アリアンロッドサガ・リプレイ・ゼウス
■ 第1話『動乱デイブレイク』 2ページ目 ■
2011年12月11日




 ●オープニングフェイズ/レンス=ノーバッドの場合

GM/オープニングなので、皆さんの回想シーンをやっていきます。まずはレンスから。……10年前、君が起動したときから始めよう。
レンス/はい。10年前、お嬢様が6歳のお誕生日のことですね。……お嬢様は誕生日会で、人が入るぐらいの物凄く大きな箱のプレゼントを与えられたのです。
エドガー/(お嬢様になって)「お父様、コレは何かしら?」
レンス/そうそうお嬢様カワイイ!
シムーン/はえーよ!(笑)
レンス/お嬢様がその包みを開けると、そこに眠っているのは……エルダナーン型のメイドロボット。
GM/お父様は「ドーリス、お前の為に用意したんだよ」と言う。お嬢様は今日はとっておきのリボンを付けて、可愛らしいドレスをお召しになって……。
レンス/はぁん!
GM/だから早いって!(笑) そんなお嬢様は、眠るエクスマキナの頬に手を触れる。
レンス/すると、パチッ……と目を開けます。貴方が私の御主人様ですか……。それから10年。お嬢様のお世話をしたりと沢山色んなことがありました。
エドガー/お嬢様が下に落ちちゃった小鳥の雛を巣に返そうと木登りをしちゃったり!
レンス/それも何回あったことか!(笑)
GM/(お嬢様になって)「レンス! この間拾ったポメロがお友達を連れてきたわ!」(笑)
シムーン/お嬢様、サモナーの可能性があるな……(笑) で、そんなお嬢様はどうして居なくなったの?
レンス/ある日、ルッツ家が取り潰されるという事態が起こりました。混乱の中、レンスは旦那様にお嬢様を任され、昔からルッツ家と親交の深い人達が助けてくれたので命からがらグラスウェルズを出ることになるんですが……。
エドガー/「ここは私達が!」「お嬢様方、こちらです!」と逃がしてくれる人達が少しずつ減っていく……!
GM/「話は聞いております! こちらへ!」などと匿ってくれたお家でも、コソコソと何者かが君達を狙おうとしている。
レンス/お嬢様は裏口からお逃げください! ここは私が引き受けます!
GM/(お嬢様になって)「嫌よ、レンスも一緒に逃げるの!」
レンス/お嬢様。私もすぐに追いつきますから、ここはお逃げください。
GM/泣きそうな瞳で、でも貴族の娘らしくキリッと利発そうな声で「必ずよ! 追い付かなければ承知しないんだから!」と、剣を構えた彼女は赤髪をなびかせて地下道へ消えていくのです。
レンス/それを見送って……私はアークスタッフを構えて、敵に≪サモン・ヨルムンガルド≫を撃ちこむ!
GM/(無数の敵になって)「娘はどこに……ぐああっ!?」(笑)
レンス/敵が怯んだ瞬間に、自分もお嬢様を追う。だけどお嬢様と再会することが出来ず……手掛かりが無くなってしまった。
シムーン/合流場所が既に敵に囲まれているとかか。
GM/支援者の者達に証言を聞いても、お嬢様を見たという情報は得られず……。
レンス/きっとお嬢様はこのときこちらの方角に逃げる筈だ。長年、一緒に居たメイドとしての勘を働かせつつ……。
GM/そしてそのまま、フェリタニアへと突入……。混乱に乗じて逃げ込むとしたらフェリタニアかもしれない。グラスウェルズとレイウォールの両方から逃れてきた人間がいるということで、お嬢様がこの国に居るということも有り得るんじゃないでしょうか。
レンス/フェリタニアに向かいながら……。お嬢様、すぐに追い付きます……!


 ●オープニングフェイズ/エドガー=トーラムの場合

GM/次に、エドガーのオープニングにいきます。
エドガー/はーい。……トーラム家に生まれたエドガーは、父親が冒険者、母親が貴族でした。大変微妙な立ち位置に生まれた子供でした!
