ルリルラノイシュタルトハイ・リプレイ・異次元メルト
■ 第4話 『難解コレクション』 ■
2009年1月7日




 ★オープニング

 挨拶もせずに去ったというレオ。
 体調不良で倒れた菊。
 迎えた銀朱亭2日目の朝。昨日より少し盛り上がらない中、午前はあっという間に過ぎ、朝食と同じ簡素な食事を6人は食べていた。


GM/4話も3話と同じタイムチャート通りに時間が進んでいきます。食事係の菊の代わりにガープスさんが、とても綺麗な三角形のおにぎりを用意してくれました。
きずな/頂点が米粒で角ばってるたぬ!(笑)
GM/ガープスさんの中から出てきたおにぎりですから。「お菊はお夕飯の時間には回復すると言っております」と看板を出します。……あ、メアリー、今日の運勢占っておいてね。
メアリー/あ、忘れてた。ランダム魔法決めまーす。(ころころ)……えーと、[転移とリンクの歌]だぁ。
ヴォルト/1話に出たやつと同じものだな、割と使えるじゃないか。
翔悟/(ルールブックの歌術説明を見て)……『離れていてもお互いに会話できる』? コレ、メアリーの為にあるような歌術じゃん(笑)
GM/また運が良いのが出たなぁ。……では@ランダムイベント表にいこうか。


 ★シーン1


GM/時間は14時。昨日と同じようにランダムイベントをチームごとにしていきますよー。

◆翔悟&市の結果→57『転倒(未遂)』
 英雄もしくは歌姫のどちらかが転びかけた……瞬間に助けられました。些細なことだけど相手のことを見直してしまいます。
 絆獲得チェック×1回を行えます。

GM/大広間で昼食を終えた後、部屋に戻ろうとすると……ガープスさんが部屋からタオルを回収しています。そのとき……タオルが、なんとお市ちゃんの足元に!
市/キャッ!
翔悟/【敏捷】はオレ高いんだぜ! イッチーの下に滑り込んでベシャッ! 超ダイジョーブ、オレは人魚だ!(笑) イッチー、平気?
市/あっ、平気です……翔悟さんこそ、頭に何か赤いものが。
翔悟/明らかに血が出てる!?(笑) 平気だよ、これはシャツの染料がうつっただけだよ!(一同笑)

◆ビクトル&メアリー→53『転倒(歌姫)』
 歌姫が激しく転倒します。
 打ち所が悪かったのか肉体のダメージに1ダメージを受けますが、転んだ先に……?
 GMが自由にイベントを決定させてください。

きずな/転んだ先に……英雄の……ク・チ・ビ・ル?(笑)
メアリー/やったー! オジチャンのキスゲットォーッ!(笑)
ビクトル/ま、待て、それはGMが決めるんだろ!
GM/…………それでいいんじゃない?
ビクトル/ええぇっ、本当にそれでいいんですか!?(笑)
GM/という訳でメアリーが階段を勢い良く下りたらコケッと転んでそのままピョーン。
メアリー/オジチャン見つけた、アイキャンフラーイ!
翔悟/自分から飛んだ! それにしても今日はよく転ぶ日だなぁ。
ビクトル/飛び降りた嬢ちゃんをキャッチします! まったく、アブネーだろうがっ!
メアリー/ニヤリ、計画通り! 肉体ダメージ入ったけどオジチャンのためなら犠牲は問わないんだよ!(一同笑)
翔悟/で、唇はゲットしたの?
ビクトル/……。
メアリー/……。
ビクトル/……い、いやね、そういう対象として見てないから。
GM/……オジチャンの唇が奪えるか【敏捷】判定いきまーす。
ビクトル/なにぃ!?(ころころ)失敗!
メアリー/(ころころ)成功……ヤッフゥー!(笑) オジチャン、受け止めてくれてありがとう!
GM/……最後にオジチャン、[回避スキル]で判定をして。これで成功したら辛うじてオジチャンの意思を尊重するから(笑)
ビクトル/(ころころ)……失敗しました。逃げようとしたけどダメだった!(笑)
メアリー/首をガッて固定!(一同爆笑) ……ほっぺにチュッ。
ビクトル/……あ、ほっぺなんだ?
メアリー/だって「逃げたい」って言ってるから唇は可哀想だし(笑) でもチュッチュします。オジチャンだーいすき!
ビクトル/と、とりあえず怪我しなくて良かったな……。
翔悟/ピロリン、カシャッ!(←携帯電話の写メを撮る手つき)
市/翔悟さん、それは何ですか?
翔悟/コレはね、ケータイって言う魔法の機械で……。
ビクトル/いぃーしぃーまぁーきぃーっ!?(一同爆笑)

◆ヴォルト&きずな→96『二人だけの時間』
 英雄と歌姫がパーティーから抜け出し、二人だけの時間を過ごし楽しみます。
 英雄と歌姫が共に同じスキルを所有しているならその1つのスキルにお互いプラス1D10できます。

ヴォルト/(ころころ)……[回避スキル]が1だけ上がりました(笑)
きずな/(ころころ)たぬは[回避スキル]7上がりました。お兄ちゃんの膝の上にコテンとなってます。
ヴォルト/7万G分の毛皮をナデナデしてます。ちょっぴり幸せ。[ツンデレ]なんで撫でる手つきも絶対成功です。

