アリアンロッド2E・リプレイ・Re
■ 第1話 『 e卓・リスタート 』 5ページ ■
2012年10月21日




 ●クライマックスフェイズ 〜キッチン〜

GM/君達はある部屋に辿り着きます。そこに入って聞こえてきたのは、コンコンコンとまな板に包丁という家庭的な音。キッチンに立つ女性が、鼻歌を唄いながら美味しそうな料理を作っているのが見えます。
アルバ/あっ……あれは。
ティノ/見るからに、微笑ましい光景……。
ネコ/……もう部屋に嫌なニオイしてますかね?
GM/ううん、美味しそうなニオイですよ。
ネコ/美味しそうですか、困ったなぁ!(笑)
孫一/本能的に嫌なニオイって判ってるのに、美味しそうに思ってしまうのが気持ち悪い!(笑)
GM/するとキッチンの奥から男性が出てくる。「……あれれー? お客様だけかい? ケニーはどうしたんだいー?」
孫一/この人が……お父さん?
GM/そのようです。彼の名前はソニー・ビーン。男性の目は死んでいる……と言いたいけど、逆にイキイキキラキラ輝いているように見える。
孫一/あ、相容れないわー……(笑)
アルバ/こ、コンタちゃんの後ろに隠れるっ!
GM/「えっと、すみませんがお客人。うちの息子のケニーはどうなったのかな?」
ネコ/あの少年がケニー君ですね。……彼は、閉じ込めてきちゃいました。
GM/「おやまぁ、生きてる? 狩りも報告も失敗かぁ。家族以外の人に見つかったらすぐに首を斬れって教えたのにまだ生きてるなんて。初歩的も出来なかったのか、ダメな子だな!」
ティノ/…………。
GM/「見付かったら家族全員死ぬって判ってるだろうに! 馬鹿な息子だったなー」
ネコ/……そうですね……。
ティノ/……己が子に自害を命じるとは、なんと。実におぞましい限りだ。……私は精神が弱いのかな。吐き気がする。
孫一/今のは吐いていい。こんな奴らを見て眉一つ動かさない奴が居たらオレが殴ってる。
ティノ/……貴殿らは、何故ここに居る?
GM/「わっかんない。スコットランドのバナーンヘッド海岸だと思ってたんだけどねぇ、気付いたら全然知らない場所に来ちゃった。流石に最初は驚いたけど……今は悪くないかなって思ってるよ! ここに来てから力が湧いてくるしね」
ティノ/力が……?
GM/「ああ。神様みたいな声が聞こえてねぇ……『殺意の女王』に廃棄物に選ばれて……それからというもの、なんだか新しい調理方法がどんどん思いついてくるんだ」
孫一/廃棄物に選ばれた、って……!?
GM/「やる気もアイディアもいっぱい出るから、新しい場所で生活していけると思ってたんだけど。……はあ、まだ2週間も経ってないのにもう見付かっちゃうなんて。運が無いなぁ」
ティノ/……貴殿らが、この伝書鳩の手紙を飛ばしたのか。これは誘き寄せるための餌だったのか。
GM/手紙を見ます。「ああ! 口だけで書かせたわりにはよく書けてるだろ?」
ティノ/口だけで……書かせた。
孫一/……嫌な想像、しちゃった。
ネコ/……生きてる方はまだいらっしゃいます?
GM/「さあねぇ? もし居たとしても、食べるよねぇ。……よし、お前ら!」 男性……ソニー・ビーンが叫ぶと、周囲から隠密していたように子供達がババッと出てきます。
アルバ/ひ、ひいっ!?
GM/10歳ほどの子供もいれば、20歳ほどの青年もいる。大広間に現れたのは……40〜50人近い人数。
孫一/48人……。
GM/「みんなー! ケニーが失敗したとしても大丈夫! だって今、エミリーのお腹には新しい子がいるんだ! 新しい家族が産まれるんだからプラマイゼロだよ!」
ティノ/そ、その考えは……。
GM/「精をつけるためにもいっぱい食べよう、みんな……やるぞぉ!」 お父さんがそう言うと、子供達は笑顔で「うん!」「わかったー!」「お父さん、僕やるよー!」と大勢がキャッキャと君達を取り囲み……戦闘始めます。
ティノ/判りやすい敵で良かった。……エメスの様子は?
GM/……こく。今まで通りです。
ネコ/え、エメスちゃんは何もしてこなくて可愛いなぁ(笑)
アルバ/……エジソンなら1秒で目隠しを取り出す! 1秒で耳栓を作る!
GM/エジソンなら可能だよ。
アルバ/作ったそれを エメスちゃんに……。
孫一/そんなことしなくても一発殴って昏倒!
GM/NPCは1点ダメージを受けると倒れるので、可能です。
アルバ/ああっ!? まごちー、優しく……!
孫一/やらないと食われる、やるぞ! 『セブンタブ』から『鷹の眼』に装備変更! カートリッジは光を選択……閃光弾を装着する!
ティノ/……全力で行こう。

