アナザーワールドSRS・リプレイ・ワンダフルワールド
■ 『 十三歳のアシテプト 』 2ページ ■
2013年1月25日




 ●オープニングフェイズ5/全員集合 〜1996年〜

GM/まず百合ちゃんは宿の確保をしましょう。君はこの時代に生きていない人間なので、帰る家も寝る場所もありません。
朱鷺子/私のお家が神社で、家出少女を何人もお世話している駆け込み寺みたいなことをしていることにします。なので「家出少女を拾ってきてしまいましたー」って言うことにしますね。
百合/すみません、不束者ですがよろしくお願いします(笑)
GM/朱鷺子さんはほぼほぼ年齢が同じ百合ちゃんを連れてお家の神社に向かう。今は4〜5人ほど共同生活をしている子供達が居て、みんながみんな家庭に事情を抱えていたりするので百合ちゃんを詮索しません。食べるものや寝るところなど、何から何まで用意してくれます。
百合/あ、ありがとうございます!
朱鷺子/お父さんありがとう、深々と土下座をしたくなる(笑)
GM/お世話になっている女の子の一人が百合ちゃんに声を掛けてくるよ。「百合さんはどこから来たのー?」
百合/と、隣町から……。お、親とちょっと喧嘩しちゃって、家出してきて……。
GM/「つい最近バスも開通したし中央駅からどこにでも行けるようになったから、ちょっと遠出するのもできるようになったよねー」 朱鷺子さんは「確かこの頃にバスが開通したんだっけな」と凄く懐かしなと思うよ。
朱鷺子/まあ、懐かしい。そんなこともあったような……。
GM/今日は金曜日。明日は土曜日、朱鷺子さんは中学校に行かなきゃいけません。お夕飯を食べてお風呂に入って、早めにお休みしましょう。……朱鷺子さんんが中学に行っている間、百合ちゃんは自由行動だよ。
百合/じ、自由行動ど言っても何をしたらいいんだろう……?
GM/一方その頃。仙ちゃんとセンセイは?
仙太/仙ちゃんはチャリでチャリンチャリーンと自宅に帰ります。
センセイ/その自転車のカゴに乗ってニャーン(笑)
GM/仙ちゃんのお家や家族はどんな設定ですか?
仙太/両親は2人とも教会のエージェントで、教会の社宅に住んでる。……お父さんは数年前に異端を追っていて殉職したことにしよう。
センセイ/ああ、それだと父親と久々の再会ができるんだな……。
GM/教会の宿舎である木ノ本アパートにご両親と住んでいる仙ちゃんは、家族の待っている家に帰ります。お父さんは新聞を読みながら「おかえりー」と中学生の仙ちゃんを出迎える。
仙太/ただいまー。……お父さん、もう夜になるけどエージェントしての見回りとか行かないのー? 仕事ちゃんとしないとお母さんに逃げられるよー。
GM/「大丈夫、大丈夫。お母さんには≪叱咤激励≫しとくー」
朱鷺子/≪叱咤激励≫って、お父さんは[聖職者]なんだ(笑)
センセイ/……能力者なら会話もできるだろうし猫も挨拶はしておいた方がいいかな?
仙太/うん、こんな親でも挨拶はしておいた方がいいかも。
GM/「おーい、こんな親とはなんだー。≪異端審問≫するぞー」(笑)
センセイ/それでは親父殿、お邪魔致しまする。今はセンセイと名乗っておりますと自己紹介をしよう。仙太殿には毎日毎日食パンを貰って……。
GM/「ほう、猫のセンセイですか。いつも息子がお世話になっております。……食パンなんて猫にあげてるからデカくなんねーんだよ、おめーは!」 子供仙太の頭グリグリ。
仙太/いえーよ! どうせ今は150センチぐらいしかねーよ!(笑)
GM/「そうだ、猫で能力者で教会のエージェントというと街の噂話などはよく聞いてたりしませんかね?」
センセイ/何かお探しですかの?
GM/「実は今、こんな事件を追いかけていましてね……」 お父さんは、教会の資料をバサッと出します。「N市の何人もの女性に異変が起きているという事件です」
朱鷺子/異変?
