アリアンロッドサガ・リプレイ・ゼウス
■ 第2話『銀の麦☆危機一髪〜農民と騒ぐ回〜』 2ページ目 ■
2012年2月12日




 ●ミドルフェイズ2/アンダルテルカの農民酒場

GM/では最初に、酒場に行くシムーンおじさんのシーンから始めましょう。
シムーン/はい。朝から酒を飲みに行くよ。
GM/アンダルテルカの広場に大きく設置された酒場。そこでオッサン達が麦酒を飲んでます。
シムーン/……カランカラーンってバーに入っていくのかと思ったのに、青空の下だった(笑)
GM/お祭ですからー(笑) オッサン達はいいカンジに出来上がっています。(酔っぱらったオッサンの1人になって)「ああん? あんだ、どうじだねっ?」
シムーン/飲みに来たんだよ、とアンダルテルカ語で言います。
GM/「おお!? ぞうがぞうが、アンダルテルカ語が話ぜる奴があぁ!? まあ飲めよっ!」と、麦酒を勧めてきます。
シムーン/トムから大丈夫な麦の特徴を教えてもらっておいて、チェックします。判定は【知力】かな?
GM/【知力】で難易度12。
シムーン/余裕余裕。(ころころ)18、成功。ごくん。ブハッ!

 一同「……!?」

ロロ/……飲んだ!?
トム/……吹いた!?(一同爆笑)
GM/GMがこの麦が大丈夫か言う前に飲んだ!?(笑) そして、その場で吐いた!?(一同爆笑)
シムーン/飲むタイミングを間違えた。
トム/(大爆笑しながら)シムーンさんが……クールに飲んで……クールに吐いた!
GM/って、オッサンの顔に麦酒がぁ!?(一同爆笑)
シムーン/何事も無かったかのようなクールな口調で)失礼……。GM、判定の結果を言ってくれないかい?
ロロ/カッコつけても、農民酒場がドッと沸いてますよ!?(笑)
GM/「どうじだよ兄ぢゃん! 飲めねえのがい!? ビール勿体ねぇ!」 ちなみに、コレを一杯飲むと1D6ずつ侵食値が上がっていくと思った!(笑)
シムーン/それは飲まなくて良かった。
GM/目の前のオッサンは目に入って終わりですよ!?(一同爆笑)
シムーン/大丈夫だよ。酒に強いオッサンは粘膜に入ったところで負ける子じゃない。たった1D6じゃないか。
GM/……侵食値は、30以上を摂取してしまうと『銀の毒』にやられます。このビールが1D6なだけで、3D6を振る可能性もあります。
トム/でも、そうそう死なない!
シムーン/何事も無かったかのようにクールな口調で)さて、本番にいこうか。
ロロ/失敗したのにカッコつけるな!(一同笑)
シムーン/祭に、銀商人は来てるかい?
GM/「銀商人? いっばい来でるねえ!」 この時期の縁起物だからね。
シムーン/変わった銀商人や、評判の良い商人は居ないのかい?
GM/「ああ、ぞんなら……売っでる物は良いんだげど、アレな兄ぢゃんば居だねえ!」
トム/……アレな兄ちゃん?
GM/「フードを被った兄ぢゃんでねえ! 銀をぢょろっど渡じで『フフッ』で笑っで帰っでいぐんだ!」
トム/音を立てて怪しい!?(笑)
シムーン/そのフードの銀商人の名前は、知ってるか?
GM/「知らねえ。年に1回来るだげだじ、そんなら『銀商人の兄ぢゃん』で足りるがらよぉ。酒誘っでも飯誘っでも全然愛想良ぐじないからなあ! あっはっは!」
シムーン/……彼が居るとしたら、どこのホテルに泊まっていると思う?
GM/「ああ? あの兄ぢゃん、ホテル泊まっでるどご見だごとねーぞ。1日で帰っでるのがなぁ?」
シムーン/ほう……? では、違うことを尋ねよう。最近、この村で亡くなった人はいるかい? 近頃は色んな国で変な病気が流行っているらしいよ。
GM/「うぢでは聞がない話だなあ?」
シムーン/……まだアンダルテルカでは被害は出ていない。良かったね。


