ゲヘナ・リプレイ・前のめり☆乙女団
■ 第4話 『恋と日記と言葉の迷宮』 ■
2007年11月8日




 2人の女の子を連れ、ますます賑やかになってマサラの町に戻ってきた乙女団。
 今回はリドちゃんの中の人の希望で日常シーンから始めたいということで、「GMは丸投げ」なオープニングが始まった……。


ココ/日常シーンなら店の演出でもしてみようか。朝からハーイいらっしゃいませー。ご注文の地鶏の焼き鳥ですよー。
ミシュアル/そんなの出る酒場なの!?(笑) しかもそれってホントに地鶏かなぁ……。
ココ/なにを隠そう、オカマが搾って出しましたー。
リド/また!? ……ところで前々から気になっていたんだが、店長のサラマは接客できるのか?
サラマ/店内で仁王立ちしてます。
ミシュアル/ちゃんと洗い物してるイメージだったんだけど!?(笑) あれ、待って。朝からメニュー持って出迎える酒場ってなんかおかしくない?
リド/昼はレストランで夜は酒場なんじゃないか?
ミシュアル/第4話にしてニュー設定が付きました!(笑) ……そうだママ。ここの酒場の名前って無いの?
サラマ/うーん……そういやここって『マサラの町』なんだよね。私の名前がアナグラムになってるんだよなぁ。
リド/うん、私も時々書き間違える(笑) じゃあラマサ……『ラマーサの酒場』てのはアラビアンぽくて良いんじゃないか?
ココ/『レストラン酒場ラマーサ』? なんか幻でも見て眠たくなるカンジね。
ミシュアル/折り返し地点に来てやっと酒場の名前が付いた! 遅ぇよ!(笑) あ、そういや今回レベルアップしてオカマが【妖霊使役】を取ったわよ〜。これでファラさんが正式加入よ〜。
リド/妖霊も実体化できるからファラさん達もお皿を運んでくれたり、ラーシャちゃんもトテトテお皿持ってロリの後ろをついて来たりするんだろ?
ココ/と言ってもロリは6歳の身長100センチだよ。ラーシャちゃんの方が十二歳で年上。
サラマ/え、ロリの身長108センチじゃなかった? 確か官能の数だって。
ココ/…………ママ。今、何て言った?
ミシュアル/オカン、『煩悩の数』だからッ!(一同爆笑)

 まだ時間は朝です。リアルタイムも夜ではありません。
 オカンが珍しく赤くなったところで、馴染みのお客さんがやって来ました。


サラマ/いらっしゃい、見ない顔だねえ。
リド/今さっき常連客って言っただろ!(笑) GM、どんな子が来たんですか?
GM/年は十六になったばかりの牛の獣人の女の子、名前はサニアちゃんです。「こ、こんにちは……」と元気が無さげに挨拶します。
リド/ん。どうした、サニア?
GM/サニアは、暗い顔をして溜息をつきます。
ミシュアル/どうしたの、恋の悩み?
GM/どうして判ったんですか!?」(一同爆笑)
ココ/……この4人の中で一番恋愛経験豊富なのって誰だと思う?
サラマ/多分オカマじゃないかな。撃沈の数が凄まじそうだし。
GM/「あのっ、ミシュアルさん。ご相談があるんです、一緒に座ってください!」とサニアちゃんはオカマに近寄ってきます。……ちなみに牛の獣人なので大変胸が豊かでございます。
ミシュアル/まぁボンキュッポン。落ち着きなさい。ハイ、お茶よ。
GM/「あ、ありがとうございます……でもなんで恋だって判ったんですか?」
ミシュアル/顔を見ればそんなの判るわよ(なぜか一同大爆笑)
GM/頼りになるなぁIKKOさん。「あの、私……この前お仕事で遠くの町に行ったときに、とても素敵な人と巡り合ったんです」
ミシュアル/どんな人と?
GM/「私なんかとは違ってとても落ち着いていて、知的で、眼鏡の下の青い瞳が印象的な……銀色の髪の男性でした!」
ココ/(いきなり)……セフィロース♪(一同爆笑)
GM/あんな偉そうなイカじゃありません!(笑) もっと優しそうな人でした!」
ミシュアル/そのセフィロスの名前は判らない?
GM/「はい……私が本棚をひっくり返してしまったときに助けてくださって。そのとき動転してつい訊けませんでした」
ミシュアル/……じゃあ仮にセフィロスとしよう(笑) その銀色の男ってのは……まさか『銀糸の民』?
サラマ/ああ、虚弱でいつも死亡フラグが立っているっていうあの銀糸の民?(笑)
GM/「そうだと思います。図書館で本を読んでらしたので、多分何かを研究なさってる方だと思うんです」銀糸の民は頭良い種族なので。
サラマ/すぐ連絡先を聞いたの? とっととアタックしなさいよ!
リド/そんなの出来るワケないだろ、いきなり!(笑) オカンってそういう時は積極的だよね……「アンタ、私と付き合いなさいよ」みたいな?
GM/「私もサラマさんみたいに積極的になれたらっ!」
ミシュアル/いや、ならなくていいしここまでなったら危ないから!(笑) ……それで、サニアちゃんはそれほど想っている人にまた会いたいの?
GM/「……はい」
サラマ/それはハッキリと好きですって言えばいいじゃないの! 毎日味噌汁を作りますって言っちゃいなさいよ、イライラするわね!
GM/「そんな勇気、私には……!」
ココ/オカン、さっきから言うことがカッコイイね。そうやって旦那さんも捕まえたの?
サラマ/私に旦那はいないよ。
ココ/旦那がいないのにオカンという矛盾が発生した!?(一同爆笑)
GM/いやぁ、不思議な話だ。そう騒いでいるところにいつも通りアイツがやって来ます。「ハイどうもー。テメーら俺の金でホイホイ飲みやがってー!」
サラマ/ごめん、居なくなっていいよ!(一同爆笑)
GM/いやいやいや!(笑)「……サニアからの話はもう聞いたか?」
ココ/あ、サニアちゃんとアフたんはお知り合いなんだ。
GM/「サニアは紫杯連の構成員なんだ。でも危なっかしいしドジばかりするからまだ見習いだけどな」あと、サニアちゃんは享受者ではありません。妹みたいなモンだとアフたんはサニアちゃんの頭をがしがし撫でています。
リド/お前も女遊びはいいかげんにしておけよ……。で、何の用だ?
GM/「新しい依頼を持ってきた。今度は3日以上かかる遠くの町に行ってもらう内容なんだが、話して構わないか?」
リド/じゃあサニアちゃんの件は一先ず置いて、話を聞きます。
GM/「サニアのコトもちょっとは話があるんだが。まあそれはともかくお前らは黒髪の憎いあんちきしょうと何度も接触したんだよな」
リド/……それが何か?
GM/「こちらで奴についてまとめた調書を、ある町の紫杯連に届けてほしい。レポート配達だな」
ミシュアル/それは……敵が奪いに来るほど素敵な代物なの?
GM/「なんつったって密書だからな、郵便じゃ運べないんだ。中は暗号で書かれている重要なモンだから、報酬は4人で7000Di。危険だし時間もかかるので前金で2000Di払おう」
ココ/……とても大変そうなお仕事っぽいねぇ。
GM/「……ついでに、その町の途中に『ムスキダの町』という学問の町がある。そこにサニアを連れて行ってやってほしい」
ミシュアル/サニアちゃんもお仕事?
GM/「ああ。前にも仕事に行ってもらったんだけどまた用事ができてな。だからもう一度行ってもらうことになった」
リド/……それって? サニアの顔を見ます。
GM/「あ、あの人に会った町です! 学問で有名な都市ウアスの近くにあって筑波みたいに学生が沢山いる所なんですよ!」
ココ/ムスキダ、ね。……それと我々が調書を持っていく目的地の名前は?
GM/……ニビの町。
ミシュアル/結局そこはニビシティなんだ!(笑)
GM/「ニビまでは遠いから、キャラバンについていってムスキダまで、そこからまた大きな砂漠を越えて行くことになる。ニビの町の紫杯連に『アフタールから』と言えば判るから。……シャーリーという女に言えばいい」
リド/……それも知り合いか?
GM/「……オレのお姉さんです。お前ら逆らうなよ、マジで強いから!」
ミシュアル/えっ、なんというリーダー一家!(笑)
ココ/なんだかそれはゲーム的にも強そうね。戦うお姉さんキャラと言って弱い筈ないか。
サラマ/へえ、美味しそうな名前ね。シャーリーを探せみたいで!
リド/ウォーリーも食べ物もお姉さんもどれも繋がってないよね!?(笑)
GM/「サニアの件は別に行ってもらうつもりだったが、オレの個人的なお願いで一緒に連れて行くよう頼むんだから……オレから500Diずつ出すよ。帰りはオレが迎えに行くから、サニアのことを頼んだ」
サラマ/……凄い気になるんだけど。サニアちゃんはセフィロスに会ってどうするの?
GM/「ま、まだ私にもわかりません……」
サラマ/何しに行くんだよ! だから付き合っちゃえよ、告白しちゃえよぅ!
GM/「あああっ、すみません〜っ!」と真っ赤になって大混乱でお茶のカップをバキィッ。
リド/ああっ、やっぱり獣人だからっ!(笑)