【マップ】
 エンゲージ1:ティノ、アルバ、ネコ、孫一
  (↑10メートル離れている↓)
 エンゲージ2:息子達
 エンゲージ3:娘達×2
 エンゲージ4:ソニー


GM/少年や青年など体格の良い子供達を「息子達」という1体のトループエネミー、少女やお姉さん達を「娘達」という2体のトループエネミーとして扱います。
ティノ/ということは、敵は実質4体だな。

【行動値】
 ネコ:15
 孫一:13
 息子達:12
 ソニー:10
 娘達:8
 アルバ:5
 ティノ:4


GM/戦闘を開始します。第1ラウンドセットアップ。最初は【行動値】15のネコのターン。
ネコ/セットアッププロセスで≪パーペチュアルチェック≫を使用します! ラウンド間、全員の【行動値】をネコと同じ数値にします!
アルバ/先にアルバのセットアップ! ≪エンサイクロペディア≫をお父さんにします!(ころころ)達成値20!
GM/お父さんのデータが判明しました。

【ダイダロス=ヴァンパイアメイジ(R2/P.266)】
 レベル:10  分類:妖魔(廃棄物)
 使用スキルは、主に以下の通り。
 ≪夜の御子≫:[暗闇]にいる間、すべてのダイスロール+1D。
 ≪ストーンスキン≫:セットアップに【物理防御力】にプラス15点。
 ≪エキスパート≫:マイナーで魔術判定+1D6。
 ≪マジックブラスト≫:マイナーで範囲化。
 ≪ドレインパワー≫;メジャーで武器攻撃をして1点以上ダメージを与えられたら自身の【HP】15点回復。
 ≪マジックフォージ≫:ダメージロール直前にダメージ+6D6。1シーン1回。


GM/お父さんは≪夜の御子≫や≪暗視≫、≪属性攻撃:闇≫などを持ってるね。
孫一/……まごちーは光を装備してる! なんかヨッシャ!(笑)
GM/≪ドレインパワー≫とは美味しくみんなを食べる演出です。アレだ、スキルマスターメイジのエネミーだよ。
アルバ/≪ファイアボルト≫って……火炎放射機を持ってるんですね!(笑)
GM/では次に、息子達のセットアップ。「どんな風に食べる?」「どう調理しようか?」「女の子はやわらかいよね?」「男はどういう風に捌こうか」と楽しそうに相談しながら、近寄って来る。まるで呪いの歌を唄っているかのようだ。
ネコ/に、にゃーん!?
GM/息子達は≪呪いのおたけび≫を使用。

 ≪呪いのおたけび≫
 範囲(選択)の対象に【精神】の対抗判定を行なわせる。
 対象が失敗すると、対象のあらゆる判定ダイスマイナス1D。この効果はマイナーアクションで解除を宣言するか、シーン終了まで持続する。


孫一/うえっ、マイナーが潰れるのはつらいな!(ころころ)失敗!
ティノ/フェイトを使うのはやめておこう……(ころころ)失敗です。
アルバ/(ころころ)失敗! いつもだったら耳が遠いのに気味が悪くって聞こえちゃったよう!
ネコ/(ころころ)失敗。まったく、良いご趣味ですねぇ……にゃうう!
GM/次にお父さんのセットアップ。「あっ、ちゃんと狩りに備えないとだな!」と言いながら防弾チョッキを着ます。≪ストーンスキン≫を使用。【物理防御力】にプラス15します。
ネコ/ご立派なチョッキですね!(笑)
孫一/そんな装甲、撃ち抜くとも!
GM/さらに娘達がセットアップで「おい、マリー! いつもの頼む!」「はーい!」と連携の取れた動きを始め、周囲の明かりが消えて真っ暗になります。
ネコ/うわっ!? 困る!