 そんな風にお互いの時間を過ごすこと1時間。
 時刻は14時45分。年長者のビクトルの部屋に集まって今後の作戦会議が始まった。


ヴォルト/……ジェイが怪しいってことを伝えよう。なあ、蟲って食べられるもんなのか?
ビクトル/GM、そういうことはどうやって調べるんですか?
GM/[現世知識]は一般常識から専門知識まで全てのものに対応しています。もうアーカイアに来て数週間経っているので、何人もの人に出会って聞いた中での常識を思い返すことはできますよ。
翔悟/じゃあ……蟲を食べるって言われて(ころころ)成功したよ。
GM/……そんなんアリエネーだろと思った。ここまでの間、何度も蟲と戦ってきたけどあんなモノを食べられる訳が無い。
ヴォルト/あれ自体が毒の塊みたいなもんだよな? ……自分には[幻糸抵抗力]があるってサラリと言われたんだが、蟲が元人間だと考えてみると常識的に食べたくないな。
ビクトル/……ふと思ったんだが。ジェイを連れ出して、その間に地下に戻って中を見てみるというのはどうだろう?
市/そうですね……その場合、ジェイさんを見張るのは私と翔悟さんが適任かと思います。
翔悟/そうだね、昨夜一緒に遊んでるし。また雪合戦に誘えば地下に潜っても気付かれないよね。
きずな/じゃあ地下にはお兄ちゃんとたぬが行くたぬ!
ビクトル/……俺とメアリーは、レオの部屋にもう一度行ってみよう。また新しい手がかりが見つかるかもしれない。コールドケース!(笑)


 ★シーン2


GM/それぞれ方針は決まったようなので順々にいこうか。……まずは、ビクトルチーム。
メアリー/レオの部屋にやって来ましたー。鍵は開いてますよね?
GM/うん、特別に入れてもらえることになったよ。部屋はまだガープスさん達が片付けてないからそのままだ。不自然だと思うのは、窓際に若干水があるということぐらいかな。……それでも何かに気付くか、【知力】判定どうぞ。
ビクトル/【知力】で(ころころ)……成功しました。
GM/ビクトルは引き出しを開けて気付いた。特別怪しい部屋だとは思わないけど……引き出しの中に、ゴチャッとペンションの備品が突っ込まれている。
メアリー/なんかグチャグチャだねえ? レオってこんな風にする性格かなぁ?
ビクトル/……するようには見えなかった、なんか怪しいな。
GM/――では次に違う判定をしてもらいます。先に宣言しておきますが、『ちょっと意味合いを拡大解釈』した[交感スキル]判定を行ってください。
メアリー/メアリー、[交感スキル]無いよ!
ビクトル/俺も無い! ……でも能力[インテリ]を使用します!
メアリー/さっすが! オジチャンはなんでも出来るね!(笑)
ビクトル/でもそろそろMPがヤバイんだぜ……嬢ちゃん、[デレデレ]でMPちょっとだけ肩代わりしてくれないか?
メアリー/うん、オジチャンのためならMPも全部あげるよっ!
ビクトル/全部あげると気絶するぞ(笑) という訳で瞬時で[交感スキル]を習得して判定します。(ころころ)成功。
GM/おかしいと思い始め、部屋をあちこち捜索していると……。ある一定の所に立ったとき、声が聞こえてきた。
ビクトル/……うん? 嬢ちゃん、今の聞こえたか?
メアリー/んぅ? メアリー聞こえなーい。
GM/耳を澄ますと……男性とも女性とも判らないような声が、何かの情報を伝えようとブツブツ話しているように思えた。
ビクトル/誰だ……何と言っている?
GM/……誰かのことを指しているようです。(とあるメモをビクトルのプレイヤーに渡す)

 [局地戦エキスパート][やり手][レンジャー]
 [加虐・被虐][○○出身][オリジナル能力/○○]


ビクトル/……なんじゃこりゃ、誰のことを言ってるんだ? 嬢ちゃん、自分の思念を飛ばしたりする魔法ってあるのか?
メアリー/えーと?(ルールブックの歌術欄を見て)……[転移とリンクの歌]じゃないの?
ビクトル/それって、さっき嬢ちゃんが取ったやつじゃねーか。……その歌術で話が出来ませんか、GM?
GM/……うん、まさかその歌術を取るとは思わなかったけど面白いので採用する(笑) という訳でメアリーはビクトルが声を聞いた、ある一定区間に立たされます。
メアリー/[転移とリンクの歌]を使います!(ころころ)成功……。ねえ、そこに誰か居るの?
GM/……暫くすると、返ってくる声がある。「――わたしはここにいます、わたしはここにいます……」
メアリー/この能力って誰のコトを言ってるの?
GM/「あのひとです……あのひとです……」その声に、テレパシーの効果が若干遠いと思います。
メアリー/「あのひと」ってコトは貴方自身のコトじゃないよね?
GM/「あのひとです……あのひとです……」そのまま聞こえる声が遠くなっていきます。
ビクトル/……念波を送ってくるってことは、どこかに閉じ込められてるのかもしれねえな。よし、嬢ちゃん良くやった!
メアリー/あ、ありがとうオジチャンー!(笑)