 ――数時間後。
 一つ目の目的地であるムスキダの町に向かうキャラバンに乗せてもらうことになった乙女団+サニアちゃん。
 仲間になったばかりファラは酒場のコトとピンポーンと何か予定があるというコトで今回はお休みになった。
 キャラバンの中でゆったりと過す乙女団……。
「あ……そういえば貰った前金で指輪が買えるな」


サラマ/私も、このお金でレベルアップした包丁が買えるようになったわ。
GM/それじゃあ、キャラバンの中に商人がいるのでお買い物できますよ。長い旅の中、商人達は暇そうにしています。
ココ/……そうだ、何か芸をしたら値段が安くなったりしない? 確かゲヘナの世界って【舞踊】が最高の芸能だったよね。
GM/ロリは踊れるんですか?
ココ/【舞踊】技能は持ってないけど【敏捷力】で振ればいい。だからオカンも踊れるよ、騎乗ダンスでもしたら?
ミシュアル/オカンのダンスって凄く力強そうね(笑) ではオカマはキレイに踊りが見えるよう照明代わりの炎を灯します!
リド/じゃあ私は剣に炎を纏わせる。赤炎で色の変わるように調節を……(ころころ)おお、達成値7で成功!
ココ/(ころころ)あ、全部基準値クリアで大成功。ロリ踊って炎が舞いまーす。踊るたびに炎が追加していって!
サラマ/凄いことになった! 全員の合体技だよ!(笑)
GM/「わーわー。お嬢ちゃん達、面白いことするねえ。よし、特別に2割引で売ってやろう!」
ココ/やったー。――早速だけど防具の『胸当て』を買おう。装甲+3は良いね。
ミシュアル/オカマもココちゃんと同じ『胸当て』を買うわ。
サラマ/オカンは銘刀を少しパワーアップさせて、『素敵な包丁』にします!
リド/私は『発魔』という素敵な魔具を買おう。掌に付けるもので、魔術の強制力をプラス2にしてくれるらしい。
GM/女の子の買い物はいつも盛り上がりますねえ。――ではそこで。キャラバンの中で砂漠を渡っている最中、遠くで黒い砂の塊がユラユラと蠢いているのが見えます。
リド/ん? なんだアレは。
GM/魔術系の知識がある人ならすぐ判るよ。……アレは、人の怨念を吸って黒く染まった砂でできたゴーレムだ。
サラマ/……ゴーレム?
GM/と言っても砂漠をうろついているだけで、こちらから危害を加えなければ攻撃を仕掛けてくることもない。オジサン達も「最近アレが多くてね」と目的地まで迂回しながら行くことも多いようです。
ミシュアル/……確かにイヤねぇ、町の方に来ないならいいけど。敵意が無ければ襲ってこないってオームみたいなもん?
GM/そうそう。砂漠の生き物なのでわざわざ町に来ることはないでしょう。――とやっている間に、ムスキダの町に到着しました!
ココ/サニアちゃんの呼吸はどうですか。
GM/やや過呼吸になってます。「確かあの人は……ターコイズブルーの上着を着てました」
ココ/せめて名前だけでも判ればいいんだけどね。前に来たときにセフィロスさんの居た場所に行ってみる?
サラマ/図書館だったわね。なら看板掲げて「この人知りませんかー!?」バーンって入ればすぐ見つかるんじゃない!?
リド/図書館はお静かに!(笑) ……とりあえず図書館に行ってみようか。
GM/図書館に入ると司書の女性がどうしましたかと訊ねてきます。
サラマ/人を探してるのよ、この子の好きな人がいるらしいんだけど、銀糸の民らしいんですよ!
リド/オカンはちょっと黙ってろ!(笑) 図書館だから大声が余計に響くんだよ!
GM/「銀糸の民の方ですか? それだけでは沢山居ますからね。特徴はございませんか?」
ココ/サニアちゃん、出来るだけ詳しく話してちょうだい。
GM/「は、はい。眼鏡をかけていて、上着は……」「ああ、それでは神語学院の生徒さんではございませんか? その学校の生徒さん達がそのような上着を着てよくいらっしゃいます」
リド/……神語術の学校?
GM/ここ学問が有名な町なので、神語術の他にも黒炎や白炎の学校もあります。この世界の魔術って学問ですからね。
ココ/スキルを取れば術が覚えられるゲームだからね。オカマだって妖霊を使えるようになれたんだし、それで黒炎を覚えれば灰炎術師になれるよ。
ミシュアル/回復もできて攻撃もできて妖霊も使える……それって最強のオカマだな(笑)
ココ/ドラクエでいえば賢者だね。……で、今は図書館にその学生さんはいない?
GM/「何人かなら生徒さんがいらしてますよ」
サラマ/サニアちゃん、騎乗して! 肩車してやるよ、乗りな! 誰かこの人を知ってる人いませんかー!? 神語学院の人いませんかー、手を挙げてくださーい、さっさと答えなさーい!(一同爆笑)
ミシュアル/近寄ったらブチ殺されるって思われるよ!(笑) みんなビクビクしちゃうでしょ、ママ!(笑)
ココ/そんなこんなしてれば、勇気のある一人の少年が手を挙げてくるんじゃない?
GM/じゃあ「何されるんだろう……」と怯えながらも近付く少年の姿が。「え、えーと、誰か人を探してるんですか……?」
サラマ/お前気に入った、勇気あるな!(笑) さぁ答えなさい、絞めます!
リド/ちょっ、文化系なんだから許してあげて! 死んじゃうから!
ココ/こういう人を探してるんだとセフィロスの特徴を話しますか。キミ、知ってる?
GM/「銀髪の奴なら何人かいるけど……もしや、神語学院の中でも優等生で有名な……ウルトのことじゃないですか?」
ミシュアル/……なんだよ、本名セフィロスじゃねえのかよ。(セフィロス調に)ウルトォ〜♪(一同爆笑)
