アリアンロッドサガ・リプレイ・ゼウス
■ 第3話『ファミリーミザリーバルカロール』 2ページ目 ■
2012年4月21日




 ●ミドルフェイズ2

GM/それでは、皆さんがお店から離れて歩いてきますと……大通りの逆方向から、赤い髪の背の高い女性が歩いてくるのが見えます。
レンス/赤い髪というだけで視線がそっちに走ります。
GM/お、お嬢様はそんなに大きくない!(笑)
レンス/違った……(笑)
エドガー/その女性の方を見るけれど?
GM/女性もエドガーさんの姿を見て、目が合います。……確かエドガーさん、変装してるんですよね?
エドガー/うん。眼鏡とみつあみ程度だけどね。いつものチャライ格好じゃなくて、坊ちゃんぽいきっちりした服装かな。
GM/では、この女性がエドガーさんに気付けるか【感知】判定をします。(ころころ)……14も出たので、気付かせていただきます。「あ、貴方は……!」
エドガー/気付かれた。
GM/エドガーさんの元へ近寄ってくる、赤い髪の女。
シムーン/おっぱいどっぷるん。
エドガー/イエス、どっぷるん!(一同笑) ……おや、お嬢さん。どちらかでお会いしましたか?
GM/(女性になって)「会ったことはございませんが……貴方はカムロート一の騎士、エドガー様ではありませんか!」
エドガー/……人違いでありませんか?
ロロ/……エドガーって騎士なの?
エドガー/騎士になりたかっていた男なだけで、公式では騎士ではないよ。……カムロートで自分が騎士と呼ばれることはないので、不信感が出ます。
GM/ですが、この女はエドガーさんのことを騎士と呼ぶ。そして近付いて来たので見れば判る。この女……目の下に「NOBAD」と書いてある。
エドガー/えっ。
レンス/えっ。……NOBAD?
GM/だけど彼女はエクスマキナではない。それが判るのは、長いスカートの下から竜の尻尾がユラリと揺れているから。
レンス/ドラゴネット? ……ええっ?
エドガー/……君は何者だ?
GM/疑われてしまって、しおらしい表情をします。「そうですね……怪しまれてしまうのも無理はありません。わたくし、サロメと申します」
エドガー/なんか物騒な名前だな。みんな、首を気を付けろよー(笑)
GM/「こんな大きな通りで言える話ではないのですが……。ネオバルムンクという組織はご存知ですか?」
エドガー/……お、おいっ!?
GM/「出来るだけ早くお耳に入れたい話がございます」
エドガー/君のような美女とお話とは大層ありがたい話だが、それを聞いて僕の身が無事だっていう保証はあるのかい。君は……ネオバルムンクか?
GM/すっと手を胸に当てて、目を細めながら言います。「わたくしは……ネオバルムンクに造られたドラゴネットです」
ロロ/造られた!? 造られたドラゴネット……!?
GM/出自的には「人工生命」です。
エドガー/……プリーチャーのエドガーとしては、竜は神聖なもの、そんな尊い存在を造るだなんてと虫唾が走ります。
ロロ/同じドラゴネットであるボクも「紛い物か」と嫌悪感の目で見るね。
レンス/私は……ノーバッドと言われて、目を見開いてしまいます。
ロロ/エドガーもレンスもボクもぎょっとしてしまった。で、ネオバルムンクのおじさんはどう思ってるんですか!?(一同笑)
シムーン/無言で話を聞いてるだけだよ(笑)
GM/みんなに怪訝な顔を向けられて、一際悲しそうな顔をする。「そう言われるのも無理はありません……。ですが、わたくしは……ネオバルムンクの手に掛かって死にたくない」
シムーン/これが俗に言うハニートラップである。
エドガー/お、女子供に弱いと知っての戦法かー!?(笑) じゃあ……。泣かないで、君に涙は似合わないとハニートラップに掛かりに行きましょう(笑)
シムーン/……こんな道端で話すのも難だ、もう少し落ち着いた所に行かないか?
GM/「そうですね……落ち着いた所で話させてください」
レンス/大通りから外れた場所まで移動しましょう。
GM/人通りが少なくなったところで、再度彼女は話し始めます。「わたくしは、ネオバルムンクに造られたノーバッドです」 ……ネオバルムンクは、第1話時点からノーバッドを造っていたということになっていましたよね?
ロロ/うん。プロフェッサー=ハスヴァーンが関わっていた。
GM/ネオバルムンクの目的は『神竜王を造ること』でしたよね?
レンス/……はい。
GM/ノーバッドというのは、エクスマキナに与えられる名前だけではなく、『ネオバルムンクが造った人種全てに与えられた刻印』とします。
レンス/ええっ……。
ロロ/……サロメは、レンスがノーバッドだと気付いているんですか?
GM/レンスのNOBADの刻印は肩にあるんですよね? 見えないなら気付いていません。
レンス/……肩に伸ばした手を、そっと下ろします。
エドガー/もしかしたら、今後復活するかもしれないスレインもどこかにNOBADの刻印があるかも!?(笑)