 ●ミドルフェイズ3/アンダルテルカの図書館

レンス/図書館で調べられることと言ったら……「村独自の風習やお祭のこと」ですかね。そのことを調べたいです。
GM/それなら、【知力】で難易度は13かな。
レンス/いける!(ころころ)いけました、達成値18です。
GM/レンスちゃんは、「アンダルテルカの歴史について」書いてある本を見付けました。このようなことが書かれています。「アンダルテルカは、かつてベルリール王国の民の墓場であった。ベルリールの墓守の役割を委任された者達が作った村落である」
レンス/な、なんと……?
GM/墓守として一代の地位を保ってきたため、村民達は今でも「ベルリール王国の人間である」という意識が強いようです。だから現在もアンダルテルカの言葉を守っているのです。
レンス/……アンダルテルカ語、習得して良かった(笑)
シムーン/なんと誇り高い言語なんだろう(笑)
GM/栃木弁みたいだけど(笑) どうやらその墓場は……地下にあるそうです。
レンス/地下?
GM/村の地下。村のちょっと離れた場所に石畳の広場があって、そこから地下に降りる階段があります。地下に霊廟があるということが判り……そこへ至るまでの地図を発見します。
レンス/や、やったー。
GM/歴史の次に、信仰の話ですが。……かつてアンダルテルカを治めていたのは、ベルリール王国からやって来て農地改革を行った人でした。その人が死ぬとき、「儂はずっとアンダルテルカの豊穣を願っている。もし飢饉のときは儂が再び現れて助けてやる」と言ったそうです。
レンス/はあ……。
GM/以後、アンダルテルカはその人を「豊穣の神」として祀るようになりました。収穫祭の日に、頭蓋骨を持って祈りを捧げるイベントを行なうぐらいです。
ロロ/ええっ、頭蓋骨を……?
GM/今では「お祭になったらご先祖様が帰って来るから持て成す」になってますが、かつては「豊穣の神のために祈りを捧げる」が正しい収穫祭だったようです。現在は頭蓋骨を使ったイベントは、一切行われていません。
レンス/そうなんですか?
GM/最後にそのイベントを行ったという記述があるのが、今から30年前。やはり頭蓋骨を使うことから、「野蛮だ」「レイウォールの形式的に合わない」と禁止するようになり……その頃、アルディオン大陸で一般的な『銀の麦』の祭に移行したそうです。
レンス/なるほど、納得しました。
GM/そんな貴方の後ろから……アンダルテルカの民が!
レンス/お?
GM/「なんだいアンタ、アンダルテルカのことを調べてるのかい?」 U字工事みたいな顔の男が話しかけてきます。「今じゃアンダルテルカの民も調べないのに、アンタ……良い娘さんだな!?」
レンス/いえ、これは……マーケティングです(笑)
GM/「いや! オラには判る! アンタは熱い心を持った人だ! でもってオラのハートもお買い上げしてくんろ!
レンス/いきなり何!? そ、それはちょっと……(笑) そうだ、貴方はアンダルテルカの歴史について詳しいんですか?
GM/「まあなあ! ……けど、今アンダルテルカの歴史が廃れていくのも仕方ないことなんだよなぁ。レイウォールの属国になった今の方が、オラ達の生活が豊かになって暮らしやすい」
レンス/そうなんですか?
GM/「レイウォールじゃ、戦争があってもオラ達が駆り出されることはねえ。騎士様々だ」 レイウォールは民兵を取らない国なので、農民として過ごす分には良い国なんです。騎士は貴族達がなるもんだからね。職業選択の自由は無いけど、とある村の農民として一生を終える分には、全然問題が無い。
ロロ/出世するには大変だな……。
レンス/一方、グラスウェルズは国民全員が民兵みたいな感じですもんね。
GM/「オラ達、農民が自由にできるっつーのも……ありがてえ話だ。でも……ご先祖さんを忘れるのは良くねーと思う!」と、感極まった感じで言います。
シムーン/酒飲んでるな、コイツ(笑)
レンス/……外の風習をムリヤリ馴染ませるというのも、無理があるのは判ります。
GM/「アンタなら判ってくれると思ってた!」
シムーン/コイツ、そのうち「ミューズ!」とか言い出すぞ。
GM/あ、アンタは地母神だ! マリア様だあ!」(一同笑)
トム/レンスちゃんは、色んなところで第二の名前を貰うなぁ……(笑)
レンス/レンスも「この感じ……覚えが」と思い始めます。いや、ここは[忘却]しておこう(一同笑)
シムーン/ごみ箱フォルダにポイされたな、エドガー!(笑)
GM/「アンタにウチの家宝を渡す! 嫁さなってくれ! オラと一緒に、神様さ奉ってくれぇ!」
レンス/……ええっ!?(笑) え、えっと私は……心に決めた方が!(笑)
トム/心に決めた、お嬢様が!(笑)
レンス/そう! 私は、赤い髪の素敵な方じゃないと駄目なんです!(笑)
GM/「ガーン! オラ、茶髪だー! でもいつでも気が変わったらウチに来てけれ!」 君は、彼の家の場所を覚えました。
トム/覚えちゃった!?(笑)
GM/ちなみに、彼は「家宝だ」と言いながら、ある鍵を渡そうとします。
レンス/鍵……? どんな鍵ですか?
GM/古めかしい鍵です。……レンスちゃんは、さっき読んだ本にあった「お祭の司祭が使っている鍵の絵」に似てると思った。
ロロ/……コイツ、結構良い家じゃねーか(笑) クラスは、アコライトかプリーチャーだな。
GM/アコライトでプリーチャーだね。エランドは、『嫁を取る』(一同笑)
シムーン/宮司さんなのか。……名前を訊いてみたら?
レンス/あ、あの……お名前を伺っても宜しいですか?
GM/「ユージだ!」
ロロ/名前、今決めたな!?(一同爆笑)
GM/「いつでも来てくんろ!」
レンス/はあ……機会がありましたら。
GM/まあ、そんな古い鍵が付いてる扉だったら、シーフなら簡単に開けられると思います。
レンス/データ的には「鍵A」なんですね(笑) それは、一体どういう鍵なんですか?
GM/「祭のときにこの鍵と、もう一つの鍵で霊廟へ続く扉を開けるんだ。オラが持ってる鍵と、村長さんの家系が持つ鍵を使って開けないと……恐ろしいことが起きると伝えられている!」
レンス/恐ろしいことが起きる……?
GM/「そりゃあ、眠っているご先祖様を起こすんだ。ちょっとやそっとの事じゃダメだべ。……オラは開けたいと言っても、村長さんは『そんな古いしきたりに頼らんでもどうにかなる』言って……。それに村長さんは、今や庄屋さんに……いや! 庄屋どんに!」(一同笑)
レンス/……村長さんは庄屋さんになったんですか?
GM/「そうだ。庄屋どんは、麦さ沢山蓄えて金儲けすることしか考えてねえ! オラ達、アンダルテルカの民達を忘れっただ!」
レンス/……なんだか、麦の元締めが見えてきましたね。
GM/この村のことを考えれば、何となく判ってくるね。麦のお祭をやった方が、麦の元締めである村長さん的には良いもの。忘れ去られた宮司さんの家ですが……そこで綺麗な嫁さんを貰えれば変わるんじゃないかなと思ったり!?
レンス/綺麗なお嫁さんが見付かると良いですね。
GM/「……待ってるから!」と言って、去っていきます!
ロロ/なんか、ジャガーさん走りで去って行ったな(笑)


