アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 ユガミジマ 』 2ページ ■
2017年2月5日




 ●ミドルフェイズ3/一寸法師 〜全力〜

零十/ミドルフェイズ3になったから≪物品調達≫ができる! 朝、海に行こう。
夜苺/夜苺もついて行きまーす。お父ちゃんとジョギングする〜!
GM/ざざーん、ざざーん。今日も天気の良い綺麗な浜辺。
零十/あっ! 浜辺に何かある! ≪興奮剤≫だー!(一同笑) ……何を思って≪興奮剤≫を海に放ったんだろう(笑)
一寸法師/このミドルフェイズは拙者が【幸運】で振るでござる!
凪/じゃあ凪が協調行動に参加します。せーの!(ころころ)クリティカル成功です!
GM/めっちゃ協力する気満々の凪ちゃん。その協力とは、遊ぶことである。
一寸法師/ありがたいでござるー! 全力で遊ぶでござるよー!

『AF判定:島で遊んで過ごす』
 ・使用能力値:【体力】【幸運】
 ・難易度:30

※「海も綺麗で山も自然豊かな島で遊んで過ごす」演出に成功すること。
 成功すると、島の人々と仲良くなれる。
※協調行動OK。難易度:8。


GM/この村には子供達はそこそこいます。では……村で好きに遊んでください。
一寸法師/ここにビーチボールというものがある。
零十/いつの間にそんなものを!?(笑)
一寸法師/こうやって……ぽんっ! 良かったらみんなでビーチバレーをして遊ぼうでござる!
GM/「びーちばれー?」 子供達は初めてのスポーツにドキドキわくわくです。……ちなみにこの時代の子供達の代表的な遊びですが、キューピー人形、めんこ、野球盤がブームだったそうだよ。
零十/へー、野球盤はもうあるんだ!
一寸法師/そんな子供達にビーチバレーを教えます。ボールで遊ぼう!
凪/≪魂を纏う腕≫でスパイクの仕方とか教えます。≪誘いの御手≫で、さぁみんなもやってみてーって誘う!
一寸法師/≪+50カリスマ≫+≪却奪:目≫で、視線を奪うような鮮やかな動きでスパーンと見せつけます。≪夢の外套≫でキラッキラな外見です。
零十/「うわー、あのお兄ちゃんハンサムー!」
GM/「やっぱ櫻井声ってスゲー!」(一同笑)
凪/一寸さんには絶対に負けない! ≪完視≫で、どういう手で来るのか相手の動きを読みます。
夜苺/凪ちゃんって負けず嫌いだよね〜。よちごは応援してるね。わ〜わ〜!
零十/おじちゃんは若い者の動きについていけないから、審判をやってるぞ。なお、この審判はテニプリの審判並みに無能である。
夜苺/ネット炎上する? ネット炎上させる? テニプリってよく知らないけどコートが火災になるって世界だよね!
零十/恐竜が絶滅したのもテニスのせいって世界だよ。
一寸法師/炎上する……と思ったぐらい≪ヘル≫+≪インドラ≫+≪デスブリンガー≫的な熱いスパイクをキメます! ぺしーん!
凪/それを≪水霊操作≫で水の精霊さん達にお願いして、ブロックしてもらいます!
GM/無意味に凪ちゃん側がダブルスになった。よりテニプリぽくなったな。
零十/そっとビーチボールが割れないように≪白き守り手たち≫で守っておきます。あんなゴムの塊が耐えられる訳ねーじゃん!(笑)
夜苺/ヘルプイベントキー:狭山様の効果で見事なスパイクに「グッドです」と言います。
零十/……狭山さんに「グッドです」って言われたい(笑)
一寸法師/≪水霊操作≫のブロックをぬうように、≪ペネトレイトアイ≫で隙をつこうとします! ≪シュテンドウジ≫+≪オールラウンド≫で渾身の一撃!
凪/その本気を全力で受けるということで、≪瞑目の力≫! さらに私は≪守護霊≫の力も加えまして、スパイクを打ち返します!
GM/この2人、あまりに本気である。
零十/ホントだよ! あまりにも大人げないな!(笑)
一寸法師/凪殿の実力はちゃんと知っているから本気でござる! ……ホントに大人げないな!?(一同笑)
GM/しかもこの勝負、バレーボールというよりバドミントンぽいぞ(笑) これはもうAF判定とは関係無く、勝敗を決めましょう。自分の得意な【能力値】で判定して達成値勝負をしてみて。
一寸法師/面白い、【反射】で判定します。せーの、ぴゃっ!(ころころ)達成値16です。
凪/私は【理知】で!(ころころ)……達成値11です。
GM/大人げなく一寸法師が勝ちました。
零十/砂浜にビーチボールがめり込んだ!
GM/(佐世子や子供達になって)「すごーい! 都会の人ってあんな見えないボールの動きをするんだー!」
零十/いやいやいや、あれはなんというか、万国人間ビックリショーというか……(笑)
一寸法師/良い汗をかいたでござる! 凪殿は流石でござる! ≪トイボックス≫のお椀でお茶を飲む!
凪/英霊は伊達じゃないって言ったところね……! でも次は、絶対私は負けない!
GM/子供達が入っていけない空気にするな(笑) 特技使用数は17個なので、『現在難易度:1』だよ。
零十/ファンブルさえしなければ成功だよ。
一寸法師/フラグやめて。(ころころ)成功、厄を落として達成値14です!
GM/その遊びを見て楽しんでいた佐世子が言います。「都会の人って見たことのない遊びをするんだね」
一寸法師/これは、序の口でござる!
GM/「私……あまり、本土の人のこと、好きじゃなかったの。1ヶ月前ぐらいのお役人が来て、『この島をどんどん開放していきましょう! 良い島ですから!』と言ってくれたけど……」
凪/何かあったの?
GM/「ううん、そういう訳じゃないの。ただ……怖くて……」
零十/怖い?
GM/純粋に、都会は知らない人がいっぱいいて怖いと佐世子は語ります。「お父さんもお母さんもおじいちゃん達も、外と繋がるのはあまり……と思っていたからかな。私も外に出たいとは思ってないの」 まず第一に、本土に行くまでが危険であること。そして文明開化真っ最中、激動の時代の首都の良い噂を聞かないこと。だから怖がっているみたいですね。
一寸法師/その気持ちは判るでござるよ。難所もあるしなぁ。
零十/無理して外に出る必要も無いし、外から来てもらう必要も無いし……。乗り気にならないのは、判るよ。
GM/「それに、お都会は犯罪が凄いって聞いたよ。人攫いとか、殺人事件とか、この島じゃ考えられないような酷い事件がたくさんだって……」 この島しか知ることのない少女は、そう言います。
一寸法師/うーん……怖い人はいないとは言えないけど、それ以上に楽しいことや面白いことは、ここには無いものがたくさんあるでござるよ。なかなか悪くないでござる。
GM/「……旦那様も、同じこと言っていた」 『イベントキー:旦那様2』を差し上げます。彼女は彼女なりに、この島のこと、旦那様が言う「外も良いもんだよ」という言葉を真剣に考えているようです。
一寸法師/……導真様は、外に出るように勧めているんだね。
零十/そうなんだな……。旦那様のところに、行ってみようかね?
凪/ですね。もっと詳しい島の事情が聞けるかもしれません。
GM/ではシーンの終わりに、【理知】判定で難易度15に挑戦することができます。やりたい人はどうぞ参加してみてね。
零十/(ころころ)よし、成功!
GM/「佐世子〜! そろそろ帰ってこーい!」「あ、お父さん! はーい!」 佐世子ちゃんのお父さんが佐世子ちゃんを呼びます。そのお父さんと誰かが似ていると思います。
零十/ん?
GM/ただし、この時点は誰に似てるという答えは出ません。零十さんは、この人は誰かに似てるな、と思っただけです。
零十/……お父さんが、誰かにですか?
GM/はい。……以上で、このシーンを終わりに致します。