GM/いえ、もしかしたら……スレインさんにはNOBADの刻印が、『第2話の時点で既にあった』かもしれません。
エドガー/えっ!?(笑)
シムーン/回収して再生怪人になる前から、第2話の四天王の時点でNOBADの可能性があった……ってことか。
GM/ええ。『ノーバッドはエクスマキナに限らず、全ての種族がこのアルディオン大陸に存在している』という設定にします。
シムーン/第1話で「NOBADシリーズは、『私の造ったものに間違いなどある筈が無い』と主張する科学者さんが造り出したエクスマキナ達のことです」って言ってたけど……。これは嘘だってこと?
ロロ/嘘とは限りません。そう言った科学者はいるかもしれないけど、エクスマキナ以外は世間に向けて大々的に「造った」と言えないでしょう? だから事実を隠されていたのでは……?
エドガー/でも……ドラゴネットは造っちゃダメだろ、とプリーチャーだから思っちゃいます。
GM/ネオバルムンクは『神竜王を造ろうとしている組織』ですから、その途中経過で絶対ドラゴネットを造らなきゃいけないと思います。
エドガー/で、ですよねー……(笑)
ロロ/こ、怖くなってきた……。
エドガー/ロロ、お前は大丈夫だよな!? 見えない背中の位置に「NOBAD」ってないよな!(笑)
シムーン/もしかしたらあるかもしれないよ。……手袋を締めながら言います。
エドガー/なにそれ怖い!? 誰か、シムーンおじさんと一緒に温泉入ろうよ!(一同笑)
GM/「……わたくしは、ネオバルムンクに『今夜、港に来い』と言われています。『来なければこの国がただで済むとは思うなよ』とも言われていて……」
シムーン/この国、カムロートがただでは済まない?
エドガー/何故ネオバルムンクである君に、カムロートが取引材料になるんだ?
GM/「わたくしは、ネオバルムンクの組織に小さい頃おりました。その後、何の気紛れかこのカムロートに放たれました。この国には愛着があるんです」
エドガー/この国に放たれてから、組織からの干渉は一切無かったのかい?
GM/「ありませんでした。おそらくわたくしが生み出されたときの目的は『ドラゴネットを造ること』自体だったのでしょう。今、成長したわたくしを使って何かをしようとしているのか……よく判りません」
エドガー/……君がこの国に来てから、大体どれくらい経っているんだい?
GM/「この国に来て10年ほど経ちます」 ……ちなみにエドガーさん。この燃えるような髪の女を、この国で見たことはありません。
エドガー/……嘘臭いな、と思います。港町の女の子とはみんな友達なんだ。綺麗な女の子がいたらお花をあげるのは紳士としての勤め。こんな美女がいたら絶対声を掛けてる筈だよ!
ロロ/なるほど。……でも思わずジト目でエドガーを見る(笑)
レンス/どちらにお住まいだったんですか?
GM/彼女は、適当に見てきた通りの番号を言うような感じで答えます。【感知】判定で怪しんでいいですよ。
ロロ/(ころころ)22。
GM/それなら「嘘っぽいな」って気付かれてしまいますね。ちっ。……その嫌な空気を感じ取って、サロメはその場を去ろうとします。
エドガー/おっと。
GM/「……とてもおこがましいかもしれませんが……わたくしは、助けてもらいたかったんです……」 そう言って、そそくさと立ち去って行きます。
シムーン/行っちゃった。……エドガーを「騎士」と呼んだのは嫌味じゃなくて、助けてくれる人だと思ってたからじゃないか?
GM/ですね。調べれば、エドガーさんが騎士になろうと学校に行っていたことは判るでしょうし。ただそれだけのつもりで呼びました。
エドガー/でも「皮肉なの?」って思っちゃったよ。何だか勘繰ってしまったな……なりたくてもなれなかったものを言われちゃね。
GM/でも、エドガーさんはカムロートの中では強い有名人でしょう?(笑)
ロロ/それだってエドガーの素性を知っている人間は、そんなに多くないだろ。
エドガー/「なんかよく判らないけどいつも地元で遊んでる坊ちゃん」ぐらいの認識だからなぁ。
シムーン/正直、怪しいとは思うが……あの話が本当だと思うと可哀想だね。
エドガー/……彼女を追った方が良かったのかな?
ロロ/本当にしろ罠であったにしろ、ネオバルムンクがこの町の何かに繋がっていることは間違いない。
レンス/今夜……港に来い、でしたっけ。
GM/ですね、港の場所と約束の時間は聞くことができたので、夜に行けますよ。では、サロメが去っていたときに……ボタンが落ちているのが判ります。
レンス/あれ?
GM/どうやら彼女の衣服からこぼれ落ちたのでしょう。それは……トーラム家の使用人のボタンでした。
エドガー/……おいっ!?(笑)
レンス/家紋が描かれたボタンなんだでしょうね……さっきの方が、トーラム家の使用人の服を?
ロロ/「もう既に怪しい奴が領主の近くに入り込んでいる」って判ったな。……館に行くか。


