アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 サクラ・オーバードライブ 第2話 』 1ページ ■
2020年8月8日




 ●プリプレイ

 2020年8月8日、コロナ禍の影響でオンラインセッションになった第1回から4ヶ月。
 一同はGM・マーサー宅に集合。長編キャンペーンの第2回セッションが開かれることになった。


GM/『サクラ・オーバードライブ』第2話セッションを始めます。本日のハンドアウトを配りますね……って、オフラインセッションが久々すぎてこの会話すら懐かしいわ(笑)
セン/本当だよね、久々のオフセだわ!



 アナザーワールドSRS・シナリオ「サクラ・オーバードライブ 第2話」



【レギュレーション】
 キャラクターレベル6で開始。
 第1話が「4月4日土曜日」のお話だったので、その直後の時系列を想定。

【ハンドアウト:セン】
 コネクション:藤夏の巫女  関係:興味

 君は魔王の落とし子として、魔王が求める禁書やアーティファクト収集に精を出している。
 大量の禁書を献上した君に、魔王が新たな指令を命じた。
 「夏まで咲き続ける不時桜が名物の、藤夏村(ふじなつ・むら)に向かってほしい。
 そこの巫女に取り入るなりして、我幾のように土産を持ち帰ってきたまえ。手段は問わない」
▼セカイのイベント:藤夏村に、巫女の協力者として向かう。
▼コネクションNPC1:藤夏の巫女

 10歳ほどの少女〜20歳前半ほどの女性。藤夏村の神社の代表者であり、桜祭りである「藤夏祭」のヒロイン。能力者。
 君は魔王の紹介で「藤夏祭の手伝い(表向き、臨時アルバイト要員)として、彼女に近づく。

【ハンドアウト:御衣&灰澄】
 コネクション:救助メッセージ  関係:不安

 君達は、見た。死んだ筈の「悪しき人物」が目の前にいた。
 彼はすぐに姿を消した。しかし2人同時に彼を見かけたことを、教会に連絡しに行く。
 すると礼拝堂にて高坂が、とあるメッセージを受信していた。
 「藤夏祭でまた……死ぬ。この声が聞こえた人……助けて」
▼セカイのイベント:高坂の要請で、藤夏村に向かう。
▼コネクションNPC2:高坂(たかさか)

 教会の仕事斡旋人。第1話で仁と御衣に依頼を渡したり、『AW』御馴染みサポートマン。
 [領域遣い]の≪彼方の音≫という、メッセージを伝える異能を受信し、君達に話す。
▼コネクションNPC3:夜須庭 航(やすにわ・こう)
 機関の大幹部。10年前に死んだと言われている、最悪の一人。
 御衣の父親(設計者)を想定。人を自分の欲を満たす道具としてしか見ないような男だった。

【ハンドアウト:仁】
 コネクション:藤夏祭  関係:楽しい

 「今週のお父さん、土日は泊まりこみのお仕事だった。でも今度はみんなでお出かけー! お花見ー! お祭り行くのー!」
 表の仕事も裏の仕事も休みだ休み! 俺は家族良好に行くぜ!
 家族みんなでパパサービスしちゃうぞー! うわ見たことあるメンツいるっ。
▼セカイのイベント:藤夏祭に観光目的で行く。
▼初期配布イベントキー:藤夏祭で家族サービス

 女児2人、男児1人を抱えて縁日(お祭り)を無事パパとして終わらせることができるかの試練を表わしたイベントキー。
 君は娘と息子の名前を決定して、プリプレイ(セッション開始前)までに発表すること。
 シナリオ内でこの試練を乗り越えなければ、とても悲しいことになる。パパとして。

 (なお、子供達は既に御衣に懐いている設定。人見知りはせず、パパの知り合いならPC達にも警戒しないものとする。パパの負担を減らすスタイル)


御衣/うわぁ、また因習村のニオイがする。
セン/今度は明確にミッドでサマーな感じがするんですけど、気のせいですか?(笑)
GM/気のせいです。セッションの舞台は4月だけど実際プレイしているのは8月でサマーなので夏という言葉が入れたかっただけです。PC達は初夏を楽しんでください。
灰澄/仁さんのハンドアウトの「うわ見たことあるメンツいるっ」の一文がさぁ、面白い(笑)
仁/「シナリオ内でこの試練を乗り越えなければ、とても悲しいことになる。パパとして」って一文がさぁ……(笑) 良いパパ頑張っちゃうぞー! 絶対に「パパとして悲しいこと」にはしないぞー!
セン/……ていうか、航先生の説明がさぁ! 「最悪の一人」ってさぁ!(笑)
GM/御衣ちゃん、君のパパだよ。
御衣/いや。
仁/断固拒否した!(笑)
セン/父親のことが心底嫌な思春期の娘みたいな顔をしたね!(笑)
GM/仁さんという良いパパがいるからね、その対比があって良いじゃないですか。
灰澄/良いパパと悪いパパの温度差でグッピーが死んじゃうからヤメて!(一同笑)
セン/航先生は最悪というか、災悪じゃないか。
御衣/人類悪顕現だよ!(笑)
GM/ホントだよ! あいつ人類悪だよ! GMも何度あの人に泣かされたことか! ……初めましてのプレイヤーの為に、夜須庭 航という人物を説明しますね。

