アリアンロッド2E・リプレイ・Re
■ 第1話 『 e卓・リスタート 』 2ページ ■
2012年10月21日




 ●ミドルフェイズ1/ティノ&ネコ 〜ベッドの上〜

GM/早速始めていきましょう。始めに、コン様とネコの2人に登場してもらいます。
ティノ/はい。
ネコ/にゃあっ!
GM/君達2人は、ほぼ同時に目を覚まします。2人が眠っている場所はふかふかのベッドの上。……コン様は傷を負っていたね?
ティノ/はい。全身血塗れでした。
GM/その傷は手当てがされている。ベッドの上に寝かされ、目を覚ますと石の天井が見える……壁には窓はあるけど目張りがしてある部屋。『アリアンロッドRPG』の部屋としては普通の光景だ。ベッドが2つ並んだ部屋に、2人は眠っていた。
孫一/猫が丸くなって寝てるんだ(笑)
ネコ/にゃん……むくり。
GM/ネコは猫型バージョン? それとも人型にする?
ネコ/猫の状態で落ちてきたので、そのまま起きるのなら猫のままですね。
GM/それだとベッドに寝かされるのはおかしいので、テーブルの上のバスケットに寝かされていることにしよう。
ネコ/か、カワイイ!(笑)
ティノ/……ここは? 体を起こして状況を確認する。よもや私は捕虜になってしまったのか……?
ネコ/ほりょぉ?
GM/……今、どこかから声がしたね?
ネコ/アナタは捕虜なのですか? 猫姿のネコが話し掛けます。
ティノ/……猫と、目が合います。
ネコ/まーお。
ティノ/気のせいだ。まさか猫が喋るようなことがあるとは。
ネコ/ネコは喋りますよ。
ティノ/…………。
ネコ/ネコは喋りますよ。
ティノ/……………………うわあ!?(一同爆笑)
ネコ/まさかネコが喋ることに驚く方がいるとは。まーお(笑)
ティノ/おかしい、私は疲れているのか(笑) そ、そなたは……猫だな。
ネコ/人型になった方が良いですか? ポンッと人型になります。
ティノ/人。……どっちにしろビックリするけどな!?(一同爆笑) ……もしや、そなたは西ヨーロッパにいるという魔女か?
ネコ/にゃんにゃん。そう言われたこともモチロンございます。あまり認めない方が良いんですけどね……。
ティノ/そなたは悪魔の信徒か。
GM/あ、ベッドのすぐ近くに自分の剣があるよ。悪魔の信徒と思うならいつでも斬りかかれるよ。
ネコ/……じいっ。見つめる。
ティノ/……ふむ。そなたからは邪悪なものは感じられん。警戒を解きます。
ネコ/嬉しいです。そういうアナタは捕虜なんですか?
ティノ/……そなたがこの傷の手当てをしてくれた訳ではないのだな。
ネコ/ネコも今、起きました。ネコはただネズミを追い掛けていただけなのです。いつの間にかこんなフッカフカでステキなベッドに寝かされておりました。キモチ良かったです!
ティノ/確かにそこはフカフカで心地良さそうだな……(笑) それに捕虜だったら装備は全て没収されているか。
ネコ/親切な方が助けてくれたのでしょうか? にゃーん。
GM/……ではそのとき、部屋のドアがガチャっと開く。
ティノ/おや。
GM/髪の長い老女が入ってくるよ。キリッとした目つきの、気の強そうな女性だ。「目が覚めたか」
ネコ/にゃん? おはようございます。
GM/貴様、どこから入った!?
ネコ/ですよね!(笑) こ、こちらのバスケットの上におりましたー!
ティノ/それは更なる混乱の原因になるぞ!?(笑)
ネコ/大変失礼いたしました、今お見せします! 猫姿にポンッ! ネコは変身するものですよー!
GM/(ティノの方を見て)どう思う?
ティノ/オーウ(一同笑) そうか、西ヨーロッパの魔女はなかなか奇怪な術を使うのだな……。
GM/「私はメイジではないから判らんが、変身スキルがあったかもしれない。それはともかく傷の様子はどうだ?」
ネコ/ムリヤリ納得しましたね!(笑)
ティノ/そなたが手当てをしてくれたのだな? この通り大事無いようだ。礼を申す。
GM/「道端で血塗れの状態で倒れていればな、助けない訳にはいかない」
ティノ/……道端?
