アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 サクラ・オーバードライブ 第4話 』 2ページ ■
2021年4月25日




 ●ミドルフェイズ1/全員 〜お弁当〜

GM/全員がシーンに1度以上登場したらラウンドが終了します。つまり「1シーンに全員集合したらその時点で1ラウンド終了」になります。時間経過に気を付けて、連続作業判定をしていきましょう。
灰澄/出来るだけ判定には人をバラけたいけど、これは成功させたいという判定には集中した方がいいかもしれませんね。
仁/そうだなぁ。1回でも判定失敗したらシーン脱落しちゃうし、その前に協力できる特技は使ってしまいたい……。
灰澄/……さっき、御衣ちゃんのオープニングシーンで「大量のご飯が作り置きされている」「タッパーに詰めてる」って話をしてましたよね。
御衣/そう。それを使えば合流できそう!
セン/やっぱりみんなで一度顔を合わせておきたいよね。
仁/あー、そうなると……何にも無い「散歩をする」って項目が便利だな! なるほどぉ(笑)
GM/外の雨はもう上がっています。良い天気になったので散歩できますよ。……灰澄くんは狛さんから、仁さんはピーピー言ってた下っ端達から、御衣ちゃんは黒旋風から、センさんは伯子達から「全体の情報を入手できているもの」として行動してOKです。
仁/はーい。
灰澄/……徹平さん、判定に2つも項目があるのは罪深いですよね。航先生ですら1枠ですよ(笑)
仁/だよなぁ。こいつごときに判定が2つもあるんだぜ。下っ端のくせによぉ!(笑)
セン/仁さんは煙草を吸いに出て、灰澄さんはお葬式が終わって休憩して……今こそ合流タイミングですね? ナマモノは早めに分配したいし、クロちゃんのお弁当をみんなで食べる散歩シーンをしようか。
御衣/うちの冷蔵庫がみっちりなんで助けてください!(笑) タッパー持参でえらいこっちゃします!
GM/黒旋風が24時間作った朝ご飯を持って出かけましょう。
灰澄/朝ご飯の概念とは?(笑)
セン/「朝から朝まで作ったご飯」じゃない? 途中で食材を買い足しに行ってそう(笑)

▼判定G「散歩をする」
 【知覚】難易度8→【体力】難易度10→【幸運】難易度12→【意志】難易度14


御衣/両手にタッパーを入れた袋を持っていきます。
セン/ウズマキにしまえ!(笑)
GM/では……4人はバッタリ。全員会いました。
仁/……ふぅー。煙草を吹かしてます。
セン/あら、仁さん。お疲れですね?
仁/お前も仕事終わりの顔をしてるな?
セン/一仕事終えて、新しい依頼が来たところですからね。……御衣さん、それイズ何?(笑)
灰澄/ウーバーイーツみたいな大きな鞄にいっぱいお弁当が。
御衣/えっとですね……ご飯を1日作りすぎちゃって。貰ってください。
GM/おや? お散歩していた河川敷にイイカンジなベンチがあるぞ! 4人で座れそうな場所だ!
仁/ちょうど良く座れる場所が!(笑) 移動しよう!
セン/ウズマキからレジャーシートをバサァーと広げる!(笑) どうぞここに置いてください。みんなで食べましょう。
御衣/はい。……朝からハンバーグ?
セン/こっち、豚の角煮が入ってるんですけど?(笑)
灰澄/こっちは普通におにぎりですよ。ビッグサイズですけど。でも一箱まるまるエビチリを発見します(笑)
セン/朝からエビチリ!?(笑)
仁/あー、俺の家はカレーを消費できるからカレーのタッパー貰うぞ(笑)
セン/あ、デザート系だったらうちの2人が喜ぶんですけど。
灰澄/こっちのタッパーにフルーツポンチが入ってますよ。
御衣/杏仁豆腐も入ってますよ。
セン/フルーツポンチと杏仁豆腐ってジャンルが近くない!? 杏仁豆腐が足りなくなったから途中でフルーツポンチを作ったんだろ!(一同笑)
仁/こっち、タッパーいっぱいに茶碗蒸しだよ。
GM/卵豆腐もあるよ。
御衣/あ、下の方はカラメルなのでプリンです!
セン/茶碗蒸しと卵豆腐とプリンも殆ど同じだろ、蒸し物が作りたかったのか!?(笑)
GM/御衣ちゃんはきっといっぱい食べるな―と思ったんだよ。でもクロちゃん、「ゼリーはねぇよなー!」って入れなかった。
御衣/アクセントにしても良かったよ!?(一同笑) ……判定するか(笑)
セン/そろそろ判定しようか(笑) 「このタッパーの中身は何!?」って【知覚】判定をしますね!

 1回目の【知覚】難易度8→全員成功。

GM/1回戦目は全員成功。みんな、お弁当の中身が判りました。次は【体力】判定だよ。みんなで食べよう?
仁/これだけ食べるのキツくね!? だから【体力】判定なんだな!(笑)

 2回目の【体力】難易度10→仁、灰澄、センの3人が成功。

御衣/達成値9なので食べきれませんでした。
仁/みこちゃん食べきれなかったかー!(一同笑) ここまで重いのを運んできてくれたから、疲れちゃったんだよな!(笑)
セン/……全員シーンに登場しているから、ラウンドはこのシーンで終了する。じゃあ≪叱咤激励≫とか使ってもすぐ回復できるね?
灰澄/それなら≪叱咤激励≫を使って達成値+2しましょうか。御衣さん、違う物を食べれば気分が変わりますよ。
御衣/味変は大事!(一同爆笑) 御衣も成功できました。
セン/次は【幸運】判定ですね。……ねえ、これ「ロシアンにら団子」って書いてあるんですけど?(一同笑)

 3回目の【幸運】難易度12→全員成功。センはクリティカルで成功。

セン/やったー、クリティカルが出ました!
GM/おめでとうございます、早速センさんに『クリティカルチケット』をプレゼントします。……ラスト4回目の判定、難易度が14でキツイですけど頑張ってください。

 4回目の【意志】難易度14→御衣と灰澄の2人が成功。灰澄はクリティカルで成功。

灰澄/クリティカルなのでクリチケを貰います!
セン/センは失敗でした。お腹いっぱいになりました(笑)
仁/……ふー、また一服してくる(笑)
セン/うちも一服に付き合ってきます! 仁さん、煙草いただきます(笑)
GM/では……このシーンに搭乗できるのは灰澄くんと御衣ちゃんのみとします。2人がお弁当を食べて息をついているときに、河川敷のあっちの方から誰かが来ます。キャッキャという子供達の賑やかな声で……「倭くん、走って遠くに行くなよー!」
御衣/あ。
GM/桐久雄くんが不動家の3人のお子さん達を連れて散歩してます。
仁/あーっ! そのシーンに出たかったー!(笑)
セン/仁さんは風下の方に行っちゃったんだね(笑)
GM/璃莉ちゃんと雪蘭ちゃんが御衣ちゃんを発見して「あっ、みこちゃんだー!」とパタパタとやって来ます。長女の璃莉ちゃんは先週お祭りで会った灰澄くんに「お久しぶりです」とちゃんとご挨拶するよ。
御衣/こんにちはー。
灰澄/お久しぶりです。
GM/「さっきまで集落センターで桐久雄お兄ちゃんと遊んでたんだけど、雨が上がったからお散歩してたのー!」
御衣/そうだったんだ。いっぱい遊んでもらっていたのね。
GM/桐久雄くんが「お弁当箱いっぱい持ってお花見ですか? いいですねー!」と言います。「この辺の河川敷は桜の名所ですからね。まあ、4月後半だし雨のせいでだいぶ散っちゃってますけど」
御衣/でもまだまだ木には残ってますね。
GM/「あっ、知ってますか……この近くに『世界で一つしかない桜』があるんですよ!
セン/世界で一つだけの花?(笑)
GM/長勝院旗桜って知ってますか?」 S市にしかない、ここでしか咲かないと言われている桜です。……現空ちゃんとろってが参加した『夜より暗き桜』というセッションで登場しました。
仁/楼くんがいたやつだ! 覚えてる!(笑)

