迷宮キングダム・リプレイ・夢魔炎上
■ 第5話『 彷徨う声にならぬ嗚咽を白い雪が嗤う 』 1ページ目 ■
7回目 2009年9月10日




 その日、『現代編』を用意しているセッション当日の朝……。
 GMの携帯電話に、あるメールが受信された。


GM/えー、今回……鉄弥の中の人のまりもが病欠しました。残念ながら『現代編』は次回、日を改めてしましょう。
旭人/じゃあ今日は集まっちゃったけどこの後どうしましょうか? 別のゲームでもやります?
GM/シナリオのストックならまだあるからさ。我が家にあるルールブックから何かしようか。
千晶/今回のループは、鉄弥がいないループになっちゃったんですね。
義人/そうそう、『鉄弥が召喚されないで、3人だけで源平合戦に加わった』みたいな……。

 このとき、ここの台詞にGMはとても反応した。
 理由はまだ言えないが……先程の台詞は『夢魔炎上』のシナリオにおいて、聞き捨てならないものだったからだ。
 即座にGMは訂正を入れる。


GM/いや、もし鉄弥がいないのであればそれは『最初の戦いで鉄弥が戦死した』とかになるね。それなら『いないループ』と言える。
千晶/あ……それ、面白そうかも。
GM/……やってみるかい? 『鉄弥が死んでしまったループ』。

 こうして、鉄弥不在のセッションが始まるのだった。
 PC1、しかも回復役がいない中でも、「シナリオをこなすだけ」ならなんとか出来る。
 今回はレベルアップをせず、戦闘を省略し、マップも『4回自由行動ができる』だけで迷宮を探索することもない。
 そんなトークゲームが始まるのだった……。


GM/では、与一の245回のループの1回をやってみましょう。……全員〔才覚〕10で判定をして。デジャブがあるかどうか決定します。
千晶/(ころころ)うー、9だった……。
旭人/(ころころ)8でーす。ないない。
義人/(ころころ)13、成功。でも記憶は無い状態の方が楽しいと思うんだが。
GM/じゃあ記憶無し状態でスタートさせちゃうね。……4人が源氏に揃います。最初の家族会議を始めましょう。
千晶/鉄弥が話すとしたら「三種の神器を持ってると帰れるよ。敦盛さんから聞いたんだ」ぐらいですかね。
旭人/その程度だね。……ヤッベ、敦盛スゴイんじゃね!?
GM/で、今回はみんなどこを狙うの。
千晶/僕、今回は与一ルートいってみたいです!
義人/俺は今まで一回も平家と絡んでないから安徳天皇にしよう。……鉄弥がいないという特殊な状況だから、一番変化が起きそうなのは敦盛なんだがな。
千晶/あー、鉄弥が死んでるとあっつんどうなるんだろ……。
旭人/……俺、敦盛を幸せにしたいという気持ちになった。二連続敦盛ルートいくかな。
GM/じゃあ鉄弥は「義経さんのところに行ってきます!」と言います。王国フェイズはマップを提示しないからやらないけど……道中表あたりはやろうかな。

<道中表「8」>
 モンスターの襲撃を受ける。武勇で難易度9の判定に成功しないとHPが1D6減少する。

GM/回復役がいないのに、いきなりHP減少系のイベントだね。
旭人/(ころころ)なんだとぅ、ファンブった! でも旭人が1D6減る分には構わないな!
千晶/(ころころ)普通に成功です。
義人/(ころころ)お、クリティカル。きっと旭人が庇ってくれたんだ。
GM/良かったね。……義人は【勅命】でHPを削るのに、今回は回復手段が無いから大変だ。鉄弥も義経に庇われてフラグが立ったとかなんとか。
義人/なんだか微笑ましいなぁ(笑)

 ※ 【 旭人:義経フラグ(1)を入手 】
 ※ 【 千晶:安徳天皇フラグ(1)を入手】
 ※ 【 義人:義経フラグ(1)を入手 】



●<1クォーター目> & 自由時間選択@

GM/義経は木曽義仲の対戦を、義人達は勾玉争奪戦を行います。この部屋のトラップはみーんな千晶が解除してくれたよ!(笑)
旭人/さっすがちーくん、いつも手際良いなぁ!(笑)
千晶/レベル上がってますから!(笑) ……鉄弥はまだ生きてるんだよね。
GM/まだ生きてるね。でも、この戦いで戦死します。今、鉄弥は義経とフラグを立てにいってるよー。

 < 自由時間選択/旭人→「敦盛」を選択>
 < 自由時間選択/千晶→「与一」を選択>
 < 自由時間選択/義人→「安徳天皇」を選択>


GM/最初に旭人のシーンをやろう。……平等院のマップで敦盛の元に行くと前回とほぼ同一なんだが……完全に既読スキップができるよ。
旭人/でも今回は家族会議で電子辞書を使って調べていないから、敦盛のことは全然知らないね。今回は「お前、スパイなんだろ?」とかも言わないからなぁ。……構ってよー、暇なんだもん!
GM/そう言われ、無言で立ち上がり、笛を吹きます。「これで時間は潰れたか……?」
旭人/GJ! ……でもそういうんじゃなくてさ。
GM/「じゃあ何だ。私は特に話すことなどないぞ」
旭人/あるじゃん、ホラ……軍として一緒にいっているんだから、一人孤立してるんじゃなくて、みんなと溶け込まないと! 好青年っぽいことを言うぞ! 団体行動は嫌い?
GM/「判らん。あまり取ったことがない」
旭人/なんなのこの不登校っぽい子!(笑) じゃあ、これから慣れていけばいいじゃん! 仲良くした方が楽しくね? 一人で立ってて、ずっと楽しそうな顔をしてないじゃん。
GM/「必要性を感じない。私には私なりのやることがある。そのために遊んでいる暇などない」
旭人/やること……?
GM/失言だというかのように口を噤みます。……ホントに簡単にだけど敦盛とのシーンを終わらせます。

