巨神戦記ギガントマキア・リプレイ・Forget-me-not Scarlett
■ 第10ループ 『 鮮血の楽園 -荒野- 』 ■
2009年1月6日




GM/『第9ループ』が終わった直後だけど……『第10ループ』、始めようか!

 この『スカーレット』というキャンペーンは、シナリオは1種類しか用意されていない。ただし、
★2回行動可能な日常シナリオMAPで、どのシナリオキーを入手したか。
★2回行動可能な情報収集で、既に入手したシナリオキーとどのシナリオキーを組み合わせるか。

 によって、大きくシナリオが分岐する。1つのセッションのたびに「どのキャラクター同士がくっつくか」によってストーリーを進行していくことがウリになっている。
 ……なお、今回の『第10ループ』は、『第9ループ』のセッションが終わった数時間後にプレイを再開している。2話続けての泊りがけのプレイだった。


アンジュ/アンジュが1人で突き進んだらどうなるかやってみたいな……。
レスター/みんなが助けないと何も出来ないアンジュが、敢えて1人で突っ走ってみるか。悪いことしか起きないような気がするけど……。
ラカート/俺、ダウナーなアンジュも好きなんだよな。……アンジュに堕落ポイントを稼がせたい!(笑)
シグ/『第10ループ』で切りの良い数字だし、いつもとは違うことやりたいね。ガチンコ勝負でもしてみる?
レスター/……PC間バトル?

 今回の最大のテーマは、『PvP』。
 助け合いをしなければシナリオキーの共有も、カードの受け渡しも、神格機兵の戦闘も出来ないような『ギガントマキア』で、どこまでPCは戦い合うことができるのか。
 記念すべき10話目にして、その目標にチャレンジしてみることにした……。


GM/では今回『第10ループ』では……カップリングは王道で、「カイル×シグ」「ルイス×レスター」。あとラカートとイオンは組んで、アンジュは1人になってみる……でいくかい。
アンジュ/はーい。1人ぼっち頑張りまーす。
GM/今回は普段通りの時間系列とマップは使用……出来ないかな。

 『ギガントマキア〜スカーレット』は時間が経過するごとに決められた「大体の」シナリオが進行していくシステムを取っている。
 それぞれのシーンは「ステージ」という単位で区切られ、ステージに登場したPCはあらかじめ提示された[シナリオキー]を入手することができる。
 シナリオキーはそのステージで得られる情報やアイテム、コネクションなどを意味する。特定のシナリオキーを入手することで発生するイベントなどもあるため、誰がどのシナリオキーを所持しているかが非常に重要となってくる。
 そのほか、ステージ内での行動によっては、既に提示されている以外のシナリオキーが入手できる可能性もある。シナリオキーを入手した際は、シナリオキー1つにつき1枚、山札からカードをドローできる。


 『スカーレット』のシナリオの進行を簡単に示すと、以下の通りになる。

【シグのオープニング:シグとカイルの過去)】
 シグが[シナリオキー/カイル]を入手)
    ↓
【レスターのオープニング:レスターとルイスの過去】
 レスターが[シナリオキー/ルイス]を入手。

    ↓
【アンジュ&ラカートのオープニング:アンジュとラカートとイオンの過去】
 アンジュ&ラカートが[シナリオキー/イオン]を入手。

    ↓
【日常パート】
 日常昼間と夜間のシーンを作る。PCは以下の好きなステージから2回選択し行動する。
 →ステージ名【イオンの部屋】[シナリオキー/イオン]を入手。
 →ステージ名【ルイスの部屋】[シナリオキー/ルイス]を入手。
 →ステージ名【カイルの部屋】[シナリオキー/カイル]を入手。
同一NPCのシナリオキーを2つ入手した場合、そのNPCとの関係がより深くなったことを表す特別なシナリオキー[シナリオキー/NPC’]を入手できる。
 例えば[シナリオキー/イオン]を既に所持している状態で【イオンの部屋】を選択すれば、[シナリオキー/イオン’]を入手できるのだ。
    ↓
【イオンの特別イベント】
 [シナリオキー/イオン’]を入手しているPCは、イオンと同室者となる。夜間にイベントが発生し、とある事件の現場に立ち会うことが出来る。
    ↓
【情報収集パート】
 メインとなる事件が発生。アークからの任務として、PCは以下の好きなステージを2回選択し行動する。
 →ステージ名【アークの詰め所】[シナリオキー/アークからの情報]を入手。
 →ステージ名【町の広場】[シナリオキー/現場]を入手。
 →ステージ名【市場】[シナリオキー/噂話]を入手。
 →ステージ名【一般住宅】[シナリオキー/少年の目]を入手。
 →ステージ名【スラム】[シナリオキー/女の話]を入手。
    ↓
 以上のイベントで、PCがどのシナリオキーを入手しているかで、ラスボスが誰になるか、どこで戦うかなどシナリオの傾向が決定する。


シグ/……TRPGとは思えない、よく出来たゲーム構想だな(笑)
ラカート/これ、今年の春に発売されるゲームの企画会議なんじゃね?(笑)

 みんなで作っていく『スカーレット』。
 それでは記念すべき10回目PvP編、はじまりはじまりー。



 巨神戦記ギガントマキア
  「Forget-me-not Scarlett」 第10ループ



 ●シーン1

GM/では、まず【日常パート:その1】のシーンです。誰がどこにいくか相談の上、GMに申告してください。
シグ/シグはやることは決まっています。カイルさんとフラグを立てたいので、毎度お馴染み【カイルの部屋】に行きます。
レスター/レスターもルイスのフラグを立てたいので、いなくなったルイスのことを調べに……アンジュを拾ったスラムに行ってみたいな。
GM/それだと、場所はスラムだけどルイスのフラグが立つからステージ名は【ルイスの部屋】になるね。レスターは【ルイスの部屋】……と。
ラカート/ラカートは、今回は普通にイオンと仲良くなっておこうかな。……あ、でも初期段階で[シナリオキー/イオン]を持っているから夜間にイオンに会えれば敢えて行かなくてもいいのか。
アンジュ/……アンジュはどうしようかな。
ラカート/アンジュはどこに行っても出来るイベントは一番多いからね。
アンジュ/ラカート兄はどうするの? ラカート兄が決めた後にアンジュは空いた場所に1人でいくよ。
ラカート/イオンと仲良くなっておかないと……[シナリオキー/イオン’]が無いと、例の「お兄ちゃんいるんだよ」のイベントが発生しないんだよな。じゃあ……夜間は【イオンの部屋】に行くけど、墓島フラグが欲しいから昼間は【カイルの部屋】に行く!
アンジュ/……それだったら、アンジュはイオン兄と一緒に妖怪ブオー退治ってことで【ルイスの部屋】行ってきます!
レスター/ルイスの部屋が荒らされる!(笑)
シグ/……それだと、シグとラカートが【カイルの部屋】で鉢合わせしますね。
ラカート/別に俺と鉢合わせしたっていいんじゃない? 一緒にシーンやっても構わないと思うけど。
シグ/ですね。俺には≪リーディングコード≫があるからシナリオキーはいくらでも回収できる。カードが無いと何も出来ないけど……。じゃあ、鉢合わせしましょう!


 ●ステージ/ルイスの部屋

GM/まず最初に、アンジュの【日常パート】をやろう。アンジュとイオン、シーンに登場して。
アンジュ/はーい。
ラカート/はーい。
GM/……ラカートじゃなくて、イオンだよ?
ラカート/あ、間違えた。いつもアンジュと一緒に居るから……。イオンのキャラロールなんてテンション高くてできねーよ(笑)
GM/いきなりイオンになって)「なら俺がラカートやってやるよ。ラカートビーム!
ラカート/やめろぉー!?(笑)
GM/「アレがオマエでアイツがオレで!」
ラカート/「アレがオマエで」ってお前じゃないのかよ!?(笑)
GM/ではアンジュ。ルイスの部屋だった妖怪ブオーの間に現れてください。
アンジュ/宿舎をブラブラ探検していて……妖怪ブオーの部屋の前をビクビクしながら通り過ぎる……けど、あれ? 今日は音がしないぞ?
GM/いつもブオーって音がするのに今日はしないね。なんでだろ。
アンジュ/あれー? 部屋にバタバタ戻ります! ねえ、イオン兄ー!
GM/部屋ではイオンがワイングラスを片手に「おかえり」と優雅に出迎える。
アンジュ/……何、飲んでるの?
GM/「お前、こんな物も判らないのか」
アンジュ/ワイングラスだし……ブクブクしてるから、ファンタグレープ?
GM/爽健美茶だよ
アンジュ/ブクブク泡立ってるって俺言ったよ!?(笑)
GM/「ヤッベ、石田純一ボタンを押したままだった」
アンジュ/イオンボタンに切り替えて! ポチッ!(笑)
GM/(ミッキー●ウス調に)「ドーシタンダイアンジュ、何カ大変ナコトデモアッタミタイダネ!」
アンジュ/イオン兄……もしかしてそれ、俺の真似?
GM/「マルデブオーニ会エナカッタミタイジャナイカイ?」
アンジュ/そう、ブオーに会えなかったんだよ! ……じゃなくて!(笑) ……イオンボタンどこだろ、ポチポチ。
GM/(ラッパー調に)「何があったんだYO!」」
アンジュ/あのね、ブオーの前を通ったのにブオーがいなかったんだ!
GM/「じゃ俺と行ってみるかYO!」
アンジュ/うん、1人だと怖いからイオン兄……ついて来て。
GM/「行くYO!」……では、イオンはいつでも冒険に出掛けられる準備をして……ブオーの部屋に行きます。
アンジュ/せーのっ! 中を覗きます!
GM/ドアを開けてみると部屋には誰も居ない……まるでモデルルームのような美しい部屋が広がっています!
レスター/毎日西暦の遺物ダイソンで掃除してるからな(笑)
アンジュ/……いつも妖怪ブオーが居ると思ったけど、誰も居ないね。
GM/「よし、ブオーの痕跡を探すYO! 【感知】判定だYO! 難易度は10!」
アンジュ/お、おう!(ころころ)……成功。
GM/アンジュは、とある所に写真立てがあるのに気付く。伏せていてどんな写真か判らないけど。
アンジュ/写真が倒れてる……直してあげよー、ひょいっと上げます。
GM/フェルトリーナ隊の写真のようです。「おう、コレはシグさんとレスターさんと艦長ではあーりませんか!」……おや、レスターの隣に居る……黒い男性のって。
アンジュ/……あれ、この人……?
GM/コウモリ羽のフェーダだ。アンジュは見たことある。……アンド、頭痛。
アンジュ/い、いたっ!
GM/「お、おい!? どうかしたのか!」
アンジュ/あ、頭痛い……!
GM/ベホイミ!
アンジュ/……イオン兄にぎゅーって抱きつきます!
GM/「わあっ!? ……ど、どうしたんだよ。俺の体を搾っても爽健美茶ぐらいしか出ないぜ」
アンジュ/そうだね、さっきまで飲んでたからね(笑) ……暫くイオン兄に抱きついて、イオン兄の声を聞いてて落ち着きます。
GM/フグの毒でやられたときは頭だけ残して埋めるんだぞ
アンジュ/……そうなんだ……フグって怖いね(笑) でも怖いのは……写真をチラッと見直します。
GM/もう一度写真を見ます。レスターの隣に立っている黒い男性のことを知っているような気がする。一体誰なのか判らないけど……でもこの人と沢山お話をしたことがある気がする。
アンジュ/……イオン兄! 俺、この人知ってる!
GM/え、これがスマップ!? すげえ!
アンジュ/俺、ビストロスマップ好き! いつも美味しそうだよね! ……じゃなくて!(笑) ……思い出せないんだけど知ってる気がするんだ。
GM/「名前は……フーミンかげろしゃぶだな」
アンジュ/もっとカッコイイ名前にしようよ!?(笑)
GM/「でもお前、記憶喪失なんだよな? 知ってるってことは……この写真に映ってるレスターかシグか艦長に訊けばヒントが貰えるってコトじゃね?」
アンジュ/そ、そうだね! よし、今度会ったら訊いてみよう。……誰に訊こうかな。
GM/「あ、一番訊きやすそうな人にいこうぜ! コイツコイツ!」と言って……女の人を指差します。「ホラ、前に来てただろ? ミモザさんだよ!」
アンジュ/……ミモザさんを見ます。
GM/以前ご挨拶したことがある、ラカートの前任のミンストレルだ。現在妊娠中でフェルトリーナ隊からは脱退しているらしいよ。
ラカート/隊を抜けた後も遊びに来てたんだね。
レスター/お腹かかえながら……新しい子が来たって、あらあらうふふ。
アンジュ/確かにあの人なら訊きやすいかも。いつもニコニコしてる。……訊いてみようかな。
GM/じゃあイオンがミモザの住んでいる住所を教えてくれます。
アンジュ/じゃあ行ってみよう。……この写真、借りていいかなぁ?
GM/「いいんじゃね? ブオーを倒さないと手に入らない宝だけど
アンジュ/ブオーはドコだー!?(笑)
GM/「今のうちに盗んでおけば問題無い! ドロボウは嘘ツキの始まりだぜ!」
シグ/……逆!(笑)
GM/ではアンジュは[シナリオキー/ルイス][シナリオキー/アンジュの記憶(1)]を入手してください。シナリオキー2つに接触したのでカードを2枚山札からドローしてください。
アンジュ/はーい。ロボット呼ぶためにもカードいっぱい引かなきゃー。


