ゴーストハンター02・リプレイ・パラドックスの椿
■ 第2話 『くろいなみだ』 ■
2007年5月24日




 ダアンッ!
 衝撃。確かな衝撃。なのに、『そんな音はしなかった』。
「いたっ、なに、いたい……!」
 痛みが身体中を襲う。特に、肩。まるで車に突っ込まれたかのよう……だけど? 隣には女の子がうずくまっていた。大変だ、血を吐いてる……いや、唇を切っただけ? どっちにしても怪我人だ!
「い、今、救急車呼ぶから……って痛っ! だ、だれかー! 救急車呼んでー! そこの車、停まってー!」
 少女は自らの身体を庇いながら、呟く。呟き続ける。

「……ごめんなさい、ごめんなさい、……わたし、わる……い……ごめ、んなさ…………」


 ★オープニング/村上昌幸


 ちゅんちゅん、というスズメの声。窓からはサンシャイン……そんなごく普通の朝。カレンダーは、四月六日金曜日。
 そして村上昌幸が殺されたのは、四月八日の朝――。


GM/おはよう、君は自分の部屋にいる。そう、君は『世界の特例』により、自分が死ぬ2日前にやってきた……。
昌幸/う、うう……俺が殺されたのは、2日後の朝?
GM/「ここは二〇〇七年四月六日午前八時の世界。貴方は覚えているわね、自分が両親と共に悲惨な結末を迎えたこと、自分と同じ境遇にいた4人の男の名前を……」どこからともなく声がする。
昌幸/目を開けます。その声は……。
GM/キミのパソコンに剣が刺さっている。
昌幸/ええぇーっ!?(笑) え、え、え……エクスカリバー?
GM/「……」
昌幸/エクスカリバー……たん?(笑)
GM/「うんおはよう、村上昌幸くん!」剣が、パソコンを抉りながらお辞儀をします。
昌幸/実際は刺さってないんだろうけど精神的に宜しくない!(笑) ……その、エクスカリバーたん。2日前にいるってことは。
GM/「貴方の人生はセカイたんの意思に反して2日後に『殺されるイベント』を作られてしまった。四月八日、午前八時十五分に貴方は死んだわ。元々の寿命とは早まって、世界が認めない誤った死を迎えた。貴方は……いや、貴方を含む5人は誤った死を止めることができる。それに貴方が生き残るということは、貴方以降に誤って死んでしまった人達も助けられるってことよ」
昌幸/ああ……そいつをとっとと倒した方がいいってことだな。
GM/「けれど、このまま2日間待っても2日後の朝にこの家で奴らが現れるとは限らない。今ごく普通に私と話をしている、それだけで貴方の過ごした四月六日と違う運命を辿っているの」
昌幸/八日までここで待っていても大人しく奴が現れるとは限らない……と?
GM/「ええ。貴方が今までと違う動きをしている以上、貴方を取り巻く環境は変わっていく。だから別のやり方で奴は貴方を殺しにかかるかもしれない」
昌幸/必ず台所に現れるとは限らないなら……どうやって見付ければいいんだ。エクスカリバー……たん(笑)
GM/「そこまで状況が判ってくれてるなら安心ね。私は直接、死に触れ合うことはできないけど多少なりとも情報を分け与えることはできる」剣がぴょんぴょん飛び跳ねます。「――じゃあ、みんなと集まってからってことにするから、みどりハイツに向かいましょう。そこが一番基地らしい基地になるんでしょうから」……実家暮らしとオンボロアパートよりはいいよね?
昌幸/……またあの埃くさくてヤニっぽい親父臭のする所に行かなきゃいけないのか。
恐一/(いきなり現れて)文句言うんだったら片付けに来ればいい! こっちは仕事で忙しいんだコノヤロー!(笑)
昌幸/うるせえ(笑) まずは朝ご飯食べようか、1階に下ります。
GM/1階のリビングに行くと、そこはごく普通の朝の風景だ。テーブルには朝ご飯があり、新聞を読んでいる父や準備をしている母がいる。「おはよう、マー君。今日はどこに行ってみる?」
昌幸/あ……ゴメン、職探しは今日は後で。友達と会うことになってるんだ。
GM/「あらそうなの、そうね……就活にも息抜きが必要ね!」(笑)
昌幸/そうそう、今日一日ちょっと出かけてくるよ……家を出ます。
GM/じゃあエクスカリバーたんは君のリュックに刺さってようか。……あ、頭に刺さっていい?
昌幸/トラウマ蘇るからやめて!(笑) リュックのポジションもどうかと思うんだ!
恐一/お母さんには見えてないけど霊感の強い近所の奥様が「まあ、あそこの息子さんったらあんなものを刺して……!」とか言うぞ(笑)
望彦/(いきなり近所の奥様になって)え、そんなもの無いわよ。何言ってらっしゃるの?(笑)
恐一/(近所の奥様になって)そんなぁ、確かにあそこに剣が!(笑)
昌幸/お、おはようございまーす!(笑) 今日も良い天気ですね〜。
GM/「おはようございまーすっ」ってエクスカリバーたんも霊感の強いおばさんに挨拶したり(笑)
恐一/(近所の奥様になって)ええっ!? け、剣が剣がっ!(笑)
望彦/(近所の奥様になって)おはよう、村上さんちの昌幸くん……って、もうどうなさったんですか〜(笑)
GM/幸いにも村上くんのお母さんには見えなかったようだね(笑) ……では、みどりハイツに向かっている最中、エクスカリバーたんが声をかけてくるよ。「あ、村上くん」
昌幸/なに? ……あくまで普通に歩きながら受け答えるよ。
GM/「……この事件を解決するにあたって一つ、役に立つかもしれない情報をあげる」
昌幸/……なに。
GM/「もう過ぎてしまった時間だけど。――四月六日、午前七時。……この街、新座市で女性と子どもが『腕を捻られて』怪我した事件が起きたわ。そう、まだ怪我しただけよ……」


