ガンドッグ・リプレイ・ヴァイオレンスジョーカー
■ 第3話 『8時だよ! ムーミんサンタも全員集合』 ■
2005年12月13日




 ★十二月二十五日 バイト先のケーキ屋前


GM/今日はクリスマスです! 第2章の終わりに「クリスマスにもお仕事宜しく!」と言われ貴方達はケーキ屋さんでバイトしてます。可愛い制服の司令がいたり、美中年なトナカイがいたり。
アカツキ/そこのカップル〜、ケーキ買いませんかー?
ショウ/トナカイの被り物をしてハンドベルを持ちながら、ケーキいかがッスかー。
アベル/ケーキいかがですかー。ついでにムーミんいかがですかー。
アカツキ/――あれ、そういえば今日チェンさんは休みですか?
GM/その声を聞いた高坂はピクリ。真剣な顔をして話し出します。「……実は、悲しいお知らせがある。前のミッションで、ガッポガッポ金を貰っただろ? ――調子に乗ったチェンは、広島まで牡蠣を食いに行ったらしいんだ
ショウ/牡蠣!?(笑)
アベル/まさか、あたったんですか!(笑)
GM/「ガッポガッポ生牡蠣をたらふく食った中国人は、(目を伏せて)……後はご想像にお任せしよう」
ショウ/……夜空のお星様を見ながら、あれがチェンさんの星だと思います。
GM/「そのうち治って帰ってくると思うけど、入院が長引かないといいな」……という訳で、今回はチェンさんはお休みです。
アカツキ/クリスマスに食あたりって最悪ですね(笑) ――それはともかく高坂さん、ケーキはいかがですか?
アベル/ムーミんサイズなんですよ! ムーミん型のケーキを見せます――五千円になります!
GM/高いな(笑) ――そんな感じで3人は在ケーキ屋のバイトをしていますが、明日二十六日に行われる毎年恒例の『年末講演会』という偉い人達が演説をするイベントの警備の仕事が入っていました。全国民が知っているほどの大きなイベントで、これが今年最後の仕事になるでしょう。明日は警備のバイトがあるのを頭に入れておきながらケーキを売っててください。
ショウ/このバイトって反射光のついたようなベストを着て「こっち来ないでくださーい」とか誘導しなきゃいけないのかな。
アカツキ/それは公安の人がやるのでは? 私達は、黒いスーツを着て後ろ手に胸張って立ってるんです。そして、ステージの端に黒スーツにサングラスをかけた美中年……。「あの警備員さんカッコ良くなーい?」とか女の子に言われますよ。
ショウ/それ、講演者より目立ってるんじゃ!(笑)
GM/……そんな感じに、賑やかに仲良くクリスマスの午後をバイトしていると、――突然のっしのっしとやってくる影に気付く。
ショウ/ん? 一体何ですか。
GM/3人は見た。ゆっくりとやって来て君らの前に立つ――ムーミんの姿を。
ショウ/ムーミん!?
アベル/ムーミん様っ!?(改まって敬礼!)
GM/全長2メートルぐらい。敬礼してくれたアベルさんの方に「よっ」と手をあげます。
ショウ/でけぇ! って、何これ……まさか教祖!?(笑)
アカツキ/あの、アベルさん……知り合いですか?
アベル/む、む……ムーミん様ですか!?(ドキドキ)
GM/……コクリと頷くムーミん。
アベル/き、教祖です! 皆の者、ひざまづけー!
ショウ/えー!?(笑) お、俺ムーミん教じゃないんで……! って気が付いたら周りのみんなが跪いてるー!?
アカツキ/(周囲を見渡して)わ、何で皆さん、跪いてるんですか!?(笑) 私達も跪かなきゃっ!
ショウ/でも俺、跪いたら負けな気がする……!
GM/ムーミんは「よいぞよいぞ」と手を振って、皆に楽にしろとジェスチャーをしました。
ショウ/偉そう!(笑) ……これ、中の人……誰だ?
GM/勿論ムーミんの姿は、赤い帽子と服を着たクリスマス仕様です。――その偉そうなムーミんが、司令を見て「コッチ来い」とジェスチャーで呼び寄せます。
アカツキ/わ、私ですか!? しかも格好が無駄に可愛い!
アベル/早く行かないとムーミん様がご立腹になります!
GM/司令と他のバイト2人もついて行きます。――連れて来られた場所は、ケーキ屋の裏側でした。人通りの少なく、自分達とムーミんだけとなります。
ショウ/体育館の裏にちょっと来いよ、って感じですか? 司令はともかくちゃんと俺達バイトしてましたよ!?
アカツキ/待ってください、司令はともかくってどういう事!(笑) そして貴方は誰なんですか!
GM/穏やかなムーミん中から親父の声がしてきます。「あっはっは! 話に聞いてたより面白い連中だ。高坂が言ってた通りだ!」
アベル/……お前、ムーミん様じゃないな!
ショウ/今気付くな!(笑) 何様、と勢いよくムーミんの首のあたりを持ち上げて、パーンと頭を飛ばします!
アベル/あ、首が欲しい……!(笑)
GM/貴方達の前に――その声の主らしい親父の顔が出てきます。四十近い無精髭面のオッサンです。
ショウ/……やってもーたー!(笑)
アカツキ/……あの、どちら様でしょうか?
GM/「見覚えないか。……色々、高坂から話を聞いている者だ」
ショウ/また高坂さん経由……ちなみに貴方の宗教は何ですか?
GM/俺はパンダ教だがなにか?
アカツキ/ナチュラルに答えてるし!(笑) パンダ教なのにパンダの被り物じゃないんですか。
GM/「いや、それは『ムーミんの格好をしていけば面白いぞ』って高坂が言ってたんでな」
アベル/ムーミんを愚弄しないでください!
ショウ/良かったらそのスーツ、そこのムーミん教徒にあげてやってください。(ムーミんの頭を被って)……何ですか、話って。
GM/「おお、首から上はムーミんで、下はトナカイの体をした美中年になったな」
ショウ/怪しい生き物になってしまった!(笑)
GM/「言っておくけど俺はワイズの一員だ。警戒しないでくれ」
ショウ/……警戒も何も、そんな格好で出て来られてどうしろと。
GM/「お前らは明日、ガンドッグの中で警備を任されているチームだと話を聞いたんだが……確か4人と聞いてたけど今日は3人しかいないんだな」
ショウ/……彼は、広島のお星様になってしまわれました。もしくは瀬戸内海のサンゴになりました。
アカツキ/長崎の土になったのかもしれません(笑)
GM/よく判らないのでそこはスルーします(笑)「明日の年末講演会にお前らが警備のバイトをするんだろ。それに関連してきっと興味が出るような話を持ってきたんだ。――テロが来るらしいぞ」
アカツキ/え?
GM/ムーミんの体のおっさんは続けます。「年末恒例のイベントに政治家達がやってくる。今年は強硬派の政治家達が多いからな、今後のテロ対策について国民に訴えるだろう。それが気に入らない連中がいる。邪魔したいと思っている奴は沢山いるもんだが、明日実行に移そうとしている連中がいると教えておこう。俺はお前達の腕を見込んで、ちょっとした事前の情報を流してやろうと思ってな」
アカツキ/……腕って、ファンブルを出す腕ですか?(笑)
GM/「顔が見えないぐらい後光がさしてる美中年とか。特殊な奴らとして知られているな」
ショウ/ヤな知られ方だ! 特殊部隊じゃなくて特殊な部隊かよ!
アカツキ/どんな風なテロ行為なんでしょうか。売り物のケーキをもぐもぐと食べながら聞きます。
ショウ/お店のもの食べないで下さい! いいかげんにしないと夕飯抜きますよ! ムーミんケーキ一つ作るのも大変なんですから!
GM/……作ってる方のバイトなんだ?(笑)
ショウ/パティシエのバイトをしてましたから!
アベル/……とりあえず、ショウさんの被っているムーミんの頭をしたすら見つめてます。
ショウ/怖! な、なんか熱い視線を感じる!(笑)
GM/「明日狙っているという連中の名は、『赤い牙』。……勿論こっちも警備を用意させてるし、議員達にも注意を促す。が、流石にスナイパーが顔を狙ってくるのは嫌だし、お前達の最高の警備を頼む。大規模なイベントで事件が起きたら色んなキッカケになって広がっていくからな。大きなイベントだからこそ警備をハリキってほしい。俺の情報源を疑うんだったら、高坂にこの名刺を見せろ」
アカツキ/パシッ、と受け取ります。
GM/名刺を渡して、美中年のムーミんの顔を取って自分に被せます。「じゃあな」と手を振って、のっそのっそと帰っていきます――。
アカツキ/ちょっと待ってください。――貴方は、どうしてこんな情報を私達に提供したんですか?
GM/ピタリと止まります。そして……華麗に舞い、「お前達を信用してるからさ、アハハハハー!」と笑って颯爽と去っていきました。
アベル/む、ムーミん様のお帰りだぁー!
ショウ/胡散臭ぇー!(笑)
GM/のっしのっし、過ぎ去っていくムーミん。――名刺を見ると、『ワイズ ゲイリー=ラシーヨ』と名前欄に書いてあります。確認が取りたければこれを高坂に見せてみろと言ってましたね。
ショウ/とりあえず確認取ってみます? ――お店の方に行って、高坂さんを呼んできます。たっかさかさーん!
GM/お店の前にいますよ。「……ウェイトレスがメイド服っぽくていいなぁ……
ショウ/そこのメイド教、目を覚ませー!(殴)
GM/ぐふっ! 親父にも殴られたことな……っ
ショウ/あーもう、リーダーが呼んでますよ! メイド教なんて訳分かんないことやってないでください!
GM/「だって、ここのケーキ屋のウェイトレスの制服がな……!」
アカツキ/でも今、私もウェイトレスの格好してるんですよね?
GM/あ……っ(きゅんっ)」
ショウ/……ケーキを切る長い包丁持って構えますよ。リーダーは嫁入り前なんです!
アカツキ/高坂さん、この名刺の名前に見覚えはありませんか?
GM/「ん?(名刺を覗く)ゲイリー……何言ってんだ、ワイズの社長だろ。お前らの一番上の上司だ」
アカツキ/……やっぱり? そんな予感がしてたんだ! 多分偉い人だろうなっていう。
ショウ/社長!? すいません、普通に下っ端だと思ってました。
アベル/あ、でもムーミん様だからいいひとだと思ってました!
GM/「まさかお前ら、忘れてたんじゃないだろうな?」
ショウ/社長がムーミんに入って「お前らこっち来いよ!」とかするとは思わないじゃないですか!
GM/「そんな事したのかアイツ? ……ああ、だからムーミんの着ぐるみを注文してきたのはそのせいだったのか」
ショウ/変な入れ知恵つけないでください。っていうか、パンダ教だなんだと言ってる人がウチの社長だったんですよね……大丈夫かな、メイド教といい、この会社。
GM/「ああ、アイツは昔っからパンダにゾッコンなんだ……俺の趣味を理解してくれないんだ」
ショウ/パンダにメイド服着せたら仲良くなれるんじゃ?
GM/アイツは、パンダにチャイナ服派なんだよ!
アベル/あ、新しい……!(笑)
ショウ/なんでワイズってそんな変な人ばっかなんだ!?
GM/「でも、ワイズの創立時代から知っている奴だから、信頼していいぞ。まさか自分の会社のガンドッグに嘘情報も流さないだろうから、怪しむ必要は無い」
ショウ/……あれ、割と高坂さんて偉い人?
GM/「まぁ、お前達以外にも受け持つコーディネーターはやってるぞ。それで、奴が愚痴でも言いに来たのか?」
アカツキ/いえ、愚痴ではないのですが。明日の内容のことを少々確認しようと思いまして。
GM/「明日は大きな仕事だからな、そろそろ退散するか」……と言うことでケーキ屋のバイトは終了です。アパートに戻りますか。
ショウ/じゃあ店長に、作り置きのケーキは冷蔵庫にありますって伝えてきます!
GM/「それにしてもこの店、特にムーミんを意識してた訳じゃないのに……どことなくムーミんに犯されてきてないか?」
ショウ/デコレーションがムーミんチック……哀れな!(笑)
アベル/ムーミんツリーとかですね、子供達も大喜びです!
GM/そんな、被害を受けるケーキ屋であった――。