 長勝院旗桜(ちょうしょういん・はたざくら)
 S市の文化財として制定されている、『長勝院柏城(ちょうしょういん・かしわじょう)』跡地に咲いている、世界に一つしかないと言われている桜。
 生命を司る某神の加護を受けており、常に魔力を帯びている特殊能力を所持している。桜の周囲は「力が漲る不思議な場所」として、歴史上の有名人達がこぞって集まってくるほどの有名パワースポットとして名を馳せている。


御衣/へー、知りませんでした! その桜、気になります。
GM/璃莉ちゃんが「私達も集落センターにあった展示物で『そういう名所がこの地域にはあるんだよ』って知ったばかりなんです」って話します。
仁/頭が良い子だね、お前はー!
灰澄/あっちから親馬鹿の声がする(一同笑)
GM/「せっかくだから、みこちゃん達も見に行かない?」 2人にお散歩を誘いますよ。
灰澄/お散歩で行ってみようかな。
御衣/はい! 仁さん達には後で画像をラインで送りましょう!
GM/では、御衣ちゃん達はみんなで長勝院旗桜のところにやって来ました。……木です。普通の桜です。そういう感想を抱きます。
セン/……まあ、桜の違いなんて判りませんよね(笑)
灰澄/うん、判らん(笑)
御衣/世界で一つだけの花……とは言っても、他の桜と全然変わらないんですね。
GM/(桐久雄になって)「この木は何千年もあって、特殊な魔力があって、この近くに物を置くとそれに不思議な力がこもって……みたいな伝説があるそうです。そういったアーティファクトがこの木を使って作られた歴史もあるらしいんですが、そういう立派な物は博物館とか教会で保管されてるらしいですね」
御衣/なるほど。寺生まれの灰澄さん、桜の木に「破ァ!」ってやったら何か反応してくれるかもしれませんよ。
灰澄/なぜ?
GM/(桐久雄になって)「えっ、そういうことができる人なんですか!?」
灰澄/できません。
GM/(璃莉になって)「できるの!?」
仁/(雪蘭になって)「お兄ちゃんできるの!?」
セン/(倭になって)「やってやってー!」
灰澄/誤解です!(笑) 変なこと刷り込まない!
GM/それを聞いていた桜の精が「私怖くない精だよ……」と語り掛けてきます。
灰澄/怖い奴が来ちゃったじゃないですか!?(一同笑)
セン/それ、絶対ヒトを攫う精だよね!?(笑)
GM/「いえ、BLの受けしか攫いません」
御衣/それもどうよ!?(一同爆笑)
GM/シーンで提供できる情報は以上です。ただの散歩ですから。桐久雄くん達はここで「バイバーイ!」しておきますね。
灰澄/……では、ちょっとぶっこんでおこう。あの量の朝ご飯を作られたと言ってましたけど、その間、御衣さんはずっと寝ていたんです?
御衣/あー……はい。私もよく判らなくて……ただ、昔、機関にいたときに倒れたことがありまして。随分長く動かなくなったみたいで、それと同じようでした。
灰澄/……そっか。今回が初めてではないとはいえ、いきなりですね。何か心当たりとかあります?
御衣/うーん……とても自然にそうなったという感じがあります。もしかしたら、『そういう風に組み込まれていた』のかもしれません。
灰澄/ソニータイマーですか。
御衣/ああ、参考にしたかもしれませんね(笑)
仁/では……桐久雄くん達と入れ違いで、煙草休憩から合流します。なんだ、お前らこんな所に居たのか。
御衣/ええ。さっきまで倭くん達と一緒に居たんですよ。みんなで世界で一つだけの桜を見ていました。
仁/ふーん。これ、凄い桜なのか。へー。興味があまりありません(笑)
セン/でもなんかこう、古い桜だからパワーを感じますね。
灰澄/ご利益があるかもしれませんよ。
御衣/……灰澄さん。今日はとても疲れた顔をしていましたから、少し桜から力を貰えましたか?
灰澄/ああ……葬式がありましたからね。
御衣/ビックリした顔をします。
セン/ああ、地方紙で見ましたよ。このたびはお義父様が……ご愁傷様です。
御衣/えっ……そうだったんですか。すみません! そういうことがあったんですか……こんなにお時間を取らせてしまって。
灰澄/いえ、休憩時間でしたから。それに、これだけ手土産ができました。大量のタッパーを持ちます(笑)
仁/…………。
灰澄/……仁さん、どうなさいましたか?
仁/……いや、なんでもない。
セン/あと、教会で夜須庭航の捜索を始めるという動きがあるそうですね。皆さんは聞いてました?
仁/風の噂でチラッと耳にしてたな。
セン/それとはあまり関係無い話なんですけど、うちの方に来た依頼で、もしかしたら異能や異端が関わっていそうな仕事があるんですよ。寧子さんのちらっと言っておきます。……みこちゃん、[感応力師]さんですからもし良かったらご協力していただけると助かるんですけど、どうでしょう?
御衣/それはもちろん! ご協力します。
セン/治療の[感応力師]だとみこちゃんの方がプロですからね。うちは一切治療のできない[感応力師]なので!(一同笑)
仁/分野が違うもんな(笑)
御衣/ではセンさんのお仕事の話を聞いて……市原さん、という名前にピクッとします。
セン/あ、お知り合いでした?
御衣/……はい。今朝……自分が見た夢のことを話をします。あまりにもタイムリーだったので……夢に出てきたのは市原寧子さんではなく、市原虎尾さんというんですけど。
セン/ワーオ。
灰澄/偶然ですね、線が繋がりました(笑)
仁/タイムリーというか、がっつりビンゴ!(笑)
GM/会いに行ける被害者。
灰澄/アイドルみたいにフランクに言わない!(一同笑)
セン/会いたくなければ、今のお話は無かったことにしてもいいですよ?
御衣/会いに行きたいです。即答します。……そろそろ自分の罪には向き合わなきゃいけないなと思いまして。そうだ……灰澄さん。
灰澄/はい。
御衣/……ごめんなさい……ちゃんと謝りたかったんです。自分が機関でしていたこと。
灰澄/…………。
御衣/とても、なあなあになってしまって、謝るタイミングを逃してしまっていました。……機関にいたときは、ごめんなさい。とても酷いことをしました。申し訳ありませんでした。許す許さないは相手が決めることなので……許してほしいだなんて言えませんが、きちんと謝ることをします。
灰澄/…………。一通り聞いて、頷いて、眉が下がって笑います。これで1つチェックマークですね。
御衣/……はい。
灰澄/確かに貴方の謝罪を聞き届けました。……徳信さんだったらこう言うと思って言います。今まで、御衣さんに助けられていることの方が多いです。こちらは感謝しているし、責める気はありません。これからもよろしくお願いします、頼りにしていますよ。
御衣/…………。
灰澄/今後も大変ですよね、力になれることがあれば頼ってくださいね。ちゃんと伝えてくださって、ありがとうございます。
御衣/……判りました。ありがとうございます! 私……これを、今までしてきた全員にやろうと思っています。
灰澄/途方もない修行ですね……笑いますね。
御衣/でもこれは、きちんとやるべきだと思ったんです。……多分、今日の夢がそう教えてくれたんです。夢でたくさん責められたので、対面で責められるべきだと思いました。
灰澄/それは……キツイぞ。そっかぁ……。
御衣/……仁さんだったらどう思いますか?
仁/みこちゃん。それは、俺に聞いちゃダメだよ。みこちゃんは良い子だからな、背負いすぎるな。俺はそれぐらいしか言えない。
セン/大人ですねぇ。
仁/……仁は、みこちゃんがそこまでする必要は無いと思っているよ。やんなくていいし、なんなら忘れて自分の人生を生きてればいいじゃんって思ってるよ。
灰澄/親心だな。
仁/でもそれは、みこちゃん的には言わない方がいいと思ったから、言わない。背負わなくていいよぐらいしか言わないよ。
セン/……とりあえず、市原さんに会いに行く方向で。ただ、素性は隠した方が良いと思いますよ。理由は判りませんが、市原さんは教会にあまり良い感情を持っていないようですので最初は匂わせない方がいいかもしれませんね。
御衣/はい、判りました。あくまで「センさんの協力者」としてついて行きます。
セン/仁さんと灰澄さんも、そっちも協力してほしいことがあったら言ってくださいね。
GM/……ご飯をみんなで食べ、お散歩をして、情報共有を行ない、お互いのことを話しました。そんなことをしていたら1ラウンド目が終了します。GMはダイスを振ります。
仁/おっ?
GM/(1D6ころころ)6でした。何かが6、増えました。
仁/わ、最大値増えたー!?(笑)
御衣/増えて良いのか、悪いのか……何も判らないな(笑)


 ●ミドルフェイズ2/御衣&セン 〜夢の中へ〜

仁/先にセンさん達の仕事を行くのもいいかもしれないな。
灰澄/アポが取れてますしね。先にご依頼を片付けにいきますか?
セン/じゃあ、判定Fにセンとみこちゃんで行きます!

