アナザーワールドSRS・リプレイ・狂気の使者は我にくる
■ 『 第2話 』 2ページ ■
2015年8月23日




 ●ミドルフェイズ3/あゆむ 『AF判定:小屋』×『MAP:神社』

GM/神社に到着しました。そこで「小屋の調べを進める」とのことだけど。……ということは、「小屋と同じような物はないか?」「小屋に関係がありそうなものはないか?」を調べることになります。
ルリチカ/はい。鶴瀬総支配人が封印してくれたジップロックを持ちながら神社に行きますよ。
あゆむ/シーンプレイヤーはあゆむでいきます。今回のAF判定は……≪マイガーデン≫は使わないでおこう。
GM/早速だけどAF判定を始めようか。
あゆむ/演出で≪マイガーデン≫を使います。ウォークマンをつけて自分の感覚に集中する……。確か神社にはゲイトがあったんだよな、と≪全方位視覚≫で確かめます。あ、カラスが来た……。
GM/カァー、カァー?
あゆむ/実はそのカラス、異端でした。
桐久雄/おおっとぉ!?(笑) カラスを撃ち落してやるぜ!
あゆむ/桐久雄くんはクリティカルで異端を倒してくれました! ……という、他のキャラがクリティカルを出すという≪ヒーロータイム≫の演出にしていいですか?
GM/そういう意図なのか。OKだよ(笑)
あゆむ/難易度が減っているからこれぐらい使えば平気かな? 【知覚】判定をします。(ころころ)成功しました。
GM/もう判定も慣れたもんだね。……ぬんは、神社にあった≪クリエイトゲイト≫の存在を再確認しました。
あゆむ/もう[世界遣い]ですからね、どんなものかも判りますよ!
GM/そう、君にはもう判る。≪クリエイトゲイト≫とは場所と場所を繋ぐワープ装置であることだって。ぬんは、『小屋と神社が繋がっている』ことが判った。
桐久雄/マジか!?
あゆむ/直通のどこでもドアを発見した!?(笑)
GM/ルリチカから特命課から「線路から神社は近い」って聞いていたよね。そして、「神社と小屋は直通である」ということが判りました。

 『AF判定:小屋』×『MAP:神社』
▼神社に設置された≪クリエイトゲイト≫は、『MAP:神社』と『MAP:小屋』を繋いでいる。このゲイトを通れば1秒で行き来ができる。
▼神社には何らかの儀式の痕が残っている。

 『イベントキー:外園メイア』×『MAP:神社』
▼外園メイアと同じ顔の女が、2015年4月25日に神社で魔法陣を描いて一般市民2名を生贄にした何らかの儀式を行なっていた。
▼儀式の残り香を探ると、『ユウストタディアスの禁書』に書かれた魔術に近いものであると判る。また、「4月に行なわれた儀式は条件を完全に満たして成功している」と判明する。


あゆむ/あれ……儀式は成功している……?
GM/成功しているよ。だって、ここで2人は死んでいるから。
あゆむ/でも、一般市民は2人とも無事だって……。
GM/メイアと喜行。
桐久雄/あ。
日葵/ああっ、そっか!? 4月に完成してなくても、つい昨日完成しちゃったんだ……!
GM/そういうことだね。……さて、神社で何かしておくことはありますか?
あゆむ/な、無いかな?
ルリチカ/第1ラウンドも次でラストで……例の血まみれの事件が起きるから、そろそろプレイヤー内でも情報をまとめようか。まだ判っていないことは……。
桐久雄/……なあ、アキ子さんが「オレのお母さんの仕事関係の人」なら、多分「○○組」って名前の団体に所属していると思うんだよ。
日葵/月見里組とか、ヤクザの「○○組」に?
桐久雄/もしそれが「冥王組」とかだったら笑うな。
ルリチカ/……それ、ありうる(笑)
日葵/おじさんに訊けば教えてくれるんじゃないか?
GM/それぐらいの電話ならすぐにできるよ。いつもの桐久雄くんに理解のあるおじさんが電話に出てくれます。
桐久雄/あの、おじさん。訊きたいことがあるんだけど……。さっき警察に行ったとき、明日田アキ子さんに会ったんですよ。
GM/(電話先のおじさんになって)「明桜建設の明日田アキ子さんですか? お母様のお友人の?」 おじさんは知っている口ぶりです。
桐久雄/あの人……どこの所属だか知っていますか?
GM/「所属している組ですか? 社名と同じ、アキザクラ組です」
あゆむ/どんな字です?
GM/『明桜組』と書きます。
日葵/メイオウだな。
あゆむ/ヤクザにありがちなことですね。
ルリチカ/えっ? ……あ、ああっ!? ハイハイ、判った! なるほど、同じだ!(笑)
GM/ここで特別に『イベントキー:明桜組』を渡しておきましょう。「明日田アキ子さんのメイオウ組……アキザクラ建設は、近頃景気が良い会社です。3〜4年前に震災がありましたよね」
桐久雄/う、うん。
GM/「あの震災のおかげで建設業は耐震強度の改築依頼やリフォームの仕事が増えたらしいです。元々明桜建設はバブル期からこの街でもいくつも物件を持ち、それに加えて震災特需で盛り上がっています。古い一般住宅や新しいマンションだけでなく、公共施設にも手をつけているぐらいの企業でしたから必然とも言えるでしょう」
日葵/住宅だけじゃなく……公共施設にも?
GM/寂れた古い小屋や、カードキーを使うような最新のマンションだけじゃなく、学校や駅のような施設にも明桜建設の力は及んでいるってことだよ。その管理については公の場所で調べることができるよ。具体的に言うと、警察署で調べると出てくる情報だね。
あゆむ/小屋……マンション……駅……(笑)
桐久雄/震災のおかげで財を成して、最近乗っているのか……。明桜組が警察に行かなきゃいけない理由って何か思い当たる?
GM/おじさんは心当たりが無いと言います。
あゆむ/あの、桐久雄さん……。アキ子さんと桐久雄さんのお母さんについてどんな関係か聞いておくべきじゃないですか?
桐久雄/そうだね。おじさんは何か知ってる?
GM/アキ子さんとお母さんについて尋ねるんだね? 「……最近お母様は、アキ子様に会っていないと思いますが」
桐久雄/え、凄く親しいって訳じゃないの?
GM/「親しいのは確かですが、少なくとも私の知っている限りではお正月に年賀状を頂いた以外にはお話をしていないと思われます」
桐久雄/……最近会っていないのに「お母さんが心配してたわよ!」って言われたの?
GM/正確にはアキ子さんは「お母さんは本当に心配していたのよ」ってさも昨日会っているかのように言われました。
あゆむ/……そうだよ。その直後、おじさんは「今のところ誰にも門外していませんが」って言ってた。「お母さんは塞ぎ込んでる」って言ってたよ!
桐久雄/オレ、嘘を吐かれたよ!? アキ子さんは嘘を吐いてでも独自で動かなきゃいけない理由があったんだ……。それって、オレ目当てってこと?
日葵/……ところで、明日田さんって誰?
あゆむ/あ、ごめんなさい(笑) 着物を着て、目の細い……ってアキ子さんについて説明します。
ルリチカ/それなら俺も警察署に行ったときに見たよ。美人だったから覚えていたよって言えない(笑)
桐久雄/……おじさん、色々教えてくれてありがとう。でもまだ家には帰れないからよろしく!(笑)
GM/「マジかよ」
あゆむ/おじさん、地が出てるよ(笑)