 ●ミドルフェイズ4/アンダルテルカの農場

ロロ/ほら、トム。農場に行くぞ。
トム/トムが先導する! キリッ! ロロ助を置いて「さぁ、来いよ」っていう顔する!
ロロ/早く来い、置いていくぞ!
トム/トムの方が早いもん! ダッシュ!
ロロ/先に行こうとしたら追い越された!? ダッシュ!
GM/2人でかけっこしてたら、農場を通り過ぎました。
ロロ/おっと危ない!?(笑)
トム/ちょっと気張りすぎちゃったね!(笑) 畑は……どんな感じですか?
GM/麦の収穫が終わって、干されています。1人だけオッサンがへっさほいさと開墾をしています。
ロロ/人もまばら?
GM/そうですね。今はお祭で、そんなに作業することもない。
トム/祭だしね。まずは麦が大丈夫かどうか調べたいんですけど。
GM/【知力】か【幸運】で判定して。
トム/【幸運】で(ころころ)10!
ロロ/(ころころ)【知力】で12。
トム/……ロロ助に負けた。しゅん……。
ロロ/ふんっ、勝った!(笑)
GM/どうやら、『本物の銀の麦』があるようです。
ロロ/やっぱりあるのか。……確か『銀の麦』って魔術的なものだったよな? なら≪センスマジック≫で麦畑全体を見てみる。(ころころ)発動成功したけど、どうだ?
GM/畑が一面、真っ赤です。
トム/もう全部ダメだったー!?(笑)
ロロ/……これ、全部出荷されたら大変なことになる。見ない方が良かったかもしれない(笑)
GM/ただ、麦本体よりも……地面の方が赤いかな。
ロロ/地面?
GM/地面に近い方の麦の方が、赤い。
トム/……土?
レンス/……確か、村の地下にはお墓がありましたね。
シムーン/あったね。土自体が赤いの?
GM/いや、「土に近い麦が赤い」。土に近付くほど、麦が赤くなっている。そんな中、オッサンが1人、畑で仕事をしています。
シムーン/……なんでそのオッサン、1人で働いてるんだろう。
ロロ/……トム! こういうときこそトリックオアトリートだ!
トム/それだ!(笑) おじさーん! トリックオアトリートー!
GM/(オッサンになって)「待っていたぞぉお嬢ちゃん! オレは村中に仕掛けられたトリックオアトリートおじさんだ!
トム/トリックオアトリートおじさん!?(笑) 村中にいるの!?
GM/「各地に12人いる!」
トム/1ダース分の、トリックオアトリートおじさん……(笑)
GM/「飴玉を持で余じでいた、ただのおじさんだ! あまりに暇すぎるがら農作業ずるじがながっだ!」
トム/お仕事、お疲れ様!(笑)
ロロ/トム、良い仕事したぞ(笑) ちょっと物をお尋ねしますが……。この畑は去年、銀を撒いたんですか?
GM/「ん、撒いだ。わざわざ一番の銀商人がら仕入れだ銀を撒いだ!」
ロロ/……一番の?
GM/「その銀商人から買った銀を撒くと、育ちが良いんだとよ!」
ロロ/……それは同じ商人としても、気になりますね。どんな風体の人ですか?
GM/「フード被っだ兄ぢゃんだ! 口下手で全然話ざないげど、売っでるモンは良い! 職人だぁぞういうモンだぁ!」
トム/フードの人……。
GM/「うちの麦はうめぇーぞお! ビールにもパンにもなって! 農民酒場でいっぱいうちのビール、飲めるぞぉー!」
トム/い、いっぱい流通してるんですねー(笑)
ロロ/……最近、何か怪しいものとか、怪しい人とか、石田彰声で喋りそうな人とか見ませんでした?(笑)
GM/一番怪しいっつったら市場に居た銀の兄ちゃんが怪しいよなぁ!
ロロ/言っちゃった!?(笑)
GM/「っていうか、あの兄ちゃん良い奴なんだけど超怪しいよなぁ! あんな格好してる奴ぁいねえべさ! 都から離れたオレ達だって判るさ!」
ロロ/うん、怪しい。……怪しすぎて黒幕じゃない説すら出てくるぐらいだ(笑)
トム/ブラフじゃないかって思えてきたよ!(笑) で、でも……とりあえず市場に居るって情報が入ったし、市場に行ってみようか?
GM/「お、お嬢ちゃん達、市場に行ぐのがい? じゃあこのチケットをやんよ!」と、オッサンは「豚さんレースのチケット」をくれました。
ロロ/はあ……豚さんレース?
GM/「豚を賭けるレースだあ。遊ぶといんでねーかな」
トム/あ、ありがとうございまーす! と言っておじさんと別れて……。ロロ助、どの麦が危ないの?
ロロ/危なくないものを探す方が難しいぐらいだ。だけど……この『銀の麦の呪い』が魔術的なものなら、呪いをかけた人間を倒せば、基本的には解けるんじゃないか。呪いはそういったものが多いからな。
トム/た、倒せばなんとかなる!?
ロロ/おそらくはな。だけど……もし倒しても毒の麦がこのまま残ってしまった場合は、死者が出るだけじゃなく、今年の麦が全滅になったらこの村の人達は……って今、リアル農家の人達が青い顔をしたぞ!(笑)
トム/(←中の人が、農家出身)……はい……。
シムーン/(←中の人が、農家出身)……ええ……。
ロロ/正直、レイウォールの村が1つ滅んだところで、そんなにフェリタニアには痛手でもないけどさぁ……。
トム/いやいやいや! 麦の値段が上がっちゃうよ!?
シムーン/作物が採れなくても、消費者は減らないからね。たとえ出来の悪かった年は大丈夫でも、その2〜3年後には大変なことになるんだよ。
ロロ/な、なるほど。……教科書では判らない知識を得てしまった(笑)
GM/現代なら国家の備蓄があるからいいけど、この世界にそんなものは無いだろ? ましてや、米に比べて小麦は生産率が低いから、飢餓になりやすい。だからこそ、こういうお祭をやって豊穣を願うんだ。
ロロ/……中の人とロロが「ふーん」って言っておきますね(笑)


