ゴーストハンター02・リプレイ・パラドックスの椿
■ 第6話 『モメント』 ■
2007年6月21日




 ある二人が、話をしている。そこはある場所。
 女性は二人、向かい合いとても楽しそうに話をしている。
「それじゃあ、貴方が『理解できない』って言ったのは……」
「ええ。私自身『それ』を完全に目にしてなかったから。世界が認知できないギリギリの境界線だったから。でも今は判る、実際にあの時代で見てきたからね……三日原くんにはホントに悪いことをしたわ」
「ふふっ、彼もきっと判ってくれるでしょう。……判ってくれるといえば勇規くんの方も。『木を切り倒す』、そんな些細なことで切り開ける人生、納得してくれるかしら?」
「うーん……納得してもらわなきゃ。寿命が決まっていると言ったって運命自体はそのヒトが創るものだし。私達は何も口は出さない――そうやって、もう何年も世界は動いてるんだから」
 二人は、カーテンの先……窓の外を見る。
 季節は4月。そう、まだ4月。
 外には桃色の花が咲き、赤い花も咲き、美しく世界を彩っている。

「そういやあのお屋敷もよくよく見たら咲いてたの! そんなに誇らしく生きられても困るわ、ぷんぷんっ!」


 ★オープニング/村上昌幸



GM/最初のシーンはマー君。――四月八日に君が死に、生き返って生き延びて……それから何日も経ちました。優斗の命を救ったり、オッサンの命を救う為に過去へ飛んだりもした。けれど君は『一度は無くなってしまった人生』を一日ずつ暮らしている。そして、特例6人目最後の日まであともう少し。
昌幸/今日は、何日だ? 携帯電話を見ます。
GM/今日は四月十七日火曜日。明日は、三日原くんの……。
昌幸/……Xデイ。これで最後なんだよな。
GM/これが終われば君は元の生活に戻るのです……今まで通り職探しの日々にね!(笑)
昌幸/……えーと、今日も良い天気だなぁ!(笑)
GM/では、携帯電話を持った君の手がブルブル揺れる。着信が入ったみたいだよ、ぷるるるる。
昌幸/ピッ。もしもし、村上です。
GM/「もしもし、おはようマー君」声の主は……君のカノジョだ。2話でも出てきたよね、名前は何だっけ?
昌幸/え、えっと(キャラクターシートを見て)ヨウコちゃんです。おはよう、朝早くからどうしたの?
GM/「あのね、マー君にお願いがあるの。ちょっと時間いいかな?」
昌幸/なに?
GM/「私、今バイトで塾の講師をしてるの。野火止にある塾なんだけど、そこで小学生の面倒を見てるんだ。あの辺に小学校があるんだけど知ってる?」
昌幸/あ、知ってるよ。……実際に行ったことあるしね。
GM/「でもね、小学生って全教科担当でしょ。私は文系だし、もちろん他ジャンルのバイトの子とかいるんだけど……どうも理数系の子っていなくて」ところで、この子は何のコネだっけね?
昌幸/【人脈/歴史学者】のコネです。そうか、バイトか……。
GM/「で、……本当にマー君が良かったらなんだけど。ウチの塾のバイトに来てくれないかな?」
昌幸/俺で良かったら! ……って、もしや脱ニート!?(笑)
GM/「良かった〜! でも塾のバイトと言っても教えるだけじゃないんだ。遊んであげたり悩みを聞いてあげたりもするんだけど、マー君は面倒見良いしね!」
昌幸/そ、そうかな? ……確かにロリコン入ったオッサンのツッコミばかりしてるけど(笑)
GM/頼まれてもいないのにオッサンの部屋を掃除してるぐらいだしな(笑)「最近の小学生も大変なの。『知らず知らずのうちに問題を起こして悩んじゃう女の子』もいるから……。けど、マー君が来てくれるなんて私、凄く嬉しいなっ!」
昌幸/俺に出来ることならやってみるよ。詳しい日程も今度教えてくれないか?
GM/「うんっ。週末か来週にいつでも私に連絡して!」
昌幸/判った。またこっちから電話するね。
GM/「ありがとう、マー君!」……ところで、この子とはラブラブですか?
優斗/普通にデートもしてるし、ラブラブだろ?
GM/そうか。……じゃあ切るときにチュッとかやろう。
昌幸/……わあぁっ!(笑)
恐一/うああぁ、マー君のエッチー!(笑)
GM/若い若い、ていうか君はセブンティーン(笑) ――そして、ザクゥッという剣が刺さる音がしたところでシーンを切るよ。
昌幸/あー、おはようエクスカリバーたーん。
優斗/……もう慣れたの?(笑)


 ★オープニング/里山勇規


GM/次に里山くん。……君は精神のみのタイムスリップを行い、この時代に帰ってきた。帰ってきて一番変わってると言ったら……「お兄ちゃん、お弁当つつむハンカチが無いんだけどー? どこ〜!」
勇規/……妹が家にいるんだよな。微妙に戸惑っている感じがするんですが。
GM/でもそれがこの世界における『里山家の朝の光景』だ。「お兄ちゃーん、今度の夕食作りの当番代わってくれない?」と、高校生になったミツキちゃんと……たわいもない会話が今、ここにある。
恐一/お弁当はコレねって愛妹弁当を用意する高校生妹! セーラー服にエプロンなんだ!(笑)
GM/新たに作られた十年間の記憶は、なんとなくだけど頭の中にある。……けれども、何か違和感はあるよね。
勇規/お兄ちゃん、戸惑いを隠せないよ……けど綺麗になったよな、ミツキ。
GM/「あっ、そういやお兄ちゃん。カノジョできたんだってー?」
勇規/あー……できたよ。
GM/「今度連れてきなよ、お父さん絶対見たがってるよ! でもお兄ちゃんの周りにはいつも女の人がいたけどねー……いつも私見てたから知ってるよ」
望彦/チェックしてる!? 怖いよ妹!(笑)
勇規/い、いや、それはまた今度な……。
GM/この世界の里山家は、お父さんと貴方と妹の三人家族です。「行ってきまーす!」と元気に高校に行く妹と、普段通り会社に行くお父さん。――じゃあ、せめてもの良心でお弁当の隣に刺さるよ。
勇規/剣がか。……おはよう、エクスカリバーたん。
GM/「おはよう。今日は十時にみどりハイツ集合よ。……やっぱり妹さんがいる生活は慣れない?」
勇規/ああ、変な感じはするよ。ビックリする事も多いしな。
GM/剣がふりふりして話します。「あれから私調べてみたの。……1997年の遊園地での『景』の破壊、あれが貴方の誤った死を消滅させたみたい」
勇規/……やっぱり俺が水死したのは、妖精のせいだったんだな。
GM/「十年間で多くの妖精が生まれた。あの森でしたことは小さなことだけど、それでも人間の人生って変わっちゃうのね。『俺ってそんなちっぽけなことで死んだのかよ』って思うかもしれないけど、そんなちっぽけなものなのよ……人間ってものは」
勇規/うーん、なんとなく判るんだけどな……。
GM/「難しい話でゴメンネ……」とテーブルの下にぐりぐり沈む。
勇規/で、柄の部分だけになる。おーい、抜くぞー?
GM/「もしかして、貴方が『世界の特例』に選ばれた理由は『小さなことで死んでしまった魂の例』なのかもしれないわね。……一日中駆け回って切り開いた未来もあれば、小さなことで開ける未来もある。だから拍子抜けしないでほしいわ」
勇規/まぁ、助かったんだから楽天的にいくよ。後は、三日原だけだよな?
GM/「うんっ。じゃあ三日原くんを助けに行ってあげましょうか!」