 夜須庭 航(やすにわ・こう)
 10年前に解体された『超人類能力開発研究所』の主任研究員。研究員を恐ろしく働かせることで有名な、天才マッドサイエンティスト。
 優秀な異能研究者であり、魔道具開発者であり、超能力者であった。その能力と探求心は凄まじく、解体のキッカケとなった10年前の大惨事『機関解体事件』で邪神を召喚。
 彼が邪神を召喚したことで世界が大ピンチになりかけた。この事件により、何百人も死んだり行方不明になっている。
 
記念すべき『AW』というゲームの初セッション・初キャンペーンのラスボスになったNPC。

仁/は、初キャンペーンのラスボスぅ!? 10年前に邪神を召喚した人かぁ……(笑)
セン/そう、ディスイズ諸悪の根源!(笑) 現在『AW』の世界でわらわら異端がいたんだーにした原因だよ!
灰澄/い、異端がいる原因……(笑)
GM/『AW』の世界には、邪神八柱という『異端の神様』がおります。邪神は魔王を生み出し、魔王が異端を指揮して世界を滅ぼそうとしていました。西暦2100年を目途に。
仁/2100年を目途に?(笑)
GM/魔王達は西暦2100年ぐらいに世界崩壊を目指して少しずつ悪さをしていたのですよ。ですが、今から10年ほど前に夜須庭 航が自力で邪神を召喚しました。10年前の能力者達が頑張って邪神を『封印』したため世界は難を逃れたのですが、封印されても邪神が世界にいることには変わりないので、休んでいた筈の異端が活性化して襲ってくるようになったんです。
御衣/だから『AW』で異端が事件を起こしてPC達が倒すセッションをするようになった……だいたい航先生のせい!
灰澄/だいたいこの人のせい!(笑)
GM/ちなみにこの男、センさんの上司である魔王にも盛大に喧嘩を吹っ掛けて、メチャクチャ嫌われています。どれぐらい嫌われているかというと「世界を滅ぼすより夜須庭 航がいる機関を潰す」を優先させるぐらい。
セン/ひどすぎる……(笑)
GM/そんな凄い人ですが10年前に死にました。
灰澄/生きてたよ。
仁/……なんで?
セン/なんでや。なんで航先生、生きてるの。誰や、墓を暴いたの!?(笑)
仁/う、埋めなきゃ! うめうめ!(笑)
GM/そんな訳で、夜須庭 航は『AW』の世界的にメチャクチャ重要人物です。この卓に参加しているプレイヤーの中にも彼に苦しめられた人は若干名いるようですね。
灰澄/……「苦しめられた」の一言で大丈夫ですか?(笑)
御衣/航先生を倒すときは慈悲をかけちゃいけないッ! 見逃したらエライことになります!
セン/「この人も改心するかもしれないから見逃してあげよう〜」と思った瞬間に牙を向くよ! 殺すときは殺せ!
GM/そうだよ見つけたら絶対に殺して! お願い! 1匹たりとも生かすな!
御衣/なんでGMまで必死なの。
GM/私も何度も航先生に苦しめられたプレイヤーの1人だからだよ(笑) 人間なのになんでこんなに邪悪なんだよコイツ!?
セン/そう! 航先生は人間なのに! 誰よりも邪悪! まだ「実は異端でした」と言われた方がラクだった! 『航先生 被害者の会』を立ち上げたら一気に座席数を確保できるよ!?(一同笑)
仁/す、清々しい邪悪なんだなぁ……開き直って良い感じだ(笑)
GM/ちなみに私はシナリオを作るとき、理不尽にNPCを殺さないように心掛けています。なので仁さんのお子さんを無意味に惨殺しないつもりですよ。仁さんがパパとして頑張れば「お父さんなんて嫌い!」なんて酷いことも言わないから。
灰澄/それは良かった。
セン/パパとして頑張らないと「お父さんの下着と私のいっしょに洗わないで!」とか言われるようになるのかな……(笑)
御衣/「お父さんより〇○くんの方が好き!」とか言うようになったりして。そんなこと言われたら【正気度】が下がっちゃう!(笑)
GM/そしてこのキャンペーンは、『プレイヤーからの要望を取り入れてシナリオを作る』を目標で立卓しました。事前にプレイヤーの皆さんからは「これがやりたい!」というリクエストを頂きましたので、実質今回のセッションが企画物1話目となります。

【現空/仁からのキャンペーン・リクエスト】
▼極道っぽいロールがしたい(お仕事中、娘に見せられない感じ)。同時に、家族とまったりするシーンがしたい。
▼クラス[異端者]レベルを成長したいと考えているので、『負の感情』『闇の衝動』に蝕まれているような表現。過去に自身の異端の影響で苛めや迫害を受けている設定をちょろっと出したい。
▼第1話では、みこっちゃんと知り合い設定で会話ができたけど、センさんや灰澄さんと関わって交友を深めていきたい。

