ゲヘナ・リプレイ・前のめり☆乙女団
■ 第5話 『瓦礫と温泉と蛇の首』 ■
2007年12月6日




GM/……今回はGMが妖霊に関して勉強してきました。なので5話からファラさんを使えることにします。
一同/わーわー(ぱちぱちぱちー)
GM/ファラさんはサラマの町からムスキダへ飛んできました。遅刻してやって来たけど迎えてあげてよ!

 ミシュアルの妖霊として参戦する『5人目のキャラ』として追加されたファラのデータは以下の通り。
 外見→『華奢で儚げ』。性格→『落ち着いているが、おっとり』。所持能力→『風への耐性』『発火』『飛行』『火への耐性』『予感』。


ミシュアル/ムスキダの町で一晩あけて目覚めたらファラさんがやって来たでいいかな? あらららら〜、やっと来たのね〜。
GM/「おはようございます、ミシュアルさん。遅れてすみません! 私もこれから参戦させていただきますっ」頭をペコペコ下げながら、そのまま合流ってことで頼みます
サラマ/……あれ。もしかしてラーシャちゃんはお店に1人なの?
GM/「いえ、アフタールさんのお知り合いに信頼できる女性がいるからと預けさせてもらいました」
サラマ/なーんだ、アっくんが面倒見てくれてるんじゃないのか〜。
GM/……アっくんも光源氏的な夢を見てるだろうけどね。では「よろしくお願いします〜」とヒョコヒョコしているファラさんと会いましたが、どうしますか?
リド/あ、そうだ。目立った成長として報告しておくよ。……経験点を支払って【堕落ポイント】を0にしました。消しておいた方がいいと思って。
ココ/ロリは【堕落ポイント】滞納したままですよ。――じゃあこれからニビの町に行こうと思うけど、どうやって行けばいいかな。ねぇカラム君?
GM/それではカラム君がこの辺の町に関して教えますよ。「こんなカンジですねー」と地図を広げてくれます。
サラマ/ありがとう。で、アンタ誰だっけ? あ、ガーニムだガーニム!
リド/オカン、覚えてやれよいいかげん!(一同爆笑)

 オカンの健忘症はいつもの事ながら。
 ムスキダの町からニビの町に行くまでには、間に大きな砂漠がかまえていた。
 少し離れた東西それぞれの方向には町がある。一番早くニビに行く方法はモンスターが出る危険な砂漠を突っ切るルートだが……。


ココ/砂漠を突っ切る以外にどんな方法があるの?
GM/「見てお判りの通り、西にフェリド、東にカナーンという町があります。まっすぐ突っ切るより時間がかかりますが、立ち寄りながら行くのも手です。フェリドの特徴は……町に巨大なコロシアムがあることで有名ですね」
サラマ/おおっ、それは戦士の血が騒ぐ!
GM/「闘技場でそこそこ名を馳せている町で、腕試しには良いと闘技大会に参加する冒険者も多いそうですよ。治安はあまり良くないですけど……」
ココ/フェリドに行ったらオカンが大活躍ね。賞金も貰えるの?
GM/「ええ、闘技大会に優勝したら貰えますね。あと逆方向のカナーンは、ニビに行くには時間が一番かかるルートですが、温泉が涌き出ています」
リド/ああ……温泉か。それは良いな。
GM/「カナーンは数年前までは寂れた砂漠の宿屋だったけれど、近頃温泉が発掘され栄えてきました。地方でよく食べられていた肉料理も人気が出てきたところで、温泉町に行ったら一度は食うべきだと噂されています」
ココ/肉かぁ……観光地として骨休みできるわね。
ミシュアル/温泉も、冒険者達の傷を癒してくれるものなんじゃないかな?
サラマ/よし、ここはあえて突っ切るという選択肢で。みんな乗りな!
リド/ここまで言っておいて!?(笑) とっても男らしくて『前のめり☆乙女団』に合うけど!
ココ/じゃあここは公平に多数決にしましょうか(笑)

 全員必ず1回は手を挙げることにして、票を取ってみたところ……。
 フェリドに行く→オカンだけが挙手。
 カナーンに行く→ココ、オスカル、オカマ&ファラさんが挙手。
 圧倒的多数の結果、温泉町カナーンに行くことになった。


GM/「それではいってらっしゃーい。皆さん気をつけてくださいねー」とムスキダの町の入り口でカラム君が手を振ってます。
ココ/そっちも勉強し終えたらマサラに遊びに来てねー。
GM/「はーい! サラマさん、名前を覚えてくださいねー! 俺はカラムですよー!」
サラマ/よく聞こえなーい! 何が絡むの!?(一同爆笑) キャノン持ちパイルダーオンモードだからドドドドドって音がうるさい!
リド/砂漠だからザザザザザって音だろ(笑)
ミシュアル/後ろの方に物凄い砂煙が立ってるし! アラレちゃんのキーンみたいな!(笑)
GM/咲き乱れる花の光景を目にする余裕もなく。――貴方達はカナーンの町に辿り着いたのでした。
サラマ/2人を投げ飛ばします。
リドミシュアル/投げ飛ばされますっ!(笑)
ココ/頭から【軽業】でクルッと着地。――さて、カナーンってどんな所かしら?
GM/城壁のような大きな壁に覆われた町ですね。町の入り口の門を入れば市場通り。観光目当てのお客さんでいっぱいです。……そして一際大きな真っ白い建物と、大きな円形な壁に覆われた建物から湯気が上がっているのが見えます。
ミシュアル/あ。あれが噂の温泉ね?
GM/市場通りを歩き始めると、すぐ客引きのオジサンが声を掛けてきます。「お嬢さん達、もう宿屋は決めたかな? ウチに泊まっていかないかいー?」
ココ/そうね、ここで滞在するなら宿屋を決めておいた方がいいでしょう。良い条件の場所があればいいけど。
ミシュアル/それじゃ【土地勘】で調べてみよっかな。(ころころ)達成値3よ。
GM/では、通りから離れていくほど宿の値段が安くなっていき、質も落ちてきます。裏通りの方までいくとそれに応じて治安も悪くなっていきます。と言っても、貴方達の酒場があるような雰囲気ですね。
ミシュアル/中間ぐらいの良さそうな宿屋にしましょ。――ここはおいくらかしら?
GM/「一晩1人40Diだよ」
ココ/……十分安いけど、【舞踊】で値切ってみます。(ころころ)4でクルクルクルー。
GM/「おおっ、コリャ凄いね」踊りにパチパチと宿のオニイサンが感心して「いやぁ、そこまでやってくれるならちょっと値下げしちゃおうかな。一人35Diにしてやろう」
ミシュアル/やった、安くなった!(笑)
GM/「お嬢ちゃん、芸達者だねえ。色んなことが出来るのかい?」
ココ/出来ないことなんて無いわ。ロリに無理なことと言ったら高い物を取れないことぐらいよ。
ミシュアル/他にもオカマのお化粧やママの騎乗があるわよ?
GM/「そっか。良いこと教えてやろう。芸に自信があるんだったら領主様のところに行けばご馳走してもらえるかもよ?」
リド/……領主様?
GM/「この町を治めている人で、アミド様っていうんだ。この町の温泉を指揮っているのもあの人だよ」
サラマ/「もうー。網戸まで割っちゃってー」のアミドですか?
ココ/……網戸って割るものなんだ?(笑)
GM/『あみ↑ど』じゃなくて『あみど↓』ね。「領主様のお家は……あの白くてデカイ建物だよ。ここからでも見えるだろ?」
ココ/やっぱりあそこなんだ。今日はここで何をしなきゃっていうこともないから、領主様のところに行って温泉入ってくるのも良いかもね。あくまでここは息抜きに来たんだし。
リド/確かに。……温泉かー。
ミシュアル/温泉かー。
ココ/どうしたの?
リド/……いや、なんでもない。なんでもないぞ。
サラマ/なに? 気になるわね、【騎乗】しまーす!
リド/なんでもないってば!(笑)

