巨神戦記ギガントマキア・リプレイ・Forget-me-not Scarlett
■ 第7ループ 『 赤い瞳 - 幸せの代償 - 』 ■
2008年12月19日




 からんからん。
 またサイコロを回す音がする。

 一生懸命、何万回もサイコロを振り続けている彼。
 その後ろを……じいっとゴシックロリータの彼女は見つめていた。

 …………ああ、トンデモナイ出目が見えちゃった。
 そんなに泣きそうな顔をしないでよ。たまにはそういうことだってあるじゃない。サイコロをいっぺんに振って、全ての目が「1」だったときなんて。
 何度も何度もサイコロを振り続けていたらそういう結果になることぐらい、一生のうち1度はあるものよ。それはそれとて、全て「1」の世界を楽しめばいいの。
 ……全部が全部つまらない出目なのも、逆に笑えてくるんじゃないかしら。きっとこの結果は、一心不乱にサイコロを振り続ける貴方を笑わせるために生まれた結果よ。
 「1」が出たら死ぬんじゃないわ。だから諦めないで。
 そう……ただ、死ぬほど辛いだけ。
 死んで消え去ってしまうんじゃないんだからまだいいじゃない。それじゃあ、前向きにその最悪の世界を楽しんでいきましょうか――。


    ◆


GM/ではでは……6回目も終わったことだし、『スカーレット』第7回目始めましょうか。
ラカート/はーい。……っていうか、もうそろそろ朝の5時なんだぜ!

 場所はGM宅。カーテンを開けるとうっすらと空が明るい、そんな朝。
 メンバーは同じシナリオで既に6回目遊んでいるのだった。


 ここで簡単に説明だが、『スカーレット』というシナリオは『巨神戦記ギガントマキア』の単発セッション向けに作られたものである。しかし、初プレイ時に衝撃のエンディングを迎えてしまったメンバー全員に「あのとき、○○をしておけば……」という悔恨に念を生まれ、再プレイをすることになった。
 そうして同じシナリオをプレイすること早6回。
 レスターが酷い目に遭ったりラカートが死んだりイオンが植物人間になったりと毎度悲しい結末ばかりのセッションを続けていた。
 それでも……「何度もやってるのに面白い!」ということで、この日もまた7度目のシナリオを開始しようとしていた。

 具体的に何をそんなにやり直すかというと。
★2回行動可能な日常シナリオMAPで、どのシナリオキーを入手したか。
★2回行動可能な情報収集で、既に入手したシナリオキーとどのシナリオキーを組み合わせるか。

 によって、大きくシナリオが分岐する。
 例えば、「第1ループ」でいうところの[シナリオキー/ルイス]を、「シーン1」ステージ名【ルイスの部屋】で入手していなければ、「シーン3」ステージ名【町の広場】でルイスのブローチを入手してもイベントが起きない……といった感じになっている。
 ハンドアウトによって特定のシナリオキーの優遇はあるが、プレイヤーが演出すればいくらでも、どのカップリングでも、どんなシナリオでも楽しめるシナリオになっている。

 ……そうして、今回の目的は……。

GM/……「カイル×シグ」、「ルイス×レスター」「ラカート×アンジュ」って、これって第1ループといっしょだね。
レスター/第1ループのリメイク、いきましょう。

 既にこれから起こるイベントをプレイヤーが知っていながら、同じルートを辿ってみるというプレイだった。



 巨神戦記ギガントマキア
  「Forget-me-not Scarlett」 第7ループ




 ●シーン1

GM/それでは、オープニングを見た後、ctrlキーを押して既読ボタンでスキップスキップ(笑) ハイ、選択肢を選んでください……。
シグ/俺はステージ名【カイルの部屋】にいきますよ。
レスター/ステージ名【ルイスの部屋】にいきます。
ラカート/こっちはどうしよっか……ラカート、お父さんの仮面を外して男になろうか?
アンジュ/ラカアン? アンラカ? カップリングはそのときのノリで決めるのでいい?
GM/はあ、二人の恋愛重視か。……ってことは、イオンは登場しない方がいい? 3P希望ならそういう風に演出するけど。
ラカート/じゃ、今回は……アンジュとイチャつくから二人きりにさせてください!
GM/了解。ではイオンは、『プレイヤーが呼ばない限り出てこないから』ね。

 リプレイでのみ『スカーレット』を見てくれている人には判りずらいと思うが、ハンドアウト1のNPCことイオンの影がとても薄いかもしれない。
 しかし彼は、特殊な能力を持っており、『スカーレット』のシナリオには無くてはならない存在なのだ。詳しくは今後発表される(?)リプレイにて。
 今回リプレイ化した第7ループでもイオンの正体、どころか人格までも判らぬ状態で終わってしまうが、このときのGMの台詞がエンディングでとんでもないことになってしまうのは……伏線である。



 ●特別ステージ/ラカート×アンジュ

GM/まずはPC同士の恋愛フラグにいこうか。……アンジュとラカート……それとイオンは、同室で3人仲良く暮らしています。『部屋にベッドは2つしかないけどそれでもじゃね?』っていう雰囲気になりつつある。
ラカート/イオンにドカっと蹴りだされているアンジュを自分のベッドに入れてあげますよ。しょーがねーなー。
アンジュ/すよすよ……ぬくぬく。
ラカート/犬あったかい。子供体温メチャクチャあったかい。そのまま寝るよ……。
GM/……翌日。アンジュが目を覚ますと、目の前にラカ兄。同じベッドで眠っている。
アンジュ/うん……? ラカート兄……起きてー。
ラカート/あー……もうちょい寝てなさい、ぐう。
アンジュ/ラカート兄ー。起きーてー。ぷにぷにぷに。
GM/…………ドリルクラッシャー……。
ラカート/違うループの悪夢が蘇るわっ!(笑)

 違う世界で、ラカートは『その言葉』にトラウマを負った。
 ……もちろん、『現在のラカート』が知る筈の無い言葉ではあるが(笑)


ラカート/なんか腰が痛いような気がした! 気のせいだ! そうだ、歯車の軋みとか気のせいだ!
アンジュ/ら、ラカート兄……大丈夫? お顔真っ青だよ? いいこいいこ。
ラカート/だ、大丈夫だよ……癒されるなぁ! アンジュ、起きたなら何か飲むか?
アンジュ/うん! 何があるのー?
ラカート/ココアとミルクと紅茶とコーヒー……かな?
アンジュ/うー、ココアー! ありがとー。……この前イオ兄がね、コーヒーって言ったら肘を指差して、ココアって言ったら膝を指差すゲームやったの。
ラカート/……うん。
アンジュ/コーヒーココアコーヒーココアって言ってここはーって言われたから「膝!」って言ったら「そこは肘だろ!」って怒られたのー。
ラカート/……策略ゲーム、イオンすげえ(笑) っていうか、お前ら、いくつだ(一同爆笑) それって小学校で通り過ぎるもんじゃないのかな!
アンジュ/全てを無視する勢いで)ラカート兄のココア、おいしい。
ラカート/そりゃ良かった!(笑) ……お前はさ、素直にそのまま真っ直ぐ育ってくれ。
GM/じゃあイオンも起床するか。「げろしゃぶっ!
アンジュ/何があったの!?(笑)
ラカート/ハイ、げろしゃぶもフーミンもここには居ない。
GM/「はあ、はあ……クトゥルフの方で頑張って来ていたよ……ここは一体どこの世界だ?」
ラカート/ここはギガマキですよ。死なない程度に逃げておいで。
アンジュ/メタ会話すぎる!(一同爆笑) お、おはよう、イオ兄。
GM/フーミ……! いや、おはようアンジュ」
アンジュ/フーミン!? 俺、アンジュだよっ!
GM/おはようと言ってアンジュのココアを奪う。
アンジュ/あうっ!(笑) それ俺のココアだよーっ!
GM/「うまい! もう一杯! って普通の感想じゃねえか!」(一同笑)
ラカート/お前にも淹れてやるから! 罰として苦いコーヒーを作るけどな!
GM/「なんてものを出すんだ、毒物だ毒物!」
アンジュ/味見味見。……うう、にがーい!
ラカート/そんなん普通に飲めるよ。ずずー。
アンジュ/ええっ! ラカート兄、スゲー!
ラカート/大人だからな。
アンジュ/ええっ、大人スゲー!
GM/「俺も早く大人の階段登りたいな、スケボーで
ラカート/順調に下がっていったな!?(一同笑)
アンジュ/ラカート兄、大人の階段ってドコにありますか?
ラカート/お前はまだ知らなくて良い所にあります! ……お前にも『いいひと』が現れたら出来るんじゃないかな。
GM/ハハハ、照れるな
ラカート/イオンは苦いコーヒーでも飲んでおけ!(笑)
アンジュ/……『いいひと』? 俺、もう会ってるよ。ラカート兄!
ラカート/……そっか。
アンジュ/いいひとだよ、拾ってくれて。
ラカート/……これは所謂『お父さんと結婚したーい!』か。『大きくなったらお父さんと結婚する』と言って離れていくんだな、ぶわっ!(一同笑)
アンジュ/わんわん!
シグ/……[シナリオキー/いいひと=ラカート兄]を手に入れた(笑)


