの?

『PC達向けのメッセージ』
 第2ループの直人から、第3ループのしをん達へ。
 「魔法少女 直す方法 ……ある」
 「鍵 クェでむ 願い クェでむ 返し」

しをん/魔法少女、治す方法……ある!? あるんだ!?
小鳥/直人、見つけてくれたんだ……。クェでむが、鍵なの?
GM/第2ループにて……アンドゥちゃんに闇タコの群れから救われた直人は、救出後にすぐ「鴉華羽達を救う方法」を調べまくりました。そしてその方法、発見したそうです。
鴉華羽/な、直人……。
GM/発見したのですが、時間が足りなかった。だから直人は≪越境の書≫で一番大事なことだけを残しました。それが……。
燐音/……「鍵 クェでむ」というメッセージ。つまり、クェでむに何かしてもらわなきゃいけないのかな?
小鳥/他にあと1つある仕掛けっていうのは見られないの?
GM/見られないです。魔導書には≪越境の書≫による仕掛けが3つあるのですが、うちPCに開示できるのは1つだけのようです。……まあ、後々判りますよ。
鴉華羽/あと1つ……第2ループの直人が、何か大事なことをしてくれたんだよ!
GM/さて、そんなメッセージを聞いていると……直人の病室にご両親が入ってきます。ご両親は鴉華羽ちゃんに「直人の容態が良くなったのよ!」とご報告したり、今は慌ただしいけどまたお見舞いに来てねってお願いしてきます。
鴉華羽/……うん。大変なことにはなっているけど、直人の容態が良くなったことは嬉しいね。ちょっとだけ自慢げにしています。
しをん/鴉華羽がドヤァしてるー(笑)
鴉華羽/これに関しては良いことしたって私は思っているもん!
GM/そして……直人のお母さんは最後に、意を決して言います。
鴉華羽/……は、はい?
GM/「学校をサボってお見舞いはダメ。今は学校に行く時間でしょ?」
鴉華羽/……はーい(笑)
しをん/すんませんでしたー(笑)


 ●オープニングフェイズ2/燐音&小鳥 〜隠されし過去〜

GM/燐音ちゃんと小鳥ちゃんのオープニングシーンをしていきましょう。先程と同じように2人がいるシーンを作ってもらえますか?
燐音/エリさんが登場するシーンなら、教会に集合しましょうか。……高坂さんに会いたいなぁ。
小鳥/そうですね。……教会にポツーンと居るのはどうでしょう?
GM/ポツーンと? 誰も居ない礼拝堂に1人で座っているんですかね?
燐音/時間帯はどうしよう。
GM/しをんちゃんと鴉華羽ちゃんが学校をサボって病院に行っている時間が良いですね。同じように2人も学校をサボって礼拝堂に来たことにしますか。
小鳥/はい、学校をサボります。小鳥はボンヤリと……礼拝堂にある神様の像を眺めています。
燐音/私も学校をサボりますね。……生徒会長として2年以上続いていた皆勤賞がここで途切れたな。
しをん/ああっ、生徒会長がお休みなんて珍しい(笑)
燐音/先生には「調子が優れなくて」って伝えてあります。礼拝堂に行ったら、先に小鳥さんがボンヤリとしているのを発見しました。……何を祈ってるの?
小鳥/……燐音先輩。
燐音/学校はどうしたの。自分のことを棚に上げて言います。
小鳥/学校……行きたくないです。
燐音/……じゃあ、しょうがないわね。気持ちは判るわ。でもここでサボったら地下で眠っている吸血鬼さんに怒られちゃうかもしれないわよ。冗談めかして言います。
小鳥/…………。燐音先輩。私達は、生きているんですか。
燐音/……生きていると思っていれば生きてるんじゃない?
小鳥/私は……生きてますか。
燐音/私には生きているように見えるけど。逆に訊くけど、私は生きているのかしら?
小鳥/……判らないです。私達は……正しいことをして生きているんでしょうか。
燐音/その答えはまだ出てないわ。3回目の今日を迎えて、これからどうするかによって今までの私達が間違っていたのか、正しいのかが決まるんじゃない?
小鳥/…………。
燐音/…………。
鴉華羽/…………。エリさん、今です!
GM/い、今?(笑)
しをん/今だよ! なんか沈黙が重いシーンになっちゃったからオープニングの内容を始めるんだよ!(笑)
GM/はーい。……いや、ここは高坂が登場していい?