ココ/ウルト君かぁ。その人、今は学院の方にいるのかなぁ?
GM/「今なら学院で……アルゴル先生の研究室にいると思います」
サラマ/よし、案内しろ!
GM/「え、学院までですか?」
サラマ/いいよ、私が許す!
GM/「あ、はいっ」
サラマ/じゃあ、乗りな! 少年を騎乗させる!
GM/「……あの。オネエサン、お名前は?」
サラマ/私の名前? ハンッ、名乗るほどのもんじゃないよ。
GM/……俺はカラムっていいます、覚えてくださいっ!」(一同爆笑)
ココ/オカンに惚れた!? ええっ、まさか未来の旦那フラグ!(笑)
サラマ/わかった覚えておく! でも【知力】1だから記憶術ないんだよね! 右に曲がりたかったら右の耳を押しな、時々どっちが左右か判らないから! あれアンタ誰だっけ!?(一同爆笑)
ミシュアル/根性気に入ったんだから名前ぐらい覚えてあげなよッ!(笑)
リド/そんなカラム君にポンと肩をたたいてやろう。ガンバレ(笑)
GM/「は、はい、頑張ります!」――という訳で神語学院に着きました。
サラマ/たのもぉー!
ミシュアル/そこはピンポーンでしょう!(一同爆笑)
サラマ/ああっ、しまった!(笑) ピンポーン、キミに決めたー!
ココ/密書を作ってくれたのもきっとピンポーンなんだよね。ピンポーンが一晩でやってくれました(一同爆笑)
サラマ/ピンポンが夜なべをして〜レポート作ってくれた〜♪ ……やっぱアフたんいらなくね?(一同爆笑)
GM/先に進めますよ!(笑)「ここが俺の通っている神語学院です。俺が中を案内しますね」
サラマ/よっしゃ行くぞ少年! 誰だっけアンタ!?(一同爆笑)
GM/「カラムです、カ・ラ・ム!」
サラマ/カラム!? アンタ、私の名前と微妙に被っていて覚えにくいのよ!(一同爆笑)
ココ/……カラム君、アルゴル先生ってもちろん神語術の先生なんだよね?
GM/「はい。ウルトはアルゴル先生の弟子でいつもそこで勉強してると思います」
リド/ほー、ぜひともその先生に話を聞いてみたいな。
GM/「でも……アルゴル先生は最近塞ぎ込みがちで、会ってくれるかどうか判りません」
リド/……ん?
GM/では、奥のアルゴル先生の研究室……3番教室に来ました。
ココ/……私達の目的はセフィロスだからね。あまり気にせず研究室を開けましょう。
GM/「あ、あの」……急にサニアちゃんが割って入ってきます。
ミシュアル/うん? どうしたの。
GM/「私の、アフタールさんから頂いたお仕事……ここのアルゴル先生にまた資料を渡すものなんです」
ココ/まあ、なんという偶然。……しかも『また』?
GM/「は、はい。そのときに近く図書館にも行く用事があって、そのときに本棚を……」
リド/……ああ、成程。じゃあ頼まれ事がこれで一つ解決できるな。
GM/そうですね。では研究室を開けますと――そこには、三十代ぐらいのオジサンが机に向かって書き物をしています。
ココ/サニアちゃんを見ます。
GM/この人はウルト君ではないとジェスチャーをした後、「アルゴル先生、こんにちは。アフタールさんの届け物です」とサニアちゃんが前に出ます。
サラマ/これはアルゴル先生ね。……カラムって誰だっけ!?(一同爆笑)
ミシュアル/……GM。カラム君ってこんなにいじられるキャラとして用意しなかったよね、もちろん?(笑)
GM/うん、カラムーチョからのカラムで勢いで出たNPCだよ(笑・用意されたお菓子を食べながら)
ココ/一応研究室中を見渡してみるけど、ウルト君と思われる人物はいない?
GM/お揃いのローブを着た生徒達はいるけど、銀髪の生徒はいないですね。
ココ/ここは空気を読まずに先生に訊ねてみよう。すみません、ウルトって生徒さんはいませんかー?
GM/「ウルトなら……上の階の書庫に本を取り行ってもらってる。何かウルトに用かい?」
ココ/野生のウルトを探しています。
GM/「養殖のウルトもなかなかいないんじゃないかな」
ミシュアル/先生、面白い人だね!(笑)
リド/いいひとみたいだし、塞ぎ込んでるようには見えないが。……ウルトはすぐ戻ってきますか?
GM/「そうだな……待っていれば来るだろうし、書庫に直接行っても会えると思うが?」するとサニアちゃんが大声で「じ、じゃあ書庫まで行きましょう!」
リド/ハリキってるなサニア(笑) じゃあ書庫まで行ってみようか。
GM/カラムが案内します。「書庫はこっちですよー、ついて来てくださーい!」
サラマ/あれアンタ誰だっけ!?(一同爆笑)

 上の階までやって来て、学院らしい広い図書館に案内される乙女団。
 本棚の迷路を探してみると一番にサニアが「あっ!」と声を上げた。


ミシュアル/ウルト君が居たのっ?
GM/「は、はいっ! どうしましょう……」
ミシュアル/行っておいで。ここはアタシ達は何も口出さないから。
GM/「……わかりました。勇気を出して、行ってみますっ」……ある本棚の方へ、サニアは歩いて行きます。そこには、ローブを着た銀髪の眼鏡の男性が。
ココ/ハーイ、ママも今だけは黙っていようねー。
GM/「あの……っ!」

 ラブシーンが始まる――と思ったところで、
 感じる何か。


リド/……んっ?
GM/【危険感知】をオネガイします。
リド/え、【危険感知】持っているのは私だけだろ。(ころころ)達成値2です。
GM/銀髪の男が振り返り「キミは、確か……」と呟いた瞬間、――いきなり町が崩れ落ちます。
ミシュアル/えっ!?
サラマ/ガクッていくの!?