 ●ステージ/ルイスの部屋


GM/次にレスターのシーン。どうしますか?
レスター/……大人しくルイスの部屋に行きます。
GM/では、やって来たルイスの部屋は、レスターがいつも掃除している綺麗な部屋だ。掃除してなくても物は何一つも無く、他に訪れる人物もレスターぐらいしか訪れることのない。
レスター/……いつも通りに、写真立ての埃を軽く払いつつ、ふっと目が留めてから、写真立てを持ってベッドの横に座りこみます。
GM/……その写真には、昔撮った『ルイスが映っている唯一の写真』だ。数年前……今は亡きミンストレルのミモザさんなど、過去のフェルトリーナ隊のメンバーが映っている。

 『ギガントマキア』では[フュージョナー]以外のクラスはとても死亡率が高い。死亡することを前提にシナリオアイディアがルールブックに掲載されているぐらい、戦闘員の入れ替わりが激しい世界とされている。
 ミモザという人物もラカートの前任者としてフェルトリーナ隊にいたミンストレルである。
 ミモザの初登場は、第5ループにて。ある選択肢をPC達が行うと出現する。今回は登場しない。


GM/写真のルイスは無表情だ。
レスター/元々ルイスは基本的に笑わないから……シャイなんだよな。
GM/そんな風に写真を見ていると……「まだそんなことをしているのか?」と声がかかる。
レスター/……艦長ですか?
GM/そう、カイルがドア越しに話しかけてくる。「まだそんなことをし続ける気か? 忘れることはできないのか?」……この辺りは既に読んだことある会話だから、スキップスキップ(笑)
レスター/忘れる気なんて、無いです。
GM/「いいかげんにそんな態度でいると死ぬぞ」スキップスキップ(笑)
レスター/あと2か月だけ待ってくださいスキップスキップ(笑)
シグ/すみませんシナリオキーとかいらないで登場していいですかスキップスキップ(一同笑)
ラカート/なんか楽しくなってきた!(笑)

 これぞ、繰り返しの醍醐味。

GM/カイルが去り、シグが現れて、それでもまだルイスのことが忘れられないレスター……。このままだと第1ループと同じになるけど、いいの?
レスター/うーん……。
アンジュ/……ムシャクシャして外に飛び出てみたらどう?
レスター/『カッとなって外に出た、今は反省している』?(笑)
シグ/じゃあ、去る前に一言……。ずっとそこに居ても何も浮かばないですし、気晴らしに外に出てみるか、諦められないなら調べてみるのも手かもしれませんよ。
レスター/……シグ、ありがとう。外に出てみようかと思います。脱ヒキコモリ!
GM/では、レスターはアークの宿舎の外に出ました。……外は快晴。きっとラカート達3人は違うループでお買い物をしていたんだろうな。
レスター/(シナリオMAPを見ながら)どこに行こうかな。――では【町の広場】へ、思い出の場所を巡ろう。
GM/思い出の場所……だと? 回想シーンをやれという提案だな!?(一同笑)
レスター/『月刊クルースニクに載ってたフェーダの為のクリスマススポット』に連れ出されたとかで!(笑)
GM/……それは、1年ほど前のことだった(一同爆笑) あのルイスが、何も言わずにレスターを12月の夜、連れ出した。
ラカート/珍しくカレったらゴーイン!(笑)
GM/で、よく判らないままレスターはキラキラした所に連れて来られます。……以上!(一同爆笑)
ラカート/よく判らなかったけどとりあえず雑誌に書いてあったし、喜ぶかと思って連れて来たんだね(笑)
GM/ちょっとだけご満足な顔。何も言わないけどな。
ラカート/……で、なんで周りがカップルだらけなのかもイマイチよく判ってないんだろ?(笑)
GM/雑誌に載るぐらいだから人気のスポットだと思ってるんだろ。「行かなきゃ」「来た」「で?」と。……抱きよせてチューする訳もない。
レスター/それは……ないですね。
シグ/来た、居た、帰った。何しにだ!(笑)
GM/ルイスをパッと見ると、耳は真っ赤。
レスター/ルイス、可愛いな……(笑) 斜め後ろあたりでクスクス笑っているよ。
GM/喜んでる、ヤッタネ!「ああ……やはりここは楽しいと思える場所なんだな」
レスター/いや、そういうんじゃなくて……。
GM/――そんな、2人にとっては思い出の場所。青空の広場は子供達がキャッキャと遊んでいる。彼は居なくなってしまったけど、彼との記憶は色褪せない。
レスター/……そんなことが1年前にあったな……。
GM/天気の良い広場は……まだ何も事件が起きていない、平和な時間を過ごせる場所でした。


 ●ステージ/カイルの部屋

GM/次に、カイシグのターン。シグはカイルの部屋の前にいます。
シグ/ノックします、コンコン。
GM/返事は無い。
シグ/コンコン。
GM/無い。
シグ/……ガチャッ! か、カイルさんっ!?
GM/飛び入りました。……そこには、自分の机に突っ伏して寝ているカイルの姿。
シグ/ふう……なんだ、寝ているだけか。後ろ手でそっとドアを閉めます。
GM/部屋の中に入ると……【感知】判定をお願いします。達成値は13。
シグ/はい、[シナリオキー/墓島・強化兵]ですね(笑/ころころ)成功しました。……お仕事の書類かな? とりあえず、自分の上着をかけます。
GM/上着をかけようとした瞬間、バッとシグの腕を掴む!
シグ/うわっ!
GM/「何をしたっ!?」
シグ/凄くスキップスキップな予感がするけれど……。すみません、上着を掛けようと思って。
GM/「…………。お前さ、そんな優しいこよとすつようなキャラじゃないだろぉ?」普段通りの軽い口調になります。
シグ/は、はい……お疲れですか?
GM/「あー、一応これでも艦長だからな。久々に寝ちまったみたいだな……仕事やんなきゃなのに」
シグ/大丈夫ですか……俺がやれることなら手伝います。
GM/「いつも手伝ってもらっているだろ」
シグ/おかげで今月のサービス残業38時間で総務部に怒られましたよ(笑)
GM/……カイルは、艦長としての仕事の他に、裏で仕事もやっていて、尚且つ他に人を雇っているわけでもないので彼一人に負担がかかっているという状態です。
シグ/……ヤケに最近お仕事が多いみたいですけど、本当に大丈夫ですか?
GM/「それなりに酒でも飲んでやっていれば体は動く。寝ないのは慣れているからな」
ラカート/……だから精神おかしくなるんだよ、寝ろ(笑)
シグ/片付けでもやっておきましょうか?
GM/「いや、掃除はいい」そこは簡潔に言います……「一緒に寝てくれたら元気になるかもな?」
シグ/……こんな時間からですか? 別に俺は……暇っちゃ暇ですけど……。
GM/「こんな時間が嫌なら夜でもいいんだぞ」
シグ/夜は寝るもんですよね。
GM/「だから、一緒に寝てくれるかって言ってるんだよ」
シグ/……なんて率直なんだ(笑) カリカリと頭を掻きます……。
GM/「ま、冗談だ。気にすんな」
シグ/冗談なら別にいいんです……けど。ううん……。
GM/「冗談にしたくなければ言ってくれればいいんだぜ?」
シグ/……う、うわ、うわあ(笑) ほ、本気なら……手伝いますよ。
GM/「お、言うようになったな。……俺の知ってるお前なら、『冗談でしょ』って言って逃げるのに」
シグ/……流石に疲れている人間にキツく言えませんよ。軽く流しますけど、目を心配そうに見ます。
GM/『いつものカイルに見える』って感じでしょうか。「……もしお前がダメだったら、レスターかアンジュあたり誘ってみるかな」
シグ/わ、判りました来ればいいんですね、来れば!(笑)
GM/「お前の気が乗ったらな。お前にも仕事はやってもらわなきゃいけない」
シグ/そんなこと言ったって……。そうだ。今さっき書類を見てしまったんですけど、『墓島・強化兵』って何ですか?
GM/……言った!?(笑)
アンジュ/言っちゃった!?(笑)

 既に1度プレイしたことのあるシナリオならではのプレイヤーの反応である。
 黒幕であるカイルのデリケートな問題に入って来るのは……複数回やっているから出来たことだろう。