 乙女団は宿のオニイサンにオススメされるがまま、領主アミドの屋敷と繋がっている温泉に向かうことにした。
 町中に匂うのは、あまり他の町では嗅がない奇妙な匂いばかり。『これが温泉の匂いなのか』と、途中いくつも寄り道しつつ、なんとか白い建物に無事到着した――。


GM/女の足は寄り道が多いね。あっち行ったりこっち行ったりしながらもアミド様のお屋敷に着きました。屋敷の前で警備の男性が「なんだ、お前達は!?」と声を荒げます。
リド/うん? 何か怪しいか?
GM/あからさまに怪しいじゃないか!」(一同爆笑)
ミシュアル/確かにみんな怪しいけど!(笑) アタシ達はただ観光で来た前のめり乙女団よ!
GM/「ハッ、失礼しました。アミド様は珍しいものがお好きですからどうぞお通りください!」
ココ/限りなく珍しい生き物ばっかだよ。……珍しいもの好きだからって色んな人を通しているの?
GM/「はい。珍しい話や珍しい芸ができる者は大歓迎です。こちらへどうぞ……」そう、憲兵のヒトがピンポーンと押して……。
ミシュアル/ワッツアナイスピンポーン!(笑)
GM/みんなの共有財産ピンポーン。憲兵に通された場所は大きな食堂です。そこには色んな人々が会食しています。
リド/冒険者がたくさん?
GM/そうっぽいね。その中から、六十代ほどの白髪まじりの温厚そうなおじいちゃんがニコニコ話しかけてきます。「おおーっ、面白そうな人たちが来てくれましたね。どうぞどうぞ! どのようにムスキダには来たのですか?」
ココ/オカンの肩に乗って来ました。
リド/いや確かにそうだけど(笑) 私達はマサラの町からやって来たんですよ。
GM/「なんと。そんな遠いところから遥々よく! 折角ですからここの名産物を食べていってください! あとこれが温泉の割引券です。どうぞどうぞ!」
ミシュアル/もういらねえよってぐらい食べ物があるのね(笑)
ココ/で、もういらねえよってぐらい冒険者達も食べてるんだろうね。
サラマ/じゃあ私が遠慮なく頂くわよ!
ココ/……アミド様。ここは何が名産物なの?
GM/「カナーンではラクダの肉を使ったケバブが人気なんですよ!」
ココ/わあ、おいしそー。……【裏知識】で盛られた肉が何か調べます。疑い深くてゴメンね。
サラマ/疑い深ーい! おかわり!
ココ/もう食べてるけど調べるわ。(ころころ)……2だった、判らないかな。
GM/肉を調べてみましたが、食べたことはないが毒は入っていないと判ります。
ココ/……ラクダって移動手段としか見てないから食べないのよ。こんな肉なのかしら?
リド/毒が入っていないのなら安心して普通に食べます。もぐもぐ。
サラマ/あ、アンタこれ食べないの? もーらいっと、知らない冒険者のを盗っていきます!(一同爆笑)
リド/すみませんごめんなさいごめんなさい!(笑)
ココ/見事に連携プレイがとれてるなぁ(笑) みんなに色々もてなしてるけど、それほどお金を儲けてるのね?
GM/そうですね。温泉で成り立っている観光の町のようです。……ただ、ファラさんがソワソワしてます。
ミシュアル/どうしたの、気分でも悪いの?
GM/「な、なんだかイヤな感じの町ですね……」
ミシュアル/ヤなカンジ? どんな風に?
GM/「うまく言えないんですけれど……ぞわぞわします」
リド/ん? なんかおかしいから【魔術知識】で変なものが張られていないか確かめてみよう。(ころころ)うーん……達成値3だよ。
GM/3なら判らないかな。でも知識的に、『妖霊が嫌な予感がすると言ったところには大体邪霊が関係している』と思った。
サラマ/よく判らないから温泉行きましょ! 行きました! みんな女よね!? 入りまーす!(一同爆笑)
GM/温泉は当然入り口が男女別に分かれてますけど、どうしますか。
リド/む……みんな、みんな私の正体気付いてそうだよね?
ココ/…………と言うかね、気付いてなきゃオスカルって呼べないんだけど。
リド/あ、そうかもしれない!(笑)
サラマ/あれー、そういやどうしてリドってオスカルなのよ?
ココ/ママはオスカルの意味も知らないで使っていたでしょうけど(笑) ママ、ロリと温泉に入りに行きましょ?
サラマ/私一番ね! ポンポンポーンいやっほー!(一同爆笑)
ココ/はーい、【軽業】で衣服を全部キャッチしまーす(一同爆笑)
GM/ロリとオカンは温泉に入りましたと。……2人は?
ミシュアル/リドちゃんに振り返って、どうするのって訊きます。
リド/意味深なこと言うな!(笑) お、お前も気付いてたのか……?
ミシュアル/オカマに判らないことなんて無いのよ(何故か一同爆笑)
リド/あーっ! すごく負けた! 勝てねーっ!(笑)
ミシュアル/女は強いけどそれ以上に強いのはオカマだから。女の強さと男の逞しさを兼ね備えた生き物なのよ(やっぱり何故か一同爆笑)
リド/お、お前こそどっちで入るんだよ! 下世話な話をするが、そういう手術はしてあるのか?(笑)
ミシュアル/経験は無いけど女風呂に入ります(一同爆笑)
リド/……そ、そうだ。2人で図書館でも行って調べものでも行こう!(笑) 領主の家の周辺にこの町の歴史書がある図書館がありませんか?
GM/では、領主の屋敷の隣を記念館にします。
リド/図書館に行こう! ……まだ心の準備が出来ないから入らないことにする(笑)