▼判定F「目覚めない人物の中に潜る」
 【意志】難易度8→【知覚】難易度10→【体力】難易度12→【反射】難易度14


GM/2人は市原家の一軒家に向かいました。寧子さんがお出迎えをしてくれます。(寧子になって)「ご足労いただきありがとうございます。急なお仕事のご依頼だというのに本当にありがとうございます!」
セン/私だけではどうしても対処しきれないので、治療をご専門にフォローしてくださる方をお連れしました。
御衣/芝 御衣と申します。よろしくお願いします。
GM/寧子さんは普通にご挨拶して、お家の中へと通してくれます。市原さんのご自宅は、中より上ぐらいの大きめなお家です。決して古いお屋敷という訳ではないけど、[魔術師]としてそこそこ歴史がある家っぽいかな?
セン/ふむ、なるほどー。
GM/奥の部屋に通されました。「前にもご説明しましたが……弟は一人暮らしのマンションの中で、一切目を覚まさない植物人間状態で発見されました。お医者さんに見てもらったところ、『命の別状はない。ただ、目覚めない。原因は不明』とのことです」
セン/はい……。
GM/とある部屋には、ベッドの上に横たわっている25歳ぐらいの青年がおります。御衣ちゃんには、見覚えがあります。
御衣/ありますね……。
GM/10年以上前のこと。15歳ぐらいの虎尾という少年に責められた御衣ちゃんは、彼が同一人物だと確信します。
セン/やっぱり見たことある人物です?
御衣/はい。夢に出てきた彼の、育った姿です。そっか……彼はきちんと生きてここにいたんですね。
セン/では……今から彼に接触して探ってみます。寧子さん、私達2人と患者の虎尾さんだけにしてもらっていいですか?
GM/「判りました。何かありましたらいつでもおっしゃってください」 寧子は部屋から去っていきます。
セン/≪過去視≫を使って彼の体を触ってみます。虎尾さんの手を取って……。
GM/その≪過去視≫で彼の経歴が判ることにしましょう。彼の一族は、能力者……[魔術師]の一族です。機関の所属員だった兄・虎乃が亡くなった後、機関から縁を切りました。
御衣/ああ……。
GM/その後、夜須庭 航が邪神召喚儀式を成功させた大事件こと『機関解体事件』が発生します。それもあって機関だけでなく、退魔組織『教会』自体も毛嫌いするようになったようです。
御衣/そっか……昔は機関と教会は癒着してましたもんね。
GM/あくまで好き嫌いの話なので、寧子さん的には「助けてくれるなら教会を頼るのもやぶさかではない」とは考えているようです。
セン/自分達から積極的に関わり合いたいとは思ってないんですね。
GM/[魔術師]の優秀な一族なので、たくさん魔術の研究をしていたり、異端の理解はとてもある人のようです。……そして何故か、「倒れたときの状況を≪過去視≫で見ることができません」。
セン/んー? なんか邪魔されてるなー。そうするとやっぱり中に入ってみるしかないですね。そのまま≪夢の帝王≫を使って中に入りますか。
GM/≪夢の帝王≫を使っているセンさんは、達成値に+5のボーナスをあげます。
仁/おーっ! ここまでドンピシャな特技だったらそうなる!
御衣/では……御衣は他者の意識に上手くチューニングするように≪トランキライザー≫を使います。
GM/チューニングって、言い方(笑)
御衣/調律するとか、調整するとかね!(笑)
GM/では、御衣ちゃんには達成値+1のボーナスを差し上げます。判定をどうぞ!

 【意志】難易度8→御衣とセン、2人とも成功。

セン/危ない、プラスボーナスが無ければわりと即死圏内だった。夢の中にみこちゃんを置いていくところだった(一同笑)
仁/夢の中へ〜、夢の中へ〜、行ってみたいと思いませんか〜。
セン/フフッフー!(ころころ)

 【知覚】難易度10→2人とも成功。

セン/問題は【体力】判定なんだよなー!
灰澄/ヘルプイベントキーを使っていくのも手ですよ?
セン/でも……次に難易度14の判定があるからな。まだ私には狛さんがいるからね、我慢する!

 【体力】難易度12→センが成功。御衣はファンブルで失敗。

御衣/あ、ファンブル。ファンブル時に使う≪フェードイン≫が使える!
セン/フェードインどころかフェードアウトしていったが!?(一同爆笑) ≪フェードイン≫の効果でクリティカル値−1されました!
御衣/あーれー。フェードインじゃなくてフェードアウトしていきます(笑) 弾かれた! 「来るな!」って言われたのかもしれない。
GM/それはあるでしょうね。彼の中に入って彼を探っているのだから、拒絶されても仕方ない。

 【反射】難易度14→センは成功。

セン/【反射】は無理矢理上げていたおかげで、達成値15で成功です!
仁/すごーい!
GM/成功おめでとうございます。残念ながら御衣ちゃんはシーンアウトしてしまったので、起きた状態でセンさんを見守っていてください。センさんは『Fate/Extra CCC』の某スパイラルの中に入っているようなものになってください。
セン/わー、乙女コースターだー(笑)
GM/彼の心の中を探っていくセンさん。……最愛の兄が死んだ記憶。大変仲が良く、悲惨な姿になって帰ってきたことで虎尾はとても悲しみます。
御衣/うん……。
GM/怒りの矛先は、彼を戦場に送った一人に向けられた。誰かに感情をぶつけたくて、正直誰でも良かったのかもしれない。
セン/怒りの矛先を向けやすかったのが、御衣ちゃんだったんですね……。
GM/彼女に向かって憎悪の言葉を何度も何度も吐きつけます。ここは精神世界なので、実際に言ってなかったけど言わなかった放送コードに引っかかる罵倒なども聞こえます。
セン/なるほどなぁ……。でも彼女は命じられたままに従っただけなんだから、彼女を責めてもどうしようもないのにな。それも判っているか……。
GM/その鬱憤は10年間、晴れなかった。彼は復讐の道を選びます。
御衣/…………。
GM/10年経っても憎い。兄を殺した恨みが晴れない。……御衣を殺したい。どんどんとその感情が膨らんでいく。[魔術師]である自分がどうやったら彼女を明確に殺せるだろうか。もっと力が欲しい……。
灰澄/「力が、欲しいか……?」(笑)
GM/そして彼は、行動を始まる。「そうだ、俺ができる復讐の手段、あるじゃないか!」
セン/お?
GM/彼がいざそれをしようと立ち上がった映像を見ていたセンさんは、目の前が真っ暗になります。まるで何者かがその映像を強制終了させたかのように。
セン/おっと!?
GM/何故そこまできて何も先が見えない? まるで……真実が、虎尾の力ではない何者かに守られているかのようだ。……シーンに登場しているセンさんのみが判定できるAF判定を公開します。