 ★みどりハイツ


GM/志木駅東口から十五分。高層マンションのひとつ、みどりハイツ……青森の自宅に集まります。他の4人もみどりハイツに現れてくれ。……好き勝手演出しちゃっていいよ?(笑)
優斗/朝のうちに母さんに学校に出ないことは言っておくよ。今日取材の予定入っちゃったんだ、だから先生の方に言い訳しておいて!
望彦/(優斗の母になって)あらそうなの、わかったわ。……優斗はウチの生活費に貢献してるんだから頑張ってもらわないと!
優斗/奨学生だから学校にもちゃんと出なきゃだけどね……ったく、誰かウチの父ちゃんどうにかしてよ!
望彦/(優斗の母になって)あの人はもう私にはおえないわ! 前帰ってきたのはいつだったかしらねぇ(笑) ……えっと、父ちゃんって何してんの?
優斗/うちの父ちゃんはカメラマンです。世界中ぴょんぴょん飛び回ってます……ぶっちゃけ売れてません。そのせいで赤貧です!(笑) でも、夢を求めて旅をしているのはなんだかんだ心の底では嫌ってないよ。兄ちゃんは二人ともちゃんと自立してるし、僕も頑張らなきゃ。じゃ、行ってきまーす……って斧をバックにつめて出ます。
恐一/俺はマンションで待ってます。……ああ、今日アイツラ来んだっけ……。昨日も飲んでたんで頭が痛いとかボヤいてます。
望彦/おっさーん! 来たよー、入ーれてー! ピンポンドンドン!
恐一/……うっせえなあ、さっさと入れよ。
望彦/ねーねー、お腹空いたんだけどー。冷蔵庫、勝手に開ける(笑)
勇規/……オッサン、この本棚、なに?
恐一/あー、勝手に見ていいから!
昌幸/……あぁっ、こっちゴミ出しっぱなし! 掃除しますよ、オッサンも埃とか埃とか埃とかあるんだから整理したらどうですか!
恐一/いいじゃねーか俺の部屋なんだから……煙草すぱー(笑)
昌幸/こらっ、また吸いカス溜めてー!(笑)
GM/仲良く冷蔵庫あさったり本棚あさったり掃除し出したりしてんのかな。じゃあエクスカリバーたんはテレビに刺さってよう。ざく。
恐一/コラァッ、電気製品じゃなくてせめて本棚にしてくれ!(笑)
GM/「……」。ずぶずぶずぶ。
恐一/更に刺さった!(笑) 本当に影響ないんだよな!?(笑)
昌幸/……なあ、エクスカリバーたん。なぜ君は刺さるんだ?(笑)
GM/「だってエクスカリバーだもん。……っていうかこうやってると落ち着くのよね」
勇規/くつろぎモード? でも抜かれた後なんだしいいんじゃ?
GM/「いや、これはあくまで私の趣味だから。――じゃあ、真面目な話でもしようかしら?」ちょっとテレビから出てきて喋り出す。「村上くんの死についてちょっと調べてみたわ。村上くんは凶器による一刀両断されて、お母さんは体が捻れ飛んで、お父さんはめった打ち。世間的には後日、通り魔による猟奇殺人として公表されたわ」
優斗/ああ……アレってやっぱ昌幸兄ちゃんのところの話だったんだ。一家惨殺事件って噂で聞いたな。
昌幸/あ、ああ……。朝起きて1階に降りたら、父さんが……。
GM/「貴方が覚えているのは頭をスイカ割りされるまでだけど、その後に色々されたんじゃないかしら?」
昌幸/う……は、早くシバきましょうそいつ! ……そういや、さっき来る時に言ってたこと事件って?
勇規/テレビ付ける。パッ。
恐一/……俺の家なんだが自由過ぎないかお前ら(笑)
勇規/だって、事件ならニュース見るべきだろ。……喉乾いたんだけどビールないの?
恐一/お前らが飲むなら俺も飲むぞ!(笑)
昌幸/朝っぱらから何言ってんですか!(笑) とりあえずニュース見ますよニュース!
GM/ではニュースがやってますね。次のニュースに参りましょう、ってアナウンサーさんが事務的に話してる。「……轢き逃げです」
優斗/……轢き逃げっ?
GM/「明朝、新座市野火止にて学童を含む2名が軽自動車との接触。軽傷を負う事故が発生――。狭い道路での自動車との接触事故と見られていますが、市内の大学に通う二十一歳の女性は肩を脱臼し――」
昌幸/学童含む2名……エクスカリバーたんが言ってた事件か。表向き、轢き逃げってことになってるんだな。
GM/画面が変わります。さっきまではアナウンサーが映ってたけど今度は現場だ。新座市野火止……林で、道路が狭く、川越通りの入り口でもある交通量の多い場所が映し出されてる。
恐一/……事故が起きてもおかしくない場所か。
GM/暫くライブ映像が出た後、今度は接触事故に遭った女性らしき人が出る。顔より下にカメラ視点をおいて、高い声でインタビューを受けている。「えっとー、狭い通路だったんですけど、車がやって来てなかったと思うんですよー、距離が結構あったしはねられるとは思わなかったんですけどー……おかしいんですよ。でも実際に肩外れちゃったみたいですしー、私だけじゃなくて隣の小学生の子も……」結構、支離滅裂。画面では2行ぐらいでまとめられちゃってるけどね。
優斗/女性は混乱しており……みたいな?
GM/ええ。――ではここで里山くんのみ【意志力】で思い出し判定プラス20%。
勇規/え?(ころころ)91……さすがだ、俺。
GM/流石って!(笑) では、里山くんは「俺、この人を見たことある」と思った。
勇規/……え?
GM/君の所属している推理小説愛好会の部長……斎木サユリじゃないか? 貴方はふとそう思っただけ。
優斗/変なとこで繋がった。勇規兄ちゃんならあの人に会えるじゃん。
望彦/凄い偶然だな、じゃあ部長に会って話を聞くことも……。
GM/ではまた映像が切り替わって、コメンテイナーさんの画面になる。「おそらく、急な事故によるショックで直前の記憶があやふやになってしまったのですね。轢き逃げの際に勝手にその時の記憶を作り替えるというケースは無意識のうちにやってしまうものなのですー……」次に北朝霞でトラック事故が、と違うニュースになる。
昌幸/轢き逃げとかでよくあるよな……「あっちが近寄ってきたんだよー!」とか「気付いたら倒れてた」とか。
GM/……そこで、エクスカリバーたんが画面を見て呟く。「脱臼ねえ……あの肩、捻っているかも」
望彦/捻っているかも? ……【魔術】で思い出してみるか。(ころころ)成功したけど、そんな人体破壊系の魔術ってある?
GM/確かに攻撃系魔術として似たようなものはあるよ。けれど、三日原くんはさっきの映像を見て「なんとなく直感的に誰かによる魔術ではない」と感じた。
恐一/じゃあ俺は【霊能力】で考えてみよう。(ころころ)成功。
GM/……オッサンは『霊によるもの』のような気がした。誰かの仕業か……と直感的に思う。――さて、現在時刻は十時過ぎ。情報収集をスタートしようか。


 ★情報収集パート/1


勇規/とりあえず俺は、大学に行って被害者本人……部長に会ってくるよ。何か話が聞けるかもしれない。
優斗/僕は現場に行って【手がかり】と【魔術】で調べてこようかな。
望彦/こちらは【人脈/オカルト研究者】を使って「こんな事件を起こす怨霊がいないか」訊いてみようと思う。
恐一/俺はだな、【人脈/女警視】に会って訊いてくる。……名前は『矢野ミツル』で、ミッチーと呼んであげてください(笑)
昌幸/呼んだらキレると思うよ。俺はオッサンのサポートとツッコミします。
GM/了解。……では、皆がみどりハイツを出る前にエクスカリバーたんが止めるよ。「あんまり大きな干渉はできないけど、私も何か調べようか?」
優斗/マジで? じゃあ……『今回の件と、四月八日の件は同じなのか』調べてくれないか?
GM/「いいけど。……もう少し優しい声で私の名前、呼んで」
優斗/……。エクスカリバーたん!
昌幸/お願いできないかな、エクスカリバー……たん!(笑)
勇規/(甘え声で)エクスカリバー、たん……。
望彦/(低く口説くような声で)エクスカリバーたぁん……。
恐一/(絶叫して)エクスカリバアタアアンッ!(笑)
GM/「おっけーい。あー、おもしろかったー」パッと光になって剣は消えます。
昌幸/……なんか、遊ばれてないか俺達?(笑)


