アナザーワールドSRS・リプレイ・ワンアンドアナザー
■ 第5話『 ハワイ編 』 4ページ ■
1998年〜2004年(仮想リプレイ公開2017年12月30日)




 ●ミドルフェイズ7/ジーク 〜11月30日・7シーン目〜

ジーク/俺は、さっき1つだけ失敗した判定があったからさ、それの再挑戦をしたいんだ。
GM/そうだったっけ。じゃあもう一度挑戦しよう。何の項目だっけ。
ジーク/忘れちゃった。
GM/……何の項目だっけ?
スウィフト/……何について調べてたんだっけ?
ジーク/いやー、ド忘れしちゃってさー。失敗したから次に期待だってところまでは覚えているんだけどさー。
オーウェル/えっと……何だっけ?
ドレーク/忘れているぐらいだから、さほど重要でもない項目だったか……?(笑)
ジーク/あ、ドレークが連れてきた143人の精霊ツァドキエル族が寝るビーチを用意するって行動をしていい? ビーチのド真ん中で143人ズラッと眠るように場所取りするよ。
GM/他の観光客がいるだろ、難しいと思うんだが……花見の場所取りかよ(笑)
ジーク/難しいなら難易度:高だね! 12以上で成功か! イケるイケる!
GM/いや、その難しいじゃなくって……。
ジーク/何の能力値で振ればいい!? 場所取りは体力勝負かな!? あとは運良く団体客が帰ったところをササッと奪うとか!?
GM/……あ、うん、じゃあ【体力】と【幸運】で難易度12でいいよ……。
ジーク/提案したはいいけど、俺って【体力】3で低いんだよね。だから【幸運】で(ころころ)達成値8で失敗!
スウィフト/普通に惜しくもなく失敗した。
ジーク/ドレークぅー! 10D6人の配下を貸してぇー!
ドレーク/減らせと!? ビーチに143人寝かせるクリティカルをしろと!?(笑)
スウィフト/あー……でもクリティカルなら有無を言わさず成功させることができるよ。たとえ警察が来てもライフセイバーが来ても「あ、この人達クリティカルで寝てるんで」で追い返せるよ。
オーウェル/しかも砂場で明日朝7時まで寝てるんだよな……ビーチで……(笑)
ドレーク/狂気かよ。テレビ局が来て珍ニュースになるぞ(笑)
ジーク/あと、教会が首謀者を捕まえにビーチに来てもクリティカルで寝かせているから起こせない。
GM/いや、そこは教会は普通に起こすしそのまま連れて行くから……(笑)
ドレーク/……ジークとスウィフトが引き下がらないのでクリティカル化します! さらば10D6人!(一同爆笑・ころころ)……おっ、出目が低い! 合計で29人!
ジーク/149人がズラッて砂浜で寝ている周囲に29人のグラサン黒スーツ集団が守っていることに。
GM/なりました。
オーウェル/GM、嫌なら拒否ってもいいんだぞ!(笑)

(1)『精霊ツァドキエル』をビーチで安全に寝かせる→難易度:高に成功

ジーク/次に、さっき失敗した『襲われた人々』がいた場所に何かあるか再挑戦してみます。
オーウェル/なにサラっと思い出してるんだよ!?(一同爆笑)
ドレーク/あれだけ忘れた忘れた言ってたのに! 変なシーンを作って自然に思い出してるなぁ!?(笑)
ジーク/ドレークが10D6を計算しているときに思い出したんだよ。ということで、もう一度判定するよー。(ころころ)お、成功。

(2)『精霊ツァドキエル』(仮)が人々を襲った場所に何かある?→難易度:中で成功
 襲われた場所は、メインの街から各観光地に繋ぐ人気の無い山道で襲われた。見ている人が少ない状況に強盗にあった。
 自然が多く、道路は整備しているが近代的でない山道の近くにはもちろん山がある。かつて活発な火山として有名だが小規模な山の名前は、エルドエア火山。
 キラウェアなど有名な山に比べると小ぢんまりとしており、匂いが強く長居が好まれない場所なので余計に人が少ないのだろう。
 だが人が住めない地域ではない。かつては周辺にも原住民が住んでいたが、火山は定期的に活発となり今ではただの道になっている。


ジーク/あ……なんか、名前が付いているスポットが出てきた。エルドエア火山だって。
GM/エルドエア火山の説明だが、キラウェア火山のように標高が1000メートル以上ある大きな有名所じゃない。標高200〜300メートルぐらい。
スウィフト/小さい。いや、海と面している諸島でポコポコ300メートル級があるってそれはそれで住むの大変そうだけど。
GM/大変だし、あまり良くない匂いもするから人が住まずに山道のまま、通り道にされているんだろう。……あと1つ、質問か行動ができるけど?
スウィフト/……第三勢力、出てこないなぁ……。
ドレーク/スウィフトは第三勢力がいること前提に話しているけど、違うのかな……。
オーウェル/周辺に原住民……こいつらを調べるか……?
GM/カードにエルドエア火山は無い。なので「エルドエア火山を調べる」ような行動はできない。必ず5つのカードを使った行動や質問をしてくれ。
ドレーク/あ、本当だ。違うアプローチをしなきゃなのか。
オーウェル/カードに書かれた言葉に絡めてじゃないと行動や質問できないんだよな。他に訊いてないのって……。

 提示された情報カードは全部で5つ。
 ・『精霊ツァドキエル』
 ・『襲われた人々』
 ・『11月30日の安息日』
 ・『人外同盟 リリルラケシス』
 ・『退魔組織 教会』


ドレーク/……そういや、リリルラケシスについて調べてないと言えば調べてないな。それよりも精霊達に会ったり被害者について調べる方を優先した方が良いと思ったんだが。
スウィフト/そこは間違いじゃないと思う。一番最初にあたって正解だよ。リリルラケシスは優先度は低かったし仕方ない。
オーウェル/あとは……11月30日の安息日自体に何かあるとかか? 教会についてはスウィフトがラッキーを引き当てていっぱい訊いてくれたし。
ジーク/GM、3つ目の行動いいかな? リリルラケシスと教会にエルドエア火山周辺の出身者はいないか調べられる?
オーウェル/……おっ?
ドレーク/無理矢理、カードと新ワードを重ねてきたな……?
GM/……2ついっぺんに調べるなら難易度:高だ。1つずつなら難易度:中の【理知】か【幸運】判定いいぞ。
ジーク/取るなら2ついっぺんに調べるよ。……あとGM。俺には≪対人交渉力≫っていう交渉達成値に+2があるんだけど、知ってそうな人を捕まえて教えてもらうって描写にしてもいい?
GM/知ってそうな人ってどんな人?
ジーク/ビーチで警護してるドレークの配下と、スウィフトのイトコ……いや、やめよう。調べるなら、俺の式神を使って現地の幽霊とかを捕まえる! ≪妖精使役≫や≪風霊操作≫、≪地霊操作≫があるから見つけてもいいよね?
GM/おお……おおお、そうか、リリルラケシスや教会を使うんじゃなくて、現地の霊か。しかもツァドキエル族でもない……了解、探せたことにして判定してくれ。
ジーク/はーい。(ころころ)達成値12で成功! 交渉+2で良かった!(笑)
GM/……ジーク、おめでとう。

