迷宮キングダム ・ リプレイ ・ 夢魔炎上
■ 第1話『 虚ろなる闇を睡り醒ます様に 』 4ページ目 ■
3回目 2009年6月23日




 ★シーン5/最期の決選に向けて


GM/君達が戦いをやっている間も、本物の源義経はとある合戦、一ノ谷の戦いをしておりました。崖から馬で突撃したりと……。
義人/あー……義経ならやりそう(笑)
GM/義経は連勝を収め始めます。その半分は義人の功績ですね。……さて、現在の舞台は本拠地。頼朝と会見を行います。義人は義経としてではなく雑兵Aとしてその会議に参加してください。「兄上の姿を目に焼き付けておけよ」
義人/心得た。……頼朝は、そんなに怖い人なのか?
GM/…………
義人/……なんだその顔は。自分と同じ顔がそういう顔をしているとモヤモヤする!(笑)

 実際にリプレイでは伝わりずらいと思うが、想像していただきたい(笑)

GM/では、頼朝が真ん中に座り、その膝の上に政子が座っている。前に義経、軍師である弁慶。その周囲には多くの源氏の武将達が並びます。
旭人/凄い緊迫した風景なのに、何やってるの政子たん!(笑)
義人/……みなもとのロリとも(一同爆笑)
旭人/義人さん、だれうまー!?(笑)
GM/「我々はここまで戦役を上げてきました。平家も怨霊という邪道な手段を使ってでも抵抗できぬ今、我らの勝利が近いとも言えましょう」「この壇ノ浦の合戦にて、全てを終わらせる!」……『壇ノ浦』という言葉を聞いたら、どうなるかは予想がつくんじゃないかな。
旭人/ああ、すげえ……『このとき時代は動いた』みたいな?
義人/……既に動きっぱなしだがな(笑)
GM/君らは運命の歯車の一つになってるよ。……会議を終えた後、多くの武将達が去っていきます。本来なら頼朝と政子も去りますが、義経と兄弟同士の会話をするために残ります。義人と旭人に対しても弁慶が「そのまま待機を」と合図をします。
旭人/待っていよう。
義人/……随分利発なお嬢さんで。お子さんですか(一同笑)
GM/……頼朝が「政子。後ろに下がっておれ」
義人/これはご無礼を!(笑) 頭を下げておきます。
GM/「ほれ、そこの雑兵。私の鋏を磨いておけよ」……政子は去ります。
旭人/……政子、[処刑人]!?(笑)
GM/頼朝、頼朝の近しい側近、義経、弁慶、そして義人と旭人だけの空間です。義経が口を開きます。「彼らは……他の国から来ました。おそらく別の階から来たのだと。……兄上、是非とも、三種の神器が揃った暁には、【エレベーター】の権利だけは彼らに譲ってはもらえないでしょうか。彼らは我が軍の士気を上げ、戦にも多大に貢献してくれました」
義人/【エレベーター】……ですと?
GM/頼朝が「……奴らはどこまで知っておる?」と尋ねると「まったく」と義経が答える。
旭人/だよねー、俺ら全然聞いてないもんねー(笑)
GM/頼朝は黙ります。義経が「どうやら話せと言っているようだな」と察したのか、君達に向かいあいます。
義人/うん……。
GM/「おそらく……お前達の居た世界は、太陽があるのだから『最も上の階』のことをさしている」
義人/……どういうことだ?
GM/「我々源氏は深人の階から来た。平家の者は天界から来た。現在はこの階を奪い合い、我々は戦っている」
義人/東西で争っている……のではなく?
GM/イメージとしては、日本地図で、沖縄を上にして縦に見てください。京が平家で鎌倉が源氏だから……階層的には『平家こと天使が上』で、『源氏こと深人が下』になるから……。
旭人/あ……神話は九州から始まっているもんだから、地図を傾けたときに天界が上というのは凄く納得する! 天皇家は元々神々の子供なんだし……。
義人/なんとなく……感覚は掴めた。
GM/「だから、【エレベーター】を使用すれば上の階に戻れる。元の世界に戻れるのではないか」
旭人/なんかよく判らないけど、そんな便利なモンがあるんだ?
GM/「だがその【エレベーター】は……簡単に使えるものではない。元々天使と深人が行き来できるような世界ではないからな。……大きな移動ができる【エレベーター】は、三種の神器を使用してでも、一度きりしか使うことはできない」
旭人/三種の神器って……願い叶うことができるもんじゃないの?
GM/「三種の神器の効力は2つあるんだ。1つ目は、熊野の地にある強大な【エレベーター】の使用権。2つ目は、龍神の力を使用」
旭人/…………つっかもうぜ♪(笑)
GM/「お前達はよくそれを言うな」
義人/世代だもんなぁ……(笑)
GM/「では、似たような文化はあるということだな。龍神は……この地に仕える者達の、王たる存在だ。強大な力を持っている。三種の神器を持つ者は、龍神という世界の王としての力を使う権利があるんだ。……具体的に言うと、この世界中の≪民の声≫を持てる。つまり、1億D6の達成値を出せる
旭人/……ぶふっ!(笑)
義人/1億D6……!(笑)
GM/実際鎌倉時代前の日本って総人口が何人いるのか知らないんだけどさ。今回、それぐらい居ることにしちゃいます。
旭人/……絶対成功どころじゃなく、1億もサイコロがあったらどんな奇跡だって起こせるじゃん(笑)
GM/その使い方は[国王]のクラスである義人ならばよく知ってるね。≪民の声≫は、どんな判定でも使えるヒーローポイントです。1億D6分の≪民の声≫があれば、どんな判定でも成功させるし、達成値だって叩き出すことができる。例えば、ダメージを出すにも、交渉判定にだって1億D6を割り振ってもいい。
旭人/絶対に失敗しないじゃん!
GM/いや、判定だったら全部出目が「1」だったら絶対失敗だよ。ありえない話じゃない。
旭人/そうだとしたって……達成値だったら全部1でも1億じゃねえか!
GM/「……とにかく、我々が所望しているのは後者の方の力だ。【エレベーター】を使って天界まで支配をしに行くなんて欲張りなことはしない」
旭人/じゃあ……俺らが【エレベーター】を使っていいの?
GM/沈んだ、でも威圧感のある目をした頼朝が君達を見ます。「……今まで我々源氏に力を尽くしてくれたこと、有り難く思う。義経の名を上げてくれたのもお前達の力あってのことだ」
義人/いえ、義経様には大変良くしていただき……と頭を下げます。
GM/「我々は【エレベーター】の使用は全く考えてもおらん。だから褒美としてお前達にやってもいい。……三種の神器を全て集めることができたならばな」
義人/ありがとうございます。
GM/義経が君らの前に立つ。「……壇ノ浦にて、平家を滅亡させる。平家に勝つために今まで戦ってきた。そしてこれが最後の戦いになるぞ。……みんなで頑張ればなんとかなるんだ!」
旭人/だ、だよなぁ! 俺達だって家族のところに戻るためにも!
義人/俺達は家族で戻る為に戦ってきた。それは九郎もだろう?
GM/「ああ! 俺も兄上の為に戦っている。兄上の為ならどんなことでも……!」
義人/良い笑顔をしたな(笑)
旭人/ブラコンや(笑) ホントに頼朝兄ちゃん好きだな、ブラコンだな。
GM/「父上が亡くなったときから兄上の為に生きていくと決めた。それが俺の人生でもあるからな」
旭人/……弁ちゃん、嫉妬に狂ってませんか?(笑)
GM/(弁慶になって)「私はそんなキャラクターではありませんよ。……やるなら隠れてやっています」(一同爆笑)