 ●ステージ/ルイスの部屋2

GM/次はレスターのシーン。レスターは外に出て……毎度のように街を彷徨うんだね。
レスター/今日はアンジュが拾われたというジャンクの山に行ってみようかと。フラっと街に出て行きます。
GM/ではレスターは人が多い住宅地ではなく、スラムでも人通りの少ない……ゴミ捨て場的な場所にやって来ます。ゴミばっかりで空き缶を捨てても誰も咎めないであろう人の少ない場所です。どうやらイオンとラカート曰く、この辺りでアンジュを拾ったらしいよ。
レスター/……おそらくここで倒れていたんだろう場所を見て、何か残されていないかというか調べます。
GM/≪捜索スキル≫で判定してください。使用する能力は【感知】だね。
レスター/(ころころ)15。
GM/イオンがここを近道に使うぐらいだ、それなりに人は来る。……ガサッと音がします。
レスター/音がした方を見ます。
GM/そこには、ジャンク屋らしい女性がいます。「あ、フェーダがいる」という顔をした後、売れそうなゴミを探しています。
レスター/じゃあそのジャンク屋の女性に声を掛けます。……この1週間、この辺りで変わった人間は見なかったか?
GM/「変わった人間? そうね……空飛んでる人が頻繁に来るようになったわ」
レスター/フェーダ?
GM/「アンタみたいな羽じゃないけどね……まあ、このロックブーケはいつ旅人が来てもおかしくないけど」
レスター/どういう姿形なんだ。
GM/「アタシは飛んでるのを見ただけよ。アタシがここで仕事をしたときに音を立ててはどっか行っちゃうの。アンタ、仲間なら怖がらせないでって言っておいてよ」
レスター/……すまない。
GM/「なんで謝るの? 知り合いなの?」
レスター/おそらくな。……テキトーに嘘ついておくよ。アイツも気まぐれですぐに居なくなるから、どこに行ったのか判らなくて困っているよ。
GM/「そうなの? でも最近よくこの辺で見かけるわね……」。では今回は特別に【日常パート】の段階で[シナリオキー/女の話」を特別に入手してください。
レスター/はーい。(カードを山札からドローして)……希望のカードか。新たに旅人が来たのか、それとも……。


 ●ステージ/カイルの部屋

GM/次は、ラカート&シグのシーンに行きます。
ラカート/ぼーっと艦長の部屋まで歩いているところで……シグとバッタリ会います。
シグ/あ、どうも。ラカートさんもカイルさんに用ですか?
ラカート/あー、アンジュの話をしようと思って。アンジュの奴、まだ色々判ってないみたいだし、ベッドをもう1つ入れてもらって俺の部屋を3人で使おうかなって言おうと……。
シグ/俺はその騒音の話をちょうどしに来たんですよ(笑) ……全ての意見を総合してカイルさんに判断してもらいましょうか。
ラカート/じゃあ、一緒に入るか。
GM/シグがコンコンとカイルの部屋をノックする。……返事はありません。
ラカート/あれー、居ないのか? ガチャっと勝手に入る。
GM/鍵は掛かってません。中に入ることができます。
ラカート/不用心だぞ、艦長ー。勝手に入って行って……。
GM/では2人とも【感知】判定。難易度は13。……散乱した書類の中から『墓島』『強化兵』のキーワードが得られるかの判定です。
ラカート/(ころころ)15。
シグ/(ころころ)……低いな。カード使わないで失敗しておこう。俺は酒瓶を片付けます。
ラカート/テキトーに目を向けたときに……書類に『墓島』『強化兵』……なんだこれ……? 書類に手を取ろうとする。
GM/デスクに突っ伏して寝ていたカイルが目を覚まします。(カイルになって)「ん……? お前ら、何やってんだ。勝手に人の書類を見るなよ」
ラカート/じゃあこんな所に書類置いておくなよー。
GM/次に、『墓島』のキーワードを見てピンとくるかの判定をします。【知力】で15以上で事前知識があることにします。
ラカート/(ころころ)ああっ、14! 俺はここで判っておきたいから……カードを1枚使って達成値17にするよ!
GM/ならラカートは知っている。『強化兵』とはその名の通り、強化手術を受けた兵士のことだ。薬物ドーピングや精神的圧力を掛け作り出された兵士だと聞いたことがあるな。
ラカート/風の噂で聞いた程度だけど……。カイルの奴、こんなコト調べているのか。こんなモン置いておくなよー、言いながらテキトーにソファに座ります。
シグ/ラカートさん、ロードの書類なんか見たら懲役されちゃいますよ。夜中にいきなりオジサンが現れますよ。
ラカート/いいオジサンなら現れていいよ!(笑)
GM/カイルは目をゴシゴシしながら尋ねます。「お前ら、何しに来たんだ?」
ラカート/俺は部屋割のことを話に来たんだ。
GM/「アンジュのことか」
ラカート/ああ。アンジュの記憶がちゃんと戻ってないからこれから色んなことを教えていかなきゃいけない。だから他の部屋に移すのも可哀想かと思って。
GM/「なら俺の部屋にアンジュを連れて来るか。精一杯カラダで勉強させてやるぞ」
ラカート/オイコラ、誰がやるか!(笑) だからさ……ベッドを1つ多く入れてもらおうと思ってるんだ。
シグ/俺としては騒音問題のため部屋を分断することを強く提案します(笑)
ラカート/それならカイルがシグを引き取ればいいじゃん、この部屋防音なんだろ?(笑)
シグ/ラカートさんが2人を止めてくれれば済む話なんですよ!
ラカート/俺に2人が止められると思うのか!?
シグ/思わないから分断しろって言ってるんじゃないですか! 俺、間違ったこと言ってますか!?(笑)
ラカート/イオンの世話を見るのは俺しかいないだろ!? でもってこの状態でアンジュを放置するのは可哀想じゃないか!
シグ/ラカートさん、分裂できないんですか。
ラカート/分裂したところでうるささは変わらないぞ。寧ろ俺が増えてうるさくなるだけだ。……だからお前が艦長のところに行けばいい! お前がいなきゃダメになるだけだぞ、この男!(笑) いいかげんヤっちゃえよー!
シグ/オヤジみたいなこと言わないでください。
ラカート/オヤジだもーん(笑) じゃあ俺は言いたいことは言った! これ以上俺が居たらお前達が話を出来ないよな! 邪魔者は退散するぜ、後は若い者同士でな! 明日足腰立つ程度にしとけよ! アディオース!
GM/SHI・NE!」(一同爆笑)

 「SHINE」……その美しい輝きは、GMの口からローマ字読みで発せられた。
 いや、プレイヤーみんなすっごく仲良しです。


アンジュ/大爆笑した後に)凄いシーンを見た……カイルさんの部屋がここまで賑やかだったことあったかな!(笑)
GM/ラカート相手だとカイルさん、素だからね。心許してるってそういうことだよ。……あ、忘れずにラカートは[シナリオキー/カイル][シナリオキー/墓島・強化兵]を入手してください。
ラカート/2枚カードを引きます。(ドローして)……友情と勇気引いちゃった。シーン退散しまーす(笑)
シグ/はぁ、ラカートさんと会話すると疲れるんですよね……(笑)
GM/「……で、シグ。お前の話は何だ?」
シグ/あ……あと、レスターさんのことです。彼、ルイスさんのことを諦めきれてないようで。
GM/「そうだな……俺からも改めて忠告しておくか」。カイルはレスターのことを気にかけているので真剣に受け留めます。
アンジュ/カイル艦長ってレスターさんのことが好きなんだよね。……『第3ループ』で言ってたっけ?
シグ/ええ。『第3ループ』でカイルさんがレスターさんのことが好きだっていうのは言ってました。……それをシグが知ってるかは微妙だけど。
GM/ルイスを研究所に送ったのは、サンプルを研究所が欲していたという理由も、ルイスを殺すのも惜しいという考えもあったけど、カイル自身がレスターのことが好きだからっていうのもあるんだよ。
シグ/……まあいいや。今日もレスターさんはルイスさんのことを探して出て行ったんですよ、って言います。
GM/「……そうか。シグ、お前が慰めてやれよ」って冗談ぽく言います。
シグ/それはちょっと。……ところで、カイルさん。今までお仕事してたんですか? お疲れのようですけど。
GM/「俺はいつだって仕事してる」
シグ/そうですね、貴方は仕事してるか酒飲んでるかだ。
ラカート/……だから寝ないし食べない。せめて食堂ぐらいは来い! この不健康!(笑)
シグ/ラカートさんがテキトーに見ていた書類を1枚取ります。……この、墓島強化兵って何ですか?
GM/「……。俺の個人の仕事だ、お前には関係無い」
シグ/言われて、ムッとした顔になります。……個人的なお仕事の話でも、ちょっとだけでも話してくれたらいいなって思っただけですよ。
GM/「隊には関係無い。だからお前には話さない。それは俺個人の用事だからな」……突き放すようなことを言います。
シグ/……お手伝いをしたいという俺の個人的な願いも聞いてくれませんか?
GM/「……あまりお前に手伝ってもらいたくはないと思っている。それでも聞くか?」
シグ/仕事してるかお酒飲んでるかの人を寝かせてあげたいと思うぐらいいいでしょ。
GM/「ハハッ。……でも、その話をしたらお前はどっかに行く可能性が高いからな。言いたくない」
シグ/どんなことなんですか?
GM/言わせたいなら≪交渉スキル≫で難易度15。
シグ/(ころころ)よし、19で成功です。
GM/あまりにシグが真剣に尋ねてくれるので、カイルは悩んだ末に言います。「……ルイスやアンジュが関わってくる」
シグ/ピクリ。
GM/「それにその話をお前が聞いたら、今更かもしれないが……俺に幻滅するかもしれないぞ」
シグ/……これ以上見損ない直すこともないと思います。だから大丈夫です。
GM/「なら、今晩俺の部屋に来い。話してやる」……ではシグさん、[シナリオキー/墓島・強化兵[シナリオキー/カイル’]を入手してください。
シグ/(ドローをして)……お、愛の6のカードが出ました! ベスト配置!
GM/……以上で【日常パート:昼間】が終了です。次は【日常パート:夜】になります。どう動きますか?
レスター/レスターは相変わらずルイスを探して……スラムを捜索してます。【ルイスの部屋】のままにします。
ラカート/ラカートは、イオンとフラグを立てておかないと後々辛い気がする……でも墓島のことも調べたいし……。
アンジュ/イオン兄を連れてパソコン室に行くとか?
ラカート/だな。カチャカチャ情報収集しながらイオンと絡んでいくか。【イオンの部屋】を選択します。
アンジュ/アンジュは、ミモザさんの家に写真を持って訊きに行きます。1人でおつかい行ってくる!
シグ/シグは【カイルの部屋】に行きます。