小鳥/高坂さんが来てくれるの?
GM/GMとしてはエリを登場させるべきだと判っているが、私の心が「高坂を出せ」と叫んでいる。気落ちしている女の子達を心配した高坂を登場させたい。
小鳥/高坂さん! いつ来るの!?(笑)
燐音/今でしょ!(一同笑)
しをん/わぁー、高坂さんが出てきたー!(笑)
GM/……物静かどころか音一つしなくなってしまった礼拝堂。だけど男性の足音が君達の耳に届きます。(高坂になって)「こら。真面目な優等生の2人がこんな時間にどうしたんだ。2人とも初めてのサボリじゃないか?」
小鳥/…………。
燐音/…………。今、中の人のムネキュンゲージがギュイイイイイインって上昇して何も言えない!(一同爆笑)
小鳥/天元突破してゲージを突き破りましたね!(笑)
燐音/頑張ってシーンを続けます!(笑) ……喧嘩をしたんですよ。そういう風に見えるでしょう?
GM/「見えないよ。燐音ちゃんと小鳥ちゃんはお互いを傷つけ合うことはしない……君達のこと、俺なりに知っているつもりだから判るよ」
小鳥/…………。
燐音/…………。はぁん! 高坂さん、結婚して!(一同爆笑)
GM/16歳以下とは結婚できません。あと高坂は33歳なのでご利用は計画的に。
しをん/18歳ぐらい年の差でもセーフだって!(笑)
小鳥/シーンを続けます!(笑) ……虚ろな目をして高坂さんを見ます。高坂さん……勝手に礼拝堂に入ったことは謝ります。お邪魔でしたら出て行きますよ……。
GM/「ううん、行かなくていいよ。悩みがあったら打ち明けて気持ちの整理をするのも、ここの仕事だ。俺で良かったら相談に乗るよ」 そう言って高坂は、近くの長椅子に腰掛けます。
小鳥/……高坂さん。
GM/「俺は懺悔を聞くプロじゃないからね。ビジネスじゃなく、年上の知り合いとしてしか助けになれない。それでも年寄りのアドバイスはぐらいはできる」
燐音/助け、ですか……。
GM/「先日から2人は暗い顔をしている。……魔法少女の任務が大変なのかな? 仲間として助けるよ。オレだけじゃなく分かち合える仲間は教会には大勢いる。……何があったんだ? そのまま憂鬱としたものを抱え込んでいると、『違うものになってしまう』ぞ?」
燐音/…………。すみません。話は、出来ないんです。
GM/「そっか」
燐音/……ごめんなさい。
GM/ごめんなさいと言う燐音ちゃん。虚ろな目で話そうとしない小鳥ちゃん。それを見た高坂は、「俺はいつでも2人の味方だよ。俺に出来ることがあるなら言ってくれ。……クレープでも食べながら聞くから」 そう言って2人の頭を撫でて、出ていきます。
鴉華羽/……おー(笑)
しをん/女子中学生の心を散々奪うとは罪な男だぜ!(笑)
燐音/ふー、高坂さん成分を補給したぞ……(笑)
GM/高坂と交代するかのようにエリが入ってきます。高坂は礼拝堂の床をカツカツ鳴らして入ってくるエリを、「君も根詰めないでくれよ……」と気遣いながら、退場。エリは燐音ちゃんと小鳥ちゃんの前に立つと、「無事か」と尋ねます。
燐音/表面上は。
小鳥/……エリ姉様を見るだけにしておきます。
GM/「龍の聖剣達が言っていた通り、心は死んでいないな?」
燐音/今は、大丈夫です。
小鳥/……私は何も答えない。
GM/「思いついたことがある。お前達の意見を聞きたい」
燐音/何でしょう。
GM/エリは胸のアクセサリーを取り出します。「これが私のソウルジェム、魔法少女の証だ」
燐音/ソウルジェムがどうかしたんですか? 流れで私も自分のソウルジェムを出そう。
小鳥/その流れなら私も自分のソウルジェムを出しますね。
GM/「大十字。私のソウルジェムを通して、私を探ってくれないか」
小鳥/……エリ姉様を、≪過去視≫しろと?