 [暗闇]
 【移動力】が常に5メートルになり、全力移動ができなくなる。
 また、あらゆる判定ダイスがマイナス1Dされる。


GM/今回の[暗闇]は、誰か1人が「火を点ける」というメジャーアクションをすれば解除されるルールです。
アルバ/『冒険者セット』の中にランタンと火打石があったよね? それで明かりを点けよう!
孫一/持ってて良かった『冒険者セット』!(笑)
GM/ここで「『冒険者セット』なんていらねーよ」って言ってたら大変なことになってたね。ではメインプロセスに移行します。先にPC達が順番を相談しながらどうぞ。
アルバ/まず、マイナーで≪呪いのおたけび≫のバステを解除。メジャーでランタンを点けます! ランターン! 文明の利器ー!
GM/メジャーでランタンを点けたことで[暗闇]が解除されます。
ネコ/ネコはムーブアクションで、エンゲージから7メートル移動。
GM/エネミーから17メートルの場所に独立エンゲージを作る、と。
ネコ/マイナーアクションで≪呪いのおたけび≫の効果を解除、メジャーアクションで17メートル先の息子さん達に≪ウォータースピア≫で攻撃!(ころころ)命中、43点の水属性魔法ダメージ! 放心と回避マイナス1Dです!

 孫一もムーブアクションで10メートル後方に移動。エネミーから20メートル離れた場所で、マイナーを消費し≪呪いのおたけび≫のバステを解除する。

孫一/『錬魔弾』を消費してダメージアップ。対象は父親に、≪アーマーブレイク≫+≪トゥルーブレイク≫!(ころころ)命中24、32点の貫通ダメージ! 【物理防御力】にマイナス20してください!
GM/まごちーのダメージは貫通なんだよねー。
孫一/ついでに≪スティール≫!(ころころ)12だ。

 孫一は、『ヴァンパイアの帽子(1200G)』×2を入手した。
 ティノは暫くバステを解除するか、移動してエンゲージを分けるか、それともアルバを守ることに徹するか悩んだが、待機を選択した。


GM/息子達のターン。彼らは物を投げつけてきます。
ネコ/ああっ、遠距離タイプなんだ! 近寄ってこなかった……。
GM/≪連続魔法≫で攻撃です。

 ≪連続魔法≫
 メジャーアクションの魔術を2回使用できる。
 同じ魔術を使用しても、別々の魔術を使用してもよい。また、同じ対象に2回でも別々の対象に1回ずつ使用してもよい。


GM/アルバに対して2回攻撃。(ころころ)命中は17。
アルバ/(ころころ)当たります!
ティノ/アルバを≪カバーリング≫で庇う!
GM/(ころころ)37点の風属性魔法ダメージです。2回目の攻撃は(ころころ)命中19だね。
アルバ/(ころころ)回避失敗!
GM/(ころころ)36点魔法ダメージだ。
アルバ/≪プロテクション≫を使用します!(ころころ)30点弾いて、カッキンです!
GM/それでは、お父さんのターン。≪マジックブラスト≫+≪ファイアボルト≫で、コン様とエジ子に対して攻撃。(ころころ)命中20。
ティノ/1Dしか振れないよ。(ころころ)回避6だ。
アルバ/(ころころ)そんなもの当たります!
ティノ/アルバを≪カバーリング≫して、その上で1人に≪プロテクション≫をしてもらった方が良いな。アルバを庇う!
GM/ダメージロールに≪マジックフォージ≫を使用します。尚且つ子供達が≪ディスコード≫を使用。(ころころ)火属性66点ダメージ。
アルバ/あ、≪アフェクション≫を使用! ダメージなんてそんなものは無いー!
ティノ/2倍にして、132点……弾けないからそうするしかないな。
孫一/≪マジックフォージ≫ってシーン1回きりのスキルだよね? よし、それを切らせたと考えよう!
GM/……ちなみに、お父さんは火炎放射機でコン様を焼こうとしましたが?
アルバ/コンタちゃんあぶなーい! そこの扉を持ってきた甲斐があったね!
ティノ/そこの扉を外して投げたのか!? いつの間に!? ……あ、ありがとう?(笑)
ネコ/助け合いって素晴らしいですね!(笑)
孫一/ち、力技だなぁ……(笑)
GM/次に、娘達が……歌を唄い始めます。お父さんに≪ジョイフルジョイフル≫を使用して未行動化。
孫一/そ、その≪ジョイフルジョイフル≫を≪インタラプト≫! 唄わせねーよ!
GM/まごちーがズガンと銃弾を撃ち込んだせいで、声援がお父さんの元に届かなかったんだね。仕方ないので2体目の娘達が≪ジョイフルジョイフル≫をお父さんに使用。1シーン1回なのでもう彼女達が≪ジョイフルジョイフル≫を使うことはありません。
ネコ/次は……未行動状態のお父さんのターンですね。
GM/お父さんは≪マジックブラスト≫+≪ファイアボルト≫でコン様とエジ子を攻撃。(ころころ)命中は21。
ティノアルバ/(ころころ)当たります。
ティノ/アルバを≪カバーリング≫!
GM/≪ディスコード≫を使用してダメージロール! お父さんだって強いんだぞー!
アルバ/コン様の方が強いんだもーん! こっちのお父さんだって強いんだぞぉー!
孫一/……まだオレ達、出会ったばっかじゃねーか(笑)
GM/一番コン様に落とされたまごちーが何を言う。
孫一/お、落とされてなんかねーもん! 勘違いするんじゃねーよ!(笑)
GM/ほとばしるデレ!(笑・ころころ)55点の火属性魔法ダメージだ。コン様は2倍して、120点のダメージを受けることになるね。
ネコ/≪ガーディアン≫を使用、そのダメージに35点軽減してください! 子猫が「そこ! 危ないにゃーん!」と叫びます!
ティノ/あ、ありがとうネコよ!
ネコ/にゃーん! ……疲れた子猫は小さく丸まります(笑)
孫一/消えるとかじゃないんだね(笑)
アルバ/そこに≪プロテクション≫!(ころころ)出目が良い……34点弾いてください!
ネコ/凄い愛だ。お父さん愛ですね!(笑)
ティノ/……私の現在【HP】は15点。では、私のターンだ。息子達の方に行こう。……アルバ、エンゲージを離れるがいいか?
アルバ/うん。先に息子達を倒した方がいいよ!
ティノ/いざとなったら≪カバームーブ≫で帰って来るからな。……頭をよしよしと撫でる。良い子にして待っていてくれ。
アルバ/うわーんコン様好きぃー!(一同笑) はぁい! お父さん行ってらっしゃい! 良い子にして待ってるからねー!
ティノ/フリーアクションでなでなでをして!(笑) ムーブアクションで移動! マイナーで≪呪いのおたけび≫のバステを解除し、メジャーで≪バッシュ≫で攻撃!(ころころ)命中14!
GM/(ころころ)……わ、回避13で当たります。
ティノ/(ころころ)ダメージは、60点!

