アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 オーメン・ガールフレンド 第四特異点 』 2ページ ■
2022年7月31日




 ●オープニングフェイズ2 〜いってきます〜

GM/レイシフト完了。空から落ちることはない普通のレイシフト……だったんですけど。
デュナ/あ、また嫌な予感が(笑)
GM/移動している最中、ある女の子の声が君達の耳に届きます。

 それは、明らかに敵意がこめられた声だった。
 「見つけた! 貴方達ね、邪魔者は――成敗してやる死ねぇーいッ!」


GM/ドカーン。煙もくもくもく。蛍の「ちょっ、ま! レイシフト……最中……ジジジ!」という慌てた声。視界真っ白。
八雲/いきなり邪魔者にされた!? き、≪気迫の盾≫!
ミズ/なんだなんだー!? やるかやるかぁ!? 俺はやるぜ俺はやるぜ俺はやるぜ。
デュナ/犬明朝体が見えましたね(一同笑) しかしレイシフトの最中に攻撃されるなんて……!?
ロア/そこに干渉できるなんて、どういう存在!?
GM/時間跳躍の真っ最中に攻撃される、そんな攻撃……超越的存在ぐらいしかできないのでは? そう思うのも束の間、なんとか咄嗟に八雲さんがカバーしてくれたので怪我はありません。そうして君達は目を開ける。目の前には……西暦60年の平原が広がっていた。
ロア/う、ううん……?
GM/『FGO』でキャストリア&ぐだがアヴァロンの平原を見つめる一枚絵がありますよね、あれを想像してください。あそこに君達は立っています。……そう、君達はあのような平原に立っている。ロア、ミズ、デュナ八雲……の4体が。
八雲/え。
ミズ/あ。……千早? どこだ!?
GM/いない。ちなみに攻撃してきた奴もいない。
デュナ/えっ!? マスターだけ離れたんですか!?
八雲/……パスが繋がっている感覚は?
GM/あります。令呪はちゃんと機能しています。マスターが危機に陥っている様子は無いと確信してください。レイシフト前に呉用が言っていた「なんとなく無事だと把握」できています。
八雲/……GM、≪絆の両眼≫を使用します!

 ≪絆の両眼≫
 契約者が見ているものを共有する[世界遣い]の副特技。


GM/了解です。八雲さんは千早の視界を見ます。……暗い視界から、むにゃむにゃと意識が戻っていく様子を見てください。どうやら千早は「この平原とは違う、森めいた所で目が覚めた」ようです。
八雲/やっぱり逸れたんだ……!
ミズ/『アヴァロン』での、ぐだとマシュの分断みたいなもんか!
ロア/それだ! なるほど(笑)
GM/そして八雲さんは「大丈夫ですかマスター!?」と駆け寄る呉用と、「おい平気かお嬢ちゃん!」と心配するダーレスの姿を見ます。
ロア/ああっ! 2人もいる! 良かった!
GM/このキャンペーンでは「マスターはシーンに2人以上英霊がいる場合、攻撃対象にならない」というルールがございます。千早に何かあっても呉用とダーレスがいれば2人が対応してくれると察せます。
八雲/そのまま皆さんにそのことを伝えます。
ミズ/心配は心配だが、呉用とダーレスがいるなら大丈夫だ。
デュナ/一応はピンチという訳ではありませんね。
GM/千早、呉用、ダーレスは3人なりに森を抜けるように行動を始めます。なお、蛍との通信は繋がっていないようです。カルデアあるある。
ミズ/レイシフト妨害されたからか? なんてことしやがるんだ、邪魔してきた奴……!
ロア/うーん、ボク達を敵視しているような声が聞こえたよね? 「邪魔者」って言われたよ〜?
ミズ/どっちにしろ、売られた喧嘩は買う。
デュナ/コラ、喧嘩っ早いですよ。……早くマスターと合流したいですね。
GM/では……この4人の中で一番最初に「異常」に気付くのは、きっとミズくんだと思います。ミズくんは、あちらの平原から新鮮な血の匂いがすることに気付きます。
ミズ/……人の血の匂いか? 美味そうな匂いが向こうからするぞ。
ロア/ミズが言う「美味そう」って……。
八雲/鮮度が高い、という意味ですか? 幽霊的な気配がしますか?
GM/いえ、幽霊ではなく動物的な気配を感じます。……そちらへ向かってみると、爪で体をズタズタに切り裂かれた男の人達の死体が転がっています。これは多少の知識があれば判定無しでも判りますね、熊に襲われた遺体です。
デュナ/あああー!? ゴールデンカムイ!?(笑)
ロア/うわー!? 野生の熊に襲われたのか!?
GM/「イギリスに熊がいるの?」という質問には「います。テディベアとかあるぐらいだもん」とお答えします。熊もいるし狼もいる、野生動物はわんさかいます。しかし、11世紀頃にみんな絶滅します。
ロア/ええっ?
GM/理由は「狩りがめちゃくちゃ流行ったから」。上流階級だけでなく一般層にすらハンティングが広がり、1000年後には狩りつくしちゃったんです。
八雲/じゃあ、まだ狩猟が流行していないこの時代は……熊がまだまだいる時代なんですね?
GM/はい。ヒグマ居放題です。
ミズ/チタタプにしてやる!
デュナ/熊は神だから食べちゃ駄目でしょ(笑)
GM/イギリスではOKです、嗜みとして「よし、一狩り行こうぜ!」レベルの文化なので(笑) ……まあ、猟銃も無いので狩られる時代なんですけどね。さて、熊に襲われて死ぬのは普通の時代な訳ですが……あちらでは「キャーッ!」という女の子の叫び声がします。
ミズ/……行くか?
デュナ/見過ごせないので、駆けて行きます。

 GM/君達はすぐに叫び声のもとへ辿り着けます。そこには……一生懸命、熊から逃げようとしている女の子の姿が。

デュナ/赤髪緑目の女の子ですね?
GM/女の子の身なりは他の男性達に比べるとしっかりしています。そのことからお嬢様的存在だと察せますね。しかし人は圧倒できても野生動物には無駄なこと、やる気満々の熊に襲われるしかありません。
八雲/話の途中だがヒグマだ!
デュナ/完全に絵柄がゴールデンカムイ!(笑)