 という訳で二手に分かれることになった乙女団。ロリ&オカンが温泉に入り、オスカル&オカマが図書館に行くことに。
 最初のシーンはこの町名物の温泉組から……。

サラマ/でっかいライオンの口からドボドボドボってお湯が出てるんでしょ! ションベン小僧とシャチホコは!?(一同爆笑)
GM/いや、普通に湯船に浸かれるところがあるだけの温泉です。洗い場があって湯気が立ち込めるなか、みんなが体を洗ってますね。
ココ/うん、水が熱い。ロリ逆上せそう。
GM/……と、指を浸したココちゃんは異常なことに気付きました。
ココ/なに?
GM/……ヌルっとした感触がする。泥のような赤い湯のように見え、匂いを嗅いでみると……血と泥が混じったものに見える。
ココ/……鉄分が多く含まれているのかしら? それとも、本物のブラッド?
GM/でも周囲の皆様は楽しそうにお湯を浴びてますよ。小さい子に「走り回るんじゃないよー!」と言うお母さんがいたり、血まみれで泳いでいるチビッコがいたり。
ココ/……この光景は、ゲヘナ世界的に普通?
GM/普通ではない、あからさまにおかしいと貴方は感じます。
サラマ/いやっほー! どけどけここは私のプールよー!(一同爆笑)
ココ/……おばあちゃんキャラが居ませんかね?
GM/いますね。シワシワのおばあちゃんが体を洗ってます。「オヤオヤ、お嬢ちゃん。どこから来たんだい?」
ココ/遠い国から降ってきたロリです。この温泉って何か効力があるのかな、博識なおばあちゃん!
GM/博識設定!?(笑)「……そうだねえ。肩凝りが治ったり、みんなが楽しい気分になったりするねぇ」
ココ/これってこの地に湧き出た天然のお湯なのかなぁ、実は遠い町の乙女団新聞社の記者なんですよー。だから色々訊いて回ってるのです。これって何色だろ、湯気で白くてよく判らなーい。
GM/「何を言ってるんだい、キレイな乳白色じゃないかい」
サラマ/それってオカンにも見えてるんですか?
GM/見えてますね。
サラマ/気にしないで泳いでるんだ!(笑) 泳いでて、なんだかクッセーなあ……でもそんなの関係ねぇ!(一同爆笑)
ココ/……おばあちゃん、ロリは今日初めて温泉に入ったんだけど凄く嫌な匂いがしない?
GM/「そうかい? 温泉ってものはこんな匂いだと思ってたけどね」
ココ/ちょっとレバー食べたときみたいな匂いがするー。血みたいだよー。……一般人には自覚無いのか。【裏知識】でココが判る範囲でこれが何か思い出してみます。(ころころ)達成値3。
GM/……呪いですね。
ココ/……呪い?
GM/ここ、地獄ですから。地獄から人間達が逃げ出さないように過酷な景色を見せなくする邪霊の呪いがかかっている地域があります。
ココ/……しまった、温泉を調べに来たのに知識人がどこかに行ってしまった。仕方ない、温泉を瓶詰めて……知り合いのオカマとオスカルに持っていってあげよーっと。
サラマ/見て見てココー! バタフラーイ! ねえねえシンクロって知ってたー!?(一同爆笑)
ココ/足を出してるだけでどう見ても八ツ墓村ね(一同爆笑) ……ママ、そろそろ出ましょうか。牛乳飲みながら腰に手を当てましょう?
サラマ/ダメよ、ちゃんと百まで数えるの! いーち、さーん、ごー!(一同爆笑)

 さてさて、器用な数え方をしているオカンは放っておいて。
 一方知力対戦コンビは、温泉に入らず高級市内の図書館に逃げ延びていた……。


リド/……女と気付かれていたのを知って少しショック受けてます(笑)
ミシュアル/すみませーん司書さーん。本が見たいんですけど書庫に入って平気ですかー?
GM/図書館の受付の人がヒョッコリ顔を出して「いいですよー。町の歴史はこの奥ですー」と教えてくれます。
リド/ありがとう。……気を取り直して、書庫に行って調べます。【文献】で(ころころ)……ごめん、達成値2。
ミシュアル/(ころころ)……すげえ、達成値0だ!(笑) ファラさん、頑張れる?
GM/「は、はいー」頑張ってファラさんが解読すると……「あの、この町は昔とても寂れていたそうですよ。……ってアレ?」
ミシュアル/どうしたの?
GM/「……突然、温泉街としての記述があります」
リド/突然?
GM/「はい。それまでに温泉が涌き出るなんて記述が無いですね。突然昔からあったかのように書かれてますけど……」
ミシュアル/開発してたら偶然温泉が出てきたなら判るけど、そうでもない?
GM/「ないです。いきなりですね……。あ、今現在温泉になっている円形の建物は、昔コロシアムだったんじゃないかしら?」と地図を発見します。
ミシュアル/え……なんか凄いヤな想像しちゃった。
リド/……うん。嫌な予感が。
GM/ヤなカンジぃ〜な貴方達は、――ハッとします。
リド/なにっ?
GM/書庫の窓から、小さな子どもがこちらを覗いている!
ミシュアル/……どんな子?
GM/ショタです。年はラーシャちゃんぐらいの男の子ですね。
ミシュアル/どうしたの坊や、と窓を開けて話しかけてみます。
GM/「わっ!」と謎の生き物に話しかけられてビックリしました(一同爆笑) 怯えた顔で「……アンタ達、この町のヒトじゃないよな?」
リド/そうだが……何かあったのかい?
GM/ちょっと悩んでから……ファラさんの手を掴んで「この町っておかしいよな!?」(一同爆笑)
リド/どういうことだ、こっちは軽くショック受けたぞっ!(笑)
GM/いや、男の子だもん。オッパイ大きい方いくよ。「お前たち、あの温泉見たか?」
ミシュアル/いや、まだ見てないんだけど?
GM/「……みんな誰も気付いてないけど、この町は絶対おかしいんだ! 血でできた池に入るなんて異常だろ!? 昔からあったようにみんな振舞うんだ!」
リド/……それがもしかして、あそこの建物の中のことか?
ミシュアル/温泉……きっとココちゃんは気付いてるだろうけど、もう1人は気付いてないな!(一同爆笑) そうだ。君、お名前は?
GM/「俺の名前はニム。小学校6年生でそろそろ膝が痛くなってくる年頃だ」
ミシュアル/GM、いらない設定ばっかり細かいよ!(笑) ……町の人は気付かなかったのに、なんでアンタは気付いたの?
GM/「判らないよ……誰に言ってもお前がおかしいって言われるし。俺、こんなのヤダよ……!」思いつめた顔で言いますが、知力組の2人は『邪霊の呪いに気付いてしまう者が少なからず稀にではあるけれど存在する』ってことを知っています。
リド/……一人だけ気付いちゃったんだ。
GM/彼らを『気付く者』と言い、享受者が殆ど気付くように、感覚が変化していってしまうのです。……そういった者は自ずと享受者と邪霊の戦いに巻き込まれていってしまいます。「それに……俺の友達がどんどん消えていくんだよ!」
ミシュアル/消えてる? どうして……。
GM/「判らない! 温泉の機械を色々動かすために大人も子どももみんな働いてる。けど、一緒に働いていた友達が少なくなって……みんな居なくなったことに気付かないんだ!」
リド/……もう物凄くイヤな想像しかできない。
ミシュアル/フルスロットルでイヤよ。くそ、GMめ……イヤな温泉作りやがって!(笑)
GM/ちゃんとした温泉作っちゃったらゲヘナにならないじゃないか。ただのブレイクタイムじゃん(笑) ニム君はガシッとファラさんを掴んで「どうすればいいんだろ、俺……?」と震えています。
ミシュアル/……この子を連れて行きましょう。オカン達と合流すれば、きっとココちゃんが何か手がかりを持ってきてくれるわ、ココちゃんが(一同爆笑)

