迷宮キングダム ・ リプレイ ・ 夢魔炎上
■ 第6話『 哭が今消えゆく風に千切れて 』 3ページ目 ■
8回目 2009年9月18日




    ◆

GM/先に千晶のシーンいきます。安徳天皇のセーフハウスに千晶はやって来ました……現在源氏はワタワタやっているけど時間をとって訪れます。
千晶/大変そうだなぁ……今は一番忙しいよね。
GM/時仁さんが出かけられる回数がずっと減ってしまったそうです。理由は千晶にも判る。……そろそろ決戦だからだ。
千晶/ちょん……部屋で時仁さんが来るまで大人しく座ってます。
GM/ではここで〔探索〕判定、難易度は7。
千晶/(ころころ)16で成功です。超キラーン!
GM/貴方は部屋で待っている中、ふと外を見た。……セーフハウスの前にある男性が立っている。安徳天皇ではない……弁慶だ。
千晶/……弁慶さんっ!? わあっ!? あ、あああ新たな展開っ!?
GM/セーフハウスの前に居るよ。
千晶/わ、わ、わ……ど、どう出れば!?
GM/どうしますか。10、9、8……(と、どんどんカウントダウンしていく)
千晶/だってここセーフハウスですよ!? 何か理由がぁ……!?
義人/弁慶さんとロールしたくね?
千晶/(光の早さで)したいです。屋敷から出ます!(笑)
GM/「なんだ、犬ですか」
千晶/犬じゃないですっ!(笑) こ、こんにちは弁慶さん……。
GM/「人間でしたか。どうしました、こんな所で」
千晶/こ、ここ以前……この世界に来たときに一番最初に拾っていただいた方のお家なんです……。
GM/「そうですか。正直、最初に出会ったときから貴方を怪しんでいました」
千晶/ふえぇっ!?(笑) で、でも……スパイなんてやってませんよ! 何もしてませんよ!?
GM/「では何をしているんですか?」
千晶/ふぁ……ああ、あ。
GM/「泣いているだけですか?」
千晶/あ、ちょ、ちょっとストップしてください! 考えをまとめますから……!
GM/(地の底からの低い声で)10、9、8……」(一同笑)
千晶/これ絶対弁慶さんが数えてるよね!?(笑)
GM/「3、2、……何故こんな所にいるんですか? 貴方は何をしている?」
千晶/い、命の恩人に会いに来ただけです! 弁慶さんは何しに来たんですか!?
GM/「ここに居る人に会いに来たんですよ」……と、話し合っていると炊き出しの女性が現れ、弁慶を応対します。そして、あちらの方からリムジンがやって来ます。
千晶/はわぁっ!?(笑)
GM/下りてくるのはニイの尼と、安徳天皇。お忍びの格好をしています二人に……弁慶が頭を下げます。
千晶/ええっ!? ……いや、珍しい光景じゃないんですけどね(笑)
GM/安徳天皇が千晶に手を振るよ。「千晶、隣の部屋で待っていてくれ。用事が終わったらお前の所に行くから」
千晶/……ヤバイ、弁慶さんが何をするか判らない! アントンの横に居たいよー!(笑)
GM/ならニイの尼と安徳天皇、弁慶がいる部屋の……隣で、聞き耳を立てていいよ。
千晶/わ、わあ……必死で聞き耳立てます! どんな話をしてるんですか!?
GM/……安徳天皇が弁慶に言います。「……熊野水軍の力を借りたい」
千晶/……あっ、そっか!
GM/ここからはNPC同士の会話なので簡単に紹介しますが……。

「弁慶さんて中立なんだよね? 熊野別当の息子なんだよね? 子の立場から平家に味方するよう言ってくれない?」
「 お 断 り し ま す 。お前、ウチの主をなんだと思っているんじゃ。ごっめん、身も心も源氏なんだ!」
「でもさぁ、熊野自身は中立だよねー?」
「中立なのは父上だけです。自分は身も心も義経様に捧げたも同然……!」


GM/……という会話を、凄くカッコ良くします(一同爆笑) ……これがセーフハウスに安徳天皇が頻繁に現れる理由です。それで、時間の食い違いが時々発生して炊き出しのお姉さんが「なんで今!?」とか言ってたんですね。
鉄弥/ああ……安徳天皇はずっと懐柔させようとしてたんだ!(笑)
旭人/(いきなりニイの尼になって)「今日も来ない。あの熊野の田舎者、どうしましょうかね」 (安徳天皇に代わって)「いやいやニイの尼、そんな怒らないで。血圧が上がるよ」 (またニイの尼になって)「まあ、どうしましょうかね」 (安徳天皇になって)「ま、待って」(笑)
義人/熊野水軍……源氏に味方したも同然だな(笑)
GM/(弁慶になって)「それでは、私はこれにて失礼致します」。……弁慶が聞き耳を立てていた千晶の部屋をガラッと開ける。「どうですか、一緒に帰りますか?」
千晶/や、優しい……ここでまだ聞いてくれる弁慶さん、優しい!(笑) ……もうちょっと話をしてから帰ります。
GM/「そうですか。挨拶をせずに帰るのは失礼ですからね、了解しました。……この屋敷を出たところで私は源氏になりますので気を付けて」……スタスタとシーン退場します。
千晶/はああぁ……。
GM/……ちなみに、初めて千晶が自由行動時間を安徳天皇にしたとき、弁慶さんがちょっかい出しに来なかった?
千晶/あああっ!(笑) もしかしてあのときからですか!?
GM/千晶の部屋に安徳天皇がやって来ます。「仕事は終わったよ」
千晶/は、はい……お疲れ様です。
GM/「千晶。私からも話すことがある。……源氏とのスパイ活動について、改めて聞かせてもらったよ。忠度には怒っておいた。だから、このままここで最期の別れをしておこうと思って」
千晶/……最期。
GM/……千晶にとっては以前と同じ話をされますね。「平家と源氏が手と手を取り合うような未来は……あるのかもしれないが、可能性は低い。お前は兄上が源氏の重役らしいから、今後のために今決断を出しておかないとな」
千晶/平和の道を、もし源氏が持ってきてもダメですか?
GM/「……失敗したときは衝突する。そのとき、千晶はどっちにつくんだい?」
千晶/……源氏には兄達がいるし、でも時仁さんのことは好きで死んでほしくないです。
GM/「そんなこと判っている。お前が私を好きでいるぐらい知っている。……でも、お前の本当の意思を確かめたかったんだ」
千晶/……時仁さんは……天皇様ですし象徴だから僕と一緒に逃げてください……とは言えないなぁ、って口に出します
GM/「……そうしたいに決まってるじゃないか」
千晶/あ、あの……三種の神器を全部集めれば、僕は元いた世界に帰れるんです。
GM/「帰ってしまうのか」
千晶/そのときに……一緒に来ませんか?
GM/「…………」。
千晶/僕は……ずっと、時仁さんと一緒に居たいんです。でも兄達も裏切れないんです……。それに、今度こそ一緒に帰りたいんです……!
GM/切なげな顔をして、千晶を抱きしめる。「よしよし」
千晶/……ああ、やっぱりジャラってする……。
GM/抱きしめた後で、千晶の耳元で囁くよ。「……私の答えは知っているんだろう? 以前に一度、私のことだから言ったんじゃないか?」
千晶/……はい。
GM/「私は、私がなんて言ったか判らないが、今の私ときっと同じなんだろう」
千晶/じゃあ……一緒に来てくれるんですね。今度こそ消えないでください……!
GM/「同じ言葉になってしまうかもしれないが言わせてくれ。……お前と、新しい世界を歩みたい。お前の声をずっと聞いていたい。……お前の話で、私を満たしてくれ」
千晶/は……はい。そうだ……草薙剣については知ってますよね?
GM/「あ、ああ。……知盛が出ている任務で発見したらしいぞ」と、この時点で平家側の手に渡ったことを伝えます。
千晶/その草薙剣に浄化装置の役割があるから、凄く強い想いがある人がそれを刺せば解放されるそうです。一回死んでしまうんですけど、ちゃんと想いが伝われば……また一緒に……生まれ変わった体で歩いていけるんです。
GM/「そうなのか。ニイの尼達が必死になってそれを探そうとしていたのが判ったよ。勾玉でも鏡でもなく、剣だけを求めていたのはそんな理由だったか」
旭人/そっか、剣に人員を割いていたから勾玉や鏡がザコばかりの手薄だったんだね。
GM/「なら……私を救う役割は、千晶にしか頼めないな」
千晶/絶対生きて……二人で帰りましょうね!

