アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 サクラ・オーバードライブ 第2話 』 2ページ ■
2020年8月8日




 ●オープニングフェイズ3/仁 〜家族サービス〜

GM/本当なら翌日に藤夏祭というスケジュールにしたかったんだけど、仁お父さんがお仕事から帰った直後にお祭りに遊びに行くのは可哀想かなとGMは思って1週間あけました。
セン/1週間あけてもお父さんの体力は大丈夫かな?(笑)
仁/もうアラフォーはしんどいんだ!(笑)
GM/まずは、仁お父さんのシーンに登場する「不動家の3人のお子さん達」の設定を確認しよう! どんな名前のどんな子かな!?
仁/はい! 10歳の小学4年生、芯が強い長女・璃莉(りりい)。8歳の小学2年生、天真爛漫で無邪気な次女・雪蘭(ゆき)。6歳の小学1年生、人見知り引っ込み思案だが、後々成長の見込みがあるヤンチャな男の子・倭(やまと)です!
GM/名前が、いまどきだなぁ(笑) さて、プレイヤーのピロ、ぷぇ、ろっての3名が、璃莉ちゃんと雪蘭ちゃんと倭くんのキャラロールをしてください。
灰澄/おーっ!? 私達が子供達のロールを!?
仁/私だったらできない。
セン/お父さんはキャラロール丸投げしたね!(一同笑) よし、私が倭くんのキャラロールをしよう。
御衣/じゃあ、雪蘭ちゃんをやろうかな!
灰澄/璃莉をやります。お父さんを囲みましょう!
GM/今日は4月11日の土曜日、藤夏祭りに行くのを楽しみにしていた不動さんちのお子さん達は、お出かけの真っ最中です。暑すぎもなく寒すぎもなく良い天気。村とはいっても市町村合併して発展した街の一部なので、交通の便も良いので車で向かいましょう。
仁/一家全員でお母さんもいっしょで、ワゴン車で行きます! 自分の大好きなちょっと格好良いファミリー車で!
GM/仁さん、車好きそうだもんねー(笑) ワゴンは桜並木を走っていきます。ピンクが強めの赤い桜が車内からも見られます。
倭/わー! おーまつり! おーまつり!
璃莉/みんなシートベルトして! 危ない!
雪蘭/わかってるー! でもコレしてると見えないもんー!
璃莉/停まってから見ればいいでしょー!
雪蘭/だってー! だってー!
倭/チャイルドシートに大人しく座ってやらねえよ!(一同笑) 小1は体格が小さいのでシートベルトをすり抜ける! わぁー! 桜すごーい!
雪蘭/うー! あたしもー!
璃莉/こらー! シートベルトしてー! ……この無法地帯をなんとかしなきゃいけないよ、お父さん(笑)
仁/倭は奥さんがつきっきり!(笑) 雪蘭、ちゃんとシートベルトしてるか!?
雪蘭/……してるもん!
璃莉/してない!
雪蘭/手で持ってるもん! してるもーん!
仁/雪蘭はお姉ちゃんの言うことを聞きなさい!
倭/お父さん! 窓開けて窓! お父さん開けてー!
仁/開ーけーなーいー!
雪蘭/ボタン押す!
璃莉/押さない!(笑)
仁/お母さんがコラッて怒るぞ!
GM/無法地帯……(笑) 祭りの中心である神社が近くなると、徒歩で桜を見ているお客様もいっぱいですね。ワゴン車は駐車場に停めて、桜を見に行きましょう。屋台もいっぱいあるよ。
倭/ワゴンの戸を開ける! 6歳が地に下りる! ドタタタター!
仁/こらー!(笑)
璃莉/倭をお母さんがひょいっと捕まえに行く!(笑)
仁/はあはあ……(笑) こんなに人がいっぱいいるんだから、ウロチョロしたら一緒に帰れないからな!?
倭/やだー!(笑)
GM/倭くんは小学校に入学したばかりだよね? じゃあ学校の桜より色が濃いと思うよ。この花は4月から咲き始めて8月まで落ちないそうです。
璃莉/うわー、すごーい。
雪蘭/学校で見たやつと全然色が違うー! あっ、リンゴ飴の屋台!
倭/チョコバナナ! チョコバナナ食べたい!
仁/まずはお参りに行くぞ! 一番最初に神様にお参りしておかないと怒られるかもしれないからな! 奥さんが倭を抱えて、仁は璃莉と雪蘭を両手に繋いで行きます。
雪蘭/わーい! ごきげん!
GM/観光パンフレットを事前に目を通していたお母さんが、藤夏祭の詳細について教えてくれます。「ここ藤夏では8月まで赤めの桜が咲くらしいけど、4月の初頭に神社で演舞をするお祭りがあるんですって。長い期間だからお祭りがあるのは4月の今日と終わり頃の8月で、まだ日が落ちるのが早い4月にライトアップした夜桜の中で神子さんが踊るらしいわ」
倭/そっか。夏場だと日が長いから夜桜をライトアップするにも遅くなっちゃうもんな……。
雪蘭/8月の夏祭りって、まだ明るいうちに花火大会することもあるぐらいですしね。
GM/「神社の舞台で夜桜の中、演舞を見せるのが夜の7時過ぎから。今はランチの時間だし、ひとまずお参りをしたら桜を見て、休憩して、また神社に来て演舞を見て、夜になったら泊まる宿へ……ってコースでいいわよね?」 今からこんなに騒ぐと倭は演舞まで起きていられるかな?
倭/寝ちゃって演舞を見れなくて「見たかったー!」って後で泣くやつだ(笑)
璃莉/可愛い未来が見えた(笑)
GM/「ここの桜は色が濃くて新鮮ね。桜は冬眠じゃなく夏眠をして、台風とかで変な気温に晒されると『もしかしてもう春? 起きちゃえ!』って咲いちゃうんだって」
仁/はー、そうなんだ! この間、見に行った桜とは全然違うなぁ……。
雪蘭/わー! 屋台ー! 綿あめ食べたーい!
倭/ぎゃー! お母さん! 金魚すくいしたいー!
璃莉/くじ引きがある……! わーわー!(笑)
GM/子供達はこの調子である(笑) 仁さんはこれからどうしようかなと思っていると……おや。