ラカート/直接聞いた……でも普通、判らないことだったら訊いちゃうよね、そりゃ!(笑)
GM/「…………本当に知らないのか」
シグ/えっ……。
GM/「……お前は、知らないのか?」
シグ/そ、そうです……ね。俺は特に聞いたことはありませんけど……何か新しいお仕事の要件だったらいずれ俺にまわってくることでしょうし。
GM/「……今は、まだ、お前にも……フェルトリーナ隊にも無関係だ」
シグ/……カイルさんの個人的なお仕事なんですか?
GM/「ああ、そうだ。俺の個人的なことだから……あまり追及しないでくれ」
シグ/わ、判りました……。
GM/……だけど、シグには判る。物凄くオオゴトがこの人にはあるんだなということが、直感的なもので。
シグ/……カイルさんと俺は付き合いも長いですし、俺はメイガスです。貴方があまり本音を言わない人だってことは知っているけれど……俺に嘘をついたて無駄だってこと、忘れないでくださいね。
GM/表情は若干見えない。でも低い声で言う。「……お前には心配をかけたくないから、言わない」
シグ/……なんですか今更。それはないですよ! 心配かけるようなことなんですか。それなら尚更俺には聞く権利も義務もあると思いますけど。
GM/「権利と義務か、大きく出たな」
シグ/何年一緒にいると思ってるんですか。
GM/「……何年だろうな」
シグ/10年です。
GM/「…………そうか」

 ――カイルの目が、変わる。
 感情を殺したようなものから、『とても楽しげなもの』に。
 まるで、人が変わったように。
「そんなにオマエは生きていてくれるんだな。あのときのメンバーから、オマエだけが生き残った」


シグ/ん? ……それは、俺も同じですよ。俺を知っているのは貴方だけです。
GM/「あのときの艦長が死んで、ミモザが死んで、ルイスがいなくなって……」――ここで『死んで』という言葉は使わないことに感づいても構いません。
シグ/(ころころ)成功。
GM/『今のはおかしくない?』と思った。「本当にお前だけになっちまった……」
シグ/……肩を軽く撫でるようにして、頭に寄せます。……大丈夫ですよ、俺は死にませんから。ずっと貴方の副官です。
GM/「ああ、死なないでくれ。『オレ』もオマエを守りたい」
シグ/それは俺だっていっしょです。……疲れたのなら今寝てしまっても大丈夫ですよ。
GM/「このまま寝てしまったらずっとお前の中で落ち着いてしまいそうだ。……あ、疚しい意味じゃないぞ。そうしても構わないが」
シグ/……夕食まではまだ半日ありますね。あ、俺、何言ってるんだ(笑)
GM/「もう少し仕事を続けるよ。それに雰囲気も出るしな……夜の方が良い」
シグ/凄く意味深な発言だなぁ……(笑) お酒は足りてますか、薬は飲み過ぎてませんか。
GM/「足りないのはハイチュウぐらいだ」
シグ/何味でいくつですかスキップスキップ!(笑)


 ●日常・夜/ラカート×アンジュ

GM/夜……イオンがベッドに入りました。「俺はちょっと夢の世界に行ってくる……ダブクロの世界に!」
ラカート/はい、いってらっしゃい。ジャーム化して死なない程度にな(笑)
アンジュ/ふぁ〜。
ラカート/アンジュも眠そうだな。
アンジュ/そうだね……もうこんな時間だね。
ラカート/寝むそうにしているから寝かしつきますよ。とりあえず俺の隣に来いよ。イオンは寝相が激しく悪いから
アンジュ/ありがとー。
GM/リザレクト!」…………死んだらしい。
ラカート/ああっ、ダブクロ的な意味で!(笑) じ、じゃあアンジュ……子守唄でも歌ってやろうか?
アンジュ/子守唄? ラカート兄が歌ってくれるのっ?
ラカート/お前が嫌じゃなかったらな。
アンジュ/き、聞きたい! キラキラ!
ラカート/寝る子を起こした気がする!(笑)
GM/……じゃあ、ラカートが西暦の時代の歌を聴かせてくれるのかな。
アンジュ/うとうと……ラカート兄の歌、お上手だね……眠くなる……。
ラカート/昔、こうやって聴かせてもらったんだよ。
アンジュ/誰に?
ラカート/母さんだったんだけどさ……もういないよ。
アンジュ/お母さん、かあ……。
ラカート/お前にもそういう大事な人がいるんだろうな。
アンジュ/うん……そうだと、いいな。うん。
ラカート/そうだろうさ。じゃなかったら、お前がこんな素直な良い子に育つ訳ないだろ?
アンジュ/……わんわん。どうなのかな……ううん。何も思い出せない身なので。
ラカート/いつか、お前を大事に想っている人にお前を返さなきゃいけない日が来るのかもしれないな。
アンジュ/そう……か。俺、昔のことを思い出したら……親とラカート兄、どっちを選ぶのかな。……どっちにいきたいと思うのかな。
ラカート/……親が生きてるうちに会った方がいいんだろな。俺はいつまでもいるけれど、時間は無限じゃない。いつだって人間はすぐに死んでしまう。俺だっていつ消えるか判らないけれど、それでもお前らよりはずっと長い。
アンジュ/うん……あ、そっか。ラカート兄はいつも最後、一人なんだね。俺もマシンネイチャーになりたいな。そうすればずっと一緒なのにね。
ラカート/バカなこと言ってないで寝ろ。
アンジュ/はーい。うとうと……。袖をしっかり掴んで眠ります。
ラカート/寝顔を見ながら眠りにつこうかな。目を瞑ります。……俺は離せるときは来るのかな……。
GM/……そのとき、イオンが「侵食値140%!
ラカート/経験値を捨てて戻っておいで!(一同爆笑)


 ●夜・日常/ルイス×レスター

GM/ルイレスのシーンです。どこにいる?
レスター/たまには外に出ようか……ずっと第4ループぐらいまでずっとヒキコモってたんだもん! 脱ヒッキー頑張ります!(笑) 【町の広場】は昼に行ったから……。
GM/他に彼との思い出は?
レスター/……『最初は野外』という言葉が頭を過ぎっていった。
GM/【スラム街】行こうか。……それは1年前のことでした(一同爆笑)
レスター/何しに行ってるんだ、俺!?(笑)
GM/外に出るルイスに話しかけるレスター。「ルイス、出かけるのか?」「ああ」「そうか」「レスターもついてくるか?」……そんなぶっきらぼうな会話。
レスター/……行ってもいいのか?
GM/「ああ……」返事をして、2人は夜空を飛ぶ。場所は廃ビルの多いところだ。
レスター/……あ、折角なんで2人で酒を飲んだ後にしていいですか(笑)
GM/よし、酔っている設定にしよう。……レスターは知っている。ルイスが酒に弱いということを(笑)
レスター/きっとルイスの奴、外の風を浴びたいんだな……。
GM/そうしてやって来たのは誰もいない廃ビル。……西暦の遺跡で『高層ビル』と言われたものだ。高層ビル30階は、フェーダの羽休みにはちょうどいい。
レスター/2人揃って華麗に降り立つ。
GM/……ルイスは、火照った顔を冷ましたいようだ。「……気持ち良いな」
レスター/そうだな。まだ赤いようだが大丈夫か?
GM/「平気だ……」と言いつつも、そうではなさそうだ。……お互い飲むような仲になり、尚且つ無言でデートスポットに連れて行かれる関係になった2人。
ラカート/……『俺達って付き合ってるのかな?』状態(笑)
GM/そんなとき。ルイスがレスターに近寄り、長い髪を撫でます。……以上!(一同笑)
レスター/も、もどかしい……(笑) これはいけばいいということか?
GM/ルイス的には超進展したし、満足そうだ。
レスター/……それにちょっとだけ苦笑いして、そのままルイスに抱きつきます。
GM/少し驚く。けど、ゆっくりとルイスもレスターの肩に手を伸ばす。
レスター/……ここなら、誰も見てないな。
GM/手をまわす程度で終わってしまいそうだけど、顔を寄せてきます。……額に、というか頭に口付けをする。
レスター/……おかしいな、ルイス。
GM/「……そんなにおかしいか?」
レスター/いや……口先だけで否定はする。
GM/「真面目にやっているつもりだったが、おかしかったか……なら」次は唇にしてきます。
レスター/一瞬、こっちの動きが止まります。
GM/……ルイスの顔は、もう真っ赤。
レスター/……襲えばいいかな(笑) その真っ赤な顔を見て、自分のを重ねて……舌を入れる。
GM/応じるように舌を絡ませて……。バッと君を遠ざける。
レスター/んっ……?
GM/「……ああ、先にしてないことがあった」
レスター/……なんだ?