 ビクトル達が謎の声を聞いている頃、翔悟達はジェイと遊ぶため、彼を探しにペンションの周りを歩いていた。

GM/ジェイは今、温泉近くに雪を降らせてます。温泉から見える景色を作っているところですね。
翔悟/ちゃっす、ヒーホーさん! 雪合戦しようぜ!
GM/「なんだ、またヒホか。2対1とは卑怯ヒホよ」
市/だってジェイさん、お強いじゃないですか。全力で来てください。
GM/「しょうがないヒホねえ、リミッターを解除するヒホ」……そう言うとジェイの周りに雪球が浮かび上がる。……今回は、純粋に1D10振って一番高い出目の人が勝利ね。
翔悟/(ころころ)8! オレら[回避スキル]あるし【敏捷】高いし[ユニゾン]だから勝つぜー!
GM/(ころころ)……3。「やっぱり1人じゃダメだったヒホー」
市/やったー!
GM/「負けちゃったヒホー……」と言いながら、じぃーっと恨めしそうな目で見られます。――ではここで[推理スキル]判定を。
市/(ころころ)調子良い、成功です!
GM/……ジェイが、じぃーっと見てます。その目が……昨夜の目と同じものに思えた。
市/昨夜の目? レオを見てたあのときの……?
GM/「もうヒホは仕事戻るヒホ」とジェイは離れていきます。……ということで1時間ほど時間が潰れましたよ、ヴォルトチーム?
ヴォルト/よし、玄関の方から地下に入ります。
GM/翔悟達が別方向で雪合戦をやっていたので、気付かれずに縁の下の中へ入れます。
きずな/狸モードで入るたぬ。たぬたぬー……。
GM/狸じゃなければ肉体消耗チェックをやってもらうとこだったんだけどいいや。……では匍匐前進で入っていくと、建物を支える大きな柱がいくつもあります。流石だなエジプトの技術は。
ヴォルト/何のことだかサッパリ判らないんだが(笑)
GM/欠陥ペンションじゃないってことだよ(笑) ……そして、最初は匍匐前進してたけどそのうち膝で立てるようになり、最後にはヴォルトさんが立てるまでになってくる。
ヴォルト/人が立てるほどの場所か……空洞になってるのか。
GM/柱がしっかりしているから建物が崩れることもない。雪山と言ってもジェイが降らせているだけで元は地盤はしっかりしているようだ。山脈の麓だしね。
ヴォルト/……思ったより中が広くてビックリだ。見渡します。
GM/頭の上はペンションの床、周りにいくつもの丈夫な柱……そんな空間を歩いていると、氷の玉が沢山落ちている場所に着きました。落ちている氷には歯型の痕があります。
きずな/何か……入ってるたぬか?
GM/……うん。
ヴォルト/……凝視してみます。
GM/2メートルほどの氷に、人が入ってます。あ、気力消耗チェックしてね。
きずな/た、たぬーっ!?(ころころ)ギリ成功です!
ヴォルト/こ、これ、生きてるのか!? 中に居るのはどんな人だ?
GM/全身を布で覆ったような不思議な格好をしている……中性的な印象を持つ銀髪さんです。
きずな/これが……マーガリンさん?
GM/パンに塗ったことありそうな名前だな(一同笑) では人の入った氷を直接見たお2人、[交感スキル]判定をしてください。
ヴォルト/俺は[交感スキル]、持ってません。
きずな/……たぬも、無いです。
GM/それは残念、スキルを持ってないと判定ができないからね。あちこち探してみると、別の氷にも人が入っているのが見える。……赤いマントとキラキラ光る王冠も。
きずな/れ、レオレオ……?
ヴォルト/……これはもう、ジェイは異常で確定だ。この中で食事をしていたんだろう、アイツは。
きずな/ジェイ君……コレを食べてたんだよね……。
GM/足元に小さな氷があるよ。……手だけが入った氷とかね。
ヴォルト/……これを見れば想像はつく。しかし……何とか氷から助ける方法はあるのか? ……手が入った氷を持ち帰ることにします。


 ★シーン3


GM/Bのお夕飯タイムだけど、まだ夕食は簡単な物しか用意できなかったってことでオジチャンの部屋で食べるのでいい?
メアリー/オジチャンの部屋……オジチャンのニオイ……ハアハア……ああ、ベッドふかふかイイニオイ!
ビクトル/嬢ちゃん、ただの変態になってるよ!?(笑)
GM/という訳でオジチャンの部屋でとっても素敵なガープスさん作サンドイッチでも食べてください。
翔悟/な、なんて美しい三角形……!(笑)
ヴォルト/……食事をし終えた後に話し出します。覚悟しておいてくれ……と、氷付けの手を全員に見せます。
GM/「覚悟しておけ」の一言があったので、気力消耗チェックは無しにしましょう。
市/き、恐怖判定……しなくてもいいんですね。これは……。
ヴォルト/地下には人々が氷付けになっていた。レオとレオの相方もいたぞ。けどどうすればいいのか判らなくて何も出来なかったんだ。
ビクトル/……妥当な判断だな。ジェイのこと、菊に話さなきゃなんねーな。ダウンしてるのにあまり言いたくはないが。
メアリー/あとね、レオの部屋にテレパシーっぽいものが送られてきたんだよ!
翔悟/それ、マーリンさんの声じゃないかな? 助けを求めて何か思念を送ってるんじゃ……?
メアリー/じゃ、マーリンさんって生きてるんだね! 送ってきた能力はレオのコトを言ってるのかな?
ヴォルト/いや……少なくともレオに[加虐・被虐]は無いだろ。
翔悟/……それにその能力の獲得条件を見てみると(ルールブックで確認しながら)殆どスキルが隠す系なんだよね。

▼[局地戦エキスパート]→条件なし。
▼[やり手]→条件[交渉スキル]と[鑑定スキル]がある。
▼[レンジャー]→条件[隠蔽スキル]と[偵察スキル]がある。
▼[加虐・被虐]→条件[隠蔽スキル][偵察スキル][恫喝スキル][口説きスキル]のうち3つがある。