 ●日常・夜/アンジュ


GM/アンジュはラカート兄に手書きの地図を描いてもらってミモザさんの家にやって来ました。ミモザさんが笑顔で出て来ます。「あらあら、貴方は……アンジュくんだったかしら?」
アンジュ/はい、夜遅くにすみません!
GM/「まあまあ、上がってちょうだいー」とミモザさんは家に上げてくれます。夫の熊のライカンスロープさんがご飯も用意してくれます。
アンジュ/わあ、熊のライカンスロープだ……おっきい。俺もあんな風になれるのかな(笑)
GM/まだまだアンジュは仔犬だからきっとなれるよ(笑) ご飯をご馳走になりながら「何かあったの?」
アンジュ/あの、前に俺は記憶喪失なんですってお話をしましたっけ。
GM/「ええ、聞いたわ」
アンジュ/この前、妖怪ブオーの部屋に行ったんです。
GM/「あらあら、大変だったわね。怪我は無かった?」
アンジュ/ハイ、ブオーは居ませんでした! ……じゃなくて(笑) そのときに、この写真を見たんです。
GM/ミモザさんはほっぺに手を当てながら、「あらあら……1年以上前に撮った写真ね」と言います。
アンジュ/この……黒い、コウモリの羽のお兄さん、知ってますか?
GM/「……ルイスくんのこと? 10ヶ月前に脱退した子よ」
アンジュ/なんで脱退しちゃったんですか?
GM/「任務中に……亡くなったと聞いているわ」
アンジュ/……死んじゃったんですか?
GM/「ええ……私達のいる場所は軍隊だから仕方ない話だけど。この人がどうかしたの?」
アンジュ/えーと……俺、この人のことを凄く知っているような気がするんです。だからこの人に会えば何か思い出すんじゃないかと思ったんです。
GM/記憶喪失と言ったばかりなのであらあらと驚きます。「ルイスくんのご親戚……な訳ないから、同じ所に住んでいたとかかしら?」
アンジュ/俺は犬でこの人はコウモリだもんね……近所のお兄さんだったとか?
GM/ミモザさんはルイスのことを話してくれます。サムライで活躍していたことや、いつもムスッとした顔だったってこととかね。「写真にも入ってもらうの大変だったわ。レスターくんもなかなか入らないんだもの」
レスター/……2人とも、渋ったんだ(笑)
アンジュ/あ、だからこんなムスっとした顔なんですね(笑) ……でも笑うと凄く優しそうなんだ……と思って、この人知ってるかもしれないと強く感じておきます。
GM/「こんなことしか言えなくてごめんなさいね」
アンジュ/いえ、ありがとうございました! やっぱりこのルイスさんって人のこと、知っている気がしました!
GM/「そうね……それなら、≪リーディングコード≫を使ってみてはどうかしら? メイガスの魔術の一つなんだけど、記憶を引き出すものなの。療法の一つとして思い出して」
アンジュ/えっと……そうすると俺、メイガスはシグさんぐらいしか知らないんですけど。
GM/「シグくんも確か使えたと思うわ。あと、ルイスくんはフェルトリーナ隊に所属していたんだからカイル艦長に頼めば名簿を見せてくれるかも。きっと調べてくれるわ。あの人は情報収集に長けていることで有名な人だから」
アンジュ/へー、そうなんだー。
GM/「なんでも知っていることで有名なの。ロードとしての経験も長いしね。それとレスターくんがルイスくんとは仲良しさんだったから教えてくれるかもよ」
アンジュ/わあ、いっぱい教えてくれた。ホントにありがとうございまーす! ぺこぺこ!
GM/シッポパタパタのアンジュに「あらあらうふふ」と微笑むミモザさん。ではアンジュは[シナリオキー/ルイス’]を手に入れてください。これでアンジュは完全にルイスにフラグが立った状態になります。
アンジュ/はい。(ドローして)……愛のカードを貰いました。じゃあもう夜なので長々居てもアレなので帰ります。
GM/「ちゃんと1人で大丈夫? お迎え呼ばなくていいの?」
アンジュ/大丈夫です。俺、犬なんで帰巣本能ありますから!(笑)
ラカート/だったら本当の場所帰れよー(笑)
アンジュ/無茶言うな、海の向こうだよー(笑)
GM/じゃあシーンを閉じます。アンジュ、他にやりたいことはある?
アンジュ/……あ、すみません。アンジュの帰巣本能で……自分が捨てられた場所を近道として通ってみていいですか?
GM/可能だね。特別にそのシーンを作ろう。アンジュは宿舎への近道として噂のジャンクの山の前を通ります。
アンジュ/スラムをざくざく。……あのときは意識が朦朧としてたからよく覚えてないけど、俺はここで……。
GM/そこで、ここに置いて行かれる光景が思い浮かぶ。
アンジュ/ん?
GM/弱った君は雨の下置いていかれる。微かに見えるのは黒い羽の男。彼は君をここに放置すると、苦しみながらどこかに去って行く。
アンジュ/……手を伸ばしても届かない……。
GM/そしてズキッと頭が痛くなる。
アンジュ/うっ。頭を抱えてぷるぷるします。……やっぱり真っ直ぐ帰ろう。イタタ……。
ラカート/……なあ。これって、『ルイスは生きている』っていう確信になるんじゃないか?
アンジュ/あっ、そうだ! 俺が拾われたのは1週間前、つまり捨てられたのも1週間前、でもルイスさんが死んだって言われてるのは10ヶ月前、俺をここに捨てたのはルイスさんぽい……これって、生きてるってことだよね!?
GM/1人で考えてたらピコーンと思いついちゃったね。
アンジュ/これって誰に教えてあげた方がいいのかな……でも艦長もシグさんも怖いし……レスターさんはあんまり話したことないし……ラカート兄には迷惑掛けちゃいけないよね……。
GM/……1人だね。
アンジュ/……『1人でなんとかしないと』いけないもん!
GM/新事実にちょっとだけパタパタシッポを振りながらアンジュは宿舎に戻ります。では特別に[シナリオキー/アンジュの記憶(2)]を手に入れてください。


 ●日常・夜/ラカート&イオン

GM/次は、ラカートのシーンです。……ラカートはイオンとパソコンルームで居ます。隣には真剣にパソコンに向かっているイオンが居る。
ラカート/……何やってるんだ?
GM/「スゲーだろ、この集合写真! 全部シグの顔なんだぜ!」
ラカート/スゲーな。でもちょっと気持ち悪くないか、コレ。
GM/「本物はモミアゲが縦ロールになってるからすぐに判る」
ラカート/寧ろ1匹だけ偽物になってね!?(笑)
GM/「プリントアウトして置いておくか。食堂に
ラカート/食堂に!?(笑) 公開しないでせめてシグのドアの隙間に挟んでおくぐらいにしておけよ!
GM/「なんだ、用紙切れかよ」
ラカート/良かったな、シグ!(笑) ……俺は隣のパソコンで、家出届けが警察から出てないかなーとか失踪事件が無いかなーとか調べてます。家族が心配してるとか……そういえばさ、イオンとあまり家族の話したことないよな。
GM/「ドッキーン! そんな、家族と挨拶したいだなんて!」
ラカート/なんか面倒な勘違いだな(笑) で、居んの?
GM/「居るよ」
ラカート/居るんだ。お前だったら木の股から生まれたって言われても信じちゃうところだったよ。
GM/「そう言うつもりだったんだ」
ラカート/マジで!? ……本当のところは?
GM/「兄ちゃんいるよ」
ラカート/兄ちゃんいるんだ……それは嘘じゃないよな?
GM/「俺は嘘吐くときは素直に『嘘だ!』って言うぜ」
ラカート/正直者ですよねー(笑) で、兄ちゃんってどういう奴なん?
GM/「金髪の美形だぜ」
ラカート/……髪の色、違うんだ。
GM/ガーン!?
ラカート/深いコト訊いちゃった!?(一同笑)
GM/ではそんな風にイオンと交流してるけど……『墓島』のことについて調べるのかな?
ラカート/はい。≪電脳調律スキル≫でググってみようと思います。
GM/流石にカイルのパソコンと直に繋いでいる訳じゃないから詳細までは判らないけど、判定できるよ。難易度は……18以上かな。
ラカート/ガンバレ俺。(ころころ)友情の4を使って、20で成功させます。
GM/……では、相当嫌なことが書かれている。改造人間にされるという信憑性のある噂をラカートは見ます。
ラカート/うわ、えげつな……。コレ、どっかの世界で現実に起きてることなのか……。超信憑性あるけど俺達には関係無いな。
GM/「そういう所に連れて行かれると、拘束されて変な薬とか飲まされるんだよなー」
ラカート/お前こういう所に行くんじゃねーぞ、甘言に釣られて連れて行かれるとこんなことになっちまうんだからな。
GM/「判ってるって」
ラカート/そう言ってお前はいつもどっかに連れて行かれるんだよ! ホントに知らない人について行っちゃいけませんよ!
GM/「ラカート」
ラカート/あ?
GM/……俺、NPCだぜ?
ラカート/身も蓋もない! GMの用意したシナリオには抗えないよね、そりゃ!(一同爆笑) ……俺、お前ほどメタになれねーや(笑)
GM/「でも俺について来てくれてるってコトは、惚れてるんだろ?」
ラカート/ああそーだよ、今回の俺はイオンに付きっきりでいくよ、お前の言う事はなんでも聞いちゃうよ、『お前の言うことしか信用しない』よ!(笑)
GM/「そうか、『俺しか信用しない』ね……」。ではこの辺でシーンを切ります。ラカートは[シナリオキー/イオン’]を入手してください。
ラカート/(ドローをして)……あ、友情が返ってきた!(笑) イオンとは友情を結んでおけってことかー。


 ●日常・夜/ルイス×レスター

GM/次にレスターのシーンいきます。あれから何日もルイスに関して調べてきた。今日、夜にやって来たのは……誰も住んでいない廃ビルだ。
シグ/甘酸っぱいな……セピア色の思い出の場所か(笑)
GM/その遺跡は超高層な遺跡です。ロックブーケだしな。エレベーターは勿論止まって使えないので、普通の人間は上まで登る前にギブアップしてしまう。ホームレスも上には居付きません。
ラカート/登るの大変すぎだよね。階段なんか使ったらマシンネイチャーだったらショートしちゃうよ。
シグ/【体力】2のエルフは≪テレポートコード≫でも使わないと行けませんよ。
GM/愛のカードをわざわざ使わないと登れないね。……そんな中、レスターは思う。ビルの高層で、人の気配がすることに。
レスター/……フェーダだから窓から入れる。もしかしたら……と思って行きます。
GM/最上階に近いところの、割れたガラスから入り込みます。一つ一つフロアを確認していると……レンジャーの勘で、やはり誰かが居る気がするね。
レスター/……ルイス? 会えるものなら会いたい。探します。
GM/いきなりですが【感知】判定。(ころころ)難易度は14。
レスター/(ころころ)成功です。
GM/ザスッ! 突然レスターを狙ったかのような刃が壁に突き刺さる。剣だけが飛んできた!
レスター/自分の剣を抜きながら、飛んできた方向を見ます!
GM/連撃が来ます。(ころころ)再度【感知】で判定して、今度の難易度は16!
レスター/(ころころ)20、避けます!
GM/いきなり≪スローイングダガー≫がザクザクと飛んできたところをレスターは飛んで逃げる! オフィスの広いフロアを駆けると……バサッと羽が舞う音がする。
レスター/……フェーダ!
GM/でもレスターと同じような翼の音とは違う。……人影に目を向けると、マント姿。そして見えるのは真っ黒。夜だから黒いというのではなく、黒い羽だ。
レスター/……誰だ!?
GM/答えない。寧ろ……答えられないというべきか。「グググ」と唸り声を上げる……コウモリ羽。
レスター/≪カタナ≫で攻撃して暴きに行きます!
GM/近寄って応戦すると、マントの男は緋文刀と思われる武器を取り出して受け答える。ガキンと火花が散る!
レスター/顔は……見えませんか!?
GM/ちょうどそのとき、接近してるし月明かりで顔が見えるのかな。……その顔は、もしかしなくても……。
レスター/火花が散った後、もう一度飛び移ります! ……ルイス……なのか?
GM/……答えることはない。男は胸を抑えて、奇妙な呻き声を上げる。レスターは何度も人魔と対決したから判る、今の状態が普通じゃない、と。
レスター/人魔化……してる……。
GM/今度は【体力】判定しましょう。(ころころ)難易度は18。
レスター/(ころころ)……失敗。ここは負けておこう! 刀をガシャンと飛ばされちゃいます。でもって今度は≪エーテリックボウ≫を取り出そうとして……。
GM/その瞬間激しく蹴り飛ばされる。感じたことのないほど物凄い力で。
レスター/うわっ! ……転がります。
GM/マント男はレスターの首根っこをガンと掴んで地面に押し付けます!
レスター/地面に押し付けられた? じゃあ……見上げたら、顔が見えますね。
GM/うん、見えますね。……見上げてみると、その顔は……ルイスのものだ。
レスター/……やっぱり。
GM/でもルイスではないものにも見える。だってルイスの目には聖印なんてないし、真っ赤な目でもない。額や喉にも聖印なんて無かったもの。
レスター/あ……それには流石に驚いて……ルイスなのか……とまた確かめるように訊きます。
GM/「レス……タ……あ……?」と、搾り出すかのような苦しい声。苦しげに喘いだ後、でもレスターを押し付けるように……そのまま、服を剥ぎます。
レスター/……きた!
GM/ヴァイオレンス描写、入ります(笑) レスターを痛めつけるかのように突き上げます。苦しみながら呻いては抑えつけて……また呻いて。
シグ/思い出の場所で……。
ラカート/スッゴイ痛々しい……。
レスター/でも……痛くて苦しいけど、抱きしめるよ。
GM/抱いているうちにルイスの目は変わってきます。……頭を抑えて、叫び声を上げる。
レスター/ルイス……。
GM/……事が終わったとき、ルイスの腕が離れていきます。衝動が治まったのか、苦しんではいるけれどよろよろと後ずさっていきます。
レスター/息を切らしながら……。何があったんだ……? 自分も服破かれたけど、ルイスも破かれてますよね? そこから様子伺えませんか。
GM/露出した肌から見えるのは……そこにも聖印かな。腕や横腹にも聖印があるのが見える。クルースニクの聖印は1つなのにね。……ルイスは、体全身を抱えて蹲ります。
レスター/……逃げようとするルイスを引き留めて、また抱きしめます。で、耳元で……ずっと傍に居るから……って言います。
GM/……その声に、苦しむ声も逃げようとする動きも全て止まる。そして弱々しくレスターの腕を掴む。「……レスター……」と小さく君の名前を呼ぶ。
レスター/……ああ、俺だ。
GM/…………。ねえ、『話せないキャラロール』って難しいんだけど。
ラカート/そりゃTRPGですもの(笑)
GM/よし、宣言しよう! 『これから先、衝動を抑えてくれた人にはルイスはペラペラ喋ることにします!』(笑)
シグ/10ループ目にして新ルールが出来た!(笑)
GM/ルイスは自我を取り戻して喋り始めます。でも「レスター……」と声を掛けるだけで、大丈夫かとは言わない。自分が傷付けた自覚があるからね。
レスター/俺は大丈夫だよ。ルイスの体をぽんぽんと撫でながら言います。
GM/「すまない……」。唇を噛む。
レスター/ルイス、どうしてこんな姿になっているんだ? 今まで何があったか教えてくれないか。
GM/……長く沈黙が続いた後に口を開きます。「……お前は、まだフェルトリーナ隊にいるんだな?」
レスター/頷く。
GM/「あそこに居るのは安全なのか、いや、だがしかし……」
レスター/あそことは何処の事だ? アークに何かあるのか?
GM/「……お前には話しておくべきかもしれない。アークに危険分子が紛れこんでいる」
レスター/……危険分子?
GM/「人を人でないものに変えてしまい、また、人以上のものを生みだす研究所が関わっている」
レスター/……それは、なんだ。
GM/「そこで俺はこんな姿に変えられた。いや、俺だけじゃない。多くの者達が」……と、研究のことや実験体のこと一通り話します。「俺はそこからなんとか脱走してきた」
レスター/1人でか? 手助けしてくれた人がいたのか。
GM/首を振ります。「……あの子供にそんな力は無かった」と言いながら、視線をジャンクの山に向けます。
レスター/子供……ジャンクの山……?
GM/「俺もこんな状態だ、アイツと一緒に居ることなんてできなかった。だからアイツを一人置いておくしかなかった……近くに居てやることなんて出来なかった」
レスター/それってもしかしてアンジュの事なんじゃと勘付いていいですか。
GM/直接触れてはないけど「ジャンクの山で子供を置き去りにする」って言ってる時点で気付いてもいいよ。人魔して殺人衝動を抑えきれなくなっているルイスの近くに人が居たらどうなるか目に見えている、それが雨の日に捨てられた仔犬の真実です。
レスター/下手したら殺すかもしれないし、寧ろ襲うかもしれないし……。
アンジュ/でももう研究所でヤってるよ!(笑)
ラカート/だから、これ以上そういう目に遭わせたくないから手放したんだろ(笑) ルイスってホントいいひとだな……。
GM/「俺の命なんてあの任務で亡くなったようなものだ。こうやって生きていること自体がおかしいとは判っている。だが……あの研究所で実験の末に死ぬよりは……せめて誰か1人でも助けたいと思った。だからここまで逃げてきた」
レスター/…………。
GM/「だが今あるのは暴走に耐える日々だけ。もう……俺はきっと、人を襲ってしまう。人魔としての欲求に屈してしまう。どうすればいいか判らないんだ……このまま朽ちていくことが良いと判っていても!」
レスター/な、何を考えているんだ……それだけは駄目だ!
GM/かと言ってどうしたらいいんだという目をレスターに向けるよ。
レスター/それは……その。医者や理解のある人に診てもらうとか……でも、アークが危ないとかルイスは言ったし……。
シグ/医者って言ったらカイルさんですよね、でもってミンストレルだし!(笑)
ラカート/同じミンストレルならラカートもいるよ!(笑)
アンジュ/……あと、ミモザさんとか?
レスター/あ、それだ! もしかしたらアークを脱退したミモザだったら助けてくれるかもしれない!
GM/他には相談しに行かないんだ?
レスター/だってルイスはアークが危ないってほのめかすし、ルイスばっか追い掛けている今、『他の誰も信用できそうに』ないから。
GM/……そっか。では、ウンウン悩んでいるレスターに、ルイスはマントをバッと投げつけます。
レスター/あ!
GM/急いでマントを拭った後には、もうルイスは居ない。……オフィスフロアの広い窓から飛んで行ってしまったんだろうか。
レスター/ルイス……。
GM/でもそう遠くは飛んで行けないな。きっとこの周辺に身を隠すであろう。……そう検討がついたところで、シーンを終わりにしましょうか。