仁/おや?
GM/あっちにはセンさんと浴衣の女の子が2人。あっちには御衣ちゃんと灰澄くん。発見します。
仁/…………。
セン/ウチの子達は中学生だから大人しいですよ。
御衣/いきなりマウントを取りました?(笑)
GM/ではお母さんが「じゃあまずあの屋台に行きましょう」と子供3人を連れてシーン退場します。PC達のシーン、どうぞ。
仁/…………。
灰澄/……食べます? たこ焼きをあげます。
仁/いや(笑)
セン/あらあら、ご家族で旅行ですか、あらあら、うふふ。
仁/なんだお前。なんか文句あるか!?(笑)
セン/いえ別にー?(笑) なお、伯子ちゃんと白妙ちゃんは外行き用の着物姿です。我が王にちゃんと用意してもらいました!
御衣/着物かわいい! わー、伯子ちゃんに白妙ちゃん、お久しぶりー。
GM/(伯子になって)「皆さんお久しぶりです。1週間ぶりですね、こんなに早く会えるなんて嬉しいです」
御衣/元気そうで良かった。
セン/可愛かろう?
仁/ドヤ顔で何よりだよ(笑) ……何があったんだよ? 2人をただ遊びに連れてきたってことはねーだろ。
セン/バレてーら(笑) ウチはここのスタッフですよ。スタッフ証を見せます。
御衣/……実は、教会でこういうメッセージが受信されまして。
灰澄/大変お伝えしにくい問題ですが……という顔をしながら、仁さんとセンさんに教会であったことを伝えます。
GM/それでは御衣ちゃんと灰澄くんにより「このお祭りで死者が出るのではないか?」という危険性があるという話を、仁さんとセンさんに伝えました。
セン/ほう、興味深いですね。
御衣/桜に罪は無いのですが、家族旅行中の仁さん……気を付けてくださいね。
仁/……ああ、判った。俺のところで働いている下っ端もいっぱいいるから警戒しておくよ。
GM/下っ端、いっぱいいるんだ?(笑)
灰澄/実はあの屋台に紛れてヤクザさんが……?(笑)
仁/紛れるレベルじゃないんだよな。
セン/ここから見える奴みーんなヤクザですわぁ!(一同笑)
GM/ではそのとき、仁さんの奥さんの声がします。「あら? ……璃莉! 雪蘭、倭! もうっ、あの子達ったらどこに行ったのかしら?」
セン/おっ、迷子か?
仁/すまん、また何かあったら言ってくれ! 奥さんのところに行きます!
灰澄/おお、行動が早い。
GM/金魚すくいや射的など、リクリエーション系の屋台がいっぱい立ち並んだエリアには小学生がたくさん集まっています。たくさんの小さなお客様がいっぱいいるので……どうやら3人はいなくなってしまったようでした。
仁/名前を呼びながら探し始めます!
GM/……仁さんのパパロールを見ているとニコニコしちゃうね(笑) 安心してね、子供達はそのうち無事に見つかるよ。
セン/(仁の部下になって)「お嬢さん方、あちらにいらっしゃいましたよ!」
仁/ありがとな、テツ!(笑)
御衣/良かった、ただの迷子イベントだった。……しっかり者の長女の璃莉ちゃんがいるから安心だけど、それでも2人を見るって大変でしょう(笑)
GM/では、視点を子供達3人のものに移しましょう。……現在、子供達は神社の奥におります。境内までやって来てしまいました。
倭/はーい! きゃっきゃ!(笑)
雪蘭/お姉ちゃんこっちー! 金魚大量ー!
璃莉/ま、待ってー!(笑)
倭/おれ金魚1匹しか獲れなかったー!
雪蘭/じゃあスーパーボールあげる!
倭/そっちのキラキラした方がいい。
雪蘭/こっちダメ! あたしこっちがいいんだもん!
倭/お姉ちゃんいじわるするー!
璃莉/2人で順番に遊ぼう! 今は雪蘭の番! ちゃんと時間を計ってるから!
倭/しょうがねえな、遊ばせてやるよー!
GM/そんな子供達のやり取りを見て、「ふふっ」と笑うおばあちゃんがいます。
雪蘭/えっ? ……おばあちゃんだ!
倭/おばあちゃん? ……急に知らない人がいたので、璃莉お姉ちゃんの後ろにシュッと隠れます。
GM/そのおばあちゃんは笑った瞬間、ケホケホと咳き込んじゃいます。おばあちゃんの外見はシワシワ、90〜100歳近いですね。少し達観した目で見られたなら、きっとこのおばあちゃんは……寿命が近いと思えるほど、ご年配の人です。
仁/なるほど……。
雪蘭/おばあちゃん、大丈夫? ぺたぺた歩いて行っちゃいます。
GM/ケホケホと咳き込むおばあちゃんですが、後ろから男性が「大丈夫ですか?」と背中をさすっています。おばあちゃんの面倒を見ていることから、主治医さんかなって思えますね。
璃莉/……この人に任せておけば大丈夫だ、お医者さんぽいもの。倭さんを抱えつつ、雪蘭ちゃんに大丈夫だよって言います。
GM/「ごめんね、笑っちゃって。……体が弱ると、笑ったときに唾が喉に入っちゃって、つい咽ちゃうのよ」
雪蘭/そうなんだ。でも、笑うの、いいことだと思うよ!
GM/「そうね、笑うことはとっても良いことね。素敵な風景もたくさん見られるし……お祭り、来て良かったわ。きっと今日見るのが最期のお祭りになるだろうけど……こうやって外に出てきて良かった」
雪蘭/ええっ!? お祭り、今日で終わっちゃうの!?
璃莉/大丈夫だよ。お祭りは毎年あるって言ってたもん。来年もまだ見られるよ。
GM/「……そうだね。もし良かったら、来年も、見に来てね」
璃莉/ハッ。佇まいを正す! ……ふどう りりい っていいます!
雪蘭/まねっこをする! ふどう ゆき っていいます!
倭/……ふどう、やまと……です。
雪蘭/やまと、挨拶できて偉い! わしゃわしゃ撫でる!(笑)
GM/「まあ、私も自己紹介しなきゃね。私は……田中 結愛っていうの」