 「お前のことが好きだ。……まずはこの言葉を言ってからだったな。すまない」

レスター/…………。
GM/「……すまない」
レスター/ルイス……(笑) 穏やかに笑います。……俺もルイスのことが、好きだよ。
GM/「……キスをしていいか?」
レスター/もうしてるじゃねえか、バカヤロウ!(笑)
GM/もう一度唇を重ねてきます。顔を寄せ、全身を抱きよせて……肌を重ねました。――そんなこともあった、でも今は誰もいない廃ビルの中。
レスター/過去の話なんだぜ。……恥ずかしい!(笑)
GM/時々……レスターは無意識にこの階に降り立っちゃうんだな。誰も居ないのに。
レスター/……ルイス……呟いて、一晩中そこに居ます。
GM/――街の光だけが見える場所。言葉を通わせ合う人も今は居ない今……少し切ない気分になりつつも、レスターは寂しく立ち続けるのでした。


 ●日常・夜/カイル×シグ

シグ/ああ、上着を置いてきちゃった……仕方ないな、カイルさんの部屋に行かなきゃ(笑)
ラカート/堂々とした言い訳だな!(笑)
シグ/任されていた仕事の書類とハイチューを沢山を持って、私服姿で……ノックします。コンコン。
GM/ガチャっと彼が開けてくれますよ。
シグ/遅くに失礼します。言われていた仕事が終わりましたので確認をお願いします。
GM/「その辺に置いておいてくれ」
シグ/それとハイチューですが、グレープとオレンジとミックスを買って来ました。
GM/「それも、その辺に置いておいてくれ」
シグ/カイルさんのお仕事は……順調ではなさそうですね?
GM/途中なんだろうけどペンを投げ捨てます。「適当に何か飲むか?」と、君の好きな味を作る。
シグ/いただきます。いつも通りに受け取ります。
GM/ソファに座って酒を勧めます。「ふー……。レスターはどうだ?」
シグ/そういえば今日は……掃除機の音を朝聞いたきり、姿を見てないですね。気晴らしにどこか出かけたらどうですかとは言ったんですけど。
GM/「バカ正直にそれを聞いたんだな。アンジュは……ラカートがいるから平気か」
シグ/今日はそんなに騒がしくはなかったですね。首輪がどうとは言ってないし。
GM/イオンについては何も言わない。
シグ/なんだか怪しげな数値を叫んでいましたが、いつものことですし。
GM/「シグはどうだ?」
シグ/俺ですか? ……いつも通り、ちゃんと真面目に仕事をこなしましたし。今日するべきことは全部終わらせました。強いて言うなら、カイルさんの体調が気になる程度ですかね。
GM/「俺のことぐらいなら問題ないか」二の次にします。
シグ/結構重要ですよ!(笑) 酒を飲んで眠れるならいいんですけど、眠れないならあまりお酒を飲まない方がいいんじゃないですか?
GM/言った瞬間飲む。シグがロックだったら、こっちはストレートみたいな。
シグ/薄めた方がいいですよ! 水を取りにいきます。
GM/では……シグが移動した先のテーブルに、カイルが飲んだであろう薬の瓶が並んでいる。
シグ/……今日は一段と多いな。俺がピルケース管理しちゃおうかな……。本当に体調が悪いんじゃないんですか?
GM/君がふっとソファに見たときには、彼は頭を抱えている。
シグ/え……? ソファの下から顔を、上に伺う感じで見ます。
GM/バッと撥ね退けるようにする。
シグ/うわっ!?

 ――また、カイルの目が変わった。
 大変そうながらも笑っていた表情が一変、『とても辛そうで、シグの様子を見て慌てる』彼に。
 彼らしからぬ、怯えるような……当惑した顔に。


GM/「だ、大丈夫か……平気か……っ!」 真剣に心配したような顔をします。
シグ/お、俺は大丈夫ですけど……?
GM/手を出して立ち上がらせます。その間もずっとシグを心配してる。
シグ/大丈夫ですよ……カイルさん、もう寝た方がいいです。
GM/……俯きます。「……イヤだ」
シグ/え……。
GM/「変な……夢を見るから……」
シグ/……どんな夢ですか? 俺に話してラクになるなら言ってください。
GM/「『オレ』の……周りのものが全部……敵に見える……そんな夢だ」 苦痛に満ちた声で言います。
シグ/……そんなの、悪い夢ですよ。頭と背中を撫でながら言います。
GM/「そういえば……人魔化したときは、破壊衝動がとても強くなるみたいだな……」
シグ/……何を唐突に?
GM/「……いや……単に思い出しただけだ。それより、シグ……今さっき払い退けてしまって、本当に怪我はなかったか……?」
シグ/俺は怪我も無いです。
GM/ずっと不安げな顔をしながらシグを気遣います。「オマエの言う通り……そろそろ寝た方がいいんだろうが……眠りたくないんだ」
シグ/……話相手になりましょうか? それとも添い寝でもしましょうか?
GM/「……もっと起きていたい、オマエと話をしていたい。いや……オマエの肌に触れていたら癒されるかな……」
シグ/……凄い率直だった(笑) ちょっと赤くなりながら……それ、嘘でも冗談でもないと受け取っていいんですか?
GM/「……ああ。オレは9割は本当のことを言うぞ」
シグ/残り1割じゃないと……信じてもいいんですか? 何度も言うけど、俺に嘘ついたって無駄なんですからね。
GM/「オレだって1割ぐらいは嘘をつく……けど、一緒に居たいのは真実だ」
シグ/極力、俺には9割で接してください。……抱きしめ返します。
GM/そのままソファに押し倒します。……優しくシグを抱きます。
シグ/ベッドじゃなくてソファなんだ……(笑)
GM/シグを抱いている途中で……呟きます。「絶対に、オレの前から消えないでくれ……」
シグ/……何度もハイと頷きながら、首にしがみ付き返します。
GM/「絶対に……だからな……」 強調するように言います。
シグ/何度も言いますけど……俺はずっと貴方のモノですから。キスをしながら返します。
GM/……性的なこともしますが、最終的にはシグを抱き枕のように抱きしめて眠ります。
シグ/……頭を撫でながら、悪い夢を見ていると思ったら抱きしめてあげる。
GM/眠る姿を見ていると、眉に皺が出来ていくのが判る。
シグ/……よしよし。ずっと朝まで抱きしめて眠りますよ。


 ●シーン2

GM/そんな感じの日常が終わるのでした。……事件が始まります。1週間後、「おはよう」と皆が言い合う中に……イオンが居ません。
ラカート/あっれー、昨日のEPPがマズかったのか?
GM/特命転攻生いってたのか。イオンって暴走ゾーン低い気がするよ(笑) ……そして、3日が経ちました。
アンジュ/(悲しそうな声で)くぅーん……。
GM/ラカートが苛立ち始め、嫌な予感が皆を襲う頃、「任務だ」とカイルに呼ばれスキップスキップ。

 第2シナリオMAPは以下の通り。
 ステージ名【ホーム】寝食を共にしているPC達の宿舎。現在地。
 ステージ名【アークの詰め所】[シナリオキー/アークからの情報]を入手。
 ステージ名【町の広場】[シナリオキー/現場]を入手。
 ステージ名【市場】[シナリオキー/噂話]を入手。
 ステージ名【一般住宅】[シナリオキー/少年の目]を入手。
 ステージ名【スラム】[シナリオキー/女の話]を入手。