GM/ホント微妙だね。
エドガー/私生児っぽいでしょ? 母親も現領主のシェリルの乳母ということでどうにか地位を保ってました。エドガーは微妙な立場だけど、外から見たら唯一の男子。エドガーをなんとかすれば領主一家とお近づきになってウマイ汁が吸えるんじゃないか、っていう目で見られて育ってきました。
GM/幼い頃は「どこの馬の骨の子か知らないが……」と言われ、一方では商人気質のカムロートの者達に「なんとかアイツを手懐ければ……」と言われ。
エドガー/本人はそんな気は全然無いんだけどね。じゃあ、自分が騎士として立場を確立すれば領主様に報いることが出来るんじゃないかと学校に入ったら……。
GM/「カムロートの奴が騎士ぃ?」「あそこって中立国だろぉ?」
エドガー/そうそう。しかもエドガーは小さい頃、現領主のシェリーちゃんと同じフィルボルだと思ってたのに自分だけどんどん大きくなっちゃった。あれ、どうして、自分だけ……って感じ。
レンス/醜いアヒルの子状態ですね……。
エドガー/色んなコンプレックスを持っていて、騎士になることでそれを克服しようとするんだけど、結局それにも挫折。そして「何やってもあそこの息子はダメだな!」と言われる始末。
GM/「そもそもアルディオンで冒険者の父親って……ププーッ!」
エドガー/ですよねー(笑) ましてや、父親はエリンディルから流れ着いた冒険者。マジどこの馬の骨とも知らない私生児。そんな中、自分の利用価値を探し、プリーチャーとしてエランドを「カムロートのため」と定めることで……国のためになろうと思います。
GM/では、シェリーにそれを決意するシーンから演出しようか。シェリーは領主といっても王様のような立場ではなく、商工会の会長みたいな人です。執務室で仕事をしているところに訪れる……でどうかな?
エドガー/じゃあそれで。執務室の前で……失礼します。
GM/(シェリーになって)「開いてるよ。どうしたんだい、エドガー」
エドガー/えーと、あのー。そろそろ僕も外に出ようかと思いまして。
GM/「……行くのかい?」
エドガー/はい。シェリー様もエリンディルから漸く帰られましたし、1人で何でも出来る貴方なら変に婿候補も寄ってこないでしょうし。そうすれば虫除けとしての僕も必要ないでしょ?
GM/「ハハハ、君が一番の虫だと思われていたけどね!」
エドガー/ハハハ、そんな従兄弟同士で結婚だなんて。それに綺麗な花を飛び交う蝶が僕ですから!(笑)
GM/「君はどっちかっていうと蛾じゃないかなー? ……それはともかく、君が決めた決断ならボクは止めないよ」
エドガー/……そうですか。きっと僕が外に出ることが、カムロートのためになると思いますので……。
GM/「君がカムロートのために色んなことをしてくれるのは判る。でも、進んで汚れ役を引き受けることはない。ボクは君の従兄弟として君の幸せを願っているからね」
エドガー/……大丈夫です! 早々汚れたりはしませんよ。でも、ここまで育ててもらった恩はカムロートにあります。必ずそれは返すつもりです!
GM/「……そっか」
エドガー/……それでは、失礼します。
GM/「……領主としてではなく、従兄弟として礼を言うよ。エドガー、ありがとう」 こうして君はカムロートを立ち、海に旅立ち、レイウォールを経由して山に入り……。
シムーン/あれ、海に出たんだ?
GM/なんか海に出る方が格好つくかなと思って(一同笑)
エドガー/フェリタニアに行こうとしたのに遠回りされた!? うう、船まで用意してもらったけど徒歩の分の食事代が無っ……ガクッ!(笑)
GM/生き倒れた(笑) では、そんな風に倒れているエドガーの元に……というところでシーンを切ります。


 ●オープニングフェイズ/トムの場合

GM/次に、トムのオープニングにいきます。幼い頃、怪しげな人物に出会っている……ということでしたが。
トム/はい。トムはゴルフォードの森で、森番として1人ログハウスに住んでいました。シカや熊やイノシシを狩って生活をしていました……。
GM/時々、森林警備隊のおじさん達とは話をする。けれど殆ど1人で暮らしている毎日。……そんな中、ある風の強い晩、君の家のドアがコンコンとノックされる。
トム/ハッ、誰かが来た!? 迷子かな……扉を開けます。
エドガー/警戒心が無いね。オープン・ザ・ドア!(笑)
GM/森の中には似つかわしくないような、君や森番のおじさん達とは明らかに雰囲気の違う……えっと、少年……青年? が居ます。
レンス/少年で! ゴルフォード回GMなのでここは少年にしてほしいです!
GM/ゴルフォード回GMの強い希望により少年になりました(笑) ……帽子を被った少年が、「キミがこの森の番人?」と尋ねてきます。
トム/ハイ。そういうお仕事を最近貰いました!
GM/年齢は君と同じぐらいだね。「番人さん。ボク、この森で迷っちゃったんだ。少し休ませてもらっていいかな?」
トム/ハイ、モチロンです! それがトムのお仕事です! 何も考えずに入れてしまいます。フシギだなーと思いながらも……あたたかいお茶を出します。
GM/「名前、トムっていうんだ? カワイイ名前だね」 ニコリと微笑みかけます。
トム/えっ……あ、ありがとう……。それじゃあ、迷子の貴方の名前は何ですか?