 ※ 【 旭人:敦盛フラグ(1)を入手 】

    ◆

GM/次に千晶のシーン。……相手が与一なので、ある選択の権利が生じます。好きなものを選んでください。

 @与一の10回目ループ。
 A与一の100回目ループ。
 B与一の240回目ループ。


千晶/絶望してる与一はイヤだー!(笑) 10回目ぐらいのドキドキわくわくはわわって言ってる与一がいいです!
旭人/しかも、全部義人に未練がある状態なんだよね? 可哀想っ!
義人/けど、今回の義人は「なんか名もなき兵士Aがいるなぁ」程度にしか思ってないから(笑)
千晶/カワイソー!(笑) ……与一は茶汲みのライバルで友情を築きたいと思っているので、@でいいです。はわわが見たいんです、はわわが!(笑)
義人/ホント、心痛いよね!
旭人/お前がやったクセに! 可哀想って言ったって全部義人のせいだろ!(笑)
GM/では……施設の【給湯室】が頼朝側の陣にあったとしよう。千晶が義人達のためにお茶を淹れようと行くと、先に準備をしている男性が居ます。
千晶/湯呑みを温めている……なんだと、もしやプロか!?(笑)
GM/その格好からして、「昔から源氏に居る人なのかな」と判ります。……男性が千晶に気付いて振り返る。「ああ、やらなくて結構ですよ。俺がやっておきますので」
千晶/そ、そんな……ううっ、僕も兄弟の方々に出したいんですっ!
GM/千晶の顔を見て、ハッと君を知っているような顔をする。「えっと、君は……古川様のご家族の方ですね?」と、改めてワザとらしく言います。
千晶/そうです。義経さんから聞いていますよね?
GM/「存じております。という訳で俺がお茶汲みをしますので結構です」
千晶/お茶汲みは僕のアイデンティティなんです、お茶を汲ませてください!(笑) せめて分担するとかー!
GM/「うーん、そうだなぁ……『いつもこうなるんだよな』……」
千晶/……いつも?
GM/多分、似たような語らいを過去10回のループでもしてたんじゃないでしょうか。……暫し考えた与一は、『よし、今回のループは俺、争ってみよう!』と決意します。
千晶/なんだとぉ!?(笑)
GM/(物凄いハキハキした声で)「俺が古川様達にもお出しするので何もしなくて結構ですよ! 嫌だと言うなら〔魅力〕判定難易度6に勝ってください!」(一同笑)
千晶/僕も手伝うー! 6なら出るかな……(ころころ)ああ、ファンブった!(笑)
GM/自動失敗だね、あまりに強く言われたのかな。「どうぞお部屋で休んでいてください。君は前線に出て戦う人なんだから」
千晶/ぼ、僕のお茶美味しいんだぞ……。じゃ、今日は休む。……明日は来る! 今日は諦めます。
GM/では、男性がお茶を出してくれますよ。……それなりにウマイです。
千晶/お、美味しい……うーん。
GM/「一度ぐらいは千晶に飲んでほしいと思ってたんだ。やっと飲ますことができたよ」……まるで旧知の仲のように言います。
千晶/あれ、名乗ってないよね? ……どこかでお会いしましたっけ?
GM/「あ……初めてだったね。俺は……那須与一と申します」
千晶/あ、あの弓が得意な……栃木県那須市の!
GM/「は、はい。那須神社で義経様とは出会ったんですよ」
旭人/義経が茄子買いに来たの?
GM/義経が神社に必勝祈願に来たときに偶然出会ったらしいよ。与一は、父親が鎌倉側にいるのに兄達がみんな平家側に行っちゃって当主にさせられた人です。
義人/……貧乏クジ大当たりだよね。ウィキを見るとマジときめく(笑)
旭人/……那須神社で鼻緒が切れて困っている与一を直してあげてる義経が思いついた(笑)
義人/直して、悪化して、弁慶さんが溜息つきながら直してあげるんだな。
千晶/与一の淹れてくれたお茶は美味しいけど、美味しいけどちょっと落ち着かないよう……あのさ、持って行くのだけでもダメ?
GM/「そんなにやりたいんですか? ……単なる茶汲みなのに」
千晶/うー……本家では僕『居させてもらってる』感じなんで……何かしてないと落ち着かないんだ。
GM/「少し複雑な家庭事情でも?」
千晶/ちょっと。……僕、お父さんのお妾さんの子だから。
GM/「……な、何か相談したいことがあったら俺に言ってくれれば相談ぐらいには乗るよ!? 特別良いアドバイスができる訳じゃないけど!」
千晶/ぶわっ! 与一、いい人だね……。
GM/「そうだ、千晶……タメでいいかな? その方が話しやすいし。今後も俺のお茶、飲んでくれるかな」
千晶/いいよ。淹れてもらうの、なんか新鮮だったー。
GM/「良かった。千晶も休んでいいんだよ。休む時間も大切なものなんだからさ」
千晶/ありがとう。……ほのぼのだー(笑)