    ◆

GM/次は旭人とあっつんいこうか。……源氏は屋島の台風を振りのけ戦いを続けて行きますが……ん? なんかいつもと調子が違うな。
義人/いつもだったら準備万端なのになんか変だな。なんか最近景時さんを見ないし。
旭人/上の人達が戸惑っている様子がムンムン伝わってくるな。直実さんは向こうでガツガツご飯を食べてる。
GM/それはいつも通りだ。出陣の話がちっとも出ないまま待機命令が出されます。どうしますか?
旭人/暇だし、敦盛を構いに行きます! 敦盛は俺の部屋に一ヶ谷から軟禁状態なんで!(笑)
GM/繋がれてもいないのに部屋に居るんだね(笑) ……部屋に入ると、書物を読んでいる敦盛が居ます。
旭人/ただいまー! 恥ずかしい本でも読んでいたのかー?
GM/「違う。お前が読んでも判らないような難しい本だ」
旭人/〔才覚〕1だからそりゃ判らないな!(笑) なんだかよく判らないけど上が変なんだよ。でもそういう難しいことは義人がやるからいっか!
GM/「では何しに来た? もう私を解放する気になったか……飽きただろう?」
旭人/解放されたいの?
GM/「……私には私がやらなければならないことがある」
旭人/何だよそれ。……お前、三種の神器欲しいんだっけ? 何の願いを叶えたいの?
GM/「言ったらお前は暴走しそうだ」
旭人/俺のこと心配してくれてるの?
GM/「そのつもりはない。お前は何故そこまで他人である私を縛りつけようとする」
旭人/だって……繋いでないと死にそうなんだもん。
GM/「死ぬ気は無い」
旭人/生きる気は?
GM/「…………」。黙ります。
旭人/そこで黙るから心配だって言ってるんだよ! 前向きさ加減が伝わってこないの! せめて何を願うか俺に言いなさい!
GM/「……本当のことを話してもいいと思うが、言ったらお前がどうでるか……不安だ」
旭人/俺は案外願いは聞き届ける人ですよ。お前の願いと、俺にしてほしいことと、みんなの幸せが合致すればな。……っていうか、我儘を言うことを覚えろよ! お前、こっちに来てから何も我儘言わないだろ!
GM/「部外者に我儘を言ったって誰も聞いてはくれないだろう」
旭人/俺を部外者扱いですか!? 俺は無神経を服に着た男だ!
GM/「……そこまでいうのは、私を愛しているからか?」
旭人/決まってるじゃん! ……好きですよ。
GM/「どれぐらい? 私の願いを聞いてくれるぐらい好きか?」
旭人/恥ずかしいっ! 海よりも深く、空よりも高くと言えばいいのか!? 判れ! 察せ! 全身で! 好きだよ、愛してるよ、だから我儘言え!
GM/「…………救われたいな」
旭人/だったら最初っからそう言えばいいじゃねえかよ。
GM/「救ってくれる人なんているのかな」
旭人/目の前に居るだろ、このやろ! だからさ……もう、こう……直球に生きろっていうか……救うさ! 救ってやるさ! 絶対にな!
GM/……服を脱ぎ始めます。
旭人/わっ……!
GM/衣服を落とすと、……体に鎖が巻かれている。
旭人/それって……。
GM/「怨霊を封印するための術式だ」
旭人/…………ああ。
GM/「私は、この世にいる怨霊を全て浄化したい。そのために三種の神器が必要だと『思っていた』。そしてお前は……草薙剣があれば浄化できることを教えてくれたな。まずはそれを手に入れなければならない。源氏と平家が争っている中で……」
義人/……まだ和議なんて判らないからな。
GM/「だから、絶対に手に入れなければならない。もし手に入れることが出来ないのならば、私がここに居る理由など無い。私が源氏にいるからこそ、手に入れられる可能性が生まれる」
旭人/こっちに居る理由など無い、なんて言うな! 傍から離れるとか言うな! 何の為に居るんだよ、俺は!
GM/「草薙剣の効果を使うためには強い想いが必要だと言ったな。お前、私の手足になってくれるか?」
旭人/手足じゃ嫌だ。お前の隣に居る人間になりたい! 手足だったらお前、ずっと一人だろ。
GM/…………。今のは、良いなぁ(笑)
旭人/今のは『第4ループ』のバッドエンドと繋がったと思うんだ(笑) あれは手足になりたいエンドだったからね。
義人/ああっ、確かに! それはいい改変だ!(笑)
GM/……旭人の言葉を聞いて、敦盛はプッと笑います。
旭人/なんだ、真剣に言っているんだ!
GM/「あはははは!」
鉄弥/……初めて笑った!?
旭人/なんだよ、笑うなって! ……と言いながら旭人も笑ってます。
GM/「なら……こういうときにどんな顔をしたらいいか判らないんだ」(笑)
旭人/笑えばいいと思うよー!(笑) そのままラリアットで布団に倒します!

