アナザーワールドSRS・リプレイ・狂気の使者は我にくる
■ 『 第1話 』 3ページ ■
2015年4月26日




 ●マスターシーン2

GM/1ラウンドが経過しました。なので、フラグチェックと強制イベントが発生します。……さっきのシーンの続きでいくよ。
日葵/はーい。
GM/時刻は19時。1日お疲れ様でした。高坂は桐久雄くんを気遣ってくるよ。(高坂になって)「教会の調査って、想像してたやつよりずっと地味で大変だろ? 大丈夫かい?」
桐久雄/すっげえ楽しいっすよ! ……って、オレ、浮かれすぎですかね。真面目に仕事をしている人達に失礼かな。
あゆむ/いえ、桐久雄さんのおかげで判ったこともあります。今日初めて任務に参加しているのに大活躍じゃないですか。
桐久雄/そ、そんなことないよー(笑)
GM/「これは本格的に桐久雄くんをエージェントにスカウトしちゃおうかな? それとも能力特命課に推薦しておこうかな? 能力者で頑張り屋な子を教会は応援するよ。君のような人がいるとみんなも明るくなる」
ルリチカ/桐久雄はエージェントに向いてると思うよ。エージェントは人を守る仕事だしな。
桐久雄/オレ、これからもっとハリキっちゃおうかなー!(笑) でも……家の事情があるし。少し落ち込んでいきます。な、内緒でならやれるかな。みんなって学校のクラスメイト達と違って仲良くしてくれるしさ、居心地が良いし!
あゆむ/学校……? あんまり好きじゃないんですか?
桐久雄/……ここら辺は、オレの家の名前を知っている人は多いだろ?
ルリチカ/まあ、ヤクザだな。
桐久雄/でも学校は……名前を隠せないじゃん。やっぱり避けられちゃうんだよ。一緒に遊びに行ける友達いないし。
ルリチカ/遊びぐらいいつでも付き合うぞ。
あゆむ/……うんうんっ!
日葵/名字で人を判断する気は無いさ。
あゆむ/ひ、日葵さんはカッコイイなぁ!(笑)
GM/「なあ、いい人ばっかりだろ。そんな能力者の人達が教会に沢山集まってきているんだ。前向きに考えておいてくれよ!」
桐久雄/はい、ありがとうございます!
GM/桐久雄の目の前に立っている高坂は鼻血を流している。
桐久雄/……は?
あゆむ/た、高坂さん? 大丈夫ですか? のぼせちゃいますか?
GM/「あれ? ごめん」 高坂は鼻を拭います。すると目から血が出る。
ルリチカ/え。
GM/「ゴフッ!」 口から血を吐く。……鼻から、目から、口から、耳から、むしろ毛穴中から血がドプッと噴き出ます。
桐久雄/……えっ……?
あゆむ/……桐久雄さん、その血を浴びたんじゃ……?
GM/浴びたね。高坂の体はバタンと倒れる。彼は道路の真ん中で血を大量に噴き出して、死にました。……全員にイベントキーを配布します。

 『イベントキー:高坂の死』
 高坂が死んだことにショックを受けたことを表わすイベントキー。
 これを取得したキャラクターは【正気度】難易度10の判定をすること。PC4人中、2人以上が失敗したらクライマックスフェイズに移行する。


一同/(ころころ)成功です!
桐久雄/4人全員成功できた! ……というより、みんなでいたから成功できたな。って!? 高坂さんが!? 死んじゃったー!?
あゆむ/たっ……た、高坂さん……ど、どうしたんですか!?
ルリチカ/か、駆け寄って急いで≪肉体復元≫を使用します!
GM/データ的にいうなら、「トドメをさされた」状態になって死亡しています。
日葵/なっ……。とりあえず、教会に連絡だ!
GM/誰も教会の電話に出ない。
日葵/なに? 通じないだと?
GM/コールはしてます。何回も何回もコールをして……結構時間が経ったときに電話先の誰かが出ます。「あ、あの……あのっ……!」
日葵/……誰だ?
GM/教会に遊びに来ている一般人の女の子です。今日はお菓子作り教室でも開かれていたのでしょう、そこに参加していた……退魔組織とはまったく関係無い一般人の子のようです。そうだな、せっかくなのでB子ちゃんにしましょう。
あゆむ/B子ちゃんですか!?
GM/普通の女子高校生であるB子ちゃんは、偶然教会に遊びにきていました。その子が電話を取ったようです。「あのっ! あの……あのぉ!?」 かなり動転しているようです。
日葵/落ち着いてくれ。……どうしたんだ? 何かあったようだが?
GM/「あのっ! き、教会にいた……金髪の神父さんが血を吹いて倒れて! ミニスカートを履いた男の娘も倒れて……! き、救急車……そうだ、救急車を!?」
あゆむ/神父と男の娘って、アイザックさんと……ルカじゃん!?(笑) 日葵さんから電話を受けとります。ねえ、B子ちゃん! 私、あゆむだよ!
GM/「あ、あゆむちゃんなの!?」
あゆむ/今からそっちに行く! まずはおまわりさんを呼んで!
GM/「わ、判った!」 街のあちこちで、ピーポーピーポーと騒ぎが起きているのが判ります。
日葵/あ、あちこちで……?
GM/ルリチカくん。君に能力者の友達はいるかな?
ルリチカ/いっぱいいますけど……。じゃあ、高橋 健吾に電話をかけます。

 高橋 健吾
 [魔術師/領域遣い/世界遣い]の能力者。とても平凡で、どこにでも居て、よくある名前であることから頻繁に名字を間違えられる青年。
 中の人は、ルリチカのプレイヤーことMUMA。詳しくは、リプレイ『デイズ フォールエス』参照。