GM/名前を聞いた。……でも、今の君にはその名前はどうしても思い出せない。
トム/う、うーん? ……でもこのニオイ、自分と同じような感じがする……。
GM/「ボク達、良いトモダチになれると思うんだよね」
トム/と、トモダチっ!?
GM/「そうだよ」
トム/と、トモダチって……なんだかステキな関係なんだよね!?
GM/「そうだね。トモダチとしてキミとボクは信じ合って力を貸し合ったり、時に導いたり、そんな素敵な仲になれるかもしれないね」
トム/……ただコクコクと頷きます!
GM/「じゃあ、トモダチになるためにトムのことをもっと教えてくれよ」
トム/トムは自分の持っているスキルから、森の抜け道から何まで言ってしまうのでした……オイ、森番!(笑)
シムーン/……あー、なんか胡散臭ぇ。「石田彰」って言葉を置いておきますね。
GM/もうCVイメージは石田でいいです(笑) そして1週間ぐらい経った後に石田彰は……。
エドガー/おいっ!(一同笑)
GM/……ある日、いつも通り森の中から帰って来た彼は、トムに言います。「トム、残念だけれどそろそろお別れしなきゃいけないみたいだ」
トム/おかえりなさー……って、えええっ!? もう!? ……お別れなの?
GM/「意味は判るかい?」
トム/…………さようなら?
GM/「ボクもこの森でやるべきお仕事が終わったからね、そろそろ行かなきゃならなくなった」
トム/そ、そっか。お仕事が終わらなかったら大変だもんね……。
GM/「それはそれでトムと一緒に居られて楽しいんだけど」
トム/えっ……。でも、この森に他の人がずっと居られないっていうのは判っているから、頷きます。この子がどんなことをしていたのか全然判らないけど……。
GM/「ここでバイバイだけど、でも、ボク達はトモダチだからホントのバイバイじゃないよ」 そう言って少年は言って、ぽんっと……被っていた帽子をトムに渡します。
トム/わっ……。あ、ありがとう! ……じ、じゃあ、またどっかで会える……?
GM/「きっと会えるさ。キミの傍にはずっとボクがいる。キミは1人じゃないよ」
トム/……尻尾ぶんぶん振って喜びます! 森を出るときも気を付けてね……迷子になっちゃダメだよ!
GM/「ボクはトムほど道に詳しくないから、大丈夫かなー」と笑います。
トム/と、トムがついて行こうか!?
GM/「今はまだ、そのときじゃないよ」
トム/……いつか、ついて行っていいの?
GM/「キミがいつまでもこの森に居ると言うならボクは止めないけど、キミはいつかこの森を出るよ」
トム/ぱちくり。
GM/「……キミは、戦争が好きかい?」
トム/……他の国で戦争が起こってるとか、森のおじさん達から少しだけ聞いたことがある。話を聞いただけで嫌悪感を抱いているし……ハッキリとキライって答えます。
GM/「ならば、キミはこの森を出るといい」
トム/……どういうこと?
GM/「じゃあ、いつか会おうね。ボクのトモダチ」
トム/トモダチ……トモダチ……。
GM/……そうして10年後、君はフェリタニアに向かう。でもその途中で……君は疲れて生き倒れてしまい……(笑)
トム/トモダチ……トモダチ……。
GM/……君は、とあるメイドに声を掛けられた。
レンス/大丈夫ですか?
トム/……はっ……。
レンス/こんな所で倒れて大丈夫ですか? はい、パンです。どうぞお食べください。
トム/あ、ありがとう……3日ぶりのゴハ……。
エドガー/ありがとう君はミューズだモグモグゥ!
トム/あああトムのゴハンんんっ!?(笑)
エドガー/ありがとうありがとうっ! 4日ぶりの食事だったよ! 君のおかげで生き返った! 君はアレかい、ミューズだねモグモグ!(笑)
トム/えっと……。ミューズ様?
レンス/いえ、私はただのメイドです。
エドガー/じゃあマリアだねモグモグ!
トム/ミューズでメイドでマリアさんですか?
レンス/違います。レンス=ノーバッドです。レンスとお呼びください。
エドガー/ボクのミューズ・レンスちゃん!
トム/なんて呼べばいいの!?(笑)
エドガー/モグモグ。ハッ、申し遅れました! 僕はエドガー=トーラムと申します、美しいお嬢さん方!
トム/…………。
レンス/…………。
エドガー/ここでノータッチ!?(笑) ここは「きゃっ、何をおっしゃるんですか」とか「何なのよアンタもう!」とか言う反応でしょう!?