【ぷぇ/御衣からのキャンペーン・リクエスト】
▼かつての御衣の被害者(またその親族)に、敵意や害意をぶつけられるシーンが欲しい。
▼一時的に、機関側につくことになる状況になりたい。「お前だけこのまま幸せになれると思うなよ」と引っ張りこまれたり、支配系特技をぶちこまれたりなど。
▼「3年後、再び長い休眠期間が訪れる」という設定を入れたい。

【ろって/灰澄からのキャンペーン・リクエスト】
▼「機関を脱した際に、機関にとって大事なもの(取り戻す必要はないまでも漏洩すると困るもの)を持ち出してしまった」という設定を入れたい。
▼↑その「大事なもの」は、本人はそれが何か分かっておらず、咄嗟に何か引っ掴んでしまったテイだとやりやすいので「全然知らないよ!」の方向性でいきたい。

【ピロ/センからのキャンペーン・リクエスト】
▼「魔王の配下である」「元は人を害した異端である」あたりがセンの特徴だと思うので、そこらを拾ってほしい。
▼夢占い師の部分をフォーカスしてほしい。依頼人が来てほしい。

GM/PCが4人中3人も機関の関係者で、残り1人が魔王関係者となったら航先生セッション登場は必然だと思うんだよなぁ。なお、今回の『サクラ卓2話』では仁さんのリクエスト「パパとしての姿」をメインにやらせていただく予定です。次回も少しずつお題消化していくつもりなので、よろしく。
仁/ウィッス! ……お祭りでPCの3人を見かけても、無視しようかな……(笑)
セン/おっ。そんなロールをされたら「やだぁ〜、アタシのコト忘れちゃったのぉ〜、サミシイ〜!」って返すよ(一同笑)
御衣/奥さんや子供の前でシャレにならないことを!(笑)
GM/そんな感じで、1レベルアップした皆さんとセッションを始めていくよー。

 不動 仁(プレイヤー名:現空)
 キャラクターレベル6:クラス[狂戦士4/異端者2]
 異端者より、主特技≪闇の血統≫、副特技≪負の感染≫を取得。

 芝 御衣(プレイヤー名:ぷぇ)
 キャラクターレベル6:クラス[感応力師3/世界遣い1/アーティスト2]
 アーティストより、主特技≪セケル≫、副特技≪マイガーデン≫を取得。

 仮打 灰澄(プレイヤー名:ろって)
 キャラクターレベル6:クラス[聖職者1/イレギュラー5]
 イレギュラーより、主特技≪シヴァ≫、副特技≪ネゴシエイト≫を取得。

 麦原 セン(プレイヤー名:ピロ)
 キャラクターレベル6:クラス[感応力者3/領域遣い1/稀人2]
 稀人より、主特技≪突然変異≫、副特技≪友の華≫を取得。

セン/センは≪突然変異≫でダメージを0に変更する≪大地の守護者≫を取る予定ですね。
御衣/ありがたいやつだ〜。御衣は≪セケル≫を取得したので、行動済みになったPCを未行動にしてダメージも+1D6させます。
仁/わあ、とっても便利。
セン/「もっと働けぃ!」ができる。
灰澄/原点回帰しちゃった!(一同爆笑)
御衣/大丈夫、オーバーワークしない程度に働かせます。サービス残業はさせない。
セン/未行動にした上にダメージも+1D6だから、しっかりと残業代が出ているね!(笑)
灰澄/カスミは≪カーリー≫と≪シヴァ≫のどっちを取ろうかと迷ったんですが、今回のレベルアップでは先に≪シヴァ≫を取りました。オフラインセッションだったら8D6を振りたいじゃないですか。
仁/先に旦那を取った(笑) 気分良くダイスをジャラジャラ振れるもんなぁ。仁はひたすら自己バフの特技を取りました〜。


 ●オープニングフェイズ1/セン 〜同盟からの介入〜

GM/一番最初は、センさんのシーンから始めていきましょう。君は今、魔王が住んでいる某高級高層マンションの最上階に向かっています。綺麗な夜景が一望できるスパダリが住んでいそうな美しい部屋に、娘さん達を連れて……。
灰澄/紙袋いっぱい抱えて……(笑)
セン/ハーイ、娘さんお二人と、お土産の禁書をいっぱい抱えてきました! ただいま戻りました、見てください魔王様ー!