 ●ミドルフェイズ4/凪 〜島の主〜

凪/なんだか気になることが判りましたけど……今日は導真様のところへ行きましょうか。
零十/今度は零十が協調行動します。(ころころ)達成値11で大丈夫、行こう。

『AF判定:島の主と過ごす』
 ・使用能力値:【理知】
 ・難易度:20

※「島の主と会って過ごす」演出に成功すること。
 成功すると、島の主と交流ができる。
※協調行動OK。難易度:8。
※『イベントキー:旦那様2』がなければ判定できない。


GM/導真様は、村長の家らしく他の家屋より少し大きめなお家に住んでいます。海辺の家々よりは中央の森に近い場所に建てられているので、少し歩きますね。
凪/導真様が超越的存在であるというお話は聞いていますので、行く最中≪千里眼≫を使用しまして、お家の周囲がどうなっているか確かめてみます。
GM/よくある田舎のお偉いさんの家であり、それ以上の何かは発見しません。
一寸法師/なるほど、ヤバみは無い。
凪/≪瞑目の力≫で、頑張るぞと自分を奮い立たせておきます。
夜苺/頑張るぞー! おー!
零十/さっき≪物品調達≫で手に入れた≪興奮剤≫を飲んで気合を入れます。
一寸法師/ファイト一発!
零十/≪ミュトス≫で導真様……ドーマサキエルについて思い出します。あの人どんだけヤバイのかな、でも敵対的な感じじゃないんだよなー……と自分を≪叱咤激励≫します。
凪/≪誘いの御手≫で、行きましょうかとみんなを誘います。てくてくてく、お邪魔しまーす、ごめんくださーい。
GM/ごめんくださいと君達が村長宅を訪れる。ちょうどそのとき、村人達の会合が終わったところでした。……会合というと事務的な仕事みたいなので、ここは「お茶を飲み終えて解散!」と言っておきます。
零十/アットホームだ。
GM/「導真様、ごちそうさまでしたー」「おや? 金本さんちの居候さんが来たぞー」「じゃあワシらは退散するかのぉー」 村人達はニコニコと帰っていきます。そして……銀髪紫眼の青年、導真様が「どうもこんにちは」と現れます。
凪/その導真様を≪完視≫! どういう人となりか、よくよく見ようとします。……凪は導真様にお会いするのは初めてだから【正気度】判定しますか?
GM/そうだね、しておこう。夜苺も一緒に判定しておこうか。零十さん達から事前に話を聞いていたということで、難易度10でいいよ。
凪/(ころころ)達成値14で成功です。
夜苺/(ころころ)よちごも成功。でもビクッ。
零十/ビクッとした夜苺の前に立って庇う感じで、≪白き守り手たち≫。
夜苺/わー、お父ちゃん、すきー!(笑)
凪/ビクッとなりながらも、己の勇気を奮い立たせます、≪瞑目の力2≫。私も≪守護霊≫に守ってねとお願いします。
一寸法師/拙者もいるでござるよー! キリッ(笑)
GM/以上で使用特技が10個です。もう『現在難易度:1』になってますよ。
凪/それでは【理知】で判定します。(ころころ)高い、達成値16で成功です!
GM/「よく来てくれたね、お茶を飲んでいくといい。さっき村人に出していたものと同じで良ければね」 導真様は、お家に君達を招待します。家の中には導真様以外いません。
一寸法師/お邪魔します!
零十/すみませんね、大所帯でー。……お一人で住まわれているんですか?
GM/「ああ。自分はご飯を食べる必要が無いし寝る必要も無い。身の回りの世話をする者はいないんだ」
凪/……必要が無いっ?
GM/「で、君達はどこから来たんだい?」
一寸法師/んー……それは……。
零十/……単刀直入に訊きます。貴方も、何の為に、ここにいらっしゃるのですか?
GM/「おや、先に質問をしてくるか。じゃあ判りやすくするため答えておこうかな。オレは、500年前に堕天してきたんだよ」 堕天とは、神様の住む『上階』からこの世に……出力を落とした姿になって降臨することです。神そのものが降りると大変なことになるのでね。
零十/で、ですよね……。
GM/「オレの本名はドーマサキエル。本職は邪神をやっている」
一寸法師/えっ。……ご本人!?
GM/はい、ご本人です。
零十/眷属とか装具とかではなく!? ドーマサキエルご本人!?(笑)
GM/イエスご本人。「実物は人間の世界にいられない形をしているんだ。君達の視界に入れないぐらい大きい。実際見たら1D100のSANチェックが必要かな
一寸法師/そのままでいてください!(笑)
凪/ゲームオーバーしちゃう!(笑)
零十/だ……堕天の目的は……?
GM/「趣味の人間観察で。結構いるんだよ、旅行で来たとか、ボランティアで来たとか、人間に混ざって遊びに来たとか、純粋に殺したいから来たとか、そういう神ってわりといる」
一寸法師/か、完全に趣味で……!?(笑)
零十/例えばですけど……「ここにいる島民達を生贄にしてどうにかこうにか」という訳ではない?
GM/「ノンノン。普通に暇潰しでやって来ただけの神だよ
零十/暇を持て余した神々の遊び……!(笑)
GM/「そうそう。本職は邪神だから、この世界を滅亡させようとしているんだけどさ。たまには休憩も必要だろ? そう思って最初は遊びで堕天してみたんだが……ぶっちゃけ、愛着がわいちゃって」
一寸法師/わあっ。村人に……情がわいちゃったと?
