アリアンロッド2E・リプレイ・Re
■ 第1話 『 R卓・リスタート 』 3ページ ■
2012年10月20日




 ●ミドルフェイズ4 〜崩壊、レイウォール〜

GM/ノルドグラムは大きな城壁に囲まれた街です。近付くにつれ、炎が上がっているだろう煙が見えてきます。
ケイ/焦げ臭いな……!
GM/大きな門の前まで来ると……街中から逃げ出してきたらしい子供や女達が、街の外に出ようと走っているのが見えてきます。家々に火が上がり、道が熱くなって、悲惨なことになっているね。
大津/若い男達が居ないということは……避難誘導する人もいないということか。
ワトスン/避難するべき城から敵が出てくるなんて……街の人達もどこに逃げたらいいか判らない状況か!
ランピィ/何からするの? 火事が酷いし、取り残されてる人間もいっぱいいるし……。
ワトスン/……救える人間を救いたい! まずは誘導だ!
大津/体力がありそうな民を助け、その者達に誘導を任せよう!
ワトスン/どこに誘導するんだ?
大津/それが問題だ。サー・ケイ、考えてくれ。
ケイ/おいコラ丸投げはヤメろ!(笑) ……一番安全な城が安全じゃないから、やっぱり城壁の外に逃がすしかないだろ。
ランピィ/だとしたら……森かな?
ワトスン/街の人を集めて、後は……そうだ! 知盛に任せよう!
大津/それだ! 知盛はずっと森に居たんだし、それが一番良いと思う!
GM/そんな相談を走りながらしているところを……城門から出てきた人々がバラバラと、君達の横を通り過ぎようと走って行きます。
ワトスン/ちょっと待て! 一人で居るのは危ない!
GM/若い女性が振り向きます。「でも中に居ても……!」
ワトスン/ここで待っていてくれ! 一旦、城壁の外に人を集めるんだ! 集団になって動いた方がいい……その方が守れる!
GM/「あんな化け物なんかに誰も勝てる訳がないでしょ!?」と、女性は後ろ向きなことを言う。
ワトスン/それでも一人でどこかに行ってどうする!? 戦場で一人はとても危ないんだぞ!
大津/住民が避難できたら城門を閉めてもらうんだ! そうすれば城から出た化け物は外に出なくて済む!
ワトスン/……ランピィ。風で声を届けることは可能かい?
ランピィ/ああ、大声を届ければいいんだね? 問題無いよ。GM、できますか?
GM/ここはまだオープニングシーンのようなものなので、演出で好き勝手救出してくれて構わないよ。
ランピィ/使い魔を出します! ランピィの≪ファミリア≫はランピィを2頭身ぐらいにしたものです。
GM/か、カワイイ! ミニドラか!(笑)
ランピィ/この子を街中に飛ばして「西門に集まれ!」って伝令を出すよ! きっとこの子の声を聞いた街の人が集まってきてくれる筈だ! ポイッと街に放り出します。
ケイ/……ランピィ。雨を呼ぶことは可能か?
ランピィ/ああ、風で雨雲を呼ぶことは出来るよ。
ケイ/それで火を消そう!
大津/……凄い。流石ファンタジー世界の住人だ。発想が違う!
ケイ/お前のところにも雨乞いぐらいあるだろうが!(笑) 雨が降れば焼け死ぬ奴らは少なくなる筈だ。
ランピィ/雨雲を呼び始めますね!
GM/すると、明らかに天気がおかしくなっていく……。
ワトスン/その間にも、小さなランピィが「西門に逃げろー!」って街中の人に知らせてくれて……。
GM/西門に集まる人達が多くなっていく。皆、強そうな人は一人もいない……か弱い人達ばっかりだ。
ランピィ/女、子供、子供、子供、女、おばあちゃん、おじいちゃん、怪我人……って感じか?(笑)
GM/そのとき、ある女性が叫びます。「ば、化け物に捕まったって……アメリアが捕まったの!?」
大津/むっ? どうした?
GM/「し、知り合いが……巨人に! 捕まって……!」
ケイ/巨人と聞いて!
ランピィ/巨人殺しの男が黙っちゃいませんね!(笑) その場所はどこ?
GM/「し、商店街……!」
ランピィ/……人も集まってきたし、水の湿ったニオイもしてきた……もう間もなく雨も降るよ!
大津/知盛。この場に居た人達の警護は任せて大丈夫か?
GM/「俺が行かなくてもいいのか?」
大津/ああ、街には俺達が行く。
ランピィ/街の外のことは、1ヶ月先に過ごしてたトモリンの方が詳しいしね?
GM/「心配するな、失敗しねーよ」と言って、トモリンは「おいオメーらぁ! 逞しい男がついてやってるんだ! 泣きやめ!」と先導し始めます。
ランピィ/おー! アイツ、絶対モテんぞー!(笑)
大津/か、カッコイイ……(笑) では、こちらは直ぐに走り出します!
ケイ/トモリン……うちの騎士団に欲しいなー(笑)
ランピィ/元の世界に帰るときにでもスカウトすればいいんじゃないー?(笑)
GM/それでは、一瞬だけ強い雨が降り始めます。それによって街を焼いていた火が消えていく。火を消すための雨は火事が収まると同時に上がります。……あ、これでトラップ≪プール≫状態になったりはしないから心配しないでね。
大津/よ、良かった!(笑)
ランピィ/そこまでGMも鬼じゃなかった!(笑) あー、風向きを変えただけだからすぐやんじゃったねー。
GM/君達は、女性が言っていた商店街に向かう。するとガシャーンと建物を壊すような大きな音と「キャー!?」という複数の女性の声が聞こえてくる。
大津/複数か……!
GM/街中を見ると……禍々しい影が見えてくる。その姿は……巨人と言うに相応しい巨人だ。醜悪な化け物が2体暴れまわっている。
大津/あれが化け物か……!
ランピィ/あー、魔人にもあんなヤツいたなー!
ワトスン/え、えっと、その……凄く、ファンタジーだな!(笑)
GM/暴れていた巨人は……逃げられなかった人間の体を掴み、モグっと口に含む。
ワトスン/うっ!?
GM/バリバリ、ゴクン。君達はその瞬間を目の当たりにする。
ケイ/で、ですよね……うわあ、なんでどこの世界も巨人って女の肉が好きなんだろ(笑)
GM/「助けて!」と女性達が逃げまどい、君達……男性を見かけて横を通り過ぎて行く。
大津/西門に急げ!
GM/「は、はい!」と泣きながら、食われた残骸を名残惜しそうに見ながら……女性達は逃げていく。
大津/貴様……! 巨人に剣を構えます!