    ◆

GM/千晶は平家の屋敷に帰って来ます。知盛に酒を注がれるシーンをやろうか……忠度達の葬式として。「消毒だ。浴びるように飲んでおけ」
千晶/僕は未成年だからお酒の経験無いですけど……飲みます。ゲホゲホ。
GM/「忠度も経正も、元々無い命だったんだ」
千晶/……お二人は、怨霊だったんですか。
GM/「源氏の軍隊で活躍してたんだから見たんだろ。……俺の父上である清盛は、怨念によって生き返った。あまりに情が強すぎた結果な。この地を支配したいという感情と戻って会いたい者への情が強すぎて……。死んでる場合じゃなかったんだろ」
千晶/うん……。
GM/「それ以後は自らの力を使って、配下の武将達を蘇らせ、自分の手足のように使ってきた。まあ、父上の力が溜まったら……また会えるんじゃないか」
千晶/……知盛さんは怨霊なんですか?
GM/「俺は普通の人間だよ」
千晶/……良かった。
GM/「だーけーどな。……こんな人間がいても、ぶっちゃけもう平家、おしまいだろ。こんなことをやってまで勝とうとしているんだし、もう何度も源氏に負けてるんだから」
千晶/……これ、源氏が勝つんですもんね。辞書引かなくても判っちゃう。
GM/「という訳だから、総攻撃をかけるとか父上は言っているが、逃げることも考えておけよ。俺はここで死ぬと思うけどな。一応武将だし」
千晶/……むう……。
GM/そこに、バタバタバタと雑な足音が。……安徳天皇が、その部屋に入って来る。
千晶/と、時仁さん……ど、どうしたんですか。
GM/下に座っている知盛を睨みつけ、怖い口調で言う。「お前、千晶に何をした。いや、お前らは一体何をした」
千晶/えっと……忠度のお葬式のためにお酒を……。
GM/「いいや、違うんだ。……確かにお前は……源氏へスパイに行っているとは聞いていたが……使いの者から知った。重役に、兄弟がいるそうだな」
千晶/……え?
GM/「血の繋がった本当の兄弟であるそうだな。……知り合いがいるとだけ聞いていたが、家族が源氏の重役だなんて……これから確実に争い合うことになるじゃないか」。知盛を睨みつけます。
千晶/あ、でも……。
GM/「それを仕組んだのは……忠度か? 本当の家族相手に戦える訳ないだろう!? それほど深い関係の者を斬れると思うか? 出来ないだろう?」
千晶/そう……ですよね。
GM/「知らなかったとすませることは出来ないだろうが、こんな苦しい想いをお前にやらせるなど……。スパイはもうやめろ!」
義人/……アントン、千晶がやってること知らなかったの?
GM/うん。忠度は、『源氏側に知り合いがいるからスパイができるよ』って教えたそうです。その時点でも安徳天皇は渋々了承したんだけど、もう一人のスパイである女性が『千晶の知り合いは実は……』というのを教えたらしく。「お前を苦しい目に遭わせてしまった。申し訳ないことをしてしまった……」と、頭を下げます。
千晶/その……。最初は違う世界に飛ばされて混乱していたんですけど、でも……。
GM/「もう亡くなった忠度の責めても何も解決しないのは判っている。だが、知盛、お前は知っていたのに黙っていたとは……!」。ひょいっと知盛は軽い足取りで去って行きます。
千晶/と、知盛……。まさか、『もうここに帰ってくるなよ』宣言される……?
GM/「……お前の家族は位が上の者だそうだな。きっと頭を下げればきっと……近しい家族ならばお前を匿ってくれるだろう。……お前の行きたいところに帰ってほしい」
千晶/でも、最初に時仁さんの役に立ちたいと思ったのは僕ですから……そんなに謝らないでください。
GM/「だが……辛い命令をしてしまったぞ。だからこそ……これからこれ以上傷を広げてほしくない」
千晶/じゃあ……もう会えなくなっちゃうんですか?
GM/「……お前が源氏につくならそうなるな。かと言って、私にはお前にここに居ろと命令することはできない。……出来るだろうが、したくはない」
千晶/時仁さん……。
GM/「……お前の苦しむことはしたくないんだよ」
千晶/……立って、時仁さんを、ぎゅっとします。
GM/……こちらも抱き返します。
千晶/……もう、向こうの方に帰りますから……一回だけ撫でてくれませんか。涙ながらに言います。
GM/「もう一度確認したい。お前は……源氏に行くんだな?」
千晶/……こくり。家族のところに帰ります。
GM/そのまま抱きしめたまま、耳元で囁やく。「……頭を撫でるだけでいいのか?」
千晶/う……じゃあ、こっちに来た最初に嫌な思い出したから、それ塗り替えてください。
GM/では、そのまま彼の場所までついて来て下さい。その部屋は……札などが貼ってある気味が悪い場所です。
千晶/……なんだろう、この部屋。
GM/「繋がることでお前を穢してしまうかもしれないが、それでも……私はお前を求めたい。お前から言ってくれてありがとう。私からも言わせてもらう。愛しているぞ」
千晶/……。
GM/「だが、この言葉でお前の事を縛りたくない。これからお前は去っていくのだから……」
千晶/でも僕も好きです。
GM/「絶対に苦しめることになるが。今だけでもラクにしていてほしい」
千晶/はい……。
GM/「愛を語らっているときに苦しみなど味わいたくはないだろう?」……そのときに衣服をはだけたときに、腕に細い鎖が巻かれている。
千晶/これは……?
GM/「私が、愛する心を持てる人間でいられる証だ」
千晶/これ無くなると……。ぎゅーってします。ずっとずっと人間ですよ。
GM/「変わってしまうかもしれないが……今はそのことも考えないでほしい」……それでも君は源氏の元に戻ります。平家のスパイはやめることになりますが……屋敷の外にまで出迎えることはできませんけど、最後に、一言。「草薙剣はもう我が手にあるようなものだ。だから……源氏が三種の神器を手に入れるためには、平家を滅ぼさない限り……」
千晶/わ、判りました……。ぺこりと頭を下げます。この槍……ありがとうございました。
GM/「お前の武運を祈っている。必ず生き残れ。私は……違う国にいったとしても、違う命になったとしても、お前を見守ろう」最後に口付けて「それでは行ってこい」
千晶/もう一度ぎゅっとしてから行きます。ありがとうございました……!

    ◆

GM/壇ノ浦の水辺へやって来ると、敦盛が海を見ています。けど、鉄弥が来たのを察知して振り向き、近くに寄って来ます。「確認したいことがある」
鉄弥/な、なんでしょう……?
GM/「お前は、三種の神器の力を知っているよな?」
鉄弥/は、はい。三つ全部集めたら俺達は帰れる……と。
GM/「ああ、帰れる。だからお前は集めてほしい。そして、お前の手に三種の神器を集めてほしいんだ」
鉄弥/それは……仲間を裏切ることになってもですか?
GM/「仲間? ……誰のことだ? 私は、お前に、集めてろと言ったんだ。集めれば自然とお前は帰ることができる。それは約束しよう」
鉄弥/三種の神器を集めることはします。でも……それを貴方のところに持って行くということまでは……まだ考えてないです。
GM/「ああ、私の元に持ってこいとは言わん。お前の手に集めるだけでいい」
鉄弥/俺の手に……?
GM/「この鎖は、陰陽術を習っている者ならすぐに判るだろうが……簡単に言ってしまえば、封印だ。……封印しなければならないほどの恐ろしい相手が、外をうろついていていいと思うか?」
鉄弥/……本当は、あってはならないことだと思います。
GM/「その正義感を忘れるな。お前のその正義感を持って、三種の神器を手にしたとき……何をすればいいか判るだろ? それにここまで……繋がった仲なのだからな。私の心も判ってくれるよな?」
鉄弥/…………。これもう、イヤだ!(一同笑)
GM/「さて、こんなところで笛の練習も良いが、もっと良い音色を奏でてはくれないか」(一同爆笑)
千晶/ナイチンゲール的な意味でですね!(笑)
鉄弥/は、はい……貴方が望むなら……。