 震える少年ニムを連れたリド&オカン&ファラは図書館を出て宿屋に戻り、またロリ&オカンも同じく部屋へと戻ってきた。
 ロリはいつまでも終わらない数かぞえのせいで逆上せていたが……赤い瓶を片手に合流する。


リド/(瓶を見ながら)……これが温泉のお湯? 何色ですか。
GM/「赤く見えるよな!?」とニム君が叫びます。町全体に漂っていた匂いもこれ一本に凝縮されてますね。
リド/……硫黄の匂いじゃなかったのか。改めてコレ調べていいかな。【知力】で(ころころ)……達成値1! なんで出目悪いんだー!
ミシュアル/(ころころ)2だ……。とりあえずオカンとロリ、早く体を洗って! 血生臭いのどうにかしなさい!
サラマ/この匂いが良いんでしょ、まったくこれだから田舎者は!(一同爆笑)
GM/「……あの人は大丈夫なのか!?」
ミシュアル/大丈夫、ちょっと頭が悪いだけだから!(一同爆笑)
ココ/えっと、ニム君だったっけ? いつの間にか温泉があったって言うけど、貴方はいつ頃から血の温泉だって気がついたの?
GM/「……3年ぐらい前から」
ココ/3年間ずっと「俺がおかしいのか?」って言ってたの? ……ツライね。人格破損しちゃうよ、鋼魔も生んじゃうよ(一同爆笑)
サラマ/えっ……じゃあアレって血なの!? なんで教えてくれなかったの!?
ココ/あそこにはたくさん人がいたでしょ、だからよ。
サラマ/これだから空気読めないって困るわよね!
ココ/困るよね、どうしてくれるのよオカマ。
ミシュアル/アタシのせいじゃないわッ!?(一同爆笑)
ココ/……この異常さは領主様の仕業かしら? それとも領主様も乳白色に見えて、「わっ、温泉が出た! 村興しするぞー!」ってタイプなのかしら。
ミシュアル/アミド様も知らないんじゃない? 嫌な噂も出てこなかったし。そういうのって訊いて回れる?
GM/それならニム君が「……享受者が集まるバーに、俺の理解者がいる」って言います。
ココ/あら、いたの。なら早速行ってみますか。どこにあるの?
GM/領主の屋敷や市場通りからずっと離れた、治安の悪い方面にあります。――そっちに訪れてみると、少し荒れた繁華街らしく、いかがわしいお店が立ち並んでいたりお薬でイっちゃってるオニイサンもちらほら見受けられます。
ミシュアル/ニムに連れられながら酒場に入ります。カランカラーンピンポーン。
GM/『享受者が集まるバー』としてニム君に招待された酒場には……天使のおばあちゃんが主人をしています。「いらっしゃい。おやぁ、ニムじゃないか。どうしたんだい?」
ココ/おばあちゃん。率直に言うけれど、貴方はあの温泉は変だと思ってる?
GM/「……変だよねえ」よしよしとニム君の頭を撫でつつ答えます。でもその顔は何かに絶望しているようにも見える……。
ミシュアル/どうして絶望7のカードを引いてしまったの?
リド/こら、ゲームが違うだろ!(笑)
GM/「……アンタも見ただろう? これでもワシだって神に仕える身なんだよ。それなのにあの汚らわしいものを見てしまって……」
リド/……本当に、人の血なのか。
ココ/もう確定でいいかな……ああ、それとアミド様に悪い噂ってあるの? 領主が悪趣味な温泉をわざわざ造ったって考えられない?
GM/「いいや、良い噂しか聞いたことがないねぇ。あの人は昔からこの町の発展にとても尽くしていたからねぇ。いつだって一生懸命で町を大きくしていこうと頑張っているんだよ」
ココ/……ちなみに、この町で『蛇の男』や『黒づくめ男』を見た?
GM/「蛇の男!?」とニム君がハッと気付きます。「いたぞ、蛇っぽい目をした奴だろ!」
サラマ/それよ、蛇太だ!
ミシュアル/違う、蛇太郎でしょ!
リド/本名で呼んであげようよ!(笑) アルファルドのことだな?
GM/「名前までは判らないけど前からこの町で姿を見せているぞ。アイツも珍しい話を……神様や堕天使の話をしてアミド様に気に入られたとか聞いた!」
ココ/……そして蛇も温泉に安く入ったんだね。
ミシュアル/……でも楽しいのかなぁ、蛇も温泉に入って(笑)
リド/そうだ、おばあさん。昔、温泉があった場所にコロシアムがあったというのは本当なんだな?
GM/「ええ、随分昔にはコロシアムがあったんだけどね。そこは潰された筈なんだけど……なんであんなモンが出来たんだろうねぇ?」
ココ/ある日突然幻覚で町の人に気付かれず建設って普通は出来ないわ。……これは私達が解決しても大パニックになりそうね。
ミシュアル/……そうね。解決できるだろうけど、その後の町の人が心配だわ。アフターケアのアフたんが必要かなぁ(笑)
ココ/……やっぱり温泉の中身が気になるわ。改めてオスカルとオカンが見に行ってくれない?
ミシュアル/……それなら夜か。個々の様々な問題があるし(笑) 夜になるまで待機しましょう。


 ◎〜 CM

ココ/美味しいピンポーンはいかがですか。チップスター、ピンポーンバージョン。美しいピンポーンがお送り……しない!

