アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 絶糸絶命 』 2ページ ■
2023年11月18日




 第1回セッションから数日後……プレイヤー全員が集まった第2回目にて。

一真/1話のリプレイ読みました! 職場ながら実況ツイートしちゃいました。キャバクラの先にいたお客さんに職場なのに手ぇ叩いて笑っちゃった。
咲守/実況タイムラインには笑った(笑) やっぱリプレイを見返すとアニメみがあるよね。
光兵/アニメっぽいよね。1話アニメ放送終了後、「これからどうなっちゃうんだ!?」ってタイムラインが荒れそうな感じ(笑)
一真/本当にどうなっちまうんだ……。
GM/という訳で、プレイヤーが全員集まりましたので第2回セッションを始めますね。最初に流したかったマスターシーンからいきます。


 ●マスターシーン

「……私は、もう駄目なのです」

「長い時間を耐えました。あと1年、もうあと1年と生きてきました」
「でも、疲れました。私だって喜んで死のうとは思いません。できるならもっと長く、もっと……生きていたい。でもそれも、限界なのです」
「私の生は、もう切れる」
「寿命。運命。受け入れるしかない定め」
「かつては誰よりも図太く、意地汚く生き続けてきましたが……悔しいことに、私の命綱はこんなにも細い。細い細い糸一本になってしまった寿命が、悲しくてたまらない」
「死ぬこと自体は怖くはありません」

「……会いたい」
「ただ、会いたい」
「あの御方に会いたい。それが私の本能です」
「死ぬ前にお目にかかりたい……あの御方にお会いして、あの御方のためにこの生が尽きるようなら、それほど幸せなことなど無かったのに……」
「叶わないのが口惜しい」
「この愛に、あの御方への愛に報いることができない……ただ死ぬしかない私の命が、悲しくてたまらない……」

「………………美しい」

「愛を貫き通すその姿勢、それほど尊いものがありましょうか」
「尊い貴方が涙に溺れ死ぬことなど許されてよいとでも?」
「いいえ」
「貴方はこのまま死ぬべきではない。その愛を叶えましょう。その愛に感服致しましたから」
「貴方の愛は、時を越えて世界に知らしめるべき」



 アナザーワールドSRS・シナリオ「絶糸絶命」
   〜切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれ 踏み込みゆけばあとは極楽〜



GM/これで本当に本編を始めていきます。
光兵/なんか怖い……めっちゃ怖いマスターシーンなんだが?(笑)


 ●オープニングフェイズ/PC1

GM/10月30日。明日はハロウィン。本日は本番のための準備をする日です。
咲守/ハロウィンパーティーだ!
GM/PC1の2人は「ハロウィンする?」って誘われたら来てくれる人達ですか?
一真/行くー!
咲守/行きまーす! シーツ被って行くよ!
縹/家からシーツを!?(笑)
一真/ゴミ袋を被るか。
縹/近所の人が見たら「もしもしポリスメン」だよ(笑) ゴミ袋は窒息の危険があるからやめなさい。
咲守/ちょっとずつ準備するね。ダイソーやセリアをハシゴしたりね。
一真/飾り付けもしちゃったりね〜。ハロウィンはなんぼしてもええもんです。
咲守/そうそう、1週間くらいやってもいい。
光兵/〜ハロウィン2日目〜。
縹/グラブルで見た!(笑)
GM/そんな皆さんが今いるお家の説明をします。

 イベントキー:コーポヤマト
 4階建ての築20〜30年のマンション。1階はテナント(ピザ屋)に貸し出している。1〜3階部分が居住スペースで、2階に大家が住んでいる大部屋がある。
 大家は寺本サナエ。
 大部屋は数人がルームシェアしており、救護センターとして活動。
 家庭内暴力や金銭問題、DV、家出、ストーカーなど人生の様々な問題を抱えた社会的弱者の保護、少数ながら共同生活、面接相談などを行なっている。
 法人として認可されているため地域の繋がりも強く、周囲の住民からも信頼されている。
 現在ここに住んでいるのは13〜22歳(児童は受け持ってない)で、3名+PCたちがいる。