 ●ミドルフェイズ4/桐久雄 『AF判定:桐久雄』×『MAP:小屋』

GM/第1ラウンドのラストは桐久雄ちゃんのシーンになるね。どうする?
日葵/うーん、次は『AF判定:桐久雄』かなー……桐久雄を現場に戻してみたら何か判ることがあるかもしれない……。
桐久雄/神社からならゲイトを使えば一発で行けるよ!
GM/うん、すぐに小屋へ行けるよ。[世界遣い]のぬんセンサーがそうだと言ってます。
あゆむ/ぬーん(笑) じゃあ、小屋に行っちゃいます?
ルリチカ/……なあ、小屋に高坂さんを連れて行ったらどう思う?
日葵/高坂さんが小屋に充満した粉を吸い込むだろうな。
あゆむ/ってことは……まさか、高坂イズデッドじゃなくなる!?(笑)
日葵/確かに! これで高坂さんが死ななかったら粉はマジという確証になるな。
桐久雄/高坂さんをマウスにするってこと!? いいの!?(笑)
GM/高坂なら「俺が行くことで何か判るかもしれないって? なら行くよ」と素直についてくるよ。
ルリチカ/あ、ありがたい! でも高坂さん、そうやって何でもOKするのは良くないと思います!(笑)
GM/「え? なんで? みんなの為になるんだったら俺はどこにでも行くよ」
桐久雄/高坂さん、ごめん……ごめんね……(笑)
あゆむ/連れて行って何か状況が変わったら面白いね(笑) じゃあ、ゲイトに入ります。
GM/神社にやって来た高坂を連れて、ゲイトから……小屋に入ります。本来なら車で数十分かかるのに、気付いたら君達は外れの小屋の中にいました。
ルリチカ/本当に、神社と小屋はゲイトで直通なんだな……。
あゆむ/高坂さん、深呼吸をしましょう。
GM/すーはー。
桐久雄/そろそろAF判定を始めるね。確かオレは、この辺りで縛られていたんだけど……。
GM/すーはー。
桐久雄/あのときオレがパニックにならずに冷静でいられたら、あゆぬんの手を煩わさずに済んだのにな……。冷静になれるオレもいた筈なのに、と≪デュプリケイト≫の演出。
GM/すーはー。
あゆむ/……高坂さん、めっちゃ吸ってる(笑)
桐久雄/そうだ、オレって≪プロパゲイト:単一化≫を持ってたんだから縄ぐらい引き千切れたんじゃねーの!?
GM/すーはー。
桐久雄/≪鳥躍≫で素早く動けるんだから、普通に逃げられたんじゃね!?
GM/すーはー。
あゆむ/高坂さん、もういいですよ!(一同笑)
桐久雄/もし、ぬんが一般人だったら彼女を危ない目に遭わせたかもしれないんだよな……。でも、今後彼女の身に何かあったら遠くにいても≪守りの契り≫と≪カバー≫で絶対に守ってみせる。ひまちゃんもルリーチカも、高坂さんだって守ってみせる!
ルリチカ/桐久雄はいい子だな、なでなで(笑)
桐久雄/弱気になるな! ≪デスブリンガー≫である刃物を工夫して、上手くダメージにも還元できないかなと考え始める……という、≪鬼の肌膚:物理≫と≪軍神の知恵≫と≪浸蝕≫。
GM/今ならみんなの力になれる筈。そう、失敗作と言われた桐久雄とはもういない。
桐久雄/あのときのオレとはもう違う! ≪機関「チルドレン」≫のことを思い出して……難易度2で判定します。(ころころ)成功です! 桐久雄は小さな脳味噌で必死に考えました!
GM/桐久雄は捕らわれていた小屋で自分を見つめ直すことによって、何かを思い出します。
桐久雄/高坂さんといっしょに深呼吸をしておきます。すーはー。
GM/すーはー。
日葵/……なんだか申し訳無い気分になるな(笑)
GM/小屋の記憶と言っても、小屋では目隠しをされて眠らされていた訳だから……思い出すとしたら、小屋に来る直前の記憶だ。
桐久雄/はい。
GM/そう、君は思い出す。竹林にいたことを。
桐久雄/竹林。
ルリチカ/……あ……。
GM/体が熱い。体内からじくじくと刺激が走る。目の前にいるものは恐ろしいものばかり。何故って、君は今まで毛むくじゃらの化け物に追われていたからだ。
桐久雄/ううっ!? 何だ、あれ……!
GM/恐慌状態の君は『獣に腕を掴まれて長い時間意味も判らず走らされる』という恐ろしい目に遭ったこともある。でも能力者の親によって自分の力に理解があった君は、キャラクターシートに書いてある力を使って、その化け物を追い払うことができた。
ルリチカ/……あ……。
GM/腕を掴んで離さない獣は、嫌がる桐久雄を無理矢理竹林まで連れてきた。訳も判らずに君はパニックに陥った。言葉も通じない化け物に、たった一人、ここまで連れてこられたんだ。そりゃあ君は全力で抵抗した。全力で化け物を殺した。……その正体は、人間だったけど。
桐久雄/…………。それが判った瞬間、その場に崩れ落ちます。
GM/化け物だと思っていたそれは、自分と同い年ぐらいの青年だった。誘拐された君は、自分を助けてくれたかもしれない男性を、殺した。【正気度】判定にいきましょう!