 巨人は街中で破壊活動と虐殺を繰り返していた。
 逃げる女性達を救うため、大津達は武器を構える。


ランピィ/≪エンサイクロペディア≫! 2体のエネミーを識別します!(ころころ)19!
GM/識別値は15なので判明します。2体の巨人の名称は『トロウルロイヤル(R2/P.218)』。
ワトスン/ロイヤルなのか?
GM/普通よりも強いって意味だよ。それと、『種別:妖魔(廃棄物)』だと判ります。
ワトスン/これが、廃棄物……?
GM/今回のシナリオの、オリジナルのエネミー種別です。この世界特有の妖魔とも別物で、他にも『種別:機械(廃棄物)』とか『種別:アンデッド(廃棄物)』など表記していきます。
ワトスン/≪ホーリーアーマー≫+≪ホーリーグレイス≫! 防御力に10点付与! 演出は……周囲を見渡して、的確に支援の指示を出すような感じで。援護は任せておけと言って後ろに下がります!
ランピィ/≪マジックブラスト≫+≪エンチャントウェポン:火≫! 大津とケイの武器に炎が纏わり付く! ひゅっと指を差すと炎がボンボンッ!
大津/お、おおお……け、剣に炎が!(笑)
ケイ/あら、あったかい(笑) 凄いな、火の精霊も扱えるのか。
ランピィ/ランプの呪いのおかげでねー!
GM/そんな援護の最中も、巨人は倒れている人をモグモグ食べたりガシャーンと建物を破壊しまくったり野蛮な行動をしてるよ。
ランピィ/同じ人間じゃない者同士ですけど、ランピィは肩を竦めます。アリエナーイ(笑)
GM/流石のランピィもこれには苦笑い。
大津/険しい顔をしながら……!(ころころ)巨人に46点ダメージ!
ケイ/そこに≪チェックメイト≫!(ころころ)23点ダメージにプラスしてくれ! 巨人の弱点は……そこだ!
大津/ということは、69点の炎属性魔法ダメージ!
ワトスン/これは凄いな。サー・ケイが的確に弱点を言い当てた!
ケイ/巨人を殺すのは慣れてるんだ。ナイフをくるくる回しながら言います。