 ★オープニング/三日原望彦


GM/さて、三日原くんのシーンにいくよ。……貴方は今、志木駅徒歩5分九千八百円のアパートにいます。昭和の香りが漂う木造オンボロアパート部屋……の玄関がドンドンとなる。ノックの音だ。
望彦/はーい、どなたですか?
GM/(ぶっきらぼうな声で)「管理人よ」
望彦/……あ、はい、開けます……えーと、家賃滞納してたかな?
GM/ギギ、と軋むドアを開けると、そこには何度か見たことある黒髪ロングの気の強そうな女性がいる。君の知ってる管理人さんだね。「ちょっと時間いいかしら、話があるんだけど」
望彦/は、はい。先月払わなかったからそろそろ来るとは思ってたんですけど……。
GM/「家賃の話は後でするけど、今日はそれの為に来たんじゃないの。長話になるから入っていい? 入るわよ!」
望彦/はーい、申し訳ない。……一枚しかないザブトンをひいて、自分は正座します。お叱られモード(笑)
GM/腕組みして管理人さんは言います。「このアパート、呪われてるのよ
望彦/……。
GM/……。
望彦/……今更!?(笑) 何を今更! 魔王の現住所である時点で何を!?(笑)
GM/「なんでも、調べによるとこの地は大昔に黒魔術結社があったり、怨念を持ったサムライの霊が外国人斬り殺したり、一家心中事件があったり、恐竜大戦争があったとか言われてるの」
望彦/要因は絶対それだけではない!(笑) 生活費を考えての苦渋の選択をした俺も俺だけどさ!
GM/「それで、管理人から貴方にお願いしたいことがあるの。ココの呪いを解いてほしいのよ」
望彦/は、はあ……なんで俺なんですか?
GM/「いつも協力してるじゃない、借りたものは返しなさいよ!」
望彦/……え?
GM/「こっちの方が喋りやすそうだからこっちの姿で来たのよ。実際に喋りやすいでしょ?」
望彦/……。
GM/……喋りやすいでしょ?
望彦/……えーと、もしかして? あの、今まで普通に、その、うん、……え、……外見は!?
GM/黒髪ロングの女性って言ったよね?
望彦/だって管理人って。……管理人ですか、それはまたー!?(笑)
GM/「えっ? もしかしてあっちの喋り方が良かった?」
望彦/今の喋り方でお願いします!(笑) ……管理人さんって、公私の区別つける人ですか?
GM/いや、単にアパートを管理してるのがこっちの人格なだけ
望彦/多重人格!?(笑) ……ビジュアル的には、切咲スズさんが明るく喋ってるんだよね?
GM/うん。ハキハキ喋った方が三日原くんがドキドキしなくていいと思って。「私はこのアパートに下宿させてもらっている……というのは仮の姿、本当は管理人なの。私の家は元々地主さんでね。大昔にこのアパートを建てたはいいけれど、それがとても悪いモノが渦巻いている所だったの」
望彦/……もう深くはツッコまないぞ、ツッコんじゃ負けだ!(笑) それは大変で由々しき事態ですね!
GM/「それ以来、このアパートには不運が付きまとっている。……この柵を壊したいけれど、普通の人間が刃向かおうとするとアパートが牙を向くから取り壊せないの」
恐一/……過去、何度業者が挑んでは破れ!「俺達には無理ッス! 別の業者にお願いします!」と転々とし、『血染めのアパート』と呼ばれている!(笑)
GM/そんな現場監督の死をいくつも乗り越えてきたアパートなのです。「今は、常にアパートを監視しているから大人しているけど……それもいつ崩れるか判らないし」
望彦/……まーねえ。明日が俺のXデイなんだよなぁ。
GM/そこで、……フッと彼女の顔つきが変わります。「私のチカラによって封印したこの城は、いつか貴方に牙を向く……ふ、ふふふ
望彦/ヒイイィッッ!(笑) あ、ああああの……いつものスズさんでしょうかっ?
GM/「……ちょっと待ってて、ミオ……霊的な話は私の担当……私に話させて……」
望彦/……ミオ?
GM/「私は……スズ。彼女は……ミオ」
望彦/あ、ああ、成程了解!(笑) どーりで雰囲気も全然違うし判別ができないと思った! ちゃんと正座し直しまーす!
GM/「能力者は……霊能力者や超能力者、色々あるわ……生まれつきのものもいれば、知恵として引き継ぐ者もいる……私は、血によってそのチカラを得た……封印のチカラを、『例外』として……」
望彦/……例外?
GM/ここで少し説明に入ります。人間や生き物はどんな存在でも5種類に分かれます。
  @一般人   A能力者   B一般霊・マレビト
  C悪霊・怨霊 D超越的存在

 人間は、基本は@一般人です。しかしイタコの家系であるオッサンや親から代々魔術を継ぐ三日原くんの家はA能力者になります。一般人には見えないけど時々ジョギングしてたりする幽霊や平和的な妖精はB、……それ以下はもうお判りかと。
望彦/……アンタも俺と同じA能力者ってことだよな?
GM/「そう……能力者にも様々なものがいるわ……シャーマンやサイキッカーとかね……私は、封印の守護者。呪われたこの地は、守護者がいなければならない……」
望彦/守護者で、魔王。どっちなんだ!(笑)
GM/「封印するのはいいけど、このままだと困るの……だって、私……お嫁に行けないじゃない……
望彦/……。
GM/……。
望彦/……(目を逸らす)。
GM/「……来てくれるならいいけど……」
望彦/……はぁ、はぁ、はぁっ! 逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げたいいいぃぃっ!(笑)
GM/「だから、暗部をどうにかしないとって思ったの……誰かがいなければダメだなんて埒が明かない……そこで私は思い出した……最近、貴方が私を頼ってくれていることに」
望彦/まぁ……いつも協力してもらっているよな、俺。
GM/「……それに私、明日お出かけ予定なの。居ると居ないのだと封印のチカラは変わるわ」
望彦/……だからか、俺が死んだ理由って!(笑)。
GM/「守りから攻めに転じることにしたのよ……まだ未来のことは判らないけれど、いつ誰に牙が向くか判らないから」
望彦/そうだよね、そうなんだよね、いつ誰に被害がいくのか判らないんだよね!(笑) うん、オッケイ協力するよ! 近い未来のためにもねっ!(笑)
GM/「……あ、そういえば……三日原くん」
望彦/は、はいっ! なんですか!
GM/背筋伸びてるね(笑)「十年前に、私……言ったわ」
望彦/はい、覚えていま……いや、もう一回お願いします! 恐怖のあまり嫌な思い出しか思い出されないんでっ!(笑)
GM/「……十年前。あるものが生まれた……諸悪の根元が生まれたということ……。言ったけれど、貴方達は貴方達のやるべきことをやった……だから……それに異論はない、けれど……」
望彦/……けれど?
GM/「十年って……みんな、成長するのよ……?」
望彦/……みんな? どんなものでも成長はする……よね。