 ●ミドルフェイズ5/アンダルテルカの市場

トム/全員と合流します。……ベレー帽に飴玉をいっぱい詰めてきました。
シムーン/それ、全部食べられないのかい。……そっか、ご愁傷様(笑)
ロロ/……なんとか呪いを解除できると良いな。お祭で、お菓子を貰った後に食べられないって、拷問のようだ(笑)
シムーン/とりあえず、フードの男のことを全員に話す。
トム/その人が市場に居るかもしれないってことを、全員に話します。
レンス/プロポーズの件を伏せながら、話します(一同笑)
ロロ/レンス。お前、何か隠してないか?
レンス/いえ、言うほどのことじゃありませんから……(笑)
シムーン/……エドガージュエルに盗聴器機能は無いよな? こっそりレンスの声をエドガーが聞いていたりはしないよな?(笑)
GM/そのとき! いきなりアクセサリーから「ヤッホー、ナヴァールだよー! お土産欲しいなー!」(笑)
トム/お土産……飴玉ならあるよ!(笑)
シムーン/ナヴァールは公式NPCだから死なない。それをあげよう。
ロロ/公式NPCだから死ぬようなことしても大丈夫!?(笑)
GM/それは冗談として(笑) みんな、ご飯でも食べながらゆっくり話でもしなよ。何も食べないってなると、1D6点ダメージ入れるからね。
レンス/ですよね。お腹が減ってしまいますもの。何か大丈夫そうなものを……。
シムーン/ちゃんとチェックして食べれば大丈夫だし、屋台で何か食べようか。
レンス/折角だから……午後のターンは4人で市場に行きませんか?
シムーン/それが良いね。市場に行って情報収集しつつ、お昼ご飯として何かを食べる描写をしよう。
ロロ/お祭真っ只中、真昼間の市場に行こう。
GM/市場には、屋台のオッサンやオバチャン達がいっぱい居るよ。「リンゴ飴ー、いらんかねー?」
トム/わー、飴だー。食べられなーい(笑)
GM/「クレープ、いらんかねー?」「焼き立てのナンだよー!」
トム/みんなアウトだー!(笑)
GM/「チョコバナナ、いらんかねー!」
シムーン/あ、チョコバナナなら食べられるかも。……食べられないって辛いねぇ(笑)
ロロ/小麦アレルギーの人の気持ちが判ってきたぞ……(笑)
シムーン/じゃあ、バナナを舐めながら席に着きます。
ロロ/舐めないでください(笑) ……って、GMが盛大に吹いたぞ!?
GM/バナナぺろぺろすんな!? ホテルといいバナナといい、おじさんったら卑猥!(笑)
シムーン/チョコは舐めるもんだろ!? ホテルは普通に言い間違いだ!(笑) これで何かしら口にしたから1D6マイナスは無しってことで!
ロロ/……とりあえず、市場で怪しげなフードの男を探してみるのと村長さんの家に忍び込んでみるのも……。
シムーン/忍び込む前に、まずは話をするのが先だと思うぞ(笑)
ロロ/おっと(笑) まずは市場の人に、村長さんの評判を訊いてみるかな。
GM/じゃあ屋台のオバチャンが現れる。「アンタ達、それっぽっちしか食べないんかい? ウドンもあるよ!」
トム/トリックオアトリートをしていっぱいお菓子貰ったから、大丈夫ー(笑)
GM/「そーなのかい? 若いんだからもっと食べなよー! あ、オバチャンからもあげようかねー。特製のクッキーだよー」
トム/ありがとー! ……そっとクッキーをしまいます(笑)
レンス/食べきれないほど貰ったら駄目ですよー(笑)
GM/みんな、必死だな。少し侵食値が上がったぐらいじゃ死なないよ?
ロロ/判らないぞ。いつ大量の麦に襲われて死ぬか判らないから(笑)
シムーン/世の中……ベッドからギロチンが落ちてきたり、図書館で新撰組のブロッコリーに襲われたり、見ず知らずの男にビールを吹きかけられて毒が粘膜に入る可能性もあるんだよ。
ロロ/ここに前例を作っちゃった人がいるんですよ!?(一同笑)
シムーン/眼鏡を上げる仕草をしながら、落ち着いた声で)何のことかな……なあ、ロイド?
ロロ/良い声と本名の無駄打ちはやめてください!(一同爆笑) オバチャンに、庄屋さんの評判を訊いてみます!
GM/「庄屋さんかい? 庄屋さんは……30年ぐらい前に、村長さんの家に婿入りした人だよ」
トム/へー。婿入りなんだ?
GM/「この村がこんなに発展したのも、庄屋さんのおかげよぉ。ここまで麦が沢山なるなんて思わなかったねぇ」
レンス/麦が盛んになったのって、ここ最近のことだったんですか?
GM/「そうよ。元々アンダルテルカは墓守の町だったからねぇ……。ベルリールが崩壊する前は、ベルリールからの供給で成り立ってたんだけどねぇ。産業という産業も育たなくてねぇ」
ロロ/ふむふむ。
GM/「そんな中、来たのが……あの庄屋さんだったのよ。『銀の麦』の習慣もあの人が持ってきてくれて」
シムーン/そうして独自の風習が消えていった、と。……昔にやられていた風習は、もう見られないのですか? 立派な霊廟があったと聞いていますが。
GM/「ああ、今は霊廟に続く扉を開けなくなっちゃいましたねぇ。なかなかお参りすることも出来ませんので、きっと埃が積もっていると思うと……ちょっと心苦しいものがあるんですけどねぇ」
トム/それでも行かないの?
GM/「庄屋さんには、救ってもらってた恩というものもございますから。ご先祖様は大事ですが、やっぱり皆が生きていけるのが一番ですし……。あらやだやだ、しんみりしちゃいましたねぇ!」
トム/……うーん。
ロロ/……そうだ。銀商人さんがいると聞きましたけど、彼は今年も来てるんですか? フードの男について訊いてみます。
GM/「ええ、来てるんじゃないかねぇ。庄屋さんと一緒に歩いていたからねぇ」
トム/仲良しさんなんだー?
GM/「昔の古い友人だって言ってたけど」
ロロ/……あれ? フードの男って「兄ちゃん」って呼ばれていたから、若いと思っていたけど?
GM/「あれ、そうだったかしら? なんだったかしらねぇ?」 いきなりオバチャンはぽやんとします。
シムーン/ぽやん?
GM/【知力】判定、難易度15以上。
レンス/魔術判定でいいなら固定値で15あります。(ころころ)達成値21です。
GM/レンスは判る。……オバチャンの態度がおかしい。詳細を聞き出そうとすると、オバチャンはとぼけてしまう。本人はそんなつもり無いんだろうけど、変な話し方になる。
レンス/これは……。
GM/それにフードの男とは言っても、フードの下の顔や、彼がどういう人間なのかは一切出てこない。「本当にそんな男、いたのか?」と疑問に思えてくる。
レンス/……庄屋さんのお宅はどちらですか?
GM/すると「ハッ」と夢から覚めたような顔をします。「庄屋さんの家はねぇ……」と、一番大きなお家を指差します。
ロロ/……GM、試していいかな。オバチャンに、≪センスマジック≫。(ころころ)成功。
GM/オバチャンが赤い。どうやら、記憶操作をされていることが判ります。
ロロ/オバチャンに≪キャンセルマジック≫!(ころころ)成功!