 攻撃をしてきた大津達に対し、攻撃をし始める化け物達。
 巨人は恐ろしい力で人間達を襲っていた。それは一方的な強さだった。
 だが大津達は驚異の力を弾く。彼ら4人の力によって、巨人達は数分後には一掃されていた。

【ドロップ品】
 トロウルロイヤル×2:トロールの金腰布(1000G)×6


GM/2体のエネミーは倒れ、戦闘が終了します。……巨人は大津とケイの攻撃によって倒れ、動かなくなります。するとその体がどんどん崩れていく。
大津/むっ?
GM/そして最後には……塩の塊になりました。巨人サイズ分だからどっちゃりです。
ランピィ/塩? 失敬。ぺろん。うん、塩だね。
ケイ/こ、こら!(笑)
ワトスン/塩!? なんでそんなものに……。
大津/し、塩は高級品だぞ(笑) ……しかし、どういうことだ?
GM/「あ、あの……」 後ろから女性が声を掛けてきます。眼鏡を掛けた、耳の長い女性ですね。
ケイ/あ、逃げ遅れた女性……アメリアさんかな?
GM/「そうです。私はアメリアといいます。あの……ありがとうございます!」と頭を下げる。そんな彼女の服装は、他の人達とは違い、軍服を着ています。
ランピィ/おや? その制服っぽい服装は……?
GM/「私は数ヶ月前まで、軍に立っていました」
ワトスン/立っていた? 過去形なのか?
大津/……世界中に起こった大異変の直前まで、か?
GM/「はい。貴方達は……どこかの国の騎士や冒険者でもなく、『漂流物』なのですか?」
大津/その通りだ。
GM/「やはり『漂流物』の力は通用するんだ……!」
ワトスン/……ん? どういうことだ?
GM/「我々がどうして彼らに成すすべもなく虐殺されていたのか……戦える者達が何故みんな死んでしまったのか、ご説明しましょう。『廃棄物』には、我々の力が通用しないのです」
ケイ/この国の者の装備では彼らには通用しないということか? 「装備が悪いんじゃね?」っていう意味合いで訊くぞ。
GM/「いえ、逆です。武器の力は通用するのですが……私達の力が及ばないのです。具体的に言うと、スキルが一切効かないのです!」
大津/スキルが? つまり、≪バッシュ≫とかが使えないということか?
GM/その通り。どんなに強いキャラクターでも、種別が『廃棄物』のエネミー相手にはスキルの効果を発動できないんです。
ランピィ/スキルでしか攻撃手段が無いメイジはもう終わりだね!? 見た感じ、エルダナーンで魔法使いだったんでしょ。そりゃ戦えないねぇ。
GM/「私はこの国で、とある方に仕えていました。ベルフト殿下という方なのですが……」
ケイ/お、また聞いた名だ。
GM/ちなみにアメリアさんもジュリアナおばあさんと同じく、公式NPCです。

 アメリア・ルアニー。
 レイウォール王国竜炎騎士団で、軍団全体の兵站を統括しているエルダナーンの女性。
 必要であればどのような状況でも求められているものを調達してみせる手腕があり、高く評価されている。


