巨神戦記ギガントマキア・リプレイ・Forget-me-not Scarlett
■ 第1ループ 『 スカーレット - 朱色の記憶 - 後編 』 ■
2008年9月19日




●シーン2

GM/あれから1週間ほど経ちました。9月の朝……アンジュは少しずつフェルトリーナ隊の生活に慣れ、いつものようにおはようの時間帯を過ごします。
アンジュ/おはよー!
ラカート/ああ、おはよう。
GM/食堂で朝食を……といきたいところですが、今朝はイオンの姿を見かけません。
アンジュ/あれ? イオ兄、いないね。
ラカート/あー? この時間ならやって来るだろうに……イオンを探しに行きます。
GM/いません。
ラカート/どこにも?
GM/いません。
ラカート/……イオン? イオンちゃーん。かくれんぼはオシマイでーす。アイツ、朝からどこ行ったんだ。財布は無くなってますか? 出かけてるのかなー……。
GM/財布は、部屋にありますね。
ラカート/ん? 宿舎の中に居るのかな……。
GM/そうして2日が経ちました。
アンジュラカートえっ!?
レスター/なんと……。
GM/では、イオンがいなくなって3日目の朝になります。
アンジュ/い、イオ兄、どこ行ったんだろ……しゅーん……。
ラカート/相当イライラしてます! カイルさんのところに行っていいですか。
GM/それじゃロードの執務室兼カイルの部屋に向かいますか。
ラカート/おいカイル! ……イオンの連絡はまだ入ってないのか! アイツがどこ行ったかまだ判らないのか!?
GM/真面目な顔でカイルは言うよ。「……任務の話をする。隊員全員を連れてこい」
ラカート/なに……任務?
GM/「アークから、我がフェルトリーナ隊に命令だ。まずはその話からする」
アンジュ/は、はい……席につきます。
GM/では、部屋にイオン以外のフェルトリーナ隊メンバーが集まります。「――現在、この街及び周辺一帯に失踪事件が起きている。15〜20歳ぐらいの若い男性ばかりが失踪し、また、それと同年代の男性の遺体が数体発見されている」
ラカート/……カイルを睨みながら聞きます。
GM/「既に十名の男性が失踪し、発見された。この事件を解決するにあたって派遣された特務隊だが、我がフェルトリーナ隊で6隊目の調査になる」
シグ/……どういうことですか?
GM/「以前の他の5部隊が、解決できずお手上げになったんだよ。我々の任務は、犯人を付きとめることと犠牲者を増やさないようにすることだ。期限は短いぞ」
ラカート/……その死体があがるまでの時間は!?
GM/「まちまちだな。前に失踪してから、遺体が発見されるまで時間が経っているものもあったらしい。……まだイオンが事件に巻き込まれたのかは断定できない」
アンジュ/艦長、それじゃ遅いよ。イオン兄、男だし20歳だし……狙われる条件にピッタリじゃん!
シグ/というより、ラカートさん以外の全員は条件に当てはまりますね。とりあえず状況を整理しましょう。遺体の状況など判っている範囲で教えてもらえますか?
GM/カイルの口から訊くの? それなら【知力】の≪交渉スキル≫判定、達成値18で教えてくれます。
シグ/(ころころ)……よし。素振りで20が出たから成功です。
GM/「遺体の特徴は、体の一部が持ち出されていることだ」
ラカート/体の一部……まさか聖印か?
アンジュ/あ、つまり……。
GM/ガンッ!
アンジュ/え?
GM/カイルが、いきなり着席していた席の机に頭をぶつけました。
シグ/か……カイルさん!? 駆け寄っていいですか!
アンジュ/艦長!? 寄ります!
GM/「あ? ああ……すまない。今のは気が抜けて寝ちまった」
ラカート/体張ったギャグだな……? カイル、俺らに何か言ってないことあるか。
GM/「……無いよ」
ラカート/本当か?
GM/「どうした、何かあったか?」……では、[シナリオキー/墓島・強化兵]を持っている人のみ怪しむことができます。
シグ/あっ……。
GM/……という訳で、シグ以外の3人は軽く流してしまいます。
ラカート/あー、カイルの部屋には行ってないから疑えないや(笑) ……だよな! 何か知ってたら真っ先に話してくれるよなー。
レスター/でも艦長の方を訝しげに見てます。
シグ/……部屋で感じた違和感を思い出します。

 第2シナリオMAPは以下の通り。
 ステージ名【ホーム】寝食を共にしているPC達の宿舎。現在地。
 ステージ名【アークの詰め所】[シナリオキー/アークからの情報]を入手。
 ステージ名【町の広場】[シナリオキー/現場]を入手。
 ステージ名【市場】[シナリオキー/噂話]を入手。
 ステージ名【一般住宅】[シナリオキー/少年の目]を入手。
 ステージ名【スラム】[シナリオキー/女の話]を入手。


ラカート/そうだな……俺はアンジュと一緒に行動したい。アンジュが攫われたら困る。
レスター/確かに。アンジュは攫われる可能性が俺達より高い気がするな。
ラカート/アンジュ、俺と一緒に町の広場に行ってみないか?
アンジュ/うん、そうする!
レスター/俺は市場に行って情報収集をしてこよう。
シグ/それなら、俺はアークの詰め所で情報を聞いてきます。