GM/「突然腕が3本になったとか、目が突然増えたとか、異形の体になったという事件が起きています」
仙太/うわ、なんだよそれ……。
GM/「実は今日その事件の解決を任されちゃいましてね……」 仙太さんとセンセイは【理知】判定難易度9に挑戦できます。
仙太/(ころころ)11で成功。
センセイ/(ころころ)12で成功だ。
GM/2人は1996年の事件を思い出します。……『N市女子異形化事件』というものがこの街にはあった。名前だけ知っています。この事件は1996年3月で解決している。仙太さんのお父さんが犯人を捕まえ、異端刑務所にブチ込んだ……それが史実です。
仙太/どうせアイザックさんの手柄を親父が横取りしたとかだろ!?
GM/「なんでそんなに疑ってるんだよ!? パパはキャラクターレベル10のエキストラだぞ!」(一同笑)
センセイ/……2ヶ月後のことを思い出したけど、この時点で言うことではないな。ふーん、難しい事件だのぉと言っておきます。ところで、その資料に「優」という名前はあるか?
GM/無いです。
仙太/早苗さんの名前は?
GM/無いです。ですが被害者はこの時代の早苗さんに近い若い女性ばかりだ。「センセイ、何か判ったことがあったら俺に教えてくださいね。仙太もレベル5のエージェントなんだから親父様に協力しろよ!」
仙太/うるせーな!(笑)
GM/……さて、翌日になりました。土曜日の学校のシーンをしておきたいと思います。お父さんとお母さんの中学生時代の姿を登場させておきたいのでね。
百合/はーい。あたしは留守番してまーす。
センセイ/百合、吾輩が傍におるぞ。
GM/朝の中学校。ホームルームが始まるキンコンカンコーンと鳴る鐘の音。同じクラスだった朱鷺子さんと仙ちゃんは懐かしのハゲ担任が教室に入ってくるのを見ています。
仙太/担任はハゲなんだ(笑)
GM/……と同時に、中学の廊下をダダダダと走って行く男子生徒が見えた。彼の名前は聖石 静馬。≪−50平凡≫持ちの、どこに居ても目立つ派手な男子学生。軽音部でギター担当の彼ですね。
百合/≪−50平凡≫は遺伝だったんだ……(笑)
朱鷺子/あれ……静馬先輩ですね。
仙太/うん、先輩だね。当時は無い言葉だけどチャラ男ってやつだな(笑)
GM/そんな目立つ静馬先輩の登校はともかく。担任の先生が出席を取り始めます。「上林 仙太ー」
仙太/はーい。
GM/「白倉 早苗ー……は、今日も休みか」
朱鷺子/休み? ……今日も?
仙太/先生、早苗さんは風邪ですかー?
GM/「ああ、風邪らしい。ずっと休んでいるなー。もう1週間目かー」
朱鷺子/ええっ。今流行りのインフルエンザでしょうか。……早苗さんは1週間も休んでいるのか。お家を訪ねるのもいいかも?
GM/授業が始まります。中学生の2人は因数分解や漢文なんて懐かしいものを楽しみつつ、時間はお昼。……百合ちゃんとセンセイはどうしてる?
センセイ/昼休みに裏門で落ち合いましょうか。≪日常の復元≫を使って人間になって混ざりたい。
百合/あー、いいですね、それ!(笑) 学校の裏門で一見小学生に見える女の子が立っていますね。
センセイ/その隣で人間の男性の姿で保護者っぽく立っていよう。20代後半ぐらいの書生さんぽい格好で。吾輩がこの姿になるのは久々だのぉ。
百合/い、イケメン!(笑)
GM/でも変身に失敗するとシッポが出る。
朱鷺子/か、可愛い(笑) お昼休みになったので仙ちゃんさんと一緒に向かいます。あら、二足歩行のセンセイがいらっしゃいますね。
仙太/お昼のサンドイッチをモグモグしながら、早苗さんが休みってことを百合ちゃん達に話そうか。
朱鷺子/ええ。どうやら早苗さんが1週間前からずっと休んでいるそうです。
百合/お母さんが? ……どうしたんだろう。家まで訪ねてみますか。
GM/そろそろ情報収集を本格的に始めていきましょう。メジャーアクションで能動的な行動をしていくことができます。