    ◆

GM/ラストは義人のシーン。義人さんの元に「すっごい重要な会議がある! 明日の会議は絶対出ろ」というお達しが来ました。
義人/今までこのタイミングで重要なことが起きるなんてあったか? ……無い。つまり、鉄弥が良くやった!
GM/ではそこに与一がやって来ます。「失礼します。古川様、お茶を……」
義人/ありがとう! 先走ってウキウキしてます。
GM/「何か楽しいことでもあったんですか?」と与一も笑ってお茶を出します。
義人/離れている弟がきっと巧くやってくれているんだ! 悪い報せかもしれないが、きっと良いものだ!
GM/「白石様……のことですか? 生きていたんですか?」三草山で行方不明になったと聞いていたので驚いています。でも義人の笑顔に、与一も笑います。
義人/な、なんだ、その顔は。
GM/「いえ、弟様のことを話しているときの古川様はとても可愛いので」
義人/じゃあもう話さない。恥ずかしい。
GM/はわっ!? ふぁあぁ……もっと皆さんの恥ずかしいことを話してくださいっ!」
義人/……そうだ、お前も兄弟が多いんだったな。
GM/「そうですね、みんな別れてしまいましたが、仲良かったですよ」と、一度聞いたことがあるような話題を話してくれます。
義人/……懐かしい顔で聞いています。楽しそうだな。
GM/「え……。あ、お、お茶のおかわりは宜しいですか?」
義人/いい。どんどん喋ってくれ。俺は与一が傍に居てくれるだけでいいんだ。
GM/「は、はわわ……えーとえーと……(いきなり一気に声を低くして)ところでだな」
義人/よっ!? お前は、経正か……?
GM/「ああ。お前に言うべきかは判らないことが一つある」
義人/じゃあ、言え。
GM/「真剣な話だ。これからに関わる重要なことだ」
義人/お前の目的である敦盛だけでなく、お前自身のことか?
GM/「弟くれないか」
義人/…………。あ、鉄弥っ!?(一同爆笑)
千晶/お父さんにじゃなくて、ご兄弟にご挨拶!?(笑)
義人/えーと……まあ、なんだ。鉄弥の意向はどうだ? 可能性10段階で言ったら何割ぐらいなんだ?
GM/「まだ判らない。けど、振り向かせるだけの力がワタシにはある」
義人/だ、だろうなぁ……。そっか、確認したいんだがお前が敦盛以外の人間にそんなに執着するのは初めてか?
GM/「初めてだ」
義人/……ならば、応援しよう。やる。幸せにしてやってくれ。勝手に許す。
GM/「じゃあ、貰っていこう」
義人/そのかわり、泣かせたら本気で殴るぞ。
GM/いきなり高い声になって)「ふぁあっ!?
義人/あ、戻った。
GM/殴るっ!? あ、いや、お茶減ってる!? どうぞどうぞ!」
義人/いや、そういうんじゃないんだ……あまりにビクビクするからなんか与一の顎の下をくすぐりたくなったぞ(笑)
GM/「撫でたいんですか? ならどうぞ……ご命令には従います」
義人/命令じゃないんだが……。
GM/「…………」。与一も義人の顎の下を撫でます。
義人/あうっ。何をする。
GM/「…………ふふ、可愛い声が出たね」
義人/……っ!(←静かに笑いながらテーブルに顔を埋めていくプレイヤー)
千晶/与一……反則っ!(一同爆笑)
GM/「だ、ダメだったでしょうか!?」
義人/ま……真っ赤になって与一の膝に飛び込みます!
GM/「ふあっ!? あーれーダメですっ! 盛り上がってるのが判っちゃいます!」(一同爆笑)
義人/お前、正直な奴だな!?(笑) あーれーとかお前、生娘か!
GM/どちらかと言うと抱きたいです
義人/ぶーっ!?(一同笑)
GM/「えっと……古川様のことを抱擁したいというか、接吻したいというか……でも、気持ち良くさせたいというか……」
義人/……それは、本気か?
GM/「は、はい。流れで言ってるんじゃありません」
義人/真剣に……か?
GM/「もちろんっ! もちろん古川様の意思を尊重致します」
義人/……お前が覚えていないだけで、俺は本当に酷いことをしたんだぞ。
GM/「覚えてないんだから大丈夫ですよ! だって今の貴方は俺に夢中じゃないですか!」
旭人/恥ずかしいこと言ったぞ! この与一、押せ押せである(笑)
義人/……俺をまた好きになってくれたのか。もう一度名前で呼んでくれるのか?
GM/「心も体も愛したいと思います」
義人/……そんなこと言われると、名前を呼んで束縛したくなる。
GM/「大丈夫です。今度は俺から縛りにいきます」
千晶/この与一、押せ押せである!?(笑) 義人兄さんがペースを乱されている!
GM/「が、雁字搦めに縛りますよ! 私だってしたいことがあるんです、言いたいことだって沢山あるんです。今は抑える方なんですよ!? はわわわ!」
旭人/ホントにこの与一、変態でマニアックそうだわ(笑)
千晶/その「はわわ」に抑えているんだな。
旭人/「はわわ」って伏字だったんだ!? 今までの奇怪な言語は全部伏字なんだな!
義人/そうだったんだ!? この変態っ!(笑)
GM/なんなら全部モザイク取りましょうか?
義人/やめよう! 一応セッション中はやめよう!(一同爆笑)

 このリプレイセッションはR指定です。

義人/えっと……現在『この戦いが終わるまで我慢しよう』と『義人我慢したくない』が背反してます(笑)
GM/愛欲にまみれればいいと思います
旭人/凄いこと言った! はわわ部分をちょっと解禁してるんじゃねえ!(笑)
GM/「あ、でも嫌ならおあずけします。じ、じゃあそうしますね! 私はこの辺で失礼します……!」
義人/ぐっと裾を掴む。
GM/「はわっ」
義人/……布団に引っ張りこんで抱きつきます。
GM/「……いいんだね?」
義人/もう一度お前の口から聞かせてくれ。……俺はお前を何て呼べばいい?
GM/「……宗高と」
義人/じゃあ……俺を宗高のものにしてくれ。
GM/「……うん。義人くんを、俺のものにするね」