 ●ミドルフェイズ3

GM/1日目昼のパートが終わりましたので、次は夜のパートですね。
ロロ/情報収集の前に! レンスとノーバッドについて話したいな……ちょっとしたシーンでいいんで。
GM/あ、はい。いいですよ。
シムーン/宿屋に泊まる支度をして、部屋に入る。静かな部屋で作戦会議のシーンをしよう。……トムの騒がしい声がここにあってほしいと思った、そんな夜。
レンス/ええ……。黙っています。
ロロ/……レンス、正直に訊く。レンスを信じて訊くから正直に答えてくれよ。お前はネオバルムンクのものじゃないよな?
レンス/もちろんです! 私は、お嬢様のものです!
ロロ/思わずノロケをくらった(笑) 確か、ルッツ家に行く前の記憶は無かったと言ってたな?
レンス/はい。
ロロ/じゃあ……ルッツ家自体が、ネオバルムンクやノーバッドを造ったとされる科学者と関わりがある心当たりは?
レンス/……私がお嬢様と共にグラスウェルズを出てきたのは、理由は不明ですが、ルッツ家が取り潰されたからです。私達も追われる身になり、命からがらグラスウェルズを逃げ出していました。
シムーン/それはこの3人の前で初めて話したことだよね? 「レンスはお嬢様を探している」とは知っていても、今まで喋ったことがあったかな。
レンス/……そうですね、喋っていませんでした。
エドガー/ルッツ家が取り潰された理由は?
レンス/何故そんなことになったのか、判らないまま必死に逃げていました。お嬢様は少なくともご存知なかった筈です。
ロロ/……ドーリスお嬢様は今、ネオバルムンクの手にあるんだったな。
レンス/はい。旦那様に関しては……判りかねます。
エドガー/旦那様の生死は? どうなってるの?
レンス/……判りません。
シムーン/お嬢様のお母様も、レンスが知ってる限りではご存命?
レンス/はい。
ロロ/……取り潰すと言っても、いくらグラスウェルズがやることが苛烈でも、火を立てて追いかけるようなことをわざわざするか?
エドガー/非効率的だよなぁ。そこまでやるなんて、相当の理由が無きゃやらないよな。
シムーン/何か問題があったんだろうね。
レンス/……そうか、旦那様には後ろ暗い事情があったのか。レンスは噛み締めています。
シムーン/そんなに気を病まないで。
レンス/……ええ。
エドガー/……シムーンおじさんが「そんなに気を病まないで」って言っても(笑)
シムーン/そういうこと言うなよ(笑) ノーバッドはネオバルムンクが関わっていると言われても、君がネオバルムンクのものだとは限らないじゃないか。きっとトムも同じようなことを言うよ……と、ここに居ないトムの話を引き合いに出す。
レンス/そ、その言い方は……ずるい(笑)
ロロ/こんなとき、アイツが居ればもっと明るいことを言ってくれるんだろうけど……。
エドガー/大丈夫、何があったってレンスちゃんの美貌に陰ることはないから!(笑)
レンス/は、はあ……(笑) 皆さん、ありがとうございます。私は大丈夫です。それよりも、今は任務の解決を急ぎましょう。
GM/……さて。夜と言えばサロメが「今夜、港に来いと言われた」という時間と、シェリーが「約束の場所で」と言った時間でもあります。どうしますか?