 ★情報収集1/三日原望彦


GM/では最初に、三日原くん。……貴方のコネのオカルト研究者さんは、どこにいるんですか?
望彦/えっとですねー……俺のアパートの2階です。
GM/近っ!(笑) ……ということで、貴方は家に帰ってきました。名前は何ていうの?
望彦/えっと、じゃあ『切咲スズ』で。ボロアパートの2階の部屋の前に来て……コンコン!
GM/「……入ってます……」
望彦/……。い、いやいやいや!?(笑) 入ってるなら開けていいの悪いの!?
GM/「……」
望彦/……。
GM/……うふふ、えっち……
望彦/いやいやいやいや!?(笑) ヤダな、そんな人の部屋に入るの! 入っていいんだよね、開けるよ!?
GM/「いいわよ、貴方だったら……」ドアに手を掛けると、ギ、ギギギ、ギギャアー。
望彦/なんでそんな音!?(笑) そりゃボロアパートだけどさ! 失礼しまーす……。
GM/中には、黒髪で白い肌でちょっと可愛いゴスっぽい女性がいます。ウサギのぬいぐるみを抱きながら「なぁに、三日原くん……?」
望彦/えっと、話いいかな? 正座して座ります。
GM/ガション。
望彦/……。何やったの、今?
GM/「……何もやってないって、この子は言ってるわ……」
一同/なにー!?(笑)
望彦/が、頑張るよ俺! とりあえずエクスカリバーたんで時間逆行は伏せておいて……腕を捻ったりする妖怪変化や霊的なものに心当たりはない?
GM/「ある」
一同/……早っ!(笑)
望彦/し、知ってるなら教えてくれないか? 女の子が二人襲われたみたいで、それについて調べてるんだ……。
GM/ぬいぐるみを撫でながら「……ウサギさん、苦しかったでしょうね……。そうだ、三日原くんが探したいもの……適格に教えてあげましょうか……?」
望彦/……そうしてくれると助かる。
GM/ではここで【魔術】か【神秘学】で判定してくれ。成功したら手に入る情報にプラスをやろう。
望彦/了解、てやっ!(ころころ)……クリティカルだキタコレ!
GM/おおっ! それじゃスズちゃんは言う……「貴方の電波、とても心地よいわ……
一同/うわあああぁっ!(爆笑)
望彦/うわあ、やっちまったかも俺ー!?(笑)
GM/「私もその電波に受け応えるべきね……それが運命。じゃあ貴方が捜したい怨霊、特別に教えてあげる……『コクルイ』について
望彦/……え、『コクルイ』?
GM/「コクルイとは、悲痛の怨霊……目の穴からおぞましいものを垂れ流すの。涙は涙でも、闇色」
望彦/……黒い涙ってことか?
GM/「涙と一言で表すのは容易いわ。闇色の涙とは、悲劇を通り越した辛さを表したもの。コクルイは……『オノオ』と呼ばれる妖怪の一つとも思われるわ。日本の妖怪事典にも載ってるわね……そして、都市伝説の一つ『ベッドの下の男』も」
望彦/あ、あれか! ベッドの下にいて、友人が外に出したがっているからついていったら外で友人が……「ベッドの下の男がいたのよ!」ってやつ!?
GM/その通り、日本語で『斧男』と言います。……これは都市伝説なので実在する人物や事件の言い伝えではございません。ベッドの下に住む殺人鬼という話……平穏な生活をしている者への妨害、『平静から暴落したトラップ』の代表例なのです。
望彦/……平穏な生活?
GM/「平穏な生活を何かに妨害されると、何も無かった空間にポッと負のオーラが出るわ。それは悪霊の目から見て、目立ってしまうもの。その瞬間的に出た負のオーラを好んで食す怨霊が、コクルイと呼ばれるもの……」
昌幸/ああ……。
GM/「コクルイに襲われる人達は、順調に生活をしていたのに突発的にトラブルがあって、挫折した……しそうになったってことがあるの。何か思いつくかしら?」
恐一/……村上が『大学院をやめ職を探すハメになった』こととか?
昌幸/ああっ、俺を陥れたあの学会のクソジジイども……!(笑)
望彦/平和な生活に突如現れた負の波動に反応し食らう……目立ったところを食べに来る妖怪……か。一発でだいぶ判ったな、こんなに出してくれてありがとう。
恐一/だってクリティカルだから。……その分、スズちゃんとの絆も深まったよ!(笑)
望彦/いやいやいや!(笑) ……あ、お、俺はこのへんで……また来るから!
GM/「そう……貴方を待ってるわ、また来世……」
望彦/来世!?(笑) 失礼しました! コワイコワイえっぐえっぐ!(笑) ……しかし、目からドボドボ黒いものが出てくるのか。遭ったら【恐怖判定】確定だな。 