 ★十七時 司令のアパート



GM/講演会の開催場所は、人の多い駅ビル前で行われます。駅前広場で総理などがバスに乗って演説するみたいなものをイメージしてください。中央に台があって、その上で人々に向かって演説をします。
アカツキ/外でやるんですか……寒い! 寒い中よくやるなぁ。
GM/「でも最近、ナイトメアストームのせいで温暖化になってるだろ。ここ十年何年も雪もあんまり降らなくなって、ホワイトクリスマスは実現してないな……」
ショウ/昔の名曲を流しても意味ないなぁ。
GM/某災害のせいで、暖冬で冷夏な世の中です。きっと明日の政治家達の中では、環境問題を訴える人もいるでしょうね。演説は明日二十時開催です。
アカツキ/社長さんが言っていた『赤い牙』というものに関して調べてみましょう。【情報処理】で判定します。一番大きいムーミんのぬいぐるみをぎゅっと抱きながら……(ころころ)成功です。
GM/まずは基礎知識からパパッと調べていきます。『「赤い牙」。日本を拠点としているテロ組織であり一番の特徴は団体と認識され「テロ組織」と言われているものの、思想的な集団であり見分けがつかない。国内の穏便派を指示し、軍備強化を訴える強硬派を破壊的に狙う。同じ方針に向かう者達の集団のことを指すので、一宗教としてとらえられている』。思想的な物なのでトップを崩すとか、思念を曲げることができないので根絶やしに辿り着けないというのが一番の難な連中です。思想は周囲に広がっていくものですから把握できないだろうし、ゴキブリみたいに一匹いたら三十匹状態です。『赤い牙』と見分けるのは、強硬派を崩す連中という観点からだけのようです。
ショウ/思想・宗教的なものか、厄介な……。
GM/「非難した人間を殺す組織だ。テロリストには強行に向かうべきだと主張する強行派議員を狙っている。主張するのはいいが、武力で訴えるのもどうかと思うけどな、――それを防ぐのがお前達ガンドッグなんだが」
アカツキ/そういや、ムーミんも一匹ぬいぐるみがあったらタンスの中に三十匹……。
ショウ/ハッ、冷蔵庫の中は無事か!?
アベル/もういっぱいですよ?(にっこり)
ショウ/うわ、ムーミんドリンクとかムーミんソーセージとかある! ……泣きながら全部取り出します。
GM/ソーセージぐらい食べちゃえばいいんじゃないですか。
ショウ/じゃあ、ソーセージだけ残して箱は捨てます!
アベル/箱を捨てちゃうなんて勿体ない!
ショウ/箱はあげるから持って行ってください!
アベル/壁に飾るんです、画鋲で!
アカツキ/……あの、ここ私の家なんですけど?
ショウ/その「私の家」の冷蔵庫が被害を受けてます、もっと怒って!
アベル/あのリーダー、これ…………モンブランです! どうぞ食べてください!
アカツキ/いただきますね、アベルさん!
ショウ/汚ぇ! 没収しますよ!(笑)
アカツキ/(モンブランをもぐもぐしながら)ねぇショウさん、お腹すいたー。
ショウ/……今日は鍋でいいですか。さっき取り出したムーミんソーセージをざっくばらんに切って鍋に適当に放り込みます。今日はムーミん鍋にするぞー!(泣)
アカツキ/私はおじやがいいな。高坂さんも夕飯食べていきますか?
ショウ/司令の為にご飯四合炊いておきますから高坂さん一人増えても大丈夫ですよ……。
GM/「いつ見ても大変だな。……それにこれ、ムーミん米か?」
ショウ/あ、コシヒカリのところにバッテンが!
アベル/イラスト付きです、手書きですが!(笑)
アカツキ/――では次に、どんなテロ行為を行うのか調べます。……最近、ムーミんを抱いてパソコンをするのが気持ち良い事に気付きました。それでは【情報処理 】を(ころころ)成功、達成値12。
GM/どんな活動をしているかですね。『他の団体からは、いい感情を受けてない。主にバイオテロで、猛毒やウィルスをバラまいて広範囲に被害を出すものである』――そう淡々と作業をしていると、ピンポーンとアパートのインターフォンが鳴ります。
ショウ/誰だ? はいはーい、新聞勧誘ならお断りですよー。
GM/ショウさんが玄関の覗き穴から見ました。――扉の前に立つ姿、それは……黄色のムーミん。
ショウ/ムーミん!?
アベル/ムーミん様!? いや、フローレンが来た!
ショウ/……すいません、ムーミんの知り合いはいないんで帰ってください。
GM/そうですか、ショボーン。……フローレンは普通に帰ります。
ショウ/あ、ごめん! すいません、そこの黄色いムーミん帰らないで! どうぞ入ってください!
アベル/わぁっ、フローレーンだぁー!
GM/では美中年に招かれてお部屋お邪魔しまーす。……そして、座ってた高坂を見て「やっ」と手で挨拶をします。高坂は高坂で「あぁ……ゲイリーじゃないんだな」と呟きました。
アカツキ/銃を取り出して、――どちら様でしょうかと訊きます!
ショウ/後ろから頭を取ります、パコーンと! どちら様ですかー!
GM/あ、早速頭取られちゃった。――現れたのは、さっきのおっさんよりは比較的若い男。淡々と話します。「とりあえず銃は置いてくれないか。そこの高坂が慌ててないんだから仲間ってことを判ってほしいんだけど」
アカツキ/そりゃ判るんですけど、……せめて靴ぐらい脱いでくださよ! 泥のついたムーミんでアパートに入ってこないでください! ここ日本なんですよってガンガン撃ちます!
ショウ/リーダー、部屋に穴が空くから銃は撃たないで!(笑)
GM/「いや、ムーミんで来たら面白いって高坂が……」
ショウ/たーかーさーかー! 高坂の方に向かってムーミんの頭を投げつけます。(ポイッ)
GM/このゲームは回避が無いので普通に命中します。「ぐはぁっ!」
ショウ/とにかく、ウチはムーミん教徒の集まる会じゃないんで! ムーミんはやめてもらえません?
GM/「えぇっ、折角特注で作ってもらったのになぁ……」
ショウ/じゃあ、着終わったらそこのムーミん教徒にあげてください。
アベル/わーい!
アカツキ/(凄くヤル気なさげに)……で、何か用ですか? 何かあって来たんでしょアンタ?
GM/「ああ、用があったからこそ来たんだよ。自己紹介をしよう、俺はクロイツという」ぺこりとちゃんとお辞儀をします若い男。
ショウ/……ムーミんの格好したら面白いという理由だけで来たって言ったらぶん殴ろうかと思いましたよ。