 GM/君の上司、魔王と呼ばれる『異端の王』こと赤い髪の男、アクセンは君を迎えます。

セン/キャー魔王様、今日も顔が良いー!(一同笑)
GM/先に魔王というNPCのご説明をしておきましょう。彼は悪しき存在である異端を束ねる者、よく『AW』セッションボスとなる悪者・異端を指揮している存在でございます。
御衣/はい……。いつかその魔眼を潰してやりたい。
セン/流れるようにルールブックのイラストに目潰しするな(笑)
GM/まごうことなき悪人ですが、現状は基本的に静観を保っています。元の魔王は「西暦2100年ぐらいを目途に世界崩壊しよう!」と計画をしていました。現状の異端が活性化しているのは邪神召喚をした夜須庭 航のせいでして、現在の魔王は非常に慎重で、人類と全面戦争をしようと思っていません。
仁/なるほど。
GM/現魔王のスタンスは「禁書やアーティファクトの情報収集で来たる戦争に向けての準備中」です。ルールブックに掲載していないような強力な特技を手に入れて異端側を優勢にするべく、『魔王の落とし子』を使ってあらゆる強力な力を収集しています。その落とし子というのがセンさんのような人達ですね。
灰澄/おわー、落とし子って大変だ。
セン/魔王のためにいっぱい禁書を集めてまーす! いやー、我幾村ではたくさん手に入れられました! ラスボス育成セットみたいなの持ってきちゃったね!
仁/普通ではないヤバイ量を手に入れてきちゃったが……(笑)
GM/そう、普通のセッションなら1冊でも出てきたらヤバイ物を大量に持ち帰ってきました。センさんは紙袋2つぐらいギッチリとヤバヤバ本を持っている訳で。
御衣/コミケ後の戦利品か?
灰澄/禁書ジャンルのオンリーイベントって一体!?(笑)
仁/紙袋2重にしなきゃ!(笑)
GM/魔王は事前にセンさんから「禁書いっぱい持ち帰るよ!」「女の子2人を仲間に入れるよ!」という報告を受けており、OKして君達を出迎えました。それを見た魔王は言います。「うわあ」(一同爆笑)
セン/まさかこんなに持って帰ってくるなんてという顔をされた!(笑) うやうやしく差し出します。
GM/頂戴します。「全部本物ではないか。ラスボスが10体ぐらい作れるんだが?」
灰澄/ラスボススターターセットですね。「これで君もラスボスになろう!」みたいな?(笑)
御衣/どっちかっていうとブースターパックでは?(笑)
GM/「これほど持ち帰ってくるとは。君は優秀だったんだな」
セン/そうですよ! ……って顔をするけど我が王の前なので、いえそんな勿体なきお言葉って しおらしくしています。
仁/かわいい(笑)
GM/「君ほどの人材なら多少荒々しい仕事を任せてもよいか」
セン/ひえっ。……そ、それは魔王からの信頼を受けたからだと好意的に解釈しよう! ご命令とあらば、わたくしは何処にでも向かいます。キリッ!
御衣/かわいい(笑)
GM/犬っぽくてかわいい(笑) 「早速だが新たに向かってほしい所がある。君が我幾村に向かったのは君自身のフィールドワークだった訳だが」
セン/たまたま行ったらこんなことになっただけですからね。
GM/今度は指令として動いてもらいます。「藤夏村。不時桜の名所であり、来週の土日に夜桜祭が開かれる神社がある場所だ」
御衣/『不時桜』?
GM/春ではない季節外れの桜の開花、このような現象を「時にあらず」という意味で「不時現象」と呼びます。不時現象の原因は様々ですが、藤夏村の桜は4月から8月に向けて長期に咲き続ける特殊なものです。
灰澄/ほーん!
セン/随分、季節狂いの桜なんですねえ。
GM/「藤夏村の領主であり、藤夏神社の当主は私が盟主の一人として融資している『人外同盟リリルラケシス』の一員である」 リリルラケシスとは人外種族の団体であり、異能知識のやり取りや能力提供の代わりに「困ったことがあったら助けてあげるよ」という契約を交わした共存同盟です。魔王側はお金を渡したり力を貸すかわりに、働いたり独自の知識を寄越せよという関係ですね。
仁/ふむふむ。

 人外同盟『リリルラケシス』
 主にヨーロッパで活動している人外の能力者の支援団体。
 人の世に紛れて生息している同種達で手を組み、人との争いを監視、抑止しあう。現在は、魔王アクセンの義弟が代表者を務めており、アクセン自身も多額の出資をしながら多くの人外種族を支えている。
 ≪コネ「リリルラケシス」≫を取得した場合、【正気度】を代償に【戦闘値】を大幅パワーアップすることができるが、取得には「人外であること」が必須。