GM/「その隣に猫が転がっていた。お前の猫だと思って拾ってきたんだが、違ったか?」
孫一/幸せそうにネズミを追ってる顔で寝ていたんだな(笑)
ネコ/むにゃむにゃにゃんっ。ごろごろにゃんっ。ふにゃあー(笑)
ティノ/いや、これは私の猫では(笑) 道端で倒れていたということは……戦はどうなった!?
GM/「ああ、妖魔達のことか。戦況は悪いな」
ネコ/……よーま? あのゴルゴのようなお顔のネズミは、妖魔!?(笑)
GM/「未だ連絡を取れない者達もいる。まさかお前、ミンスターから戻って来た兵の1人か?」
ティノ/ミンスター? すまぬ、さっぱり話が見えぬ。私はオスマン兵と戦っていたのだが……。
GM/「オスマン兵?」
ネコ/おすまんへい?
ティノ/だが、城壁が破られ……!
GM/「城壁も何も、全て壊れてしまったであろう!」 老女はオスマン兵など知らない、一度も聞いたことがないと言うような顔をします。
ネコ/ふにゃあ?
ティノ/……どういうことだ?
GM/「ここはエストネル王国だぞ。王都エル・ウィン・フリットの南西にあるエル・シフ・ノールドだ」
ティノ/ビザンツ王国の周囲にそのような国があったなどと聞いていないぞ……。
GM/「ビザンツ帝国?」 ハッと目を開け、老女は声を小さくして言う。「まさかお前達……『漂流物』か?」
ティノ/『漂流物』?
ネコ/ネコです。
GM/だよねー(笑) 「……落ち着いて話をしようか、食事を持ってくる」 老婆はアルディオンでよく食べられているであろうシチューを持ってきます。簡素な物だけどね。
ネコ/もっきゅもっきゅにゃう。ワタシはネズミを追ってお城にいた筈でございますのに……アナタは昔話をなさいますし、こちらの方はよく判らない話をしますし。
ティノ/む、昔話とな?
ネコ/随分と昔のお話でしょう?
ティノ/……失礼だが、そなたは何年の生まれだ?
ネコ/1697年に。……お話として成り立ったのがその年なので、そう言いましょう。
ティノ/私は1453年だから、200年ぐらい前か。……まさか、そんな筈は……時間を移動した、だと?
ネコ/仮に時間を移動したとなら、別のものも移動してそうですねー。
GM/「別のものか。……お前達のようによく判らない連中は、大勢いるぞ」
ネコ/大勢いるんですか?
GM/「ああ、ここ3週間ほど前からな。『漂流物』は決まって言うことがある。……『ここはどこですか』『そんな所知りません』とな」
ネコ/はあ、ですよね……。
GM/「まるで違う世界から突然飛ばされてきたかのような、そしてどうやって帰ればいいか判らない、そのような不思議な……この世界では通用しないような力を持った者達のことを、我々は『漂流物』と呼んでいる」
ティノ/……愕然とする。
GM/「お前達がどのような世界から来たか、それは聞いても何もならんな。今……私達は私達で忙しい状況にある」
ティノ/先程、『妖魔』と言っていたな。今ここでは何が起きているのだ。
GM/「……ここ、アルディオン大陸では長年戦争があった。しかし3週間前、ここから15キロほど離れたエル・ウルフリック・ミンスターという場所で、ピアニィ女王と呼ばれる方が大陸統一の儀式を行なった」
ネコ/ミンスター……初めて聞く横文字ばっかでタイヘンですねー(笑)
GM/「女王陛下は『皆さーん! 世界を一つにしましょー!』という宣言をして世界を一つにまとめあげようとした。これから世界は平和になると思われていた……」
ネコ/す、凄いことをする女王様がいたんですね……(笑)
GM/「しかし儀式の日。今から3週間前のあの日……世界中に大爆発が起きた」
ティノ/大爆発?
GM/「その後、爆発した跡地からはこの大陸では見たことのなかった妖魔と呼ばれる者達や、お前達のような『漂流物』、そして『漂流物』や妖魔とも違うような……更に恐ろしい化け物が現れるようになった」
ネコ/まるでお伽噺の中のよう……にゅう。
ティノ/にわかに信じ難い……。
GM/「という状態だ。現在、この国は混乱している。傷の手当てをしたのは、私が怪我をした者を放っておく性分ではないからだ。だがずっとお前らを世話してやる余裕は無い」
ティノ/手当てをしてくれただけでもありがたい。痛み入る。
GM/「どうしたらいいか判らんお前達にこういうことを言うのは酷だと思うが、ここから5キロほど行った泉の畔に、先日から『漂流物』が住み始めたらしい。何か同じ知恵を持った者なら助けてくれるだろう。そちらに行ってみてはどうだ」 老女は、ある荷物を君達に渡します。
ネコ/にゃう?