GM/「大崩壊以後、妖魔と同時に『廃棄物』と呼ばれる化け物がアルディオン大陸中に出現しました。奴らは我々の力が一切通用せず、各国の軍隊もただただやられるしかなかったのです……」 どんなに強くてもスキルレベルをいくら上げていても、純粋に武器の攻撃力しか出せないんじゃやられる一方だからね。
ワトスン/それで、色んな国のお偉いさんも強い人もみんな死んでしまったと……。
ケイ/『廃棄物』のことは判った。それよりも今の状況を説明してもらえるか?
GM/「は、はい! 中心となっていた王族が死亡し、軍隊が壊滅状態になってしまった我々は、ノルドグラム中央の城を本拠地としてなんとか凌いでいました。しかしつい先ほど突然、城内に渦を巻いた黒い風が現れ、そこから化け物達が出てきたのです」
大津/ウズ……?
GM/「今朝の城にはそのような異変はありませんでした。本当に突然のことでした。そしてその妙な空間から化け物が……」
ランピィ/ウズかー。なんか夢で見た気がするなー? ぐるぐるした空間で意識が途切れたっけ。
ケイ/やはりあの『廃棄物』も、我々と同じようにどこかの世界から流れてきたということか……。
ランピィ/アタシ達が突然この世界に落ちてきたように、化け物も突然落ちてきたのかな?
ケイ/……今も城は占拠されてる状況か?
GM/「はい。城から化け物が出現し……それと突然、2頭身ぐらいの謎の化け物が現れ……
ワトスン/そ、それはミニランピィ……(笑)
GM/そこでランピィの耳元にミニランピィが現れ「街の人達はトモリンが森まで連れて行って安全だよ!」と「城に化け物がいるよ!」って知らせてきます。
ランピィ/えっ、タイヘン! やっぱりお城から化け物が出てるってー!
ワトスン/城に向かわないことにはどうにもならないな……。
ケイ/大元を叩かないとダメだな。まず、城門を閉めてもらおう。
GM/「そ、それなら私が!」
ケイ/頼めるか。その後はトモリンと一緒に森に逃げるんだ。
ランピィ/『廃棄物』相手はダメでも、普通のエネミーだったら軍人ならポイポイでしょ?
GM/「ええ。外のエネミー相手でしたら私達が守ります。通常の妖魔相手でしたら私のスキルも通用しますから!」
ケイ/万が一『廃棄物』が出ても『漂流物』のトモリンがいるから大丈夫だな……。
ワトスン/あの強そうな彼ならなんとかしてくれるよ。
GM/「あの……」 話が進んでいるところですが、アメリアは敢えて言います。
大津/何か?
GM/「『漂流物』と私達の価値観が違うというのは聞いています。だから、私達の礼など貰っても嬉しくないと判っています。何も見返りが出来ないと思いますが……奴らを倒し、どうか私達を助けてくれませんか……」
ランピィ/うん、オッケー。
GM/アッサリだね。
ワトスン/だって、放っておいたら困るだろ?
大津/報酬なら先に貰っているんだよ。それを返すだけだ。
ケイ/ああ、世話になった恩は返さなきゃいけない。……と言いつつも、頭の中では「ここで恩を売っておけば拠点が手に入るな」と考えておこう(笑)
大津/それだけで君の気が済まないというのなら、追々考えよう。この問題を片付けてからな。
GM/「……お願いします!」
大津/城壁を閉める任務を頼んだ!
ランピィ/まかせたよー!