GM/おお、ちゃんとそこまで感づいてくれたか!
翔悟/だから、隠れる系の特化型キャラクターだと思うんだ。レオって「前線系だ」って自分で言ってたじゃん? ……あと、さっきジェイが、昨晩レオを見ていたのと同じ目でオレらを見てたんだよね。
ヴォルト/……お前ら、攫われるんじゃないか? 不安になってきたぞ。そう考えると確実に危ないな……。
翔悟/(ペンションのマップを見て)…………あ。
ビクトル/どうした?
翔悟/くだらないこと思いついた。……マーリン達が居る地下に、浴場のお湯を流したら氷って溶けんじゃね?
市/お湯で溶かすんですか!?(笑)
ヴォルト/ちょっと待て、この氷ってお湯で溶けるのか!?(笑)
翔悟/えーっと……温泉のお湯をかけてみるけど。
GM/(アッサリと)溶けていくよ。
ヴォルト/マジで!?(笑) そんなんで溶けるのか!
ビクトル/……嬢ちゃんの[転移とリンクの歌]で湯だけを地下に移動するっていうのはどうだ?
GM/……面白いなそれ(笑) 難易度は消耗チェック2回成功すればできることにするよ。

 ここで余談。
 ジャックフロストは氷を自動生産できる。『メガテン』の『ブフ』というフリーズを起こす技によるものだ。
自分で作った氷を自分で食べるくらいに、ジェイはいくらでも氷を生み出せる。
 ジェイが生み出した氷を……シャーマンズゴーストの火で溶かして作ったのが、菊が最初に言っていた『ビミョーに天然の温泉』の正体である。
 実際のセッション中では説明のタイミングを逃してしまったが、GMが用意した氷付けの解放の仕方は……『チャッピーの炎で溶かしてもらう』だった。しかし『チャッピーの炎で作った温泉』は決して間違いではないと思い、採用することにした。


メアリー/よーし! それでやってみよう!
ヴォルト/待て。……菊やガープスさん達が敵だったらどうする? アイツらも英雄と歌姫だぞ。特に菊は敵か味方かまだ判らない。
ビクトル/でもこのままではそのうち石巻達が狙われるぞ。どちらかでも欠けたら戦闘不能なんだから早めにジェイをなんとかしないと。
きずな/……あ。だから1人ずつ氷付けにしていくのか。奏甲を使えなくするために!
翔悟/ああ……。オレ、ガープスさんのところに行ってみる。敵か味方か話をしてくるよ。
市/私も……お菊ちゃんのところに行きます。
ヴォルト/俺はジェイのところに行く。手段なんか選んでいられるか。
メアリー/オジチャン、お湯を転移させるから浴場に行こ!
ビクトル/ああ。お湯を移動させたらヴォルトの方に合流しよう。
GM/はーい、みんなCにやること決まったね。


 ★シーン4


GM/ではまず……ガープスさんとチャッピーに話をする翔悟のシーンをしよう。彼らは厨房で夕食の片づけをしてるよ。
翔悟/ガープスさん。オレ、お手伝いしますよー。
GM/「いえ、お客様の手を煩わせはしませんよ」という顔をします。
翔悟/そんなコト言わずにー。布巾でキュッキュと拭きながら。ねえ、レオっちと相方さんが居なくなったことに対してどう思ってます?
GM/「お別れの言葉が言えなかったことは残念ですが、仲間が見つかったらしいので良かったですね」という顔をします。
翔悟/……その顔が嘘をついてるか、見破ることはできますか?
GM/どっちも表情無いけどな(笑) 【精神力】でマイナスペナルティありだけどいい?
翔悟/オレ[イケイケ]です。精神力に関わるペナルティを全部無視するよ!(ころころ)よし、成功。
GM/おー。それなら……「この顔は嘘をつかない」と確信する。
翔悟/な、なんて左右対称の顔だ!(一同笑) ……お二人を信用して言いますけど、ジェイさんって怪しくないすか?
GM/「どうして?」と当然の反応をします。
翔悟/ヴォルトさん達が、地下で人が氷付けになっているのを見たって言うんすよ。
GM/「そんなコトある筈ないですよ」
翔悟/氷付けの手を見せます。
GM/見せるの!?(笑)
翔悟/それが一番手っ取り早いし、オレ[イケイケ]の[のーてんき]だから!(笑)
GM/……気力消耗チェックが入ります(一同笑) ガープスさんが動かなくなり、チャッピーが長い顔でペシペシやります。
翔悟/あ、可愛い(笑) ね、ジェイさんってヤバイよね?
GM/ヤバイですという顔と、「ヤバヤバヤバヤバ」という看板を出します。
翔悟/ガープスさん壊れた!?(笑) だ、だからさ……氷付けにされた人達を助けるために、温泉のお湯を使うけどいいよね?
GM/チャッピーがガッコンガッコン頷きます。
翔悟/助かるよ、ありがとー! [交感スキル]でイッチーに大丈夫だって送ります!
市/あ……良かった。2人は仲間だったんだ。
GM/じゃあ続いて一方その頃、お市ちゃんはスタッフルームの中に居ますね。「またお見舞い? アリガト。で、話ってなに?」
市/氷のことを話します。……私の仲間が、地下で人が氷付けにされているのを見たって言ってました。
GM/「え、えー? そんなんあるワケないじゃん」
市/……嘘をついているかを見破る判定をしていいですか?(ころころ)成功。
GM/「超コワーイ。でもジェイがそんなコトやるワケないよぉ」……と言ってるものの、さほど驚いていないような気がする。
市/そ、そうですね……。
GM/そのとき、お市ちゃんにあるものが襲い掛かる。
翔悟/……ヤベ、こっちの方がクロだったか!
GM/……[幻糸の歌・落ちて崩れし人形の前奏曲]ランク2。効果は、『対象の歌姫を行動不能化させる』。
市/禁忌歌術っ!?
GM/(ころころ)……あ、失敗。お市ちゃん、[歌術知識スキル]に成功すれば歌術を使われたことに気付いてもいいよ。
市/(ころころ)成功、気付きました! バッと部屋を出て逃げます!
GM/貴方がドアを開けると……お菊ちゃんは苦しそうに膝をつく。
市/え……あ、超能力を使ったから? 振り返りたい……けど、逃げます!

