ルリルラノイシュタルトハイ・リプレイ・異次元メルト
■ 第3話 『氷桔ドッキング』 ■
2008年12月6日




 ★オープニング


 ――砦から5日後のある町。
 ある少年、レオに出会った6人は、彼と共に悲嘆山脈の麓に向かう……。


GM/レオは常々尋ねてくるよ。「少し歩きますけど大丈夫ですか?」
メアリー/大丈夫だよ。ねっ、オジチャン! 抱っこだよね?
ビクトル/お前、自分で歩けよ……。
メアリー/(ドスのきいた声で)抱・っ・こ、だよねぇ?(一同笑)
きずな/たぬも抱っこたぬ!
ヴォルト/……バイクに乗せます(笑)
翔悟/あ……オレ、抱っこする?
市/あ、だ、大丈夫です。私、歩けますから!(笑)
GM/それでは、町を離れ山脈に近くなってくると……いきなり吹雪いてきます。
翔悟/さっみー! マント風の学ランをイッチーにかけます。
メアリー/オジチャンのジャケットの中に入ります! オジチャン寒いよぉーっ!(笑)
ヴォルト/えーと……たぬきが巻かれました。襟巻きたぬきです(笑)
GM/レオは大きいマントを靡かせつつスタスタと歩いていってしまいます。さて、雪山登山なので皆さん、肉体消耗チェックをしてね!
一同/(ころころ)OKです!
メアリー/ぬくぬく。オジチャンのぬくもりを感じる……エローイ!
ビクトル/ああ……もう何もツッコまないぞ(笑)
GM/ではそんな風に登山をしていますと、ペンションと思われる2階建ての山小屋が見えてきます。「あ、あそこですー!」
翔悟/寄らせてもらおう……ノースリーブのオレ、涙目(一同笑) でも能天気だから気にしない。いつもハート燃えてるから寒くないし!
ビクトル/阿呆、無理すんな!(笑) 早く中に入るぞ!
GM/玄関にはいくつもの雪だるまが歓迎してくれるペンションに入るとそこは、木材を組み合わせて造られている立派な山荘です。
きずな/あ、これってテレビでやってた……殺人事件が起きるログハウスたぬ!(笑)
GM/入口で雪を払っていると……「いらっしゃいませ」という看板を持ってやってくる……ひとつ目の三角形の生き物。
一同/はあっ!?(笑)


 ……その正体は、ガープスさんである。
 説明はいらない。汎用TRPG『ガープス』シリーズの表紙のアレである。


きずな/物凄くギョッとします! ぴら……みっど?(笑)
翔悟/三角形なので下を捲ります。……中は、暗黒物質でした!(一同爆笑)
ビクトル/ダークマター!? どういう仕組みなんだ……なんだこのドル札のマークっぽい何かか!(笑)
GM/ペンションの人ですよ。どこかのボタンを押すと看板の字が「いらっしゃいませ」が「お泊りですか」に変わる。
きずな/喋らないんだっけ、口が無いから!(笑)
GM/で、その三角形に続いて……赤い鳥っぽいやつ、シャーマンズゴーストが現れる。
きずな/おおお……太陽の塔だー!(笑)


◆シャーマンズゴースト
 PBCで有名なトミーウォーカーの『シルバーレイン』に出てくる使い魔の1つで、穴が空いただけの感情の無い目と、鋭いんだか滑らかなんだか判らない不思議な形状をした謎の生き物。
 今回は、霊媒師のおつきのシンプルサイズを元ネタとしている。


GM/シャーマンズゴーストは「お荷物をお預かりします」という顔をします。
翔悟/顔!? 喋れないから!? ……そっちも捲ります。オレの知的好奇心が勝手に動き出す!(笑) ついでにレオのマントも捲ります。よしフツーだった、人間だった!(一同爆笑)
市/ハレンチです!(笑) でもこんな経営で商売やっていけるんでしょうか……?
GM/では続いて、今度は人型の女の子がやって来ます。……ブレザー服でエプロンをかけた、ルーズソックスの暖かそうな一昔前の女子高生が。名前が「菊」と胸のネームプレートに書いてある……。
きずな/『パン爆』だぁー!(一同笑)


◆パン爆
 正式名称を『パンティ爆発』。チベット発のアメリカンRPGで、何故か「日本のサイキッカー女子高生」をテーマにしたゲームである。
 何故日本人ではない彼らが、日本を舞台に、女子高生を主人公のゲームを作ったのか。日本人のGMには理解できない。きっとジャパニーズガール独特のお色気とミステリアスでもあるんだろう。多分。

きずな/……翔悟、あの子は捲らないの?
翔悟/捲らない。あれ捲ったら……スッゲエ蹴られる(笑)
GM/現れた女子高生らしい口調で応対してくれるよ。「えーとぉ、6名様ですねえ? ペンション銀朱亭にようこそいらっしゃいましたあ。お一人一晩1500Gになりますけど、よろしいですかぁ?」
ヴォルト/……普段の生活費が1000Gだが、山の中だしな。払おうか。なんでこんな所でペンションなんてやってるんだ?
GM/「えっとですねぇ。これから先、噂の悲嘆山脈じゃないですかぁ。ここでホテルとかぁやっちゃえばみんな金ヅルになるんじゃないかって思ってチョベリグなんですよぉ」
翔悟/なんか……オレと近いものを感じる!(笑)
GM/翔悟より5年ぐらい前の高校生だけどね(笑)「ってなカンジだからぁ、お部屋は1部屋ダブルベッドになってますぅ。こんな感じですぅ」

【ペンション銀朱亭マップ】
 @〜E空き宿泊部屋
 Fレオの宿泊部屋
 Gスタッフルーム
 H大広間
 I厨房
 J男女更衣室
 K浴場
 Lお土産コーナー


ヴォルト/スゲエ、なんか広い!(笑)
GM/「ベッドは1部屋1つですけどラブラブでしたらいっしょに寝ちゃってくださぁい」
メアリー/……オジチャンッ!
ビクトル/(即答で)1部屋で!(一同爆笑)
メアリー/ヤダ! メアリーもオジチャンの部屋じゃないと寝ないんだからぁーっ! やだやだやだぁっ!(笑)
ヴォルト/じゃあ、きずなは一緒に寝るか。
きずな/たぬっ! ……オジチャン、どうしてメアリーといっしょの部屋はダメなの?
翔悟/オレは……(市を見て)……まずいよねぇ?
市/ど、どうしましょう……困りました。
きずな/なんで? 修学旅行ではみんなで寝るよね?
翔悟/お前、小学生だな! 中学からは別部屋なんだよ、男女別なの! じゃないと恋バナとか出来ないだろ!(一同笑)
ビクトル/そういう問題か!(笑) ……こっちは一緒に寝たらいけない気がするというか。なんか怖い! って、なんで俺、幼女にビビってるの!?(一同爆笑)
市/メアリーちゃん、一緒に泊まらない?
メアリー/ええーっ!?
翔悟/メアリー。…………消灯時間の後は自由だよ!
メアリー/……じゃあそうする!(一同爆笑)
ヴォルト/ヴォルトときずなは@の部屋に泊まります。
翔悟/オレ、翔悟だからD番とっぴー!
ビクトル/俺は階段前に近い方で……いつでも誰かが襲い掛かっても逃走ルートは確保しておかなければ!(笑)
GM/「あとぉ、ここ一応温泉やってましてぇ。まあ、天然っていうかビミョーな温泉なんですけどぉ、自由な時間に入れまぁす。あとゴハンは十八時になりまぁーす。なので十八時にお風呂はご遠慮くださぁーい」……ちなみに、お風呂は混浴です。