(3)『人外同盟 リリルラケシス』と『退魔組織 教会』にエルドエア火山出身者はいるか。→難易度:中で成功
 現地の風霊が話をしてくれた。「現地に紛れ込んだリリルラケシスのスパイの一人に、昔エルドエア火山の麓にあった村の出身者がいる。名前はミドだ」
 また、現地の地霊が話をしてくれた。「教会の諜報員の一人に、昔エルドエア火山の麓にあった村の出身者がいる。名前はファドだ」
 なお、ミドが兄、ファドが弟。実の兄弟である。


ジーク/レッシーと空男は?
スウィフト/じゃじゃ丸ピッコロぽろりじゃないのかよ。俺達の世代、そっちだろ。
GM/GMはどれもしっかり観たことない。名前は適当だ。
ドレーク/『おかあさんといっしょ』を観ないで育つとか器用な生き方してるな!?(笑)
オーウェル/教育テレビはどうでもいいけど、また名前がわざわざ設定されているキャラが出てきたぞ……。ミドとファドってどんな奴か詳細は判るか?
GM/まず第一に、人外同盟リリルラケシスに所属している時点でこの2人は人間ではない。ハワイ原住民の人外であり、精霊アレフオヒア族というこれも希少種だ。精霊ツァドキエル族とほぼ同じで住んでいる村が違う程度だな。日本でいう東京人と大阪人ぐらいの違いしかない。
オーウェル/……わりと違うな(一同笑)
GM/そうだな、わりと違う。同じ言語を使っているので互いに会話ができるが、微妙にイントネーションが違ったり性分や文化に差異がある。だからアレフオヒア族は11月30日に安息日のような伝統が無い。外見は瓜二つだろう。まあどちらも人間とそう変わらない。一番違うのは、精霊ツァドキエルは森の中の物静かで平和主義、精霊アレフオヒアは火山の麓の活発で攻撃的な性格といったところか。
オーウェル/ツァドキエルが関東人でアレフオヒアが関西人か。
ジーク/つまり、ドレークは関東人でスウィフトは関西人だな?
ドレーク/イギリス人です。
スウィフト/群馬県民です。
GM/ではここで、このミドとファドの名前を探り当てたプレイヤーは特別な行動をすることができる。直接ミドファドに会えるか【知覚】か【幸運】判定に挑戦することができるぞ。難易度は10だ。
ジーク/えっ、これって俺1人で会うことにならない?
GM/……村に滞在しているドレークとオーウェルは不可能だな。スウィフトに声を掛けたなら2人で会えるかの判定をしてもいい。
ジーク/スウィフト、一緒に来てくれー!(ころころ)うーん、【知覚】で振ってみたけど達成値8で失敗。
スウィフト/(ころころ)……おっ、【知覚】で達成値14! 成功!
GM/スウィフトはジークからミドファドという兄弟の話を聞き、彼らを探してみた。すると偶然にも該当する兄弟を発見することができた。……後を追いかけることができるが、どうする?
スウィフト/僕は既にミドルフェイズを2つした。これから何が起きても手番は無いし、残すクライマックスフェイズまで待機になる。追いかけてイベントを発生させられるなら行こう。
ジーク/俺も連れて行ってー!
GM/2人はミドファドの兄弟を追跡することにした。……残すはオーウェルのミドルフェイズがあるが、先に特別イベントを発生させよう。


 ●トリガーイベント/ジーク&スウィフト 〜11月30日・???〜

GM/リリルラケシス所属であるミドと、教会所属であるファドが落ち合った。2人はある場所へと車を走らせる。……所属が別々で敵同士になるかもしれないが、元が実の兄弟でありこの国が故郷であれば2人で出会うのは当然かもしれない。さて、追いかけるロールは【体力】か【反射】で難易度10だ。どっちかが成功すれば追跡成功とする。
スウィフト/僕もジークも前線タイプじゃないんだ……出し惜しみをせず使おう、≪幻想式≫で達成値+4!(ころころ)達成値14、成功。
オーウェル/ミドファドは車で移動って言ってたが……ジーク達は何で追うんだ?
スウィフト/僕がレンタカーを借りて運転するよ。
ドレーク/お、スウィフトは免許を取ったか。
スウィフト/群馬県民は車が無いと生きていけないんだよ。
ドレーク/切実だがその通りだ……(笑)
スウィフト/車にクレイモアを連れて行ってもいい? これから作戦があるのに仲間の中に怪しい動きをしている奴がいるよって言ったらついて来そうだと思うけど。……正直「実はこいつ、怪しいんだ!」って説明するより怪しそうな様子を実際見てもらった方が説明が楽だから。
GM/ついて来てくれるかどうか、クレイモアに対して【理知】で交渉判定を。難易度は……中で、10で成功できるかだな。
スウィフト/(ころころ)成功。
GM/では車に一緒に乗り込んだ。追跡に成功している。……次はこちらの動きをミドファド兄弟に察せられないかの判定をしてもらおう。目立っていいなら判定はいらないが、知られないまま運転するなら成功しなければならない。これは運転するスウィフトの【反射】判定かな?
スウィフト/ここも出し惜しみせず≪幻想式≫を使う。(ころころ)うえっ、出目が良すぎた……≪幻想式≫のおかげで達成値18。
ジーク/すげードライビングテクニックだー! そのまま追い抜いてやれー!
スウィフト/峠越えは基本運転だからできるよ。……運転に成功しているのは嬉しいんだけど、僕がミドファドを追っている理由は、「人々が襲われるエルドエア火山の麓の謎について、原住民なら知っているか尋ねるため」なんだけど。それでいいよね?
ジーク/あ、カーチェイスする必要が無かった。
GM/ミドファドの車はある所へやって来る。それは……エルドエア火山の麓だ。スウィフト達には、その周辺が彼らアレフオヒア族の出身地であり、危険なガスが出ているため手放した元集落であり、人々が襲われている山道であることが判る。
ジーク/現場に来たんだね。
GM/ミドファドは車を出て、人気の無い山を登っていく。標高300メートルぐらいでも山は山だ、現在は人間も精霊も住んでいない山だ。もし追いかけるなら【体力】か【意志】判定で難易度10に成功しなければならない。失敗したらバッドステータス:毒になる。
ジーク/よし、失敗しよう! 失敗したら俺の渾身の陰陽術「≪不変不動≫!」がついに使える!
スウィフト/(すかさずころころ)成功しました。
ジーク/(ころころ)……成功しました……。
GM/成功おめでとう。スウィフト達はバレることなく、毒ガスに侵されることもなく山道を行くミドファドの追跡をすることができた。……ミドファドは山の中、少し開けた場所に到着する。そこには古い家屋がある。どうやら昔住んでいた場所のようだ。
ジーク/……かつての実家かな?
GM/その古びた家の前には……古いが、神々しい肖像画が立てかけてあった。神話を描いた壮大な絵だ。その肖像画を見てしまった者は美しさの前に息を呑むかもしれない。それほど抗えないオーラが絵画の中にはあった。
スウィフト/ほう? 神様の絵とかかな……?
GM/大山のぶ代の声で喋りそうな青い自立二足歩行型狸の絵の前にミドファドは跪く。
ジーク/ドラえもんだあぁー!?(一同笑) ついにドラえもんが来たー!
スウィフト/一番の大物が来た! ドザエモンズのトップが来るのか! ついに!(笑)
サブGM/(突然セッション部屋入ってきて)こんにちはー。セッションを見学に来ましたー。ねえ、今どこまでシナリオ進んでる?
ジーク/家の表札にドラえもんのポスターが貼ってあるところまで。
サブGM/映画版の告知でもしてたの?
GM/ミドファドは、まず神に祈りを信心深く捧げた。その様子からどうやらミドファドの2人は、ドラえもん神を信仰しているらしい。
ジーク/ど、ドラえもん神……(笑)
オーウェル/ドラえもんのポスターの前で頭を下げてるのか……(笑) でも確か、ドザエモンズの第一位ってことは……ヤバイよな?
GM/ここで第4話で公開された邪神リストをもう一度公開しよう。