 もうこれで先の展開は判っていただけるだろう。
 場所は変わって、ペンション前……雪だるまだらけの入口にて、ジェイはころころと新しい雪だるまを作っていた。


ヴォルト/……よう、ジェイ。
きずな/こんばんは。
GM/「ころころヒホ? またお話をしに来たヒホか?」
ヴォルト/あまり温厚に話をしに来たんじゃない。すまんな、……下を見させてもらった。
きずな/ジェイ君が食べてるのって……お客さんだよね。レオとマーリンが居たよ。
GM/「なんだってヒホ?」
ヴォルト/わざとらしいことを言うのはやめろ。もう見てるんだ。
GM/「ヒホー?」可愛らしく頭をヒホヒホ揺らします。
ヴォルト/可愛いけど騙されないぞ。……シラを切るな、もう無駄だ。
きずな/どうして……あんなことをするたぬか?
GM/「ヒホヒホー……理由かヒホ。それなら、悪魔だからっていうんじゃダメだヒホか?」
ヴォルト/……悪魔だから?
GM/その場でピョンッと飛び跳ねます。「ヒホ達、悪魔は……いや、『ヒホ達の悪魔』は他の人を吸収し合体することによって大きくなるんだヒホよ」
きずな/……大きくなりたいから、食べちゃったの?
GM/「そうだヒホ、大きくなることがヒホの目的だヒホー」

 ジェイを元ネタにした『真・女神転生3ノクターン〜東京受胎〜』のルールブックではこんな文章が書いてある。
「ヒーホー君は世界最強の悪魔を目指す。ゆえあって今はジャックフロストであるが、その志は変わらない。『強くなるんだホー』本当の名前はリヴィアタンと言う……」
 また、ルールブック掲載のサンプルキャラクター・ジャックフロストの目標は『強いヒーローになりたい』、背景設定は『願望(強くなりたい)』でもある。


ヴォルト/……すまないが、そういう悪魔は退治されるもんだよ。悪いがな。
GM/「そういう風に退治する人がいるから強くなるヒホよ」
きずな/……たぬには理解できないたぬ。
GM/「それでいいヒホよ。そういう世界に居たんだからそれはそれでいいヒホよ! でも、ヒホの世界では大きくならなきゃいじめられるヒホ。だから食べるヒホ。仕方ないことだよねって菊も認めてくれたヒホ!」
きずな/お菊ちゃんも……他の人はどうなってもいいたぬか。わからないたぬ……。たぬ達は、全力でそれを止めるよ。
GM/「みんなみんなそう言うヒホー……」ヒホが高くピョーンと飛びます。するとガラリと2階の窓が開き、そこから菊が飛び降ります。

 2階から落ちる菊。ジャンプしたジェイの大きな手が、彼女の身軽な身体をキャッチした。
 次の瞬間……並べられた雪だるま達が動き出し、その雪の下から小さな奏甲が現れた。


GM/……さて一方その頃、浴場のチームですけど。
ビクトル/メアリーに[懇願]を使用します。……嬢ちゃんを撫でる。頼んだぜ。
メアリー/うん、判ったオジチャン! オジチャンがそう言ってくれるならメアリーなんでもする! 頑張るからねっ!
ビクトル/ああ……コイツ、変な男に捕まらないといいな。よしよし。
メアリー/何言ってるの、メアリーにはオジチャンだけなんだよ!
GM/一頻りイチャつかれたところで(笑) 英雄の[懇願]の効果で消耗チェック全てが無視されます。……ビクトルが気付いたときには浴場にお湯は無く、どこでザバザバと流れる音がするのみ……。
ビクトル/よし、嬢ちゃんを抱っこしてダッシュで外に出ます!
メアリー/お、オジチャンが何も言わなくても抱っこしてくれた! もうメアリーのこと離さないでねっ!
ビクトル/嬢ちゃん、今何か言ったかー!?(一同笑)