 ●ミドルフェイズ5 〜潜入、ノルドグラム城〜

GM/大津達は、ノルドグラムの真ん中にある大きな建物……ノルドグラム城の前までやって来ました。
ワトスン/凄く綺麗な建物だな……まるで女王陛下のお城のようだ。
ランピィ/宮殿にはいたけど、こんなカンジのお城じゃなかったなー。
大津/……高い。
ケイ/そうね、日本人は平屋ね!(一同笑) ケイはそんなに違和感を感じないな。
GM/これからアメリアさんが教えてもらったルートで城に入るんですが……その前に、全員【感知】判定をしてください。
ワトスン/ん? 何の判定だ。
GM/何かに気付くかの対抗判定だね。(ころころ)こちら、12。達成値12以上を出すと何かに気付きます。
ケイ/(ころころ)うん、ファンブル!
ランピィ/早速ファンブル!?(笑・ころころ)ランピィは11でした。
大津/(ころころ)10で失敗。
ワトスン/(ころころ)ワトスンも10ですね。
ケイ/あー、流石に誰1人成功しないのとファンブルはダメだな。ケイがフェイトを1点使用して振り直します。(ころころ)よし、14!
GM/ランピィは気配は察したけど、完全に何かに気付いたのはケイのみ。
ケイ/何を見付けたんだ?
GM/とある影。……城門からサササと男性の影が、頑張って隠密行動をしていたのを発見する。
ケイ/……えっ?
GM/気を付けて見なければ気付かなかったでしょう。【感知】判定達成値12以上で見なければ判らないような、隠密行動をしていた男がいます。
ケイ/敵か味方か判らないので、剣を構えて……。
GM/そそくさそそくさ! だばだば! 盗っ人みたいな男がえっちらおっちら走っています。
ケイ/うん、なんか演出がギャグっぽいし大丈夫そうだな!(笑) 男の足を引っかけます!
GM/「いったーい! 何すんのよー!?」
ケイ/女だったか。
GM/男です。
ケイ/……男?
GM/男です。「何すんのよぉ!?」
ケイ/……オカマ!?(笑)
大津/男!? えっと……未知の生き物を見るような目になります(笑)
ワトスン/えっと、見た目は男……なんですよね?
GM/175センチぐらいの普通の男性体型です。声も男です。寧ろ低い声です。どう見ても男です。
ケイ/……この城から出てきたってことは、この城の関係者か?
GM/「違うわよぉ! だから無視して行きなさいよぉ!」
ケイ/……なんだお前は(笑) 今ここで正体を明かさないと化け物と扱うぞ。
GM/「一人で逃げ伸びてきた可哀想なオカマちゃんですぅ!」
大津/オカマって何だ!?(笑)
ケイ/オカマって何だよ!?(笑) 男なのか女なのかハッキリしろ!
GM/「男の体で女よ!」
ランピィ/心は女って意味だね!
ワトスン/ランピィの方が理解が早かった!?(笑) え、えっと……そういう趣味の人なんだな?
ランピィ/ハイ、オカマちゃん。どっから来たの?
GM/「えっ、アタシのコト理解してくれるの? アタシのコト気になる!? 聞きたい!? 聞ーきーたーいー!?」
ケイ/早く吐け! 斬るぞ!?
ワトスン/サー・ケイ! 女性にはもっと優しく!(笑)
GM/ランピィちゃんが気に入ったのか「アタシの名前はア・ダ・ラ・ナ!」と名乗ります。
ランピィ/アダラナ?
GM/「そっ! アタシはアダラナ! 名前は? お・し・え・て!」
大津/え、えっと……(笑)
GM/「そう、ここでアタシとオニーサン達が出会ったのは運命なのよフェイトなのよアリアンロッド様がお作りになった宿縁なのよぉ!
ケイ/いいから早く状況を話せ!(一同爆笑)
GM/「だからアタシは可哀想なオカマちゃんだって言ってるじゃない! そうだ! 聞いてよー! 何あれ!? 昨日一昨日に城に入ったときは普通の城だったのにー! アタシはただの火事場泥棒なのになんでこんな目にぃー!?
ケイ/最悪だコイツ!? 下調べで城に入ってんじゃねーよ!?(一同笑) えっと……城の中に入っていたなら城の様子を知ってるんだな、お前は?
GM/「アラ、アタシのコトよく判ったわね? さっすがイイ男ねぇ! さっきガシャーンとかバキーンとか騒動があったみたいじゃない! 『やりぃ』と思って城に入ったらタイヘンな目にあっちゃってー!」