 第2ラウンドセットアップ。
 1体目の娘達は≪ファイトソング≫でソニーの≪マジックフォージ≫の使用回数を回復。2体目の娘達は、1体目の娘達が使った≪ジョイフルジョイフル≫に対して≪ファイトソング≫を使用した。


孫一/お、おいー!? まごちーのセットアップは、カッコつけて終わりです!
ネコ/ネコもセットアップでカッコつけます!(笑)
アルバ/アルバは……≪ヘイスト≫を自分に使用。【行動値】12より早くなってコン様を回復するよ。(ころころ)発動成功、フェイトを使って【行動値】16で行動!
ネコ/あ、アルバ早い! ネコより早いです!
アルバ/このロケットランチャーを足に着けることで発想の転換!
ネコ/これが文明の勝利!?(笑)
アルバ/でも早すぎて腕や足が千切れるから具体的に言うと1ラウンドしかもたない! うおおおおぉー!?(一同爆笑)

 最速の【行動値】であるトーマス・ロケットフォーム・エジソンは、フェイトで振り足した≪ヒール≫でティノの【HP】を55点回復した。
 ネコは≪ブーストマジック≫+≪ウォータースピア≫+≪スティール≫をクリティカル命中で当て、58点の水属性魔法ダメージ+放心と回避ダイスマイナス1Dを与える。
 ≪ブリッツセンス≫を使用したドロップ判定で、ネコは『ヴァンパイアの帽子(1200G)』×2を入手した。


GM/息子達は≪連続魔法≫でアルバを狙う。
ティノ/≪カバーリング≫+≪カバームーブ≫でアルバを庇う!

 1回目はティノに33点の風属性魔法ダメージ。2回目はアルバに36点ダメージを与えるが、こちらは≪プロテクション≫でほぼ全ダメージ弾くことに成功した。
 孫一は更にムーブアクションで5メートル下がり、25メートル先にいる息子達に≪インベナム≫+≪トゥルーブレイク≫+≪アーマーブレイク≫で攻撃。25点貫通無視ダメージ+【物理防御力】をマイナス20、毒のバッドステータスを与えた。


GM/どうも、お父さんのターンです。アルバに攻撃いきます。≪エキスパート≫+≪ファイアボルト≫+≪マジックフォージ≫を使います。
ティノ/≪カバーリング≫+≪カバームーブ≫でアルバを庇う!
アルバ/≪プロテクション≫! カッキンするよ!