【第3話タイムチャート表】
 @14時ランダムイベント  A15〜18時自由時間
 B18時夕食
 C19〜21時自由時間   D21〜24時自由時間


GM/ではここで、あるものに気付いてください……感知判定を【知力】で!(一同ころころ)……メアリー以外は成功したね。
メアリー/オジチャンに夢中です。オジチャン、一緒にお風呂入ろ!
GM/……メアリー以外は気付きます。窓の外に、何か丸いものが浮かんでいることに。
市/何でしょう……?
GM/……ジャックフロストです。


◆ジャックフロスト
 家庭用ゲームでも人気のあるアトラス『女神転生』シリーズのマスコットキャラクター。
 雪だるまの悪魔で、「ヒーホー」という不思議な鳴き方をする。
 歴史のあるRPGシリーズのため、色んなゲームにスピンオフで出演している。プリクラのキャラクターにもなっているので、名前は知らなくても一度は見たことある人も多い筈。


きずな/ヒーホー……雪だるまさんだぁ!(笑)
GM/「あれはウチの従業員でーす。雪降らせてもらってまぁーす」
市/降らせてもらってる? なんでですか?
GM/「だって雪があった方がフインキ出るし。それに山登って来た人たちが、ああ寒いここで暖を取ろうって思うじゃないですかぁ」
ヴォルト/なるほど……それは賢い(笑)
きずな/ゴンちゃんはそれ、計画的犯行って言ってた!(笑) あ、皆さんのお名前は何ですかー?
GM/「三角形のはガープスさんで、シャーマンズゴーストはチャッピー。ジャックフロストはジェイで、アタシの名前は成田菊ですぅ」
きずな/『菊』……って、おばあちゃんの名前かよ!(笑)
翔悟/オレも思ったけど、言わないようにしよう……間違ったアメリカ人がつける日本人女性の名前だよなぁ(笑)

【第3話登場NPC表】
 @レオ   Aガープスさん&チャッピー
 B成田菊  Cジェイ


GM/この山荘には『パンティ爆発』の菊、ガープスさんとチャッピー、『メガテン』のジェイ、そして『迷宮キングダム』のレオが滞在しています。それ以外のお客さんは貴方達6人のみです。
きずな/あれ……誰と誰が一緒なの?
GM/「ガープスさんが歌姫でチャッピーが英雄ですぅ。あと私とジェイがパートナー同士」
翔悟/あれ? じゃあレオレオは?
GM/……レオは、もう部屋の方に戻ったようです。6人揃って受付するのに時間がかかりますから。
ビクトル/……まだ相棒に出会ってないってやつじゃないのか?
翔悟/でも「仲間がいる」って言ってたよね? まだオレ達が会ってないだけじゃない?
GM/そればかりはレオの事情なので菊達は答えられません。……では、時間通り進めていきましょう。


 ★シーン1


GM/時間は14時……早速初めていきますか。

◆翔悟&市の結果→78『特になし』

市/えー、何も無いんですか!(笑) ……翔悟さん、また後で。
翔悟/じゃあねー。……何も無ぇ!(笑)
GM/残念。でもこの先きっと何かあるから心配するなー。

◆ビクトル&メアリー→35『衝動』
「もっと××を……」英雄は、血に飢えた自分を発見してしまいます。まさか、予想以上に幻糸に冒されているのでしょうか。
 英雄のみ蟲化ポイント1D10してください。

ビクトル/うわ……ヤバイの引いちゃった。(ころころ)けど1上がっただけだな。
GM/オジチャンが1人、部屋にやって来ます。大きなベッドがある快適そうな室内だけど……体に妙な感覚が走る。
ビクトル/……ウッ。
GM/……やっぱ山脈に近くなったからでしょうか。幻糸の濃度が濃くなっているのかな。きっと山に登れば更に強くなるだろうね。
ビクトル/あんまり……長居はできねぇな。
メアリー/……トランシーバーの歌人形でその言葉、聞いていてもいいですか!?
ビクトル/あ、入れっぱなしだった。ブツッ!(一同爆笑)

◆ヴォルト&きずな→67『戦略会議』
 先の戦闘の反省を活かし、二人で戦略の確認を行いました。
 シナリオ終了時まで、全ての判定にプラス10%が付きます。

ヴォルトきずな/やったー!(笑)
GM/お兄ちゃんが本気出したな。部屋、同じだったしね。
ヴォルト/反省会でもしようか。今までこういうことがあったからこういうことには注意しようか。……お兄ちゃんな、そろそろトールを使いたいんだ!(笑)
きずな/たぬたぬ、たぬも頑張って気力獲得するたぬ!
GM/――ではそんなことがありまして、荷物を整理してたら1時間があっという間に経ってしまいましたとさー。A15〜18時間の自由時間に参りましょう。


 ★シーン2


翔悟/よし、オレ……お土産コーナーに行く!(笑) 高校生感バリバリで直行するぜ!
市/私は……お風呂が個人的に気になるので浴場に行きます。
ヴォルト/……俺は風呂は夜に入るもんだと思っているから、とりあえず今はレオのところに話を訊きに行こうかな。
きずな/お兄ちゃんと一緒にレオレオに話を訊きに行くたぬ。
ビクトル/じゃあ……俺は山についてジェイに訊きに行きたいな。
メアリー/メアリーもオジチャンと一緒に居るぅー!
GM/みんな、方針は固まったかな? ――では、お土産コーナーの翔悟からシーンを始めよう。お土産屋にはガープスさんキーホルダーやチャッピーのぬいぐるみが売ってるよ。
翔悟/押すと「ちゃぴー」って鳴くスイッチかぁ……ちゃぴぴぴぴぴぴーって連打する。
GM/カウンターのガープスさんが「お客さーん、困りますよー」と看板を掲げています。
翔悟/すみませーん(笑) あ、あのさー。十五歳ぐらいの女の子って何をプレゼントしたら喜ぶと思う?
GM/チャッピーが「女の子は大抵ぬいぐるみを喜びますよ」……という顔をします(一同笑)
翔悟/じゃあ、このぬいぐるみを2つ。可愛いのと禍々しいのを1個ずつ買います。……なあ、ガープスさん。
GM/「なんだい?」っていう……顔をします(一同笑)
翔悟/ガープスさんとチャッピーも英雄と歌姫なんだよね。
GM/「ええ、そうですよ」という……顔をします。
翔悟/2人も……この先の悲嘆山脈に向かうの?
GM/チャッピーが長い顔を横に振ります。「ここで2人、添い遂げようと思っています。この先は幻糸の力が強いですから。それに、お互い元の世界に帰るより2人で生活できたらいいと……ガープスさんがこのログハウスを建てました」
翔悟/スゲェー。丸太をガープスさんの中に入れると中からログハウスが……なワケねぇ! どう考えてもログハウスの方がガープスさんよりもデカイじゃねーか!(一同爆笑)
GM/「でもってチャッピーが火を沸かし、お菊ちゃんが人の言葉を話し、ジェイが雪を起こして客寄せをします」
翔悟/……おいしいねえ、巧い商売だなぁ(笑) お客さんってそれなりに来るんですか?
GM/「ええ、山脈の噂は流れていますから。ここで泊まって先を行く人はいるんですけど、山脈から帰ってくる人はいません。理由は……もとの世界に戻るために行くんですから仕方ないですね」
翔悟/そっか、ちゃんと帰れてるか……それとも途中でバイバイしてるかな?
GM/ここでワンポイントアドバイスです。……お土産を買いましたね。それをカノジョにちゃんとプレゼントしてください。絆獲得チェックが2回挑戦できます。
翔悟/マジっすか!(笑)
GM/『プレゼントをあげる』は獲得チェックの推奨行動の一つですから。ちゃんと渡すんですよって優しい顔をチャッピーがします。
翔悟/ありがとう。お土産コーナーで買ったサキイカでもモグモグ食べながら、ガープスさんとチャッピーさんの馴れ初めでも聞いて時間を潰してます。