【クリスタのMAP】
 @領主の館
 A港


エドガー/僕はシェリーを優先したいな。
レンス/はい、そうするべきだと思います。
ロロ/ノーバッドの関係者であるレンスがサロメの方に行くのが妥当かな。なら……もし戦闘になったときのバランスを考えて、レンスとシムーン、エドガーとロロの二手に分かれるのが良いな。
エドガー/よし。ロロ、友情イベントやろうぜ!(笑)
ロロ/やろうぜ!(笑) ……確かシムーンおじさんとレンスにも、確か過去の因縁があったんですよね?
シムーン/うん。……実はそのシーンをこっそり立てようと考えていた(笑)
GM/それでは、早速ですが二手に分かれましょうか。
ロロ/あ、GM。これから戦闘がありそうなんでポーションを買い揃えていいですか?
GM/うーん……却下します。もう夜だからお店もやってませんし、手番を一つ潰して買い物に行くようにしてください。
ロロ/了解しました。


 ●ミドルフェイズ4

GM/まず、エドガーとロロが約束の場所に行くシーンからやりましょう。夜……エドガーさんが知っている国よりも、一際静まりかえった町。
エドガー/赤毛の美女からのお誘いも心惹かれるんだけど、やっぱり幼馴染を捨てておけないからさ。だからロロは借りていきまーす!
シムーン/ギルドマスターとして許可しよう。
レンス/どうぞ、行ってらっしゃいまし。
ロロ/……いつからボクは、隊の所有物になったんだ(笑)
GM/エドガーさんは秘密の場所に向かって行く。到着してみれば、そこには……本当に来てくれるかどうか判らないエドガーさんを待つシェリーが、木の下にちょこんと座っている。
エドガー/いつ来るか判らないのに……待っていてくれたのか。
ロロ/エドガー。折角の再会だけど、ボクは傍に居ていいのか?
エドガー/紹介してやるよ。惚れんなよ?
ロロ/ないわ。
エドガー/なにそれ、僕の従兄弟を侮辱してるの!?(笑)
ロロ/お前がどんだけ大切にしてるか知ってるから言ってるんだよ。
エドガー/だから、大事な友達に会わせるんだよ。
ロロ/……アークスタッフで殴る!(笑) 軽い中に本音を混ぜるな!
エドガー/お、おまっ! 照れると殴ったり物投げたりするのやめろ!(笑) ……シェリー、と声を掛けます。
GM/その声にビクッとして、顔を上げてそちらを見る。心底ほっとした声で、「エドガー……!」。
エドガー/遅くなってごめん。
GM/「ボクの予測の中では最速だよ! ……本当に、来てくれてありがとう」
エドガー/お前があんな手紙を出すなんて珍しい。意地っ張りのお前だから……どうしたんだ?
GM/「……残念ながら今は意地を張れない」 シェリーは周りに誰も居ないか確かめます。
ロロ/判定して誰も居ないと確信したい。(ころころ)21だ。
GM/達成値20越えなら、絶対に誰も居ないと確信します。「何から話したらいいかな……本当に、とんでもないことになっている」
エドガー/……カムロートで魔獣が出たと聞いているが?
GM/コクリと頷きます。「その魔獣の輸入に……協力しているのは、ボクだ」
エドガー/……シェリー。何があったんだ? 輸入してるとかしてないとかじゃない。お前はなんでそんなに苦しんでるんだ?
GM/エドガーさんを真っ直ぐ見ます。「父さんが……ハリソン=トーラムが、ネオバルムンクに人質に取られている!」
エドガー/……おじさまが。
GM/「奴らの狙いが何なのかは判らない。いや……この国に魔獣を持ってこさせることが目的か」
エドガー/おじさまはいつから人質に? エドガーが国を出る前か、後なのか知りたい。
GM/どうやらシェリーの話しぶりから、エドガーさんが国に居たときから人質に取られていたようです。
エドガー/……気付かなかったのか。ごめん、力になれなくて。シェリーの頭を撫でます。
GM/いつもだったら「そんな慣れ慣れしく〜」と冗談めかして言うのに、力無くそれを受けます。「……きっと父さんがネオバルムンクに人質に取られた原因は、父さんが以前……ベルリールから取って来た異界祭祀書があるからだ」
シムーン/異界祭祀書?
GM/ベルリールが崩壊した原因と言われているものです。