 ≪キャンセルマジック≫
 対象が受けている、持続している魔術をひとつ解除するスキル。

GM/「ハッ! ……あんれ、何かあったかしらぁ?」
シムーン/さっきと同じ質問を投げ掛けてみる。フードの男を見たことあるか、どのような顔か、庄屋さんと一緒に居た姿というのはどういうものだ……?
GM/「フードの人? そんな人、見たことないわ。そんな怪しい人から物を買う訳ないでしょう」
トム/おおうっ!? で、ですよねー!(笑) じゃあ……『銀の麦』は、どこで買うの?
GM/「『銀の麦』は、庄屋さんから買うんだよ」
シムーン/……おそらく、農場にいたオッサンも同じような記憶操作にかかっていたと思うんだ。
ロロ/ですね……。きっと、村中の人が掛かっているんじゃないですか。
GM/そういえば君達も、市場に居るのに噂のフードの男は見ていない。そのような目立つ姿の人なら判るのに。ましてや、村民達から「どんな声だった」などは話されず、「フードの」といった記号的なものしか口にされない。
レンス/……確実に怪しいのは、庄屋さんですね。庄屋さんを問い質しに行くべきでしょうか。
GM/ただ、今日のターンは終わってしまったので……。みんな、ミニゲームでもしません?
シムーン/「寝ろ」って言わなかっただけ許してやろう(一同笑)
トム/そうだ、豚さんチケットを貰ったんだ!
GM/「そ、それは! 市場で毎年行われるレアチケットじゃないかい!?」
トム/レアなの!?(笑) ロロ助、大変な物を貰っちゃったよ!
GM/「10頭の豚さんに思い思いの金額を賭けるといいよ。当たれば一攫千金、負ければ悲しい感じだよ!」
シムーン/おや、チケットに書かれている時間がもうすぐじゃないか? さあ、行こうか(笑)
ロロ/おじさん……ギャンブルをしてる時間なんか無いんじゃないですか?
トム/ちょっとぐらい大丈夫だよ! ロロ助、やろうよー!
ロロ/……仕方ないなぁ。そこまで言うなら行ってやるか。


 ●ミドルフェイズ6/豚さんレース会場

GM/ミニゲーム『豚さんレース』のルールは、以下の通りです。

・1〜6番の豚から、1匹だけを選択する。1人1匹ではなく、1ギルド1匹を選ぶ。
・賭ける金額は、レースを開始する前に決定する。
・GMは、あみだクジで1〜6番の豚の順位を決める。
・4人のPCが、1回ずつ2D6の判定を行う。
・2D6の結果が8以上だった場合、あみだクジの結果の順位が1位上がる。
・2D6の結果が8以下だった場合、あみだクジの結果の順位が1位下がる。
・クリティカルが出た場合は、2位上がる。
・ファンブルが出た場合は、ビリになる。
・判定の結果、1位以上になった場合は、賭け金が上昇する。
・1〜3位までに入賞すると、賞金が出る。3位は「賭け金×2」、2位は「賭け金×3」、1位は「賭け金×(4+追い上げた倍数)」
・フェイトは使用可能。豚さんレースのシーン中、1人1回まで。