 『イベントキー:田中 結愛』
 たなか・ゆあ。神社の境内にいたご年配の女性を表わすイベントキー。


仁/結愛おばあちゃん? 現代的な名前だなぁ? ……えっ、現代の名前で、100歳近い?
雪蘭/昔にもキラキラネームってあるんだなぁ?
璃莉/なんか、不思議な感じ……。でもかわいいお名前ですね。
GM/「そのスーパーボール、綺麗だね。いっしょに遊んでいい?」
雪蘭/うん! ……一番キレイなスーパーボール、あげる!
GM/「えっ、大切な物じゃないの?」
雪蘭/いっしょに遊ぶし!
璃莉/今度はもっとキレイなの3つ取るから大丈夫。
雪蘭/そう! また来年! 来年のお祭りでまた取るから!
GM/「……そっかぁ。じゃあ貰っちゃおうかな。私ね、キラキラしたもの大好きなんだ。ありがとね」 感性は若いけど、体が追いついてないんだろうね。おばあちゃんは笑顔でスーパーボールを受け取ります。
雪蘭/キレイなもの見たら、おばあちゃん、元気になるかなと思って……あげるね、お友達からのプレゼント!
倭/……ともだち!
仁/倭、初めての発言!(一同笑)
GM/暫く君達はおばあちゃんと遊びました。無理をするようなら、後ろで見守っていた主治医さんらしき男性がストップしてくれます。そしていっぱいお話をしたところで……「結愛さん、そろそろ時間ですよ。お部屋に戻りましょうか」 彼女と彼はお帰りになります。「あのね、夜になると桜を綺麗にライトアップするの。あそこのステージの真ん中で神子さんが踊るからね、良かったら夜まで見ていってね」
雪蘭/わかった!
璃莉/楽しみにしています!
倭/……うん!
GM/2人とバイバイします。……仁お父さん、シーン登場どうぞ。
仁/璃莉ー! 雪蘭ー! 倭ー!
雪蘭/あ、お父さんだー!
仁/こらぁー!
倭/びゃあー!?(笑)
仁/お前ら、ここがどういう所か判ってるのか!
雪蘭/遊んだ!(笑)
仁/ここは夜に使う神聖な場所なの! 勝大事な場所だから手に入っちゃいけないだぞ! お前らお母さんを心配させてー! 他の奴ら全員にも探させてるんだからなー!
璃莉/ヤクザさんみんなで探させているんだ(笑) ごめんなさい……。
雪蘭/ねえ! 友達ができたんだよ。
倭/おばあちゃん!
仁/おばあちゃん?
雪蘭/田中 結愛ってお名前の、おばあちゃん!
璃莉/キラキラしたおばあちゃんだった。
GM/小林 幸子とかかな。
璃莉/若々しさを伝えたかったのにそのままアウトプットしてしまった!(一同笑)
仁/ああ……そりゃ良かったなぁ。凄く楽しかったみたいな顔を見て、ほっとします。倭を肩車して、璃莉と雪蘭を両手に繋いで、境内を下りていきます。
璃莉/お父さん、力持ちだー(笑)
倭/わー! 桜が近いー! お父さん桜スゴイねー!
仁/璃莉。お姉ちゃんとして2人を見てくれてありがとな。好きな屋台に連れていってあげるぞー。
雪蘭/璃莉ちゃんは功労賞だもんね!
倭/MVPだよ、璃莉お姉ちゃん!(笑)
璃莉/でも璃莉はお姉ちゃんだから、下の2人が食べたいって言った物を食べたいって言います。
雪蘭/ああ、良いお姉ちゃんだー(笑)
仁/そんな事情を親は判らないから、じゃあそれを買ってやるって言っちゃうんですね!(笑)
御衣/では……子供達と面識がある御衣は、そんな仁さん達を発見してお手伝いします!
GM/以上で子供達のオープニングを終わりにします。賑やかなチビっ子オープニングをありがとうございました〜。


 ●オープニングフェイズ4/全員 〜散策、開始〜

GM/では、センさんが藤夏の神子と会うシーンをしましょう。センさんはスタッフ証があるのでいつでも本部待機所へ入りますし、中心人物である神子に面会できます。
セン/はい。伯子ちゃん達を連れていきます。
GM/藤夏の神子こと鳩羽 幟は、神社の代表者であり、桜祭りの主人公。伝統舞踊を踊るときは化粧をバッチリして女装をします。その化粧がとても似合う美少年ですね。
セン/ほうほう。実に吸血鬼らしいですね。ニンニクをぶつけたら死ぬのかな?
GM/誰だって固い物体を頭にぶつけられたり心臓に杭を打たれたら死ぬんだよなぁ。
灰澄/そりゃそうだ!(笑)
GM/18歳ということで幼さが残る顔ですが、しっかりと受け答えができる大人な少年です。現在は本部スタッフと簡単な打ち合わせ中です。
セン/センは……表向きは臨時アルバイトということで、着物を着てお祭りの会場でお客さんの誘導を手伝いますね。白妙ちゃんと伯子ちゃんは、他のスタッフさんに従って小物を用意などをやってもらいます。
GM/お互いお仕事で忙しいですね。ですが、幟くんはセンさんを見かけたら頭を下げてご挨拶に来ます。何故ならセンさんは出資者の代表ですから!
仁/要は視察とか監査だからな(笑)
セン/こちらもペコリと頭を下げますよ。
GM/(幟になって)「お疲れ様です。屋台の皆さんやパフォーマーで参加してくださっているイベント業の方々のおかげで、今年も大盛況のようです。交通誘導のご協力だけでもしてくださるなんて、ありがとうございます」
セン/ウチらもグルリと外を見て回りましたが、随分盛況なんですね。こちらのお祭りは初めてなもので。
GM/「それでしたらアルバイトとしてではなく、お客様として祭りにご参加ください。あちらのお店やそちらのイベントなど、楽しい催し物がたくさんありますので。お連れ様とご一緒に楽しまれては? ここの桜は良いものですからぜひとも……」 ハキハキニコニコな彼を見て、センさんは「めっちゃ猫を被ってるな」と思います。絶対にボロなんて出さないぞという顔です。
灰澄/うーん、一生懸命だー(笑)
セン/同類のニオイがするー(笑) センも負けじとニコニコしてますね。幟さんもお若いのに神子の仕事もしてウチのような外の者の渉外担当までされて、凄いですねー。
GM/「せっかく来てくださったのですからどうぞごゆるりと会場を見ていってください」 中に入るんじゃねえ。
仁/心の声が出てる!(笑)
セン/ニコー! こちらに出資している者が随分気にされておりましたよー。最近お忙しいようでなかなかご報告も無いことにご心配されてましたけど、大丈夫でしたー?
GM/「申し訳ございません、実は春先に体調を崩していたものでしてなかなかご連絡ができずー」 ニコニコ!
セン/まあ、そうですかー! ニコニコ!
御衣/モブの人達が「ヒエッ」って顔しちゃう(笑)
GM/いきなりですが幟くんの顔色が変わります。とある人物を遠目に発見したからです。
セン/おや?
GM/センさんは知らない人ですが、遠くにヨボヨボのおばあちゃんが現れました。病院から抜け出してきたのではないかというぐらいのご年配の女性です。幟くんは「……どうして休んでいたんだ……?」と心配そうな顔をします。
セン/おっ。……これは隙ができたな? あちらの方はお身内の方ですか?
GM/「え、ええ、そうです。……もうだいぶお体が弱っている人なので、お部屋で大人しくしていてくれた方が安心するのですがね」 幟くん顔は、本気で彼女を心配している顔です。あの女性は幟くんの身内だと思えるでしょう。
セン/お祭りですからお散歩に来たのでは?
GM/「そう……ですね。桜祭りは華やかで良いものですからね……彼女は綺麗なものが大好きですから……」 噛み締めるように言う幟くん。そしておばあちゃんは、幟くんの姿を見てニコッと笑い、隣にいたセンさんに対してもペコリと上品な会釈をします。
セン/おお、礼儀正しいおばあちゃんだ。ペコッ。
GM/(幟になって)「……ということで! これから僕は大事なお祭りの打ち合わせがあります! どうぞ麦原さんはお外へ!」
灰澄/わー、巧くあしらわれているなー(笑)
セン/……一応、神社の中を見ておくけど? 吸血鬼と言っていたし何か特別な呪術グッズとかないかな?
GM/呪術グッズがないかな、と言いながら見ると……ぱっと見て、魔道具、アーティファクトだらけです。何かの魔術儀式に使うような魔力の塊だらけでした。さて、これからミドルフェイズを始めます。今回は選択式ではございません。順々にシーンをこなしていくタイプです!