 ★シーン6/家族会議


GM/今回は本物の源義経が出撃するため、義人は一兵士として戦闘に参加します。……ではこれから出陣する前に、4人集合のシーンを立てましょう。
義人/家族会議集合ー。……なんだ弟達、二人とも元気が無いな(笑)
旭人/心なしか腰が痛そうなんだが。馬でも乗ったか?
鉄弥/多少、激しい馬に(一同爆笑)
旭人/ところで家長の義人さん、ここで重大なお知らせがあるそうで。
義人/我々がこれからどこに向かっているか判るな? 壇ノ浦だが、ここが何を意味することかぐらい知っているだろう?
鉄弥/まあ……一応、知識としては。
義人/源氏と平家の最終決戦で、有名所では安徳天皇が入水するという歴史上超重要なエピソードがあったり、与一がパーンとしたりする。……この戦いに勝てば、俺達の戦いも終わりだ。
旭人/……でもって先方から重要な情報、その2!
義人/三種の神器についての速報です。……義経から、三種の神器を集めると元の世界に戻れることと、数億単位の≪民の声≫が使えることを教えてもらいました。
旭人/スッゴイよなぁ。今回、お慈悲で【エレベーター】を使えることになったらしいんだよ。いやあ、源氏サマサマだよなぁ!
義人/いやぁ、協力した甲斐があった。お互いの利害は奪い合わない、良い約束だと思うぞ。
鉄弥/はい……。1億民が……表情が曇るな。
義人/勾玉を千晶に、鏡を鉄弥に預けよう。……一人も欠けることなく、全員で元の世界に戻ろうという俺の意志でもある。大事に持っていてくれ。


 ★第3回/王国フェイズ


 < 王国フェイズ /旭人→【厩】>
旭人/ラストバトルだ、厩に行って今度こそ成功させる!(ころころ)7……失敗です。
千晶/今日もキャサリンにシッポで顔をペシンてされた!(笑)
義人/……協調行動をしようか。……メガネを投げ捨てて、馬よ、旭人のいうことを聞け!(一同爆笑)
旭人/これで達成値は11になるから……成功した!
GM/ということで、義人の方にブルブル行きます。
義人/懐いた懐いた。……あれぇ?(笑)

 < 王国フェイズ /鉄弥→【天文館】 >
 判定を成功させ、【星の欠片】を5つ入手する。

 < 王国フェイズ /千晶→アイテムを作る>
 【お弁当】を作る。【鍋】と【肉】を使用し、1個完成させる。

 <道中表/2>
 義人が振り、「2」が出る。道中の時間が愛を育み、旭人→鉄弥、鉄弥→義人、千晶→義経、義人→旭人に≪好意≫が1点上昇させる。


 ★第3回/迷宮フェイズ


●<1クォーター目>
 義人→部屋を才覚で失敗。【マルチタスク】で再行動するが、2回目も失敗。
 千晶→部屋を探索で失敗。
 旭人→部屋を探索で失敗。
 鉄弥→部屋を探索で失敗……。

GM/トラップ発動します。トラップ名「大爆発」……宮廷全員は1D6ダメージを受けてください。また、ランダムでアイテムが破壊されます。
鉄弥/ええっ!?
千晶/……これ、【神の指】使います! 『宮廷の誰かがトラップの対象になったときに使用できる。トラップの効果を無効にする』ものです!
GM/難易度は12だね。……アイテムが4つ壊れるよりはいいんじゃね。
千晶/≪民の声≫と【勅命】で3Dで振れます。(ころころ)15で成功、大丈夫です! GM、初っ端でヒドイものを……!(笑)


●<2クォーター目>
千晶/応急処置程度の部屋のトラップを、改めて解除!
GM/探索で難易度は9です。
千晶/(ころころ)……ふ、ファンブった!
GM/トラップ「大爆発」解除に失敗したら、ランダムにアイテムを1個指定してそこにあるアイテムが破壊されるので……千晶のスロットの中が壊れます。
千晶/「1」の槍だけは破壊したくない……(ころころ)【お弁当】が無くなりました!
旭人/【お弁当】ならもう1個あるから大丈夫だ! 槍じゃなかっただけ良いと思おう!(笑)
義人/お弁当という尊い犠牲を払ってトラップが消滅しました……。

 義人→通路を才覚で成功。トラップ「落とし穴」を発見し、解除。追加で、武勇休憩表「11」が出る。怪物がいた痕跡を発見するが、判定に失敗し、何者か判らずじまいになった。
 旭人→魅力休憩表で「7」が出る。誰かと目が遭いそうになるが、判定に失敗し、何事もなく終わる。
 鉄弥→スキル【星占い】を使用。判定に成功し、B3のマップがトラップ数0、モンスター数0だということが判明。


●<3クォーター目>
 & 自由時間選択D

 千晶→部屋を探索で失敗。
 < 自由時間選択/千晶→「義経」を選択>

千晶/準備をしている義経さんのところに行ってみたいと思います。また給仕係でお茶を持って……あ、そうだ、お菓子を持って行くって言ったんだ。
GM/馬の世話や武器の手入れに励んでいる武士達を激励するのもリーダーの務めのようですね。そんな風に表に出ている義経の元へ、千晶がトトトとやって来ます。
千晶/義経さーん。
GM/「あ、ちーたん。よく来たなー」
千晶/ちーたんって呼ばれてる(笑) これ、お茶とお菓子です。どうぞ。
GM/がっしもっぐと食べますよ。
千晶/豪快だなぁ。鞄の中に入っていたカロリーメイトで。
GM/「……歯に詰まる! これは……芋か? なんか凄く喉に詰まるな、げふげふ……」
千晶/これは現代の非常食なんですけど……お茶で流し込んでください。
GM/「こんなものを常日頃から食べているのか?」
千晶/常にというか……朝ご飯を食べる時間がないでも栄養だけは摂らなきゃってときに食べるもんです。一日過ごすにあたって必要な食事の半分ぐらいは今補いましたから頑張れますよ!
GM/「このような便利な物……普通に市場に行けば売っているのか?」
千晶/そうですね、現代では。
GM/「……行ってみたいな。いや、でも……うん、そちらの国に行ったら兄上の手伝いができなくなるな」
千晶/お兄ちゃん大好きですね、本当に。
GM/「ああ、大好きだぞ。尊敬している。家族は兄上しかいないからな。千晶だってそうだろう、家族の為になんとかやりたいと思って義人に下についているんだろ?」
千晶/そうです……と言いながら、ショボーン。
GM/「ん? ……あ、そうか。お前と義人は……あまり良くない話だったな」
千晶/いえ、大丈夫です。
GM/「いや……家族の為に頑張るのは良いことではないか」
千晶/……でも僕、義人さんのことお兄ちゃんって呼んだことないんですよ。
GM/「俺だって、兄上から弟と思われていることはないぞ」
千晶/うー……。
GM/「傍に居ることさえ叶わないからな。兄上の為にと言ってはいるが……本当に力になっているかどうかは……。まあ、結果が全てだ。そのために今戦っているんだ」
千晶/……そうですね。頑張ってください。
GM/「お前も同じ兄の為に、お互い頑張ろう。それに最近元気な顔を見せてはくれないが、茶を持ってくるのに笑顔で持ってきた方が嬉しいんだぞ」
千晶/はい、わかりました。
GM/「あ、俺のことは九郎って呼んでくれていいからな。――じゃあ、平家を倒しに行こう!」
千晶/…………はい。

 ※ 【 千晶:義経フラグ(2)を入手 】

    ◆

 旭人→探索休憩表で「2」を出す。アイテムのレベルが1上がるもので、旭人の【甲冑】防御力が2になった。
 < 自由時間選択/旭人→「敦盛」を選択>

旭人/水辺に行きます。
鉄弥/もうそこは決定なんだ!(笑)
GM/では、海辺なので武器の手入れを怠らぬよう磨いている敦盛がいます。
旭人/隣いいか? ……お前、鉄弥となんかあるの?
GM/「……そうだな、何かはあるぞ」
旭人/何かあって笑っていればいいんだけどさ……鉄弥、最近暗い顔しかしないんだよ。
GM/「そんなに私のコトを想ってくれているんだな、嬉しいなあ」
旭人/……俺は鉄弥の兄みたいなもんだから。アイツに何かあったら、覚えておけよ。
GM/「私は鉄弥を愛しているぞ。鉄弥は私にとって配下のようなものだ。だから言う事を聞かせている」
旭人/愛している……? 配下ってことは、駒と同じだろ? 鉄弥はそれで満足しているのか?
GM/「満足しているから私の傍に居てくれてるんだろう。愛しているからこれまで執念してるんだよ」
旭人/≪不信≫1上げまーす!(笑) お前……歪んでるよ、それ。
GM/「お前だって執念している奴がいるから、そうして頑張っているんだろう」
旭人/でも……俺は、義人を縛ったりなんかしない。俺はアイツの為に何かしたいから動いているんであって、アイツを犠牲にしてまで他の何かなんていらない! そんなの間違ってる!
GM/「私は、鉄弥が傷付くことをしているのかもしれないが、私自身は傷つけさせたいと思ってやっているのではないぞ。結果そうなってしまうのなら仕方ない」
旭人/仕方ないで諦めていいものなのか……。お前にとって鉄弥って、そんな程度のものなのか。
GM/「だから何度も言っているではないか、愛していると。確かめたければ本人に確認を取ってみるがいい」

