アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 楽園失格 』 2ページ ■
2015年9月26日




 ●ミドルフェイズ1/たたら&甘奈&たかし&十矢 〜オカ研準備!〜

GM/文化祭の準備を始めていこうか。最初の2人は誰がする?
たかし/たかし、やりたい!
甘奈/じゃあ、あたしもやります〜。
GM/たかしくんと甘奈ちゃん、AF判定をしていきましょう。今回は「1つのシーンで2人で達成値を合計する」という特別ルールだから気を付けてね。
みくに/特技の説明を見ながらじゃないと、AF判定の難易度減少に使う演出を考えるのが難しいですね……。
GM/ルールブックに掲載されている説明以外でも、広い意味で特技を使って演出してくれたOKだよ。プレイヤーが自由にシーンを演出して判定を成功させちゃうのが『AW』の魅力であり醍醐味なので、好き勝手やってみてね!

『AF判定:文化祭の準備』
 ・使用能力値:【体力】
 ・難易度:150
 ・ラウンド制限:なし★

※「明日の文化祭の準備を行なう」演出に成功すること。
※このAF判定は、キャラクター2人1組で行なう。シーンプレイヤーを2人選抜し、2人分の特技を使って難易度減少をすることができる。この判定には、NPC1の双葉も参戦してよいものとする。
★1ラウンド以内に判定に成功した場合、特別イベントが発生する。


たかし/教室をお化け屋敷の会場っぽく飾りつけをしよう! ≪プロパゲイト:単一化≫で文化祭準備に集中! たたら先輩にばかり任せていられないしね。地獄みたいに怖い部屋にしよう、≪ヘル≫使用!
GM/≪ヘル≫なら確かに地獄っぽい部屋が作れるな(笑)
甘奈/自分ももっと考えなきゃ。≪強化手術:意志≫と≪耐久力上昇・MP≫で、高い意志力を使います。あたしも怖いと思ったものをどんどん集めて教室に投げ入れていくよー! ≪投擲≫+≪射法訓≫!
たかし/お化け屋敷の王道っていったらコンニャクだよね。高い【反射】を生かして攻撃する≪インドラ≫で、通路に人が通ったらコンニャクがポトッと落ちる仕掛けを作ります。
GM/【反射基本値】分ダメージがアップする特技だからOKかな(笑) そのコンニャクは今から買いに行くの?
甘奈/コンニャクなら必要だと思って既に買ってきてあります。≪未来視≫で!
たかし/これでいっぱい≪グロウカリバー≫でコンニャク連射ができるぞー! あ、おれがお化けの格好をして≪インビジブルマン≫で神出鬼没に現れて驚かすのはどうかな? ≪強化手術:反射≫を駆使して、まるで2人いるように見せたら怖いかな……という≪デュプリケイト≫!
GM/めっちゃ反復横飛びが得意なのかな?(笑)
甘奈/なるほど、そこであたしが≪無の射撃≫で怖いところを狙い撃ちする(笑) 人の恐怖ってどういう風に演出すればいいだろうって、≪弱点把握≫で考えますね。さらに恐怖を演出するために考えましょう!
たかし/真の怖さは、たたら先輩のお友達が来てからだ。おれ達は前座だよ(笑) 今のうちにおれもたたら先輩のお友達にお願いしますって言ってくるよ、≪偽神契約≫で。
たたら/先にご挨拶をされてた(笑)
たかし/当日お世話になります〜って誰も居ない方向に話しておく(笑) もし壊れている備品があったらおれが直すね、≪リストーン≫で。甘奈ちゃん、おれの≪ソウルデバイス≫持ってて。今から作業するから!
GM/たかしくんの≪ソウルデバイス≫の形状って何?
たかし/ビー玉です。それをヨーヨーの中にカチッと入れるスキルウェポンです。
甘奈/まるで特撮の変身グッズのようだ(笑) 何か壊れてる物あったかなーって思ったら≪女神のいたずら≫で偶然にも発見できた! ラッキー、これも直して!
たかし/うん、判った〜!
甘奈/あと、弓道部から≪矢止めの胸当て≫を借りてきたよ。
たかし/これに怖い演出をして仮装するんだね? あ、この胸当て、ちょっと壊しちゃった……失敗。