 『判定:早苗の事情を探る』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:12

 ※「早苗を調べる」ことに成功すること。

 『判定:早苗の事情を探る2』
  ・使用能力値:【理知】【意志】
  ・難易度:12

 ※「早苗を調べる」ことに成功すること。
 ※『イベントキー:早苗』がなければ判定ができない。

 『判定:静馬の事情を探る』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:12

 ※「静馬を調べる」ことに成功すること。

 『判定:静馬の事情を探る2』
  ・使用能力値:【反射】【知覚】
  ・難易度:12

 ※「静馬を調べる」ことに成功すること。
 ※『イベントキー:静馬』がなければ判定ができない。

 『判定:N市女子異形化事件』
  ・使用能力値:【体力】【幸運】
  ・難易度:10

 ※「N市で多発している異常な事件について調べる」こと成功すること。


GM/また、このタイミングで『契約』を行なうことができます。

 ミドルフェイズに入る前に、4人で『契約』について相談。
 その結果、仙太がマスターになり、百合、朱鷺子、センセイの3人がサーヴァントになることになった。



 ●ミドルフェイズ1/百合 〜13歳の女の子〜

百合/センセイと百合が、お母さんの家まで向かいます。
GM/百合ちゃんにとっておばあちゃんの家に向かいます。家の場所も形も変わっていないけど、外観はだいぶ昔っぽいデザインのお家です。何度も遊びに行ったことある筈なのに初めて来る感覚になるかもしれません。
仙太/きっと百合ちゃんの身長を測った柱の傷とかは無いんだぜ。
センセイ/そうそう。……お母さんの家の前まで人間の姿で行きます。家の近くになったら猫の姿に戻って、挨拶してくるかのぉ。
GM/早苗の自室はどうやら2階のようです。
センセイ/屋根に上がって、2階の部屋の前をウロウロしてみる。
GM/センセイが2階のお部屋を覗き込むと、女の子らしい部屋の中に……早苗13歳が居るのが判ります。ベッドの中に居るけど、起きて本を読んでいるよ。
センセイ/窓を爪でカリカリカリ。ニャーン。
GM/猫の声を聞いて13歳の早苗ちゃんは窓の方を見ます。近づいて窓を開けます。「ニャンちゃん、どうしたのー?」と元気な声。
百合/おお、お母さんが若い……。
センセイ/ニャーン。
GM/「カレーライス食べる?」
百合/お母さん、カレーは猫には重いよっ!(一同爆笑)
GM/笑って猫を抱き締める早苗13歳は、元気そうで風邪を引いているようには見えません。
センセイ/≪魔の感知≫で彼女自身に魔法の気配が無いか探っていいかな?
GM/OKです。難易度は6で。
センセイ/(ころころ)9で成功です。
GM/結果は、特に無し。彼女から魔法的なものは感知できません。早苗は猫を部屋の中に入れようとする……とき、家の近くで女の子が自分を見上げているのを発見します。そして「どうかしましたー!?」と声を掛けます。
百合/わっ!? ど、どうしよう?
GM/「キミー! 迷子になっちゃったのー?」
百合/え、えっと……その……。そ、その猫の付添人でーす!
GM/猫に「あの子、飼い主さんなの?」って尋ねます。
センセイ/すりすり。そうだって言うかのように顔を近付けます。
GM/「そっかー。ねえキミー! お昼ご飯に作ってくれたカレーライスがまだ余ってるんだー。ニャンちゃんと一緒に食べるー?」
朱鷺子/百合ちゃん、カレーは食べさせちゃダメっ!(笑)
百合/わ、判りましたー!(笑)
GM/早苗はお家のドアを開けてくれます。「キミ、学校はどうしたの?」
百合/え、えっと……今日はお休みで……。
GM/「そうなんだ! 入りなよー。カレーとシチューとオニオングラタンスープがあるよー!」
センセイ/どっちにしろタマネギ入っているから死亡フラグだ(笑) 百合にコソッと魔力の感知は無かったと言います。
百合/コクッと静かに頷きます。
GM/早苗はカレーをごちそうするだけでなく、リンゴを剥き始めます。「実はね、このリンゴ……3日前にクラスメイトの朱鷺子ちゃんがお見舞いで持ってきてくれたものなのー」
朱鷺子/3日前の私……正確には、十数年と3日前の私か(笑)
百合/どこか具合悪いの?
GM/「んー……。もう大丈夫」 そう言っている彼女の顔を見た人は、【理知】判定難易度6に挑戦できる。
百合/(ころころ)10で成功でした。
センセイ/(ころころ)9で成功です。
GM/嘘をついていると思った。大丈夫だと元気に振る舞っているけど、なんだか演技くさいね。
百合/……ちゃんとお医者さんのところに行ってる?
GM/「……ううん、実はまだまだお医者さんに行ってない」
百合/じゃあ……えっと、もしかして学校を休んでいるのって、体調が悪いんじゃなくて何か理由があったりするんですか?
GM/「…………」 沈んだ声、明らかに気落ちした表情をする。「……うん、凄いこと、しちゃった……」 でも首を振るう。「ごめんね、あんまり気にしないで!」
百合/……あ、あの! 見ず知らずのあたしが言うのもなんですけど、何か辛いことがあったら誰かに打ち明けるのも大事だと思います。
GM/彼女はハッとする。
百合/はい……?
GM/「私達、自己紹介まだだった!」
百合/そうだった!(一同笑)
GM/見ず知らずと言われて思い至りました。「私、白倉 早苗っていいます! よろしくお願いします!」
百合/あ、あたし……ひじり、その、聖川 百合っていいます!(笑)
GM/「百合ちゃんか、いい名前だねー」と猫を撫でながら言います。ではそろそろ判定にいってみようか。

 『判定:早苗の事情を探る』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:12

 ※「早苗を調べる」ことに成功すること。

百合/実はあんまり【理知】は高くなかった……(ころころ)うう、失敗です。
GM/早苗ちゃんはとても明るい子で、君と楽しくお話をします。それはあんまり楽しくない話をするべきではないという彼女なりの気遣いなんじゃないでしょうか。
百合/う、うん……。
センセイ/……百合。吾輩の言葉をそのまま真似しろ。
百合/は、はい?
センセイ/「自分は悩んでいるときに猫に相談している。何か動物に話をしてみると打ち明けたみたいになって良いよ」とな。
朱鷺子/アニマルセラピーってやつですね(笑)
仙太/センセイ、ウマいことを考えるなぁ(笑)
百合/……あ、あのね! あたし、悩みがあったら猫に話しかけるんだ! そうすると気が晴れるよ!
センセイ/ニャーン!
GM/「あ、それ良いアイディアだね。……お前、私の話を聞いてくれる?」
センセイ/ナーオ!
GM/「仲良しのクラスメイトや部活の友達はいるけど、仲良すぎると逆に話せないこともあるしね」
朱鷺子/……そうだよね、だから朱鷺子達には話してくれなかったのかな。
GM/そんなことをしていると、すぐに外が暗くなってきます。「百合ちゃん、またうちに遊びにおいでよ。今日はお母さんの料理を食べてもらったけど、私もお料理は得意なんだ! 今度ご馳走するね!」 百合ちゃんは毎日食べていた料理をご馳走してあげると言われます。
百合/うん、ありがとうー!