GM/電話は通じません。ただ近くに居てくれただろう病院の人が電話に出てくれて、健吾くんが謎の重症だということを教えてくれます。健吾くんだけでなく、君の知り合いの能力者全員が血を吐いて意識不明の重体になっています。
日葵/……この状況だと、他の人達も同じような状態か。
桐久雄/な、なんで……?
ルリチカ/……判らない。でもすぐに教会に向かおう! 高坂さんの体を担ぎ上げて車に乗ります!
GM/車に乗り込む君達。教会にやって来た君達を出迎えてくれたのは、ルリチカくんのオープニングシーンでちょっと出てきた一般人のシスターさんでした。
ルリチカ/一体、何が起こってるんだ……?
GM/(一般人のシスターになって)「わ、判りません……突然能力者の人達が総じて倒れてしまったんです! ちょうど19時を過ぎた頃でしょうか。みんな血を噴いて倒れて、中には死んでしまった人もいると聞いています。本当に何が何だか判りません……!」
桐久雄/ぶ、無事な能力者はいないんですか?
GM/「今のところは……」 ちなみに、他のセッションのキャラクターが本編とは違うシナリオで死ぬことはない『世界の抑止力ルール』というものがございますので、過去に皆さんがPCとして活躍したキャラクターは「血を噴いて重症で動けない状態ですが死んではいません」。けど、高坂やときわといったPCではない能力者キャラクターは全員お亡くなりになったことにします。
ルリチカ/……神社の巫女さんも?
GM/連絡の末、彼女は死んだと聞かされます。
桐久雄/つ、鶴瀬さんも?
GM/「……鶴瀬総支配人も息を引き取ったという連絡がありました」
桐久雄/えええーっ!?
GM/「あ、また電話が鳴り響いてる! ちょっと行ってきます!」 一般人であれ退魔組織の協力者であるシスターは忙しそうにあちこち処理に追われます。それでは、第2ラウンド開始します。第2ラウンドは、20〜24時の間を想定しています。街中では、人が血を吐いて倒れたとか死んだとか大騒ぎ。それでも君達は情報収集をしていくことができます。
あゆむ/だ、第2ラウンドに移行できた……! でも、どうしよう!? ……なんで、能力者だけ血を噴いたんだ?
日葵/……というより何故、私達だけは無事なんだ?
桐久雄/オレ達が無事なのは、何か他の人達とは違う共通点があるんだよ! あの場に高坂さんもいたけど、死んでしまったから……オレ達4人にしかない何かがあるんだ! 共通点って言ったら……特定のイベントキーを持っていることかな?
日葵/私達全員が持っているイベントキー? ……『イベントキー:警察に行かなかった』か?
あゆむ/でも、この街の人全員が警察に行かなかったとは限らないよ。……それに喜行くんの死に方はこんな、血を噴くようなものじゃなかったよね?
日葵/喜行は「刃による外傷」だ。あとは全身が濡れていたらしい。この騒ぎとは関係無い……?
桐久雄/あとオレ達だけの共通点……。「特定の場所に行った」ってことかな。
ルリチカ/『MAP:神社』……は違う。神社の巫女さんは死んでしまったんだから。だとしたら……『MAP:小屋』か?
日葵/……あれ、そういや桐久雄の親御さんって能力者だったんじゃないか?
桐久雄/あ。
あゆむ/れ、連絡してみて!
桐久雄/うん! ……家に電話します。も、もしもし?
GM/桐久雄くんが月見里組に電話をかけると、比較的理解のあるおじさまが出てくれます。「桐久雄さん! 桐久雄さんは街中で謎の人体爆発事件が起きていることをご存知でしょうか?」
桐久雄/……うん、目の前で見たよ。
GM/「その……親方様が、お母様が……」
桐久雄/……やっぱり……。
GM/おじさまは君の身を案じて「どうかお帰りください」と言ってきます。でも、シナリオ的には帰らなくてもOKですよ。
桐久雄/……ごめん、もう少し帰るのは時間が掛かる。そう言って電話を切ります。
GM/理解のあるおじさまは、きっと思うことがあるんだろうと桐久雄くんの心境を察して手回しをしてくれることでしょう。それでは、第2ラウンドを始めますか……。