甘奈/ぎ、≪逆転運命≫!(笑) 振り直して!
GM/2人で作業していたら特技を20個使いました。20×2で、難易度が40減って……『現在難易度:110』になります。
甘奈/≪女神のいたずら≫で【幸運】判定に変更してから振りますよ。(ころころ)達成値15です。
たかし/頑張ろう、せーの!(ころころ)達成値11だ。
たたら/……ここで令呪を使っちゃってもいいんじゃない?
たかし/≪偽神契約≫で令呪の回復手段があるし使うのもアリだよ! 誰の令呪を使う?
たたら/ここは……2人とも令呪使用で!
甘奈/おお、大盤振る舞いだ!(笑)
GM/それだと35+31で、『現在難易度:110分の66』。たかしくんと甘奈ちゃんは教室のセッティングをしてくれました。
みくに/おおぉ〜、一気に成功しましたね。うまくいけば余裕で1ラウンドで終わるかも……!
GM/一方その頃、たたら先輩と十矢くんの方は……?
十矢/よーし、任せろー! たたら先輩に重い物を持たせちゃいけないな。≪怪力無双≫を使って木材とかをよいしょよいしょと運びます。
GM/おお、男前。
十矢/でも木材で壁にガリッと≪聖印≫を付けちゃいます。
たかし/≪聖印≫を!?(一同爆笑)
甘奈/ただの傷じゃん!?(笑)
十矢/十字で聖印ぽいからいいんです。
GM/……いや! 学校! 教室! よくないよ!(笑)
十矢/よくないか。そっか、≪情報隠蔽≫しよう。ポスターぺたり。
みくに/傷を隠した!?(笑)
十矢/≪防圧警報≫で壁のダメージを減らしておきます。たたら先輩、後輩が隠蔽しましたけど何かしますか?
たたら/な、何かって……(笑)
十矢/愛しの後輩が隠蔽をしましたけど何かしますか?
GM/「愛しの」って自分で言うな!(一同爆笑)
たたら/……≪完視≫で壁の傷に気付きます!(笑)
十矢/あ、気付かれた! こりゃ≪ダメージ上昇≫で≪負の空間≫になっちゃうな。
甘奈/なんか気まずい状況になっちゃった!?(笑)
十矢/そんなオレは≪凶々しき武器≫です。
みくに/何がっ!?(一同笑)
十矢/部室さえも傷付けてしまう罪作りな≪凶々しき武器≫なのです。
たたら/そ、その≪凶々しき武器≫を≪霊的神経≫でいいかんじにカモフラージュできるように考えたいなぁ……(笑) あとは、学校中の幽霊を集めたいかな?
十矢/それならたたら先輩が集めてきた幽霊達がオレの≪影の軍勢≫です。影がウヨウヨいっぱいいるんです。その影を纏うことでオレは≪闇の衣≫が使えるようになるんですよ。
たたら/なるほどー。……あれ、十矢くんの≪闇の衣≫があるなら暗幕はいらない?
十矢/暗幕を買っちゃたオレは≪悔改めよ≫するしかないっすね。
たたら/大丈夫だよ、暗幕なら飾りつけにも使えるし!(笑) ≪視えない腕≫で高いところでも飾りつけるよー。……あっ、うっかり≪蒼の衝撃≫が発動して破いてしまった!
十矢/その結果を消して≪リライト≫して!
たたら/そうね、≪鎮静剤≫で落ち着いて作業しよう! 鎮まりたまえ〜って≪電波受信≫でそう思いつきました! えーと、あとは……。
十矢/たたら先輩、≪マイヒーロー≫ならここにいますよ。
GM/自己申告制!?(一同爆笑) 2人で特技を20個使ったので難易度が40減ります。『現在難易度:70分の66』です。……つまり、2人で4以上出れば成功です。
みくに/おー、余裕だ!
GM/そこでファンブルとファンブルを出すんだ。
十矢/そうなったら消して≪リライト≫して! オレは≪怪力無双≫を使って判定します。(ころころ)達成値14です。
たたら/(ころころ)よし、達成値13だ!
GM/おめでとうございます。『現在難易度:70分の93』で、達成値が難易度を上回ったためAF判定が成功しました。たたら先輩が「鎮まりたまえ〜」と言っているところで文化祭準備が終わりました。
たかし/なんか鎮まったねー(笑)
甘奈/あっという間に終わりましたね。令呪の力って強いー!