セン/藤夏村は人外が治めている土地なんですね。どういうタイプの人外ですか?
GM/吸血鬼です。河童みたいな和風吸血鬼ですね。『月姫』でいうところの遠野秋葉が藤夏の巫女で、アルクェイドが魔王です。
セン/わあ、『月姫』に例えると判りやすい!(笑) 我が王と同族というなら、ちょっと親近感?
GM/「現在の巫女の名前は……」 さて、センさんのハンドアウトに記載されていたNPCなのでセンさんに決めてもらいましょう。何て名前の人にしますか?
セン/男巫でもいいですか?(暫く考えて)名前は、鳩羽 幟(はとば・のぼる)。18歳の男の子にしました。鳩羽は紫の色の名前で、幟は夏の季語。藤と夏だからそういう名前にしました!
御衣/良い名前だなー!
灰澄/鳩羽。ポケモンシティの名前になりそう。
GM/男の巫女さんですか。じゃあ「神子」って表記に変更しようかな。「……近頃、藤夏の神子が不穏な動きをしている」
セン/ほう?
GM/「我々は藤夏の祭り、伝統的な藤夏祭舞踏の運営に資金援助をしている。『あの土地を束ねる領主として、毎年の演舞で祈りを捧げて土地を豊かにすることが使命。だからその運営資金が欲しい』のだと聞いている」 ご立派な桜が咲き、人々が豊かに生活するには、人外である鳩羽家が儀式をすることで成り立っている……そんな古い土地みたいです。「だが」
セン/だが……?
GM/「まず、連絡が滞り始めた」 資金提供の代わりに異能のギブアンドテイクが同盟関係の鉄則です。けれど藤夏村は、その役目を果たさなくなりました。「最初の数ヶ月は連絡無しでも良いだろう。しかし理由を訊いてもはぐらかす。そして色々と融通がきかなくなってきた」
仁/ほーう。筋が通らなくなってきたなと?
GM/何かあったのと尋ねても、最近忙しくってゴメンナサイばかり。協力してるから見返りをちょうだいと言っても「今はちょっと無理で〜」って言われる始末。……なんかおかしくね? 何かヤバイことやってるの? 怪しいな、変なこと始めてないよね〜? ってところです。
御衣/うわあ、動きが不審ですねえ……。
セン/もしこちらに背信行為があるなら、制裁とかって必要ですよね?
GM/「その手段をチラつかせる必要があるな。では、来週末に行なわれる藤夏祭の実行委員会スタッフのアルバイトをしてこい」
灰澄/なんと。
GM/「藤夏の神子に近づき、奴らに援助の価値があるのか、何か不穏な動きをしていないかを調査してきたまえ。そしてあわよくば、彼らが隠しているものや秘蔵の知識を持ち帰ってくるがいい
セン/ほほう。……ウチを拒めばそれを動議名分にして圧力を掛けることもできる。ウチに対して何か害を為すようなことがあれば、それこそ戦争ですよね?
GM/「その通りだ。君を私の使者として『藤夏祭の本部に参加させろ』と指示を出しておく。君はただ藤夏祭に行き、神子の様子を見てくればいいのだ。その場の判断は君に一任しよう」
セン/拝命しました。麦原 セン、全力を尽くしてお心に添う動きをさせていただきます。うやうやしく礼をしますよ。
GM/「とはいえ、祭りなのだ。楽しんでくるがいい」 そう言って魔王は、伯子ちゃんと白妙ちゃんを見ます。NPC同士の会話は省略しますが、「これからよろしくお願いします!」と挨拶をして、魔王の落とし子として迎え入れる流れとなりました。決して魔王は彼女らを悪いようにしないとプレイヤー達に宣言しておきますね。
御衣/良かったー!
セン/ちなみに、女の子2人を藤夏祭に連れて行っても平気ですか?
GM/「構わん。君の邪魔でなければな」 フレーバーとしてNPCを連れて行くのは構いませんよ。
セン/せっかくなので連れて行きますね。外のお祭りを見せてあげたいという気持ちもあるし、魔王の落とし子としてこれから動くのであればこういうことをしていくよって学ぶためにも。
仁/社会勉強だな(笑)
GM/センさんが研修の先生だ(笑) 伯子と白妙は「はい、頑張ります!」と元気にお返事をします。
セン/良い子だー(笑)
GM/…………。ここで、大変残念な与太話をします。
灰澄/残念な与太話?
GM/伯子ちゃんは中学生です。14歳の女の子です。吸血鬼である魔王は14歳の処女が大好きです。
セン/……うんっ!?(一同爆笑) えっ、あっ!? ええっ……どうしよう!? わ、我が王! 配下に色々と面倒なことはヤメてください! どうかお手付きだけはご勘弁を! なけなしの倫理観で止めます!(笑)
GM/「君がそう言うのであれば自制しよう」 涎を拭きます。
灰澄/コラーっ!?(一同笑)
セン/我が王に「差し出せ」と強めに命じられたら拒む理由が無いけど、それされると悲しむ人達がいるので……(笑)
御衣/もしお手付きを許すようでしたら、センさんに≪セルロイドの心≫を使って暫くおやつが食べられない体にします。
セン/何故ウチが罰せられるんですか!?(一同笑) 保護監督責任を問われるんです!?
仁/だってセンさんを信頼して任せた訳だしねー?(笑)
GM/与太話はこれぐらいにしておきまして、センさんのクエストを渡してオープニングシーンを終わりにします。伯子と白妙は演出でどんどん使ってあげてくださいね。
セン/はーい。2人にはお着物を着てもらいましょう!
御衣/わーい、画面が華やかになるー!