 ●シーン3 情報収集

GM/では順々にこなしていこう。……ラカートとアンジュは、町の広場にやって来ました。人々の憩いの場所だけど、資料によるとここで遺体が発見されたそうです。
ラカート/現場に来たことだし……何か無いか調べよう。
GM/なら、【感知】での≪捜索スキル≫判定をやってみて。達成値は15、20、25と高ければ与える情報が増えていくよ。
ラカート/(ころころ)えっと……16だ。
アンジュ/(ころころ)あ……18です。
GM/達成値が高いのはアンジュの方だな……。ではアンジュが何か無いかと探すと、ブローチのような物を発見します。
アンジュ/なんだこれ、ブローチ?
GM/彩りがくすんで傷ついているけどブローチだね。加害者なのか被害者の物なのか判らないけど、重要な物じゃないかな?
ラカート/よくやった、アンジュ。鑑識のパックみたいな袋にブローチを保管します……。
GM/――ではこのシーンに登場しているお2人、[シナリオキー/ルイス]は持っていますか?
レスター/…………なんという!(笑)
ラカート/俺はルイス関連は……全然持ってません(笑)
アンジュ/こっちも持ってないです(笑) ……ラカ兄、後でみんなに見せれば何か判るかもしれないよ!
GM/だね。違う人に見せれば何か判るかもしれない。……じゃあアンジュとラカートのシーンが終わるから[シナリオキー/現場]を手に入れてくださいね。情報の共有はできるけど、シナリオキーの共有はできないよ。
レスター/あーあ、俺がそっちに行くべきだったな……本当にギガマキってフラグ立てゲーだ(笑)
GM/では市場に行ったレスターのシーン、いくよ。市場は人が非常に賑わっています。町の人々に話を聞きたいなら【知力】の≪情報収集スキル≫で判定してね。
レスター/しまった、≪情報収集スキル≫って【知力】判定だったんだ……【感知】の方が高かったのに。(ころころ)達成値15です。
GM/……レスターは市場の人々から情報を集めます。「ああ……何人かが居なくなるってよく聞くわね」
レスター/どんな人でしたか? 特徴や共通点とかは……。
GM/「それなりに強いって有名な人が居なくなっているみたい。最近スラムにいる変な影がいて、そいつが襲っているっていう話も聞くわ」
レスター/強い人……ああ……クルースニクか。
GM/「まさかあんなに強かった人が……信じられないわ」など色んな人から聞くことができました。ということで[シナリオキー/噂話]を手に入れて下さい。――次に、アークの詰め所のシーンにいくよ。
シグ/はい、俺の番です。
GM/アークの詰め所には、一時的な死体安置所があるようです。見つかったご遺体が保存されていますが、現代よりはずっと医学が発達してないので腐ってしまうのも早いです。
シグ/魔術で無理矢理死体を保存している感じですか?
GM/そうそう、ウンディーネが数体を常に腐らせまいと頑張ってる感じ。技術的には平安時代ぐらいにファンタジー要素と西暦の技術が多少発掘されている世界だからね。あまり見栄えの良いものじゃないです。調べるなら、【知力】判定か、【霊格】の≪直感≫判定を。
シグ/メイガスなので【霊格】の方が高いな……それでいきます。(ころころ)達成値は21。
GM/お、高い目だ。……カイル艦長の言ってた通り、体の一部がどれも刳り抜かれているね。この人には右腕が無いし、この人には舌が無い……この人なんか後頭部をベリッとやられている。
シグ/う……。
GM/達成値が20越してるんだよね? ……じゃあ貴方は思った。「頭の一部分だけベリッなんて普通の人は出来ない技術だよな。腕の良い医者か、レベルの高い魔術師がやったのかな?」
シグ/プロの犯行か……医者かミンストレルだな?
GM/では、[シナリオキー/アークからの情報]を手に入れてください。……そうやって調べているとあっという間に日が落ちてしまいました。ホームに帰って皆さん明日も頑張りましょう。
ラカート/寝る前に情報を共有しよう。……おい、こんなブローチを現場で発見したんだが。
GM/ではそのブローチを見て、[シナリオキー/ルイス]を持っている方。
レスター/はい。
GM/貴方は思った。「……見たことある、絶対に見たことある。アイツは限られた数しか私物を持っていなかった。見覚えがある!」
レスター/ブローチをパッと奪い取る!
ラカート/お、おい、変にいじくるなよ! お前の物か? まさかお前が犯人か?(笑)
シグ/ああ、ラカートさん達はルイスさんのこと知らないんだ。……レスターさんが感情的になるのって、と異変に気付きます。レスターさん、どうかしました?
レスター/いや……これは……。
シグ/有益な情報なら共有したいんですが。
ラカート/お前、何か知ってるんだろう? ……イオンのことが係ってるからギロッとした目で見るぞ。
レスター/……あくまで任務口調で言います。これはおそらく、お前が隊に入る前にフェルトリーナ隊にいたサムライが持っていた物だ。
ラカート/そうか。そいつは今どこにいるんだ?
レスター/……それは、俺も知らない。
ラカート/シグに向き直ります。お前も同じ隊だったんだろ?
シグ/……俺も知りません。そのサムライは1年前に任務中の事故で戻って来ることはありませんでした。
ラカート/ふーん、事故で……。離反か? それとも、死んだのか?
レスター/アイツは……帰ってはこなかった。死んだとは言わない。
ラカート/そうか。何か判ったらちゃんと教えろよ。
アンジュ/ど、動物の勘であんまりに様子がおかしいことに気づきます……大丈夫大丈夫っ?
レスター/ああ、平気だよ……。
アンジュ/俺の大切な人と同じで、居なくなっちゃったんだね。かわいそう。
ラカート/あー、よしよし(笑) 心配させて悪いな、アンジュ。
シグ/業務口調で続けます。……俺は今日、アークの詰め所で遺体を拝見してきました。犯人は関係者に高度な医療技術を持っているのは事実でしょう。
レスター/こちらの情報は、被害者全員が通常の人間より強い者……まさかやられる筈がないと言われる人達ばかりだと聞いた。それにスラムに何者かが人を襲っていると。
ラカート/やられたのはクルースニクか。
レスター/だろうな。通常の人間よりずっと強い者と言ったら……。おそらくスラムにいる奴が襲っているんだろう。
ラカート/……詰め所にある遺体は一部が無くなっているんだったな。
シグ/はい。右腕や舌が無くなっている遺体で……確かに聖印が舌にある人もいますね。
ラカート/遺体の安置は大体マッパだよな。聖印があったら確認できるよな。
アンジュ/……あの。
シグ/見た感じ無かったですね。明日の調子は本腰を入れて……。
アンジュ/あの……クルースニクってさ……死ぬと死体残らないんだよね?
シグ/…………。
レスター/…………。
ラカート/…………。
GM/…………。

 一同、3秒間の沈黙。

シグ/…………あれ?
ラカート/…………なんで、残ってるの?
アンジュ/……今気付いて俺、サーッて血の気引いたんだけど。
レスター/……言われるまで気付かなかった!
ラカート/……あ、アンジュよくやった! よしよしよし! そうだ……今常識で考えてた!
シグ/アンジュさん……冴えてますね。この世界のクルースニクの知名度ってどれくらいなんですか?
GM/知らない人の方が大半で、アークだからって全員がクルースニクだとは限らないぐらい。……凄いなアンジュ。一度も『ギガントマキア』をプレイしたことないから気付いたんだよな!
レスター/あ……強化兵……。
シグ/そっちに連れて行かれた……?
ラカート/そ、そうか! 聖印が無いのをバレないために取られているのか!
シグ/……聖印がついていたらクルースニク。消えないのはおかしい。
ラカート/体の一部が抜かれていれば、聖印が奪われてるんだってところに目が行く……。クルースニクじゃないってことがバレない。死体は腐るのが早いから識別が不可能。
レスター/クルースニクじゃない人間を……クルースニクだと思わせるために……テキトーな場所を奪って……でもってスラムの人は……?
シグ/もしかして、関係無いんじゃないですか? まだ断定することはできませんが……。
レスター/アンジュ、天才! アハ体験だ!(一同爆笑)
ラカート/何この最高の流れ! ぶわーって全部が解決していったよ!(笑)
GM/今のは鳥肌立ったわ。まさかアンジュが言うとは思わなかった。
シグ/あ、それと同時にレスターさんの件を思い出していいですか! ルイスさんって……?
レスター/……消えないって聞いた時、俺も同じこと考えた!
ラカート/予想される状況では、死体はクルースニクではない。クルースニクばかりが消えているというのは多分事実だ。……クルースニクを攫って強化兵にすることが目的なんじゃないか? 強化兵の材料にするためにクルースニクを攫って、その代わりに死体を置いておけば社会的にそいつは抹消され……。
レスター/アイツは俺の目の前では消えなかった……俺は消えたのを見ていない。
アンジュ/消えたときを見た人って誰?
レスター/……それは……。
GM/――ではみんな、夜になるから次のシーンにいくよー。