 ●ミドルフェイズ2/みくに 〜約束〜

GM/一方その頃。みくにちゃんは双葉くんは一緒に行動をします。描写的には他のメンバーと一緒に作業をしてますが、2人でのシーンになります。

『AF判定:双葉と共に過ごす』
 ・使用能力値:【幸運】
 ・難易度:25
 ・ラウンド制限:1ラウンド

※「文化祭準備期間中、双葉と共に時間を過ごす」演出に成功すること。
※このAF判定は1ラウンド終了後に消滅する。


みくに/たたら先輩が作ってくれたオカ研のポスターを貼りに行きたいです。双葉ちゃん、一緒に行こう!
GM/ポスター貼りか。双葉はみんなに「みくにと2人で貼ってきまーす」と声を掛けて教室を出て行きます。
たかし/いってらっしゃーい!
みくに/まず最初に……≪限定回復・MP≫で気合を「頑張るぞー!」と入れます!
GM/「みくに、これやるよ」 ポカリスエットを渡します。
みくに/こ、これは≪興奮剤≫相当のポカリスエット!(笑) 水分補給を終えたところで、≪全方位視覚≫でどの辺に貼ったらいいか校内中を探します。
GM/(双葉になって)「まずは1階かな? お客さんが入ってくるのが1階だしな」
みくに/うん、1階の階段に貼りに行こう! ≪自然の糸≫でシャッシャッ! これぞ嵯峨乃家秘蔵の糸!
たかし/か、カッコイイ! ニンジャだ!(笑)
GM/……嵯峨乃家って忍者なの?
みくに/みくにが忍者になりたいだけですっ!(笑)
GM/「あのな、忍者ってちゃんと就活すればなれるらしいぜ。資格も必要だから頑張れよ」 ……[イレギュラー]の双葉は≪ネゴシエイト≫でみくにちゃんを宥めます。
みくに/双葉ちゃんありがとう! ……あ、ケータイを教室に忘れたかも? ≪超越感覚≫でケータイを探します。≪覚醒具≫という猫のストラップが付いたケータイを!
GM/わざわざ超能力で探すんだ(笑) そういやみくにちゃんの『ライフパス/重要キーワード』が「ねこ」だったね。
みくに/とりあえずポスター貼りを終わらせないとね。ペタペタとポスターを貼っていると……双葉ちゃんが階段でコケました!
GM/「俺がコケた!」(笑)
たたら/双葉ちゃんはドジっ子!(笑)
みくに/危ない! ≪念動障壁≫でカバーします! ちょっと擦りむいているかもしれないので≪肉体復元≫で……なでなでします。
GM/なでなでされたー。「あ、ありがとう……これぐらいどうってことないよ」
みくに/小さな怪我もなんとかのモトだよ。
甘奈/なんとかの……モト? 日本語が不自由だなぁ(笑)
みくに/あとはー、見晴らしの良い3階に来て、窓から色んなところを見たりしてー……≪空間知識≫で貼る場所を考えます。……ポスターを貼っていたら生徒会役員さんが「こんちゃーす」ってやって来て、忙しそうにしているのを見つけます。そんなお疲れの役員さんにこっそり≪大地の勅命≫を使っておきます(笑)
GM/手助けしてくれた(笑) これでみくにちゃんは特技を10個使ったので、難易度が20減ります。『現在難易度:5』ですよ。
みくに/そろそろ判定いきまーす。(ころころ)お、達成値13でした。
GM/『現在難易度:5分の13』で、AF判定成功です。
みくに/やったね双葉ちゃん、終わったよ! 余裕に終わらせるのが一番だよー。
GM/しかも生徒会役員さんのお手伝いもしてくれたっぽいよ、余裕で終わったね。……みくにが人の支援や協力がうまいことは、双葉も知っているので何にも文句を言いませんよ。今の時間は15時ぐらい。オカ研の準備はほぼ完了したけど他の部活は「うわー、難易度150がクリアーできねー!」と嘆いている部も多々あります。
甘奈/難易度150にクリアーできなかったら当日までバタバタしてるやつだ……(笑)
GM/既に難易度150をクリアーした部活では、「作業が終わったら自由に下校していいんだって!」「ちょっと早めに終わったからどっかで遊んで帰ろうよ!」と話し合っている子もいる。……3階から見る学校は、賑やかだ。校庭にテントを出したり、慌てて作業をしたり、笑っていたりする。
たかし/なんか、良いねー。
GM/双葉も夕焼けでも賑やかな学校を見て、「明日は良い天気になりそうだな」と呟きます。
みくに/明日は良い文化祭になりそうだね。
GM/「文化祭日和だといいな。……授業が無いのって素晴らしいな」
みくに/うん、そうだね!(笑)
GM/「このメンバーで過ごす文化祭も最後か。文化祭が終わったらたたら先輩は受験勉強で大変になるだろうし、俺達だってすぐにテストシーズンに……文化祭、ずっと続けばいいのにな」
みくに/テストのことは言っちゃダメだって〜(笑) それに期間が限られているから楽しいんだと思うよ。毎日文化祭だったら疲れちゃうって。
GM/「準備している瞬間が一番楽しいしな。……そういや、覚えているか?」
みくに/何を?
GM/「……昔、お前が日本に来たばかりの5歳ぐらいのとき。ここの高校の文化祭に一緒に来たことがあるんだよ」
みくに/そう……だっけ?
GM/うっすら覚えていても構わないし、完全に忘れていても構わない。プレイヤーのお好きでどうぞ。ただどちらでも「今この瞬間に言われるまで覚えていなかった」ですね。
みくに/じゃあ……そうだっけなー、そうかもしれないって言いながら必死に思い出そうとしますね。
GM/「お祭りって夏祭りでもなんでも面白いじゃん。しかも大人じゃなくて、子供の高校生が主役になっているのが……初めて文化祭を体験した俺には思い出深かったんだよ。憧れでもあったんだ」
みくに/そうなんだ……。双葉ちゃん、とっても楽しみだったの?
GM/「うん、楽しみだった。今もずっと楽しいよ」
みくに/双葉ちゃんが楽しそうで、私も楽しいよ。
GM/「本当に?」
みくに/……ん?
GM/念を押して訊いてくるよ。「……本当に? みくにもこの時間が楽しいって思ってくれている?」
みくに/うん、楽しいよ。
GM/「……『また一緒に、ここに来ようね』って言ってくれた女がいたんだ」
みくに/……うん? それって私の……台詞?
GM/「…………。みんなのところ、戻ろう!」 気恥ずかしくなった彼は、話を無理矢理中断するかのようにみんなが待ってる教室に向かいます。
みくに/……まったくもう!(笑) 一緒に教室に行きます!
たかし/あ、おかえりー!
甘奈/おかえりー。
GM/「ただいまー……って、なんかこの教室、≪負の空間≫になってません?」(笑)
十矢/そんなことないよー!
たかし/そうだよ、たたら先輩のお友達も「居心地良い!」って言ってくれてるしさー! お供え物のおはぎを並べています。
GM/それ、7人以上のおはぎが並べられているんだよね(笑) それでは『AF判定:文化祭の準備』に成功していただいたオカルト研究部の皆さんは、『イベントキー:文化祭準備完了!』を入手してください。
たかし/わーい、イベントキーが貰えたー! 明日のために早く帰ろうー!
みくに/そうだね、明日寝坊しないようにしないと。
十矢/早く帰って寝るか!
みくに/……集めたたたら先輩のお友達、お家について来たりしないよね?(笑)
たたら/それは大丈夫だよ、夜の間もここに居てくれるから(笑)
たかし/夜のうちにウォーミングアップしてくれるよ!(笑)
GM/黒髪ツインテのモブ子ちゃんも「皆さん、準備はバッチリですか?」と尋ねてきます。
甘奈/バッチリ!
GM/「……何かあったらすぐに来てくださいね」 モブ子ちゃんはお腹が痛いのか、お腹を抑えています。
たかし/……うん?
みくに/だ、大丈夫? 背中をなでなでして、≪肉体復元≫を使うけど?
GM/モブ子ちゃんはわりと深刻そうな顔をしています。『AF判定:文化祭の準備』を1ラウンドで成功させた皆さんにボーナス……『イベントキー:助けにきた』を差し上げます。
たかし/……『イベントキー:助けにきた』?


