アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 カミはバラバラになった 』 1ページ ■
2017年1月28日




 ●プリプレイ

 GMの桐生を筆頭に、しゅうらきりくあきとマーサーにとに子の5名が……。
 『アナザーワールドSRS』オンラインセッションのプレイヤー達が、どどんとふにログインしました。


桐生(以降、GM)/既に皆さん集まっていらっしゃった。
プレイヤー4・にとに子/こんにちは、今日はよろしくお願いします!
プレイヤー1・しゅうら/よろしくお願いします〜。



 アナザーワールドSRS・シナリオ「カミはバラバラになった」



【レギュレーション】
 キャラクターレベル7で開始。
 全員知り合い設定であること。4人プレイなので、PC1ハンドアウトに2人、PC2ハンドアウトに2人の配分にすること。
 PC1ハンドアウトは人間であることが望ましい。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:神社に住む友  関係:友情  推奨クラス:稀人 or 異端者以外

 君達が住んでいた村には、何年も年も取らずに住む幼馴染がいた。
 いつも三人で遊んでいた兄 or 姉のような存在。周囲の大人達もそのことを容認している、不思議な存在。
 10年前に別れた後も良い思い出だ。N市で教会のエージェントとして暮らす現在でも、その思いは変わらない。
▼セカイのイベント:10年前の別れを思い出す。
▼コネクションNPC1:神社に住む友

 [稀人]の友人。年齢は20歳前後で、君達の親の代もずっと20歳前後だった。
 10年前の市町村合併の際、住処である神社を出て行った。

【ハンドアウト:PC2】
 コネクション:かつての仲間  関係:友情  推奨クラス:闘士 or 処刑人

 君達が働いていた組織には、優秀な研究者がいた。
 いつも共に戦っていた弟 or 妹のような存在。周囲の仲間達も気に掛けてくれる、信頼できる存在。
 10年前に別れた後も良い思い出だ。N市で教会のエージェントとして暮らす現在でも、その思いは変わらない。
▼セカイのイベント:10年前の別れを思い出す。
▼コネクションNPC2:かつての仲間

 [魔術師]の友人。年齢は20代〜40代。10年前に組織の一員だった。
 10年前に組織を正式脱退して姿を消した。


※PC2の2名とNPC2は、とある組織の一員となる。
 ライフパス特技取得の義務はないが、以下の中からどの組織の一員だったか選択すること。GM推奨は機関。説明がしやすいから。
(1)機関:超人類能力開発研究所。裏社会を牛耳る邪教。
(2)エルス:異能を収集し保存する錬金術師連合。武器を作る所。
(3)ハンター協会:報酬次第でなんでもするハンター組織。
(4)魔王の落とし子:異端の王に仕える人外達。
(5)レジスタンス:対異端討伐軍。前身は「アザーズ」という傭兵部隊だった。
(6)リリルラケシス:海外にある人外支援団体。

【その他】
・2017年最新のルールを使用。
・アーティスト、イレギュラー解禁。
・「英霊」「神の力」はGMと応相談。基本的にはNG。
・異端堕ち解禁。
・今回のセッションのテーマは「オンセで戦闘をやりたい」。情報収集もあるけど戦闘ありきの話。


 事前のキャラクターメイキング打ち合わせにより、ハンドアウト配分は以下の通り。

プレイヤー1・しゅうら/PC1ハンドアウトを選択。
プレイヤー2・きりくあきと/PC1ハンドアウトを選択。
プレイヤー3・マーサー/PC2ハンドアウトを選択。
プレイヤー4・にとに子/PC2ハンドアウトを選択。

GM/皆さん、今日までキャラクターメイキングの準備ありがとうございます。まずは簡単に自己紹介・自己PRをしてもらいます。じゃあ、PC1から。

プレイヤー1・しゅうら(以降、綾斗)/キャラクター名は、扇 綾斗(おうぎ・あやと)。24歳男性! 主に回復とサポートを特化して作っています。達成値上げとか、【HP】や【MP】回復でお役に立てるかと。性格的にはのんびりしたお兄さんを目指してロールしていきたい。
プレイヤー3・マーサー/のんびりおにいさんだー。
綾斗/きもち『FGO』のロビンフッドとアーラシュを足して2で割らない感じで。
プレイヤー4・にとに子/お兄さんだ……。
綾斗/ハンドアウト的に、故郷で培ったバイクテクをもって上京し、教会で運び屋として働いている、という感じでしょうか。バイクの後ろに人乗せて運ぶとかもセッションできたら楽しそうですね!
GM/バイオテク!?
プレイヤー2・きりくあきと/GM、空目!(笑)
綾斗/≪興奮剤≫を撒く的な意味ではバイオテクかもしれない……。盗んだバイクで走りだしたかったけど自前で購入しました。これぞロック。
プレイヤー3・マーサー/(PC達に給料支払う係であるときわになって)「ちゃんとお給料は振り込んでいます」
綾斗/トキリンくんさん、いつもありがとうございます!(笑)
GM/スキルウェポンは無いようだけど、異能力の描写はどのようなものですか? サイキック? 魔術?
綾斗/描写としては、ウズマキから薬剤を撒く! ウズマキから遮蔽物を出す! 魔術でもなんでもなく物理と運でいこうかと。よろしくお願いします!
プレイヤー3・マーサー/「農薬アターック! 効果:苦しい」(笑)

 扇 綾斗(プレイヤー名:しゅうら)
 クラス:[感応力師3/領域遣い3/世界遣い1]
  体力:10(+3)  反射:12(+4)  知覚:9(+3)
  理知:15(+5)  意志:15(+5)  幸運:12(+4)
  HP最大値:23  MP最大値:35  正気度:10
重要キーワード:依頼  背景:土地勘がある
特徴:世話焼きである  ボーナス効果:特技取得
職業:運び屋  性別:男  年齢:24
 スキルウェポン→なし
 感応力師→≪空間知識≫ ≪肉体復元1・2≫ ≪念動障壁1・2≫ ≪空と心のリング1・2≫ ≪愉悦の波≫
 領域遣い→≪大地の勅命≫ ≪大地の守護者≫ ≪食物錬成≫ ≪武装粒子≫ ≪恵みの蔦≫
 世界遣い→≪逆転運命≫ ≪禍福のさざなみ≫
 一般特技→≪興奮剤≫