『ドーマ サキエル』
 第一位。時空、時間、宇宙の力を操る『巨大な剣』の神。イメージはFF6のラグナロック。堕天外見アバターはドラえもん。


スウィフト/序列第一位のドラえもん……邪神の総大将ってことだよな、絶対強いに決まっている……(笑)
ジーク/あ、ここでドザミちゃんの話が出てくるんだ! あの2人、ドラえもん……じゃなくてドザエモン……だと響きが悪いからドーマサキエル(笑) ドーマサキエルを崇めているんだよね?
GM/うん、崇めている。そしてミドファドは、単なる絵であるそれに向かって言い聞かせるようにこう呟く。「神よ……我らが神よ……100人の生贄は今夜揃うでしょう……顕現は近い……神よどうか……我らに力を……」
オーウェル/邪神を、召喚しようとしている?
ドレーク/……神も招かれなければ訪れることができない。招かれれば訪れることができる。で、邪神がこの世に現れたら?
オーウェル/……ユウメイイスタディオによって、現れただけで街が大変なことになった。それが今度はハワイで起こるな。止めた方がいいに決まってる。ちなみに、教会所属のクレイモアの反応は?
GM/んー……(ころころ)状況が把握できてないから何も出来ない状態。このキャラクターはドラえもんの絵を見ても何も反応しないし。日本のアニメキャラだなぁとしか思わない。
オーウェル/あ、そっか。ドザエモンズの存在も正体すら知らないもんな(笑)
ドレーク/ドラえもんの絵の前で祈ってる姿に恐怖を覚えてもいいんじゃないか。
オーウェル/それはあるかも(笑) ……今すぐ2人を取り押さえることはできるか?
スウィフト/後衛系の僕らだけで? ちょっと無理かな…………いや。
ドレーク/「いや」って言った。
スウィフト/……僕らは今、全部の判定を成功させて隠れている。ミドファドには捕まっていない。不意打ち状態で後ろから突然≪暗黒の渦≫をブチかましたら倒せる。
ジーク/おおおお!? スウィフト、今日のスウィフトずるいよ!(一同爆笑)

 ≪不意打ち≫
 待ち伏せをする、寝込みを襲撃するなどといった自動取得特技。
 使用者の【反射】と、対象の【知覚】(GM判断で修正を入れること)で対抗判定を行なう。成功した場合、対象の最初のラウンドを行動済にすることができる。
 基本的には相手が気付いていない状態で使用するため、対象が避けるための【知覚】判定には大きなペナルティが発生する。まず失敗しない。

 ≪暗黒の渦≫
 魔法エネルギーを暗黒の力に変換する[魔術師]の主特技。
 そのラウンド間、ダメージ+[9D6+クラスレベル]点。
 この≪暗黒の渦≫と上位版特技≪這いよる混沌≫が『AW』での最高ダメージ特技の一つであり、スウィフトは超強力の必殺技を不意打ちで使おうとしている。


スウィフト/こいつらが嘘の情報を流して、教会とリリルラケシスを戦わせて、その間に生贄を用意して邪神を召喚……ってところかな! 早くに倒した方が良いと思う! なので、攻撃をしよう!
ジーク/良いね、やっちゃえー! あっちは気付いてないから出来るよねー!
GM/出来るね。じゃあ……命中判定をしよう。
スウィフト/2人とも家の前で祈りを捧げているなら、どっちも20メートル以内にいるよね? じゃあマイナーアクション≪法則拡大≫+メジャーアクション≪暗黒の渦≫+スキルウェポン≪魔導書≫で攻撃! 命中判定前には≪幻想式≫を使って命中達成値に+4するよ!
オーウェル/抜かりが無い!(笑)
スウィフト/命中の固定値17、命中判定!(ころころ)……まあまあ! 命中23!
GM/不意打ちだから避けられないかなぁ……いや、特殊な訓練を受けているからマイナス4ぐらいのペナルティで回避判定だけはさせてくれ。(ころころ)回避11と回避12で当たってしまう。
スウィフト/ダメージロール!(ころころ)両者に霊力ダメージ、56点! 後ろから魔法ドーン!
ドレーク/うわ……なんだそのダメージ……(笑)
オーウェル/久しぶりにスウィフトのダメージを見たけど、凄いな……(笑)
GM/あー……これはやばい、吹っ飛ぶ。じゃあ、ここで……クライマックスフェイズに用意していたとあるイベント、出していいかな?
スウィフト/うん? 何か前倒しになったのかな?

 【九死に一生!? ミド&ファド、最期の力を振り絞って生贄を作ろう!】
 精霊ツァドキエル族を邪神ドーマサキエル召喚の生贄に捧げようとしたミドとファドの作戦が完遂不可能となった場合、こんな行動に出た!
 プレイヤー(GMが好きに選択)に【幸運】判定を行なわせる。その達成値によってイベントが発生する。
 達成値0〜8:エルドエア火山に仕掛けた爆弾のスイッチを押す。元から活発だった火山が爆破され、噴火。逃れない大惨事になる。
 達成値9〜15:精霊アレフオヒア族に仕える下級霊達を大量に召喚する。多くの悪霊が現れ、ツァドキエル族を襲う。悪霊達を退散させれば大惨事にはならない。
 達成値16〜24:ミド&ファドの周囲にいたPCに対し、特攻の自爆技を使う。PCの周りは自爆によって大惨事になるが、シーン外の人々に被害は出ない。
 達成値30以上:ラッキー、何も起きなかった。