 ●オープニングフェイズ2/御衣&灰澄 〜悪しき記憶〜

GM/御衣ちゃんと灰澄くん、2人いっしょのオープニングシーンを始めます。
仁/あ、今回問題の2人の番だ……(笑)
御衣/航先生に心の壁を張って参りましょう。ソーシャルディスタンスです。
GM/我幾村から乗った船を下り、娘さんと知り合いの男の子を連れて去って行く仁さん。伯子と白妙を連れて去って行くセンさん。彼らを見送り、これから「高坂のもとに連絡」だの「家に帰ろう」だの思っていたときだった。
御衣/はい……。
GM/君達は、見た。
灰澄/見ちゃいけないものを!(笑)
御衣/ま、禍々しい! ホラーを見た!(笑)
GM/彼は居た。瞬時に彼だと思った。あの……ふわっとした髪に、眼鏡姿、そして恐ろしい目の中年男性は……。
セン/綺麗なドブ川のような目をしてますね。
灰澄/1行による矛盾が激しい!(一同笑)
GM/何故ここに居るのか判らない。10年前に死んだ大犯罪者だと君達2人はパッと判る。彼との距離は遠い。だが声を掛ければ届くんじゃないかと思うぐらい、近かった。
灰澄/……ううううううん……。
御衣/……はあああああ……。
セン/2人とも唸ってる(笑) 正直ここは【正気度】判定をするべきでは?
御衣/しましょう。(ころころ)達成値17です。
灰澄/振るの!?(笑・ころころ)た、達成値は9でした。
GM/難易度は25です。
仁/25ぉ!?(一同爆笑)
GM/2人とも失敗でそりゃ普通に「はぁ!?」ですわ。……あいつのせいでこの日本では、君達が住むN市では異端事件が多発するようになった。あいつのせいで何十人も、いや、何千人も死んだ。彼がこの世に付けた傷痕はあまりにも大きく、10年経った今も未だに教会はその尻拭いをしている。そう、邪神を召喚したという偉業は……。
セン/偉業じゃなくて悪行だよ!(一同笑)
仁/ろ、ロクなことしねえな……!(笑)
御衣/うえええええ……(笑) じゃあ、それでは。……はぁ……はぁ……。
セン/プレイヤーが過呼吸してるじゃん!?(一同爆笑)
御衣/航さま。……と呟いてしまった、けど、頭を振って……夜須庭 航ですよね!? 叫びます!
GM/御衣の方を見る。確かに目が合う。コクリと頷き、彼は去っていく。
セン/怖い。
仁/ゾッとする。
灰澄/ほ、本人だ……!(笑)
御衣/咄嗟に待ってと言いかける! でも……声が固まって出ない! 隣の灰澄さんを見るけど……?
灰澄/……後ずさりするのが、精一杯。出来ることと言えば……日付と時間を確認! 連絡しないといけません!
仁/冷静だ。さすが!
灰澄/だって怖いもん! 警察相手に通報することもできない怖い人だもん!(笑)
御衣/……冷静なご意見、ありがとうございます! 判りました、教会に一報を入れて一緒に礼拝堂に向かいましょう!
GM/追わなくてよろしいですね? GMは確認します。
仁/……こ、怖い(笑)
灰澄/こ……怖くて……後を追えませんね。できません。連絡をするのが精一杯です。
御衣/私もちょっと……畏怖の方が勝ってしまって、足が動きません……。
GM/そうですか。2人はここに留まったのでした。デストラップを回避します。
灰澄/……へ!?(笑)
仁/ひぃ!?(笑) け、賢明すぎる!
セン/ひゃあ!? で、デストラップ!? よ、良かったー!(笑)
御衣/え、あ、へえ!? 何ですって!?(笑)
GM/GMは何度も言ったよ。邪神召喚したほどの大犯罪者で、初のキャンペーンラスボスになったほどの悪役だって。
灰澄/そうですよ、そんなのこのレベルで敵う訳がないですよ! 追わなくて正解だ!(一同笑)
御衣/あ、あと……一応ハンドアウトに忠実に従ったとのもあります! 追ってはいけないんだなと思ってはいました!(笑)
仁/ちなみに……デストラップの内容を聞いてもいいですか?
GM/はい。もし航先生を追いかけてきたなら、2人を洗脳させていただこうと思いました。御衣と灰澄を敵陣に配置しようと考えていました。
御衣/そういうことするぅ!?(笑) た、確かに御衣のシナリオリクエストに「洗脳」って希望したけど!
GM/まあ、次回も機会はあるから今日じゃなかっただけだよ。
灰澄/「これだけじゃ済まない」って言われたー!(笑)
仁/アタッカーと回復役が分断されるところだった……(笑)
セン/もし分断されたら仁さんとウチだけでアタッカーしかいない卓になりましたよ! 殺られる前に殺れー!(笑)
御衣/灰澄さんにひたすら≪セケル≫。
灰澄/ひたすら麻痺で攻撃。
セン/エグすぎる! これだから機関は!(一同笑)
仁/俺も機関にオファー受けたことあるわ。
セン/みんな機関だったー!(一同爆笑)
GM/御衣ちゃんと灰澄くんはデストラップルートを回避して、教会の高坂へ連絡を入れることができました。高坂への電話をする前に……回想シーンというかキャラクターのおさらいをさせていただきたいです。
灰澄/PCの設定確認ターンですね。
GM/……まず、灰澄くんから確認しよう。君は過去に何をしていたのかな? 第1話の自己紹介では「昔、機関で適当に扱われてたところをお寺に拾ってもらった」と言っていたけど。まず『機関』の説明をしておくべきかな?