 ※ 【 千晶:与一フラグ(1)を入手 】

    ◆

GM/義人さん、安徳天皇とにシーンだけど……どうしますか?
義人/旭人方式に菓子折を持って行く! 行くったら行く!
GM/では千晶が、スパイのお姉さんに工作してもらいます。女性が義人を家まで連れて行くということにしましょう。「古川様……とお呼びするのでよろしいですか?」
義人/ああ。
GM/スパイが用意したセーフハウスに紹介されます。と言っても大層良いお家なんだけどね。新しめの建物で、中流より上な感じ。
義人/なかなか良い家だな……もう少し普通の家を想像していたんだが。
GM/「残念ながら今の時間、夫はまだ出ています。仕事の関係上、仕方ないことなので……」
義人/ならばここで待たせてもらおうかな。
GM/「そうですかー」背景ビキビキ!(一同笑) 「今すぐお茶をお出ししますね。あ、でも千晶くんの方がずっと美味しいかしら」
義人/いやいやそんなことはないぞ。千晶のが美味しくないという訳じゃないが、同じくらい美味しいですよ。
GM/「……そういえば古川様は千晶くんとご兄弟……でしたね。確かに顔もどことなく似てらっしゃる」父が同じだからね。
義人/その通りだ。俺は兄弟だと思っている。
GM/「ええ、義経は9番目の男ですし妾の子ぐらい……」とボソッと女性が呟いた……そのとき。家の前にリムジンが停まります(笑)
旭人/リムジンという名の牛車が!?(笑)
義人/おや、家の人が戻られたのか? 玄関の方に向こうとします。
GM/女性は、涼しげな顔は崩しませんが動揺します。「失礼致します……」と、おしとやかに出て行って……時間をかけて外で打ち合わせをし始めます。
旭人/(いきなりニイの尼になって)「ダメですからね、本当の名前を言っちゃ! 判ってますよね!?」(笑)
GM/……そうして、女性は安徳天皇とニイの尼を連れてきます。ニイの尼が義人の方に向き合って、「ああ、確かに顔が似ていますね。貴方が江神の兄君ですか」
義人/どうも、この度はウチの弟がお世話になりました。ペコリと頭を下げます。良い槍まで頂いたので、これは一度家長として一度お礼を言いたくて出向いた次第です。
GM/「そうですか……では、暫くごゆっくりしていってください」と、ニイの尼は去ります。そこに残されたのは、炊き出しの女性と、男性ですね。……男性の方は、無言で義人を見ています。
義人/どうかされましたか?
GM/「いや……その、良かったら千晶のことに関して教えてはくれないか」
千晶/……あれやこれや言うつもりじゃないでしょうね、義人兄さん? へっきし!(笑)
義人/実は千晶は小さい頃はあーでこーで!(笑) ……毎回この流れになるな(笑)
GM/「貴方は、千晶の実の兄上でいらっしゃるか?」
義人/形式上は実の兄ではないとなっていますが、俺の本心は本当の弟だと思っています。……お、義人が敬語だ(笑)
GM/「千晶は苦労をしていたと聞いている。それに……源氏側は、特にそうなのだろう?」
義人/……まあ、色々と複雑なことも多いけれど恙無くやっていますよ。
GM/「……今、千晶はどんなことをしているんだ?
義人/千晶は、茶汲みの真似事のようなことをしてまして、その才が認められ大変可愛がられています。あと貴方から頂いた槍で前線でも活躍してもらっています。
GM/「貴方自身も?」
義人/俺は……あまり体が強くなくて武芸の才もありません。弟達が頑張ってくれているのを支えることがしかできませんね。
GM/「……千晶の性格や話しぶりからして、想像していた兄とは全く違ったな」
義人/……どんな兄を想像してたんですか。
GM/どっちかって言うと旭人寄りかな。弟が武芸をやってるし、帝王学を学んでズンと佇んでいると思ったらしい。……なんせ、義人は細面で華奢な現代人だしさ。
義人/確かに俺は……頼りない兄かもしれませんね。
GM/「しかし、話しぶりからして千晶を大層愛しているのは判る。本当の兄弟の絆があるんだろうな。……こちらは家族が複雑だから羨ましいよ」でな……。
義人/さっきなんか、夫とか言ってたんですけど……えーと?(笑) 何か高い御身分の方で?
GM/「……そうだな、あまりそれで威張れることではないと思うんだ。これでも……変装はしてるんだぞ?」
義人/そうなんですか? 随分と高貴なオーラがダダ漏れてらっしゃる(笑)
GM/「じゃあどうすればいいんだ? 外を出歩くのも許されず、今も鎖に繋がれているようで……本当にどうしたらいいか判らん」
義人/俺も気を抜くのは苦手です。
GM/「……というか、初対面の人にこういうことを言うのもナンだな。忘れてほしい」
義人/……記録しました(笑) そうだ、こっちに遊びに来ればいいじゃないですか。こちらは賑やかで良いところですよ。こんな綺麗なお家にお住いの方は狭苦しいかもしれませんが……でも家では気を抜いてラクでいられる。
GM/是非頼む、と言おうとした男性に、炊き出しの女性が首を突っ込みます。(女性になって)「しかしお仕事が忙しいのですからそんな時間はありません、ね? 誘って頂けてとても嬉しいですが……」
義人/あ、ああ……引き下がります。今、俺は……この国を平和に収める手伝いをしています。それが終わったら、貴方のような方が自由に出歩ける世界になるのではないでしょうか。そのときは一緒に野山でも歩いてみませんか。
GM/「……その考えは、とても尊重されるべきだな。そう考えた奴が……私の元には居たんだが、もう離れてしまったよ」
義人/……その方はもうどうなされたのですか?
GM/「遠い国に行ってしまってな。近くで頭が良かったんだが、色んなことを教えてくれたし、頼りにもしていた人だったんだが、どうやら前衛的な思想すぎてな、周りが付いていけなかった」……みんな仲良く四民平等男女均等だなんて2000年になってもできないですし。
義人/900年後の思想かぁ……そりゃ進んでますね(笑)
GM/もちろん考えていた人はいるでしょう。100人のうち1人ぐらいは。受け入れられるかどうか別として。
義人/またお話をしましょう。お伺いしても宜しいですか?
GM/「もちろん。ここで話し合うのもアリ……だよな?」と男性は女性の方を見ます。これくらいはいいよね、という顔をして「はい、お仕事の合間に来るぐらいでしたら」
義人/ありがとうございます。貴重な時間を割いて俺なんかと話してくれるんだから、こちらも全身全霊を持って全力で遊びに来るしかないでしょう。
GM/「ならばこちらも精一杯時間をとってそちらを楽しませる話をしてみよう。ああ、そうだ……私の名前は言大というんだが、名前を聞いてもいいか?」
義人/そういえば名乗っていませんでしたね。古川義人と申します。義人で構いませんよ。
GM/「また機会があったらまた会おう。では……ニイの尼が戻ってきたな」……そう言って、リムジンに乗って帰って行きます。
義人/やっぱり凄く偉い身分の人みたいだな……。
GM/(女性になって)「あの方がお会いになりたいと申されましたら、わたくしの方から古川様にご連絡致します。それと申し訳ないのですが、わたくしはこれから仕事に出るための準備をしなければならないので……」
義人/判った、一人で帰るよ。それぐらいは出来る。
GM/……ということで、セーフハウスを出ます。帰り道……そろそろ日が落ちる頃。元からこの迷宮は暗いけど、より深い夜になってきたようだ。
義人/だんだん見えなくなってきた……遅くなってしまったな。急ぎつつ休みつつ屋敷に戻ります。
GM/それだけ話が盛り上がってしまったということですよ。……〔武勇〕難易度8で判定をしてください。
義人/(ころころ)7です。
GM/……義人は、後ろから誰かがつけていることを……気付かなかった。何者かに闇討ちされる!
義人/うわっ!?
GM/ダメージを3点食らってください。誰かに引き倒され、ザクリと斬りつけられる!
義人/逃げ出します!
GM/……義人は走りだす。どうやら追ってくることは……ないようだ。
義人/義経に似てるって大変だなぁ……鉄弥、癒してー。
旭人/(義人を見つけて)ちょ、なに義人さん……肩から血が出てる!?
千晶/(同じく登場して)うわー!? 次回からは送り迎えしますね……!
GM/(鉄弥になって)「【祈り】で癒しますね!」……義経の格好はしていないとはいえ、襲われてしまった。しかし大した傷でないから平気だろう。……その後、夕食の際に炊き出しのお姉さんに再会します。
義人/先程はどうも。
GM/「どうも。先ほど頂いたお菓子、夫はとても喜んでおりましたよ」
義人/そうですか。また千晶をよろしくお願いします。
GM/食事を持って去っていく義人を……女性はジロリと流し見る。「チッ……やられなかったか
旭人/……お姉さん、怖っ!(笑)