 ★情報収集1/里山勇規


GM/では次のシーンは勇規くん。……貴方は部長に連絡すれば直ぐにコンタクトが取れるでしょう。部長はクラブハウスの部室にいるよ。
勇規/会いに行きますよ。おーい、部長さん。
GM/部室の方では、サユリさんを取り囲んでる女子達。「大丈夫だった?」「怪我したなら休めばいいのに」「じゃあそろそろ私達は授業行くねー」……そんな話が終わり、周りの子達が部室から出ていく。
勇規/声を掛けます。部長さん……今日の事件、大丈夫だった?
GM/君の生きてる時の記憶通り、元気な部長さんがいるよ。「うん、けど結構有名になってるね。やっぱテレビ出ちゃったのがヤバかったかなー。でも顔から半分は見えなかった筈なんだけどな」
勇規/まあ……同じ部活いるんだし見れば判るじゃん。
GM/そんなサユリさんは、肩に包帯を巻いているのか一部もっこり膨れあがっている。「事故が起きちゃったのも私がぼーっとしていたからね。……いや、そんなことはない筈なんだけど……うーん」
勇規/……ちょっと訊きたいことがあるんだけど、いいか? 今朝の事件、何か気になったことない?
GM/それを訊かれて、サユリさんは真面目な顔になる。「……実は、今朝のこと、私おかしいと思ってる。確かにあそこは車通りは多いけれど、車が来たとは思えないの……だって、私と一緒に女の子まで巻き込んだんだよ?」
勇規/……続けて轢かれたのか?
GM/「違う。確かに近くに女の子はいた。けど『視界内に入ってた』だけで、そんなに近くなかったの! なのに車が続けて轢くのって無理があると思わない?」
勇規/……もうちょっと詳しく教えてもらえないか?
GM/サユリさんも不審に思ってたのか、正直に話します。「私が歩いているすぐ近くに、登校している小学生の子が歩いていたの。それで、歩いていたらいきなり衝撃がして、肩がぐりって痛くて……気付いたら小学生の子も倒れてた。急いで道路に出て助けを呼んだんだけど、その時には車がいなかったわ!」
勇規/……その女の子は、知ってる人?
GM/「ううん、知らない子。でも北野の住宅地の方にある小学校に通っている子じゃないかな……だって登校中だったんだから。私は方が脱臼程度で済んだけど、その子は凄く痛そうで……泣いてたし」
勇規/そりゃ事故に遭ったんだからな……その子、生きてるよな?
GM/「一緒に病院に行ったわ。泣いていたけどちゃんと対応できるいい子だったよ。事故でショックを受けていたみたいだけど、普段はハキハキ喋りそうな印象のある子だったし……」
勇規/……そういや、部長はさ。事故の前になんか変なことはなかった? 変わったことというか、気になることというか……。
GM/「変なこと? ……大変なことは、続いてるね」
勇規/それ、聞かせてくれないか。
GM/……少し、表情が曇ります。「でもそれは、……今のと関係ないわよ」これ以上訊きたいのなら【交渉】してください。
勇規/【交渉】スキルなんて取ってないです、【魅力】素振りかな? 45以下で……(ころころ)50、失敗。
GM/じゃあダメだ。サユリさんは君を拒否る。「私の考えてるのは家庭の問題だから、話さない方がいいわよ」
勇規/そっかあ……でも何かあったっていうのは確定だな?
GM/「あ、あと変と言えば記憶が曖昧になって……」――では、GMを言いくるめられるのであれば他のスキルでも情報聞き出し可能にするよ?
勇規/交渉以外のスキルで? ……使えるのって言ったら、【鍵開け】ぐらいしかないぞ。
恐一/心の鍵開け!?(笑)「俺、お前のことが心配なんだよ!」って?(笑)
優斗/もし悩んでいる子が目の前にいたら君は何て言う? しかもそれが親しい部長さんだぞ!(笑)
望彦/彼女の心の扉を開けるんだ!(笑) GM、どうだ?
GM/勇規くん本人がいっぱいロールしてくれるのなら可能にするよ(笑)
昌幸/心のままに言うんだ! 美形オーラを使って!(笑)
一同/(いきなり声を揃えて)美・形! 美・形!
GM/……いいな、このイジメ(笑) じゃあ【美形+10】と【鍵開け】で認めるけど、どうかな?
勇規/……了解。じゃあもう一度。(声をひそめて)――やっぱ気になるから聞かせてくれないか、サユリさん? ……急に名前呼びにしてみる。
一同/うわあっ!(笑)
GM/今、GMがキュンとしたぞ!(笑)
勇規/最近なんか悩み事、あるの? 俺で良かったらさ、ちゃんと相談乗るよ。
GM/「うーん、ちょっとね。でも男の子にはちょっと……えーと」
勇規/いや、いいよ。何かあったらいつでも俺に相談してくれよな。……俺、サユリのことけっこう好きだし。
一同/……呼び捨て!?(笑)
昌幸/「部長→サユリさん→サユリ」って一日にどれだけ進展してるんだ!(笑)
勇規/じゃ、判定いきます。(ころころ)06、……クリティカル?
GM/しかも好印象だ! やっべ、ちょっとトキめいちゃった!(笑)「ホントに、判りづらい話になるけど……私のお母さんがね、病気になっちゃって」
勇規/……え。
GM/「凄く元気な人で、病気なんかならないと思っていたけど、お仕事も一時中断する形になって……乳ガンなの」
勇規/……ああ。
GM/「今まで元気だったから告知されて、不意を突かれた感じで。家族中ショック受けちゃって……だって癌だもん」
勇規/……。
GM/「でも! 乳ガンってちゃんと治療したらなくなる病気って聞いたから大丈夫。直ぐに解決するらしいんだ。末期の癌ですって言われた訳じゃないし、……逆に私はお母さんに振り向ける良い機会になったかなって思ってる」
勇規/……今は薬でも治療できるようになったっていうし。大変だけど、それほど深く悩むほどのもんじゃないよ。
GM/「うん、今度ある手術さえ終わっちゃえば大丈夫って言われてる。だから大丈夫!」……ちょっと泣きそうだけど、凄く前向きな目をして彼女は言う。……そこで貴方は、思い出した。
勇規/ん?
GM/貴方が死ぬ前の話。この子……あんまり悩んでるふりなかったぞ? 4月の後半の彼女は、何か気を病んでいる節は無かった……。
勇規/俺が死ぬ前には解決していた? ……ちゃんと、手術成功したんだ。
優斗/きっと悩み、解けたんだね。……悩みを打ち明けられたんだぜ、何か返さなきゃ!(笑)
勇規/え? うん、わかった。……告白でもするか。
一同/いきなり!?(笑)
勇規/いつでも俺に相談してくれよな。好きなんだしさ、変な話しちゃって俺は全然構わないから。
GM/「う、うん、判った……里山くん、ありがとう」……ちょっと照れて、メガネの奥で涙目のサユリさん。――こうなったらボーナスだ、里山くんに人脈に一つあげましょう、【人脈/ディレッタント斎木サユリ】を!
優斗/おぉっ!?(笑)
GM/ディレッタントというのは趣味人ですな。推理小説愛好会の部長ということで、刑事よりは劣るが雑学に長けているコネクションを差し上げましょう。……こんなのあげるつもりはなかったんだけど、ここまでやってくれたらねえ?(笑)
恐一/今のは確実に恋愛フラグですから!
望彦/いいな、俺よりもマトモなフラグ!(笑)
優斗/……でも勇規兄ちゃん。(キャラクターシートを見て)【配偶者/いる】じゃなかったっけ?
昌幸/ヤバイ、二股!?(笑) ……いや、これが「未来のカノジョ」なんじゃ?
GM/なるほど。このキャラシは里山くんが死ぬ前のデータでもある訳だから、「配偶者はそのときにはいた」になるんだね。
勇規/ああ、なるほど、繋がった……?
一同/(ぱちぱちと拍手)しあわせになれよー!(笑)


 ★情報収集1/青森恐一&村上昌幸


GM/では、青森&村上ペア。野火止の周辺に来ました。そこにはコートを羽織った厳格そうな女警視が何人か警察官を従えて捜査をしている。……名前は何だっけ?
恐一/よう、ミっちゃーん! ひっさしぶりー!
GM/ああん!?」……思いっきりその声に嫌そうな顔をする(笑)
昌幸/……オッサン、ドン引きされてますよ(笑)
恐一/なんだよ、嫌そうな顔するなよ! つれねーなー。
GM/「なんだ青森、こんな時間にブラついて空き缶でも拾ってるのか? ……そっちの子は? カツアゲでもしたか?」
恐一/してません!(笑) コイツは好青年! 俺についてきてくれてるんだ。
昌幸/行儀良くお辞儀しておきます。初めまして、村上昌幸といいます。今、この人の手伝いをしているところなんです。何かしでかしたらとことんツッコんでいきますんで安心してください。
GM/「……青森、イイコに拾われたな」
恐一/なんだその反応!?(笑) ……それよりミっちゃん、今朝あった事件について訊きたい。教えろ。
GM/コネなので教えますよ。もしコネじゃないのに刑事さんに教えろやって言ったら【交渉】が必要になるけどね。「またお前のことだから何かに首突っ込んでるんだな」
恐一/ああ、そういうこった。
GM/「……四月六日、推定時刻は午前七時五分。その十五分前後に救急車が出動した。女性2人が野火止角で引っかけられたと思われるが、なんとも表現ができない状況だ。女子大生は混乱しているみたいだし、女子児童は病院に運ばれた後、安静にしろと言われた」
恐一/被害者2人の名前は判るか?
GM/勿論判る。「小岩井大学3年の斎木サユリと、野火止小学校3年の田村ケイコだ」
恐一/……サキと同じぐらいか。現場にブレーキ痕はなかったのか?
GM/「そう……けれど女子児童と女子大生の現場はちょっと距離があるんだな、これが。同時に轢かれたにしてもブレーキ痕がないのはおかしいし……」それを聞いてオッサンは、『車など人の力によって起こされたものの線は低い』……と感じた。
恐一/オカルト的なものか。……多分俺、警察では判らないことを幽霊に聞いて流したりしたことがあるんだな。どこから来たか判らないけど情報を垂れ流す変なオッサンです。だって幽霊とお友達だから!
GM/なにそのサイコメトラー(笑)「お前が首を突っ込んできたってことは、ソレ絡み?」
恐一/まーな、その線が高い。
GM/「あー……。村上くんだっけ、このオッサンに関わってるとロクなことがないぞ」
昌幸/いえ、俺がどんどんツッコんでいって更正させますから!
GM/「うわー、青森もイイコに拾われたねぇ!」
恐一/俺は捨て犬か!(笑) もうお前に何も教えないぞ!?
勇規/……捨て犬だったらまだ可愛いよね。
恐一/そこ、悲しいこと言わない!(笑) じゃあ次に、田村ケイコが運ばれた病院を訊こう。教えてくれよ。
GM/「病院って言ったってこの街は2つぐらしかないだろ。……新座志木病院だ」と、ミっちゃんは確定した場所を教えてあげます。
恐一/……あれ、なんか【人脈/女医】も出そうな気配?(笑)
GM/「ケイコちゃんは結構大人びたイイコだから……引っかけるんじゃないぞ、青森」
昌幸/大丈夫です、もし何かあったら俺が全力で止めます!
GM/「ありがとう、よろしく。君の活躍を期待してる!」(笑)
昌幸/はいっ!(笑)
恐一/……お前ら、ホントに俺をなんだと思ってる!?(笑)