GM/「うん。500年なんて神様からすると1ヶ月にも満たない感覚だけど、考えてごらんよ……。小さな生き物が、懐いてくれるんだぞ?」 とりあえず気まぐれで飼い始めた子猫達がにゃーにゃー懐いてくれたら可愛いって思いますよね?
零十/アッハイ(笑)
凪/子猫がいっぱいにゃーにゃー、「導真様ー、導真様ー!」って無条件に懐いてくれたら……確かに可愛いですよね(笑)
GM/しかも人間なんてちっぽけな存在、一番可愛い子猫から成長しないようなもんですよ。100人ぐらいしか増えないから、さほど多頭飼いでもないです。みんな「昔からの守護神だー!」と崇めてくれるから、噛み付くような子猫もいない。接しているうちに、「島民と過ごすの良いな〜」って思い始めたと導真様は言います。
一寸法師/良い神様だ……(笑)
GM/という訳でゆったり暮らしていたのでした。以上。
凪/以上!(笑)
零十/なんだ……その……。うちの娘が作ったお菓子でも食べなよ(笑) これはもう話してもいいかな? 我々は導真様もお察しの通り、この時代の人間ではありません。約100年後の世界からうっかりタイムスリップをしてきてしまったのです。
GM/「多分それ、オレの力のせい。1週間前にあそこでラジオ体操中にクシャミをしたからだ
一寸法師/鳥居の前でクシャミしたら次元が歪んだの!?(笑)
凪/クシャミで!? そんなあ!?(笑)
GM/ドーマサキエルは時空の神様ですからね。歪みぐらい平気で生んじゃうそうです。
一寸法師/さすが神様は規模が違うな!(笑)
零十/ど、どうして我々がこの島で来たかというと……。9月1日に大きな地震があって、その影響で島が津波に呑まれてしまう大災害に見舞われます。そのとき亡くなった人達の霊魂が原因で、約100年後の午咲島は怨霊の住処になってしまいました。その怨霊達を浄化するべく、我々が来たのです。
GM/それを聞いた導真様は、本当に悲しそうな顔をします。「ああ、彼らは怨霊になるのか。……それもまた、オレが原因だろう」
凪/貴方が怨霊化の原因?
GM/「死んだ島民達は、突然の死に惑って成仏できず、オレに助けを求めに来たのだろう。そしてオレは邪神だ。迷える魂を自分の眷属にすることなんて容易い」
一寸法師/……それは……。
GM/「彼らを普通の幽霊ではなく、『負の感情』を求めて暴れる異端……怨霊にすることで、ただ苦しむだけの彼らを救うのだろうな」 異端の神は悪いやり方で、彼らの「なんで死ななきゃいけなかったんだー!」という鬱憤を、暴力という方法で晴らしてあげたのでしょう。
凪/……貴方が、村人の為を想って、怨霊にしたと?
GM/そのようです。導真様は島民を愛してます。村人が「苦しいよ〜助けてよ〜どうすればいいんだよ〜」と縋ってきたなら、「じゃあその苦しさを他人を殺して晴らそう」と異端的に導いてやることで助けてあげたのでした。方法はアレでも、導真様なりに島民を想った結果が、オープニングのマスターシーンなのです。
一寸法師/……そうだったのか。
零十/島民を怨霊にしないためには、どうしたらいいですか?
GM/「死ななきゃ怨霊にはならないよ。もしくは……島民が死んでも、オレがいなければ、怨霊にはならない」
一寸法師/あ……そっか。
GM/「怨霊になった島民達を全て浄化するには難易度80000ぐらいは必要だろうね。でももし、オレがこの島からいなければ……難易度8になるんじゃないかな?
零十/……簡単っすね。
GM/普通の[霊媒師]だったら浄化できるね。
凪/で、できなくはないです……。
一寸法師/でも……それって、導真様がいなくなるってことでしょう?
GM/そうです。導真様にはデータがあり、戦闘して倒すことが可能です。PC達が導真様と戦って勝つこで、例の浄化判定は難易度8になります。
一寸法師/うーん、それも手段の一つなんだけれども……なるべくは、導真様を……生かしたいな。
零十/……島民を生かせばいい。それなら、導真様を殺す必要は無いですよね?
GM/ではこの辺りで、このセッションのクライマックスフェイズについてご説明しましょう。ここでPC達はどうするか、ご相談ください。島民を救う手段があるなら提案してくれれば、GMはそれに見合った「ラストバトルAF判定」をご用意します。もちろん「導真様と戦闘する」という選択肢もありますので、ご自由に決定してください。
凪/えっと……導真様は、戦闘してもいいと考えているんですか? 我々が倒そうとしても……。
GM/導真様は「別に構わない」と言います。君達は、出力を落としてただの人間のふりをしている彼の器を殺すことができます。それによって得られるボーナスは、浄化判定は難易度8になることのみで、ペナルティはありません。ただ村人が凄く悲しむだけです。
一寸法師/それなんですよ……出来ればしたくない(笑)
GM/同時に、導真様は「災害でみんな死ぬよ!」と言っても「別に構わない」と言います。人間はいずれ死ぬ、死んで助けを求められたら眷属の怨霊にしてやる……そう考えているため、島民の死も「それはそれでありか」と受け入れています。
零十/でも……死ぬのは、島民が苦しむのは悲しいと思っているんですよね?
GM/可愛い子猫達がみゃーみゃー泣いてたら悲しいと思いませんか。
一寸法師/超悲しい!
GM/でも同時に「よく判んないけどみゃーみゃー鳴いてる! 可愛い!」って思いませんか。