 ●トリガーイベント 〜助けに……〜

みくに/下校するとき、モブ子ちゃんが心配なので送っていくことはできますか?
GM/OKだよ。では、みくにちゃんはモブ子ちゃんと一緒に下校します。心配なのか双葉も一緒について行くよ。
みくに/モブ子ちゃん、本当にきつかったら病院に行った方がいいよ。明日は無理しないでね。
GM/「…………」 モブ子ちゃんは顔を俯かせています。そういやみんなはご実家、寮暮らし、一人暮らしなどあるけどどんなの?
たかし/たかしは教会に保管してもらおう!
GM/教会の宿舎じゃなくて保管なのか(笑) 双葉は実家暮らしだよ。
みくに/みくには、双葉ちゃんの実家の近くの一軒家です。
たたら/きっと双葉ちゃんとみくにちゃんは幼稚園がいっしょだったんだね(笑) 私はマンションかな?
甘奈/甘奈もご実家ですね。
十矢/オレは実家の泌尿器科に帰ります。
GM/阿川病院の裏側にお家があるんだよね(笑) なら双葉は……お家のある曲がり角で、「また明日なー」って手を振って別れます。
みくに/また明日ねー。
GM/「……あれ? モブ子ちゃん、どうしたの?」 家に帰ろうとする双葉に、モブ子ちゃんが近づきます。
みくに/……ん?
GM/お腹を抑えたモブ子ちゃんが、双葉の前に立ちます。
みくに/……んん?
GM/モブ子ちゃんはお腹を抑えて苦しそうにしながら、低い声で呟きます。「……誰も気付かない……このまま続けていても、貴方の前では誰も気付かない……なら、私が手を貸す……しか」 そう言って彼女は、その身を大きな西洋剣に変えます。
甘奈/……ええっ!?
GM/双葉の腹部に剣が刺さります。
たかし/何してるのっ!?
GM/双葉は刺されます。モブ子ちゃんだった剣は……真っ青な光になって消えます。[稀人]などの人外が死ぬときに放つ、昇華の光ですね。
たかし/……モブ子ちゃん、人間じゃない!?
みくに/ふ、双葉ちゃんに≪肉体復元≫をかけますっ!
GM/双葉のお腹からは赤い血が流れている。何が起きたか判らない双葉は「あ……あれ……?」ととぼけた声を出しています。
みくに/だ、大丈夫だよっ! 大丈夫だから双葉ちゃん……!
GM/「あれ……俺……明日も……ぶんか……さ……」 双葉は、死にます。
十矢/……そ、そんなっ!?
GM/その瞬間、君達……『イベントキー:助けにきた』を持っているみんなは、右も左も上も下も判らないような渦の巻いた空間に投げ出され……視界が反転していくのでした。


 ●トリガーイベント2 〜激痛〜

GM/……PC2、たたら先輩。【意志】判定難易度8に挑戦してみてください。
たたら/はい。(ころころ)9で成功です。
GM/君は夢を見ます。……それは、誰かに自分の足を斬られた夢です。
たたら/……斬られた……?
GM/たたら先輩の足は、誰かによって引き千切られました。……君は教会のエージェントとして異端と戦っている。その『異端の男』は、泣きながらたたら先輩の足を引き千切っています。
たたら/……私の、足を引き千切って……泣いている?
十矢/たたら先輩の足か。さすがだな!
たたら/何が!?(一同爆笑)
GM/十矢くんにはそこがポイント高いの!?(笑) ……たたら先輩、目覚めてください。ここは学校の部室です。
たたら/……あれ?
GM/その近くには、甘奈ちゃんも部室で寝ています。「すぴー……昨日遅くまで教会で占いをしてたー……すぴー」
甘奈/あ、あたしが寝てる!(笑)
GM/確か2人は早く部室に来すぎて居眠りしちゃったんだったね。朝のホームルームが終わって、まだみんなが来ないからって部室でうたた寝をしちゃったんだ。……そんな10月30日。
たたら/……あれれ? 10月30日って準備日なのでは……。
GM/誰もいない所からモブ子ちゃんが現れます。
たたら/あ、モブ子ちゃんだ。
GM/『誰もいない所から』、モブ子ちゃんが現れます。
たたら/…………。
GM/モブ子ちゃんはファイルを持って振りかぶり、手近にいた甘奈ちゃんにアタック!
甘奈/いてっ!(笑)
GM/「朝っぱらからなんで寝てるの、先輩達は!」 モブ子ちゃんはプンプンです。「もうっ、『今日は文化祭の準備日』なんですよ。これから一日バタバタ動き回ることになるんですから、ゆったりぐっすり休んでいる暇なんてありませんよ!」
甘奈/……あ、あれ?
たたら/……あれ? あれれ? 文化祭の準備って終わったよね、甘奈ちゃん?
GM/残念ながら教室を見ても何も準備できてないよ。
たたら/あれ!? 呼んだ筈のお化けがいないよ!(一同笑)
GM/君達は全員、記憶を持って『文化祭準備日』を過ごすことになります。みくにちゃん、たかしくん、十矢くんも記憶を保持したままどうぞ部室に登場してください。
たかし/これおかしいよなって話しながら部室に入ってきます!
十矢/GM、壁にある≪聖印≫は残ってますか?
GM/残ってません(笑)
みくに/ぽ、ポスターで隠した≪聖印≫が残ってない!(笑)
たかし/……ねーねー。準備ってもうしなかったっけー?
GM/最後に双葉が「遅れてすみませーん!」って部室に入ってきます。
みくに/あ、双葉ちゃん……。
GM/準備をしてないかと訊かれた双葉は「してない」って何も知らない顔をします。……それでは、第2ラウンドを始めていきます。
甘奈/また準備を1からしなきゃなのか!
GM/いいえ、一度経験したことをもう一回するのは簡単です。なので難易度が変更されます!