 という訳で、乙女団+ニム君は宿屋で夜になるのを待った。
 作戦会議の末、温泉の閉店時間である夜十時近く――九時四十五分ぐらいに部屋を出て、客に紛れて潜入することに。
「温泉のところに行くのか?」
 とニム君が不安げに尋ねてきたが、頷くしか出来なかった。


リド/ああ、どうやら血まみれの温泉には行かないと話が始まらないみたいだからな。
GM/――では、夜の温泉に向かいます。昼間とは違った賑わいを見せていますね。繁華街で見たようなオニイサン達も入りに来ているようです。
リド/……じゃあ、荷物の底に入れていた女の服を着て行きます。
ミシュアル/アタシも一緒に女湯を入り……。
GM/番台が引き止めます。「ニイチャンはこっちだろ?」
ミシュアル/ア・タ・シはオンナよ! 1人はイ・ヤ!(笑)
ココ/……はーいGM。ロリは6歳だから男湯に入れるよね? これなら男女湯二分できるからいいかな?
リド/それが良いな。ココ、頼む……私はおとなしく女湯に入ります。
サラマ/アンタ誰!? あ、カラムって何だっけ!?(一同爆笑)
リド/もうカラムでいいよ!(一同爆笑) ……女湯に入って、今度はちゃんと手にとって湯を調べてみます。今日はやたらと出目が悪いから振りたくないんだが……。
ミシュアル/そうだ! ファラさんも一緒に女湯に入るので、妖霊の効果でダイス1個振り足しをして!
リド/ありがとう。それだと【魔術知識】をダイス7個で振れるから……(ころころ)よし、ギリギリ達成値4! このどろっとしたものは何だ?
GM/……古い土壁のようです。昔の建物に使われていたようなものですね。
リド/……ん? 何で混ぜられてるんだろ?
GM/いえ、意図的に混ぜられているという感じはしません。『混じってしまった』と感じました。そこに、

「ハーイ、キミ達! 温泉なのに覇気がないの?」
 と、お馴染みの声が湯船の中から現れた。


リド/……はぃ!? シェヘラザード!?(笑) 慌てて胸を隠しますよ!?
GM/ちゃんと覆ってますよ、『彼』も。「今日はちょっと胸があるからねっ!」
リド/女体っ!?(笑) ……自分の胸と見比べます。
GM/豊かですね。
リド/凄く負けた気がする!(笑) お前、何でこんなトコいるんだよッ!?
GM/「えっとね、今回は部下の働きをチェックしに来たんだ」
リド/部下……あの蛇男のことか?
GM/「いっぱいいるから判らないなー」
サラマ/覚えられてないんだ、可哀想アルル!(笑)
リド/お前、部下のことぐらいちゃんと把握しとけよ! バチャってお湯をかけます!(笑)
GM/「だって……ここにはこんなにいっぱいいるんだもん」と空に向けて手を掲げる。すると、……空にチカチカと瞬くものが。
サラマ/んっ……?
GM/「邪霊がいっぱいだね! でも今日のボクはドキドキなコトしないよ。ただ温泉に入りに来ただけだもーん」
リド/……これを温泉と言うのか? この町に関してはお前の部下がやったって……。
GM/「そうだね。少なくともボクはこんなみっともないやり方は好みじゃないかな」
サラマ/……それにしても部下の名前さえも覚えないってサイテーよねっ! 人の名前覚えないのってダイッキライ!(一同爆笑)
GM/「サラマさーん、ボクの名前覚えてる?」
サラマ/アルゴルでしょ!(一同爆笑)
GM/シェヘラザード超ショックぅ!(笑)「今回もどんな風に解決してくれるのか楽しみにしてるから!」普通にザバァッと上がって出て行きます。
リド/……【感覚鍛錬】で足を引っ掛けていいですか!(笑)
GM/貴方が足で滑らそうとスカッとやろうとしたときにピョンッと飛んで、――背中から6枚の黒い羽が生えます。
リド/あっ……?
GM/「なんて危ないことをするんだ。シェーたん怒っちゃうぞ!」
サラマ/アンタ! イイ乳してるわねぇ、ウチで働かない!?(一同爆笑)
リド/なんでこんなときに誘ってるんだよ!?(笑)

「じゃあ、精々頑張ってね」
 6枚の羽が生えたのも一瞬。女湯にいた『彼』は、他の客と同じように脱衣所に歩いていった。
 ……そんなことをやってたらもう閉店十時。彼以外も退室する中、4人だけは脱衣所に留まっていた。


GM/ではここでスーパー言い訳タイムをしてもらいます。なんとかして温泉から追い出されないようにしてください。
リド/じゃあ【交渉術】でスタッフに言い訳します。(ころころ)……え、2で失敗!
ミシュアル/こっちは【土地勘】で隠れられるような良い場所が無いか探す……(ころころ)うほ、1だ(笑)
サラマ/【登攀】で!(ころころ)……あれ、2だ。失敗。
ココ/【隠密】で(ころころ)6成功。……今日のダイス目、ホントにみんなどうしたの?
リド/なんかさっきから3以上が出ないんだけど!?