 ●ミドルフェイズ2/朱鷺子 〜好意〜

朱鷺子/静馬さんとお話がしたいです。静馬さんは放課後、どこにいらっしゃいますか?
仙太/ギターをかき鳴らしてるんじゃねーの?
GM/そうだね、普段だったら音楽室にいる筈だ。
仙太/おはようございまーす! 取り合いになっている音楽室に行きます。……中学当時は格好良いと思って真似してたけど、今見ると恥ずかしいだろうなぁ(笑)
GM/今日は軽音部が吹奏楽部に勝って音楽室を使ってるんだね。部活動は熱心にやるんじゃないかなぁ。ということで中学の部活が終わる17時まで時間を飛ばします。で、解散の時間に朱鷺子さん達は静馬先輩を引き止めることができるよ。
朱鷺子/はい。あの、静馬先輩……。
GM/(静馬になって)「お、なんだ2人揃って。お前ら、今日はお昼休みもずっと一緒だったって噂好きな奴が言ってぞー? 何してたんだよー?」
仙太/いつもの喧嘩です。決着つかなかったんですよー(笑)
朱鷺子/あのですね。実は1週間も休んでいる早苗ちゃんのこと、何か……。
GM/「ブフッ!?」
仙太/いきなり吹いた!?(笑) は、ハンカチどうぞ!
朱鷺子/何かご存知なんですね?
GM/「……何も知らねーよ」

 『判定:静馬の事情を探る』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:12

 ※「静馬を調べる」ことに成功すること。


朱鷺子/(ころころ)お、達成値14で成功です。1週間も休んでいる彼女のことが心配なんです。何か知っていることがあれば教えてくれませんか?
GM/「……オレが出来ることだったらなんでもしてるよ」
朱鷺子/何か行動済みなのですか。
GM/「……ああ」 真剣な顔。この顔は……切羽詰まっている感がする。彼は何か重要なことでもしたんだろうか。それを悟られないように振る舞っているのが、交渉判定で判りました。「なあ、朱鷺子ちゃん……」
朱鷺子/……はい。
GM/「その……早苗が、いや白倉が、もし急に倒れたとか、体調が悪くなったりしたらすぐに医者を呼んでやってくれよ」 それでは、『イベントキー:静馬』を入手してください。
朱鷺子/それはもちろん、私も心配ですから。
仙太/何か人前では話せないことでもあるのかな? それなら……公園とかで、人気は無い所に行きますが。可愛い後輩である僕にまで隠すことはないと思いますよ。
朱鷺子/自分で言った(笑)
GM/「お前、そんなに口が達者だったっけなぁ? 3日前はそうじゃなかった気がするけど……」 プラス17年の精神がありますからね(笑)
仙太/そうすっかね(笑) で、先輩……何があったか話してくれますか?
GM/うーん……これ以降は時間経過が必要ということで『判定:静馬の事情を探る2』の方を挑戦してほしいんですが、話の流れ的にこのまま話しちゃうのが自然ですね。仙ちゃんが【理知】難易度10の交渉判定に続けて成功したら、次の判定に挑戦できることにしましょうか。
仙太/ご無体な! 【理知】は2しかないんですよ!(ころころ)……口下手なので失敗です。
朱鷺子/残念ですねー。
仙太/……よし、行動で示そう。先輩にエージェントだってバラそう。
朱鷺子/バラすんですか?
センセイ/そういやパパさんは仙太さん達が能力者だって知っている設定なんだよね。ならこのときが初めて話したことになるのかな(笑)
仙太/それがいい、バラしちゃおう。静馬先輩……変なことになっているんだったら、僕が力になりますよ。
GM/「……変なこと?」
仙太/帰り道、落ちていた石ころをひょいっと投げる。その後にウズマキから鎌を出して、≪会心の一撃≫でバコンと砕く!
GM/普通はそんなこと中学生はできません。静馬は目を見開きます。
仙太/教会のエージェントや異端事件のことも話します。……ほら、僕だって凄い告白をしたんですよ。だから先輩も話してくださいよ。
GM/おおー、いいですね。判定は失敗したので次のシーンまで待ってもらいますが、今の行動で静馬がかなり仙ちゃんに対する信頼度が上がったことにします(笑) 「……お前が自分の秘密を告白してくれたことは嬉しい。でもオレ、お前ほどカッコイイ悩みなんて抱えてないぞ?」
仙太/いいんですよ。どんな些細なことでも悩んでいるなら打ち明けてください。
GM/「……。なあ、オレ」 せっかくそこまで演出してくださったので、確信をつかない程度で話をし始めます。「オレ、一人の女を愛しちまった」
仙太/……はい。
GM/「愛した結果……なりふり構わず暴走しちまった。まだルールとかそんなもの、判ってなかったのに……」
仙太/……はい。
GM/「ちゃんと自分でケジメをつけるつもりだ」 そう言って、静馬は帰っていきます。
仙太/……モヤモヤした言い方だなぁ。
百合/では……学校終わりの仙ちゃんおじさんと朱鷺子さんと合流しますね。曲がり角で、小学生っぽい子が立っています。
GM/あ、それなら静馬と百合ちゃんの顔合わせをしておきたいな! 若い頃のお父さんと対面しておきたい!
朱鷺子/そうですね。では先輩が帰って行くところで……見かけた百合ちゃんに声を掛けます。
GM/するとバイバイする前に静馬が百合ちゃんの顔を見る、と。「あれ? 朱鷺子ちゃんの神社で一緒に住んでる子……かな?」
朱鷺子/ええ、一緒に暮らしている……百合ちゃんです。
百合/ど、どうも、百合です。その、今度皆さんのいる中学校に転校する予定で……。
GM/「転校生か! 軽音部、お待ちしておりますっ!」
朱鷺子/何を言ってるんですか、吹奏楽部に入りますよね!?(笑)
GM/明るい調子で静馬は百合ちゃんに手を差し伸べてきます。その手は幼いものですが、お父さんが手を握ってくれてくれた感触と同じです。
百合/うう、思い出してじわっときちゃう……!
GM/「おおう!? 泣くほど感動する良い男だった?」
朱鷺子/握手だけで女を落とすとはなんて魔性な(笑) ……百合ちゃんの肩をポンポンと叩きながら静馬先輩と別れますよ。
百合/えぐえぐ……ありがとう、朱鷺子さん……。