「うわああああぁ!」
 4人と2人……と突発的登場の1人は、奈落に落ちていく。
 落ちて落ちて……皆、意識が途切れた。
 次に目を開けたところは、真っ暗で何も見えないところであった。真っ黒な空間で、お互いの姿だけが確認できるという不思議な――。


ミシュアル/……ん、ここは。赤炎で明かりをつけます。
GM/火を点けますが、すぐにシュッと消えてしまいます。
リド/えっ……みんな、大丈夫か!?
ココ/4人は無事だよね。サニアちゃんとカラム君とウルト君は?
GM/サニアちゃんは草食獣人は頑丈が取り柄なので平気です。「皆さん、大丈夫ですかっ?」
ミシュアル/ウルト君とカラム君は平気なの? ねえ、コレってどういうことだか判る?
GM/「お、俺達にもサッパリ……」「これはどういう事だろう……キミ、大丈夫だったか!?」とウルト君はサニアちゃんにちゃっかり抱き合ってます。
ココ/ああ(笑) ……この学院は定期的にガコンってなるお祭りでもあるの?
GM/「いや、そんな仕掛けは無いと思いますよ……」
サラマ/何が何だか判らないから【登攀】で壁を登ります!(ころころ)達成値は2!
GM/オカンは「壁を登るぞー」と壁を探しに走ったまま……帰ってきませんでした(一同爆笑)
サラマ/オカンの行方は誰も知らず!
リド/ちょっ、オカン! どこへ行くー!?(笑)
GM/そして反対側からオカンが走ってきます。
リド/おおっ!?(笑) ループしてる……壁が無いのか?
サラマ/ただいまー! え、壁ってなんだっけ?(一同爆笑)
ココ/GM、【裏知識】で何か判らない?(ころころ)4だからそこそこかな。
GM/ではロリはなんとなく判る。――『迷宮』というモノがゲヘナに存在することに。

 それは人の思念や怨念が溜まった場所に発生するラビリンス。
 詳しいことに関しては誰も判らず、世界の真実に関わってくることである。しかしどこかの話によると、迷宮には訳の判らないものがいっぱい出現し、迷宮によって何が出るか判らないとても恐ろしい場所だという。


ミシュアル/キシャーってヤツもいればチューってヤツもいるのか。
GM/そして、迷宮には『核』というものが存在し、それが迷宮を司るモンスターなのです。
ココ/『核』を倒せば迷宮が消滅して元通りになるみたいね。
サラマ/それを倒せばいいんだな……よしコロス、二度コロス! ――あ、ちょっと質問してもいい?
GM/なんですか。
サラマ/……カラム君は役に立つの? アンタの正体なんなのよ!(一同爆笑)
GM/「俺は人間の身長172センチの頑張って神語術を勉強している十八歳です! 故郷から妹と姉の声援を受けてムスキダにやって来ました!」ホラ、ヒョロイ学問の男って強い女に弱いもんじゃん?
リド/なんか無駄に色々設定が!(笑) それにチェホンマンと比べると随分小さいね、デコボココンビだ(笑)
ココ/……カラム君とウルト君。知ってるだけ『迷宮』について教えてくれるかしら?
GM/カラム君はハッキリと言います。「ウルト、お願いします!
ミシュアル/カラム君落ちる予定無かったでしょう!?(笑)
GM/ああそうだよっ、ついて来る予定も無かったよ!(笑)
ココ/これは『第2のピンポーン』と呼ぶべき男の誕生だね(笑) じゃあウルト君、詳しく知らない?
GM/「はい……皆さんは『フィサール』って知ってますか?」
リド/確か……この世界を作り出した人のことだな?
GM/「そうです。『狂った吟遊詩人』と呼ばれた人で、この世界が地獄に落ちたときにその人の怨念も世界中に撒き散らされました。その怨念や妄想が『迷宮』を作っているようです」
ココ/へえ、妄想のラビリンスか。……フィサールが腐った女じゃなくて良かったね(一同爆笑)
GM/確かに恐ろしい(笑)「王様の女に恋したというフィサールは、堕天使イブリスに唆されて……すみません、まだ1年生なんでこれしか判りません」
サラマ/ガンバレ1年坊主! 学校行けるだけ恵まれてると思いな! 私なんか学校行く時間も無かったんだよ! ああっ、給食食べたかったー!
ミシュアル/オカン、重いから! だから空気読めないんだよ!(笑)
GM/そうオカンが騒いでいる……向こうで、真っ暗な空間に小さな明かりが灯ります。
リド/おっ……?
GM/小さな明かりが近付いてくるのが見えます。それはランプを持った……蛇のような目をした男です。
ミシュアル/あれっ!? アンタ、この前会った……?
ココ/……蛇山蛇太郎。
GM/「素敵な名前をありがとうございます。しかしワタクシ、本名をアルファルドと申します」
ミシュアル/ちゃんと名前考えてきたんだ、GM(笑) アンタ、何しに来てるのよ……こんな所にまで。
GM/「いやいやぁ、ワタクシもこの町にハネを休めに来ていたところ……突然このような迷宮に入り込んでしまったもので。おそらくシェハラザード様は大変ご機嫌ナナメな様子……」
ココ/あれ、やっぱり蛇太はシェーたんと仲良しさんなの?
GM/「それはもう……舌をもぐなんてあの人怖いですよねー」(一同爆笑)
リド/そういう関係か! お前も巻き込まれたんだな(笑) ……なんでシェハラザードは不機嫌なんだ?
GM/「シェハラザード様が仰るには『こんなつまらないことで迷宮が発生しちゃうなんてフィサールらしくないや』とのことです。ワタクシにはなんとも……」
ミシュアル/アルルはここから出るのを手伝ってくれるの?
GM/「いえいえ。ワタクシは勝手に戻ります」
ミシュアル/なんだお前は! 何しに来たんだよッ!(笑)
ココ/……戻る方法って、核を倒す気?
GM/「ナイショの手段で勝手に戻させていただきます」
ミシュアル/……オカン、【騎乗】して!(笑)
サラマ/今するところ! 【騎乗】といっしょに【剛力】も重ねるわよ! 堕落ポイントも追加するわよ!?(一同爆笑)
GM/オカンに乗っかられてイタイイタイと言っているアルファルドさんですが、シュッと蛇の姿に変わって抜け出してしまいます。「そこまで言うのなら、ヒントだけは差し上げましょう」
リド/……ヒント?
GM/「この日記帳を差し上げましょう。これは迷宮の主様のものでございます。開けてくださっても結構ですよ。まだ真っ白ですから」
ココ/コレが何か?
GM/「この日記に書かれた文字が迷宮を作り出しております。言葉はそれそのものが力を持つ魔力のようなもの……この迷宮の中で日記の言葉をお探しください」
リド/日記の、言葉?
GM/ポッといきなり、貴方達の前に4冊の本が飛び出してきます。「ワタクシはこれにて……」シュッとアルファルドは消えました。
ミシュアル/……4冊の本って、どんなの?
GM/@羽ペンの本、A剣と盾の本、B名札の本、C光の本、ですね。――さぁ、どれから開きますか?
ココ/どれからってノーヒントじゃ何も判らないわね。……適当に『羽ペンの本』でも開けてみましょうか?
リド/そうだな、まずは状況を確認しなきゃならない。
GM/では『羽ペンの本』を開きますと……本を開いた瞬間、貴方達の耳に言葉が直接聞こえてきました。

『言葉は記憶を形にする。記憶は貴方に語りかける』
 真っ暗な空間がある部屋に変化した。黒ではない不思議な空間に、またお互いの姿だけが残る。そこにはお互いしかいない何も無い部屋。
 しかし……。


GM/サラマさん。
サラマ/はい?
GM/貴方の目には、この何も無い部屋の中に……1人の子どもが居るのが見えます。
サラマ/誰っ?
GM/貴方はその子どもに見覚えがある筈。それは……死んでしまった、貴方の子どもですから。
サラマ/……あ、れ?
GM/「……おかあさん?」
サラマ/……。
GM/死んだ子どもが、語りかけてきます。貴方が放っておいてしまったがために死んでしまった子どもが……。
サラマ/……近付いて名前を呼びます……ラーリ!