 翔悟と市、ビクトルとメアリーがペンションから出ていくと……そこには既に2体の奏甲が向かい合っていた。
 ――ペンション前での戦闘が開始される。


 □□●□□□   ●→翔悟機、★→ビクトル機
 □□▲▼□□   ▲→ヴォルト機、▼→ジェイ機
 □□★□□□

GM/雪山という局地戦バトルなので、1マス移動するのに2ターン消費します。また、不安定な地形なので1マス1マスに命中力のペナルティがつきます。……まずはイニシアチブ判定をしようか!
きずな/(ころころ)わ、低い……2だ。
GM/(ころころ)こっちも2。なので、プレイヤー優先!
市/やった。早速ですが自分達の奏甲に[奏甲サポートの歌・ストラーマイン序曲]をかけて2回移動ができるようにします。(ころころ)成功、頑張って翔悟さん!
翔悟/これで1ターンに移動できるようになったから……1マス下がって撃ちます。[多目的ミサイル]で(ころころ)成功、[EPP]を使ってダイスを1個増やして、48のダメージ!
GM/いきなりドカッと撃たれたか……。ではビクトルチームどうぞ。
メアリー/[転移とリンクの歌]を唱えてヴォルト機を移動させます。(ころころ)……失敗、しょぼんぬ。
ビクトル/落ち込むな、嬢ちゃん。俺は[クラスアーツAシャープシューター]を使用して[多目的ミサイル]で攻撃!(ころころ)成功、ダメージは25点!
ヴォルト/……このターンで移動ができなかったのがイタイな。
きずな/そんなお兄ちゃんに[戦闘補助の歌・早足のワルツ]をかけます。(ころころ)成功、お兄ちゃん……命中値プラス10して!
ヴォルト/……仕方ない。まだ[加護]は使いたくない。このままの距離で[ジャベリン]を投げます。(ころころ)命中成功、ダメージ46点装甲無視!
GM/やっぱり先手取られるとツライなぁ。……敵のターンを始めます。まず菊が、[支配の歌・唾棄されし者どもの変奏曲]! 効果は『可聴範囲内の1体の精神を支配する』……ということで、ガチャを狙います。
市/……ガチャを!?
GM/(ころころ)消耗チェックは成功。歌を唄うお菊、そして……角ばった奏甲がジェイ機の前に出ます。
翔悟/ああ、出てきちゃった!?
GM/で、歌姫の行動が終わったからジェイがヴォルト機を攻撃するよ。(ころころ)成功……だけどダメージはたったの16。
きずな/(ころころ)[頭部]に当たるたぬ。
ヴォルト/[身代わり]を使用して庇います。
GM/あ、それでも庇ったか。……それでは操られたチャッピーの奏甲が攻撃を始めます。目からビームをビクトル機に!(ころころ)43ダメージ。
メアリー/ダメージ大きい!(ころころ)わ、[サブコクピット]に当たっちゃう……。
ヴォルト/[身代わり]します! 43点防御無視を食らって……一気に血まみれになった!
GM/でもガープスさんは何もしないからそっちのターンになるよ。

 □●□■□□   ●→翔悟機、★→ビクトル機
 □□▲▼□□   ▲→ヴォルト機、▼→ジェイ機
 □□★□□□   ■→チャッピー機

市/ヴォルトさんを[花びらの子守唄]を使って回復させます。(ころころ)成功、[無垢]の効果で2倍の32点回復してください。
翔悟/イッチー、残りの手番で敵を調べられる?
GM/[現世知識スキル]でジェイの奏甲が、[歌術知識スキル]でお菊ちゃんの能力が判明するよ。
市/じゃあ……[歌術知識スキル]で彼女のことを調べます。(ころころ)あ、失敗。
翔悟/ドンマイ! ……オレは[歌姫アクション/破壊工作]を使用して、次の攻撃の防御値を無視にする。2D10MPを消費して(ころころ)[多目的ミサイル]をジェイに、46点防御値無視ダメージ!
GM/菊が呟きます。「……ガープスさん、庇って」
翔悟/……ああっ!?
ヴォルト/あ……俺らと同じ戦術をしている!(笑)
GM/大ダメージは全て防御無視でガープスさんのHPへ行かせます。……そんな訳でジェイ機は無傷。お次の人どうぞ。
メアリー/わ、わー、すぐにお菊ちゃんを倒さなきゃ! 今度こそヴォルトさんを1マス移動させます。……GM、[ヤンデレ]の、2D10HPを減らすことでクリティカルにさせて[転移とリンクの歌]を完全成功させることってできますか?
GM/あー……(ルールブックを読み直して)消耗チェックの代わりにHPを減らせばいいだけだから、可能だね。
メアリー/じゃあそれやります!(ころころ)メアリーのHPが14点減ったけど、ヴォルト機をジェイ機と隣接させます! [ヤンデレ]なのでどんどんHP減らしていくよー!
ビクトル/……すまねえが嬢ちゃん、MPを肩代わりしてくれるか? [スナイパー]使用して、2D10MP消費することで射撃命中値を上げたいんだが。
メアリー/できるよ! オジチャン、いつでも言ってね。
ビクトル/(ころころ)MP11減らしてくれ。そしてジェイ機に[多目的ミサイル]!(ころころ)ダメージは11です。
きずな/たぬ、[花びらの子守唄]でお兄ちゃんを回復しておきます。(ころころ)成功、32点回復!
ヴォルト/よし、全回復した! ジェイ機に[強打]いきます。たぬ、MPを肩代わりしてくれ。(ころころ)12点ほど……。
きずな/大丈夫、MP12点減らします。
ヴォルト/ジェイの方に[ハルバート]で攻撃する。(ころころ)命中成功。44点防御値無視!
GM/……それもガープスさんに庇ってもらいます。こちらのターンになったのでお菊ちゃんは、ヴォルト機に向かって[攪乱の歌]を使い、命中値と回避値にマイナス10をかけます……(ころころ)が、失敗。続いてジェイがヴォルト機を(ころころ)ダメージ38で攻撃!
きずな/(ころころ)[右腕]に当たっちゃったたぬ……装備1つ破壊されるたぬ!
ヴォルト/……悔しいけど[ランス]を破壊されよう。
GM/次に、ガープスさん達が自分自身を回復しようとします。(ころころ)失敗……歌術はどっちも失敗か。そして、チャッピーがビクトル機を攻撃。(ころころ)よし、こっちは成功。ダメージ39!
メアリー/きゃあっ!(ころころ)[胴体]に当たって……半分持ってかれちゃった!