『AF判定:文化祭の準備』
 ・使用能力値:【体力】
 ・難易度:20
 ・ラウンド制限:なし

※「明日の文化祭の準備を行なう」演出に成功すること。


GM/そして『イベントキー:文化祭準備完了!』があるため、今まで封印されていた判定ができるようになります。

『判定:事件のことを思い出す』
 ・使用能力値:【意志】
 ・難易度:???
 ・ラウンド制限:なし(オートアクション。宣言のみで判定可能)

※「数日前に受けた教会からの依頼について思い出す」演出に成功すること。
※『イベントキー:文化祭準備完了!』を所持しているキャラクターでなければこの判定は行なえない。文化祭準備に頭がいっぱいなので、【意志】判定に成功して意識を集中させなければ思い出すことは不可能である。

『AF判定:異端犯罪者ツクヨミ』
 ・使用能力値:【理知】
 ・難易度:20
 ・ラウンド制限:なし

※「『異端犯罪者ツクヨミ』について調べる」演出に成功すること。
※『イベントキー:教会からの依頼』を所持しているキャラクターでなければこの判定は行なえない。

『AF判定:時檻の禁書』
 ・使用能力値:【理知】
 ・難易度:20
 ・ラウンド制限:なし

※「『時檻の禁書』について調べる」演出に成功すること。
※『イベントキー:教会からの依頼』を所持しているキャラクターでなければこの判定は行なえない。


たかし/そろそろ事件のことを思い出せそうだな。……おれ達、高坂さんから依頼を受けに行ったよな?
十矢/受けに行ったけど、受けてないよ!
たかし/そうだね、おれ達受けてなかったね!(笑)
十矢/しょうがないよ、高坂さんは33歳だから。
たたら/どういうこと!?(一同笑) あっ……双葉くんとモブ子ちゃんをいっしょにしていいのかな?
みくに/あ、えっと……えっとね、双葉ちゃん……。
GM/双葉は「何かあったのか?」って心配顔のみくにちゃん達を心配するよ。
みくに/えっと……モブ子ちゃんと2人きりで作業は……えっと。
GM/「なんだよ、嫉妬かー? 俺を独り占めにしたいのかー?」 なお、彼らを2人きりにしたからゲームオーバーとか意地悪はしないのでご安心ください。早速ミドルフェイズを再開していきましょう。


 ●ミドルフェイズ3/たかし 〜7人目〜

GM/一番最初は誰のシーンをしようかね?
十矢/【体力】だったら自信があるのでオレが文化祭の準備を一人でします。ここはオレに任せてみんなは先に行け!
甘奈/やだ、十矢くんがカッコイイ!(笑)

『AF判定:文化祭の準備』
 ・使用能力値:【体力】
 ・難易度:20
 ・ラウンド制限:なし

※「明日の文化祭の準備を行なう」演出に成功すること。


みくに/さっさと文化祭準備を済ませちゃいましょうー。
十矢/オレという名の≪凶々しき武器≫いきまーす! 自分の影とみんなの影が「うおーっ!」と≪影の軍勢≫になります。
GM/おお、みんなの影が助け合った!
十矢/オレ一人に任せるとかみんな≪悔改めよ≫。
GM/お前が一人でやるって言ったんや!?(一同爆笑)
十矢/どうしてオレ一人にやらせたんだ! 気まずい空気にしてやる! ≪負の空間≫!
たかし/ごめんね!? やっぱ一人でやるの嫌だったんでしょ、ごめんね!?(一同爆)
十矢/仕方ないから一人でせっせと≪怪力無双≫で木材を運ぶ。絶対同じところに傷なんてつけないって思ったけどアッー!
たたら/言った先から≪聖印≫が!?(一同笑)
たかし/……≪聖印≫を付けたところだけ、たたら先輩のお友達が近寄らなくなるんだよなー(笑)
十矢/前のループとは全然違うところに≪聖印≫を付けちゃったよ。≪情報隠蔽≫します。
甘奈/もう慣れた動きで!(一同笑)
十矢/真相は≪闇の衣≫の中にしました。おかげで教室が≪防圧警報≫で≪ダメージ上昇≫ですね。
たかし/どういうこと!?(一同笑)
GM/どういうこと!? でもなんか言いたいことは判るから困る!(笑) こ、これで使用特技が10個なので難易度20減って、『現在難易度:1』まで下がりました。
十矢/ファンブルが出なければ成功〜。(ころころ)成功です! たたら先輩、惚れた!?
たたら/あ、ありがとう! 十矢くんありがとう!(笑)
GM/十矢くんは無事、あっという間に文化祭準備を一人で終えました。仕事を終えたモブ子ちゃんは、十矢くんに「お疲れ様です」と話しかけてきます。(モブ子になって)「これどうぞ。コーラです。炭酸はお好きですか?」
十矢/モブ子ちゃんが? じゃあ……コーラ貰うよ。ついモブ子ちゃんをジロジロ見ちゃうな。
GM/「まるで一度作業したことあるかのようなスムーズな動きでしたね」
十矢/まあ、オレだからね?
GM/……これからモブ子ちゃんとAF判定成功者の十矢のお話シーンになります。この会話を聞いていたい人は、【幸運】判定難易度10に成功してください。
たかし/たかしは≪インビジブルマン≫でシーンにいたことにしていいですか?
GM/≪インビジブルマン≫があるなら、判定無しでこの場にいてくれてOKです。
たかし/はーい! 最初からたかしはいたよ!
たたら/たたらは≪電波受信≫で聞いていたことにしていいですか?(笑)
GM/どこからかの声を聞いたり、幽霊に教えてもらったことにするならOKです(笑)
みくに/(ころころ)みくには判定成功です!
甘奈/(ころころ)甘奈も成功しました。
GM/では、全員シーンの内容を把握してOKです。
十矢/……オレ、モブ子ちゃんに訊きたいことがあるんだ。モブ子ちゃん、お腹は痛くないの?
GM/(モブ子になって)「……痛いです。そのことに関してお話をさせてください」
十矢/お、なんだなんだ?
GM/「……阿川 十矢。貴方、『記憶があるわね』?」
十矢/えっ!? ……あ、あるよ……。
GM/十矢くんが頷いた瞬間、モブ子ちゃんは蒼い光に包まれます。
十矢/ええっ!?
GM/そして、いつの間にか目の前に立っているのは……金髪碧眼ツインテールゴシックロリータ服の、6歳ぐらいの女の子です。
たかし/ええっ!? ……ロリぃ!?
甘奈/そっか、だからお腹を痛がっていたのか!?