『AF判定:藤夏祭を過ごす』
 ・使用能力値&難易度1回目:【体力】で30
 ・使用能力値&難易度2回目:【反射】で20
 ・使用能力値&難易度3回目:【知覚】で20
 ・使用能力値&難易度4回目:【理知】で30
 ・使用能力値&難易度5回目:【意志】で40

※「藤夏祭を過ごす」演出に成功すること。成功するたびに、イベントが発生する。
※協調行動OK。自動成功。
※難易度が半減した際、ハプニングが発生してしまう。シーンプレイヤーがダイスを振り、『ハプニングチャート』効果を受ける。ファンブルした場合、効果はシーンプレイヤーだけでなくPC全員が受けること。


GM/仁さんは家族サービスを楽しみ、センさんは魔王の指令に従い、御衣ちゃんと灰澄くんは教会として調査をする。それぞれの目的でAF判定を自由に過ごしてください。
セン/なるほど。
GM/全部で5シーンご用意があります。1回目の【体力】難易度30のシーンをクリアーできないと、2回目の【反射】難易度20のシーンへ移行できません。そうやって5回クリアーすることで、クライマックスフェイズに突入できます。PCはお好きな順番で時間を過ごしてね。
灰澄/ほうほう、それなら得意分野でいこうか。
GM/5つシーンがあるので、PCの4人分のシーンの他に、「子供達のシーン」を作ってください。子供達のAF判定で使用する特技はPCのものを使いますが、子供達なりにアレンジしてくださってOKです。
仁/子供達も参戦するんだ!?
GM/一応ここで明言しておきますね。「現状、仁さんの子供達は能力者ではありません」。あくまでシーンを進行するために臨時に皆さんPCの能力を拝借するだけです。
灰澄/できるなら子供達には【体力】や【反射】のシーンをさせてあげたいですねー。
セン/……「ハプニングチャート」とは?

【藤夏祭ハプニングチャート(1D6)】
 1:酒飲み客に絡まれる。【理知】判定で難易度12をする。失敗した場合、特技1つが使用不可能になる。このバッドステータスは、「タイミング:オート」で【HP】を2D6点消費することで回復できる。
 2:人にまみれて怪我を負う。【体力】判定で難易度10をする。失敗した場合、【HP】に2D6点のダメージ。
 3:迷子を発見する。【意志】判定で難易度12をする。失敗した場合、特技を使用する際に消費するコストに「+3」が発生する。このバッドステータスは、バステ回復特技でのみ回復可能。
 4:話の長いおばあちゃんに捕まる。【反射】判定で難易度12をする。失敗した場合、バッドステータス『毒』を受ける。
 5:誘惑に負けて食い倒れる。【知覚】判定で難易度10をする。失敗した場合、【MP】に1D6点のダメージ。
 6:異端に襲われる。【幸運】判定で難易度12をする。失敗した場合、【HP】か【MP】どちらかに1D6+4点のダメージ。ランダムで決定する。


仁/うわあ、本当にハプニングだ。
セン/また迷子イベントがある! 子供は本当に蜘蛛の子を散らすようにいなくなるなぁ(笑)
仁/絶対迷子にはさせねえ!(笑) 仁お父さんは【体力】ボーナス6なので、最初のパートでギャグをさせてください。だんだんシリアスになっていきそうだから(笑)
御衣/御衣は≪マイガーデン≫を持っているので、【意志】難易度40の高難易度判定を担当しますねー。


 ●ミドルフェイズ1/仁 〜石〜

GM/それでは1回目の判定、難易度30の【体力】のシーンから始めましょう。挙手があった仁さんがシーンプレイヤーになりましょうか。時刻は子供達を発見した後、午後2〜3時を想定しています。