 ●ミドルフェイズ6/日葵 『AF判定:ライバルの検死』×『MAP:警察署』

GM/街の夜は騒がしい。多くの能力者達が血を吐き倒れ、何十人も病院に搬送されている現状だ。死んでいる人も多数いる状態ですがそれでも君達は動くことができる。
あゆむ/病院は今頃、大変そうですね……。
日葵/とりあえず今は警察署に行こう。……だけど、月見里だけは行かない状態で。
桐久雄/オレは車で一人待機してます。
日葵/何かあったらいつでも連絡するんだぞ。今の警察署の様子は?
GM/例の事件が多発したせいで、非常に慌ただしいね。能力特命課は全滅だそうで、全員病院送りになっています。
あゆむ/だ、だよねー……(笑) ごめんな、ゆたかさんは[霊媒師]の検視官で凄く頼りになるんだけど今は居ないんだ。あの人がいれば凄く便利なのに。
桐久雄/寧ろ、便利すぎて逆に封印される系のNPCですよね(笑)
GM/特命課の人には時間が違えば会えたかもしれない。さて、これから『AF判定:ライバルの検死』の判定をするんだけど、一度成功したAF判定だから難易度は半減されて『難易度:15』になっているよ。
日葵/それなら頑張って一人でAF判定をします。でも私は[狂戦士]だ、どうしよう……。この騒ぎに乗じて逃げ出そうとする異端犯罪者とかいませんかね?
桐久雄/犯罪者が逃げ出してるの!?(笑)
日葵/騒ぎが起きたら、拘置場から逃げ出そうとする人がいると思います。
ルリチカ/その逃げ出した人を捕まえて、警察の信用を得よう!(笑)
GM/日葵ちゃんは警備員だろ。取り押さえるのプロじゃないか(笑) じゃあ、一時的に警察署で捕らえられていた犯罪者が……。
桐久雄/(いきなり犯罪者になって)「ヒャッハー! シャバの空気だー! ケケケケ空気うめーし負の感情がいっぱいあるしウキウキするぜぇー!」(一同爆笑)
GM/こいつ絶対に世にはなってはいけない奴だ!?(笑) ……【幸運】判定に成功したらし謎の犯罪者が、拘束を解いて逃げ出しています。
桐久雄/(犯罪者になって)「ヒャッハー! 血の匂いがプンプンするぜぇー! オレの血だぁー!?
あゆむ/お前も吐いてるのかよ!? ……いや、吐いてるよね、能力者だもの!(一同爆笑) ひ、日葵さん、止めてぇー!
桐久雄/「オレを止められる人間は誰もいないぜぇー! 血ドバドバァー! ピューロロロロロ……ウッ!」 出血多量で倒れます
日葵/脱走失敗してるじゃねーか!(笑) それでも日葵は、えーと……≪単一化≫と≪単一化2≫を使って警備員モードになります。
桐久雄/「ウヒャッ!?」
ルリチカ/ウヒャ、って鳴き声かよ(笑)
日葵/≪強化出術:体力≫と≪L:戦闘力上昇・命中値≫もあるから私だって元気だ。≪破壊者の孤独≫で強化している≪未完の奥義≫の≪殺戮の身体≫で、確実に殺しに行く!
桐久雄/「オレ様は異端だぞぉー! 鼻血を使って警察署の壁にラクガキをしてやるぜぇー!
日葵/やることが小さい!(一同爆笑) 特技を6つ使って、6×2=12も難易度が下がったので、ファンブらなければ成功だ!(ころころ)……成功しました。
あゆむ/異端犯罪者が牢屋にバーン! ピシャーン!(笑)
GM/(警察官になって)「教会の人、ありがとうございます! この騒ぎの中、人手が足りなくなっていたので物凄く助かりました!」 あの脱走犯が主要キャラクターに昇格しないことをGMは祈っているよ。
あゆむ/たびたび現れる名物脱走犯にならなきゃいいですね……(笑)
GM/(警察官になって)「あの、大変遅くなってしまいましたが、この書類が特命課が調べていたものです……」と、一仕事を終えた日葵ちゃんに重要なファイルを渡します。
日葵/すまんな、助かる。
GM/日葵ちゃんは特命課が吐いた血に濡れた書類を読むことができます。
桐久雄/ああっ、特命課の人達が血を吐きながら書類をまとめてくれたんだ……!(笑)
日葵/これが戦士の証だ(笑) では喜行の調査結果を見てみよう。

 『AF判定:ライバルの検死』×『MAP:警察署』
▼小野 喜行の胃には大量の水が残っていた。随分水を飲んでいたらしい。だが死因は、全身を鋭い刃で傷付けられたことによる出血多量である。
▼遺体の手には、「アクセサリーの欠片」が握り締められていた。

GM/この資料を呼んだ日葵ちゃんは、あることを思い出します。……喜行は、≪海の加護≫を取得していた。水中で戦うことは得意だったと。
日葵/彼は[闘士]ですもんね。……ただでは死なない奴だとは思っていた。

 ≪海の加護≫
 水中でも呼吸ができ、まったく不自由に感じず行動することを表わす[闘士]の副特技。
 水中によるペナルティを受けない。


GM/喜行が手に握って離さなかった物品を見せてもらえます。アクセサリーの破片ですね。でも日葵ちゃんが知る限り、これは喜行の趣味ではない。……このシーンにPC1の桐久雄くんはいないので、シーンに登場している3人は【幸運】判定難易度10をお願いします。
ルリチカ/(ころころ)10で成功です。
日葵/言えばルリチカがすぐ調べてくれるな(笑)
GM/ルリチカくんは何かを思い出します。そのアクセサリーの欠片……桐久雄のかんざしの部品と同じデザインだからだ。
ルリチカ/……これは……。
桐久雄/…………。えっ? 喜行くんって、まさか……?
GM/特命課のゆたかさんのメモには「後で≪過去視≫で調べておけ!」と指示が書かれています。調べる前に彼は病院に送られてしまいましたが。……ちなみに、PC達の中で≪過去視≫をお持ちの人はいますか?
日葵/……いません。
ルリチカ/次のレベルアップで≪過去視≫を取ろう……。アクセサリーを預からせてもらうことはできますか?
GM/教会の調査班ということで特別に許可されます。では……『MAP:警察署』で『イベントキー:カードキー』を持っているのでイベントが発生します。
日葵/おっ?