    ◆


「…………アイツは、『俺しか信用しない』ってさ!」
「そうか。報告ありがとう。俺の≪バンシーコード≫の話によると……アンジュもレスターもそれほど皆とは接触したがらない素振りをしているらしいな」
「どうすんだよ」
「どうもしない。お前は俺の言う通りそのまま動いてろ」
「あいよー。んじゃ俺の依頼も依頼で頼んだぜーっ!」

 ブツリ。
 通信が切られる。元から誰も居ない部屋に繰り出されていた会話が途切れる。元通り1人だけの、音の無い空間に戻っていく。
 話し声は一切無い。ただ彼は『彼ら』と言葉を交わしていた。

「――どこもかしかも絶望的だね。これ以上、『ココ』に用はある?」
「……どうかな。『ココ』に居残る必要性は、今のところ思い当たらない」
「――『ボク』も一切見当たらないよ。もう全て出尽くした気がする。新しい可能性なんてきっと生まれない。しかも悪いケースばかりが集まって、悲しいコトが起ころうとしている」
「じゃあ、もう、『この世界』は、無価値ってことなのか。……そうか、残念だ」

「――それなら『オレ』が価値を見出してやるよッ! どうせ捨てる世界なら盛大に遊んでやる!」



    ◆


 ●日常・夜/カイル×シグ

GM/では、夜パートのシグのシーンいきますよ。
シグ/ラカートさんとイオンさんがギャーギャー騒いで「俺がいっぱいいるってどういうこと?」とか思いながら自分に言い訳をしてカイルさんの部屋に行きます。
GM/昼間のときのようにコンコンと艦長室をノックすると、多少時間がかかった後にドアが開きます。「よう、来たのか」
シグ/こんばんは。入ります。
GM/鍵を掛けられた後、カイルは普段通りシグが好きそうな味の酒を出します。カイルもガブガブ酒を飲んでます。
シグ/今日はペースが早いですね……とか言いながら一息ついて話し始めます。……やっぱり、ラカートさん達うるさいです。
GM/「じゃあ、ラカートが言っていた通り『オレ』の部屋に住むか?」
シグ/ハイともイイエとも答えずに、酒をクッと煽ります。
GM/「無言は肯定か?」
シグ/そ、そういうことじゃ……。昼間のお話の続きです。改めて訊きますが、カイルさんのお仕事って何なんですか。
GM/グッとシグを抱き寄せる。
シグ/わっ!? ……またそうやって誤魔化すつもりですか。
GM/「誤魔化そうと思うんだが、ダメか?」
シグ/ぐっと軽く押し返します。……どうなんですか? 訊き直します。
GM/「そんなに訊きたいなら教えてやるよ」……と、カイルは研究所のこと、強化兵の実験のこと、そして『自分はクルースニクを研究所に送っているんだ』ということも話します。「ルイスもその1人だ」
シグ/おお……全力だ!?
GM/だってレスターが新ルートを開拓したんだから、シグだって今までとは違うシナリオにいってもいいよね。「オマエが病院に駆けつけたときには、もうルイスを研究所に送ることは確定していたんだぜ」
シグ/……じゃあ、ルイスさんはまだ生きてるんですか?
GM/「ああ。今のトコ死んでねーな」
シグ/ルイスさんが死んでないなら……もうカイルさんがレスターさんを慰める必要も無いですね。
GM/「……ルイスを研究所に送ったと言ったが、奴はこの街にいる。海を越えて研究所から脱走したんだ」
シグ/この街に……?
GM/「まさかここまで飛んでくる力があったとは。それを作ったのもオレ達だけど。もしかしたらルイスは暴走してレスターを殺すかもしれん」……ニヤニヤ笑いながら言います。
シグ/でも……レスターさんはお強いからそう簡単にやられないでしょう。
GM/その話している間もカイルはずっとシグを抱こうとしてるよ。喉元を触ったりする。
ラカート/シグの聖印の位置をな。
シグ/あうっ(笑) じりじりと逃げます……。
GM/「さあ、ここまで知ってしまったら今後オマエが妙なコトをしたとき……オレはオマエにお仕置きしなきゃいけなくなるな。もしオレを裏切るようなことがあったら」
シグ/あうあうっ(笑) ……首元にギュッと抱きつきます。俺には初めから戻るところなんてカイルさんしかありません。改めて、貴方のお手伝いをしますよ。
GM/「……ああ、そうか」。少し視線を落とします。
シグ/……どっちにしろションボリするんだろ、この人。
GM/今までの1〜9までのループを見てごらんよ、この人は罪の意識に苛まれているんだよ、それが全肯定されたら……ね。シグが聖母の如く迎えてくれるので、複雑そうな顔をします。
ラカート/……聖母と咎人か(笑)
シグ/俺だって、カイルさんがそんな顔をしてるのが一番辛いんですよ。
GM/「そう言ってくれてありがとよ。……早速オマエに今度のコトを話しておくぞ。数日後……イオンを研究所に送る」
シグ/イオンさんをですか?
GM/「イオンの能力を知っているか」
シグ/ヒューマンのサムライで腕は立つし……頭も……悪くないというか変というか(笑)
GM/「イオンはあんな不思議な言動をしているが、あの絶対的な記憶力はとても素晴らしい。面倒な指示を与えても、忠実に実行出来る。どんな技術も人並み以上の吸収力で習得できるしな」。……記憶力が良いからレベルアップに必要な経験値が普通の人より少なくて済むらしいよ。「研究所から早急にサンプルが欲しいと言われた。だから奴を連れて行く」
シグ/イオンさんを、研究所に……。
GM/その手立てをシグに話します。では今回は特別に……[シナリオキー/イオン誘拐計画]を入手してください。
シグ/俺はどのようにお手伝いすればいいんですか?
GM/「……まずはオマエを試させてもらおうか」
シグ/はい……?
GM/「ミモザを殺せ」
シグ/っ!?
アンジュ/えっ……!?
GM/「アイツはオレを嗅ぎ回っている」……『第5ループ』でもミモザさんはカイルの悪行を暴こうとして殺されていたよね。
レスター/でも、それをシグにやらせるって……。
GM/「出来ないか? ……出来ないのならいい」
シグ/…………。凄く考えてから、コクリと頷きます……。
GM/「オマエにこの任務が出来るのか?」
シグ/……震えながら、頷きます。了解しました……敬礼で応えます。
GM/ではシナリオキーをもう1つ……[シナリオキー/ミモザ暗殺計画]を手に入れてください。
シグ/わー、カードが一気に2枚も引けるー、いっぱいだー(山札からドローして)……愛と希望のカードを引いちゃった。
ラカート/シグ的にはこれから先の希望と愛があるんだね。
レスター/……そういやシグのライフパスって『日常/暗殺者』なんだよね。
ラカート/暗殺者なの!?(笑) ずっとカイルの傍で事務仕事しかやってないと思ってた!
シグ/いや、実際事務仕事しかやってなかったんだけど。キャラメの時に決めた一切使ってなかった設定を、こんなところで……(笑)
GM/多分これが初任務なんじゃないかな?(笑)


 ●シーン2

GM/とあるフラグが立ったので、イベントが発生します。……シーンはラカートとアンジュとイオンの部屋。とある夜、グースカ寝ていると……シュルシュルという音がする。……[シナリオキー/イオン’]があるラカートのみ、イオンが外に出る準備をしていることに気付いてください。
ラカート/あ? 目が覚めて……。何やってるんだ、イオン。小腹でも空いたか?
GM/「爽健美茶をレンジであっためようと思ってな」
ラカート/それは腹満たされないだろう、もうちょいとマトモな言い訳を用意しろ!(笑)
GM/スイッチは何がいい?
ラカート/普通にイオンを押しとくよ!(笑)
GM/「そこでなんで『真面目モード』とか『石橋貴明』とか押さないんだよ!?」
ラカート/何押しても結局はイオンモードで終着するじゃねーか!(笑)
GM/「イオンモードで爽健美茶をあたために行って兄ちゃんに会いに行くんですぅー!」
ラカート/メインそっちだろ!(笑) ……アンジュ、起きろ。外に行くぞ。
アンジュ/起こされます。う、ううん……どうしたの?
GM/「アンジュを連れて行くのかよ?」
ラカート/ここにコイツ1人で残して行ったら可哀想だろ。
アンジュ/……2人とも、出掛けるの?
ラカート/ああ。イオンの兄ちゃんに会いに行くんだが、アンジュも来るか?
アンジュ/イオン兄、お兄ちゃんいるんだ? へぇ……そわそわ。
GM/「なんだよ、俺と一緒にトゥゲザーしちゃう?」
アンジュ/とぅげざー?(笑) じゃあ……一緒に行くよ。
GM/では夜中、アンジュとラカートは一緒に部屋から出ます。……ところでシグさんは『イオン誘拐』と『ミモザ暗殺』のどっちをするの?
シグ/……じゃあ、新展開ってことでミモザさん暗殺にいきます。
ラカート/どうせなら、ミモザ暗殺に行く前のシグと会っておきたいなぁ。
シグ/あ、それいい。なら……カイルさんに挨拶してから行くってことで、廊下でバッタリ会いましょう。
アンジュ/時間通りにイオン兄が行けば鉢合わせなかったのに、アンジュがモタモタ準備してたから会っちゃったんだね(笑)
ラカート/シグが艦長室から出てきたところを……。よう!
シグ/こんばんは。こんな遅くに皆さんでどうしたんですか。
ラカート/……爽健美茶をあっために行くらしいぜ(笑)
アンジュ/シグさん、どうして艦長の部屋から出てきたの?
シグ/お仕事のお話をしていました。
アンジュ/そっか、夜遅くまで大変だね。
ラカート/……そんなことで騙されるのはアンジュぐらいだぞ。腰は大丈夫か!?(笑)
シグ/嘘吐いてないよ、仕事してくるんだよ!(笑) で、3人で本当のところは何を?
ラカート/イオンの兄ちゃんに会ってくる。
シグ/……そうですか。3人で行くのか、と心の奥で計画と違うなと思っておきます。
GM/では、「シグの様子が少し違う?」ということに気付けるかアンジュとラカートは【感知】か【霊格】で判定をしてください。シグは気付かれたくなかったら【知力】で対抗かな。
ラカート/(ころころ)15だ。
シグ/(ころころ)18です。
アンジュ/(ころころ)低い……チャクラゲージに溜めておきたいので、愛と勇気のカードを提示して達成値19にします。
シグ/なら希望のカードを使わないので2をプラスして、20で対抗します。
ラカート/……アンジュ、友情のカードあげようか?
アンジュ/貰います。……それだと更にプラスして、達成値22。使った3枚のカードは全部チャクラゲージにおきます。
GM/シグ、まだ対抗する?
シグ/……負けておきます。
GM/ではこの勝負アンジュの勝利。……アンジュは動物の勘で思いました。「あれ、シグさんってこのコト知っているっぽいな?」
アンジュ/ん……。
シグ/アンジュさん、どうかしました?
アンジュ/ううん、なんでもない。
ラカート/そろそろ行くか。シグ、呼び止めて悪かったな。
シグ/いえいえ。明日の朝には帰ってきてくださいね。……普通に受け答えして別れます。
アンジュ/……シグさんと別れて、見えなくなったときに。ラカート兄、俺……やっぱ行くのやめる。
ラカート/ん? やめるのか。
アンジュ/うん。……あのね、シグさんなんか変なの。なんか、俺達が出掛けるの知ってたみたいなの。
ラカート/……そうだったか? 留守番1人で出来るか?
アンジュ/う、うん、頑張る。
ラカート/……。カード1枚くれない? いらないカードでいいから。
アンジュ/えっと、じゃあ1枚渡します。
ラカート/チャクラフェイバリットの≪真眼≫を使用します。