プレイヤー2・きりくあきと(以降、紅朱)/天囲沢 紅朱(あまいざわ・べにあか)、23歳女です。綾斗さんのバイクにこっそり潜んでいたい……人見知りな感じです……。
GM/潜むの!?(笑)
紅朱/≪組織変容≫で変わっていたい……。
綾斗/わーい! 是非! どこらへんがいいですかな!?(笑)
紅朱/バイクの荷台……ですかね?  もしくは鞄の中、とか……?
GM/荷台に!?(笑) 実際の身長は?
紅朱/155センチ……くらい……?
プレイヤー3・マーサー/かわいい。鞄に入る。頑張れば異能を使わなくてもスーツケースに入るよ!
綾斗/折り畳んで詰め込めば……いける!
紅朱/やった……! 綾斗さんに運んでもらえる……!
プレイヤー4・にとに子/かわいい。小さい頃から鞄に……今でもその感覚で鞄に、かわいい!
綾斗/背中にバックパック的なのを背負って、そのまま紅朱さんを運ぶ……!
GM/頑張るな! キャラ紹介じゃなくて荷物紹介になってるぞ!(笑)
紅朱/あれ、そんなことないですよ?(一同笑) そうだな、教会の服(男性用)を着ているのですよ〜。あとは龍の聖剣様が大好きです。髪型も少し真似してます。
プレイヤー3・マーサー/おー、絵を見て髪型が特徴的だなと思ってたけどそういう意図だったんですか! 黒衣なのもそういう……。
綾斗/教会の服! かっこいい! 男装してる!
GM/龍の聖剣は自分のこおを好きと言ってくれる人を、喜んでお茶会に誘う習性がある。
綾斗/お茶友だ……かわいい!
紅朱/お友達なのです。異端は絶対殺します。自分と刺し違えてでも。そんな普段は穏やかなキャラになりたい……。
GM/それ、穏やかか?(笑)
プレイヤー4・にとに子/普段とのギャップが良いですね!(笑)
綾斗/異端絶対殺すマン、イイゾイイゾ。
GM/使用するスキルウェポンは≪血と骨の武器≫と≪鋼神の鉄槌≫とのことですが、どんな演出ですか?
紅朱/≪血と骨の武器≫に、≪鋼神の鉄槌≫のような硬くする効果をつけたいな……と。
GM/変容使いだったしな。了解です。

 天囲沢 紅朱(プレイヤー名:きりくあきと)
 クラス:[処刑人2/領域遣い5]
  体力:11(+3)  反射:12(+4)  知覚:11(+3)
  理知:13(+4)  意志:14(+4)  幸運:12(+4)
  HP最大値:25  MP最大値:33  正気度:8
重要キーワード:失敗作  背景:龍の聖剣に忠誠を誓う
特徴:ポーカーフェイスである  ボーナス効果:≪達成値上昇・理知≫
職業:引きこもり  性別:女  年齢:23
 スキルウェポン→≪血と骨の武器≫ ≪鋼神の鉄槌≫
 処刑人→≪闇の衣≫ ≪怪力無双≫ ≪死神の赤≫
 領域遣い→≪爆砕≫ ≪爆散≫ ≪強化術式≫ ≪イバラの城≫ ≪彼方の音≫ ≪組織変容≫ ≪全方位視覚≫ ≪武装粒子1・2・3≫

プレイヤー3・マーサー(以降、カゲ)/キャラクター名は、カゲ。正式名称を「影の聖骸布(かげのせいがいふ)」。神々の装具です。神様が使っている剣とか鏡とかに魂が宿ったツクモ神的な従者です。『刀剣乱舞』でいうところの刀剣男士みたいなもんだよ。
GM/特殊な設定のPCになるので事前に相談を受け、キャラクターメイキングを許可してしました。
カゲ/カゲ子は『ユウストタディアス』という邪神のマントに魂が宿ったやつで、マーサーが前にGMしたセッション『狂気の使者は我にくる』で登場したアーティファクトです。本体は、布。人間の体のほうを刺されてもオッケーだけど布を燃やされると痛いよ!
綾斗/キャー! ユウストタディアスだ〜!
カゲ/ユウスト様はイケ骸骨の神様よ! ……見た目年齢は7歳の、小学2年生女子が布を頭から被ってるよ。まるでシーツお化けごっこしてるみたいよ。
プレイヤー4・にとに子/かわいい!
綾斗/かわいいが布を被って歩いている……!
カゲ/邪神の眷族なので邪神がこの世に来るように頑張る異端側の筈なんですが、今は本領発揮できないちんちくりんの女の子です。乙女で「やだ……あたしのAPPもSIZも低すぎ……!?」と悩んでおり、憧れの邪神様が現界されたら「ヤダー恥ずかしーお会いしたくないー!」から異端ダメゼッタイになりました。500年ぐらいしたらおいでなさって!
GM/テンションたけえ(笑)
カゲ/全面的に人間の味方ですし、道具や武器を大切にして作ろうと頑張る組織エルスに懐いてます。
紅朱/味方してくれるなら、私達は仲間……えへへ……(笑)
カゲ/紅赤さんとは信条の違う異端絶対殺すマンです。鞄の中に入る戦いに負けない。
綾斗/そこに戦いがあるんです!?(笑)
紅朱/戦いを挑まれている!?(笑)
カゲ/PCの一人が≪破却打ち≫を前提にしたデータを組んでいるのを見て、[霊媒師]のスキルウェポン回復特技を取りました。コンボ技を頑張りたい!
GM/マジ強いんだよな、そのコンボ。スキルウェポンというか異能の形状は?
カゲ/布で巻きつけてキュッです。お色直しするまで異端は来るな! あと600年ぐらい!
GM/100年増えたぞ!?(笑)

 カゲ(プレイヤー名:マーサー)
 クラス:[霊媒師5/聖職者1/稀人1]
  体力:10(+3)  反射:11(+3)  知覚:14(+4)
  理知:14(+4)  意志:18(+6)  幸運:12(+4)
  HP最大値:36  MP最大値:39  正気度:10
重要キーワード:失態  背景:人間と戦いたい
特徴:機械的である  ボーナス効果:≪L「ユウストタディアス」≫
職業:神々の装具(エルス保管)  性別:女型  年齢:7
 スキルウェポン→なし
 霊媒師→≪魂装支援≫ ≪こわれ堕ち≫ ≪火霊操作≫ ≪水霊操作≫ ≪地霊操作≫ ≪風霊操作≫ ≪四大操作≫
 聖職者→≪悔改めよ≫ ≪戦闘聖衣≫
 稀人→≪模倣犯≫ ≪光の一手≫ ≪日常の復元≫
 一般特技→≪興奮剤≫ ≪強化手術:意志1・2≫
 L:「ユウストタディアス」の効果により取得→≪命の糧≫

GM/最後の自己紹介、よろしくお願いします。
プレイヤー4・にとに子(以降、クレハ)/俺、七曲 クレハ(ななまがり・くれは)! 25歳の男! クラスは[闘士]7レベル! 戦闘では≪破却打ち≫と≪殺界≫の物理コンボで殴るよ! 判定は【体力】で頑張る!
GM/ガチ前衛だ……。
カゲ/赤信号、物理で殴れば怖くない。
クレハ/カゲのおかげで隙あらば≪破却打ち≫の予定! キャラとしては、元気で明るい感じ! 武器作成が趣味で、武器に名前を付けています。最年長だけどおつむが弱い予感がひしひしします。場を盛り上げるけど作戦は任せた!
綾斗/盛り上げてくれる! 忘年会に必須の男!
GM/人はこれを脳筋と呼ぶ(一同笑) よく見たら実はクレハがパーティーの中で一番の最年長だった。
クレハ/カゲはいいやつ! 道具に悪いやつはいない! 使う側の問題だ!
カゲ/キャー、いいことをおっしゃるよー。
GM/武器の形状は事前に教えてもらったやつだと……巨大武器(巨大鋏)、片手武器(モーニングスター)、両手武器(ハルバード)ですね。
クレハ/はい! それぞれ、みっちゃん、うーくん、きゅーちゃんです!