 自由時間ではNPCのフラグが回収できるシステムだったが、今回は旭人には義人、敦盛には鉄弥の『恋人』関係のキャラクターがいる上、≪敵意≫を演出したシーンのためフラグは入手できないものとした。

    ◆

 鉄弥→部屋を才覚で失敗。
 < 自由時間選択/鉄弥→「弁慶」を選択 >

GM/では弁慶とのシーン。鉄弥の元に弁慶がやって来ます。「音楽について、ある程度は学んではいきました」
鉄弥/ほ、本当ですか……!
GM/「うるさくないところに行きましょう」と、とある場所に。「離れた場所に貴方の演奏しているような曲は記録には残っていませんからね。これは貴方にひっついて聞いた方が良いと思いまして」
鉄弥/それは仕方ないことかもしれませんね。
GM/「それでは……昔やっていただけなので練習もしていないのですが」と横笛を……。
鉄弥/とても……良い曲ですね。
GM/吹き終えます。その音色が、どこかで聞いたことのあるものだと思えたかな。「……本当に子供の頃に習ってからやっていませんでした。武蔵坊弁慶を名乗る前ですね」
鉄弥/子供のころに習っていたんですね、意外です。
GM/「そうですか? ……もうアナタには教えてもいいかもしれませんね」
鉄弥/はい?
GM/「私の本当の名前を、です。ワタシは、西白(にし)と申します」
鉄弥/な、名前きた!(笑) ニシ……ですか? 方角の?
GM/そう、東西の西白。「……折角です、貴方の呼び方も教えてくれると嬉しいのですが。なんとお呼びすればいいですか?」
鉄弥/普通に呼ばれているのはテッチャンとか……てっちんとか……呼び捨てとか。
GM/……テッチャンと呼ぶのはとても気が引ける(一同笑) では、鉄弥とお呼びしていいですか」
鉄弥/ああ……はい。他の人がいるところではその名で呼ぶのはマズイですよね。
GM/「呼んでくださっても構いませんが。呼ばせないだけですし。ひとまず教えたのですから貴方に呼んでもらいたいんです」
鉄弥/今後……また機会があったら。
GM/「……ところで、このことは言いましたっけ? 私は、熊野出身なんですよ」
鉄弥/熊野って……【エレベーター】があるところ……。そうなんですか。
GM/「ですから、後々言っておきたいと思いましたんですけど、ご招待することも可能です。あと……敦盛も喜んでくれますよ」
鉄弥/え、敦盛さんが……何故ですか?
GM/「熊野は中立なんですよ。だから源氏だろうが平家だろうがそこの生まれであってもおかしくない。……それに」
鉄弥/それに? なんでしょう?
GM/「……敦盛が教えるとは思いませんからね。敦盛と仲良くしているようですし。私が話してなんら損は無いでしょう」
鉄弥/なにを……。
GM/「私は敦盛のおじです」
鉄弥/け……血縁関係!?
義人/……甥っ子!?
GM/「あの子は教えてないでしょうけど、そこまで仲良くなれたんだから教えておいて損は無い筈です。なんでも聞いてくれて結構ですよ」

 ※ 【 鉄弥:弁慶フラグ(2)を入手 】

    ◆

 義人→部屋を才覚で失敗。【マルチタスク】で再度部屋を才覚で判定し、成功。トラップ「釣り天井」を発見し、旭人が解除。
 < 自由時間選択/義人→「与一」を選択>

GM/義人は旭人どこいったと思いつつ、食事を摂ります。……そこで、与一にバッタリ。
義人/ああ……この間は。
GM/「今は……古川様でよろしいのですか? ご一緒しても構いません?」と、地べたにちょこんと座ります。
義人/与一可愛いな(笑) もふもふと食べます。
GM/もぐもぐ。「……ふ、古川様は今後、壇ノ浦の合戦で我が軍が勝利したら……元の国に戻られてしまうのですか?」。途切れ途切れに言います。
義人/最初からそのつもりでそうしたいと思っているが……何か不都合があるか?
GM/「いえ……貴方を慕う三剣様や江神様……白石様はとても武芸に長けた素晴らしい方ではないですか」
義人/その通りだな。にっこり笑います。
GM/「とても尊敬してますし、我が軍でも彼らに憧れを抱く者も増えております。ですから……今後とも義経様の元で活躍なさるのは考えておりませんか?」。平家との決戦は終わるけど、今後も彼らは戦っていくんだからね。
義人/……今まで俺達が過ごしていたのは平和な世界だったし、それぞれ向こうの世界でやりたいこともあるだろうから、俺は全員で帰るつもりでいた。だが……彼らがどうかまでは、俺は判り兼ねる。
GM/「帰るのを止めはしません、私にはそんな権限もありませんし……。ですが、是非とも義経様の元にいてほしいと思っているのは、私以外にもおります」真っ直ぐと目を見て言います。
義人/……その気持ちは大変ありがたく思う。もしあいつらの中に残りたいという人間がいるならば俺は止めないし……だが、俺はみんなで帰りたい……」ぶわっ!(笑)
GM/ぶわっ!? あわわ……よしよし!「そ、そうだ。家族の絵はありませんか?」
義人/……写メ。
GM/「……えっ!?
義人/電池が残り1個だからすぐに切る(笑) 元の世界にあるものなんだ。
GM/「あ、ああ……外の世界にある……? とても羨ましい……母、父です」と絵姿を見せる。
義人/これが君の家族か。
GM/「自分は、大きくなりたいと思います。そのためにも私は良い武将の下で働きたくも思います。義経様もとても良い武将ですが、貴方も、尊敬しております!」
義人/よ、与一に犬のシッポが見える!(笑)
GM/「とても良い家族ですので、ラクな暮らしをさせてあげたいとも思いますし。それに……いえ」詰まります。
義人/言いたいことがあるなら……。
GM/「いえいえ、こんな楽しい空間で言うほどのことではありません。それに、深いところまで話しても良いでしょうか……」
旭人/……楽しくない話なんだな?
義人/これは交渉判定で押し通す感じだな。〔魅力〕で(ころころ)……俺はクリティかったぞー!(笑) そこまで信頼してくれている人間を無碍に扱う気はない。どんどんゲロれ!
GM/「……私は、家族を守りたいと思っています。それは……今源氏についていますけれども、源氏が全てだとは思いません」
義人/……わお、革新的な考えをお持ちの人だ!(笑)
GM/苦々しい顔をしながら「義経様や頼朝様につくのは、今だけの考えだと思ってます。それに……頼朝様や北条政子様は、恐ろしい」
義人/……同意同意!(笑)
GM/「力もあれば、気迫もある。あのような方々が龍神の力を持つのはどうなると恐怖しか考えられない」
義人/……確かにあまり暖かみを感じる人ではなかったが。
旭人/……そっか。我々帰ることしか考えてなくて、この世界のことを何一つ考えてなかったからな。
GM/「こ、こんなことを言ってしまって申し訳ない!」
義人/……これは俺の心に留めておく。九郎のような……緩いけれど暖かい心の持ち主が龍神の力を持てばこの国もよくなるとは思う。それはできないのか? 政治システム的に。
GM/「……政子様が快く思わないでしょう。」
旭人/……まあ、自分の手にあるものをわざわざ弟君にくれてやるっていうのもナイよね。普通、世継ぎが生まれたら真っ先に弟を殺すものなのに。
GM/「今は義経様は活躍なさってますから……。それに嫌な噂も聞いています。政子様が……後白河法皇に……義経に位を……いや、あくまでも噂ですが!」
義人/義経に位? そ、そうなるとどういう……?
GM/「……。むきゃー! もう勘弁して下さい! ごちそうさまでしたー!
義人/クリティカルなのに!? 位を授けるとどうなるのー!?(笑) 与一ー! 沢庵を残しているぞー!
千晶/お残しは許しませんでー!」(一同笑)