『AF判定:解除』
 ・使用能力値:【意志】
 ・難易度:30+6

※「虎尾のプロテクトを解除する」演出に成功すること。
 成功した場合、解除できて真実を知る。


灰澄/……「+6」? さっきの1D6の6か!
仁/この判定を後にすればするほどキツくなっていったのか。やっぱ「何かの最大値」だったんだ(笑)
セン/……よし。まずは≪夢の帝王≫で夢の中に入る。彼の過去を見たという≪過去視≫。彼の憎悪の感情に同調する異端の≪同調録≫。
GM/まさにセンさん、本領発揮ですね。
セン/バクなので夢の中は何でも見通せるけど、今は≪見通す眼≫でも見にくくなっている。むー、何か生意気なプロテクトが張ってやがる。≪思念の刃≫+≪ネメシスの鎖≫で、プロテクトを攻撃します!
GM/ぺしんぺしん。だが壁はなかなか弾けない。
セン/難しいやつだな。そんなことをしていると、向こう側からの反発が来るので≪大地の守護者≫や≪光の一手≫で防ぐ。手立てが見つからないな……一回プロテクトからは離れよう。彼のことを一度見直そう、≪不可視の領域≫+≪彼方の音≫。
GM/がんばれがんばれ!
セン/脳内の狛さんが応援している気がする。
仁/狛さんだったのか、今の(笑)
セン/昏倒して悪夢を見ている状態って、自分が昔やらかした事件にちょっと似てるな……えへへ。顔が歪む≪豹変の業≫。
御衣/おー。
セン/であれば逆に、夢を使って昏倒事件をした自分にしか判らない「人間の心の闇」が判るんじゃないかな、≪真心の結晶≫。
灰澄/『現在難易度:10』ですね。センさんは能力値が高いから、2D6で5が出れば成功ですよ。
セン/いっちょやったりますか!(ころころ)達成値13で成功です!
仁/心配なかった!
GM/プロテクトなんてなんじゃいワレー!? バリバリバリィー! 破ります。
セン/なんですかこのシークレットガーデン!? うちの手に掛かればおちゃのこさいさいー! だったらいいなー!(笑) まるっとお見通しだ!
GM/ではまるっと彼の過去を見ましょう。「魔術師であれば、強力な手段がある! 召喚だ! 英霊召喚をしてみせる!
御衣/英霊召喚だ!?
セン/英霊召喚をするのか……!

 英霊召喚
 時空の狭間ウズマキに漂う死した魂を現世(下界)に呼び寄せて、魔力で生成した器に入れて生前のように再現させる魔術儀式。

 例えば、天殺星 黒旋風 李逵も「バーサーカーの英霊」である。彼は西暦1100年頃の中国で活躍していた(という伝承が残っている)好漢の魂が死後、『下階(PC達の世界)と上階(PL達の世界)の狭間であるウズマキ』を漂い、召喚儀式によって下階に現れた存在である。
 個々の魔力だけでは元の魂全てを再現できないため、「いくつかのクラスの枠」に当てはめることで、「一部分の顔を重視した姿」で出現しやすくしている。
 黒旋風は「バーサーカー」として召喚されているため破天荒な姿が再現されたが、もし別のクラスで召喚されれば、別人のような黒旋風が現れるだろう。


GM/「よーし! 英霊召喚するぞー! 強いの召喚するぞー! SSR取るぞー!」と意気込んでいる虎尾くんの記憶が見えてきます。
灰澄/召喚ガチャまわすぜー!(笑)
セン/……ねえ、この時点で嫌な予感しかしないんだけど?(笑)
GM/虎尾くんは「芝御衣を絶対殺す英霊」を召喚しようと、一世一代の大魔術に臨みます。目指すは御衣ちゃん特攻英霊!
灰澄/御衣ちゃん特攻……(笑)
GM/そうして召喚は成功した。魔法陣の上に現れたのは……ただの男だった。虎尾は、何者か判らぬアヴェンジャーの英霊を召喚しました。
セン/…………。汚い白衣を着てませんか?
GM/そっすね。センさんにはそれが夜須庭 航に見えます。
御衣/…………。う、うふふふ。そのままレモンゼリーに変えなさいッ!(一同爆笑)
セン/うわ……うわあ……うわあ!(笑) こ、航先生を召喚しちゃったんだ!?
仁/うわあああ反英霊!(笑) 英霊になっちゃったの……?
GM/ええ。なんてったって……この『アナザーワールドSRS』の世界では、異端事件最悪の大犯罪と後世で語り継がれている邪神召喚を成功した歴史上の人物ですからね。英霊ぐらいなれますよ。そして御衣ちゃん特攻は間違いなく持っている。
セン/とばっちりを受けた灰澄さんにも謝りなさい!(一同笑)
灰澄/ホントですよ。広範囲に特攻を持ってるね!(笑)
GM/虎尾くんは彼と話します。「どうやら日本人の英霊らしい! どうやら真名は明かしてくれないようだ……」
仁/「機関のバーサーカー」だ!(笑)
GM/アヴェンジャーです(笑) 「でも、理知的な会話をしてくれる! なんて話が分かる人なんだ! 自分の願いを話したらまるで我が事のように親身になって聞いてくれた! 穏やかな笑みを浮かべて優しくしてくれる!」
セン/……せ、洗脳されてる! 虎尾ー! 目を覚ませー!(笑)
御衣/そいつが元凶だー!(笑)
GM/センさんは虎尾の視点と同調できるので、より判ります。「こんな良い人、見たことがない!」と彼は妄信してます。
灰澄/……洗脳された人は、そう思うんですよ(笑)
GM/英霊の彼はこう言いました。「英霊というものは、最盛期の状態を魔力で維持できるらしい。僕の最盛期ってことは……」 彼は手をポンと叩きます。すると彼の前に、彼が作った物が再現されました。「≪+50道具作成≫と≪+50陣地作成≫で、僕の発明が全て再現される訳かぁ。はぁ、魔力がある限り僕のものを無限に生成できるなんて凄いねぇ」
セン/うわ……うわあ!? やめろやめろ!(笑)
GM/「ははぁ……。じゃ、君の為になんでもしてあげるよ。君はまだ半人前の魔術師のようだ。英霊である自分がその願いを叶えてあげるために、僕に力を貸してほしいなぁ」
御衣/あ、アカンアカン!(笑)
GM/虎尾と彼は目を合わせます。その瞬間、虎尾の意識は停止しました。
御衣/あーあーあー!? もうー!?(笑)
セン/≪セルロイドの心≫じゃないか、これー!(笑)
灰澄/自業自得でしかないとはいえ……(笑)
仁/うわぁ……(笑)
GM/彼の身体は停止します。食事さえもできないただの物体になりました。だけど、生きています。……その後、英霊はある「自分が作ったもの」を生成しました。「生命力を吸い取る赤い結晶」を虎尾に渡します。
仁/そ、それを……!?
GM/「君は死なずに僕の魔力タンクになってくれよ、マスター」
セン/邪悪!(笑) 意識があると令呪を使われて邪魔だから眠らせた訳ですね!?
GM/「この魔力で再現した発明品、どれぐらい効果が持続するんだろう? どこかで試したいなぁ……どれぐらい広範囲で、どれくらいの継続時間で、どれくらいの能力者や人外なら使えて、どれくらいの一般人なら死んじゃうか……実験しようか」
灰澄/そ、それが……あのお祭りだと?
GM/「ああ、できれば能力者が使用するんじゃなくて一般人が使用したときの効率も見てみたいなぁ。一般流通させてみたいなぁ。宝石だから適当にバラまけば行き渡るかなぁ。不特定多数から生気を吸収できればもっと彼の魔力の質が良くなるよねぇ」
御衣/い……いや……(笑)
GM/という訳で、センさんはこの英霊は虎尾くんを生かしていたとっても優しい人だと発覚します。
セン/いやいやいや!?(笑)
灰澄/そこは全面的に、いや!(笑)
御衣/2話の神子さんみたいな人外や、3話の普通のチンピラ男女からも魔力を吸い取って……その魔力は虎尾さんに渡っていて。眠った魔力タンクの虎尾さんを生かさず殺さず……?
GM/そうそう。普通の医者は植物人間の虎尾さんの容体なんて気付かない。ただただ眠る健康体にしか見えない。能力者が来てもプロテクトで弾くからOK!
セン/機関って本当良くないことを考えますね!?
御衣/あの人が一番良くないだけですから!(笑) あのドクダミ野郎……。
仁/やっぱミント野郎だったなぁ!(笑)
セン/では……現実世界に戻ってきます。はぁー、えらいもん見たわ(笑) よりにもよってアレを喚んじゃいましたか……。
御衣/……あの、お疲れ様です。何かありましたか。
セン/口で説明するの大変なので、≪同調録≫で全部御衣ちゃんに記憶を渡します(笑) うちの口から全部を語るには、ちょっとキャパが大きすぎて! はい、記憶ダウンロード!
御衣/あーあー記憶がインストールされるぅー!(笑) …………。ロクでもないですね!(一同笑)
セン/……虎尾さんの令呪をなんとかすることはできますか?
GM/できませんね。虎尾の体をなんとかしようとした瞬間、強い何かに弾かれます。≪EP:緋色の戦鬼≫という、ギミックが解除されるまで全特技を無効化されるという影響によってどうにもできないようになっています。
仁/無敵状態か(笑)
セン/ちょっとこれは……うちらでどうにかできる案件ではないので、教会に連れていくなりして心霊治療で治してもらうしかないですからね。
御衣/教会に一旦保護するのはいいでしょう。
セン/ええ。治療方針が判ったので、寧子さんを呼んで……事情を説明しましょう。
GM/(寧子になって)「ナ、ナンダッテー。弟がMPタンクになったー!? あの子、【MP】だけは無駄にあったから!
セン/[魔術師]だからな!(一同笑) 彼を縛っている英霊との契約状態を解除するには、我々の力では不足なので、やはりこれは教会に相談しないといけない案件ですし……。
御衣/なので、教会で預かってもよろしいでしょうか。
GM/「はい、その辺りはお任せします!」
セン/じゃあ……教会に連絡して、関係者と思われる人物の身柄を確保したんですけど取りに来てもらえますって連絡をします……。
GM/……はい。連絡は、できます。しておきますね。
セン/その間に、御衣ちゃんと話をしようかな。彼はとても貴方を恨んでいるようでしたが。
御衣/……私の能力は、「人を無理矢理に働かせる能力」です。機関にいたときはそれを用いて、色んな人を意に沿わない任務に向かせていました。彼の兄もその一人で……。
セン/でもそれは、御衣ちゃんが自分の意思で命令した訳ではないですよね?
御衣/違いますね……。
セン/貴方も上から命令をされて、その命令に従ってですよね?
御衣/はい……。
セン/であるなら、彼の復讐心はただの逆恨みではありませんか? 貴方が抱いている罪悪感というのも、本来では抱かなくていいものではないですか。
御衣/…………。そうでしょうか。
セン/さっき、自分で傷を負わせてしまった人達に謝りたいと言ってましたけど、貴方が謝る必要は本来であれば無いのではないのですか。
御衣/…………。ただ、やっぱり、逆恨みとも言えないです。相手にとってみれば、命令を下したのは……あの人ですけど、実行犯であることには変わりありません。
仁/うん……。
御衣/もしかしたら私のやっていることは見当違いのことかもしれませんが、でも……無かったことにはできないんです。
セン/なるほど。
御衣/……私はこれから、動かなくなるかもしれません。それまでに……後悔したくないんです。謝らなかったという後悔を……。
セン/……ということは、貴方は「自分が後悔したくないというエゴのために」謝りに行きたいんですね?
御衣/その言葉にハッとした顔をする。……そうですね、きっと自分のためだとあるんだと思います。エゴでもあるけど、10年間恨みがこもってこんなことが起きてしまった……だから、相手に対しても「区切り」をつけないといけないと思うんです。
灰澄/…………。
御衣/やはりそれは、「私がその場に行くこと」だと思うんです。今回みたいな同じことを、引き起こさないためにも……。
セン/もしこの虎尾さんのように被害者から「貴方のことを殺したい」と毎回言われたら、貴方は毎回死ぬつもりですか?
御衣/…………。
セン/死ねば貴方が贖罪したい人達にももう会えなくなりますけど、命を捧げるんですか?
御衣/…………。
セン/被害者に謝りたい、被害者の想いを受け止めたい。それらをするためには、貴方は生きている必要があります。そのことはちゃんと理解してます?
御衣/…………。はい……自分が死んでしまったら、できません。
セン/近いうちに貴方は、贖罪をするというエゴのために他者からの憎悪を受けとめるために生き続ける覚悟を決めるべきだと思いますよ。
御衣/…………。なるべく早いうちに……整理をつけておきます。