 ★情報収集1/浅霧優斗


GM/ではお昼前の最後のパートだ。浅霧くんはひとり、野火止角に来た。警察官やマスコミはもういない……というのも、ここは交通量が多いのに道自体は狭いんだ。早く復旧しないといけなかったみたい。ちなみに近くに神社があったり平林寺っていう大きなお寺があったりと、木が多く暗い印象を受ける。
優斗/単なる接触事故だしキープアウトも無いか。じゃ、早速【手がかり】で何か無いか探すよ!(ころころ)……02でクリティカルだ。
GM/……さっきからクリティカル、多いね。
優斗/エクスカリバーたんが加護をくれたんじゃない? ……ああ、今回のマスコットはちゃんと加護をくれる!(笑)

 今までのマスコットの例:ムーミん様。
 その他のマスコットの例:ブロッコリー。

GM/そんなエクスカリバーたんの光を受けつつ君は何かを捜す、と……とあるカードを発見した。落としてそんなに日が経っていないだろう、土の付き方だ。
優斗/カード? ……念のためハンカチを取り出して拾ってみる。
GM/それは警察も回収しないであろう、ごくありふれたものにも見える。落とされたのは……学童向け悩み相談カードだ。
優斗/……一応、読みます。
GM/「勉強・友達・いじめ、どんな些細な事も一人で背負い込まないで! なんでも相談乗ります。この電話番号に相談してね!」フリガナがふってある、いかにも小学生向けのものだ。
優斗/裏を見てみるけど、名前は書いてある?
GM/いいや、でも鉛筆で試し書きをされているような痕がある。……そういや、小学生のときって『シャーペン禁止令』ってなかった?
優斗/ああ、そういえば……。ニュースで「学童が」っていうのは聞いてたから気付く。……この子、何か悩んでいたのかな。
GM/突然だけどここで【知覚力】判定を!
優斗/おおっと!?(ころころ)……成功だっ!
GM/成功したか。――ミシリ。
優斗/んっ!?
GM/ミシ、……体が重く感じる。誰かに掴まれた……気がした?
優斗/振り払う!
GM/いいでしょう。振り返り、体を捩る。……それ以上は何事も無い。貴方は知覚判定に成功したので『何かをされる前に』それを取り払うことが出来た。
優斗/……違和感を感じただけでいい。魔術は関係ないって言われてるから……オッサンと合流しよう。
GM/了解です。オッサンと村上くんペアの位置から近いので、三人は合流してもいいことにします。
恐一/じゃあ、側にいる奴も拾って行くか〜……おーい、終わったぞー。そっちは収穫あったか?
優斗/……ああ、ヤバイ。何かに掴まれた気がするよ。
GM/では野火止に来た村上くん、【知覚力】プラス20%判定を!
昌幸/(ころころ)03、クリティカル成功! エクスカリバーたんアリガトウ!(笑)
GM/何なんだ、この卓。……では村上くんはパッと周囲を見渡す。……なんだろう、知っている気配がある気がする……。優斗の後ろにいたような気もするけど……もうここにはいない。
昌幸/……場所を移動した?
恐一/皆がざわつき始めたので、自分も【霊能力】で感知します!(ころころ)52で普通に成功。
GM/じゃあ、優斗が変な違和感に気付き、昌幸が変な違和感を見付け、それは何かをオッサンが調べた……。オッサンは思う。『何かが移動し、南の方角に向かっていった』と。
恐一/南って、どこだ……?
GM/……野火止北野の方向だ。


 ★情報収集パート/2


GM/それでは一度全員合流しよう。時刻は昼過ぎ。どこで集まる?
恐一/どっかのファミレスの中で昼食でもとるか。
GM/……確か北野近くにステーキハウスがあったね。そこで食事でもとろうか。
勇規/……男5人で食事か(笑)
望彦/とりあえず、魔の巣窟から手に入れた情報をみんなに話そう。……その怨霊は、実生活に影がある奴を狙うらしい。
昌幸/……だから俺、狙われたのか?
優斗/僕は拾ったカードをみんなに見せます。……つまり、その子も悩んでたってことだね。これからの予定だけど、女の子にコンタクトをとってみるのもいいな。……けど僕は、オカルト出版系の【人脈/女新聞記者】に連絡を入れて、そのコクルイについて調べて来ようと思うんだ。
恐一/だったら俺は病院にコネがあるから田村ケイコについて聞き出してくる。ついでに、女医の連絡先をゲットしようと思う!(笑)
GM/……コネなのに、まだ聞いてないの?(笑)
恐一/固定電話は聞いてるんだけどまだなんだよ……!(笑)
昌幸/俺はまたオッサンと一緒に行動。女医さんの所に行ってきます。
望彦/……今度は北野の方に行ってみようか。怨霊らしきものが北野の方向に移動したっていうし……もしかしたらコクルイの情報が掴めるかもしれない。
勇規/俺も北野に行く。二人で行動した方がいいだろうし。
GM/うん、全員行動方針はできたね? ……ではそんなところに、ぴょーんぴょーんぴょーん……。
優斗/んっ?
GM/優斗のステーキにドシュ!「訊かれたこと、答えにきたよー!」
優斗/うわあぁっ、【恐怖判定】!?(笑) エクスカリバーたん、ステーキの汁付いちゃうよ!?
GM/「四月六日と八日の事件が同一犯じゃないかって話……全く同じものだと考えていいわ! ついでに、七日の事件もね」
昌幸/……七日?
GM/「あの怨霊は、北野でゴハンを求めてる。……そのゴハンは7日に頂かれるみたい」
優斗/……北野でゴハンか。でも食べられる前に解決すれば、大丈夫だよね」
GM/「ええ。……一応私やセカイたん的には、村上くんの命を救ってもいいよって言ったけれど、他の命を救えるのに越したことはない。もっと早くにこの事件を解決すれば、ゴハンとして頂かれる人達の命も救えるってことね」
昌幸/これ以上食べられる奴を増やさないためにも早期解決が望まれるな……。今度はエクスカリバーたんに何を調べてもらおうか?
恐一/……女医さんはフリーですか!?
GM/「じゃ、それ調べてくるね」ぴょーんぴょーんぴょーんっ!
昌幸/こらああぁっ、ダメエエェッ! オッサン、俺の将来に関わることだろおぉっ!(笑) ……まあそんなオッサンになびかないと思うけどな(笑)