 『イベントキー:誘拐』
 PC1専用。何者かによって誘拐されたことを表わすイベントキー。
 狂気に触れたり、非常に恐ろしい事態に直面すると凄まじい妄想に囚われてしまう。【正気度】判定難易度15に成功すること。失敗した場合、PC1は『狂化』する。


ルリチカ/ああああ、やっぱりぃー!?(笑)
桐久雄/2D6で10以上を出さないと! エンダー!(ころころ)イヤァー!?(一同笑)
ルリチカ/き、桐久雄! しっかりしろ! あと必要な達成値は……6も必要か……。
あゆむ/ま、まず≪悔改めよ≫をしてみよう!
桐久雄/そ、そうだね!(ころころ)達成値12……あと3必要だ。
あゆむ/ここに≪ミネルヴァ≫があるじゃろ。1D6で3が出れば大丈夫。私の運命力ならいける。(ころころ)……3!
日葵/運命力が勝った!(笑)
桐久雄/ピッタリ成功! ぬんスゲー、女神だー!(笑)
GM/おお、成功したか。もし失敗したら『狂化』して全力で暴れ回ってもらう予定だったのに。一度くらい『桐久雄狂化ルート』にいってもいいんじゃない?
ルリチカ/確実に今の状況だと無力な高坂さんが死にますよ!?(笑)
GM/では成功のロールをしようか。正確には、失敗して、また失敗して、ぬんに助けてもらうという演出をしよう。
桐久雄/……床に崩れ落ちます。オレ……あのとき……人を……って泣き始めます。
あゆむ/隣に座って桐久雄さんの手を取ります。……大丈夫ですか?
GM/……サインの無い手を取るんだね。
日葵/あっ、ループが変わったからもうサインが無いんだ……。
桐久雄/掴まれた手にサインは無いけど、前のループでサインを書いてくれたことを思い出して、落ち着いていきます。……お、オレ、嘘吐いちゃった。人とか殺したことないって言ったのに……殺してた。
ルリチカ/……それは、お前のせいじゃないよ。
桐久雄/でもっ……!
ルリチカ/お前は相手が人間じゃないと思ってたんだろ? ……とは言いつつも、事実を知っていて今まで黙っていた罪悪感が苛みます。
桐久雄/る、ルリーチカぁ……。
GM/……高坂は、日葵ちゃんの様子を見るよ。
日葵/……察してますよ。察してますけど……。
ルリチカ/うん……実は、ルリチカも複雑だよ。
あゆむ/……喜行さん、本当に最後まで人を助けようとしていたんですね。
日葵/……そういうことだな。
桐久雄/ひ、ひまちゃん……ごめん。オレ、なんてことしちゃったんだろう……。
日葵/……別に謝る必要は無い。
桐久雄/だ、だって、彼のこと……大切だったよね?
日葵/確かに大切ではあった。良い友人だったし、弟みたいな存在だった。死んだのはショックだ。まだ割り切れないものもある。それで今、私の仲間である桐久雄が生きているのだから良い。
桐久雄/……オレ、あの人のことを殺しちゃったのに、そんなオレのことを仲間だって言ってくれるの?
日葵/殺したことに罪悪感を持っている人間を責める気は無いよ。一つ命が助かったのならば満足だ。喜行の分まで強くなってくれ。
桐久雄/ううぅ、ひまちゃん、オレ、オレ……。オレは……あの人に助けてもらったんだから……。
日葵/今度はお前が人を助ける番だ。それを償いだと思ってくれればいいさ。
桐久雄/……判った。弱気になってごめん、みんな……。
ルリチカ/……俺もごめんな。桐久雄のかんざしを取り出します。喜行がこれを握りしめて死んだと警察で判っていたけど、今まで言えずにいた……。
桐久雄/……オレがパニックになると判って言わないでおいてくれたんだろ?
あゆむ/ルリチカさんはそういう気遣いをしてくれる人ですからね。
ルリチカ/ありがとう。……ごめん。
GM/突然外から「おーい? 誰かいるんですかー?」って声が掛かります。
桐久雄/えっ?
GM/外を見ると、小屋の前にこの物件を管理してるっぽいオッサンがいます。どうやら空家に人がいるのを怪しんで声をかけたみたいだね。
桐久雄/どうする? やり過ごす?
ルリチカ/いや……ここはあのオッサンに情報収集してみよう。
日葵/ここに居る理由は肝試しとでも言えばいいだろう。それならスーツ姿の私が引率だと言って前に出た方がいいな。
GM/では日葵ちゃん達が小屋から出てくるのを見て、オッサンは「悪さをしているんじゃないですよね? ならいいんですよ」と穏やかに対応してくれます。
ルリチカ/ここって空家なんですよね? 管理している会社ってあるんですかね?
GM/「ここは明桜建設が管理している物件ですよ」
桐久雄/……エンダー。
ルリチカ/イヤー。……やっぱりな(笑)
あゆむ/おじさんに話しかけてみます。あの、ここに人ってよく来るんですか?
GM/「まず来ないんじゃないですか? この辺りは古い家が多いので空家ばっかりですし。数年前に震災があったでしょ? そのとき耐震強度が基準に達してないってことで住民には立ち退きしてもらったんですよ。すぐ家を取り壊さないのは予算の問題です」
あゆむ/ああ、取り壊すにもお金がかかりますしね……(笑)
GM/ということで、ガラスを割ったり悪さをしていないと判ったオッサンは普通に去っていきます。