 GM/今まさに女の子が殺されそう、というとき。剣を持った小さな子供が、女の子を庇って熊に立ちふさがります。

ミズ/か、かわいい!(笑)
GM/剣を振るい、熊に立ち向かっている姿は立派な戦士のようです。どう見ても8歳ぐらいの子供だけど。
デュナ/彼女を守るので精一杯という感じでしょうか?
ミズ/よし。……加勢に来たぞ! 声を掛ける!
GM/ミズくんは≪偽りの太陽≫を取得したんだよね? なのでNPCは犬が来ても人間のように対応します。女の子が「お願い! 助けてくださいませ!」とお嬢様なりの声を上げます。
ミズ/おう、任せろ!
デュナ/獣が人を襲うのは自然の摂理とはいえ、見過ごせません。熊を倒します。
GM/「クマー!」 戦闘開始。熊はあっという間に倒されます。……では熊と戦った人は【知覚】か【意志】判定、難易度12に挑戦してみてください。
ミズ/【知覚】?(ころころ)達成値15で成功!
GM/……あの熊、何らかの霊力を纏っている。クラス[一般人]カウント、または「分類:モブ」ではありません。
ミズ/一般熊ではない?
GM/「クマ〜……」 熊はやられました。そして……女の子と子供の2名以外は、全滅です。
ロア/うわ〜……。倒れている人達はどんな人?
GM/どうやら女の子を守っていた護衛の兵士達みたいです。女の子は助かったという安心感でそこに座り込み、そして亡くなった護衛達の名前を呼び始めます。小さな子供は剣を持ち直し、周囲に危険が無いか警戒しながら……PC達にも警戒をし、ローブの下から鋭い目を見ています。
ミズ/威嚇された気分だ。ガルルルル。
八雲/≪食物錬成≫でおにぎりを出します。
GM/子供は「……施しは受けん」っていう顔で警戒を続けます。
八雲/じゃあお嬢さんにあげる。
GM/「ありがとうございます施しは受けますわ!」とおにぎりを貰います。
デュナ/かわいい!(一同笑) ……もう少し安全な場所に行きましょう。血の匂いを嗅ぎつけてまた他の獣が集まってくるとも限りません。
ミズ/ああ、美味そうな匂いを垂れ流しちゃよくない。
GM/(女の子になって)「え、ええ、判りました……。でもお願いがあります。弔い、手伝ってくれます?」
ロア/お手伝いするよ。弔いの準備をしよう。
ミズ/ここ掘れワンワン。美味そう。
デュナ/護衛の方々を埋めて……十字を切って、祈りを捧げます。
八雲/南無。
デュナ/みんな宗派が違う(一同笑) ちなみに、馬車などの移動手段は?
GM/ありますね。でも一目散に馬が逃げちゃったみたいで……あ、「スミマセーン」って顔の馬が戻ってきました。
ロア/馬、帰ってきた!(笑)
ミズ/熊が怖くて逃げちゃったんだよな、しゃーねえ(笑)
GM/「ま、まず……貴方達は、どなたです!?」 女の子が尋ねてきます。すると小さな子供が「……自分から名乗りった方がいい、失礼だよ」と窘めます。
ロア/おおっ……?
GM/一瞬彼女は「なんなのこいつ」って顔をしました。ですが「そりゃそうだ」と思い直し、反省した後に……「失礼致しました! 私の名前はネッサンと申します」と名乗ります。
ミズ/ネッサン?
GM/「そう! この島の女王となる者ネッサンですの! 既にご存知だと思いますが!」
デュナ/……女王? ネッサン?
八雲/この島の? ……す、すみません、遠方から来たものでお名前はちょっと。
GM/皆さん、【理知】判定難易度6をどうぞ。
一同/(ころころ)成功です。
GM/みんな判りますね。イギリスの歴史上、そんな女王はいません。ウィキペディアや英語ウィキで検索してもそのような名前は出てきません。
八雲/……でも、ご本人は女王と言っている? なんか根拠があるんだろうな?
デュナ/自称「ブリテン島の女王に私はなる!」ってこと?(笑) それとももう既に女王? ……なんか、お嬢様的な喋りの人ですね?
GM/キャライメージは壱百満天原サロメです。
ロア/「おハーブですわ〜!」って感じか(笑)
GM/見た感じ、女王の気品というものは残念ながら伝わってこないお嬢様ですね。でも「嘘を言っている」ようにも「君達を騙そうとしている悪者」のようにも見えません。
デュナ/では……ネッサン陛下。
GM/「ネッサン陛下! 素晴らしい響きですわね! ずっと『お嬢』とか『ネッサンちゃん様』とか言われていたのにネッサン陛下! やっぱ女王っぽくて良い響きですわ〜!」
デュナ/初めて呼ばれたのか?(笑) ネッサン陛下、そちら……お隣の方は?
GM/誰ですの貴方!?
デュナ/ええっ!?(笑)
八雲/知らない子だったの!?(笑)
GM/「名前も知りません! が! ……私を助けに駆けつけてきてくれたこと、ありがとうございますですわ!」 子供は、じぃーっと見てる。
ミズ/だ、誰なんだお前?
GM/「……わ、私が先に状況を全部話してからの方がよろしそうね!? 改めて、私の名前はネッサン! 先日、父王が亡くなり、後を継ぐ女王ですの。父が亡くなってまだ1ヶ月。まだ女王として認められていない状態ですの!」
八雲/ふむふむ?
GM/ここで注釈。この時代、法律とかは法律を作った人が死ぬと全てゼロになります。
ロア/ひえ!? やり直しになるの!?
GM/王様が「この国は私がこう収めます」と法律を作っても、王様が死んだら白紙に戻ります。
デュナ/では……今ここはまさしく無法地帯!?(笑)
GM/「父王は、周囲の領主と良好な関係を築き、島の王と認められていました。父王は娘に女王になれと言っていましたが、本当になるためには地方の承諾が必要です。私はこの1ヶ月間、各地を回って『ネッサンが女王になってもいいか認める証となる鐘を鳴らす旅』をしておりました!」
八雲/鐘を鳴らす旅……?
GM/全都道府県の県庁所在地に行き、県庁で「貴方は女王でOKです」と認められたらリンゴーンと鐘を鳴らす。全国鳴らせたらネッサンは無事女王就任! という旅をしているそうです。
ミズ/申請して許可を貰う旅をしてたのか……。
GM/電話やFAXが無いので、直接巡礼しなきゃなんです。「もう旅は半分を終え……もう半分の鐘を鳴らし、故郷であるノリッジに帰るところでした。あと3つの都市の鐘を鳴らせてもらえば、私は真に女王として認められるのです」
デュナ/それをしている最中に……この事件が起きたと。
GM/「はい……」 今回のマップを出しますね。