 ★十時


GM/では三日原くん、みんなはみどりハイツに集まってるからこのアパートに連れて来ようか。今日の冒険はこのアパートだからさ。
望彦/はーい、オッサンに電話します。みんなを俺のアパートまで連れてきてー!
恐一/(電話をとって)了解、ガキ共が来たら送って行くわ。明日がXデイだけど、平気なのかお前?
望彦/うん……頑張る俺、頑張れる俺、頑張れ俺。
恐一/大丈夫か!?(笑) 景気づけに米とか持っていってやるから元気だせ!
望彦/それは普通に嬉しい!(笑) 電話で簡単に住所を教えます。
GM/じゃ、みどりハイツに三日原くん以外全員が集まったところでオッサンの車に乗り志木駅徒歩5分の場所まで走ります。……アパートだから離れた所の駐車場に車をおこうか。
優斗/Xデイが近いからナーバスになってるんだよ、多分。
恐一/元気づけてやるか、と米を持ってアパートに向かいます。
GM/歩くこと数分。――そこは、古代の遺跡だった。
昌幸/……。
勇規/……。
優斗/……これさ、地震が来たら潰れんじゃね?(笑)
GM/典型的な昭和風2階建てのアパートです。1階ごとに4部屋で、全部で8部屋。……現在は三日原くんとスズちゃんと、もう1人の住人が住んでいます。
勇規/3人しかいない上に、3人のうち1人は管理人か(笑)
優斗/……確かこの部屋だよな? インターフォンなんて高度なものはないから、ドンドン!
望彦/あ、来たな。ハイハーイ開けまーす、ギイイイィィ!(笑)
勇規/この音で、しかも狭い……1階だから床抜けないだろうけどさ。
昌幸/5人がこの中に入るってムサイよな?(笑) とりあえず彼女を呼ぼうか……エクスカリバーたーんっ!
GM/「はーい!」ザクッ!
望彦/……。
GM/……。
望彦/……今、どこに刺さった?
GM/「……えっと、三日原くんの頭」
望彦/……。
優斗/ハイハイ! 今あっちはナーバスになってんだから僕の頭に刺さろうね、ザクッ!(笑)
GM/「えっぐえっぐ! 落ち込んでるから慰めてあげようと思ったのにー!」
恐一/幼女がいるなら可だ、全員で中に入るぞ!(笑)
優斗/オッサン、フルボッコにされたいか!?(笑) 全員入るのは狭くてヤだから外に出ろ!
GM/じゃあ全員が部屋の前で集まっているところに。「初めまして……じゃないわね、貴方達は……」
恐一/ぎゃああぁっ!(笑) なんか出た、隅っこに隠れる!(笑)
昌幸/あ、はい、どうも……魔王さん?
勇規/えっと、十年ぶりです? っていうか、十年経ったと思えないんだけど?(笑)
GM/「来てくれてありがとう……今から、ここの封印を解こうと思うの……」
優斗/……封印、ですか。具体的には僕達は何をすればいいの?
GM/「私はこの空間に掛けた鍵を貸してあげるだけ……この地に封印されたモノを、貴方達に倒してほしいの……全員揃った今、封印を解くわ……」
優斗/……待って。このアパートには他に住人がいるんでしょ? その人は大丈夫なの?
望彦/俺のコネである【人脈/民俗学者】が1階に住んでる筈なんだけど、……どんな人だっけ?
GM/「彼女なら大丈夫……会いに行きましょうか」そう言って、スズちゃんに連れられて1階のとある玄関の前に立ちます。コンコンとノックすると女性が顔を出す。「はーい! あ、管理人さんと……そっちは確か」
望彦/どうも、三日原です。
GM/民族学者の、ショートカットにシャツとパンツ姿のサバサバした女性が現れる。「どうかしましたか?」「……これから、ちょっと騒ぐかもしれないけど、貴方だったら大丈夫よね……」では【霊能力】判定をしてみてください。
望彦/(ころころ)10で大成功!
GM/しかも大成功かよ?(笑) じゃあ三日原くんは思った。……なんか、この人の周りだけ霊がいない。
望彦/……あれ?
GM/「ナニナニ? 何かするのっ?」……言ってしまいますと、霊感0どころかマイナスをいく『絶対に視えない人』は、『絶対に霊的な干渉を受けない人』でもあるんです。
優斗/みんなが怪談しているとき「なんか背筋ゾクゾクしてきた……」「えぇー? そんなことないよー」っていう人?
GM/そう、つまりは超鈍い人。……と言うのも、三日原くんの設定に『アパートにコネが二人いる』を貰ったはいいけど、なんで住んでるんだよっていうこじつけです。片方はスッゴイ力を持っていて、片方は全然無いことにしようと思ってね!(笑)
望彦/バランス保ってるだな、イイカンジに均衡がとれてる!(笑)
GM/中途半端なキミはどっちにいくのかな……?「そっか、男の子達が集まってるのかー、鍋でもするの?」
望彦/まぁ、そんなところです。ちょっと騒ぐかもしれません。
GM/「ううん、構わないよ。鍋パーティー頑張ってね!」……ということで、あらためてアパートの前に全員集まります。
優斗/ねえ、封印を解く前のアパートを写真で撮っていい? 解いた後に何か出そうだしさ。
GM/いいよ。判定しなくても何か写りそうだけど。
優斗/パシャッ! ……それじゃお願いします。
GM/「ええ、……封印を解くわ……」パチ。バチバチバチごああああああああぁぁぁっ! デロデロデロデロデンドロン。
望彦/呪われた!?(笑) ああああぁ、なんかもうヤダヤダヤダぁ! ……っていうかよく住んでたな、俺。
GM/まったくだ。……5人にはさっきまで昭和の遺跡だと思ってたアパートが、マリオのクッパ城かドラクエの竜王城に見える。ちなみに今シャッター押すと、判定に失敗してもニョロニョロしたモンが出るよ。
優斗/なんだこれ!(笑) ……ホントに魔王城の扉が開いちゃったんだね?
昌幸/と、とりあえず……封印されていたものを倒しに行こうか、心の準備しつつさ。
GM/「旅立つ貴方達に……これを授けるわ……この、白い宝玉を
望彦/宝玉っ!? 白っていうかドロドロしてるんですけど!(笑)
GM/「じゃあ、デモンズゲートを開けるわよ……」スズちゃんが豪勢な魔王城への扉に手を掛けると、ゴゴゴゴゴ、プシュウウウウゥゥ、シュパアアアァァ!
恐一/ドライアイスが!(笑) でもどっちかって言うとネットリしてるんだけど、この瘴気!(笑)
GM/扉の奥には地下神殿へ続く階段が! その先で君らを待ち受けるものは!
昌幸/早く倒して鍋食おう!(笑) 帰ってきたら買い出し行くぞ!
GM/……実を言うとね。元々、全7話構成でこの長期セッションを考えていたんだけど今回の話は予定に無かったやつなんだ。ホントはもっとマジメでシリアスな展開を用意してたんだけど、あまりに魔王っていうNPCが愛おしくてね(笑)
望彦/即興で作っちゃったの?(笑)
GM/うん、だから今回は全編ギャグでお送りしまーす!
一同/いいと思いまーす!(笑)


 ★魔王城/黄の部屋


GM/さて、階段を下りた先にある盛大な観音開きの扉を開くと、……長い廊下に5つの部屋が見える。
優斗/周りの内装はどんな感じで?
GM/マリオの地下面のBGMが流れます。でででででっ、でででででっ♪
昌幸/と、とりあえず進もうか。一番手近な部屋はどんな風ですか?
GM/階段から一番近い部屋の扉は、黄色の宝玉が埋め込まれている。……その次は緑、青、赤、そして無色と続いてるね。装飾は、なんとも不思議なファンタジック。
優斗/もう【聞き耳】とか霊感知判定はいらないよね?(笑) バーンと開けちゃうよ!
GM/バーン。黄色の宝玉の扉を開けると……更に真っ黄色の空間だ。
優斗/黄色の部屋か……中に入るよ。何かある?
GM/右から左、上から下まで真っ黄色。けど奥に一つ扉ががまたある。――では、全員が部屋に入ったとき、声が流れ込んでくる。「それらは何だ?」
昌幸/……なにっ?
GM/それらは……。

 薬にあって、注射にない。
 小と中にはあるけど、大にはない。
 親にはあり、子どもにはない。
 それらはなんだ?


勇規/……なにこれ?
GM/封印です。スズちゃんはデモンズゲートの封印をしていただけで、本当の封印はコレなんだな。
望彦/クイズかよ!(笑) ……えーと、「薬に」だから?
勇規/頑張っても多分俺には判らない。
優斗/……あー、うん、……判った。カンタンだよ、答えは『指』だよね!
恐一/……ああっ!(納得したように)
GM/ぴんぽんぱんぽーん! ぱちぱちぱちー!
望彦/なるほど、指かー!(ぱちぱち)
GM/ぱちぱちぱちー! ……と、無数の手が貴方達の目の前に現われる。
優斗/えええぇっ!?(笑) き、【恐怖判定】……(ころころ)ぎゃ、正解したのに失敗したぁーっ!(笑)
勇規/(ころころ)あ、俺も95で失敗した!(笑)
昌幸恐一望彦/(ころころ)成功!
恐一/手がいきなり現れたんですよね……1つ捕まえてみていいですか。てやっ!
GM/びちっ! びちびち、びちびち。
恐一/……意外に可愛い(笑) 握手したりETの真似とかしてみる。
GM/では、現れた無数にある手の1つが動き、奥の扉のノブに手を掛ける。ガチャーリ……、その先は普通のアパートの部屋に見えた。
望彦/俺の住んでる部屋と同じ……?
GM/その部屋の中に、人が倒れている。倒れた人の手には釘、釘、釘、釘、クギクギクギクギ――! クイズに成功したのでプラス10%【恐怖判定】!
優斗/あがっ!(ころころ)しっぱーい……。
勇規/(ころころ)あれ、68で失敗。
昌幸恐一望彦/(ころころ)成功!
GM/……ガクッ! 釘を打たれた彼は、君達が入るなりグギ、グギィ……と立ち上がり、そちらの方に向く。
昌幸/……これが、封印されてたヤツ?
GM/貴方達が解いてくれたんだよ。……という訳で、戦闘開始!

 ●戦闘/1ターン目
GM/敵は1体で敏捷値は2。アパートの部屋なので距離は十メートルです。
勇規/俺から……これはもう倒していいんだから、普通にリボルバーでいきます。(ころころ)成功、ダメージは10!
GM/いきなり飛ばすねえ。ガギンッ、と釘に銃弾が当たり抉られていく体……ダメージは勿論入ってるよ。
優斗/なんかキッツイな映像的に。うえっと言いながら切りに行くよ!(ころころ)……うん、大失敗。
望彦/おまっ、優斗!?(笑)
優斗/……うわ、『仲間に命中』だ。(ころころ)イサッキーに……ゴメン、攻撃!
GM/思いっきり振りかぶり過ぎて手から抜けちゃったんだね。イサッキー、【回避】をやっていいよ。
恐一/何やってんだ優斗っ! 完全回避しろ、イサッキー!
望彦/でも良かった、……俺に斧が来られたら死ぬ!
勇規/回避!(ころころ)普通に成功。4点ダメージ軽減するよ。
優斗/(ころころ)よっしゃ、ダメージ4点! カッキンだ!
GM/じゃあ完全回避したってことで。なんだか幸先良いねー。
昌幸/では怪光線2いきまーす!(ころころ)84で失敗……。
恐一/オッサンは、近付いてキョウジたんで攻撃しまーす!(ころころ)……失敗、スカッ。
望彦/小細工はしないで普通に倒すか、【霊能力】のエーテルナイフ!(ころころ)08、大成功……20点ダメージだ!
GM/ピッシャーン! ……君には魔王の加護が付いてるのかな。
望彦/一向に嬉しくない!(笑)
GM/けど、まだまだ倒れるまでにはいかないな。(ころころ)釘男は優斗に、ダメージ7で攻撃!