GM/2人のアイテム欄にあるような物をあげます。
ティノ/おお、『冒険者セット』や『MPポーション』が増えた(笑)
GM/「私達はこの程度の支援しか渡せん。だからこれぐらい気にせず持って行くといい」
ネコ/ありがとうございます。何も判らないワタシ達に……。
ティノ/何から何までかたじけない。……見知らぬ私達にこうまでしてくれた貴方の名前を知らないというのも、あまりに不躾。名を教えて頂けないだろうか。
GM/「ふふ、親切な老婆で終わらせても良かったのだぞ? お前は良い男だな。まるで昔の……いや、言うまい」
孫一/な、なんか出し惜しみしたぞー(笑)
GM/「私の名は、グリーナだ」 公式NPCで、エストネル王国の近衛騎士さんだね。
ネコ/おばあさんなのに……カッコイイ!(笑)

 グリーナ・デュランタリエ。
 エストネル王国の国王から絶大な信頼を受ける女近衛騎士。既に齢60を超えているが、いまだに現役と隠居話を断り続けている女性。
 若い頃は大陸に知らぬものなしと言われたほどの剣士であり、未だに一流の戦士達が敬意を表している。


GM/「お前の名前も教えてはくれないか」
ティノ/私は……。これは、皇帝として名乗るべきなのだろうか。もう滅んだ帝国の皇帝が名乗って良いのだろうか。若干悩んだ仕草を見せます。
ネコ/にゅー? お悩みですかぁ?(笑) ネコはネコです!
GM/「……名前は無いのか?」
ネコ/ネコはネコです。……マジレスすると、魔女なので真名を名乗れません。
GM/なるほど(笑) で、コン様は名乗らないの?
ティノ/……ここはちゃんと名乗ろう。私は、ビザンツ皇帝コンスタンティヌス11世パライオロゴス・ドラガセツという。
アルバ/なっがい!(笑)
ティノ/お母さんの名前を含めたらもっと長いよ(笑) 名前が長いので「ティノ」と呼んで頂けたらいい。
GM/「皇帝……?」
ティノ/今となっては皇帝と名乗るのも笑い話ではあるがな。
GM/「……知らぬ国ではあるが、高貴な血を継いでいる者であったか。これは、失礼致しました」と、老婆は騎士の構えを取る。
ティノ/いや、私は亡国の皇帝である故にそのようにして頂かなくて結構。これまでの心遣い感謝致す。
GM/「……泉までは遠くないが、どうか気を付けて。そちらの世界では通用しない常識がこの大陸では罷り通っている。だから、ネコさんも」 なでなで。
ネコ/にゃあん! ごろごろごろー(笑)
ティノ/この恩はいつか必ず。
GM/暫くして傷の様子も良くなり、【HP】も【MP】も満タンになったら家を出ることになります。石の家の外に出ると……街中が荒廃しているのが判るね。人は住んでいるけど、みんな疲れているような目で……。
ネコ/大飢饉ですねー! ……一つ、皇帝さんに言ってみたいことがあります。
ティノ/何か?
ネコ/アナタは先程、「亡国の皇帝が名を名乗っていいのか」とおっしゃっておりましたね。でも名乗ったもん勝ちですよ!
ティノ/……か、勝ち?(笑)
ネコ/そう。名乗ったもん勝ちですよ。胸を張って名乗っていれば自然とついてくるもんもついてきます。ごろごろー(笑)
ティノ/つ、つまり……そのようにしたいと思い行動することで、いつか実体が伴ってくると?
ネコ/にゃん! 血筋を重んじる人には大変失礼かと思いますが。胸を張らなければこんなよく判らない世界で生きていけませんよ。にゃんにゃん。
ティノ/ほ、ほう。ありがとう。
孫一/……なんか今、重要な伏線だった気がする(笑)


 ●ミドルフェイズ2/アルバ&孫一 〜2人と川辺〜

GM/次はアルバと孫一のシーンだよ。サラサラと水が流れる音を耳にしながら、2人は目を覚まします。
アルバ/小川……?
GM/水辺だね。綺麗な川、緑色の草むらが広がり、チチチと鳥達が鳴き、「ぽめ〜」と遊ぶ声が聞こえ……。
ネコ/ポメロがいる!(笑)
ティノ/ジェル状の生き物がいる……(笑)
孫一/草むらで、銃を抱えて寝ています……。
アルバ/……むくっと起きます。ここは何処だろう……隣には東洋人がいる。近くにあった木の枝でツンツンしますね。
ティノ/アラレちゃんか!(笑)
アルバ/呼吸の確認。死んでいないことを確認。……死んでないだとぉ!?