GM/「まぁ、一応日本のレディがいると聞いてきたから(ごそごそ)――どうぞヨウカンです。つまらないものですが……」
アカツキ/そ、そんなわざわざ! ありがとうございます、どうも、遙々遠い所からよく! ショウさんお茶出して! アベルさんはお皿用意ー!
ショウ/リィダァー!(泣) ……粗茶で御座いますがとちゃんと出しますよ……そして部屋の隅に行ってさめざめ泣きます。
GM/「ムーミんを着て来たのは、楽しんでもらえるかと思ったんだけど……いけなかったかな?」
アカツキ/いえ、とてもとても楽しみましたよ!
GM/「それは良かった。――では本題に入ろう。君達に役に立つだろう情報を持ってきた。社長の命令で調べていた『赤い牙』のことがいくつか判ってね、明日までの猶予を考えると君達に直接受け渡した方が良いと思って来た。短い時間で調べろというなんて悪いと思うから、手助けとしてね。少しでもお役に立てるなら幸いだ」
ショウ/……そんな格好つけてるのに、首から下はムーミんなんだな。
GM/「お気に召さないのであれば脱ぐよ?」
ショウ/じゃあ足元が汚れているだろうから洗濯機の中に放り込んで来まーす。……いや、これ入るかな?
アベル/僕が手荒いしておきます!
GM/「明日の講演会は毎年恒例でスケジュールも事前に公開されているから、狙う側にしてみれば相手の行動が判っているし好都合になっている。――少し話は変わるが、暖冬というのは君達もご存知の通り今年もホワイトクリスマスも叶わない世だ。――そこで講演会中に雪を降らそうという企画がされている。降雪車を使って昔の雪のある世界をつくり、美しい冬を彩ろうではないかというスケジュールが今年の名物スケジュールに組み込まれれているんだ。大々的に宣伝もしている」
ショウ/降雪車……手ぶらでスキーのあそこであるような偽物の雪を降らせるんですか?
GM/「ああ、十二月の年末に懐かしさに浸る良いイベントだろう?」
ショウ/でも、二十六日って中途半端ですよね……。
アカツキ/いえ、年末において二十八日以降は大変ですし、クリスマスは除外してるし良い日程だと思いますよ。煙草を吸いながらカレンダーを見ま……って、なんでこんな渋い演出してるんだろう!?
GM/は、初めて渋い司令を見た!(笑)
アベル/そんなに食べ物がありませんでしたか! すいません、芋ヨウカン買ってきます!
GM/「いやいや、そんなことしなくても私が……(ごそごそ)栗ヨウカンでよければ頂いてください
アベル/じゃあ、僕切ってきまーす!
アカツキ/ありがとー!
ショウ/……リーダー、あまり食べると夕飯食べられなくなりますよ。
アカツキ/では、お鍋に入れましょうか?
ショウ/ダメ! 俺の渾身の水炊き鍋に得体の知れない物は入れさせねぇー!(鍋をディフェンス)
GM/今夜の作戦を練っている隣で重要な話をしますよ!「――今度、『赤い牙』は今までの活動の中で一番大きなコトをしようとしている。今まで何度も高度な技術を使った無差別テロを行ってきたが、明日実行されようとしている作戦をこちらで聞きつけることが出来た。奴らは――天然痘ウィルスを降雪車に混入させバラ撒くつもりだ」
ショウ/で、デカく出たな! ……そこまで判っているなら講演会や降雪車のイベントを中止するとかしないんですか?
GM/「今年の性格の悪い強硬派が、屈する姿など見せつけてなるものかと言うのは目に見えてるな。訴えるその姿勢に意味があるんだ、上の連中の機嫌も考えなければならない」
アカツキ/つまり、私達は……降雪車に不審な人物が近寄らないかを警備すればいいってことですか。
GM/講演会開演は、二十時。十八時に降雪車が会場に入るから、今までの予定だと君達は十八時前後に警備につく予定だった。
アカツキ/私達は十八時からしか警備をしないんですか。
GM/十八時から警備は始まります。全体のタイムスケジュールは、『十五時に降雪車が人工雪の準備。降雪車が会場に入るのが十八時前の予定。警備スタートが十八時。人が来るのがそれから二時間の間。その前にパフォーマンスがいくつかありますが、完全に演説会が始まるのが二十時。そして二十一時過ぎには終演で、雪の出番です。
アカツキ/タイムリミットは二十一時ということですね……。
GM/演説が長引くかは強硬派の政治家次第ですが、とりあえず終わりが二十一時と予定されております。
ショウ/……でも降雪車自体にテロリストが乗っていた場合、降らせるタイミングはあっちの好きになりますよね。降雪車の準備をしている段階から張り付くことは可能?
GM/可能です。降雪車の準備をする工場は、会場から一時間半ほど離れています。人工雪がセットされるところから張り付けられます。
アカツキ/降雪車のドライバーを高坂さんにやってもらうのはいかがでしょう。ドライバーから物をおける全てがこちらで担当というのはいけませんか。
GM/――では、高坂がドライバーを引き受けていいか担当していた会社と交渉するため電話をかけます。
アカツキ/頑張って! ……あとアベルさーん、ヨウカンおかわりー。
アベル/ハイハイ、わかりましたー!
アカツキ/ショウさん、お茶おかわりー。
ショウ/ハーイ、番茶でいいですか。もうリーダーの首に「餌を与えないでください」って看板かけとこうと思うんですが、どうだろう。
GM/「おやつがもう無くなってしまいましたね。では今度は(ごそごそ)水ヨウカンをどうぞ」
ショウ/ダメ、今日はもうダメー!
アカツキ/あぁっ、折角の水ヨウカンがー!
GM/高坂が電話を切ります。「……なんか盛り上がってるけどいいか? 全部こちらが受け持っていいって事になったぞ。ただ、中国人が倒れた今、車に付きっきりになるのも大変なんじゃないか?」
アカツキ/そうなんですよ、誰か一人助っ人が欲しいところなんです。
ショウ/今、中国人がいたらタカサキさんのところにつけるのに!
GM/俺はタカサカだよ!
ショウ/ご、ゴメン、素で間違えた!(笑) タカサカさん、水炊きの鴨を沢山入れるから許して!
GM/「……美中年の住処のタンスにキンチョールまいてやる」
アベル/あぁっ、中のムーミん様が!
ショウ/俺の居住スペースがぁー! ……でも本当にここに中国人がいたらねぇ。