 ●ミドルフェイズ3/仁&灰澄 〜ケジメ〜

灰澄/ラインで、仁さんに連絡をしますね。ちょっとツラ貸してくださーい。

▼判定C「徹平を捜索する」
 【体力】難易度8→【反射】難易度10→【知覚】難易度12→【幸運】難易度14


セン/仁さんはどんな格好で来るの? スーツ?
仁/スーツで。今回はずっとスーツ姿です。落ち合う場所は公園でいいかな? ……待たせたな。
灰澄/わ、仕事着だ。ちょっとビックリする。スーツ姿のプレッシャー凄い。こっちは法衣で来ます。
仁/法衣もプレッシャー凄いよ!?(笑)
御衣/急にコーデバトルになったぞ(一同笑)
仁/ラインを見たときには何となく判ったが……。お前が話したいことは、住職さんのことで間違いないか?
灰澄/はい、義父が亡くなった話です。義父を殺した犯人が仁さんの関係者だという調べはついたと警察に言われました。その人ってどういう人だったか教えてくれますか。知っている人の口から聞きたくて。
仁/そういうこと聞くんだ? 驚いた顔をする。……どういう人間だったか、か。あんな人間、吐いて捨てるほどいる。どうでもいいザコの下っ端で、たいして特徴も無いチンピラってだけだな。
灰澄/なるほど。……その下っ端のチンピラに、俺の大事な人は殺されたんですね。
仁/俺のところの構成員が、お前の養父を殺ったことは間違いない。
灰澄/大変だな。……皮肉でも何でもなく言います。構成員、そういう人も家族に該当するんですよね?
セン/身内という意味でか。
仁/ああ。下がやったのは上の責任だ。それに関して、親が責任を取るべきだと俺は思っている。灰澄は、あいつに対して何かしたいことはあるか?
灰澄/何かしたいこと……?
仁/俺経由で、何とでもできる。お前が望むのであれば、あいつを生きたままお前の前に連れ出せる。お前がしたい処罰を受けさせることは可能だ。
灰澄/……今、警察も同じ人を追っていまして、警察に捕まったら法のもとで裁かれるでしょう。貴方が追うと、そうはいかないんですよね?
セン/リンチというか私刑でしょうね。
灰澄/そこに俺が加担してしまうという形ができてしまう。
仁/お前が手を下してもいい。俺にそれを頼めばな。お前は手を出さなくてもいい。結果的にそういう風になったという証拠だけ持ってこよう。
セン/耳だけ持ってきましたとか。
仁/坊主に例えるな。
御衣/あー、良いツッコミだな(笑)
灰澄/……俺がこの連絡をしなければ、仁さんはどう動くつもりでした?
仁/小池田徹平の命は無いな。そもそも俺らの業界で、カタギに手を出すことは禁忌だ。……これは私的なところでもあるけれど、色々お前には協力もしてもらっているしな。他人という訳でもねえ。友人の敵を殺った奴は、俺の敵だ。俺は敵を許さない。
灰澄/……ああ。それは、照れる。嬉しい気持ちもある。そうなると……みすみす友人に手を汚してほしくないですよ。
仁/優しい子だな。お前もみこちゃんも根が真面目すぎだ。そういうところが損するんだよ。
灰澄/損、とは?(笑)
仁/「お前のとこの構成員なんだから俺を殺す」と言っても立場的には仕方ないのに、調子狂うなぁ。まったく、真っ直ぐ生きた子は……。俺の謝罪は、こういうことしかできない。小切手を渡します。
灰澄/うわ。
セン/無記名ですか?
仁/無記名だと絶対「0」って書くだろ。被害者は住職だったし、その年俸の倍は出そうか。それは有無を言わさず渡す。これで罪が無くなるとは俺も思わないし、恨んでもらっても構わない。
セン/あくまで香典ですね。手打ち金ではない。
灰澄/高い香典だなぁ……(笑) 俺が恨むとしたら、テツという個人だからアンタじゃない。そしてその人に恨みが無いかと言ったら、そうじゃない。あるよ。
御衣/うん……。
仁/じゃあ、あいつに会ったときにその場で決めてもいい。そのときのお前の決定を妨げはしない。俺が動くことがあっても、それはお前と無関係のことだ。
灰澄/…………。住職ならこういうとき、なんて言うんだろう。
セン/イマジナリー住職を捨てるときだよ?
御衣/住職からの卒業。
灰澄/卒業はしない!(一同笑) ……今、この場で、即断即決できる話でもないか。
仁/ああ。決断の執行猶予ってことで、まずはテツを探しに行こう。