ネコ/何故死んでないことに驚いた!?(笑)
アルバ/……どこからともなくコップを取り出す。
ティノ/どこから?
GM/出すよ。エジソンだもの。
アルバ/コップに泉の水を汲み、そして……東洋人の顔に盛大にバシャアとかけます!
ネコ/飲ませてやるとかじゃなかった!(笑)
孫一/何すんだテメェ!?(笑)
アルバ/起こしてあげただけなのにー。その言い方はヒドイと思う。
孫一/えっ。お前ダレ? ここドコ? ナニあのピンクの?
ティノ/ぽよんぽよん!(笑)
ネコ/「ぽめっ、ぽめっ!」(笑)
アルバ/何だろうねアレ。ぐにぐに。
ティノ/「ぽめっ!?」
アルバ/どうやって動いているんだろう。ぎにぎにぎに。
ネコ/「ぽめーぽめめめめぇー!」(笑)
アルバ/で、君は誰だっけ?
孫一/……寝よ(笑)
アルバ/そんな所で寝ると風邪を引いてしまうよ。
孫一/そうだよなんでオレこんな所で寝てるの!?(笑)
アルバ/秘密。
孫一/なんで!?(笑)
アルバ/……の道具箱! ぱんぱかぱーん! 中から毛布をあげるよ! 君の体をあっためるよ!
孫一/あっ、毛布あったかい……ありがとう(笑)
GM/ちなみに、アルバの外見ってどんなの?
アルバ/金髪で緑の目で、スコットランド系なので白人です。身長185センチぐらい。
孫一/デケェ……(笑)
ネコ/西洋人を見たらドッキリするんじゃないですか?
孫一/いや、一応貿易やっていたから西洋人自体は知ってる。外人と言ってもポルトガル人だけど……。
GM/でも外人が水を掛けてくることはないね。
孫一/そうだよな!(笑) ……金髪緑目で色白。極楽の天使ってのは随分厳しい態度を取るんだな。
アルバ/天使って僕は男だよ。
孫一/ああそうだね、つまんねぇの!(笑)
アルバ/そうか、君は女の子の方が好きなんだね。おっぱいが無くてごめんね。生物学的におっぱいを生やすにはもう何世紀か必要なんだ。
孫一/言ってることがワケ判らな過ぎて状況がワケ判らないコトに慣れてきた! もうこの際、森とかどうでもいい!(笑)
アルバ/森。なんで森にいるの? 君が連れてきてくれたの? だったらそこで横になっていたのはおかしいよね。
孫一/そうだね、自分で完結してくれたね!(笑)
アルバ/そもそも僕は家に居てダイナマイトを爆発させたところだったんだけど、あれは夢だったのかな。
孫一/オレだって城に追い込みに行って撃ち合いになった瞬間だったよ……!
アルバ/城? スウェーデンに良い城があったけど。
孫一/須栄殿? それ、どこの田舎だ?
アルバ/チョークを出して世界地図を描きます。
孫一/どこからチョーク出した!?(笑)
アルバ/世界地図も全部把握しています。えーと、ここら辺にヨーロッパがあって、こっちにアメリカがあって、ここにオーストラリアがあるんだよ。
孫一/おい、ちょっとアメリカデカくね? それに日本がこんな小さいワケねーだろ。
アルバ/でも面積幅でいうとコレぐらいだよ。
孫一/……ちっちぇー。
アルバ/それにしてもお腹がすいたね。
孫一/何か食うか? ……何も持ってねーけど。
ティノ/「ぽめー!」
ネコ/「ぽめっ?」
アルバ/アレを溶かして液状化したものを飲めば精が付くと思うんだ。
ネコ/「ぽめっ!?」(笑)
孫一/炙れば美味いんじゃね?
ネコ/「ぽめえっ!? ぷるぷる!」(笑)
GM/草むらがガサッ。
孫一/銃でパンッ!
GM/「あっぶねー!? いきなり撃つとかなくねー!?」
孫一/チッ、すばしっこい。
アルバ/ていうか人間を撃ったね?(笑) 草むらから何が出てきたの?
GM/草むらから……ウサミミが生えた成人男性が出てきます。
アルバ/わ、ウサギだ!
孫一/じゃあ食っていいよな!?