 □●□■□□   ●→翔悟機、★→ビクトル機
 □□□▼□□   ▲→ヴォルト機、▼→ジェイ機
 □□★▲□□   ■→チャッピー機

市/傷付いているメアリーちゃんを[花びらの子守唄]で回復します。(ころころ)あ、失敗してしまった……。
メアリー/ありがとう、イッチーの気持ち嬉しかったよ!
翔悟/なんかほのぼのするな(笑) ……では[歌姫アクション/破壊工作]でこの際のMP2D10消費をイッチーに肩代わりしてもらいます。[デレデレ]お願いしまーす。(ころころ)ごめん、14点も!
ヴォルト/……なんかさ、MPを他人に消費しててもらうところってみんな高い出目が出るよね(笑)
翔悟/あるある!(ころころ)命中は成功、42点防御無視ダメージ!
GM/防御無視は痛いけど……回復を失敗しちゃったガープスさんは庇いません。ここはHPを温存します。
メアリー/あ、GM。ワタシも可聴範囲内1体の精神を支配する[唾棄されし者どもの変奏曲]を持ってるんですけど……。
GM/……持ってるのか。流石[忌み歌使い]。
メアリー/更にガチャさんにかけて、戦闘離脱させることはできますか? ガチャさんが可哀想なんで……。
翔悟/できるの? ズンドコ破壊工作しているけど助けられるのならやってほしい!
GM/翔悟は知ってるもんね、普通に驚いてたのとか。
翔悟/だよ、お土産売ってくれたし!
GM/じゃあ……まず菊とどっちが歌術で勝るか対抗してもらいます。出目の低い方が勝利するよ。
メアリー/なら、[ヤンデレ]と掛け合わせてその判定を成功にさせます。(ころころ)HPダメージ12、ワタシが食らったけど成功!
GM/お、それは巧い(笑) 次に、その歌術自体が成功するかの気力消耗チェックをしてください。
メアリー/消耗チェックは2回なので、これも[ヤンデレ]を2回使ってHP4D10分減らします。(ころころ)……やった、まだ生き残ってるー!
GM/[ヤンデレ]でクリティカル成功にされたので……宣言通り、ガチャの精神はメアリーが主導権を持つことになりました!
メアリー/ガープスさん達、逃げてー!(と言いながら、戦闘マップからガチャのコマを回収する)
ヴォルト/……よし、チャッピーが退場した!
ビクトル/嬢ちゃん、もういいからそこで見てろよ。[スナイパー]使用します。今度はMPを自分で消費して[多目的ミサイル]撃ちます。(ころころ)成功、ダメージは29点!
きずな/たぬはメアリーを回復するたぬ。(ころころ)成功……あー、でも12点しか回復しない!
メアリー/ありがとう! メアリー、オジチャンをピーするまで死なないから安心して!(笑)
ヴォルト/俺はジェイ機に攻撃します。(ころころ)失敗……。
GM/それは残念。では菊が……[攪乱の歌・三つの変奏曲]をビクトル機に使用。(ころころ)成功したので命中回避をマイナス10してね。そしてジェイが同じくビクトル機に(ころころ)ダメージ40ピッタリ!
メアリー/(ころころ)[脚]だから……破壊されちゃった。でも移動に4ターンかかるだけだよ!

 □●□□□□   ●→翔悟機、★→ビクトル機
 □□□▼□□   ▲→ヴォルト機、▼→ジェイ機
 □□★▲□□

GM/これで[身代わり]を使ってくる奴はいなくなった。翔悟チームからどんどんいっちゃってください。
市/はい。メアリーちゃんに[花びらの子守唄]を使います。(ころころ)成功、38点回復!
翔悟/先程と同じように[歌姫アクション/破壊工作]を使って攻撃します! 残りMP9で(ころころ)……あ、9が出た。
GM/翔悟機、戦闘不能になります。
市/……で、[デレデレ]使用! 翔悟さんのMP消費を肩代わりします! 無理しちゃダメです!
翔悟/一瞬ガクンってなった……(ころころ)けど、成功。48点防御無視ダメージ!
メアリー/じゃあ、今度はジェイ達に向かって[打撃の歌・神々の雄たけび]! 消耗チェック2回で対象2D10のダメージなんだけど、この2回も[ヤンデレ]を使用します!(ころころ)お菊ちゃんに12のダメージ。
ビクトル/……もうどちらのMPもカツカツなので、俺は[スナイパー]の能力で1ターン照準に費やして終わります。
きずな/たぬー、お兄ちゃんに[早足のワルツ]をもう一度かけます!(ころころ)成功、命中値プラス10!
ヴォルト/……これで[加護Aトール]を今度こそ使いたい!(ころころ)よし、成功。神の怒りを受けよ……69点防御無視ダメージ!
GM/おおっ、デカイのが来たな。(計算して)……そのダメージを食らい、奏功が動かなくなります!
ヴォルト/よし、キマった!
GM/……と思った瞬間。コクピットからピョーンとジェイがお菊を抱いて飛んでいきます。
メアリー/あ、逃げた! 追いかける?
きずな/じゃないと、また他の人が食べられちゃうかもしれないたぬ……!
GM/逃げる2人を追いかけますか? なら『難易度∞』です。
翔悟/無限大には足りないー!(笑)

◆難易度∞
 昭和70年を舞台に『番長』と呼ばれる超人キャラクターを楽しむ熱血TRPG『番長学園!!』に出てくる難易度設定。
 たとえ高い出目でもクリティカルでも絶対にクリアできない。プレイヤーはとにかく「負けプレイ」を演じろというGMからの演出指定のこと。ピーチ姫がクッパに攫われるときなどに使用する。
 合言葉は「惜しい、無限大にはちょっと足りないな!」


GM/ではお菊は逃げるとき……パチンと指を鳴らす。すると何かが割れた音と同時に、キーンと耳の奥へ響く嫌な音が!
市/な、何を……?
GM/妙な衝動、変に胸が痛い。耳が痛い。……幻糸の結界が割れ始めます。今までペンションで過ごした時間分の蟲化ダメージを食らってください!