ミズ/おー、アヴァロンのマップだ。次の目的地は、どこに行くつもりだったんだ?
GM/「エリンバラとマンチェスターの鐘を終え、グロスターに向かう最中した。グロスター→ソールズベリー→オックスフォードと向かい、その後は『涙の河』と呼ばれる所を通り、故郷のノリッジに戻る予定です」
デュナ/なるほど、遠い所から攻めたんですね。
GM/「ええ。北部に行くほど森林が深く寒いですから、寒くなる前に手っ取り早く終わらせてしまおうという作戦で……」 八雲さんは「おそらく千早達が北部の森にいる」と思います。≪絆の両眼≫的にも千早達が無事なのは伝わるので、ゲーム的に「そのうち合流できる」と安心してください。
デュナ/最悪、マスターが令呪で呼んでくれるでしょう(笑) ネッサン陛下の目的は判りました。で……この少年は、誰?
GM/「誰ですの!? こんな子供が私の護衛としている訳ないじゃない!」 ……フードを被った子供が、口を開きます。「でも、襲われて助けない訳にはいかなかった」
八雲/正論。
GM/「君が死にそうになっているのを放っておくなんて、嫌」
ロア/かわいい(笑)
ミズ/アライメント善って感じ。
デュナ/……我々と同じく、彼女が襲われているのを見つけたから駆けつけたということでしょうか?
GM/コクリと頷きます。そして、凄く深刻そうな顔で尋ねます。「君達。……自分のこと、何も知らない?」
ロア/ん? どういうこと?
GM/「……自分、記憶喪失だ」
ロア/記憶喪失!?
GM/「名前も思い出せない。ただ……彼女が死にかけていて、死んでほしくないと思ったから、守っちゃった」
ミズ/……お前、英霊か?
GM/頷きます。どうやら記憶喪失の英霊のようです。
ミズ/真名が隠されている!
八雲/シナリオを進めなければ名前が判らないやつ!(笑)
GM/(ネッサンになって)「まあ! 記憶も無いのに、こんなにも小さい体で私を助けてくださるなんて! 素晴らしい騎士ですわ! 貴方が私を引っ張ってくれなければ今頃熊さんにクマーされてましたわ! 護衛に任命してよろしいかしら!?」
八雲/おおっ?
GM/記憶喪失の子供の英霊は、その提案に対して……黙って頷きます。「貴方達もどうです!? ノリッジまで帰れば謝礼もきちんと払えます。しっかりと助けてくれたお礼をさせていただきたいですわ! 護衛として女王の私を守ってくれないかしら!?」
デュナ/確かにこの後、あと3ヶ所巡礼をしなければいけないんですよね。護衛は必要だ……。
GM/「そうですの! だから……」
八雲/護衛をするのはやぶさかではない。ですが、我々にも……マスターと合流し、聖杯を探さなければならないという目的があります。別の目的があることを了承してくださるのであれば、護衛につくのもありだと思います。
ミズ/マスターに会うにも、聖杯を探すにも、街で情報収集がしやすい足が欲しい。断る理由は無いと思うが?
デュナ/……ここが特異点になっているということは、この国に何かが起きているということ。この、歴史に名が残っていない女王にも……何かが起きるかもしれません。
ミズ/ああ。……誰かも判らない女王自体がが異変そのものなのかもしれない。少なくとも何かの鍵にはなってるんじゃないか?
八雲/彼女もそうですし、彼女の隣に現れた英霊の彼も何かしらの鍵になっているでしょう。傍にいる、というのは良いことだと思います。
ロア/それに千早ならきっと大丈夫だよ! ハスターがついてるし!
GM/俺のハスターは最強なんだ!
ミズ/それは違う。
ロア/解釈違いで争ってる!(一同笑) ボクはネッサンと一緒に行くに賛成〜! ボク達満場一致だよ!
GM/「ありがとうございます! お母様が待つノリッジまで戻れたら必ず謝礼をお支払いしますわ! もちろん貴方達の目的達成のお手伝いも致しますわ〜!」「…………ねえ」
ロア/どしたの?
GM/ローブを被った子供が、静かに言います。「名前。自分の名前、付けてほしい」
ロア/お、名前?
GM/「自分はセイバー。クラス名しか判らない。でも呼び名は必要でしょ」 この子の名前をプレイヤーの皆さんが付けてください。
八雲/持っている武器は? FF脳でダガーを持ってたらダガーって名前にしますよ(笑)
GM/片手剣を持っていますね。顔立ちはヨーロッパ系で、アジアやアフリカ系ではありません。
デュナ/もう「お付きの従者」というとセバスチャンしか出てこない。
八雲/セバスは執事だよ(笑)
ミズ/……イギリスの勲章から「デイムくん」は? あ、デイムは女性に付けるやつか。
八雲/あれ? ……この子、性別は?
GM/フードを無理矢理剥けば判るよ。
八雲/うっ、それは躊躇う……ちっちゃな子供ということしか判らない。
ロア/フード仲間! ボクといっしょだね!(笑)
ミズ/デュナ、天使なんだから洗礼名をあげれば?
デュナ/それは重たいんだが!?(笑) ……では、目の色が翡翠だから「ジェイド」はいかがでしょうか。
ミズ/あ、確かに緑だ! かわいい名前〜!
GM/「ジェイド……。ありがとう、今日から自分、ジェイドって名乗らせてもらうね」
八雲/……あ、ネッサン陛下とこの子、目の色が同じですね。何か繋がりがあるのかな?
ロア/先祖と子孫……とかかな? しっかり者でネッサンちゃんを叱っていたあたり、関係者っぽいな。
デュナ/ちなみに、赤髪緑目はブリテンでは魔術的な意味が強い組み合わせなんですよ。特にウェールズの方ではね。
八雲/ああ、『魔法使いの嫁』とかでもありましたね。そういう関わりがあるのかな……?

『AF判定:北部平原からの出発』
 ・使用能力値:【体力】【知覚】
 ・1回目難易度:20 グロスターの鐘を鳴らす
 ・2回目難易度:25 ソールズベリーの鐘を鳴らす
 ・3回目難易度:30 オックスフォードの鐘を鳴らす
 ・4回目難易度:35 涙の河を渡る