 ※ 【 義人:与一フラグ(2)を入手 】
 本来なら「フラグ(2)」まで入手出来れば本名を教えるイベントが発生するが、義人が旭人と『恋人』関係であることからGMは必要性を感じなかったため描写しないことにした。
 ……忘れてたとか言っちゃいけない。



●<4クォーター目>
 義人→通路を才覚で成功。特に何も無し。【マルチタスク】で再行動し、武勇休憩表で「8」が出る。千晶と軽い口論をしてしまい、お互い≪敵意≫が1点上昇する。
 千晶→【お弁当】を作成、判定に成功し、1個完成させる。
 旭人→才覚休憩表で「9」が出る。たまには料理をしてみるかと旭人が腕をふるった結果、思いのほか美味しい出来栄え。≪民の声≫が1点上昇する。
 鉄弥→探索休憩表で「8」が出る。壁の壁画が【エレベータ】のような気がしたが、判定に失敗したため、見つけることはできなかった。


●<5クォーター目>
 義人→部屋を才覚で成功。トラップは特に無し。また、探索休憩表で「11」を出す。迷宮のほころびを見つけるが、判定に失敗し、何事もなく終わる。
 千晶→通路を探索で成功。トラップ「難所」を発見。≪希望≫や≪民の声≫を使いながら全員成功。
 旭人→武勇休憩表で「8」を出す。ちょっとした行き違いから、敦盛と喧嘩をする旭人。
 鉄弥→才覚休憩表で「7」を出す。配下がお茶を出してくれたということで、千晶と与一が競って茶を出してくれた。


●<6クォーター目>
 義人→部屋を才覚で成功。トラップ「ミミック」を発見。千晶が解除成功。二つに分かれた通路のうち、左側の通路を才覚で成功。トラップ「坂道」を発見。坂道を登って次の部屋に行くのに1クォーターかかることに。
 千晶→二つに分かれた通路のうち、右側の通路を探索で成功。トラップ「無限回廊」を発見。
 旭人→魅力休憩表で「5」が出る。義人とこっそり二人で抜け出して良い雰囲気になり、≪好意≫が上昇。
 鉄弥→魅力休憩表で「4」が出る。無意識にぬくもりを求め、みんなから≪HP≫と≪気力≫を回復してもらう。。


●<7&8クォーター目>
 千晶→通路を探索で失敗。
 義人→部屋を才覚で成功。トラップ「大爆発」を発見。千晶が解除成功。再行動では、通路を才覚で成功。トラップは特に無し。
 旭人→探索休憩表で「5」が出る。モンスターが、魔獣2体、天使4体いることが発覚する。
 鉄弥→武勇休憩表で「5」が出る。部屋のすみに隠れていた怪物に襲いかかられるが、なんとか追い払い、≪民の声≫を1点獲得する。


●<9クォーター目>
 千晶→【お弁当】を使用。その際にスキル【迷宮全席】を使用し、成功させる。
 義人→才覚休憩表で「5」を出す。青い顔をして震えている与一を見かけ、判定に成功させ慰め、≪民の声≫を2点回復する。

義人/与一……またお前か(笑) お前はこの戦いで歴史に名を残す素晴らしい功績を上げる!
GM/そろそろ獲得チェックをしていいですか!」(一同笑)
旭人/バッカヤロ! 義人は俺の歌姫だ!(一同爆笑)

 旭人→才覚休憩表で「4」が出る。旭人は好きなものの夢を見た。

旭人/よし、義人との小さい頃の夢を見よう! まだ手を引いてもらっていた頃、コケたところを助けてくれたんだ。
千晶/その頃はまだ旭人さんの方が小さかったんですね。
義人/「なんだお前、まだ遊戯王なんかやっているのか」
旭人/「だって今流行っていて、でもデッキ弱いから負けちゃうんだよ!」
義人/「俺が使っていたブルーワイズをやる」
旭人/ホントに!? 兄ちゃん、コレいいの!?」(笑)
鉄弥/……しあわせです。これは幸せそうです(笑)

 鉄弥→魅力休憩表で「11」が出る。ランダムエンカウントで[メイクィーン]が現れるが、取引は失敗してしまう。
 義人→魅力休憩表で「8」が出る。寝ているところを鉄弥が毛布をかけてくれたことで鉄弥への≪好意≫が1点上昇する。

    ◆

GM/最終決戦前なのでイベントが発生します。――義人と旭人が武器準備をしていると、九郎がやって来ます。「ああ、ハリキっているようだな。……これから戦いが始まる。今回の戦いで平家との確執が終わる。お前の活躍を、本当に俺は期待しているからな!」
旭人/この合戦の後……壇ノ浦の後の義経ってどうなってたっけ……。お兄さんに追われて……あれ?
義人/千晶、電子辞書を貸してくれ。
GM/じゃあ、『源義経』の項目を読みますね。

 『源義経』
 平安末期の武将。平氏を一ノ谷、屋島、壇ノ浦に破った。
 しかし頼朝に許可なく検非違使・左衛門尉に任官したことから不和となり、藤原秀衡に身を寄せるが、その後、衣川の館に自殺。薄命の英雄として伝説化される。


旭人/検非違使の……要は天皇から位をあげるって政子ちゃんが唆してるっていう情報は……
義人/……与一から貰っている!
旭人/『そろそろアイツも目障りになってきたし……消すか』って? 兄ちゃんの為になるぜって言ってるコイツを見て……心が痛む……!
GM/電子辞書の中身など知らない彼は、「よし頑張るぞ」と意気込んでいます。
旭人/な、なあ義経……。こ、この戦いに終わったら、俺達の世界に来ないか?
GM/「……カロリーメイト?」
旭人/カロリーメイト以外も食えるんだぞ。ウィダーインゼリーとか!
GM/宇井侘院是璃?(笑) 凄く進んだ兵糧か……しかし一度行ったら帰ることは無理なんだよな」
旭人/俺はこの世界で良くしてもらえたし、もしお前が向こうの世界に行っても絶対良くする。
GM/「……と、とりあえずこれは戦が終わってから決めるもんだと思うんだ」
旭人/その通りだな。考えておいてくれよ。でもさ、武将じゃなくて今度は九郎としての人生を送ってもいいんじゃないか?
GM/……葛藤する顔をする。「変に惑わせないでくれ」と言って去って行きます。

    ◆

GM/次に、鉄弥のシーン。敦盛がくいっと鉄弥を呼びます。
鉄弥/黙ってついて行きます。
GM/バッと腕を引いて口付けます。「最近は体調も大丈夫だな。……私なりにお前を気遣っているんだぞ」
鉄弥/斜め上から目線(笑) まず驚きますけど……大きな戦もあることですし、気を付けますよ。
GM/「まず第一に、死ぬな。死なれては困るんだ……愛しい人に去られては心苦しい。大いにな」
鉄弥/それは、本心と受け取っていいんですよね……?
GM/「お前を愛しているのには代わりないよ。だから……生きて帰ってきて……私のために」
鉄弥/……はい。
GM/「どうかオレのことを愛しく想っておくれ」
鉄弥/……ええ……。
義人/…………鉄弥が愛に疲れた男の顔をしていたよ(笑)

    ◆

GM/最後に千晶。残念ながら君を慰めに来る人はここには居ません。
千晶/ここに来る訳にはいかないですもんね。槍を磨きながらキュッキュ……。
GM/貴方は頭の斜に思い出します。この後……確か義人が言うには、彼は入水するんだな……。……そこに。
千晶/そこに?
GM/女の人が近くまで来て、手紙を何気なく袖の下に入れた。
千晶/……宛名は?
GM/彼女が書いたようですけど、一番最初にこう書いてあります。『貴方の大切な人からの言伝です』
千晶/……ぺらっ。
GM/女性の字ですが、彼の言葉でしょう。『西の浜で待っている』と書かれている。
千晶/……時仁さん……。
GM/この合戦が終わった後……君は何か事があるんだろうか、思った。