 『AF判定:桐久雄』×『MAP:小屋』
▼桐久雄は小屋に連れてこられる前の記憶、「正体不明の獣に襲われるという恐ろしい経験」を思い出す。
▼だが桐久雄は、両親から引き継いだ能力でその獣を討つことができた。
▼その獣の正体は、小野喜行である。
▼小屋は明桜建設の所有物だと発覚する。


GM/そろそろ夕方、18時近いね。高坂は桐久雄くんに「……喜行くんに関する聴取は後でやらせてもらう。だが今は、今の仕事を優先しよう」と仕事人の顔をするよ。
桐久雄/……はい、お願いします。ううう、気が緩んだらお腹が鳴った(笑)
GM/「俺もそろそろ腹も減ったし、飯でも食べにいくか」と高坂は笑って言いますよ。ここでのシーンは以上です。第1ラウンドはこれでおしまいでいいかな?
ルリチカ/待ってください。……『イベントキー:カードキー』と『イベントキー:住所』を使って、コーポカートンに行くイベントを起こせるんですよね?
GM/ええ、シーンの終わりに割り込みで可能です。
あゆむ/……マンションに行きましょう。今度は全員で行きたいです。あの、高坂さん、ちょっと寄りたい場所がありまして……とカードキーのマンションのことを話します。
GM/高坂は言われたマンションまで車を走らせます。数十分後、コーポ カートンに到着しました。
あゆむ/高坂さんは車で待っててください。でも車に戻って来たら運転席に血まみれの高坂さんが寝てるとか無いですよね!?(笑)
GM/「俺が襲われることを心配してるの? 大丈夫だよ、俺だって自衛手段は持っている。血まみれなんてありえない」
桐久雄/そう言って着々とフラグを建設しないでください!(笑)
ルリチカ/だ、大丈夫だよ、きっと……分担しないで今回は全員で行こう……(笑)
あゆむ/カードキーを通してマンションに入ります。……何にも言わないけど皆さんプロデューサーさんのことを疑ってますよね、判りますっていう顔をしています(笑)
桐久雄/ま、まだ何も言ってないよ!(笑)
ルリチカ/彼女の辛い気持ちを察して何も言わないでいるけど、それが重い雰囲気を作っているような気がする……。俺もプロデューサーさんの意思でやっているもんじゃないと信じたいよ。どっちかっていうと潔白を晴らしたい気持ちで部屋に乗り込む気だから。
あゆむ/……はい……。ありがとうございます。
GM/君達は揃って4階に上がります。404、不吉の数字の部屋に。
日葵/なんて所に住んでやがったんだ……(笑)
ルリチカ/いや、4は幸せの数字ですよ(笑)
桐久雄/でも幸せが0って書いてあるよ!?
あゆむ/ぬんが落ち込みながらピンポーンします。
桐久雄/すみませんっしたー!(一同笑)
GM/ピンポーンされても反応は無い。カードキーで扉を開けると、そこは誰もいない静かな部屋でした。少し埃が溜まっていて足跡があり、棚の上に置いてある写真立てが伏せられているなど、前回のループと同じです。
ルリチカ/……部屋に対して≪過去視≫をすることができます? フローリングの床に手を添えて、≪過去視≫を使用します。
GM/代償を払えばOKです、【MP】を減らしておいてね。……ルリチカはこの部屋で起きた過去を読む。
ルリチカ/一番最近の……この足跡を残したときの記憶を手繰ってみよう。
GM/……部屋に男性が立っている。窓の外はどうやら冬から春にかけての季節。半年間立ち入る人がいないとされていた部屋に、男性が立っていた。
ルリチカ/……その男性の顔は見えますか?
GM/ルリチカは写真で顔を見たことがある。29歳の男性、榊原 始だ。ただしその顔は爛れてグチャグチャで、首周りはボコボコと溶岩が沸き立つように膨れて見るも無残なものだった。
ルリチカ/うっ……!?
GM/春なのに厚手のコートを羽織り、凄惨な火傷痕が残る肌を隠している。コートの形はルリチカも実際見たことがある。……とある空間で戦ったガスマスクの男と同じコートだ。
ルリチカ/……はい。
GM/コートの男は部屋にあった必要な物を鞄に詰めていた。まるで限られた時間で身支度をするかのように。ふと男が戸棚の上にある写真立てに目をやる。……女の子達と彼が写っている写真を手に取ると、自分から伏せた。
あゆむ/…………。
GM/そんな男の肩に、チチチとネズミが乗ってくる。
桐久雄/ネズミだ……。
GM/男は肩に乗るネズミに対し、「……監視を続けろ」と言う。
ルリチカ/GM、ネズミが喋っていることは≪バベルの唄い手≫で判りませんか?
GM/あ、君なら判るね(笑) 「この部屋の監視をすればよろしいですか?」「ああ、監視を続けろ」「かしこまりました。ところでメイア様が教会のエージェント達に殺されたようです」「儀式は失敗か。……いや、あと1人の被害者でいいということだな」
桐久雄/メイア……?
GM/ルリチカはその記憶を覗き見て、判ってしまう。「この部屋は何者かに監視されている」と。
ルリチカ/ネズミが監視している! 真っ先に叫びます!
GM/……そんなことを言われたら、ここを監視しているネズミは逃げようとする。(ころころ)難易度は13、【体力】か【反射】で13以上でネズミを捕ま……。
日葵/(ころころ)【体力】18で成功!
あゆむ/圧倒的だ!(一同笑) ≪全方位視覚≫で日葵さんに「あっちに行きました!」とアドバイスします!
日葵/バシッとネズミを引っ掴む!
ルリチカ/おー、そいつそいつ!(笑) そのネズミ、使い魔なんだ! ……前回のループで戦ったコートの男、この部屋の主である男の使い魔だ!
桐久雄/プロデューサーさんの、使い魔か。
あゆむ/……うっ……。
GM/ネズミは日葵ちゃんの掌に収まっています。暴れて逃げようとしているようだよ。
ルリチカ/……ネズミに訊いてみよう。お前の主の名前は?
GM/「知るかボケ」
桐久雄/ひどい声が出た!(笑)
GM/「教えてほしければ交渉判定だ」
日葵/交渉で応じてくれるんだ!?(笑)
あゆむ/……プロデューサーさん! そこにいるんですか? 感覚を共有しているなら私の声が伝わる筈……!
GM/ネズミは図星のような顔をします。
あゆむ/……生きてるんですか?
GM/コクリと頷いた気がした……けど、日葵ちゃんの掌の中でボンっと≪無限の解放≫で自爆します。
日葵/うわっ!?
GM/ダメージはありません。日葵ちゃんの手がチクリと痛んだと思ったら、青い光になって消えていきます。そして日葵ちゃんの掌に残っているのはただの石です。どうやら≪異常鉱物≫のようだね。