     ◆

GM/――そうして翌日。義人は源氏のある重役会議に呼ばれます。その場には頼朝や政子を始めとする源氏の顔や、多くの武士の中に……赤い旗の兵士を見かけます。
義人/平家が……。
GM/平家の兵士は3人。首を切られて返されるかもしれない捨て駒達です。……会議の場になると、頼朝の側近の一人が皆の前である物を読み始めます。……それは、和議の内容。
義人/おばあ様のアレだ……やっぱり鉄弥、よくやったな!
GM/しかもそれは一度義人さんが目にした手紙とも違う。今風に加筆修正されていて、鉄弥が独断で送ってきたのではない……清盛が関与しているのが義人には判る。
義人/内容を聞く限り、清盛は戦う意思は無い……のか。
GM/義経が口を開きます。「兄上、それは……我々に読ませ聞かせたということは、一度拝見なさっているのですね?」……頼朝が一人で見て、すぐに破り捨て『無かったこと』にしていないってことですね。
義人/考える余地あり……我々の意見を聞く価値もあると。
GM/とある武将は言います。「そんなものは罠に決まっております! これは罠ですので、和議の場所で襲撃されることでしょう! この話は聞かなかったことにするのが一番!」
旭人/(いきなり違う武将になって)「いやいや、それを逆手にとって我々こそが奇襲をかけるべきでは!」
GM/(また違う武将になって)「いえ、この内容は平和的に解決しようという強い意思が伺えます。我らも配下を減らすのは惜しい! 水軍が手を貸すという話はありますがまだ彼らが本気で我が軍につくのも判りません。これは受け入れるべきです!」……そして、義人の番になります。
義人/……この手紙は信頼して良いでしょう。
GM/政子は尋ねます。「何ゆえそう思うのですか」
義人/これまで苛烈に戦ってきた清盛が、ここに来てこんな危険な賭けを踏むとは思えません。いや、しないでしょう。それに頼朝、かつては貴方様と義経様の命を一度は救った方だ。そうともあれば和議の決断をしたとしてもおかしくはない。
GM/周囲がざわめきます。「そういう意見もあるか……」「し、しかし、でも!」……そんな中、頼朝が口を開きます。「我々はどうするべきか。改めて皆に問いたい。この決断、受けるべきかどうか」

 ※ 【 義人:源氏フラグ(2)を入手 】
 → フラグ全2種類回収により、特別に≪忠義≫4点を獲得。源氏と「忠誠」関係となる。


GM/……では、今までのルール通り、頼朝の考えはフラグを持っている義人のプレイヤーに委ねられます。
義人/手紙の内容ってどんなことが書かれているんですか?
GM/『平和条約を結びましょう。場所は○○で、日にちは相談の上。とりあえず偉い人と偉い人が話しましょう』という、簡単なものです。罠と思われても仕方ないぐらい簡潔だけど、話しあいませんかという平家側からの提案は無視できません。
義人/……一度でも受け入れるべきだ。これを断ったら全面戦争は避けられない。それは鉄弥にとって悲しいことだ。
旭人/……罠だという可能性を考えているのであれば、代理の人間を立てていくのはどう?
義人/それだっ!(笑) 頼朝の方に向き直ります。
GM/頼朝は皆を静めるよ。
義人/一度でもこの提案を蹴れば、今後全面的な衝突は避けられないでしょう。今後この地に天下を築くおつもりがあれば無駄な殺し合いなどしない方が賢い。しかし実際に話し合いをするとなると、あちらの方のように罠かとお考えの方もいらっしゃる。頼朝様本人が向かうのはいささか危険だと考える気持ちもよく判る。皆様、頼朝様に御忠義を6点ほどお持ちのようですし! そこで、代理の者を立ててはいかがでしょうか。頼朝公の信頼の厚い者を、それでいて死なれても惜しくない者をお選びください。……私なんかどうでしょう?
GM/……よくまぁ、そんな台詞がスラスラ出てくるね……(笑) 義人の提案に、義人にフラグを持っている義経が「いやいや! 俺が行きます!」と庇います。
義人/義経。……きっと鉄弥だ。あの手紙を書くように仕向けてくれたのは鉄弥だ。
GM/「は? 鉄弥は……平家にいるのか!?」
義人/おそらく。占い師の古川義人的には鉄弥が向こうで色々やってくれた。そういうことにしといてくれ。
GM/「そうなのか……! では、俺はいつでも出陣できるように備えている……もし罠だったときのためにな。それぐらいはいいだろう!?」
義人/ああ。お互い安心できる状況でないと話し合いは出来ない。代理の者同士が話し合いをして、その上で、双方の頭領が手打ちをすればいい。
GM/(頼朝になって)「ふむ……ではそのようにさせよう。そもそも三種の神器を手にするよう任務を授けたのは義経の軍だ。……これが最後の決戦と考えるがいい」
義人/きっとよく働いてみせましょう。


●<5クォーター目>

GM/――では、和議のシーンにいきましょうか。約束された場所にやって来る義人達……。平家側の代表者は、正装の知盛です。
義人/ひゃあ!? トモリンが真面目な格好をしてるー!?(一同笑)
GM/「源九郎義経だな。久しぶり……かな? 平知盛だ。こうやって顔を合わせるのは十数年ぶりだが、お前、人が変わったように見えるよ」
旭人/旭人は後ろに控えています!
千晶/千晶も後ろに居ます。
GM/知盛の後ろには……鉄弥が居るよ。
鉄弥/ぺ、ぺこっ。
GM/……では、知盛と向かい合います。全員シーンには登場しているので、次々に声を出して構いません。皆さんの主観で、当時の時代背景も自由にアレンジしてくださって構いません。一番全員が納得できる方法を、言ってください! これが今回の最終戦です!
義人/まず……此度の清盛公からの書状、読ませて頂いた。こちらの意思としては、和議を申し出は頼朝公の厚いご意向により受け入れるに足るとのこと。双方にとって都合のよい状況がいくつかあるでしょう。
GM/「それは?」
義人/まず、この度の長い合戦でお互いに疲弊している。これ以上の兵の消費は今後ここに国を築いていくのなら避けた方がいいのは明白です。
GM/「確実に我が平家が押されているのは、屋島の戦いの段階でそちらも知られてしまったな。だが、平家はいくらでも兵を集めることができる。禁じられた手を遣ってな。後々ピンチになるのは源氏の方だろうな……今のうちになんとかしたい気持ちも判る」
千晶/でも……その兵は怨霊じゃないですか。一度死んだ方をまた蘇らせて操るというのは、どうも……。
GM/「我々の同胞は皆家族。あの世に逝っても我々の意思に従う者。そう怨霊の頭領はお考えで今まで戦ってきたのだ」……と、言ってる本人は眉間に皺を寄せ、不服そうです。
義人/やはりそちらも察するに、そのような手は嫌いと見える。そのような怨霊を遣った戦を続けていてもこの地が汚れることは貴方もお判りだろう。……それに、どちらも家族が怨霊になって苦しんでいるのは同じ。
GM/「そちらの姫君も大層苦しんでおられるか。そう我々も、苦しんでいた。大切な陛下の身を気遣い、血反吐を吐きながら必死になって手にしたものを……手放したくない」
義人/三種の神器の所持者が勝者というのではなく、互いに家族を失いたくない気持ちは同じでしょう。……そちらの手には草薙剣が御座いますね。
GM/「なんと。もう情報が入っているか」
義人/その草薙剣をもってすれば、互いの家族を苦しみから解放するのは容易い。何故それを為さらないのですか。……面子ですか、プライドですか。家族よりも大切ですか。
GM/「一番はプライドだろうな。そんなものは捨ててしまえと思う者も多いだろう。……俺もそう思う。だけれども頭の堅い者が上がいるのだから仕方あるまい」
義人/貴方達の頭領は、一度は和議を考えてくれた。
GM/「その通り。だからこそこの席がある」
義人/これ以上この国を……そして、この国のシンボルを苦しめるのはバカバカしいと思いませんか。これは源氏自身も同じ意見。俺の首にかけて誓いましょう。
旭人/そして、提案が一つある。
GM/「何か?」
旭人/アンタ達も、天皇陛下が草薙剣を使って失敗した場合を考えて足を踏んでいたんだと思う。手段を知っているのにすぐに使わなかったのはそうなんだろう。実際にその草薙剣の効果、我々が一度試そうではないか。無論、我らのシンボルになどと大きなことは言わない。それこそ草薙剣を持って逃げられたら困るだろう。……一人、私の知り合い……多分貴方達も知っている男だろう、その男と私とで試そうと思う。これについてお互いの利害は一致する筈だ。両方とも象徴である者を失いたくはないだろうからな。
GM/「手に入れたばかりでもやらなかった理由、そちらはもう判っていられるか。……で、生贄に誰を出すと?」
義人/こちらには、平家の裏切り者が一人いる。……敦盛を呼ぶ。
旭人/もしダメだった場合は、敦盛と俺の首をとってくれ。それで構わないだろう?
GM/「そうか……打ち合わせ済みか」
旭人/……ここでしかチャンスが無いよな。平家に渡っても源氏に渡っても、敦盛を浄化する機会はここしかない!
義人/だが、ここで証明すれば両者から認められる。
GM/「ではやってみせよう」と、奥の方で控えていたらしい……草薙剣を持って来させます。周辺が厳重な警備になる。
旭人/当然だ。持って逃げられたら困るだろう。
GM/知盛が受け取り、旭人に渡す。「大層名うての武士と見えた。これは只の剣ではない。振るうからには血でこの場を汚すだけで済ますなよ」
旭人/お言葉恥いる。では……いくぞ、敦盛。
GM/敦盛が旭人の目の前に立ちます。……コクリと頷き、目を閉じる。
旭人/大丈夫、すぐまた会える。…………南無三ッ!