 中国人の死(?)を心から悲しむ面々を見かねて、――ワイズがガンドッグを一人「VJ」へ臨時で助っ人を頼んだ。
 チェンの代わりに急遽やってきた、日本に出稼ぎに来た……これまた中国人の女性であった。臨時で5人目のPLが参戦である。


GM/要望に応えて、クロイツが女性を一人連れてきました。「助っ人で、同じチャイニーズを連れて来たぞ。療病中のチェンの代理を勤めてもらうことになった」
一同/わー。(ぱちぱち) 名前は?
PC5(以降、チャン)/チャンです! PL名はT。アー、ちょっと日本語ワカラナイからゆっくり喋ってネ。クラスは[アサルト/スカウト]ヨ!
アカツキ/わざわざ遙々ありがとうございます。――どうぞ、栗ヨウカンと水ヨウカンと芋ヨウカンがありますがいかがですか。
ショウ/もうヨウカンは食後って言ったでしょう!(笑) 早速今回の任務の話で悪いんですが、丁度良くアサルト中国人が来てくれたから、貴女は降雪車の高坂さんを守る任務に就いてください。
チャン/……タカサコサン? タコサカサン?
一同/タコ!?(爆笑)
GM/「ぐ、女の子だからキンチョールで攻撃ができない……!」
チャン/ネェ、タコサコさん。アナタそんなヒドイコトする人じゃないヨネ? あとタイチョー、アタシ何すればいいですか。ブッチャケワカラナイ!
ショウ/え、えっとですね(笑) ――十二月二十六日に、雪を降らせる機械にウィルスを混入させてみんながいる所に撒こうとしてるテロリストを阻止しようという会です。
チャン/うわー、ジングルベーネ。
ショウ/今日がクリスマスで、明日が二十六日だから。駅前広場の講演会の日を守る会ね。
チャン/駅前? そんなら止めなくてイイヨ、カップル全員ぶっ殺してしまえばイイ。アベックなんていなくなってしまえばイインダ!
アベル/と、とっても日本語がお上手ですね!(一同爆笑)
ショウ/か、カップルはおいといて! 政治家の人が死んじゃうらしいからね、それを阻止しなきゃいけないんですよ。
チャン/汚い政治家なんてカップルごと消えてしまえばイイヨ!
ショウ/ちょっ! ……高坂さーん、この人って(笑)
GM/高坂も「なんて奴連れて来たんだよ、クロイツ!」とか喚いてますよ(笑)
アカツキ/でも、もし強硬派の政治家さんがいなくなってくれれば日本の主導は穏便派になってくれるんでしょうか。
チャン/ヌルイヘタれた国もヤーネ! 大丈夫ヨ、仕事はちゃんとやるから。
GM/「お、俺……この子と一緒にいなきゃいけないのかな?」
チャン/ウルサイヨ、タコサコ! アタシちゃんと仕事はヤルヨ。ちゃんと母国に弟と妹があわせて五十人イルネ。華僑は皆キョウダイネ! アタシはタコサコについていけばイイんだネ!
GM/仕事はともかく俺の名前も呼んでくれ!(泣)」
ショウ/高坂さん、冷静になって! ……彼女と行くのとムーミん教と行くのはどっちがいいですか?
チャン/(ぬいぐるみを持って)ムーミんカワイイネ。コレ、カバ?
アベル/な、なんてこと言うんですか、ムーミん様はムーミんです!
アカツキ/チャンさん、作戦を説明します。――高坂さんとチャンさんは降雪車準備時から車につきます。誰か人が来た時に【交渉術】で出る為に私も行きますね。チャンさんが来てくれますから、降雪車ジャックが来ても応戦できます。
ショウ/じゃあ、こっちは黒スーツ着て会場で立ってます。無駄に【外見10】だからキラキラしてるよ!
アベル/片方の胸にはムーミん様のバッチ付きです!
GM/確認しておきますが、『警備が正式の仕事』であります。テロ撃退も勿論ですが、政治家やゲスト達の無事を優先してください。
チャン/政治家は具体的にどれくらいの数来るノ? 客対象外?
GM/政治家は2人、ゲストが2人の4人です。客は毎年恒例のイベントだからその時間のよってまちまちです。怪我人はできるだけ出さないようにしてください。
ショウ/壇上に立って「我々は〜」と演説する人が4人なんですね?
アカツキ/敵はほぼ確実に客から来ますね。SPに紛れてということはないでしょう。
ショウ/イザとなったら、……降雪車の口にムーミんでもつめとけば雪は降らないんじゃないでしょうか?
アベル/ムーミんを降らせるんですか、妖精さんいらっしゃーい!
チャン/何かボテッボテッて降ってくるヨ! 飛んだムーミんネ!
アカツキ/――まとめの続きです。降雪車が会場に着いたら、ショウさんとアベルさんが講演台を中心に、私とチャンさんが降雪車を守っていきます。
ショウ/あとはタンクに、暗号式で鍵がいっぱい付いたセキュリティシステムでもつければいいんじゃないかな?
アカツキ/……それを、私に明日まで作れというんですね? 今日は眠れないかな……。
ショウ/ご、ごめん! 美中年はもう何も言わない!(笑) さぁ話がまとまったなら鍋でも食べましょう!