GM/そういう問題じゃなーい!」 白いウサミミを立てた男が、息切れしながら回避判定に成功して君達のところにやって来るよ。「『君達どうしたの?』って声を掛けてやろうとしたのに! 何てことするんだよ!?」
孫一/耳をムギュッと掴む。
GM/「ぎゃあ!?」
アルバ/うわ、繋がってる。その耳、どう神経が繋がってるの? 動くの? どんな技術なの?
GM/「ちょっとぉ!? いくらなんでも横暴ですよぉ!?」
孫一/ああ、悪かった……。
アルバ/で、君は誰? (孫一の方を見て)君も誰?
GM/「えっ、君達あんなに仲良くしてたのに知り合いじゃないの!?」
アルバ/自己紹介もまだだったよね。
孫一/そ、そうだった(笑)
アルバ/手始めに、ウサミミの方を見て……。君は誰かな?
GM/チョッキ姿のウサミミ男性は耳を立てていいます。「白ウサギだよ」
孫一/白ウサギ!?
アルバ/……『不思議の国のアリス』の?

 白ウサギ。
 ルイス・キャロルの児童小説『不思議の国のアリス』に登場する、擬人化されたウサギのキャラクター。
 チョッキ姿で懐中時計を持った、人語を喋るウサギ。物語の冒頭で「不思議の国への導き手」として様々な作品で登場する。
 ちなみに、『アナザーワールドSRS・リプレイ〜DROWNING/phantasmagoria』にも同名のキャラクターが登場している。そちらも軽いテンションのウサミミ男性だった。


GM/「アリス? アリスを知ってるの!?」
アルバ/知ってるも何も読んだことあるというか……君はアリスのお知り合いなのかな?
GM/「知り合いも何も、アリスはボクが大好きな子だよー」
アルバ/えーと、友達にチェシャ猫って子はいる?
GM/「アイツ、性格悪いからキライ。帽子屋も性格悪いからキライ」
孫一/有栖? ……公家の人間かな?(笑)
アルバ/いや、しかしでも……あれは作り話だったよね。
GM/「ボクは白ウサギって名乗ったよ。そっちのちっこい方の名前は何?」
孫一/……オレは、雑賀衆の雑賀孫一ってんだ。
GM/「言いにくい名前」
孫一/うるせーよ!(笑)
GM/なんかゾーカシューって呼びそう
アルバ/それはすみません!(笑)
孫一/呼びにくかったら孫一でいいよ!
アルバ/まごちー?
孫一/『い』が足りない!
アルバ/まご……ちい?
孫一/『ち』の前に『い』!(笑)
アルバ/……ううう! まごちい! まごちいっ!
ティノ/名前を覚えるのがとっても苦手なエジソンさんであった。
GM/「で、そっちのデッカイのは?」
アルバ/トーマス・アルバ・エジソン。アルバって呼べばいいんじゃないの。
孫一/在場。ハイカラな名前だなぁ!
GM/「まごちーとアルバね。オッケオッケ。で、アンタ達はどっから来たの? エル・ウィン・フリット?」
アルバ/アメリカ。
孫一/日本。
GM/「そっか。……そんなものはこのアルディオン大陸には無い!」 白ウサギは、アルディオン大陸の地図を出します。



孫一/えっ。なんだそれ! 見せて見せて!
アルバ/なにこれ。世界地図じゃないよ?
GM/「これがこの世界の地図なのさ」 大陸に出回っているごく普通の地図です。でもその地図には、手書きでいくつか黒いマルが付けられています。
孫一/どれが日本だよ……。
アルバ/これ、世界地図じゃないから日本は無いよ。ちなみに日本はクレスト諸島ってところの5分の1ぐらいのサイズだよ。
孫一/……ちっちゃい。
アルバ/アメリカはグラスウェルズってところぐらい。
孫一/デケーよ! アメリカ取り過ぎだよ! せめてメルトランドぐらいにしろ!(笑)
GM/「ねえ。この地図に書かれている地名でさ、君達が知っているところはある?」
アルバ/地名? グラスウェルズにレイウォール……どれも聞いたことのない所だね。
孫一/……真ん中の『戦国メルトランド』っていうのだけは、見てると想いが瞬を駆け抜けて紅蓮の碑を描かなきゃいけない気がするが(笑)
GM/「判らないんだね。つまり君達は『漂流物』だ!」
孫一/はあ?