 龍の聖剣
 冒頭でも説明した、PC達が過ごしている世界の時を戻す力を持った6歳のゴスロリ幼女。通称「ロリ」。
 強力な[世界遣い]の幼女だが、時間を戻すこと以外のことをしてはならないと決められている。もしそれ以上手助けをPC達にした場合、お腹が痛くなったりする(血を吐き、体が引き裂かれ、死ぬ)ルールに縛られている。


十矢/ええええ、聖剣ちゃんだったのー!?
たかし/龍の聖剣様だったのぉ!? いきなり現れたなら驚きますね!
みくに/えっと……龍の聖剣が頑張っているって、相当なことですよね?
GM/ええ。現に龍の聖剣は……ひどく疲れた顔をしています。(龍の聖剣になって)「良かった……気付いてくれた……これで貴方達が前に進んでいける……」
たたら/このシーンは重要そうだね!? ガラッとそのシーンに現れます!(笑)
GM/幽霊経由の≪電波受信≫をしていたたたら先輩がログインしました(笑) このシーンに登場しているのはPC5人と、モブ子ちゃんだと思われていた龍の聖剣のみです。双葉はいません。
甘奈/えっと……ロリ、大丈夫?
GM/苦しそうだけど、ロリは息を整えて話し始めます。「……私は世界に直接介入できない。だから端的に話させてちょうだい」
十矢/う、うん。
GM/「貴方達は、この文化祭準備日である10月30日を繰り返しているの」 ……PC1のみくにちゃん、サイコロを2個振ってください。
みくに/はい。(ころころ)6と4でした。
GM/64? 凄い出目だね。……ロリは言います。「貴方達は、64回もこの日をループしている」
たたら/えええっ!?
十矢/えええええっ!? 多いよ!?(笑)
甘奈/お、多すぎませんか!?(笑) 『AW』の平均ループ回数って1D6回でしょう!?
みくに/64日って……2ヶ月も!? 嘘でしょう!?(笑)
GM/GMもD66のほぼ最大値で正直ビックリしている。
たかし/……聖剣様。その間ずっと、お腹痛かった?
GM/「いいえ、最初は痛くなかったわ……私は介入していなかったから。でも10回目、20回目を越したあたりから『アカンわこれ。全然誰も気付かない。誰かが介入しないとループが終わらない!』と思って……モブ子として世界に加わることにしたの」
甘奈/誰もループの存在に気付かなかったんだ!? ……ごめんねロリ!(笑)
GM/「ううん、謝らないで……それぐらいこの世界は強い意思が、強い力が、強い想いが働いているということ。みんなに異変を一切感じさせないような、決してこの世界から進ませないほどの強固な力が働いていたってことなの」
たかし/……強い意思、強い力?
GM/ロリは弱々しくも、ハッキリと口を開きます。「貴方達は、この世界に囚われている。この世界は貴方達がいるべきではない場所。永遠に終わらない世界を創り出して、貴方達を閉じ込めて……ずっとループを発生しているの」
みくに/……この世界は、文化祭から先に進まないようになってるの!?
GM/正確には、『永遠に文化祭準備日を繰り返す世界に囚われている』って言うべきかな。君達はとある世界に閉じ込められ、もう65日目だそうです。
十矢/65日も文化祭準備をしてたら、そりゃ手際も良くなるよな!
たたら/……でも、毎回十矢くんは≪聖印≫を作るんだよね?(笑)
たかし/そこだけは何度やっても直らない!(笑)
GM/そして65回≪情報隠蔽≫してんだよ(笑) 65個の≪聖印≫は全部違う場所に作られ、色んな方法で隠され続けてきました。
甘奈/どんなにループしても、絶対に十矢くんは壁に傷を作るんだ……セカイのイベントと化してるんだ(笑)
GM/「……だけどようやく、65回目にして貴方達の前に変化をもたらすことができた。貴方達はこの世界の異変に気付くことができた。だから……なんとかここから脱出して……」 君達を救出しにきたロリの力は、ここまでです。これから先は君達の力で脱出するすべを見つけなければなりません。
たかし/ありがとう、聖剣様。同じ『神々の装具』として頑張るよ! それに……たたら先輩にとっては最後になる文化祭を成功させてあげないと。
たたら/そうだね、私もみんなで文化祭を迎えたいよ!
十矢/ああ、ずっと準備日なんて寂しい! だから明日が来るように頑張る!
GM/……龍の聖剣は、とても悲しそうな顔をします。そして情報を与え過ぎた彼女の体は、次第に薄くなります。どうやら君達の前にはもう居られないようだ。
十矢/ああっ、最後にどうでもいい質問に答えてくれ……!
甘奈/いや、どうでもいい質問じゃない質問をしようよ!?(一同笑)
十矢/じ、じゃあ! ……オレ達は何をすればいいんだ!?
GM/「……貴方達を……永遠の世界に閉じ込めた原因を……倒して」
十矢/それはどんな奴ですか!?
GM/「……ツクヨミ」
十矢/ツクヨミ?
たかし/ツクヨミ……おれ達が受ける筈だった仕事の、異端かな。
GM/「……いいえ。貴方達は、『既に受けている』」
十矢/既に受けている!?
GM/……龍の聖剣は、消滅します。この世界の謎を解明したらまた君達の前に現れることでしょう。でもこれ以上ヒントを与えてはならないので、登場できなくなったようです。
十矢/ありがとう、聖剣ちゃん……。オレ達、ずっと聖剣ちゃんのことに気付いてあげられなかったんだな。
GM/最初の頃はオカルト研究部は6人だけだったけど、30回か40回目になって突然7人目の部員であるモブ子ちゃんが生まれたんです。変化があれば何か起きるかもしれない……と思ったけど、64回目まで君達は楽しく文化祭準備日を繰り返していたんですね。それだけ毎日楽しかったから仕方ないよ。
たたら/いやぁ、ただただ申し訳無いねぇ……(笑)