 ●戦闘/2ターン目
勇規/もう一回リボルバーいきます、当たるかな!(ころころ)成功でダメージは7!
優斗/僕は斧取るだけで終了。シュンッて手元に呼び寄せるよ。
昌幸/【心霊機械】いっきまーす!(ころころ)61で失敗……。
恐一/もう一回キョウジたんで!(ころころ)87で失敗です……キョウジたーん!(笑)
望彦/節約して【霊能力】エーテルフィストいきます。(ころころ)成功、7点ダメージ!
GM/ではでは、その一撃で釘男は逝った! ててててっててー♪

望彦/倒した……けど、これは成仏させたことになるのかな?
GM/うん。拳で一突きされた男の体から、しゅわーっと霧のようなものが現れる。ふよふよと上を漂い……フッと消えた。
恐一/これで良かったのかな。宝玉に何か反応は?
GM/宝玉は、白いものから薄く黄色が入ったよ。
勇規/黄色の部屋だったからか……クリアしたんだな。次に行こう。


 ★魔王城/緑の部屋


GM/ではお隣の部屋の前に貴方達はいます。緑の宝玉が埋め込まれた扉の前だ。
優斗/……上から米持ってきたいな(笑) スパーンッと開けるよ!
GM/開けると、そこはなんて目に優しい空間! また奥の方に扉がある。そして、声が聞こえてくるのです。
望彦/俺の頭、融通が効かないから柔軟な発想ができないんだよな。
GM/でも答えなきゃ封印は解けないよ。……聞こえてくる声は、男のものだ。しかも、奥から子どものような声も聞こえる……。

 そこは、とても揺れる。
 貴方はその上で運動をしなければならない。
 そこはどこ?


恐一/……えっと、トランポリンとか平均台か?
勇規/平均台は揺れないと思う。トランポリンは揺れるというより跳ねるじゃないか? ……ロデオボーイとか?
昌幸/それは運動じゃない!(笑) 直接的な意味じゃないと思うんだけど……、ヒントはありませんか?
GM/ヒントか。……じゃあ誰か、『ヒントを求めるようなロール』をしてください。イタイことをしたら部屋が助けてくれるかもね?
恐一/じゃあ、緑の壁に向かってイタイ子になりながら【交渉】します! ……なあ教えてくれないか、俺達友達だろう? さっきの黄色の部屋の連中は割と友好的だったぜ……お前だって本当は優しい奴なんだよな!
GM/……では【交渉】スキルを成功させてください。これで失敗したら只の怪しい人!(笑)
恐一/(ころころ)17……で普通の成功だ!
GM/じゃ、さっきの子どもの声のお父さんが言う。「……深く考えるな。小さな子どもの問題だ」
望彦/お父さんだったの?(笑) 子どもね、なぞなぞってコト? ……グラウンドとか?
優斗/グラウンドって、揺れる?
望彦/いや、『揺れる』って意味のグラウンドと、『グラングラン』っていう音と『運動』をプラスしたってコト。
優斗/……じゃあそれでいこう。間違って何かが来るんなら僕に来て。……答えは、『グラウンド』でいい?
GM/……。
優斗/……。
GM/……。
優斗/……知ってる? 外国のミリオネアってタメないんだよ(笑)
GM/じゃ、いっか欧米風で!(笑) ――正解だっ!
望彦/よ、良かった〜! ……って俺、小学生並みってコト?(笑)
GM/いやいや、なぞなぞは難易度計れなくて難しいもんだよ。――では「おいでおいで〜」と扉の先の声が言う。今回は手は出ませんね。
優斗/僕が近付いて開けるよー、バンッ!
GM/そこには――倒れてる子ども達。崩れた本棚、割れた花瓶、……家具の下敷きになった幼い兄弟。一応【恐怖判定】プラス10%を!
一同/(ころころ)成功!
GM/おっ、全員成功したか。……では、そのアパートの部屋で転がる小さな身体達は、生身ではないことにも君らは気付いた。忠実にビジョンが描かれているけれど幻だ……おそらく昔、こういう光景があったんだろうなぁ。
勇規/……地震の後?
GM/そのようだね。……では、先程の声が聞こえる。「ねえ、お兄ちゃん達……ちょっと遊んでいこうよ……?」
優斗/遊ぶって、……何をするの?
GM/家具の下敷きになった体から、フッと何かが出てくる。笑顔の子どもが実体化し、君らの前に現れた。「僕達、体をいっぱい動かしたいな……だってずっと動けなかったんだもん」
恐一/……子どもと遊んであげれば消えるんじゃないか、コイツら。
GM/「ねえ、みんなでいっしょに……チャンバラしよう!」子どもは3体います。キャハハと宙に浮く子どももいるね。さあ、遊んであげようか!

 ●戦闘/1ターン目
GM/子どもの敏捷値は3です。普通に戦闘描写でこなしてくれればいいよ。
勇規/判った、じゃあ子どもAに近付いて……効くかどうか判らない【格闘】で蹴ってみる。(ころころ)成功、8点!
GM/バスッ、イサッキーが蹴り上げると、A君に当たります。けど痛がる様子はなくキャッキャと喜んでる。
優斗/僕も前に行くか……Bにいきます!(ころころ)……ギリギリ大失敗じゃない。ゴメン、今日は調子悪いみたいだ!(笑)
昌幸/それじゃ……怪光線2をAに。(ころころ)成功、9のダメージです。
恐一/キョウジたんでCに行きます。(ころころ)……失敗です。
望彦/では、【霊能力】エーテルフィストをAにいくよ。(ころころ)ギリギリ成功、ダメージ11点!
GM/あはははと少年達はくるくる回りながら君達の元にやって来るよ。……では、Aはイサッキーに(ころころ)失敗。Bが優斗に(ころころ)8点ダメージ。最後のCはオッサンに(ころころ)失敗だ!

 ●戦闘/2ターン目
勇規/Aをもう一回キックでいってみます。(ころころ)84で失敗、スカッ!
優斗/やったなー、お返しいくぞー!(ころころ)61でギリ失敗!
昌幸/怪光線2でAにいきます。(ころころ)93……でギリギリ普通の失敗!
恐一/さっきからみんな心臓に悪いな! 【霊能力】でエーテルナイフを出します!(ころころ)……失敗。多分子ども相手だからだな!
望彦/失敗続いてるなぁ。Aの方にいくよ。(ころころ)……11のダメージを、うわぁヤル気満々だ!(笑)
GM/ぷすん、Aはやられちゃった。「……ふふっ、私の為に頑張ってくれてるのね?」
望彦/ぎゃあああぁぁっ!(笑) どこから声が! 宝珠からか!? コワイコワイ!(笑)
GM/では残ったBが優斗に(ころころ)あ、クリットで14点ダメージ。Cはイサッキーに(ころころ)こっちは失敗だな。

 ●戦闘/3ターン目
勇規/今度はリボルバーをCにいきます。(ころころ)……98で大失敗だ。
GM/……えーと、『行動不能』だね。火薬の燃えカスが目に入ります、1D3ラウンド行動不能です。
恐一/痛いっ!(笑)王子、大丈夫か!
勇規/(ころころ)2ターン動けなくなります。……うわぁ、何やってんだ俺。
優斗/やーったなー! 相手をしてやる、Bに(ころころ)8点!
昌幸/こっちはC君にいく!(ころころ)……失敗、なんでだ。
恐一/今度こそエーテルナイフでいきます!(ころころ)ダメージは13点! 自分の目の前にいるCの相手をします。
望彦/そろそろ電撃の方がいいかな……全員目を瞑れ!(ころころ)あ、99で大失敗。
GM/【魔術】で大失敗か、普通にMP減らしてね。「お兄ちゃん? 何が起きるの? 目瞑るの? むぐ。目瞑ったよー?」
望彦/ぷしゅん……みい。うぎゃああ、このやろおぉっ!(笑)
GM/では少年達の番。Bは優斗に(ころころ)ダメージ5点。そしてオジサンに(ころころ)5点ダメージー!
恐一/よし、オジサン頑張っちゃうぞ! 受け止めちゃうからなー!

 ●戦闘/4ターン目
勇規/……目が痛くて動けません。
優斗/さーて、反撃いくか!(ころころ)失敗、ブゥンッ!
昌幸/Bに攻撃します!(ころころ)10……大成功! 電池の消費必要ないや、20のダメージ!
GM/「うわー、うきゅー。でもまだいかなーい」
恐一/さっき出したエーテルナイフでC君に、ガンバルオヤジ!(ころころ)よし05、大成功! やっちゃうぞ、28点!
GM/……そりゃあ、計算するまでもない大ダメージだな(笑) ホントにこの卓、大成功と大失敗が出まくるねえ?
恐一/魔王とエクスカリバーたんが相殺してんじゃ? ……いや、ちょっとさっきから当てられてイラッとしたんです。
優斗/お前、全然子ども好きじゃねえよ!(笑) ちなみにボク、そろそろ血ダラダラかも!
望彦/けどまだ次の部屋あるからね……MPを温存したい。行動待機します。
GM/「あれ、お兄さん来ないの来ないの?」じゃあ、目の前の優斗に(ころころ)10点のダメージ!