縹/シェルターってやつだ。
咲守/駆け込み寺だ! 築20〜30年、そこそこ年季は入ってる感じの建物なんですね。
光兵/コーポヤマト、良い名前で古すぎず新しすぎずの建物……良いな。住んでいる人は小学生以上の年齢なんですね?
縹/児童は大変だからね。
一真/住む場所に困ってる20代前半以下はマジで多いのだ。
GM/PC達はそのマンションにいてもいいし、出ていてもOKです。
咲守/咲守はコーポヤマト住みですよ。
一真/おカズの戸籍は実家にあるんですけど家に帰らず、色んなお家をヒモとして転々としてます。道端で母に遭遇するとヘッドロックかけられます。
縹/奈奈緒ちゃん! 往来でバックドロップは駄目だよ! アスファルトだよ!(一同笑)
咲守/スキンシップが激しい(笑) カズにぃはたまに戻って来る家族って認識!
GM/NPC増やしすぎても大変なので「PC以外では3人」設定にしました。名前は13歳の一田(いちだ)、15歳の二倉(にくら)、17歳の三内(さんうち)です。名前は一二三で決めました。
一真/お名前かわいい。
GM/元ネタはネプチューンです(一同笑) なんか3人組の良い名前を考えたらこうなって……。
光兵/じゃあ原田と名倉と堀内とでいいじゃん!(笑)
GM/ネプチューンそのままだと笑っちゃわない?
咲守/ばちくそ笑いますね。
縹/ホリケンロールするのも難しくない?
光兵/ホリケンロールなら任せてください! やれます!
咲守/なんでできるんだよ!?(笑)
縹/『笑ってはいけない絶糸卓』が始まっちゃう!(笑)
光兵/パラグライダー! しました。
縹/雑!(一同爆笑) きっと名倉ポジションがちょっと色黒の子なんだ……(笑)
GM/そんな感じで、明日は10月31日、ハロウィン。今日はみんなでハロウィンパーティー準備をする日です。明日、何をするかというと……食事とゲームをするぐらい。普通です。でも「こういうイベントごとは毎度やる」という方針が大家のサナエにはあるようで、10年近く付き合っている2人には「毎度のことだな」と思います。
咲守/ありがたい。年中行事があるのはいいことだ。彩りは多いほうが良い!
一真/こういう楽しみが少年少女の一生の思い出になる訳よ。みんなでマリオパーティするんだ!
咲守/マリオパーティいいね! ボドゲもやろう!
GM/2人はノリノリなんですね?
咲守/うん。特に無くてもいい仮装とか作ってるくらいには。
一真/ノリノリすぎて今晩絶対寝れない選手権で1位になれる自信がある。
GM/じゃあ……1D3でノれない奴を決めます。1:名倉、2:原田、3:堀内で(1D3ころころ)3、まさか堀内がノってこないだと!?
光兵/まさかのホリケンが!?
一真/一番ノりそうなのに!?
縹/もう名前がネプチューンになってるよ。
咲守/本当だ、ネプチューンになってる!(笑)
GM/きっと「ハロウィンなんてやって何の意味あるんだ〜」って言うような奴なんです。「そんな子供騙しなことやって何の得があるの(笑)」ってやつ。
縹/斜に構えたいお年頃だ。
一真/堀内、思春期か〜? こういうのは全力で楽しまない方がダサイんだぜー? ニヤニヤ。
咲守/シケた顔してんね。こーゆーのを全力で楽しむのが風情ってもんだよ、ほれ! バッサーとシーツお化けを被せる!
GM/(堀内になって)「わっ! ……なんで2人とも、そんなハロウィンが好きなの?」
一真/なんでって……イベントはなんでも楽しいじゃんな? 合コンも楽しいし、クリパも楽しい。ハロウィンも当然楽しい。
咲守/色どり好きだし、仮装とか楽しいし、トリックオアトリートとかわくわくする。それに合法的にお菓子が貰えるんだぜ? 総取りする勢いでノッてこうよ。
GM/「ふーん。ま、いつもと違うご飯はいいけどねー。いつもサナエさんが作ってくれるのだいたい和食だしー。和食ばっかりじゃつまんないからこういう日あっていいよなー」
咲守/そうだね、ちょっとメニューも特別だ。
一真/でも「いつもの飯も美味い」と言え〜。うりうり。
咲守/カズにぃのごはん好きだよ。
一真/おれはそう言ってくれるサキモリちゃんが好きだよ。
GM/そっか、一真もご飯を作ってくれるんですよね。
一真/最近は飯担当! でもいないときはサナエさんが作ってそう。
咲守/へへ……にぃが、こっちに戻ってくる時が楽しみなくらいには好き。もちろんサナねぇのご飯も好きー。
GM/サナエはひとしきりみんなの会話を聞き、「2人とも、凄くお兄さんお姉さんらしくなったわね」と柔らかく笑う。
咲守/んー、そうかな。自分じゃ判んないけど。
GM/「今年入ったばかりの堀内くんの世話を、頼んだ訳でもないのにやってくれるじゃない」
咲守/ま、一緒に住んでる家族だし?
GM/「うん。咲守ちゃんももう成人近いもんね」
咲守/……あ。そっか、あたしも再来年には成人式か。
一真/サキモリちゃんは大人だなあ。おれはいつでも気分はトイザらスキッズだよ。サナエさんの前でもはおれいつでもバブちゃんくらいの気持ちでいるんだけどなあ〜。
咲守/にぃだってちゃーんと年長の貫禄あるじゃん?
GM/「バブちゃんなんてカワイイこと言っちゃうけど、もう充分大人ね。その貫禄で、今年はいったばかりの堀内くんたちもどんどん引っ張っていってね。頼りにしてるわ」
一真/こんなヒモ男頼っちゃうなんてサナエさん心配だなあー悪い男とかに騙されないでね?
GM/「もうおばさんな私を騙しにくるような人なんていないでしょ」
一真/サナエさんはいつだって十分魅力的じゃん? だから外出るときはちゃんとおれに声かけてね? 心配だからさあ。
GM/「はいはい。じゃ、色々準備を任せちゃうわ。よろしくね」
咲守/……うん。自分なりに頑張るからさ。……それと、ねぇは美女だし、素敵だよ。いつかサナねぇみたいになりたいくらいには。
GM/「なーに? 2人しておだてて、欲しいクリスマスプレゼントでもあるのかしら」 笑いながらサナエは去っていく。
一真/流されちゃったあ〜。もうおれのことよしよししてくれんのはサキモリちゃんしかいないんだあ!
咲守/はーいはい、包容力のない掌で良ければー。