GM/「そうだ。お前らだって誰か判らぬ奴と隣に居るのは怖いだろう? ……私もだ。私も、私という化け物がどのような存在なのか判らないのは怖い。この恐怖を早々に解決できる方法は無いか。それを考えたとき、大十字の感応力を頼りたいと思ったのだ」
小鳥/私の感応力で……。
燐音/……良いアイディアだと思います。何より、エリさんの不安もを解消することができるは一番かと。
小鳥/エリ姉様の不安も解消……そうですね、判りました。では≪過去視≫を使用します。
GM/オープニングイベントなので特技の代償は払わなくて構いません。ただ演出で、【意志】判定の達成値が8以下だったらおぼろげに判る、10以上なら何となく判る、15以上なら鮮明に判る……ことにするので【意志】判定してくれませんか?
小鳥/はい、出来るだけ本気を出そう!(ころころ)……残念、達成値13です。
鴉華羽/それでも高い!
しをん/何となくでも判るのは凄いよー!
GM/では小鳥ちゃんは、エリさんのソウルジェムから記憶を読み取ります。……まず第一に。
小鳥/はい。
GM/≪過去視≫を行なった小鳥は強烈な痛みと吐き気に襲われる。
小鳥/うぐっ!?
燐音/なに!? 小鳥さん、大丈夫!?
GM/おかしい、≪過去視≫をしただけでこんなに苦しくなるなんて初めてだ。でもこの感覚と似たようなものを最近2回ほど味わった気がする。龍の聖剣の手を取り、時間跳躍をする瞬間……そのときと同じ感覚に、ちょっとだけ似ている。
小鳥/る、時間を飛ぶ瞬間の感覚……?
GM/一言で言うと、辛い。体が無理だと訴えてくる。慣れないことをしているせいか体がついていかない。頭がチリチリしてくる。もう限界を感じる。息が苦しくなってくる。目の奥が熱くなってくる。……世界を跨いでいるときと同じ感覚がするなんて。ということは、まさかこのソウルジェムは、「今いるこの第3ループの世界とは違う記憶を見せようとしているのでは?」と思います。
燐音/エリさんの……別の世界の記憶!?
小鳥/ぐ、具体的にはどんな世界……?
GM/……そこは、野外だった。街の雰囲気からして12月24日の夜。
鴉華羽/あ、クリスマス……。
GM/それは、とある世界の12月24日に違いない。街の人々が倒れている。大勢が血にまみれて倒れ伏している地獄の中。
しをん/……あの12月24日と、同じだ。
小鳥/……ぐっと目を凝らします……。
GM/狂気に堕ちて暴れる鴉華羽がいる。泣き叫びながら頭を振って嘆くしかない小鳥がいる。血にまみれて周りを殺戮しまくる燐音がいる。
燐音/ある世界の、私達……。
GM/そこに『普通の人』のエリがいる。
燐音/……えっ?
小鳥/普通の……エリ姉様?
GM/エリの目の前には、もう1人……妖しく笑う少女がいる。その1人とは、しをん。
しをん/うん、残りメンバー的にあたし……。
GM/しをんはエリに≪器の支配≫をかけて洗脳し、無理矢理に従わせた。エリは従うしかなかった。そしてエリはしをんの言う通り、クェでむと契約した。[世界遣い]のエリは、大勢の人が死んだこの街を使って≪贄の儀式≫を行ない、時を戻させる≪リトライ≫をしをんに使った。クェでむの力もあって成功した。
しをん/へっ?
鴉華羽/えっ?
小鳥/は?
燐音/……ううん?
GM/以上です。……小鳥ちゃん、変な気分から落ち着いてきます。礼拝堂に意識を戻してください。
小鳥/……えーと……つまり?
GM/以上です。(エリになって)「大十字。何か判ることはあったか?」
小鳥/判ること……。えっと、しをんさんがエリ姉様を従わせて……クェでむと契約して……えっとぉ?
燐音/大体……大体は判ってきたんだけど、これって言い切ることができないような……。
GM/エリは小鳥ちゃんから大体のことを聞きます。そして首をひねります。「……私は、魔法少女にさせられた? そして魔法少女になった際に発動する≪世界創造≫を……高良に使った、ということか?」
小鳥/GMの言葉通りに言うなら、そういうことになります……。でも、何故? しをんさんがそんなことを?
燐音/……エリさんを≪器の支配≫で無理矢理に従わせたしをんさんは、私達の知るしをんさんとは限らないわよ?
しをん/あっ。……増えるしをん!?(笑)
燐音/そう。何度もGMは「しをんさんに似た人がいる」と匂わせているんだから、その人を問い詰めなければ何も判らないわ。
小鳥/……もう1人の高良しをんと接触するのが、謎を解決する一番の手なのかもしれませんね。