 七曲 クレハ(プレイヤー名:にとに子)
 クラス:[闘士7]
  体力:19(+6)  反射:15(+5)  知覚:12(+4)
  理知: 9(+3)  意志: 9(+3)  幸運:12(+4
  HP最大値:35  MP最大値:19  正気度:6
重要キーワード:権力  背景:本当は養子だ
特徴:裕福  ボーナス効果:≪コネ「エルス」≫取得
職業:鍛冶師(錬金術師)  性別:男  年齢:25
 スキルウェポン→≪エルス:巨大武器≫ ≪片手武器≫ ≪両手武器≫
 闘士→≪武闘家の血≫ ≪聖戦士の血≫ ≪戦の申し子≫ ≪武人の知恵≫ ≪戦士の勘≫ ≪浸蝕≫ ≪死闘の半身≫ ≪希望の勇姿≫ ≪殺界≫ ≪破却打ち≫ ≪疾風迅雷≫ ≪切り返し≫ ≪鬼の羽根≫
 一般特技→≪強化手術:体力≫

GM/NPCの名前を決めます。それぞれ男女どちらかと、GMが用意してきたNPC名前リストから好きなものを選択してください。
綾斗/じゃあ、NPC1は……男がいいです。
紅朱/(名前リストを見て)では、NPC1の名前は青木 桜花(あおき・おうか)さんでお願い致します。
クレハ/桜花くん! 可愛い名前だ。
GM/NPC1がいた神社の名前は「青木神社」にするかな。
カゲ/NPC1が男だから、NPC2は女性がいいなー。
クレハ/はい、それで! (名前リストを見て)NPC2の名前は……紫藤 透(しどう・とおる)さん。トールちゃんで!
GM/みんな即決だな(笑) 透さんの今の年齢は、10年前からエルスで活動していたから30歳ぐらいにします。
カゲ/20歳のときにエルスを脱退したんだね。
GM/ちなみにNPC1の桜花は20歳。10年前は20歳だったし20年前も20歳だった。
紅朱/20歳で何かが起こる……。
クレハ/エターナルハタチ……?(笑)
GM/……今のところ、桜花の外見イメージは『エヴァンゲリオン』の渚カヲルしか思いつかない。しかも画像検索してもだいたい全裸画像しかヒットしねえ。
綾斗/この季節、全裸だと寒そうですね(笑)


 ●マスターシーン

 とある部屋にて。ワンルームのマンション。家具は無い。生活感はまだ無い一室だ。

 「可哀想な子」

 彼女は、彼に対して呟く。

 「もっと素直に生きれば、そう 心のある人間のように 自由に生きれば」
 「人間のままでいたら」
 「それほど苦しむことは、無かったのに」

 彼は、彼女から それ を受け取った。

「ありがとう。心優しい人。その気持ちだけで充分……………………」

 優しい時間だ。
 だがそれは、必然的に、終焉を迎える。




 ANOTHER WORLD SRS
  〜 カミはバラバラになった 〜




 ●オープニングフェイズ1/カゲ&クレハ

GM/先にPC2組から。10年前の回想シーンをやろう。……10年前のことだ。エルスに所属していた研究員の女性・透(当時20歳)の脱退が決まった。彼女は辞表を出した。
カゲ/おーよー。エルスの場所はどんなところ? エルスは製造業の研究者団体だから、会社とか町工場とか色々あるけど。
GM/ごく普通のオフィスにしよう。エルスの本拠地はドイツなんだが、日本のとある支部でのシーンだ。普通に会社のデスクが並んでいて、退職手続きをして組織を脱退する彼女は荷物の整理をしていた。もう彼女がこのオフィスにやって来ることはない。そんな姿をカゲは見つける。
カゲ/ちょちょちょちょちょちょちょと近づいて、後ろから布ばさぁー! 最大限の求愛行動!
GM/(透になって)「わわっ!?」
カゲ/お勤めご苦労様よー。
GM/「なんだ、貴方だったのね……」 彼女・透はPC2であるカゲととても親しくしていた。いつも共に戦っていた妹……というか姉のような存在。周囲の仲間達も気に掛けてくれる、信頼できる存在だった。
カゲ/トール、お辞めになるって聞いたよー。寂しくなるよー。布をバサバサと頭から被せながら、別れを惜しみます。
GM/「それ、別れを惜しむ行為なの……?」(笑) そんな風にカゲに襲われている透を、クレハは発見してください。
クレハ/あ、カゲとトール! どうしたんだよ、旅行?
GM/「旅行……ああ、貴方にはちゃんと教えてなかったわね」 当時15歳のクレハに20歳の姉のような存在である透は、少し物悲しそうな笑みを浮かべて言う。「私、今日でもうおしまいなの。エルスを脱退することにしたの」
カゲ/カゲはこっそり聞いていて知っていたのだった。
クレハ/……え? キョトンとして立ち止まりますね。またまた! エイプリルフールじゃないんだぜ、そんな……嘘だろ?
GM/「物作りはとても楽しかったけどね」 本当に脱退するよという顔だ。エルスは教会のように、専業エージェントとしてエルス本業(武器研究)でしている者もいれば、そうでない者もいる。組織に所属していれば組織の恩恵を受けるが、組織のしがらみにとらわれることもあるだろう。
カゲ/ふむふむ、規約とかはどの会社にもあるしね。
GM/彼女はここで力を発揮していた。良い研究者だった。だから組織的には痛手だろう。しかし正式に脱退することになったのだった。
クレハ/嘘じゃないんだな。……トールが居なくなるのか、寂しいな! また遊びに来てくれる?
GM/遊びにきてくれるかというクレハの問いかけには、「そうね、でも私がいたら何でも口出しちゃってうるさいわよ?」と笑う。
カゲ/透、デキる女だよ! デキる女っぽいよ……!
クレハ/透さんとても良い(笑) いいぜ、俺すっげー武器職人になってるから! いつでも遊びに来いよ! な、カゲ?
カゲ/クレハはそのうちすっげーいい武器職人になるけど、きっと壊すのもお得意になってるから口出ししてくれるトールのような人が必要よー。トールのアドバイス必要よー。遊びにくるのいっぱい必要よー。ねー?
クレハ/週5くらいで遊びに来いよ!
カゲ/週7アドバイスでもいいのよー。
GM/「それ辞めた意味ないじゃない!」 透は明るく笑う。
カゲ/……ねえ、トール。なんで辞めるのよー?
GM/「……エルスにいると、というかなんでも組織に所属していると恩恵が貰える。支援してもらえる。それはとても頼もしいこと」
カゲ/うん。
GM/「でもね、その分……制約が多いの。あれこれやれとかこれしろとかあって、私のしたい研究が進まないなと思って。だから独立。とても前向きな理由でしょう?」
クレハ/そっか、一人でやってくのか! 俺にもその研究の成果を見せてくれよな!
GM/「ええ、もちろん!」 笑顔で了承する。その後は同じようにエルスのメンバーに惜しまれ、励まされ、彼女は去って行くのだった。ちなみに会うのは稀だが、年賀状は毎年くれる人であった。
カゲ/年賀状……律儀に出してくれる良い人よ。
クレハ/真面目な方だ!
GM/そんなことがあったのが、もう10年前。今年も、1月1日――クレハの住所に、彼女からの年賀状が来た。
カゲ/律儀だ。
GM/最近は会ってなくても、ちゃんとN市でエージェントを始めたクレハのもとに年賀状だけは送ってくる。内容は既に市販のイラスト+文章のもの。そして、プリントされた年賀状イラストの横に、手描きでこんな文章があった。「私も近々N市に行きます。何かあったら頼ってね。(電話番号記載)」 1月3日、クレハはそんな年賀状を受け取った。
クレハ/カゲ! トールから年賀状だー! 年賀状を見せます!
カゲ/お年玉番号をチェックよー!
クレハ/その辺は抜かりねーぜ!(一同笑) こっちに来るって! 会いに行こうぜ! っていうかカゲと一緒に暮らしていると勝手に思ってたぜ!?(笑)
カゲ/カゲはお給料はいらないので、定期的に誰かがクリーニングに出すかブラシで布わしわししてください。
綾斗/洗濯機でホームクリーニングされるカゲちゃん……!(笑)
クレハ/わしわしするぜ!(笑)
GM/年賀状が届いたのは元旦。その日に電話したが……残念ながら今日は留守電だったということで。そうして今日は1月3日。初詣に行く日だ。
クレハ/留守電に、「早く会いたいので明日会いませんか! カゲもいるよ!」と残してお年玉チェックします。
カゲ/酉年だからお年賀はケンタッキープレゼントするのよー。
GM/年賀状お年玉は……偶数が出たら当たる、奇数だったら外れる。クレハさん、判定どうぞ。
クレハ/(ころころ)……1。ま、こんなこともある!
カゲ/人生そんな甘くないのよー(笑)