 ザクリ。
 確かに旭人の手には『人を斬った』感触が伝わってきた。
 目の前の敦盛が、血を流して倒れる。
 確実に殺した。自らの手で。
 だが、それだけでは終わらない。……何故か武器を振るった不快感は無い。不安感さえも湧き上がらない。
 おそらくは、剣が纏う神々しい光が彼を包んだからだろう。
 美しい光に包まれた、新しく生まれ変わった敦盛を……旭人は見た。


旭人/そのまま草薙剣を知盛に渡してバッて敦盛に駆け寄る! 大丈夫か! 意識は……。
GM/暫く目を閉じたまま、でもゆっくりと目を開け始め……旭人を見る。「…………旭人」
旭人/その声に、ニコッと笑います。
GM/「……ここは、その、苦しんでいた方がいいのか、立ち上がっていた方がいいのか……?」
旭人/じゃあ、無事をみんなに見せつけた方がいいかな?
GM/立ち上がった拍子で、敦盛は旭人をぎゅっと抱きしめてキスをします。
旭人/おおっと!?(笑) そのまま抱きしめます。
義人/――ご照覧あったか! この通りだ! この幸せそうなバカップルを見よ!(一同爆笑)
GM/知盛になって旭人を指差しながら)「ぷぷぷプギャー!
旭人/うっせえ!(笑) 幸せなもんは幸せなんだよ!
GM/(知盛になって)「先に浄化をするのはこちらの方が先でいいかな? そこは譲らないぞ、父上もな」
義人/それは、千晶の方を見て。
千晶/う……大丈夫! 時仁さんにお願いします!
義人/和議を先に申し出たのはそちらだ。お譲りしよう。ただフェアにいこうか。
GM/「……剣で怨霊を浄化して、今後の話だが……オーソドックスに終戦協定を結ぼうか。いつ果てるかは判らんが、それで20年は安泰だね」
鉄弥/20年……か。
GM/「『俺達の戦い』を一時休もうというんだ。次の世代のことは、次の世代が考えるべきだと思うね」
義人/そう、だな……ある人が言っていた。『自分が見える範囲でも幸せになりなさい』。それがこの神器の意向だし、間違っていないと思う。
GM/「ほうほう、良い言葉だな。……全世界がそう思えればいいのに」
義人/その辺に1億D使えばいいんじゃね。
GM/「可能なことは叶うが、不可能だと見なされれば永遠に不可能になるぞ。世界が絶対平和を認めないなどと下さないことを祈るしかないな。……とりあえずこの終戦協定は、『今現在の頭領の代までは争わない』という形でチェックインさせちゃおうか」
義人/鉄弥の方を見て、……それでいいか?
鉄弥/……あまり深望みをしてもダメなんでしょう。きっと失敗する。
旭人/少なくとも、今……俺達は幸せだ。
義人/ここまで進めたべきでも感謝するべきだな。……なんか、まったく進んだことのない世界をやったから混乱してるよ。

「侵略戦争は一旦中断。戦が進まない限りは怨霊化もなく、一度怨霊になった身を解放する。三種の神器を巡るこの階層の戦いは、またの時代へ持ち越される。これは先送りではない。……『今の平和』のための和議なのだ」

 禍々しい形をしていたゾンビ達も浄化されていく。戦の無い世の中が一時的に戻って来た。
「あーやっと働き手が戻って来てくれたべー」「あー、アンタよく帰って来てくれたねえ。子供達も喜ぶよ!」……笑いあう者達も多い。


GM/これにて戦いは終わります。……浄化は一通りしたということで、個人のエンディングに参ります。


 ★エンディング/与一×義人(+源氏)