 PCの選択は以下の通り。
 ラカート&アンジュ→【スラム】
 レスター→【町の広場】
 シグ→【アークの詰め所】



 ●シーン3 情報収集

GM/ではまずレスターのシーン。レスターは【町の広場】にやってきます。キープアウト的なものが貼ってある中に入って行って現場の情報を聞かされて……。
レスター/あ、あれって……これは……、とブローチを見つけます。
GM/このブローチはルイスの物だ。
レスター/一発で判っちゃうんだ!(笑)
GM/ブローチの裏を見るとイニシャルが彫ってあったりするんだろ。
レスター/なんでこんな所にあるんだ……10か月前に居なくなっちゃったんだし、部屋にも無かったし。
GM/絶対にこれはアイツの物だ。でも……何故?
レスター/……回収して一般住宅の方も軽く見てこうかなと移動します。
GM/レスターは[シナリオキー/現場]を手に入れてシーンは終了。次はシグの番で……【アークの詰め所】にやってきました。一部が無くなっている遺体を見させてもらいます。
シグ/遺体は一部が抉り取られた不思議な死に方をしている……。その中にイオンさんが居ないことを確認して、ちょっとホッとします。
GM/でもイオンもこんな姿で発見されるんじゃないだろうか……嫌な予感はする。
シグ/そんなことになったらカイルさんがまたヘコむんだろうなぁ……。抉られた傷の部分をよく見ておきます。
GM/シグは[シナリオキー/アークからの情報]を入手してください。……じゃあ次。ラカアンだけど……。
ラカート/【スラム】に行って情報を聞きつく。
GM/はい。……2人はスラムに行くと……そこはガラクタの山で人が住むような場所ではない。そんな所でアンジュは拾われました。
アンジュ/なんだか怖いなぁ……。
GM/そんなとき、ガタンッ! と大きな音が立つ。……視線を向けてみると、女の人が大きな物をガラクタの山から取り出そうとしているね。
ラカート/何やってるんだ?
GM/「ちょ、この西暦の遺物はアタシのモンだからね! 冷蔵庫は高く売れるんだから譲る気はないわよ!」とジャンク屋らしき女。
ラカート/ああ(笑) 邪魔しないよ……それより、この辺で何か変わったことはないか?
GM/「変わったコトォ? ……最近は黒いフェーダがあっちこっち飛びまわって怖いわぁ」
アンジュ/フェーダ?
GM/「そ、黒いの。こんなトコ縄張りにすんなってカンジ。ウロウロしているだけだし、時々物を壊すし……アタシが商売できないじゃない」
ラカート/その黒いのはどこに行った?
GM/「知らない。一か所に留まってないけど、多分あっちの遺跡……高層ビルの方かしら」……ということで、アンジュとラカートは[シナリオキー/女の話]を手に入れてください。
アンジュ/事件を起こしているのって、その影なのかな……その人が犯人なのかな。
ラカート/さあな。……話が終わった後にアンジュが倒れていた所に行っていいですか。
GM/いいよ。……女が居た所よりもずっとゴミっとした場所です。いつぞやラカートはここにイオンと共に来ました。
ラカート/アンジュ、ここでお前を拾ったんだぞ。
アンジュ/何か判ることはありますか?
GM/【霊格】で≪直感≫判定をお願いします。
アンジュ/(ころころ)わ、クリティカル近い! 成功!
GM/直感的に思った。……ここで何かあったよな……うん! ここで、ラカート兄とイオ兄に会ったんだ。その前に……『黒い人といっしょに居た』ような気がする。
アンジュ/ビックリして、キョトン。
ラカート/どうしたんだ、アンジュ。
GM/しかもクリティカルなんで……『黒い人というのは、黒い羽の人だった』気がする。とても優しい人だったというオプション付きで。
ラカート/何か思い出したのか?
アンジュ/あ……ラカート兄。うんとね、もしかしたら……ちょっとだけだけど思い出したかも!
ラカート/そ、そうか……で、何を思い出したんだ?
アンジュ/黒い人について説明します。優しい人だったよ。家族とかかな? でも種族が違うし……友達かなぁ?
ラカート/それがもしかしたらお前の大事な人なのかな。
アンジュ/うんっ!
ラカート/……俺オワタのお知らせ、ずーん!(一同笑)
アンジュ/あれ? ラカート兄、どうしたの?(笑)
ラカート/ううん、なんでもないよ! 気のせいだよ、俺全然ショックなんか受けてない! お前が幸せなら俺も幸せだよ! これは涙じゃないよ、ただのラジエーターの故障です!
アンジュ/俺、メンテナンスに付き合うよ!?(笑)
ラカート/にしても、黒い人なぁ……ウチにも黒いのは1匹居るけどな。でもただ黒い羽っこってだけだよな。でもフェーダって数少ないらしいしな……ハハハ。
シグ/……最近現場近くをうろついている黒い羽の男って……どっからどう見てもレスターです。本当にありがとうございました。
レスター/ヤバッ、疑われる!?(笑)
アンジュ/あっ、俺……宿舎に帰ったら似顔絵描くよ!(笑)
GM/という訳でアンジュは[シナリオキー/アンジュの記憶(1)]を手に入れて。――さて、第1回の情報収集終了。全員は宿舎に一度戻って来ます。
シグ/事務的に話しますよ。……とりあえず現在集まった情報は、『黒い影がスラムにいる』『クルースニクが襲われている』『体の一部が持ち去られた遺体がある』などですね?
GM/……いや、違う。
シグ/え?
GM/『クルースニクが襲われている』の情報は無いよ。それはステージ【市場】の[シナリオキー/噂話]で手に入ることだから。あくまでシグが【アークの詰め所】で見たのは『体の一部が持ち去られた「何者かの」遺体』だ。
アンジュ/あ、そっか……じゃあ今回のループは『クルースニクが居なくなったのと詰め所にある遺体を繋げる』こと、できないんだ。
ラカート/でも、なんとなーくそうなんじゃないかって検討をつけることぐらいはできるよな?
GM/ま、できるね。……[シナリオキー]って情報の齟齬が発生しないから便利だよな。

 セッション中、絶賛してました。
 そんなこんなで、2度目の情報収集ターンに入る4名……。


 PCの選択は以下の通り。
 ラカート&アンジュ→【ルイスの部屋】
 レスター→【スラム】
 シグ→【カイルの部屋】


レスター/GM、最初にシグにブローチを見せるイベントがやりたいです。
GM/じゃあ……宿舎で情報収集が終わった後、ラカートとアンジュがいなくなったところを見計らって、レスターはシグに声を掛けます。
レスター/シグ、ちょっといいか?
シグ/はい。
レスター/一つ頼みたいことがある。……このブローチを【町の広場】で見つけた。……俺は、これがルイスが持っていた物だと思うんだ。
シグ/メイガスの俺に持ってきたってことは、こういうことですよね? 愛6のカードを使って【リーディングコード】!
レスター/出目高いな!(笑)
GM/≪リーディングコード≫でブローチの記憶を読み取ると……夜の現場にて誰かが誰かを殺すシーンが見えます。そこでブローチがボトっと落ちたらしい。……少しシーンを巻き戻すと、スラム周辺をぐるぐるさまよっていたり、また違う人を襲っていたり。……あと一気に時間を飛んで……レスターと話をする記憶が見えます。
レスター/昔のことかな……。
GM/ともあれ、『人を殺しまわっている図』が見えたのだからこのブローチが連続殺傷事件の犯人の物だと判る。
シグ/……辛いことを言うようですが、いいですか?
レスター/……何か判ったのか。
シグ/これがルイスさんの物であることは間違いないでしょう。レスターさんの姿が見えました。
レスター/……うん。
シグ/……それと同時に、これが犯人の物であるという確証も、俺には掴めてしまいました。
レスター/…………。そうか、ありがとう。ブローチを受け取る。
シグ/ルイスさんを探していけば真相にきっと辿り着く筈です。……ルイスさんが居そうな所はレスターさんの方がよく知っているでしょう。
レスター/……ああ。
シグ/何かあったら≪ゴーストレター≫で呼んでください。俺はこのことをカイルさんに伝えに行きます。どんな形であれ仲間が生きていたことを知れば喜ぶ筈ですから!
レスター/そうか……。【スラム】の方に行きます!