 ●ミドルフェイズ3/センセイ 〜愛し合う2人〜

センセイ/あれから百合と分かれて、白倉さんのお家にお邪魔して早苗さんに可愛がられます。にゃーん。
GM/ではセンセイはずっと早苗のお家に居ると。
センセイ/百合が言ってくれた「猫に相談する」のを待っています(笑)
GM/はーい。なら……早苗はお仕事を終えお家に帰ってきたご両親と夕食を食べ、お風呂に入ってパジャマに着替え、寝る前に一人で……いる真夜中に相談しようかな。早苗はニャンちゃんをぎゅーっとします。判定をどうぞ。一度判定をしてくれたものに再挑戦なので、難易度は10まで下がることにします。

 『判定:早苗の事情を探る』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:10

 ※「早苗を調べる」ことに成功すること。


センセイ/ベッドの上で、にゃーん。(ころころ)成功。しっぽでそっとママさんを叩いてやろう。ぽんぽん。
GM/「……ニャンちゃん、私……優ちゃんに会いたいよ」
センセイ/にゃう?
朱鷺子/……優ちゃん? ついに名前を言いましたね。
GM/「でも、会ったら駄目だよね……。その方がいいって静馬先輩も言ってたし……」 早苗はぼろっと泣き出す。涙は落ちて君にぶつかる。ぼろぼろと泣きながら、彼女はお腹を摩ります。
センセイ/……それって……?
GM/いつの間にか時刻は夜の11時。彼女は猫を抱き上げて、廊下にある電話の前まで来ました。
センセイ/ほう?
GM/ちょうど11時になったとき。電話がプルルと鳴ります。だけど1秒でガチャっと電話を取ります。……1人1つ携帯電話が無い時代はこうやって逢引をしてました。
仙太/親に迷惑を掛けないように、何時に電話をするって約束をしてね。
GM/「静馬先輩……」 電話の先から静馬の声が聞こえてきます。(電話先の静馬になって)「早苗。お医者さん、見つかったよ。『赤ちゃんを下ろしてくれる人』を見つけられた。今度話をしてくる。お金のことは気にするな」
センセイ/…………。
GM/「静馬先輩、そこまでしてくれてありがとうございます。でも、私……優ちゃんに会いたい……」「今、お前を支えることができない。大人になったら絶対お前を支えてやるから……それまで我慢しろ。じゃあな、もう遅いから切るぞ」「……はい、静馬先輩。おやすみなさい」 電話ガチャリ。
センセイ/…………。
GM/猫をギューっと強く抱きしめて、早苗は自室に戻ります。『イベントキー:早苗』を手に入れてください。
センセイ/……抱き締められて苦しいけど、ここは我慢するよ。
GM/「……ニャンちゃん、話を聞いてくれてありがとう。ごめんね。窓は開けておくからね……」 おやすみと言いながら、電気を消す早苗。
センセイ/……にゃん。一回擦り寄ってから、窓へ飛び出す。
仙太/窓から出た先には、夜の見回りという名目で外に来た僕達が居るよ。
センセイ/すまない、任せたな。
朱鷺子/いえいえ。センセイにマフラーを巻きます。
センセイ/ありがとう。……静馬から電話があった。聞いた話を全部話します。
百合/お、お父さん……お母さん……まさか……。
仙太/……馬鹿。リアル『14歳の母』かよ……。


 ●ミドルフェイズ4/仙太 〜暗中模索〜

仙太/真夜中に教会へチャリで行って、情報収集をします。この時代だと高坂さんはいないよね? じゃあ、アイザックせんせーい! 出てきてー!(笑)
GM/アイザックさんなら吸血鬼だし、姿も変わらず教会に居てくれるでしょう(笑)

 アイザック=ブラックモア
 N市を活動拠点にしている神父兼、教会のエージェント。
 28歳ほどのクールな美青年だが、その正体は200年以上生きている吸血鬼。イギリス出身だが何十年も前から退魔組織教会の日本支部ににて活動をしている。


GM/アイザックは「……あまり騒がしい声を出すな」と言いながら、君を礼拝堂で迎い入れてくれます。
仙太/ゴールデンタイムですね、肌がつやつやしてますよ(笑) その……親父が調べている事件についてなんか知りませんかね?