 【体力】難易度8→仁と灰澄、2人とも成功。

仁/後半に【体力】が出てほしかったなー! 出目だけで成功してるもん!(笑)
セン/航先生を探すときに存分に活躍してもらうからね(笑)

 【反射】難易度10→灰澄は成功。仁が失敗したが、灰澄から≪叱咤激励≫を受けて成功した。

灰澄/まだ脱落はさせない。次の【知覚】にいきましょう!
仁/あ、小池田徹平を獲物として認識しておきます。≪獲物を狙う眼≫!
GM/じゃあ……これからの判定に達成値+1のボーナスをしていいよ。

 【知覚】難易度12→灰澄は成功。仁は失敗したが、灰澄が≪悔改めよ≫を使用して振り直し、成功した。

仁/悔い改めた! 最後にいけるぞ!
灰澄/2人とも、2D6で10が出ないと成功しないな……出て!

 【幸運】難易度14→2人とも成功。

仁/獲物にしていたおかげで+1で、ぴったり14成功! 獲物にしていて良かったー!(笑)
GM/小池田徹平に関する情報が手に入ります。……彼は逃亡生活を送っており、色んな所を掻い潜って目撃されています。
セン/ふむふむ。
GM/何故か小池田徹平は、高坂と接触していたそうだよ。
灰澄/……はい? 教会の?
セン/なんで?
灰澄/高坂さんに会えますか?
GM/現在、教会は大捜索作戦でめちゃくちゃ忙しくて高坂と会うのが難しいです。ですが合間をぬって2人は高坂と話をしました。するとこのような会話になります。

 「小池田徹平に会ったの?」「うん。会ったよ」
 「なんで小池田徹平と話したの?」「……?」
 「小池田徹平と何を話したの?」「……あれ? なんで俺、何も覚えてないんだ?」


灰澄/あっ……記憶を抜けてる!?
仁/記憶無し、しかも自覚が無い!?(笑) やられたなぁ!
灰澄/高坂さんが裏をかかれているのは怖いな……!
御衣/なんかキナ臭くなってきたなぁ……。
GM/高坂というか教会の動向は、教会に関する判定で。小池田徹平の詳細については、もう1つの小池田徹平に関する判定をすると判るんじゃないでしょうか。そっちも頑張ってねー。

 4人のシーン登場がそれぞれ終わったため、2ラウンド目が終了。
 GMが謎の1D6ダイスロールを行なった結果は、「4」。何かが4点上昇する結果となった。



 ●ミドルフェイズ4/灰澄&セン 〜台風〜

灰澄/高坂さんの話が出たのは気になる! 教会の動向を探りましょう。仁さんと調べたことをセンさんと共有します。
セン/では、うちらも重要参考人を教会に引き渡そうとしていたところなんですけどーと言います。……高坂さんに異常が出ているということは、虎尾さんを渡さない方がいいんじゃないか?
灰澄/……あ。
御衣/ああ、確かに! 心配です!
セン/灰澄さん。ドッグタグを持っていましたよね?
灰澄/あるよ。あの動くやつ。
セン/動くことはいいよ!(一同笑) うちが言いたいのはそのドッグタグの特殊能力! ≪圧縮された世界≫の話……。
御衣/ダッ。
仁/ドッグタグが逃げた!?(笑)
セン/イキが良い!(笑) その躯檻結石に、意識が無い虎尾さんを入れちゃおうかなと思うんですが。
灰澄/ああ、いいんじゃないですか。ドッグタグの中に入れて搬送しますか。
GM/了解です。では君達は、ドッグタグの中に人を入れることにしました。
御衣/お入り。
セン/「お入り」じゃないんだよなぁ(笑) という訳で、教会の動向を探ろう!

▼判定B「教会の動向を伺う」
 【体力】難易度8→【理知】難易度10→【幸運】難易度12→【知覚】難易度14


セン/高坂さんが怪しい、というか、怪しさしかないんですよね。
灰澄/不穏な気配しかしませんよ……。そういや第2話のラストに意味深なシーンがありましたね。
御衣/ああ、あの。
GM/ごめんなさい。
灰澄/偶然会ったにしても、記憶が無いのはおかしいんですよ。情報をあらっていきますか。

 【体力】難易度8→灰澄、センの2人とも成功。

セン/ぎ、ギリギリセーフです! 危ない!

 【理知】難易度10→センは成功。灰澄は失敗。だがクリチケを使ってもう一度判定し、今度はファンブルした。

灰澄/ファンブった! サヨナラ!

 【幸運】難易度12→センは失敗。だがクリチケを使ってもう一度判定し、今度も失敗した。

セン/うーん……どうにもできない。≪コネ「古川家」≫でクリティカルにできるけど……。
仁/でも次、難易度14の判定なんだよな……。
セン/どっちかっていうとそっちの判定に使いたかった。難易度14なんてクリティカルが出なきゃ成功しないもの……。
仁/じゃあ……もう1シーン使って、そっちに懸けるか?
セン/……そうですね。再挑戦するとき難易度が減少しますし、ここでギブアップしておきます。サーセン!
GM/灰澄くんとセンさんの2人とも、失敗でよろしいですか?
灰澄/はい……。
GM/ではここで、【幸運】判定で難易度10をお願いします。これはシーンに参加していた2人とも挑戦して構いません。「シーン参加者が全員失敗した」という条件下で発生するイベントです。
灰澄/(ころころ)えーと、ピッタリ10です。
セン/(ころころ)こちらもピッタリ10です。
GM/黒旋風が現れます。
御衣/おおっ!?
セン/クロちゃん!?
GM/ちょうど教会のシーンだし、登場はピッタリだな。「どうしたどうしたんだー!?」と、センさんのもとにドーンと特攻してきます。
セン/ごふぅっ!?(笑)
灰澄/バーサーカーの特攻!(笑)
御衣/センさんの体が、くの字に折れた!(笑)
セン/や、やめてください、うちはかよわい夢魔なんですぅ……(笑)
GM/かわいい武者!? なんだなんだどうしたんだそんな顔して! 困ってるなー!? よくわかんねーなー! 俺にはどうしたらいいかわかんねーから応援しちゃうぞ! ≪躍動の呪歌≫使用!」 灰澄くんかセンさんのどちらかをもう一度、ミスったところから判定してもいい状態にします。
仁/おおおっ!?
灰澄/ありがたい! 灰澄の【幸運】と【知覚】のボーナスは4です!
セン/センの【知覚】ボーナスは3しかないんですよ。それでしたら灰澄さんが再行動してください! うちはもうドーンって特攻されたからダメです!(一同笑)
灰澄/では、自分に≪マハラジャ≫を使います! 判定するごとに【HP】を減りますけど、それで再挑戦いきます!