 すると『ラーリ』と呼ばれた子どもは砂になり、ボロボロに崩れ落ちてしまう。
「あ……」
 か細い、サラマらしくない声だけが何も無い空間に響いた――。

GM/リドちゃん。
リド/はい。
GM/何も無い空間ですが、リドちゃんの目には男性が見えました。
リド/は、はい……。
GM/貴方の本当の名前を呼んできます。「……サハル」
リド/……本当の名前を、呼んでくるなんて。
GM/しかし、その男性のことを知っている筈なのに貴方は思い出せません。
リド/えっ……でも懐かしい。うろたえて「……誰?」って言います。

 その声を聞いて、男性は悲しそうに笑う。
 次の瞬間って、男性はクシャリと地面に吸い込まれて消えていった。
 それを見てリドは、何故か涙が流れているのを感じた――。


GM/ミっちゃん。
ミシュアル/はい。
GM/女性が貴方を見つめて微笑んでいます。もちろん見覚えがある筈です。
ミシュアル/……。
GM/ただただ、彼女は何も言わず貴方に微笑んでいるだけ。「アシール……」と貴方の本当の名を囁きます。
ミシュアル/……お前は。
GM/微笑んでいるだけです。何度も彼女の唇が貴方の本名を形作ります。
ミシュアル/……お前は、あのとき、死ん……。
GM/……そのまま風に流されて消えてしまいます。――ココちゃん。貴方には男性の背中が見えます。
ココ/……へえ。
GM/貴方は彼を追いかけていたような気がします。それが誰だったのか、貴方の記憶は定かではありません。
ココ/……定かじゃないんだ?
GM/はい。男性は一度だけ振り向いて「ココ」と呼びかけて……そのまま奥へ歩いて消えてしまいます。
ココ/あっ……と小さく声を上げて手を伸ばしてみます。
GM/ここは変わらず何も無い部屋です。シーンとした沈黙の中で、4人にはそれぞれ違うものが見えました。……おそらくはいっしょに来ていた3人も。
ミシュアル/……サニアちゃん達も何か見た?
GM/サニアちゃんは悲しそうな目をして「おじいちゃんが見えました……」 ウルト君は「地元でセンセイとして慕っていた男性が見えました」
ミシュアル/アンタ達、イイヤツねぇ!(笑) では期待のカラムくんは?(笑)
GM/ダーッと涙を流して前を見つめて動きません。「生まれてすぐに死んじまった弟が見えた……!」(一同爆笑)
ココ/みんないい子ね。でも、『そんなの』ロリには見えなかったよ?
ミシュアル/うん、アタシも見えなかった。……違うのだったわ。
ココ/みんな見たものが違うんだね。じゃあ何なのかしら……部屋を見渡します。
GM/すると上の方に、黒髪のアイツが座ってます。ずっと貴方達を見つめたまま「……こんにちは」
サラマ/……テメェ、コレはテメェのせいかぁッ!
GM/「ボクのせいじゃないよ。……ここは記憶の部屋。君達の中にある忘れられない人が見えたんだよ。――忘れちゃった人は、何かと引き換えに力を得たんじゃないかな」
リド/……ああっ、『堕落ポイント』か! 確かに私は……大切なものを引き換えに力を得た。
GM/「堕落っていうのはそういうコトだよ。……君達はまだ戦い続ける気力がある?」
サラマ/全部お前の幻じゃないのか!? ……壁にあたります。ずっと壁をバコバコ殴ります!
GM/その様子をじっと見ているだけです。「……乗り越えなきゃならない過去があるって人間はよく言うよね。乗り越えてみせてよ……『君達』は人間がくだらなくないってボクに約束したんだから……」そう言って、ヤツは消えます。
サラマ/ちくしょうっ、ちくしょう……! 叫びます!
ココ/……『乗り越えてみせてよ』なんて不思議なこと言うのね。何故そうヒトを非難しつつ期待するのかしら? ――消えちゃったけど言ってみます。
GM/消えちゃいましたから何も答えません。――暫くすると壁に文字のようなものが浮かんできます。
ミシュアル/わっ、何……?

 日記のようなものがその空間内に広がる。それは日記帳の最初のページだった。
『マサラの町から使いが来た。何故だろう、私は彼女を忘れられそうにない』
 手にした真っ白の日記帳に文字が移動していく。最初に記された日記がそれだった――。


ココ/『マサラの町から使い』? ……サニアちゃんとウルト君を見ますよ。
GM/「使いって、私ですか?」「彼女のことですよね?」2人とも首を傾げています。
ココ/……違う部屋に行けばまた日記の文字が増えていくのかしら。
ミシュアル/つまり違う部屋に行くたびに欝シナリオが待っているのね(笑)
リド/これを乗り越えなきゃいけないんだろ、アイツの言葉通りに。
GM/『羽ペンの本』をパタンと閉じると、空間は元の暗闇に戻ります。……記憶の部屋から出ることができました。次はどの部屋に行きますか?

 気を取り直して、と選んだのは『剣と盾の本』。
 開くと、また空間が移動し4人のもとにある言葉が聞こえてきた。
『言葉は剣、言葉は盾。どちらも言葉の本質』
 ――言葉が終わった後、目を開けると……似たような真っ暗な空間に『包帯につつまれた何か』が2体立っていた。


GM/『マミー』という、天使や堕天使の死骸を基にしたアンデットです。口を残したまますべて包帯で覆われており、片方は白い羽でもう片方は黒い羽です。
ココ/口だけ残したミイラか……。
GM/では黒い羽のマミーが何らかの言葉を呟き始めます。その言葉が何なのか貴方達には聞き取れません。(ころころ)……オカンに向かって光の槍が降り注いできます。
サラマ/ぎゃば!? か、回避します!
GM/ダメです。神語術ですので抵抗ができません。回避できずに槍が貫き、9点のダメージ。
リド/そうだ、神語術って抵抗ができないんだった! だから口だけ開いてるのか!
ココ/怖いな神語術。戦闘開始……だけどカラムくんたちはエキストラ扱いでいいよね?
GM/カラム君が「戦えないけど調べることぐらいなら俺にもできますよ!」と叫びます。
サラマ/アンタ誰!? アルゴル先生だっけ!?(一同爆笑)