 注釈。
 実際のプレイでは今までこのリプレイの2倍ほど判定をしているのですが、ページ数の問題で大幅に省略されています。
 しかし、本当に『ココ以外がまったく成功しない』という負の連鎖に陥って進まなくなってしまうほどダイス目が悪くなってしまいました。


ココ/……すみませーん番台さん! ロリだから忘れ物しちゃったのー。(ころころ)【手業】でスッと番台にお金をあげます。――私達のこと、誰にも言わないで?
GM/……番台さんはコクッ頷いて去っていきました
リド/なんて黒いロリなんだ!(笑)
ミシュアル/絶望した! もう一回絶望7のカードを引いてしまった!(笑)
GM/――それでは、お客がみんな居なくなった後。……お風呂のお湯がダクダクと抜かれていくのを目にします。
ミシュアル/抜かれた後、何か残ったりしませんか?
GM/はい、湯船の底に蓋みたいなものがあります。そこを落とすことによってお湯を出したり入れたりするようです。するとニム君が「こっから地下の工場に繋がってるんじゃないか?」と言います。
ミシュアル/単純に温泉のシステムよね?
ココ/【機械工作】で『鍵開け』します。達成値2で鍵って開けられるんだよ。(ころころ)ハイ、ラクラク完了!
GM/ではロリが湯の口が開くと……血の匂いのする路が出来ました。先は真っ暗に伸びていて、声を掛けてみるとそんなに遠くないと感じるぐらいで返ってきます。
ミシュアル/……楽しくないけど下りましょうか。ヌルヌル下がっていきます。
GM/ヌルヌル滑る道を歩いていくと……ファラさんがふるふる震え出します。「い、嫌な感じの場所ですね……」
リド/妖霊が言うんだから相当だな……厄介なことが多そうだ。
GM/……そして、暫く歩くとある空間に出ました。人が何人も入れるような広い場所で、先には入り口。そこにツタのような植物が鉢植えで置いてあります。
リド/何だアレ。入り口に入る前に確認しよう。【魔術知識】で(ころころ)2……。
ミシュアル/こっちも【魔物知識】で(ころころ)1、ダメだ。
リド/もう一度【知力】で(ころころ)ああっ、ダメ。1!
ミシュアル/なら【知力】で(ころころ)失敗……あと使えるって言ったら【土地勘】しか!
ココ/【堕落】して【裏知識】いきます。
一同/ええっ!?(笑)
GM/……邪霊が、ココちゃんに「助けてあげるよニヤニヤ」とやって来ます。
ココ/ほぉら、ロリに力を貸してごらん。――なんかコレは失敗したらダメな気がするから確実に成功しておくよ。
GM/……ではココちゃんには、これは『地獄の植物』であることに気付かされます。門番などに多く使われる、逃げ出そうとする人々を捕らえて押し戻してしまうというツタです。よく見ると周囲では血の跡がありますね。
ミシュアル/誰か食われてる!(笑) ……入ったらコイツを倒さない限り出られないの?
GM/ですね。植物なので炎には結構弱いです。ただし、巻きついてきて魂を食らいます。
サラマ/襲い掛かってくる危険性があるって判っただけでも良かった。ニム君を肩に乗せます。
ココ/一番安全だよね、オカンの肩の上が(笑) じゃあ、中を潜りましょう……。

 鉢植えを通り抜け、空間を歩いていくと、そこは作られた『地獄』だった。
 大きな機械を動かす大勢の人々。それを見張っている鬼のような生き物。人々は生きた者はおらず、みな魂の姿をしつつもぐるぐると働いている。
 近くでは髪の毛を燃やすような嫌な匂い。轟々と人の体を燃やす黒炎の海。その隣では何度も魂を蘇らせている白炎の渦。
 燃やされるのは人間、蘇らせられているのは魂、働かされている多くは……子どもだった。


リド/……ちょっと待って。チラリとニム君の方を見ます。
GM/青ざめた顔で彼らを見ています。
サラマ/見ちゃダメェ! お腹をドスッと打っておきます!
ミシュアル/ええっ、全部夢だったってオチにする気!?(笑)
GM/ではニム君はガクリといった(笑) ……しかし気絶していてもうなされていますね。
ココ/……子ども達が重い何かをグルグル回してるのね。キタキタ親父が「特に意味は無い」って言われたアレを(笑)
GM/意味はありますよ。あれで温泉を沸かして循環させたりしてるんで。……白炎の方では肌色の体がゆらゆらと折り重なっていたり。
サラマ/あ、綾波ぃー!
GM/違う!(笑) 足の無い魂だけの存在はゆっくりと歩いて働きに行く……その一帯は白炎でキラキラと輝いています。
ミシュアル/……ポケモンタワーの聖域みたいなもん?(笑)
GM/魂だけが何度も蘇らされているんです。獄には様々な邪霊が支配していまして、人間の魂を何度も蘇らせて苦痛を与えるんです。そういうところと同じ構造でここは動いているんだなと感じました。
ココ/……まさに地獄ね。この空間はプロが作ったみたいだけど。
GM/ちなみに黒炎のエリアでは人間が黒焦げになって焼かれる前に、機械の中で人間達が搾られているのが判ります。
ミシュアル/……搾ってるの?
GM/うん、ぎゅううぅっと。そして血液タンクの上に古いパイプが延びてる。
リド/……ここで人間を搾って温泉のお湯代わりにして、肉体は焼く……と?
GM/それとその機械は搾った搾りカスを2つに分けていますね。判りやすく言うと、骨とかの食べられないところと、食べられるところにです。
リド/えっと、その肉って……調べられますか?(笑)
サラマ/調べちゃダメだバカヤロー!(笑)
ミシュアル/お、オカンでも判ったぞこの結果!(笑)
GM/……では、【自我】で精神力判定してください。全員、『10マイナス達成値分』の気力ダメージを受けてくださいね。
サラマ/(ころころ)達成値1だったから……う、9点もダメージ食らったよ!(笑) もう気力5しかないんですけど!(一同爆笑) 誰だ調べると言ったヤツは! オカンが先に倒れたらみんなゴメン!
ココ/最大火力のオカンが倒れたらこのパーティ死ぬから(笑)
GM/…………あのさ。実はGM、グロイの苦手なんだよ。
ミシュアル/今更言うな!(笑) ……ここを止めることって出来るの? 破壊すればいいのかな?
GM/黒炎の機械は、10点分ダメージを与えることが出来れば壊せますよ。
サラマ/じ、じゃあ壊すわよー! いきまーす!(ころころ)トオルさんも使って12のダメージ! ぐりっ!
GM/ガン、と打ち付けられドオオオン……と倒れる機械。そして爆風が貴方の方にばっと吹き付けます。
ミシュアル/ええっ!? 【煌き守る炎】をオカンに! 【精神抵抗】にダイス2個振り足して!
サラマ/ヤッホーありがとう!(ころころ)3……役に立たないオカマかと思ったけど役に立つじゃない!
GM/じゃあオカンは3引いて2点ダメージを食らいます。……死霊達が貴方達に「タスケテクダサイ」と訴えかけた目をで見てきます。
ココ/……この騒ぎを聞きつけて鬼が来るわね?
GM/はい。鬼は3体、襲い掛かってきます!