 ≪マハラジャ≫込みで判定を再挑戦してみるが……灰澄は【幸運】難易度12に失敗してしまう。

灰澄/うーん……自分には≪叱咤激励≫も≪悔改めよ≫も使えない……他に足せるものがないから、ここで脱落か。
GM/…………。黒旋風が喋り始めます。「なあなあ! 諦めるなよー! 思い出パワーでガンバレガンバレ思い出せー!」
仁/……あっ、ヘルプイベントキー! 達成値+2!
セン/わ、忘れてた! 李逵ちゃんありがとうー!(笑)
御衣/クロちゃんいい子ー!(笑)
灰澄/+2することで、【幸運】達成値12になります! テツさんどこ行った……ここで手がかりを失う訳にはいかない! 徳信さんの死を無碍にしたくない。お知恵を貸してください、お師匠!

 そして、【知覚】難易度14の結果は……成功。

仁/やった、14が出た! 凄い! クロちゃんいい子だねー!(笑)
GM/「わーい! 応援疲れたから俺帰る!
灰澄/ありがたやー(笑) 全部判定が成功できたので情報ください!
GM/はーい。黒旋風の出番が貰えて嬉しかった。という訳で、灰澄さんのみがこのシーンで情報を受け取れます。
セン/センは腹に李逵ちゃんを受けてしまったのでシーン退場します。
灰澄/痛い痛い!(笑)
御衣/灰澄さんは一人じゃないですよ。ドッグタグもウロウロしてます。
灰澄/風も無いのに揺れないで!(一同爆笑) 重力に逆らった動きをするんじゃありません!
御衣/怒られた。くすん。

 教会の動向を探った結果、以下のことが判明する。
(1)教会は、夜須庭航を捜索する大作戦を大勢のエージェントを使って行なっている。
(2)教会も4月、新年度に突入したことで人事異動や既定の改定などが行なわれていた。どこもかしこもドタバタしている。


灰澄/……ほう? ドタバタしてる。

(3)教会が保管しているアーティファクトの管理に関しても、見直しが行われた。数々の魔道具の保管見直しのため、いくつかが持ち出されて調査されている。
 その中にある『長勝院宝剣』というアーティファクトは高坂の管理下にあった。


仁/……あ。
GM/これは、現空ちゃんがPC1をやった『夜より暗き桜』に登場したアーティファクトです。そのセッションで「これはヤベー物だから教会でちゃんと保管してね!」とエンディングで話をしました。

 『イベントキー:長勝院宝剣』
 長勝院旗桜の魔力を得た宝剣。旗桜から得た魔力をストックしておく効果がある。
 ≪特技マスター:世界遣い≫を使えるようになる。1シナリオに1000回まで使用可能。また、このとき使用する世界遣いの特技の「1シナリオ・シーン・ラウンドに○回まで使用」の制限を全て削除する。


御衣/うわっ、えげつなっ!?
セン/うわあ、≪世界創造≫やりたい放題じゃん!?
仁/これ、信くんが持ってた宝剣だ……。そのセッション、凄く覚えているんですよね。
GM/現空ちゃんが初めて遊んでくれた『AW』セッションだからね。……実は、「現空ちゃんと初キャンペーンで遊ぼう」と企画した時点でこのセッションのネタを使おうと思ってたんだよ。
セン/え、えらいモンが教会に封印されてたんですね。……で? このアーティファクトが?
GM/高坂が管理していたそうです。そして、高坂はこの管理していたアーティファクトの記憶が抜けています。小池田徹平に会った日から。
仁/んんんん!?
GM/ここから読み取れるのは、「高坂が長勝院宝剣を部外者に渡した」という事実です。
灰澄/……テツ!
セン/テツ! ……いや、テツじゃねえ! テツの裏にいる航!
仁/結局そこだ!?
灰澄/テツアンドコウめ……(一同笑)
GM/君達がそれを暴いて時点で、他の教会の面子も事の重大さに気付きます。なので「高坂を隔離しろ!」という動きになります。高坂は今後悪さをしないようにナイナイされます。
御衣/高坂さんをしまっちゃおうねー!(笑) 悪いことしたからねー!
GM/自覚が無いとはいえ、貴重なアーティファクトを部外者……しかも犯罪者の手に渡してしまったなんて大罪ですからね。それは高坂も言い訳をしません。高坂自身も「これ以上自分が何もしないように隔離してくれ」と言います。
仁/もう第2話の最後の時点で、あいつの操り人形だったんだ……。
GM/なので、これ以上高坂は悪さをしません。教会側はPCの敵となる行動はしませんのでご安心を。


 ●ミドルフェイズ5/仁&御衣 〜この先〜

御衣/では、徹平の近辺を探りましょう。
セン/この組み合わせは、第1話の教会コンビですね。
仁/最初はまったりとやってたのにねー。
GM/何言ってるんですか、まだ3週間前の話じゃないですか。
御衣/なんかもう、何年も前のような気がするよ……(笑)

▼判定D「徹平の近辺を探る」
 【理知】難易度8→【反射】難易度10→【幸運】難易度12→【理知】難易度14


仁/……みこちゃん、なんか体調悪そうだな? 大丈夫か?
御衣/凄い心配してくださってありがとうございます。多分、一時的なものだと思います。……目を覚まさなかったことは、前にも一度ありまして。それと似たようなものだと。
仁/俺はそういうのは専門じゃないから判らないけれど、みこちゃんが大丈夫って言うなら大丈夫かね。
御衣/はい。
仁/……みこちゃんは、自分が悪い事してたっていうから謝ったじゃないか。そのためなら何だってやる、って言うかのような剣幕で。
御衣/……はい。
仁/みこちゃん、俺のとこのガキをよく面倒見てくれているよな? ガキどもが大きくなるまでずっと見ていてくれないか。
御衣/……あ……。
仁/子供の結婚式とかに出てくれると嬉しいな。……お願いします。
御衣/……あ、ああ……あ……うあああん(笑)
GM/そ、それは……泣く。泣いちゃう(笑)
仁/だって、あんなことをみこちゃんが言うから……センとのシーンには仁がいなくてプレイヤーしか知らないけど、「長く生きてほしい」とは言いますよ。
灰澄/娘さんの結婚式で、友人からのご挨拶枠に出ましょうよ……(笑)
御衣/…………。そうですね、私……憎まれても構わないと思いましたし、死を望む人がいたら……と考えましたけど。過去のことだけじゃなく、先のことも……きちんと目を向けようと考えていきます。
仁/うん。
御衣/私も……3人の結婚式には、お友達として……出られたらいいなって思います。
仁/それを聞いて、安心します。前のみこちゃんが戻ってきたな。良かった良かった。
灰澄/パパ目線の顔だ(笑)
仁/お前も娘だよ。またうちに遊びに来てくれ。カレー残ってるから(一同爆笑) テツに関することだから、達成値+1のボーナス付きで判定します!

 【理知】難易度8→仁、御衣の2人とも成功

灰澄/御衣さんは【理知】が高いから余裕で成功ですね。

 【反射】難易度10→仁、御衣の2人とも失敗。

セン/2人とも失敗? まあ、そういうときもあるよ(笑)
仁/仁は【理知】が低いので、ここで脱落しておいた方がいいかな……。迷子になっちゃった(笑)
御衣/じゃあ、御衣はヘルプイベントキーを使って成功させますね。はぐれちゃったことに絡めてロールします。……一瞬、立ち眩みをする。
セン/そこで仁さんと、はぐれちゃったんだね。
仁/ああっ。俺がどんどん前に進んでいって、立ち眩みをしたことに気付かなかった!(笑)
御衣/……ああ、やっぱり、もうそろそろ時間が無いんだな……と実感します。これで達成値11で成功します。

 【幸運】難易度12→御衣の達成値は11、1足りず失敗。

御衣/≪ミネルヴァ≫を使用します。(ころころ)達成値15で成功。
GM/御衣、頑張る。
仁/次がラストだ! 出目で9が出れば……!