 『判定:N市女子異形化事件』
  ・使用能力値:【体力】【幸運】
  ・難易度:10

 ※「N市で多発している異常な事件について調べる」こと成功すること。


仙太/(ころころ)あっ、達成値8だ。失敗。
GM/失敗しちゃいましたね。アイザックは「現在調査中だ。専業エージェントの……仙太の父親が一日中調査をしているが、まだ有力な情報は出ていない」と経過を話します。
仙太/……そうだ、親父! お前も教会の仕事で夜に活動してるだろ! だから≪悔改めよ≫使って!(笑)
GM/えーと……そうですね、一緒に同じ仕事をしているなら協力するかな。ではGMが1D6を振って奇数が出たら仙ちゃんの親父さんが登場することにします。(ころころ)3。
仙太/親父愛してるー!(笑)
GM/(親父になって)「いっぱい働いて早く俺の手柄にさせろ! ≪悔改めよ≫!」
仙太/ふざけんな!(笑・ころころ)ダメだ、出目同じだ……。
GM/二度目の失敗はどうしようもないですね。なかなか調べが進まない難事件のようです。親子揃って頭を抱えてしまいます。
センセイ/なんだか今日はみんな出目が振るわないな。情報収集に手間を取られているね(笑)
GM/これで全員1回行動を終えたので、1ラウンドが終了しました。入手したイベントキーは全員で共有してください。そして2ラウンド目に突入する前に……ちょっとしたマスターシーンぽい台詞を挟みます。
百合/はい?
GM/……どこか判らぬ場所にて。真夜中に、静馬はとある人と話をしています。

 「初めまして。話を通してもらっていた聖石です。
 そうです、はい、赤ちゃんの……。お願いできますか。お金は……ちゃんとオレがバイトをして貯めて返しますんで。……え、そんなに……? でも、必ずお支払いします。
 ありがとうございます! では是非ともお願いします。……はい? カノジョをですか。判りました。明日連れてきますので……」


 ●ミドルフェイズ5/センセイ 〜追跡〜

センセイ/イベントキーが入手できたから……新しく解放された『判定:静馬の事情を探る2』を調べてみよう。

 『判定:静馬の事情を探る2』
  ・使用能力値:【反射】【知覚】
  ・難易度:12

 ※「静馬を調べる」ことに成功すること。
 ※『イベントキー:静馬』がなければ判定ができない。


センセイ/判定直前に≪幻想式≫でプラス4して、いきます。(ころころ)出目が1・2……≪幻想式≫を使っておいて良かった! 達成値13で成功です。
GM/やっぱり出目が安定しませんね、みんな(笑) ちょっと時間を前後しちゃうんですが、さっきのマスターシーンのあった時間は夜1時を想定していました。ですが、今のシーンを夜0時ぐらいに巻き戻してもいいですか?
センセイ/はい。
GM/センセイは夜0時に、自宅から親に見つからないように忍び足で抜け出していく静馬を見つけます。
センセイ/おおっ、謎の会話の前の静馬を見つけられたのか! 後を追いかけよう。猫が追いかければ見つからないだろうし。
GM/先ほどの判定に成功してくれたので、静馬に見つからずに追跡ができます。……静馬はバス停の前に立っています。
センセイ/追いかける。
GM/バスが来たので静馬はそれに乗り込みます。
センセイ/シュタッと見つからないように中に入る。何年も生きてる吾輩をナメるな!(笑)
GM/無事バスの中に入り込めます。同時に、センセイは「深夜なのになんでバスが動いてるの?」と疑問を抱きます。
センセイ/……そういえばそうだ。
GM/謎のバスはバス停ごとに停車し、比較的若いお客さんを連れて走り出していきます。みんな高校生か20代ぐらいですが、若すぎる子は補導されない程度に大人っぽいメイクをしています。
百合/みんな不良だ……。
仙太/お客さんの会話は聞こえますか?
GM/「今日どれぐらいお金持ってきた?」「親からパクってきたー。こんだけあればいけるっしょー」 ……バスは、とある工場の前に停車します。お客さんはみんな工場の中へ入っていきます。静馬もです。
センセイ/……一緒に降ります。
GM/こんな時間に工場なんて稼働している訳がない。そして工場の入口には、チャラめのスーツを着ている男性が立っています。見張りっぽく立っているけど、通行証などの必要は無く「いらっしゃませー、入って入ってー」と若い子達を中に招き入れていきます。
センセイ/猫なのでしゅるしゅる中に入っていきます。
GM/厳重な監視は無いので、すぐに入れてしまいます。工場の中はまるでライブハウス。アミューズメントバーってやつかな。ディスコのレインボウボールが無い、簡易スタジオっぽい内装です。
朱鷺子/わあ、アングラな感じですね……。
GM/とある看板に英字で「アルカディア」と書いてあるよ。このお店の名前っぽいね。中はとても賑わっていて、元々工場が防音設備のせいかどんなに大きなBGMを流していても外には流れない。みんなディスコの中でお酒を飲んだり煙草を吸ったり踊ったりしている。若いというかチャラいというかケバい感じ。
仙太/うわー、懐かしい。まだガングロとか最先端の時代だよなー(笑)
GM/ここに来ることができたセンセイは『イベントキー:アルカディア』を手に入れてください。これがあればPC全員をここへ連れてくることができます。……静馬を追いかければ、静馬がソファに座っているオーナーのような男性と話しているのも見ることができます。
センセイ/会話の内容は?
GM/先ほどのマスターシーンで話していた通りのことですね。「初めまして。話を通してもらっていた聖石です。カノジョをですか。判りました。明日連れてきますので……」
センセイ/……明日、ママさんをここに連れてくるつもりか。
GM/ではセンセイ、【知覚】判定難易度10をお願いします。[魔術師]であるならプラス3のボーナス付きで判定ができますよ。
センセイ/センセイは[魔術師]だからボーナスありで判定だ。(ころころ)うん、成功したぞ。
GM/オーナーの座っているソファの背後にあるのは≪魔道具≫だ。見たことないからどんな効果か判らないけど、[魔術師]が作るような魔道具がいっぱいある。
百合/いっぱい!?
GM/うん、いっぱい。それらが稼働しているってことはないけど、「なんでこんなに[魔術師]の物品が多いんだろ」って知っている人から見たら背筋が寒くなるかもしれない。……少なくとも一般的なバーで能力者のアイテムが置いてあるのはおかしいと思います。
センセイ/……それが何の効果を持つ魔道具なのかは判らない?
GM/残念ながら遠目で見ている限りでは判らないです。近くに寄ってちゃんと調べたり、知っている人に教えてもらったりすれば判るかもしれないですよ。
センセイ/……単独で動くのは怖いな。今日はこの辺りにして帰ることにします。