    ◆

GM/では全員の自由行動が終わったので……初めての戦闘が終わります。ここで重大なイベントが発生します。……源氏軍は勾玉を手に入れることができました。皆、傷を負って終了フェイズになりますが……鉄弥の姿はありません。
千晶/あれ、鉄弥くんはどこいったんだ……?
義人/鉄弥、どこだー? その辺を探しまわります。
GM/そこに、兵士の傷の手当をしている薬師の弁慶がやって来ます。(義人を見て)「……義経様、こちらへどうぞ」
千晶/僕らは……?
GM/「義経様、こちらへどうぞ」
義人/……俺だけなんだな。行ってくる。
GM/義経と呼ばれて訪れた場所は……野戦病院です。まだ自分もHPを回復しきっていないままそこに連れて来られます。
義人/どうしたんだ、弁慶。
GM/弁慶は、無言のまま……ある布をすっと引く。そこに横たわっているのは、鉄弥だ。
義人/……ぺちぺち。
GM/返事が無い。ピクリとも動きません。
義人/……どういうことだ?
GM/「こういうことですよ。……この事実を彼らに伝えるかは兄である貴方が決めてください」
義人/……伝えない訳にはいかないだろう。そっと布をかぶせる……。
GM/「戦いに勝っても数人の兵士は倒れる。源氏に加わる以上、予想されたことです。彼もその中の一人だったということですよ」……現実を言います。
義人/……判ってる、その通りだと思う。……ありがとう。……でもちょっとだけ弁ちゃんの背中で八つ当たりさせろ!
GM/「……初陣でショックはあるでしょうが、これからも貴方はもっと義経様として振舞っていただきます。もう少し冷酷になりなさい」
旭人/……義人に無理なこと言ったな。
義人/厳しい世の中だな……善処はしてみるが、多分出来ないと思う。そのまま出て行きます。
GM/「彼は丁重にこちらで葬らせていただきます」
義人/ありがとう……。二人のところに戻ります。
旭人/なあ義人、鉄弥はー?
義人/……首を振る。
千晶/うん? ……キョトンとしてます。
義人/……残念ながら、兄弟4人で帰ることはできないようだ。
千晶/どういう……意味ですか?
旭人/何言ってるんだよ。なあ……鉄弥は?
義人/俺だって認めたくないよっ!
千晶/……認めたくない?
旭人/……嘘……だよな?
義人/……鉄弥はもう、いない。
千晶/……鉄弥くん、もしかして……さっきの戦いで……。おばあ様も楽しみにしてたのに。……ぶわっ!
義人/……それでも、戦いを止める訳にはいかない。
旭人/だな……せめて、3人だけでも帰ろう……アイツの笛、持って帰ろう。
義人/パタンとケースにしまって……義経に預けるか。義経の方に、戦いが終わるまで預かっていてくれ。
GM/では、義経は鉄弥のケースを預かります。(義経になって)「……いい奴だったのにな。もっと仲良くなりたいと思っていたんだが、残念だ」
義人/俺達だって相手の命を奪っているんだ……判っていた筈なのに。
旭人/死ぬって……こういうことなんだな。俺達の誰かだって死ぬ可能性がある。なんだろな、絶対に大丈夫だと思ってたよ!
義人/思ってたし、死なせないために頑張って来たつもりだったんだが……。
千晶/……義人さんも旭人さんも、もう死なないでくださいね。もう嫌ですよ……家族が死ぬの。
義人/大丈夫、死なないよ。千晶の頭を撫でます。
旭人/俺達が死ぬ訳ねーじゃん、なあ義人!
義人/ああ、死んでも蘇るよなぁ!
GM/……この辺でシーンを切りましょうか。……マスターシーン入ります。