 ★情報収集2/浅霧優斗


GM/昼食が終わり、みんなと分かれます。……浅霧くんの知り合いの新聞記者さんってどこにいるの?
優斗/編集社で仕事してるね。隣町まで取りに行きます。
GM/志木駅で電車に乗って、北朝霞まで行くんだね。……でも電車乗るって嫌な記憶、蘇るよね。
優斗/……乗る前にぜーはー……ガタガタ、前後左右後ろ確認!(笑)
GM/端から見たらなにあの子。……でも無事、北朝霞の編集社まで辿り着き、女性新聞記者さんはいます。「あ、どうしたの。優斗くん?」
優斗/あのさ、都市伝説系を調べたいんだけどそういう資料ある?
GM/オカルト記事を書いてるぐらいの編集社さんなら資料が沢山あってもいいだろうね。「じゃあ、そこの資料の塊がそうだよ。調べてみなよ」
優斗/ありがとう。……じゃあ探しますよ。コクルイの弱点や、詳しい出現の仕方は無いかな?
GM/……コネによる情報収集は基本判定無しでいくから、調べられたことにしようか。パラパラ探すこと数分、浅霧くんは『オノオについて』の文面を発見した。
優斗/……読みます。
GM/『オノオとは、裕福で平穏な暮らしの中でポッと出た悪意を食す怨霊。その形は霊体でなく、身体を持つ彷徨えし者』……物体であるということが記されている。
優斗/ゲームシステム的なことを言えば、実体化していてHPダメージが入るってことか。
GM/そうだね。幽霊は幽霊でも、実体化しているしてないによってまたジャンル分けがされる。例えば、稲荷様は触ることができるね。けど、第1話で出てきた鬼火のようなものは基本的に形が無い。幽霊は殆ど実体化するまでに至らない。けど、悪霊になって強く、人を襲う感情に駆られた者は体を手にしてしまうこともある……。
優斗/……ともかく、コクルイはエンチャントがなくても倒せるな。
GM/主に出現すると言えば、……この子はグルメみたい。
優斗/グルメぇ?
GM/ええ、食を選びます。おいしいゴハンがあればそちらに行くし、良い匂いがするのを好み、大きなご馳走に向かいます。
優斗/……つまり、悩みがデカければデカいだけ行く?
GM/……もしくは、悩みがある人が集団でいるとかね。
恐一/……あ、俺達って……?
望彦/俺達が集団にいれば、単品よりオイシソウになるね。
恐一/死に瀕してるからな。悩みの度合いは「いじめられて死にたい……」じゃなくて、「俺ら死にそうなんだけど!」だから。
望彦/多分、天国に一番近いパーティーだね(笑)


 ★情報収集2/青森恐一&村上昌幸


GM/では病院に来たオッサンと村上くん。オッサンの【人脈/女医】に会うことができます。……名前は何だっけ?
恐一/柳レイコさん、です。
GM/いい名前だね。きっとウェーブ髪で、胸元あいてる女性だよ(笑)「あら青森さん。貴方が来るだなんて、どこか怪我でもしたの?」
恐一/いや。今朝の事件で担がれてきた『田村ケイコ』という女の子の住所を知りたいんだ。……その子の命に関わるかもしれない。
GM/「……何か事件を追ってるみたいね。見慣れないそっちの坊やは助手さんってところかしら」
昌幸/はい、初めまして。村上昌幸っていいます。オッサンにちゃんと目はつけておく係です。
GM/「ああ……拾われたのね」
恐一/お前もか! ここでも捨てられた老犬扱いなのか俺は!?
勇規/……犬なら可愛い方だよな。
恐一/まだ言うかお前!(笑) ……田村ケイコと接触したいんだ。なにか、家に行けるような用事はないか?
GM/「真剣な話みたいだから住所を教えてあげる……けど、本当はダメなのよ。貴方だから話すんだから、わかって?」
恐一/……きゅんっ。何かフラグ立った!(笑)
GM/「勘違いしないで。――今日は学校を休ませてるから家にいると思うわ。何を言われても答えられる子だと思うけど、相手は小学生だから脅さないでね」
昌幸/大丈夫です。……実際、怪我の感じはどうだったんですか?
GM/「打撲、というのかしら。女子大生の子は脱臼だったわ」……それを聞いた村上くんはピンときた。『斎木サユリは母のように捻り、田村ケイコは父のように打たれた』のでは……?
昌幸/ああ、そうか……二人とも、父さん達と同じだ。
恐一/……つーか、「ハキハキ喋る子」って言ってたな。だったらいじめなんて関係ないよな?
GM/それを聞いて、レイコさんは頷く。「そうね。治療している時は泣いていたけれど、あの子は強い子でしょう。ちょっと勝気過ぎるかもしれないから、小さなことでも折れそうな気もするけど……。でもいじめに遭うタイプに見えなかったわ」
恐一/……世間話的に、学校の話はしたか?
GM/「それが、あんまりしたがらないようだったから……学校でトラブルがあったのかしらね」ふう、と溜息をつきながらも田村ケイコの家の住所を書き記して、渡してくれます。「そろそろ私は仕事に戻るわ。何か他に質問はない?」
恐一/……メアド。
昌幸/いやぁ、本当にありがとうございました! 何かあったらまた尋ねるかもしれません、すいません! オッサンこっち来い!(笑)
恐一/ああ、大丈夫だ、俺にはエクスカリバーたんがいる!(笑) 何か情報持ってきてくれるに違いないーっ!(笑)


 ★情報収集2/三日原望彦&里山勇規


GM/一方その頃。……三日原くんと里山くんは北野に到着しました。先程のファミレスから数分の所だね。近くに小学校や住宅地があるよ。
望彦/確か怨霊はこっちの方に来たんだよな……【霊能力】で感知します。(ころころ)普通に成功。
GM/周りを見渡す三日原くん。普通に幽霊はどこでもいるものだが、……ヤケにこの辺、霊が多くないか?
望彦/多いのかっ? ……怨霊がいるってことか?
GM/そこで貴方は思い出す。『霊は、集合する習性がある。力が大きければそこに集まり、群れを成す性格がある』ということを。……そしてここは、三日原くんが見るからに下級霊が沢山見える。勇規くんも軽くなら銃を通して見ることができるだろうね。
望彦/……一匹捕まえて聞いてみるかな。セアンスするか?
優斗/セアンスすると本人の意識がなくなるから、聞けるのが勇規兄ちゃんだけになるけどね。
望彦/でもそっちが幽霊に質問してくれればいい。もし俺が暴走したら攻撃すればいなくなるから。
勇規/うん、わかった……やってみる。
望彦/人目の無いところに移動しつつ【霊能力】、セアンス使用します!(ころころ)成功。
GM/では三日原くんが念じる。目を瞑り、ふっと肩の力を抜くと……彼の中にスッと『何か』が入ってくる。ふらふらと、三日原くんの雰囲気が変わり――。「……なんじゃ? この体はピッチピチのお肌じゃのぅ」体も声も、三日原くんのものです。
勇規/……おじいさんになった? あの、ちょっと訊きたいことがあるんです。この辺で邪悪な幽霊はいませんか?
GM/「邪悪か。力が大きいものを指しているのなら……おるぞ」
勇規/そいつは今、どこに?
GM/「お腹を空かせて彷徨っておる……今にも喰いたいようじゃな。しかしまだ太陽が出ておる……基本的に幽霊が動きたがるのは、夕時と、夜から朝方にかけてだからのう……ここらに良いゴハンでもあったのか、探しているようじゃの」
望彦/……この辺でウロウロしてる? ここの人が狙われるのか?
GM/「誰を食べようかまでは儂は知らん。だがここを彷徨いてるということはこの辺で品定めしているのだろうな」
勇規/……なあ、そいつらがもっと好きそうなものとか判るか?
GM/「奴らが好きなものか? 生きている者は変わりないが、奴らの目的は『お腹いっぱい』になることかの。……エサがいっぱいあればいいんじゃないかのぉ」
勇規/……田村ケイコの家に行かなくても、5人でかたまって北野にいれば奴らは、来る?
GM/「ふぁー……久々にいっぱい喋ったのぉ。折角だからちょっとこの体、お借りしてもいいかの?」
勇規/ボロボロにしなかったらいいんじゃないですか。
望彦/……えぇっ!?(笑)
GM/「そーかそーか、では借りるぞー」……そりゃあああぁっ、バック転っ! ぐるんぐるんっ!(笑)
勇規/おー。(ぱちぱちと拍手)
GM/三日原くんが回転! シュタッ! グリコポーズで着地した時、……おじいさんはシュワーッと抜けていきましたとさ。
望彦/……俺、なにやってんの?(笑)
恐一/体力が無い子だから色々節々が痛いと思うよ(笑)