 ●シーン4 真夜中

GM/まず……みんなの部屋割を教えてね。
ラカート/ラカートとイオンが同室で、それにアンジュが居候してます。
シグ/その隣がシグの部屋です。
レスター/俺は一人部屋かな。
GM/じゃあ貴方達が寝静まった頃。……レスターさん、貴方は自室に戻りまして、明日に備えて休みます。ちゃんと睡眠をとりますか、それとも徹夜しますか?
レスター/流石に明日の任務に支障が出ると困るので寝ます。
GM/はい。……では【霊格】の≪直感スキル≫判定か、【感知】の≪気配察地スキル≫判定をお願いします。
レスター/【感知】でいきます。(ころころ)18……だけど希望の2のカードを提出して達成値20!
GM/ならレスターは気付く。……貴方の口にバッと何者かの手が襲い掛かる!
レスター/ええっ!? 抵抗します! 手をガッと掴む!
GM/刃が貴方の枕元に刺さります。そのままギロチンのように貴方の首を狙う。
レスター/危ない! 逆方向に転がって逃げます。
GM/感づいたので先制攻撃はとられずに済みました。ベッドから逃げるなら【体力】判定をしてください。
レスター/どうなるかな……(ころころ)えっと……。
GM/(ころころ)……ごめん、6ゾロでクリティカルだ。振り足すよ。
レスター/えっ! じゃあ今持っているカードを全部使って……達成値36にして避けます!
GM/……残念だ、こちらの達成値は32。レスターはベッドから転がり落ちて相手から離れることができた! あ、レスターって明かりを付けて寝るタイプじゃないよね?
レスター/寧ろ真っ暗な状態で寝るタイプかな……姿は見えませんか?
GM/見えないね。でも大体の体格は判るよ。……マントのようなものを羽織っているし、その体格の異常なデカさから同種族だということが判る。
レスター/……まさか。
GM/マントで全身を隠しているから誰かはすぐに判らない。でも貴方は気付く。「……レスター……」
レスター/ルイ……。
GM/声を掛けようとしたとき、マントの男はダッと駆け寄り、レスターを大きな力で壁へと押しつける。
レスター/ぐっ……!
GM/壁に押し付けて、さっきの剣で首切りをするかのように……されると思ったが、一向にされない。壁に刃を刺し込んだまま、何もしてこない。
レスター/……そっと名前を呼びます。ルイス……?
GM/その声に反応、したかと思うと「ガアアアアァァァッ!」と絶叫を上げる。……その後に、掠れた声で「レスター……」
レスター/ど、どうすれば……?
GM/苦しそうに呻いて呻いて、貴方の体をドンと弾き飛ばします。
レスター/倒れこむような強い力で、床に突っ伏します。
GM/「レスター……レスター、レスター!」……服が剥がされ、力で押しつけられると目の前に貴方がいるのに叫び続け……そのまま下に突っ込みます。
レスター/あっ!
GM/何かを抑えられなくて暴走しているという感じです。
レスター/うう……半狂乱になっているところは異常ですよね?
GM/うん。貴方のことは見ていないけど貴方のことしか見ていない。
レスター/……ルイス、ルイス!
GM/声を何度も掛けると、一時、バッと立ち上がる。そのときにマントがハラリと落ちる。
レスター/……顔を見ます。
GM/……あれ、ルイスって目に聖印があったっけ?
レスター/え……?
GM/あれ、右目に聖印がある人って左目に聖印があるんだっけ?「レスター……」と口を開けたときも、舌に聖印が見える……。
レスター/……ルイス、お前……。
GM/マントの男は動揺し、今にも逃げそうになります……が、外野の人、どうしますか?
ラカート/バッと現れます! 何だ今の音は!? ……お前は誰だ! ≪サラマンダーコード≫と≪バンシーコード≫を構えます!
GM/彼は窓から出て逃げようとします。バッとマントの下の羽が広がり、飛んで行く……ラカートには奴がフェーダだというのが確認できます。
ラカート/待て! ダッシュで追いかけます!
アンジュ/その後に入って来ます。レスターさん! ねえねえどうしたの、大丈夫!? 慌ててギューします!
レスター/……あまりのことで放心状態になってる。
GM/服を剥がれてボロボロになっているレスターを心配するアンジュ……ってところでシーンを切るけど。シグは出てこないの?
シグ/夜に調べ物をしていたんですけど……。
GM/了解。……じゃあレスターが襲われると同時期のシーンを立てるよ。どんなシーン?
シグ/パソコンがある部屋で、≪電脳調律スキル≫で墓島・強化兵のことについて調べたいんです。……カイルさんの部屋にあった言葉とこの事件のピースが組み合いってしまいそうで……嫌な予感がする。
GM/≪電脳調律スキル≫……だと【知力】判定だね。達成値は15、20、25かな。
シグ/(ころころ)17か……勇気3のカードを足そう。間違いなく知りたくない事実があるんだろうけど、勇気を振り絞って、達成値20です。
GM/おお、良い演出だ。……貴方はとある研究所のことについて調べます。とある小島で一目から隠れて行われているその研究は、人間に対して非人道的な実験を行っているようです。
シグ/どんな……?
GM/具体的な例まで発見し、言葉を失うぐらい酷いというのが判ります。……ゲームシステム的な話をしますと、経験点を100点支払えば好きな能力値をプラス1できて、その度に人間性を失っていくそうです。そして、研究所では常に実験体を募集しているそうです。
シグ/……。
GM/実験を繰り返して、少しでも文明が豊かだた西暦時代に近づけたい。その精神のもと、子供達が攫われることもあれば、死にかけの兵士を回収し蘇らせたりもするらしい……。
シグ/……ルイスさんは強かったから、強化できればさぞ強くなれたんでしょうね。
GM/貴方の目の前が真っ暗になる。
シグ/うっ!?
GM/目には柔らかい感触。まるで「いないいない、ばー」をするかのように誰かの手が貴方の視界を覆っている。……何も言わないけど。
シグ/な、何か喋ってきますか……。
GM/何も。
シグ/……自分が何をしているのかも、この手の主にはバレているんだよな。……カイルさんですか?
GM/「…………違う」
シグ/カイルさんの声ですか?
GM/うん。
シグ/貴方がカイルさんじゃないなら、カイルさんはどこに行ったんですか。……愛のカードを1枚使って、≪リーディングコード≫を使います!
GM/わっ、そうくるか(笑) ……では、貴方の中に彼の若干の記憶が入って来る。レスター、ラカートが……大きく映り、他にも今はもう死んでしまったかつてのロード、ルイスやイオン、アンジュ……。他にもおどろおどろしい映像が広っていく。
シグ/う……?
GM/人間の頭を綺麗に捌いている光景だ。または、人間の喉が綺麗に抜いたり……メスを持って、そのお医者さんは懸命に工作している。
シグ/……カイルさんの日常ライフパスって、判りますか。
GM/手をぎゅっと握って記憶を辿れば判る。……医者だ。
シグ/……。
GM/「こんなところで、何をしている?」……エルフの耳元で呟きます。
シグ/カイルさんの……命令通り、事件のことを……調べていて。イオンさんやルイスさんのことが、全部カイルさんと繋がりそうになってしまって。
GM/「俺はなんであんなことを言ってしまったんだろう」
シグ/え……?
GM/「こんな任務……拒否すれば良かったのに。俺は見つかってほしかったのか? ……よく判らない。リーディングコードで判るなら、俺の本心を読んでほしいよ」
シグ/……振り向いて、目をじっと見ます。
GM/顔は貴方が知っているカイルさんです。さっきは「違う」と言いましたが、正真正銘同一人物だと判ります。
シグ/……身長が全然足りないけど、カイルさんを抱きしめていいですか。
GM/いいよ、抱きついたら抱き返してくる。「……俺は力が欲しいよ。もっと強くなりたい。そうすればみんな助けられるじゃないか。だからより強い奴は必要なんだよ……世界の為にも、俺達の為にも。……俺の精神のためにも」
シグ/……カイルさん……。
GM/「その想いは、ずっと俺を見てくれたお前なら判るよな」
シグ/……判ります。リーディングコードを使わなくったって判ってます。
GM/「……任務が来たとき、本当に俺はなんで受けてしまったんだろうな。アイツも、アイツも、ルイスもイオンも……皆の為なら、強くなっていくのならと躍起になっていたのに。工作していたのに……自分を隠そうとしていたのに。本当になんでこんな任務なんか!」
シグ/……抱きしめる腕に力を込めます。カイルさんはきっと……もっと違う方法でみんなを守りたかったんです。本当は、救われたかったんじゃないんですか? 十年間も一緒にいるんだから知ってます。
GM/……強い力で抱き返すよ。「……ああ、そうさ! そうに決まってるじゃないか! 言われなくても判ってる……のに……俺は言ってほしかったんだ!」
シグ/……。
GM/「イオンを研究所に送ったよ。1年前にルイスだって送った! だからルイスは強くなった! その証を……この数日で俺は見ている」
シグ/ルイスさんは……?
GM/「アイツは暴走している。突如与えられた力に耐えきれずに……。ここ数日、スラムに逃げ込んでいたようだが、もう限界だろう。……イオンは研究所に送られたが、まだ間に合う。墓島の工作員が、広場の先にある廃病院に潜んでいるからな」
シグ/イオンさんだって……貴方の、フェルトリーナ隊の一員なんですから、彼だけでも取り返しに行きましょう。今からでも間に合うのなら! でなければ、カイルさんが……本当にカイルさんでなくなってしまう。
GM/そのとき、ダンッという音。レスターの部屋で何か騒動が起きているということに気づきます。そしてラカート達がドタバタ走る音も……。
シグ/ではカイルさんから離れて、行きましょうと声を掛けて向かいます。
GM/その前に。……離れていくシグの腕を乱暴に引き寄せ、キスをします。
シグ/わっ……? か、カイルさん……?
GM/「……すまん、我慢できなかった」
シグ/……お返しします。……十年間も待ったんだから、貴方が……刑務所から出てくるまで何年だって待てます。