トム/レンスちゃんに新しくパンを貰って食べてました。モグモグ。
レンス/いつもお嬢さんと言われるのはお嬢様の方なので、自分だと思わず反応できませんでした。
トム/それに……あの、トムは美しいお嬢さんっていう名前じゃありません。トムと申します!
エドガー/おや、君は……とトムの外見を見ます。
トム/裸足で、ベレー帽を被ってます。思いっきり野生児っぽい感じです。
レンス/あら、裸足ではいけませんね。これをどうぞ……と、ドロップ品で入手した靴を履かせてあげよう(笑)
エドガー/おっと、その前に! 高そうなハンカチを出して足を拭いてあげます。腐っても貴族だからね!(笑)
トム/え、あ、わ……わあっ! な、なんだか足が痛くないよ! 凄い! 森の外には凄い人達がいっぱい居るんだね! ……こうしてトムは2人に対して憧れを強く抱きました(笑) それに3日ぶりの食事ありがとうございます!
エドガー/こっちは4日ぶりの食事だったよ! ありがとう!
レンス/お2人とも、よく判りませんが大変な目に遭っていたようですね……。水分は大丈夫ですか? 水筒を差し出します。
エドガー/ありがとうありがとうミューズ!
レンス/いえ、レンスとお呼びください。
エドガー/確かに君は完璧だ! 完璧なミューズだ!(笑)
レンス/…………。お2人とも、こんな所で生き倒れてこれからどうするおつもりだったんですか?
トム/えっとね。……そろりとポケットから出す例のチラシ。ここに行こうと思うんです!
シムーン/ピアニィが指を出してウインクしてるあのチラシか(笑)
GM/公式リプレイの巻末に掲載されてる『フェリタニア軍募集!』のチラシですね。
エドガー/フェリタニア? なんだ、僕と同じ目的地じゃないか。それなら一緒に行かないかい!? ほら、お礼ならいっぱい出来るし……未加工の宝石とかいっぱい持ってるよ! 魔力は無いけど魔法使いに見せたらそれなりの処理できるんじゃないかな。赤い指輪を出します。ほら、ミューズにもあげるよ!
レンス/でも、そんな大層な代物を受け取る訳には……。
エドガー/いやいや、これは美しい『お嬢様』が持つべき物!
レンス/…………。判りました。お渡ししておきます。ここで始めてフェリタニアのチラシを見て……フェリタニアに行こうと決意します。……ここに行けばお嬢様が居るかも……?
エドガー/一緒に行くよね? ……これで食糧の心配をする必要が無くなった!(笑)
レンス/はい。一緒に行きましょう。
トム/トムも行きます!
エドガー/ああ、行こうー!
GM/……そうして、3人は無事フェリタニア国内に入り、街道を歩きます。
レンス/その間にトムの靴も買っていきましょう。
トム/わーい。
GM/君達が歩いていると、後ろから馬車の音がガラガラと聞こえてきます。
トム/ビックリして振り返る。……ゴハンが車を引いている……?
エドガー/アレを食べるのは最終手段だよ!(笑)
GM/あまりに騒がしい3人組に、御者台に乗っていた役人風の青年が降りてきます。一見してドラゴネットと判る感じですね。御察しかとは思いますが、ロロです。
トム/誰……?
GM→ロロ/お前達、騒がしいが何をしているんだ。……ん? お前は、ルッツ家の……?
レンス/貴方は……まさか、ロイエンタール家の?
ロロ/グラスウェルズにいたお前が、どうしてここに?
レンス/お久しぶりでございます。頭を下げます。……事情に関しては暗い顔をします。
エドガー/へー、レンスちゃんってグラスウェルズの人だったんだー?
トム/……レンスちゃんの知り合い?
レンス/昔、パーティーでお嬢様とお知り合いになりまして……。
トム/じゃあ、レンスちゃんと仲良し……?
エドガー/へー、知り合いなんだー? ……ロロと一瞬目があったけど、気にせずにレンスちゃんにずっと話し掛けます(笑)
ロロ/……お前、エドガー=トーラムだな?
エドガー/えっ? 誰だっけ? あー、僕って男の名前って覚え出せないんだよねー(笑)
ロロ/…………。まあいい。ボクの知ってるエドガーはそんな奴じゃなかった。で、『コレ』は?
トム/トムが指差されました(笑)
レンス/途中で拾いまして……靴も履いていなかったので連れて来たんです。
ロロ/戦災孤児か?