 『イベントキー:カードキー』×『MAP:警察署』
▼マンション『コーポ カートン』の住所を調べることができる。
『イベントキー:住所』を入手。
▼警察署で、「半年前の10月29日にも「『コーポ カートン』のカードキー紛失した人物がいる」という話を聞く。半年前に紛失したカードキーの部屋番号は、404号室。PC達が入手しているカードキーと同じ部屋番号である。
▼『イベントキー:カードキー』と『イベントキー:住所』を所持している場合、
ミドルフェイズの最後に割り込みのイベントとして「コーポ カートンに行く」というシーンを立てることができる。

GM/とある刑事さんがカードキーを持っている人に話しかけてきます。「そのカードって『コーポ カートン』っていうマンションのカードキーだよね? 落とし物かな?」
あゆむ/そ、そうですけど……。
GM/「半年前にも同じマンションの住人が自宅のカードキー紛失で拾得物の札を書きにきたなぁ。確か……『榊原 始』さんだったっけ」
あゆむ/……え……?
GM/「拾得物ファイルに名前を書いた筈。ほら、これだ。榊原さんが『コーポ カートン』のマンション4階404号室のカードキーを……」 おや、あゆむちゃん達が持っているカードキーも404号室のものだね。ちなみにここでマンションの住所も判るよ。
あゆむ/えっ、ええっ……? その拾得物届けって、いつに書いたものですか!?
GM/「10月29日の夜だね」 10月30日があゆむちゃんのオープニングシーンのライブ前日。ハロウィンライブが10月31日です。
ルリチカ/……失踪の前日じゃないか。
GM/「家の鍵だから即日変更の手続きをするようにと言ったよ。でも口ぶりからしてカードキーは複数枚持っていそうだったなぁ。ちゃんと変えたとは思うけど」
あゆむ/プロデューサーさんがカードキーを紛失したとか、替えなきゃいけないんだとか話していたような記憶を思い出すことはできますか?
GM/【意志】判定難易度10で成功したら思い出すことができるよ。
あゆむ/(ころころ)成功です!
GM/なら……君達のライブで忙しそうにしている中で、「カードキーを失くしちゃったんだよなぁ、作りに行くの面倒だけど発行しないといけないよな。ちゃんと作りに行くよ」って言ってたことを思い出せるよ。
あゆむ/そ、即日発行してますよね……自宅の鍵だもの。あ、このカードキーは個人的な知り合いの物なので私が届けますと刑事さんには言っておきます!
桐久雄/プロデューサーさんの家に……行けるね?
あゆむ/お家訪問できるようになっちゃった……。でも、もう少し情報を整理してから行きます。……きっと何か事情があるんだ……悪い想像をしないようにします。


 ●ミドルフェイズ6/ルリチカ 『AF判定:2225電車』×『MAP:警察署』

GM/次は、さっきと同じ警察署で判定を行なう予定のルリチカのシーンにしよう。『AF判定:2225電車』もさっきのシーンで一度成功したAF判定だから、難易度は15まで下がっているね。
ルリチカ/はい。どういう演出にしようかな……。
日葵/さっき私が戦闘をしたからな、癒してくれてもいいんだぞ。
桐久雄/(脱走犯になって)「オレもオレもー!」(笑)
ルリチカ/異端は痛んでいろ!(笑) 日葵ちゃんだけ回復します。≪肉体復元≫+≪肉体復元2≫+≪覚醒具≫でバッチリ回復をした後に……。2225事件を知ってそうな刑事さんを探して、「お疲れ様でーす」と≪興奮剤≫を渡す。ちょっと今、いいですかね?
GM/前の時間までなら特命課の人を登場させるところでしたが、教会に理解のある一般人の刑事さんに登場してもらいましょう。「特命課が調べていた資料をあさってくることぐらいしか出来ないが、それで助けになるなら……」と協力してくれます。
ルリチカ/ありがとうございます。(ころころ)出目が高い、成功だ!
GM/『AF判定:2225電車』×『MAP:警察署』で出てくる情報は、これです。

 『AF判定:2225電車』×『MAP:警察署』
▼2014年10月30日に失踪した45人は、未だに誰も見つかっていない。
▼実は半年前の2225電車が入ってきた8番ホームではない違うホームで、2225電車を目撃した人物がいた。目撃者の証言は以下の通り。「私は仕事場の同僚の『外園メイア』が電車に乗り込んでいく姿を、違うホームから偶然見ていました。翌日から彼女は職場に来ることがなく、行方不明になっています」
▼『外園メイア』という女性が確実に2225電車に乗り込み、失踪している。45人の失踪者名簿には彼女と名前と顔写真があり、PC達はいつでも確認することができる。
『イベントキー:外園メイア』を入手。