零十/言葉が通じない状態から、そうなっちゃうかもな(笑) ……島民を、外に出したらどうだろう? 地震が訪れる前に島民を本土へ避難させるとか。
GM/「島民達は『島を出ていくメリットが無い』と先日言ってたばかりだよ」
凪/そうだった……保守的だった。
零十/それでもみんなを生かすとしたら……島民全員を避難させる、または、津波が来ても大丈夫にする、かな?
一寸法師/シェルター的な何かを作ったり?
零十/みんなを高台に誘うのはどうだろう。
GM/この島で一番高い山を調べてみるといい。【体力】判定で難易度10に成功すれば、地理を確かめることができます。ひとっ走りしてくるといい。
一寸法師/【体力】で行ってくるでござるよ!(ころころ)おっ、出目が良い。達成値15で、サッと行ってスッと帰ってくるでござる。
GM/成功した一寸法師は思います。「山の頂上なら津波が来ても生き残れそうな場所だ。そこに100人の島民を集めておけばOKなのでは?」
一寸法師/やったー! いいかんじの場所を見つけたでござるよー!
零十/じゃあ、どうやって島民を誘導するかだな。……導真様は、島民に凄く信頼されているんですよね?
GM/そうだね。
零十/導真様が誘導したら動いてくれるのでは? ……未曽有の大災害で亡くなるよりは、島民全員を避難させて朽ちていった方が貴方も彼らも幸せなのでは?
GM/消極的というか、「なるようになれ」精神の導真様が味方をしてくれるか。【理知】判定で対抗判定をしてみましょうか。(ころころ)こちらの達成値は14なので、達成値15以上を出してね。
零十/……ヘルプイベントキーの≪死線≫を使って、難易度を下げていいですか?
GM/OKです。出目が変更され、難易度10まで減少されました。……ちなみに、ヘルプイベントキーの一本松さんとどのようなご関係で?
凪/確か、ヘルプイベントキーの関係は「戦友」でしたよね?
零十/零十が機関の協力者として、何度か一緒に仕事をこなしたって感じですね。
夜苺/あっ、よちごは朱指にいた! 御臓は他の部署を経験してないと入れないから! ……朱指だったのでお父ちゃんのことも知ってた! そういう繋がりにする〜!
零十/おー。じゃあ零十は、朱指の一本松さんと一緒に煙草を吹かしていた仲ですね。
夜苺/よく一本松さんと「上司の『グッドです』は……無いよな……」って愚痴ってたよね!
零十/「エクセレントです」も、つれーわー……緊迫したときに聞いちゃうと、気が抜けちゃうっていうか……(笑)
夜苺/という、機関時代の思い出話をしました!
一寸法師/ありがたみがあるんだか無いんだか(笑)
零十/それで、≪コネ「教会」≫を使用して交渉判定をしてみます。(ころころ)げっ、ファンブル!?
凪/えっ、ここでファンブル!?
GM/あー……ではファンブルの結果、導真様は「どうせ人間は死ぬんだ、ここで死ぬのもいいだろ」と言い始めちゃいます。
零十/うわあ! ≪コネ「教会」≫を切った上に、機嫌を損ねちゃった……!
一寸法師/そ、それでも……! 何も働きかけずにそれが定めだと言ってしまうのは、少々もったいないでござるよ! 村民達に慕われている貴方なら、貴方の言葉で、みんなの死の運命も変えられるかもしれない!
GM/「『正なる神』達にここで死ねと定められた運命を変えるのかい?」 難易度10だった交渉ですが、ファンブルが出たため難易度12の状態で判定していただけますか?
一寸法師/良い運命に変えることは良いことでござる! ≪英霊「ライダー」≫+≪+50カリスマ≫で、ダイスロール+5をするでござる。(ころころ)達成値14です!
GM/「……良いことは起こせるかもしれない。でも、代わりに悪いことが起きるかもしれないよ」 そう言いつつも、導真様は君達の提案を受け入れてくれます。
一寸法師/感謝するでござる! ぺこっ!
零十/良かった! 話が分かる神様だ……!(笑)
GM/導真様は零十さんに「大人げないこと言ってごめんよ」と言います。
零十/こちらこそ……大変失礼なことを言ってすみません。じゃあ、村民達に被害が出ないように誘導する方法を考えなきゃ……。
凪/……避難訓練をするとか? あとは、お祭りを開く?
一寸法師/ああ、高台でお祭りをしようって?
凪/ここの島民、みんな仲良しだし……足の悪い人達がいたら私達が手助けしてあげて、高台まで来てもらえば……。
一寸法師/ありだと思うでござる! 一番平和で、平穏で、お祭りだったらある程度食糧も運んでいけるでござる!
零十/どのタイミングで地震が起きるか、我々現代人は知っているよね?
GM/ええ、現代人は知っています。関東大震災はお昼頃、11時58分に発生します。
零十/その時間までに村人全員を山の頂上まで誘導できればいいじゃないかな! やらない善よりやる偽善だ。少なくとも怨霊になって死ぬよりかはずっとマシだと思う。
凪/夏の終わり、お盆祭りには遅いけど、秋の収穫前に……実り多きことを祈ってお祭りをしましょう!
GM/「ではオレが村人達に、9月1日に祭りをしようと呼びかけよう」
一寸法師/ありがとうでござる! 色んな理由をつけてみんなに集まってもらうでござるー!
GM/では……クライマックスフェイズの内容は決定しましたね。プレイヤー間の話し合いの結果、以下のようなAF判定が出来上がりました。