 ●ミドルフェイズ6/百合 〜被害者〜

百合/再度『判定:N市女子異形化事件』について調べてみたいです。
GM/一度行なった判定の再挑戦になるので、難易度をマイナス2した状態で判定できることにします。

 『判定:N市女子異形化事件』
  ・使用能力値:【体力】【幸運】
  ・難易度:8

 ※「N市で多発している異常な事件について調べる」こと成功すること。


GM/≪コネ「裏社会」≫の内容になります。持っていたらボーナスを入れてね。
百合/取っていないので素でいきます。(ころころ)はい、なんとか成功です!
GM/百合ちゃんは口コミで広がっているアミューズメントバーについて知ることができました。ゲームセンターの掲示板を中心に、若い子を中心としてそこそこ認知され始めているお店……「アルカディア」のことを調べ上げることができます。
百合/おおっ。
仙太/仙ちゃんやトッキーはそういった遊びに興味が無かっただろうなぁ。
朱鷺子/おそらく壊滅的に無理だっと思います(笑)
GM/最近開通したバス停の、終バス時刻は夜11時。夜11時以降にバスが来ることはありません。だけど、0時過ぎになるとやって来るバスに乗るとこっそりある場所へ連れて行ってくれるそうです。バスと言っても大きなものではないんだけどね。
センセイ/ほうほう。
GM/アルカディアがどんなお店かと言うと、表向きは複合バーです。お酒を楽しんだりダーツを楽しむスペースもあれば、ダンスを楽しんだり出会いを楽しんだりする場所もあるという。場所は中央駅からバスで数十分走らないと行けないような、中心地ではないところにある工場でした。廃業した大きな工場を買い取って部屋を分けていくつも遊び場を設けているというお店です。
仙太/なんか嫌な商売をやってそうだね。
GM/ええ、嫌な商売がされているという情報が出てきます。どうやら薬物の取引などもしているそうです。……さて、皆さん【意志】判定難易度10で「現代ではアルカディアってどうなってるの?」を思い出すことができます。
センセイ/(ころころ)お、15で知ってた。噂で聞いたのかな。
百合仙太/(ころころ)失敗。
朱鷺子/(ころころ)私も無理です。ファンブルでした、全然知らない世界です(笑)
GM/1996年3月に教会ではなく表の警察組織が中心となって「覚醒剤が横行している現場」を取り押さえられ、オーナーは逮捕。廃業になっております。今はアルカディアのあった工場は更地になっています。
仙太/……1〜2ヶ月後には無くなるんだ。
GM/そう、1〜2ヶ月後には警察によって無くなってしまうんです。……現代では追えない事件なんです。
センセイ/だから龍の聖剣は、この時代で探らないといけないから吾輩達を時間跳躍させた……のかな?
GM/そうかも。さて、『判定:N市女子異形化事件』に成功したので被害者さんとお話ができます。
百合/本当ですか。会って直接お話がしたいです。
GM/では教会に被害者を呼び出してお話を聞く手筈を取ってもらって、翌日……駅ナカのドトールで待ち合わせをすることができます。
百合/ドキドキしながらカフェオレを飲んで席に座っています。
センセイ/吾輩も近くに居ていいかの? 百合の足元にいますね。
GM/待ち合わせをしていると、コート姿の女子高生が「あのー……」とやって来ます。「お話をしに来たんですけど……」 【意志】判定難易度6。
百合/(ころころ)11で成功です。
センセイ/(ころころ)13で成功。
GM/2人とも、彼女にある魔術が掛けられていることが判ります。……彼女の姿は一般人の目には普通の人間に見える。けど、よく見るともう1本手が生えている。
百合/ひぃ!?
GM/「私は一般人なんですが、教会の方に説明を受けています。姿を違うものに見せる魔法をかけてもらって、日常生活を送らせてもらっています」 腕が1本生えたという被害者の彼女は、飲み物を持って席に着きます。周囲のお客さんはごく普通の女子高生だと思っているので驚きもしません。
百合/な、何が原因でそうなってしまったんですか……? 理由を知りたいです。
GM/「……前に、友達に『面白い場所』があるから行かないかと誘われたんです」
百合/……面白い場所?