『AF判定:藤夏祭を過ごす』
 ・使用能力値&難易度1回目:【体力】で30


仁/子供達の体力についていけるように≪闇の血統≫で、パパは力を貯める(笑) ≪戦神の巣≫で体力アップ!
灰澄/こちら応援の品、≪興奮剤≫でーす。
仁/おう、ありがとう!
御衣/テンションが上がりすぎている雪蘭ちゃんを落ち着かせるために、落ちていた桜の枝を1本持って気を引きます。≪トランキライザー≫!
GM/(雪蘭になって)「さくらキレイだねー! みこっちゃんにもあげるー!」
御衣/くれるの? ありがとう! ……暫く桜を見入る雪蘭ちゃん。今だけは静かです(笑)
セン/子供相手にわちゃわちゃしている姿を、ちょっと離れたところからフフッと見ている≪見通す眼≫(一同笑) ウフフ、仁さんが困っている。ウフフ。
仁/倭が人混みにワーッと走って行ったから≪竜巻の群舞≫で引っ掴みます! 勝手に遊びに行くな!
セン/子供が行動を阻害する≪光の一手≫(笑)
仁/変な所に行くなよ! その先に怖いことがあるかもしれないからな! 怪我をするぞと≪負の感染≫!
灰澄/お父さんの言うことは聞かないとダメだぞ、≪悔改めよ≫。
GM/では……難易度が半減しましたね。ハプニングチャートを振ってみましょう、仁さんは1D6をダイスロールしてみてください。
仁/(ころころ)6だ。

 6:異端に襲われる。【幸運】判定で難易度12をする。失敗した場合、【HP】か【MP】どちらかに1D6+4点のダメージ。ランダムで決定する。

セン/異端がいたんだ!?
仁/うわあ!?(ころころ)うっ……達成値10! 2たりない!
灰澄/≪叱咤激励≫で達成値+2! 達成値12にします。
GM/困ったことになりそうだった仁さんを、灰澄さんが≪叱咤激励≫で異端を追い払ってくれたんだな。
御衣/寺生まれだから。
セン/「破ァ!」だな(一同笑)
仁/わりぃな。そっちの仕事もあるのに。
灰澄/いや、お子さんの為でもあるので。
セン/一方その頃、センは仁さんの部下の人に声を掛けてコネクション≪友の華≫を増やします。あーら、お仕事大変ですねー! あちらの親分さんお強そうですわー!
GM/ヤクザのコネを増やした(笑)
仁/うちのテツが捕まった!(笑) 屋台で出ているのはうちの組のもんです、≪狩場≫。
御衣/……子供達が居る所に、ふっかふかの≪念動障壁≫を敷いておきます。
灰澄/転んでもいいように?(笑)
GM/神社って大抵は砂利道だからねぇ。でももし子供が転んでもフニャッてなります。
倭/なんかヘン!
雪蘭/お父さん! なんかあった!
仁/何が?(笑) 『現在難易度:8』だから、これならイケる……判定します。(ころころ)おっ、達成値15で成功だ。
GM/パパ、お疲れ様です。……あちらから、お囃子も聞こえてきますね。太鼓や笛の音色と一緒に、舞踏をする神子さんが桜並木の道路を歩いてくるのが見えてきました。
仁/おおっ。
GM/夜になったら神社の中心地のステージで舞踏を踊る主役が移動して、みんなに顔を見せている時間です。
御衣/ああ、よくお祭りで道路を神輿が通るやつがありますよね。最終的に神社で本番があるけど、その前に色々練り歩くやつ……。
GM/そう、それです。満開の赤めの桜が立ち並ぶ下を、太鼓と笛の音色と共に神秘的な伝統衣装を身に纏った美少年がゆっくりとお客さんの前を歩いて行きます。
セン/「あれが神子様や〜」って拝んでいる人もいそう(笑)
御衣/「ありがてえ、ありがてえ〜」(笑)
仁/あれが神子さんかー。……PCはここで初めて幟くんを見掛けることができると。
GM/そうですね、センさん以外のPCはここで鳩羽 幟の姿を目撃できます。
セン/じゃあセンがみんなに、あちらの人が藤夏の神子さんです、これからステージで踊るんですよって教えますね。
灰澄/へえ、そうなんだー。
雪蘭/「キレイなお姉ちゃんだー!」
仁/……あれ、男だよな? ちょっと不思議がりながら言います。
セン/昔から神事で男性が女性の格好をすることは珍しいことじゃないですよ。
GM/ではPCは、彼を見てあることに気付きます。あの神子さん……何か皮膚病なんだろうか? いや、肌に直接、石が埋め込まれている。
仁/へ?
灰澄/……体に鉱石が埋まっている感じ?
セン/彼は吸血鬼って聞いていたんだけどな……。
GM/ええ、吸血鬼には「石を埋め込む」特徴はありませんね。
御衣/あれ? ……御衣のライフパスが『背景:生まれながら体のあちこちに魔力結晶がある』という設定なんですよ。それを見て、仲間かなっと思います。
灰澄/えっ。御衣さんのお仲間って……。
GM/ここで尋ねておくけど、御衣ちゃんの魔力結晶のそれ、どういう設定ですか?
御衣/…………。航先生に植え付けられた魔力結晶で……。
仁/えっ……。
GM/では全員、【理知】判定で難易度11を挑戦してください。≪物品鑑定≫など物を調べる系の特技をお持ちの方は使用してOKですよ。
御衣/(ころころ)達成値13で成功です。
灰澄&セン/(ころころ)失敗です。
仁/(ころころ)あ、クリった。自分も異端だし≪異常鉱物≫持ちだからそういうの見ちゃうんだよ!(笑)
GM/おお、クリティカルだ。ではまず、成功した御衣ちゃんは……彼の体は先天的に「魔力結晶を備えた体」という訳ではなく、後天的に「外科手術か魔術儀式か判らないが体に魔力結晶を装着したもの」だと判ります。綺麗な桃色の石を装着しているね。
御衣/桃色の……。自分より良い石だなって思います。
セン/賢者の石か何かか? ≪異常鉱物≫かな。
仁/つまり馬と同じか。
GM/ウマァ……このセッションにも出て来てほしいが今回は人がいっぱいだから出せないな(笑) ではクリティカル成功をした仁さんは……ちょっと待って、今回のシナリオに出す予定じゃなかったものを出すから今から準備するわ。
仁/おっ、何か凄いのが出る?(笑)
GM/(暫く準備をして)……仁さん≪異常鉱物≫持ちの[異端者]で、しかも[狂戦士]なんだよね。だから判ったんだな。幟の体に埋め込まれたアーティファクトの正体が判明します。