『AF判定:ハロウィンパーティー準備』
 ・使用能力値:【体力】【知覚】
 ・難易度:20

※「コーポヤマトで明日のハロウィンパーティー準備」の演出に成功すること。
 成功した場合、ストーリーが進む。
※協調行動OK。自動成功。


光兵/「成功した場合、ストーリーが進む」。寺本サナエが失踪する。
一真/ずっとこのAF判定を続けるか!(笑) じゃれあいながら準備を進めよう。
咲守/終わらせたくねえなあ! 我らの≪美しき我が世界≫を! ≪愚者どもの手≫で浮かれ気分で飾り付けの支度しましょっかね!
一真/心なしか難易度:20が少なく見えるな! ≪零力射撃≫で判定を無かったことにしたいレベル!  でも明日の料理の仕込みでもしようかな、≪暴食鬼≫があるのでつまみ食いは大量にしますが。
縹/つまみ食いしてたらプラマイゼロになっちゃわない?(笑)
咲守/輪飾りを作りながらつまみ食いに便乗、≪飢えし甲冑≫! どうもどうも、明日のメニューチェックに来たぞー。後ろからひょこっと手を伸ばしてつまんでいく。
一真/肩越しからサキモリちゃんにあーんする。
咲守/あーん、ぱく。もぐもぐ、……にへ。今日もサイコーだぜ。
一真/当然お互いもりもり食べるから食材は無くなっていくけど、そんなちょうど良いタイミングで食材が届いたりするんだよな。≪女神のいたずら≫。
GM/名倉が「はーい、追加のカボチャだよ」と持ってきます。
咲守/くり抜いた後の南瓜で、ジャックオーランタン作って被る? ≪黒のカブト≫。
一真/こんな可愛い生き物世界に唯一サキモリちゃんだけですよ……と幸せを噛み締めながら覆い被さるようにハグします。≪闇纏い≫。
咲守/はは、こしょばい。大袈裟なー。にひひ、と笑う。ハグで包まれているので≪黒のヨロイ≫。
縹/外で買い物したら「兄妹でお買い物とか仲良いわね〜」とか言われちゃうタイプだな。
咲守/咲守本人も仲良し兄妹のつもりですね、これは。
GM/そんな仲良し兄妹、『現在難易度:2』です。
咲守/このAF判定、難易度:50でもいいんですよ? えーと……判定するか、【体力】と【知覚】かぁ……。
一真/迎えるか……31日を……。
光兵/〜ハロウィン準備日2日目〜。
一真/絵柄がボーボボになりましたね。
光兵/(堀内になって)「この傷を覚えているか。今ケガした」
縹/ホリケンをボーボボ時空に入れるの、あまりに危険では?(笑)
咲守/混ぜるな危険ですね(笑) 思い切って! 振ります! 振ります!(ころころ)達成値13……くそっ、良い出目だ。
GM/では……判定に成功したのでストーリーが進みます。カボチャを持ってきた名倉とボーボボしてる堀内がいるので、消去的に原田の出番にします。
一真/あ、原田だ(笑)
GM/原田がゴソゴソと色んな部屋をあさってます。「えっと、確か去年使ったあのガーラントどこやったっけ〜?」
一真/こらこらー、そんなとこ漁っちゃっていいのかなー? 混ぜろ混ぜろー。
GM/「カズにい。いっしょに捜索してくれる?」
咲守/どっかのクローゼットにしまってない? ひょっこり顔出す。
GM/「そうだっけ? 奥の部屋、サナエさんのお部屋のクローゼットかな〜?」 サナエ不在のサナエ部屋に入っていきます。
一真/プライベートルームだがー?
咲守/入っていいんかな? まあでもサナねぇなら許してくれるかなー。
一真/サナエさん優しいから大丈夫だよ。
GM/禁止はされてませんね。原田は堂々と「失礼しまーす」と許可を取り、クローゼットをガバッと開ける。
一真/大人の下着とか入ってたらどうするよ? おカズドキドキ。
GM/ガサガサ、ゴソゴソ。「あった!」 ずるっと出す。
咲守/お。捜索隊、だいせいこーう?
GM/ダンボールごろん。正月グッズやなんか取っておかないといけない書類とかバサー。
咲守/あっ、やっべ!
GM/季節アイテムや住居書類とか、そういうクローゼットにありがちなものばっかが散乱します。「やばっ、片付けるの手伝って!」
一真/おやおや、原状復帰の難易度が上がりましたぞ?
咲守/手伝うよ。ダンボール箱の中身をせかせか詰め直し始める。
GM/わたわたがさがさ。厚めのノートがある。「なんだろこれ? ……あ、日誌だ!」
一真/へー、日誌とかあるんだ。
咲守/なんとなく視線が吸い寄せられる。
GM/パララと見ると、まさしくみんなの日常のことを記した日誌だ。歴代何年分もある。
咲守/……半ば、日記みたいなもんか。ついつい悪いと思いつつ、ぱらぱらしてるのを覗いてしまう。
一真/こういうとこは几帳面なんだな。
GM/「ちょっと見てみよ」 原田が開いたノートには、原田がここに入居したときのことが優しい口調で書いてあります。堀内や名倉のことも、咲守や一真も、それぞれのイベントのときの様子、大変だったこと、相談されたこと、楽しかったこと、重要な話、ろくでもない話、優しい話……たくさん書いてあるただの日誌です。
咲守/…………。嬉しいもんだね、こういうの見てるとさ。
一真/ちゃんと居場所があるんだなあって実感させてくれるよな。……サナエさんこんな昔からここの世話人やってたのか、尊敬するな。
GM/「こんな古いの残してあるんだね。クローゼットだってそんなに大きくないのに……」 今いる5人以外、卒業生のことも数年分あり、原田も感激しています。
咲守/凄いね。それだけの人数抱えて、大事に一人一人見てってさ……こうして書き残してくれてるんだ。
GM/「一番古いのって何年だろ……2000年!? 20年前から!?」
一真/え、サナエさんっていくつだっけ? 美魔女すぎん?
光兵/……サナエさん、アラフォーからアラフィフ?
縹/いやほら、前任者からの引継ぎかもしれないし!?
咲守/サナねぇ、まさか10代の時からやってたとか? ……最初の頃の筆跡を見る。サナねぇの文字なのか。
GM/20年前の1ページ目。サナエの文字でした。
咲守/本人だな……。

 「2000年11月1日 もう私は戻らない。私は自由になった。
 自由にしてくれた教会の人達のためにも、私も彼らのように人に優しく生きていく。奪われるしかない子供を救える大人になっていくと決めたのだから、私は一人前の大人になる。
 お酒は絶対飲まないと決めた。ここに決意表明しよう。寺本サナエはここから生き変わる」