ワトスン/み、見事な火事場泥棒だね! 君みたいなタイプ、嫌いじゃないよ!(笑)
GM/「ア・リ・ガ・ト! さっきまであーゆー部屋だったのにこーゆー部屋になったりこーゆー部屋だったのにあーゆー部屋になったりとか大変だったのよぉー! まるでマジックファンタスティーック!」
ケイ/下調べに行ったときと部屋が変わってる?
大津/なるほど、今までの地図は役に立たんということか。
GM/アメリアさんから城のことを聞いていたかもしれません。でもそれも使い物にならないようなことを言います。
ランピィ/迷宮の呪いでも掛けられちゃったかねー?
GM/「じゃアタシ帰る! 迷宮とかワケ判んないから!」
ケイ/おい待て。
GM/「なに? アタシのコト好きになっちゃった!? ラブになったら誰だって胸はドキドキするもんね判るわよツライよね!?
ケイ/なんねーよ落ち着けよお前ドキドキしねーよソワソワするよ!?(一同爆笑)
大津/……君、城から何も盗ってないんだな?
GM/「清廉潔白キレイなオカマよ」
ケイ/お前飛んでみろよ。
GM/チャリン。
ワトスン/盗んでるじゃないか!?(一同笑)
GM/「えー!? 1Gぐらいいいじゃなーい!」
ケイ/あーそうですねー! 情報量だと思って取っておけばいいんじゃないかな!? 別に我々の財布は痛まないし!(笑)
大津/うん、レイウォール国に代々伝わるマジックアイテムとかを盗んでなきゃいいんじゃないかな……(笑)
GM/「じゃあアタシの体を見る? 何も盗んでないか見る?」
ケイ/いいです。
GM/アタシの体見る!? アタシの体見る!? アタシの体見る!?
ケイ/いいですそういうシュミ無いです!(一同爆笑)
ワトスン/それより、城の中には化け物が居たんだろ? 怪我は無いのか? ボクは治せるけど……。
GM/「ちょっと今フラれちゃったから傷心?」
ケイ/刺していいかな!?(一同爆笑)
ワトスン/サー・ケイ、女性には優しく!(笑)
GM/「……貴方達、『漂流物』かしら?」
ケイ/お前、『漂流物』じゃないのか。……ああ、性別は漂流してるよな(笑)
ランピィ/うん、性別不明だね!(笑)
GM/「アナタ、口が達者ね! どんどん好きになっていくわ!
ケイ/嫌だ!(一同爆笑) あーもう関わりたくなくなってきた! 早く西門から出ていけば!?
GM/「アリガト。(大津の方を見て)あーらアンタも強そうな顔してるわね!」
大津/あ、ああ。
GM/「きっと強いのね! これから頑張って化け物倒しなさいよ! ってなにキョトンとした顔をしてんのよツッコミなさいよオカマはねスルーされるのが一番キライなのよぉ!?
大津/大津の許容量を越えた!(笑)
ケイ/む、ムリヤリ理解しなくていいと思う!(笑)
GM/「じゃ、バーイ!」
ランピィ/チャーオ!(笑)
GM/(投げキッスをするように)「んーっちゅ! んーんちゅ!」
ケイ/≪ナイフパリィ≫!
大津/それで投げキッスを返せるものなのか!?(笑)
ランピィ/チュッチュ!(笑)
GM/「あーらアンタ! アタシのキッス返してくれるなんて優しいわねー! いつかこの恩は返すわよーっ!」
ワトスン/気を付けてねー(笑)
GM/「大丈夫よー! オカマの足は逞しいんだからー!」
ケイ/……今思ったんだけど、城門はトモリン達が閉めちゃったんだよね? よし、行くぞぉー!(一同爆笑)
大津/ぼ、『冒険者セット』ぐらい彼も持ってるよな……?(笑)
GM/シーフっぽいから大丈夫だよ、きっと。ということで「城の様子がおかしいぞ」と言いに来たNPCでした。
ワトスン/城もおかしなことになってるけど、NPCもおかしなことになってますよ!?(一同笑)
ケイ/キャラの立ったNPCだなぁ!? シリーズ化希望!(笑) ……アイツ、城に入ったからおかしくなったんじゃね?
ランピィ/いや、多分元からだと思うよ(笑)
GM/では、君達は城に入ると。これからダンジョンパートに突入します。これから1シーンのダンジョンパートだよ。隊列などの宣言をしてエリアを移動していこうか。マップを提示していくよー。