 マミーのイニシアチブは15。黒いマミーの先制攻撃に続いて、白いマミーの言葉を呟いた……が何も起こらなかった。ただ口の中で何かを呟き続けているのみ。
 最初のターンにロリは黒いマミーを【魂装・撃】で命中力をアップさせつつ攻撃。オカンも研いだばかりの新しい包丁でとりあえず攻撃するが……素早さが売りのマミーに回避されてしまう。
 オカマは『回避はできないし何が来るか判らない』敵の攻撃を恐れて、まだ9しかダメージを食らっていないオカンを回復することに。


GM/白いマミーがボソボソと何かを呟いています。何かを呟き終えた瞬間……前衛2人の影が縫い取られるような感覚がしました。
ココ/うっ、動きづらくなった?
GM/【敏捷力】を使う判定の達成数が1点下がります。なお、1度でもダメージを食らうとこの効果は解けます。
サラマ/うえっ、早くコイツら倒さないと!
GM/黒いマミーの方は(ころころ)ココちゃんに9点ダメージ!
ココ/くっ……でもこれで敏捷ペナルティは消えたね。

 変わらずロリが黒いマミーに攻撃し5点ダメージ、そしてそれにリドが【煌き焦がす炎】で追加ダメージ+5。合体攻撃は見事成功。
 今度こそ黒いマミーに向かってオカンのダメージを食らわして連撃。尚且つオスカルの炎を受け、黒は倒れ伏した。オカマはまたも安全をとって6点ダメージしか食らっていないロリを回復。
 また白はギスギス何かを呟いているものの行動はせず……デカイの来る気がしてならない。
 ロリがロリロリ近付いて再度オスカルと連続攻撃。オカンも続けていきたいところだったが、敏捷ペナルティが予想以上に力を発揮してしまい、回避されてしまう。
 ブツブツ呟き続けている白いマミーの大ダメージを恐れて、オスカルが20点越えの大連撃を行い……白いマミーは黒いマミーとなって倒れた。


リド/よしっ、デカイのは来る前に終わった!
GM/戦闘が終了しますと、今度は天井に文字が浮かび上がります。

『どうかしたのかと弟子達は言った。私は何でもないと答えるしかなかった。あたたかい筈の弟子の言葉は私に刺さった。私は、嘘をつく他に自分を守るしかなかったのだ』
 白い日記帳に付け足されていく文字。徐々に完成していく謎の日記帳……。
 2冊目の本を閉じればまた真っ暗な空間に戻り、次の部屋へ向かわなければならない。
 3冊目に選んだのは『名札の本』。開いたとき、やはりいつもの言葉が聞こえてくるのだった――。
『言葉は名前を定める。名前は存在を定める。存在は、名前に定められる』


GM/……真っ暗な部屋です。何も見えません。でもどこか懐かしさを感じ、ここを知っているんじゃないかっていうような臭いがします。
ミシュアル/……懐かしいの?
サラマ/くんくん? 鼻は良いけど記憶術が無いから思い出せないわよ。どんな臭いなの?
GM/懐かしい臭いですよ。――では【危険感知】してください。達成値4。
リド/(ころころ)2……ダメです。
GM/(ころころ)ココちゃんに何者かの攻撃。見えない影からの攻撃がいきます。鉤爪のようなものでダメージ7。
ココ/ロリっ!?
GM/慌てる貴方達の元へ、また声が響いてきます。

『犬は4、椅子は4、蛇は0であり1であり無限である。さて――アナタはナニ?』

リド/謎かけなら……判った。答えるぞ、答えは『2』だろ!
ココ/だよね、足のことだよね。
GM/――正解です。蛇は1つとも数えられるし無いとも言えて体全体だとも数えられますから。では『名も無き影』に名前が付けられました。『2』という名の……鉤爪を持った男が現れます。
ミシュアル/……2のヒト? ニーサンを【魔物知識】で調べます。(ころころ)2……。
GM/それじゃ判らないな。ニーサンの正体が判らないまま戦闘に入ります。……ちなみに、何かが倒れる音がしましたよ。

 ニーサンはまた暗闇の中に消えていった。敵はどこにいるか判らない状態。イニシアチブは、脅威の20。ニーサンが(サイコロの出目により誰に当てるか決定した結果)リドに向ってどこからかダメージ7点の攻撃!

GM/この場所がどこか、彼が何なのか、判る人は自分のターンで宣言してください。それが判ったら名前によって定義づけられて戦闘がラクになっていきます。あと【感覚】で修正ありの命中判定代わりにはなりますよ。
ココ/答えなきゃ戦闘終わらないね……敵が見えないから攻撃できないよ!
サラマ/……あ、わかった!
ココ/残念ながらロリは判らないので、今の位置から動かずデスティターニアを勘で飛ばす。【魂装・撃】使用で(ころころ)7の命中。
GM/……当たりました。
ココ/ダメージ4を当てます。
GM/「グアッ!」と声が聞こえました。
ココ/なんか鳴いたよ? ママのターンどうぞ!
サラマ/ここは……『酒場の中』でしょ!? ウチんちよ、良いニオイもしたし!
GM/……当たりです! パッと部屋が明るくなります。さっきの倒れた音は、酒の瓶が崩れた音だったみたいですね。
ミシュアル/ああっ、なんてことを!(笑)

 鉤爪を持った敵の姿が、壁の中にフッと消えていく。
 勘で命中判定を行いつつ、もう一度オカマが【魔物知識】で相手を調べてみることに。出目はギリギリ、4だった。


GM/達成値4なら判りますね。――『姿無き影』、壁に透明になって同化するモンスター、名前は『インヴィジブルストーカー』。その名前を高らかに宣言すると彼の姿がフッと浮かび上がってきます!

 見え始めたら普通の戦闘と同じ。鉤爪のターンだが難なくロリは回避、そしてカウンターアタック。6のダメージが入ったところでリドが追加ダメージ+5。素通しで食らった敵は妙な声を出した。
 通常攻撃のオカンの連撃ダメージ。しかも3回攻撃で、ピッタリ鉤爪男の首を討ち取るのであった――。


GM/ここは名前の部屋。また言葉が聞こえてきます。『彼女は何という名前なのだろう。彼女は何という町から来たのだろう。私の胸が痛いのは、何という想いなのだろう』……。
ココ/……なんだか甘酸っぱい日記になってきたわね。他人の日記を読むのはやっぱイケナイコトだわ。
リド/微妙に心が痛くなってきたな(笑)
サラマ/ヒトの日記読むの面白いわねえ!
ミシュアル/こっちが痛ぇ! オカン、空気読めてねー!(笑)

 いう訳で、無事『名前の本』から帰ってきた乙女団は最後の本『光の本』を開く。するとまた言葉が聞こえてきた。最後の言葉は……。
『言葉は光をもたらす。言葉は希望をもたらす。言葉は誘惑をもたらす。誘惑は、絶望をもたらす』
 そこは、部屋と言うよりは泉のほとりのようなところだった。