GM/1ページ目にはそうあった。
咲守/…………。サナねぇも、あたし達みたいに複雑な状況だったのかな。教会、という単語にちょっと引っかかるも。
一真/ご出身が……山の可能性が浮上した?
縹/流れ変わってきたな……?
GM/原田は「凄い決意表明! さすがサナエさんだ!」と感動。「サナエさんは20年前から頑張ってるんだ、凄いね……まだ私、産まれてないもん」
咲守/ね。まだこの世に誕生する前のことだ。
一真/頑張り続けるのって、大変なことなんだよな……どこかで糸が切れないといいんだけど。
咲守/糸、切れないように。あたし達で支えないとな、サナねぇのこと……。
GM/そのとき。「あっツ!?」 サナエの小さな悲鳴が、キッチンから上がった。
一真/ん?
GM/名倉の「わっ!? サナエさん、火傷してないですか!? 冷やすべきですかこういうの!?」と慌てる大声が聞こえる。
咲守/げ。一瞬バレたかなって顔しちゃったけど、声が上がったのはキッチンからだった! ほっとしつつも心配で、そっちに行くよ!
一真/サナエちゃん、火傷したの? 大丈夫?
GM/原田は部屋の後片付けをして、2人は大声がしたキッチンに向かう。キッチンに行ってみるとお鍋がひっくり返っていて、サナエの腕が赤くなっているのが見える。
咲守/うわっ! 冷やした方がいいよねぇ!?
一真/すかさず腕を取って冷水を上からぶっかけます。
GM/すかさず腕を取った一真は、ひどい火傷痕だ……と一瞬思う。だがそれは、一瞬だ。実際は少しだけ赤くなった肌と、元から鱗のようにゴワゴワしてる腕だった。
一真/……ん?
GM/今さっき負った火傷は軽傷で、サナエの腕は……元から何やら、だと気付いてください。(サナエになって)「ごめんなさい不注意だったわ! みんな驚かせてごめんね!」
咲守/ゴワゴワの腕……。そっと目を逸らす。見られたくないかもしれないし。
一真/うん、あんまりみんなには見せない方がいいかな……。水で冷やしたらすぐ濡れタオルとかで覆うか。
咲守/手当はカズにぃに任せて、自分はひっくりかえった鍋の中身を片付ける。……火傷、大丈夫? カズにぃ、そんなにやばいの?
一真/痕が残るかもしれないし、ちゃんと病院に行った方がいいかも……。
GM/「そんなに酷くないと思うわ。病院に行くほどでもないっぽいから安心して」
咲守/軟膏、取ってくるよ。片付け終えて、救急箱をひっ掴んでくる。
GM/「手当ありがとう。……本当に頼れる子に育ったわね、みんな」 怪我したのに、何故かニッコリ嬉しい顔。軽傷なので優しくされたことの笑顔が増しているようだ。
一真/そんなこと言わないでくれよー。そういうの卒業式で担任の先生が言う言葉だよ?
GM/「あら、一真くんはもうマンション出ちゃったんだから卒業生でしょ?」 からかい混じりに笑う。
一真/卒業生だけど学校には遊びに行きますしサナエさんに甘えまーす。
咲守/あたしはまだまだ。まだサナねえの背中をみて学びたい時分だよ。
GM/「うんうん、咲守ちゃんはまだまだここに居てね。出て行かれたらみんなのお姉さん役がいなくなるから困っちゃうもん」
咲守/もちろん。あたしにもまだこの場所は必要だから……。
GM/ピンポーン。インターフォンの音。来客だ。
咲守/ん。お客?
GM/来客者を知らせるカメラには、PC1達も知ってるサナエの知り合い・星名知久がいた。スーパーの袋を手にしながら。なお、PC2も居ていいことにする。PC2の2人、シーンに出ますか?
縹/おっ! はいはーい、顔合わせシーンしたーい!
一真/おお、大所帯シーンになる!
光兵/わー! オープニングから顔合わせシーンしておき……いや、光兵は登場不可能でした。光兵は新人エージェント設定にしたし前回のPC2オープニングで縹さんと初めましてシーンしちゃったから時系列が合わない!
GM/あ、そっか。光兵だけはこのシーンに出られない……すみません、未登場でいてください。
光兵/自分で作った設定だから仕方ないね! みんな1年後に会いましょう! このカボチャをボクだと思って。
GM/このカボチャを光兵だと思ってシーンを続けてください。
光兵/がたがたがた。
縹/うわ動いた!(笑)
一真/カボチャに自我がある!?(笑)
咲守/1年後に会おうな!(笑) あれ、星名サンが来たみたいだよ。探偵のオジサンまでいるじゃん? ハロウィンパーティーは明日だけども……。

 知久「こんにちは、サナエさん」
 サナエ「あら、知久くん。久しぶり。ふふ、まだハロウィンは1日早いわよ。トリック・オア・トリートするのは明日なんだから、ぜひ明日に来てほしかったわ」
 知久「下のピザ屋に寄っただけなんですが、上でパーティー準備をしていると聞いたので。ついでだからお土産と一緒にご挨拶でも。縹さんが挨拶したいって言ってくれまして……」
 サナエ「あ、いつも知久くんが言ってるダンディな探偵さん……?」

縹/サナエさんとはここで初めましてかな? どうも、鴨頭草と言います。こちらの施設のことは星名くんから伺ってます。名刺を渡しながら自己紹介〜。
一真/縹さん、仕事みたいになってるじゃん(笑)
GM/「あらあらどうもどうも、お土産まで、みんなで食べますね」
一真/さすがオトナの男は違うねえ。
咲守/ありがとうです、探偵サン。お土産、一日早いトリートすね
光兵/私は今からネプチューンになります。「やったー! コージーコーナーだー!」「シャトレーゼもあるぞー!」「くらづくり本舗もいるぞー!」
GM/どんだけ買ってきたんだ?(笑)
縹/川越で調達してきたんか?(笑)
一真/ウズマキから大量のケーキが出てそう(笑)
咲守/あ、福蔵はあたしに残しといてー(笑)
GM/「ちょっとちょっと、みんなまだ箱を開けないの。トリック・オア・トリートはまだ早いんだから……でも、ありがとうね知久くん。鴨頭草さんも、良かったらちょっと手作りお菓子を持って行きません?」
咲守/カズにぃの手製お菓子は絶品スよ。
一真/コージーコーナーに負けたくねえ〜。おれのパンプキンプリンをくらえ〜。
GM/知久は「いや、本当にお世話になってるサナエさんにちょっと顔出しするつもりだったんですけど……ごちそうさまです!」と受け取ります。
縹/そうだ一真くん、お母さんが「トリック・オア・トリートしにうちに寄らないかしら〜」ってカボチャ割りながらボヤいてたよ。
一真/それ今度割られるのおれの頭だよね?
咲守/にぃん家、そんなに物騒な家庭なん?
一真/物騒なのはおふくろの存在だけだよ! 存在が暴力なんだよ!
GM/(サナエになって)「もうっ、お母さんに顔出しなさいってあんなに言ってるのに。ダメじゃない」
一真/サナエさんがママならおれいくらでも顔出すんだけどなあー。
GM/「いくらでもこっちに顔出していいからお母さんに顔出してあげなさい。泣いちゃうでしょ」
一真/気が向いたらね。
縹/そういうこと言うとシャイニングウィザードされるぞ。
一真/シャイニングウィザードは死にましたわ。
咲守/でも、仲良いんだろ? 大事にしなよ、たまにはさ。いい家庭があるんだから。
一真/うんうん。
GM/「それにしても、前日からハロウィンパーティーをするなんて良いですね〜」「ううん、明日31日が本番よ。ちょっと明日、外出する予定があるから先に準備だけしておきたくって」「なら今日のうちにお邪魔して良かったですね」 そのような日常会話が続きます。
縹/ああ、ご挨拶できて良かった。
咲守/本番先取りってことで。明日は今日よりももっと凄いパーティーになるんで。
一真/明日も来てくれていいよ!
GM/それを聞いた知久は「いいの? 来ちゃおうかな」とご機嫌。
一真/来て来て! 明日分は今晩もさらに追加するからさ。
咲守/予定が無かったら来てくれると嬉しいスね。人多いほうが楽しいし。
光兵/くらづくりの芋を頬張る堀内「わはひわひた」
GM/「手作りのやつ食えよ!」(笑)
一真/くらづくりの芋はうまいからな……(笑)
縹/あんまり今日中にお菓子食べるんじゃないぞ〜。明日の分が無くなるぞ〜。明日は奈奈緒ちゃんたち誘って行こうかねえ。
一真/ひえ。
咲守/おっ。早速、親孝行タイム?
一真/おれ急に明日……用事とかできちゃうかもしれない。
咲守/だーめ。カズにぃは欠席厳禁でーす。
一真/もう県外に逃げるしかない!
縹/知ってる? おじさん、≪超越感覚≫取ったから人探しの判定にボーナスくるんだ。
光兵/その1年後、縹さんは「≪愉悦の波≫取らなくて良かった」と叫びながら≪超越感覚≫で良かったと実感するでしょう……(一同爆笑) あ、今のはカボチャによるお告げです。
縹/え、なに、このカボチャ……こわ……(笑)
咲守/かわいいね、自我のある無機物よちち(笑)
一真/誰か、このカボチャ≪血の彫像≫とかで作ったの?(笑)
GM/そんな和気あいあいの交流シーンでした。気が済んだらシーンを終えます。
一真/次のシーンでサナエさん失踪しちゃうから一生シーンやらなくちゃ。明日の朝食用にかぼちゃのマフィンもこさえるか〜。
咲守/あたし、お芋のマフィンも食べたい! そうだ、力作の紙装飾を見てよ。フランケンシュタイン作っちゃった! 魔女とか黒猫とかミイラとか、結構凝った造りのものをこさえてるよ。
縹/器用だな〜。
GM/(知久になって)「かわいいな〜! ……ちょっと挨拶のつもりが普通にごちそうになっちゃいましたね、縹さん」
縹/そうだな。腹いっぱいになっちゃった。
一真/このまま泊まっていけばー?
咲守/部屋なら空いてるスよー。
GM/「そんなそんな、そこまでお邪魔できないし」
縹/うんうん、それにおじさん達まだお仕事あるからねー。
一真/オトナって大変だなあ。労働尊いしね! ファイト!
縹/一真くんも労働しなさいよ。
一真/俺は一生遊んで暮らすんだ。
縹/お母さんにチクっとくね。
一真/ひい。
咲守/にぃは、家事が仕事なんスよね。
一真/やっぱサキモリちゃんはおれの天使だわ。
咲守/天使かぁ……ガラじゃないけど明日の仮装、羽でも着けよっかなー。
一真/サナエさんも天使じゃん? ここがヴァルハラってね。
縹/ヴァルハラじゃ死んでるんだよな……(笑) まあ、実家に機関体操第一される前に顔出しなあ?
一真/機関体操第一ってなんですか!?(笑)
縹/機関体操第一〜。敵の脳天目掛けて斧を振り下ろす運動〜。それじゃあ、お邪魔しました〜。
咲守/はぁい、またどーも。手ひらひら。
GM/……では、翌日になりましょうか。
咲守/やだぁ。