 翔悟の前でイチャイチャする2匹。一方、翔悟の相棒の市は……。

GM/ではお市ちゃんがタオルを巻き、浴場に出てみますと……そこはなんと綺麗な雪景色の露天風呂です。
市/まあ……これは凄い。この世界にもこんな素敵なところがあるんですね。
GM/ええ、とても美しい雪化粧。温泉も広くて快適です。
市/誰もいないことを確認しつつ、温泉に入ります。
GM/セクシーショット入ります、視聴率上がります。ちなみにテレビ東京だと湯気率も上がります。
翔悟/DVD版なら湯気が消えるけどね!
市/どういう宣伝ですか!(笑) ああ、でもあったかいですね……。
GM/そこに、「失礼しまーす」という顔をしながらチャッピーが入ってきます。「マッサージチェアは1階にありますのでどうぞお使いください。あとサウナもあります。アロマセラピーもオススメですよ」
市/はい、ありがとうございます。後で見させていただきますね。
GM/……では、【精神力】判定をお願いします。
市/おおっと!? これは失敗するとお金が無くなるフラグ!(笑/ころころ)……成功しました。
GM/「設備はなんでも揃ってまーす」と、宣伝をして……従業員のチャッピーは去っていきます。具体的にこのトラップは、【精神力】で失敗すると1D10万G支払って頂きます。ちなみにお土産コーナーへわざわざ来てくれるという1行動を支払のであれば、無料でぬいぐるみなど購入できます。
市/……なんというトラップ。色々と勧められたけど、買わなくて良かったのかしら(笑)

 一方その頃2。ビクトル達は、ペンションの外に出ていた。

GM/2階建てペンションの入口の前には雪だるまがいくつか置いてあります。雪は軽く降っている状況です。
ビクトル/まだ話したことのないジェイに話をしに行きます。外に出るけど……。
メアリー/オジチャンの服の中に入ってます! ううっ、寒いよぉ!
ビクトル/……俺の意思はどうでもいいんだな(笑) おーい、仕事中すまないんだがー!
GM/空を飛んでいたジェイがその声を聞いて下りてきます。「アンタ達、お客さんヒホか?」
ビクトル/この先のことでいくつか訊きたいんだが。悲嘆山脈はここみたいに吹雪になっているのか?
GM/「そんなことはないヒホ。そこまでヒホはやってないヒホ」
ビクトル/やっぱりお前らのせいか(笑) でも当然、山がちにはなっているよな。
GM/「そうヒホ、体力の無い子が行くには大変ヒホね。【生命力】判定や肉体消耗チェックはあるかもしれないから気を付けるヒホよ」
ビクトル/幻糸が濃いというのは本当なのか?
GM/「ホントだヒホ。でもこのペンションは安心するヒホ」
ビクトル/……そうでないと商売にならないからな。アンタらも蟲化しちまうもんなぁ。
GM/「その心配は無いヒホ」
ビクトル/……うん?
GM/「まあ、いいヒホ。もっと何日もここにいて貢いでいけヒホ」……雪だるまをいたる所に置いて可愛らしさを全面にアピールし女の子の好感度を上げております。
ビクトル/そこも計算か!(笑) 商売繁盛しているみたいだしなぁ。
メアリー/お菊ちゃんもそんなに帰りたがっていないみたいだしねぇ。やりたい放題だー。くんかくんか!
ビクトル/中で何やってんだよ、危なっ!(笑) ……また何かあったら訊くかもしれないけど、よろしく頼むよ。
GM/「いつでも話をしに来るがいいヒホ」ピョーンとまた空を飛んで、雪を降らせ始めます。

 一方その頃パート3。
 ヴォルト&きずなは、先に宿泊していたレオの部屋へと向かった。


きずな/とんとんとん! ノックします。レオレオ、いますかー?
GM/はーい、入ってまーす!
きずな/判ってます!(笑) 開けまーす!
GM/「えっと……どうしましたか? 何かしましたか、ボク……?」
ヴォルト/いや、何もしてないんだが話をしないか。……レオの部屋の中を確認するけど、他の人が居そうな気配はありますか。
GM/無いですね。荷物が2個置いてあったりもしません。
ヴォルト/……お前、1人でこんな所に来たのか?
GM/「いいえ、仲間がいました。……い、いえ、います!」言い間違えて、すぐさま言い直します。
きずな/……仲間の人はどこ行っちゃったの? お留守番たぬか?
GM/「……町にはいませんでした。……先に山脈へ行ってしまったのでしょうか」
ヴォルト/山脈の方に向かっていたってことは、お前も帰りたい人間なのか?
GM/「はい。それで仲間と一緒にここへ来て、2〜3日滞在しようと思っていました。でも……」
ヴォルト/……行方が判らなくなった?
GM/「……いえ、まだ、今日で居なくなって2日目です」
ヴォルト/ああ、まだ戻ってくる可能性があると思っているのか。
GM/「従業員のお菊ちゃんは『流石に3日経ったらダメかもねー』と言ってました」
きずな/……お菊ちゃん、軽いなぁ。流石女子高生!(笑)
ヴォルト/まあ、山に行って戻ってくる人は少ないらしいしな。レオもその噂を信じて来ているということは、やっぱりあの噂は信憑性が高いんだな。……ある程度、疑っていたんだが。
GM/「でも、その噂……色んな人から聞きますよ」
ヴォルト/……発生源はどこだろうな? どうしてそんなに広がってるんだ?
きずな/……そういえばこの世界って、情報ってそんなに広がらないんだよね?
GM/ですね。だって第2話のシナリオは『通信手段の無い集落で起きた事件』ですもの。
ヴォルト/山脈から戻ってくる人もいないんだろ、元の世界に帰っちゃうから。……誰が伝えてるんだろ。それが微妙に気になってるんだ。
きずな/……そ、そうたぬね?
GM/「え、えっと……ボク達は! ボク達を1日目で拾ってくれた人からその噂を教えてもらったんです」
きずな/ハウンドさん的な人たぬね。でも……言われてみればそうだたぬ。
ヴォルト/……相方のことだったら、もし3日経っても帰ってこなかったら俺達も探すの手伝ってあげるよ。どうせ悲嘆山脈に行こうと考えていたんだからな。
GM/「い、いいんですか? はい……是非ともお願いします! あ、でもまだ帰ってくる可能性もありますからね!」
ヴォルト/そうだな。……あまり話したくない話題だったかもしれないな、すまん。
GM/「いえ、手助けしてくれるだなんて凄く嬉しいです! どんな人なのか教えておきますね」
きずな/うん、どんな人たぬか?
GM/「銀髪で、多分……女の人です。性別不明な感じがします」
きずな/……たぶん?
GM/「で、お洋服をズルズル引き摺るような感じで、時々変なことを言ってチャック下ろしたりします」
きずな/……ちゃっく?(笑)
GM/「……ボクは事実を言ってるだけですぅ。名前は、『マーリン』と言います。ちなみにボクは英雄で、[国王/冒険者]なのです!」
ヴォルト/ああ、確かにその組み合わせは強いよな(笑) ……判った、話してくれてありがとう。
きずな/そろそろお夕飯のお時間たぬね。いっしょに行くたぬー。