オーウェル/なにが「九死に一生!? 生贄を作ろう!」だよ!?(一同爆笑) 変なキャッチフレーズを作るな!
スウィフト/順当に普通の判定達成値を出せば……噴火は起きない! 噴火させたらヤバイだろ、それだけは絶対に阻止しないと!
GM/でもハワイを舞台にしたら、とりあえず火山を……ねえ?
ジーク/「噴火させなきゃ!」って使命感が出るよね。
ドレーク/そんな使命感いらねーよ……(笑)
GM/えっと、まだオーウェルの手番が残っていたり、『11月30日の安息日』とかで調べられる情報はあるんだけど……既に一番盛り上がるシーンが出たから前倒しでクライマックスフェイズにしていいかな? それとも火山が噴火しているときにオーウェルは情報収集したい?
オーウェル/そこはGMの言う通り前倒しで頼む(笑)
GM/じゃあ【幸運】判定をしてもらおう。順当に……ミドファドに一撃で致命傷を負わせたスウィフトに判定してもらおうかな?
スウィフト/待ってました。僕にはまだ≪幻想式≫がある、使って達成値+4にするよ!(ころころ)……うわっ、達成値15! 惜しい、1足りない!
ジーク/でも達成値8以上は余裕でクリアーしているから、噴火はしないよ! 残念ながら!
GM/残念ながら火山噴火はしなかった。残念ながら。
スウィフト/なんか成功した自分が憎くなってきた。
オーウェル/落ち着け、成功したから喜べよ(笑)
GM/という訳で第2段階目の結果がクライマックスフェイズに反映される。……ミドファドはスウィフトの魔法をモロに食らい、その場に倒れ伏す。一撃必殺だった。
スウィフト/魔法ドーン。キマった。
GM/……しかし! それで観念する邪教徒ではなかった! 「我が神を……ドーマサキエル様をこの世に顕現させ……世界を滅ぼし、我らの神を勝利に導く……そのためには、大量の生贄を! どうか大量の死を!」 2人はそう叫び、呪文を唱え始めた。
スウィフト/その呪文詠唱は止められないんだな……。でも、何とか止めようと2人に魔法で追い打ちをかけようとするよ!
GM/だが、スウィフトの第2撃は間に合わなかった。高速詠唱は完成し、周囲にバチバチと火花が散る!
ジーク/あちっ! 痛っ! 静電気だー!?
GM/元々この辺りは魔力が宿りやすい島国だった。邪神召喚の為の準備はしていた兄弟は、最終手段に出る。それは火山の噴火……はできないが、予防策として取っていたもの。下級霊を召喚し、そいつらに大勢を襲わせて血を流せるという強制生贄の刑だった!
ジーク/おおお……カッコイイ……。
スウィフト/おおおおー……雰囲気出てる……!
GM/強制生贄の刑だった!
ドレーク/2回言わなくていい(一同爆笑)
GM/呪文を唱え終え、無数の霊を召喚し終えた兄弟は息を引き取る。という訳で標高300メートルの山にて、悪霊がどばっと現れます。
オーウェル/……こいつらを倒せばいいんだな!?
GM/うん、だけど正直数が多すぎるので、3ラウンド生き残ればOKです。3ラウンド経てば下級霊は召喚主も死んで供給魔力源を失っていることで消滅する。4ラウンド間、PC達が生き残ることができれば、戦闘クリアー。
ドレーク/生存することを目的にすればいいんだな。
GM/もちろん殺しにかかっているシナリオなので敵は全員モブじゃない、ちゃんと戦闘データの存在している敵だよ。倒すことより生き残ることを考えよう。
スウィフト/へー、そういうルールなんだー。敵は何体いるの?
GM/1000体です。
オーウェル/バッカじゃねーのぉ!?(一同爆笑)
GM/……正確には1トループあたり100匹計算にするので、10体の敵と戦ってもらいます。敵を1体倒すごとに100匹の怨霊を倒した計算だよ。
ドレーク/それなら少ない……と思ったけど、10体でもPC4人には多いな(笑) けれど、全部倒すのではなくて生き残る目的なら……いけるかもしれない。
スウィフト/そうだね、生存目的の戦闘ならちょうど良いバランスかも。
GM/なお俺は戦闘シナリオ初GMです。
オーウェル/……難しいかもしれない(一同笑) これは、気紛れに殺されるフラグだぞ?(笑)

【エンゲージ】
 エンゲージ1:怨霊A、怨霊B、怨霊C、怨霊D、怨霊E
 (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ2:ジーク、スウィフト
 (↑移動に1D6÷2ラウンドかかる距離だけ離れている↓)

 エンゲージ3:オーウェル、ドレーク
 (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ4:怨霊F、怨霊G、怨霊H、怨霊I、怨霊J


GM/シーンが分断されたし、こういう配置はどうだろう?
ジーク/おー、5つずつ受け持つような形なんだな。
オーウェル/……オーウェルとドレーク側には回復手段が無い。ジークの特技はもちろん俺達には届かないよな?
GM/場所は全然違うから無理だ。
スウィフト/1D6ラウンド離れているってあるけど、この1D6は誰が振るんだ?
GM/移動したいといったPCごとに決定する。道に迷ったり転んだりするかもしれないから、ジークは6ラウンドかかるかもしれないが、オーウェルは1ラウンドかかるかもしれないということで。
オーウェル/4ラウンドまでの戦闘なんだよな。生き残り目的の戦闘で回復特技が無いのはつらいが……。
スウィフト/…………GM。クレイモアのデータは無い?
GM/用意してない。戦う描写はするけどデータとしては無い。そうだな……スウィフトが戦闘不能になったら同時にクレイモアも敗北したという演出にしようか。
スウィフト/今からGMに言いくるめをする。
GM/……うん?
スウィフト/第1話と第2話でこの子の戦い、見てない? 見てないよな? 実は彼、僕のイトコ……第1話で666匹のカラスを倒してる。
GM/何してるんだよ。
サブGM/(←見学中の、第1話のGM)ダイス3つ振って、出目が良かったんだよ……(笑)
スウィフト/第2話で街に散らばった小鬼を1人でクリティカル成功で討伐してる。
オーウェル/何故か出目が良いんだよな……(笑)
スウィフト/中学生当時からそんなに強かったんだよ? 7年後の今、一人前の戦士になったんだよ? 一緒に戦ってくれ。何かボーナスください!
ジーク/むしろ怨霊全部倒してくれよ(笑)
オーウェル/いや、それはちょっと……1000体いるし……(笑)
スウィフト/あー、じゃあ、クレイモアのターンになったらプレイヤーがD666を振ってその分だけ敵が減るとか。
ドレーク/そ、それだと運が良ければ一気に敵が減るぞ?(笑)
GM/んー……2体減っても残り8体いるし、それだけ強い編成にしているし。いいや、セッションの残り時間もおしてるしやってみようか。

 このとき、GM経験のあるサブGMと、少しのボーナスを貰いたいから提案したスウィフトの中の人は、口には出さなかったが揃ってこう思ったという。
 「……戦闘慣れしていないGMがアドリブで調整をすると、大抵失敗するぞ……」と。