 ――当日。皆は普通に10月31日を迎えた。
 朝、皆でマフィンを食べた。
 皆、それぞれの予定をこなしに「いってきます」をした。


一真/ここまでは何気ない、いつもの日常だったんだ……。
光兵/朝マフィン、おいしかったね……。
咲守/全員揃って食べるマフィン、めっちゃおいしかった……。日中は『居酒屋さきがけ』へバイトに行きます。

 三内がバイトから帰ってくる。元気にバイト先からのお土産を持ってハロウィンパーティーを楽しもうと帰ってきた。

GM/三内って何だ。……あ、堀内のことか。シナリオ本文だと当初の名前のままだったから誰か判らなくなった(笑)
光兵/ネプチューンにしてごめんね!(一同笑) 元々のお名前に戻してもいいよ!?
咲守/でもネプチューンで馴染んじゃったから……(笑)

 堀内がバイトから帰ってくる。元気にバイト先からのお土産を持ってハロウィンパーティーを楽しもうと帰ってきた。
 名倉が中学校から帰ってくる。中学校の授業をちゃんと済ませて、みんなが待っている家へと帰ってきた。
 原田が普通の顔で帰ってくる。そして最後に、サナエが……。
 いつまでも帰ってこなかった。


一真/サナエさん……。

 サナエは全然帰ってこない。
 警察にも連絡した。知り合いにも連絡した。だがそのまま1日、3日、1週間、1ヶ月が経過した。


咲守/嘘だろ……。そんなことになったら、探し回る……。
一真/そして1ヶ月も経つと、どんどん部屋が荒廃していってしまう……みんなずっとサナエさんを探してるから……みんな心も荒廃していくんだ。

 保護されていた子ども達の保護者がいなくなったということで、役所から代理のスタッフが派遣されたりもした。

光兵/そりゃあ、市が認可しているセンターなら……代理のスタッフさんが来るよね。

 このセンターには思春期の子供が何人もいる。そこに保護者無しの生活はありえない。
 サナエの昔馴染みで「木ノ本アパート」系列の責任者、木ノ本御月が年少の3人を保護することになった。


GM/PC1の2人は、今まで通り生活していいことにします。ですがNPCの3人は幼いしこのままだと生活が保障できないため、木ノ本アパートに移住することになります。
光兵/御月おばあちゃんのもとへ引き取られていった! 賢明!
縹/安心安全のチョイスだ。
一真/御月さんなら安心だけど……。
咲守/正しい。安心する。……それはそれとして。
一真/……年少組もいなくなって、コーポヤマトが広くなっちゃった。
咲守/うん……静かになったね。
GM/1階のテナントは営業していますが、実質、マンションに住んでいるのは……咲守だけになります。
一真/おカズも常に居るわけじゃないもんな……。
咲守/そのマンションにも寝にしか帰ってないかもしれない。空き時間は探し回ってるから……。

 警察が全然探してくれなかった訳ではない。探した上で、行方不明なのだ。
 周囲の人達は優しかった。「あんな人がいきなり失踪するわけない」とサナエを信用していたからだ。


光兵/だよねえ。前日まで「ハロウィンパーティーをする」という明日の予定を口にしていたぐらいだし。
縹/衝動的な失踪だったのか、もしくは事件に巻き込まれたのか……。