※「旅を無事に進める」演出に成功すること。成功した場合、イベントが進行する。
※協調行動OK。難易度:8。


GM/今回のAF判定はこちらです。4つ判定があるので、4人で順々に攻略していってね〜。


 ●ミドルフェイズ1 〜グロスター〜

ロア/よし、まずはみんなでグロスターに行くぞー!
GM/危険な野生動物、危険な人間達を潜り抜けて、グロスターという都市に向かってください〜。

『AF判定:北部平原からの出発』
 ・使用能力値:【体力】【知覚】
 ・1回目難易度:20 グロスターの鐘を鳴らす

※「旅を無事に進める」演出に成功すること。成功した場合、イベントが進行する。
※協調行動OK。難易度:8。


ミズ/馬車をパカラパカラと走らせて行く……。イメージがドラクエなんだよな(笑)
GM/この時代ですので。街と街の間はただただ平野が続き、途中で何かとエンカウントバトルする。ドラクエのようなもんですよ。
ロア/そんな馬さんに≪不滅の声援≫!
八雲/馬も傷ついているでしょう、≪清浄の使者≫で【HP】を回復しておきます。
ミズ/その回復を貪欲に貪ろう、≪グリーディ≫(笑)
デュナ/旅に疲れているネッサン陛下に、もう少しで着きますからねと≪叱咤激励≫します。
GM/(ネッサンになって)「ありがとうございますですわ。……グロスターに着いたら、まずは亡くなった方々のことを先にご家族の皆さんにお伝えしたいですわ。到着したら祖国に手紙を出すようにしましょう」
八雲/ええ、そうですね……。
ロア/……新しい仲間ができて、楽しいと思おう! ≪友の華≫。
GM/「もちろん! 私も貴方達という新しい出会いができたことには感謝しておりますわ!」
ミズ/これだけ人数がいるなら今日の飯を考えないとな。ちょっと狩りに行ってくる、≪獲物を狙う眼≫。
八雲/その狩りに≪魂装支援≫!
デュナ/狩った獲物をそのまま持って行くのは大変です。加工して持って行きましょう、≪物品調達≫。血抜きは大事ですよ。
八雲/そこまでしてくれたなら料理はします、≪食物錬成≫。
ロア/持ってきた物にSANチェック! そして回復、≪トランキライザー≫!(笑) これで『現在難易度:1』だから判定いくぞ〜。(ころころ)達成値11で成功!
GM/みんなでキャンプを過ごしながら街に向かいました。数日後、グロスターに無事到着です!
ロア/街だ〜!
GM/この時代でもだいぶ発展した街のようで、狩った動物を加工したり流通させている商業都市です。……ネッサンはその都市の権力者のもとへ行き、「自分は女王になりました。父王の遺志を継ぎ、この島を守ります」と宣言します。
ミズ/うんうん……。
GM/もちろん彼女は未熟な女の子。大人の権力者に追及されれば詰まるシーンもあります。しかし、王の子として育ったらしい彼女は教育をしっかり施された受け答えをし、未熟ながら女王として器を人々に見せつけます。
デュナ/おお……。
ミズ/振る舞いとしては満点だな。
GM/そうしてグロスターの議会は「ネッサン陛下を認めます」と宣言。それを意味する……カランカラーンという鐘の音が、街に響き渡る。グロスターで鐘を鳴らし、ネッサンは女王に一歩近づきました。「無事お仕事を終わらせましたわ〜! 皆様のおかげでここまで来られました、満点でしたでしょ〜!?」
ミズ/ああ、満点ヶ原だったぞ(笑) 幸先良いな。
GM/「皆さんのご厚意で今夜は宴を開いてくださるそうです! 長旅の疲れを癒すためにドンチャンしましょ〜!」
デュナ/……ここに呉用さんがいたら「肉を食らい! 酒を飲み! 宴を開こう!」と言ったでしょうね(笑)
ロア/それにしてもここは物資が豊かだね〜。
ミズ/宴の席で情報が手に入るかもしれねえな? 参加は悪くないと思うぜ。
デュナ/ええ。ネッサン陛下の護衛という形でついて行きましょう。
八雲/社交の場も大事ですからね。行きましょうか。
GM/では夜、皆さんはこの時代のおもてなしを受けます。お酒を飲み、肉を食べ……はっきりと言って食事は、雑でした。
ロア/雑ですか(笑)
GM/ですが人々が彼女を受け入れ、応援していることが伝わる真心こもったご馳走です。ネッサン陛下はグロスターの人々と親睦を深め、より期待をかけられ、女王らしく凛々しく返し……一息ついた後、PC達が座る席にやって来ます。
ロア/ネッサンちゃん、お疲れ様〜。
GM/「一休みに来ましたわ! そういえば、皆様は一体どのような関係性ですの? 自己紹介はしましたが、ちゃんとお尋ねしてなかったですわ」
ロア/ボクは仲間同士ー!
デュナ/私達はある一人の主に仕え、共に行動している者達です。その主と一部の仲間達と逸れてしまい、彼らを探しながら陛下の護衛をしている状態です。
GM/「そうだったんですの……では、一番の目的は主人を探すことになるのですわね」
ミズ/そうだな。
GM/「……先ほど、グロスターの議長から『ネッサン陛下の護衛をうちからも出します』と言ってもらいましたの。だから、私は次の街に違う護衛さん達と行くこともできる。貴方達は本来の主人探しの目的を優先するため、この都市で別れるのもありでしょうが……心細い私はもう少し貴方達といたいですわ!」
ロア/まあ!
GM/「来てくれません? 私の旅に!」
ミズ/……俺はアンタと暫くの間、行動を共にすることは異論は無い。
GM/「嬉しいっ! ねえねえ、そう言ってくれる犬がいるわよ? 他の人達はどう!?」
八雲/ネッサン陛下。……酒の席、無礼講ということで失礼なことをお訊きしてよろしいですか。
GM/「なんでも言ってくださいませ!」
八雲/友達少なかったでしょ?
GM/「ンンンンンン!?」(一同爆笑)
デュナ/言葉の刃が鋭い!(笑)
ロア/クリティカルヒット! 防御貫通!(笑)
ミズ/先生、定期的に人を刺すよな。鋭角に(笑)
GM/ここに居ない呉用も「そう思います! この人デュクシってします! そう思います!」と激しく同意してます。……ところで、どうしてそうお思いで?
八雲/だって……「心細い」と口にしながらもその喋りで、高圧的にお願いするところとか。友達いなさそうだなって。
GM/「……えーと! その通りだと思いますわ! 涙がちょちょぎれておりますのがお分かりで!? 上に立つ者として高貴に振る舞っているのもありましょうがお母様に『貴方、もうちょっと頑張りなさい』と言われたこともありますわ! だからお友達になってくださいませ!?」
八雲/貴方が欲しいのは、護衛ですか。それとも対等に話せる相手ですか。であれば、そういう関係として振る舞おうと思いまして。望まれているのはどういう間柄ですか?
GM/「それを、この私に、申せと!?」
デュナ/まあまあ(笑) 要は、契約関係として「主人と傭兵」を続けたいのか、それともフランクな感じでいきたいのか。どっちなんですか?
GM/「え。え。えー……。お、お友達関係というのも……やぶさかではない。ロアくんはどう思いますの!?
ロア/逃げた!(笑) んー、上に立つ者は往々にして孤独な人が多いよね。でも、ネッサンちゃんがお友達欲しいって思うのは凄く良いことだと思うよ! ボクとお友達になろうよ!
GM/ほら見なさい、犬と人形を味方に引き入れましたわッ!(一同笑) ……私は、まだ漠然と『自分は女王をやっていけるのか』という不安を抱いています。父は『姉と共に女王をやりなさい』と言っておりました。その姉・エスィルトはノリッジでお母様とともに国を立て直す算段を練り、私の巡礼の鐘を待っていますの」
八雲/ほう、エスィルト? 高貴なお名前をしている……。ちなみにエスィルトという名前は歴史的に聞いたことがありますか?
GM/無いですね。
八雲/無いんだー……?
GM/「お母様達が待つノリッジに戻る旅のために、護衛は必要です。旅が終われば、姉と共に国を盛り立てる仕事が待っています。お友達と遊ぶ時間など私にはありません。ありません、が! ありませんが〜!」
デュナ/それなら……ロアさんとミズさんは友人で、八雲さんはチューターとして就いてみては?
八雲/先生役ですね。
デュナ/そして私は護衛としてお守りしましょう。全員が友人になる必要は無く、全員が護衛になる必要はありません。
ミズ/それぞれが役目を持つ感じだな。
デュナ/貴方が抱えている不安は、王として一人立ちするためには必要なものですよ。この旅を通じてその不安を解消していくのも、巡礼の旅の目的ではないでしょうか。
GM/「た、確かに。お母様もそのようなことを言っていたような気がします!」
ミズ/なあ。……お前、どんな王になりてえんだ?
GM/「い、今は……ざっくりと『良い王になりたい』としか思いつきませんわ。あ、でも……『誰も不幸な死に遭わない、世の中を作れる王』がいいですわね」
ロア/うんうん!
ミズ/……まあ、人間の王としては良いんじゃねえか?
八雲/貴方の行ないの証人になるのは、やぶさかではない。ただ私はこのようにざっくばらんな言い方をする者ですが、それでも良いのですか?
GM/「しっかりと思ったことを口にし、何事にも忠言してくれる人は必要です! 護衛でも、友人でも、必要なんです! ……今後ともよろしくお願い致します!」 さて、ここで【幸運】判定をどうぞ。難易度は10。もしこれに全員が失敗してしまうとトンデモナイことが起きます。
八雲/どういうこと!?(ころころ)達成値11で成功です!
GM/どんちゃん騒ぎの宴の中、決意を固めたネッサン。「お花摘みに行ってまいりますわ〜!」と出ていきます。そんな彼女はとても運が悪いのか……せっかちな動きでガンッと頭を打って死にそうなヤバイ動きをします。
ミズ/おっと!? 滑り込んで支える!
GM/ありがとう。そんな風に頭を打ちかける彼女を見た君達は、思います。「この子、途轍もなく運が悪いのでは? もし【幸運】判定にPC全員が失敗したら即死するだろう」と。
ロア/えええ!? 怖っ!?
八雲/こ、怖い! 設定された難易度によっては全員失敗だってありえますよ……?
GM/ここでGMは宣言しておきますね。今後、「ネッサンが死亡する」展開がありえます。また、彼女が死亡してもストーリーは進みます。
八雲/これは……彼女の先天的な運の問題ですか? それとも何者かに仕組まれていますか?
GM/【意志】判定をお願いします。GMとの判定に勝利してください。(ころころ)GMが12だったので……PC側は13以上の達成値が出たら成功です。
ロア/(ころころ)12! 1足りない!
ミズ/(ころころ)こっちも11だから足りないな。
八雲/(ころころ)12……13には足りない!
デュナ/(ころころ)11、足りない。それじゃあ、最初に提案してくれた八雲さんに≪叱咤激励≫を使用。達成値+2します。
八雲/それなら達成値14で成功します。
GM/では……先ほどネッサンは「運悪く頭をぶつけて死亡しかけた」という描写にしましたので……猫が偶然にも足元に滑り込んで、よろめいた結果ぶつけてしまったということが判明します。その猫は何者かに操られていたという「霊的な形跡」が発見できます。
八雲/霊的な形跡……?
GM/残念ながら猫を調べても「何者がやったか」までは判りません。ですがPC達は、「何者かが動物を操り、些細な運命のいたずらで、ネッサンが死んでしまうように仕向けている」ことを感じ取ります。
八雲/だ、誰がやったんだ? ……全員にこのことを共有します。PCには伝えますが、ネッサン自身やジェイドに話すべきでしょうか?
ミズ/ジェイドにも、共有するべきか……?
ロア/……まだ、しなくていいかな。
デュナ/まだジェイドが何者なのか判りませんからね。でも「彼女はスットコドッコイだから気を付けて!」と注意を促すぐらいはいいでしょう(笑) ちょっとドジだから気に掛けてあげてね、程度で! ……我々の一人は必ず彼女を守れるように動いた方が良さそうですね。
ミズ/ああ。……そういやオープニングにネッサン一行を襲っていたのも、普通の熊じゃなかったな。
デュナ/女王として発とうとしている人ですから、反女王派の人が妨害をしている可能性は無くはないですね。
GM/そんな感じで宴は続いていきます。……ではここで、マスターシーン。一方その頃、千早達は。
ロア/あ、千早のシーンだ!