 ●シーン5

GM/シグがカイルと共にレスターの部屋に向かう途中、カイルが耳打ちするよ「今はイオンを助けることを優先しろ。俺のことを言って混乱させるんじゃないぞ」
シグ/……はい、いつも通りにですね。
ラカート/それじゃ、飛び出して行ったフェーダを追いかけたんだけど捕まえられなかったから宿舎に戻って来ます。くっそ、見失った。
GM/カイルが全員に向けて言います。「……イオンの居場所、そして襲撃した奴が判明した」
ラカート/ほ、ホントか、カイル!
アンジュ/シッポパタパタさせます!
GM/「イオンは廃病院にいる。あそこはある人体実験を行っている研究所の出張所だ。今はイオンはそこに居るようだが、もう暫くすると海を挟んで向こうの小島にある研究所に送られてしまうらしい」
アンジュ/あ……?
GM/「そして先ほど宿舎を襲撃した何者かだが、アイツはその実験体のフェーダだ。……クルースニクには1つの聖印で強大の力を発揮するが、複数植え付けた場合どうなるか……結果があの暴走した強化兵だ」
レスター/アイツは、強化兵に無理矢理されたのか……?
ラカート/なんてことしやがる……人の命を何だと思ってるんだ!
GM/「……ここまで情報を集めるのに時間がかかってしまった。すまない。しかしこれは信頼できる情報だ、安心しろ」
ラカート/何言ってんだ……いっつもお前のことは信頼してるよ。だってお前は俺らの隊長だろ? お前を信じないで誰を信じるんだよ!
GM/……ラカート、良い演出するなぁ(笑) では、カイルはアンジュに向き合って話をします。「アンジュ、お前のことでも判ったことがある」
アンジュ/本当ですかっ?
GM/「ああ。だが今はイオンを助けることを優先しよう」
アンジュ/……うんっ。ありがとう、艦長!
GM/次に、カイルはレスターに向かって……「今まで何も教えてやれなかったな、すまん」
レスター/……いいえ。情報を集めてくれてありがとうございます。
アンジュ/それじゃあ、早くイオ兄を助けに廃病院に行こう!
GM/廃病院は、広場よりもっと郊外に出たところにポツンと目立たないようにあります。
レスター/艦長。……アイツを救う手段は無いんですか?
GM/暫し黙り込んで、カイルは口を開きます。「……奇跡の力でなければ救えないだろうな」
アンジュ/……奇跡?
ラカート/あ、それって……≪アブソルートソウル≫かっ?
アンジュ/(キャラクターシートの説明を見ながら)鋼魔の核になってしまった人を救う……?
GM/……そんな風に冷や汗をかきながら廃病院まで向かっていると。廃病院の前で、ひとり……コウモリ羽の男が苦しげに立っている。
レスター/……マントは?
GM/剥がれています。朝にはまだ早い夜でも、彼の目が赤く不気味に光り、苦しげに呻き声を上げ、異様なものだということは判ります。……それとアンジュはなんだか頭が痛い。
アンジュ/ううっ? ……驚いているのかな?
ラカート/アンジュを庇って前に立つぞ!
GM/何かを男はブツブツ口走っている。何て言っているのかは判らないけど……レスターだけは、その口の動きが、ある名前であることが判った。
レスター/……ルイス。お前はどうしてそんなになってしまったんだ。
GM/ルイスの口がピタリと止まる。何か違うことを言おうとして……何も言わない。レスターはコレがアイツのクセだということも知っている……。
レスター/ルイス、助けてやる……!
GM/ルイスの体を、不思議なオーラが包み込む! そうして次の瞬間目を開けた先には……ルイスは十メートルほどの大きな黒い機体に変化していた。あれは神格機兵じゃない。負の感情に支配された者――鋼魔だ。
レスター/……戦闘開始ですね!