GM/「はい。最初は普通に遊んでいたんです。そこのお店……ちょっと刺激的なショーやゲームをしていて……」 あんまり話したくないなーという顔。もちろん話すために来ているので話しますが、聞くなら覚悟しろよって顔をします。
百合/ショーやゲームって……何をしてたんですか?
GM/「公開セックス。乱交パーティー。キメセク。酔姦。主にそういうことをしているんですが、時々手術をショーにすることもあります。出産ショー。普通の出産もあれば、帝王切開の見せるショーもありました」
朱鷺子/うっ……。
百合/え、えええっ……。
GM/「イベントの内容はその日によって違うんですが、単純なゲームをすることもありますよ。例えば……ルーレットとか、大人数で野球拳とか。私が参加したゲームは……もっと単純で軽いもので、ダイスの出目が高かった勝ちというゲームだったんです。それなら私も参加していいかなって……」
百合/参加したんですか。
GM/「ダイスを振って勝ったらお金が貰えて、勝ち続けたらお金がいっぱい貰えて……でも負けたんです。……目が覚めたら、こんな体になっていました」
百合/目が覚めたら!?
仙太/≪睡眠薬≫とかで眠らせている間に何かした……とかかな?
センセイ/どんな効果かは判らんが、魔道具があったと言っていたしのぉ。
GM/「その後、私、どうしたらいいか判らなくて……腕が3本になった状態で家に帰るなんてできないし……。そんなとき、偶然にも教会の人に出会えて助けてもらえて……」 彼女はどうしたらいいか判らず自殺を考えて途方に暮れていたとき、夜の見回りをしているエージェントさんに助けてもらえたんでしょう。
朱鷺子/よ、良かった。
GM/彼女は表立った異常さだったからすぐに確保できただけで、もしかしたら泣き寝入りしている人は何人もいるかもしれません。PC達に確認ですが、『イベントキー:静馬』は持っていますか?
百合/はい、持っています。
GM/持っていなかったらフラグが立っていないことになり、彼女は店名も店のある場所も怖くて話せなくなってしまう予定でした。ですが『イベントキー:静馬』を持っているので「店名はアルカディア」「夜のバスで行く」ということを彼女の口から話し始めます。……教会に身を確保されてはいるけど、情報提供をして協力できるほど彼女の精神状態は安定してなかったと思ってください。
仙太/だから今まで何も判らなかったのか。
センセイ/食事の場に失礼するよ、と言って顔を出します。その店で指揮っていた人の名前は判るかい?
GM/「出産ショーなどでメスを取ったり、ゲームの進行をしているオーナーが中心人物だと思います。名前は……確か、関オーナーです」 年は30代ぐらいの男性です。
百合/関オーナー……。
センセイ/アルカディアで中絶手術はできると思うか?
GM/「できるでしょう。関オーナーは『そういったショーをみんなで楽しむために医師免許を取った』と何度もイベントのたびに言っていましたから」
センセイ/そうか。申し訳ない。我が友人がそこで巻き込まれているようなんだ。
GM/「それだったらすぐに止めてあげるべきです」 彼女が話せることは以上です。深くお辞儀をして彼女は去っていきます。これから良い心霊治療を受けられればいいんだけどね。
センセイ/そうだな……。若い者の間での口コミだから、大人は調べ上げるのが難しかったんだろうね。
GM/そのようです。仙ちゃんの親父さんがゲーセンに行って聞き込みしても、なかなか口を割ってくれなかったから前の世界では3月まで長引いてしまったんでしょう。
仙太/中学生の息子を使えばいいのに!
センセイ/親父さんだって息子を巻き込みたくなかったんだろ。
仙太/僕だってこの頃からエージェントだったのにな……。
百合/……うう、だいぶヘビーな話を聞いてビックリだよ
センセイ/すまないな、辛い話ばかり聞かせてしまって。
百合/い、いえ……。世の中、知らない方が幸せってことがたくさんあるんですね。
GM/そういえばハンドアウトに書かれていることを言うけど、「PC1のお母さんは甘やかしすぎではないかと思うほど、子供に優しい女性だった」って書いてあるね。
百合/はい……多分、こういうことがあったからなんでしょうか。
センセイ/これから凄惨なショーを見ることになるかもしれない。百合、平気か?
百合/ちょっと俯いて、キッとセンセイの方を向きます。……逃げないです。自分の目でしっかりと見て、お母さんとお父さんを取り戻します。