トム/せ、戦災は受けてないよ。えっと……。
レンス/本人はゴルフォードの森から来たと言っています。
ロロ/ゴルフォードから? ならどうしてこっちの街道から来ている。
トム/も、森が好きで森づたいに歩いてたら!(笑)
ロロ/……その様子だと、3人ともピアニィ陛下の勅令を見てフェリタニアに来たんだな? 真面目な顔をして、フェリタニア軍の階級証を見せます。
レンス/その通りです。もし宜しければお取次願えますか。
ロロ/丁度いい、ボクもそのつもりで来たんだ。お前達のように志願してくる者を各地から募り、王都まで案内していた途中だ。馬車の中には同じように志願した者達がいる。
エドガー/おお。出世したな、ロロ助。
ロロ/その呼び方はやめろ!(笑) ……1人はともかく、レンスとエドガーの身分はボクが保証できるから乗っていいぞ。
レンス/恩にきます。……馬車に先に乗って、トムちゃんを乗せてあげます。
トム/……トムもついていっていい?
ロロ/さっさと乗らないと置いていくぞ。
トム/わ、いくいくーっ!


 ●オープニングフェイズ/ロイド=ローエンタールの場合

GM/では次に、シムーンのオープニングを……。
シムーン/その前に、ロロのオープニングシーンをしたいと思います。
ロロ/えっ(笑) 謎のGM交代が起きました。
シムーン/(まるでGMのような口調で)君がさっき、馬車に乗っていた理由は何かな?
ロロ/はい。フェリタニア……かつてのアヴェルシアは、レイウォールの属国でした。ピアニィ女王の下にフェリタニアとして独立したのはいいんですが、同時に今までレイウォールから遣わされていた代官はみんな撤退、国の基盤はまっさらになってしまいました。そんな中で、生まれも育ちもアヴェルシアのボクはフェリタニア軍に志願しました。フェリタニアは実力主義、生まれなど関係無いのだから、そこで自分が出世していけば……「裏切り者のロイエンタール」と呼ばれた家も地位を取り戻せるんじゃないかと思っています。
シムーン/なるほど。
ロロ/ロロは自分の力で出世したいと考えています。家のためにも自分のためにも頑張っていこうというスタンスですね。志願兵を募集されたときも、真っ先に手を上げました。……ので、本当は軍師として戦いたいのですが、実際は先程のように地味なお役所仕事、雑用ばかりです。
シムーン/ナヴァール達もまずは役所の仕事が出来る人を募集しただろうしね。君のような人材は重宝されてるだろう。
ロロ/国を整えるためにはまず土地の地ならしを進めなくちゃいけない。だから「君、ここの出身なんだよね? 頼んだ!」って言われてるけど「ちくしょう! 役人になりたくて入ったんじゃねえ!」というのが本心です。
シムーン/ちょっと不満なんだ。
エドガー/上の人としてみれば、実戦経験が無い子を戦場に送るより、土地勘がある子に土地を開拓してもらった方が役立つよねぇ。
シムーン/じゃあ……そうやって市役所の主任的立場に任命されたときに、シムーンと会うというのはどうでしょう。
ロロ/はい。
シムーン/(上の人になって)「そんなコト言わないでさー、今は色々と人が足りないんだよー。だから君、やってくれるよね? ねっ!?」
ロロ/やります、やりますってば! NOだなんて言える訳ないでしょ!? やれることはなんでもやりますっ! ……不満を抱きながらも与えられた役割をこなそうとします。
シムーン/そんなとき、君に声が掛かる。…………ロイド? ロイドじゃないか。
ロロ/声のした方を振り返ります。
シムーン/君の目には、数年前に会ったことがある男性が見えます。エルダナーンだから姿は記憶の中から一切変わってない、眼鏡をかけた30過ぎぐらいの男です。
ロロ/お、おじさん!? こんな所で何を……!?
シムーン/クスッと笑いながら君の元に近寄ってくる。……資料で君の名前を見ていた。居ると思ったよ。
ロロ/はあ……。
シムーン/それにしても君も出世したね。いや、出世するためにここにいるのか。それでもいきなりでその大役とは……流石、あの人の息子だ。
ロロ/……いえ、それほどでも。ちょっと不機嫌そうな顔をします。ボクのことより、シムーンおじさんは何故こちらへ?
シムーン/私は出世する気なんて無いけれど、ピアニィ様のもとで働きたいと思ってね。
ロロ/おじさんは……レイウォールにいたのに、国を捨てて陛下のもとで働くんですか?
シムーン/成り行きでこうなったんだよ。しかし知り合いに会えて良かったよ。1人はちょっと心細かったんだ。今度2人で一緒に食事でもどうだい? ……まだ他の3人が来ることを知らないからそう言います。
ロロ/は、はい……ではそのうち。
シムーン/それにしても、どうやら大きな任務がそのうち誰かしらに掛かるそうだよ。聞いてるかい?
ロロ/そこまでは……でもこの国は独立したばかりです。小競り合いはあちらこちらで起きてますし……。
シムーン/そんなロロの目を見ながら、フッと笑います。……野心家の目だね。
ロロ/…………。
シムーン/なんだい、国の外に出たいかい。今ここでしていることが不満そうに見えるけど?