●<10クォーター目>
GM/それでは、決戦です。――海の前にて、源氏と平家が睨み合います。舟の上に平家側がいて、一人の女性が前に出て……すっと扇を立てる。
旭人/これは、噂に聞く……!
GM/よく知られている……中学の国語で習ったことがあるシーンだ。義経が腕を上げ、与一に出ろと言う。その結果は貴方達も知っている通り……綺麗な音を発して、真中を射て、扇が落ちる。
旭人/『そして、時の声……』。
義人/時の声って一節、あったよな(笑)
GM/パチパチと響く拍手の音。「いやあ、見事」……と、公達のような格好をしている少年が現れる。
千晶/あれが、蘇った清盛……。
GM/「このような素晴らしい機会を設けたのだから、きっと素晴らしい死に様を見せてくれることであろう。では始めようか。決戦の時を!」武将達が叫びだし、決戦の音が鳴り響き、兵士達が突撃した。
鉄弥/火蓋は切って落とされた……。
GM/そこにふっと武将が現れる……鎧を着た、周囲を圧倒するほどの迫力を持った、知盛が。「我らの花を咲かせようか……」と舞うようにして刀を持ち、そのまま【飛行】。まるで飛んでいるかのように素早い動きで貴方達に襲いかかります。

 魔獣の2体と、天使2体と、知盛と清盛。
 イニシアチブは源氏側の勝利。ザッと4人は動き出した。
 義人は【怪物学】で魔獣2体が[魔獣レベル5:バンダースナッチ]だということを発覚させ、千晶と旭人が颯爽とオーバーキルさせる。
 その後、平家の天使2体が前進し、1体目が千晶に攻撃をしかけるが回避され、2体目は旭人に3点ダメージを与える。
 旭人は【武勲】を清盛に設定。不敵に笑う知盛は前衛に前進し、鉄弥に攻撃するが、旭人に庇われる。
 そうして清盛は【命の砂時計】を使用し、源氏側全員へ1D6……3点のダメージを与えた。

 2ターン目は、ヤル気の源氏側の勝利。
 義人の【怪物学】で、モブ天使2体が[天使レベル3:風船ペンギン]であることが発覚。千晶が攻撃するが、回避されてしまう。しかしすぐに旭人が攻撃し、2体とも誘爆した。
 知盛が同じ後衛のマスにいた鉄弥・千晶・旭人に【羽ばたき】で全体攻撃を行う。尚且つ、全員に命中したため【鬼神の一撃】が発動。〔武勇〕難易度10に成功しないと配下が1D6人減少する攻撃に、3人はなんとか成功。平家側の壮絶な猛攻撃に持ち応える。
 清盛は【命の砂時計】で全員の5のダメージ。旭人は鉄弥に庇ってダメージを軽減させた。

 3ターン目のイニシアチブは、源氏側の勝利。
 義人は【抗魔式】を成功させ、14レベルの清盛が使う【命の砂時計】を封じる。
 千晶は前衛に一歩動き、知盛へ攻撃するが……。


GM/知盛、達成値9の攻撃なら避けます。「……本気でかかってこいよ。もう勝負は見えてるだろ?」
千晶/あ、諦めてる……ここで死ぬ気だ……!

 鉄弥は全体回復。それを見越してか、即座に知盛が【羽ばたき】を使用。鉄弥と旭人だけへのダメージだったが、旭人が鉄弥を庇うことで最小限にダメージを押し留めた。
 清盛は1マス前進し、千晶を攻撃するが、これも旭人が庇い、鉄弥の【祈り】+義人の【勅命】でなんとか生き残った。

 4ターン目のイニシアチブは、源氏の勝利。
 義人は≪配下≫を2人削って≪民の声≫を使い、知盛の【羽ばたき】を封じる。
 千晶は知盛を攻撃するが、ミス。旭人も知盛に攻撃しダメージを与える。休む暇なく鉄弥は旭人を回復する。
 知盛は鉄弥を攻撃するがそれも旭人が庇い、清盛の攻撃は千晶が【足止め】で打ち止めた。

 5ターン目のイニシアチブは平家側にとられる。
 知盛は鉄弥を集中砲火。旭人が庇い、勅命付きの割込回復。死にかけのところをまさかの6点マイナスでギリギリ生き残ることができた。
 義人は清盛を【怪物学】で成功させ、相手が[天使レベル14:死告天使]であることを判明させる。
 旭人と千晶は清盛に総攻撃をしかけ始めた。

 続く6ターン目は、源氏側の勝利。
 義人は【怪物学】を知盛に成功させ、「天使レベル13:ジャブジャブ鳥」相応であることを判明させる。
 旭人は清盛に攻撃し……。


GM/……清盛、倒れます。
鉄弥/……やった!
GM/頭領が倒れたのを見た知盛は、海に剣を捨てる。
旭人/おおっ?
GM/「見るべき程の事をば見つ。今はただ自害せん」……後ろから倒れるように海かへ……沈みます。
千晶/と、知盛を助けたい! まだ未行動状態なんで助けに行きます!
GM/でも元々ここで死ぬ人物だからなぁ……難易度は高めにしとくよ?
千晶/〔探索〕で≪希望≫と≪民の声≫を使って……(ころころ)24です!
GM/……そりゃ高ぇな(笑) いきなり他の三人としては千晶が飛び込んで行った。
義人/何をしてるんだ、千晶!? そんなに必死そうにするならばうっかり【勅命】を出しちゃったけど!(笑)
旭人/ち、千晶、大丈夫か! 千晶ごと知盛を引き上げます。
GM/一方、清盛が倒され、勝利を確信した源氏軍達はこの戦闘は終結に向かっている。それに周囲の怨霊達は……白骨化し、どんどんし灰になって、海に沈んでいくよ……。
鉄弥/うわ、みんな……?
義人/勝敗は既に結した! 武勲は我らにあり!
GM/――ではここで、千晶はキラリと黄色に光るものを持っている舟を発見します。西側の浜の方角に……見覚えのある姿が。
千晶/……時仁さんですか?
旭人/あっ……草薙剣!
GM/千晶は、ニイの尼と共に舟の上にいる安徳天皇と目が遭う。他の人も彼が何者か判るね、とても偉い身分だということは。
鉄弥/明らかに他の人と違う身分……。
旭人/そこのお方、悪いが剣を渡してもらおうか! ……千晶、知っている人なのか?
千晶/……助けてもらった人です。
旭人/では……弟の命の恩人に手を上げることは心苦しい! 大人しく渡してくれれば御身に傷は付けない!
GM/……旭人の声を聞きながらも千晶を見る安徳天皇。隣の女性が話しかけます。
鉄弥/……あっ、あれって……。
GM/「君は前世の修行によって天子としてお生まれになられましたが、悪縁に引かれ、御運はもはや尽きてしまわれました。この世は辛くいとわしいところですから……極楽浄土へお連れ申します」
千晶/だ……ダメダメダメ! ダメです!
GM/……時仁は、千晶を見つめます。……確認ですけど、千晶は安徳天皇に対しての感情値は「4」ですね?
千晶/……告白したので『恋人』の4です。
GM/では……ニイの尼の発言に、安徳天皇は首を振ります。
千晶/時仁さん! この世界がダメなら、こっちに来ればいいんです! 一緒に行きませんか!
GM/草薙剣を持っているのは安徳天皇です。ニイの尼が止めようとしますが、あくまで彼を守る立場の彼女は彼に乱暴なことはしない。でも言います。「……波の下にも、都はございます」
旭人/……天上にも都がある! 天使というならば、上に還るのが相当であろう。それを決める権利は……貴方様にも無い筈だ!
千晶/俺は……時仁さんと一緒にいたいです。
GM/「…………私だって一緒にいたい! それが、許される世界なのか」
千晶/あっちは殆ど身分も何も無いですけど、みんな幸せに暮らしてますよ! みんな平等な世界です!
GM/「…………」。時仁は、ニイの尼の方を振り返ります。「……私は都には行けない。私は……千晶と共に行きたい。彼は、私の隣にいてくれる人だ。だから……これからも共に歩きたい」
千晶/…………。
GM/ニイの尼の腕を放つ。それを判ったニイの尼は、手を合わせて……舟から飛び降ります。
旭人/……ああっ!
鉄弥/それもなんか……なんというか、あう……。
GM/ただ一人、舟の上で黄色の剣を持った彼がいます。「千晶にこの剣を授けよう。……私と共に生きてくれるのだから……」
千晶/……はいっ。すっごい笑顔になります。
GM/そのとき。バザーッと水が立つ! そして、鉄弥の隣に現れる影。
旭人/……出た!(笑)
GM/影は、見間違えることなく敦盛の姿をしており……でも、水の中から現れたというのに服は濡れていない。
義人/……まるで妖怪じゃないか!
旭人/お前、何なんだ……人間か!?
GM/「天皇陛下と同じさ。さあ、こんなに近くに三種の神器がある……。鉄弥、判っているな?」
旭人/敦盛、鉄弥を唆すんじゃない! 俺達はみんなで帰るんだ!
GM/「そう、みんなで帰ってもらうんだ……それはどうでもいい。愛する人を遠くにやることはとても心苦しいが、やってもらわなければならぬことがある!」
鉄弥/あ……ええ……?
GM/「鉄弥、お前の正義を見せるときが来たぞ。まだ灰になれぬ怨霊を断ち切れ! 私が愛するお前になら出来るはずだ!」
旭人/……お前の愛など、信じられるかっ。
GM/「それは鉄弥が決める。……私のこと、愛しているんだろう?」
鉄弥/あ、あああ……どうしたら……。
千晶/て、鉄弥くん……?
義人/鉄弥……お前の正直な気持ちを言ってみろ。
GM/「戯言を応えるな、私を愛しているだろう? 私に従うのではないのか?」
鉄弥/……ええ、愛してます……けど。
旭人/鉄弥、本当に愛していると思ってるのか? コイツの愛なんて道具程度にしか考えて……!
GM/「黙ってもらおうか。今、彼の言葉を訊いているんだ」
鉄弥/でも……やっぱり! 家族を裏切るなんて……俺には無理です! 鏡を取り出して、千晶に渡します。
千晶/受け取ります。
鉄弥/……貴方が自分も消えようとしていることは聞きました。でも……今までお世話になった人が消えてしまうのは……俺には耐えられないです。
GM/「……怨霊はこの世に元々いるべきではない。私も、あの人も……」と言って、天皇の方を見ます。
千晶/睨みつけます!
GM/「元はもう死んだ身だ。それが無理矢理生きているのだぞ? 天地の理に反しているとは思わないか?」
鉄弥/ええ……それは……そうだと思います。でも……彼にガシッと抱きしめて、自分から口付けます。
GM/口付けられます。
鉄弥/貴方との夢は、今ここで……終わりにします。
GM/「それは、私を断ち切るということか」
鉄弥/……ええ。
GM/「私の手から離れるということか」
鉄弥/……はい。
GM/「もう、私など愛していないということか」
鉄弥/いえ……愛してます。だからこそです。
GM/「……そのうち癌となって、この星を滅ぼしていくぞ」……敦盛は、ガッと自分の体に巻かれた鎖を切る。すると……とても醜悪な形へ姿を変えていきます。
義人/うわっ……。
GM/「このような姿でももう一度尋ねよう。こんな私と共に来られるのか?」
千晶/誘われてる……。
鉄弥/みんなで帰るのが目的なんだけど……。
義人/それは……あくまで俺の目的だ。
鉄弥/そうですね……。俺は、敦盛さんといっしょに行きます。
GM/…………ここで、敦盛についていく……のでいいの?
鉄弥/はい。
GM/では、敦盛は鉄弥を抱きしめて……姿を消します。
旭人/鉄弥、待っ……!
GM/まるで水の中に消えていくように……二人は、元から居なかったかのように静かに消えてしまいました……。