 ●戦闘/1ターン目
GM/まずターンの最初『ドローフェイズ』で山札からカードを1人1枚引き、次に『AP決定フェイズ』でこのターンにどれだけ動けるかを設定します。APは、現在陸なので『2D6+自分APの値』分だけ行動ができるようになるよ。
ラカート/(ころころ)友情6のカードををAPにつぎ込んで……21にします。
アンジュ/(ころころ)17です。
シグ/(ころころ)俺も勇気のカードを使って、19。
レスター/アンジュ、神格機兵は召喚できるか?
アンジュ/ううん、まだ……絶望のカードが揃わないんだ。
GM/全員AP決定したかな? それじゃ、APが高い順番に行動していくから……ルイスが一番22で早いね。ルイスがレスターに、真空派的なものを飛ばしてきます。(ころころ)
レスター/(ころころ)……この出目は……どう見ても避けられません。
GM/ルイスはAPがある限りレスターを狙おうと思います。それじゃ、5D+17のダメージだから、物理ダメージ28。
レスター/ちょっ!? 俺のHPは29あって……物理装甲は≪クロースアーマー≫で4あるんで、HP5だけしか残らない!
GM/そして、ルイスのAPは11だからまた行動するけど。
ラカート/レスターに≪ネクター≫をして全回復させます! ……お前はこんなトコで倒れているヤツじゃねえだろ! お前がアイツを止めるんだろ!
レスター/あ、ああ……。HP全回復します。
シグ/ラカートさんの番が終わったので、自分のターンになります。レスターさん、きっとルイスさんは助かります……と言って希望のカードを渡します。
レスター/……ありがとう。お前の言ってくれたことを信じるよ、と勇気のカードと交換します。
シグ/……よし、レスターさんから貰った勇気のカードを使用して≪ピクシーコード≫で攻撃します!
GM/≪ピクシーコード≫はフェイバリットだから避けられません。そのままダメージください。
シグ/はい。3D+6の物理ダメージを……(ころころ)18受けてください。それで俺の残りAPは12になります。
アンジュ/俺の番になったので……≪ウェポンパージ≫を使って戦闘終了時までAP基本値プラス5させます。希望を1枚払って……残りAPが12です。
ラカート/次は俺か。では≪バンシーコード≫でルイスを攻撃します。命中は(ころころ)希望4のカードを入れて25!
GM/お、命中しますよ。
ラカート/(ころころ)ダメージは18! 消費APは9だから……残りAPは6だ。
レスター/……2度めの行動は、1歩マスを進んで終わり。
アンジュ/また俺の番だ。この距離なら……≪ライトボウ≫なら届きます。(ころころ)ダメージは16です。
GM/そろそろルイスの番かな?
シグ/いえ、俺のAPが余ってるんですがカードが無いので何も出来ません。
ラカート/じゃあ俺の勇気と友情のカードを渡そう。……何を悩んでいるのか判らないけど、お前がそんな暗い顔してどうするよ! お前が笑わないとみんな笑えないだろ。
レスター/……ギガマキ、慣れてるね(笑)
GM/カードを渡すときのキャラロールって途中からパターン化してくるよな(笑)
シグ/ラカートさんからカードを頂いたので、もう一度≪ピクシーコード≫で再度ルイスさんを攻撃します。(ころころ)19の物理ダメージです。
GM/うん、総攻撃でちまちまルイスは食らってますよー。じゃ、ルイスいきまーす。(ころころ)物理ダメージ……37!
レスター/……どうやっても勝てないダメージだ! HP0になって倒れます……LPマイナス1!
ラカート/誰か、愛のカード持ってないか! 直ぐにレスターを回復しないと!
アンジュ/俺持ってるよ! ……俺、ラカート兄まで居なくなったらイヤだ!(と言って愛のカードを渡す)
ラカート/俺は一人でも欠けるのはイヤだ、と言いつつ、レスターを≪ネクター≫!
レスター/全回復させます……なんか、忙しいな。

 ●戦闘/2ターン目
シグ/ターン始めなので『ドローフェイズ』ですね。そろそろ本当に絶望のカードが欲しい……。
ラカート/やった、愛のカードがきた。これで回復できる! ……もしかしてGM、山札から絶望のカード、抜いてる?
GM/いや、まだこんだけあるよ(と、山札から全部あることを見せる
ラカート/そっか……純粋に運が悪いのか。
GM/今回は完全に山札に絶望が混じってる状態でやってるからね。それじゃ次に『AP決定フェイズ』をして。
アンジュ/(ころころ)やった、≪ウェポンパージ≫のおかげでAP25です。
GM/(ころころ)……しかしルイスのAPは27。ルイスからの攻撃でいいね。……0−3に入っているレスター、アンジュ、ラカートに『地獄の業火』というフェイバリットを使います。
ラカート/うわ! フェイバリットじゃ避けられねえ!
GM/霊力ダメージのフェイバリットなので、霊力ダメージの武器なら相殺できるよ。(ころころ)霊力ダメージ38受けて。
レスター/≪シェードコード≫でダメージ相殺します!(ころころ)霊力ダメージ18……希望5のカードを使ってダメージをまた軽減させます。……ルイス、絶対に助けてやるぞ!
ラカート/こっちは相殺武器を持ってないのでHP0……死にまーす。LPマイナス1させまーす。
アンジュ/(ころころ)……俺も相殺でなんとか生き残りました。
GM/ルイスの残りAPは14……あ、相殺した分の消費APを下げておいてね。
シグ/これ……神格機兵を早く召喚しないとヤバイことになるぞ。
ラカート/とにかく俺を回復してくれないか! このまま回復役が潰れたままだとすぐに全滅しちまう!
シグ/はい。≪ウンディーネコード≫を使ってラカートさんのHPを10回復します。
ラカート/よし、それでさっき引いた愛のカードでアンジュに≪ネクター≫! お前に死なれたら困る!
アンジュ/ありがとう。上限値まで回復します……。
ラカート/まだ俺のターンだから≪バンシーコード≫でもう一度攻撃するぜ!(ころころ)19の物理ダメージ!
アンジュ/俺も続いて≪ライトボウ≫を撃ちます。(ころころ)命中は14……です。
GM/あ、それは避けちゃうな。
シグ/アンジュさん、頑張って! と、友情4のカードをあげます。
アンジュ/ありがとう! 命中させて(ころころ)ダメージ15です。
レスター/一歩進んでルイスと同じマスに入る。スッと≪カタナ≫を抜いて、戸惑いながらも斬りかかります。(ころころ)勇気のカードを使って、17の物理ダメージ!
GM/……ルイス、相殺で、5D+17のダメージを当てます。
レスター/えっ!
GM/(ころころ)17+17で、17のダメージを食らってください! その代わりルイスのAPは0になります。
レスター/あ……またHPが0になるので……LPがマイナス1になります。
ラカート/レスターの残りLPいくつ!?
レスター/残り……1だ。
GM/レスターがカタナで斬りかかってきたところを斬り伏せる。……倒れるレスターの前にはルイスが立っているんだな。
シグ/レスターさんを≪テレポートコード≫で引き寄せます! そのままだと危ない!
ラカート/ダメージぶっ叩くぜ。≪バンシーコード≫で(ころころ)ダメージ17! これで残りAPは1だ……。
アンジュ/≪ライトボウ≫発射します。(ころころ)18の物理ダメージ……です。これでAPは0になって……。
シグ/レスターさんを大丈夫ですかって≪ウンディーネコード≫をかけます。HP10回復して……レスターさん、何かします?
レスター/……このターンのAPを温存しておいて、次のターンで先制攻撃を仕掛ける! 先にルイスに攻撃されたら確実に死ぬからな。
GM/……うーん、こんなに苦戦するものかなあ。
ラカート/絶望7のカードの引きが悪いんですよ! ロボットが召喚できないロボットゲーって何すか!(笑)