GM/教会所属のPC2〜4の人なら【意志】判定難易度10で、思い出し判定をしてください。成功すると、「教会の資料の中で最近この名前を見たことある」と思い出せます。
あゆむ/(ころころ)成功です。……珍しい名前だったから覚えていました。ルリチカさん、この人ってどこかで見ましたよね……?
ルリチカ/(ころころ)成功。うん、あった。超見覚えある。どんな内容だったっけ?
日葵/(ころころ)失敗。……さっぱり思い出せん(笑)
GM/ぬんとルリチカくんは、失踪者リストにあった外園メイアの顔写真に見覚えがあります。……こいつ、4月25日にエージェント達によって倒されて死んだ「正体不明の女異端犯罪者」と同じ顔だ。
日葵/……約1週間前に?
GM/罪の無い一般市民2名を襲い、その血肉……体を材料に、何らかの魔術の儀式をしようとしていた異端犯罪者。エージェント達が彼女を確保しようとしたんだけど、自爆覚悟の攻撃をしかけてきたので儀式を止めることで精一杯だった。だから彼女はエージェント達によって葬られ、儀式も一体どんなものだったか判らないまま終わった……という、急ごしらえの報告書が教会に提出されたのを思い出します。
日葵/そんなものが……。
GM/……この正体不明の女異端犯罪者が何者なのか判らないまま提出された資料だけど、きっとこのことに関しては高坂が一番知っているだろうね。
ルリチカ/あーっ……!(笑)
あゆむ/高坂イズデッド!(一同笑)
GM/なんかゲームオーバーみたいな言い方された!(笑) 高坂が生きていたときに『イベントキー:外園メイア』があったら、何か教えてくれたかもね。
桐久雄/……もう、外園メイアという女性は亡くなっているんですね?
GM/うん。ちなみに一般市民2名というのは無事です。今は、現場復旧委員会に記憶を消されて平和に生きてます。
あゆむ/うーん……。メイアイズデッドだし、何にも判らないよ……。
桐久雄/……ねえ。まとめるとさ、外園メイアさんは半年前の電車に乗り込んだところを目撃されて、行方不明になってたんだよね。でも4月25日に……同じ顔の女が事件を起こして、殺された。
GM/謎の儀式をしようとしていた女をエージェント達が止めなければ、一般市民もエージェント達も命が無くなっていたからね。現行犯処刑ってやつだよ。
日葵/……こいつ、どっからわいてきたんだ? とりあえず……相談したいから、一人きりで寂しそうな桐久雄の元に戻るか。
GM/そうだね。では3人は警察署から出て、ちょっと離れた駐車場に停めている車に戻ってきます。車内には桐久雄くんが待っているよ。
桐久雄/みんながやって来るのを見てパッと明るい顔になる! ねえ、何か判ったことあった?
日葵/ありすぎて困った。
あゆむ/まずは……かんざしを見せます。
GM/早速アクセサリーをPC1に見せたね。では桐久雄くんは、あゆむちゃんが見せてきた部品を……「自分のかんざしの部品に間違いない」と思うよ。
桐久雄/あれ? どこで落としたんだろ? ……っていうか、なんで警察に行ってこれがあったの?
ルリチカ/……この前に殉職したエージェントの話をしただろ。彼が持っていたそうだ。
桐久雄/……なんで? もしかしてオレって彼に会ったことあるの?
日葵/喜行の写メならいっぱいあるぞ。喜行の顔写真を見せます。
GM/喜行の顔写真を見たね? ……なら桐久雄くん、頭がめっちゃ痛くなる。
桐久雄/え。
GM/頭の中にバババババと映像が巡っていく。【正気度】判定を難易度15をお願いします。
桐久雄/うわあ!?(笑)
ルリチカ/早速!?(笑)
GM/先に演出しておこうか。……桐久雄は誰かに背中を押される。落ちる。水の中へ。赤い水の中に押し込められる。赤い水。息ができない。激痛。熱い。痛い。体中が熱い。……死ぬ。恐怖心に襲われる。
桐久雄/は、判定します!(ころころ)……14です!
ルリチカ/1足りない!?
GM/失敗した桐久雄は、周囲にあるものが恐ろしいものに思えてくる。きっとこいつは……自分を赤い水の中に押し込めてくる怖い人だ。敵だ。
あゆむ/≪ミネルヴァ≫を使用!(ころころ)プラス4して!
桐久雄/……達成値が18になります。
GM/……もしこの【正気度】判定に失敗していたら、【正気度】自体が減少します。そして【正気度】が0になった場合、見境なく暴れることになったでしょう。『狂化』状態である桐久雄は特別な力でも無い限り、近くに居た人を、周りの物を、とにかく壊し回ったのではないでしょうか。
あゆむ/あ、あぶない……!(笑)
GM/だけど、桐久雄はその衝動を抑え込んだ。……いや、あゆむちゃんに抑えてもらったと言うべきだな。君の脳裏には……真っ赤な水の中で『誰か』が手を引く姿が見える。
桐久雄/痛い痛いと頭を抱えて、しゃがみこむ……。
あゆむ/サインを書いた方の手を握ります! ……大丈夫ですか?
桐久雄/……あ……。
あゆむ/落ち着いて……息をして……。
桐久雄/……ひー……ひー、ふー。
あゆむ/……って、それラマーズ法ですよ!(笑)
桐久雄/そうだね(笑) でも……あ、ありがとう。や、ヤバかった……。
ルリチカ/何があった?
桐久雄/……覚えていることを話すよ……オレの憶測も混じるけど。
日葵/……うん。
桐久雄/多分、オレ……その人に助けてもらっている。赤い水の中に押し込められて、すっごく体が熱くて痛くて息ができなかったときに……手を伸ばして助けてもらった……んじゃないかな。
日葵/…………。
桐久雄/ど、どこでこんなこと起こったんだろうな……?
ルリチカ/……これも憶測だが、電車に乗った後かな。2人で、ある場所から逃げ出したんじゃないか。
あゆむ/確か……喜行さんも、「水を大量に飲んでた」んですよね。
GM/日葵ちゃんならこう思うかもしれない。「奴なら、無力な人がいたら救う。彼は闘士だから。人を守る人だから」と。……≪救い主の手≫とか≪カバー≫とか持っていたからね。
日葵/ああ、助けずにはいられない病気の奴だったからな……。あいつは凄い奴だった。
桐久雄/き、桐久雄も[闘士]なんですよ! そんなこと聞いたら……絶対、憧れちゃいますよね……。
GM/……では、この辺りでシーンを終わりにしておきますか。ミドルフェイズ6まで終了したので、ちょっとしたマスターシーンを入れますよ。

「……彼も、倒れてしまった。彼も、血まみれ……。彼女も、今生死の境を彷徨っている……こんな世界、認める訳にはいかない……!」

 渦の巻いた、上も下も右も左も判らぬ世界。金髪碧眼、ゴシックロリータ服の小さな女の子は「早く世界を巻き戻すべき」と主張する。
 だが一方で、彼女と同じ金髪碧眼の男性が、制止した。

「今の段階で世界を戻してしまったら、彼らは到達できません。貴女が最初に行なった事すら無駄になってしまいます。このまま繰り返して何が残ったと言うのですか? 犠牲は必要なのですよ」
「ぐぬぬ。でも……こんなに大勢の能力者が【HP】0になっちゃったのだから、無理ゲーよ! 早く世界は時を戻して……みんなを救ってあげないと!」
「いえ、今頑張っているPC達がちゃんと4名いらっしゃいますので」