 ●戦闘/5ターン目

勇規/……行動不能です。イタイイタイ。
優斗/よーしやったね、これで最後だ!(ころころ)わ、03でクリットー! でもダメージ10点! 子ども好きだから!(笑)
昌幸/最後の一発いきまーす!(ころころ)36で成功、8点です!
GM/ビビビビビ……ぼふーっ。逝った!

優斗/あっはっは、満足したかい? そりゃ良かったー……血ダクダクで言うよ。
GM/「お兄ちゃん達、すっごく楽しかったよ! ずっと封印されてたから人来なくてつまんなかったんだ」
望彦/満足したなら上に行きなよ。あっちに行けばいっぱい仲間がいると思うぞ。子どもの頭を撫でておきます。
GM/「うん、ありがと。じゃあ上に行くね……バイバーイ!」シュインッ。……その瞬間、貴方達が見えていた笑顔の少年達も、潰された少年達の姿も消える。
勇規/……バイバイの声がしたところで目を開けます(笑) 宝玉は緑になってる?
GM/なってるよ。……じゃあそこに「ごきげんよう……」
望彦/魔王から通信っ!?(笑) な、なんでしょうか?
GM/……特に意味は無いわ
望彦/そうなの!?(笑) ……あの、緑の部屋まで来ました。でもあと3つぐらい残ってます。
GM/「えー、まだそこなのぉ? ちゃんと生きてるのアンタぁ?」……さっき聞こえた声がいきなり変わったよ。
望彦/え? ……あ、管理人の方……ミオさんだっけ?
GM/「死んでもらうと困るの。こっちも処理とかしなきゃいけないんだから。変に傷とか負って帰ってこないでよね、手当てするの大変だし!」
恐一/……だから女は嫌なんだ! 自分のことしか考えない!(笑)
望彦/わり。でも今は大丈夫、なんとかな。
GM/「……まっ。帰ってきて鍋とかするんだったら手伝いぐらいはしてあげるわ。早く帰って来なさい」
望彦/……もしかしてツンデレ?(笑) でも鍋は嬉しいかも。だから、テキトーに待っててくれよ。
GM/「……じゃあ、頑張って……うふふふふふ」
望彦/ヒイィッ!?(笑) ハイ、ガンバリマス! 頑張らせて頂きます!(笑)


 ★魔王城/青の部屋


GM/お隣は、青い部屋です。もうカッテは判ってきたよね?
勇規/今度は俺が掠り傷一つ負ってないから前に出るよ。いきなり開けちゃっていいな……コンコンガチャ。
望彦/ノックして返事待たずに開けた!(笑)
GM/きっと素だ(笑) ……ではイサッキーが開いた扉の先は、とても良い色のブルーです。
恐一/ああ、海行きてぇーっ!
昌幸/……男だけで? それはムサすぎる!(笑) オッサン、そっちの気もあるんじゃ!
恐一/違う、俺には幼女がいる!(笑) 子どもは愛でるものだ!
昌幸/ホントに犯罪者になる気かオッサン!(笑)
GM/――まぁ、それはともかく。青い部屋に入ってみるとやはり先に扉があります。その前に聞こえてくる声は……。

 3は3。9は2。8は2。5は4。4は5。
 じゃあ、6は?


勇規/今度は数学……?
昌幸/……俺、大学院卒だけど判らないよ。そんな頭の柔らかい人じゃないし!
優斗/(カリカリと何度か計算し)……あ、判った判った! 漢数字の画数だ!
恐一/画数……あっ、そうか!
優斗/6は何、だから……答えは『4』。合ってる?
GM/「……見事なり」。優斗が叫ぶと、ガチャリと先の扉が開いたような気がした。
勇規/よし。じゃあ扉を開けます。これはまたコンコンガチャリと――もうクセなんだと思うんだコレ。
GM/紳士的なんだか判らない、せめて返事を待とうよ!(笑)……では、部屋の中に入ると、そこには真っ青な顔。
恐一/うっ?
GM/真っ青な女性が、包丁を自分の首に突き立てている――【恐怖判定】プラス10%!
望彦/(ころころ)大失敗、2枚ください! 魔王の加護がぁー!
勇規/(ころころ)83でなんか失敗。
優斗昌幸恐一/(ころころ)成功!
GM/三日原くんとイサッキーは固まる。……奥を見れば色々倒れている者達。立っている女性は自分の首をザクッ、ガスッ、ザスッ! まだ、まだ、まだ……ザク、ザク。「マダ、逝ケナイ」
恐一/……逝ってますよ、お姉さん!
GM/ガス、ガスッ、女はずっとその行為を繰り返している。……自分の首を刺し飽きたら、倒れている人の方へブンッと包丁を投げつける。ザクッと血が弾け飛び……包丁を引っこ抜いて、再度ガスガス自分の首を刺し始める。そして、そっちの方を向き……。
優斗/……戦闘か!

 ●戦闘/1ターン目
GM/敵は1体のみで、敏捷値は6。女が凶器を持ってやって来ます。
勇規/リボルバーいきます!(ころころ)……ああ、84で失敗。
優斗/前行って斬りかかります!(ころころ)97……ハイハイ大失敗だー!
GM/うわあ……『武器を落とす』だね。ボトッと落ちる優斗の斧。拾うには1ターンかかるよ。
昌幸/怪光線2いきます!(ころころ)成功、ダメージ7点!
恐一/はい、キョウジたんでシメまーす!(ころころ)57で失敗……キョウジたんが拗ねちゃったみたいです、さっきからこの数字しか出ません!(笑)
GM/じゃオッサンまでいったら先にコッチの番かな。(ころころ)優斗に12のダメージ、ザクリ!
優斗/グッ! ……結構デカイ、けどまだ大丈夫……そっちのMPを温存するためにもね。
望彦/ヤバくなったらすぐ言えよ……だから俺は行動放棄。MPがそろそろヤバイんだ、申し訳ない!

 ●戦闘/2ターン目
勇規/優斗がヤバイみたいだから俺が壁になりに前に出て、リボルバー!(ころころ)88で失敗……。
優斗/落とした武器を拾います。よいしょっと。
昌幸/怪光線いきます……頼むぜ!(ころころ)成功、8点ダメージ!
恐一/キョウジたんのご機嫌を伺いつつ、斬る!(ころころ)59で失敗……さっきより機嫌悪くなってます!(笑)
GM/では女は(ころころ)イサッキーに6点で切りつけ、ガシュッ! ……それでターンエンドでいいのかな?
望彦/はい……今回も俺は放棄するよ。

 ●戦闘/3ターン目
勇規/リボルバーいきます!(ころころ)63で成功、なんか久々だよ……13点ダメージです!
優斗/斧拾ったので斬りかかるよ、でや!(ころころ)88で、失敗。
昌幸/怪光線2ー!(ころころ)77で失敗……しかも次は電池入れなきゃだ!
恐一/キョウジたーん、いいかげん機嫌を直しておくれ!(ころころ)成功、10点ダメージです!
GM/うーん、全体的に失敗多いなぁ……イサッキーに攻撃!(ころころ)10点ダメージをザックザック!
望彦/……こちら、行動放棄。ゴメン!

 ●戦闘/4ターン目。
勇規/女を、リボルバーで撃つ!(ころころ)……81で普通の失敗。
優斗/せーの!(ころころ)成功、5点ダメージだ!
昌幸/電池交換のターンです。ガチャリッ!
恐一/キョウジたん、今の調子で頑張っておくれー!(ころころ)……69で失敗です。
GM/また標的を変えようかな。(ころころ)優斗に、6点ダメージ!
望彦/……うう、行動放棄します!

 ●戦闘/5ターン目
勇規/お前、いってくれ!(ころころ)……撃ったけど、失敗。
優斗/斧で切りに行くよ!(ころころ)……03? 大成功で24ダメージだよコノヤロー!(笑)
恐一/逝ったかな? そろそろ逝ってくれ!
GM/(暫し計算)……うん、逝ったよ。意外に混戦になったね。
一同/やったーっ!