 ●オープニングフェイズ2/綾斗&紅朱

GM/10年以上前のことだ。君達が住んでいた場所には古い神社があり、そこで幼馴染達と遊ぶことが日課だった。時は市町村合併ブーム。あちこちで村が併合され、名前がひらがなに変わったりする時代……。
カゲ/うんうん、そんな時代があったあった……。
綾斗/何故かひらがなになるんですよね……。
GM/お役所は慌ただしかった頃。まあ、子供としては住所が変わるのはあまり自分には関係無いかもしれない。10年前は中学生だった綾斗は、学校の帰り道で……昔よく遊んだ古びた神社に立ち寄った。綾斗は神社の境内に腰掛けている20歳ぐらいの青年を見つける。
綾斗/おっ。
GM/賽銭箱の隣に座っている青年。よく昔から遊んでいた彼がいた。
綾斗/おっきーだ、おっきー!
GM/おっきー?
綾斗/あおきおうかだから?
GM/そういうことか(笑) 声を掛けると彼は君の姿を見つけ、ちょいちょいと手招きをして神社に呼ぶ。昔から、君が3歳とか4歳のときからそうやって呼ばれることが日課だった。この村の子達と遊んでくれる青年だからだ。
カゲ/めっちゃ稀人っぽい……。
紅朱/さすがカヲルくん……(笑)
綾斗/おっきーじゃん〜。久しぶり。相変わらず全然変わんないねぇ。そんなとこ座って寒くねーんスか? ぽてぽて寄っていく。
GM/(桜花になって)「寒い? ああ、今は1月だもんね。じゃあこの葉っぱ、持ってみな」 桜花はとある落ち葉を手に取り、少し撫でて、綾斗に渡した。ホッカイロみたいに暖かい。
綾斗/うおっ!? なんだこれ、すげー! あーたまんないな〜、あったけえ〜!
GM/葉っぱがホッカイロのようなものに変化していた。すげーと声を上げる綾斗。そんな光景を、学校帰り道の紅朱は発見してください。
紅朱/あっ、あっ、おっきー! おっきー! 半泣きで駆け寄ってきます。
GM/「やあ、君も寒い……のかい……」って半泣き!?
綾斗/うおっ! べに、なんで半泣きなんだ!?
紅朱/お家、やっぱり帰りたくない……おっきーと一緒にいたいよぅ……。
GM/「えっ!? 紅朱……どうしたんだい、その、帰りたくない理由はあるのかい?」 ちょっと困りながらも、手に取った葉っぱを綺麗なハンカチにして紅朱に渡す桜花。
紅朱/紅朱は、駄目な子なんだって……お母さんもお父さんも言うの……。
GM/「……お勉強の出来かい? 確かに中学になると勉強の出来る出来ないが小学校より激しくなるから……」
紅朱/ううん……変な力があるからって……。親は普通の、理解のない人間、なイメージです。閉鎖的な両親というか、家族というか。
GM/「……そっちか」
綾斗/それは……つらいよねぇ。
GM/「…………」 異能の理解について、紅朱の表情を見て、桜花は少し固まり無言になる。無言になった桜花は、綾斗の方に視線を向ける。綾斗はどんな顔でどんな言葉を紅朱に向けるのか。
綾斗/うんん……眉間に皺を寄せて、口を真一文字につむんで紅朱を見てる。べにの父ちゃんと母ちゃんを悪く言うつもりはねーけど……なんつーか、つらいな、それ。
GM/「…………」 桜花は無言のまま、暫し思案する。そして口を開く。「……今は、今までは紅朱の支えにいつでも僕が居られた。今もこうやって君の悩みを、今まで通り遊んでやれることもできたが。僕はね、今までずっとこの神社に住んでいたけどそろそろ出ていこうと思っていたところだったんだよ」
紅朱/え?
綾斗/おっきー……出ていく気だったんだ?
GM/「この村の人達は、僕のような……長く年を取らない変な奴をあたたかく見守ってくれる人が多かった。でもそうではない人達も多くなってきた。村の名前が消えるぐらい、ここは別の人達が賑やかに過ごすようになってきたからね」
紅朱/……やだ、やだよっ。
GM/やだよ、という紅朱の言葉に、苦笑いする桜花。「そんな風に言われると、旅立とうと思っていた決意が、揺らぐな……」と半泣きの紅朱を抱きながら言う。「そうだよ綾斗。僕は出て行くつもりだった。……でも、どうしようかな……」 決意が揺らぐという顔。
綾斗/神社から出られない稀人24時。
カゲ/ガースー黒光り青木神社。
紅朱/デデーン! ケツバット! もしくはタイキック!?(笑)
綾斗/……おっきーがいなくなるのは、寂しいし、ほんとに、ほんとにできるなら出て行ってほしくない。でも、おっきーのした決意をないがしろにすることは、俺、できないな……。
紅朱/べにあかは……そばに、いてほしいよ……。
GM/紅朱はそばにいてほしいと言う。綾斗もできるなら出て行ってほしくないという。桜花は……ぐらぐらと揺れる。やはりここにいるべきか、少なくとも友人達が自分を求めてくれるし、紅朱の居所として彼女を守ることにも繋がる。
綾斗/うん……。
GM/そう考える。だから、桜花は「……そうだね、僕がいなくなったら紅朱は不安になっちゃうもんね。綾斗も寂しくて泣くかもしれないしね。出て行くのはやめようか」と言う。自分の想いを押し殺した声で。
綾斗/……だめだ。一瞬、ぱっと表情を明るくさせるけど、けど、おっきーの目が自分を押し殺していることに気づく。