あゆむ/ぶはっ(笑)
桐久雄/(←シリアスシーンで黙っていたけど堪え切れなくなって笑っている)

 ルージィル
 龍の聖剣(通称:ロリ)と同じ能力を持つ、超越的存在である金髪碧眼の美青年。
 ロリと同じように、PC達の時間を巻き戻す仕事をしている。世界に選ばれることのないような小さなもの、邪悪なものにすら手を貸すこともある。


日葵/る、ルージィルさん! ルージィルさんが出た! ゲホォッ!
桐久雄/火種ちゃん、喀血してるじゃねーか!?(笑)
日葵/セルフ【正気度】判定に失敗しました!(笑) まさかルージィルさんが出てくるとは思わなかったので!

 男性は微笑み彼女を窘めながら、隠れて自分の胸を抑えた。

「そう……せめて、この世に『奴』が現れる、とんでもない取り返しのつかなくなるそのときまで。その寸前までは耐えないと。あと数時間だけは……」


ルリチカ/2人とも頑張ってるんだね……ありがとう(笑)


 ●ミドルフェイズ7/あゆむ 『AF判定:小屋』×『MAP:教会』

GM/ぬん、どうぞ。
あゆむ/うぬはですね……えっと、何をしようかな。
ルリチカ/……そろそろ、名前の原型が無くなってきてるんだけど?(笑)
あゆむ/そのうちスレで「うぬ」とか呼ばれるようになってるんですよ(笑)
日葵/たまに「なんで叶 あゆむって『うぬ』って愛称なんだっけ?」って尋ねてくる人もいますよね(笑)
GM/それはファンスレのテンプレ質問に書かれているよ。「あゆむが自分のサインを間違えた事件」の概要と共に。
あゆむ/愛称ができて嬉しいです(笑) では、今まであったことをもう一度教会で調べてみましょうと提案します。……その前に、マイナーアクションで『供給』しておきたい。車で教会に行くまでの間、桐久雄さんと手を繋いでいることにします。
桐久雄/わ、わぁ! なんかあったかいな!(笑)
GM/『供給』は、契約状態なら3D6点回復します。
あゆむ/≪護りの契り≫で桐久雄くんの≪カバー≫の距離を伸ばすためにも、一度『供給』はしておきたかったんですよ。(ころころ)……私も落ち着きました。ありがとうございます。
桐久雄/めっちゃ柔らかかった。女の子って良い匂いするし最高だよな!
日葵/男の子の感想だな(笑)
ルリチカ/判るけど、女の子の前だからちょっと口を慎もうな!
あゆむ/あ、大丈夫です。……もっと酷いことを言うファンの人もいっぱいいるので……。
ルリチカ/それ、大丈夫じゃない!(笑)
GM/君達は車で教会に戻ってきました。教会は未だ騒ぎの真ん中ですが、君達は唯一能力者の生き残り。君達を止める人はいません。
あゆむ/……書庫に入っていきます。
ルリチカ/さっき調べようと言っていた薬物調合については……こっちの本棚だ。
あゆむ/やっぱ本に関しては専門家にお任せするのが一番ですね。お疲れでしょうけどお願いします、とルリチカさんに≪ミネルヴァ≫。
ルリチカ/よし、薬物については全然知らないけど頑張るよ!
あゆむ/私も探索しますよ。ちょっと自分の世界に入りますね、と≪マイガーデン≫。自分達が出した曲がイヤホンから再生されてくる。懐かしいなと思いながら……失踪したプロデューサーさんに会えるかもという期待と、嫌な想像が頭を駆け巡る。
桐久雄/……うん……。
あゆむ/でも、小さい声で歌にあわせて唄います。これは励ますときの曲。これを聴いていれば私は大丈夫。……この歌が教会の中の誰か一人にでも届けばいいな。≪彼方の音≫+≪ヒーロータイム≫の演出です。
GM/良い子か、君は(笑)
桐久雄/女神だな!(笑)
あゆむ/誰か一人に……というのは、「射程:シーン」から「射程:単体」に書き換える≪アメノウズメ≫の演出にします。とてもみんなに届くような歌ではないし、そんな自信も無いので……。
GM/(唐突に声の低いオタクになって)「そんなことはねぇ! うぬはオレの女神だよ! 結婚しよ!」
日葵/誰っ!? いきなり声が低いですよ!?(一同笑)
あゆむ/これで特技を5つ使ったから、難易度が5×2=10下がって……イケる! 自分で自分を鼓舞しながらも調べ物をします。(ころころ)よし、クリティカル!
日葵/わー、凄い!(笑)
ルリチカ/凄いな、女神だもんなー!(笑)

 『AF判定:小屋』×『MAP:教会』
▼教会は、あの小屋についての資料は一つも無い。小屋について一切調べた形跡も無い。


あゆむ/……あれ?
GM/というのもね、高坂すら小屋の位置をあゆむちゃんから電話で初めて教わったぐらいですから。「教会が過去にあの小屋で何か異能の事件があった」ということは無いです。『教会の人は誰もあの小屋に立ち入らず、君達しか訪れてません』。
日葵/なるほど。
GM/でも、ご安心ください。『MAP:教会』を選択してくれたので、他にもイベントが生じます!