【行動値】
 オーウェル:16
 ジーク:15
 怨霊10体:15
 ドレーク:14
 スウィフト:12


ドレーク/おおっと、敵が結構早かった!? 10体も先手を取られた……。
GM/敵データは全部強めに設定してあるから。
ジーク/あっ、クレイモアのターンになったら攻撃してくれることになったけど……データが無いのに【行動値】どうしちゃう?
GM/PCの【行動値】が12から16の間だし、3D6で決めちゃおう。(3D6ころころ)5と5と6。……16。
ドレーク/高いよ!?(笑)
ジーク/でもこれで怨霊10体より早く動いてくれる!(笑)
GM/おかしい、俺はこんなに出目が良いタイプではなかった筈なのに……。では戦闘を始めよう。霊1000体はセットアッププロセスに≪魂砕≫を使用。霊力ダメージ+2D6して襲い掛かってくる。ちなみにクレイモアは敵を減らす行動しかしないのでセットアップは無い。【HP】もスウィフトと連動しているしな。
ドレーク/判った。ドレークはセットアップに≪闇の血統≫を使用。数年ぶりに戦うか……。大きな銃を取り出す!
スウィフト/僕のセットアップは≪飛行の札≫を使って【行動値】を+4して飛行状態になるよ。ぶーん。

【行動値】
 オーウェル:16
 スウィフト:16

 クレイモア:16

 ジーク:15
 怨霊10体:15
 ドレーク:14


GM/ではまず、【行動値】が高いオーウェルとスウィフトの行動から。
オーウェル/ああ、それじゃあ俺は≪撃滅≫を使って手近な怨霊を……。
スウィフト/いや、待って。逃げよう。
オーウェル/……えっ、逃げるの?
スウィフト/この戦闘は生き残ることが勝利だよ。しかもこのゲーム、【MP】が0になったら気絶して総攻撃を受けてしまう。ダメージアップのための特技を使って【MP】を消費したら、逆に僕達の方が振りになるよ。
オーウェル/あ、その通りだ……。じゃあ、少しでも怨霊から離れる!
スウィフト/僕も可能な限り怨霊から離れるよ!
ジーク/わー!? 置いていかれたー!?(笑)
スウィフト/いや、そこでジーク1人を置いていきはしないよ……僕のイトコがいるし。ということでエンゲージはこういう移動になるね。

【エンゲージ】
 エンゲージ1:怨霊A、怨霊B、怨霊C、怨霊D、怨霊E、クレイモア
 (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ2:ジーク
 (↑41メートル離れている↓)
 エンゲージ3:スウィフト

 (↑移動に1D6÷2ラウンドかかる距離だけ離れている↓)

 エンゲージ4:オーウェル
 (↑20メートル離れている↓)

 エンゲージ5:ドレーク
 (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ6:怨霊F、怨霊G、怨霊H、怨霊I、怨霊J


ドレーク/ちょっ……俺も置いていかれた……(笑)
スウィフト/何の為に配下がいるんだ、回避判定に使うんだよ! ということで僕のイトコのターンだよ!
GM/(←PCに逃げられて想定していない状況に困惑する顔)
ジーク/プレイヤーが3つダイスを振って、その分だけ幽霊の数が減るんだっけ? 出目が良いスウィフトが振れー!
スウィフト/鶴瀬くん頑張れー! ここで出すんだ、高い目をぉー!(D666ころころ)あ、641体の幽霊を倒しました。
オーウェル/おかしい!(一同爆笑)
ドレーク/おかしい! 強すぎだろ!? なんで6を出せるんだよ!?(笑)
GM/おかしい!(笑) それは、おかしい! 1ラウンドにどうやって641体を倒してるんだよ!?
スウィフト/倒したんだよ! 僕のイトコが音も無く動いてズバッと怨霊の群れを倒したんだよ! 怨霊1つにつき100体のトループだったよね!? だから6体分倒したよ!(笑)

【エンゲージ】
 エンゲージ1:クレイモア
 (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ2:ジーク
 (↑41メートル離れている↓)
 エンゲージ3:スウィフト

 (↑移動に1D6÷2ラウンドかかる距離だけ離れている↓)

 エンゲージ4:オーウェル
 (↑20メートル離れている↓)

 エンゲージ5:ドレーク
 (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ6:怨霊G、怨霊H、怨霊I、怨霊J


GM/だからおかしいって!(一同爆笑) なんでエンゲージ1にいるのにエンゲージ6の怨霊まで倒せてるんだよ!?(笑)
スウィフト/近場は日本刀で無双して遠くの敵には弓矢で倒したに決まってるじゃないか。
ジーク/遠くの敵を日本刀で倒してもいいんじゃ?
スウィフト/それはさすがにリアルじゃない。
ドレーク/どの口が言う。
サブGM/(←状況に大爆笑しながら)あ、あの、GM……! さすがにこれは嫌だなぁ〜って思ったなら却下していいんだよ! 強めに作ってきたせっかくの敵データが使えないの悲しいし! ギャグで言ってるんだから!
スウィフト/あ、もちろんGMが却下するならちゃんと戦うから。
GM/笑っちゃったので採用で。
スウィフト/いつかのGMが言った台詞を言われた気がする。
サブGM/(第4話のGMことスウィフトを見て)お前だよ。せ、せめて【幸運】判定に成功させたら倒したことにしていいとかにしない? じゃないと……。
スウィフト/うん、そっか、【幸運】判定をすればいい? 判定直前に≪幻想式≫を使用して達成値+4して(ころころ)はい、16。600体倒すよ?
ドレーク/こいつ……出目が低くても固定値でゴリ押しで成功させてくる……!(一同笑)
ジーク/あ、俺は何もしませーん。する必要無いよね?
GM/……では残った怨霊4体こと、400体の幽霊達が移動する。

【エンゲージ】
 エンゲージ1:クレイモア
 (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ2:ジーク
 (↑41メートル離れている↓)
 エンゲージ3:スウィフト

 (↑移動に1D6÷2ラウンドかかる距離だけ離れている↓)

 エンゲージ4:オーウェル
 (↑20メートル離れている↓)