 「異界祭祀書」
 とある魔族が書いたと言われている魔導書の一つ。
 魔界へのゲートを開く儀式が記されている。
 ベルリールは呪われた儀式によって滅ぼされたという噂があり、バルムンクがベルリールの人達を生贄にゲートを開いたのではないかと言われている。


エドガー/ハリソン=トーラムは、冒険者を連れて崩都ベルリールに向かうことがあった。そこで「竜輝石を手に入れた」という噂もあったけど……。
GM/「それは噂にすぎない。……父さんが持って帰ってきたのは、異界祭祀書なんだ。あんな危険な物を荒れた地で野ざらしにしておくことはできないからと、誰にも言わず保管していた」
ロロ/そうだったのか……。
エドガー/ちなみに、ハリソン=トーラムは冒険者を連れて行く人だったからカムロートではエリンディルの冒険者が優遇されているんだ。……そんな関係で、エドガーの父はハリソンと一緒にベルリールに向かった冒険者の1人と設定してました。
GM/「誰にも言わず保管していた……けど、どこからか情報を奴ら、ネオバルムンクに掴まれて……病床でどうしようもなかった父さんは、捕まってしまったんだ。そして、父さんの命が惜しくば……錬金武装船を使って我々の目的に協力しろと言ってきた」
エドガー/ネオバルムンクの目的は、異界祭祀書ではなかったのか。異界祭祀書はどこにある?
GM/「もう既に敵の手に渡った。……赤い髪の女が持っている」
ロロ/あの……サロメとかいう女か。
GM/「なんだ、知ってるのか。痛いところをついてくる女だよ」
ロロ/向こうからこちらに接触してきたよ。
GM/「……頼みがある。いや、依頼かな」 シェリーは、すっと懐から1つの鍵を取り出します。「父さんは今、錬金武装船の中に捕まっている。船の中は魔獣だらけの地獄だ」
ロロ/それは……。
GM/「この鍵は、あの船の最奥の部屋の鍵。おそらくそこに父さんがいる! 頼む、父さんを救ってくれ……」
エドガー/……今まで君の頼みを断ったことがあったかい?
GM/そう言ってもらえて、シェリーは緊張した面立ちからいつもの顔に戻ります。「……うん。頼んだよ」 シェリーはロロの方を見ます。「ボクの従兄弟が迷惑を掛けてないかい?」
エドガー/迷惑を掛ける訳がないだろー!(笑)
GM/「どうやらフェリタニアに行っても変わってないなって思ってさー!」(笑)
ロロ/……いや、思い直しました。彼は、ボクが思っていた通りの親友です。素晴らしい貴方の騎士です。
エドガー/……み、認められた。やったー(笑)
ロロ/フェリタニアとしてもこのような事態は見逃す訳にはいきません。ご安心して、領主殿は自分の身を守ることを最優先にしてください。
GM/「ありがとう」 では、シェリーはアルケミストでセージ、レベルは10以上です。なのでシェリーからHPポーションを10本、MPポーションを10本プレゼントします。
ロロ/なんと。
GM/ちなみにこれ、重量無しです。
レンス/なんと!? そっか、≪ファーマシー≫の効果は「このアイテムは所持品の重量制限に含まれず」だもんね!(笑)
エドガー/流石、期待の錬金術師!(笑) そう錬金術に耽ってなければ嫁の貰い手も……どうだ、良い奴できたのか? こら、視線を逸らすな! ちゃんとパーティーに出てんの!?
GM/「もー! 行ってるって言ってるだろー! そういうのはこの件が解決してからにしてー!」
エドガー/行ってねーだろ!? 落ち着いたらちゃんと行くんだぞ! どうせ3年前の形ドレスとか着てんだろ!? 最新式にしなさいっていつも言ってるでしょ! まったくそんな目の下にクマばっか作ってー! 化粧が乗らなくなるからちゃんと寝なさい!(笑)
ロロ/落ち着け、今はそれどころじゃなかったんだろ(笑)
GM/では……シェリーは「宜しく頼むよ」と言って、館の部屋に戻って行く。ここでこのシーンは終了します。
ロロ/……帰り道に、ボソッとエドガーに言おうか。そんなに彼女のことが心配なら、フェリタニアに帰らずここに残ってもいいんだぞ……。
エドガー/バーカ。まだカムロートに持って帰れる物がねーよ。強欲じゃないと商人の子はやっていけないんだよ。騎士になれなかったんだし、せめてカムロート人らしく生きたいのさ。
ロロ/相変わらずだな。……そんなエドガーを見ながら、「彼が騎士であることを知っているのはシェリーだけなんだな」と思っておきます。