 横たわる鉄弥。
 動かぬその体に、近付く一人の男がいた。
 ――敦盛は、鉄弥の頭を優しく触り、声を掛ける。

「使えると思ったんだがな……だが、残念だ。お前のことは楽しみにしていたのに」

 物言わぬ彼に話しかける敦盛。
 ……そこに、また男性が一人やって来た。
「そんなところに居るとお前まで気落ちしてしまうよ」
 男性は敦盛を慰めに来たようだった。
 俯く敦盛の頭を撫でる。
「敦盛とこの子は仲良くなる可能性が高い……とだけ伝えていたけど、『今のお前』がこの子のことをそれほど想わないのであれば、そのまま忘れなさい。お前が気にする必要なんて無いよ。……またの機会がある」
 男性は、敦盛の手を引いて無理矢理その場を離れた。
 ずっと敦盛に優しく声を掛けながら……。


「……今回のお前は、幸せになれないのかな……」

千晶/……これで、バッドエンド確定?
義人/うわ、予想以上に鉄弥死亡が重いわ……。


●<2クォーター目> & 自由時間選択A

 < 自由時間選択/旭人→「敦盛」を選択>
 < 自由時間選択/千晶→「与一」を選択>
 < 自由時間選択/義人→「安徳天皇」を選択>


GM/じゃ、最初に義人のシーン。途中までは千晶に送ってもらって、帰りは待ち合わせしよう。
旭人/怪我して帰って来たら飯抜きにするぞ!
千晶/門限5時ですからね!
義人/はーい判りました、威厳無いなぁ俺!(笑)
GM/先程のセーフハウスで、また彼に会います。「来てくれたてありがとう。君はそちらは酒が飲めるか?」
義人/それなりには。いつも止められますが嫌いな訳ではありません。
GM/では前に出しつつ……「それと……君は詩集は読むか?」と、教科書で見たことがあるようなものを見せてくれます。絵巻物を手袋で見る鑑定団の人達なんか居ない。手で触れることができます。
義人/スゲー超綺麗。今、俺……文化財に触れてるんじゃないかな。素手でいいんですか?
GM/「手で触らなきゃどういう風に見るんだ? 見るために作られたんだぞ」
義人/大変ブルジョワジーなご意見だ(笑) あまりに綺麗だから触れるのがもったいない気がしまして。
旭人/暇を持て余した貴族の方々の書物ですから(笑) 華やかで煌びやかな趣味だなぁ。高いよ!
義人/それを触っている俺! 大変珍しげに、楽しそうに見てます。
GM/「んー……」。言大さんは書物に夢中になっている義人を見て……無言でしまい始めます。
義人/どうかしました?
GM/「その、だな……、やはり、目の前に人がいるんだから会話で楽しみたい」……遊びに来た友達がRPGをやり始めて、「一人用のゲームすんじゃねーよ! マリオカートやりてぇ!」って言ってる感じ。
旭人/お前、そのソフト貸してやるからとりあえず今はマリカで遊べ!」ってヤツだな(笑)
義人/Wiiって良い商売だな。……俺もそう思います。何からお話しましょうか。
GM/「なんでも構わん。出来れば、お前だけが知っているようなことを教えてくれないか。私を8歳児ぐらいだと思って話してくれればいい」
義人/8歳児って史実か(笑) ……実はここに10円玉がありますが、これは表に裏の模様が、裏に表の模様があるとても珍しい10円玉なのです!
GM/へー、へー! ……って、そもそも小さくて薄いのに彫刻がしてある硬貨に感動するよね(笑)
義人/俺の元居た世界では、お菓子の1個も買えませんよ。
GM/「……これがお金か。初めて見た」
旭人/そもそもお金さえも持ってねー!(笑) そうだよ、欲しいと言ったらその場に出てくるよ!
義人/こ、高貴なお方なんですね……。じゃあ記念にこれを差し上げましょう。今の俺が持っていても何も意味が無いし、プレゼントは獲得チェックの基本だってルリルラの人が言ってました。
GM/「有り難く頂戴しよう。……お前はこの巻き物を持って行くといい」
義人/文化財っぽいんですけどいいんですか!? 俺のものでは10円で買えるものではないですよ。
GM/プレゼントは獲得チェックの基本なんだろう?
義人/うわ、アントンに獲得チェックしたくなってきた!(笑) ありがとうございます、とても嬉しいです。
GM/「だから……私はこういう風な付き合いしか出来ないんだよ。そもそも付き合いというものがどういう風にすればいいのか、私には判らん」
義人/難しいですね。付き合うと言ったら……どこかに遊びに行くとか?
GM/「……きっと止められるぞ」
義人/言大さん、〔武勇〕はどのくらいで? NPCなので1以下でも構わないんですけど、俺……≪民の声≫ってもんがあるんで、馬で1里ぐらい行けませんか?
GM/抜け出しデートか。では言大さんは「新しい茶が欲しい」と女性に言い、彼女はお茶を汲みに向こうへ下がります。
義人/言大さん、ダッシュ! 言大さんを連れ出して、キャサリンに乗せます! キャサリン行くぞ、走れ!
GM/キャサリンは義人のことが好きだから何でもきいちゃうね。「ねえ、どこ行けばいいの?」
義人/キャサリンの好きなところでいい!
GM/「判ったわ!」……と、山道を行きましょうか。そうだなぁ……山頂に神社があって、そこから見る人の道や川が上から全部見える景色が良い場所はどうだろう。
義人/おお、ナイスキャサリン!
GM/(キャサリンになって)「フー……ここはね、アタシが初めてあの人に会った以下略」(一同笑)
義人/山の庶民派的な神社だよな。村の人がお供え物とか風車とかが置いてあるような……言大さん、疲れましたか?
GM/「あまり使わない筋肉を使ったからな。……休みたいがここは座る場所が無いな」
義人/上着を地面にペイッとやります。
GM/「汚れてしまったぞ?」
義人/もう手遅れですね、どうぞ座ってください。
GM/「……失礼する。お前は座らないのか?」と、膝の上をぽんぽんと叩きます。
義人/膝の上に乗れってか? ……座るけど、なんだか……変じゃないですか?