 ●ミドルフェイズ4/たたら 〜記憶〜

たたら/『判定:事件のことを思い出す』はもう可能ですか?
GM/はい。次はたたら先輩のシーンプレイヤーでいきましょうか?
たかし/『判定:事件のことを思い出す』は、難易度が減らせるAF判定じゃないんだねー。

『判定:事件のことを思い出す』
 ・使用能力値:【意志】
 ・難易度:???
 ・ラウンド制限:なし(オートアクション。宣言のみで判定可能)

※「数日前に受けた教会からの依頼について思い出す」演出に成功すること。
※『イベントキー:文化祭準備完了!』を所持しているキャラクターでなければこの判定は行なえない。文化祭準備に頭がいっぱいなので、【意志】判定に成功して意識を集中させなければ思い出すことは不可能である。


たたら/私が失敗しても他の人が挑戦できるしね。【意志】の高い私が振ります!(ころころ)達成値11でした!
たかし/おお、達成値11なら『難しい行為』に成功したよ!
GM/たたら先輩は、事件のことを思い出せます。数日前に受けた教会の依頼について思い出しました。……私達5人は、異端犯罪者ツクヨミを追っていた。そして夜、この高校の校庭でツクヨミと戦闘をしたんだ。
たたら/……戦闘を……。
GM/異端犯罪者ツクヨミとは、教会が管理していた『時檻の禁書』を強奪して逃亡した魔族だ。
十矢/時檻の、禁書?
GM/「時間の檻」と書いて「時檻」ですね。禁書とは、ルールブックには掲載されていないような高度な能力を記した危険な書物のことです。
たかし/それを取り戻すのが、おれ達の仕事だったの?
GM/そう。大変貴重な禁書を盗んだ異端犯罪者を追いかけていた君達。どうしてこんな大切なことを忘れていたんだろう? どうして文化祭のことで頭がいっぱいになっていたんだろう? ……まるでこのことを意図的に忘れさせられていたかのよう。自分達の記憶が、何者かによって隠されていたかのようだ。
たたら/……あ……。
GM/全員『イベントキー:教会からの依頼』を入手してください。
たかし/……これは、全員ゲットなんだね。
GM/たたら先輩が全員に話したなら「そういえば……」と感づくからです。……さて、PC2のたたら先輩。【体力】判定難易度10をどうぞ。
たたら/(ころころ)わあ、出目が1・2で失敗です。
GM/めっちゃ足が痛い。まるで足が引き千切られたかのように、骨も全部砕かれたように、断面から血がドバドバ出たかのようにめっちゃ痛い。
たたら/う、うううっ!?
たかし/せ、先輩大丈夫!?
GM/夜の校庭。足を引き千切られたたたら先輩。泣きながら足を持つ誰か。……そのような光景がフラッシュバックします。
たたら/……そのフラッシュバックした光景には、他に誰かいますか?
GM/戦っている十矢くんやたかしくん、みくにちゃんや甘奈ちゃんがいるよ。全員死にかけている姿が思い起こされる。
十矢/先輩、大丈夫ですか!? 倒れそうな≪怪力無双≫で先輩を持ち上げます! どっかに!
甘奈/どっかに!?(笑) そこは椅子とかベッドとかに連れて行ってあげなよ!?
みくに/に、≪肉体復元≫しとく?
たたら/大丈夫……。私達は……一度戦っていたんだ。
みくに/……あの、携帯電話のメールの履歴って見られますか? これ、高校入学と同時に買ってもらった物です。
GM/ではみくにちゃんは携帯電話のメールを遡る。数ヶ月前のメールは無くなっている。それどころか登録されているアドレスは、この高校で出会う友達のものしかない。
みくに/……グランパやグランマの連絡先もない!?
GM/ええ、「交友関係が高校限定」になっています。
みくに/これは……もう教会に連絡してみた方がいいんじゃない?
GM/じゃあ高坂に電話してみる? 教会のエージェントだもの、高坂のアドレスは当然登録してあります。
みくに/電話しましょう!
GM/……電話は通じません。プルルと繋がる音すらしません。
たたら/……なら、教会に直接行ってみよう!
GM/教会と思わしき場所には、何もありません。
みくに/うわっ。みんな……みんないなくなってる!? なんか怖くなってきた……(笑)


 ●ミドルフェイズ5/みくに 〜ツクヨミ〜

みくに/文化祭の準備は終わったから……何か手掛かりを探そう!