 娘達はそれぞれ支援を行う……が。

ティノ/息子達に≪バッシュ≫+≪ボルテクスアタック≫!(ころころ)6・6・6でクリティカル!
ネコ/こ、コン様ぁー!?(笑)
アルバ/お父ちゃん、カッコイイー! 大好きー!(笑)
ティノ/19D6ダメージロール!(ころころ)150点ダメージ! 【物理防御力】マイナス20されているのでこれなら……!
孫一/……ああ、こりゃ他の支援はいらねーな(笑)
ネコ/使ったらダメージ200点はいけますねー(笑)
GM/次々と息子達を斬りつけていくコン様。トループなので……20人男達は、斬られるたびに倒れ……塩になっていく。
孫一/塩の中にコン様が立ってる……ヒュウ!
ティノ/第3ラウンドセットアッププロセスで、ギルドスキル≪限界突破2≫を使用!
ネコ/お父さんに向かって≪ブーストマジック≫+≪ウォータースピア≫+≪リゼントメント≫! 『ジェムサークレット』を使用して!(ころころ)命中、136点の水属性魔法ダメージですー!
孫一/消し炭になれー! 消し炭ナイトフィーバー!
GM/……ネコの一撃を受け、ソニー・ビーンは倒れます。それと、同時に子供達は自害します。
アルバ/……あっ……。
GM/襲い掛かる家族はいなくなりました。以上で戦闘終了です。
孫一/戦闘シーン終了時に≪リサイクル≫を使用。『錬魔弾』……使用済みの弾を回収するぞ。