シムーン/例えば……。ギルドで2番の豚に賭けたとしよう。その2番の豚は、あみだクジの結果、2位になったとする。
GM/はい。
シムーン/4人が2D6を判定した結果、1人が失敗して、3人が成功した。この場合……?
GM/1人が失敗したので、豚は2位から3位になります。だけど3人が成功したので、3位から2位へ、2位から1位へ、そしてもう1段階上がって、賭け金がアップ。「賭け金×5」の賞金が手に入ります。
シムーン/なんとなくルールは把握できた。……いっそ、ナヴァールから貰った250Gを全部出してもいいかもしれないな。
レンス/ですよね。お祭で遊ぶためのお金だったんですし(笑)
ロロ/まずはゲームに慣れるためにも、1回目は50Gずつ出して、稼いでから勝負に出るのは?
シムーン/ロロは堅実だなぁ(笑) じゃあ、全員50Gずつ出そうか。
レンス/はい。まずは賭け金200Gでいきましょう。
GM/それでは、あみだクジから豚さんを1匹選んでください。
ロロ/どれ選んでも変わらないから、ダイスで選んじゃおう。(ころころ)1番の豚にします。
GM/では、レーススタート! ぶたぶたぶたぶた……(言いながら、あみだクジを開いていく)
トム/豚さんが走ってる音がおいしそう!(笑) 豚さん、頑張ってー!
GM/(あみだクジの結果を見ながら)……2位だ!
レンス/2位! これはイケる!
GM/さーて、ここからが本番です。豚さんはスタートダッシュを見せて凄い勢いで、2位までいきました。ここからは皆さんの応援次第!
トム/2D6振ります!(ころころ)よっしゃ、11!
シムーン/(ころころ)シムーンも成功。
ロロ/(ころころ)成功。
レンス/(ころころ)すみません、失敗しました!
GM/それだと……3つ上がって1つ下がる……から、オッズが5倍になりました。応援した豚は、1位! 1000Gゲットです!
トム/す、すごいすごーい! お金が増えたー!(笑)
ロロ/1人250Gゲットか。200Gも増えたな!
GM/さて、第2回戦……やるかい?
トム/やります! ……ギャンブルって怖い、いっぱい入れたくなるから怖い(笑) トムはちょっと怯えて200G賭けます!
レンス/私は、250G出します。
シムーン/シムーンも、250G出します。
ロロ/……計算がめんどくさくなるから、ボクは300G出します。全体で1000G。いきましょう!
GM/では、運命の豚さんを選択してください。
トム/てやっ!(1D6をころころ)5番の豚さんです。51ー!(笑)
GM/レーススタート!(あみだクジを開いて、結果を見て)……今度の豚さんは、4位だ!
シムーン/4位か……これから頑張ればなんとかなりそうだな。
ロロ/(ころころ)う、失敗しました。
シムーン/クリティカル出ろ!(ころころ)無理、失敗。
レンス/フェイトを使いますね。(ころころ)よし、クリティカル!
トム/……1人成功すれば2倍になる! フェイトを使っていきます!(ころころ)よっし、成功!
ロロ/じゃあこっちもつぎ込む価値があるね。フェイトを使って振り直します。(ころころ)あ、ダメだ……。
GM/でも3位です。つまり……2000Gゲットです。
トム/す、凄い……!(笑)
GM/相場師のオッチャンが「ここら辺でやめとくかい?」と言うよ。
レンス/……ここが引き時かな。
シムーン/うん、この辺でやめようか。
ロロ/……ボクは、フェイトを使ってないシムーンおじさんが1人で勝利してくれることを信じています!(笑)
シムーン/判った。やる。
ロロ/う、嘘です! アコライトのフェイトを無駄にしないでください!(笑)
シムーン/なんだ、曖昧なことを言う子はお仕置きしちゃうぞ(笑) はっ、今のタイミングで何かポエムを言わなきゃいけない気がウズウズ。