 ●シーン4 夜


GM/……先にアンジュ達のシーンをやろうか。アンジュ達は2人で宿舎に残るけど……【ルイスの部屋】に行くんだっけ?
ラカート/「似顔絵を描く」と言ったので、画材を探してあちこち部屋をまわっていたら【ルイスの部屋】に辿り着いたってことで。
アンジュ/クーピーを探しに部屋を回りますー。
GM/「この部屋ないかなー。この部屋はないかなー」……と宿舎をさまよっていると……元【ルイスの部屋】にやって来ました。
ラカート/お、ここは空き部屋なのかな……家具置いてあるし。クーピー探したら出るんでお邪魔しまーす……。
GM/そこは掃除がきっちりされた綺麗な部屋だ。……棚の上には下に向けられた写真立てがある。
ラカート/誰の部屋なんだろ、ここ。……写真をパッと見ます。
GM/昔のフェルトリーナ隊の写真です。レスターと、シグと、カイルと……レスターの隣にもう一人フェーダがいる。
アンジュ/なになに?
ラカート/写真があった。アンジュに写真を見せます。この中で知ってるのは……。
GM/そのとき。……アンジュの中の『黒い人』が、写真の中に映るコウモリ羽の人と一致します。
アンジュ/あ……ああーっ!
GM/アンジュは[シナリオキー/アンジュの記憶(2)]を入手してください。記憶の中にいた人とレスターの隣に笑いもせず居る人が一致して顔が判明するから。
アンジュ/ラカート兄! この人だよ、この人! コウモリの羽の黒髪の人!
ラカート/これが……アンジュの大切な人か?
アンジュ/うんっ!
ラカート/グサッ!(一同爆笑)
アンジュ/昔、フェルトリーナ隊に居た人なのかな……? そうすると、隣に居るレスターさんとか、艦長とかシグさんに訊けばいいのかな?
ラカート/うん……そうだろうな。それにしても無愛想な男だな(笑)
シグ/そりゃ良い奴には見えないな。世界一憎いだろうよ、娘を攫って行く男はお父さん的には(笑)
アンジュ/そういうのに限って「お父さんとそっくりなの」って言っちゃうんだ。
ラカート/……俺は無愛想じゃないやいっ!(笑)
アンジュ/確かにこの写真だと物凄い難しい顔をしてるけど、もっとフワって笑うんだよ!
GM/ラカートに追い打ちかけた!(笑) あ、でもアンジュはこれだけは感じた。『この人ってこんな目の色だったっけ? オデコや首元にも何か変な印がなかったっけ?』
アンジュ/表情は優しいけど見た目は怖かったのに……全然怖くない。あれ? 何かが違う……。
ラカート/とりあえず、絵を描く必要は無くなったな。この写真を拝借しよう。
GM/――では、レスターのシーン。レスターは【スラム】へやって来ます。
レスター/本当に生きているなら会いたいし、今までのことを聞きたいし、本当にお前が犯人なのかも聞きたい……聞きたいことだらけだな。
GM/第1ループと違うのは、『ルイスが犯人だ』という確証を持っていることだね。……では【スラム】にやって来ると、何かがガシャガシャッという激しい音がする。
レスター/そちらの方を振り返って音の方に行ってみます。
GM/誰かが居るのかな。いや、誰かが……暴れている? そこらのガラクタを息荒く斬り刻んでいる黒い影が居る。
レスター/その行為を止めに行こう。
GM/近寄ってみると……レスターの動きに反応して、斬りかかってきます!
レスター/≪カタナ≫で受ける!
GM/ガキィン! と剣を向けてきたのは、コートの男。
レスター/顔はっ?
GM/フードを被って見えなかった。けど……攻防の末、チラッと顔が見える……。
レスター/……ルイスッ!?
GM/レスターの声に、バッと後ろに退けます。
レスター/……ルイスなのか?
GM/「そのまま……剣を、構えてくれ」
レスター/……何故?
GM/「このまま戦い続けてくれ!」……懇願するように言います。
レスター/……俺はお前と、戦いたくない。
GM/「頼む、そのまま、剣を握っていてくれ! でないと……!」と、ルイスはまた剣を振り下ろす!
レスター/どうにかして避けます!
GM/レスターの横をかすめていく≪緋文刀≫。暴力的なものは感じても殺気は感じない。……本人はそれを拒み、顔に苦痛が滲み出ている。
レスター/……剣を落としたいな!
GM/落していいよ。判定で。
レスター/(ころころ)成功しました! ……蹴りかかって武器を落とします。
GM/彼の唯一の武器である剣がカランと落ちる。素手のままでもレスターへ襲いかかろうとするけれど、暴走する体を彼は懸命に止めようとします。
レスター/ルイス……。
GM/「今だ……今のうちに殺してくれ……でないと、お前を殺してしまうかもしれない……」
レスター/ルイス、何があったんだ……?
GM/懸命にルイスは自分自身と戦うかのように体を抑えこんでいる。何があった、それを説明する余裕も無いように。
レスター/……近寄ります。苦しそうにしているのは見えるので、腕を押さえます。
GM/噛み付くようにレスターに口付けてくる。
レスター/んっ……。
GM/壁に押し付けながらね。……若干、血の味が混じる。
レスター/痛っ……。
GM/……そのまま、ガクリと彼の体が重くなる。
レスター/抱きとめます。
GM/「……俺が正気でないのは、今ので判るだろう? その前に早く……」と、急かすように懇願する。
レスター/……出来る訳ないだろ!
GM/「……ああ、そうだな。お前に頼むのが悪かった……。優しいお前に出来る訳ないよな……」
レスター/違う! 俺は……俺は! 俺が優しいとか、そんなのは関係ない! 俺はお前が好きだから……俺の手でお前を傷つけることなんて出来ない!
GM/ルイスは涙を流します。(素に戻って)…………って、泣いた?
レスター/泣きましたね。
GM/あー……泣いたかー。ということは……。

 ここで、とある[シナリオキー]をレスターは入手し、またあるフラグが発生する。
 ……『ルイスの鋼魔回避』というイベントと、もう1つが。


レスター/そのまま2人揃って地面に座り込む。
GM/重くて、血の匂いが纏わりついた彼の体。その瞬間……ルイスの目が違う色になっているとか、彼の体自身がおかしなものが描かれているというのが判ります。
レスター/ルイス、その体は……?
GM/「もう……どうしたらいいか判らない。このまま暴走して破壊衝動に負けて……人を襲い続けてしまう。お前を殺してしまうかもしれない……それは、怖い!」
レスター/……お前が、今まで町で起きた事件の犯人なんだな?
GM/「ああ。人魔として覚醒して……破壊衝動のままに人を殺してしまった」
レスター/何故こんな体になったんだ?
GM/「…………」誰がやったとは言わない。
レスター/敢えて言わなかったことには気付いたけれど、それでも聞き出します。……誰がやったんだ?
GM/「誰というのは……俺をこんな体にした奴か?」
レスター/ああ……。
GM/長い沈黙。……その後に、「カイル艦長だ」
レスター/…………。
GM/と言っても、彼はある一派の中の一人に過ぎないけど。
レスター/そうか……ルイス、俺と一緒に、艦長に会ってくれるか?
GM/……無言で頷きます。
レスター/どうにかしてルイスを立たせて……フードは取らないけど支えて宿舎に戻ります。
GM/シーンを終わらせるのでいい?
レスター/はい。
GM/……そっか。

 ここで、ある重要なイベントをレスターは……いや、ラカートとアンジュもこなしていなかった。
 それをスルーして、最後のシーンへと事は進んでいた。


シグ/カイルさんの部屋に行きます。ルイスさんが生きていたと知ったらきっとカイルさんは喜んでくれる筈! コンコンコン!
GM/しばらく時間が経った後。「……入れ」と中から声がします。
シグ/ハイッ! カイルさんは何をしていますか?
GM/多くの資料をあらっていたみたい。ロードとして情報収集をしていたみたいだ。
シグ/カイルさん、聞いてください! さっきレスターさんがですね、現場に向かったらブローチを拾ったんですよ! そのブローチがルイスさんの物で……犯人かもしれないけれど……どんな形であれ生きてるってことは判明したんです!
GM/「ああ……そうか。レスターには喜ばしいことだろうな」
シグ/はい。
レスター/……あ、≪ゴーストレター≫でシグに連絡を入れていいですか。『カイルが真犯人だ』って(笑)
GM/……おお、それは面白い(笑) シグがカイルに報告し終えた後……シグは、レスターからの≪ゴーストレター≫を受け取ります。
シグ/あ、今レスターさんからルイスさんが見つかったという報告が入りました! 見つか……た……けど……。
レスター/『カイルが』ってトコも含めます。
シグ/ルイスさんが……人魔化していて……その犯人がカイルさん……? ……笑顔を凍りつかせたまま、カイルさんを見ます。
GM/「俺がどうしたって?」
シグ/……10か月前……それと数日前、ルイスさんがいなくなったって言いましたよね?
GM/「ルイスはいなくなった、10か月前にな。確かに言っただろ?」
シグ/……コクリ。
GM/バンッ! シグを壁に押し付けます。
シグ/うわっ!?
GM/目の色が変わります。「で、その後は……? 『オレ』がどうしたって、レスターは言ってるんだ?」
シグ/凄く……ガチガチ震えながら。……誰も死なせたくないってこういうことだったんですか?
GM/「一番効率的だろ? ……弱ったサムライを更に強い存在に仕立て上げられる。これ以上のものはないだろ?」
シグ/……イオンさんも?
GM/「アイツも凄い力を持っているからな。磨けば光ってくれるぞ」
シグ/それで……彼らが壊れてしまったとしても?
GM/「壊れても、その先の使い道はいくらでもある。……で、それが判って……オレに向かってそんなことを言ってどうする気だ?」
シグ/う……。
GM/「聞かなかったことにしてくださいか? それとも、アナタがやったんでしょうと言ってオレの首を掻っ切る気か?」
シグ/無言で首を振ります。……もし、俺が死にそうになったら、俺もそうするんですか?
GM/……その時、キョトンとして『その発想は無かった』という顔をします。「どういうことだ?」
シグ/だって……誰も死なせたくないって言いましたよね。それが一番効率が良いって……じゃあ、もし俺が死にそうになってもカイルさんは同じように俺を改造して、フェルトリーナ隊の隊長として……笑って生活するんですか?
GM/「……いいや、そんなことはしない。そんな勿体ないことはしない」
シグ/もったいない……?
GM/「死ぬぐらいのところにいったなら、そのまま手足を切り落としてオレの部屋に飾っておくよ」
ラカート/…………ダルマ!?
アンジュ/手足切り取ってから≪ネクター≫だよね……医者だもん……(笑)
シグ/綺麗に縫ってくれるだろうよ……って、物凄い発言を聞いてしまった!(笑)
GM/「で、オレをどうしたい? オレをこのまま刑務所に連れて行くか? それとも、無かったことにしてくださいと任務に戻るか?」
シグ/……ちょっとだけ俯きます。
GM/「犯人を手放すか?」
シグ/……俺、言いましたよね……俺は一生貴方のモノだって。手を翳して、≪リーディングコード≫で全部貰います!
GM/うわ、全シナリオキーを奪われた(笑) シグは、カイルが持っている強化兵や研究所の実態を全て見ることができます。
シグ/……カイルさん、貴方はどうしたいですか。
GM/「……最初はみんなが死なない世界があればいいと思った。だが今は……オマエが死なない世界があればいい。オレの本当の願いは、オマエを飾っておくことだよ」
シグ/確かに貴方のモノとは言ったけど……。でも、ヤベ、ダルマになりてぇ(一同爆笑)
GM/では、彼の目が赤く光った気がした。狂気の目に陥っている。
シグ/(アンジュ達の方を向いて)……入って来てもらっていいですか!?
アンジュ/ハイッ! ……ラカート兄、中の様子がおかしいよ。ガンガンッ! 艦長いますか!?
GM/鍵が掛かっています。
ラカート/おい、開けろよ!
アンジュ/ラカート兄、どいて! ≪ライトボウ≫発射します!(笑)
ラカート/よし、サラマンダーとバンシー来い!(笑) ドアを破壊するのに3ターンは必要だな!(笑)