 ★シーン3


GM/それでは、外が暗くなってきたあたりで、B18時のお夕食になります。大広間に来ると、菊が作ったらしい美味しそうなゴハンが並べられています。……カラオケセットがあったりするんだが。
翔悟/おお、オレの出番! 唄います!
GM/お立ち台もあるから唄っていいよ。菊とガープスさんとチャッピーが待機して、レオも一緒に食べているところだけど。
翔悟/[演奏スキル]で唄うぜ!(ころころ)ヤッタネ、成功! イッチーに届くようにLOVEマシーン! イェイイェイイェイイェイ!(一同笑)
ヴォルト/凄く現代風な歌で……サッパリ意味が判らない(笑)
きずな/英語が聞き取れないたぬー!(笑)
メアリー/で、その振り付けを覚えちゃうお市ちゃん(笑)
GM/お菊ちゃんもその歌を聞いて「あー、その歌凄く流行りそうねー。ミリオンいきそう」(笑)
翔悟/まだ小室が全盛期でつんく出てこない時代だからな。マジで時代変わるよ!(笑)
メアリー/オジチャン、あーん!
ビクトル/(無視して)……もぐもぐもぐ。
きずな/食べられないブロッコリーをお兄ちゃんのお皿にポイッ!
ヴォルト/……何も言わないでそれを食べる(笑)
市/し、翔悟さん……あーん。
翔悟/あーん! もぐもぐ……ってなんという二人の世界!(笑)
GM/なんというルリルラ。ということでみんな、絆獲得チェックしようぜ。……そんな感じで夫婦ごっこをしたらお夕食を終えましょう。ゴハンご馳走様でしたー。じゃ、次の時間Cにいこう。
ヴォルト/Cの時間は風呂に入るもんだろうと俺は決めております。
きずな/お風呂お風呂!
翔悟/宣言します、オレはDで入ります!
ビクトル/俺もDで入ってCは情報収集でも……。
メアリー/ダメだよオジチャン! 二人っきりにしなきゃ!
ビクトル/あ、そ、そうだな。じゃCで入ろう!(笑)
メアリー/メアリーもオジチャンと一緒にCで温泉入りまーす!
翔悟/……よしイッチー、オレ達は外で雪合戦しようぜ!
市/は、はい、やります!
GM/方針は決まったかい? ……じゃあ先に4人が入るお風呂のシーンにいこうか。露天風呂はさっきお市ちゃんが入っていたものとは違い、夜用にライトアップされています。とても広くて綺麗だよ。
きずな/わーい! 入るたぬー!
ヴォルト/こけるこける!(笑) 転んだとこを[身代わり]します!
GM/ダメージを受けてください以下略。……で、あっちには腰にタオルを巻いた傷だらけのガンドッグがやって来たり。
ビクトル/はっはっは、古傷が痛むー。
きずな/それはおじいちゃんだよ(笑) ……泡だらけになっていくたぬ。モフモフした毛がぺっちゃんこになるたぬ。
メアリー/オジチャン、お背中流しまーす!(笑)
GM/ではそんなところに、チャッピーが「アロマはいかがですかー。とても健康的な塩石鹸はいかがですかー」という顔でやってきます。
ヴォルト/いりません。
GM/残念、これはルールなんだ。全員【精神力】判定をしてくれ。
ビクトルメアリー/(ころころ)成功。
きずな/(ころころ)成功たぬ。
ヴォルト/(ころころ)……失敗。
GM/失敗した人、1D10お願いします。
ヴォルト/(ころころ)……7。
きずな/7万分の温泉グッズ!? 泡がほわほわ出るたぬ!(笑)
ヴォルト/……たぬが楽しそうなんでいいや(笑)
メアリー/メアリーも7万分ので遊びまーす(笑) 温泉でバタ足、ばたばたばた!
ビクトル/コラッ、お前ら風呂が台無しだろうが!
ヴォルト/酒飲んでます。
メアリー/あ、良いお酒あるよ、ホラッ!
ビクトル/だからお前は酒をやめんかッ!
ヴォルト/どっから酒瓶出したんだ、今(笑) なあ、さっきから疑問に思っていたことを話していいか。……なんであの噂が広まったんだろう?
ビクトル/確かにな……あまり考えていなかったが言われてみると。だが正直こっちも藁にも縋る想いだからな。
ヴォルト/……下手な罠じゃなきゃいいがな。あとレオの話なんだが、と伝えておきます。
ビクトル/そうか、レオのパートナーはマーリンというのか。……こちらが集めた情報だが、目立って判ったことは無いな。とりあえずこのペンションに居る限り大きな影響は無いらしい。
ヴォルト/……ああ。でもここにいると俺、売り飛ばされる自信があるんだよ(笑)
メアリー/ぷはーっ!
ビクトル/コラお前ら、ガキが酒飲んでんじゃねー!(笑)

 浴場の方からは怒ったビクトルの声がする。
 それとは別にペンションの外では、学ラン相当のマントをなびかせながら、雪合戦をしようとしている若者達がいた!