 ――とある山奥にて。木々に囲まれ、焚火を起こして休憩する千早と呉用とダーレスの姿があった。
 呉用「ご安心ください、僕は最高の軍師ですからね! 山岳地帯の行き来? お手の物です!」
 千早達は、普通にテント暮らししていた。


八雲/それは良かった(笑)
ロア/お前らが頼りだからな! 頼りにしてるからな〜!(笑)

 ダーレス「いっそ、おじさんの神話生物をみーんな巨大化させて、『おーい俺達はここに居るぞー!』と暴れたら、別行動してるっぽいあっちの連中も気付いてくれるんじゃねえか?」
 呉用「ああ、ダーレス様は恐竜大戦争が大好きな作風の御方ですもんね」


ミズ/やめろ、やめなさい! 大量SANチェック間違いなし!(笑)
デュナ/ダーレスさんに『シン・ウルトラマン』とか見せちゃいけないな……(笑)

 千早「早くみんなには会いたいけど……。
 でも、令呪には何も変化がありません。別れた4人は全員無事で、元気でやっているって判っている。そんなに心配する必要は無いと思います」
 呉用「そうですね。それに……きっと八雲様が、こっそりマスターのことを視ていると予想します。彼らにもマスターの無事は伝わっていることでしょう」


GM/残念ながら携帯電話のような会話はできませんが、「お互いが無事である」という確証はお互い取れているので安心してね。
八雲/うん、勝手に視てごめんねマスター(笑)

 千早「でも……せめて、お兄ちゃんに連絡が取れればいいんだけど」
 ……ジジジジ。ジジジ。
 千早「あっ、通信の気配! お兄ちゃんからコンタクトを取ってきてくれたみたい……!」
 そのとき。レイシフト直後に響いた声がその場を満たした。千早達を襲った、女の声である。


 GM/「こらー! 別時代からの干渉するの、やめなさーい! そんなことしたらこれまで以上にメチャクチャになるでしょ! まったく貴方達はー!」

ミズ/あらあら、可愛い子が出た……?

 呉用「何者です!?」
 呉用とダーレスの2人が千早を庇う。自分達を襲った声の主が、すぐそばに現れたということだからだ。
 ダーレス「……あれ? 何処だ? 何処に行きやがった? おーい?」
 ??「ここに居るもん! 私はここー! まったく、時空を越えて貴方達は一体何をしに……!」
 ……千早達は、声がした足元を見た。


GM/その声の主の大きさは……まさに妖精。ハベトロットぐらいの大きさです。
ミズ/ちっちゃい! 可愛いねー!?(笑)
ロア/ちっちゃい者仲間が増えたー!(笑)
デュナ/でも……一体、何なんだ?