 エンゲージ5:ドレーク、怨霊G、怨霊H、怨霊I、怨霊J


ドレーク/まあ、こうなるのは必然だよな……(笑) 全部回避判定成功させないとな。
GM/本当に怨霊トループ1体のデータは強めに作っている。というわけでまず怨霊Gの命中判定。(ころころ)1回目命中20。
ドレーク/回避!(ころころ)6・6でクリティカル!
オーウェル/おおおおおお!? ドレークまで出目が良くなってる!(笑)
GM/怨霊Hの攻撃!(ころころ)2回目命中22!
ドレーク/2度目のクリティカルが出れば!(ころころ)14で失敗……10D6人の配下を使う! 残り配下数は30だが……(ころころ)よっし、28! クリティカル回避する!
スウィフト/おー、大量の幽霊と立ち向かう人外同盟の皆さんだー。戦闘っぽい。
ドレーク/命中22なんて回避7の俺が避けられる訳が無いからな!
GM/圧倒的な敵の数と強さだから『イベントキー:リリルラケシス』を渡したんだよ。(ころころ)3回目命中19。
ドレーク/もう配下は使えないな、回避……!(ころころ)えっ、また6・6でクリティカル?
GM/嘘だろ!?
ジーク/本当だー!?(笑) 6と6でクリティカルだよー!
スウィフト/なんでその半分を第3話のときに出してくれなかったんだよ。
オーウェル/あ、あのときにドレークはいなかったし……きっとドレークが第3話に参加してたらファンブル地獄にはならなかったと思う(笑)
GM/最後だ、4回目!(ころころ)ラストは命中18……。
ドレーク/(ころころ)回避11……さすがに当たる。でも一発だけなら!
GM/霊力ダメージ30点ピッタリ。これ、本来なら範囲攻撃でオーウェルにも同じダメージを与える筈だったんだけど……どう?
ドレーク/【防御点】があるから引けば、生きてる。
オーウェル/【防御点】が無ければ即死だった……(笑)
スウィフト/2回以上命中していたらドレークは倒れていたね。3回目命中していたら……死んでいたかも。
ドレーク/ん?(暫く思考タイム)ここで残念なお知らせをしていいか。……俺のターンでメジャーとマイナーを使ってエンゲージ離脱をする。次のラウンドでオーウェルが逃げる。先に怨霊が俺を狙って追いかける。マイナーで移動できる奴らは、メジャーでさっきと同じダメージ量の4回してくる。
オーウェル/(暫く思考タイム)あ、死ぬ。ここをこうしても……(暫く思考タイム)トドメを刺される。(暫く思考タイム)ジークとスウィフトは1D6ラウンドしないと駆けつけられないし……。
スウィフト/(即答で)その前に僕のイトコが全員倒せば良くない?
オーウェル/それでいいのか!?(笑) お、でも……(暫く思考タイム)俺がドレークを庇いに元のエンゲージに戻ればいいんじゃ……。
スウィフト/それでもいいよ。先に僕のイトコが全部弓で倒すから。
GM/なんだその自信(笑)
スウィフト/長く考えても多分ドレークがクリティカル回避しない限り無理なんじゃないかな。だから「僕のイトコが倒すから」って自分を鼓舞してダイス目が高くなるように言いつけているんだよ! じゃないと不安になるからだよ!(一同笑)
オーウェル/「僕が倒すから」じゃなくて「僕のイトコが倒すから」なのが可哀想だよな……(一同爆笑)
ジーク/(長い相談タイムに痺れをきかせて)……えーと? そろそろセッション時間が長くて混乱してよく判らなくなってきたぞー? つまり何?
GM/スウィフトが百の位で4を出したら戦闘終了。
ジーク/あー、俺って何もしてないけど戦闘が終わるね。お腹減ったからヤっちゃってー。
サブGM/みんな、ジークの中の人が相変わらずのフリーダムをキメ始めたから頑張ろう(笑)
ドレーク/俺は攻撃せず、エンゲージ離脱からの移動をする。
GM/クリンナッププロセスになって、第2ラウンドセットアッププロセスに移行する。セットアップに敵は≪魂砕≫を全員使用する。そしてメインプロセスになり、オーウェルとスウィフトと……。
スウィフト/クレイモアの番、だから先に動かせてもらうよ。(ダイスに向かって)……判ってるんだろうなぁ!? ここで1とか2とか3とか出したら判ってるだろうなぁ!?
ジーク/ダイスに向かって叫んでる!(笑)
スウィフト/(ダイスに向かって)ここで決めなかったらドレーク死ぬからなぁ!? 絶対仕留めるんだぞぉ! (GMの方を向いて)聞いてるのかな鶴瀬ぇ判ったら返事しろぉ!
オーウェル/年下を苛めるなよ可哀想だろぉ!?(一同笑)
GM/(←何かツボったらしくて爆笑して何も返事ができない)
ジーク/返事が無い。きっと彼、精神集中してるんだよ!(笑)
スウィフト/絶対4体全員倒せよぉ!? 400体全部射ち落とすんだぞぉ!? 4以上出せよおおおぉー!?(D666ころころ)512。
ジーク/本当に出した!?(笑)
ドレーク/512体の幽霊を倒し……オーバーキルだ!(笑)
スウィフト/本当に出すとか引くんですけど。
オーウェル/それ言ったら可哀想だろ!(笑)
GM/(←再びツボったらしくて爆笑して何も処理ができない)
サブGM/えーと……GMが復活するまで、私が適当に演出をするね(笑) 怨霊が現れたときから彼の目は変わっていた。スウィフトは背を向けて大量の霊から逃げ出す。彼もそうすればいいのに……修羅の目となっていた彼は迷いなく抜刀し、走る。同時に500体の悪霊を一刀両断。ジークが瞬きするより早く500体は塵となっていた。
スウィフト/おかしい。
オーウェル/おかしい(笑)
サブGM/次に高台まで駆け、刀を捨てて魔法の弓矢を異空間から取り出す。遠く……1D6ラウンド遠く……村まで何キロだよ……(笑) その数キロメートル先で大量発生した怨霊に向かって、矢を放つ。すると一本の矢は百に分かれて次々と霊体を突き刺していき……。
ドレーク/おかしい。こいつ人外じゃないか?(笑)
スウィフト/残念ながら人間なんだよなぁ、僕達(笑)
GM/何かを叫ぶスウィフトの声はもう戦士になった後の彼には聞こえていなかった。頷きもせず、返す言葉もなく、第2撃を放つ。全部を仕留めた後に、彼は口を開く。「……はわ、何か言ってた?」
ジーク/ハッ、まさかこの男! 今思い出したが能力者史上歴代最多異端討伐数を誇るあの殲滅王、超級無双兵器、アブソリュートソルジャーのクレイモアこと鶴瀬 正一では!?
ドレーク/なんか急に二つ名が付いた!?(一同爆笑)
スウィフト/クレイモアなのになんで日本刀と弓矢なんだよ?
サブGM/そもそもクレイモアって何? モンスターの名前?
ドレーク/設定が煮詰まってないから全部ふわふわしてる(笑)
GM/全部倒されました。クライマックスフェイズ終わりにします。
スウィフト/やったー。僕は無傷で終わったぞー。
オーウェル/あ、これでいいんだ……お疲れ様でーす(笑)