義人/……政子はボンキュッポンになったのかな!? ダイナマイトバディーに!(笑)
鉄弥/ロリが成長した!?(笑)
千晶/ああ、なんと美人になられた政子様……でも頼朝の膝に乗ってる!(笑)
旭人/しかも生足が艶めかしい! 頼朝にしな垂れかかっているし!(笑)
GM/頼朝は義人に言います。「とにかく、この女を救うことができた。有り難く思う」
義人/ああ、頼朝は政子を救うことができたから幸せになれたんだよな。
GM/(政子になって)「良く働いてくれた。で、本社に来ない?
義人/いえいえ、俺は国に帰りますと何度も言いました!(笑) っていうか、もう義経は新婚旅行に邪魔でしょう、俺に頂けませんか?(笑)
GM/「いいよ」
旭人/早っ!?(笑)
GM/いや、だって一度きりの【エレベーター】だから源氏の階層に戻ってくることがないし、それなら後継ぎで邪魔することの無い訳じゃん。義経が頼朝に執着することがなかったら、追放よりも良い形で追い出せるもん。
義人/……という訳だ、義経。
GM/「俺がお前の国に行く前に確認しておきたいことがある」
義人/なんだ……そんな真剣な顔をして。
GM/でっぷり太ったクガネを抱き上げます。
義人/……クガネも一緒に行くか?
GM/「いや……クガネにはもう家族がいるんだ。連れて行くべきか、そうでないべきか……」
義人/なんだとぉっ!?(一同爆笑) まさか、クガネのお腹の中に……!
千晶/それよりクガネってメスだったの!?(笑)
義人/……キャサリン、どう思う?
GM/キャサリンになって)「うふふ……もう、そんな野暮なコト訊かないのっ。2人でなんとかやっていくって言ってるじゃない」
旭人/言ってるんだ!?(笑)
義人/クガネ……長いような短いような付き合いだったな。よしよし、旭人を暖めてくれてありがとう。犬を飼ったらクガネって名付けるからな! ……と言うことでクガネのエンディングが終了しました(一同笑)
旭人/キャサリンは【厩】が2つも出来たから終了! イケメン馬がいっぱいいるし……(いきなりキャサリンになって)「あ、あれは……平家方のフランソワーズ!?
GM/お前らくっついちゃえよ!(一同爆笑) では、義経の方に戻るけど……「なあ。俺なんかが行っても邪魔じゃないよな?」
義人/お前が平成の世で色んな形で大暴れしている図を見たいと思ったからこうして誘ってるんだ。
GM/「ふ、不束者ですが……ってギャグで言おうとしたけど、やっぱヤメよう。これからは影なんかじゃなく対等に付き合ってくれ。名前は、九郎のままでいい。今まで通り、親友としてその名前を呼んでくれ」
義人/ありがとう、俺も義人と今まで通り呼んでくれ。……ところで、弁慶はお前がこっちに来ると言ったらどんな顔をするかな?
GM/「……ぷぅ? 弁慶も連れて行っていいのかなぁ?」
義人/訊いてみるか。……どうなんだ、弁慶?
GM/弁慶が現れます。(弁慶になって)「お呼びでしょうか」
義人/九郎を俺達の国に連れて行こうと思うが、どうする?
GM/「…………。そうですか、お幸せに」
鉄弥/……あっ!? 弁慶さんと誰もフラグが2、立ってない!?

 この時点でのPCにフラグは……
 鉄弥→敦盛フラグ(2)、平家フラグ(2)、弁慶フラグ(1)
 旭人→敦盛フラグ(2)、義経フラグ(2)、源氏フラグ(1)、弁慶フラグ(1)
 千晶→安徳天皇フラグ(2)、弁慶フラグ(1)
 義人→義経フラグ(2)、与一フラグ(2)、源氏フラグ(2)、弁慶フラグ(1)、平家フラグ(1)
 今までのルールに則れば、「義経が感情値4(フラグ2つ分)無ければ【エレベーター】に乗る誘いに応じない」ように、誰とも弁慶とのフラグが立っていない以上、言う通りにならないということになる。

義人/……弁慶、お前……義経と別れることになるけどいいのか?
旭人/お前、義経に絶対フラグ立ててるだろ!? 感情値4以上あるだろ!
GM/ルール的にはそうなっちゃうんだよ。……だけど、今回はそれ以外が満点で一番気持ち良い形になってるから……オマケしてあげてもいいかな。

 今回のキャンペーンの目的は、『全員が満足すること』である。
 それが聖剣の出したシナリオクエストでもある。
 弁慶が迷宮内に残るというのは……プレイヤー全員が不満を言ったために特別措置を出すことになったのだった(笑)
 ……フラグを回収することが目的ではなく、回収できなかったとしても全員が満足できたならOKということで。


鉄弥/弁慶さんと一緒に行きたいです!
旭人/俺の残った≪希望≫全部使います!
千晶/こっちだって≪希望≫残ってます!
義人/弁慶は義経にフラグがバンバン立っている、義経は俺達が思う通り動かせる……だから九郎、お前からも説得するんだ!(笑)
GM/じゃ、そうだなぁ……(旭人のプレイヤーを見て……九郎のキャラロール、やってくれない?(笑)
旭人/はいっ!

 『第4ループ』でのNPC乗っ取りが意外にも好評だったので、ここでも採用(笑)

旭人/九郎になって)「な、なんだ……弁慶。俺と一緒に行かないのか?」
GM/(弁慶になって)「私はこれから、今までの兵士達の供養の旅をと考えておりました。戦が無くなった今、義経様はご療病に専念なさってください」
旭人/(九郎になって)「俺と離れるのか?」
GM/「……私なんぞが行って宜しいのですか」
旭人/(九郎になって)「ずっとお前と一緒だったから、居ないと調子が狂うぞ……」
GM/「…………。ふぅ。私は確か……その言葉が聞きたくて10年間お傍に居たんでしたっけ
旭人/(九郎になって)「それって!?」
GM/「そう言って頂けるなら、これからも貴方の隣に居させてください」
旭人/(九郎になって)「だってさ、義人! 俺、幸せ者じゃね!?」
義人/やったな、九郎! ということで俺が家も戸籍もなんとかしてやる! 弁慶、平成の世も戦い甲斐のあるところだぞ。
GM/「私の相手になる者がそちらの国には居るのですか」
旭人/(九郎になって)「楽しみだなぁ、弁慶! なあ弁慶、俺が元気になっても一緒に居てくれるかっ?」
GM/「そう言って下さるのなら……以前、教えたあの名前で呼んでください
千晶/もう教えてるー!?(一同爆笑)

 注意。
 NPC同士の恋愛はTRPG的にはプレイヤーが冷めるため御法度である。
 ……でも今回は全員が賛成してPCが自由にロールしまくったためOKとします。


義人/ああ、お幸せに。……じゃあ、全部終わったなぁと思いながら部屋でお茶でも飲んでいましょうか。なあ与一、お前もこっちに来てくれるんだろ?
GM/(与一になって)「直ぐには行きません」
義人/え……どうして?
GM/「千晶を、鎌倉の道場に連れて行く約束をしたんです」
千晶/えっ!? わ、わあぁ……ありがとう、与一ー!(笑)
義人/……それぐらい待てるよ。245回も待たせたんだ、1週間も2週間も簡単なもんだ。いくらでも待つ。
GM/「ありがとうございます。……ああ、思い出したいなぁ……その245回」
義人/それは……どうだろうなぁ。
GM/「だって……245回分の義人くんが見られたんだね」
義人/その間、お前を見ていたことが一度も無かったとしてもか?
GM/「今現在こんなに愛されているんだから幸せが増えるだけだよ」
義人/……ぽかっ! 恥ずかしい!
GM/「はわっ!?」
義人/なあ……お前の実家、俺も行っていいか。
GM/「あ、そうだね……『この人が俺の大切な人です』って父さんに言わなきゃいけないんだった」
義人/そっちか!?(笑) いいよ、それで! ぼふんと頭を胸に預けます。
GM/「お疲れかい……?」
義人/ああ、疲れた。ぎゅーっと抱きつきます。疲れたけれど頑張った甲斐があったよ。察しろ、甘やかせ!
GM/「うん。……これから精一杯、愛してあげるからね」