 ≪真眼≫
 カード2枚を支払うことによって、味方1体にカードを3枚自由に選択肢渡すフェイバリット。


ラカート/これから先、何があるか判らない子供に……勇気と希望と絶望を。お前ならなんとかなるだろ。気を付けるんだぞ。あと艦長の部屋には絶対行っちゃダメだからな! 食べられちゃうからな!(笑)
アンジュ/え、頭から!? イオン兄が「艦長は股を裂いてバリバリ」って言ってたけど!
ラカート/……うん、それ間違ってないから。アイツ、男でも子供でも何でも食べるし……(笑)
GM/アンジュ、具体的には部屋に戻るの?
アンジュ/いえ、シグさんを尾行する気満々です。
GM/アンジュはシグを尾行、ラカートとイオンはアークの待ち合わせの場所に、シグはミモザのもとへ……。レスターは、どうする?
レスター/ルイスを探しつつ……もしかしたら解決策をくれるんじゃないかってことで、ミモザのところに行きます。
GM/そうなるとレスターとシグの対決になるな。……2人とも、ダイスを1つ持って。出目の高い方が先にミモザさんに会うことにします。
レスター/(ころころ)2。
シグ/(ころころ)3です。
GM/シグが先にミモザさんに遭遇できます。……ではシグは……夜中歩いているミモザを発見できました。
シグ/……妊婦が夜に歩かないでください(笑)
GM/いや、ミモザさんも色々と工作員的な仕事してるから(笑) アークの暗部を探るようにマザーから任務を貰っているとかだよ。……ともあれ、ミモザは外を歩いています。先にルールを確認しておこうか。

@シグはいつでもエキストラのミモザを殺すことができる。
Aこのシーンを、無関係なエキストラが目撃することはない。
Bこのシーンを、PCは目撃することはできる。その場合シグのプレイヤーの意思で判定勝負を持ちかけることができる。
Cシグは今後、1度のみカイルの助力ということで≪ロイヤルパス≫(好待遇。達成値+30)を使用することができる。


シグ/では、尾行しているアンジュさんに気付くか【霊格】で判定しますので、アンジュさんは≪気配消しスキル≫で対抗してください。(ころころ)シグは14。
アンジュ/(ころころ)15!
シグ/負けた。……カードはどれも惜しいけど、愛のカードを捨てて達成値21にします!
アンジュ/ヤベ。……なら絶望7のカードを足して22にします。絶望のカードは忘れずチャクラに入れて……サササと追いかけて行きます。
シグ/……失敗しておこう。一度はアンジュさんがいるような気がしたけど気のせいだと判断して、歩いて行きます。
GM/では……ミモザさんが、ちょうどよく人通りの無い道へ入って行きました。
シグ/カツリと現れます。……ミモザさん、お久しぶりです。
GM/「え、貴方は……?」と、暗闇の中でミモザさんが言います。
シグ/ペコリと頭を下げます。
GM/「あら……シグくん? こんばんは。どうしたの?」
シグ/…………ごめんなさい。≪アリアンロッドコード≫を撃ちます!
アンジュ/あっ!? ……ミモザさんを庇えますか!?
シグ/この場合【体力】で判定ですかね? シグは……より正確にミモザさんを狙えたかの【霊格】かな。
アンジュ/【体力】なら!(ころころ)……低い、12です。
シグ/(ころころ)17で撃ちます。
アンジュ/あ、ああ……!?
GM/アンジュが隠れていることもシグは気付かず、シグが命じたとき……アリアンロッドが現れ、彼女の銀の剣がミモザの体を貫く。アンジュは、アリアンロッドが確かにミモザの影を斬り裂いたのを見ます。
アンジュ/ミモザさん……!
シグ/アリアン、ごめん。
GM/(アリアンになって)「仕事だからいいもーん」
シグ/だよね。そういうところが精霊は好きだ。何でも買ってあげますよ。
GM/(アリアンになって)「わーい」
アンジュ/道端で……息を呑みます。
シグ/その場から早々立ち去ります。
アンジュ/……追いかけます!
シグ/逃げますよ。(ころころ)……勇気の6を足して、達成値20でその場から去ります!
アンジュ/【体力】で(ころころ)……カードを持てるだけ使って、22でシグさんを追います! シグさんっ!
シグ/……負けておきます。声を掛けられてビクン! やっぱり尾行されてたか!
アンジュ/腕を掴んで壁にドンします!
シグ/わあ!? ……どうかしました?
アンジュ/し、シグさん……なんてことをしたの……?
シグ/……息を荒げて、じっと聞いています。
アンジュ/どうしてあんなことしたの? さっきの……ミモザさんだよね、仲間だったんでしょ!?
シグ/……光の無い目でアンジュさんを見ています。何も言いません。
アンジュ/会ったときに様子が変だと思ったんだ。ついて行くのも悪いと思ったけど……シグさんのやったことはもっと悪いことだよ!?
シグ/……その通りですね。
GM/アリアンロッドが口を開きます。「……ちょっくらザックリしとく? 威嚇ぐらいにはなるよ?」
シグ/……いいんだよ、そんなことは命令されてないから。アンジュさん、貴方は強敵になるかもしれないと思っていました。……ゴメンナサイと呟いて、微笑んでから≪テレポートコード≫で逃げます!
GM/どこへ飛ぶの?
シグ/カイルさんの部屋へ。
GM/カードを消費すれば行けるね。……シグがその場から姿を消します。そして1人取り残されるアンジュ。
アンジュ/ちくしょうっ! 叫んで壁をぶん殴ります!
GM/……これはアンジュに絶望のカードをあげよう。
レスター/GM、ミモザが消える前にミモザが死んだってことを見たいんですがいいですか?
GM/あ、それは可能だ。シグとアンジュが走り去った後、2人の姿が確認出来なくなったときに……ルイスを探していたレスターが偶然倒れている女性を見付けるってことで。
レスター/それでいきます! レスターもミモザに会いたかったので、ミモザが外出してると聞いて、嫌な胸騒ぎを感じて……。
GM/帰りが遅いな、どうしたんだろ。……思いながら夜の街を飛んでいると……なんと。
レスター/人が倒れている!? まさか、ミモザ……!?
GM/近付くと、間違いなく彼女だ。……その瞬間、フワッと彼女の体が光になります。
レスター/ミモザが死んだ……殺された……? これは……艦長の元に報告しに行かないと!
GM/カイルの所に行くか。……それじゃあ先にカイルの部屋にテレポートしてくるシグのシーンをします。帰って来たシグを見て、「おかえり」。
シグ/……荒げていた呼吸を止めて、しがみ付きます!
GM/ちゃんと抱き寄せてあげます。「殺してきたのか?」
シグ/……コクリ。何も言わずにガクガク震えて、頷きます。
GM/「偉いな、よくやった」。茶化すように笑っているけどギュッと抱きしめます。
シグ/その瞬間に……セキを切ったかのようにボロッと涙を零します。大人しく抱きしめられた後に……。ミスをしました。アンジュさんに尾けられていました。
GM/「勘付かれていたか」
シグ/すみません。
GM/「……アンジュは元々研究所で生まれた。最初は逃しておくつもりだったが、もう送り返すべきかもしれないな」と、以前ちょっとだけ話していたようなことをカイルは言います。
シグ/……アンジュさんも研究所へ?
GM/「イオンも今頃あちらに送られている筈だ。一緒に連れて行ってやっか」……ではレスター、そろそろ到着してください。
レスター/慌ただしく宿舎に帰って来て、ダンダンと艦長の部屋のドアを叩きます!
GM/普通の態度の声で、「入れ」。
レスター/カイル艦長! ……シグが目に入っても、普通にカイル艦長を見るよ。住宅街の方で、ミモザが……殺されていたぞ!
GM/レスターの報告に驚いた顔をします。「シグ、聖堂騎士に連絡するぞ」と当然のことのようにロードとしての動きをします。……で、アンジュの方だけど好きなタイミングで宿舎に戻ってきてもいいよ。帰ってこなくてもいいけど。
アンジュ/……正直、この状態で帰りたくない。部屋の中で陰鬱と待っているのはちょっと嫌だ(笑)
ラカート/一つ屋根の下、殺人鬼だもんね(笑)
アンジュ/だから……スラムの方を彷徨っていようかな。元々自分が捨てられたのもそっちだし……。
レスター/……俺も、報告はしたけどもう少しルイスを探したいってことでスラムにまた行きたいな。
ラカート/それなら、もしかしたらアンジュとレスターが合流できるかもしれないな。
GM/……ではシーンをラカートとイオンに切りかえるか。一方その頃。「兄ちゃんに会わせてくれる人がいる」というイオンに連れられて、ラカートはとある場所にやって来ます。馬車が停まってます。
ラカート/馬車……アークの制服……結構厳重な格好してるな。イオンの様子を見ます。
GM/「イオンでーす! コレ1匹連れて行ってもいいですかー!
ラカート/せめて『1体』って言ってくれ!(笑)
GM/イオンに言われてアークの人達はやや困惑した顔をしたけど、OKします。2人とも馬車の中に通されます。
ラカート/場所に乗ります。こんなにアークの人達いっぱいだなんて……イオンの兄ちゃんってやっぱり個性的なんだな(笑)
GM/「待ち合わせは、遺跡ユニクロ跡だってさ
ラカート/変っ! 感動の再会ならもっとドラマチックな場所にしろ! お前ら兄弟に求めるのは間違っているけど!(笑)
GM/ところで、レスターもシグもアンジュも新展開になろうとしてるんだ。だからラカートも新しい選択肢を選んでもいいよね。
ラカート/はい。
GM/「突然だけど俺のボタンを好きに押してくれよ! 『イオンモード』と『マジメモード』と『空気読むモード』と『石橋貴明』があるぞ!」
ラカート/……なあ。ずっと気になっていたんだが『石橋貴明』って何なんだ?
GM/「木梨とドツキながらカメラ突き落とすんだよ」
ラカート/意味わかんねー!(笑) ……じゃあ、試しに面白そうなんで石橋貴明モードでお願いします。ポチ。
GM/なんと石橋貴明モードを押したら画面が真っ暗になった!
ラカート/カメラを壊した!?(一同爆笑)
GM/笑ってはいけない調に)「デデデー、ラカートアウトー」
ラカート/マジで!? そういうイベントなの!?(笑)
GM/画面が元の明るさに戻ってきます。「突然だけど俺のボタンを好きに押してくれよ! 『イオンモード』と『マジメモード』と『空気読むモード』と『石橋貴明』があるぞ!」
ラカート/楽しかったよ!(笑) マジメでいくよ、マジメで! ポチッ!
GM/ハッとイオンが真面目な顔になります。
ラカート/どうした?
GM/「……俺の勘が告げている。コイツらはヤバイ。ニセモノな気がする」
ラカート/……なんでそう思う?
GM/「俺の長年の勘がそう告げている。きっとコイツらに捕まったら拘束されて変な薬打たれてバッドエンド直行だ」
ラカート/……既にバッドエンド直行な気もするけど。
GM/ジジイがUSBメモリーになって海に落とされてもいいのかよ!?
ラカート/ラカートエックスデース!?(一同爆笑) ……じゃ、逃げるか! ≪バンシーコード≫と≪サラマンダーコード≫を召喚する!
GM/はわはわした涙目の女の子とヒトカゲっぽい真っ赤な男の子がバッと馬車の中に現れます。
ラカート/一番デッカイダメージをドアにバーン! 壊します!
GM/「よくやったジジイ! これでお前は立派な犯罪者だぜ!
ラカート/あーホントに責任取ってくれよ! 今回の俺はお前の言う通りにする気でいるんだからなー!(笑) 言いながらダッシュで逃げます。
GM/アークの制服の人達が武装して追いかけます。
ラカート/うぇ!?(笑) いやー、ドア壊したくらいで怒らないでくださいよー!
GM/全力で追いかけてくるね。超武装しまくり。……明らかにおかしいってそろそろ気付いていいよ。
ラカート/とりあえず走って逃げきりましょうか。
GM/「アイツらに捕まったら白いトコロに連れて行かれるような気がするぜ!」
ラカート/そうか、白いトコロか。……白いトコロ……墓島……あの都市伝説か!? 俺達、都市伝説の真実に立ち会っちゃったな!(笑)
GM/「安心しろ! どんな追手が来ようが俺がまいてやるよ!」
ラカート/キューン! イオンカッコイー!(笑) そういうトコ、信用してるぜ!
GM/「信用すんだな!? じゃ俺の確信どれにすっか決めまーす! ラカートが1D6を振って1・2が出たらシグを信じて大丈夫! 3・4が出たらレスターを信じて大丈夫! 5・6が出たら謎の人を信じて大丈夫!」
ラカート/誰っ!?(笑)
シグ/誰ですか!?(笑)
GM/石橋貴明とかじゃね? 正直、5・6が出てからGMは考える。
レスター/無計画にも程がある!(一同笑)
ラカート/5・6出ろー!(ころころ)……1ぃ!?(笑)
GM/「俺の当たる勘がシグの言う通りにしろと言っている!」
アンジュ/ヤベエ、終わったな!(笑)
GM/……いや、あくまでイオンが勝手に言ってるってだけだからラカートの意思で方針変えていいんだよ。
ラカート/でもラカートは今回『イオンに流される』って決めたんで、イオンの言う通りにします! ……確かにシグはちょっと艦長絶対主義っぽいところもあるけど、隊の中で一番常識ある人間だからな!
アンジュ/愛の前には常識なんて、あってないようなものなんだよ……(笑)
GM/「今のトコロ信用出来るのはシグしかいねえ! ピュアな涙を流すような奴に悪い人はいねえ! シグが居そうな所に行って助けてもらおうぜ!」
ラカート/そうだな! 胡散臭い艦長ならともかく、あの好青年が危ないわけないじゃないかー!(笑)
GM/……信用しちゃったね。
ラカート/……信用しちゃったよ。
GM/じゃ、みんなの方針をまとめようか。ラカートとイオンはシグの居る場所に行こうと言ってるけど……シグはどこにいる?
シグ/アークの詰め所でカイルさんの指示を待っています。2人が逃げたなら連絡が来ると思いますし。
ラカート/じゃ、ラカート達はアークの詰め所に向かうんだな。……詰め所とか、どんだけ危ないところに居るんだコノヤロウ(笑)
GM/アンジュはスラムで彷徨う。レスターは……ルイスを追う。それでいい?
レスター/はい。今の状態でルイスと接触したいです。
アンジュ/1人でふらふらしてますけど……どうなるんだろ。