 ●エンディングフェイズ

GM/えー、君達の活躍により怨霊1000体は倒された。
オーウェル/いや……NPC1人の活躍によってだな(笑)
ジーク/アルティメットソルジャーのおかげです。
オーウェル/二つ名が変わってるぞ(笑)
サブGM/多分二つ名で呼ばれたら「はわぁ〜、恥ずかしいからせめてコードネームで呼んでくれよぉ〜」って言いそうだよ。……あとGMの敵データを見せてもらったんだけど、どう見ても10体出ていいスペックじゃなかったから全員生還ルートはこの手段しか無かったと思う(笑)
ドレーク/そうなのか……本当に俺は死んでいたかもしれないんだな。
GM/だってスウィフトが不意打ちとか言いやがるから10体出して殺そうと思って。
スウィフト/だいたい僕のせいかよ!?(一同笑) いやだって……敵が倒せそうなら、全体攻撃するだろ!?(笑) それに「GMが拒否するなら」って何度も確認したよ! したよな!?
GM/…………。
スウィフト/…………。
GM/にゃー。
オーウェル/突然のユーキはやめろ!(一同爆笑) で、これで……犯人はどうなる?
GM/ミドファドはスウィフトが殺さなければ生きてるよ。……全容を説明すると、ミドファドは「自分達アレフオヒア族は住む場所を失くしているのにツァドキエル族は今もなお普通に生きている! 妬ましい! あいつらに酷いことしてやろうぜ、さらに言うなら我らが神のドーマサキエル様を復活させる生贄にしてしまおうぜ! いっぱい血を流させて、その負の空間で邪神召喚をしよう!」と考えたらしい。
ドレーク/そこで兄弟は、それぞれ教会とリリルラケシスのスパイになり?
GM/教会とリリルラケシスをぶつかるように仕向けた。……ツァドキエルとアレフオヒアは似たような外見の、似たような種族だ。教会が11月30日に突撃した際、能動的行動をしないツァドキエル族は大人しく連行されるだろう。そこに潜んでいたスパイの2人が口論の真似をして切り合うなり、大事件を起こせば……。しかも教会は戦闘のプロ、精霊達が襲い掛かってきたとなったらもちろん反撃するし……。
オーウェル/……大きな血を流す事件を意図的に作って、それに便乗してってか。狡い奴らだ。
ジーク/東京人と大阪人の区別って喋らなきゃ判らないもんな。
スウィフト/だよねー(笑)
GM/情報収集で、例えば「『人外同盟 リリルラケシス』の構成員を教えて」とか「『退魔組織 教会』の構成員を教えて」とか行動すれば、ミドファドの存在が出て来た。また、『11月30日の安息日』についてもう少し違ったアプローチで情報を得ればその日が邪神召喚にピッタリで、それについて詳しいアレフオヒア族という連中がいるって判る予定だった。
スウィフト/へー。どうにでも犯人には辿り着けそうだなー。……ミドファドは殺さない方向にしようか。出頭させよう。
GM/……それは、教会に? リリルラケシスに?
スウィフト/うーん……ここは間を取って警察に?
ジーク/あ、なら俺にちょうだい!
スウィフト/……こいつら、必要?
ジーク/一緒に住もうよー! ハワイ人だけど陰陽術の凄さ教えてあげるからさー、ついでに今住んでるアパートの家賃を払ってくれてもいいんだよー!
オーウェル/また自分の家に呼ぶ勧誘をしている……(笑) いっそ主従契約をすればいいんじゃないか?
スウィフト/そういえば僕達、契約ルール使ってないよね。
オーウェル/だって怖いし(笑)
ドレーク/マスターに「死ね」って言われたら死ななきゃいけないんだろ? そんな怖いのおいそれと出来ないだろ(笑)

 現在の『アナザーワールドSRS』では、PC間で契約するのは当然のルールになっています。
 ですがこの当時は、「主従の絶対服従」「必ずマスターの命令は聞かなければならない」という要素が強かったため、なかなかしようとするプレイヤーはおりませんでした。
 『AW4版』ではPC間での拘束力は「令呪を用いた命令に背く場合、体が重くなる」程度の改変になっています。


ジーク/よーし、俺がドリスに続いて契約ルール実行第2号になってやろう! おいでよー! 俺と契約しよう! もちろん俺がマスターね、家賃払えー! じゃないとムショ行きだよー!
GM/……もしかしてこれは、「命が惜しければ一生、金を払え」みたいに脅されているのか?(笑) 契約を持ちかけられるか【理知】で交渉してみてくれ……。難易度は10で。
ジーク/よっし、交渉はプラスがあるから得意なんだぞー!(ころころ)出目が1と3……普通に失敗。
スウィフト/契約失敗だね。よし、警察署につき出そう。こいつらが観光客を襲っていた強盗ですよって!
GM/ではそれで犯人逮捕だ。……さて、ツァドキエル族だが。
ジーク/ビーチでズラリと140人以上が寝てる。
オーウェル/……夜になったらさすがに警察が来ないか? あと教会、この状況どうするんだよ?(笑)
GM/えーと……ズラリと寝ている140人の中から首謀者と思わしき人物のほっぺをペチペチと叩いて起こす。一応叩かれたら応じる精霊の人。
スウィフト/でも犯人は僕達が警察署に連れていったよ! それはクレイモアが連絡する筈だよ!
GM/そう。だから「あんた、犯人じゃないよね?」と一応確認するだけ。「違います。おやすみ。むにゃあ……」と眠る精霊に、「おやすみ」と言う教会の人。
ジーク/そしてその周りには護衛のリリルラケシスの皆さん。黒スーツとグラサンでズラリと立ってる。
ドレーク/警察が来る……いや、テレビ局が来る図だ……(笑)
GM/強盗の犯人は見つかった訳だし、騒ぎはならないよ。しかし違う意味でビーチは「なんだあれ?」「何の集団?」と騒ぎになっていた……というところで、今回の事件は終了。教会側のスウィフトには「よく真犯人を探してくれた」と褒められて報酬が、リリルラケシス側のドレークも「よくツァドキエル族を守ってくれた」と報酬が、協力者であるジークとオーウェルにも報酬が入るだろう。
ジーク/やったね! ハワイ豪遊の金ができた!
スウィフト/あー……僕の報酬は、鶴瀬くんの口座に全部入れておいてください。彼が一番頑張ったから(笑)
ドレーク/俺もそうしようかな(笑) しかしツァドキエルが無事なら魔王に良い報告が出来そうだ。……100人の部下をハワイで休ませた後に帰るぞ(笑)
GM/それではこのセッションはこれにておしまい。お疲れ様でしたー。
一同/お疲れ様でしたー!