 勝手にターン制限を設けられました。
 よくあることです。


シグ/……赤い瞳をしているけれど、そんなの関係無い。カイルさんを抱きしめられます。
GM/カイルは狂った笑みを浮かべながらも抱きしめられ……た時、君を引き離そうとする力が発生します。
シグ/カイルさんっ!?
GM/ガン! 頭をわざと打つかのように壁に激突する。苦痛の表情で「やめろ、抱きしめるなよ……!」
シグ/どうすればいいんですかっ……手を掴みます! 絶対に離しませんからね! 手足なんて切り落とされなくても、俺は貴方から逃げません!
GM/「そんなこと言ってられるのは今のうちだけだ。『俺』は……もう……手遅れなんだ」と言って……体を一部変形していきます。
レスター/アンジュとラカートがドアを開けた直後ぐらいに到着します。
GM/では、ドアが開かれ、全員の目に映るのは……変貌していくカイルの姿。瞬間……表情が別人に変わる。ニタリと笑って、≪サモンディアボロス≫――。

 神格機兵を召喚する≪サモンギガース≫ではなく、負の衝動に満ちた黒い機体へと姿を変えていくカイル。
 ルイスが鋼魔化したのとは違う、宿舎を始めとする周囲を無差別に攻撃する凶悪な敵へと変わっていった。


アンジュ/鋼魔化……!?
ラカート/喚んじゃった! ……≪真眼≫を使って≪サモンギガース≫させようか?
シグ/……あの、やりたいことあるんですけど。
レスター/……なに?
シグ/カイルさんの前でオオミエ切っちゃったので……俺、機兵に乗りたいです。
アンジュ/でも、カード足りないよ。
GM/いや、ギガマキのサプリメントに書いてあることなんだけどね。……[フュージョナー]は1〜7枚までのカードを揃えないと神格機兵に乗れないの。ただ、[フュージョナー]以外は7枚揃えなくてもいいの。
ラカート/凄っ!
GM/ただね、神格機兵の戦闘が終わった後……搭乗者は死ぬの。なんていう『ぼくらの』。
レスター/……OK、そういうことか!(笑)
ラカート/カード足りない、このままだと召喚できない、みんな巻き込んじゃう、もっと大きな被害が! ちょ……シグ、何をする気だ!?(笑)
シグ/……全員に……ごめんなさい。
アンジュ/シグさん、そんな……!
ラカート/命を捨てるのはバカのすることだ! なんでお前が乗らなきゃいけないんだよ!?
シグ/俺があの人を愛しているから以上がいりますか?
ラカート/…………。
シグ/まあ……惚れちゃったら仕方ないですよね。どうかカイルさんを責めないでください。あの人はみんなを生かしたかっただけです。
アンジュ/ごめんなさい、俺に力が足りなかったせいで……。
シグ/これは俺の我儘です。……≪サモンギガース≫をして、神格機兵に乗りますよ。
GM/では、[フュージョナー]がするようにシグは神格機兵を召喚します。アンジュが喚び出す赤い機体とは違う姿をしてるね……。

 こうして、鋼魔化してしまったカイルと、神格機兵に乗ってしまったシグの戦闘は……終結する。
 シグの機体を援護するアンジュ、ラカート。レスターはルイスを守りながらの戦い。
 ……鋼魔が消えるとき、シグはカイルに対し人魔から解放する≪アブソルートソウル≫を使用し……彼を助けたのだった。


GM/――戦闘は終わりました。美しい光に包まれて、元の姿になったカイルが下の方に落ち、眠っている。
レスター/シグも神格機兵から降りてくるよな? ……受けとめにいきます。
アンジュ/でも……降りたら、もう……。
GM/レスターが抱えて降りてくると、シグがぐったりして生気が無くなっていく姿がハッキリと判る。……LPが0になってしまった状態だ。
レスター/静かに下に降ります。……もう、なんて声をかけたらいいんだ。
アンジュ/艦長の様子は?
GM/眠っています。
アンジュ/艦長! 艦長、起きてください……艦長っ!
シグ/アンジュさん、そのまま……寝かせてあげてください。
アンジュ/でもっ!
ラカート/……アンジュ、我儘は言うな。コイツの言うとおりにしてやってくれ。
アンジュ/でも、だって! ううっ……!
シグ/…………。
ラカート/……何か伝言はあるか? あのバカに伝えておいてやる。
シグ/……嘘をついてごめんなさい、とだけ……。
ラカート/わかった……。
シグ/レスターさん、抱えてくれてありがとうございます……。
レスター/うん……。
シグ/立ち上がって、……カイルさんを抱きしめに行きます。
GM/抱きしめられますね。……そこには、君が見たことのないような『ごく自然な寝顔』があります。
シグ/安心したように笑って、頭を撫でます。おやすみなさいと言って……消えます。
GM/……光になってシグの体が消えていく。
ラカート/……アンジュ、おいで。
アンジュ/うん……。
ラカート/ぽんぽんと背中を撫でます。
アンジュ/…………。
ラカート/……あれがアイツの出来る精一杯だったんだ。それを俺達は見守ってあげよう。
アンジュ/……艦長のバカ……。
ラカート/……だな。後でいっぱい怒ってやれ。
アンジュ/シグさん、もういないよ……。
ラカート/……うん。そうだな。
アンジュ/起きたらいないんだよ。
ラカート/それは起きられなかったアイツが悪いんであって、アンジュが悪いんじゃない。だから……そんな泣きそうな顔をするな。俺まで泣きそうになる……。
アンジュ/ううっ……うあああああああああああぁん!
レスター/……またか。
GM/ルイスがレスターの元にやって来ます。「……また、というのは?」
レスター/また、誰かが死んでいくんだな……。
GM/「ああ……どうせここは戦場だ。それに、そうでなくてもいつか人は死ぬ。どんな世界だろうがそれは変えられない」……レスターの肩を抱きます。
レスター/俺も、ルイスを守るために……死ぬ世界もあるのかもしれないな。


 ●エンディング/アンジュ&ラカート

GM/で、エンディングなんですけれど……。
一同/(沈んだ様子で)はい……。
GM/……重要なことを先に言わなければなりません。
一同/はい?
GM/……実はこのルート、イオンがですね。
ラカート/…………超放置!?(笑)
レスター/あ、真相は辿りつかないままで……研究所の[シナリオキー]を持ったシグは死んじゃったから……。
GM/尚且つ今回、イオンに関するイベントを何一つ起こしてないんだよね。第1ループではカイルが一言「イオンは研究所送りだ」と言ってるし、シグに研究所解体の資料を渡したんだけど……。
アンジュ/イオ兄……救えない? ……あぅ。
シグ/……ごめん!?