 ●ミドルフェイズ2 〜ソールズベリー〜

デュナ/次はソールズベリーに行こう。大聖堂がある所だね。
八雲/ではフィールドワークてことで【体力】で行こう。

『AF判定:北部平原からの出発』
 ・使用能力値:【体力】【知覚】
 ・2回目難易度:25 ソールズベリーの鐘を鳴らす

※「旅を無事に進める」演出に成功すること。成功した場合、イベントが進行する。
※協調行動OK。難易度:8。


八雲/熊が出るなら≪気迫の盾≫を張るよ。
ロア/早速熊が出ちゃったよ(笑) 熊に≪死の宣告≫。
ミズ/熊が即死だ!(笑)
八雲/いきなりですか。カレスコでも装備しました?
GM/ついにガチャでカレスコを引いたのね? おめでとう(笑)
デュナ/襲ってきた野獣の群れは≪浄化の一撃≫で退散させますね。
ミズ/≪渦巻く混沌≫でボッシュートしちゃう。
八雲/今後も襲われないように≪御符≫を貼っていこう。
GM/……ちなみに、ソールズベリーは水が潤沢な地域らしいよ。川でもあるのかな?
ミズ/そっか。上流で体を洗おう、≪毒の魔弾≫。
GM/アモールの川になるわッ!?(一同笑)
デュナ/水質汚染やめなさい!(笑) 完全に展開が『忍者と極道』ルートなんですが!?
GM/あーあ、川がネバネバぐっちょりしたものになっちゃった。
デュナ/水を浄化する≪浄化の装具≫を置く!
ロア/毒の効果を無くす≪光の一手≫!
八雲/川を綺麗にしよう、≪清浄の使者≫。これで判定しますね。(ころころ)達成値10で成功です。
デュナ/ソールズベリーの水源は守られました! この功績が認められて鐘を鳴らしてもらえたのでは?
GM/「なんて素晴らしい行ないをしてくれたのでしょう! 貴方達の功績の称えてカランコローン!」 自分達で汚した川を自分達で戻した自演だが?(一同爆笑)
ミズ/マッチポンプじゃねーか。
GM/報酬は洗いたてふわふわサッパリキレイキレイなミズくんです。
ロア/ふわふわー! ころころー!(笑)
GM/鐘を鳴らしてくれたソールズベリー側の人達は「ネッサン陛下、ぜひともこれからもよろしくお願いします!」と歓迎ムードのようです。これからもネッサン一家には頑張ってもらいたいですと激励を送ります。これにはネッサンも「頑張りまーす!」とやる気が出ます。
ロア/おおー、士気が上がった!
GM/マッチポンプだけどな。……皆さん、【幸運】判定をしてください。難易度は11、ちょっと上がります。
八雲/ちょっと上がった……。(ころころ)クリティカルした!
GM/クリティカル成功! 街から街への移動で数日経ってお互いを知れてきた君達は、無事に女王を守りきれます。……女王と言ってもまだまだ少女。知らない大人達が声を掛けてくることもしばしば。悪い男がナンパや毒牙にかけようと手を伸ばしてきても、君達はそれを阻止できます。
デュナ/「おいおい姉ちゃん、あっちに良い店があるんだけど行ってみねーか?」って声を掛けられる感じですかね。
GM/そうそう、「グヘヘヘ」って笑い方が似合う男達に囲まれたりもする。(ネッサンになって)「えっ、良い店ですって! 行ってみませんこと?」
ロア/ダメだよダメだよ。良いお店だなんて判らないからね!
八雲/マネージャー通してくださいね。
ミズ/がぶ。
デュナ/犬が噛んだ!(笑)
GM/危機感の無いネッサンには、ジェイドが「しっかりしなさい」とピシャンと言い放つ。「君は女の子なんだよ。男の人に何されるか判らないんだから」と厳しめに叱ります。
ロア/うんうん!
GM/ジェイドがあまりにしっかり叱りつけるもんだから、ネッサンも「はーい……」としっかり反省します。
ミズ/偉い!
デュナ/……なんかジェイドくん、通りすがりのわりには過保護なんだよな?
八雲/そうですね。なんだか、親の立場のような……。
GM/そんなソールズベリーで過ごす夜。……ネッサンが寝静まった頃、ジェイドがみんなの視線に気付いて口を開きます。(ジェイドになって)「……なんかあの子、危なっかしくて、つい口を出しちゃうんだ」
ミズ/忘れちゃった無意識の部分で、何か反応してるのかもな?
GM/「かもしれない。自分には記憶が無いけど、大切な人がいて……その人を守りたくて、それとネッサンを重ねて、彼女に過保護になっちゃってるのかも」
八雲/ネッサンに対して過保護が発動していますから、何か理由がありそうですね。
GM/「うん、そんな気がする。……記憶は失われているけど、自分には『ネッサンを大事にしている理由』がある気がするんだ」
デュナ/漠然と「守らなければならない」という気持ちだけがあるんですね。
GM/「ああ。……言われたって、信用ならない言葉だよね。自分でも判ってるよ」 話しながら、申し訳ない表情をします。
ミズ/いやー? 別に?
ロア/ボクはそういう天啓を下ろす立場なので(笑)
デュナ/私もそういった宿命的な感覚を運ぶ立場ですので。……あ、GM。≪神託≫で質問することできますか?
GM/≪神託≫で何を質問しますか?
デュナ/えっと……「ジェイドは信用できるか、何者なのか」ってところでしょうか?
GM/では【意志】判定で難易度10に成功したら、貴方の主がなんとなーくお答えします。
デュナ/やったー。(ころころ)達成値12で成功です。
GM/神はこう言っております。「ジェイドが敵になるか味方になるかは、君達次第だよ」
八雲/PC次第……?
GM/というのも、今回のシナリオは「ネッサンが死亡する分岐」があり、「生存しても死亡してもストーリーが進行する仕様」になっています。そして、ネッサンをPC達がどうするかによってジェイドの立場は大きく変更されます。信頼する仲間として動くこともあれば、PCの決断次第で敵対もありえるのです。
ミズ/あー、なるほど! ……確かにここまでネッサンを大事に想っているなら、もしPC達がネッサンにマイナスのことをしたら敵になりそう。
ロア/それだけ「ジェイドはネッサンを守りたい」ってことなんだね……。
デュナ/よっぽどなことが無い限り、ジェイドが害してくるってことはないんじゃないかな……。
八雲/はい。頼りにはなりそうです。
ミズ/……まあ、ネッサンと一緒に居れば記憶は戻るかもしれねーな。ちょっと気長に待ってみるのもいいじゃねーか?
GM/「うん。……自分は、数日間君達と一緒に行動して、君達を信頼している。君達は今日ネッサンに『ゲヘヘ』って声を掛けてきた悪い奴らと一緒には見えない」
ロア/うん!
GM/「でも、君達がネッサンに危害を加えるようなことがあれば……剣を向ける」
ミズ/……そうだな。
GM/「…………。話を変えよう!」
ロア/うん?
GM/「八雲! ……おにぎり美味しかった! ≪食物錬成≫を教えてほしい!」 料理を教えてほしいって言ってきます。
八雲/ほ、ほう?
GM/「八雲のご飯、凄く美味しい。あれ、自分もできるようになりたいなって」 この時代の料理は、まさに「雑でした」というものしかありません。肉は焼くだけという世界です。そんな中で素晴らしい≪食物錬成≫を見てしまったら……。
ミズ/先生のカドは美味いからな。
デュナ/おにぎりをカドって言うな(一同笑)
八雲/胃袋を握ってしまったか(笑) 旅をする上であると助かる知識ですから、お教えましょう。キャンプ飯を教えます。
ミズ/人は生肉が食えないから不便だもんな。
ロア/岩塩は良いぞ〜!
デュナ/塩はともかくコショウを持ち込んだら1000年ぐらいブレイクスルーするから気を付けましょう(笑)
GM/コロンブスがアップを始めちゃうな(笑) 色々と八雲直伝のキャンプ飯を教えてもらったジェイドは、「わー、それならこういうのはどうだろう?」とアレンジレシピを提案したり、「もっと美味しい料理、作ってみたい!」と目を輝かせますね。
デュナ/おおっ、結構……料理に興味ある?
GM/ありますね。「美味しいものをみんなで食べられたら幸せになる」という考えみたいです。……ちょっとテンション高くなったジェイドはハッと我に返り、顔を赤くしながらフードを深く被り直します。
八雲/ふむふむ。将来、料理人になりたいと思ったことでもあるんですか?
GM/「い、今、なってもいいかな……って思っちゃった」
ミズ/ほう。まだチビだからな、将来有望だ。……今のところ関係は良好だな。