 ●シーン3

GM/アンジュとレスター、1D6振って。高い出目の人のシーンを先にやるから。
アンジュ/(ころころ)2です。
レスター/(ころころ)4だ。先に俺からだな。
GM/ではレスターのシーンをします。……まだ日が昇りきらない朝。レスターは、ルイスが居そうな『人影が少ない場所』を歩きます。
レスター/ルイスを探して彷徨います。
GM/さっきと似たような場所ならルイスが身を隠しているんじゃないかと思って歩くこと数時間……【感知】判定をしてください。難易度は低めの12。
レスター/(ころころ)余裕で成功です。
GM/隠すまでもない音です。……「ギャッ!」と誰かの叫び声が上がったような気がした。
レスター/声がした方に行きます! ルイス……!?
GM/走って向かうと、血の匂いがする。
レスター/うっ……。
GM/君が見かけたのは、血を流し倒れる男性。剣を何度も振り下ろしているルイス。そんな殺人現場。
レスター/あ……確かに、今までのループでもルイスは人を襲っていた……。
GM/人魔としての衝動に耐えきれず人を襲ってしまっていたっていう設定だったけど、今回は君が近くに居てくれたから欲求に耐え続けていたんだよ。……でも、それにも耐えられなくなってしまったらしい。ルイスが人を襲っている姿を君は見る。何度も足に刃を刺している姿を。
レスター/ルイスにダッと飛び付きます! 止めますよ!
GM/力無くも刺し続けるルイスを止めることはすぐにできるよ。ルイスは膝をついて刀を手から放す。……君の目の前には、中途半端に殺されかけた男性。
レスター/ルイス……お前、何を!
GM/ルイスの目はまた赤い。飛ぼうとするけど体力がもたず、瓦礫の壁に背を預けてズルリと崩れ落ちます。……そして、ルイスではない声が聞こえる。
レスター/ルイスではない?
GM/「苦しい……殺すなら……早く……殺してくれぇ……」
レスター/……あ……これは……。
GM/「くるしい……いたい……はやく……らくにしてくれ……」。痛めつけられた男性が、懇願してきます。
レスター/……助かりますか?
GM/君って回復手段持ってたっけ?
レスター/……いえ。
GM/じゃ無理だね。ずっと男は「はやく……いたい……いたい……!」と泣いて喚きます。
レスター/…………。ルイスの落とした刀を拾って、トドメを刺してあげます。
GM/アンジュ出て来てください。
アンジュ/あ。
レスター/あああああっ!?(笑)
GM/……だってさ、『ルイスが居る所』って言ったらスラムだよ。『アンジュはスラムに行く』って言ってたよね? それに、人魔化したルイスを逃がしちゃったんだから次にやることと言ったら……(笑)
レスター/殺人現場目撃……ですよね。あー……男を斬って振り向いたらアンジュがいるのかな。
GM/うん、アンジュが立っています。……アンジュはジャンクの山からスラムにかけてを歩いていたら、レスターが人を殺している姿を見かけます。あと、奥で苦しがって蹲っている写真の男が居るね。
レスター/こっちは……トドメを刺した後、心配してルイスに近寄りますよ。
アンジュ/それだとルイスの方も斬るんじゃないかと思って飛び出すよ!
ラカート/なんたる修羅場……(笑) しかも今のアンジュは「仲間は人を殺さない」という前提を無くしているから……。
アンジュ/ルイスの上に殆ど覆い被さるようにして、レスターさんを見ます!
レスター/……アンジュ? どうしてここへ?
アンジュ/レスターさんもなの……レスターさんも!? どうして……?
レスター/……実際殺したから、否定も肯定もしないで黙っています。元々、戦士だから戦場でいくらでも殺すしな。
GM/でも、入りたてで記憶喪失のアンジュはその感情も無いよ。
アンジュ/≪ライトボウ≫を抜きます! レスターさん……何も言わないの?
レスター/……何も言えないよ。弓を引かれたから……下がって、飛びます。
アンジュ/レスターさんもシグさんも……悪い子だね。1人でウロウロして人を殺しちゃうなんて……でも、今の俺も貴方のことを殺そうとしているからみんな同じだね。
GM/「待て、オマエら」と、エクセルコートを着た人が言います。
アンジュ/え!? バッと見ます。
レスター/振り返ります。
GM/カイルが笑って立っています。アンジュの目から光が消えていることも、レスターが返り血を浴びていることにも、何も言わず笑っているよ。
レスター/艦長……?
GM/「落ち着け。まずレスター、ルイスをなんとかしなきゃって考えてるんだろ? ちゃんとしかるべき場所に送ってやらなきゃダメじゃねーか。『オレ』がオマエら2人を診てやるから安心して戻って来いよ」
レスター/……ん? なんか艦長の様子がおかしい? 刀をずっと握ったまま聞いてます。
GM/「ルイスは人魔になりかけてる。でもオマエは殺したくないんだろ? ナントカしてやるよ。……あとアンジュ」
アンジュ/……じーっと睨みます。
GM/「とりあえず帰って来い。宿舎に行ってラカート達と話をしよう。何か誤解してるみたいだが、それはみんな誤解だ」……と≪交渉スキル≫で対抗判定してください。
アンジュ/アンジュが勝てる訳ないじゃないですか、【知力】3ですよ!?
GM/でもカイルは≪ロイヤルパス≫以外の達成値プラスはしないよ。(ころころ)13、普通の難易度だね。
アンジュ/(ころころ)8! でもここは……絶望7のカードを出して15にします。信じられない! アークは、うそつきの悪い子ばっかり。やだ! ……ルイスを担いで逃げようとします!
レスター/悪いけど、俺もルイスが「危ない」って言ってたところに戻る気はなれない。アンジュがルイスを担いだことには何も言わない。
GM/カイルは止めることはしません。3人とも見送ります。……でも、レスターの方を見ます。
レスター/……ルイスの刀を持ったまま、カイル艦長の前から飛んで行こうとします。
GM/「レスター」
レスター/……なんだ。
GM/「『俺』の元に来ればルイスは助けてやることもできるんだぞ。何でもしてやれる。それでも『俺』のところには帰ってきてくれないか」
レスター/……何も言わず、飛んで行きます。
GM/飛んで行きますか。じゃあカイルは少しレスターを睨みつけますが……「ちゃんと『オレ』が助けてやるって言ってるのにねぇ?」……とニヤーリ笑って、その場から立ち去ります。
ラカート/…………ひゃっひゃっひゃ、フェルトリーナ隊解散!(笑)
シグ/コレ、どうなってもハッピーエンドにはなれないね(笑)


 ●シーン4

GM/では、アークの詰め所のシーンです。シグは詰め所で「イオンの誘拐が失敗したこと」を知らされます。……あと、スラムで通り魔事件が起きたそうだよ。
シグ/報告を聞きながら……イオンさん達が逃げるとしたら何処に行くだろう……とか考えてます。
GM/暫く考えていると……カイルが例のイベントを終了させて詰め所にやって来ます。
シグ/ガバッと立ち上がる! ……おかえりなさい。
GM/「シグ、残念な知らせだ。通り魔の犯人はレスターらしい」
レスター/……抜かりねえ!(笑)
シグ/……特に疑問も持たず、頷きます。
GM/「レスターも捕まえなきゃいけないな。それとアンジュに会ったんだが、目の色がおかしかった。どうやらアンジュもルイスのように人魔に覚醒しつつあるようだ。早急に手を打たないとだな」
シグ/これからどうするんですか?
GM/「オレは衛兵達に指令を出してくるよ。ああ、オマエに≪サーヴァント≫を任せておく。好きに使え。能力値は全部4だ」……と、衛兵達を≪ゴーレムコード≫っぽく自由に扱えることを言います。
シグ/ありがとうございます。
ラカート/……カイルがいなくなった後に、窓から顔を出したいな。
シグ/敵陣のド真ん中に来るの!?(笑)
ラカート/だってシグがいるから! シグのこと信用しまくってるから!(笑)
シグ/逃げたのに戻って来た! 流石、サムライとミンストレルって自爆の二大帝王!(一同笑) ……窓をチラッと見ます。
GM/窓からちょこっと顔を出しているラカートが見える。
ラカート/ジェスチャーで「外に来い!」って言います!
シグ/……ラカートさんの後ろにイオンさんがいるのかなと目で確認します。
レスター/きっとラカートの後ろにいるんじゃないかな(笑)
シグ/……外に出ます。ラカートさん、どうかしたんですか?
ラカート/マジヤベーよ! なんか俺達、墓島に送られるとこだったんだけど!? 墓島とか都市伝説だと思ってたよ!
シグ/とりあえず落ち着ける場所に行きましょうか。
ラカート/落ち着ける場所ってドコだよ!? 全面信頼してるからドコにでもついて行くけどさ!(笑)
シグ/じゃあ、とりあえず……人が居なくて安全って言ったら、スラム街でしょう。住宅地や公園よりはよっぽど良いし。
ラカート/道中に色々話をします。ヤベエ、カイルってマジヤバくね? カイル黒幕なんじゃね!?
シグ/誰かに訊かれたらどうするんですか。……廃ビルに入ります。
アンジュ/……あ、アンジュがその辺に忍び込んで息を潜めてようと思ったんだけど……(笑)
シグ/さっきも言ったけど住宅地や公園、ホームなんかよりはずっと良いと思ってここを選びました。……戦闘をするにも一般人を巻き込まずに済むしね。
ラカート/おお、流石シグ! 考えてる!(笑) 素直について行きます!
シグ/……ビルの窓際に腰掛けて、表情見られないように逆光にして立ってます。すみません……話がよく見えないんですけど1から話してもらえますか。墓島って何ですか?
ラカート/だーかーらー、結構むごたらしい実験があってだなー! カイルの部屋に書類があってー……って調べたことを全部話すよ。アンジュに聞こえるぐらいの声で!(笑)
アンジュ/隠れて……ルイスを置いて、そっとそっちに行きます。
ラカート/いやあ、あんな研究所とか送られたら俺は機能停止して死ぬね! 実験所なんかに行きたくないよ!
シグ/……神妙な面持ちで話を聞いています。
ラカート/イオンに聞いたんだけど、イオンの兄ちゃんに会わせてくれるって言ってたのってカイルらしいんだよ! カイルの部屋にあんな書類もあったし、やっぱりカイルって怪しくね!?
GM/……シグの後ろで、アリアンロッドがちょんちょんと回ったり踊ったりしてます。(アリアンになって小さな声で)「いつでもOKよー」
シグ/……ラカートさんに見えないように、頷きます。
ラカート/でさ、アンジュはどうなったんだ? 全然知らないんだけど。レスターも今は何をしてるんだ?
シグ/アンジュさんとレスターさんのことも知らない……。墓島のことも、イオンさんが誘拐されそうになったことも、それにカイルさんが関わっているんじゃないかと……貴方は睨んでいるんですね。
ラカート/グレーっていうか、ブラックだろ?
シグ/…………そこまで読んでいて、どうして俺がカイルさん側の人間だって判らないんですか? パチン。
GM/(アリアンになって)「ザクゥッ!
ラカート/ぐあっ!?
シグ/(ころころ)19点の物理ダメージです。
ラカート/あ、【HP】30で……生き残った。これは死ぬ前に≪バンシーコード≫打ちたいかな!?
GM/咄嗟にだけどラカートはバンシーを召喚します。
ラカート/(ころころ)16で命中!
シグ/18で回避。……足元が抉れたとかの演出で、避けます。
ラカート/そのまま崩れ落ちます。……びえーと泣くだけの子供のバンシーがいます。
シグ/イオンさんにも≪アリアンロッドコード≫。後は衛兵に任せます。
GM/イオンもダメージを受けるよ。
シグ/アリアンの「ヤッタよヤッタよ!」という声に黙って耳を傾けて、死んだ目で……下を見てます。
アンジュ/どっすんばったんって音が聞こえたんで……そのフロアを見てもいいですか?
GM/いいよ。……そのフロアにやって来ると、ラカートにトドメを刺そうとしているアリアンロッドとシグが見える。
アンジュ/ラカート兄! 飛び出し……たいけど、ルイスのことがあるし……どうしよう、このまま……。
シグ/トドメを刺します。(ころころ)物理ダメージ、24点。
アンジュ/……≪ロングソード≫を抜きます!
シグ/んっ!? これは≪気配察知スキル≫かな!?(ころころ)14。
アンジュ/こちらは【体力】で襲いかかります!(ころころ)……14!
GM/受動側優先だから、シグが避けた。
アンジュ/……どうにでもなれ。絶望のカードを使います!
シグ/……転びます。【体力】2なんでね。
アンジュ/(ころころ)物理10のダメージです!
シグ/ガッと斬りかかられる! ……でも、昨夜の荒げた呼吸とは違って落ち着いてアンジュさんを見ます。
アンジュ/はぁはぁ……。殺す! 許したりしない! ゼッタイに……!
シグ/……ラカートさんとイオンさんの方をチラッと見ます。
ラカート/……ラカート、【HP】0です。死にます! カードは1枚も無いから回復も出来ないし…… 一矢報いるつもりでやったバンシーも避けちゃったし、今回は完全なる死に役だ!
GM/では、ラカートが目を開けると、剣を持ってはぁはぁと息切れをしながら……凄い形相のアンジュが見えた。最後に見た景色がそれ。
ラカート/……消える瞬間、アン……ジュ……と名前を呟いて……死にます。
シグ/……逝ったか。
アンジュ/あ……あ……うわあああああぁぁん!
シグ/……死んだ目でボンヤリと眺めています。
アンジュ/あ、あ、あ……! シグさんを……ギッと睨みます!
シグ/ああ、そうだ……アンジュさんも、元の強化兵として覚醒してたんでしたっけ。
アンジュ/……なんのこと!?
シグ/怖いですね。優しくニコニコ笑っている貴方が嫌いではなかったですけど……。
GM/ハハッ! 何やってんだお前ら!」……イオンが叫びます。
シグ/……イオンさん?
GM/アリアンに斬りかかられ、血を流しているイオンです。
アンジュ/パッとイオンの方を向きます。
GM/「スッゲエ顔してんな、アンジュ! それにシグも! ブッサイクな顔じゃねーか!」
アンジュ/……イオン兄?
GM/「さあ、このままどうすんだ? 殺し合うのか? 何度もお前らを見てきたけど、今日のお前らは面白すぎるぞ! このままおっ始めちゃったらホントにお互い自滅するだけだぞ!」
アンジュ/……殺す……自滅……?
シグ/……立ち上がります。貴方が何を見ているのか知りませんが、俺は今から逃げますよ……生きたいから。
GM/「逃げる? こんなアンジュと俺を置いて?」
シグ/ええ、俺は何度でも……あの人の為に生きるんです。
アンジュ/……2人とも何の話をしているの? 俺は殺し合いがしたい訳じゃないの。
GM/「誰も信用出来ないのに?」
アンジュ/全部終わりにするの! 全部……全部……!
GM/「……あー、ダメだダメだ! 全然面白くない! 今回の俺とやらはさっさと退場させてもらう!」
アンジュ/イオン兄……?
GM/「つっまんねぇ! また次の世界で会おうぜ!」……イオンは叫び終わった後、自分の刀で首を掻っ切ります!
アンジュ/えっ!?
GM/自分で自分の首を斬ります。
アンジュ/……きょとん。
GM/イオン、死にました。
アンジュ/……………………。ああ、そっか。アレ、イオン兄じゃないんだ! 全然違うもんね! きっとイオン兄は別のところにいるんだ!
レスター/……自分の中で簡潔した。