 ●戦闘/3ターン目
GM/3ターン目いきましょう。『ドローフェイズ』してください。
レスター/(カードを引いて)……愛のカードがきた。
ラカート/(カードを引いて)勇気。
シグ/(カードを引いて)希望か……。
アンジュ/(カードを引いて)……希望……なんで!?
レスター/誰1人として絶望のカードを引かない……これ、逆に面白くないですか?(笑)
GM/誰も絶望しないなんて前向きなセッションじゃないか(笑) 次に『AP決定フェイズ』いくよ! ここはクライマックスになってきたことだし、ルイスのAPはオープンダイスで決定するよ。
アンジュ/(ころころ)AP低い……13です。
ラカート/(ころころ)勇気6のカードを足して22。
レスター/(ころころ)よし、温存していただけあった……27。
GM/では最後にルイスのAPを決定します。4D+11で(ころころ)……あれ?(笑)

 ルイスのAP決定フェイズ。
 出目は、なんと1・1・1・3……。


レスター/あ、あるぇ、17?(笑) 俺の方が先に動ける……!
ラカート/そんなんやってると俺、≪ネクター≫使っちゃうよ!(笑) これはさ、きっと神様が「生きろ」って言ってくれたんだよ!
シグ/そっか、みんな絶望するなってことなのかな……(笑)
レスター/判った、神様の言うことを聞こう。空を飛んで3D6で≪エーテリックボウ≫を使います!(ころころ)……あれ?(笑)

 レスターの命中。
 出目は、1・1・1……。


レスター/ヒドイ! 自動失敗じゃないか!(笑)
ラカート/と、とりあえず≪ネクター≫しとくわ!(笑) これでHP全回復だぞ。
レスター/あ、ああ……もう一回≪エーテリックボウ≫いきます!(ころころ)よし、20で命中させようとします。
GM/当たります。
レスター/(ころころ)13の霊力ダメージです。
GM/……あのさ。
レスター/はい?
GM/GMは、APがある限りレスターを殺すって宣言したよね。
レスター/え?
GM/さっき、どうやってLPを削ったの覚えてる?
シグ/……あ。
GM/相殺します!
ラカート/……だ、誰か! ≪サクリファイス≫で庇うための勇気と友情のカードを持ってない!?
シグ/友情はあるけど……勇気のカードは……。

 全員の持ち札を見渡す。
 …………全員、持ってない。


GM/(ころころ)レスターに、38のダメージです。
レスター/これは……。
GM/立ち上がり、最期の一撃を食らわそうとしたとき、その矢は届くことなく……。
レスター/あ……あ。
アンジュ/レスターさん!
GM/……レスターは倒れる。
ラカート/…………GM、絶望したい!
GM/……これはあげていいよ!

 アンジュ、シグ、ラカートに山札から絶望のカードを配布する。

GM/3人とも絶望のカードを手に入れました。……レスター、戦闘が終わるまで消えないでください。
ラカート/……そっか、コレの為の絶望なんだ!
レスター/これは凄い……死んだけど凄い展開だ!(笑)
アンジュ/レスターさん! レスターさあん! 叫んで……勇気のカードを使って≪サモンギガース≫! 来い、俺達の希望……! 右の手の甲を掲げてロボットを召喚します!
GM/レスターが倒れ、絶望という強い感情が湧き上がる。叫んだアンジュの姿が巨大な機体へと変わっていく……。
アンジュ/……赤い機体に変わります……もう、誰も殺させない!
ラカート/1マス進んで≪スピア≫で攻撃します。ダメージは高くないけど、お前の前に立ちふさがってやる! (ころころ)絶望7を上乗せして20の物理ダメージ!
シグ/レスターさん……と呟いて、絶望のカードをアンジュさんに渡します。そのまま行動放棄。
アンジュ/攻撃します。……移動2マス動いて、(ころころ)霊力ダメージ24!
GM/……やっぱロボットは一発が強いなぁ。これでターン終了だね。