 超人類開発研究所『機関』
 能力者の解明や、魔道具の開発、異能に関することなら幅広く取り扱う異能研究施設。
 数十年にも渡って「非人道的な研究」を繰り返した悪しき歴史があり、「非情な人体実験や研究」のために闇に葬られた被害者が後を絶たなかった。
 10年前に、機関に立ち向かう組織『レジスタンス』によってその実態を暴かれるが、その最期の日に主任研究者・夜須庭 航が解読した禁書によって邪神を召喚。のちに『機関解体事件』と呼ばれる史上最悪の異端事件が発生。何百人もの人が亡くなった。


灰澄/灰澄は……子供の頃から、戦闘員として働かされていましたね。敵対するところを撃退するための能力者でした。
セン/ショッカーだ。
GM/なるほど、つまりは灰澄くんは戦闘部隊の『朱指』出身なのか。機関で戦闘員として働かされていたこと自体は、どんな感情を抱いていた? 嫌だと思っていたか、それとも「ヒャッハー!殺すぜー!」って思っていた?
灰澄/命令なので淡々とこなしていました。それで酷使されすぎて……摩耗していったんじゃないかな。使い物になって廃棄物に……。
御衣/聯合されちゃう……。
GM/ある日、灰澄くんはこんなことをある男から言われたのを思い出す。

 「だいぶ性能が落ちてきたね。はあ、こんなんじゃあ、彼は盾になるぐらいしかできないんじゃないの?
 もうデータも取れない戦闘員として使うのも危なっかしいし、いるだけ無駄な役立たずなら『頭垓』で貰って新しい実験の被験体として使わせてもらおうかなぁ?」
 そう……機関の研究員・夜須庭 航に目の前で話されたことを、思い出す。


セン/航先生、目の前で言いそうだもんな……(笑)
GM/しかし、灰澄くんは生き残った。どういった訳か、朱指……機関から脱退できた君は、とある寺のお坊さんに拾われて第二の人生を送ったのだった。外へ手放してくれた人がいたんだろうね。
仁/そっかぁ……拾われて良かったなぁ。
GM/機関から離れた君は、ある物を持っていた。それは何?
灰澄/……戦うときに常に持っていける物、身に付けられる物をそのまま持って引き取られたことにしていたので……「これがあれば自分は動ける」という、拠り所にしていたお守り? 識別番号が入ったドッグタグとかかな?
GM/ドッグタグか。それは、今も持っている?
灰澄/習慣で身に付けていますね。
GM/引き取ってくれたお坊さんも、「そんなものは捨てなさい」と言わずにいてくれたんだね。……君は教会に連絡をした後、お守りであるドッグタグを握り締める。
灰澄/咄嗟に手を当ててしまいながら……ぎゅっと握り締めます。
御衣/……灰澄さんが動揺している。その姿が見えるので、思わず手を当てようとする。
灰澄/うん……。
御衣/……でも、自分が直前に見たものが見たものだったから、咄嗟に触れるのを躊躇って、手を下ろしてしまいます。
灰澄/ああ……その行動は、大正解です。触られたらビクッとしましたから。
御衣/だから、言葉だけで尋ねます。……大丈夫ですか?
灰澄/……声を掛けられて安心しました。ハァと息を吐いて……なんとか……と、一言返します。……あれ、幽霊だったんですかね?
御衣/……本人かどうか判りません。
灰澄/……でも、頷いたでしょ。冷静に淡々と言ってしまう。
仁/分析はできるんだなぁ(笑)
御衣/頷きました、けど、本人を騙っている可能性もあります。
灰澄/あ、その説は考えてなかった。確かに……。
GM/では次に、御衣ちゃんの過去も確認しましょう。御衣ちゃんは過去、どんなことをしていたんだっけ?
御衣/機関で、人を働かせていました。それが悪いこととは知らされず、良いことであると洗脳のように教え込まれていました。
GM/灰澄くんのように淡々と命令に従っていた人……ではない人を、働かせるようなことをしていたんだね。
御衣/嫌がっている人、駄々をこねている人を……その人の為にならない、おつらいでしょうと、感情を引っこ抜くような意味で≪セルロイドの心≫を凍結していました。
セン/(機関のモブになって)「嫌だー! 働きたくないでござるー!」(笑)
御衣/さあ、お行きなさい。
仁/(機関のモブになって)「働きまーす!」(笑)
御衣/心を凍結させることで少しはラクになったでしょう。
GM/善意でやっていたんだねぇ(笑) 君を造った夜須庭 航は、そんな風にデスワークをさせていた御衣ちゃんに対して、特に何も声を掛けなかった。御衣の役目はそれであり、そうあるように製造していた訳だから特に何の感動も無かった。
御衣/はい。機械が正しく動いているかチェックはしていたでしょうけど、交流は無いでしょうね。
GM/そして君は、壊れた。
セン/ガー、ピー(笑)
御衣/電源を切られていなかった状態で稼働していたので、故障しました。原理的にはこのまま問題無く稼働し続ける筈だったんですが、停止しちゃったんで、失敗作なんだなって判断されちゃいましたね。
灰澄/ああ、バッテリーが壊れちゃった……(笑)
GM/ある日、故障した御衣ちゃんはある男が投げ掛けた唯一の言葉を思い出す。