「でも、イオン兄のニセモノに言われてちょっと判ったかも。
 俺は殺し合いがしたい訳でも殺されたい訳でも、そういうのが見たい訳でもなくって……全部終わりにしたいんだね。
 だって世の中悪い子ばっかり! ラカート兄も俺の目の前から消えちゃったんだから悪い子だよ!
 ……そっか、俺が本当に欲しかったのは……終わり……」


アンジュ/口元だけニィーっと笑って、シグさんに斬りかかります!
シグ/……俺は逃げますよ。まだあの人の傍に居るんです!

 心に決めた2人が戦い始める。
 アンジュは≪ロングソード≫や≪ライトボウ≫など扱えるだけの武器を向けてはシグに襲い掛かる。
 一方シグは≪テレポートコード≫や≪ウンディーネコード≫、カイルから譲り受けた≪サーヴァント≫を駆使して戦闘から離脱しようとする。
 ……戦う目的を持った2人の対決は、白熱した。

GM/3ラウンド目。『ドローフェイズ』をしてください。
アンジュ/(山札からドローして)あ、カードが揃った。これで神格機兵が召喚できる!
シグ/ヤバ、ロボットに殺されるのはイヤだ! 今さっき引いた希望のカードを『AP決定フェイズ』に使ってて逃げます!(マップから自分のコマを離脱させて)よし、これで逃亡! 戦闘終了です!
GM/シグ、運が良かったな。まさかアンジュから逃げられるとは。
アンジュ/あー、逃げたー。一旦態勢立て直さなきゃー。……とりあえずこれからのアンジュの案は、カードが全部揃ったので≪サモンギガース≫してアークごとプチッとやります!(一同笑)
レスター/……GM、俺……さっきのアンジュとシグの戦闘を一部始終見たことにしちゃいけませんか?
GM/……可能かな。フェーダだからビルの中ならどこにでも現れるし、元はアンジュとシーンに登場していたぐらいだし、ルイスのことが心配で追っていたっておかしくないだろ。
レスター/じゃあルイスが廃ビルの中に居ることも知っている。アンジュはあの様子だけど、ルイスを殺すようなことはしない。……ルイスを助けたいけど、病院に連れて行ったら研究所に送り返されるだけだ。
ラカート/レスターのやりたいことは何なの?
レスター/……ルイスをこんな目にした、シグとカイル艦長を斬りたいんだよ。
GM/じゃ、そうしよっか? 最終戦を始めよう!


 ●シーン5

GM/シグはなんとか廃ビルからカイルの居るホームまで帰ってくることができます。……さっきの戦闘で【HP】はどんなカンジ?
シグ/ボロボロです!
GM/流石にここでカイルが≪ネクター≫で全回復してあげたら卑怯だと思うんだけど……(山札を出して)ここで君が愛のカードを出したら、≪ネクター≫をしてあげます。
シグ/(カードを引いて)……俺、天才じゃね!?
ラカート/えっ、愛のカード引いたの!?
アンジュ/凄っ! カード運強いね!(笑)
GM/……それはかけてあげよう(笑) シグの怪我を見てカイルは衛兵達に命令を出し終えた後、すぐに≪ネクター≫で傷を癒します。
シグ/……ラカートさんとイオンさんをやりました。イオンさんは最期、訳の判らないことを言っていましたが……2人ともやりましたよ。
GM/「よくやったな。よしよし」……では、好きなタイミングでレスター登場してください。
レスター/……入口から、人を斬りながら中に入ってくる! 翼の音が近付いてくるよ!
ラカート/廊下から衛兵達の叫び声が!(レスターにやられるNPCになって)「ぐあっ!」「うわぁっ!」「な、何故お前が……ギャアッ!」(一同笑)
レスター/衛兵の1人を斬り払って、その勢いでバタンとドアを開ける! ……ルイスの刀を持って、ロードの部屋に現れます。
シグ/バッとカイルさんの前に庇うように出ます!
レスター/……お前達を潰しておかないとな。お前達が裏で暗躍しているのは知っているんだ。……ルイスにはアンジュがいる。シグに刀を向けるよ。
GM/カイルが口を開くよ。「レスター、もう一度言うぜ。オレの言う通りルイスをちゃんとした機関に診てもらわなくていいのか」……引き込もうとします。
シグ/……ルイスさんは生きていたんでしょう? 何が不満なんですか? 俺、間違ったこと言ってますか?
レスター/確かにルイスは生きていたよ。けれど、心が死にかけたあんな状態を生きていると言うなんて、俺は認めない。……そうしたのは、お前達なんだろ。
GM/「……ああ、そうだ、オレがしたんだよ」
レスター/なら、ここでお前を斬らないと俺の気が済まない!
GM/「…………」。ねえ、ちょっとシグを惑わすようなことを言っていい?
シグ/いいですよ。
GM/言います。「……シグ、レスターを生かして捕らえることはできるか?」
シグ/……カイルさんの命令ならば出来ます。ですが、何故?
GM/「アイツをオレの部屋に飾っておきたいんだ」
レスター/……どういうコト!?
GM/カイルはレスターのことを好きだから。……それを、今の状態のシグに言うよ。どう出るかな?
ラカート/それって……シグ的にダメだろ! 今までカイルさんの為にやったのに。あんだけ血に濡れたのに。
レスター/折角ここまでやっているのに、レスターの方向いてるって……。居場所取られちゃうよ?
シグ/…………。普段のシグだったら「ふざけんな!」って言うんですが、もう……カイルさんの命令なら。
レスター/……シグ。
シグ/……レスターさん。ルイスさんが心が死んでいる状態で生きているのは嫌だって言いましたよね。
レスター/……ああ。
シグ/俺も同じです。だから、カイルさんが喜んでくれるならなんだっていいです。……カイルさん、俺に命令してください!
GM/「ありがとうシグ、愛してるよ。……アイツを捕縛しろ!」
シグ/了解しました!
GM/……一方その頃。アンジュのシーンにいきます。
アンジュ/ルイスの様子を見た後、出撃する準備を整えました。さあ、あとは俺がやっちゃうだけ。……ルイスはどうなってますか?
GM/様態は落ち着いてるよ。「……アンジュ」
アンジュ/……ルイスさん、だよね? あってるよね?
GM/「思い出してはくれないか」
アンジュ/うん。ねえ、貴方は……俺の、何?
GM/「……一体何だろうな、その答えは……必要なものか?」
アンジュ/……判らない。そっか、答えってあっても無くても同じだよね。でもね……貴方が誰か判らなくても、大切に守ろうって思ってるんだよ。俺には何も無い筈なのに……なんでだろうね。変なの。
GM/「……俺はな、そんな風に……判らない判らないと言うだけだったアンジュを見ているのが苦しかった」
アンジュ/あ……やっぱり俺を知ってる人なんだ。
GM/「あの研究所でお前に会って……お前に名前を与えて、微笑んでくれたとき……何にも無いのは悲しいと思った。お前に何かを与えてやりたかった。俺が朽ちる前に何かをしてあげたかった……だからここまで連れて来たんだ!」
アンジュ/……きょとん。
GM/「こんなコトをさせるためにお前の手を引いたんじゃない! こんな結末を……俺は望んでない。……こんなことになってしまったのは俺のせいか? お前をここまで連れて来てしまったことが悲劇の始まりなのか!?」
アンジュ/……そっか……悲劇の始まりって……俺の存在が原因なんだ……。じゃあ、行ってきまーす!
GM/……アンジュを止めるほどの力は今のルイスに無い。俯いて、君が出て行く姿を黙って見送るしかありません。
アンジュ/ちゃんと後で迎えに来るからね! 友情5のカードで……ルイスにニッコリ笑って手を振りながら、窓から飛び降ります! 勇気3のカードを使って≪サモンギガース≫! 来い、俺はここにいる……エヴァンジェル!

 現れたのは、天使は天使でも告死天使。真っ赤に燃える機体が街に降臨する。
 街が壊れる、そんなこと今のアンジュは気にしない。
 多くのモノを破壊しながら、アンジュは終わりを目指して走り出した。

【戦闘ルール】
@戦闘マップは10マスに区切られた戦闘距離表を使用し、最も右端にアンジュ(神格機兵)、最も左端にシグとカイル、シグ達のマスから4つ隣にレスターを配置した。
Aアンジュは戦闘開始段階から神格機兵シート『エクレール・シュヴァリエ:エヴァンジェル』を使用し戦闘を行う。
Bカイルのデータは【HP】28、【物理装甲】【霊力装甲】ともに0。28点以上ダメージを受けたらカイルは【LP】0になり死亡する。
Cアンジュの目的は、カイル、シグ、レスターを殺すこと。
Dレスターの目的は、カイルとシグを殺すこと。
Eシグの目的は、レスターを捕獲すること。
F引き続き、シグはカイルからの≪ロイヤルパス≫を使用することができる。


アンジュ/シグさんはレスターさんを倒してうまく俺から逃げれば終わりなんだね。
レスター/生け取りにされるぐらいなら死にたい!
シグ/うわ……俺以外みんな3D6振れるんじゃん。死に戦な気がする……。
GM/では順々に処理していくよ。(ドローフェイズとAP決定フェイズを終えて)……一番最初に動く人は誰?
アンジュ/アンジュです。ぶっちぎりで神格機兵が早いです。

 アンジュ、レスターに≪スナイピングモジュール≫で攻撃。レスターの回避値は19だが、エヴァンジェルは36で余裕で命中させる。2D+19の物理ダメージで、29点を叩き出す。
 レスターは≪カタナ≫でそのダメージを相殺し、12点マイナスさせた。


シグ/良い具合にレスターさんが潰れてくれたので、漁夫の利を狙いましょう。見ててね、カイルさん!