 ≪異常鉱物≫
 生きる石(形状は自由)を使役し扱う[異端者]の副特技。
 モブキャラクターをシーンに登場させることができる。作成したキャラクターは使用者が操作する。


あゆむ/プロデューサーさん、[異端者]なの……? ご、ごめんなさい、無駄な質問をさせちゃって。
日葵/いや、無駄な質問ではないぞ。生きていると確認が取れただけ君にとっては必要な質問だっただろう?
あゆむ/ひ、ひまちゃあん……ありがとうぅぅ……(笑)
ルリチカ/……あゆむちゃん、大丈夫? この状態で連れ回すのも気が引けるけど、この事件を解決するためにはあゆむちゃんの力が必要だから……その、ごめん。
あゆむ/いえ、こちらこそ……。いつもなら笑顔で返せるけど、全然笑えてない顔に言います……。
桐久雄/あっ……。
あゆむ/だって、これは、無理だよ……。
ルリチカ/…………。ご飯にしよう! 高坂さんが外で待っていてくれてる!
日葵/そうだな、行こうか……。
あゆむ/……去り際に、前のループと同じように「連絡待ってます」とメモを残して、写真立てを元に戻していきます。
GM/判りました。シーンを終わらせましょう。その前に、ちょっとした……マスターシーンを挟ませてください。

 ――機械めいた男女とも判らぬ声が、どこかで響いている。

 「能力者……か」

 部屋の光景を見ている声は、震えながらも……もう一度

 「能力者……か」

 悲しそうな声で、呟く。


桐久雄/……何のシーンなんだ、これ?
ルリチカ/……「ぬんが能力者であることを知ってしまった」、というシーンかな。


 ●マスターシーン

GM/コーポ カートンから出てくると、車の前で煙草を吸っている高坂がいます。「終わったかい?」
あゆむ/……な、なんか、元気な高坂さんを見たら元気が湧いてきました(笑)
桐久雄/高坂さん、大丈夫ですか!?
GM/「何が?」 高坂は普通に訊いてくるよ。
あゆむ/あの、高坂さん。プロデューサーさんのことを話します。……彼は前回失踪した人で、おそらく今回の事件の首謀者です。今まで黙っていてごめんなさい!
GM/高坂は茶化さず真面目に報告を聞きます。そしてあゆむちゃんに「……辛いことを抱えさせちゃってごめんな。まだ頑張れるかい?」と向き合います。
あゆむ/……はい、頑張れます!
GM/「……頑張れなかったらいつでも言ってくれよ。君が潰れたらみんなが、君の友人達が心配する。肉でも食いに行って元気を出そうか。車に乗ってくれ」
桐久雄/高坂さんが運転して大丈夫ですか?
GM/「いつも運転してるのは俺だよ?」
日葵/…………。私が代わりに運転しよう(一同笑)
GM/「え、でも」
ルリチカ/高坂さん、一日中運転してますもん! 休みましょう!(笑) さあ、後部座席に座って!
GM/「んん? ありがとう?」 それでは日葵ちゃんの運転をしていると……車につけられた無線がある連絡をしてきます。
日葵/はい。
GM/時刻は19時。暗くなりつつある時間帯。連絡の内容は……教会にいたエージェント達が全員血を流して倒れてしまったということ、教会以外にいた能力者達も同じ異常事態に見舞われているということ、何人もの能力者が亡くなったというものでした。
日葵/やっぱり……。
GM/それを聞いた後部座席の高坂が「なんだって!?」
あゆむ/高坂 イズ アライブ!(一同爆笑)
日葵/高坂さんが生きてる! まさか……成功するとは!(笑)
桐久雄/良かった、高坂さんが生存だー!(笑)
あゆむ/し、深呼吸してもらって良かった……さすが私達の心の安定剤です!(笑)
GM/(笑いながら)高坂は「ここにいる俺、二木や晩間、叶は無事だ! 他に生存者は!?」と後部座席から乗り出して運転席の無線と通信をする。「日葵ちゃん、叙々苑じゃなくてそのまま教会に向かってくれ!」
日葵/叙々苑に行くつもりだったんだ!?(笑) 判った、教会に向かう!
GM/教会に行くと、大勢の能力者が亡くなったこと、病院に送られていることを話されます。一般人のシスターさんがてんやわんや、でも生き残っていた高坂は素早く対応をし始めます。……状況は前回のループと同じです。ただし、鼻血を吹いている人はおりません(一同笑)
桐久雄/やっぱり小屋で粉を吸い込んだことが、俺達が死ななかった理由だったんですね。
GM/……正直に白状しますと、第1話のオープニングフェイズで桐久雄があゆむを連れて小屋から出るって言ったとき、「待って! まだひまちゃんとルリーチカが小屋に来てないから!」とGMは焦っていました。なので小屋の庭であることを強調していました。
日葵/もし私達が小屋に入らなかったらシナリオの途中で死んでたかもしれないのか(笑)
ルリチカ/高坂さんは生き残ったけど、やっぱり大勢の能力者が死んでいるんだな……。
GM/ええ。鶴瀬総支配人も亡くなったということを伝えられます。どうやら彼は喫茶店シャノアールにいたそうだよ。
あゆむ/ああ、惜しい鶴瀬を亡くした……。
日葵/……鶴瀬総支配人、シャノアールにいたんだ? ずっとシャノアールにいるってこと?
GM/そうかもね。それでは、第2ラウンド移行します。