 『イベントキー:灯檻結石(とうかん・けっしょう)』
 命の灯を吸い取るアーティファクトを表わすイベントキー。
 相手の生気(【HP】)を吸い取り、自分のものとする。[狂戦士]の≪生気吸収≫と同等のデータを持つ。所持者は≪生気吸収≫を自動取得する。


仁/なんだなんだ!? 禍々しいアーティファクトを埋め込んでやがるな!?
御衣/仁さん、何か心当たりでも?
仁/……あれは『灯檻結石』ってやつだ。人の命を吸い取るもので……少なくとも、好んで着けるようなもんじゃねえ。
セン/……ちなみに、そのアーティファクトの報告って、ウチらには入ってます?
GM/センさんは初耳です。
セン/ふーん!? 聞いとらんですけどー!?(笑) なんでそんな良い物を我が王に献上してないんですか!?
御衣/埋め込まれているから献上できないだけでは?
セン/「ウチにはこんな名産品があるんですよ」って報告してくれるだけでもいいんですよ! 魔王は禁書とアーティファクトの情報を収集してるんですから! ……あ、ここでウチの目的を皆さんに話しておきますね!
灰澄/なるほど、この神社の神子を改めに来ましたと。……いきなりヒットしちゃいましたね?
セン/あれがあれば……神子舞いで人を集めて、周囲のお客さん達から生気を吸収して、何か儀式をする……とかできそうですね!
仁/ああー、確かに吸血鬼的には効率が良さそうだ。
御衣/その儀式が代々行なわれていたものなのか、今年に入ってからなのかで意味合いが変わりますよ。今の情報からして……ちょっと嫌な感覚がしますね。……航先生の……。
セン/ん? 誰です?
御衣/……まったく無関係な話かもしれないけど、お話しておきますね。機関の大犯罪者の名前を。
GM/御衣ちゃんの口から、仁さんとセンさんの耳にも夜須庭 航の情報が渡ります。……夜須庭 航は機関という組織で異能の研究や魔道具開発や禁書解読、それらを用いた人体実験を行なった人物です。
御衣/そして彼は、アーティファクトを用いた人体改造もしておりました。……彼とこの藤夏村が無関係かもしれないということを前提に聞いてくださいね。
灰澄/……うーん。石畳を≪過去視≫してみたら何か村の事情が判ったりしないかなぁ?
GM/観光客が多いからただの砂利道を≪過去視≫しても「わーい! パパのズボン下ろしちゃえー!」みたいなイタズラっ子の思惑とかどうでもいい記憶ばっか出てくるよ。
倭/わー! パパの浴衣の帯を取っちゃえー!
仁/ヤメろ! ここでパパが裸になったら逮捕されちゃう!(一同笑)
GM/仁さん的にはもっとデカい事件で逮捕されたいよね?(笑)
御衣/新聞に「組長が露出で逮捕!」って載りたくないよなぁ(笑)


 ●ミドルフェイズ2/子供達 〜楽しいお祭り〜

GM/仁お父さんはお父さんとして判定に参加していいよ。突然の舎弟テツのロールをしてもいいけど。
仁/「あーあーお嬢ちゃんお嬢ちゃんおやめくださいー!」(一同笑) ……とりあえず、屋台で楽しむロールをしようか?