 シグ、アンジュともに移動を行う。
 アンジュは圧倒的な戦力でまたも≪スナイピングモジュール≫でシグを攻撃。命中は27だったが、シグがカードを2枚提出し、回避値28で避け切った。
 レスターも移動を行い、2ラウンド目のドローフェイズとAP決定フェイズに移行する。
 アンジュは≪ウェポンパージ≫を使用し自身を強化。そしてシグに≪スナイピングモジュール≫でクリティカル命中をさせる。ダメージは28点だったが……。


シグ/エヴァンジェルの≪スナイピングモジュール≫を≪レイピア≫で相殺します!(ころころ)20点以上弾きました。
アンジュ/あー……ほぼ相殺だな。じゃあ気を取り直して1歩マスを動きます。
シグ/ありがとう、射程に入って来てくれたところを≪ピクシーコード≫で狙います!
アンジュ/やっぱりー!(笑)
シグ/射程内の攻撃に3D+6のダメージ!(ころころ)よし、出目が高い!
レスター/シグ、ダイス運がさっきから良いな!
シグ/これにカイルさんの≪ロイヤルパス≫を使用します! 全員に物理ダメージ50点だよ!
アンジュ/うわ、凄い! 神格機兵にダメージ入った!
レスター/……そんなの受けたら普通に死ぬ。≪カタナ≫で相殺します。(ころころ)……マイナス13。
ラカート/持ってるを全部ダメージに上乗せしたら?
レスター/カード合計は……12点。マイナス1点で死にます!
GM/【HP】が0になって【LP】がマイナス1になるだけで死なないよ。それと、【HP】0の状態だと【機動力】は全部Dになるだけで移動できるよ。……Dだとダイスが振れないから全て達成値が能力基本値になるけどね。
シグ/……つまり、次の行動で俺が期待値を出せば勝てる!
レスター/……レスターの【体力】基本値は、7だ。
シグ/(ころころ)こちら【体力】9、レスターさんを捕らえます!
ラカート/シグ、ミッションコンプリート!
GM/ですが、戦闘離脱しない限り戦いは続きます。アンジュはまだ残っているからね。……アンジュ、まだ続けるでしょ?
アンジュ/……ぶっちゃけ、神格機兵が街で暴れていたらアークの本部から大量の神格機兵が送られてくると思うんですよね。勝ち目無いとは判ってるんですよ。
ラカート/まあ、街を破壊しながら戦っている訳だし。
アンジュ/……あの、山札って確か今、あと2枚でしたね。
GM/うん。愛と絶望のカードの2枚がある。
アンジュ/……その2枚から俺が『絶望』を引いたらこれからも諦めずに戦うってことにしていいですか?
GM/それとは別にシグが逃れられるかの判定もさせていいかな?
アンジュ/はい。今のアンジュだと大人しくはなれないけど『愛』が出たら戦闘をやめたいと思います。
レスター/さあ神様、カードを引いてください。
アンジュ/(ゆっくりと2枚の伏せられたカードから、1枚を引き)…………『絶望』引きました。
レスター/やった、おめでとう!(笑)
アンジュ/これで4枚ある絶望、全部アンジュが引いたことになりました! 皆殺しにします!
GM/この残った愛のカードはルイスにあげることにするよ(笑) ……では最後に、シグが戦線離脱できるかの判定を行います。アンジュとシグが1D6を振って、シグの方が出目が高ければ逃げられます。
シグ/せーの!(ころころ)……6!
アンジュ/シグすげー!(ころころ)ああ、6には勝てない……負けた。
GM/シグとカイルは、レスターを連れてそこの戦場から逃れることができました。
アンジュ/あーあ、また逃げられたー。どうしようかなー。とりあえず……悪者のお家は潰しちゃった方がいいよね。国会議事堂をガッションガッション!(笑)
ラカート/アークがフルボッコにされた!(笑)
GM/暴れまくる赤い機体。これから街はどうなるのか……と不安が残る中、とりあえずはフェードアウトしましょう。


 ●シーン6

GM/エンディングに参ります。レスターはカイルに囚われてます。……あれから数日が経ちました。東京の本部が暴走した神格機兵によって襲われたことにより、本部は長野あたりに遷されました。シグ達は、とあるホテルのVIPルームでとりあえずは仮の宿をすることになりました。
レスター/ホテルのVIPルームで……どうなってるんですか?
GM/レスターは後ろ手に縛られて、足枷も填められて動けない状態にされています。そんなカイルの部屋での生活。
レスター/生かさず殺さずなのか……ダルマになってないだけいいか(笑)
シグ/凄くキレイな状態にされてますよ。
GM/カイルが部屋に戻ってきます。「シグ、少し部屋の外に出ていてくれるか? レスターと話がしたいんだ」
シグ/判りました。どれくらいで戻ってきていいですか?
GM/「5分で済む」
シグ/では10分程時間を潰して待っています。
ラカート/……なに、このいいワンコ(笑)
GM/カイルは転がされているレスターに近寄って、馴れ馴れしく頭を撫でようとします。
レスター/……出来る精一杯の力で避けるよ。
GM/「イイ姿だな」
レスター/……睨みつけます。
GM/「ハハッ。まさかこんなところで『俺の方』の願いが叶うなんて思わなかったゼ」
レスター/……お前の、願い……?
GM/「一応、オマエを欲しいと思っていたときもあったんでね」
レスター/……怪訝そうに眉を顰めます。
GM/「ここに居ればアークがオレ達のこと守ってくれるから安心して転がっていられるな。どうだい、手籠めにされた気分は?」
レスター/いい訳ないだろ……。
GM/「今は忙しいから何もしないが、これから散々啼かせてやるよ。楽しみにしてるんだな」
レスター/……ルイスのことを考えてます。ルイスは……無事なのかって……。
シグ/部屋の前で三角座りして待ってます。あ、話は終わりましたか?レスターさんの様子はどうですか。≪ウンディーネコード≫必要ですか。
GM/「いや、もう傷は全部治っている。オマエ、今回はよく働いてくれたな」……いいこいいこと撫でます。
シグ/あうっ。……ありがとうございます。心底満足そうに頷きます。
GM/「これからまたロード同士で会議だ。あの神格機兵をどう倒すか作戦を練らなきゃいけないからな。ちゃんといいこでお留守番してろよ?」
シグ/了解しました。敬礼で返します。
GM/笑いながらそんなシグを見てますが……急にフラッとカイルが倒れます。
シグ/あっ。キャッチ! カイルさん、何やってるんですか……。
GM/「…………」
シグ/……カイルさん?
GM/……覗き込んだその顔は、人が変わったように違う表情です。でも目を瞑ると「じゃ、行ってくるな!」と笑ってカイルは出て行きます。
シグ/いってらっしゃい。待ってますね。……お留守番ですけど、レスターさーん、拘束されていますけど山手線ゲームでもしますか?
レスター/手縛られて足繋がれて武器も取られちゃそんな気分じゃない!(笑)
シグ/痛かったらすぐに言ってください。ウンディーネを呼んで回復させますから。
レスター/……キッと睨みつける。
シグ/何が不満なんですか? 監禁されるなんて一生大切にしてくれるってことじゃないですか。……目は死んでるけど見たことないぐらいのニコニコ笑顔で言います。
レスター/お前はこれでいいのか。
シグ/何がですか?
レスター/お前は……あんなカイル艦長でもいいのか。
シグ/ちょっと変なこともありますけど、いつものことですし。生きてニコニコ笑って一緒に居てくれるだけで俺は満足ですよ……。


    ◆


GM/エヴァンジェルに乗って、新たに送り込まれた特務隊を打ち破る。こうしてまた一つの部隊が全滅した……。戦闘して経験値を積んで、新たなる技を取得して、「こうやると殺しやすい」と学んでいくアンジュ。そんな毎日です。
アンジュ/なんだ、今までと特に変わってないね。もう誰もいないのー?
GM/誰もいないね。ああ、きっと休憩時間に入ったんじゃない?
アンジュ/今日は終わりかー。納得して、神格機兵を降ります。
GM/荒野を降ります。砂礫だらけで、ロックブーケには何も無い。
アンジュ/とりあえず戻らなきゃねー。ルイスのところに帰ります。ふっふふーん、鼻歌唄いながらビルを登って登って……ルイス、ただーいまー!
GM/アンジュが作った簡易ベッドの上にルイスが居る。おかえりの一言も言わずにアンジュを見る。
アンジュ/ルイス、お腹空いてる? この前に取ってきたヤツがあるけど食べる? ルイスって何が好き? 俺はね、クリームシチュー! 今無いけど、えへへっ。
GM/「……アンジュ」。久しぶりに名を呼びます。
アンジュ/なに?
GM/「……こっちに来い」
アンジュ/どうして?
GM/「もっと顔が見たい。こっちに来てくれ」
アンジュ/何か教えてくれるのかな。近付きます。なに?
GM/「隣に座れ」
アンジュ/うん。ぽすん。
GM/久しぶりに、研究所にいた頃のように、アンジュの頭を撫でます。
アンジュ/わ。ビックリした顔でルイスを見ます。
GM/「久しぶりにこうしたくなったんだ」
アンジュ/……ぽかん。
GM/「こうされるのは嫌か?」
アンジュ/う、ううん、嫌じゃない! もっとしてほしい!
GM/「……俺の知る限りもう1人、こうすると喜ぶ奴がいたんだ」
アンジュ/……そうなの?
GM/「こうするとよく笑ってくれた。だから、お前にもしたんだ」
アンジュ/……そうなんだ。
GM/アンジュの体を抱きます。
アンジュ/……抱き返して、ぎゅーってします!
GM/「アンジュ」
アンジュ/うん!
GM/「すまない」……0−0の距離で≪神剣≫を使用。
アンジュ/あ。
GM/突如現れた剣がアンジュの体を貫きます。6D+25のダメージです。アンジュの【HP】はいくつだっけ?
アンジュ/……25なんですよ。オーバーキルです。
GM/抱きついた状態の完全なる0−0の位置で、ザクっとルイスが刺します。
アンジュ/……。ぎゅうっと抱きしめて、ルイスと同じように頭を触ろうとしたんですけど、失敗します。
GM/「……俺は、お前の笑顔が見たくて帰ってきたんだよ。……全部終われば、お前も笑ってくれるかな」
アンジュ/ルイ……ス……。ああ、これで全部終わりなんだ……。安心して、死にます。
GM/アンジュが消える寸前まで、ルイスはずっと抱きしめ続けます。
アンジュ/……それだけで幸せです。

 今度会ったときは、笑ってくれよ。
 ルイスは呟き、立ち上がる。光を閉ざすもののない荒野に。
 恐ろしい紋様だらけの体が太陽の下に現れる。両目は赤く、舌にも喉にも、身体中に禍々しい刻印。地獄を歩くには相応しい姿だった。
 ――ある、アークの特務隊に命令が下る。突如荒野と化した街の鋼魔を討伐しろと。
 それは決してアンジュ達が関わることのない話――。



    ◆


 「おめでとう、当初の願い通りレスターを手に入れたぜ。シグもすっかり『オレ』のモンだ。ラカートとイオンとアンジュがいない? でも楽しかっただろ? 良い世界だったじゃねーか。……まだ満足出来ない?」

 カイルは、軍服のままとある場所に居た。本来ならロードの作戦会議に出席しなければならない時間だった。シグに留守を頼んだ。会議に出てくるからちゃんと留守番をしてろと。レスターと一緒に遊んでろと。
 全てカイルの思い描いた通りに事は進んだ。イオンの誘拐もアンジュの送還も全部失敗だが、『この世界を自由に遊ぶ』という目的は全うしたから、後悔など彼に無かった。

 「……そうか……。なら……次の世界へ……飛び立とう……『オレ』達の望んだ結末は……こんなのじゃない……」

 後悔をするとしたら――皆が信頼し合う世界じゃなかった頃から後悔しないと気が済まない。
 ホテルの屋上で、カイルの紫の目は、下の景色を見下ろした。



    ◆


 雨が降ると言われていた。けれど2人は傘も持たず外を出歩いていた。

「あー、雨降りそうだなー」
「ジジイ、傘持ってないのかよ」
「持ってる訳ないだろ、俺が」
「だよな、ジジイがそんな便利なワケねーよなー。本降りになる前に近道でもして帰……あ…………」
「ん、どうした?」
「……なんでもねー。そうだ。俺、T急ハンズ行きたかったんだ」
「えっ、もう宿舎に戻るって言ったクセにまたあっち行くのか!?」
「買い忘れたモンがあったんですぅー。クリスマスツリーが買いたいんですぅー。まだ9月ですけどぉー」
「買って部屋のどこに置くんだよ。既にジャングルだぞ。……傘、買っていこうか」

 2人は離れていく。ジャンクの山から。
 近道など使わない。イオンは人通りの多い遠い道へと歩いて行く。
 そうして雨が降り出した。ザーッと強い雨が一帯を襲う。
 全部を流してしまいそうなぐらい激しい雨に、……人の通らぬ道で眠る仔犬の存在など、誰も気付かない。

「……いいや。殺し合うぐらいなら、最初から会わねーよ」





to be continue...