 ●ミドルフェイズ5/桐久雄 『AF判定:小屋』×『MAP:警察署』

GM/世の中は大惨事。能力者が車に乗っていて、そのまま鼻血を吹いて倒れて交通事故を起こし煙が舞う、そんな世界だ。
桐久雄/うわぁ、マッドマックス……(笑)
あゆむ/デスピタゴラスイッチ……(笑) でも高坂さんが生きているというだけで心の安寧が保たれています(笑)
GM/昼間は平和だった警察署も、今は大混乱中です。そして血まみれの特命課が救急車で運ばれていきます。
あゆむ/(ゆたかになって)「やっぱ帰れなかったぜぇー!」
桐久雄/ああっ、病院に運ばれていくゆたかさん!(笑) それでも一般人は生きて仕事をしているんですよね?
GM/うん。一般人は突然倒れた人が能力者だなんてことも知らないからね。混乱していてもちゃんと大勢によって警察署は機能しているよ。それじゃあAF判定をしていこうか。
桐久雄/……と言っていると、右の方から「ヒャッハー!」と言うものが。
あゆむ/……来たか!(一同笑)
桐久雄/自分の血にまみれた男が大きな筆を持って来ます!(狂気の異端犯罪者になって)「ヒャッハー! ひとりスプラトゥーンだぜぇー!」(一同爆笑)
GM/桐久雄くん、AF判定をするのに手酌って大変じゃない?
桐久雄/大変です。
GM/私が犯罪者のロールしていい?
桐久雄/ぜひお願いします。
あゆむ/「していい?」で出来るんですか、キャラロール!?(一同爆笑)
GM/(すぐさま犯罪者になって)「超楽しいぜぇー! 一人で芸術楽しいぜぇー! 血を使ったアートででっかい筆で一面ブシャーだぜぇー!」
桐久雄/桐久雄は受付のお姉さんを≪カバー≫します!
GM/(受け付けのお姉さんになって)「キャー! クリーニング代はどうしてくれるのよぉー!?
ルリチカ/気にかけるのそこなんですね!?(一同笑)
桐久雄/オレに任せてください! 自分の持っているナイフである≪デスブリンガー≫+≪ソウルデバイス≫を3〜4本ぐらい構えてます! こいつ、外に出たら迷惑だよな!
GM/「いや、ここでもオレは迷惑だぜぇー!」
桐久雄/ですよねー!?(一同笑)
GM/「警察署には重要な書類はたくさんあるだろぉ!? それをオレの血で全部染め上げてやるぜぇー!」
桐久雄/≪インドラ≫を使います!
GM/「キャーキャー逃げ惑う人間の負の感情が大好物だぜぇー! だからここの書類全部血で汚してやるぜぇー!」
桐久雄/≪ヘル≫を乗せます!
GM/「白いシャツにも壁にもブシャブシャしてやるぜぇー! そうすると事務員の顔が歪んで楽しいぜぇー!」
桐久雄/≪軍神も知恵≫もつけておきます!
GM/「意味も無くでんぐり返しとかしちゃうぜぇー! 大の字で天井に体当たりしてやるぜぇー!」
桐久雄/……君は、そんな人だったかな?
GM/知らんわ。
あゆむ/おい、生みの親!(一同爆笑)
桐久雄/お前はそんな人間じゃない筈だッ! 思い出してください、自分は書道家だったことを!
GM/「ハッ!」
日葵/そうだったんだ!?(一同爆笑)
桐久雄/彼はアーティストだった、でも……!
GM/(台詞を被せ気味に)「自分には何か一つ足りないものがあった。芸術家として大成してやるという夢を抱いて田舎からこのネオサイタマにやって来たというのに、いつまで経っても足りない何かが判らなかった! お前ヘッタクソだなーと罵られ才能が無いと言われて落ち込む毎日、苦悩の日々、かつては正の感情に満ち溢れ目を輝かせて上京したあの頃を忘れてしまった自分! そうだ、こいつらを血で濡らすことで芸術を完成させてやろう……!」
あゆむ/本当に打ち合わせしてないんですよね、このやり取り!?(一同爆笑)
桐久雄/……あの、何がしたいって、≪抉る幻≫を使いたいんですよ。
GM/それを先に言ってくれ。
桐久雄/で、思っちゃったんですよ。「真っ当な人間だったのにどうしてこんなところまで来てしまったか」と!
GM/「グアアアアァー!?」 精神を抉られ、エビぞり状態で苦しむ異端がいるのでどうぞ処刑してください。
桐久雄/次のループでもやりそうなので≪パミュートメモリ≫で残しておきますね。
GM/世界にそんな記憶を残さないで早く彼を解放してあげて。主題歌を流しておくから。
桐久雄/思い出と共に塵に還ってください! 普通に殴ります。彼にも一つの壮大な物語があったのです。(ころころ)判定成功したので幕を下ろしました。静かになったので警察署で小屋のことを訊きますね。
日葵/わ、笑い過ぎて……お腹が痛い……(笑)