紅朱/紅朱もおっきーの変化に気づいて、絶望的な表情になる。
綾斗/だめ、だよな……。ごめん、わかってる。ここにいるの、おっきーもつらいよな。べにと同じように。
紅朱/……わがまま言って、ごめんなさい……。
GM/「ご、ごめんなさいだなんて、紅朱が謝る必要は……。その、ここにいるのが辛いとかそういう訳じゃないんだ! ただ800年……」
紅朱/はっぴゃくねん?
綾斗/……言いかけた長い年月に、目を見開いて桜花を見つめる。
GM/綾斗に見つめられ 紅朱に復唱されたので、「……800年ここにいたから、ちょっと、外を旅して見るのもいいかなって……ほんの少し思っただけで……」と、長い長い時間ここにいたことを答える。
綾斗/800年!? ここに!? なっげ! なっげえ! やあ、それは、よくいてくれたもんだ……。ちょっと緊張を解いて笑う。
紅朱/たくさん、居てくれてたんだ……
GM/綾斗は近くに住むじっちゃんやばっちゃん達が「桜花ってまだいんのかいー」「なげーねー」と自然に彼がいたことを受け入れていたことを思い出していい。
カゲ/(ばっちゃんになって)「桜花よりあたしの方が先に逝っちまうよー」 (じっちゃんになって)「てめえはまだくたばらねーよー」
綾斗/じじばばが卵のときからいる計算になる!(笑)
GM/「うん……でも、僕は長くいられるけど……紅朱達は短いんだから……僕よりも、君達の心を優先してあげないと」
紅朱/……でも、そしたらおっきーの心は痛いんでしょう? おっきーにも痛い思い、させたくない……。
GM/「……紅朱は一人で痛いの、がまんできるのかい?」
紅朱/で、できる……よ、大丈夫だもん!
綾斗/ってことらしいっすよ。おっきー。
GM/「…………。僕がいなくても大丈夫?」 もう一度、紅朱に尋ねる。
紅朱/……また、会える?
GM/「………………………………もちろん」
紅朱/それなら、大丈夫……。おっきーとまた会えるように、がんばる……!
GM/頑張る、と口に出して言った紅朱を胸に抱きながら綾斗にも尋ねる。「綾斗は、僕がいなくても寂しくて泣いたりしない?」
綾斗/はは、あったりまえだろー? 俺だってもうすぐ高校生なんだしさ。もっともっと大きくなったら逆にあんたに会いに行ってやりますよって。だからさ、その旅ってやつ、楽しんでこい。
GM/決意したものを一度捨てかけた目が、もう一度同じ色に戻る。「ごめん。ありがとう」
紅朱/……よかった。
GM/頑張ると前向きなことを一言でも言ってくれた。楽しんでこいと言ってくれた。何度も彼はありがとうと言った。そんな言葉を言った彼と別れたのが、もう10年前の話。
カゲ/10年が経った……。
GM/10年後、現代。1月3日。10年前に別れた後も良い思い出だ。N市で教会のエージェントとして暮らす現在でも、その思いは変わらない。残念ながら彼から年賀状が届くということはない。
綾斗/ノーお年玉。
カゲ/ノー年賀状、ノーライフ(一同笑)
綾斗/まあ、便りがないのは元気な証拠ってね!
GM/現在、N市に住む教会のエージェントとしているPC1の2人。あれから10年、色んなことがあった。紅朱は……この10年間はどうだったかな?
紅朱/両親の前では力を使わないように生きてきて、高校を卒業してから綾斗にいのところに転がり込んできたいな。
綾斗/べにをキャッチ! 嬉しい限りだ。おっきーにも安心して顔向けできるね!
紅朱/うん、高校まで頑張ったなら……おっきーにも褒めてもらえるよね。それから5年くらい教会にもいたりするのかな。メインは綾斗にいの側にいるけど。
GM/教会の宿舎である『木ノ本アパート』に、親元を離れて暮らしているのか。それなら教会の仕事斡旋人・高坂はよく紅朱を気遣ってくれた。何かあると「これ必要かな?」とか声を掛けてくれる男だ。
綾斗/高坂さんの気遣いグッドですね!
紅朱/高坂さん、いつもありがとうございます! にこにこ! 綾斗にいに、必要か訊いてみよう……。
綾斗/必要必要。めちゃくちゃ必要。それ必需品すぎて涙が出ますわ。
カゲ/一体何を貰ったんだ?(笑)
GM/高坂は「お正月だからってずっとアパートにひきこもっているのは良くない。今日は1月3日だし、紅朱ちゃん、綾斗くんやお友達といっしょに初詣でも行ってくるといい」と提案してくる。
紅朱/うっ……はい、行ってきます……。
GM/「あとこれお年玉な」と言って、蜜柑箱Sサイズ1人1箱持たせる。
紅朱/みかんだー! やったー!(笑)
綾斗/ありがて〜。でもまさかの1人1箱!(笑)
GM/(高坂になって)「育ち盛りなんだからいっぱい食べるだろ?」
紅朱/もちろんです! みかん大好きです!
綾斗/みかんじゃ身長は伸びねーですけど……まあ冬はこたつにみかんってね。べにちゃんにみかんをたくさん食べて大きくなってほしい(笑)
紅朱/みかんの箱ぐらい≪怪力無双≫で全部1人で持てる……!
綾斗/頼りになる!(笑)
GM/そうして出かける2人。1月3日、比較的穏やかな天候。初詣客は昨日のうちがピークだったのか、道中で歩いている人はそれほど多くはない、そんな午前中。……2人は出会う。綾斗と紅朱の前に現れたのは、知っている男だった。