 「あーあ」

仁/……うわ……。
御衣/……その一言に、失望がこもっているのを感じて……それで、ハッと自分がやってきたことに気付きました。
GM/御衣と灰澄は2人で悪しき記憶を思い出しながら、報告を受けた教会のエージェントが来るのを待っている。駆けつけたエージェント達は、夜須庭 航を追跡します。しかし君達は後日、「収穫が無かった」という報告を聞くことになるでしょう。
御衣/そうですか……。

 GM/エージェント達が駆けつけてからずっと後、教会の仕事斡旋人・高坂が君達のもとへ来ます。

セン/なんか……航先生を見た後の高坂さんは、安心するね(笑)
仁/うんうん、無害で安心する(笑)
GM/(高坂になって)「ごめん御衣ちゃん、遅くなった。だ、大丈夫かい、2人とも? ……その、顔色……」
御衣/あっ……。わ、私は平気です。あの、灰澄さんは……。
灰澄/外傷は無いです。
仁/外傷は無くても、心的外傷はあるよ……(笑)
GM/では……傷ついた顔をしている2人を見た高坂は、すぐ自動販売機に向かい、コーラを買ってきます。「心細いときはカロリーを摂取するのが気を落ち着けるのが一番! 冬場ならココアかミルクティーが最適だけど、初夏だからジュースでいいかな!?」
仁/優しい!(一同笑)
GM/「その……『奴』に関しては、教会が今後しっかり調査する。すぐに精鋭チームを編成し、君達が目撃した人物が本物なのか確かめてみせる」
御衣/それは、お願いします。
灰澄/ぜひともお願いします。
GM/「だからひとまずは安心してほしい。とはいえ、もし『奴』が本物だったら……もし『奴』が生きていたら……」 多くの異端事件を担当してきた高坂ですら、名前を出せないぐらい、顔を青くしています。
御衣/……機関解体事件の再来が起きるかもしれません。あの、数百人が亡くなった……それと同じ規模の事件が起きるかもしれない。
GM/「それは、絶対に止めてみせる」 かつて機関解体事件という大災害を経験したことある高坂は、真剣な顔で頷きます。「実は、俺が遅れた理由があって」
灰澄/あ、はい。何があったんですか?
GM/「君達が連絡を入れる前、教会に異能によるメッセージが届いていたんだ」

 『藤夏祭でまた……死ぬ。この声が聞こえた人……助けて』

GM/おそらく[領域遣い]の≪彼方の音≫という「遠方に言葉を届ける」特技だと思われます。救助メッセージを受信した高坂は「こちら教会N市支部の高坂! 応答を!」と応対をしていたのですが、そのとき……灰澄くん達からの電話が来てしまったのです。
灰澄/わー! それは申し訳ありません!(笑)
GM/「いや、仕方ない話だ。灰澄くん達の報告は重要なものだった。何よりも優先しなければならないことだ。……だが」
御衣/そちらも、キナ臭い話ですね。
GM/「内容が内容だ、こちらも無視できるものじゃない。ちなみに藤夏祭というのは今度の週末、4月11日の土曜日に開催される桜祭りのことだよ」
灰澄/藤夏祭……。申し訳無さとコーラの重みがあって、そっちに協力させてくださいって言います。
御衣/はい。私にもその話を聞かせてください。何かしら関係をあったら大変ですし!
GM/「俺から話を切り出さなきゃいけないのに、そちらから言い出してくれてありがとな。……これから教会のエージェント達は、夜須庭 航の捜索で精一杯になる。そちらに全力を注ぐだろう。だから、この『助けて』をおざなりになってしまうかもしれない」
灰澄/はい……。
GM/「御衣ちゃん、灰澄くん。急なチーム編成で申し訳無いが、藤夏祭の調査を君達にお願いしてもいいか?」
御衣/はい、頑張ります!
灰澄/しかし……今週末のこれから起きる祭りなのに「また」なのは不思議ですね。
御衣/去年とか……前々に何かあったんですかね?
GM/藤夏祭は毎年やっている桜の時期のお祭りです。去年も一昨年も開催されていますよ。
灰澄/……桜への印象が悪くならないといいですね(笑) 次は梅でも見に行きたいです。
御衣/シナリオ名が『ウメ・オーバードライブ』になりますよ。
仁/語感が悪いよ!(笑)