【ドロップ品】
 ソニー:ヴァンパイアの帽子(1200G)×2
 息子達:巨人の牙(200G)×4


GM/お父さんを倒したのは、ネコか。
ネコ/にゃん!
GM/ネコの操る水の魔法でお父さんは吹っ飛ばされ、頭を神殿の壁に激しく打ち付け……ズルリと落ち、塩になっていく。
ネコ/やっぱり塩になるんですね……。海水になってしまいました(笑)
GM/少しずつ水の中へ溶けていく顔……「クケケケケケケッ!」
孫一/うっ!?
GM/ソニー・ビーンは気味の悪い声を上げる。そのまま消滅します。その姿を見ていた彼の子供達は「お父さんが死んだ?」「お父さんが死んだ」「お父さんが死んだ!」 そしてみんなで、「せーの!」。
ティノ/みんなで……。
GM/一斉に首を掻っ切る。彼の教え通り、よくできました。そのまま全員、塩水になります。
ネコ/…………。よく躾けられた一族でしたね。
孫一/……エメスは?
GM/君達の後ろに居るよ。目は覚めていることにします。
孫一/……猿轡を外してみます。
GM/猿轡を外されて、まずエメスがしたことは……トトトとコン様に近付きます。
ティノ/何を……?
GM/コン様をよしよし撫でる。
ティノ/……懐かれた?
GM/次にアルバの方に近付き、よしよし撫でる。
アルバ/びくぅっ。
GM/同じように、エメスはネコや孫一にも気遣います。
孫一/……なあ。お前、一体何者なんだ?
GM/……こく。
孫一/…………。
GM/……では、全員【感知】判定。難易度は7。
孫一/(ころころ)18。
ネコ/(ころころ)13。
ティノ/(ころころ)13。
アルバ/(ころころ)12です。
GM/全員成功だな。……奥の方から「ガタッ」と音がする。この部屋に入って来たとき、お母さんが包丁でコンコンと料理していた方から音がしたね。
孫一/そっちを見ます。誰かいるのか?
GM/「……エストネルの者か」
アルバ/……誰?
孫一/……あっ! まさか……!
ティノ/声がした方に近寄る……!
GM/近寄ったなら姿が見えるよ。キッチンの調理台のような上に、手足の無い男性が置かれている。
孫一/……うっ!?
GM/耳が長く、何も着てないが心なしか雰囲気から「身分が高い人だったんだろう」と思える高貴さを感じ取れる。
ティノ/……さぞや高貴な身分の方とお見受けするが、貴殿は何者か。
GM/「私は……エル・ウォーデン」
ネコ/に、にゃうっ……!? エストネル国王!?
孫一/居た……王様が、居た……!
アルバ/こ、この人が……?
GM/「女王は……ピアニィ女王は……。皆は……エストネルの民は、どうなった……」 自分を助けに来たであろう君達にまず尋ねたのは、どっかの偉い人と自国の国民の気遣いだった。
ティノ/……アルバ。すまないが彼を診てやってくれないか。
アルバ/い、医療知識があるので診ます……!
GM/エル・ウォーデンは両手両足切断され、何故生きてると思わせるほど致命傷の姿。データ的に言えば『とどめの一撃』を刺されています。そういえばお父さんが「手紙は口だけで書かせた」って言ってたねぇ?
孫一/い、言ってた……。アレって、こういう意味だったのか……。
ネコ/手足を縛られている程度であってほしかった……。
ティノ/……知っている限りの真実を語る。貴殿の王国は壊滅した。現在各国の主要な王族達は行方知れず、あるいは死亡したと聞いている。
GM/「……エストネルも壊滅してしまったか。そうだ……ピアニィ女王が、超越的存在を……神を……邪神の神子を呼び寄せてしまったなら……全て破壊し尽くされる……」
ティノ/『女王が邪神の神子を呼び寄せた』……?
孫一/超越的存在って……。
GM/「この大陸の者達は……いや、全世界の人間達は、全て……時を越えた『欺く神』によって……」
アルバ/……な、泣きながら、どうにかしようと延命の措置を施そうとします!
GM/「……王都も壊滅か。皆、死んでしまったのか……?」
ティノ/いや。グリーナという女性を中心に僅かばかりの生き残りが必死で状況を立て直そうとしている。
GM/「……グリーナ……まだ生きていてくれたか。長く私に仕えていた……」
ティノ/ああ、実に出来た女性だ。
GM/「……私は一代だけの国王だ。私の後を継ぐ者はいない」 エストネル王国は長寿のエルダナーンの王様である彼によって、王位が継承されずに今まで続いた国でした。子供はいないので、国民は一つの椅子だけを見た国です。
ネコ/はい……。
GM/「この国を治める者……導く者はいなくなる。私はもう、椅子に座ろうにも人に見せる身体ではなくしてしまったからな……」
ティノ/王の椅子に座る資格があるのは手足の有無ではない。大切なものはその者の心根である。
GM/「…………」
ティノ/誰かが椅子に座らなければ完全な崩壊を辿る。貴殿は皆を救いたいという想いがあった。貴殿はまだ王となる資格がある。その誇りこそ、大陸の中央にあった王に相応しい。
GM/「……お前は、まるでウルフリックのようなことを言う」 彼のとても親しくしていた友人の名を出します。「お前は、誇りを持ち高貴な血を継いでいるのだな……」
ティノ/……元を辿れば、ではあるが。
GM/「……私の衣服を探れ……おそらく、あの者達は捨てていないだろう」 エル・ウォーデン王が目を向けた場所には、彼が着ていたのであろう衣服が捨てられています。
孫一/探してみます。ごそごそ……。
GM/そこには、装飾煌びやかな王冠……『王権の冠』があります。エル・ウォーデンが身に付けていた王様の証ですね。
孫一/わ、わあ……秀吉の蔵でもこんなキラキラしたモン、見たことねぇ!
ネコ/……ここは戴冠神殿。戴冠式が出来ますね。
ティノ/…………。
GM/「そう。お前の言う通り、多くの者達を救うためには、導く誰かが必要なのだ……。誇り高いお前が持て」
ティノ/…………。
GM/「……もし断るならば、お前が認める誰かに渡してくれ。そして……民を守ってくれ。せめて、死に逝く私の言葉を誰かに届けてくれ……」
ティノ/……余所者の私が、貴殿の願いをそのまま受け入れる訳にはいかん。私がここで王になる訳にはいかんだろう。貴殿の言葉は必ずや国の者達に伝える。
GM/「……ありがとう。……私が王の証を授けると言ったのはこれが初めてだ……言い慣れないことをした。疲れたよ……」 目を閉じます。
ティノ/……目を閉じたら。
GM/『とどめの一撃』を受けているので、彼は絶命します。
アルバ/うっ……うああ……。
ティノ/……せめて一刻も早く救援を。孫一殿、閃光弾を。
孫一/天井に向けて、バンと撃ち込む! 魔法だから天井とか打ち抜けるんだろ? オレよく判らない!(笑)
ネコ/まごちーも魔法に慣れてきましたねー(笑)
GM/数時間後、グリーナらが駆けつける訳ですが……彼女らが駆けつけたときには、残念ながらエル・ウォーデン国王は息を引き取ってしまいます。
ティノ/人として尊厳のある弔いをしよう。遺体に服を着せます。
GM/君達は見たかどうか判らないけれど、到着したグリーナは膝をついて泣いた姿があったとかなかったとか。そして君達は、比較的安全な王都へ向かうことになります。
アルバ/う、ううっ……! 何もすることができなくて、跪くような形で、ボロボロ泣きます……。
ティノ/……よくやった。アルバの頭を撫でます。
ネコ/……他に生き残った人はいませんか?
GM/残念ながら。生き残りは確かに居たんでしょうが、廃棄物であるソニー・ビーン一家が全員食べてしまいました。なお、とあるエリアに監禁されたケニー君は、舌を噛んで塩になっているところを発見されます。
孫一/だろうな……。想像以上に重い。
ティノ/……結局のところ、彼の最期の言葉を聞いたのは我ら4人だけとなってしまったな。
孫一/……いや、ここに1人いる。
ネコ/あっ、エメスちゃん……。この子、どうしたもんでしょう? 人を食べたがる気配は今のところ無いですよね?
孫一/背負っていてもガジガジ齧られることもなかったしな。
ティノ/廃棄物だからといって、今ここで殺しておくのは……。
孫一/……あれ? この子って廃棄物なの?
ティノ/……あれ?
孫一/目はどんな感じ?
GM/真っ赤な目をした少女です。目は無機物のように思えます。相変わらず『特定の言葉以外には』頷くことしかしません。
アルバ/スコットランドに赤い目をした人はいないよ。それにもしここでエメスちゃんを「殺す」なんて言ったら、アルバは発狂するよ!(笑)
ティノ/殺すという選択肢は無い。彼女は、この廃墟の中で保護した子供ととして保護すべきだ。
孫一/……見たところ、廃棄物のように破壊衝動に駆られるという感じもしない。もしかしたら俺達と同じ漂流物……もっと別の何かか? もっと国に詳しい人に見てもらうことにするか。