ロロ/……茶化すのはやめてください。フイッと向こうを向きます。
シムーン/若いんだからそのうち外に行かされるさ。実は、とある任務を受け持ってくれる人を探しているそうなんだが……その任に君が就くよう、私から推薦しておくよ。
ロロ/そんな……。
シムーン/やる気のある顔はみんな同じだ。そんな中でも、君の目は特に光っている。君を推しておくよ。これでも私は顔が広いからね。
ロロ/……感謝します。露骨に顔に出しちゃいけないけど我慢できずに、言っちゃいます。
シムーン/でも、出世するかは君次第だよ。
ロロ/チャンスを掴むのは自分自身ですからね。
シムーン/おや、数年前にも同じようなことを言ったかな。もう年だなぁ……と言いながら去って行きます。
ロロ/……相変わらず掴み切れない人だなと思いながら、馬車を引いて行きます。
シムーン/そして仕事の帰り道で、ギャーギャー3人を拾うと(笑) という感じでロロのオープニングでしたー。


 ●オープニングフェイズ/シムーン=ブレンディの場合。

シムーン/じゃ、短くシムーンのオープニングをしますか。
GM/オープニングシーンぐらいじっくりしてくださいよ。
シムーン/短くていいから。……シムーンはレイウォール国家というよりレイウォールの王族を愛していて、オーギュスト王やヒューバード王子に仕えていたんだけど、ヒューバード様に謀反の疑いをかけられちゃったピアニィ様と共に旧アヴェルシア領に行きました。ピアニィ様のことを考えつつも、世界が良くなればいいと考えつつ、フェリタニアに仕えます。あまり自分のことは考えていません。
GM/そんな貴方は、ロロと同じように色んな仕事を総合職として任されているんですね。
シムーン/そうそう。……ちょっと演出していいかな?
GM/どうぞ。
シムーン/朝。割り当てられたフェリタニア領の自室。自分の服を着る。軍服に袖を通す。そのときに、聖印を見つめて、服の奥に隠す。手袋を嵌める。……ナヴァール様に呼ばれていた、行こう。部屋を出ます。
GM/……なんか、ちょっと意味深な演出が入った(笑)
エドガー/服を着る前の後ろ姿には傷がいっぱいあったりするんだろ?
GM/ですよね。「神官は先に殺せ」って言いますし(一同爆笑) では、執務室で書類を優雅に片付けているドラゴネットの男性、軍師のナヴァールが居ます。
シムーン/にこやかにナヴァールの前に現れます。
GM/にこやかなナヴァールの前に現れます。……微笑みキャラ同士の対決か、ここにヨン様を交えるしかない(一同笑)
エドガー/ヨン様がいるのかよ!?(笑)
GM/フェリタニア三十二将の一人、微笑み軍師のヨン様を知らんとは!?(一同笑・ナヴァールになって)「先日、君が言っていた推薦の話を聞かせてもらったよ」
シムーン/彼を使ってあげてください。ドラゴネットの彼です。
GM/「いいね、実にいい。ドラゴネットという所が実にいい」(一同爆笑)
エドガー/おいナヴァール! 私情入りすぎだろ!?(一同笑)
シムーン/実に良い働きをする若者だと思いますよ。
GM/「ああ。出来たばかりのこの国に必要なのは、野心に溢れた存在だ。まだ力が無くても、必ずこの国を支える者になってくれるだろう。そのために新しい力を国外からも募集しているのだからな。ピアニィ様にはそのような深遠なお考えがあってのことなのだよ……」(一同笑)
シムーン/ピアニィはそんなこと考えてないけどね。ニコリとそのことを聞いています。
GM/「暫くしたら国内での任務を君達に渡すつもりだ。そのときには、先日の募集に名乗りを上げた者を何人かつけることになる。厳しい任務になるかもしれないが、その力を生かすも殺すも我々軍師にかかっている。しっかり励んでくれ」
シムーン/やる気に満ちている若者達を我々の力でサポートしていきましょう。その何人かの名前が入った書類を見ながらナヴァールの執務室を出て……その書類の中に、ロロの名前を見て……満足して笑って、シーンを終わりにします。
GM/はい。……そんな感じで色んな事情をフェリタニアにやって来た君達は、色んな手続きを終えて、とりあえずの仮の部屋も与えられて、フェリタニア王国の一員として迎えられるのでした。
トム/良かった良かったー。
GM/そして君達の元に、ナヴァールからの書状。執務室まで来るように、と御達しがあるのでした……。


 ●ミドルフェイズ1/ギルド結成

GM/ということで、君達はナヴァールの執務室に来ました。君達の他にも何人か、他の国から来たのであろう新しい軍人さん達が集まっています。
トム/どきどき……。
GM/「まずはフェリタニア軍への参加を心より嬉しく思う」とナヴァールが声を掛けます。
トム/ありがとうございますっ!