翔悟/オレ&イッチーVSそこら辺にいたレオ&ジャックフロストで雪合戦な!
GM/……絶対それ、自分が不利になる選択肢を選んだよね。
翔悟/不利な状況に敢えて挑戦するオレ、超カッコイイ!(笑) 負けないぞー! オレの回避修正をなめんな! オレら[ユニゾン]だから大丈夫!
市/が、頑張りますー!
GM/「よ、宜しくお願いします。僕、武勇は高いんですからね!」「相手をしてやるヒホよー」とレオとジェイ。……折角なので判定しようか。【器用さ】か【敏捷】で行為判定してね。スタート! わーっと2人が雪球を投げつけてきます。
市/【敏捷】でいきます。(ころころ)普通に成功です、えいえいっ!
翔悟/こっちも【敏捷】で!(ころころ)成功! ぱこぱこっ!
GM/一生懸命こちらも投げますが、押され気味です。ジャックフロストでさえワタワタしております。「うわー。…………降参ですぅ、負けますー!」とレオが白旗を振ります。
市/わーい!
翔悟/イエーイ!
GM/絆獲得チェックしてね。お互いカッコイイ姿を見せたし。「お2人とも、凄く強いですね!」「こんなの初めてやったヒホ」
翔悟/やったね! ……あ、ぬいぐるみもいつ渡しに行こうかな。
GM/いつでもプレゼントできるよ。「温泉に入って体を暖めるがいいヒホ。ヒホはこの辺がグチャグチャになったから整理するヒホ」
翔悟/確かに雪球だらけだ。お手伝いしようか?
GM/「じゃあ、そこのトンボ使うヒホ」
翔悟/トンボちょっと重いけど……[ユニゾン]すれば怖くない!(笑) ジェイの仕事を手伝います。
GM/では、ペンションの前がそれなりに綺麗に整えられました。入口付近にはあざとく雪だるまが置いてあったり、女子高生っぽく装飾されています。「あー、そっちの方はいいヒホ。一応お客様だヒホね。金ヅルには優しくするヒホ」
市/今、言っちゃいけないことを言った!(笑) 聞かなかったことにします……。
翔悟/ジェイヒホはこっから出るつもりはないの?
GM/「ここは居心地が良いヒホ。菊はマネジメントがやりたいんだって言ってたから、今凄く喜んでいるヒホ」
翔悟/でもここ、悲嘆山脈に近いし……蟲に襲われたりしないの?
GM/「ヒホが追い返すからいいヒホ。ヒホがボーッとやれば氷付けになるヒホ」
翔悟/ヒホ強いな!?(笑) マジパネェ、男前だね!
市/強いんですね。お菊さんも強いんですか?
GM/「菊は戦わないヒホ。チョベリグじゃんジェイーって喜ぶぐらいだヒホ」
翔悟/チョベリグは古いよ! オレはマジパネェの人間だからな(笑)……そういやレオのことも聞いておきたいんだった。
GM/では、レオは自分の相棒を探していることを話します。「もう2日目の夜になってしまいましたね……で、でも、明日帰ってくるかもしれませんし!」
市/そうですね。明日になっても帰ってこなかったら一緒に探しに行きましょうね。
GM/「よろしくなのですー」……ではここで、【精神力】判定か[推理スキル]を振ってください。推理と精神力の直感判定では描写が変わりますので注意して。
市/あ……私、[推理スキル]は15あります。
翔悟/流石ミスティック! じゃあオレは【精神力】で判定するよ。(ころころ)成功です。
市/(ころころ)こちらも成功です。
GM/では先に、【精神力】直感判定の翔悟。「マーリンはこういう人なんですよ〜」と話しているレオ……を、ジェイが、じーっと見ている気がした。
翔悟/……ジェイ、どうかしたの?
GM/「え、何ヒホか?」
翔悟/なんか今、じーっと見てただろ? 見つめ合うと素直におしゃべりできない系?
GM/「ううん、別に何でもないヒホよ」ヒホヒホと大きな頭を横に振ります。……次に、[推理スキル]の方だけど。
市/はい。
GM/……ジェイって、ずっと外に居るのかな。お夕飯のときも中に居なかったな……。なんだか、このことがとても重要だと思います。
市/うん……?


 ★シーン4


GM/それでは、最後のDの時間帯になりました。どうしますか?
翔悟/おやすみーってイッチーに言って、オレは風呂に入る!
市/おやすみなさい、と翔悟さんに言って一旦部屋に戻ってから……私もお風呂場へ行きます(笑)
ビクトル/じゃあ俺は……お土産屋でも見るかな。
メアリー/もちろんメアリーはオジチャンに張り付いて行きます! オジチャン、一緒にお土産屋行こうよー! お揃いの買うのー!
ビクトル/……嬢ちゃん、怖い(笑) それに三十の男がさ、お揃いの物なんて恥ずかしいから!
きずな/たぬー……外に行って、雪だるま作りたいなぁ。
ヴォルト/OK、外に出よう。……なんで俺はこんなの買っちゃったんだろうなぁ(笑)
GM/ではまず……お土産屋に行く組のシーンをしよう。ビクトルとメアリーがやって来たお土産コーナーには、ぬいぐるみやキーホルダーが沢山売られています。今回売り子をしているのはお菊ちゃんです。
ビクトル/ちょいと見させてもらうよ。
GM/「はい、どうぞー。そうですねー、オジサンならこっちのハッピとかお似合いですよぉ」と菊はオジチャンをベタベタ触ってきます。
メアリー/…………オジチャン……。
ビクトル/なんか刺すような視線を感じるんだが!(笑) と、とりあえずハッピはいいかなぁ……。
GM/「えっとぉ、オジサンってアメリカ人ですかぁ? イギリス人ですかぁ?」
メアリー/やめて、ワタシのオジチャンに話しかけないでぇーっ!
ビクトル/ハイハイ、嬢ちゃんいいこにしてようね!(笑)
GM/「何をお買い上げですか? そっちの娘さんにピッタリのものでしたら……」
メアリー/違うのぉっ、恋人ですぅー!(笑)
ビクトル/嬢ちゃん!?(笑) 複雑だ。だって相手はピチピチの女子高生だろ。明らかに嬢ちゃんと百センチぐらい身長が違う……。
GM/多少ボンキュッポーンで、イイカンジにルーズソックスが似合うムチムチ女子高生だぞ。
メアリー/……オジチャン、さっきからなんで脚見てるのぉ!?
ビクトル/こええっ!(笑) よしよし、何か欲しいモンあるか!?
メアリー/……オジチャンとお揃いの物を買ってくれたら許す!
ビクトル/物で釣るのも躾的には良くない気がするんだが!(笑)
GM/「ではこちらのネックレスや指輪はどうですか?」勧めてきたのは、旅館で売っている程度のクオリティのアクセサリーです。
メアリー/お揃いの指輪がいいのー! ……メアリーにはデカくって腕輪になるけど(笑)
GM/指輪が大きいのであれば、チェーンを通してネックレス状にしてあげるよ。
ビクトル/じゃあそれをお買い上げで。チャリーン(笑)
GM/「ありがとうございまーす!」……では、これをプレゼントすると絆獲得チェックが2回行えるようになりますよ。
ビクトル/……プレゼントというよりは無理矢理買ったような感じだな(笑) ま、いっか。
メアリー/ありがとうオジチャン、だーいすき! 毎日つけてね!
ビクトル/ああ、そうするよ……。
メアリー/つけてなかったら「オジチャン、なんでつけてないの! 浮気したんでしょ!?」って言うよ!
ビクトル/早いな!(笑) んー……なんか色々勘違いされているような気が。複雑だ。
メアリー/オジチャン大好きベタベタ!