GM/綺麗なオアシスです。チュンチュンと鳥が鳴いていて、子狐が水を飲み去っていく。そんな静かな湖畔の森のかげから。「サラマさん、あのキツネ食えそうッスよ!」
サラマ/【騎乗】しまーす!
リド/待て待てっ!(笑) オアシスの他には何か無いのか?
GM/涼しげな泉の先から、ガサッと気配。森の奥から女性が出てきます。「あらあらこんにちは」
ココ/こんにちは、貴方はどなた?
GM/女性は……ライオンの顔と竜の顔と女のヒトの顔のついた金色の獣を連れています。「私は、この泉の精霊ですよ」
ココ/斧を落とすと金と銀の斧をくれるというアレね。
サラマ/よし、カラムを落とすぞ!(一同爆笑)
GM/……貴方がカラム君を池に落とすと。
ミシュアル/って、ホントに落とした!?(笑)
GM/上からカラム君がドスンと落ちてきます。
リド/おおっ!?(笑) ……すまない、ここはどういう場所なんだ?
GM/「私の住処ですよ。貴方達、折角ですから頼まれごとをしてくれません?」
ミシュアル/なに?
GM/「私のペットが大切な瓶を飲み込んでしまったの。だけどどの首に飲み込んだのか判らないんですよね。ちょっと手を入れて取ってくれませんか?」
ミシュアル/……女のヒトの口の中に手を突っ込むのってイヤよねえ(笑) オカンの【剛力】で口を抑えて誰かが突っ込まないと手を食い千切られそうじゃない。
GM/「取っていただいたら薬を半分差し上げますよ。ホラ、3つの首の中央が瓶の形になっているでしょう? こんなトコロにエリクサーが……」
ココ/回復アイテムを頂けるのは嬉しいね。まず女のヒトに話を……。
サラマ/……あ、キメラだったら【騎乗】できるかも。ありがとう!
GM/そういうシナリオじゃねえよ!(一同爆笑) ……あ、でも巧く乗って刺激したら吐き出せるか?
ミシュアル/そういうことか!(笑) 【騎乗】使ってセイヤァッてやればイケる!
サラマ/じゃいきまーす。(ころころ)4……ヒャッホーッ! ダテに乗ってないぜ!(一同爆笑)
GM/貴方が巧くキメラの背中に飛び乗って打ち込むと、ゲホッと……竜の口が胃液臭いものを出しつつ瓶が口内にまで!
リド/竜か飲んだのか! オカンが口を抑えて誰かが取れば……!
ミシュアル/カラム君、初めての共同作業よ!(笑)
サラマ/早く取れ少年!
GM/早く取れ少年ー……とカラム君が手を伸ばした瞬間にガブッと噛まれてしまいます。
サラマ/私の手もいっしょに!? 痛っ!
GM/カラム君はもっと痛いです(一同爆笑) で、ウエッと2人の手を吐き出してしまいます。薬はまだ引っかかったままですねー……どうしますか?
ココ/……GM。気が緩ませる目的の【枕事】で性的なところを撫でてやるのはアリ?
ミシュアル/ええっ!?(笑) そんなコトしてるの親が見たらホント泣くよ!(笑)
ココ/具体的に人間で言うと耳の裏みたいなトコをくすぐりたいんだけどね。(ころころ)どうかな?
GM/サニアちゃんと泉の精が「きゃっ」と顔を隠します(笑) ……竜が少しだけ気が緩んだ顔をしました。
ミシュアル/今がチャンスだ! オカマの【交渉術】をくらえ!(ころころ)……4で成功!
GM/オカマ、人外に好かれるね。……ではオカマがなんとか女のヒトの方を交渉し、女のヒトが竜を宥めてくれて、竜が取ってくれと言うように口を開けます。
サラマ/引っこ抜きます! よっしゃ、エリクサーゲットー!
GM/「わあ、ありがとうございます!」泉の精はキュッキュと瓶を拭き「ではこの半分を差し上げますわ。大体エリクサー2個分になる分になります」
ミシュアル/おー、飲み込んだのはお徳用サイズだったのかー(笑)
GM/「本当に助かりましたわ。……では私から最後の言葉をお伝えしますわ。この迷宮の主様の、最後の一文です」

『彼女は私を選んではくれなかった。彼女と弟子は見つめあう。今日も彼女は仲間を連れて弟子に会いに来たようだった。……ああ、なんということだろう、私はこのまま消え去ってしまいたい』

リド/……あれ。これって、もしかして……。
ミシュアル/……アルゴル先生のことじゃないかしら。弟子っていうのはウルト君ってことで。
GM/「それで最近塞ぎ込んでいたのか!」
リド/それで彼女っていうのが……。
ミシュアル/……サニアちゃん?
ココ/で、関係ないのが……。
GM/カラムですね!(一同爆笑)
サラマ/一体誰なのよアンタッ!?
GM/関係無いけどカラムです!」(一同爆笑)

「どうかこの迷宮の主様を……助けてあげてください」
 そう泉の精は言い残し、オアシスとともに消えていく。
 一番最初の真っ暗な部屋に戻ってくるが、そこには全ての文字が揃った日記があった。
 気付くと何も無いと思っていた空間に――アルゴルと思われる、悲しい目をした男性が立っていた。


GM/アレはアルゴル先生であってアルゴル先生ではないもの……日記を書いた彼の悲しみと絶望が立ち尽くしています。
ココ/……彼の負の感情が凝り固まったものが『迷宮の核』になってしまったのね。
GM/そう。要するにフラれて傷心している先生を景気づけてやってくださいってことで戦闘開始します。
ミシュアル/えー!?(笑) 先生、元気出せよって戦うのッ!?
ココ/寧ろアルゴル先生も倒されたいような顔をしているよ。……恥ずかしかろうよ、他人に日記を読まれまくったんだから(一同爆笑)
サラマ/ヒトの日記ってオモシローイ!(笑)
GM/先生をあまり苛めないでください!」(笑)

 迷宮から抜け出るべく、神語術師のアルゴル先生と対決をすることになる。
 先生のイニシアチブは10。先にロリは走りこみ【魂装・撃】を、オカンは毎度お馴染み『頭の中のトオル』を使用し先制攻撃を決める。


ココ/もうオカンにはトオルさんじゃなくてカラム君がいるねー。
サラマ/誰それ!(ころころ)1回目の攻撃は10のダメージ、ついでに連撃して7のダメージを……。
GM/ストップ。それを弾きます。
一同/えっ!?
GM/先生の神語術【身を守る大盾】。(ころころ)あらゆるダメージを70まで防ぐ大盾が現れます。
ミシュアル/ななじゅうっ!?(笑) そんなの貫けるワケ……ってしかも防がれたから連撃終了か!

 神語術の地味でも凄まじい効果に唖然としてしまう乙女団! オカンはおとなしく闘技チットを貰い、渋々と退散。
 そして、ターンとなった先生がぶつぶつと呪文を唱えた……。


GM/いきなり大技を使います。【命狩る大鎌よ前へ】!(ころころ)
リド/な、なんですか……その強そうな技は(笑)
GM/対象はミっちゃんミチミチ。……オカマの前にいきなり大きな鎌が現れます。ダメージは15。
ミシュアル/ひえーっ!?(笑) キャラバンで『胸当て』買っておいて良かったー!
サラマ/オカマの服がザクザクでますますセクシーになった!