GM/「良い返事だ。……早速で申し訳無いが、君達に任務を与えたい」 机の上に地図を広げます。
エドガー/ほう……?
GM/「晴れて我が国は独立を宣言したが、それを快く思わない勢力も未だ存在する。レイウォールと癒着していた者や、ピアニィ女王への反感を持つ者だな。彼らを何とかしなければ政治が立ちゆかない……反乱分子のゲリラ的活動が昨今も続いていたのだが、今回、その本拠地を突きとめることが出来た」
トム/ほうほう……。
GM/「ここに、反乱分子の拠点となっている城がある。現在、この拠点に兵糧攻めを行なっている最中だ」……ちなみにフェリタニアの国軍はまだ弱く、『黄金の狼』という優秀な傭兵団に頼っている状況です。
エドガー/なう! 真っ最中!
トム/兵糧攻め……?
GM/「拠点を包囲して補給路を断ち、内部から弱体化させる戦術だな。反乱分子と真正面から戦えるほど我が国の戦力は整っていない。全滅や降伏を狙うより、まずは相手を弱らせ、交渉に持ち込もうという目論見だ。新興国ゆえ、国内の全ての反乱勢力をいきなり征圧することは難しいし、新たな反発を生む可能性もある。兵糧攻めと言うと残酷に聞こえるかもしれないが、地道な懐柔の手段でもあるのだよ」
トム/ふむふむ。
GM/「さて……ここで1つ問題がある。兵糧攻めとなると、補給路を徹底的に絶たなければ意味が無い。だがどうも監視によると、補給路を完全に絶っている筈なのに、内部の兵士の士気が衰えない。食糧が尽きかけている様子も無い。場合によったら新鮮な魚が運び込まれている様子すらある」
トム/あ、あれぇ?
レンス/山奥の城で、魚?(笑)
GM/「どこかに隠れた補給路があるのだろう。なので、その補給路を見付けだし、本隊である傭兵団の兵糧攻めを支援してほしいのだ。君達のような少人数の部隊の方が、斥候としては向いている」
トム/……せっこう……って何?
エドガー/スパイのことだよ。
GM/最前線に出て敵の様子を偵察したり、トラップを看破ったり、伝令的な役割だね。
トム/よし、それだったら得意!
GM/「こちらでも、補給路として使われそうな箇所に目星は点けてある。不審な動きがあった場所は2つだ」
シムーン/2つか。
GM/「1つは、精霊の森を経由してくるAコース。あとは、山脈を越えてくるBコース。君達は、この2つのコースのそれぞれに偵察に向かってほしい。どちらに向かうかは判断に任せる。NPC達の部隊と相談だな」 ……寄せ集め部隊を差し向けるのは、ゲリラ部隊にどんな勢力が絡んでいるか判らないからですね。色んな国の人間をぶつけて様子を見てみようという思惑です。
トム/こくこくっ。
GM/「この辺りに詳しい人間を1人つけよう」と、ロロをNPCとして差し出します。
エドガー/じゃあまずはパーティーを作らないといけないねー。……そろそろシムーンさんと接触したいなぁ。
レンス/なら……シムーンさんを見てハッとします。ま、まさか……。
シムーン/視線に気付いて、レンスちゃんに近付きます。久しぶりだね。
レンス/……お久しぶりです。言うだけで、頭を下げない。
シムーン/フェリタニアに居るということは、この国に逃れてきたのかな。
レンス/じ、事情を知られている……? ええ、と短く頷きます。
シムーン/じゃあ、先に言っておくよ。……君の求めている人はここには居ない。
レンス/えっ……。何故、それをご存知なのですか!?
シムーン/そんなに警戒しないで。ここではグラスウェルズやレイウォールなんて関係無い、仲間なんだから。
レンス/……頷きます。そうですね、過去の因縁を持ちこんでは任務に支障を来します。
シムーン/でも小声で言います。……君のお嬢様に関しては、私も調査をしていてね。
レンス/……なっ、何故この人が……。
シムーン/さて、私はアコライトなんだが仲間に入れてくれないか? と、エドガー達に普通の声で言います。
エドガー/僕はもう既にレンスちゃんとトムちゃんと一緒に行くって決めてるからねー。おい、ロロもこっち来るんだよー!(笑)
ロロ/ば、バカ! 引っ張るなっ!(笑)
レンス/……無言でシムーンさんの背中を見つめておきます。
シムーン/一方シムーンはトムちゃんの方を見よう。……ああ、君……ちゃんと靴が履けるようになったんだね?