 ★十二月二十六日 十五時 降雪車準備工場


GM/美中年とアベルさんは、メンインブラックな格好で会場入りをしました。司令と中国人二号と高坂が準備工場に来ましたね。3人はバサーバサーという作業をずっと見た後、工場員に「セットができました。このまま会場の方へ向かってください」と言われます。
アカツキ/了解致しました、怪しい方はいませんでしたね。会場側にその情報をします。(通信をカチッ)
ショウ/(カチッ)はい、おまち。ご注文は?
アカツキ/えっと。天ぷら蕎麦とー、ウドンとー……。
ショウ/……リーダー、今日もツッコミいないんですよ?
アカツキ/ごめんなさい、ついクセで(笑) ――今、私達は工場を出発します。当初の予定通りにいきましょう。このまま会場でも高坂さん達は私といっしょに車で待機しましょうね。
チャン/タコサコー、ガンバッテネー!
GM/……切ない目でチャンさんをずっと見つめながら、コクリと頷きます。高坂が物凄い安全運転をして会場に少し早めに着いてしまいました。降雪車ジャックにも会わないで無事やってきます。まだ十八時ですから人の集まりは少ないですが、これから集まりだします。
アカツキ/では皆さん、ちゃんと警備していてくださいね。――あとショウさん、お腹すいた。
ショウ/インカムを通してそんなの流してくんな!(笑) ……リーダー、お昼ご飯用におにぎりを作っておいた筈ですけど?
アカツキ/あれ、全部食べちゃいましたよ……ねぇ高坂さーん?
GM/「……これは俺のだぞ」
チャン/タコサコ、そんなコト言っちゃメーヨ!
ショウ/高坂さーん。おにぎりあげないとリーダーが泣いて仕事にならないんで、たくあんでもいいのであげてください!
アカツキ/い、いいんです皆さん……お腹が空いてようが私ガンバリマス……エヘヘヘ。
一同/あーあ……。
GM/「なに、俺が悪いのか!?」司令は昨日ヨウカンとお鍋を食べまくったのであげません!

 十八時、十九時……講演前の時間になるにつれて、大分客が集まりだし見づらくなってきた。
 【状況把握】【感知】を駆使し警備していたが、見回りロールもマイナス判定がき始め4人は忙しくなってくる。


ショウ/人がゴミのようだ……(笑)
チャン/タイチョー、見て見て。あそこのカップル、チューしながら歩いてるよ……消えてしまえばいいのに!
GM/黒いな!(笑) ――警備も大変になってきた二十時ちょっと前。アベルさんの肩を叩く人物が現れました。「ねームーミん、こっち向いて♪」――そこにいたのは、正装をしたゲイリーです。
アベル/あれ、今日はムーミん様じゃないんですか?
GM/「今日はって、まだ一回しか着ぐるみに入ってないぞ。……演説する一人目のゲストは俺なんだ」
アベル/あ、だからわざわざケーキ屋に来て「護衛ガンバレ」って言いに来たんですね!
チャン/えっとぉ……タイチョー。あのゴツイヒト、ダレ?
アカツキ/……ムーミんです。
GM/「俺はワイズの社長だからゲストに呼ばれてるんだ。自分自身もテロの現状とガンドッグの理解を広めるため人々に訴えに出る」
チャン/……社長カヨ!(笑)
ショウ/社長だよ! 社長がムーミんの中に入ってたんだよ(笑)
アベル/社長さんも大変ですね。……ではコレをお守りにどうぞ、パンダ柄のムーミんです!
GM/パンダか! ……いい仕事をしているな」
ショウ/こっそり社長の好感度を上げてる!(笑)
GM/社長はムーミんのおかげで、機嫌良く本部席の方に下がっていきます。奥の方にはクロイツもいるようです。――ではここで、講演前の【感知】をしてください。
チャン/(ころころ)成功ネ。
GM/――では中国人2号が……客足に乗ってやってくる着ぐるみを発見した。
チャン/どんな着ぐるみ?
GM/……赤いムーミんの着ぐるみです。
チャン/カバイルヨー。タコサコ、着ぐるみってイベントのヒトー?
GM/……答えません。
ショウ/高坂さーん、あの着ぐるみの人に話してもいい? また社長さんやクロイツさんが入ってる危険性とかはない?
GM/タカサカって呼んでくれた方に答えます。「それはないと思うぞ。二人とも本部の方にいると思うし」
アカツキ/疑う迄もなく怪しいですね。――皆さん、着ぐるみを警戒してください。
チャン/了解! とりあえず発見したのは現在一匹、赤い着ぐるみで……血まみれのムーミんネ。
アベル/あんなのムーミん谷の住人じゃありません!
ショウ/本家がなんか叫んでるぞ!(笑) ……でもあっちが動いてこない限りこちらも動きません。
GM/ではそろそろ二十時になる頃です。講演会が始まる空気になって参りました……客もみんな講演台のある上の方向へ向いています。
アカツキ/そろそろ始まりますね。また不審人物がいないか確認します。【状況把握】で(ころころ)……ファンブルきた!
一同/きたー!?(笑)
アカツキ/こ、こんな所で? まだクラスアーツ使うべきではありませんよね、犠牲になります。ファンブル表ふりますよ(ころころ)8。
GM/……演出はシリアスとギャグのどちらにしましょうか?
一同/ギャグで!(笑)
GM/了解です(笑) ――高坂からご飯を貰えなかった司令の視界が、段々グラグラと揺れてきました。『あぁ、お腹空いた……ヨウカンとか持ってくれば良かった……でも昨夜全部食べちゃったしなぁ』クラクラして、車に色々置いてある機械に頭を――ガーン!(一同爆笑) 頭から血をだくだく流す司令。……具体的に言うと『ダメージ7。今後の【戦術】に2回失敗』となります。
チャン/隣でガーンと音がしたので、ビクッとします! タイチョー、ドウシタノ……?
アベル/リーダー、インカム越しに凄い音がきたんですけど。……大丈夫ですか?
チャン/あのネ、リーダーがお腹空きすぎて倒れたネ。
ショウ/おぁー!? ……高坂、アンタが大人しくおにぎり渡しておけばこんな事にはっ!
GM/俺のせいかよ!?
アベル/リーダー、治しに行きましょうか?
アカツキ/う、うーん……皆さんはその場で待機してください……アカツキ・クドウ、一生の不覚。
ショウ/代わりに俺が【感知】。(ころころ)クリットで見ます!
GM/美中年の視界に、青ムーミんと紫ムーミんが出現しました。青は会場の端に留まり、紫は真ん中を渡って台に近付いてきます。これでカラームーミん3匹になりました。
チャン/ムーミんイッパイ増えたヨ!
アベル/……あの着ぐるみ、全部欲しい!
GM/そんな大騒ぎはよそに、――演説が始まりました。一人目のゲイリーが講演台に立ち演説し始めます。思いっきり普通で真面目な内容を語るオッサンです。
ショウ/物凄く不思議な目で社長を見ます……うわー、フツーのヒトだ。でもとりあえずリーダー、起きて!
チャン/リーダー、タコサコのアホがオニギリくれるっテ! だから元気出しテー。ヘンなムーミんが3匹でイッパイイッパイネ!
アカツキ/……チャンさんは、ムーミんを追って下さい。アベルさんはゲイリーさんを守るように……あちらがもし撃たれて怪我をしたら直ぐに治してください。