 ●戦闘/4ターン目
ラカート/これを最後のドローフェイズにしよう!(カードを引いて)友情のカードだ。
シグ/(カードを引いて)最後の絶望だ……。
アンジュ/愛のカードと……APは21です。
GM/(ころころ)お、ルイスのAPは20です。
シグ/(ころころ)AP31。友情のカードがあれば≪テレポートコード≫が出来るんですが……。
ラカート/俺が友情のカードを持ってる! ……シグ、アイツの為にもこの戦闘を早く終わらせよう。
シグ/はい、ラカートさん。……≪テレポートコード≫を自分に使ってルイスさんと同じマスに入ります。チャクラフェイバリット≪烈火≫!(ころころ)カード全部乗せで28のダメージ!
GM/轟々と鋼魔がシグの炎に包まれる……!
アンジュ/その後に≪エーテルソード≫いきます!(ころころ)絶望の力を乗せて……25の霊力ダメージです!
GM/……アンジュの神格機兵が炎に包まれた鋼魔をザンと斬りつけたとき、慟哭。巨大な体が消えていきます。
アンジュ/あ……。
GM/……ではHP0になりましたので≪アブソルートソウル≫が使用可能になります。
アンジュ/チャクラゲージから勇気の1、希望の2、愛の3、友情の4、絶望の7を使っていいですか?
ラカート/いいよ、使おう!
シグ/ここで彼を救わなきゃ……レスターさんが。
アンジュ/……≪アブソルートソウル≫!
GM/ルイスの体が、神格機兵が纏う赤い美しい光に包まれる。ゆっくりと地上へ落ちて行く身体を……赤い機兵の手で優しく包み込みます。
アンジュ/どうなったんですか……?
GM/ただ眠っているようだ。最初はツギハギだらけの体だと思ったけど、普通の人間の姿をしているように思えた。――それでは、戦闘終了になります。
レスター/ルイスは……生きてるんですよね?
GM/ルイスは生きてる。現在HP0でLP1みたいな状態。……でも、レスターは死んだ。
シグ/……ルイスさんに≪ウンディーネコード≫で回復すれば目覚めませんか!?
GM/使用回数あるの?
シグ/あと1回使えます!
レスター/……なら、消えかけの声でシグに頼みます。……シグ、アイツの傷を癒してやってくれ。
シグ/……これから起きることを予見して言います。何か……彼に伝えたいことはありますか?
レスター/……首を振る。アイツをこれからも宜しくな……。敢えて、ルイスには何も言わない。
シグ/……本当に、貴方達って人は……! 全部受け取りましたよ。ウンディーネ……ルイスさんの傷を!
GM/ではシグのウンディーネがルイスを癒すと……微かにルイスは瞼を動かす。
シグ/ルイスさん、早くレスターさんの元へ……!
GM/ルイスは眼を開け、レスターのことに気付き、立ち上がる。そのときにもレスターの体は消えかかっているけど。
レスター/……じっとそれを見てます……。
GM/駆け寄ろうとするけどよろつく体。遠い場所から、ルイスは名前を呼ぼうとする。でも……肝心な時に声が出ない人なんだよ。
レスター/…………ああ。
GM/「レ……!」。名前を呼ぼうとした瞬間に。
レスター/音は出ないけど「ルイス」と口だけを動かして……消えます。
GM/通じ合う前に、レスターは消える。目の前で、手の届く場所まで来たのに、ルイスはひとりになっている。

「レスター……?
 俺は……お前の名前をずっと呼んでいた。
 なのに、どうして届かなかった……?」

「レスター……レスタアアアアァァァッ!」


GM/シグも見たことの無い、感情を爆発させ、子供のようにボロボロと涙を落とすルイス。
アンジュ/あ……あ。
GM/――そしてその叫びの声に、アンジュの中の『手を伸ばして届かなかった記憶』が蘇る。
アンジュ/あ……うわあああああああぁぁぁん!
ラカート/アンジュに駆け寄って抱きしめる! 自分も泣きそうになりながらも抱きしめます……!
アンジュ/泣き叫びます! レスターさんとルイスのことはよく判らないけど……大切な人だったんだなって判るから……。
ラカート/戦場とはこういうところだと判っているけど……それでも悲しい。それにアンジュにとってみれば初めての戦友の死だったんだろ。悲しいに決まってる!
GM/アンジュは記憶喪失だから誰か人が死んだのかも一切覚えてないのだからね。初めて見る光景に絶叫して、ルイスは泣きじゃくって……このシーンを閉じようと思います。


 ●エンディング/アンジュ&ラカート

GM/クルースニクは死体が残りません。けれどお墓の概念はあるから兵士の墓地の一つとしてレスターの墓石が建てられます。
アンジュ/イオ兄は……?
GM/あの後に無事カイルの手によって保護されました。彼は何者かに全身麻酔をかけられ、なかなか動けずにいますが命は取り留めたそうです。今は病院で眠っているんじゃないかな。
ラカート/……アンジュ、イオンのお見舞いに行こうか。その前に……レスターの墓の前に立ちます。よっ、会いに来たよ。
アンジュ/花束を持ってます。
ラカート/ここ、見晴らし良い所だな。フェーダにはちょうど良い場所だな。……全部まるく収まったよ、お前が死んだこと以外はな。
GM/……レスターの墓の前には、誰のものとも判らない粗野な一輪の花が添えてある。
アンジュ/……あう……。
ラカート/アンジュ。ヒトはこうやって消えちまうけどな、友情だけは消えない。これからもお前は心に抱えて生きていくんだ。……アンジュの無くした大事なもの、取り戻せるといいな。
アンジュ/うん……。昔にこうゆうことがあったのかなって思うとちょっとおっかないけど、大切な人のことを思い出せるのなら……ちょっとぐらい怖くても良いかな。
ラカート/そのときがどんなに辛くても、俺はお前の傍から消えたりしないからな。何があっても、居なくならないから。
アンジュ/あう……。またボロボロ泣きます。
ラカート/ほら、イオンの所に行こう。……死んじまうなんてバカのすることだ。……レスター、一生恨むぞ。


 ●エンディング/レスター

GM/レスターのエンディングになります。――レスターは、自分が死んでいるということが判る……貴方は今、体を持たない状態です。
レスター/幽霊みたいなもんですか?
GM/そう。完全に消滅してしまう前にやり残したことが無いかなって。
レスター/……ルイスはどうしてますか?
GM/ルイスは、レスターの部屋にいます。
レスター/……ああ。
GM/椅子に座っているでもなく、ベッドに腰掛けているのでもなく。……かつてレスターがしていたように地べたで、ドアに凭れた体勢でぼうっとしています。
レスター/……ルイス。
GM/それと、ルイスの手には自分の懐中時計を握っています。……十ヶ月間、ずっと愛した人が持っていてくれた物だから。
レスター/……そっと、小さく呼びかけます。
GM/返事はしません。貴方が持っていた懐中時計を見ている。
レスター/さっきより大きな声で呼びかける。……ルイス。
GM/ふっと顔を上に上げます。……おそらくただ視線を宙に向けただけ。でもレスターには自分を見ているように思えた。
レスター/ルイス、ありがとう。……それと、言おうかな……。
GM/ルイスには聞こえないけど、ご自由に。
レスター/…………ずっと、お前のこと……愛していたよ。そう言って消えます。
GM/……ルイスは、空を見ながら口をゆっくりと動かす。