 大きく獰猛そうな鬼のイニシアチブは10。
 4人は鬼が走ってやってくるところを待ち伏せし、先制攻撃を行い、鬼の痛いとこを総攻撃する作戦に出た。毎度のごとくロリから連撃、オカンが攻撃→しかし失敗。オスカルが3連撃大ダメージを与えつつ、1体ずつ潰していく方針をとり確実に仕留めていった。


ミシュアル/そうだ、ファラさんに初めて攻撃してもらおっと! ダイス6個振って……(ころころ)命中2。
GM/(ころころ)残念、ファラさんはスカっちゃいました。そして力が無くなってキュ〜。
ミシュアル/でもラウンド終了時点で気力1点支払って全回復させるぜ! ファラさん頑張って!
GM/「はい、私頑張ります〜!」と、ラウンド2になったところで……機械から黒炎が吹き荒れます。
ミシュアル/えっ、さっきオカンが潰したから!?(笑)
GM/(ころころ)オカン、リドちゃん、ミっちゃんの3人は炎に巻き込まれてしまいました。【精神抵抗】してください。
ミシュアル/【煌き守る炎】を3人全員にかけます! みんな、ダイス2個振り足しよ!(ころころ)6、よし、成功。
サラマリド/(ころころ)失敗!
GM/では失敗した2人には5点素通しの黒炎ダメージが入ります。
リド/そっか、装甲無視なんだっけ。改めて思う、黒炎怖いな……(笑)

 2ラウンド目に入り、ロリは連撃をしまくり、オカンは刀術で連撃を開始。……3連撃いったところでダイス12個の渾身攻撃を食らわせようとするが……。

サラマ/(ころころ)5以上の出目が……1個、2個、3個……。
GM/残念、3だと鬼は避けてしまいますよ。ダイス12個で振って失敗かぁ……。
ココ/……ママ、【堕落】する?
サラマ/堕落しません、勝つまでは!
ココ/勝ったら堕落しないよ、普通!(一同爆笑)

 鬼の1匹はオカンの方にパンチで9点ダメージ。もう1匹目はオスカルになんとファイアボールを投げてきた。オカマがオスカルを【煌き守る炎】で守り、抵抗に成功したが……半減でもダメージが6点も入ってしまう。

GM/では、騒ぎを聞きつけて入り口の鉢植えのツタがウニョウニョし始めます。敵が1体増えました。
ミシュアル/あれ、逃げてないのに動くの!? 最初に焼いておけば良かったか……。
サラマ/食べておけば良かった!
GM/……そして、カツカツと奥の方から足音が。
ココ/……今度は誰? 噂の彼かしら?
GM/ですね。「皆さん、こんばんは。またお会いしましたね」
ミシュアル/……アルル?
GM/「そんな可愛らしいあだ名を付けてもらえて光栄です」
リド/今回の騒動は、お前が原因なのか?
GM/「いかにもその通りでございます。こうして出会ってしまったら戦うのが邪霊と享受者の宿命。ワタクシも自分の仕事を全うする者でございます……」礼とともに、姿を巨大な蛇に変身させます。

 鬼とは別に現れた新しい敵は2体。蛇のイニシアチブは11。草はイニシアチブ14。
 既に総攻撃で倒した鬼のほかに、オスカルは装甲無視連撃でもう1匹の鬼を燃やし灰に化した。
 ツタのターンでミっちゃんミチミチ攻撃してくる触手たち。4で命中させオカマは当たってしまう。そしてダメージ8で巻きついていった……。


GM/ではミっちゃん、【敏捷力】で判定してください。失敗すると次のラウンドで動けなくなります。
ミシュアル/それはイヤ! あ、ファラさんをここで使うんだな! ダイス5個振り足します。(ころころ)4! ありがとうファラさん!
GM/おっ、見事抜け出しました。……しかし、巻きつきから逃げるときに、魂が抜けるのを感じました。3点の気力ダメージ。
サラマ/えっ、気力!? ヤバイ!
ミシュアル/オカンの残り気力がヤバイんだっけ! リドちゃん、早めに燃やしてー!
ココ/……いや、その前にロリがツタに向かってデスティターニア!(ころころ)4で命中させます。
GM/ツタは鉢植えなので動けません。当たります。
ココ/そっか。…………。
ミシュアル/あ、また闘技チットをいっぱい持って計算してる(笑)
ココ/…………【堕落】3点払います。
一同/えええっ!?
ココ/ダメージ8。ではGM、【致死判定】をしてください。ちなみに現在ロリの堕落ポイント6点だよ。
GM/こういう時の出目って信用ならないんですよね。(ころころ)……ツタはコナゴナになりました。
サラマ/ココありがとう! 流石ムスメ!

 一撃必殺により、現れたばかりのツタが消え、残されたのは鬼とラスボスのみ。
 まだ無傷だった鬼もオカンに掛かればほぼ一撃。4度に渡る連撃に耐える敵ではなかった。


サラマ/……ダイス16個で連撃いきます! でも通常攻撃で! 欲しがりません勝つまでは!
GM/さっき13個振って外したもんな。
サラマ/16個でも臆病なので!
リド/いや、堅実って言うんだよそれは!(笑)
ミシュアル/空気は読めないけど真面目なんだな、オカン!(笑)
サラマ/(ころころ)よし、最後のダメージは……8点くらえ!
GM/お、4回全部大ダメージが入ったので、ちょうどピッタリぐらいで鬼は刺身になりました。
リド/やったー、あとはアイツだけだ!

 その前にアルファルドのターンがやって来てしまう。
「攻撃、行かせていただきます」
 そう笑って蛇は言うと、部屋中の黒炎がパッと彼の元に集まり……全体黒炎攻撃を与えてきた。


ミシュアル/全体に? そろそろ気力がヤバイんで、オカンにだけ【煌き守る炎】をかけるわ!
一同/(ころころ)失敗!
GM/では、失敗した人は装甲無視で12のダメージを食らってください。
リド/うわっ! ……残り生命力9点だけどなにか!?(笑)
サラマ/こっちは残り14。ティウンティウン――そろそろ星に帰らなくちゃ!(笑)
ミシュアル/アタシも残り12。……これは殺しに来てるね。
GM/……あー、ツタがいなくて良かったなぁ(笑)

 ファラさんのダイス振り足し2点を貰いつつオスカルは黒炎で連撃。装甲無視ダメージを3回当てて相当の大打撃を与えた。
 しかしまだまだ蛇は倒れない。
オカマは「自分が潰れてはいけない」と真っ先に回復。そして気力1点消費によりファラさんも全回復した。


GM/ラウンド終了ですが、蛇が指をパチンとすると……部屋の『邪霊律』という黒炎のシステムが若干変化します。(ころころ)6。……途端にガクッと頭が重くなります。貴方達の闘志が少し萎えてこのターン頂ける闘技チットにマイナス1がきます。
リド/ええっ!? これは潰しにかかるしかない!