 ★情報収集パート/3


GM/まずは全員集まります。時刻は……そろそろ暗くなりつつある夜だ。どうする?
勇規/……アイツらは悪意の大きさによって寄ってくるものらしい。なら、俺達5人がかたまっていればきっと来るんじゃないか?
優斗/僕もそう思う。……地図をパッと開いて、野火止北野で思う存分戦える場所がないか探す! ありますかっ?
GM/あるよ。……この辺は住宅地で、近くに神社やお寺などもあるから自然があり、木が沢山ある。その中で……空き家を見付けた。
優斗/キュッと丸を付ける! ここに集まっておびき寄せよう! 5人もいるんだから確実に呼び寄せられる筈だよ!
望彦/だな。……で、暗いことを考えるんだ。
昌幸/お互い愚痴りあって……死に様でも自慢しあえば来るに違いない!(笑)
GM/嫌な光景だ(笑) ――ではでは、全員で空き家に行くことにしましょう。……その前に、シュインと全員の目の前に聖剣が現れる。「情報、持ってきたわよ」
恐一/おお……っ!(笑)
GM/『女医の柳レイコ』。年齢は二十九歳、若いけどちゃんと医者としての腕がある。どうやら恋人はいた……ぽいけれど別れたみたいね。同じ医者で一緒に働いている男性がいたらしいけど仕事が忙しくて破局しちゃったみたい。
恐一/細かい!(笑) しかしチャンスだ、【配偶者/いたが別れた】だな!(笑)
昌幸/……オッサンは無視して、空き家の方に向かいます。


 ★空き家


GM/夕方は過ぎ、日は落ち辺りは暗くなっていく。空き家に灯りはなく、近くの道路から見える車のライトが唯一の光だ。……そんな場所で冒険ごっこをしているように集まっている5人の男ども。
昌幸/なるべくネガティブなことを考えるんだ! 自分が死ぬ前のこととか考える!(笑)
GM/ええ、楽しく死に様を語っている――そんな夜。……道路の方で、とある話し声が聞こえてくる。
優斗/……誰だ?
GM/身構えることもない。ごく普通の小学生が何人か歩いて行くときのおしゃべりだ。夜だし、どうやら塾帰りみたいだね。「そういやこっちの方で事故があったらしいよ」「ああ。今日、先生達が騒いでいたよね」
望彦/……近くの小学生か。
GM/「それでさ、その事故に遭ったのって……田村らしいぜ?」「えっ。また田村かよ?」
優斗/……また?
GM/「また田村、問題起こしたんかよ」「いや、今日起こったのは交通事故だろ? 『また』って言うのはおかしくないか?」「そうだよな。嫌な事は続いて起こるって鈴木とかアイツとか佐藤とかも言ってたよなぁ……」
勇規/……そんな話し声を聞きつつも、武器の準備はしてるよ。
GM/よろしい。――では貴方達が武器を持ち、準備万端にしていると……ひゅっ……ひゅっ……とラップ音。全員にも判る、嫌な予感だ。
優斗/来たな。全員、心の準備!
GM/身構えると空き家の周辺には既に下級幽霊が集まっている! たとえ力が無い下級でも……それがあまりに量が多すぎて、貴方達は気付いたようだ
望彦/くそっ。あっちいけ、こっち見るな!
GM/その中で一際大きい力が現れる。ぽぅ……っと出てくるのは、ヒトガタをしていて……凶器を持った者。近寄ってきて、呟いた声が貴方達の耳に届く。「ソノ肉……ソノチカラ……ヨコセ……」――途端、ボロッと眼球が剥がれ落ちている姿が見える!
望彦/うっ……身構える!
GM/ドロッと垂れ落ちる闇色。恐怖、……ですが身構えるところから始めてくれたので、プラス10%【恐怖判定】!
優斗/(ころころ)よっしゃ、成功!
望彦/(ころころ)04、こんなんでビビるかー!
恐一/(ころころ)05、クリティカです!
勇規/(ころころ)69、失敗。
昌幸/(ころころ)成功だ。
GM/ドボドボと溢れ出る黒い涙。勇規くんだけ固まったね、――それでは戦闘開始!

 ●戦闘/1ターン目
GM/コクルイは3体。3体とも距離は二十メートルで、凶器を持っています。接近戦をするなら全力行動してから近寄ってください。こいつらの敏捷値は6です。
勇規/意識回復を!(ころころ)……失敗です。
優斗/勇規兄ちゃんより前に出て、真っ先にコクルイに近寄ります……こっちこいや!
昌幸/同じく、怪光線が届く十メートルまで近寄ります。
恐一/俺も、刀を持って全力で二十メートル近付きます!
GM/2人前に出てきてくれたんだね。じゃあコクルイAは優斗の方へ攻撃!(ころころ)失敗。次にコクルイBはオッサンへ。(ころころ)成功、ダメージは……。
恐一/(ころころ)うおっ! 回避が大成功です!
GM/あ、大成功ならダメージ無しだね。じゃあ、スッゴイ華麗にオッサンは避けた。……ならコクルイCは優斗に攻撃いくよ!(ころころ)00……大失敗した。武器を落としたよ。
望彦/やった、斧が落ちた! 今のうちにダメージ与えるぞ! 全員目を瞑れ、【魔術】電撃いきます!(ころころ)失敗……ぷしゅん。

 ●戦闘/2ターン目
勇規/意識を回復したいなぁ……(ころころ)失敗。まだピキーンって固まってます。
優斗/近付いたからその場で……【写真】とります。カチャッ!(ころころ)32で成功。ピンボケとかせずに撮れた……しかも間近だから凄い大迫力だよ!(笑)
昌幸/それじゃ、怪光線2を武器を落としたCさんに!(ころころ)15、成功……7のダメージ! ビィーム!
恐一/続けて、武器戦闘をキョウジたんにCに対して攻撃!(ころころ)成功、8のダメージ!
GM/ビィーム、その後にザシュッ! そんなコンボ……ってやっぱアンタらペアでいいじゃん?(笑)
昌幸/嫌です、こんなオッサンと!
GM/じゃあコクルイAは優斗に襲いかかる。(ころころ)失敗。では変わらずコクルイBはオッサンにアタック!(ころころ)成功、6のダメージ! Cは武器を拾い上げるので1ターン終わるね。
望彦/俺の番……さっきと同じやついくぞ! みんな、視線ズラして!(ころころ)……MP1点減らします。