 ●チャンVS赤ムーミン編
チャン/降雪車を出て、一番近場にいる赤ムーミんに声をかけるヨ! ぽんぽんって肩を叩くネ。
GM/話し掛けられた赤ムーミン、「む?」
チャン/チョット、社長サンが呼んでるカラ来てネ。【運動】で力ずくで取り押さえる。(ころころ)成功。ガッて掴んでズルズル。傍目からは仲良く手を繋いでルンルンネ。ついでに紫側にも声を掛ける!
GM/紫ムーミンは、手を振って……ぷいっと顔を背けます。
チャン/……あの紫ムーミん、潰してイイ? とりあえず赤は拘束します。アベルサン、獲ったネー!
アベル/やった、獲ったね!(きらきらとした目でムーミんを見る)
GM/ゲイリーは身振り手振りをしながら演説しております。――すると今度はレモンムーミんが現れました。
アベル/フローレ……いや、レモン色だから違う子だぁ!
GM/ホントに嬉しそうだ(笑) ――では、チャンさんに捕らわれた赤ムーミんの中の人がが小声で話します。「……一体なんですか?」
チャン/着ぐるみで来るの、アンタ何やってんノ?
GM/「ウチはパフォーマーで来てるんだけど」
チャン/そんなコト知らナイヨ。着ぐるみには登録が必要ネ、詳しく聞く為に紫ムーミんと一緒に裏まで来いヤ! アレ仲間ヤロ?
GM/「うーん、まぁ顔は判らないけど……」
チャン/アン? 全員で揃ってやってるんじゃないノ?
GM/「パフォーマーは個々でやってるんですよ」
チャン/なんで全員ムーミんやねん! 紛らわしいワ!(笑)
アカツキ/……チャンさん、とりあえず赤ムーミんだけでもこちらへ連れて来て下さい。気絶させることはできますか?
チャン/赤ムーミんを裏に引きずり込んで、人目の付かないところでボコるヨ! 【格闘】で(ころころ)成功した! ゴスッ!
GM/げふっ!
チャン/縛って降雪車の中に放り込みます。アトは宜しくネ!
GM/――暫くして、車に入れられ捕縛された赤ムーミんが目覚めます。「はっ、ここは?」
アカツキ/【交渉術】いきます。(ころころ)成功です。――おはようございます、質問をしたいんですが宜しいですか?
GM/「な、なんで俺は縛られてるとかそんな質問は後ですか?」(笑)
アカツキ/すいません、私は今……気が立ってるんです。さっき頭を打ったので……ともかく、この場の質問権は私にあります。貴方は、『赤い牙』ですか?
GM/「へ? 何ですかそれ」
アカツキ/……じゃあ貴方、なんでこんな所してるんですか!
GM/「中国人の女にも言ったけど、俺はパフォーマーだって!」
アカツキ/そうですか、全くもうっ! ボディチェックさせてもらいますよ!
GM/どうぞどうぞと男はあっさり許可し、ボディチェックします。……着ぐるみの下はシャツにジーパン、財布には免許証などがあり、名前は平凡そうなものです。銃やナイフは持っていません。
アカツキ/――初めに言っておきますけど、私達は特殊警察で、この場で危ないことが起きようとしているのを止めようとしてます。そして怪しいのが3人ぐらいいてそれを捕まえているんです。
GM/「いや、俺は、一番最初に演説をしているゲイリー=ラシーヨが『ムーミんやると面白いよ』と前日にメディアに語ってたから。だから今日、ムーミんのパフォーマーが多いんじゃないでしょうか?」
アカツキ/アイツか!……聞いていて、ガァン! と車内を撲ちます。
ショウ/リーダー、【拷問】はしないでくださいね!(笑)
GM/運転席の高坂も「車は会社のものなんだから壊すなよ〜」って言ってきますよ。
アカツキ/とりあえずですね! 貴方を楽な体勢にはしますが拘束を解く訳にはいきません。すいませんが事件が済むまで拘束させてもらいます。
GM/「そんな重要な事件が起きてるのなら仕方ありません。俺も紛らわしいことしてすいません」
アカツキ/ご協力お願いします。――こちらは終了しました。

 ●ショウVS紫ムーミん編
アカツキ/ではチャンさんは次のムーミんの方に行って下さい。ショウさんは紫ムーミんの方にどうぞ。
ショウ/あいさー! 紫ムーミんの元まで移動し、接触します。
GM/近付いてください。――では、目の前に来たところで美中年限定で【サバイバル】をしてください。
ショウ/何でいきなりサバイバル?(ころころ)成功。
GM/美中年は気付いた。――コイツ、着ぐるみに腕が通ってない。
ショウ/あぁ、何か判った……。もしもし、申し訳ないんですけどパフォーマンスの登録はされてますか……って無駄に美中年オーラをふりまきながら言うぞ!
GM/紫ムーミんは「……ぷんっ」と無視します。、
ショウ/キィ、ムーミんのクセに生意気だ! すいませんがお話が聞きたいので来て貰えませんか、って美中年オーラをキラキラさせる!
GM/……いきなり判定しますよ。(ころころ)あ、クリった。
ショウ/えっ? 畜生、なんなんだよ!
GM/突然、紫ムーミんは美中年に抱きつきました。
ショウ/何だ? 逆に抱き返してやる、俺の美貌がいけないのかー!
GM/ぎゅーっと抱き合う二人。
チャン/…………ショウさん、ヤられるんちゃうか?
GM/(ころころ)ショウさんを抱きかかえて……パス!(サイレンサー付) 貫通でマイナス15点ダメージ。ダメペナどうぞ。
ショウ/なんじゃそりゃー!(ころころ)達成値16!
GM/ではショウさんは『衝撃で持っていた武器を落としました』。
ショウ/今は手に持ってないよー! ……なのでずるずるズルズル崩れ落ちるだけです。
GM/残念、崩れ落ちない。ムーミんがショウさんの体を抱きかかえてます。体制的にズルズル落ちそうですが、……テイクアウトしようと抱いて歩きだします。
ショウ/お持ち帰り!? ……アベルさーん! 今助けてくれたらムーミん教に入ったっていい!(泣)
GM/周囲の人々が見ているのは講演台の方、ずるずると赤ムーミんが美中年を引きずっていても気付いていない……ポタポタと流れる血も周囲にすら気付かない状態です。
ショウ/みんな、見ろよー! とりあえず抵抗して逃げます!
GM/撃たれてがっちり捕まっているので、マイナス20%の【運動】ロールでお願いします。
ショウ/(ころころ)09! ここで失敗してたら死んでたね……!
GM/(ころころ)33……美中年の方が勝利してます。バッとショウさんは決死の力を振り絞って紫ムーミんから離れ、アベルさんの方に逃げます。
ショウ/に、逃げます……助けて、アベルさん……!
アベル/ショウさんを隅に連れて行って回復します! ムーミんパワーメイクアーップ!(ころころ)――クリってしまいました。
ショウ/愛してるぜムーミーん!(涙)
アベル/クリティカルなので2D6回復ですね。(ころころ)6です。
ショウ/あれ、2Dの期待値っていくつだっけ?(笑)
GM/ショウさんを撃った紫ムーミんは、恐れをなしたのでしょうか、会場から去って戦線離脱。紫ムーミんの姿は見えなくなりました。