 ●エンディングフェイズ 〜ティノ達の始まり〜

GM/崩壊しかけの王都に戻り、簡素な物だけど食事をして【HP】やフェイトを回復をします。グリーナは感謝の言葉を何度も投げ掛け、「王は何と……」と話を切り出してくるよ。
ティノ/彼の死に報いるためにも、一言一句違えずに話す。……彼は他に適任がすぐその場で思いつかなかったのかもしれないが、私に王位を譲る、もしくは誰か適任と思う者に王冠を託すように言い残し、身罷った。
孫一/……よく、「身罷った」なんて言葉が出てくるよ(笑)
GM/グリーナは「……そうか」と俯く。「指導者になるか退くかは、貴方は決断してほしい。だが私は、貴方達にエストネル王国にいてほしい」
ティノ/…………。
GM/「国として成り立たなくても、せめて残った者達だけでも守りたい。だから力のある貴方達にいてほしいのだ。私達は廃棄物には勝てない。何も見返りも出来ないが、出来るなら漂流物である貴方達にいてほしい」
ティノ/うむ……。少なくとも、ここに残り貴方の助けになりたいと考えている。私が王位を継ぐ云々はともかくな。
GM/「……今から言うことは代表者としての言葉ではなく、私個人の感情だ。先の国王が貴方を認めたのだ。私は貴方こそがエストネル王国に後継者に相応しいと思う」
ティノ/……私は飽くまでこの国では余所者だ。私が王位を譲り受ける話は少し待って貰いたい。
GM/「……すまない。急かしたな」
ネコ/ネコは旦那様のお手伝いをさせていただきますよ。
ティノ/……良いのか?
ネコ/もちろんです。ネコは旦那様についていきたいです。旦那様一人では大変でしょう? ネコも一人ではどうしようも出来ません。……いえ、多分一人ではありませんね。
ティノ/……アルバはどうだ?
アルバ/……みんなが死んじゃうのは、ヤだな……。
ネコ/……アルバ。
アルバ/この世界ではみんなが死んでいくってことが判ったけど……みんなに死んでほしくないし……僕がみんなの力になれるんだったら、みんなに力を貸して、みんなに……死んでほしくないなぁ! びえー!(笑)
ティノ/そ、そうかそうか、よしよし(笑)
アルバ/アルバは戦争なんて関係無い世界から来ました! ダメージがデカいですよ……!?
孫一/…………。
ネコ/……まごちーは?
孫一/……グリーナばーさんに向けて言います。なあ、なんでオレらのこと、そんなに信用できるんだよ……?
GM/「なに……?」
孫一/オレらとあいつら、何が違うの?
GM/「お前は邪悪と立ち向かい、逃げ出さず、我々を助けてくれたではないか」
孫一/オレだってあいつらと同じように、家族で狩りをして生きてたよ! じゃあオレが廃棄物に選ばれていたのかもしれないじゃん!? ……オレが廃棄物じゃないって保障してくれるの!?
GM/「……それは……」
アルバ/やだ! まごちー、あんなのになっちゃヤだ!
孫一/けどあいつ、「廃棄物に選ばれた」って言ってただろ? ということは、選ばれたらオレ達もあんな目になっちまうってことじゃないか!?
ネコ/ネコはあんな風にはなりませんよ!
孫一/……で、でもっ! もしオレがあんな風になっちゃったら! 誰が殺してくれるんだよ……!?
ネコ/そうなったらネコが殺してあげましょう! ネコはあんな風にはなりません! こういうのは気の持ちようです! 虚言虚構も誇りを持って言い続ければ真実となります!
孫一/ふ、ふえっ……。でも、そんなこと言ったって……。
アルバ/やだ! みんな生きるの! みんな死んだらダメなんだってぇーっ……! うわあああん!
ティノ/……孫一殿。
孫一/……ぐすっ。なんだよ……。
ティノ/これはネコの受け入りでもあるんだが、そなたが「あの廃棄物達のようになりたくない」と願いながら行動しているのならば、きっと彼らと同じにはならん。
孫一/…………。
ティノ/そなたは信じぬかもしれぬが、この世界に我々が遣わされたのは神の思し召しに違いない。あるからには、それ相応の理由がある筈だ。
孫一/…………。涙をグッと拭いながら、言います。……アンタらがそう言うなら、信じる……。
ネコ/こくこくっ!
孫一/……オレは、腕だけは自身があるからな。アンタがこの国の頭領になるって言うなら……旦那を守ってやるよ……。
ティノ/私はこの国の王になるつもりはない。何より、周囲の支持が必要だ。民に認められていないからな。
孫一/……国家を立ち上げるにはまだ早いから、今のところ「臨時政府の理事長」になるって感じだな。実際エル・ウォーデン王の見る目が確かだったかは、今後の旦那の行動でみんなに知れ渡っていくと思う。
アルバ/僕はコンタちゃんが王様になってほしいー!
ネコ/ネコもなってほしいです! きっと旦那様ならできますよー!
GM/……ちなみに、原作『2E』のエストネル王国は完全崩壊。多くのエストネル人は難民となってバラバラになります。しかしこの世界のエストネルは、辛うじて「臨時のトップ」を立てることで形を保てることになりました。
ティノ/うむ……。
GM/(グリーナになって)「まずは生き残りの民達に会ってやってくれないか。貴方達がいるということが我々の何よりの希望となる」
ティノ/ああ……行こう。
GM/……それでは。新しいエストネルで生活することになった君達がそれぞれ動き始めたところで、エンディングフェイズを終わりにします。