GM/倒れた女性は、一番最初の部屋の人のように浄化され……霧になったかのように消えていく。暫くすると部屋には跡形も無くなる。
優斗/……戦闘続きがキッツイなぁ! 誰か応急処置してくれ。
昌幸/【医療手当】もするけどそろそろ……何個も使ってたから医療箱が足りなくなってきたぞ! エクスカリバーたん、来てくれー!
GM/呼ばれましたか。じゃあ、ポスッ。「……えっとえっと? 今からスーパーで鍋の具を買いに行くつもりだったけど、なぁに?」
昌幸/医療箱を十個ぐらい買ってきて! 百$、ちゃんと払うから!
勇規/同じくこっちにも十個! アイスでも買ってきていいから。
GM/「うん、判った! ハーゲンダッツを買ってくるね、鍋に入れよーっと!」
恐一/いやいやいや入れない!(笑) 闇鍋やるんだったら別の具材でな!(笑)
勇規/ハーゲンダッツはハーゲンダッツだけで楽しむ方がいいと思うんだ(笑)


 ★魔王城/赤の部屋


GM/――さてさて、4番目の部屋に辿り着きました。色は、赤い扉だよ。
優斗/今さっき回復してもらったから入るけど……『中に入ったら炎』、だったら嫌だね。
望彦/どっちかって言うと血まみれか? ……何に入ります。
GM/では、……中は真っ赤な目の痛い部屋だ。炎や血はないけど一面真っ赤だからチカチカするね。……そして毎度の如く声が聞こえてくるよ。

 私は小さい。
 nを被れば、何もできない、何もいない。
 zを被れば、いなくなり、白くなり、巻き付ける。
 bを被れば、貴方にもある、みんなにもある、無ければ動けぬ。
 私はなんだ?


優斗/……辞書を出せ! 流石に頭の中に英和辞書は無い!
勇規/えーと、コレは『小さい』を意味する単語にnやzやbをくっつければ『私』になる……ってことか?
望彦/まぁ、多分ね……でも、何だコレ?
恐一/またイタイことをすればヒント貰えるんだよな? オッサンはもうそれ要員でいきます! ……部屋は男ですか女ですか?
勇規/……赤いからヒーローかもしれないよ。
恐一/【交渉】いくぜ。――赤はヒーローの色だよな! なあ、お前だってヒーローの端くれだろ? 情熱の赤だろ? 燃える情熱だろ! 燃える赤だろ!(笑) 正義心で俺達に教えてくれることってないのかなっ? 俺達……三日原を助ける為に頑張ってるんだよ!
GM/……はい、そこまで言ってくれたので【交渉】判定お願いします。これで失敗したら意味ないよ(笑)
恐一/(ころころ)よし、成功だ……美中年の力でどうにか成功! 一向に尊敬の視線は集められないけどな!(笑)
GM/「はは、仕方ねえな……ヒントだけど。シャレを言うなら『入り江』、『腕』、『犬』だぜ」
恐一/……入り江と腕と犬?
GM/「あっ、コレはあくまでシャレだからな? 本気で考えるんじゃないぞ?」
恐一/ありがとう赤! 俺、お前と友達になれる気がするよ!
GM/「……ハイハイワロスワロス」他に色々恥ずかしいことする人いない?
勇規/……【手がかり】でヒントを探す。
GM/何も無い空間でイサッキーがガサゴソしだした!?(笑)「やっ、やめろよアハハハハ!」……赤はくすぐられた。判定を。
勇規/くすぐったかりして何か吐くかもしれない。(ころころ)けど、失敗だ。
昌幸/じゃ、俺もくすぐる!(笑) 【分析力】で頭の良さで「ここが一番くすぐったいんじゃないか」探ります!(ころころ)あ、でも失敗だ!
GM/「アハハや、やめっ、アハハハハそこはあはは……ゲフッ!」(笑)
優斗/……お前、赤のクセに頭良いことやってんじゃねーよ! 時給いくらなんだよ!?(笑)
GM/「うるせえっ! コッチは好きで壁に埋め込まれてるんじゃねーんだ! 何度も知力判定で我慢して言わないようにしてんだぞ! 緑の部屋のオッサンに騙されてだな……ああ殴りてえあのオッサンっ!」
望彦/……なんか、メタな会話が飛び交ってるような(笑)
GM/――それでは、時間制限がきました。……ガチャリと自動的に扉が開きます。
優斗/……はあ、しゃーない。答えは判らないままだけど先に行こう。
GM/扉が勝手に開き、中から……バアアアアアと黒いモノが流れてくる。……ごそり、うぞりうぞりうぞり……。
昌幸/……何なんですか?
GM/……流れてくるものは、蝿だ。蝿、蝿、蝿……みっしりと部屋中床一面に蝿! 【恐怖判定】マイナス30%!
恐一/うえっ!(ころころ)97で大失敗!
一同/(ころころ)成功!
GM/では、うぞぞぞぞ……と蝿達が動く中、その中央に……真っ黒く動く影が2つ。蝿にまみれた男が二人、うにょりうにょりと骨も無いような動きで襲いかかってくる! 真っ赤が真っ黒に変わってなり……。先程の答えは、『ONE』です。
優斗/……ああっ! 『NONE』で『ZONE』か!
望彦/あー、最後が『BONE』……で、シャレが『入り江=湾』『腕=わん』『イヌ=ワン』!
GM/残念だったね。――それじゃちょっと戦闘でもマイナス面を追加した状態で、戦闘開始! うにょうにょは敏捷値5だよ!

 ●戦闘/1ターン目
勇規/アイツらに近付きたくないのでリボルバーいきます! Aに(ころころ)失敗です……。
優斗/続いて攻撃いきます!(ころころ)成功、ヤル気なくダメージ6点!
昌幸/怪光線いきまーす、Aに!(ころころ)残念、失敗。
恐一/前に出てキョウジたん頑張りまーす!(ころころ)00……大失敗。
GM/大失敗か……『仲間に命中』。どう考えてもその仲間は前に出たんだから優斗だよね。けど回避はオッケーだよ。
恐一/す、すまん優斗!(ころころ)ダメージ9点……!
優斗/……うん、俺もオッサン殴りたくなった!(笑)
GM/「ああ、オッサンって嫌だよね……」と、どっからか声(笑)
恐一/あれ、赤い子とシンクロした!?(笑) いいよいいよ、オッサンはオッサンでオッサンと仲良くなるから!(笑)
GM/では目の前にいるので、Aは優斗に(ころころ)6点ダメージ。Bはオッサンに(ころころ)5点ダメージを!
恐一/回避しまーす!(ころころ)だ、大失敗……な、なんで! えっぐえっぐ!
GM/大失敗表……オッサンは、『衝突』した。体をさばいた先に仲間がいました。仲間と衝突し、双方とも転倒します。バタッ。
優斗/あははははははっ! 後で覚えておけオッサンー!(笑)
望彦/……知ーらない、俺知ーらない!(笑) みんな、目を瞑れ……電撃いくぞ。(ころころ)全員に、殺意満々10点!
GM/……なあ。なんか、君だけが絶好調だよね。
恐一/魔王様のご加護だから仕方ないんですよ。

 ●戦闘/2ターン目
勇規/近付いてAにリボルバー2発目いきまーす。(ころころ)……95で、ハイハイ大失敗!
望彦/……もしや、俺が吸い取ってる?(笑) 魔王城だからっ!
GM/今度はイサッキーが大失敗表か。……『武器故障』、修理するまで再び使うことができません。
勇規/どうしよ、殴りに行こうかな! 殴るぞー!
優斗/ハイハイ、オッサン踏みつけて立ち上がる。よいしょっと!
恐一/そこは耐える!(笑) 自分が悪いから耐えるぞー!
昌幸/怪光線2、いきます……エクスカリバーたんご加護をー!(ころころ)成功、Aに6のダメージ!
恐一/……背中に足跡ベッタリ付いてるけど立ち上がります。
GM/ではいきますよ。(ころころ)優斗に6点、Bも(ころころ)優斗に。
優斗/(ころころ)よし、2回目はクリティカル回避!
望彦/良かった、じゃあ全員目ぇ瞑れ!(ころころ)電撃成功、ダメージは2匹に7点! バリバリィッ!

 ●戦闘/3ターン目
勇規/蹴ります! 魔王ご加護を!(ころころ)83で……あれ、魔王って言ったのがいけなかった?
優斗/ボクは目の前を切るよ。(ころころ)成功、5ダメージ……どうだ!
GM/……やられた、Aは消え去るよ。
昌幸/怪光線2、いきます!(ころころ)83で失敗……。
恐一/キョウジたんでいきまーす。なあキョウジたん頑張ってくれよ!(ころころ)59で失敗……また機嫌悪いみたいです。キョウジたんは五十代の男が好きらしいな!(笑)
GM/お前のことはタイプじゃないよだって。……では、最後の1匹は(ころころ)イサッキーは8のダメージ。ガスッ。
望彦/……MPがもう無い、行動放棄します!