 ●ミドルフェイズ3 〜オックスフォード〜

GM/それでは、オックスフォードへ鐘を鳴らしにいきましょう。

『AF判定:北部平原からの出発』
 ・使用能力値:【体力】【知覚】
 ・3回目難易度:30 オックスフォードの鐘を鳴らす

※「旅を無事に進める」演出に成功すること。成功した場合、イベントが進行する。
※協調行動OK。難易度:8。


八雲/八雲はジェイドくんに料理を教えます、≪食物錬成≫。≪英霊「キャスター」≫ですから陣地作成で専用エリアを構築しました!
デュナ/オックスフォードまでの道のりの野営パートですね? 今日のご飯はこちらですよと野兎を出します、≪物品調達≫。……あ、普通に忘れてたのでこのタイミングで≪物品調達≫を使用、≪興奮剤EX≫を注文します!(笑)
ロア/あ、ロアもこのタイミングで≪突然変異≫で≪オグマ≫をしておきます! 忘れてた!(笑)
ミズ/ジェイドが料理を学んでいるなら、≪野獣の鼻≫で見張りをしています。代わるぞー。
GM/「頼んだよ! 美味しい物を作ってみせるから待ってて!」 ジェイドはこの数日間でそんなことを言うようにまでなりました。
八雲/護衛の方にも≪魂装支援≫で守りつつ……。
ロア/野生動物が入ってこないように≪念動障壁≫!
デュナ/美味しくなーれ、≪主の恵み≫!(笑) 煮炊きに必要な水を出します、≪水霊操作≫。ろ過します、≪浄化の装具≫!
八雲/水が美味しくなってきた!(笑) まずは水質ですよね、≪清浄の使者≫。
ロア/料理に愛情は必要、≪ラブモーション≫(笑) 美味しくなーれ!
ミズ/凄く良い匂いがしてくるんで、ヨダレがダラダラと≪毒の魔弾≫。さっきからミズが公害をバラ撒いている(笑)
八雲/土地よ直れ、≪再生の閃光≫(笑)
デュナ/じゃ、いただきますって言って判定をします!(ころころ)出目が1・2……でも達成値8なので成功です!
GM/やったー。美味しいご飯をみんなで囲みながら野営ぱちぱち。ウサギウメーかの山。
八雲/小鮒釣りしかの川?(笑)
GM/楽しく野営をしながら数日後、ついにオックスフォードに到着しました。今までのグロスターとソールズベリーの議会は良くしてくれたけど、オックスフォードの人達は……ちょっと気難しい!
デュナ/ちょっと頑固な人というか……。
ミズ/チョロくないんだな?
GM/「頑張ります!」とネッサンは頑固な人達を説得に向かいます。そして、数時間後……めっちゃヘトヘトの様子で帰ってきました。
デュナ/ど、どうでした?
GM/「…………。オッケー貰いました!」 カランカラーン!
ミズ/おめでとー!
GM/「これで私、父王の遺言通り姉といっしょにこの国の女王になれます! このままノリッジにお母様にご報告できますわ〜!」
ミズ/良かったな。すりっと頭をすりつけます。
ロア/ミズが凄くデレた(笑) 
GM/ではここで【幸運】判定のお時間です! 今回の難易度は、12!
八雲/高くなってきた!(ころころ)達成値13で成功!
GM/突然現れた暗殺者によってネッサンが狙われる!
八雲/≪気迫の盾≫!
GM/止めることができました。彼女はもう立場のある人、そういう輩が出てきてもおかしくない。残念ながらその暗殺者の背景は「すぐに自害した」とかで見せないようにしますが……。ネッサンは庇ってくれた八雲さんに対して「お怪我はありませんか!?」と心配しますよ。
八雲/貴方よりずっと年上ですから平気ですよ。
GM/「でもでも、何かあったら私……! もう一体どれだけ一緒にいたと思っているんです!?」
八雲/貴方が無事だったのであれば全部報われますよ。まだ巡礼の儀式が完了したとは言い切れません。家に帰って、諸々の手続きが終わるまで、努々油断されぬように。
GM/「……むー! もちろん気を付けますわ! もう少しでゴールだってところで家の前の石に躓いて頭打って死ぬとか嫌ですからね〜!」
ミズ/ありえそうで怖い(笑)
ロア/でもこれで最後の鐘だよ、あとはノリッジに戻るだけだね! ……そういや今まで色んな都市を見て思ったけど、ネッサンのお父さんって凄く人望がある人だったんだね? どこに行ってもネッサンを迎えてくれるんだもん。
GM/「よくぞ言ってくれましたー! お父様は本当に凄い人だったのですよ!」
デュナ/ちなみに、先代の王の名前は?
GM/「プラスタグスといいますわ!」 【理知】判定、難易度6をどうぞ。この名前はウィキペディアで検索すると出てくる名前なので判定可能です。
八雲/へえ? そういや初めて父王の話に触れましたね。
デュナ/なんかこう、聞くタイミングが無くて……。(ころころ)14で成功。聖杯ウィキで検索!(笑)
GM/プラスタグスという名前が有名というより、プラスタグスの奥さんが有名なので検索できます。奥さんの名前は、ブーディカ。
ミズ/えっ。……ブーディカさん?
八雲/あ。……ああああ!? ってことは!?
ロア/ブーディカ!? ……ええっ、しんどいぞコレ!?