 ●ミドルフェイズ8/オーウェル 〜12月1日・8シーン目〜

オーウェル/GM。1つだけ……俺のシーン、いいか?
GM/にゃー。……オーウェルだけミドルフェイズを省略しちゃったけど、何かしたいことでも?
オーウェル/気になることがあったから、おまけでいいからやらせてほしい。ダメならいいんだけど。
GM/えーと……ジークとスウィフトの中の人達は帰っちゃったけど、それでも良ければ
オーウェル/翌日に、『退魔組織 教会』のリーダーの……夜須庭と話すシーンを作ってほしい。そこに登場したい。
GM/……教会は、真犯人が警察につき出されたということで任務は終わった。ハワイには遊びに来た訳ではないので翌日の12月1日には帰る予定だ。
ドレーク/宿泊していたホテルから撤退するところかな?
オーウェル/じゃあ、そこから荷物をまとめているリーダーを訪ねたい。行動一つには判定が必要か?
GM/……そうだな、ミドルフェイズの延長なら判定をしてもらおう。会えるかどうかタイミングが合うか判らないから、【知覚】か【幸運】判定難易度は中、10で。
オーウェル/(ころころ)【知覚】で成功。リーダーの部屋に入る。荷物を整理している夜須庭の後ろに立つ。
GM/「おや、誰かと思えば。協力者の協力者、だったかな。名前は……」
オーウェル/ここは仕事とは関係無い場として、質問に答えてほしい。……お前らは『アザーズ』と呼ばれる部隊だったな?
GM/「それが質問の一つ目?」
オーウェル/これぐらいは確認だ。
GM/「……ああ、そこまで意地悪する必要は無いか。自分達は、アザーズだよ。どんな組織かは説明を受けている筈だ」
オーウェル/首謀者のツァドキエルを捕まえた後、どうするつもりだった?
GM/「…………」
オーウェル/…………。
ドレーク/…………。悪い奴らじゃなければ倒さない、じゃなかったか?
オーウェル/それはスウィフトのイトコの意見だろ。チームのリーダーがどんな見解か聞いてない。
GM/……疑ってる?
オーウェル/疑っているよ。……第3話でギガースの中身を捕らえていたのも、第4話でジークを拉致したのも、アザーズだからな。同じ名前を使っている組織である以上、疑いたくなる。7年前から違う組織に生まれ変わっていると言うなら、そう言ってほしい。
GM/話させるなら判定を。【理知】で難易度は……高。12で。
オーウェル/高めに抵抗するのか。(ころころ)……達成値11。ギリギリ失敗だ。
GM/ギリギリ失敗か。なら……。
ドレーク/配下を10D6減らしてクリティカルにする。
オーウェル/えっ、10D6人もドレークの配下は残ってないだろ?(笑)
ドレーク/たった2人しか残ってないけど振れない訳じゃないし、0になったから何だとは書いてないだろ? という屁理屈の自覚がありつつ(ころころ)全部消費する。
GM/……確かに配下数が0になったからどうなるとか記さなかったけどさ、そりゃないだろ?(一同笑) でも、そうか、リリルラケシスがあれこれ探りを入れたとなったら……うん、クリティカル成功にしてもいいかな。
オーウェル/おおお、やったー?(笑)
ドレーク/屁理屈を言ってみるもんだな(笑)
GM/「リーダーは「どうするつもりもなかった」と言う。だけどそれより前にドレークはクリティカル成功により、「『退魔組織 教会』はツァドキエルの首謀者を捕らえる作戦の他に、ツァドキエル族全員を日本のある場所へ連れていく手筈を整えていた」と配下から連絡があったことにしていい。
ドレーク/……!
オーウェル/……事前にドレークが配下から連絡があったなら、俺もその情報を得ていてもいいよな? それなのにリーダーは「どうするつもりもなかった」と言うのか?
GM/ああ、どうするつもりもなかったと、言うよ。
オーウェル/…………。
GM/…………。
ドレーク/…………。
サブGM/…………。何か駆け引きをするつもりかな?
オーウェル/…………。何もカッコイイ言葉も、冴えたやり方も思いつかない。だからやりたいことをする。
GM/ほう。
オーウェル/こんの嘘吐き野郎がぁあああっ! って言いながら殴りかかる!
ドレーク/普通にドツいた!?(笑)
サブGM/感情のままに実力行使で来た!(笑) えっと、リーダーさんは回避判定をする?
GM/んー……戦闘値は用意してないけど能力値はあるから【反射】判定で回避するよ?(ころころ)達成値12。オーウェルは【体力】でどうぞ。
オーウェル/(ころころ)くっ、また11で失敗! ギリギリ避けられた!
GM/いきなり殴りかかってきたオーウェルの拳を間一髪、夜須庭は避けることに成功。「危ない危ない、これだから人外は……」とか言いながら。
オーウェル/お前ら! 7年前と変わってないのか! ツァドキエル族を全員連れていって……何をするつもりだったんだ!
GM/「それを教えてあげる義理が無いってありきたりなことを言っちゃうよ。……まあでも、ツァドキエル族は人間と同じ形をしておきながら魔力の塊だからね。電池として使ってあげることはできそうじゃん?」
オーウェル/また殴りかかるぞっ!
GM/「危険な生き物だなぁ、君。……はぁ? よく見ると君、エルフだよね。なんで7年前に絶滅した種族がこんな所にいるのかな?」
ドレーク/気付いたな。
サブGM/オーウェルは自分がエルフであることを隠すつもりもないって第1話で言ってたし。堂々とエルフ耳を見れば人外を知っている人なら一発でしょう。
GM/あ、面白いことを考えたからダイス振っていい? 偶数が出たら、この男がエルフ族を滅ぼした原因になる。奇数ならただの研究者……(ころころ)あ、4で偶数。なった。
ドレーク/凄くあっさり衝撃的な事実を決められた。
オーウェル/いつかボスが登場すると思ってたけど、このタイミングか!(笑)
GM/「エルフとドワーフ族は最初の電池として全部狩ったつもりだったけど……生き残りぐらいいるかぁ。はぁ、あいつら蝶々みたいな繊細な外見に反してゴキブリみたいにしぶといからねぇ。君はどうやら体力もありそうだし、その体……魔力の電池としてじゃなくて生命力の電池として生かせるんじゃないかな?」
サブGM/その目はまるで、オーウェルに対し……物を見るようなものになっており……?
オーウェル/……ちょっと演出して文句言って帰って終わりにするつもりだったが、こいつ殺していい?
GM/殺すという行為を3つ目の行動にするなら、判定を。ここは……【体力】や【意志】で首を絞めるなりしていいよ。難易度は難しい12でいいよね。
オーウェル/一族を殺されてカッとならない奴はいない!(ころころ)えっ……ファンブル?
ドレーク/ここで!(笑)
サブGM/ある意味おいしすぎる!(笑)
GM/殺そうとしても殺せなかったのか、それともこの男が素早く逃げたのか……。オーウェルの殺意を見る限り、「手加減して殺せなかった」はありえないな。となると男が手強かったことにしておこう。
オーウェル/殺そうと剣を振るうが、抵抗されて届かず……!
GM/こっちも魔術の腕は確かだった、リーダーだからね。「7年前……懐かしいねぇ……あの頃は腕の良い隊員達が多かったからエルフもドワーフも魔族も捕まえ放題だったなぁ」
オーウェル/うるせぇ! 逃げるな! 死ね!
GM/「特に、エルフなんていうありきたりな生き物だけじゃなく、とっても珍しい種族も捕まえられたっけ」
オーウェル/なに?
GM/「あの種族の子供は初めてで、今までで最高の魔力所有量で、ずっと研究所で重宝されていたなぁ。兄弟ともにボロボロになるまで研究材料にされていたけど、アレのおかげでたくさん良い実験が出来て、まぁしょうがないよね、科学の進歩には犠牲はつきものだから」
オーウェル/殺そう。絶対こいつ殺そう。
GM/それはもうこの場では不可能。そしてそのまま逃げきる……教会のメンバー達が集まっているところまで逃げてしまえばこっちのもの。早くオーウェルの方が逃げないと、色々手を回されてオーウェルは強制的に連行されるよ?
ドレーク/その前にリリルラケシスのところまで来い。匿ってやる。
オーウェル/……仇を殺すという絶好の機会をミスっちまった。悔しい。もう一回殺したい!
GM/それはダメ……もうミドルフェイズは3回動いたし、このセッションは既にエンディングフェイズを迎えている。夜須庭はアザーズの元へ逃げ去り、オーウェルもリリルラケシスの元へと逃げて行く。
オーウェル/次こそは……次こそは絶対、息の根を止めてやる!