 ●戦闘/4ターン目
勇規/蹴りに行きます!(ころころ)13で……ギリギリ普通の成功です、8点ダメージ!
優斗/(ころころ)成功、あーダメだダメージ6点!
昌幸/電池交換です……オッサンいけ!
恐一/キョウジィィ、俺頑張って渋くなるよーっ!(ころころ)30で成功!(笑)ダメージは9点、ヤッタネ!
GM/「そうか……渋くなるか、男になれキョウイチ!」(笑) ……逝ったよ。2つが消えたとき、貴方達の周りをまとっていた蝿も一気にいなくなりました。

望彦/……これで4つクリアした訳だけど。宝玉に赤い光が……って、今どんな状態?
GM/黄色と緑と青と赤が混ぜ合わさってる状態。
優斗/混ざってる! どんどんヤバイ状態に(笑)……じゃあ、最後の部屋に行こうか。


 ★無色の部屋


GM/――最後の部屋の扉には、色は無い。無色透明で……だけど、扉に何かを入れ込むところがあるね。
恐一/あー……アレじゃないか。宝玉をここに入れ込むんじゃ?
望彦/ヤバイ色になっている宝玉を入れ込みます。かぽんっ!
GM/すると、……ゴゴゴゴゴと地響きと共に最後の扉が開き出す!
優斗/あーあ、地獄への門を開いちゃった(笑) でもしょうがないから行くよー。一体なんだー?
GM/その先には、……鬼がいる。
望彦/……オニ、ですか?
GM/君達の頭にぽーんと思い浮かんだ言葉がある。……『閻魔様』?
一同/エンマサマぁ!?(笑)
GM/あ、一応【恐怖判定】プラス10%してね。地獄にいるアレが目の前にいるんだから。デデーンと玉座に座っている閻魔様は、舌を取る機材をジャッコンジャッコンとしてますよ。
望彦/(ころころ)02で成功……俺、凄い納得しちゃった!?(笑)
優斗昌幸恐一/(ころころ)成功。
勇規/(ころころ)95で大失敗しました! でも魔王の現住所だからね……こんなもんか?
昌幸/ど、どうも……お邪魔しまーす? あの、なんで閻魔様がこんな所に?(笑)
GM/「……話せば長い話になるんだが」
望彦/……はあ。
GM/「この辺りは磁場が悪いねん。だから魔王から『すいません。大王クラスの人、封印を手伝ってくれませんか?』と言われ……ぶっちゃけ言うと派遣社員だ
望彦/そういうもんなんだ、アッチの世界も!?(笑) ……えっと、給料はいくらぐらいなんでしょうか?
GM/「そ、そういうのは聞くなよ……日本だって今のご時世、色々あるじゃないか。年金だって貰えるか判らないし」
昌幸/あ、そうですね。失礼しました!(笑) ところで我々はその磁場の狂いを直す為というか、魔王に頼まれて来たんですけど……どうすればいいんですか?
GM/「ああ、そのことならもう終わっている。お前らがさっきまでの他の部屋でやってくれたことによりこの地の居心地が非常に良くなったぞ。……儂らも怨霊とかそういう騒ぎのものは良いものだと思っておらんのだがな」
恐一/まぁ、閻魔様は裁く立場ですし……?
GM/というのも、『セカイたんが許すもの』の話になりますが。
  @一般人  A能力者  B霊・マレビト
  C怨霊   D超越的存在

 セカイたんは一般人を容認し、能力者もまぁ目を瞑ってやります。霊能力はちょっと嫌だけどね。Bの霊達も大きなことさえしなければ許してやろう。……けどそれ以上のものは基本的に却下です。Dになったら認知できる問題じゃないからけどね。閻魔様はBに値します。雪女はBとCの間かな? ブラウニーはBだけどゴブリンは明らかにCだし。
優斗/ああ、ゴブリンは明らかに悪意があったしな。
GM/「それでだな、派遣社員として儂もここを監視していたが、お前らが色々やってくれたおかげでラクになったんだ。もうこの地は良くなったと言えるだろう」
昌幸/じ、じゃあもう……呪いは無くなったんですか?
GM/「そうだ。お前はこのアパートの呪いの部分である4つを退治した……これでアパートは浄化されたことになる。あとの面倒な処理は儂に任せて帰るがいい……が」
望彦/が?
GM/「帰る前に、我が問いに答えよ」
優斗/……げっ。
GM/「そう嫌な顔をするな。……これは、謎解きでも言葉戯びでもない。そなたらの答えを言うがよい」

 そなたらは、何故生きる?

GM/「どう時を刻もうが、そなたらはいずれ死す。ならば、死に執着する者達の糧とならぬのは何故か? そなたらの声を聞こう」
勇規/……うー。
優斗/……これ、正解とかあるの?
GM/さあね。だけど閻魔様は嘘は嫌いだよ。「さあ。そちよ、答えんか」
望彦/……正直、俺は幽霊とかから目を背けて生きてきた。生きるとか死ぬとかそういうものに目を背けてきた。けど、今回色々あって……仲間達が頑張って自分の運命変えようとしているのを見て……自分はともかく、コイツらを放っておけないから手伝っていたりしてたけど……生きることに必死になっている、頑張っているのは、本当に一般的な人間としても、能力者としても輝いてるんだなって思った。それに……どうせだから、自分もそんな風に変われたらなって最近じゃそう思うようになった。……ちょっと答えとは違うかもしれないけど、これは今の気持ちだよ。
GM/「……それがそなたの気持ちか」
望彦/うん。
GM/「これは、答えたことが答えなのだ。――宜しかろう」……そう閻魔様が言うと、三日原くんはフッとその場から消え去ります。
昌幸/あ……っ。
GM/つまりは、帰るためにはそういうことなのですよ。「……さて、そちの答えを聞こう」
優斗/あー。僕はそんな難しいことは考えてないよ。生きられるなら生きた方がいいじゃん? 生きるって辛いことも苦しいことも嬉しいことも悲しいことも嫌なことも楽しいことも嬉しいことも、生きてなきゃ全部できないじゃん! ……っていうコトだから、生きられるなら生きた方がいい、お得だよねってこと! ……あとはね、悪さしてる霊って生理的に嫌なんだよね。それが僕の宿命だし! 僕は、生き方を邪魔されるのは嫌。だから抗う、それだけ。
恐一/……俺自体は幽霊を悪いものだと思ってないし、だから死ぬことに関してもあまりマイナス面に考えてない。俺の親父は俺の周りをフヨフヨしてるしな、うざいくらいに……。それに俺の生きる理由なんてものは、姪っ子の為だ。どうせ伴侶もいないですし!(笑) ……とりあえず、アイツが犯罪者になるのだけは止めなきゃいけない。そんなことが出来るのは俺だけだ。
GM/「……宜しかろう。それがそなたらの生き方なのだな」――フッと優斗とオッサンはそこから姿を消す。二人で仲良く答えちゃったから二人で飛んでいきましたよ(笑)「……では、どうかなそちは?」
昌幸/じゃあ、俺から先に。……人間は確かにいつか死ぬけど、どうせいつか死ぬなら今のうちになるべく努力して生きていきたいと思うんだよ。色々俺は、両親や兄貴達……今こうやって行動してる奴らに世話になってる。その世話になった奴らに、行動で返したいんだよ。そのお礼をするためには生きてなきゃいけないから、俺は生きたいと思うんだ。……そんだけです」
GM/「……そのまま、突き進むのだな?」
昌幸/はい。
GM/「……良い。では、生き続けろ」閻魔様が言うと、シュンッと村上くんもその場から消えます。……そして、最後だ。
勇規/うーん……。
GM/「答えろ、そなたの答えを」
勇規/……なんか色々聞いて色々考えてるんだけど、人間って……結局いつ死ぬかって判らない。でもどう死んだって結局同じような気もするんだよね。でも……どうせ生きるんだったら許されるまで自分の好きなように生きたいし、生きてるうちにしか出来ないことをいっぱいやりたい。あと……折角この間運命変えてもらったんだ。妹と……今まで無かった十年間を過ごしてみたけど、やっぱ後から与えられた記憶は変な感じがする。だからこれからちゃんとミツキと生きていきたいと思うし……それに、母さんのところの子どもとまた会ってあげたい。
GM/「ああ、……生きているのだから必ず逢えるであろう」
勇規/……逢える?
GM/「逢えるとも。その通りに生きてみろ」――そして、フッと貴方もここからいなくなるのでした。