GM/「そうなのか? でもお前の場所を私が奪ってしまっているだろう」
義人/……ちょっとこれは恥ずかしいので、隣に座ります。勢いで抜け出してしまいましたが、気分はどうですか。
GM/「……ここは空気からして違うな。見る景色もずっと高い……山を上ったのだから当然かもしれないが」
義人/山ですから。ずっと家の中で過ごしてきたんでしょう?
GM/「ああ。私は狭い景色しか見たことがなかった」
義人/俺も子供の頃は家の外に出られなかった人間です。だから……貴方がそういう顔をされていると、どうしても連れ出さなきゃならないという気になりまして。
GM/「既に私の気持ちを知っているということか」
義人/ええ。この世界に出て、俺の元の国もこんなに広くはありませんから。ここはとても良い景色だと思います。だから貴方にも見せてあげたかったのですよ」
GM/「ここが一番の景色ということかな?」
義人/そんなことはないと思いますよ。もっと沢山あるんじゃないでしょうか。まだ俺も見たことがない景色がいっぱいありますから。
GM/「もっと美しいところが……か」
義人/……俺の国には、もっと高い所から見下ろせる場所がいっぱいありますよ。富士山だって頑張れば登れます。
GM/「あそこは雲がかかってるんだぞ?」
義人/案外登れるらしいですよ。富士山ほどじゃなくても、何階建てもある建物がありますからね。五重塔なんてメじゃないですよ……寧ろあれは低い方です。
GM/「……ああ、私はそういう話が聞きたかったんだ。それが一番ワクワクする」
義人/俺にとっては普通の話です。……それで貴方の気が晴れるならいくらでも話しますよ。
GM/「……申し訳ないな。私はお前をワクワクさせることはできなそうだし。何か見返りになるものがあれば……」
義人/そうやってニコニコ笑って俺の話を聞いてくれているだけでいいです。
GM/「……うむ。今の言葉は……とても嬉しいと思ったぞ」
義人/……なに、このモダモダする感じは(笑)
GM/立ち上がります。「これから帰るときは、また違う道を通らないか新しい景色を見よう。義人、馬に乗ってくれ」
義人/うん? ひょいっと乗ります。
GM/言大さんは、馬の横を歩きます。
義人/乗らないんですか?
GM/「昔やってくれた人の真似事がしたいんだ。馬のたずなを引く。たったそれだけなんだがな」
義人/はあ……別に構いませんが。良い馬ですから暴れることもありませんし。
GM/「やはり……下の方の景色でも、私がいつも見ている景色とは、場所が変わっただけでも違えるものなんだな」
義人/そうですね。……今は冬です、花も咲いてはいませんから……春になれば違いますよ。
GM/「ここももう暫くすれば綺麗な花を咲かせるだろう。けど、そこまで……」黙ります。……壇ノ浦の合戦って3月なんだよね。
千晶/雪が溶けたら春になるのに……!
義人/は、春にならねー……。馬の上から手を伸ばして、頭をワシャワシャと撫でます。
GM/「わぁ、なんだなんだ? 髪が乱れるじゃないか……」
義人/春になったら花を見に歩きましょう。あとは、俺の国まで付いてきてくれるなら。
GM/「お前の国は花が綺麗か?」
義人/とても。異国の花が沢山咲いていますよ。
GM/「神泉園より美しい景色があるのかな」
義人/6月になれば鎌倉は紫陽花で有名な所ですから綺麗ですよ。俺の少ない知識ですけど面白いものはいっぱい提供できます。
GM/「全部が終わったら……鎌倉にでも行ってみるか。そうだ、楽しみにしよう」
義人/……貴方は見返りを与えられないと言いましたが、貴方自身で結構です。現物支給で、貴方と一緒に歩いて、花を見て、話してくれるだけで俺は随分気がラクになります。……ちょうど、未来への希望が消えかけていたところでしたから。
GM/その言葉にハッとする。「……その空いた穴を、名前を一つ増やすことで埋めてくれ。……私の名前は、時仁だ」
義人/……時仁……。そうだ、千晶と待ち合わせをしているんです。会っていきませんか?
GM/「千晶がいるのか! では行こう。……さっきの名前は他の人に教えないでくれよ。お前の心にあればいんだから」
義人/はい。……千晶が待っている場所に行きます。
GM/では千晶は道で義人を待っていると……あちらから、馬に乗った義人さんと、それを引く安徳天皇の姿が見えてくる。
千晶/あぁーっ!?(笑) す、凄いことになってる……でも打ち解けたのかな? 仲良くなったのかな?
GM/「千晶、久しぶりだな。元気にやってるかー」
千晶/お、お久しぶりです! 元気にやってますー。この槍、大切にしてますよー。
GM/「そうかそうか」ほんわかと、二人きりの空間になります。
義人/……も、もやっ。
千晶/……嫉妬しちゃってますか?(笑) 義人さん、顔が赤いですよ。
義人/風邪だ風邪!(笑)
GM/「義人。今日はありがとう。お前と一日を過ごせて良かった」
千晶/……何があったんだろ。これは旭人さんに報告しなきゃ(笑)
義人/報告すんな!(笑) あんなことしちゃったからもう招いてはもらえないかもしれないけど、また会えるのを楽しみにしています。
GM/「ああ。では私はこの辺で……」と、屋敷も近いのでそのまま一人で彼は去って行きます。
千晶/……安徳天皇、一人で帰って大丈夫かなぁ。
GM/心配しないでキャサリンと帰ってください。(キャサリンになって)「ちょっとところでアタシの話は聞いてた? 2人目の男の話をしてただけど!
千晶/判った聞く聞く!(笑) えー、3番目の男はちょっとチャラいんじゃないかな……。
GM/でもそこにね、4番目の男が病気だと知るのよ!
義人/ホントお前、スイーツ(藁)だな。馬が騒がしいのでそろそろ帰ります。
GM/(キャサリンになって)「10人目の男はね……船乗りだったの
千晶/海に出たぁ!?(笑)