 イオンは、支離滅裂なことを言う電波な青年である。
 イオンは、○を探している。
 イオンは、○○○○という特殊能力を持っている。
 よってイオンは、墓島研究所に連れていかれ……現在○○○に幽閉されている。
 ……以上のイベントを、今回は何一つこなしていなかった。


GM/まあ、救えなかったと割り切ってエンディングにいきましょう。まずはラカートとアンジュのシーンから。病室で、カイルはベッドにいます。
ラカート/……シグからの伝言だ。『嘘をついてごめんなさい』と言ってたぞ。
GM/「……で、シグはいつ来るんだ?」
ラカート/死んだよ。判るだろ。
GM/「……連れて来いよ」
ラカート/……もういないんだよ。お前が突っ走った責任を全部とって、お前は人間やめるの止めたせいでアイツは死んだんだよ。
GM/「……早く連れて来てくれよ」と、判った顔で言います。
ラカート/判ってるだろ……だからこそ、こんな伝言を俺が伝えるハメになったんだ。
GM/「いいから……連れて来てくれよ……」
アンジュ/艦長……うぅ、ううう。
ラカート/いたら俺だって……コイツを泣きやませてるさ!
GM/「…………」。無言でベッドの中にこもります。そのまま出て行けという空気を醸し出されます。
ラカート/生きろよ、アイツがくれた命なんだから。それがお前の責任であり義務でもあり、償いだろ。……アンジュ、行くぞ。
アンジュ/で、でも……。
ラカート/行くぞ。……一人にしてやれ。
アンジュ/……うん……。艦長、また明日来るね。
GM/彼は、何も言いません。2人は廊下に出ます。
レスター/……今回、アンジュの記憶はまだ取り戻してないんだよね。
GM/残念ながらセッション内で、プレイヤーの力で取り戻せてないので、実感の無い曖昧なままです。思い出したとは言えません。
アンジュ/イオ兄……。
GM/イオンが見つかったという話は、一切聞きません。
ラカート/……俺達、これからどうすればいいんだろうな。例の任務から外されて、艦長もいない、艦長候補もいない……。
GM/新しいロードとメイガス、そしてサムライが来ることでしょう。……ルイスは回復してないから。
ラカート/フェルトリーナ隊、解体だな。……って、それって別々になる可能性もあるかもしれない!?
アンジュ/……あれ以来、部屋で塞ぎこんでます。
ラカート/ですよねー!(笑) 部屋のもう一人の住人は戻ってこないし。たとえ短い期間でも一緒に暮らすよ……!
アンジュ/ラカート兄。
ラカート/うん?
アンジュ/ラカート兄って……マシンネイチャーだよね。
ラカート/そうだな。
アンジュ/機械だから……寿命がないよね。
ラカート/……壊れるまではな。
アンジュ/ルイスさん……って人が、人間っていつか死んじゃうものだからって言ってた。
ラカート/ああ、いつか死ぬな……人は脆いから。
アンジュ/シグさんがいなくなっちゃって、イオ兄も帰ってこれないだろうな……。いるのかなーって思っていた家族も……ルイスさんに聞いたら、俺いないみたいなんだよね。
ラカート/バーカ、家族ならいるだろ。フェルトリーナ隊を家族と思えばいいんじゃねーの。……少なくとも俺はお前のことが大事だし。
アンジュ/あ、そうだね。
ラカート/……離れたとしても生きていればまた会える。だから絶対に死ぬなよ。
アンジュ/うん……。
ラカート/まあ、お前はフュージョナーだからどこの特務隊に行っても戦力の柱になるだろう。
アンジュ/じゃあ、ラカート兄は後ろだから安心した。死んじゃダメだよー。
ラカート/お前以外の為には死なないよ。生きるも死ぬもお前の為に死のう。
アンジュ/俺が死ななきゃいいのか。頑張る。……約束だよ。


 ●エンディング/レスター

GM/レスターのエンディングです。……事件の犯人は見つからず、今は隠れてルイスを治療しています。レスターは、入院中の拘束されたルイスさんのところに行きます。
レスター/看病をしに行きます。
GM/「今日も来てくれたのか?」と、ルイスは軽口を叩けるようになりました。
レスター/来てほしくないなら来ないぞ。
GM/「でも毎日だって来るだろう、お前は」
レスター/……そうだな。横の椅子に座って、髪を撫でます。
GM/特におしゃべりするキャラでもないから、ずっと居るだけでいいんだろうな。「……そう、傍に居てくれるだけでいい」
レスター/……まだ調子が悪いんだろ。眠っておけ。
GM/目を閉じて、ルイスは眠ります。体中の禍々しい模様は消えません。『奇跡でも起きない限り』完全に治ることはないでしょう。……そんなとき、お医者さんがレスターを呼びます。
レスター/はい?
GM/「別室に行きましょう」
レスター/すっと離れて……何か?
GM/「彼の治療に、違う病院が名乗り上げてくれました」
レスター/…………。
GM/「我々の力では彼の様態はとても負えるものではありません。それは貴方も彼の症状を見ているのだから判ると思います」
レスター/…………。
GM/「我々では出来ない治療をそこならできます。彼のことを考えて、その病院に頼んでみては?」……と、墓島研究所が壊滅してないのでこのイベントが発生します。
一同/あああああーっ!?
レスター/これって……まさか……また研究所に戻される!?
アンジュ/しかも、今度は逃げてきても戦力減ってるんだ……。
ラカート/艦長いないしメイガスもいない、イオンもいない。っていうかフェルトリーナ隊はそのうち解体される……。
アンジュ/それに……今後、墓島のこと一切知る手段が無い!
レスター/もう終わったな……。そんなことを医者に言われたら「そういう施設があるのかな」って思っちゃうよね!(笑)
ラカート/そんな末期患者を目にして言われたら……藁をも掴んじゃうぞ!?(笑)
GM/「どう致しますか?」
レスター/……俺も、一緒について行くことはできますか?
GM/それはそれでアリですね。……研究所的には良いレンジャーをゲットだぜ。「きっと……付添い人という形であちらも判ってくれると思います」と、にこやかにお医者さんは言います。
レスター/何も知らないんだね、この医者は……(笑)
GM/うん。「詳しくは後ほど正式に」……受付をし終えたレスター、ルイスの病室に戻ります。
レスター/あっちの病院で良くなるといいねって看護婦さんに喜ばれるんだ……(笑)
GM/ルイスのことだから「良くなったらお前を抱きしめられるぞ」って言うんじゃないかな(笑)
レスター/うわー、もうダメだー。もう全てが終わったー(笑)
GM/病室に戻って、『希望が俺達に見えてきた……よ?』というところで、レスターのエンディングを終わりにします。


 ●エンディング/シグ

GM/では最後にシグ……夢歩きいこうか、幽霊さん。
シグ/今カイルさん……は、ベッドで眠ってますよね。ベッド横で、透けてしまうけど彼の頭を撫で続けます。
GM/それに気付いたことにしましょうか。「……シグ、いるのか……?」
シグ/…………。
GM/「お前、いるんだよな……なんで姿を見せてくれないんだ? いるなら……俺を抱いてくれよ……」
シグ/……抱きしめます。……ごめんなさい。
GM/でもそれも僅かな時間の間。
シグ/貴方はみんなに生きてほしかったのかもしれないし、もしかしたら俺一人が生きていれば良かったのかもしれないけれど、俺は……貴方だけが生きていてくれれば良かったんです。
GM/……そうやって、君は消えていくのかな。
シグ/最後にキスだけして……消えます。
GM/立ち上がります。空へ消えていく姿を追おうとします。
シグ/追う……って?

 沈痛な面持ちで、カイルは外に出た。
 空へ消えていく姿を追う為に。

「オマエの居ない世界なんて、『オレ』には価値が無い」

 ――その後、また違う騒ぎが病院で起きたのだった――。




アンジュ/……『幻覚による飛び降り自殺』!(笑)
ラカート/うわーあのバカ、やっちまったなって気持ちでいっぱいです。次の日……行こうとしたら。
アンジュ/アンジュ、ダウナーになります(一同爆笑)
ラカート/くそ、昨日までアッパーだったのにー!(笑) 艦長のバカー!
シグ/ゴメン……あの人を責めないでください、俺を罵ってください!(一同爆笑)
ラカート/だからお前ら2人、バカだと以下略!(笑) バカは死んでも治らない!
アンジュ/正しいバカップルだね……(笑)
GM/しっかし……ヒドイセッションだ。すげーヒドイ。
アンジュ/これ、初めて『ギガントマキア』やった人、トラウマになって二度とやらないよ!(笑) ルールブックの表紙を見せただけで「やめろーっ!」って転がりまくりだよ!
ラカート/もう二度とこのゲームやらなくなるわ!(笑) ……レスターなんて希望が見えないし、研究所脱出できるの?
レスター/無理だろ。最悪、墓島でルイスと心中するわ。
ラカート/もしかしたらラカートとアンジュは離ればなれになるんだから、どっかの戦地で片方死ぬかもしれない……その後考えたくないよね!(笑) みんな鬱すぎて最高だ!(一同笑)
シグ/やったー……全員鬱にした……ホントごめんなさい!(笑) [シナリオキー]を全部持って死んで、本当に申し訳ない。
GM/……イオンは帰ってこないわ、ルイスは返されるわ、カイルさんはいつも通り自殺するわ……。
シグ/死ぬか、ダルマ化されるか……最低なセッションだな。
GM/TRPGでダルマって単語出てこないよ!(一同笑)
シグ/あーあ、NPC全員不幸にしちゃった。
ラカート/PCも全員幸せになってねーよ!(笑)
GM/……こりゃ、エクスカリバーたんも「やり直し! やり直しっ!」って言ってくれちゃうわ(一同爆笑)



to be continue...