『AF判定:祭りを開く』
 ・使用能力値:【幸運】
 ・難易度:50

※「9月1日、島民全員を山頂に集め、11時58分を迎える」演出に成功すること。
 成功すると、島民を地震の被害から救える。
※協調行動OK。PC全員参加可能。



 ●クライマックスフェイズ 〜運命〜

GM/本日は9月1日。既に10日も島で過ごした君達は、すっかり島民と馴染みました。導真様主催のもと、突然開かれる祭りの準備に朝から追われます。
一寸法師/祭りでござるー!
夜苺/祭りでござるー!
零十/零十は≪マイガーデン≫を持っています! なので俺をシーンプレイヤーにすれば、AF判定の難易度減少率が4で判定できます。
凪/それは凄い。ぜひともお願いします!
GM/この卓で唯一の振り直し特技≪悔改めよ≫は零十さん自身には使用できないので、ファンブルには気を付けてくださいね(笑)

『AF判定:祭りを開く』
 ・使用能力値:【幸運】
 ・難易度:50

※「9月1日、島民全員を山頂に集め、11時58分を迎える」演出に成功すること。
 成功すると、島民を地震の被害から救える。
※協調行動OK。PC全員参加可能。


GM/9月1日の朝。「なんでお祭りなんかするんだよー?」なんて文句の声は上がりませんでした。みんな「お祭りか! 良いねえ!」という好意的な声ばかりです。それでも「山頂なんて場所でやらんでも……」と言うご年配の人達はいるでしょう。
一寸法師/そうだ! 足の悪い人が登りやすいように、道に危ない物が無いか≪デスブリンガー≫+≪ヘル≫+≪インドラ≫で壊したり斬ったりして、整えておきます。
GM/おー、道を作ってくれた。
零十/それを≪白き守り手たち≫で舗装します。あまり元気の無いおじいちゃん達や、「楽しそうだけど外に行くのは大変よねー」と言ってるおばあちゃん達に、まだ若いじゃないですかと≪叱咤激励≫します!
凪/それでもなお「大変だねー」と言うご老体に対しては、≪魂を纏う腕≫でどうぞこちらですと自ら手を引いていきます!
一寸法師/お手伝いとして≪オールラウンド≫+≪シュテンドウジ≫の強い身体能力で、1人ずつ背負っていきますね。
夜苺/怪我したら言ってくださいねー! ≪コネ「現場復旧委員会」≫で培った腕がありますんで!
凪/≪千里眼≫でチェック! 村に残っている人はいないかなー?
GM/一人ぐらいは無視してる人、いるかも。
凪/「祭り? 遠慮しておくよ」ってお仕事をやっている人に対して、「ぜひ貴方にも参加していただきたいのです!」と≪誘いの御手≫!(笑)
GM/そこまで入念にチェックしたなら……完全にお集まりいただけるでしょう。凪ちゃんの≪千里眼≫で人っ子一人いないことを確認。鶏とかも連れてきています。
凪/鶏や山羊もみんな連れてきたぜ!(笑)
零十/お祭りなら、盛り上げるために≪アメノウズメ1・2≫+≪ミューズ≫+≪+50音感≫で盛り上がる曲を祭ばやしで流してもらいます!
GM/おー、雰囲気作りをした。
一寸法師/盛り上がる手伝いとして、≪却奪:目≫+≪ソウルデバイス≫で、綺麗な物を……鬼退治の財宝を装飾っぽい物をいくつか取り出して、会場に目を奪うような飾りつけをします!
夜苺/よちごは≪食物錬成≫+≪+50おいしそう≫でご馳走の準備をする! あと保存食も用意する〜!
一寸法師/保存食の準備、いいね!
凪/私は……お祭りを盛り上げるため、≪興奮剤≫を混ぜた飲み物を作ります。
零十/酒だ!?(笑) その酒は俺が≪物品調達≫で調達した! 俺の≪興奮剤≫を追加!
夜苺/よちごもジュース作るー! ≪興奮剤≫を追加〜!
GM/これはみんなで飲め飲めって島民にお注ぎしてるんだね(笑) 使用特技数は22個です。零十さんの≪マイガーデン≫の効果で既に『現在難易度:1』ですよ。
零十/皆さんお祭りに来てますかー! 一人も残さず頂上に連れてきてるなー!?
凪/私の≪千里眼≫で確認済みです! オールクリアー!
零十/オールグリーン! 振りますよ。(ころころ)よし、成功です。
GM/これでファンブルだったら面白いのに。
零十/そんなことになったら立ち直れない! 俺が怨霊になっちゃう!(一同笑)
GM/11時30分を過ぎたあたりから、飲んだり食べたりドンチャン騒ぎ。島民全員が集まって楽しいランチが始まります。……そして、11時58分。ゴゴゴゴゴ。
零十/……きたか。
GM/まずは小さな余震。でも誰もが揺れていると判ります。
凪/ぐらぐらぐら!
零十/おっ、酔っ払っちゃたかなー?
GM/それから……ドンッと体験したことのないような爆発的な揺れを感じます。さすがにこれには「やばい地震だ!?」と不安がる声が出ます。ですが導真様が「落ち着いて。ここに居れば全員無事だ」と一声。騒ぎには、なりません。
一寸法師/おー、さすが!
GM/ですが、酷い揺れでした。きっと村の脆い家屋は、倒壊したことでしょう。耳が良い人ならそれを思わせる轟音が聞こえたかもしれません。
凪/うっ……それは……。
GM/「ほ、本当にこのままで大丈夫……?」「平気だよ……導真様がそうおっしゃってる」「でも家が……きっと崩れて……」 皆が皆、不安がっています。それはもちろん佐世子ちゃんも例外ではありません。かなり震えています。
零十/怖いよな、やっぱり……。
GM/そして高台に居るからこそ判る。……大津波が、この島に近寄ってきていることに。
一寸法師/うわあっ……。
GM/君達は「絶対に無事」と判っています。それでも自然が起こした驚異的な暴力を目にして、体が震えるかもしれません。一般人である島民達は当然怯え、誰もが無事であることを祈り始めます。佐世子ちゃんは今もなお「なにあれ……怖い……怖いよう……」と怯えています。
零十/大丈夫。このままここで大人しくしていれば、津波はここまで来ないから安心して。
凪/そう。ここが一番高い所だし、導真様もここなら大丈夫だっておっしゃってたから。
一寸法師/だから、安心して。ぽんぽん。
GM/佐世子ちゃんのお父さんも「大丈夫。安心して」と零十さんと同じことを繰り返します。……【理知】判定で難易度12ができます。
一寸法師/随分、難易度が下がったね? ヘルプイベントキーの魔鏡のカケラを使って、≪コネ「魔法少女」≫で成功させます!
零十/では俺のときのように、魔鏡様との思い出を語っていただこう!
一寸法師/太腿が綺麗でした。二の腕が綺麗でした。
GM/でもおっぱいは無かった。
一寸法師/全てのポイントは足だ! おっぱいがストンだったがあれば最高だった!
GM/しをんちゃん、ごめんな。
一寸法師/(←魔鏡のモデルである しをん の中の人)やかましい。(ころころ)クリティかった。
GM/ではクリティカル成功の結果、こう思います。佐世子ちゃんのお父さんの声が、零十さんとそっくりだということに。
零十/……えっ?
GM/零十さん自身も、自分のの声に似ていると思います。
一寸法師/あれっ?
凪/……零十さん?
零十/……俺?
一寸法師/えっ……ご親戚? ご先祖?
GM/「うん、分かったよお父さん……みんなと一緒に居れば、みんな安全だよね。死なないよね。みんなここに居るんだもん……ここでみんなと一緒にいれば、大丈夫!」 そう佐世子ちゃんが言っている横で、なんということでしょう、零十さんの体がどんどんと透けて無くなっていきます。