 かといって子供達を放置していいことにはならない。

GM/1人、マンションに残された咲守に声を掛けてくるモブがいます。「紬野咲守ちゃん。君もまだ未成年なんだから、●●施設に移動を……」 そう善意で、当然の提案をしてくれる者がいる。きっと大家サナエさんとの知り合いでしょう。
光兵/妥当。正論。
咲守/……いえ。折角ですけど、あたしはここを任されてるんで。そう言って頑として動かない。
GM/「あのサナエさんを信用しているのは分かっている。でも……。おじさんがなんとか現状維持で1年はこのままにしておく。けれど1年経ったら……行政が動くことを把握していてほしい」 暫くしたら全部無くなる覚悟はしろよ。そう申し訳なく言ってモブは去って行きます。
一真/いいおじさんだ、猶予をくれるなんて……。
縹/後任が見つからなければ、解散も止む無しだよなあ……。
GM/実際はもっと厳しく短期間で連れ去られるでしょうけど、これはフィクションなので緩く支えてくれることにします。
咲守/…………。リミットは1年ですね。ありがとうございます、恩に来ます。
一真/サキモリちゃん……。
咲守/行政のおじさんが去った後……どん、と握った拳で壁を叩く。……くそ。探さないと……絶対に。
一真/悔しいよな。……おれも協力するし、頑張って見つけよう。
咲守/うん。カズにぃがいるなら、頼もしい。……2人なら、きっと見つけられる。
一真/握った拳を包むように、優しくさすりながら、頷きます。

 寺本サナエは失踪した。10月31日の外出後、自宅に戻らないまま1年近くが経過した。
 コーポヤマトにいた住民達はバラバラになった。それぞれの生活と心の安寧のため、別々の生活を始めている。
 しかし、紬野咲守と三田一真は……?


GM/というところで、PC1のオープニングフェイズその1を終わります。CM開けはPC2のオープニング、ピザ屋のシーンが始まりました。
縹/Aパートが終わったな。
一真/生命保険のCMが流れましたね。
縹/ここから入れる保険があるんですか!?
光兵/できらぁ!
GM/さて、そのオープニングフェイズの簡単なまとめです。知久が縹とピザを食べながら光兵を紹介してニュースの話をしました。その後、知久は行方不明になり……縹達は教会の仕事を受けることになります。
縹/はーい。

 GM/仕事の説明をする高坂に縹が「そうだ、他に参加者っているんですか?」と尋ねる。高坂は「ああ。紬野咲守ちゃんと三田一真くんを……」と縹と光兵に紹介する。そんな礼拝堂のシーンから再開します。

咲守/はーい!
GM/(高坂になって)「そろそろ集合時間だから来るはず……ああ、ちょうど来たようです」 高坂&縹&光兵がいた礼拝堂へ、咲守&一真の2名は入ってきてください。既に2人にはどんな依頼か、どういう状況かは伝わっています。
一真/ここ、なんか綺麗すぎていつ来ても落ち着かないな……って入ってくる。
咲守/……ども。色濃い隈をコンシーラーで隠した顔で入室。
縹/お、一真くんに咲守ちゃんがいっしょか。
一真/どーも。風俗街の事情には詳しいからちょっとは役に立てるんじゃないかな?
咲守/そこのおチビさんは初顔だね。光兵くんの方を見て、あたしは紬野咲守。よろしく。
光兵/よろしくお願いします沖田光兵です! 初陣です! 池袋でバラバラ遺体と17人捜索の部隊結成の瞬間ですね!?
GM/「光兵くん。池袋じゃなくて切望島だよ」
光兵/サーセン池袋じゃありませんでした!
縹/池袋って書いて切望島って読めばいいんだよ(笑)
GM/「今回は歓楽街の潜入捜査に相応しいメンバーを招集したつもりだが……えっと」 呼んだとはいえ、思いのほかメンバーが若いことに気付いた高坂は、ちょっと動揺。
一真/高坂さんも動揺するんだ?(笑)
光兵/高坂さんって任務には忠実だし誠実だから止めはしないけど、常識人すぎるからこういうとき焦りそうだよね(笑)
縹/動揺する高坂さんからしか得られない貴重な栄養素(笑) まあ、未成年ばかりだもんな……その辺は俺がカバーしますよ。
咲守/心配しなくてもいっスよ、高坂サン。酔客と裏通りは慣れてるんで。
一真/ちょっとはオトナになってるからさ、今回の捜査は期待しててね? こう見えてもちゃんと20歳超えてるよ〜。縹さんの中ではおれちっちゃいままなんだろうけど。
縹/そりゃお前、ガキの頃から知ってるんだぞ。若い子向けのアングラは一真くんの方が詳しそうだからな、その辺は頼りにしてるさ。
光兵/皆さんベテランのエージェントなんですよね!? ボクめちゃ頑張りますヤキソバパンでもなんでも買いますよ!
咲守/初陣でデカい仕事だ。一緒に頑張ろうぜ、こーへ。
光兵/おおおかっこいい! クールッ! まだ若いのにデキるエージェントなんですね!?
一真/光兵くんが眩しいな〜(笑)
光兵/皆さん武器は何なんです!? かっこいいエージェントはかっこいいスキルウェポンなんですよね!?
咲守/武器? あたしは鋼糸だよ。ほれ、と腕に付けてるブレスレットから糸をしゅるりと取り出してみせる。
光兵/かぁ〜! なかなか無いチョイス! 必殺仕事人!
GM/「合いの手が得意なのかな、光兵くんは?」(笑)
咲守/こーへの武器は?
光兵/えへへボクの武器訊いちゃいますか〜? これです! 爆弾を出します。
咲守/爆弾じゃん。
光兵/10。
咲守/え。
光兵/9。
一真/ちょっとちょっと
光兵/8。
咲守/待った、カウントせんで(笑)
光兵/7。
縹/ちょっと、カウントダウン始まってるけど!?(笑)
光兵/6。
縹/ウズマキにポイしなさい!
光兵/5。
一真/ウズマキシュート!
光兵/4でシュートされた。じゅどーん。
縹/ウズマキさんが「ギャーッ!」してるでしょ!?(笑)
咲守/良かった、犠牲になったのはウズマキだけだった……。
光兵/ボク、実はちょっとウズマキ扱うの下手でしてなかなかウズマキ展開できなくてですね!
咲守/じゃあなんで起動させたん?
一真/これがホントのホットスタートってね(笑)
GM/「この中に稀人の知り合いいない? いない? それなら良かった……」
一真/いたら大変なことになってましたね。
光兵/あっ、あっちからアフロヘアーになったフォイがスタスタ歩いて出てきました。
咲守/フォイなら誤差。今日も健やか肝臓色。
GM/そんな訳で切望島へ捜索開始です(笑) 咲守と一真の2人は行き慣れていたりするのかな?
一真/客引きとすぐ仲良くなれるタイプではある。
咲守/……サナねぇんところに行くまでは、負、溜まりやすいから……今は喰ってねっスけど。
GM/ああ、異端だから……。
縹/なるほどねえ。
光兵/えっとえっと、サナねえっていうのは咲守ちゃんさんのお師匠さんですか!?
咲守/ん。そんなところ。あたしの恩人で、家族みたいなもの。
光兵/恩人で! 家族! 今度お会いできますか!?
咲守/……いや、消息不明。
縹/そっか、光兵くんはサナエさんとは会ったことなかったな。……あれから1年か。
一真/あれからもう1年、早いもんだよね。
咲守/スマホを取り出して、こーへに写真を見せる。こゆひと。見たことある?
光兵/わあ! 見たこと無いです! 綺麗な人ですねー!
咲守/綺麗だろ。優しいんだ。……自慢の姉でお母さん代わりだよ。
光兵/どこ行っちゃったんですか!? 空気を読まずに、シーンの空気を読んで尋ねます。
咲守/…………。
GM/……なんか、1人だけ全然知らないキャラがいるのもいいですね(笑)
縹/……そっちの事情も知ってるけど、今は仕事の時間だからね。
咲守/うん。オジサンの言葉に首肯する。……勿論、エージェント捜索は優先するんで。
縹/まあ、仕事中に手がかりが見つかっちゃったらラッキーだ。
咲守/……任務は忘れてない、けど。ごめんなさい、あたしサナねぇのことも探すかもしれない。
縹/おじさんは教会の人間じゃないからさ。定期連絡さえ途切れさせなければいいよ。
一真/被害者にサナエちゃんがいないといいな……って、物騒なことを言いそうになって口を噤みます。
咲守/…………。
光兵/咲守ちゃんさん! 写真転送してください! ラインすっ!
咲守/ん。こーへとライン交換して、写真を送る。
光兵/はい連絡先交換オッケー! 電話する手段もゲット! これでハンドアウト通り電話できる!(笑) 一流は仕事をやりつつ大事なことも見逃さずこなしてみせるんですよ! 何故ならボク、研修終えてもう一流のエージェントですので! ちゃーんと覚えて発見次第お伝えします!
咲守/そ。ちょっと笑う。……助かるよ。
一真/頼もしいお兄さんだね。よろしくね〜。
縹/よし、じゃあ手分けして調べて行こうか。
光兵/んじゃ出かけまーす! 縹さん! 一緒にあっち行きましょう〜!
縹/あー、こらこら、闇雲に走り出さないの。
咲守/……っス。行こっか、カズにぃ。
一真/じゃあおれたちはあっちの路地裏でも。
GM/PC2達は別方向へ向かい、咲守と一真は2人して切望島を……星名知久他教会のエージェントが消息を絶った街を探索します。
咲守/……やな、街。路地裏を探索しながら。ぽつ、と呟く。
GM/おっ、前回のシーんに繋がった!
咲守/サナねえ……。やはり、どうしたって意識はそっちに行く。もう負なんて食べたいとも思わないから、喪失感と空腹感を煽るだけのそれに苛立つ。せめて、カズにぃとはぐれないように。それだけを意識して、路地裏を行く。
GM/一真はそんな咲守の苛立ちを見て、どうですか?
一真/苛立ち、喪失感、空腹感、隣りにいても満たしてあげられないことにひどく悲しみを覚えます。自分はサナエちゃんの代わりになってあげられないから、自分にとってもまた、サナエちゃんの代わりはいないから……だからせめて咲守ちゃんだけは失わないように、傍を離れずに歩きます。
咲守/あったかいんだからあ!
一真/久しぶりに聞いた!(笑) 路地裏に変わった気配はないか、大通りに知っている姿はないか探りながら歩く。
咲守/探す。探す探す。野犬のように、浅い飢餓を抱えながら。目を凝らす。五感と直感頼りに、探っていく。
一真/色んな手段を使って、色々な情報を引き出してまた街を歩く……。