 ●ショウVSレモンムーミん
GM/現在、残ったムーミんは2匹。講演台を目指して中央を歩いてくるレモンムーミんと、端で動かない青ムーミんがいます。
ショウ/アベルさんに回復してもらったので、前進してくるレモンムーミんの方に接触します。ハーイ、コンニチハ! ……今度の両手は通ってますか?
GM/急に声を掛けられたびっくりしたレモンムーミんは――両手を動かせるようなので通っているようです。
ショウ/すいません、パフォーマーの方は許可証を持ってない人は着ぐるみはダメなんですよ。こういうご時世なのでテロの方を警戒してるんですよ。――宜しければそこまで来いや!(笑)
GM/――では、レモンムーミんを引っ捕らえる為に判定を。
ショウ/(ころころ)……失敗。
GM/(ころころ)こっちも失敗。押し問答をします。――ではまた【サバイバル】お願いします。
ショウ/(ころころ)成功!
GM/(ころころ)……成功。
ショウ/……なんでさ? さっきから恨みでもあるのかー!(笑)
GM/ではムーミんの顔が……変わる訳がないのですが、ちょっとキレて――走って台の方に駆け寄りました!
ショウ/走った!
アベル/ムーミん様が来た! ねぇ、お話したいなー!
チャン/……アベルサン怖いヨ(笑)
アベル/では前に来てくれたので、【交渉術】でこっち来てねって言います。(ころころ)うわ、失敗した。
アカツキ/アベルさん、インカム越しに交渉してください!(ころころ)よーし、クリった!
アベル/――という訳で、行きましょうかムーミん様!
GM/抵抗したいのですが、インカム付きアベルさんがクリティカルだったので無しにします。
アベル/そのまま【運動】で車の方に連れて行きたいと思います。(ころころ)てへ、失敗でーす!
GM/(ころころ)抵抗に成功。むーっ、と怒ったムーミんはそっぽを向いて講演台の方向へ……。
チャン/ショウさん、レモンムーミんを叩き伏せちゃえば?
ショウ/捕まえたいので銃を持って着ぐるみの首根っこの部分に押し付けます。銃を使った行動なので【ハンドガン】で判定。(ころころ)成功!
GM/(ころころ)失敗……首元に銃を突きつけられてビクリとするレモンムーミん!
ショウ/ハイ、動かないでね。……ぶっ放しちゃうよ?

 ●チャンVS青ムーミン@
GM/一方その頃。赤をゲットし終えたチャンさんは……?
チャン/【運動】で走ってジッとしてる青いムーミん取り押さえに行くヨ。(ころころ)……ファンブル出た!
アベル/えっ! ファンブリャー!?
ショウ/しかもゲストがファンブルー!
チャン/何で百分の一が出るの! は、走って転んで死ヌのはイヤネ!(ころころ)達成値9!
GM/たったった……チャンさんは人が集まっているところを走っていったら、転んだ!
チャン/アイヤーッ!
GM/倒れる中国人二号。そこから「オイオイ、何やってんだよ……」と人波が。ぐにっ。ぐに、ぐにぐに、ぐに。――いっぱい踏まれた。チャンさんにダメージはありません、『転倒。ターン毎に抵抗判定に成功するまで行動不可』となりました。
チャン/ウニョー! こんな日本潰れてしまえばイイネー!(一同笑) 早速退かすネ!(ころころ)成功! 上に乗っかってる連中の足を払って転ばせる! 中国人をナメとったらアカンネ!
GM/青ムーミんはまだ動きませんよ。

 ●ショウ&アベルVSレモンムーミんA
GM/――こちらは抵抗します。達成値判定なので、取り押さえるには【運動】で勝利してください。(ころころ)29。
アベル/(ころころ)うわ、失敗!
ショウ/(ころころ)32……負けた!
GM/ではレモンムーミんは――講演台の一番最前列までやってきた! 周囲のお客達が「オイオイ、何やってんだよあのネコカバ!」
アベル/ネコカバ!?(笑)
ショウ/こうなったら【市街行動】で人混みを掻き分けてダッシュし、そいつを取り押さえる! 【クラスアーツ/フィールドクラフト】使っていきます! (ころころ)おらぁー成功だぜー!
GM/(ころころ)抵抗に失敗。――後ろから飛びかかりで抑えつけられたムーミん! すってーん! 美中年といっしょに転びます。
ショウ/その上に乗っかります!
GM/そこで、前で演説していたゲイリーが騒ぎに気付きます。「おぅ……?」マイクがその声を拾ったためか、周囲の客達も沈黙。周りはさっきよりも更に貴方達を注目しています。
ショウ/す、すいませんこの人、……変質者らしいんですよ! 痴漢なんです、騒がしくってゴメンナサーイ!
GM/下ではモゴモゴ、なんとか逃げようとするレモンムーミん。そんな騒ぎを余所に、ゲイリーは終わりの言葉を早々に言い、演説が終わらせ後ろの方に下がっていきました。
アベル/2人がかりで押さえ込みますが、降雪車になんとか連行したいです。
ショウ/よし、社長がいなくなったところで【運動】で連行する!(ころころ)あ……無理だった。
GM/では、一生懸命ムーミんがむーむー言いながら抵抗します。(ころころ)失敗した。
アベル/【運動】で連行をします!(ころころ)こっち失敗です。なんだかみんなでむーむー言ってます!(笑)
チャン/何やってんだアンタら(笑)
ショウ/気を取り直して今度は【ハンドガン】で取り押さえる!
アカツキ/ショウさん、【クラスアーツ/アドバイス】いきます。プラス修正付きで取り押さえてください!
ショウ/(ころころ)ゴメーン、リーダー……失敗した!
アベル/僕もやります。(ころころ)あー……ダメだ。
GM/アドバイス使ってもらってるのに! 一方ムーミんは抵抗します。(ころころ)成功。上にのし掛かっていた美中年を退かす! ムキャー! ――そして、レモンムーミんはおもむろに頭を取りました。
ショウ/あ、頭を取った!
GM/中の人はは普通に男でしたレモンムーミんさん。場所は講演台の最前列、……ガチャッとハンドガンを取り出します! しかし、『周囲は人にまみれている』場所で『抜き打ち』で『奥の方に行って射程が届きにくい相手に向かって』の三重苦マイナス判定でレモンムーミんは撃ちます!
アカツキ/そこに【クラスアーツ/フォーメーション】を使って、レモンムーミんの命中率をマイナス10%させます!
GM/最悪だ! ちくしょう!(笑) でも諦めず三発撃ちます!(ころころ)パンパンパーン! ……モチロン全部外れました!(笑) いきなりの銃声音。撃たれたことにより、会場が大混乱になりました。周りがキャーキャー騒ぎ出します! ……大混乱ですので、これからの判定全てにマイナス20%の修正が入ります!
ショウ/構うものか、目の前の撃った男に3発ハンドガンを撃ちます! 死ねや――!(ころころ)ダメージ合計26点!
GM/がふぅっ! ダメペナも入って……そのまま男は死にました。