 確実にフラグを立てているビクトルとメアリー。
 そして、お風呂シナリオのお約束ともいえるボーイミーツガールは……。


市/2回目のお風呂に入ります。カポーン。
GM/2回目だけど、昼間見た景色とはまた違いますね。ライトアップされた雪化粧がこれまた素晴らしい。
市/昼と夜で顔が変わるんですね……。岩場の陰になっている端っこの方で入っています。
翔悟/じゃあ唄いながら入ってきます。丘を越〜え〜行こーうよ〜! 雪合戦が終わって超ハイになってるオレー! あっつ! 温泉サイコォー!(一同笑)
市/……えっ? え、ええっ!? もしかして……この声は。
翔悟/ああっ、超サイコー! ……翔悟はイッチーが居ることに気付いてません(笑)
市/翔悟さん!? って心の声で叫んで、ええ……どうしよう!(笑)
翔悟/オジサンみたいに「ああ〜」って声を出しながら入口の方を陣取っちゃう。やっべ、ひとりって超キモチイー! 貸切状態! オレオンステージ! イッチーが居るところは湯気で見えない!(笑)
市/出られないー!(笑) どうしよう、陰からチラッと見てみます。
翔悟/凄い勢いで唄ってます。ドナドナドーナ〜♪(一同笑)
市/判らないようにそーっと出て行こうとします……。
GM/じゃあ【敏捷】判定お願いします。……でもそれだけだと何も楽しくないなぁ。
翔悟/オレ、入口に陣取ってるしマイナス修正きませんか?
GM/……どう思う、他のプレイヤーのみんな?
ヴォルト/(大声で)マイナス10ぐらいいくと思いますー!(笑)
きずな/(同じく大声で)だって陣取ってるし、床ってツルツル滑るしー!(笑)
ビクトル/(負けじと大声で)洗い場があってお風呂があるんだからマイナス20ぐらいはあるんじゃないかとー!(笑)
メアリー/失敗しろ、失敗ー!(笑)
GM/だそうです。頑張って!
翔悟/……いやあ、凄い後輩イジメだなぁ(笑)
市/(笑いながらころころ)……失敗です!
一同/イエーイ!(笑)
翔悟/なんという予定調和!(笑)
市/じゃあ、ソローリソローリ出ようとしたところで……キャッ!
GM/ズルビシャッ!
翔悟/……。
市/……。
一同/……。
GM/……。
翔悟/…………判った、オレは何も見てない! オレは人魚だ! 潜ります!(一同爆笑)
市/あ、バレてないんだと安心します!(一同爆笑) そのまま浴場から出て行こうと……。
GM/ではそこにドーンとやって来るガープスさん。
市/こ、こんばんは?
GM/「アロマセラピーはいかがですか」という看板を出します。
翔悟/ぶくぶくぶく!(一同笑)
GM/「肩凝りに効くマッサージはいかがですか?」温泉入りにきたらこのイベントが発生するんで強制です。「どうですか。こういうコースがあるんですがいかがですかー」
翔悟/ぶくぶくぶくぶく!(一同爆笑)
市/は、早く出なきゃ! 翔悟さんが死んじゃう!(笑)
きずな/……翔悟、【生命力】判定入ります(一同爆笑)
翔悟/(ころころ)やった……失敗だ!(笑)
GM/「コレはいかがですかアレはいかがですか」
翔悟/ぶくぶく、耐え切れなくなってザバァッ! 買いません! 意識さんサヨナラ! ばたーん!(一同爆笑)
市/ええっ!?(笑) 介抱しなきゃ! だ、大丈夫ですかーって揺すります。
翔悟/ああ……武道館が見える!(一同爆笑)
メアリー/目の前に胸も見える。
翔悟/バタリ!(一同爆笑)

 唐突だけどここで翔悟&市のシーンは切られる。
 ……その頃。ほのぼのなヴォルト&きずなチームは、雪が深々と降る外にいた。


きずな/とすっ、ぽすぽす。ひたすらに雪を詰めていきます。雪だるまをゴロゴロまわして遠くの方まで行ってしまいます。
ヴォルト/おーい!(笑) ある程度離れたら引っ張るよ。
GM/たぬよりずっと大きい雪だるまが完成しました。入口の雪だるまだらけのところに置いておく?
きずな/たぬっ! 目はドングリで頭にはバケツを乗せるたぬ! 出来上がった雪だるまを眺めます。
GM/子供が作った不器用感はあるけれど、たぬき的には傑作ができました。
きずな/やったね、パチパチ。お兄ちゃん、手伝ってくれてありがとうたぬー!
ヴォルト/うんうん。手が冷えてるぞ……あっためる。
きずな/たぬっ。…………絆獲得チェックしていいですか?
GM/2人の共同作業だもんね、いいよ。ではそこで貴方達……感知判定をしてください。
きずな/たぬが【知力】で判定を……。あっ、[ツンデレ]!
ヴォルト/俺の[ツンデレ]の効果で、シーンに俺ら2人だけしかいないので絶対成功します。
GM/了解。うんうんよしよしとやっているところでしょうか。……シャリ、シャリ……という音がする。
ヴォルト/音のした方を見てみる。
GM/ログハウスの縁の下からかな? そこから……シャリ、シャリ。
きずな/ドロンッて狸に変身して縁の下に入っていきますよ。
GM/じゃあ、狸の顔に冷たい何かにぐえっとぶつかります。
きずな/たぬっ!? ぶわっ、ファーストキスだったのに!(笑)
GM/「こっちだってファーストキスだったヒホ、最初は菊とやるつもりだったヒホ!」ベチベチとたぬを叩く……ジェイ。
きずな/うえーん、痛いよ痛いよーっ!
ヴォルト/声がするので見てみるが……ジェイ、何をしているんだ?
GM/「ゴハン食べてたヒホ。ジェイのゴハンは氷だヒホ」
きずな/……カキ氷?
GM/「カキではないヒホ。ボリボリ食べるヒホ」
ヴォルト/へえ……下に氷の山でもあるのか?
きずな/見に行こうとします。のそのそ。
GM/入ってこようとするたぬを素早く止めます。「盗るなヒホ」……では、交渉判定をお願いします。
ヴォルト/[交渉スキル]は持っているので、[ツンデレ]の能力で絶対成功にします。
GM/では成功になるので……。見たいと言われて不機嫌そうな声を出しつつ「ちょっと待つヒホ!」と中に入り、氷の塊を持ってきます。中には草などが若干混じった氷で、さっきまで食べてたらしい歯型もあります。
ヴォルト/ああ……だから食事時もここで食べていたのか。室内に居なかったから何をしてるんだと思ってたんだ。
きずな/……こんなに大きな氷があるだなんて。湖でもあるの?
GM/「ヒホが凍らせて作ったヒホ。自給自足だヒホ」……ではここで[蟲知識スキル]判定をお願いします。
きずな/[蟲知識スキル]ならたぬが持ってるから(ころころ)成功。
GM/……たぬがじっとそれを見てみると……中に蟲が、いるような気がした。
きずな/……たぬ? ぺちぺち。
ヴォルト/どうした?
きずな/……蟲がいた辺りをトントンとやります。
ヴォルト/お前、コレを食べているのか? 蟲がいるじゃないか。……この世界に来て蟲を食べるとか聞いたことがない。食べても平気な物なのか?
GM/「ヒホには[幻糸抵抗力]があるヒホよ」と、サラリと説明します。
きずな/そ、そういうものなのかなぁ……?
ヴォルト/……深くツッコめないな。そういうものなんだと言われたら、この世界のことをよく知らないし。
GM/「ヒホは悪魔ヒホ、だから平気だヒホ。……とにかく、食事中に失礼だヒホ!」
きずな/も、申し訳ないヒホ……って、ヒホじゃないたぬ!(笑)
ヴォルト/大丈夫かきずな!(笑) 前回はにゃーって言ってたし、またアイデンティティの崩壊が始まってるぞ!
GM/「早く中で暖めてやるヒホ」
ヴォルト/そ、そうする。ずるずると帰っていきます……一緒にベッドに入ろうな。