『AF判定:異端犯罪者ツクヨミ』
 ・使用能力値:【理知】
 ・難易度:20
 ・ラウンド制限:なし

※「『異端犯罪者ツクヨミ』について調べる」演出に成功すること。
※『イベントキー:教会からの依頼』を所持しているキャラクターでなければこの判定は行なえない。


みくに/≪空間知識≫と≪超越感覚≫で、この高校が自分達の知っている場所なのかウロウロペタペタ探って……校内中を走り回ります!
GM/バタバタと走り回るみくにちゃん、気を付けてね。
みくに/で、双葉ちゃんがコケたところと同じ場所で今度は私がコケる!(笑) でも≪念動障壁≫で自分を守る! そしたら後ろの人もコケてるから≪肉体復元≫!(一同笑)
GM/なら生徒会役員さんがコケたことにします(笑) 「嵯峨乃さんありがとう! 好感度上げておくね!」
みくに/来年度の予算よろしくね!(笑) 一息つくために≪興奮剤≫相応のコーヒーを買って飲みます。
GM/カフェインを摂った。……そういやAF判定は他のPCを演出に利用してもいいんだよ。
十矢/じゃあオレの≪情報隠蔽≫を≪大地の勅命≫で隠してくれよ。
たかし/また新しい≪聖印≫付けたの!?(笑)
みくに/それなら≪自然の糸≫を使って自然に≪聖印≫を隠す手伝いをしましょう(笑) ……最後に、屋上に立って≪全方位視覚≫でキョロキョロ全体を見渡します。
甘奈/みんなで探し物をしてるんですよね。ならあたしは占いをしてみたり……。
たたら/私は校庭で≪電波受信≫をしてみたり……(笑)
たかし/たかしは≪インビジブルマン≫であっちこっち探しに行くー!
GM/占いをしたり、電波を受信したり、ちっこいのがちまちま走り回っている姿が屋上から見えるね。
みくに/……ケータイに付いてる≪覚醒具≫である猫のストラップを見ます。これ、本当にずっと前から持っていたのかなぁ……。
GM/自分の記憶を怪しみますか。……そんなこんなしてたら『現在難易度:2』になりました。
みくに/判定します。(ころころ)達成値12で成功しました。みんな、ありがとう!
GM/君達は学校中を探し回り、ツクヨミに関して調査をしました。そうしてみくにちゃんは≪超越感覚≫や≪空間知識≫を駆使した結果、判ります。……この学校は、全て偽物だということに。
みくに/……全部、偽物……。
GM/自分が見ている教室。屋上から見るこの光景。クラスメイトや学校中の人達、みんな……幻だ。
みくに/み、みんな幻……?
GM/これほどの幻術、キャラクターレベル4の自分達では絶対に無理な力だ。我々が追いかけていたという異端犯罪者ツクヨミは、世界を丸々一つ創造できるほどの強大な敵だったのか。君は真剣にツクヨミについて思い出します。……そして、ツクヨミの顔を思い出しました。
みくに/…………。
GM/記憶の中にあるツクヨミの顔は、薩川 双葉という男と同じだ。
みくに/……双葉ちゃん。
GM/君は『ある光景』を思い出す。それは、たたら先輩が見たフラッシュバックと同じものだ。……夜。校庭。ツクヨミを追い詰めて戦う自分達。激しい火花。流れる血。……足を引き千切られるたたら先輩。
たたら/…………。
GM/ツクヨミという男は、自分の中に生じる『闇の衝動』に打ち勝つことができなかったのか。君達の前でもがき苦しみ、叫び声を上げた。

 「もういい! 殺してくれ! 俺は……このままみんな殺してしまう!
 ああ、そうか殺してくれないんだな! なら! みんな……死んでしまえ! 止めてくれないのなら、止められないのなら、みんな殺すしかない! みんなみんな死ぬしかないんだ……!」

 ――雨の中、そんな嘆きが聞こえた。
 たたらの大量の血が、校庭に漂う。
 その血は少しずつ土の中へと滲んでいき、とある魔法陣へと形を変え……術式は完成し、『とある結界』を創り出した。


たかし/……そういやAF判定の最中で、双葉ちゃんは[イレギュラー]って言ってたよね。[イレギュラー]には≪アルターマイン≫っていう特技があるんだ。

 ≪アルターマイン≫
 対象の記憶を操作し、いかなる異常事態も一般的なものだと思いこませる[イレギュラー]の副特技。
 対象の記憶を改変する。効果は使用者が死ぬまでか、使用者が効果の解除を宣言するまで持続する。


みくに/そうだ……双葉ちゃんのクラスは[イレギュラー]だった。
GM/ちなみに、双葉はPC1の「料理好き希望」というリクエストを頂いたので[領域遣い]もクラス編成に入れさせていただきました。
甘奈/あー、[領域遣い]って料理が得意で結界作りが得意なクラスですよね(笑) 時檻って結界を創ったなら、凄くピッタリですね……。
みくに/そんなぁ……私はただ料理好きのキャラになってもらいたかっただけなのに!(笑)
十矢/凄い偶然だなぁ(笑)
みくに/……みんなに「双葉ちゃんがツクヨミかもしれない」って打って、屋上の隅っこで蹲っています。
たかし/そ、それなら≪インビジブルマン≫でババッと現れます! ……蹲っているみくにちゃんを覗き込む。大丈夫っ?
みくに/あ、たかしくん……。ちょっとまだ、理解できないな……。なんで双葉ちゃんは私達を閉じ込めたんだろう?
たかし/そこは……しんどいかもしれないけど、本人に訊いてみないと判らないよ。
みくに/……ハッキリさせたいから訊かないと、だね。