 『イベントキー:瓶の粉』×『MAP:教会』
▼瓶に書かれている文字『ユウストタディアス』とは、邪神の名前である。


GM/本来ならここで調べられる設定だったけど、偶然にも存在を知っている人がいたね(笑)
あゆむ/ルリチカさんは本当に色んなことを知ってますね(笑)

▼邪神『ユウストタディアス』は、『邪神八柱』の一体。欺く神の一つである。死を司る神と言われ、その名が意味するものは「死」「混沌」「一時的な平和」「裏切り」「混乱」。
▼「同種を殺す魔眼」と呼ばれる緑色の眼を所有している。この魔眼は「『自分と同じ○○を持つ者』だけを殺す」と言われる。「○○」の設定は、選定儀式によって指定することができる。選定儀式を行なえば「○○」の指定を自由に変更することが可能。
▼データとしての『ユウストタディアスの魔眼』の効果は、以下の通り。

 ≪ユウストタディアスの魔眼≫
 タイミング:セットアップ  対象:本文  射程:シーン  代償:儀式

 効果:選定儀式を行ない、○○を指定すること。即座に「自分と同じ○○を持つ者」の【HP】を0化、または死亡させる。
 ○○は選定儀式を行なうたびに書き換えることができる。選定儀式は複数人の膨大な魔力や生命力を消費し、霊地として優秀な『特定の神域』でしか行なうことができない大がかりなものである。

桐久雄/儀式を行なうと、書き換えられる……?

▼≪ユウストタディアスの魔眼≫は、『ユウストタディアス』だけが所有する特殊能力であり、通常の能力者は取得することができない。
▼『ユウストタディアス』を召喚するための儀式が存在する。召喚儀式に必要なものは、
(1)召喚儀式の呪文(『ユウストタディアスの禁書』に掲載されている、2ラウンドほど詠唱に必要な長い呪文である)
(2)魔力のもととなる強い恐怖心、負の感情。
(3)『ユウストタディアスの聖骸布』。
(4)『ユウストタディアスの血』と呼ばれる特殊な薬物を服用した人体。適正と思われる量は、成人2体以上。
(5)ユウストタディアスは冥府の超越的存在でもあるため、死の世界と今世が繋がると言われている『星の巡りが良い流星群の時期』で行なうこと。ワルプルギスの夜やハロウィンが望ましい。


桐久雄/聖骸布って?
GM/本来なら「遺体を包む布」のことだけど、聖遺物という……簡単に言えば「神様関係の凄いアイテム」だと思っていい。この『ユウストタディアスの聖骸布』は、マントってことにしておいてください。
日葵/……ワルプルギスの夜って、まさか!
GM/メーデー、5月1日のことだね。
あゆむ/ハロウィン……メーデー、どっちも時期がピッタリだ。
GM/そうだね、邪神を召喚するなら半年前か、今が一番良いね。むしろ外すと失敗するかもしれない。……ぬんは、「呪文と恐怖とマントと薬漬けされた人×2がいれば儀式ができるね!」って思います。君は簡単にだけど召喚儀式に用いる呪文も読むことができました。
あゆむ/へ、へー……判っちゃったよ(笑)

 『イベントキー:外園メイア』×『MAP:教会』
▼2014年10月30日に失踪した一般人『外園メイア』の顔写真が、2015年4月25日に討伐された女異端犯罪者の顔として撮られた顔と同じである。
▼この女異端犯罪者にはコードネームが付けられていない。N神社近くで一般市民2名を襲い、何らかの儀式を行なおうとしていたところを偶然その場を訪れていたエージェント達が確保しようと戦闘。自爆覚悟な攻撃から一般市民を救出することを優先したエージェント達によって討ち破られた。チームを編成された任務でなかったため、責任者もおらず、女の正体も目的も曖昧なままとりあえずの報告書だけが提出されている。