 ●オープニングフェイズ3/合流

カゲ/10年後の紅朱さんは身長155センチになってエージェントの黒衣なんだよね。見た目は少年っぽいのだろうか。
紅朱/おっぱいも無いしな! 泣いてない!
綾斗/貧乳はステータスだっておっきー言ってたよ!
GM/おっきー言うのかよ!?(笑)
カゲ/だいじょうぶ。カゲ子も無いよー。
クレハ/俺も胸ないぜ!
紅朱/みんな優しい……ここは優しい世界……。
綾斗/むしろあったらどう反応していいんだろう……(笑) おっきーは「貧乳はステータス」って偶数が出たら言う、奇数が出たら言う。(ころころ)4なので言います。
クレハ/不正は無かった!(一同爆笑)
GM/では……綾斗と紅朱が初詣に向かう朝、歩いているときのことだった。ちょうどそのときは誰も居ない道。行き交う人達がたまたまその時間通らなかっただけか。かつて過ごした青木神社とは違うN市の神社へ向かっている途中……。
カゲ/現代異能ものに神社はつきもの。
GM/綾斗と紅朱の目の前に現れる人物がいる。20歳ぐらいの男。10年前から姿の変わらぬ男。桜花だ。桜花が、君達の前に現れた。ところでなんで渚カヲルで検索すると全裸ばっかなんだ?
カゲ/裸か。
クレハ/裸は寒いですね。
綾斗/裸だ……。
紅朱/えっ!? ほんとに裸なのです!?
GM/いや違う! 桜花は普通に普通に服を着てる!(一同爆笑) 10年前と変わらぬ面立ちで、君達の前に現れた。
紅朱/お、おっきー……?
綾斗/お。おっきー? もしかしておっきーだったりする?
GM/「やあ」 相変わらずの声。優しい笑顔。「久しぶり。べにと綾斗だよね。10年経ったら大きさが変わるから、毎日会ってないと判らないものだね」
綾斗/うわー! ほんとにおっきーか! こんなところで会えるなんざ奇遇だなあ! はしゃいだ声で近寄るぞ。
紅朱/うん! 私、べにあかだよ! 嬉しい! 抱きつきたい!
綾斗/いってらっしゃい!
紅朱/ぎゅー! 嬉しくて嬉しくて、涙が零れそう……。
GM/抱きついてくれたなら、10年前と同じように胸に入れてくれる。近寄ってきてくれた君達を迎え入れるその表情も、変わらぬものだ。よしよしってやり方も同じ。
綾斗/べにの身長以外はまるで10年前と変わらん光景だなぁ。
GM/「10年経ったらべには20歳……成人を迎えたんだろう? なのに小さな子供みたいなのは変わらないんだね」 涙が零れる紅朱を撫でながら笑って言う。
紅朱/うっ、い、いつもは違うよ……! いつもは違うんだから……!
GM/「いつもは本当に違う? ちゃんとべには大人をしているかい?」 綾斗に問い掛ける。
紅朱/綾斗にい! めっちゃ目で訴えるよ!(笑)
綾斗/はは、いつもこう……って、うそうそ。ちゃーんと立派に成人女性ってやつですわ。目を逸らしつつ。
GM/逸らした(笑) 穏やかな再会。10年経ってどうやらキリの良い時期に彼は綾斗たちに会いにきたようだ、が、そのとき。カツカツカツ、とすぐにそこへ駆け寄ってくる足音がする。
綾斗/お、なんだなんだ?
GM/どんどんと近寄ってくる人がいる。高坂だ。
紅朱/高坂さん……?
GM/高坂は、桜花に近寄るなり、抱きついている紅朱を剥がす。べりっと、「離れろ」と。その顔は真剣、というか焦ったもの。
綾斗/高坂さん!? 珍しい……。
紅朱/何するんですか?! 口をぱくぱくしちゃう。
GM/綾斗達がそう思ったとき、「まあまあ」と宥めるように桜花が高坂に触れて落ち着いてと制する。その瞬間、高坂の体が消えた。
紅朱/え。
GM/消えた。
綾斗/は……? 一体、何が。動揺するなぁ、これ!?
GM/よく見ると、高坂の居たところに一丁のピストルが落ちている。
紅朱/おっきー……? どうしたの……?
綾斗/……おっきー、高坂さんに今、なにしたんだ?
GM/「いきなり怖い顔をされてビックリしたから、落ち着いてもらえるようにしたよ。静かになってくれて良かった。再会をもう少し楽しみたかったんだから」 普通の顔。
綾斗/静かになって、じゃないだろ。静かにしたの間違いだ。……あんた、こんなことするようなやつだったか……?
紅朱/う、うん……? 元に、戻せるんだよね……?
GM/警戒された、けど笑って「うん、戻せるよ。覚えているかな。僕はこんな風にモノに変える力があったこと。僕はこんな風に……」 そう言って、もう一度紅朱に触れようとする。紅朱に手を伸ばす。
紅朱/紅朱は受け入れるよ。……おっきーが戻せると言うのなら、心配なんかいらない。
GM/受け入れるか。……なら、指に触れられた瞬間、体が硬化していくのを感じた。自分がスキルウェポンにするかのように、体が武器のように固くなっていく。
綾斗/おい!? 瞬時にその体を引きはがす!
GM/引き離されたら硬化は止まる。効果が発動する前に助けられたということで。
紅朱/自分以外が変えようとすると、こんな感じなのか……と冷静。でも綾斗にいにされるがまま引きはがされる。
綾斗/おいおい、なんの冗談だよ……笑えねえっつーの……! さらに警戒を強めるなあ……!

 「やりたいことができたんだ」
 「これをすればいいって判ったことがあったんだ」
 「それが、力を使うこと」
 「こうすると、助かることが判ったんだ」
 「判った瞬間、思いついたものがあった」
 「君達2人の顔だ」
 「だから、見せつける」
 「そうすることで素直に」
 「生き」
 「終わり」