アルバ/僕はモノじゃないよ。
GM/「ボクだってウサギですぅー。そう言われてるんだから仕方ないですぅー」
アルバ/そもそも君はウサギなのか人間なのかハッキリしたまえ。
GM/「どう見たってボクはウサギでしょ!?」
孫一/どう見ても人間にも見えないし!(笑)
アルバ/そもそもウサギは喋らない!(笑)
孫一/……あ、質問! この国の中で誰が一番強いんだ?
GM/「いないよ。みんな死んだ」
アルバ/えっ。
GM/「ボクだってつい3週間前に来たから詳しいことは知らないけど、国王も偉い人も戦える人もみんな殺されたんだって」
孫一/……まさに、戦国?
GM/「ねえ、さっき街に行って紅茶に合う美味しい物は貰ってきんだ。そこにボクが住んでる小屋があるから来ない? お腹減ってない?」
アルバ/ぐう。
GM/「ボクは減ったね。行こ」
孫一/……メシ、貰う!(笑)
アルバ/一人はイヤー! 僕もついてくー!(笑)
GM/では君達は、白ウサギに連れられて元廃屋のボロ家に入ります。色合い悪い自己流アレンジの施された家に。
アルバ/蝶つがいが外れかかってる。後で直そう。
孫一/ぜ、前衛的なセンスの家だな……。おい、靴を脱ぐ場所がないんだけど?(笑)
GM/白ウサギは紅茶の準備をし始めます。クッキーをテーブルに置いたり椅子を用意したりします。
孫一/……なんか、紫色のキノコとか「イートミー!」と書かれているクッキーがあるんだけど?(笑)
アルバ/危険感知に失敗してこのクッキーを食べてしまったら、体が縮んでしまう……(笑) まごちー、このお茶も変なニオイがするよ!
GM/そのとき、白ウサギのウサミミがピコンと動く。「……今日は来る人多いなー」
アルバ/どうしたの?
GM/白ウサギは一旦、廃屋を出ます。そして……とある男性と獣に手を振ります。コン様とネコ、登場してください。
ティノ/ここでPCの4人が合流だな。
ネコ/にゃお! コン様の肩に乗ってます!
アルバ/……なんでコンスタンティヌス11世が?
ティノ/えっ、なんで判るの!?(笑)
アルバ/彫像で、顔を暗記していることにします。だからコン様の功績やその後、国がどうなったかも全部知っています。
ティノ/は、はあ……?
孫一/アルバ、もう一回名前を言ってくれ。
アルバ/コンスタンティヌス11世。
孫一/……たぬ?(笑)
ティノ/そなた、私のことを知っているのか……?
アルバ/授業で覚えたんじゃなくて独学だけどね。で、なんで皇帝陛下がこんな所に居るの?
ネコ/フシギですよねぇ。
孫一/うわっ、猫が喋った!?(笑)
ネコ/この世界に来てからこういう反応ばっかされて新鮮です(笑) こちらに来れば『漂流物』に会えると聞いて来たんですが……。
ティノ/グリーナという女性から、私達と同じ境遇の者達がいると聞いた。そなた達で間違いないか?
GM/(白ウサギになって)「まごちー、アルバ。君達は昨日、何をしていた?」
孫一/城を攻め落とす準備。
アルバ/ダイナマイトの準備。
GM/「うん、コイツら2人は飛ばされてきたばっかだね。折角だから一から説明してあげるよ」
ネコ/それは好都合ですね。ぺしっと旦那様の肩から下りて、席に着きます。
GM/白ウサギは紅茶やクッキーを出して、ちゃんとテーブルクロスのかかったテーブルの周りにみんなを座らせて、お茶会を始めるように話し始めます……。


 ●ミドルフェイズ3 〜解説、アルディオン〜

GM/まずは自己紹介から始めようか。「どうも、『漂流物』の白ウサギでーす」
ネコ/えっと……どうも、『漂流物』のネコです。
アルバ/ウサギとネコだ。ネコには名前はまだ無いんだね。
孫一/なんか……日本で流行りそうな台詞だな(笑)
ネコ/ワタシはネコである。名前はまだ無い。……あ、言ってて気持ち良い。きっと流行りますね!(笑)
アルバ/じゃあ僕も。トーマス・アルバ・エジソンです。な、なんか恥ずかしい……もじもじするね!
孫一/数分前にオレに自己紹介したよね!?(笑)
アルバ/性別格差っていう言葉があってね。女の子の前だと緊張するんだよ。
ティノ/……ネコがメスだと判るのか?
アルバ/そりゃ股間を見ればね。
ネコ/恥ずかしいッ!? フシャアーッ!(笑) 人型になっておきます!