 ●ミドルフェイズ5

GM/では、サロメの言っていた港に向かうレンスさんとシムーンさんのシーンです。
エドガー/さあ、因縁対決だ! 初めての2人きりイベントだね!(笑)
シムーン/煽るなよ、落ち着いていこう(笑) サロメが言っていた待ち合わせの場所に、時間通り行くよ。呼ばれたのは騎士様のエドガーだけど、代理で我々が行くということで……レンスも色々とまだ彼女に訊きたいことがあるだろう?
レンス/…………。
シムーン/無いのかい?
レンス/…………。そう、ですね。個人的な質問は考えておりません。
シムーン/何でも訊けるチャンスじゃないのかい。自分のことを知ってるかもしれないんだぞ。いや、君は自分のことよりもお嬢さんのことの方が大事か。
レンス/……沈黙で肯定します。
エドガー/…………。仲悪そうだな、この2人(笑)
ロロ/そもそもこの2人の因縁って何なの?(笑)
レンス/えっと、「ルッツ家の御親戚が戦争でシムーンおじさんに殺されている」というものです。
シムーン/レンスのシムーンへのコネクションが[仇敵]だから、そういう設定にしたんだよね。
レンス/仇なんですけど、今は……旦那様が後ろ暗いことをしてるし、レンスは混乱しています。
シムーン/じゃあ……あまりに暗くてギスギスした空気に、困った声で口を出すね。あー……どうしたら仲良くしてもらえるかな?
レンス/えっ(笑)
シムーン/ファーストインプレッションもセカンドインパクトも悪かったのも判っているよ。自分が犯してきた罪を取り消せなんて言わない。でも……仲間だって思ってもらえないのは、ちょっと苦しいなぁ。
レンス/いえ、その。……巧く言葉に出来ないんですけれども、それはそれとして。貴方のことはギルドの一員として信頼していますよ。
シムーン/……ほんと?
レンス/はい。
シムーン/はい、って言ってくれるなら凄く嬉しそうにするよ。
レンス/……嬉しそうな顔をされた(笑)
シムーン/では、港まで歩きながら……。ちょっと話そうか、レンスに喋り始めます。
レンス/なんでしょう?
シムーン/……フェリタニアで君に会ったとき、私は「お嬢様はフェリタニアに居ない」と言ったね。
レンス/ええ。
シムーン/ところがどっこい。居ちゃったな。
ロロ/←第1話のGM)ご、ごめんちー……出しちゃいました(一同笑)
シムーン/何故あんなことを言ったかというと、あの時点では、私の知っている限りお嬢様はフェリタニアに居なかったんだ。……私はね、ルッツ家が取り潰された理由を調べていたんだよ。
レンス/お、お嬢様のことをご存知なんですか!?
シムーン/コクリと頷く。取り潰された理由も知っている。
レンス/ど、どうして!? 何故!? 何故お嬢様が……あのような目に……!
シムーン/すぐに言わなかった理由は、ナヴァールに怪しまれないようにするためだった。
ロロ/ナヴァールに?
シムーン/フェリタニアの公の場で下手に怪しまれたくなくって。ここはフェリタニアではなく、誰にも見られてないという自信があるから話してるんだ。というのも元々、私は……ヒューバード様直属の諜報部隊で活動していてね。えっと名前は……何だっけ、重要なこと忘れた(笑)