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 → フラグ全2種類回収により、特別に≪愛情≫4点を獲得。安徳天皇と「恋人」関係となる。


    ◆

GM/旭人のシーンに行きます。
旭人/ションボリとしながら川辺の方に行きます。
義人/川辺決定なんだ(笑)
GM/じゃ、偶然川辺の方に行ってみたら居たってことで。……笛の音が聴こえてくるよ。
旭人/……なんだ、アンタか。
GM/演奏を止めます。「なんだとはご挨拶だな。前はこれを聴きに来たのではなかったのか」
旭人/……笛の音がしたから鉄弥が居るのかと思ったんだよ。
GM/「全然違うだろう」
旭人/判ってるけどさぁ! なんか探しちまったんだもん。
GM/「……座れ」。そう言うと敦盛は、笛をまた吹き始めます。その音色は……とても前衛的だ。
旭人/……頑張ってる?(笑)
GM/うん。まるで鉄弥が演奏するやつっぽい。ただ楽器自体が違うから、リコーダーで一生懸命オーケストラをイメージしてるようなおかしさを感じる。何を想ってそれを奏でているのかは察してください。
旭人/かわええ……ありがてえ(笑) すまない、気を遣わせたな。
GM/「……私は、鉄弥の代わりにはなれん」
旭人/判ってるよ。アンタはアンタだし、鉄弥は鉄弥だ。だから、失ったことがこんなにも悲しいんだろ……。
GM/「……鉄弥を可愛がっていたからな、お前は。私も、彼には好意的に思っていたから大変残念だ」
旭人/弟だしな。……死んじゃった人間の話をして楽しくなることなんてないけど、忘れたくないなぁ……。
GM/「…………」。旭人の顔をしっかりと見て、敦盛は口を開きます。「……お前は、もし鉄弥が蘇る手段があったら、手を取るか?」
旭人/……あ、どうしよう? ……迷うな。アイツに傍に居てほしいけど……アイツが望まななかったら、いい。
GM/「人の気持ちなんて判る訳が無かろう」
旭人/だからこそ俺は考えたい。アイツの気持ちを、相手を気持を……そうやって動きたい。
GM/「お前自身はどうなんだと訊いている。蘇らせるのがお前の権限にあったとしたら」
旭人/……居てくれたら嬉しいよ。だがそれが鉄弥が望まなかったなら、俺は何もしたくない。……凄い、いいこちゃんな回答をしたぞ。
GM/「……。良かった。もしそれで蘇らせたいと言っていたなら……お前を幻滅していた」
旭人/だよねー。……あっつんは蘇らせられた人っぽいから。旭人は知らないけどね!(笑)
GM/「……しかし、今の状況をもっと良いものにすることはできる。気持ちをラクにすること。そして、今現在の不幸を幸福に変えていく手段は、ある」
旭人/……それはなんつーか、前向きな気持ちになって頑張っていけばOKってこと?
GM/「もっと具体的なことを知っている。……願いが叶う手段があるぞ」
旭人/……まったまた、そんな敦盛さん! そんな夢みたいなこと!
GM/「完全に不可能なことは神が許さない限り出来ないが、可能性があるものならば叶う手段はある。ここはそんな世界だ」
旭人/なんか……変な世の中だな。
GM/「私もそう思う」
旭人/……ムリヤリ幸福になっていいのかな? それで幸せなのかな。
GM/ある人は言っていたぞ。……『自分の周囲だけが幸せになればそれだけで世界は幸福になれる』。
旭人/…………カイルさん!?(笑)
義人/ロリもよく言ってるなぁ(笑)
GM/「だってそうだろう? 私の知らない人間は私は知覚することはできない。つまり私の世界にはいないら。不特定多数の名前など言える訳がないのだから」
旭人/そりゃそうだけど……そうなのかぁ? 俺は不特定多数と遊んで不特定多数と別れていく人間だしなぁ。……俺は、叶えたい願いなんて無いよ。
GM/「私にはある」
旭人/マジで? ……そういえば「やらなきゃいけないことがある」って言ってたよな。
GM/「その願いの一つに……『苦しむ旭人の顔を解放する』ことを加えてやろう」
旭人/やろう?(笑) 上から目線だけど……ありがたいな。それってさ……別にそんな大層な願いでもないだろ。俺やお前の力で普通に出来ることだよね。
GM/「……もう一度確認する。お前は何か願いを叶えたいというという気持ちは無いのか? あるなら、私はその手段を教えよう」
旭人/えー……なんだろうねえ。楽しく遊べればそれでいいし、酒は今も飲んでるし。
GM/「遊びたいのなら悠久の金を用意するとかな、酒が飲みたいのなら最高の酒をその手にとか」
旭人/俺は安い酒が好きなんだよ!(笑)
GM/「……つまり、無いんだな?」
旭人/……あ、判った! お前の願いが知りたい! 俺が今一番知りたいのはそれだ!
GM/「……願いを叶う手段は、三種の神器を集めることだ」と、1億Dの話をします。さっきの例であげると、お金を稼ぐ判定に+10D6するとかそんな感じだね。「……お前は欲しくないんだな」
旭人/そんなには……。お前、1億Dを使って何をしたいの?
GM/……川を見ます。「汚いとは思わないか? 私は思う」
旭人/……どういう風に? 水質を改善するの? 敦盛が言っているのは水質の問題じゃないんですよね?
GM/「私は穢れている。この川と同じように」
旭人/…………。
GM/「そして私は、穢れでもある怨霊を消したい。もしお前が三種の神器を求めるということをしないのであれば、私はお前に興味がない」
旭人/残念、俺は興味がある!
GM/「……それは、私自身を見てくれるということか?」
旭人/そのつもりだけど。っていうか、今現時点でお前以外に見るもんあったかよ!
GM/「なら、慰め程度に付き合ってくれ。お前と時間を過ごすのは悪くはないと思う。有意義ではないがな……一度抱いておくか?」
旭人/だからさー……それでお前はいいの?
GM/「時間を潰すのに良い手段を得た。判っただけでも有意義な時間だ。そうでも思わせろ」……ナイチンゲール的な意味で。
千晶/夜啼き鳥……いぇーい。
義人/これもまた言ってしまったな、運命だ(笑)
千晶/運命達成おめでとう!? 多分、旭人さんは今回もコーラを浴びてきましたね(笑)
旭人/浴びてるよ!(敦盛の方を向いて)……ヤメとく。だって、そんなに安売りするもんじゃねえだろ、それ。
GM/「予想以上に堅実な男なんだな。……話は終わりだな。失礼しよう。今度はちゃんとした内容をまとめて来いよ」……感情値、上げていいよ。
旭人/なんか微妙だなぁ……感情値3ぐらいにしておきます。