 【理知】難易度14→御衣の達成値は11、3足りず失敗。

灰澄/……ミネルヴァる? 1D6で3以上出れば成功だ。
御衣/……まず、≪逆転運命≫を使用して振り直します。(ころころ)うーん、下がった! 達成値10……。
セン/4足りないか……。
御衣/……とりあえず……≪ミネルヴァ≫を使います。1D6で4以上!(ころころ)出た!
仁/出た出た! 成功! カッコイイ!
セン/良かった! さすみこ!(笑)
灰澄/死に物狂いで追いかけた!

 小池田徹平の動向を探った結果、以下のことが判明する。
(1)徹平は、あちこちを逃げ回っているだけでなく……「何か/誰かを探している」ようだ。


御衣/何か……誰か?

(2)突然、灰澄が住んでいる寺に空き巣が入られたという情報が入ってくる。徳信と灰澄の自室が特に荒らされていた。だが金銭は盗まれていない。

仁/はあ!? そこの寺は色んなことがあるな!
御衣/なんてことしてんの、灰澄さんの部屋が!?
灰澄/……あ? 俺の部屋?
セン/何を探して……あっ、もしかして? イキが良いドッグタグを探しているのでは?
灰澄/持っていかれそうになったら逃げそうですね。
御衣/ダッ。チョロQ!
セン/チョロQみたいなスピードで走らないで!(笑)
GM/ドッグタグって首から掛けてるんじゃなかったっけ? 灰澄さんの首が締まらないようにしてね(笑)

(3)荒らされた部屋を≪過去視≫すると、犯人は小池田徹平だと判明する。
 最初は徳信の部屋を調べたようで、徹平は第3話の灰澄のオープニングフェイズで徳信が持っていた「灰澄に関する資料・私物」を探っている。そこに目当ての物が無かった徹平は、次に灰澄の部屋をあさり、何も盗らず逃亡した。


御衣/やっぱり心当たりといえば……その、イキが良いドッグタグぐらいですかね。
灰澄/ジタバタジタバタ。
セン/本当にそれ、何なんですかね?(笑) さっき人を入れちゃいましたけど。
御衣/そういえば……灰澄さん、ドッグタグの中に入ったことは?
灰澄/ないないない!(笑) ないよ!
仁/中に何か入っているとか(笑) ゴソゴソして取り出してみるとか……。
灰澄/ウズマキと同じ要領ですよね? とりあえず今は人が入っているからベッドに出してあげて……(笑)
GM/出しました?
灰澄/えっ。
御衣/……えっ!?
GM/出しました?
仁/……ま、まだ! まだ出してない! よね!? ……ゴソゴソするだけにしよ!?
GM/GMは確認するよ。躯檻結石から虎尾を出しますか?
御衣/えっ!? ……怖いよ!? 何!?(笑)
セン/確認が入ったぞ!?(笑)
灰澄/い、いずれ出すでしょ……この人……?
仁/今のタイミングで出さなくていいかも!
セン/今は……出さなくても、いいんじゃないかな!?
灰澄/……はい! GM、出しません!(笑)
GM/了解です。これにてシーンの情報はおしまいなので……3ラウンド目が終わります。(ころころ)ダイス目は1、トータルで11。3ラウンド目終了なので、マスターシーンを入れます。
セン/怖い怖い怖い……(笑)

 「先生、さようならー!」「さよーなーらー」
 小学校の下校時間。ランドセルを背負った小さな子供達が下校していく夕方頃。
 不動家の3人も、揃って家へ帰ろうと学校を出る。


灰澄/……小学校のシーン!?
セン/仁さんの顔が凄いことになってる!(笑)
仁/子供って言われたら……ねえ!?(笑)

 不動家は現在、ピリピリとした緊張感に包まれていた。
 過保護な両親の心遣いもあり、子供3人は信頼できる運転手の車で登下校をする。なので3人の子供は、登下校でワイワイと歩いて帰る子供達とは逆方向……小学校の駐車場へと向かっていた。
 ――そんな3人のもとに、ザッと現れる男。

御衣/うわっ。
GM/彼の名は、小池田徹平。
セン/こ、コラー!

 事情を知っている運転手は、徹平の顔を見て驚愕する。
「てめえ、何しにここに……グエッ!?」
 不意打ちを取られた運転手は、「仕掛ける」と決めていた捨て身の動きを避けきることはできない。運転手が鈍い悲鳴を上げる。
 目の前で、大人が大人に暴力を振るっている。3人の子供達は「キャーッ!?」と泣き叫ぶことしかできなかった。


GM/PCは全員で、代理判定をお願いします。【幸運】判定で難易度11に、4人中2人が成功すれば……ここに桐久雄くんが現れて助けます。
セン/桐久雄ー!?(笑)
仁/絶対出す。(ころころ)クリティカル!
御衣/お父さんクリティカったー!?(笑・ころころ)成功です。
灰澄/お、お父さん!?(笑・ころころ)失敗。
セン/お父さんの力、凄すぎるでしょ!?(笑・ころころ)失敗……でも2人成功ですね!
GM/わー! ここでお父さんがクリティカルを出したら何かボーナスをあげたいなー!(笑) ……そのお父さんの強い意思は、桐久雄くんにも伝わっていました。仁さんが息子と娘を大事だと知っている彼は、「何やってるんですかテツさん」と子供に殴りかかって傷つけようとした腕をガッと掴んで止めます。
御衣/ヒュウ!
セン/カッコイイー!
GM/「このまま仁さんの所に行きましょう!」 桐久雄は徹平を説得しようとします。ちなみに別に桐久雄くんは見張っていた訳ではなく、偶然通りかかっただけです。お父さんの熱意が幸運を呼び寄せただけですね。
灰澄/うん、凄い幸運を呼び寄せたよ……(笑)
GM/「貴方の状況を考えれば逃げたくなるのも判りますけど……けど! 子供に手を出すのはダメですよ!」
仁/ああ、桐久雄……優しい……いい子だ。
GM/徹平は言います。「……別にこの3人じゃなきゃいけないって訳じゃない。誰でもいいんだ……かよわい人間であれば……人間であれば……」

 徹平の目は、既に……正気ではない。
 あ、これはヤバイ。このままだとヒドイことになる。そう思った桐久雄は「このまま警察に連れて行こう。放置したらまた事件を起こす」と考えを改める。
 だが徹平は死に物狂いで暴れた。桐久雄は、一瞬だけ腕を手放してしまう。
 能力者の桐久雄にかかれば、ただの一般人のチンピラに過ぎない徹平の確保など容易く……。

「はぁ、早くこっちにおいで」
 逃げる徹平と追う桐久雄の間に、パァッと光が弾け……そこから一人の男が実体化した。
 一見すると、ただの白衣姿の優男。その周囲には、彼から生み出されたと言われている数えきれないほどの『大量殺戮兵器』を従えている。
「やぁ」
 殺すことに特化した英霊・アヴェンジャー……夜須庭 航が、現れた。


御衣/うわっ、禍々しい……!(笑)
GM/桐久雄くんは【正気度】判定をします。残念ながらこのセッションではPCではない、NPCである彼は失敗して放心状態になります。……なので徹平や航先生を捕まえることはできません。
灰澄/なるほどです……。
GM/……桐久雄くんがハッと正気を取り戻した頃には、彼らは姿を消していました。すぐに桐久雄くんは警察、教会、そして不動家に電話を入れることでしょう。
仁/実家に帰っていいですか。
御衣/すぐに戻ってあげて、お父さんー!(笑)
セン/最寄りの警察署で保護されている娘さん達を迎えに行ってあげてー!(笑)
GM/警察に連絡されたなら、その一帯のご家庭には「不審者が出没してます! 警戒してー!」の連絡がいきますよ。これによって他の児童達も守られるんじゃないかな。
灰澄/良かった……本当に良かった(笑)
GM/という訳で、「徹平が正気でない」「一般人を襲おうとした」「その裏に、航先生がいる」というのが判明するマスターシーンでした。
セン/ヤバさしかない……(笑)