 「竜影」
 レイウォール第一王子ヒューバードの私設諜報機関。
 構成員はヒューバード子飼いの忠義者達で、様々な人種、職業に紛れ、密偵任務を行なう。


シムーン/レイウォール時代から、グラスウェルズのルッツ家が何やら怪しい動きをしているのを聞いて、ヒューバード様の命令であの家を調べていたんだ。だからルッツ家に詳しかったんだけど……。あの時点ではフェリタニアにお嬢様がいないものだと思って、君を安心させるつもりで言ったつもりだったけど、裏目に出てしまったようだ。すまない。
レンス/いえ……お話をして頂いて納得しました。では、お嬢様は今、どこに……?
シムーン/おそらく、グラスウェルズに居るだろう。
レンス/お嬢様が……グラスウェルズに……。
シムーン/……何故、ルッツ家が取り潰されたか。何を怪しまれていたか。そのことも、君に話した方がいいかな。
レンス/お願いします……。
シムーン/……いや、そんなことをしている暇は無いようだというところで港に到着!
エドガー/おっとぉ!?(笑)
ロロ/おおっとぉ! 良いところで切られた!(笑)
シムーン/この続きは、マーサーGMの回でしような。
レンス/は、はい……わ、判ってはいたけど!(笑)
GM/ですよねー! もうっ、期待を持たせるだけ持たせておいてー!(笑) お嬢様が第5話レンスちゃん主役のグラスウェルズ回で出るっていうのが判ったところで……。
シムーン/シムーンが視線を上げた先には……。
GM/港の細い通路に立っているサロメの姿が見えます。……上空には、夜だというのに大きな鳥が旋回しています。
レンス/すかさずエネミー識別!(ころころ)達成値は28です。
GM/識別値は10なので、固定値で判ります(笑) キングホーク(エネミーガイドP.47)です。属性:風。≪飛行能力≫と≪変幻攻撃≫の他に、≪鷹の目≫という物理防御を0として扱って攻撃をするものを持ってます。
レンス/あれは……! と、情報をペラペラ話します。
シムーン/流石ノーバッド、敵データを全部引き出せるとは(笑)
GM/(サロメになって)「……まあ、来ていただけたのですね」
シムーン/本命のエドガーを連れてくることが出来なかった。すまない。
レンス/これを返しに参りました。ボタンを彼女に投げます。
GM/投げられた。サロメはパシッと受け取ります。「……あら、お恥ずかしい。ありがとうございます」
レンス/…………。
GM/「……何か?」
レンス/……貴方、ノーバッドなんですってね。
GM/「はい。表向きではエクスマキナを主に作っていると言われているようですが……わたくしもノーバッドです。もしや、貴方もノーバッドなのですか?」
レンス/……肩を捲り上げて、NOBADの文字を見せます。ですが私は、エルダナーン型のエクスマキナです。
GM/「エルダナーン型の……まさか(シムーンの方を見て)そちらのエルダナーンの方も、ノーバッドなのですか?」
シムーン/いや、違う。
エドガー/本当にッ!?(一同笑)
シムーン/疑われてるなぁ(笑) 私は、エドガーの代わりに君を助けに来た者だよ。
GM/「わたくしを、助けにきた……」
シムーン/そうだよ。
GM/「……では、人間であるエルダナーンさんの身体を頂いて参りましょう!」 すっとサロメが手を上げると、鷹が下りてきます。
レンス/……化けの皮が剥がれてきましたね。武器を構え直します。
GM/「化けの皮? 何のお話でしょう?」
シムーン/君は人間を狙って何をしてるんだい? 言いながら、自分も戦闘態勢を取ります。
GM/「災いの王は、運命に愛された者の首を望んでいる……。もう少しだけ、生贄の血が足りないんです」
レンス/生贄……?
GM/運命に愛された者とは、要約すると「フェイトを持った人間」ということです。
レンス/エクスマキナとドラゴネットのフェイトじゃダメなんだ?
GM/ドラゴネットは数が少なく、エクスマキナは完全に機械なので生贄のしようがない。そのことから「フェイトを持った人間」を狙っています。
レンス/確かに、エクスマキナは血じゃなくてオイルが出るから生贄には向きませんね(笑)
シムーン/なるほど。エルダナーンの方が美味しいなら……こちらにおいで。GM、戦闘前のエンゲージ分断は可能?
GM/可能です。
レンス/では、エンゲージを分けましょう。バッと連携の取れた戦闘態勢になります。

【戦闘マップ】
 エンゲージ1:キングホーク×2
  (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ2:シムーン
 エンゲージ3:レンス
  (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ4:キングホーク×2