 ★アパート前


GM/地上に帰ってきたのは、夜手前ぐらいでしょうか。……うんしょ、うんしょと幼女がビール瓶持って歩いています。
恐一/ひょいっとな、瓶を持ってやる。
GM/「あっ、ありがとー。ビールも鍋に入れるんだよね?」
昌幸/入れない入れない!(笑) 基本的に混ぜるな危険だから!
優斗/……あのさ、エクスカリバーたん。これで救われたの?
GM/「ん? だって、スッキリしてるんじゃない? ……言いたいこと言ってきてさ。みんなで気持ちを吐いてきたんでしょ?」
望彦/まぁ……うーん。スズちゃんはどこにいる?
GM/じゃあ、直ぐに現れますよ。「あー、バッテリー上げるのメンドイんだけどー。……って、やっと帰ってきたのアンタぁ?」
望彦/今はミオさんか?
GM/「……こっち来なさいよ。トリートぐらいなら出来るからやってあげるわ」
望彦/……あのさ、ミオさん。
GM/「なによ?」
望彦/……俺、喋りやすい方でいてほしいんだ。そっちの方が話しやすい。
GM/「あのね……アンタビビりすぎなのよ! 普通にスズだって話したがってるの、スズの気持ち考えてあげなさいよ!」
望彦/だ、だけど……(笑)
GM/「あっちもお嫁に行きたがってるから、さっさと貰ってあげなさいっ!」
望彦/そのことに関してスズちゃんにはちゃんと話すから! ミオさんはミオさんでどうなんだよ! ……あ、言っちゃった?(笑)
GM/……うわ。ラブコメ?
恐一/「二人とも含めてお前が好きだよ」って言えよ!(笑) 全部受け止めてあげるよ的な感じで!(笑)
勇規/……なにこれ。二人以外にも何人、中にいるのか判らないのに。
昌幸/……オッサーン、俺らはネギとか白滝とか買いに行こうか?
優斗/この時間で安い所知ってるよ。何にする、海鮮鍋にしようか?
昌幸/あとは鳥とかさ……もうなんでもいいじゃん、鍋ってそういうもんだし!(笑)
GM/「ビールとハーゲンダッツならいっぱい買ってきたんだよ?」
恐一/ビールとハーゲンダッツしか買ってないのか!?(笑) それは冷蔵庫に入れておけ、ダッシュで車で行くぞ!
GM/……そうして。みんなはこの後、楽しく鍋の準備をし、美味しい美味しい鍋を食べるのでした。めでたしめでたし――。


 ★夜


望彦/はー、美味かったー! オッサン、この米の残り貰っていいんだよな……本当に!
恐一/ああ、構わないぞ……おい村上、食器洗っておけ!
昌幸/えぇ!? なんで俺が、ごしごしっ!(笑)
優斗/オッサーン、僕もちょっとだけ中身貰っていくよ。ウチ、赤貧だからさー。
勇規/……あ、家族に電話したっけ?
GM/電話したでしょ、みんなで揃って夕食にしたんだから。
恐一/じゃあ、サキと一緒に作ったチョコパウンドケーキをデザートに持ってくる。今度こそ半生じゃないやつな!
望彦/(ぱくっと口にして)……甘っ!(笑) 寧ろジャリジャリいってるぞ、コレ!
昌幸/オッサン、糖尿になるぞ? メタボリックいくぞ!(笑)
恐一/オッサンのは特に凄い勢いで砂糖が入ってるんだよ。チョコを混ぜる時点で砂糖を練り込んでいくからな!(笑)
望彦/ワイルドっていうか、大雑把っていうか……(笑)
勇規/っていうかオッサンって、ちゃんと料理できるんだ?
恐一/一人暮らしだし。気が付けば配偶者がいないのは俺だけだよ!
望彦/だってオッサンは幼女にしか興味が無いんだろ!(笑)
恐一/興味が無い訳じゃねえ、幼女以外が怖いだけだ!(笑) 三日原は最終的には『両手に花』になりやがって! 成人した女を相手にできるだけいいじゃないか!
望彦/毒しかないじゃん!(笑) それにイヤな言い方すんな、イヤらしいよ!
GM/なんて可哀相な四十三歳。――じゃあそろそろオヒラキにするか。みんなで帰りましょうか……外に出よう。
望彦/あ、じゃあ俺も……みんなを見送りに外に出る。
GM/では6人揃って、真っ暗な外に出ましょう。……そこは、まだ桜が咲き、花がいくつも咲いているアパートの庭。「ねえ、……お花のお話をしましょうか……」
昌幸/お花の話?
GM/桜の木の近くに、赤い花が咲いているね。「そう……、ここは……花が沢山ある」今までのセッションでも花が何度か出ていたと思うんだけど。
恐一/赤い花? ……何だ、あれ。
GM/「……貴方達にとっては縁起の良い花よ」そういやアレは、……十年前の某お屋敷にもあったな。
望彦/あそこにも? ……何の花だ。
GM/このアパートだけじゃない。この街自体にこの花がいくつか咲いているのかもね、……椿の花だ。
勇規/……つばき?
恐一/椿って、どっちかって言うと悪い印象の方が強くないか? 首がボトリと落ちるから入院患者にはプレゼントしないって言うだろ。
GM/「そうね……でも『生きる誇り』って椿は言うわ……それにね、赤色の椿の花言葉には……こんな言葉があるの……『我が運命は君の掌の中にあり』」。
望彦/へえ、カッコイイ……っていうか、暗示的だなぁ!
GM/「貴方達は様々なものを勝ち取ってきた。だからこの花は貴方達にピッタリ……」――その瞬間、貴方達は感じた。絶対的な霊気を!
昌幸/え。これ、って!?
恐一/な、なんか、寒いんだが……っ!?
GM/シンと静まりかえる夜。――とん、とんとん。
勇規/……何の音?
GM/足音だ。――とん、とん、とん。
望彦/……どこから?
GM/あっちの道から、トントン、トン――霊気もあちらからする。
優斗/ふ、普通のもんじゃないよな……パッと足音の方向を見る!
GM/トントントン、トントン――「こんにちは」
望彦/……誰だ?
GM/道の先には小学生がいます。……男の子が、いるね。
昌幸/……君は? こんな遅くに何してるの?
GM/「えーと。塾帰りなんです、ボク」リュックサックを背負っているね。「お兄さん方は、真夜中に出て不良ですね」
恐一/大人だからな。……キョウジたんを構えて、刃を目の前まで近付ける!
GM/「わっ、怖いからヤメてくださいよ」
昌幸/……普通じゃない! 君は……っ。
GM/「不良さん達も、こんな夜遅くに出歩いていたら危ないですよ。今のところこの街では何も起きてませんが、夜は危険だって先生達はいつも言ってます。そのうち起きるんじゃないですか……『一家惨殺』とか『投身自殺』とか『刺殺事件』とか」
優斗/……なんだって?
望彦/……君は、誰? 何者だ!
GM/「ボクは、愉快な子どもです」――ここで全員【敏捷力】【意志力】【運】、どれでも好きなものを判定! イサッキーにはプラス10%ボーナス!
勇規/【敏捷力】で(ころころ)プラスを貰ったのに失敗だ……。
恐一/【意志力】で!(ころころ)大成功、相当ガキがムカついたようです!
望彦/【意志力】で(ころころ)成功!
優斗/【敏捷力】(ころころ)成功。
昌幸/【意志力】で……(ころころ)ダメだ、失敗!
GM/失敗した人はイサッキーとマー君か……じゃあ「0になっちゃえ!」――二人の体がミシリと凍る、MPダメージ12!
勇規/グッ!?
昌幸/なんだぁっ!?
GM/「……お兄さん達は、とてもヒドイことをしました。ボクが知らないところでもっとヒドイことをしている。いっぱいいっぱい……あるモノ、消してるよね?」
望彦/……消しているというか、成仏させただけだ。
優斗/というか、戻してるだけだよ! 在るべき姿を在るべき姿に戻して何が悪い。
GM/「悪いですよ。ボク、『友達百人できるかな』って歌、好きなんです。百人仲間がいたら素敵じゃないですか……少子化だから人間が少ないのは仕方ないし、人が直ぐに死んじゃう世の中ですからね」
恐一/それは性格の問題じゃないのか? どんな歪んだ妄想だ……怨霊なんて本当に友達じゃねえだろっ。
優斗/ホント、バッカじゃないの! ……っていうか、僕のカノジョの友達を唆したのはお前だろ!
GM/「ん、どのコトかな? 前行った志木駅のことを言ってるのかなぁ……ボクは友達を増やしてるだけなんですよ。――だから友達を消す貴方達をボクは認めない。ボクはしあわせに、みんなといっしょになるために……いっぱいいっぱい……だからっ!」
恐一/他人の存在に迷惑かけるような奴は許さねえ、このクソガキ!
勇規/……お前は、何なんだ。
GM/――ふと、勇規くんの方を向きニコリと笑った。
勇規/え……?
優斗/……あっ!
望彦/あー……っ!
GM/「では、いきなり夜遅くにごめんなさい。ボクは帰らせて頂きます。――貴方達がみんなを消すなら、こっちも貴方達を消す。これから本気で消しにかかりたいと思います!」
勇規/あ、おい……っ!
GM/「じゃあね、お兄ちゃん達――」フッと少年の姿は闇に溶け込み、消え去ります。
優斗/……エクスカリバーたん、今の何っ!
GM/――スッと剣の姿になって現れます。「……あのね、三日原くんに……そしてみんなに謝りたいことがあったの」
望彦/なんだよ……?
GM/「今さっきはみんな、幸せそうだったから言わないでいたけれど……私は志木駅で、貴方達にあることを言った。三日原くんはあることで凄く腹が立っていたわね。……途中で『彼女』が『わからない』と言って突っかかったことがあったのを覚えてる? ……そして私も、超越的な存在を『わからない』と言った。その時は、本当に『何』が関与しているのかとわからなかった。何も持たずにあそこに立っていただけだから……。でも今は判る。実際に違う時代で見てきたからね。貴方達も判る筈。
 ……アレは、『生きてる怨霊』よ!」