 GM/咲守の目には、見えた。

光兵/いた。
咲守/さな、ねえ……!? サナねえ! こっち! ねえ!
GM/その声を聞いて、一真も気づいた。
一真/サナエちゃん……? サナエちゃん! 待って! 待てって!
咲守/内臓がひっくり返りそうな感覚で、駆け出そうと、したところに……。
GM/ぷるるるるぷるるる。着信音。光兵からの電話だ。
咲守/折角、いるのに。そこにいるのに。でも、けれど、歯噛みする。
光兵/ボクです! やめろ! 電話するな光兵! ハンドアウト通りにすんなッ!
一真/中の人の葛藤が起こってる!(一同笑)
GM/視線を落として、元に戻した瞬間には、彼女の姿は……。【体力】判定で難易度11をどうぞ。
咲守/(ころころ)達成値9、失敗。
一真/(ころころ)13、成功! 自前の筋力と瞬発力が呻った!
咲守/カズにぃ! 最高!(笑)
縹/一真くん【体力】が高い! さすが奈奈緒ちゃんの息子!(笑)
GM/咲守は自分のスマホに電話がかかったせいか、自然と視線を落として見失ってしまった。でも一真は、逃さなかった。
一真/頭で考えるよりも早く飛び出して、サナエちゃんの腕を掴もうとします。
GM/……えっと、咲守は達成値9ですね。難易度11まで2足りないんで……もし一真が1D6で3以上を出したら、「咲守の腕を掴んで見逃さないように走った」ことにしてもいいですよ。
光兵/おおお、セルフ≪ミネルヴァ≫ですね!?
一真/んおお!(1D6ころころ)4! 執念で掴む!
咲守/神!(笑) ありがとう!
一真/もういっそ咲守ちゃんをそのまま担ぎ上げて走ろう。
咲守/担いでくれるの嬉しいー!(笑) じゃあ連絡を取りながらで走ろう!
光兵/担がれて走りながらの電話! カッコイイー!(笑) もしもしボクです! なんか電話先がめっちゃ風の音がしますね!?
咲守/気にすんな! 担がれながら電話中! 何があった!?
光兵/縹さんがエロい目に遭いそうです! 失礼、これは中の人の願望でした。
縹/こらっ!(一同笑)
光兵/かくかくしかじか! 縹さんが変な店に潜入するそうです! 以上、ご報告でした!
咲守/了解! カズにぃにも伝える! 悪ぃ、こっちはこっちの探し人がいた! ちょっと合流は遅れるよ!
一真/追いかけてるけど、これはサナエちゃんに追いつけるかな?
GM/では連絡は終了。一真は咲守と共にサナエを……ひとけの無い路地裏まで追い詰める。