GM/ブツブツ……。
カゲ/正気度ひどいっぽい。
GM/うん。正気度ひどいっぽい。
紅朱/紅朱の正気度も急下降っぽい。
綾斗/ここらへん一帯正気度下がってるっぽい。
GM/桜花はにこりと笑うと、体全体が蒼い光で包みだす。強い光をあたり一面に放った後、君達が目を開けると、目の前にまるで東京タワーが突然建ったかのような全長300メートルの「巨大な剣」があった。
カゲ/ふぁ!?
クレハ/うっひょ。
綾斗/ヒョウ!?
GM/桜花が巨大な剣に変身した。
紅朱/えっ。こ、ここって……?
GM/初詣に行く道だよ。
綾斗/おいおいなんだよこれ……初夢にしちゃトンチキすぎんだろうが……!
GM/高すぎて判らないかもしれないが、剣を持つ柄のところに、ギョロリと目玉が生えている。目玉がぎょろぎょろと周りを見渡す。
紅朱/おっきー……? これでおっきーは助かるの? どういうことなの?
GM/問いかけには答えない。答える口が、巨大剣には無いから。
綾斗/おいべに、こりゃ俺達だけじゃ手に負えねえ。一端引くぞ……! 焦ってウズマキからバイクを取り出し紅朱ちゃんに声を掛けます。
GM/口は無い。そのかわり、目はある。目はぎょろぎょろと辺りを見渡す。そして、目から光 ピッカー。
紅朱/えっ。
GM/光を直撃した通りすがり人達、さっきまでニコニコと初詣から帰ってきてたのに。その場に人の姿は無く、包丁とか本とかハサミとかに変わっていた。そのような光景を2人は見ます。
紅朱/……綾斗にい! 先に行ってて! ≪組織変容≫で、鳥に変身できますか?
GM/鳥に変わってもいいよ。今年は酉年だし。
綾斗/GMそこですか!?(笑)
クレハ/GMのさじ加減に縁起の良さを感じる(一同笑)
紅朱/酉年やったー!(笑) 鳥に変わって目玉まで上昇したいです!
GM/目玉まで上昇できるよ。ただ、先ほども言った通り口が無いので会話はしない。そして目は至る所を光らせ始める。無差別に人を変容させていく。
綾斗/すげえテロ……「範囲:視界」って感じだ。とりあえず銃になった高坂さんと、包丁とか本とかハサミとか軒並みうずまきに放り込みます!
GM/おっ、回収OKだ。
紅朱/もうやめて!  関係ない人を巻き込まないで! 目玉にくちばしでアタック!
綾斗/痛い!(笑)
GM/いてぇっ!(笑) だけど……実際はめっちゃ固くてダメージ0。紅朱の声を聞いたのか、それともたまたま向いたのか、目と目が合う。演出ビィーム!
紅朱/反射的に避けちゃう!
GM/紅朱は思う。「あかん無理。なんとか対策を練らんと」と。
紅朱/た、退散! 綾斗にいのところへ急降下! ど、どうしよう綾斗にいー!?
綾斗/剣になったおっきーの刀身をちょっと駆け上ってから、べにちゃんを空中キャッチ!
クレハ/おおっ、バイクテク!
綾斗/ああーもーどうしますかねーほんと! こりゃN市壊滅ってやつか! ってさせるかっつーの!
紅朱/なんで!? なんでこんなことに!?
綾斗/とりあえずあれはこのままだとどうしようもない、教会に戻って誰か応援でも頼むか!?
紅朱/教会!? 教会! 行くっ!
GM/動揺してるな(笑) どうするべきか教会行くべきか……ってところで、一方その頃PC2組。
カゲ/うい。
クレハ/はい
GM/初詣なう。剣が建った。光ビーム。人→もの。あかん。
綾斗/4コマ漫画か!?(笑)
クレハ/ケンタッキーが鉛筆になっちゃったぜ!?
カゲ/ケンタ買ったのによぉー!? なんよあれよ、すごいよつよいよやばいよやばいよー。
紅朱/……カゲさん、楽しそう(笑)
クレハ/剣なのにビームとかどうなの!?
カゲ/確かになんで剣なのにビームよ?
綾斗/それなオブそれ。
クレハ/カゲ、どうすればいいかな!?
カゲ/えーと、高坂がいつも通り「任務だよー」って言ってくれるオープニングフェイズを待つのがよいよー。……と思ったけど高坂はあんな姿に!(笑)
クレハ/しかし知らない二人!
カゲ/うん! カゲ子は教会に行くといいと思いましたよ! きっとアヤトとベニもこの時間なら起きてるよ! 何かあったら頼れる2人も教会にいると思うよ!
クレハ/OK! 教会へ行こう、カゲ! 抱っことおんぶと横脇に抱えるのどれがいい!?
カゲ/おんぶー! クレハのコートでモフモフ遊ぶからー!
クレハ/じゃあおんぶで! 2人が無事ならいいんだけどな! ダッシュで教会に向かいます!
カゲ/残りのケンタと屋台で買ったクレープ2人分を死守しながら教会向かいます!
GM/テンション高いな(笑) せっかくだから神々の装具であるカゲ限定で【理知】判定していいよ。
カゲ/お?(ころころ)……出目が1と2で、達成値7。残りのケンタを守ることに必死でした。
クレハ/ケンタがショックで……!
綾斗/ケンタおいしいもんな……。
紅朱/それは仕方ない……(笑)
GM/ファンブルではない……でも難易度10を想定していたので、残念ながら失敗(笑) だけど、こう思う。「巨大剣、これはあかん」と。
カゲ/カゲ子は神々の装具だから邪神知識はある程度あるものとして、ルルブにあることは話してもいい? ……クレハ。あれ、邪神の配下の中で一番強い奴っぽいよー……。
クレハ/え!? 邪神! それで剣! つまりお前の友達か?!
カゲ/同僚っていうかー……レベル全然違うけどー……この世界の邪神って8ついるんだけど、8つの中で一番偉い奴そっくりよー。「要約:こわい」。
クレハ/……怖くないぞ、俺がついてるからな、カゲ。わかった、それ、二人にも教えてやってくれ!
カゲ/キャー! 良い男よー! クレハ良い男よー! 合流を目指すよー!
GM/元気だな、お前ら(笑) それでは、教会に辿り着いた4人。そこは慌ただしかった。数人のエージェントは光を浴び、あられのない姿にされてしまった。一般人にも被害が出ている。というかいきなりN市に東京タワー並の物が建った。すげえ大騒ぎ。大混乱。
カゲ/デスヨネー。
紅朱/デスヨネー。
綾斗/観光名所にって訳にはいかないもんね〜。
GM/警察もあっちこっちてんやわんや。そして重大なことが判る。剣を中央に半径5キロメートルの地点で、ドーム状の結界が張られている。その外には出られない。閉鎖空間にされてしまったのだ。N市まるごと世界から隔離。
クレハ/な、なんだって!?
紅朱/おお、さすがおっきー。
綾斗/やるな、おっきーのやつ。
GM/さすがって!?(笑) 生き残ったエージェントの人達は、とりあえず一般人の安全を話し合っている。そこに4人が合流した。
カゲ/アヤトー、ベニー、平気ー? あけましておめでとうございますよー?
クレハ/とりあえずケンタッキー食うか?
紅朱/あ、あ、あけまして……。
カゲ/おめでとーうよー。
綾斗/なんでオタクらそんなに平常運行なの?(一同笑)
クレハ/腹が減ってはなんとやら! 明けましておめでとう!
綾斗/はいあけおめっておいこのケンタ鉛の味すんぞ。
クレハ/悪い、鉛筆になっちゃったんだ。
カゲ/鉄分多めよ。
綾斗/鉛筆食うのは小学生で卒業したっつの。
GM/なんで小学生だと食うんだ!?(笑)
綾斗/食いません!? 小学生って!?
紅朱/うん、食べるよね? でも鉛筆味のケンタッキーは……。
綾斗/ってのんきにケンタ食ってる場合じゃねーって! ほれ、これ!
カゲ/これ?
綾斗/高坂さん! これがあの高坂さん! ピストルを出すね。
カゲ/うわー! タカサカと感動の再会よー!?
クレハ/え!? これ、タカサカって名前の武器じゃなくて?
紅朱/うん。でも元に戻せるって、おっきーが言ってた。もぐもぐ。
カゲ/ちゃんとケンタ食ってる(笑) ……おっきーって?
クレハ/おっきーて誰だ?
綾斗/おっきーは……あの、大剣だよ。
カゲ/……あの異端、おっきーさんっていうの?
綾斗/異端……今は異端だが……前は、ただの稀人だった。ど田舎の、俺とべにの、友達なんだよ……。
クレハ/剣……あ、カゲ。あれ、あれ教えてあげて。
カゲ/……友達、と言われてベニを見ながら、クレハに促されて言います。出目が1・2だったのでうろ覚えだけどー、あれ、邪神のやつですっごい強いやつよー……多分普通に戦ったんじゃ勝てないよー。
紅朱/異端や邪神という言葉に、動きが止まったままです。
カゲ/とはいえ、そのまま邪神が顕現する訳ないよー。以前はただの稀人だったのよねー? 人といっしょに過ごしてる良い奴だったなら、きっとイレギュラーケースよー。何か深い理由があってあんなことしちゃったんでしょうよー。アヤトとベニの友達なら尚更よー。ねー?
クレハ/うん、同僚のカゲが言うんだからそうなんだろうな。
綾斗/……そうだ。あいつは悪いやつなんかじゃない。
クレハ/なんでああなったのか、知ってるか?
綾斗/……気になる点はいくつかある。あいつは『こうすると、助かることが判った』と言っていた。……何か、理由があるはずだ。
GM/10年前、最後まで紅朱の家や綾斗のことを気遣っていた桜花。それは昨日のように思い出せるだろう。
カゲ/意味深よー。対策を立てるよー。高坂みたいに鉄砲にされちゃったエージェントもいるけど生き残ってるのが少なくともここに4人以上いるなら、動くのよー。
綾斗/……そうだな。あーあ、こうなっちまった以上、ほっとけば世界終了! 第三部完! なーんてことになりかねませんもんなぁ。
カゲ/現実は非情である、にはまだ早いよー。
綾斗/同郷のよしみってやつで、あいつのことどうにかしてやる義理もある。できれば助けてやりたい。あいつも、この町も。
GM/あいつも、と言った空を見上げると……堂々とあいつの姿が。というところでミドルフェイズ始まる。