 ★シーン5


メアリー/GM。オジチャンの部屋に忍び込むのって、アリですか?
GM/アリも何も、最初っからする気だろ。
ビクトル/ガチャッ!
翔悟/……今、物凄い勢いで鍵掛けたよね?(笑)
メアリー/[盗賊スキル]で忍び込みます!(ころころ)きゃあ、失敗……サイコロ、空気読めよ!(笑)
GM/ということで、ビクトルさんの部屋のドアノブがガチャガチャガチャガチャガチャと無造作に開けようとする音が響きます。
ビクトル/うわ怖っ!(笑)
メアリー/(ホラーテイストな声で)オジチャーン開けてよー! 開ーけーてーよぉーっ!
ビクトル/な、なんだよう……ちょっとだけ開けます。
メアリー/開けた隙間から、ニュッ!
ビクトル/入りやがった!(笑) コラコラコラ!
メアリー/オジチャンオジチャン! オジチャンと一緒に寝るの!
ビクトル/いや、寝るのってよう……お前、十三歳なんだろ? 十三にもなってなぁ、一人で寝られるだろう。
メアリー/何言ってるのオジチャン、十三だからだよ!(一同笑) 丘小人ってみんなと一緒に寝るものなんだよ!
ビクトル/なら春日の嬢ちゃんと一緒でもいいだろぉ!
メアリー/オジチャン……空気読みなよ、春日の嬢ちゃんは翔悟と寝るに決まってんじゃん!(一同爆笑) 翔悟だって部屋間違えたって言って夜這いかけに来るかもしれないじゃん!
ビクトル/いやいやいや! アイツらはそこまで進展してないから! お前のその想像力は何なんだよ!?(笑)
メアリー/一緒のベッドじゃなくてもいいから一緒の部屋で寝るー! ダンボールでいいから寝るー!
ビクトル/えーと……GM、これは[交渉スキル]ですかね?
メアリー/ならこっちは[口説きスキル]があります!(笑)
GM/という訳なので……スキル勝負だな。出目が低い人が勝利ね。
ビクトル/(ころころ)28で成功。残念だけどオジチャンのところではな、一緒に寝るってことはないんだからな!
メアリー/空気読めよ、マジ空気読めよサイコロ!(ころころ)90……普通に失敗した。えーん!
GM/あーあ……オジチャン、メアリー泣かせた。
メアリー/じゃあ明日来るぅ……明日の朝、気まずいんだからねっ!
ビクトル/ハイハイ。十三の女の子なんだ。大人の部屋にホイホイ入っちゃいけません!
メアリー/お、女の子として認めてくれたー!
ビクトル/やってもーたぁー!(一同爆笑)

 そしてもう一つの騒動。
 翔悟が倒れた今、鍵がどこだか判らない市は自分の部屋で翔悟を(ガープスさんに手伝ってもらって)介抱するのだった。


翔悟/……赤い顔でボンヤリしてます。
GM/ガープスさんが水をはったバケツと布巾を用意してくれます。「これで手当てしてやってくださいね」と看板が。
市/はい。[救急スキル」を使って介抱します。
GM/拭ってあげたりとかしますよ。なんと甲斐甲斐しい大和撫子。
翔悟/うわ、平成に帰りたくなくなった(笑) 優しいなぁ……ゴメンネ、イッチー。
市/あっ、目が覚めましたか?
翔悟/オレ……見てないっていうか見たっていうか。えーと。オレは人魚だし(笑) 
市/あ、あの……大丈夫ですから。翔悟さんが、大丈夫なら……。
翔悟/……あ、そうだ……机の上のぬいぐるみを指差します。ちゃんとお土産買ったから、もうガープスさんから変なの買っちゃダメだよ。
市/あっ……ありがとうございます。
翔悟/半分こで持ってようね。その可愛いのがイッチーのだから。ロックなのがオレ。
市/机の上のぬいぐるみを手に取ります。……ありがとう、きゅっと抱きしめます。
翔悟/わあ、喜んでもらえたみたいで嬉しいなぁ。ほにゃーっとそのまま寝てしまいます。
市/あ、翔悟さん……。この部屋に寝かせておきます。
GM/お市ちゃん自身はどうやって寝るの。
市/……私は離れたソファの方で寝ようとします。
翔悟/女の子をソファで寝かしちゃった!(笑) 起き上がる!
市/あ、まだ寝ていて大丈夫なのに。支えます。一人で戻れますか?
翔悟/うん、ありがとう。イッチーの頭をナデナデ。……ああ、オレ、このまま帰らなくてもいいかな……。大丈夫だからと部屋に戻ろうとします。
市/あ、はい……おやすみなさい。お体には気をつけて。
翔悟/イッチーもね。おやすみ……と、部屋を出て廊下でバタン!(一同爆笑)
GM/で、そこにやって来る丘小人。
メアリー/わあ、イッチーイッチー倒れてるよぉ! 一緒に寝てあげなきゃ! それならメアリー、オジチャンの部屋で寝るからね……ニヤリ! 計画通り!(一同爆笑)
ビクトル/今、ライト様が見えたぁーっ!?(笑)


 ★マスターシーン


 ――皆が寝静まった頃のことだった。
 コン。
 音がする。
 コンコン。
 ある部屋に、音が響く。
 コン、コンコン。
 彼に気付いてほしいと呼びかける音が。
 コンコンコンコン。
「はい……入ってまーす」
 少年はそう言うと、躊躇いもなく隔てた『それ』を開いた。
 そうして、中に入り込んできたのは……。

 皆が寝静まり、銀朱亭にいるすべてが夢の中にいる頃の話。
 そのあいだも音は響く。
 誰かに届くようにと、音が。
 彼に気付いてほしいと呼びかける音が。

「――わたしはここにいます、わたしは――」
 そしてもうひとつ。
「――貴方を探してます、どこですか、私はここに――」
 2つの音が雪の屋敷に届いた。しかし、想い人には届かぬ音。
 ただただ呼びかけ続ける音が響くのみ――。