孫一/うわああ!? 物の怪だぁ!?(笑)
ネコ/なんか新鮮な反応です!(笑)
孫一/えっと、次はオレの番か? あー……鈴木孫一重秀だ。
アルバ/まごちー。
孫一/だってさ。……オレの名前、呼びにくいからそれでいいよ(笑)
ティノ/ふむ、孫一殿か。
孫一/やっと正式名称で呼んでくれる人がいた!?(一同爆笑)
アルバ/コンタちゃんは凄いなぁ。
ティノ/コンタちゃん!?(笑)
アルバ/だって長いじゃん、正式名称。
孫一/さっきからアンタはキツネだからタヌキだか判らない名前だな!?(笑)
ネコ/旦那様は旦那様ですよー!(笑)
アルバ/旦那なの? 猫と人間は結婚できるの?
ネコ/できませんよ。
ティノ/いや、何故そういう話に……(笑) わ、私と彼女は夫婦関係ではないので注意して頂きたい。
アルバ/ううう? 学問的な話じゃないと判らないよー!?
GM/(白ウサギになって)「自己紹介は一通り終わったね? じゃあ次は、質問受け付けタイムだ。何が聞きたい? ボクが答えられることなら何でも答えるよ」
孫一/……ここはどこ?
GM/「ここはアルディオン大陸。多分君達が住んでいる世界とは、まーったく事情が違う場所だ」
ティノ/アルディオン大陸のどこだ?
GM/「世界で一番大きな穴があいてるエストネル王国」
アルバ/穴?



GM/「このアルディオンの地図を見て。手書きで黒マルを付けてあるでしょ。そこは爆発してできた穴だよ」
孫一/爆発……?
GM/「3週間前、エストネル王国のエル・ウルフリック・ミンスターという場所で、ピアニィ女王という人が大陸統一の宣言……儀式を行なった」
アルバ/女王様が……?
GM/「儀式後、大爆発が起きた。女王様とその側近達がいたエル・ウルフリック・ミンスターだけじゃなく……世界各国、色んなところでドカンドカーンてね」
ネコ/中心地は、さぞ大破壊だったでしょうね……。
アルバ/どれだけのエネルギーがあれば、これだけ大きな穴が開くというんだ……気になるなぁ。
ティノ/その大爆発というのは、大陸統一の宣言……儀式を行なったために起こったというのか? 一体何でそんなことをしたんだ?
GM/「さあ? そこがどうも曖昧なんだよね。今でも色んな噂が飛び交っているんだけど、正直儀式が何だったのか誰も知らないんだ」
孫一/妥当に、火山でも噴火したんじゃねーの……?
アルバ/もしくは、世界中に時限爆弾でも設置されてたとか。
ネコ/だとしたら、大胆なことをしますねぇ?
GM/「でね、その爆発後……色んなもんが世界中に出るようになった」
ネコ/みゅう?
GM/「一つは妖魔。爆発であいた穴から出てきた。妖魔はアルディオン大陸にいなかった化け物の一つなんだけど、アルディオン大陸にいなかっただけで違う大陸では目撃されていた存在だ。今までいなかったモンが出てくるのは恐ろしいことだけど、まだ理解できる方だ」
アルバ/はあ……。
GM/「二つ目は、ボク達『漂流物』。この世界のことを知らない人達が、世界各地に現れた」
アルバ/謎だよね……。
GM/「そして三つ目、妖魔とも違い、ボク達『漂流物』とも違う……『廃棄物』という連中も現れた」
ティノ/『廃棄物』?
GM/「恐ろしく、おどろおどろしい化け物。破壊活動や虐殺行為を行ない、言葉も通じない……普通な暮らしが出来ないような連中さ」
ネコ/め、迷惑……。何かの残骸なんですかね?
GM/「3週間みっちり情報収集してみたんだけど、なんでそんなモンが出たのかも一切判んないのさ。世界各国で大爆発が起きて、化け物が出始めて、世界統一で平和どころか大陸中がパニック。偉い人は総じて死んだ。マトモじゃない世界だよ、ここは」
アルバ/国々は統治されてない状態なんだね……大変だ。
孫一/名を上げ放題じゃねーか。……楽しそうに言います。
アルバ/まごちーはさっきも言ってたけど、強い人を探してるの?
孫一/オレは傭兵だからな。戦う場所があればドコだって行くさ!
ネコ/前向きな良い姿勢ですねぇ。
GM/「へー、それっていいことだよ。前向きにならないとこういう世界じゃ生き残れないからね」
アルバ/……コンタちゃん、皇帝だったんだよね? 国、立てちゃえば?