【行動値】
 キングホーク:19
 シムーン:4
 レンス:1


GM/サロメは戦闘には参加しません。下りてきたキングホークが4体、生贄の対象であるシムーンさんに一斉攻撃をします。4体は……シムーンさんのエンゲージに一気に入ります。
シムーン/ありがたい。範囲攻撃が当てやすくなった。
GM/では、1羽目の攻撃!(命中判定、ダメージロールなど中略ころころ)20点のダメージ!
シムーン/≪プロテクション≫!
GM/2羽目!(ころころ)23点ダメージ!
シムーン/≪プロテクション≫! ……頼む!
レンス/≪サモン・アラクネ≫!
GM/3羽目!(ころころ)クリティカルで29点ダメージ!
レンス/≪サモン・アラクネ≫!
シムーン/≪プロテクション≫!
GM/4羽目!(ころころ)20のダメージ。
シムーン/≪プロテクション≫!(ころころ)20のカッキン。ダメージ0です。
GM/レベル5とはいえ防御無視のキングホークの鋭い爪を……2人の防壁は完全に弾いた!(笑)
ロロ/か、固い……後衛組の戦闘なのに、全然倒れる気がしない(笑)
シムーン/……頼んだよ。レンスに≪ブレッシング≫。(ころころ)あ、6・6で成功だ。
レンス/凄い支援を受けてしまった(笑) では……全力でいきます。マイナーアクション≪ファミリアコンビネーション≫、メジャーアクションで≪サモン・リヴァイアサン≫を使用します。
GM/本気だな!?(笑)
レンス/(ころころ)命中31。
GM/31ぃ!?(ころころ)4体とも避けられないな……。
シムーン/≪チェックメイト≫使用。(ころころ)18点のダメージプラス。
レンス/(ころころ)80点の無属性魔法ダメージです。
GM/……2.5回転して死にました(笑) 全羽、いなくなります!
エドガー/凄い……リヴァイアサン無双だ! 流石レンスちゃん!(笑)
シムーン/いつもの80点だね。普段のレンスが見られて嬉しいよ(笑)
ロロ/鷹の羽がそこら中に散らばって……そこに立っているのは、シムーンおじさんのみ。ビジュアル的にはシムーンおじさんの周りに羽がバサァ!(笑)
レンス/無言で、完璧なコンビネーションで凄い策を練り上げた戦闘でした(笑)
GM/戦闘は終了です。……早かった。流石だ(笑)
シムーン/サロメを見ます。どうしてるかな?
GM/キングホーク達の死骸を見て、口の中で小さく舌打ちをする。「はあ……この程度では全く歯が立たないか」 何かを考える仕草をした後、2人を見て、ニッコリと微笑む。
レンス/……何か?
GM/「わたしの後ろには、まだまだ可愛い魔獣達が控えているわ……そのキングホークから欲しい物があるんだったら、好きなだけ取っていって」
エドガー/ドロップ品、あざーす!(一同笑)
GM/と言って、メジャーアクションで隠密になっていく。サロメの気配が無くなっていきます。どうやらサロメは【行動値】が早いようだ。
レンス/そんなメタな、情報ありがとう!(笑)

【ドロップ品】
 キングホーク×4:猛禽の爪(50G)×24

レンス/24個も爪が手に入ってしまった……全部≪ギルドキャラバン≫に送っておきますね。
ロロ/深夜の港でプチプチと、鷹の爪を剥ぐ男女。
レンス/バラバラと落ちたのを拾っただけですよ!(笑)
シムーン/折角だから、シムーンの≪ファミリア≫の黒犬が全部拾ったことにするよ(笑)
GM/わんわん! 全部≪ギルドキャラバン≫にポーイ!(笑) ……では、キングホークの死骸を見て2人は思う。この鷹の大きさ……被害者が行方不明になるという話。どうやら「2羽がかりで1人の人間を捕まえられそうな大きさ」だ。
シムーン/あっ。
レンス/……このキングホークを使って人々を誘拐してきたということでしょうか? 爪が食い込んだら血が流れますよね。
シムーン/血痕だけが残るな。ならば……その場で殺されたのではなく、生きている可能性がある?
レンス/生贄をするような儀式をするとしたら、その場では殺さないでしょう。生きたまま捕まっている可能性がある。
ロロ/異界祭祀書も、多くの生贄で儀式を行ったぐらいだしな。……やるならまとめて一気にか。
シムーン/ならまだ助けられるかもしれない。希望が持てる情報をゲットできたな。このことをエドガー達に伝えよう。
エドガー/では、港の方から物音がしたんで慌ててシーンに登場します!
ロロ/大丈夫か! 負ける気がしない物音だったけど、大丈夫か!?(笑)
シムーン/問題無いよ。そちらはどうだった?
エドガー/すげえ、2人とも全然動じてない感がカッコ良い(笑) 錬金武装船の鍵を貰ったよ、とシェリーから聞いた情報を話します。
ロロ/まずは……錬金武装船を探すことから始めないとだな。
GM/明るくならないと船は探せないですね。それでは夜のシーンが終了したということで、宿に戻りましょう……。
シムーン/……なんか2人が一段と仲良くなった雰囲気だなぁ、と察しておきます。
ロロ/な、なんですか。その目は。
シムーン/ふふっと笑って……静かにシーンを閉じておくよ。