 
★シーン6


GM/朝になります。翔悟はただの湯あたりなので元気です。
翔悟/[のーてんき]なのでHP回復量2倍です!(笑)
きずな/たぬは高級襟巻きになりました。
ヴォルト/7万円分のフサフサが止まらない。触り心地が超キモチイイ(笑)
メアリー/朝起きるとオジチャンのソファの目の前で、おはよ、オジチャン!
ビクトル/……あれはホラーだった。ちくしょう、戦闘のプロ失格だ!(一同爆笑)
GM/大広間で朝ゴハンですね。朝メニューが揃っています。貴方達6人はそれを食べます。
翔悟/あれ。……レオは?
GM/おりません。ガープスさんが「返事が無かったのでお休みになっていると思います」と看板を出します。
きずな/一人で食べるの寂しいだろうから起こしに行ってくるね! ふさふさふさ。
ヴォルト/ついて行く。
きずな/トントントン。ノックします。レオレオー、入ってますねー?
GM/返事はなく、ドアノブをまわすと鍵がかけられておりません。開けられます。
きずな/開いた? テトテトテト……
GM/部屋に入ってくれたなら、足元に手紙があるのに気付くよ。
きずな/かさ……ぺろっ。読みます。
GM/『マーリンが帰ってきました。早く出なきゃいけない用事があるのでボクは行きます。お金も同封しておきます』……封筒の中に今までの宿泊代らしきお金が入っています。
ヴォルト/……マーリンが帰ってきたのか、気付かなかった。まあ、俺はふかふかで良い夢見てたしな(笑)
きずな/ガープスさん達のところに封筒を持っていってあげよう。他に、部屋が荒された痕跡とかはありませんか?
GM/では、[推理スキル]判定をして。……スキルはその指定されたスキルを持ってないと使用できませんよ。
市/推理します。(ころころ)あ、失敗した。
ビクトル/お前らどうしたんだ……。[インテリ]でスキル1つを臨時に獲得します。(ころころ)成功。
GM/レオの部屋を少しだけ探索します。キョロキョロと見渡すと……窓の付近がひどく水が溜まっています。
ビクトル/水? ……雪が窓から中側に入り込んできたのか?
ヴォルト/雪合戦もやってたし、夜に雪だるまを作っていたから判るが……夜のうちはそんなに吹雪いてなかったぞ。少なくても吹き込むような天気ではなかった筈だ。
ビクトル/……これ、外から誰かが入ってきたんじゃないか?
ヴォルト/……マーリンじゃないのか?
ビクトル/ここ、2階だよな。外の光景をちょろっと見てみます。ロープを付けた形跡などはあるか?
GM/貴方のガンドッグ知識を持ったとしても、足跡が残っていたりロープが繋がれた形跡は発見できません。
ビクトル/……飛んできたという可能性も捨てきれないな。
翔悟/……そういや、ヒホって飛んでたよね。
GM/では、そんなことをしているとガープスさんがこちらにやって来ます。「皆さん、お昼は簡素なもので宜しいですか? 今日はお昼とお夕飯は豪華なものを作れません」
ヴォルト/なんでだ?
GM/「菊が倒れたからです」
翔悟/えっ!? ……菊ちゃん、どうしたの?
GM/「菊の世界の人間は、体調が悪くなったりする代わりに何か力を行使するそうです」……具体的に説明しますと、『パンティ爆発』のPCは体調不良などを起こして超能力を使います。「とにかく、ゴハンを作る係の菊が倒れたので簡単なものしか用意できません」
きずな/簡素なもので構わないたぬー。……ジェイ君は?
GM/天気はさっきまで深々と降っていた雪、と思ったら局地的にゴーッと吹雪いています。おそらくジェイが降らせているんでしょう。
きずな/……ジェイ君は、頭イタイイタイのお菊ちゃんのところに行かないんだね。
市/……なんでそこまでして、雪を降らせる必要が? お菊ちゃんの傍に居てあげた方が良いと私は思うんですが。
翔悟/……もう一晩泊まっていこうよ! このままじゃ山脈に行けない。1500G払うよ。
市/そうですね。それに私、お菊ちゃんのお見舞いに行きたいです。
翔悟/ああ、オレも菊ちゃんのところに行く。
ヴォルト/俺達も……レオのことが気になる。少し調べてみようか。
GM/――では、翔悟とお市ちゃんはお菊が寝ているスタッフルームに向かいます。お菊はベッドで横たわっていますが眠ってはいません。
市/大丈夫ですか? 演出でトリートをかけます。
GM/「あー、いつものことよ。でもありがと……って、あれ?」
翔悟/どした?
GM/お市ちゃんの方を見て首を傾げます。「アンタ……」
市/なんでしょう?
GM/「んー……なんか……アンタ、アタシの夢に出てきた?」
市/え、夢? どんな夢だったんですか?
GM/「いや、アンタみたいな格好の女の子……でも、アンタじゃないかもしれない。って、その前にアタシの能力のこと説明しなきゃね」
翔悟/うん……大体はガープスさんに聞いたけど。
GM/「アタシね、超能力が使えるの。使うと頭が痛くなるんだけどね。……で、夢を見ちゃったから気分が悪くなっちゃったみたい。夢っていうのが予知夢だったり正夢になったりね。……うーん、でもアンタとは違うかなぁ?」
市/……どういうことですか?
GM/「大正美人って感じのカッコの女の子が、ぱぁーって撒くように魔法使ってたの。アンタも魔法みたいなもの使えるの?」
市/霊能力なら。私と同じ格好をした子が、魔法を使っていた……?
GM/「あれはつまり……もしや……いや、違うな。ゴメン、頭が働いていないんだ。もうちょい寝るわ」
翔悟/おっと、その前に。……昨夜、ジェイは何をしてた?
GM/「外で雪作ってたんじゃないの? 雪だるま的にそんなに暖かいところは好きじゃないって言ってたし。そんなに熱には弱くないけど、外の方が落ち着くって。夜の方が生きやすいって言ってたしね……悪魔だし」
翔悟/悪魔……かぁ。
GM/――それでは、ここでマスターシーンに入ろう。

 薄暗い、ひんやりと冷えた『そこ』。
 シャリシャリ、シャリ……と氷を削るような音がする。
 いくつもの氷の塊。見渡す限り氷、氷、氷……。
 その中には草が入ってようが。
 蟲が入ってようが。
 ……ヒトの手が入ってようが。


翔悟/えええっ! うわー、テラサスペンス!?(笑)
ヴォルト/やっぱり雪山温泉ときたら事件だったか!(笑)
GM/――という訳で、今回はこれにて終わりです。前後編の前編としての第3話、お疲れ様でしたー!


★レベルアップ報告 3→4
 ▼ヴォルト→「スキルアップ」「戦闘支援ダメージ」
 ▼きずな→「歌術の素質」「歌術の天才」「蟲退治の歌ランク3」
 ▼ビクトル→「対空戦エキスパート」「スナイパー」
 ▼メアリー→「打撃の歌ランク1〜4」
 ▼翔悟→「強き絆」「戦闘補助の歌ランク1」
 ▼市→「強き絆」「結界の歌ランク1〜2」