GM/「やってみれば? きっとできるよ」
ティノ/う、うむ……。
孫一/そうそう、名乗ったもん勝ちなんだから。
ネコ/名乗ったもん勝ちですよね!(笑) ……しかし、元の世界に帰る方法は見付かっていないんですか?
GM/「ないね。ボクも早く帰りたいんだけど判らないな」と、白ウサギは懐中時計を見てイライラする。どうやら急いでいる予定があるらしい。
孫一/白ウサギっぽいなぁ……(笑)
GM/「いくら探しても見付からないかもしれない。ここは『帰り方なんて無い』って考えた方がラクかもね」
ネコ/……そうですね。帰れないんだったらこっちで生きていきましょう。
孫一/お前、前向きだな。
ネコ/出来れば帰ってお姫様のお子様のお名前を付けたいんですけどね!(笑) でもこちらにしか居られないのなら……にゃあ。強い人が死んでしまうような世界です。じっとしていても、のたれ死んじゃうもんです。
アルバ/動こう! 今すぐ動こう! 椅子をガタガタします!(笑)
孫一/じゃあ、とりあえず何をすればいいんだ?
アルバ/とりあえずこの小屋の整備をしよう! その蝶つがいを直していいかな!?
GM/「別にいいけど……」 言いながら、白ウサギはクッキーぼりぼり。
孫一/……なあ。米は無いのか?
GM/「無いよ。華やかなお茶会セットが目の前にあるんだから食べなよ」。
孫一/日本人は青い物とか食えねーんだよ!? ……オレ、晩御飯を獲ってくるわ(笑)
ネコ/にゃあ、お手伝いしましょうかー(笑)
GM/ドン! ドン!
ネコ/にゃっ!?
GM/ドン! ドン! 地響きの音だ。
アルバ/じ、地震!?
ネコ/随分定期的な地震ですね(笑)
孫一/ヒュウッ。銃を構えて窓から外を見ます。
GM/窓から見ると……まごちーには見たことあるかな、巨人だよ。
孫一/巨人。……だな。
アルバ/お、大きい……あれは一体、何メートルぐらいあるんだろう? あれが噂の『廃棄物』?
GM/「そうだね」 ……白ウサギはぴょんっと身を低くする。
ティノ/ん?
GM/「ギャアアア!」と雄叫びを上げて巨人がブンッと腕を振る。小屋ごと全員を吹き飛ばそうとするので回避判定をお願いします!(ころころ)命中は13。
孫一/わーい!?(笑・ころころ)回避14! 避けた!
ネコ/≪ドッジムーブ≫使用!(ころころ)回避28!
ティノ/(ころころ)おっ、回避クリティカル!
アルバ/(ころころ)10で失敗!
GM/屋根の部分がポーン!(ころころ)アルバのみ、26点の物理ダメージ。
アルバ/≪プロテクション≫使用!(ころころ)あ、カッキン。ダメージ0です。
孫一/……今、何やったの?
アルバ/種も仕掛けも無いよ。
ティノ/(いきなりヘンリーになって)説明しよう! エジソンは1秒あればただの木の壁でもそこに鉄を貼り付けコーティングしマイナス[5D6+10]点相当のダメージを弾く壁を作り出すことができるのだ!
GM/エジソンなら仕方ないな。
ネコ/アルバ、凄いですね!?(一同笑)
孫一/なに今の!? 何やったの!? 何の謎技術!? 仕掛けって逆に無いよね、鉄板を貼っただけだもんね!?(笑)
アルバ/もちろん投げるときに「この方向、この角度ならこうすればダメージは軽減できる」って計算しながら投げてるよ!
ネコ/ただただ凄い、物理≪プロテクション≫!(笑)
GM/屋根が吹っ飛んだ家の前では、家の上半分を吹っ飛ばした巨人が……2体立ってます。
孫一/あれはこの世界に普通に居るの!? 妖魔? それとも……!
GM/「アレは『廃棄物』かな」 巨人は目立っていた家を壊した後、大きな木を倒そうと攻撃をしている。
アルバ/ああっ、森林破壊!?
ネコ/め、迷惑……!
GM/超破壊活動なう! 「普通のエネミーってやつはそれなりに生活力があるみたいだけど、『廃棄物』はあんな感じで暴走しまくってるんだってー。じゃ、ボクは逃げさせてもらいまーす!」 白ウサギはぴょんぴょん走っていきます。
孫一/あ、逃げた!(笑)
GM/巨人達はぴょんぴょんした音に反応したのか君達の方を見る。
アルバ/おおい!?(笑)