 ブーディカ
 西暦61年頃に、現在のイギリス、東ブリタンニア・ノーフォーク地域を治めていた女王。
 夫プラクタグス王の死に乗じて王国を奪ったローマ帝国に対し、数多くの部族をまとめ上げ、大規模反乱を起こした。
 自身だけでなく愛する娘2人が悲惨な目に遭わされたことの怨念から、ローマ人を軍人・商人・民間人(女こども問わず)22万人以上に非常に残虐な処刑を徹底して行なった。
 市街は家屋一軒に至るまで燃やし尽くして徹底的な破壊を行なったと伝説に残る、「血塗られた勝利の女王」。


八雲/ああっ、よくよく見ればネッサンの立ち絵……赤髪緑目で、『FGO』のブーディカさんの色と同じですね!?
GM/……ブーディカの生涯について、ここで詳しくご説明します。
ミズ/は、はい……。
GM/ブーディカとは、西暦61年頃に女王になった人の名です。夫プラスタグス王の死に乗じて王国を奪ったローマ帝国に対し、数多くの部族を纏め上げ大規模な反乱を起こしました。その理由は……自身も含め、愛する娘達をローマによって悲惨な目に遭わされたからです。
ミズ/それって……そういうことですよね。
GM/ブーディカと2人の娘の詳細について説がいくつかありますが、ここでは「ネッサンがローマ兵に性的陵辱後に惨殺され、馬車で引きまわされ、無惨に遺体を捨てられたことに激怒したブーディカが挙兵した」説を採用します。
デュナ/お、おのれローマ……(笑)
GM/ブーディカは怒りのあまり、ローマ人を軍人だけでなく女・子供問わず22万人を殺戮する大戦争を起こします。その惨殺の様子は凄まじく、拷問・処刑という言葉が似合うような……怨霊の中の怨霊の伝説を作り上げました。
ミズ/そ、そうなんだよな、ブーディカさんって……。
GM/ネッサンはそんなブーディカの2人目の娘です。なお、ブーディカは「娘に酷いことをされて挙兵した女王」として有名ですが、娘2名の名前は歴史的には残っていないそうです。
ロア/へー、そうなの!?
GM/なので「ネッサンで調べても出てこないよ」と言ったんです。今回はサトクリフという人が書いた小説『闇の女王に捧げる歌』にエスィルトとネッサンという名前が付けられていたため、それを採用しました。
デュナ/あー、サトクリフ先生ですね! クー・フーリンの伝記も書いている小説家です。
ミズ/そうなんだ!?
GM/ちなみに、ソールズベリーで【幸運】判定に成功しないと悪い男達に連れ去れそうになるって描写しましたが、もし失敗していたらネッサンは歴史通り「陵辱されて死亡する」ことにする予定でした。
デュナ/……つまりここは、ネッサンが死んでいないため、ブーディカが挙兵しない世界。このまま……ネッサン陛下を即位させると? 歴史が大きく変わる?
八雲/本来は、ネッサンが死んで戦争が起きる……。起きなかったら? ……冒頭で断章組が抱いた違和感が、現実のものになる?
GM/ネッサンが父王やお母様の話をした横で、ジェイドの顔が、複雑そうになっていることに気付きます。
ミズ/ジェイド……。
ロア/複雑そうな顔をしているなら、ジェイドの裾をぴっぴって引っ張る。……どうしたの?
GM/「…………」 ジェイドは、無言です。ネッサンがオックスフォードの人々に呼ばれ、去った後に……ジェイドがフードを取ります。みんなだけに、自分が女の子であると明かします。
ロア/あ……。
GM/「……自分、あの子の家族かもしれない。彼女のことが……娘のように思えてきたんだ」
八雲/娘……。
GM/「あの子が巡礼の鐘を鳴らし終えて、嬉しいよ。……母親のように嬉しい筈よ……」
ミズ/……そうか……。
GM/…………。しんみりしてきちゃったので、シーン3終了後に発生する千早パートを挟みます。

 ――どんぶらこ、どんぶらこ。
 北の山から南東に流れる川。それを下るのは、何故か水軍の船。
 呉用「山! 川! 山岳地域! 湖! 大変動きやすい! この最高の軍師である僕が梁山泊のシャドウ水軍サーヴァントを召喚して急流下り! 最優の軍師がいるのですからマスターに怪我がある訳がございません! 
ご安心くださいPC達!

デュナ/すっげーメタ!(一同爆笑) そうだね、実家のような安心感!(笑)
八雲/呉用さんが元気ですって≪絆の両眼≫で視てみんなに伝えます(笑)
GM/八雲さんの目、便利だな〜(笑)

 千早は2人の英霊に守られながら、ノリッジに向かっているであろうPC達に合流すべく山を下る。
 そんな千早の隣には、小さな小さな妖精の女の子の姿があった。


 GM/「なるほど、チハヤ。貴方達はそんなことをしていたのね」 そう言う妖精さんの顔は、まだ不服そう。……ティンダロスの猟犬が時間跳躍をする連中を見る目と同じです。

ミズ/あー、「時を越える連中が気に食わない顔」かー。
デュナ/ミズさんの「スンッ」っていうあの真顔か(笑)

 ??「貴方達のように自由に時間跳躍する輩がいると世界がひっちゃかめっちゃかになる可能性があるのよ!? ダメダメよ!」
 千早「で、でも……異端堕ちした悪い人に世界をひっちゃかめっちゃかにされないように、それを止めるために私達は来たんです!」
 時間跳躍に苦言を呈する妖精へ、懸命に自分達の行ないを説得する千早。


ミズ/あの妖精と気が合いそう。
ロア/気が合いそうなんだ(笑)

 ??「……分かりました。貴方達の行ないは、今回は目を瞑ります。
 異端堕ちした能力者が時間を越え、世界をあってはならないように改変しようとしている。それを止めるために貴方達も時間を越えてきた……。
 ええ、確かにチハヤは世界を守るために来た子ね。なら、世界を元の形に戻すために遣わされた私と協力関係になれる!」


ロア/おおっ?

 千早「私達と協力してくれますか?」
 ??「協力するわ。これから……世界は大きく『本来の在り方』から外れようとしている。それによって、未来に大きな変化が生じ、運命が曲がってしまう。
 大勢の人生が変わってしまう『とんでもないこと』が起きようとしているの。
 私はその異変を防ぐために下界に降りてきた神。小さな体になって出力を落としているから、力を行使することができる。
 本来進むべき運命に全て戻すために……お互い頑張りましょう!」

 川を下った先、何者かが現れた。熊だ。
 ??「キャー!? そこのおじさん達! バフをモリモリしてあげるから野生動物たちをなんとかしてー!」
 小さな小さな、か弱そうな妖精がスキルを使う。ダーレスの攻撃力がアップ。ダーレスのこうげき!
 ダーレス「うわ、ただのおじさんなのに熊をワンパンできたわ」


ミズ/マーリンのバスターバフか!?(笑)
デュナ/脳筋が出来上がった!(笑)

 ??「ふう、助かった……。よし、ワンパンできたその熊の器を借りましょう!
 ……このままだと歴史は誤った道を進み、2000年後は別の世界になってしまう。そうなる前に、操りやすい動物達の器をお借りして強硬手段に出てしまいましょう!」