零十/え?
一寸法師/……待って!?(笑)
凪/えっ! えっ!? どういうこと!?
GM/その様子を、導真様はニッコリと笑って眺めています。
凪/な、なんですか!?
零十/なんすか!? そのご満悦な顔は!?
GM/(導真になって)「言っただろう。良いことが起きるけど、悪いことも起きるかもしれないって……ふふっ」 その間も、どんどんと零十さんの体が透けていきます。「本来の歴史では、津波に攫われて大勢が死ぬんだろうね。でも……人間はしぶとい。全滅した訳じゃない
凪/えっ!? ……す、すみません、私も混乱しています! どういうことですか!?
GM/「島民100人が、全員死んだ訳ではなかったんだよ。数人は奇跡的に生き残り、壊滅した村を捨て、本土に渡ったんだ。とある少女もまた生き残り、家族を亡くし、一人で本土へ行った。……そこで良い人と出会って、母親になるだろう」
零十/……あ、そういうことか!
凪/つまり……佐世子ちゃんは……。
零十/……俺の、おばあちゃん、かな!?
GM/その通り、PC1のご先祖様です。「一人になった金本 佐世子は、天涯孤独の身で本土に向かい、淡海という男性と出会う。それが運命だった。しかしオレの影響で時間を越えてきた君達は、『正なる神』が設定した運命を捻じ曲げてしまった。両親もご近所さんも全員無事で前向きな今、彼女が本土に行く理由が無くなったからね。それによって『今後生まれてくる筈だった命』を歪めてしまったんだ。楽しくなってきたなぁ
零十/この邪神ッ!(笑)
一寸法師/やっぱりおめー邪神じゃねーか!(笑)
凪/そのまま信じちゃいけなかったのか……!(笑)
GM/普段の『AW』は、異端によって歪められた死を止めるため『正なる神』の装具である龍の聖剣がPC達をタイムスリップさせます。ですが今回は、異端による死は発生してません。君達は、君達の力で、運命を捻じ曲げてしまいました。なので零十さんの死を救いにくる誰かが現れることはありません。
零十/そうだね……あっはっは! どうしよう!?(笑)
一寸法師/このままだと、零十さんが生まれなくなっちゃうよ!?
GM/最後の口プロレス戦闘、始めます。リアルタイム5分以内に事態を解決してください。何もしないと5分後、淡海 零十という存在は消滅します。
凪/ええええっ!?(笑)
GM/よーいスタート。
零十/このままだと遺影になっちゃう! イエーイ!(笑)
一寸法師/……佐世子ちゃんが、本土に行けばいいんだろ!? 行かせればいいんだ!
零十/おんもに出さねば!
GM/この島は良い島です。本土に行くのも大変です。みんな行かなくていいって言ってます。そのみんなは全員生きてます。現在の佐世子ちゃんの本土に行く気はゼロですよ。
一寸法師/でも……! 実際、村は壊滅状態だ!
GM/100人全員、働き盛りも子供も生きてます。みんなで復興すれば早い筈。
零十/けど津波に攫われちゃった村を復興するのは難しいよ! やっぱり外に出た方がいいんじゃないかな!?
GM/(佐世子になって)「どうしたのみんな? さっきから慌てて……」 残り時間、4分。
凪/わああー!?(笑)
GM/ヒントです。佐世子ちゃんにとあるキーワードをぶつければ、彼女は考えを改めるでしょう。頑張って。
凪/……佐世子ちゃん! でもこの先、同じようなことが起きないとも限らない。だから島の生活は危ないよ……。
GM/「島を捨てろと言うの? ……そう簡単に故郷を捨てられるものだと思っているの?」
凪/ご、ごめん。それはこっちの言い方が悪かった。捨てろって言いたい訳じゃないんだ……。
一寸法師/ここにいれば、確かにみんなの命は安全でござる……。でも、余震はこれからも続くと思うでござる。それよりかは、島じゃなくて本土に行って暮らした方が……。
凪/それに船も流されちゃっただろうし、なかなかお家を1から建て直すにも大変だと思う。そんな貴方にオススメしたい、それは出稼ぎ!(一同爆笑)
零十/夜中の通販番組みたいな流れになった!(笑)
凪/まあねえ、確かに世の中……都会って怖いです! 怖い人はたくさんいます。でもね、そこは賢くなるしかないと思う!
零十/「えー!? でも怖い人たくさんいるんでしょ! 私怖いわ!」 ……ごめんなさい、通販番組のノリを言わずにいられなかった(笑)
凪/そんなときは素敵な男性に頼っていけば安心! きっとその人は将来きっと結婚する人よ!(一同笑)
GM/余計に怖がらせるようなことを言うなよ(笑) 残り時間、3分。
凪/何かあったら……誰かに相談する! 貴方の怖いという心が軽減されると思います!
一寸法師/それに君1人で出て行くわけじゃないでござる。お父さんやお母さんと一緒に出ていくことになる。
GM/おっ、「生還した両親のこと」を言ってくれた。現在、難易度30の【理知】での交渉判定に挑戦できます。
凪/あっ、判定ができるようになった! もう少しだと思います……!
零十/村全体の問題なんだから……村の人達みんなで街に移っていけば、寂しいという気持ちは無くなるんじゃないかな?
一寸法師/それに……ここまで魅力的なおなごなら、本土で良い人が見つかるかもしれないでござるよ。
零十/君ぐらいの子が外を見ないで一生を過ごしてしまうのは、凄く勿体無いと思う。世界は君が思っているよりもずっと広い。もっと色んな経験を積めば、それは巡り巡って、村の為になるんだよ。……逆に訊くけど、佐世子ちゃんは何が怖いの?
GM/「行ったことのない所は怖いよ」
零十/行ったことがないのにどうして怖いって判るの?
GM/「……みんなが怖いって言ってるから」
零十/自分が確認してないのに怖いのかい? みんなが怖いから怖がるという気持ちは判る。でもそれで佐世子ちゃんはいいの? 怖がってばかりで一歩を踏み出さなくていいの? もし都会に出て怖かったら……君には島という帰ってくる場所があるだろう?
GM/……「無くなってない島」のことを言ってくれた。難易度20の【理知】での交渉判定に挑戦できます。
凪/私が【理知】を振らせていただきます!(ころころ)令呪をください!
夜苺/凪ちゃん、はい令呪! グッドでーす!
零十/また狭山ちゃんの癖が!(笑)
凪/令呪を貰って、達成値30ですね! ……広い世界に出て来ることも、悪いことじゃないよ! 怖いこともあるかもしれないけど、その分……楽しいことも返ってくるよ!
GM/ゴゴゴゴゴと津波が押し寄せます。高台から、漁村が流れていく風景を目撃します。恐怖体験ですね。
凪/は、はい……。
一寸法師/ひええ……。
GM/……零十さん。体が透けていないことに気付いてください。
零十/戻った!(笑) 実体を伴ったー!
一寸法師/良かったー!
GM/佐世子は「ところでなんでこの人は透けてるんだろうなー?」と思ってはいたけど口を出さずにいました。
零十/きっと涙で潤んでたんだよ!(一同笑) 津波で怖かったんだもん、仕方ないね!
GM/村が大津波で壊滅していくところを目撃しながらも……佐世子は説得してくれた凪ちゃんの手をぎゅっと握りながら、呼吸を整えます。その目には、数分前には無かったある決意が芽生えているものでした。……これにてクライマックスフェイズ、終わりに致します。