 ★エンディング/安徳天皇×千晶


GM/時仁さんは千晶と共に帰ることになりました。というか、安徳天皇が押し通した感じで。
千晶/時仁さんありがとー! わーいわーい!
旭人/一番感情値が高かったニイの尼が最後まで粘ったけど、お母さんだもの……いつかは巣立つよね(笑)
GM/(時仁になって)「千晶はこれから鎌倉に行くのか。お前の親友の屋敷に……」
千晶/はい、道場に招待されたので行ってきます。一度与一のお父さんと手合せしてから帰ります!
GM/「では、私は京で待っているよ」
千晶/……待ってるの? 一緒に来てくれないの?
GM/「まずは親友との時間を楽しむがいい。私はもう、お前の時間を永久に貰ったのだからな」
旭人/……大人の余裕だ!(笑)
千晶/ぺ、ぺたぺたぺた! もう鎖は無いよね、怨霊じゃなくなったんだよね! 消えないよね!?
GM/……あふん?
千晶/あふんって言わないで!(笑)
旭人/なんで「言わなきゃいけないのか、コレ?」みたいな顔で言ったの!?(一同笑)
GM/「親友と兄上と、この世界での最後の旅を楽しんでこい。これから色々教えてもらうんだから。私の為の言葉をちゃんと用意しておくんだよ」
千晶/うん、わかった。……でもね、一番は時仁さんだからね!
GM/「知ってる」
千晶/うん!(超幸せそうな声で)……張り合いないなぁ!(一同笑)
GM/時仁さんは安徳天皇として挨拶回りがあるでしょう。だからそっちに専念するらしい。……じゃあ、与一の家に向かう前夜あたりかなぁ。「今夜は同じ部屋に居ようか?」
千晶/う、うんっ。……これが何を意味してるか判るぞ、僕だって!
GM/「なんだ、私が教えられる唯一のことだと思ったんだが。張り合いがないな」
千晶/うー……いいです、教えてください。
GM/「素直な子は大好きだぞ。まあ、素直じゃなくてもお前は可愛いがな」
千晶/ワーイ! アントンワーイ!(一同笑)


 ★エンディング/旭人×敦盛


GM/……突発的に怨霊になってしまった敦盛は、熊谷直実にも討たれることなく今、普通の人間として旭人の傍に居ます。
旭人/敦盛……大切な話がある。俺と一緒に現代に来ない?
GM/「そんな所に行って何の価値がある」
旭人/……俺のことはもう用済みってこと!? 俺と居ればずっとハッピーってことよ!? 俺は強引だし、我儘だし、お前が情けで付き合ってるんじゃないって安心したいだけだ! 正直お前がなんと言おうと現代に連れて帰ろうとは思ってる!
義人/誘拐だ! ツネリンのボッコが来るぞ!(笑)
旭人/俺はお前と一緒じゃないと嫌だ。出来ればお前も俺と一緒じゃないと嫌だと思ってほしい! イエス以外の言葉は認めんぞ!?
GM/……貴方の前に立ちます。「……私は……言葉が何一つ思いつかない。だから、お前の言ったことをそのまま真似しよう」
旭人/……うんっ!
GM/「…………一緒じゃないと、嫌なんだ」
旭人/わーっ! 抱きつきます! ダーイブ!
GM/抱きしめられます。「……旭人。今までは仮面を被っていた。だから……これからオレの本性を見て驚くなよ」
旭人/驚かない! その方が嬉しいって!
GM/「これから幻滅する可能性や……嫌いになることだって幾らでもある筈だぞ」
旭人/っていうかさ、それって俺用の顔ってことだろ? だったら嬉しい。俺は、お前の他の奴に向けない顔を見せてくれるのがすっごく嬉しいんだよ!
GM/「…………」。敦盛が頭をかかえます。
旭人/ん?
GM/「はあ……幻滅されるようなことを、早速言っていいか」
旭人/なんだ。
GM/……ヤベエ、チョー好き……」(一同爆笑)


 ★エンディング/経正×鉄弥


GM/やあ、最後だよ鉄弥。……鉄弥はとある部屋から経正が出てくるのを見かけた。……それは経正が、血痕の付いた服のまま旭人の部屋から出てきたから。
旭人/ごめんちー! やっぱ俺、みんなと帰れないかもしれない!(一同笑)
義人/与一と一緒にはわわって見てます!(笑)
鉄弥/な、何をやってるんですか一体ー!?(笑)
GM/(経正になって)「ああ……すまない。こんな見すぼらしい姿を見せてしまって」
旭人/っていうかそれ俺の血! 汚らわしい扱いって怨霊以下か!?(笑)
GM/「……さっさと着替えて京に戻る準備をしよう」
鉄弥/あ、待ってください! ……もしかしたら敦盛さんに聞いたかもしれないんですけど、俺達はこれから元の世界に帰ります。
GM/「だろうな。みんなが幸せになれたのだから、そのような決断をするのは判っている」
鉄弥/そ、そのときに……貴方も一緒に来ませんか?
GM/「……月並みな質問だが、何故?」
鉄弥/……貴方と一緒に居たいんです。別れるのが、どうしても辛いから……。
GM/「一度ワタシは断ろう。お前とはそれほど仲が良くないんだが、そんなワタシがお前の幸せを左右していいのか?」
鉄弥/……敦盛さんと同じように拒もうとするんですね。じゃあ、一つ聞いていいですか?
GM/「なにか?」
鉄弥/今でも敦盛さんは……貴方にとって必要な人なんですか?
GM/「大事な弟だ」
鉄弥/……一番?
GM/「ああ。弟であるのには変わりない」
鉄弥/……貴方の一番を、俺にくれませんか。
GM/「…………ふぅ、ワタシに惚れているのが確定したな」
鉄弥/凄く顔が赤くなります!(笑) じ、じゃあ、こういうことをしてもいいですよね。がしっと抱きつきますよ!?
GM/「よしよし……」。そのまま首に口付けます。
鉄弥/ふあっ!? ……何故首にっ!? 敢えての首の理由はなんで!(笑)
GM/「だって、口を塞いでしまったら可愛い叫び声が聞こえないじゃないか」
鉄弥/さ、流石に……ここだと……あわあわ。
GM/「今は京に戻り、安徳天皇をお守りする。しかしお前の元に帰ってこよう……必ずな」
鉄弥/……待ってます、絶対にですよ……!