GM/あくまで、警察署で割り込み判定で判明したことのまとめだよ。『MAP:教会』に来れば確実に判るというだけで、新しい情報は無いね。……ちなみに、異端や異端犯罪者のコードネームは総支配人が一つ一つ付けているって『Q&A』のコーナーに書かれているよ。
あゆむ/……あの、ルリチカさん。これって資料が揃い過ぎてますよね? やっぱり誰かが事前に調べていたんでしょうか。
ルリチカ/どうなんだろ? GM、判りますか?
GM/……本来ならPCは知らない情報だと思うんだけど、「PC4は教会の司書をしている」という設定がおいしいんだよね。なので、ボーナスの【幸運】判定をしてもいいかなと思います。難易度は難しめの12で。
ルリチカ/ありがとうございます! ルリチカは大学よりも教会にいることの方が長いろいう設定なので、知っていると嬉しい!(ころころ)……11です。
GM/失敗か。
あゆむ/ボーナス判定は知っておきたいですよね。使いましょう、≪ミネルヴァ≫!(ころころ)達成値にプラス5します。
ルリチカ/それなら、達成値が16になりました!
日葵/おお、絶好調だな(笑)
GM/……資料が結構整理されていると思ったルリチカくんは、利用者リストを見ればいい。誰かが無断に入ることが無い限り、ちゃんと記録が残っている筈だ。
ルリチカ/そうだ、カウンターに行ってファイルを手に取ります! 確認をしてみます。
GM/教会には大勢の能力者が立ち寄ります。今日まで色んな人達が利用していました。ですが、邪神召喚について調べていた人は一人です。……鶴瀬総支配人だ。
桐久雄/……鶴瀬、総支配人!?
日葵/あーっ!? そ、そういや今朝いたな!
あゆむ/鶴瀬総支配人が儀式について調べていたって? ……やだよ、鶴瀬と敵対する展開になったら絶対勝てないじゃん!(一同笑)
桐久雄/……総支配人って凄く強そうなのは判るけど、やっぱりそうなんだ?
GM/『NPCパーソナリティーズ』の鶴瀬の項目いわく、「未だに破られない歴代最多異端討伐数記録を持つ」レベル。
日葵/うわぁ……(笑)
GM/まあ、その人ももうこの世にいないけどね。今朝、総支配人は儀式について調べにきたけど時間が押してたから調べたまま放置しちゃったんだよ。だから「超整頓されてた」と思ったんです。高坂なら鶴瀬総支配人と話していたから何か知っているんじゃないかな。
あゆむ/高坂イズデッド!(一同爆笑) ……あの、この「○○」って……「能力者」じゃないですか?
日葵/というと?
あゆむ/……いや、違うかも。能力者が能力者を殺して何が得なのか判らないし。
GM/さて、教会で判ることは以上です。……『イベントキー:カードキー』と『イベントキー:住所』があるのでコーポ カートンに行くことができるけど、どうする?
あゆむ/……あゆむ一人でマンションに行っていいですか?
ルリチカ/俺達がついて行っちゃダメなのか?
あゆむ/ぬん自身は一人でそっと行きたいです。なので、ついてきたい人はこっそりついて来てください(笑)
日葵/ああ。マンションの目の前まで車で乗せてやる。車でみんな待っているから……と言っておいて、何気ない顔でついて行きます(笑)
ルリチカ/一人にするのは心配だから、陰ながら見守ろうな!(笑)
あゆむ/みんな優しいなぁ(笑) ……マンションに入れますか?
GM/『コーポ カートン』というマンションのエントランスにカードキーを差し込むと、入口が開きます。……使えないと思ったけど、入れたよ。
桐久雄/……え? カードキーを替えてないの?
あゆむ/そ、その日のうちに替えたっていうのは嘘だったの……? プロデューサーさんの部屋に向かってみます。
GM/部屋の前まで来ました。
あゆむ/……ピンポーン。
GM/返事は無い。
あゆむ/……コンコンとノック。そっと開けて、ご、ごめんくださーい……。叶です。榊原さーん……?
GM/声はしない。玄関はシーンと静まり返っている。
あゆむ/……めっちゃ怖い。中を覗いてみますが……?
GM/半年間放置された部屋らしく、埃が溜まっている。だが、その中に足跡があった。埃が溜まっていたおかげで、「誰かが立ち入った」ということが判った。
あゆむ/……足跡のサイズは?
GM/一端の男性のサイズだ。人の気配は無く、中は無人のようだ。
あゆむ/……中に入ってみます。
GM/部屋の中は……ひっちゃかめっちゃかだ。ただし、荒らされたというには少し違う。「急いで何かを探してそのまま放置したような部屋」だった。まるで誰かが急いで部屋の中に入り、必要な物だけ急いで取って出て行ったように思えた。
あゆむ/がちゃがちゃと引っ掻き回されているような感じ? 何を持って行ったか知らないけど……どこに何があるか、ある程度判っていたのかな。
GM/……テーブルの上には写真立てがある。それはあゆむちゃんと、A子ちゃんとB子ちゃんの集合写真だ。笑顔の3人が映っている。その写真が伏せて倒されていた。
あゆむ/……うん? なんだろう、立て直しておきます。
GM/『何か特技を使うことはありますか』?
あゆむ/そうですね、では……≪全方位視覚≫で周囲を調べておきます。【知覚】にボーナスがあるので(ころころ)達成値は15。
GM/[領域遣い]の特技を使ったんだね。……チチチチチ。ネズミが視界の端から逃げて行ったのが見えたよ。長らく人が住んでいなかった場所だからね。そのままネズミは去っていきます。
あゆむ/ネズミ?
GM/【意志】判定難易度6をどうぞ。
あゆむ/(ころころ)1・2でファンブル一歩手前だけど、達成値8で成功です。
GM/使い魔だ。
あゆむ/え。
ルリチカ/あっ? ……そうだよ、カードキーが無きゃ入れないような良いマンションなんだしそうネズミなんか出ないよ!(笑)
あゆむ/て、手近な物を投げる!(笑)
GM/対抗判定をしよう。ネズミは【反射】判定で逃げるので、物を投げてネズミに直撃したか【体力】か【幸運】判定をしてみて。(ころころ)こっちは達成値12。
あゆむ/【幸運】で!(ころころ)11……失敗! 達成値上昇特技はもう無い!
GM/ネズミは何事も無く逃げていきます。君は「……使い魔? なんで? 見てたの?」と思う。
あゆむ/こ、ここを見て誰かが得をするの!? 見張っていて何が得するっていうの……?
桐久雄/……この部屋に何かがあるってことなんだと思うよ。ヤバい物がしまってあるとか、押し入れを開けたら隠し部屋に繋がっていたとか……。
GM/今のところ、ぬんの≪全方位視覚≫にはその手の反応はありません。
あゆむ/…………。手帳を取り出して、メモに「みんな心配しています。連絡してください。あゆむ」と書いて、部屋を出ます!
桐久雄/……使い魔を操れるってことは、相手は[魔術師]ってことなのかな?
GM/まだ判らないね。従者を創造するのなら[魔術師]の≪ホムンクルス生成≫、五感を共有する動物を連れるなら≪小さな眼≫、モブを創り出すなら[処刑人]の≪血の彫像≫や[異端者]の≪異常鉱物≫などがあるよ。
ルリチカ/多すぎて候補は絞れないな(笑)
桐久雄/ねえ、Pって能力者だったの?
あゆむ/そんな気はしないですけど……?
GM/ええ、そんな気はしないです。では、割り込みのイベントが発生したところで……割り込みのマスターシーンも挿入します。

 ――機械めいた男女とも判らぬ声が、どこかで呟く。

「能力者……か」

 つぶやきはただそれきり。……驚嘆は、たった一瞬で終わった。

日葵/……一体、何のシーン?(笑)