 ●エンディングフェイズ 〜そして現代へ〜

零十/いやー……まさかこんなところでキャラロストするとは思わなった(笑)
一寸法師/ビックリしたでござるー(笑) 変な汗をかいたのでお椀でひとっ風呂浴びたいでござる。
GM/それ、船だけじゃなく風呂釜的な仕事もするんだ……(笑) 大津波は、島民が逃げていた高台の寸前のところまで来ていました。建物は全部流され、村民達は物凄い大ショックを受けております。
零十/そりゃそうですよね……。
GM/あそこには家財があった。自分達はこれからどう暮らしていけばいいんだろうとざわめきます。しかし、そこに導真様が一言。「みんな、よく生き残ってくれた」
一寸法師/あっ……。
GM/その一言が、皆が前向きに生きるスタートになった。「みんなでここに集まっていて良かったよ!」「奇跡だ!」「お祭りを企画してくれてありがとう!」 全員が生き残っている喜びを、皆で分かち合っています。
凪/良かった……。
零十/それとなく話をしてみますか。……村の復興資金を貯めるためにも、外に出るのが良いんじゃないですかね?
凪/「よし! オラは出稼ぎに行く!」
零十/先導した!(笑)
GM/佐世子ちゃんもその先導の一人です。「お父さん! お役人さんが言ってたよ、何かあったら頼ってくれって!」「でも今頃、お役所さんだって大変だろ……」「けど言い出せば助けてくれるかもだよ! 声を上げないと救助に来てくれないかも!」 ……これは事実ですね。何も反応が無ければ見向きもされない、100年後まで放置されるかもです。
一寸法師/そうだった……。でも、100人も居て声を上げれば助けてくれるんじゃ?
GM/そうだね。声を上げればね。上げられる声を100人に増やしてくれたのは、PC達のおかげです。
零十/すぐに救助が来るのは難しいかもしれません。でも、みんなで声を上げれば本土だって動いてくれる筈です。時間は掛かるかもしれないけど、きっと。
GM/そう、みんな生きてるんだもの。大変だけど大丈夫。鶏も山羊もみんな生きてるんだし。
一寸法師/あらかたの家畜も頂上に連れてきたでござるー(笑)
GM/……数日後。本土から人が来たり、その船で島民も何人かが本土に行けることになりました。そして君達は好きなタイミングで現代に戻ることができます。
零十/鳥居にあるどこでもドアを通じて我々は戻れる?
GM/戻れます。ゲイトに関しては導真様が言おうか。「君達が言う現代に行ったとしても、怨霊が群がっている島にはなってないと思うよ」
一寸法師/きっと難易度8になってる!
零十/じゃあ……俺達は、船に乗る島民達と混ざるような形で、現代に戻るか。……導真様は、これからどうするんです?
一寸法師/ずっとここに……?
GM/「暫くはこの島に居るよ。でも島民が居なくなる日が来たら、きっとオレも消えているだろうね。……これは言っておくべきかな。オレを含め皆を悲しませないでくれてありがとう
零十/ヒュウッ。
凪/……邪神にお礼を言われたのは、初めてだよ(笑)
一寸法師/こんなこと、あるんだなぁ……(笑)
零十/じゃあ……適当なところで、切り上げて帰ろう。後片付けを手伝って、鳥居に向かおうとします。
GM/船に乗っていくということにして、佐世子とお別れするシーンをしましょうか。君達が島をついに出て行けると聞いた佐世子が駆け寄ってきます。……最後の説得に成功してくれた凪ちゃんの手を引く。
凪/佐世子ちゃん……。
GM/「2週間、一緒に過ごしてくれてありがとう。大変なときに、いっぱいお話してくれて……ありがとう」
凪/こちらこそありがとう。私も佐世子ちゃんと一緒に過ごせて、とっても楽しかった。
GM/「……お別れ、悲しいね。また会えないかなぁ」 佐世子は涙目です。
零十/よしよし。頭を撫でます。……大丈夫だよ、生きていればどこかで会えるから。
GM/「ずっと言わなかったけど、零十さんってお父さんに似てるよね」
零十/えー? そっかー? 年が近いからかなー?(一同笑)
夜苺/また会ったときは、お父ちゃんによろしくね〜!
一寸法師/そのときはよろしくでござるよ。
GM/「……縁があったら、また」
零十/……最後に、神父らしいことをしようかな。自分の首に下げていたロザリオを、佐世子ちゃんの首に架ける。
GM/「わっ、こんな素敵な首飾り! 貰っていいの!?」
零十/何かあったら神様がお守りくださるよ。いざとなったらこれを売って金にするんだ。
一寸法師/資金でござる!(笑)
凪/バイバイ。どうか元気で!
GM/ロザリオをぎゅーっと握って、笑顔で君達とバイバイします。……君達は船の上ではなく、断崖絶壁の鳥居までやって来ました。
一寸法師/じゃあ、帰るでござる!
GM/4人でゲイトを潜ります。……さっきまで綺麗な景色を見ていた島と似ている。ほぼ同じだ。だがどこか違う、まるで未開の無人島のよう。君達はこう思う。「きっとここは、さっきの島から100年経った場所だ」
零十/……現代に、戻ってきた。

『AF判定:怨霊退治』
 ・使用能力値:【体力】【意志】
 ・難易度:8
 ・ラウンド制限:1ラウンド

※「島中の怨霊を退治する」演出に成功すること。


GM/なんということでしょう、1ラウンドに難易度8に成功しないとクリアできないぞ!
零十/わー、なんて大変なんだー!(笑)
一寸法師/誰が振る? ……ここは、[霊媒師]の出番かな?
凪/ですね。≪断末魔の叫び≫がギャーと聞こえるけど、落ち着け落ち着けステイステイ。≪魂を纏う腕≫で、だまらっしゃい!(一同笑)
GM/ペーンって殴った!(笑)
零十/ステイかつパーン!(笑)
凪/いいかげんにしろ! 成仏しろ! しつこいんだよ! ちゃんと浄化しなさーい!(ころころ)達成値12で、成功です!
GM/浄化完了しました。おめでとうございます、教会の任務達成です。
一寸法師/ジュワッ(笑)
GM/……零十さんがスマホを確認すると、本日は8月21日。時刻は11時58分ぐらい。ボートで島に向かって数分後ぐらいでしょうか? 不思議なことに零十さんの中で、じわじわと「うちのばあさん、ロザリオをいつも持っていたような……」という記憶が浮かび上がってきます。
零十/世界が……改変されていく……(笑)
GM/同時に、PC達全員の中で「ある記録を読んだ」という記憶がじわじわと浮かび上がります。

 「午咲島。1923年9月1日の関東大震災によって発生した大津波に襲われたが、島民全員が生還したという奇跡の漁村」
 「しかし大震災後、なかなか復興が進まなかったため、10年後には島民全員が立ち退きをし、無人島になってしまった」
 「危険な岩場で死んだ怨霊が数体この島を占領し、8月21日の本日、教会のエージェント4人による『難易度8の浄化作戦』が決行された――」