『AF判定:藤夏祭を過ごす』
 ・使用能力値&難易度2回目:【反射】で20


GM/そろそろ16〜17時、夕方の時間です。少し暗くなってくると、提灯の明かりが点いて雰囲気が良くなります。3時ぐらいに腰を下ろして休憩をした子供達は……。
雪蘭/元気いっぱい!
倭/ありとあらゆる所を走りまわります、≪強化手術:反射≫!(笑)
璃莉/ちゃんと雪蘭と倭の2人の面倒を見ようと思っていた璃莉でしたが、この辺りの歴史の話をしている人達がいて聞きこんでしまいます、≪ヒストリア≫。
GM/お話を聞くのがお上手なお姉ちゃんだ。
倭/何かあっちで面白そうなことやってるー! ≪見通す眼≫!
雪蘭/≪空間知識≫であっちにチョコバナナがあるのを知る! あたしもチョコバナナ食べたかった!
仁/こいつらいつも狂喜≪乱舞≫してるなぁ(笑)
雪蘭/≪セケル≫で未行動化。チョコバナナおかわりしていいかな!?
倭/僕もおかわりするー! ≪同調録≫!(笑)
璃莉/ええっ!? さすがに今まで食べてきた物の数を数えながら……カロリーが多いなと思う。ちょっと待ってと≪悔改めよ≫!
倭/そんなのよく判らない! ≪光の一手≫!
璃莉/打ち消された!?(一同笑)
雪蘭/お腹はちゃんとお夕飯の分もあけてるもーん! ≪マイガーデン≫!
GM/お腹が≪マイガーデン≫なのか、かわいい(笑) えーと……難易度半減しているけど、子供達のターンでのハプニングチャートはいいや。
雪蘭/この状況が既にハプニングだよ(一同爆笑)
仁/御衣ちゃんや舎弟のテツが子供達を見てくれているから助かったよ(笑) よーし、パパも射的で遊びたくなってきた。やるか、命中値+2の≪毒の魔弾≫! ダーン!
雪蘭/お父さんスゴーイ!
仁/だろー!?(笑)
倭/パパあれ取ってー! ≪真心の結晶≫という名のSwitch!
GM/それ、Switchのケースの形をしたクッションとかじゃない?(一同笑) 既に『現在難易度:1』です。誰かが代表してダイスロールをしてください。
雪蘭/お姉ちゃん振って!
倭/お姉ちゃんお姉ちゃん!
璃莉/は、はーい。(ころころ)出目が良い、やったー。成功です。
雪蘭/お姉ちゃんスゴイ!
倭/お姉ちゃんスゴイスゴーイ!
GM/子供達のシーンでは、子供達3人と仁お父さんだけの登場でお願いします。キャラロールを2人分するのは大変だから1人に専念してもらうね(笑) ……おや、あっちには結愛さんがいるよ。子供達3人に手を振っています。
璃莉/あ、おばあちゃん。
倭/おばあちゃん!
雪蘭/おばあちゃーん!
仁/その姿を見て……おばあさんに近づいて会釈します。先ほどはガキんちょ達がお世話になったみたいで申し訳ございません。ありがとうございます。
GM/(結愛になって)「いえいえ、そんな……。貴方がこの子達の親御さんですね。本当に仲が良さそうで……」
雪蘭/ねえねえおばあちゃん、チョコバナナ食べるー!?
仁/こら、やめなさい!(笑)
GM/「ごめんね、おばあちゃんそういうの食べられないの。でも雪蘭ちゃんのお気持ち、とっても嬉しいわ。……夜の7時すぎにあっちの神社前でダンスがあるの。素敵なダンスを踊るから、雪蘭ちゃん達も見てね」
仁/仁は≪狂舞≫持ちで舞いには興味があるので、ここのは有名だって聞いて楽しみにしているんですよって言います。子供達もとても楽しみにしていまして……。
GM/そう言われて、彼女は我がことのように嬉しがります。「そうなんですよ、素敵な舞いなんです。私の旦那が毎年素敵な……」
仁/……旦那?
GM/先ほど道で見た神子は、どう見ても18歳ぐらいの少年でした。結愛は失言をしたという顔をします。「い、いえ、その、旦那……旦那の……旦那の息子です!」
仁/あ、ああ、そうですか。
セン/「旦那の息子」って、言い方が変だよな。
灰澄/幟さんは……結愛さんの、旦那? ……吸血鬼だから? 吸血鬼だと年が判らない!(笑)
GM/結愛の背後に、男性が現れます。子供達3人は主治医さんだと思います。
倭/あ、お医者さんだ!
GM/「結愛さん。お散歩は程ほどにしましょうね。せっかくの舞踏本番まで体がもちませんよ。一度本部へ戻りましょう?」「そうね……ありがとう、田中さん」 彼女の容態を気にして、主治医さんは声を掛けに来ました。
仁/ああ……体調があまりよろしくないんだな。お大事にしてください。
GM/「ありがとう。……もっとお話がしたいのに、体がね……」
倭/おばあちゃん! また会おうね!
雪蘭/またね! またいっしょに遊ぼう!
GM/「…………。そうだ……」 おばあちゃんは、貰ったスーパーボールを子供達に返します。
倭/えー? なんで? いらなかったー? じゃあさっき拾った綺麗な石をあげる!
仁/こら、ばっちぃからヤメなさい!(笑) それにこういう所の物は持って帰っちゃダメだぞ!
GM/お父さんはしっかりしてるなー(笑) 「ありがとね。いいのよ、これは、倭くん達のものだから返すわ。……最期に良い思い出ができて良かった」 ……その一言で仁んは『この人はもう先が長くない』と察してください。
仁/…………。人見知りの倭もこれだけ遊んでもらえて、璃莉や雪蘭の面倒も見てくれて、本当に感謝しています。ありがとうございました。
璃莉/ありがとうございました。
雪蘭/ありがとうございましたー! またねー!
倭/またねー!
GM/彼女は主治医さんと去っていきます。そして……子供達と仁さんには聞こえない声、きっと主治医さんしか聞こえない声で、こう呟きます。「……私、もっとあんな風に、はしゃぎたかったな……」
仁/……え……。
璃莉/……おばあちゃん……らしからぬ言葉で?
仁/き、気になる……。
璃莉/……璃莉は、パパの方に振り返ります。……最期じゃないよね?
仁/……そうだといいな。
GM/ああ、長女の璃莉は判っちゃうんだ……。おばあちゃんはヨタヨタと、主治医さんに背中をさすられながらシーン退場しました。では仁さんのみ【幸運】判定で難易度15でどうぞ。
仁/(ころころ)達成値13……失敗。
GM/仁さんには何も判らなかった。……パパとしてのロールに徹してくれて、GMは満足しているよ(笑)


 ●ミドルフェイズ3/灰澄 〜夜桜を照らすもの〜

灰澄/それでは、灰澄が3回目の判定をしますよ。

『AF判定:藤夏祭を過ごす』
 ・使用能力値&難易度3回目:【知覚】で20


灰澄/迷子になった倭くんを探しに行きます。
仁/また倭が迷子になったのか!(笑)
倭/目を離したすきに居なくなるのが子供!(笑) だってあっちに美味しそうなじゃがバターがあったんだもーん!
灰澄/お父さんが振りかぶっていた拳を見たでしょ。あれ痛いよ、≪シヴァ≫並みに。
御衣/さっきふっかふかにした≪念動障壁≫の地面を≪空間知識≫で直してます。
GM/ちゃんと普通の砂利道に戻した!(笑)
灰澄/ふかふか砂利道、他の子供が見つけたら楽しくて遊んじゃいそう(笑)
GM/じゃあ……目を離した隙に白妙がぽいんぽいんと遊んでました。
御衣/あ、カワイイ。……ちょっと直すの待とうかな(笑)
セン/その様子をビデオカメラに収めます、≪同調録≫(笑) 後でみんなに見せよう!
仁/これ以上チビ達を迷子にする訳にはいかない……。≪異常鉱物≫をつけて、監視させます。
セン/ちっちゃい馬を生やした!?(笑)
仁/馬じゃなくて、小動物の方がいいな。
GM/緑川光の声のウサギが璃莉ちゃん達を守ります。
御衣/なんで緑川光しばりなの?(笑)
GM/では難易度が半減したので、ハプニングチャートが発生します。灰澄くんは1D6を振って楽しいことをしてね。
灰澄/はい。(ころころ)3!