 『AF判定:小屋』×『MAP:警察署』
▼桐久雄を発見した小屋は、明桜建設のものである。


GM/以上です。
ルリチカ/以上かよ!?(笑)
あゆむ/難易度15の判定にお前らが盛り上がりすぎただけだよ!(一同笑) ……あ、あの、一応コーポ カートンもどこのものか警察署で調べられますか?
GM/コーポ カートンも明桜建設のものです。
桐久雄/マジっすかー、雲行きが怪しいぞー。……うん、腹減ったしみんなと合流しよ(笑)


 ●ミドルフェイズ6/日葵 『AF判定:高坂』×『MAP:教会』

GM/教会にいる高坂さんは処理に追われてひっちゃかめっちゃか、うんにゃらほんにゃら、すっとこどっこいのばったばたです。
日葵/か、可愛い……(笑) 高坂さんの手伝いをしつつ、訊いておきたいことをしたいんですか。
GM/作業をしながらも日葵ちゃんの報告を聞くことにしましょう。(高坂になって)「片付けをしながらでごめん、色々話してくれるかな?」
日葵/冥王組が『冥王顕現計画』を行なっているって言ってましたよね。その結社は、明桜建設が関わっているんじゃないかと睨んでいます。出てきた物件が、この会社の持ち物でした。
あゆむ/それに……ヤクザはよく読み替えの漢字をする(笑)
GM/「……なるほど。確かに、あの小屋もマンションも全部あの会社に繋がっているな」
日葵/そこで訊きたいのだけど、明日田アキ子という人物は教会の関係者ではないのか?
GM/「テレビに出るぐらいの有名人だったから名前は知っている。でも、教会の人間としての俺は何も知らないな。教会に登録している人ではないし……」 このことはルリチカが教会の資料をざっと探しても同じ答えが出てくるだろうね。
日葵/そうか……。この辺でAF判定をしよう。倒れている人を運んだり対応するにも体力が必要だ。≪戦神の巣≫で持久力もあり、≪強化手術:体力≫で力をつけている私が重体の能力者達を適切な場所に運びます。
GM/エージェントの宿舎では血まみれになっているから、体力自慢の日葵ちゃんの助けはありがたいね。
日葵/これで充分だ、判定にいこう。(ころころ)成功です。
GM/無事成功した君は……現状を確かめます。何人もの人々が原因不明の吐血で亡くなり、テレビを見れば事故の話しかしていない。不安がっているのは倒れた本人らだけでなく、街中の人達もです。
日葵/そうだな……。
GM/街中が、いや、世界中が謎の死に満たされて『負の感情』を纏っています。(高坂になって)「日葵ちゃん、お疲れ様。もう夜の10時なんだしそろそろ休んだ方がいい」
日葵/休みたいのはやまやまだが、私は生憎休んで考えを巡らせるのは苦手だ。体力がある私は動いている方がいい。
GM/「休め。15分だけでもいい」
日葵/うっ。……はい(笑)
GM/「……ごめんよ。どうやらこの辺りで生き残っている能力者は、俺と君達4人しかいないらしい。君に倒られると困るんだ」 そう言って高坂は日葵ちゃんに淹れたてのコーヒーを手渡します。
日葵/ありがたく頂戴する。……高坂さん、ドタバタして忙しいのは知っているが、何か判ったことはあるか?
GM/『イベントキー:冥王顕現計画』は既にゲットしているね。入手していなければ、ここで冥王組の話をするところでした。「……日葵ちゃんは、機関のことは詳しいかい?」
日葵/残念ながら私は【理知】判定に失敗したよ(笑)
GM/高坂は、詳しそうな顔をしています。「……シェイプシフター型の異端、姿を自在に変えて人を油断させて食らう異端がいるというのは調べていたな?」
日葵/ああ、それなら確か一番最初の頃に……。
ルリチカ/「代表的なシェイプシフター型の異端の名前は『デイアス』」だったね。
GM/「……レベルの高いデイアスは、人間に変身するものもいるらしい」
日葵/おっと……。レベルの高い異端は人間に化けることができる、と?
あゆむ/人間社会に溶け込むという特技もありますしね。
GM/[異端者]の≪偽りの太陽≫、[イレギュラー]の≪アルターマイン≫とかだね。「異端は知能が低い……感情が無く本能に従って人を襲うものが大半だ。だから化けるとしたら『人を油断させる』程度に力を使わない。だが、レベルの高いデイアスは複雑な思考ができるため、人間に化けてより人間らしい罠を張ることができる」
日葵/なるほど、それは厄介だ。で、それが機関と何の関係が?
GM/「……機関はな、研究のために様々な異端を飼っていたんだよ」
ルリチカ/あっ……。能力者や稀人の売買をしていたって、鶴瀬総支配人も言ってましたね。
あゆむ/稀人を取り扱っているなら、異端者も取り扱います……よね?
GM/「機関は研究のため、実験のため、様々な異端を保持していた。特に、機関の責任者は高度な異端をペットとして飼っていたという話もある。そもそもシェイプシフター型の異端は『この事件で何に化けている』と思って調べを進めていた?」
日葵/何に化けている? えっと……?
あゆむ/……ネコバス。
日葵/電車だ。私達は異端が電車に化けていると考えていた。
GM/「それもきっと間違いじゃない。機関が行なおうとしていた冥王顕現計画の準備をするた冥王組が、電車に化けるデイアスを保持していてもおかしくない。同時に、明桜組……明桜建設の中に、人間として中に入り込めるほどのデイアスがいても……」
桐久雄/シェイプシフター……デイアスは、機関出身……。
GM/「シェイプシフターというから惑わされるんだな。昔から聞いたことあるだろ? 化け狸とか、あれもデイアスだよ」
あゆむ/ぽんぽこりん? あれが?(笑)
日葵/確かにそう言われると、人間社会に溶け込んでいる人外だって判りやすいな……。
GM/「他にも、悪狐とかな」
日葵/悪狐?
桐久雄/あっこ?
あゆむ/あ。
日葵/…………アッコか! なるほど!?(笑)