【AF判定リスト】
(1)『契約』の相談はミドルフェイズ前(このタイミング)で可能。
(2)『供給』は1人1シナリオに1回まで。クリンナップタイミング(AF判定終了後)にキャラクターを選択して可能。シーンに登場しなかったキャラクターでもよい。


1『AF判定:巨大剣との死闘』
 ・使用能力値:【体力】【意志】
 ・難易度:25

※「巨大剣と戦い、圧倒的な戦力差に敗北、逃走する」演出に成功すること。
 成功した場合、死闘の末にある話を聞くことができる。

2『AF判定:人々を助ける』
 ・使用能力値:【反射】【知覚】
 ・難易度:20

※「道具に変えられてしまった人々や、光によって無力化してしまい逃げることができない人々を安全な所まで救出し終える」演出に成功すること。
 成功した場合、人々を無事救出したボーナスを得ることができる。

3『AF判定:NPC1との思い出』
 ・使用能力値:【理知】【意志】
 ・難易度:20

※「桜花と暮らした日々を回想する」演出に成功すること。
 成功した場合、桜花と話した過去を思い出すことができる。
※このAF判定はPC1ハンドアウトのPCでなければ判定できない。

4『AF判定:NPC2に連絡を取る』
 ・使用能力値:【理知】【幸運】
 ・難易度:15

※「透の居所まで向かい、到着する」演出に成功すること。
 成功した場合、透と接触を図ることができる。
※このAF判定はPC2ハンドアウトのPCでなければ判定できない。

5『AF判定:探索』
 ・使用能力値:【知覚】【理知】
 ・難易度:20

※「調べる」演出に成功すること。
 成功した場合、ある情報を入手できる。
※このAF判定は「イベントキー:殺人現場」がなければ判定できない。


カゲ/ここで『契約』をする相談をしようー。
綾斗/マスターになりたいという意見が誰もいないなら、みんなで円みたいに契約を結ぶといい感じですか? お互いぐるぐる回ってバターになりましょう!
紅朱/円になる……ああ、なるほど。その手があった。
カゲ/ではまずアヤトさん、誰のサーヴァントになりたい!?
綾斗/ええ〜? てれてれ、迷いますね〜?(笑) PCのつながり的な意味でも、マスターかサーバントどっちかカゲとクレハと繋がっておきたいかも〜。
カゲ/今なら幼女のサーヴァントになれるし、クレハさんのメロンパンやヤキソバパン買ってくる権利も買えるよー。
綾斗/どちらも捨てがたいんですけど、なんかパシられるの役得っぽくない?
紅朱/役得! 役得!
GM/役得なのかよ(笑)
綾斗/よーし自らパシられにクレハさんの舎弟になろうかな!
クレハ/やったぜ! よろしくなー!
綾斗/チッス先輩よろしくおねしゃーす! ぶいぶい!
カゲ/じゃあ次にクレハさん。誰のサーヴァントになりたい? 今なら女の子選びたい放題。
紅朱/迷うわ、カゲちゃんなの? ベニちゃんなの? どっちが好きなの〜?(笑)
クレハ/あああ迷う……いつも一緒にいるからカゲちゃんかな、とも思いましたが、ベニちゃんの可愛さが鰻上り。しかしベニちゃんはクレハにもついてきてくれるだろうか……?
紅朱/私を運んでくれるの……? わくわく。
カゲ/鞄に入ること前提か。
クレハ/ポケットならあるぜ! 運ぶ気満々だぜ! 一緒に前線に飛び出そう!
紅朱/やったー! 嬉しい!
GM/それでいいんだ!?(笑)
綾斗/ポケットに入ってるべにちゃん可愛いな(笑)
カゲ/必然的に、円を組むならカゲがベニのマスターになりました。カゲ子はベニが許すならヨシヨシするよー……。
紅朱/わーいカゲさーん! 布へダイブ!!
カゲ/お友達のこと何とかするなら、知ってるベニ達が頼りなのよ。だから頑張るのよー。布ばっさー。契約! ……そしてアヤトマスター、カゲサーヴァントになると。
綾斗/はいはい。どうぞよろしくお願いします。
カゲ/……アヤト、景気づけに布かぶっとく? 1月だしあったかいよ?
綾斗/そりゃ恩恵にあやかりたいですわなぁ。
カゲ/ふぁっさー。契約の音がしました。
綾斗/これ契約の流れだったんですね!?(一同笑)
GM/では全員『契約』完了(笑) 自分のキャラクターシートにマスターとサーヴァントに名前をメモしてください。マスターが戦闘不能になるとサーヴァントの令呪が使えなくなるので注意な。
紅朱/承知しました!
クレハ/はい、気をつけます。
カゲ/AF判定は誰がどこをやるか決めようか。必ず固定ハンドアウトじゃないとできない判定があるので注意だね。
綾斗/うん、3と4は注意……。
カゲ/カゲは、敗北ロールが楽しそうなので1や2が面白そうだなと挙手しておきます。
クレハ/クレハも1が気になりますが、4は早めにやっておきたい気もします。オープニングからトールさんの行方が気になっていたので、4ですかね。
カゲ/4だとトールに会えそうだね、クレハさん!
紅朱/おっきーを助けたいのであれば、紅朱が3を選んだ方がいいのかな?
綾斗/どれも気になりますが、2でぶんぶん人々を回収するのはお役に立てそうかも。
GM/それだと、1:カゲ 2:綾斗 3:紅朱 4:クレハ……こうなるか? では判定は誰がするかが決定しました。次からミドルフェイズです。現在教会には「これはアイザックさんだった聖書です……」「これはルカ氏だったメイスとフォイだった何かです……」と並べられている中、君達は動き始めます。
紅朱/なにか?(笑)
クレハ/なにか、とは?
綾斗/ああ……なにものにもなれないフォイ(笑)
カゲ/フォイのスキルウェポンって「自分が爆弾になる」だもんな(笑)