凪/……結局、廃村になっちゃったんだ。
GM/なので、ここが無人島であることには変わりありません。ですが明らかに島の空気は清々しく、前向きな島民達が何人も住んでいたことを思わせる爽やかさな風が吹いています。
零十/大量の怨霊の住処にはならなかったんだ。……本土に戻る前に、導真様のお家に寄りたいね。
GM/可能です。導真様が住んでいたお家へ向かいますか。
零十/いるのかな……。ごめんくださーい。
GM/大津波によって倒壊した後、すぐに建て直され、暫くは島民達の共同住宅になっていただろう大屋敷。仲良く島民達が何年も住んでいた様子を伺わせる邸宅には……もう誰も居ません。人が住まなくなって何十年も経った廃墟になってました。
一寸法師/あー……引き払っちゃったかぁ。
GM/ですが、みんなでお茶会をするような居間に、何故か手紙らしきものが置いてあります。
一寸法師/おや? 手紙があったでござるよー。ぺらっ。
GM/『元気?』
一寸法師/……一言?
零十/……元気です。おかげ様で、元気にやっております!
GM/「良かった」 そんな声がどこからかした。
凪/ひいっ!?(笑)
零十/…………。導真様が座っていたであろう上座に向かって、一礼する。
凪/……同じく、一礼します。
一寸法師/ぺこり。
夜苺/ぺこっ。
GM/……では、君達はアーティファクト『ドーマサキエルの禁書』を手に入れてください。≪L:「ドーマサキエル」≫をゲットできます。

 ≪L:「ドーマサキエル」≫
 時空、時間、宇宙の力を司る欺く神ドーマサキエルの力を持つことを表わすライフパス特技。
 ダイスを操作する特技を1つ取得できる。例:≪悔改めよ≫、≪死線≫、≪霊異の鼓動≫、≪逆転運命≫、≪世界創造≫など。
 ただし代償として、「愛情が得られない」というセカイのイベントが課せられる。


一寸法師/き、禁書だー!(笑)
零十/ぎゃあ!? 俺、魔王の落とし子だから貰う! ≪逆転運命≫が欲しい!(一同笑) ……導真様、サービス満点か?(笑)
一寸法師/というか、「元気?」の一言だけ書いてある手紙でも禁書になるんだ。
凪/そんな雑な! 学生が授業中に書いたメモ書きが禁書になるんだ!?(笑)
GM/なりますね。このドーマサキエルの禁書があれば、ダイスを操作する特技が自由に取得できるようになります。ただし、「代償:愛情を得られない」なので、例えば零十さんが取得したらなんか婚期が遠退きます。
零十/結婚できなくなるのかよ!(笑) ……ま、まあ神父だし?
一寸法師/そっか、導真様は愛情を得られない人なんだ……村人からもそうだったのかな。
GM/尊敬はされているけど、一線は置かれて個の愛情は得られなかったんじゃないかな?
零十/「導真様は凄い!」と尊敬されても、「導真様と結婚したい!」とはならなかったのか……。これ、上司に献上するの、なんか嫌だな(笑)
GM/なお、魔王にこの手紙をあげると「元気だぞ? ありがとう」と言ってすぐ零十さんに渡します。
零十/あざっす!(笑)
GM/さて、君達がスマホで教会に連絡をすれば、きっと高坂がヘリコプターを呼んで救助に来てくれることでしょう。今日は8月21日。あっという間に仕事を終えた君達は、穏やかになった島の風を浴びながら……今後のことをゆっくりと考えてください。
零十/……夜苺ぉ! 寝る間も惜しんで宿題するぞー!
凪/すぐに任務が終わって良かったね!(笑)
一寸法師/10日間もあるでござる!(笑)
夜苺/ひえっ。高坂さん、もっとゆっくり来てくれていいよ〜!


 アナザーワールドSRS
   『 ユガミジマ 』   END





GM/という訳で本日のセッション、お疲れ様でーす!
一寸法師/お疲れ様でしたー! ……不意なキャラロストは心臓に悪い!(笑)
GM/ちなみにこのシナリオ、実はこういう話ではありませんでした。ですがセッション当日、私が夢の中で『ユガミジマ』というセッションのGMをしていたので、急遽30分で作ったシナリオがこれです。
一寸法師/夢の中でやってたシナリオなの!?(笑) 良いシナリオだったよ!
GM/うん、夢で遊んでる私も今の私も楽しかった(笑) 「ロリの力ではなく、何故かタイムスリップしてしまって自分自身で運命を歪めちゃった話」って面白いかなと思ったんです。
零十/面白かった。良かれと思ってやったことが、自身の消滅の危機! このままだとおロリ様は何にもしてくれない!
凪/自業自得やないかい!(笑)
GM/夜中の通販番組のような出稼ぎ推しとか、バドミントンみたいなバレーボール対決も面白かったな〜。正直、「突然の難易度80000!」のインパクトがやりたかっただけのセッションでもあります。
凪/80000は無理ゲー(笑)
一寸法師/目が飛び出たかと思った(笑)
GM/平和に終われて良かったです。……なんか平和的なムードになったのは、早々に「導真様に敵意は無い」って信用してくれたからだと思います。
零十/例えば「生贄のために島民を飼っている」だったら戦ったけど、戦意が無いなら戦わない方がいいもんな……!
GM/悪趣味な人には変わりないけどね。「お前消えちゃうんだって! プフー! 愉悦!」みたいな人だったし。
凪/やっぱり邪神だな!(笑)
零十/導真様、お手紙ありがとう! 魔王の落とし子として有益な禁書は頂きまーす!(笑)
夜苺/お父ちゃんが消えなくて良かった。……お父ちゃんがいなかったら夜苺も機関解体事件で死んでいただろうし、お父ちゃんと同時に消滅してたかも。
零十/あっ、本当だ!? 消えなくて良かったー!
凪/よしよし。みんな生きてるよ。
一寸法師/……導真様の書いた物、なんでも禁書になりそう(笑)
零十/買い物メモも禁書になるの? 「卵1パック」って書いてある紙だけで!?
GM/≪死線≫が取得できるよ。
零十/「帰りに牛乳も買ってきて」ってメモ書きでも?
GM/やったー! ≪霊異の鼓動≫を覚えたよー!
凪/なんでも禁書になっちゃうの、危な過ぎません!?(笑)
GM/家族間の書き置きメモも禁書になるよ。弟のツヴァイククウォターに向けて書いた「メロンパン×3、焼きそばパン×2、クリームパン×3」とかでも≪世界創造≫がゲットできるようになります。
零十/そんなのでも禁書になるのか……(笑) この禁書、魔王に持って行ったら何て言います?
GM/(アクセンになって)「上階にもパン屋はあるのかね?」
零十/知りません!(一同爆笑)
凪/邪神ベーカリー? なんか……材料が怖い(笑)
GM/邪神クックパッドで検索すると「材料:強力粉200g、ドライイースト3g、人間3体」とか書いてあるよ。「国産の女性のみで作りました」とか。
一寸法師/怖いからやめるでござる!(一同笑)




END

レベル10「七波と歪島」編を読む

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