「……お前に、伝えたい言葉があったんだ。
 どうしても伝えたかった言葉なのに……何故お前の名前しか言えなかったんだろう」


GM/レスターは彼に伝えることが出来た。けれど、ルイスは彼にこれから伝えることはできない。一生叶うことなく、不器用に彼は生きていくしかできないのでした……。


 ●エンディング/シグ

GM/……最後にシグのエンディングなんだけど。シーンに入る前に重要な質問をしますよ。
シグ/はい。
GM/アッパーですか、ダウナーですか。
シグ/……は?(何故か一同、笑が起きる)
GM/いや、カイルさんの性格。ポジティブですかネガティブにいきたいですか。
シグ/それじゃ……ダウナーで(一同爆笑) 序盤に振り回されたのでネガティブにお願いします。
GM/了解しました。……シグ達が戦闘をしている間、カイルはイオンを救出したようです。事件を解決に導いた素晴らしい情報収集力だとこれから評価されるであろう彼の本当の姿を知っているのは貴方一人。彼は更生したくて無意識のうちに自分の罪を暴いていったようです……。貴方は、カイルの部屋の前でメモを渡されます。
シグ/何ですか、これ。
GM/「後で読んでくれ。俺はここを掃除しなきゃだからな」……と言ってカイルはロードの執務室に入りました。自首する準備を整えているようです。
シグ/……部屋のドアの前で読みます。
GM/自分が犯した罪の詳細をまとめている。人を攫い、墓島に送りつけ、強化兵を作ったこと……そのための偽装工作をしていたことなどなど。大規模な違法行為や犯罪、それに関係した人物をリストアップされています。
シグ/これは……芋づる式に逮捕されるんだろうな。
GM/手紙にはシグ宛にこんなメモが入っています。「お前がこの事件の不正をアークへ届けてくれ。そうすればアークの本部が動くだろう。これでこれから犠牲者が増えることは無くなる。俺はちゃんと後片付けをしていくから。……俺は口べただからこんなところだけどスマン」と綺麗な字で書いてあります。
シグ/まったく……。隅々まで目を通して、ガチャリと部屋に入ります。整理は終わりましたか?
GM/いません。
シグ/…………。
GM/いません。
シグ/ちょ、まっ!? どこへ!?
GM/≪直感スキル≫判定、達成値12。
シグ/≪直感スキル≫って【霊格】ですよね、俺【霊格】12なんでファンブルじゃない限り成功です!(ころころ)ほら、成功した!
GM/では直ぐに判った。……シャワールームでずっと水の音がしていることに。
シグ/……カイルさん!?
GM/シャワールームを開けると、……真っ赤なバスルームが見えた。そのバスタブに手首を入れ、突っ伏しているカイルがいます。
シグ/…………。ネガティブって……そういう意味か……。
GM/救いたければ頑張って【知力】か【霊格】で判定してね。君、メイガスだからどっちも高いでしょ。
シグ/【霊格】でファンブらなければ大丈夫……(ころころ)……なんてこんなときにファンブルが出るんだよっ!?
一同/ええっ!?
ラカート/……ファンブル?
アンジュ/ええ……えええ?
シグ/……助けられない!?
レスター/……今日、凄い……ね?
GM/そ、そこでファンブルとか……うますぎるだろう……? ……手が震えていつものような処置が出来ないんだな。
レスター/カードは……?
シグ/もう全部使いました……そもそも自動失敗じゃカードを使っても失敗です……。
GM/……貴方はメイガスで、人を救える知識はありました。西暦のこともハンドアウトに書かれている通り、多少なりとも勉強していました。医者でミンストレルの彼の傍に居たから医療の心得もあった。……冷静にしていれば成功していたでしょう。
シグ/……。
GM/成功していた筈なのに、助けることができた命なのに。
シグ/…………。
GM/でも、今のシグには助けることができない。バスルームの中、目の前で命が消えていく。
シグ/お、俺には……何も出来ない……。
GM/彼は助からない。十年間生き続けてきたどんな戦場よりも手が震えて何もできないシグに……カイルはゆっくりと目を開く。
シグ/か……カイルさん! カイルさん……っ!
GM/「ああ……しまった……」

「お前を抱いてから死ねばよかった」

アンジュ/…………。
レスター/…………。
ラカート/…………。
シグ/…………。

 一同、すすり泣きながらも黙り込む。

シグ/何故……ここでファンブル……。
ラカート/……慣れていることでも、大切な人がピンチなときに手が動かないって心情的に理解出来るよ……。
レスター/……どっかに神様いるんじゃない? 神がかってるだろ、この展開。
アンジュ/BLセッションで鳥肌立って、手震えて、全員で泣いてるって……。
GM/……カイルは最期に、切なそうに笑って目を閉じるよ。

 シグは抱きしめる。
 抱きしめられない消えゆく体を、力いっぱい抱きしめた。
 バスルームで、ひとり、ずぶ濡れになりながらも彼の名前を叫び続けた。


GM/シグが研究所を暴いてくれることを彼は知っている。これから犠牲者の出ない世界を作ってくれることを知っている彼は……優しく口付けをしてこの世から消えていくのでした――。






   ◆







 からんからんと音がする。
 どこが右とも左とも、上とも下とも判らない……このウズマキの空間で。
 何度も何度もサイコロを振る音がする。

 居るのは『彼』。
 ずっとサイコロを振り続けている。
 サイコロの角が崩れても、自分の腕が壊れても、何十回も何百回も何千回も。
 既に何万も経験している彼は、一心不乱で振り続ける。

 そこにひとり――ゴシックロリータの少女が現れた。

 ……あら、休憩するの? お疲れさま、今回は新しい試みをしたみたいだけどどうだったの?
 そう、『また』レスターが死んだのね。1回目と何も変わっていないじゃない。元々何を変えるために貴方がこの世界をやり直しているのか、忘れたの?
 ごめんなさい、忘れる訳ないわね。貴方が狂った目でサイコロを振り続けているから、ついイジワルしたくなっちゃったの。気まぐれなロリのイタズラと思ってね。
 それにしても『新しい試み』の回だったようだけど、それは成功なの失敗なの? 私には改善作があまり効果を示してないように見えるわ。本当に『あの子』は使えたのかしら?
 そうね……あと言ってしまうなら、どうもこの『ループ』しか見てない人には、謎が残る不可思議極まりない世界だったと思うわ。なんて不親切な世界だって思うでしょうね。
 この『ループ』だけを見た人は、イオンのことを全く判らないでしょうし。まさか『イオンに兄がいる』とか『宿舎に妖怪が棲んでいる』なんてこと、知ることもできなかったでしょう?
 それに、捜査を始めたときにスラムに行ってみたら……それ以前に、アンジュをある場所に連れて行っておけば……。
 言い出したらキリがないわね。
 え、一体何がまとまってないって? 全部よ。私が思いつく限り言うなら……

@アンジュの正体は何者なのか?
Aアンジュは何故ジャンクの山に捨てられていたのか?
Bアンジュの『手を伸ばした先にいた大切な人』は誰か?
Cイオンは単なる強化兵の素材集めとして誘拐されたのか?
Dルイスは何故町を彷徨っていたのか?
Eカイルは何故アンジュを自分の隊に黙って置いていたのか?
Fカイルが頭を打ったのは本当に寝不足だからか?
Gカイルは何故自殺したのか?


 最期に、
H『ここ』は何処で、『誰』がいるのか?


 こんなに解決できてないことがある。……『正統な歴史』には到底なれない世界でしょうね。
 でも、また挑戦するのも『貴方』の自由。私は強制している訳ではないから。ただ貴方達がハッピーエンドになることを願って、ちょっと手助けをしているだけだから。
 ……うん、まだ頑張るのね。どうぞ本気になってもう一度試してみなさい。それに『新しい試み』が気に入ったようね。大切にしてあげなさいな。
 『手札』はあればあるだけ良いってものじゃないけど、『貴方』にとっては大切な切り札だから。『貴方』が『完全に絶望する前』に、『貴方』の求めるゴールへ辿り着いてね。

 私は、応援するから。



to be continue...