 ここからダンジョン探索のパートに突入するため、リプレイ内での行為判定表記を簡略化します。
 実際のプレイではルール通り「トラップ探知→トラップがあったら解除判定」や「攻撃を受けたら回避判定→ダメージロール」など複数処理を行なっていますが、読みやすいように省略しています。


ワトスン/何も考えずフラフラと先に進もうとします……。
ケイ/ワトスンの首根っこを掴んでプラーン(笑) まずはトラップ探知をしなきゃだよな? 扉にトラップ探知を……。
GM/あ、最初の扉はシークレット情報ではないので先にGMから言います。『Aの扉』には≪ヘヴィウェイト≫というトラップがあるのが見て判ります。
ケイ/ほう?
GM/このトラップは「【筋力】達成値13以上を出さないと開けられない」というものです。トラップ探知しなくても発見できるトラップですよ。
大津/へえ。(ころころ)達成値16で余裕で開けられた。
ワトスン/余裕だね。
ランピィ/おお、大津スゴーイ!
GM/扉に触れたのでトラップが発動します。
大津/あ。
GM/GMは「これはシークレットではないトラップ」と言っただけなので、扉に触れた時点でトラップが発動します。
ワトスン/……大津っ!?(笑)
GM/そうだね、扉を開けたのは大津だね。
ケイ/まだ扉自体にトラップ探知しなかったね!?(笑)
GM/トラップ≪毒ガス≫が発動。全員に[5D]点の貫通ダメージを与えます。ダメージが1点でも受けると『毒(1)』のバッドステータスになります。なお、まだ「エンゲージを分ける」という発言も聞いていないので全員同じエンゲージに居ると見なします。全員、5D6を振ってください。
大津/PCがダメージロールを振るんですか?
GM/自己責任ということで。GM負担軽減にもなるんで各自お願いします。
ランピィ/あちゃー(笑) あの、≪サモン・アラクネ≫でダメージを軽減は……?
GM/ランピィちゃんは「今からトラップが来るかも」という精神状況でいましたか?
ランピィ/ううん、全然!(笑)
ワトスン/ということは、≪プロテクション≫もダメですか……?
GM/先程「フラフラとシーフより前に出る」と言っていた人がそのような心構えができてる訳が無いと思います。でもこれから先は「トラップが危険!」と実感したので使用許可するよ。
ランピィ/とりあえずダメージ算出を……(一同ころころ)ランピィは、毒で15点のダメージを受けました。今後はこんなことが起きないようちゃんと準備するねッ!
大津/……正直すまんかった(笑)
ケイ/いや、こちらこそすまんかった(笑) よし、ここは危険だ! 身をもって体験したから以後気を付けよう!
ワトスン/ああ! 学んだぞ! これから気を付けていくんだ!(笑)
GM/『毒(1)』のバッドステータスの効果ですが、『クリンナッププロセスごとに5点のHPロスが発生』します。このシーンでのクリンナッププロセスは『マップ1つを移動し終えた直後』です。なので毒を回復しないと移動するたび5点ダメージが入るよ。
ワトスン/毒消しは……全部で3つだけある。【HP】の少ない人が使おうか。
ケイ/じゃあ、私が1人だけ毒のままになるよ……。
GM/サー・ケイだけ毒ですか。毒ガスを吸いこんでしまったサー・ケイの体が重くなります。さて、扉が開きましたが……?
ワトスン/まず全員を≪マジックブラスト≫+≪ヒール≫で回復します!(ころころ)48点【HP】回復、応急手当をチャキチャキとするよ!
GM/早速回復したか、良い判断だよ。『Aの扉』が開いたので、次のマップを提示します。



GM/今いる場所からでは、マップに設置されているオブジェクト(☆マーク)が何なのか判りません。エリアに入りますか?
ケイ/エリアに入る前に、『Aの扉』の位置からトラップ探知をする!
GM/賢明です。判定どうぞ。
ケイ/(ころころ)達成値は14!
GM/何も無いでしょうね。
ケイ/何も無いか。エリアに入ろう。
GM/トラップが発動します。
ケイ/えっ。
GM/探知値15のトラップが発動します。
ケイ/……くそっ、惜しかった!(笑) ま、まだ4人全員入らないで自分だけ入ったことにする!
GM/シーフなのでその判断は当然ですね。現在、ケイが単独エンゲージ、他3人が同一エンゲージで進んでいます。先に進んだケイは……トラップ≪落とし穴≫にハマります。
ケイ/痛っ!
GM/そのまま奈落の底まで落ちてください。
ケイ/深い!?
GM/奈落の底は熱く、溶岩のようにグツグツと煮えてます。
ケイ/なんだとぉ!?(笑)
GM/≪落とし穴≫+≪ハザード≫+≪溶岩≫の合計レベル10のトラップです。穴に落ちると[2D+20]点の貫通ダメージを受けます。
ワトスン/いってー!?(笑)
GM/【敏捷】判定難易度15に成功すればノーダメージです。ただし、≪ハザード≫の効果で【敏捷】判定にマイナス2のペナルティが課せられます。
ランピィ/し、死ぬ!(笑)
GM/そしてその判定をする前に、サー・ケイはマップ移動による毒の5点HPロスを受けてください。
ケイ/こ、これは……(笑) 10以上を出さないと失敗する……。
ワトスン/あの……穴の底に行っちゃったサー・ケイに≪プロテクション≫は届きますか!?
GM/ああ、8〜10メートルぐらいの深さなので届くね。20メートル以上じゃないので安心していいよ。
ケイ/良かった! 2D+20点ダメージだったら≪プロテクション≫で弾けるからフェイトは使わないで……。
GM/真顔で)フェイトを使わないでいいんですか?
ケイ/……つ、使わない!(ころころ)惜しい、失敗だ。24点の貫通ダメージだ……熱い熱いっ!
ワトスン/すかさずサー・ケイに≪プロテクション≫を使用! 大丈夫だ、熱くないっ!(ころころ)24点軽減してくれ! サー・ケイ、平気かー!?
ケイ/精神論でダメージは0だ! でも熱い!(笑)
ワトスン/ロープを垂らしてサー・ケイを救います!
GM/それならサー・ケイが登る【筋力】判定にボーナスをあげます。難易度10で成功したら戻って来られます。ただし、失敗したらまた[2D+20]点の貫通ダメージを受けるのでお気を付けて。
ケイ/6以上なら!(ころころ)……失敗。
GM/貫通ダメージをどうぞ。
ケイ/(ころころ)30点……。本職シーフじゃないんでね、私!(笑)
ワトスン/ぷ、≪プロテクション≫!(ころころ)20点軽減!
ランピィ/≪サモン・アラクネ≫使用! 使い魔の蜘蛛……ランピィの顔をデフォルメした蜘蛛が糸を吐きます!(ころころ)14点軽減して! 蜘蛛の糸をファーッ!
大津/えーと……。サー・ケイにロープを体に巻いてもらって、大津が引き上げるということで判定肩代わりできませんか?
GM/その場合は大津の力勝負になるので、ボーナス無しの【筋力】判定難易度12でどうぞ。
大津/オーエスオーエス!(ころころ)成功!
ケイ/最初からこうすれば良かった!(笑)
ランピィ/オウ、サー・ケイ! アイルビーバック!
ケイ/それ私が言うべき言葉だよ!?(笑)
GM/……ところで、このダンジョンのトラップレベルはトータル200ぐらいです。知ってますか。私、ダンジョンシナリオ大好きなんですよ。
ケイ/まさかこんなに殺意が高いとは思わなかったよ!?(笑)
大津/初っ端からこんな難易度が高いダンジョンでゾクゾクです!(笑)
GM/みんなに楽しんでもらえれば幸いです。「みんな、PvP前提でキャラロスト無しのキャンペーンだからって1〜2話を蔑ろにしてないよね?」って思いながらこのダンジョンを作りました。
ランピィ/……よくあのオカマ、城から戻って来られたなぁ(笑)
ケイ/アイツ、場合によってはスカウトしてもいいな!(笑) 