 『AF判定:高坂』×『MAP:教会』
▼高坂の口から鶴瀬総支配人が『機関』の魔術結社『冥王組』が進めている『冥王顕現計画』の調べをするために独自に動いていることを訊かされる。『イベントキー:冥王顕現計画』を入手。
▼冥王組は『ユウストタディアスの禁書』を所持していた。冥王組の目的は、邪神召喚の準備を進めること。
▼異端の中には「自らの外見を別のものに擬態し、餌となる生き物を体内に取り込む、もしくは別の場所に運んでしまう」というシェイプシフター型のものがいる。代表的なシェイプシフター型の異端の名前は、『デイアス』。
▼デイアスとは、物体に変身して人を襲うものもいれば、化け狸や悪狐のように人間に変身して内部から襲うものもいる。

ルリチカ/そういやGMは彼女を「目が細い」ってよく言ってたなぁ……(笑)
あゆむ/……ねえ。高坂さんは喜行の遺体について知らないのかなぁ? でもこれって調べるなら『AF判定:ライバルの検死』かな?
GM/……うん、その通りなんだけど。でもこの場でその内容を切り出すのはおかしい話じゃないな。なので、シーンプレイヤーの日葵ちゃんが【幸運】判定で難易度12に成功したら割り込みで『AF判定:ライバルの検死』×『MAP:教会』の判定を可能とします。
日葵/マジですか!(ころころ)達成値12で成功です!
GM/特別に割り込みで可能とします。……さあ、AF判定が可能になったからまた日葵ちゃんにロールしてもらおうか。
あゆむ/頑張って、ひまちゃん!
日葵/……それなら、喜行の話をします。
ルリチカ/おっ。
日葵/そもそも日葵は、≪巨大武器≫使いでした。
桐久雄/そうなの?
日葵/けど喜行が「その武器、あってないんじゃない?」と[闘士]の目線で言ってくれました。「武器を使うより自分の体を使う方がいいんじゃないか」と提案してくれたので、それ以後≪殺戮の身体≫に変更しました。
GM/おおーっ。喜行、凄い男だな!(笑)
日葵/≪巨大武器≫が重くて単体しか攻撃できなかった範囲攻撃の≪乱舞≫も、喜行が「身軽になったんだからできるんじゃね?」と教えてくれました。それによって≪L:戦闘力上昇・命中値≫を取得。まだまだ≪未完の奥義≫で不安定ではあるけど、現状に満足しています。
GM/避ける体で攻撃しているんだもの、大変だよね……。
日葵/喜行に教えてもらった過去を思い出して……改めて自分はこんなところで立ち止まってはいられない、今生きている人間を全員守ることが使命だと≪迷わぬ戦士≫で決意を固めます。もう重圧や放心を食らっている場合じゃない!
GM/事実、食らいません!(笑)
あゆむ/カッコイイ!(笑)
日葵/難易度は3、いける!(ころころ)達成値8で成功です。やったぜ!
GM/喜行に想いを馳せた日葵ちゃんは、高坂に喜行の死因について尋ねました。高坂は急いでその資料を持ってきて、日葵ちゃんに判りやすく手短に説明をしてくれます。「喜行くんは謎の薬物を摂取させられていた。おそらく、その薬物は……」
桐久雄/……『ユウストタディアスの血』。

 『AF判定:ライバルの死因』×『MAP:教会』
▼小野喜行の人体には大量の薬物が残っていた。[処刑人]の≪薬物調合≫でも見当たらない未知の薬物に全身を犯されていた。
▼薬物は猛毒であり、服用したら一般人であれば即死亡。薬物に適性のある人間か、【体力】の高い能力者でなければ原型を留めないほど変体してしまうだろう。


GM/「教会の[処刑人]いわく、『あんな毒を飲んだら体の中からボコボコと攻撃されるような危険物』だそうだ」
あゆむ/体の中からボコボコ?
GM/異常なまでに体温が上がり、人体を中から変質させてしまうらしいよ。飲んだら最後、ドーピングコンソメスープのごとく体がバリバリムキムキボコボコドロドロになるっていう。
日葵/よ、喜行はよくそのままの姿のまま無事だったな……?
ルリチカ/……【体力】自慢の[闘士]だったからか。
桐久雄/あ、桐久雄も[闘士]だよ!
GM/そういえば、前のループのクライマックスフェイズでどろっとしたものに襲われましたね?
日葵/ああ……プールから這い出てきたものは、みんなドロドロの体をしていた……。あれは、適性がなかった人達だから?
ルリチカ/……プロデューサーさんの体は、火傷を負ったみたいにボコボコだった。
あゆむ/プロデューサーさん、体力があったからな……。
GM/「喜行くんは適性があったか、体力があったから綺麗な体で遺体が残っていた……らしいよ。凄い奴だったんだな、彼は」 ……というところで、シーンを終わりにしましょうか。