 3:迷子を発見する。【意志】判定で難易度12をする。失敗した場合、特技を使用する際に消費するコストに「+3」が発生する。このバッドステータスは、バステ回復特技でのみ回復可能。

仁/また迷子か!(一同笑)
GM/グリリバラビットがいたから璃莉ちゃん達は迷子になることはなかった筈! だから……違う迷子ちゃんを発見しちゃったね。
仁/「えーんえーん!」 泣いてる子供を発見!
灰澄/迷子だ、どうしよう。(ころころ)達成値8……全然足りないな。
御衣/振り直して目が上がるかな? 灰澄さんに≪逆転運命≫をします。もう一回振って!
灰澄/ありがとうございます。(ころころ)はぇ、達成値10になった。あと2!
御衣/あと2なら≪ミネルヴァ≫を使いますね。(1D6ころころ)やった、3が出た!
仁/おー、達成値13で成功だ!
GM/迷子を見つけた灰澄くんは、御衣ちゃんの助力で何とかなりました。
御衣/一緒に探しましょうか。この子のお母さんはいらっしゃいませんかー!
GM/すると「●●ちゃーん! どこー!?」って言っている女性が来る!
仁/「あ、ママー!」(笑)
御衣/良かった、すぐに見つかった。気を付けてね。
灰澄/お祭りを楽しんでくださいねー。
御衣/……迷子って、いっぱいいるんですね。
仁/子供ってすぐいなくなるんだよ……(笑)
灰澄/……って言ってると、あっちでまた泣き声が聞こえてくると(笑)
セン/子供達にクマのぬいぐるみという名の≪真心の結晶≫を与えて気を逸らします。ウチは怖い人じゃないですよ〜、≪豹変の業≫!
灰澄/迷子と接しているうちに……迷子になる前に探せばいいんだと思う、≪インビジブルマン≫! 『現在難易度:4』ならイケそうかな。(ころころ)達成値15だ。うまくいきました!
GM/灰澄くんはお祭り会場である異常な事態に気付きます。桜の木には夜桜を照らす明かりの提灯が掲げられているのですが……ここにある全ての提灯の部品に、ある石が使われています。灯檻結石の欠片です。
灰澄/えっ。……ええっ!? ヤだな!?(笑)
仁/ち、提灯……全部?
GM/はい。あちこちあるライトに全部アーティファクトが使用されています。要は、「【HP】を吸収する仕掛けが会場の至る所に設置してある」と判ります。
仁/……ゾッとします!
灰澄/ぞ、ゾワッとしますね!
GM/見た目は「赤っぽいビーズが埋め込まれた綺麗な提灯」なだけで、手の込んだ装飾としか思えません。けど常識的に考えて、こんな魔道具を一般人だらけの会場に設置するなんてありえねーわ、と思っていいです。
セン/これは……「下で歩いている一般人の生気を吸い取って、本体と思われる場所に吸収されていく」という仮説も成り立つのでは?
御衣/親機が幟さんの体の石で、子機がこの提灯、みたいな……? この魔道具は発動している状態ですか?
GM/いえ、まだ動いてはいませんね。設置してあるだけで、あとはスイッチオンになるのを待つのみのようです。……装置を解除することができますよ。

 『イベントキー:提灯解除』
 至る所にある提灯の仕掛けを解除する行為を表わすイベントキー。
 【反射】判定で難易度10に成功すると、解除できる。器用さに関する特技があった場合、ボーナスとして追加してもいい。


御衣/提灯の仕掛けを解除します!(ころころ)失敗……おっと、身長が足りなかった。届かない!(笑)
セン/かわいい(笑・ころころ)達成値11で成功です。
仁&灰澄/(ころころ)成功。
GM/身長が届かなかった人以外は成功しました(笑) そのおかげでこの一帯の提灯の仕掛けは、発動できなくなりました。
セン/……装置を解除したとき、提灯に触れて欠片に≪過去視≫を使用したいです。できますか?
GM/はい、代償を払ってくれれば≪過去視≫OKですよ。……提灯は、運営スタッフが一つずつ設置したものです。しかし、それよりも過去の様子を≪過去視≫で読み取ることができます。
セン/どんな……?
GM/鳩羽 幟が何か呪文を唱えながら、提灯に一つ一つ石を埋め込む様子です。
セン/……ほーん? これは……運営スタッフは何も知らず、幟くんだけが何か仕組んだやつだな。
GM/仕掛けは、きっと良い時間になったら発動したんだろうね。
御衣/……良い時間かぁ。
仁/舞踏が始まると発動、かな。
灰澄/おそらくは……それがベターですよね。
セン/ですねぇ。吸引力が変わらないただ一つの灯檻結石。
仁/掃除機で生気を吸われる!(笑) ……生気を吸われたら、どうなる?
GM/PC達は【HP】が1D6点ぐらい減るだけでしょう。ですが……生命力に乏しいご年配の人や体が小さな子供達は即死の可能性があります。クラス[一般人]の戦闘値は6以下ですから。御衣ちゃんと灰澄くんは「思いっきり異能で人を害するのは、能力者的にタブー。それは異端と同じ。教会的には処罰の対象」と思います。
御衣/これはちょっと良くないですね!
灰澄/教会に報告するべきでは? すぐに連絡しておきましょう!
GM/連絡OKです。高坂は何かあったときのための救援エージェントを駆けつけさせるよう、了解します。……センさん的には、「こんな凄い画期的な人から生気を吸えるシステム、吸血鬼の上司的にはおいしいじゃん。なんで報告しないの?」って思います。
セン/ですよね! これこそ魔王様に献上するべきでは!?(笑) 我が王に中間報告しておきますね、白妙ちゃん達の可愛い写真といっしょに!
仁/そんなことしたら魔王に食べられちゃうのでは?(笑)
GM/いや、スイーツの写真を見ても美味しそうと思うだけで食べられないから安心して。
御衣/スイーツと同カウントなんだよなぁ……(笑)
GM/そして……仁さん的には、「この場に子供達がいたら死んでしまうかもしれない。祭りを楽しむなんて問題じゃない」と思います。さっきのおばあちゃんだって、きっと……。
仁/……それがずっと気になっていた。
灰澄/……仁さん。楽しみにしている皆さんには悪いんですが、ご家族だけでも帰すべきでは?
御衣/はい……璃莉ちゃん達の安全が第一です。お祭りから離れた方がいいかもです。
仁/ああ……家族にはそう伝えようと思っている。ありがとな。子供達には「既に満席で舞いが見れそうにない。ムービーを撮っていくから、宿でメシでも食っていてくれ」と言おう。
GM/ちなみに倭くんはそろそろウトウトし始めています。
セン/朝からあんなにはしゃいでいたからね!(笑)
御衣/そろそろネムネムか、そっかー(笑)
仁/それなら丁度良い。宿に行く口実ができた。おいテツ、家内とガキどもを宿まで送れ。
セン/(舎弟のテツになって)「ハイ旦那! お車をお借りします!」(一同爆笑)
GM/では、子供達はお祭りの会場から無事退場しました。……祭りは本格的にヤバかったと確信を持ったシーンは、以上で終わりにします。