 彼女がいた。ゆらゆらと揺れるように消えた彼女の体。
 幽体のように、所在なさげに揺れる彼女ならすぐ捕まえることができるのではないか。
 君達は彼女に近付けた。


一真/サナエ、ちゃん……?
咲守/サナねぇ。なんで……なんで逃げるんだよ?
一真/触れようと、手を伸ばします。
咲守/担がれた状態から降りて、踏み出そう……。

 一瞬だった。何の拍子があっただろう。
 彼女は止まった。壁にぶつかったようだった。
 パァーンと四散した。


咲守/え。

 女体が四散した。
 人体が霧散した。
 両腕。両脚。長い胴体。頭部。
 それらが「細切れ」という言葉がしっくりくるような形で、分裂した。
 破裂ではなかった。ぷっつりと、積み木の作品がバランスを崩して零れ落ちたような「バラバラ死体の完成の瞬間」が広がっただけだった。


縹/うわ。
咲守/……さな、ねぇ……?

 どうしてそうなったのか、常人では想像がつかない。
 能力者であっても異端であっても、知らないものが広がっていた。


咲守/……膝を、つく。声もなく。
一真/サキモリちゃんの肩を抱くように、一緒にサナエちゃんだったものの前に跪きます。
咲守/手を伸ばす。ばらばらになってる肉片に触れる。サナねえ。さっきまで、走ってたのに、そこに居たのに。これがサナねぇだなんて、信じられなくて……嘘、だよ、こんなの……。
一真/嘘だと思いたい、別人だと思いたい。でも自分たちが見たサナエちゃんそのものだったから、混乱しながらそれでもサキモリちゃんを守るように肩を抱きます
咲守/ああ、これが……現実? 悪い夢だったらいいのになあ。俯いて、絞り出す。
一真/……バラバラになってる。まるで何かに切られたように……?
咲守/……ほんとだ。刃物で、みたい。
一真/……息を長く吐いてから、連絡しよう、と提案。
GM/このことを連絡しますか?
咲守/こくり。無言で頷く。連絡しよう。
GM/鴨頭草縹と沖田光兵のどちらに連絡しますか?
咲守/……さっきまで電話を掛けてた、こーへのほうかな、って思ったけれども、ベテランの方がいいのかな?
GM/わりとしっかり演出が変わります。どっちに連絡するか選択してください。
一真/光兵くんに1票。
咲守/こーへに電話しますね!
GM/プルルルルプルルルル。……光兵、咲守からの電話に出てください。普通に出てください。
光兵/はーい! もしもし教会エージェント光兵です! 教会のエージェント! 光兵です! えっへん!
一真/名乗れて偉い(笑)
咲守/こーへ。あたし、咲守。
光兵/……はい? どうしました、お声ふるふるですよ?
咲守/あの、さ……あたし達が探してた人がね。
光兵/はい!
咲守/目の前で、バラバラになった。
光兵/…………。見つかったんですか。
咲守/うん……最悪の形で。
光兵/それ本物ですか? 本当に探している人ですか?
咲守/本物……。
光兵/ニュース。事件。この街でのバラバラ死体。複数人の同一人物。以上を思い出して尋ねます。本当にそれは探している人ですか?
咲守/……ああ、そうか。その可能性も……まだ、調べてない。
GM/おっ。じゃあ特別に……そこまで言ったなら【知覚】判定難易度10で、咲守と一真は「それら」に判定していいですよ。本来これはミドルフェイズ内の情報ではあるんですが!
一真/おおー!(ころころ)13で成功!
咲守/(ころころ)12で成功。叩き出せた。2人とも成功!
GM/2人とも「それら」を注視する。……2人は、バラバラになった腕を見る。昔ながらの鱗のような火傷痕が無い。
咲守/ああっ!?
光兵/なるほど、オープニングのあのシーンは伏線!?
一真/別、人……。顔とかはあるんですよね?
GM/はい。2人が「寺本サナエだ」と思えた顔が転がっています。
一真/顔はサナエちゃんなのに、体は偽物なのか……クローンみたいだ。
咲守/……でも。火傷が、無い。
光兵/……つまり、本物じゃない! 良かった、サナエさんがサナエさん(仮)だと判って!
咲守/こーへ、ありがとう。助かった、精神衛生に良かった! 安堵の虚脱感が凄い(笑)
光兵/ヒロインがオープニングで死んで終わる訳がないんだ! いや、『AW』ではよくあるか。
咲守/まあまあある(一同笑) うん……そっか、でも、そっか……。
一真/けど、これって、本物がこの事件に巻き込まれてるってことじゃんな……?
咲守/そうだね……。良かったとまだ言える段階じゃないけれど……。
縹/良いニュースと悪いニュースが一緒になってるな。
一真/光兵さんには、本人じゃないけど本人に限りなく近い誰かであることを伝えよう。
光兵/はい! んじゃ、ボクは縹さんにも連絡しておきますねー! そしてそっちにも確認へ向かいます!
咲守/……本物が、こうならない可能性だってないんだから。探さなきゃ。安心なんて一つもないけれど。でも、会えるなら……。
一真/事件を解決すれば、サナエちゃんにきっと辿り着ける。
GM/そう、探さなきゃ。2人は、この事件が寺本サナエと繋がりがあると確信する。1年越しに、遭える予感がした。
咲守/……会いたい。サナねぇに、頑張って辿り着くよ。
GM/絶対に辿り着こうと決意する。寺本サナエの姿をした何かの前で。一方その頃、光兵は縹の電話をしても一切通じないことが分かった。
縹/待って。
光兵/あれえ?
咲守/おすけべ中ですか?
一真/エッチなことしてるんですね?
GM/「お掛けになった電話は、近くに居ないため出る事が出来ません。ピーという発信音の後にメッセージをどうぞ」 以上で第2回セッションを終わりにします。お疲れ様でした!
縹/ちょっとおおおおお!?(一同爆笑)
光兵/前回同様すっごく気になる引きで終わった! シュレディンガーのエロシーンじゃないですか!(笑)
一真/次回すげーところから始まる可能性があるってこと!?
咲守/すーけべっ(手拍子) すーけべっ(手拍子)