 ●マスターシーン 〜リスタート〜

 ――闇の中、声がする。
 誰の声なのか、誰に対しての言葉なのか。そんなものは誰一人として判らない。
 その人物は、ただただ呪いの言葉を口にする。

「もはや遅い。落ちる実なのだ。
 追え。探せ。見付け、殺せ、この大陸の人間すべてを生かしてはならぬ。
 決して一人として生かしておけぬ。
 もう二度と、この大陸……いや、この世界を血に染めぬため。
 血祭に上げろ!」

 ……一方、その頃。
 エストネルの王都は、少しずつだが人々が動き始めていた。
 家屋の修理が進んでいく。充分ではないが皆で食事を取り、笑い合う。街の中で子供達が楽しく遊ぶ姿も見られるようになる。
 疲れた顔の中に浮かぶ笑顔。人々がゆっくりと元の姿を戻ろうとしていた。

「流石に1ヶ月経ったら、妖魔が出没することも少なくなってきたな……」
「軍隊も復活したし、なんか凄い人が来たらしいぜ?」
「今日はいっぱい働いた! 酒でも飲んで明日も頑張るか!」


ネコ/復興なう!(笑)
孫一/復興の最中にグリーナばーさんに2レベル分、鍛えられるぞー(笑)

 とある部屋にて。
 白い髪、赤い目の少女が窓の外をじいっと見つめていた。
 ……こく。
 ……こく。
 何を問いかけられても頷くことしかしない少女。ある言葉が与えられるまで、静かに頷く。
 少しずつだか平穏を取り戻そうとしているエストネルの空。
 彼女はただ、静かにそれを眺め続けていた――。



 アリアンロッドRPG 2E
  「アリアンロッドRe 第1話『リスタート/e卓(エストネル編)』」 END





【アフタープレイ】
※成長点176点を配布。
※ドロップ品換金の結果、13980Gを獲得。
※シナリオクリアの報酬として、ギルドに12000G配布。


R卓の第1話「リスタート」を見る

第1話「リスタート 超あとがき」を見る

→第2話「リメイク」に続く