    ◆

GM/――そして4人は大切な人達を連れて現代に戻ります。時刻は12月24日の20時。クリスマスの道場だ。
旭人/センセーイ! NPCが隣にいますかー!
GM/いますよ。同じシーンにいっぱいいすぎなんでNPC描写は省略しますが、4人だけで30分しか経っていない古川家でのシーンをやりましょう。
千晶/まず何より、おばあ様に報告を。
旭人/おばば様、生きてっかー!?
義人/旭人をぺちん!(笑) おばあ様、失礼します……。
GM/(カツになって)「旭人! 死ぬ訳ないだろぉ、あと一週間はな!」……義人達にとっては昨日の今日の声だ。
旭人/もうちょい生きようぜ、生々しい!
GM/「100歳になったら次は110歳を目指すに決まってんだろが!」
鉄弥/流石おばあ様!(笑) ……その、ただいまです。
GM/「おかえり、って言うのもおかしいか。アタシにとっちゃぁたった2日ぶりの奴もいるからねぇ」
義人/なんとか……今回は巧くやり遂げられてきましたよ。何があったか聞いたって判らないでしょうから、色々あった、幸せになった。……これで充分でしょう?
鉄弥/あ、一つだけ。……清盛公は元に戻られたそうですよ。
GM/「……バカからバカに戻ったってことかい。アタシは幸せだからねえ、さっさと忘れることにしよう」
千晶/うわー、愛があるなぁ(笑) あと客人がいっぱいいまして……。
旭人/源義経とか、弁慶とか、平敦盛とか、あと安徳天皇まで連れて帰ってきちゃいました(笑)
義人/あと経正とか、直の知り合いでしょう。それとご先祖様の那須与一!(笑)
千晶/後で蔵を見せてあげましょうね!(笑)
GM/「あーそうかい。……アタシが戻って来たときと同じぐらい、幸せな形で帰って来たんだね」
義人/そうですね。それからのことは、次の世代が頑張ることでしょう。
GM/「お好きにおし。あとは……そいつらのこと、嫌いになるんじゃないよ」
鉄弥/…………はいっ。
GM/――ということで、キャンペーン『迷宮キングダム〜夢魔炎上』、終了になります!
一同/お疲れ様でしたー!

    ◆

旭人/おばば様、お誕生日おめでとー! 最終的にみんな幸せになれましたね。
義人/なにこの幸せオーラ。最後の最後で今まで全く無かった展開という。
旭人/みんな、ラストのロールうまかった!
GM/全員良かったよ、NPCが多かったからバリエーションがとれなかったけど……いやあ、NPCが多くてごめん。……しっかし、唯一触れ合っていなかったキャラクターである経正をお持ち帰りするなんて、結構理想的なエンディングだったかもしれないね。
千晶/充分バリエーションとれてましたよ! 他のキャラにも萌える! 特に経正のお話、すっごく面白かったです。
旭人/おいしかったでーす! 特にお疲れ様です、鉄弥!
鉄弥/本当に、皆さんの協力のおかげです。ありがとうございました。
GM/ここで反省会および感想を言わせてもらうけど……。

 いわゆる「ツンデレキャラ」である敦盛が難しかった。
 2度あるイベントで、1度はツンを演出しなければいけないために(リプレイ内ではカットされているが)冷たい反応を耐えなければならなかった。ツンデレロールはギャグでない限りやらない方が吉というのを学んだ。ラブラブするためのBLキャンペーンだから当然かもしれない。
 しかし、デレが出たときの全員の反応は秀逸(笑)
 敦盛は怨霊である自分を嫌っており、正義を振りかざして三種の神器で怨霊を滅そうとする。けどそれだけでは消えるだけで自分は救われたことになっていない。本当に救われるためには、草薙剣を使用して怨霊であること自体をなくさなければならない。
 草薙剣については弁慶が特別の立場故に知っているので判明する筈だったが……意外やプレイヤーの皆さんは悩んでしまって、それが長いドラマを生み出す結果になっただろう。

 義経が頼朝に殺されないためには、頼朝以上に親しい仲になればいい。「義経は病気→迷宮病を患っている」は主治医である弁慶に訊けば判明するため、「元の世界に連れて行く」で簡単にルート攻略できる。
 しかし、GMがなんとなーく弁慶の台詞で「義経様を愛してます」と言ってしまったせいで、「義経&弁慶」のカップリングが出来あがってしまい、最終回でもNPC同士でゴールインしてしまった(笑) 失敗なのか大成功なのかは捉え方次第ということで。

 安徳天皇は、最も攻略しやすいキャラともいえる。立ち位置と言えば「囚われのお姫様」なので、逃げ道さえ作ってあげればクリアーする。
 一番大人なキャラクターがウケたのか、4人のプレイヤーが全員攻略しにいったということで今回の「義務教育キャラ」となった。大人キャラは強い。「安徳天皇32歳」はこのキャンペーンの顔だと思う。

 知盛を一度も倒すことなく(清盛を落とせば最終バトルには勝利するので)終わってしまったことが残念という声も。
 実際、HP1桁で生き残ってしまう知盛は2度も3度もあった……あと一息のところで知盛は不敗神話を築き続けてしまったらしい。まあ、トモリンぽくていいか。

 忠度が意外に人気が出たキャラクターナンバー1だった。ショタなのに武士というキャラが良かったらしい。と言っても、外見がショタなだけで中身は立派なオッサンである。……それがまたいいのか。

 与一は、まさかここまで固定カップリングになるとは思われなかった。まさかの「メインヒロイン」級の扱い。まさかの「はわわ」キャラ固定。まさかの変態説。
 与一がループすることが決まったとき、間違いなくあれがこのキャンペーンが成功に繋がった瞬間だとGMは思っている。与一はPCにループの手段を教えるだけで、まさか与一自身にドラマが生まれるとは思ってなかった。GM自身は与一を「あくまで世界に重要でない(どうでもいい駒)」と思っていたからだ。……与一がいたからループすることの悲劇が一層際立ち、「泣きゲー」へと進化したんだと思う。

 清盛&頼朝&政子に関しては「え、そんな理由で戦争やめちゃうの!?」と思われても仕方ないと考えている。
 ……家族愛に生きるがテーマってことでOKをください。

 ラスボス・経正
 カツが言っている通り「罪は罰しなければならない。死ぬものは殺したままでいい」という対象は経正だった……つもりなんだが。
 まさかの、PC1の鉄弥が経正をお持ち帰り。
 ……経正は、敦盛が誰かと幸福になったのを確認してから消滅する予定だった。敦盛は励まされ、1万以上ループして疲れた経正の休息を願うという。
 それよりもオチの文を持っていったカツおばあ様の方がよっぽどラスボスに相応しいだろう……CVイメージ:宮村優子だし。

 最後に、何故か弁慶さん。
 ……チート過ぎにもほどがある。全PCに絡んで来て、全NPCとコネクションがある。おそらく人気投票をしたら1位間違いなしと全員が口を揃えている。
 リプレイでは伝わりにくいが、GMが迫真の演技だったと称賛の拍手を貰ったので今後も弁慶さんは語り継がれるNPCになると思います。
 …………そう、今後も(と新しいキャンペーンのシナリオをチェックしながら)。

GM/――という訳で、色々あったけど面白かったのは事実です! 5月〜9月までの長期キャンペーン、本当に皆さんお疲れ様でした!
一同/お疲れ様でしたぁーっ!




『迷宮キングダム〜夢魔炎上』 完