 本当に潰しにかかるしかない状況だった。
 全員の生命力は10前後。
 回復役のオカマのターンは最後の番で、その前に蛇が大ダメージを与える可能性があった。
 ロリが刀術で斬りつけ、オカンに乙女団の行方が全て託されることになった。


サラマ/蛇の攻撃になる前に潰すわよ! 『頭の中のトオルさん』使用! 二度死んで!(ころころ)12点ダメージ。(ころころ)13のダメージ。もう一回!(ころころ)8のダメージー!
GM/前にリドちゃんの連撃とロリのトオルさんも食らっているから……ああ。
ミシュアル/落とせるッ!?
GM/「グアアアァッ……!」――蛇は悲鳴を上げて崩れ落ちます。
サラマ/よっしゃ、首と体をブツ斬りにします!

 ザンッ!
 オカンの包丁一振りにより、胴体と首とが分かれるアルファルド。大蛇でなく姿は人型に戻っていく。
「皆さん本当にお強い。これではワタクシ敵いませんねぇ……」
 首だけを向けて、男は口を開いた。


ココ/戦闘終了……蛇さんがここ作ったのでファイナルアンサー?
GM/「……はい。ファイナルアンサーでございますよ」
リド/……お前達が、人間達を堕落させようとしてた訳か。
GM/「……それがワタクシ達の仕事でございますから。我々の王の命でございます」
ミシュアル/……王っていうのが、シェーたん?
GM/「はい、そのとおり。本来の名は、イブリス様でございます。――堕天使イブリス様が、この地獄に人間達を閉じ込めたのでございます」
リド/……アイツがか。
GM/「イブリス様は唯一、神に匹敵する存在。そのイブリス様が人間達を試しているのですからワタクシ達も貴方達を試さなければなりません……」いつもどおりの笑顔でそう語りかけます。
ココ/蛇の頭を抱きます。――私達は貴方の挑戦に勝ってしまったのだけれど、満足かしら?
GM/「そうですねえ……今回の結果はイブリス様も本当に楽しんでくれたのではないでしょうか」
ココ/貴方のおかげでね。……でも貴方の名前さえもあの人は覚えてないし、みっともないと言われているのよ? どう思う?
GM/「それでもワタクシは良いのです。あの方に仕えることさえできれば……ワタクシはそういう存在でございますから」
ミシュアル/……なに、アルルってちょっと可愛いじゃん(笑)
リド/……うん、健気だ。どうしてくれるGM!(笑)
GM/何が。「ワタクシのような存在を相手に好意などを抱かれても無駄であるということは皆様が一番よくご存知でしょう?」
ミシュアル/……ねえ。このままアルルを倒したら、みんな元に戻るんでしょ。……町は大パニックになるの?
リド/……お前、きちんと落とし前つけとけよ。なんとかしろ!
GM/「そんなこと言われても。ワタクシを倒したからといって世界は変わりませんよ……?」
ココ/……そうね、ここの問題はここに住む人間がなんとかするもの。でも、なんとかさせるためには誰かがヒントを出さなきゃ。貴方はそれを言えるんじゃない?
リド/そうだ。人間はいつだって這い上がってこられるんだから……私達のように。
ココ/『這い上がる方法』とやらを貴方もちょっとは考えてみて? ……【枕事】で彼の唇にキスします。
一同/うわあっ!(笑)
ココ/シェーたんがどう思おうが安心なさい、ロリは貴方のような人が好きよ。(ころころ)達成値5で成功。蛇にチュッとします。
GM/「おやおや、可愛いお嬢さんにそこまでされてはワタクシどもとしても少しくらいのお土産を残しておくしかないでしょう。仕方ありませんね……」

 蛇の首が一息入れたとき、温泉の建物がフッと消える。
 気付いたら皆、瓦礫の上に立ってた。
 そこは元々のコロシアムだった場所だ。壁には一面、戦士のものだと思われる血の跡がついている。
 そして足元から……小さく、お湯が涌き出ていた。
 今度は本当の温泉が……。
「アミド様はお強い方、訳を話せば再興に手を貸して頂けるのでは?」


ココ/……真面目なおじいちゃんだから「そ、そんなことがあったのか。では私の財力で新たな村興しを!」みたいな?
GM/「それでは……ワタクシ、この形を保っているのが難しくなってしまいました。そろそろ失礼しましょう」
ココ/じゃあ、ポフっと瓦礫の上に生首を置きます。
リド/……痛くないように一瞬でやってやる。パチンッと指を弾いて黒炎で燃やします。

「それでは皆さん、ごきげんよう……」
 蛇に炎が灯される。
 炎は直ぐに蛇を灰にさせて、細い煙は空に一筋昇っていくのだった……。


GM/……ところでココちゃん。邪霊にキスしちゃったんで【堕落ポイント】1点稼いじゃいましたね?
ココ/いや、それは是非やりたかったから良いの。(キャラクターシートに堕落ポイントを書き込みつつ)――じゃあこのことを領主様に伝えに行きましょうか。温泉が出たよってね。
GM/人々は、この町に温泉があったこと自体を忘れています。領主も『長くコロシアムの跡の瓦礫しかなかった場所に温泉が湧いた』と聞いて大喜びしています。「なんということだスバラシイ! 君達はそれを見つけてくれたのか!」
ミシュアル/ええ、まあ(笑)
GM/「これで町の名物ができるぞ! ありがとう、これはほんの気持ちだ……」と謝礼に大きなサファイア『抗魔』(売ると4000Di)と一本500Diのお酒を4本くれます。
リド/ありがとうございます。……『抗魔』は売らないでオカンにあげよう。また【精神抵抗】を多用する戦闘が来るかもしれないからな。
GM/みんなが温泉だヤッター、と喜んでいる中……ニム君だけは辛い面持ちで跡地の温泉を眺めています。搾られた人達は元に戻りませんから。
ミシュアル/……ニム。男ってもんは辛いことを乗り越えて強くならなきゃいけないんだよ。
GM/「……うん。俺……みんなみたいになりたい。俺はこの町を出て強くなる。この町であったことは忘れないよ……」
サラマ/そうよ、私も忘れない! 絶対に忘れないわ!
ココ/ママ、今度は本当の温泉に入りに来ようね?
サラマ/イヤだ温泉なんて敵だ! 温泉嫌い同盟を作ろう! あとカラムって誰だっけ!?(一同爆笑)

 時刻はまだ朝方。
 まだまだ星空がと灯る夜の空の下。
涌き出る温泉の音を聞きながら、そんなことを話し明日を待つ乙女団なのでした――。