ロロ/奴にポエムを吐かせるな!(一同爆笑)
GM/奴は32歳! ポエムを吐かせてはいけないッ!(笑)
シムーン/けどシムーンは、ポエムを言い切る前に「ふへっ」と笑うタイプの32歳でした。……1回ぐらいフェイトを使っておくのも良いと思うので、100G賭けることにします。
トム/なら、トムも賭けるー! やるー! 100G賭けます……やだ、変なものに目覚めそう(笑) このドキドキ感は狩りをしているときに似てるー!
ロロ/狩りと違って失うものが多いんだぞー(笑)
GM/ではお2人さん、番号を決めてください。
シムーン/(ころころ)優雅に2番。
GM/では、2番の豚さんがいきまーす。レーススタート!(あみだクジを開いて、結果を確認)……6位です。
トム/豚ちゃん!?(一同笑) く、クリティカルを出せばいいんだよ!(笑)
シムーン/(ころころ)1・1です。
GM/失敗!? 大失敗!? ファンブルを出した豚が過呼吸になって倒れた!(一同爆笑)
トム/ぶ、豚ちゃぁーん!?(一同笑)
シムーン/……引き際を間違えないのが、軍師の仕事だ。
ロロ/って言いながら、おじさんが負けてるじゃないですか!?(一同笑)
シムーン/トム君、良い教訓を得られたね。少年よ大志を抱こうか(笑)
トム/そ、そうだね! トム、勉強した! ギャンブルって怖いね! トム、学んだよ!(笑)
GM/初心者の人がよく取れるっていう……調子に乗って痛い目を見るっていう、ありがちな話になりました。この豚さんはハムにでもなるでしょう(笑)
シムーン/イイハナシダナー。ということで、夜も更けていくといい。
トム/2番の豚ちゃんは、トム達の200Gで肥えるがいい!(笑) 私達の血となり肉となれー! 麦じゃないからこれしか食べられないー!
ロロ/肉だったら美味しく食べられる。ああ、パンが食べたい……(笑)
GM/さあお前ら、判定だ。
シムーン/何の?
GM/今、豚を食べたよね?
トム/うん。
レンス/…………。えっ?(笑)
GM/豚さんは、麦を食べて育つよ。
シムーン/…………。OK、把握した(笑)
GM/豚レースに出るような良い豚だから、良い麦を食べさせられてました。……知ってるか、水銀の流出事故で一番の被害に遭うのって、漁師の長男なんだぜ。長男だからって良い魚ばっか食べさせられて、体に水銀が溜まっていくから症状が重くなるんだぞ。抵抗判定は【筋力】で難易度10以上ね。
ロロ/に、憎い……。(ころころ)よし、成功!
トム/(ころころ)よっしゃ、クリティカルー!
レンス/(ころころ)14で成功しました。
シムーン/この負の連鎖を止めるためにも、我々は動かなければならない。(ころころ)失敗。
GM/シムーンおじさん、侵食値を2D6上げてくださーい。
シムーン/踏んだり蹴ったりだな。(ころころ)はい、6でした。ふへへ、人生って楽しいなぁ!(一同笑)
レンス/おじさん、結構危ない橋を渡ってますよね……(笑)
ロロ/ていうか、危ない橋だと知ってて渡ってますよね……(笑)
シムーン/うん。人生楽しくなってきたので、失敗しても面白くなってきました。ギャンブルに負けたのもいっそ楽しい。
GM/きっとこのレースの賞金も裏でネオバルムンクに流れて行くんだよ。
シムーン/ネオバルムンクに流れるってことは、いずれ四天王のところに行くんじゃないか。私には全然損が無い。
トム/それだと損したの、トムだけじゃないですかー!(笑)
シムーン/うん……トムにはなんか申し訳ないから、そのうち何か買ってあげようって考えてたところだよ……(笑) とまあ、自分の命が削れていく音色を耳にしたところでシーン終了。
トム/またポエム!(笑) ……安心してご飯が食べられないって、悲しいことなんだね……。