GM/引き上げられたサー・ケイは、エリアに何があるかを自分の目で確認することができます。男性の石像(☆マーク)があります。
ケイ/石像?
大津/おお、まるで今にも動き出しそうだ。
ランピィ/大津、それはフラグだよ!(笑)
GM/石像はジョジョ立ちで大変お美しいポーズをとっています。こんな感じの……(と言って、何だか美しいポーズを取る
ケイ/GM、描写できないポーズはやめてください!(笑)
GM/うん、やってから「リプレイにしづらい描写だな」って思ってしまった(笑) 石像をよく見ると……おや、目の部分がカッポリと空いているね。
大津/ううん? まるで何かをこの目に嵌めろと言っているようだ(笑)
ケイ/石像に対し、トラップ探知をします。(ころころ)達成値13です。
GM/どうやら『この石像に衝撃を与えると熱を発する仕組みになっている』と判ります。データ的には『ダメージが1点以上入ると発火する』というオブジェクトです。
ランピィ/……マジ明るーい。
ケイ/……データは判ったが、だから何だという感じだな。
大津/後々のために「こういう物があった」と覚えておこう。
ケイ/そうだな。では、一番近い『Bの扉』にトラップ探知をします。(ころころ)達成値は17。
GM/『Bの扉』にトラップがあることが判明します。トラップ≪揺れるギロチン≫+≪ダブルトリガー≫。
大津/2度解除しないといけないトラップか!

 ≪ゆれるギロチン≫
 扉に設置する振り子のように揺れるギロチン。
 エンゲージしている全てのキャラクターは、難易度14の【敏捷】判定を行なう。失敗した場合、[3D+15]点のダメージを受ける。

 ≪ダブルトリガー≫
 解除するには2回成功しないと解除にならない。


ケイ/……ここはまだ『Bの扉』に近寄らず、違う方の『Cの扉』を調べにいく。(ころころ)達成値17だ。
GM/トラップは特に何も無いと思った。
ケイ/ほう。……聞き耳って【感知】だよね。(ころころ)15。
GM/何も音はしません。
ケイ/……うーん。ギロチン付きの扉と何も無い扉……どっちに行くのがいいだろう?
大津/とりあえず、何も無い方から行ってみようか?
ワトスン/向こう何も無ければ、こっちに戻ってくればいい話!
ケイ/そうだな。ギロチンの無い方……安全な『Cの扉』を開けます! エンゲージは分けておいてな!