 ●チャンVS青ムーミンA
GM/講演台の方で銃声がして、会場は大パニック中です。チャンさんはどうしますか?
チャン/復活したから【市街行動】でかき分けて青ムーミんまで走る!(ころころ)成功ネ。
GM/人ゴミの中を走ります。――端でずっと動かなかった青いムーミんの所まで辿り着きました。声をかけますか?
チャン/ハイコンニチハ……なんてしない!
一同/しないの!?
チャン/もう会場も大混乱だし、面倒だからいきなり顔を殴るネ。【格闘】で判定よ!(ころころ)成功!
GM/抵抗します。(ころころ)01。……やって来たチャンさんの拳をふっと避ける!
ショウ/な、何者!(笑)
チャン/……コイツ、ヤルネ。チャン、構えるヨ。シャーッ!
GM/同じく――青ムーミん、構える。アチョーッ!(一同爆笑)
チャン/【クラスアーツ/シュアショット】使ってハンドガンで黙らせるヨ!
ショウ/警告無し!? つか怪獣大戦争か!(笑) フツーのおっさんかもしれないだろ!
チャン/殴って避けるフツーのおっさんなんてイナイヨ!(ころころ)75で成功!
GM/(ころころ)――真っ直ぐ撃ち込まれた攻撃を華麗に避ける!
一同/なにぃー!?(笑)
GM/構えを取りながら、青ムーミんは渋い声で話し出します。「貴様……何者だ」
チャン/お前こそ何者ヨ!? 名を名乗レー!
GM/「我が名は――代々木武!
一同/誰!?(笑)
GM/「名乗れ! 貴様の名はなんだ!」
アカツキ/……ちなみにチーム名『ヴァイオレンスジョーカー』です。
チャン/ばじょじゃ!(一同爆笑) っていうかオマエ、テロリスト?
GM/「私は……この荒れた日本に修業に来た(ムーミんのパフォーマーでバイトをして出稼ぎをしている)正義の味方だ!」
チャン/なんじゃ、じゃかしいわコイツ!(笑) とっとと身分証明書見せるネ!
GM/バッと青ムーミんが着ぐるみを脱ぐと、――ジャッキー○ェンのようなムサイ筋肉質の男が顔を出します。
チャン/今、見たトコロ周りも大変デショ! アンタみたいなヤヤコシイ人はイランネ!
GM/「私は貴様のような強い人間に会う為に日本を旅をしてきたのだぁー!」
チャン/うるせぇ! やかましいわぁー!(ころころ)7ダメージ!
GM/「げふぁっ! ……いいパンチだぜ」(一同爆笑)
チャン/(カチッ)……タイチョー。コイツ、カンケー無さげネ。とりあえず鼻の骨砕いといたから大丈夫ネ。
アカツキ/降雪車から出て、演説台に立って【交渉術】で皆さんを落ち着かせます!(ころころ)成功。皆さん落ち着いてください! もう敵は殲滅しました! 皆さん、どうか落ち着いてください――!
アベル/僕も説得します!(ころころ)成功! ――いきなりマイクをバッと奪います。
アカツキ/あっ!?(笑)
アベル/皆さん落ち着いてください、――ムーミん様は貴方達の傍にいます!
一同/えー!(笑)
GM/すると会場が違うどよめきに包まれる。「ムーミん様?」「ムーミん様が?」「ムーミん様が……!」
アカツキ/ムーミん教徒が多いなココ!(笑)
ショウ/ハンドガン持ったまま、「やっちゃったー!」って顔をします! 司令、撃っていいですかアベルさんを!(笑)
チャン/……アレ、敵?
GM/「貴様の敵は私だー!」
チャン/ウルサイヨアンタ! シツコイ男嫌われるヨ! 【クラスアーツ/ノックダウン】使って蹴飛ばすヨ!
ショウ/――こっちは走って車の方に行くよ。まだ敵がいるかもしれないからライフルを回収します。
GM/では、降雪車にて高坂にライフルを渡され、美中年は再び外に出る――そこには土下座をして「ムーミん様ぁー!」と神を崇め奉っている人々の図が。
ショウ/なんだこりゃー!?(笑) タチの悪い病原菌だなぁ……別の意味でマズイもんが撒かれた!
チャン/結局、ウィルスってバラ撒かれちゃったノ?
GM/アベルさん、ここでもう一回【交渉術】ふってください。ここで交渉したら、後を好き勝手やっていいですよ?(笑)
アベル/はいっ!(ころころ)……成功だ!
一同/成功させるな!(爆笑)
アベル/皆様ー! 一日一ムーミんです! さぁ、今日から合言葉は『今日もムーミんってるー!?』なのです!
GM/人々はフィーバー、「イエーイ!」「ムーミん様サイコー!」と老若男女問わずやってます。
アカツキ/……今、雪を降らせましょうか。ポチっとな。
アベル/あっ! 皆さん、雪です! ムーミん様が降らせてくれたのですー!
GM/「オォームーミん様バンザーイバンザーイバンザーイ……!」
チャン/――っていうか結局……これは任務失敗なノ?


 ★エンディング 翌日 司令のアパート


GM/――早朝の新聞片手にやってくる高坂がアパートまでやって来ました。
ショウ/高坂さん、どうしました?
GM/「……任務としては、ウチの社長を守れっていうのは成功した。一般市民に被害を出さないという面も成功したが……、違う病原体が撒かれた気がしないでもないんだが」
ショウ/高坂さんの持ってきた新聞を見ます。
チャン/アタシも、後ろから覗くヨ。
GM/――大きな写真で、壇の上で手を広げて演説しているアベルの図が一面記事に。
アベル/す、素晴らしい写真です!(笑)
チャン/スゲー。カバ、チョー有名人ヤネー。
ショウ/……ちなみに、記事の内容はどういうものですか?
GM/『年末講演会にテロリストが乱入。その後、ムーミん様の力によって――』。
アカツキ/新聞にまで犯されてる!?(笑)
チャン/ナニ、カバは目指すは世界征服なノ?
アベル/……それもいいですね!(笑)
ショウ/貰った新聞を四折りにして、ガスコンロで燃しますよー! あー、綺麗な火だー!
アベル/あぁっ、燃やさないでください!
GM/――そんな中、社長とクロイツもアパートにやって来ました。
ショウ/ご無事で何よりです。……絶対無事じゃないんですけどもうツッコみません!
GM/社長自ら感謝の言葉を言います。「一時騒ぎにはなってしまったが、被害者が出なかっただけ良くやってくれたな。例の天然痘ウィルスも撒かれなかった訳だし、ミッションコンプリートおめでとう」……そしてクロイツがアベルさんに話し掛けます。「どうぞコレを」
アベル/コレは……?
GM/「ナース服です。――俺はナース教なんですよ
アベル/ナース教!?(笑) あ、ありがとうございます。早速ムーミんに着せておきます!
ショウ/これでムーミんナース教……メイド教といいパンダ教といい、なんか宗教に入ってないとワイズってやっていけないんでしょうか?(笑)
GM/「いや、そのような規定はないけれど。こういう荒んだ時代には心の支えがないと生きていけないからな」
アベル/ショウさんもムーミん教に入ればいいと思います!
ショウ/イーヤーだー! 俺はアメリカ産座敷童別名ブラウニーって言うの! 宗教には入らないの、絶対に入らないからなぁ――!