 ★エンディング

「よくぞやってくれた」
 頼朝と政子が、源氏側の生き残りの兵士達に言葉を送っていた。
「本当にありがとう。お前達の活躍があってこそだ!」
 義経も喜びの言葉を向けてきた。
 嬉しそうな言葉も、心まで届くことはなく響くのみ――。


GM/エンディングシーンにいきます。……まず最初に義人と旭人。
義人/……沈んだ面持ちで言葉を受けます。
GM/「我々源氏は勝利した、これからは兄上の天下だ! 熊野へその神器を持って行けば、お前達は帰ることができるぞ! もっと喜んでいいんだぞ!」
義人/九郎……。
GM/「あ……そうか、鉄弥は……。彼が戦死してしまったのは残念だったと思うが、これで……お前らの願いは叶うんだ。彼の分まで元の世界に戻って……良い家族と共に生きてほしい」
義人/首を振る。……俺の願いは一生叶わない。俺の願いは、4人で帰ることだったから。
GM/沈痛な面持ちでそれを受け止めます。「……俺が今、笑っていられるのは……兄上と義姉上が無事に生き残れたからだな。二人がいなければこんなに喜べないだろう。浅さかな事を言った」
義人/いや。……頼朝はいますよね。
GM/いるよ。
義人/頼朝に向かって言います。……私には失ったものが大きすぎる。弟を失って心を痛めない兄がおりましょうか。
GM/……頼朝は、冷たい眼差しのまま無言でその言葉を受け止めます。政子も「そうですね、とても悲しいことでしょう」と、いけしゃあしゃあと言います。
旭人/そういえば政子様、喜ばしい情報が耳に入っておりましたね。……どうやら後白河法皇に義経殿の位を頂こうとしているとか。どのような位を授けるつもりでございましょう?
GM/「……なんのことです? そんなことを皆の前で言わないでくださいませ」
旭人/ああ、すみません……確定情報だと思いましたので。とある筋から聞きました。誤解があったのならば謝ります。……これでみんなに政子が暗躍してるっぽいってことを伝えるぞ。
GM/「まあ、大変なことを流しているのですね。もう信用ならない輩も沢山居るということでしょうか。……でも頼朝様。今は皆と勝利を分かち合いましょう。これからのことは頼朝様が全て決めることですわ」
旭人/……そうですか。出過ぎた真似を致しました。
義人/……頼朝殿。政子殿の言う通り、今は喜びを分かち合うことが大事。……信頼ならない相手がいるというのも確かですが、義経殿は骨身を削って貴方に尽くした。その彼を裏切るようなことがあれば、俺も……貴方には刃を向けます。
旭人/……我々は貴方に仕えているのではない。義経様に仕えているのです。
GM/それを聞いて政子は、「我らが悪いように聞こえるではないでしょうか。無礼な……とても不快になりました」と、去っていきます。頼朝と政子は退場します。
千晶/プンプンされちゃった(笑)
義人/……まずは九郎に、頭を下げます(笑) すまない、お前の立場を悪くするようなことを。
GM/「あ、ああ……だが、個人的には凄く嬉しい言葉だったぞ。そこまで考えていてくれてたんだな?」
旭人/そして……未来から来た者として一つ忠告がある。頼朝が……さっき言ったようにお前を追い詰める。兄に裏切られ……。
GM/「言うな」
旭人/…………。
GM/「判ってる。ある程度のことは判ってるさ。……俺は、兄上の為になりたかったんだよ。これからもそれは変わらない」
旭人/……本当にいいのか。戦は終わったんだぞ。もう充分……働いたじゃないか。
GM/「これから天下を、これから国を作っていくんだぞ」
旭人/……そんな体で何を言う!?
GM/「この体が出来る限り……兄上の為になりたかったんだ! それは、病弱な床の中でずっと考えていたことなんだ。変えることなんて俺にはできない!」
旭人/……もう頼朝公は力を得た。お前の働きは……もう終わったんじゃないか?
GM/……では、義経に対して感情値は4点ありますか。
旭人/……無いな!(笑)
義人/っていうか俺、1点も持ってねえ!(笑)
GM/では……。「そういえば前にお前達の暮らしていた国に行くのも考えるとか言ったが、あの時、訊かれた時点で答えは出ていたんだ。俺は……兄上の為に死にたい。それが俺の願いだ」
旭人/裏切られて……地に這うことになってもか。
GM/「それでも……兄上にはこんなダメな弟がいたって記憶に残るだろう? たとえ、嫌な弟だったとしても兄上が俺のことを想ってくれるんだから、それでいいんだ……」
旭人/……お前は本当に馬鹿だよ……我々も、そんなお前を記憶に留めることにする。一人の武将ではなく、友として。……こんな馬鹿な義経がいたってことをさ。歴史家のみんなは判らんだろうが、馬鹿で明るくて……こんだけ兄ちゃんのことを好きな弟なんて、そうはいないさ。
GM/「元々4人で帰ることが夢だったと言うが、3人でも出来る夢だ
。新しい夢はいくらでも築き上げることができる。だから……元あった夢を作り直してくれ」
義人/……わかった。ありがとう。お前は、後の世でも有名な、尊敬される武将になる男だ。
GM/「その尊敬される功績を作ったのは、お前自身だぞ」
義人/いいや、お前の力だ。
旭人/そうそう、お前が拾ってくれなかったらこうならなかったんだからさ。あの時拾ってくれたの、九郎だろ? ……あくまでも三種の神器は義経にあげたいな。きっと兄ちゃんに渡しちゃうんだろうけど。
GM/「……弁慶、熊野へ連絡を! 最期の時まで友を送るぞ!」「承知致しました」――そうして、君達は熊野に向かうのでした。