 なんとか空腹を抑えた4人は、市庁舎の寝床に戻っていった……。
 そうして、2日目のアンダルテルカの朝。


GM/朝だよー。みんなー、朝ご飯だよー。
レンス/……ふう(笑) 食事が取れないって……大変ですね。
シムーン/生きていくのがこんなに難しいとはね。では……今日は庄屋さんにお話を聞きに行こうか。
ロロ/あと、宮司さんの所に改めて行くのも良いかもしれません。レンスが宮司さんに会ったんだよな?
レンス/……ええ……。
ロロ/……何故、嫌そうな顔を(笑)
レンス/その、ちょっと……困るというか。悪い人ではないんですけど……。
トム/悪い虫なの?
シムーン/虫避けをするとしたら……青年であるロロを連れて行くべきかな?
GM/赤い髪じゃないけどいいの?
レンス/そういえば、そんな妄言も吐いたような……(笑)
トム/それだったら、トムは赤っぽい髪って設定だけど連れていく?
レンス/でも、女の子だし……。
トム/「娘です」って言うとか!
レンス/……既に結婚してましたって?(笑)
シムーン/それなら諦めてくれる筈。「旦那は今、病室にいるんです」って言えばいいよ。
トム/やった、憧れの人2人の娘になれる! トムは幸せだー!(笑)
ロロ/庄屋さんの家に行くだけなら警戒しなくて良いだろうし、2人で行ってきてくれるな? ……いや、レンスは警戒した方が良いのか(笑)
トム/それならトムが常にレンスちゃんの前を歩く! お母さんを守るんだー!(笑)
ロロ/「お父さんは欲しくないかい?」って言われたら?
トム/トムのお父さんはお父さんだけなのー! ……よし、バッチリ! スポンジのように吸収した!(笑)
シムーン/それなら、ロロとシムーンが村長さんこと庄屋さんの家に行くと。OK、行き先が決定したね。