 あまりの大ダメージにオカマは即座に回復。オスカルもテリアカを飲んで気力を回復し、次のターンに備えることにした。
 ロリはチット集めのために通常の攻撃を命中2で当ててみるが……やはりそれも先生の大盾によりカバーされようとしていた。


GM/プロテクト発動させます……(ころころ)イェイ、失敗しちゃった♪
リド/神語術って失敗しても何かあるんだよね?
GM/うん、えーと(ルールブックをパラパラ捲って)……『術師が指定した目標にもっとも近い者のダメージを生命力・気力問わず3点減少される』だってさ。
サラマ/……ん? 先生に最も近いのは前線のオカンとロリだけど。
GM/じゃあ、ロリへのダメージが3点減少されます。
ココ/えっと、ロリが先生からダメージを食らった時は防御されるってこと? なんと小さな盾がロリを守ってくれるようになりました。
サラマ/ロリシールド21!(笑) 神語術コワイなぁ!

 パーティー内に神語術がいなくて良かった、とみんなで安心しつつ。
 単発セッションならともかく長期キャンペーンで神語術師はやりたくないよね、と談話しつつ。
 先生へのオカンの命中がいつもより奮わず3で命中だが、先生も疲れ気味の様子で攻撃が当たることに。連撃による2体の『頭の中のトオル』とオスカルの追加ダメージでアルゴルに大打撃を食らわせる!


GM/けどそれも神語術でカバーします。(ころころ)……『目標を中心とした半径5メートルにいる全員が受けるダメージに生命力・気力問わず5点減少』。
ココ/……つまり?
GM/オカンから食らったダメージを先生は5点マイナスしました。……ついでに前に出ているオカンとロリの2人にも適用されます。
サラマ/私も、次のダメージが来るとき5点防げるってこと……?
ミシュアル/ロリに至っては更にだよね、8点もマイナス?(笑) 『胸当て』もプラスして11点カッキンか。神語術、難しいなぁ!(笑)

 再度、先生の鎌が襲い掛かるが対象を決めるサイコロの出目は――運良く11点カッキンのロリの元へいくことに!
 GMは涙ながらに「やっぱり神語術なんて使うもんじゃないと思います!」と熱弁した。
 手番になったオスカルは【精神抵抗】される覚悟で連続を試みてみるが、やはり相手は術師の先生。見事に回避されてしまうのであった。
 オカマが【知力】でアルゴル先生の力によって調べてみると……なんと『気力が底なし』というトンデモナイことに気付いてしまう。
 ロリは貯まった闘技チットで3つほど闘技を同時使用して大ダメージを叩き出すも、先の5点カットが効果を発揮し半減。しかしこれで5点減少ボーナスが無くなり、オカンの攻撃に期待された。


サラマ/(ころころ)よし、命中は5……ダメージは9よ!
GM/先生に当たりますが、大盾で防いでみます。(ころころ)5点防いで4点だけ食らいます。
サラマ/……みんな大ダメージを出してるけど防いでくるんだな、コイツ! じゃあ渾身の連撃を食らえー!

 度重なる大打撃と防御の連続。
 だが4度に渡るオカンの連続渾身によって……先生は倒れた。


ココ/やっと終わった。……強敵ではないけど実に強敵ね。なんてややこしい(笑)
GM/今回のシナリオは神語術が主役だったってことで勘弁してください。……さて、先生が倒れたことにより、暗い部分が多少スッキリしたことでしょう。失恋の痛みは晴れないだろうけどなんとかなるんじゃないかな――ってコトで迷宮が崩れ落ちていきます。
リド/おぉー……!
GM/――で、気が付くと貴方達は書庫。外はもう夕日が落ちている時間……って太陽は無いんですけどね。
ココ/カラスがカァカァー鳴いてるー……みんな書庫に戻ってきてるよね?
GM/はい。……今回のジェットコースター効果で、ウルト君とサニアちゃんはイイカンジに抱き合ってますが。
ミシュアル/おぉい! 甘酸っぱい空気を醸し出してんなっ!(笑) ……カラム君は?
GM/「さ、サラマさん大丈夫ですか!?」
サラマ/あ、アンタ、えーと……ガーニムさん!?(一同爆笑)
GM/カラム君はその辺の紙に名前を書いて渡します。「カラムです、覚えてください!」
サラマ/ゴメン、字が読めない!(一同爆笑)
リド/……そうだカラム君、オカンに勉強を教えてあげたらどうだろう(笑) マサラの町のラマーサの酒場の地図を書いてあげるよ……通ってやってください(笑)
GM/「あ、はい。俺、絶対強い神語術師になって必ず行きますよ!」
サラマ/で、結局アンタ誰だっけ!?(一同爆笑) ……GM、カラム君は準レギュラーなんですか。
GM/いいんじゃないかな。なんかこのキャンペーン、毎回NPCが増えていくんだけど(笑)
ココ/ガンバレGM。……NPCをカウントしてみようか、アフたんとピンポーンとシェハラザードと。
ミシュアル/蛇太のアルルがいて、ファラさんとラーシャちゃんがいる。そして今回カラム君が追加され……(笑)
ココ/メイン4人、GM1人、準レギュラーが8名で、過去メンバーがそれぞれ1人ずつ……4+8+4で……17人!(笑)
サラマ/モー娘だ、モー娘!(笑) そのうちみんな、キャラソン歌うんだよ!
ミシュアル/案外、カラム君が売れるんだよ!(笑)
ココ/モーニング娘。というより野猿ね。そして乙女団のエンディングはみんなでダンスでしょう。もしかしたらシャーリーさんもレギュラー化するかもしれないわ……。

 学院は、ごく普通の学院の風景を保ったままだった。
 皆でテコテコと3番教室に戻ってみると……そこにはなんだか吹っ切れたように明るく笑う先生の姿があった。
「さぁみんな、研究に励むぞぉ〜♪」


ミシュアル/先生ウゼェ! なに元気になっちゃってんの!?(笑)
GM/「いやぁ、なんか寂しかったような気もするがもう気分爽快! 仕事がはかどるね!」
サラマ/殴ります。
GM/やめて普通に回避1なんだからこの人!(笑)
リド/そうか、だから命中2でも当たってたのか!(笑)

 アルゴル先生には、迷宮に関しての記憶については全て抜けていた。
 けれどサニアちゃんを想ったことはちゃんと覚えていた。その辛い想いを断ち切り、元気に研究を始めようとしている。
 乗り越えなきゃならない過去を乗り越え、笑顔で彼は――いきなりオカンに殴られたのだった。


サラマ/ちくしょうっ、フザケんなお前がこんな辛い目に遭わせたんでしょーッ!
ミシュアル/意味も判らず殴られてるんだね、「なんで俺!?」ってカンジで(笑)
サラマ/とりあえず2階の窓から投げ飛ばします!
GM/しかし先生はプロテクトを唱えてなんとか直撃を免れた!(一同爆笑)
サラマ/チクショーッ! 誰のせいで慣れないシリアスをやったと思ってんのよォーッ!