 ●戦闘/3ターン目
勇規/回復を。(ころころ)……95、なんでかな失敗。
優斗/勇規兄ちゃん、大丈夫?(笑) 10メートル下がって勇規兄ちゃんに【魔術】奮起かけます。(ころころ)……あ、失敗した。
昌幸/こっちは変わらず怪光線いきまーす。(ころころ)ギリギリセーフ! ダメージは10!
恐一/こっちもオッサン武器戦闘!(ころころ)05で大成功……ダメージ2倍か!? Cさんに16点だー!
GM/ザシュッと村上&オッサン合体攻撃を食らって、Cは消滅! ……コクルイAは、浅霧くんがいなくなったのでオッサンの前に現れます。そして呪文を唱え始める!(ころころ)成功……貴方の方を向いて、ぐぐぐと動き出すと……目からぐにゅり、ボタボタと『中身』が出てくる。【恐怖判定】どうぞ。
恐一/ひい……間近に見てるからな。(ころころ)11なんで、成功!
GM/おお、貴方はおどろおどろしい光景を耐えきった。……次にコクルイBだが、コイツは普通に攻撃だ……オッサンに。(ころころ)4点のダメージ!
望彦/そろそろオッサン大丈夫かな……でも俺は撃つさ。みんな、目を瞑ってね。(ころころ)12、やっと成功……ってクリティカル? 全員に24点! 今まで攻撃できなかった鬱憤が出た!(笑)
GM/デカッ!(笑) まだ倒れないけどスッゴイ削れたぞ!

 ●戦闘/4ターン目
勇規/(ころころ)39、成功……やっと動ける。めんどくさいのでここからリボルバーで撃ちます!コクルイBに(ころころ)失敗。
恐一/オッサンの横を通り過ぎた、おっとっとぉ!(笑)
優斗/ハイハイ、もう一度前に出て……コクルイBに攻撃、往生せえ!(ころころ)04、クリティカル。18点! ちぇすとおおぉっ!
昌幸/さっきからみんな強いな。じゃあ俺もBにいきます。(ころころ)42で成功、ダメージ……10!
GM/ビーム……を食らって、Bは消滅します。ばふんっ。
恐一/オッサン、最後の1匹へキョウジたんを使って!(ころころ)27で成功。ダメージ9だ!
GM/ザクリといくけどまだいけるな……。(ころころ)さて、優斗以外の全員に攻撃。貴方達は、……いきなり下級幽霊が一斉に襲いかかってくるような幻覚を見た! ぞわああっ、【恐怖判定】!
望彦/(ころころ)やべ、凍った!
恐一/(ころころ)失敗、無理だ……。
昌幸/(ころころ)ギリギリ平気だ。
勇規/(ころころ)やった、成功……。
GM/それでは【恐怖判定】に失敗した人、……それぞれMPに5のダメージ食らってください。

 ●戦闘/5ターン目
勇規/最後の1匹にリボルバーでいきます。(ころころ)23、やったー成功したよ! ダメージは7!
優斗/僕も続けて斬りかかる!(ころころ)失敗。ぶおんっ!
昌幸/……電池、換えます。行動終了。
恐一/意識回復を。(ころころ)78なんで明らかに無理だ。
GM/ではコクルイの番な訳だが。(ころころ)さっきと同じものを……今度は全員に食らわせる! 恐ろしい光景が貴方達に襲いかかってくるという圧力を感じた。元々【恐怖判定】くらっている子もMPにダメージ2食らっておくれ。
優斗/そろそろ仕留めないと……ヤバイ!

 ●戦闘/6ターン目
勇規/なんとか仕留める!(ころころ)成功……ダメージは14です、殺意高い!
GM/バアーン! と勇規くんが撃つと最後の一匹が弾け飛ぶ! そして……消滅。
一同/やったー!
GM/周りは死屍累々。ともあれ、敵は一掃されました。力も掃けていくのが判る。まとわりついていた下級の霊たちも散り散りになっていき……圧力が安らいでいく。
恐一/一応、この辺りに霊はいないか確かめるか。(ころころ)……オッチャン、04でクリティカルだよ!(笑)
GM/じゃあオッサンは確信を持ちましょうか。――もうこの周辺にはさっきのようなおどろおどろしいものは、いないな! そして、村上くんには判る……どこか胸の奥がスッキリしていることに。
昌幸/まさか、これって……! エクスカリバーたーん! これで今回の解決……なのかっ?
GM/では空き家の屋根に突き刺さって言うよ。「ええ! この町に住んでいたコクルイがさっきの戦闘で消滅したわ……それに、スッキリしてるのは本人が一番よく判っているでしょ?」
昌幸/ああ。……死の運命から逃れたという確信だな!
恐一/良かったな、これで死ななくてすむ……で。お前どうするんだ。
昌幸/え?
恐一/死の運命から逃れたんだ……パーティーから離れるか?
望彦/ああ、確かに。これで死ななくてすむようになったんだから……ここから離れて過ごすこともできるんだよな。
昌幸/……いや、みんなに助けてもらったんだし、俺も手伝うよ。それに俺、……プー太郎だから何もすることないし。
望彦/切なっ!(笑) でも……ありがとう。
優斗/よしっ! じゃあとりあえず胴上げでもするかーっ!(笑)
GM/空き家の所でワイワイしている少年達。通り過ぎて行く奥様達が「キャンプファイヤーでもするのかしら?」と見てそうな夜……ミっちゃんが呼ばれてきそうな勢いだな(笑)
 4月7日を迎えようとしていたとある少女の命も、貴方達は救った。そして、8日に死ぬ三人の命も救うことができたのです――。


 ★マスターシーン


 それは、とある小学校の夜。
 暗い校庭。微かな灯りだけが少女を照らしている。
学校の端の、小さな小屋。
 そこに少女がうずくまり、拝んでいた。……ウサギ小屋の前で。
 苦しかったでしょう、ごめんなさい、と。涙をのんで謝り続ける。
 少女の顔もまた、苦しげに。

「ごめんなさい、私……なんてことを。ちゃんと勉強するから……正しいと思ってやったけど、……こんな自信家な私はもう捨てるから……ちゃんと……」


 
★エンディング



GM/――では最後に。村上昌幸くんは、……四月八日の朝を迎えました。おはよう、マー君!
昌幸/……って! 父さん、母さん! ドタドタと1階に下りる!
GM/「おはよう、今日は早いのね」時刻は八時前……リビングには、朝ご飯を用意している君の母と、新聞を読んでいる父がいる。
恐一/(いきなり昌幸の父になって)おおっ、今日は早いじゃないか。どうしたんだ、息なんてキラせて。
昌幸/あ、ちょっと……その。
恐一/(昌幸の父になって)どうした、早く席に着きなさい。そんな死にそうな顔をして……(笑)
昌幸/……嫌な夢を見たんだ。でも、単なる夢だから。
GM/ええ、それは単なる夢ですね。……今日は日曜だ。そんないつもの朝を迎えているときに、君の携帯電話にメールが入りましょうか。
昌幸/……誰から?
GM/貴方のカノジョからだ。
恐一/そうだ! コイツ、歴史学者のカノジョがいるんだった!(笑)
GM/うん、いるんだよね実は(笑)
 そのメールの本文は……『マー君、今日は日曜だから一緒に……』

 ごく普通の、彼女との会話。
 それが貴方が送る筈だった四月八日の始まりです――。