トム/履けましたっ! ちゃんとキャラシに描いた格好をしてます!(笑)
シムーン/……そんなこんなしてると、既にNPC達がギルドを結成してしまっているという。
GM/「我々は微笑み軍師ヨン様の元に頑張るぞー!」「オーッ!」(一同爆笑)
エドガー/あっちはヨン様だった! 三十二将のヨン様がもう1人の軍師だった!(笑) ここの軍師は微笑み技能を持ってないとなれねーの!?
ロロ/なんか向こうが微笑みオーラを出し合っているので、ロロが「ボクはあの空気の中に行けない……!」と言ってこっちに逃げて来ます。
シムーン/うん、おいで。
ロロ/……不機嫌そうにしながらも、仲間に入ります。さて、どちらのルートに行く?
シムーン/逆に訊くがロイド。フェリタニア出身の君としてはどちらのコースが良いと思うんだい?
ロロ/……ロイドって呼ばれた。恥ずかしい。
レンス/ちゃんと名前で呼んだのに恥ずかしがられる理由が判らない(笑)
GM/ドラゴネットは気位が高いんだよ(笑) ロロはちょっと悩んで……PLの皆さんに代理でお願いします、【知力】判定の難易度12。
レンス/(ころころ)17で成功です。
シムーン/(ころころ)14で成功。
GM/レンスとシムーンが把握していたことに、ロロが補足を加えます。
ロロ/簡単に道の特徴を話すぞ。Aコースは、北のレイウォールから流れ込む大きな川を経由し、「精霊の森」を抜けていく。補給路に向いているようには思えるが、精霊の森は地形が入り組んでいて、地元の人間でも迷うことの方が多いんだ。
トム/ふんふん。
ロロ/ただ、道自体は平坦だ。抜け道さえ把握出来れば行けるかもしれない。
レンス/そうですか……難しいところですね。
ロロ/Bコースだが、厳しい山岳を越えなければならない。物資を運び込む道としては単純に大変だが、その分、人目につかないコースではある。迷うこともないから行きやすいかもしれない。……どちらを通るにしても、それなりにメリットとデメリットがあるな。
シムーン/ふむ……。
レンス/ちなみに、人の動きがあるという情報の詳細は?
ロロ/あまり入ってないな。不審な人間の動きがあるという、断片的情報しか無い状態だ。だが、補給路があるとしたら、補給部隊の中継地点になるような場所がきっとある筈だ。だから、そこを叩けば補給路を断つことに繋がる。
シムーン/我々はあくまで補給を断つのが目的だと、忘れないようにしないとな。
ロロ/地味に見えるかもしれないけど、これも重要な任務だ。
トム/どっちが良いのかな……?
シムーン/……確か、トム君は森生まれだったよね。精霊の森は勝手が違うかもしれないけど、そちらの方が活動としては巧くやれるのかな?
トム/正直、久しぶりに森に行きたい気持ちはありますっ!
シムーン/そういう気持ちは重要だよ。初任務なんだからリラックスできるようにしないと。
トム/は、はいっ。
エドガー/よし、精霊の森に行こうか!
トム/え、いいの!?(笑)
エドガー/特に確定的な情報が無いのなら、ちょっとでも僕らに有利な方へ行った方が良いんじゃないかな!
シムーン/そうだね。トム君の力を発揮できる方へ行こう。
レンス/異存はありません。
ロロ/確かに、飛べる人間も居ないから山岳を越えていくのは大変かもしれないな。
エドガー/ハッ! ……おいロロ助! そういうときの≪フライト≫だったのか!?(笑)
ロロ/今回のボクはNPCだぞ、≪フライト≫を選ばなかったのはお前達のせいだぞ(笑)
トム/……トムは地べたを歩くのは得意です!
ロロ/では、我々は平地のAコースを行こう。
エドガー/……おお、なんだって!? 微笑み軍師のヨン様は飛べるらしいぞ!(一同笑)
シムーン/ヨン様、体格が良いから羽ドゥアンなのか(笑) ということで、ヨン様達は山岳越えのBコースに行くことになりました。
エドガー/ありがとう、ヨン様。君のことは忘れない!(笑)
GM/ちなみに、森は人の手が入っていないので、モンスターはそれなりに出そうです。ここにもし補給地点があるとしたら、武装した人間もいるんじゃないかな?
シムーン/なら我々も充分な補給をして行くべきだね。ポーションを買っておかないと。
エドガー/ちゃんとポーションの類を買わないとなー! 香水とか買ってたから! 今時は男子たる者身嗜みに気を付けるべきだよー!(笑)
シムーン/まあ、私は既に付けてるけど。
エドガー/……ですよねー(笑)