    ◆

GM/安徳天皇もとい時仁さんは、髪型をグシャグシャにして服装も変えました。「頼みがあるんだが、千晶」
千晶/なに?
GM/ナイフを持たせて、「……顔に傷を付けてくれないか」
千晶/……え……。
GM/「人相を変えるためにも自分で傷つけるのもいいが、どうせなら……お前刻み込んでほしい」
千晶/ば……バカ! ピアスの穴を空けてくれみたいなもんか!(笑) ……眼の下辺りに付けます。
GM/顔の柔らかい肌だから、相当な技術が無い限り、傷が残ります。こうしておけば、『顔に傷がある男』ってNPC表現をするときに言うキャラになったよ(一同笑)
旭人/人間はホクロや絆創膏のような一点に集中するものがあると全体の顔を覚えていないからね。
千晶/すぐに止血しますよ! 今頃……神器の使い道は兄達が決めていると思います。
GM/「お前も、それでいいんだよな?」
千晶/うん。……一緒に帰るんだからね!
GM/「……願いはこの国の民を使うことではなく、帰ることだからな……。私の願いは、私の体にお前の記憶をずっと刻み続けていくことだ」
千晶/……うん。
GM/「お前の世界がどんなところか知らないが、全部教えてくれるんだろう?」
千晶/まかせといて!
GM/「またお前の話を聞ける日々が来るのは嬉しい。これから……どうかよろしく頼むぞ」――にっこり笑って、君と帰る時間を待ち続けます。きっと君達は無事熊野に辿り着き……帰ることができたでしょう。

    ◆

GM/最後に、鉄弥のシーン。……そこはどこなのかは判らないけど、とある砂浜だった。
鉄弥/海……?
GM/周りには兵士の死体も無ければ、物が見える訳でもない。……ホントに、ここはどこなんだろう?
鉄弥/人もいないんですか? 隣には……?
GM/彼がいますね……敦盛が。「ああ……ここには何も無い。それでもいっしょにここに居てくれるか?」
鉄弥/……貴方とならどこまでも。
GM/「……どうして、私をそこまで好いてくれる?」
鉄弥/さあ、どうしてでしょうね……。
GM/「私は、お前を利用しているのだぞ」
鉄弥/利用されていると判っていても……やはりこの気持ちは変えられませんから。
GM/「…………ああ」
鉄弥/はい?
GM/「ああ……ああ、とてもお前のことが愛おしい。私の愛情表現はこのような形でしかないが、それでも、私を永遠としてくれ」
鉄弥/……はい。はにかんで笑います。
GM/「私の願いは……本当に救われることだった……出来るなら、お前達のしこりを全て除いてな……だが、こんなに嬉しいことはない……」
鉄弥/……救われたでしょう? これからも俺が傍にいて、貴方のことを助けますから。
GM/「では教えてくれ。今度はお前が喜ぶ方法を……。これから考えていくがいい……永遠の時がここにはあるのだからな」

 そこで鉄弥は意識が途切れそうになる。
 きっと、3人は元の世界に戻っただろう。
 新しい人を連れて、4人で元の世界に。
 意識を失っていく中、なんとなく、他の3人のことを思った。
 …………きっと無事なんだろう、と。


鉄弥/……ちょっとだけ、現代の風景が愛おしく思えます。
GM/少しだけ切ない顔をしながら敦盛が……鉄弥を抱きしめます。「もう何も考えなくていい……。考えるのは……オレのことだけにしろ」
鉄弥/……そこで初めて、敦盛でなく、幸成さんと呼びます。
GM/その瞬間、世界が真っ白になる。

 君は……そのまま消えていく……ところで。
 『足音』が聞こえた。


鉄弥/え、足音……?
GM/……気がつくと、周りには幸成がいない。
鉄弥/……辺りをキョロキョロと見渡します!
GM/そこには……ひとり、女の子が立っていて、君に話しかけてくる。
鉄弥/……女の子?
GM/「貴方は満足?」
鉄弥/満足……って、何が……?
GM/「この結末に満足できるの?」
鉄弥/……えっと、貴方は……。
旭人/…………あの、これって……私達のよく知ってるお方ですよね……?(笑)
義人/えーと、まさか……?(笑)
GM/「私は、龍の聖剣と呼ばれている者。貴方達が望むのであれば、新しいことをしてあげるわ!」(と言って、プレイヤー4人にある紙を渡す

「迷宮キングダム」BLキャンペーン『夢魔炎上』企画書2
 このキャンペーンをループシナリオとし、「リトライ」ルールを使用する。

●記憶を喪失したままプレイすること。ただし「シナリオ中の、ある一定の条件」を得たPCは一定の時間内だけの記憶復活プレイを楽しむことができる(継続して記憶を持ち続けることができるとは限らない)。
●1セッション終わるごとに、レベルが1上昇する従来通りの成長を行う。
●「ダンジョン:源平合戦(1〜3回までのダンジョンの総集編)」を攻略する。探索中、1クォーターに1回ずつ<自由時間>が設けられる。
●ダンジョンごとに今までのシナリオが設けられている。
●リトライし続けた分だけ、敵のレベルも上昇する(PCのレベルに合わせたレベルのものが出現する)。マンネリ解消には努める。
●ゴールは、「プレイヤーが飽きるまで」。


旭人&義人/ろりぃーっ!?(一同爆笑)
旭人/この人って、私達がよく知ってるツインテールロリのお方ですよね!?(笑)
GM/ええ。金色の髪の、ゴシックロリータの服装をした幼女です。
千晶/わ、わわ……お会いできて嬉しいです! わーい!(笑)

 龍の聖剣。
 マーサーGMの『ジャンル:ロリループ』の代表的NPC。
 刃物っぽい6歳のゴスロリ幼女で、神が決定した運命から、世界が誤ったルートを辿ってしまった不幸な人々の修正役を受け持っている。
 システム的な話でいうと、「GMが用意したシナリオから外れ、PLがションボリしているところを助けてやるメタ視点のNPC」である。
 彼女が差し伸べる手を取ると、セッションをリトライすることができる。


GM/「貴方に方法を授けるわ。この世界を変える4人が、本当に望むのであれば、私はこの運命を変えるだけの力を貸してあげる。……救いたい人はいない? ま、別にいなければいいんだけどね。貴方達は貴方達の時間があるから」……具体的に言うとセッション時間という。
義人/プレイヤー的にな!(笑)
旭人/いやあ、並行世界で4回ぐらい会ったことがある気がする!(笑)
GM/……まあ、ぶっちゃけロリが話し始めますが、このエンディング……『第1ループ』では、義経はお兄ちゃん大好きだから神器をお兄ちゃんに渡します。その結果、頼朝は最強の王となり、義経は頼朝に殺されてしまうでしょう。
旭人/だよなー……史実通りになっちゃうよな。
GM/あと、知盛を助けましたが盲目的に頼朝に仕える義経がそれを許す訳がありません。すぐに知盛は討ち首にされるね。
千晶/折角救ったのにー……(笑)
GM/という訳で……もう一度同じ世界をループしてやり直してみる? 強制はしないけど。
鉄弥/やりたいですっ!
GM/同意してくれたのでロリは鉄弥の頭をロリロリと撫でます。「頑張ってね。本当に幸せを勝ち取るのは、貴方だから」
鉄弥/はいっ。
GM/頷くと、ロリィーという声とともに君はウズマキに引かれていく……。
鉄弥/あーれー(笑)
GM/そして、君の居る場所は……。



to be continue...