    ◆

GM/次は千晶のシーンです。
千晶/給湯室にショボショボしながら行きます……。
GM/与一が先に待機して、千晶を見つけて近寄ってきてくれるよ。「ど、どうしたんだい。そんなションボリして……」
千晶/……与一、お茶を淹れてくれる?
GM/「ああっ、淹れるとも! ……何かあったの?」
千晶/僕の兄弟の……同い年の子がいたの、覚えてる?
GM/「あ、白石様……」
千晶/そう……鉄弥がね、鉄弥がね……うっ……この前の戦いで……。
GM/「……話は聞いてるよ」
千晶/……戦だから判っていたことだけど……戦とか、普段……人の死が間近に無い時代から来たから……なんかションボリしちゃって。
GM/「よしよしよし! 俺の胸でお泣き! 声上げて泣いてなかっただろ?」
千晶/う、うん……でも兄達にも慰めてもらったんだ……。
GM/「でもまだ悲しいんだろ? まずは声を出すことが一番の悲しさの解放の仕方だからね」
千晶/うう……与一の胸を借りてべそべそします。
GM/「大丈夫だよ。また彼には会える」
千晶/……なの?
GM/「ああ。今は苦しいかもしれないけど少し我慢すればすぐに会えるさ。まずは……これ以上悲しい想いをしないよう、今千晶が出来ることを頑張ればいいんだよ」
千晶/そうだね……まずは残りの兄達を死なないように守ることからかな。
GM/「……些細な偶然で色んなことが起きてしまうけど、近甲斐みたいなことになるのは少ないことなんだから」
千晶/……ありがと、気が楽になった。お茶も美味しかったよ。なんかお兄ちゃんがもう一人増えたみたいだなぁ。
GM/「それは嬉しいなぁ。でもお兄ちゃんだと気を遣わなきゃいけないんじゃないか?」
千晶/じゃあ……親友?
GM/「それならもうなってる」
千晶/……良かったー。
GM/「無理に笑えとは言わないよ。苦しくなったらおいで。時間が空いてるときでも、空いてなくても時間を作るから!
千晶/そ、それは嬉しいけど与一が大変だろー。
GM/「俺は少しぐらい平気だから。……あ、俺の本当の名前は宗高っていうんだけど、今度からそう呼んでくれてもいいから」
千晶/宗高……か。でも与一のままでもいいかな?
GM/「呼びやすいほうでいいよ。そうだ、武芸をやっているならウチの道場に来てみるといいよ。父が趣味でやっているだけだけど千晶みたいな好青年なら好きになるだろうし!」
千晶/わあ、与一のお父さん凄いね!
GM/「……笑ってきてくれたね」
千晶/うん、やっほーい気分も晴れてきたぞ。これからも良い茶汲みライバルでいてくださーい!

 ※ 【 千晶:与一フラグ(2)を入手 】
 → フラグ全2種類回収により、特別に≪友情≫4点を獲得。与一と「親友」関係となる。




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