【銀朱亭1日目】
 @14時ランダムイベント  A15〜18時自由時間
 B18時夕食
 C19〜21時自由時間   D21〜24時自由時間
【銀朱亭2日目】
 @14時ランダムイベント  A15〜18時自由時間
 B18時夕食
 C19〜21時自由時間(←今ココ)


GM/皆さんは3〜4話にかけて9ターンここにいたので、9D10の蟲化ポイントを溜めてください。
一同/9D!?
GM/……そういえばジェイが「ここは大丈夫ヒホよ」と言っていたのを思い出してください。
ヴォルト/あれは……アイツらが居たから大丈夫だったのか。
GM/貴方達が頭を抱えていると、菊達は山脈の方へと消えていきました。……それと、ペンションの地下からあっぷあっぷという声が。
ビクトル/あ、レオ達忘れてた(笑) 助けに行くぞ!
GM/地下に入っていくと、大量のお湯の中にレオと、ズルズルと水を吸った衣装を引きずる女の人がいます。女の人は銀色の髪をしたこんな人で……(と言って、『ゲヘナ』のルールブックを見せる


◆銀糸の民の神語術師
 アラビアンファンタジー『ゲヘナ』のサンプルキャラクター。
 銀糸の民とは、銀色の髪を持ち、数千人に1人程度生まれる突然変異で魔術的な才能に秀でた人間で、ファンタジー世界で言うエルフのような存在。アラビアン舞台なので女性はずるずる引きずるような服と顔を隠したビジュアルをしている。
 そして、魔法に特化した種族はどこの世界も総じて体力が無い。そのお約束を特に銀糸の民は表現されている(具体的に言うと【生命力】的な判定ができない)。


翔悟/『生命抵抗』を持てないから死んでしまう!(笑)
ヴォルト/大丈夫か銀糸の民! 死んでしまう!(笑)
市/[救急スキル]を持っているので皆さんを助けに行きます!
GM/レオとその相方以外にも何人かあっぷあっぷしている人達がいます。……で、運の悪いビクトルさんは腕が浮いてるのを見ちゃったりする。
メアリー/オジチャン、何見てるのぉ〜?
ビクトル/(何事も無いように)嬢ちゃん、こっち来るなよー。お前らは怪我の手当てをしてこい。

 ……見つかったのは、若干の遺体。
 だけど助かった人達が何人もいた。
 6人だけでなく、[支配の歌]から解放されたチャッピーとガープスさんも救助を行った。皆が助け合った結果、多くの人の命を救うことができたのだった……。


GM/ペンションに入るとレオがクシャミをし、マーリンが静かな声で「あっちで暖まっていらっしゃい」と言います。……その声にビクトルチームは聞き覚えがあります。
メアリー/あ……その声、話しかけてくれた人だよね。
GM/「良かった。私の音が届いていたんですね」と呟くように言います。……ネタ晴らしをすると、『ゲヘナ』の神語術に『音を届けよ』という魔法があり、これはテレパシーではあるんですが一定区間じゃないとメッセージが届かないものなんです。
ヴォルト/なるほど……。それと「チャックを下ろす」のも納得した。神語術に確かにあったよな(笑) そのメッセージは、本当ならレオに聞いてほしかったんだろうが、もうそのときにはレオはジェイに捕まってたんだな。
メアリー/でもマーガリンさんのおかげでレオもみんなも見つかってホント良かったー!
ビクトル/……マーリンな(笑)
GM/「ジャックフロストの性格と、彼が[幻糸抵抗力]を持っているということが嘘だとも『音を届けよ』で伝えたかったんです」
翔悟/……あ。(ビクトルに渡されたメモを見て)そういや[幻糸抵抗力]……この中には無いや。
GM/「……彼らはおそらく悲嘆山脈の方角へ逃げたのでしょう。あちらの方が人が少ないですし、彼らは幻糸の濃度を薄める結界を張る能力を持っているみたいです」
きずな/ああ……結界の能力があれば濃度が高くても蟲化がそんなに進まないたぬね。
GM/「そうですね。ともあれ、我々を救ってくれてありがとうございます」深々とマーリンがお辞儀をして感謝の意を表したところで……4話のシナリオを終わりにしましょう。


 ★マスターシーン


 彼らは飛ぶ。
 雪は降らないが、それでもとても厳しい北風。
 音がなるほどの風が吹きつける、そんな山の風に呑まれつつ、彼らは飛ぶ。
「……これからどうしよっか?」
「大丈夫ヒホ。あそこじゃなくても違う所で商売すればいいヒホよ」
「そうね…………。あ、あれって?」
 彼女はあるものに気付いた。
 彼もつられて見た先のモノに、ヒホヒホ笑う。
「あれが、噂の……」
「行ってみるヒホか?」
「うん、行ってみよ。ごめんくださーい……」
 その先に居た人物に、驚き、……彼女もまた笑った。
「……ああ、どーりで。近かったから私の夢に入ってきちゃったのね。ホントは私宛てじゃなかったんでしょ? ……で。アンタ達はココで何をしているの」


★レベルアップ報告 4→5
 ▼ヴォルト→「歌姫強化」「愛機」
 ▼きずな→「読書好き」「ワガママ・退屈」「奏甲サポートの歌ランク4」「抵抗の歌ランク2」「奏甲補修の歌ランク3」「戦闘補助の歌ランクランク4」
 ▼ビクトル→「歌姫強化」「幻糸抵抗力」
 ▼メアリー→「リンクの歌ランク1〜3」「精神攻撃の歌ランク2」「幻糸の歌ランク1」
 ▼翔悟→「愛機」「根性」
 ▼市→「打撃増加の歌ランク1〜3」「探知の歌ランク1」「リンクの歌ランク3」