アナザーワールドSRS・リプレイ・狂気の使者は我にくる
■ 『 第1話 』 2ページ ■
2015年4月26日




 ●オープニングフェイズ4/桐久雄

GM/お待たせしました。PC1の桐久雄くんのシーンです。……君は5月1日に何をしているのかな?
桐久雄/2015年の5月1日って、金曜日か。学校が終わった後も、家に帰りたくないって思ってる。
GM/どうして?
桐久雄/……単純に、桐久雄は自分の家が嫌いです。高校を卒業したら自分の組を継がなきゃいけないってことを、最近唐突に聞かされました。
あゆむ/ああ、高校3年生になったから……?
桐久雄/あとは、組長をやっていた祖父が急逝したとか。……でも桐久雄としては普通の生活がしたい。桐久雄は将来的には正義の道、警察官になりたかったんです。
GM/おお!? それは辛かろう……でも頑張ってくれ、能力者の警察官の部署もあるよ! 能力特命課っていう!(笑)
あゆむ/ウェルカム!(←かつて、特命課の警察官PCをやった人)
桐久雄/でも自分はヤクザの世界に行かなきゃいけない……高校の勉強にも身が入らない状態です。受験勉強をし始めている子に対して「まだいいじゃん、早いってー!」って茶化しているけど、内心は焦っています。
GM/桐久雄くんは養子なんだよね。これで家を継がなかったら「育ててやっているというのに何を考えているんだ」って言われるだろ。
あゆむ/「裏切る気か」ぐらいのレベルで言うよね……。
桐久雄/なので、終電ギリギリまで帰りたくないというか……毎日フラフラとゲーセンやカラオケに行って遊んでいます。
GM/……まだ今はゴールデンウイーク。でも夏になれば周りも未来のことを頻繁に口にし始める。まだ猶予はあるけれど、着実に首は絞められていく……そんな息苦しさの中、生きている。でも時間は刻一刻と進んでいく。ついに終電時間が近づき、君は重い気持ちを抱えたまま、中央駅のホームにあるベンチに座る。
桐久雄/家からの着信履歴を見ながら、次の電車で帰らなきゃなー……って、ぼうっと考えている。イヤホンをして、音楽を大音量で聴きながら……嫌だなーって思っている。
GM/電車が目の前のホームに入ってきます。耳にはイヤホン、手には携帯電話。そんな君は……。
桐久雄/間違いなく電車に乗りますよね。電光掲示板なんて毎日使っている電車なら見ないし。
ルリチカ/2分ぐらい早まっただけじゃ、全然気が付かないよ……(笑)
GM/君は空いた席に座り、目を閉じる。いつもの帰宅時間とはいえ、夜10時。思うところも沢山ある君は、最寄りの駅まで目を瞑っていられればいいや。その程度にしか考えていなかった。……意識が途切れます。
桐久雄/うん。
GM/そして目を開けます。真っ暗です。
桐久雄/……うん? 誰だよ、部屋の電気を消したの。寝惚けています。
GM/体が動かない。椅子に縛られている。
桐久雄/……え? 体を動かしますが。
GM/ガコンガコン。椅子ごと体が揺れます。
桐久雄/激しく体を揺らせば……。
GM/ガコン! 椅子ごとひっくり返します。目隠しをされ、手足が縛られている。
桐久雄/え、えっとー……あのー? 誰かいますかー? 状況を聞かせてほしいんですけどー!?
GM/機械の音がします。「アマリ大キナ声ヲ出スナ」
桐久雄/ええっ!? ……え、ここは……どこ?
GM/「君ハモウ逃ゲラレナイ」 男性か女性かも判らぬ機械の声だ。
桐久雄/ど、ドッキリですか!?
GM/「君ハ選バレタ人間。選バレタ身体。ダカラコソ、贄ニフサワシイ」
桐久雄/に、贄……?
GM/「ソノ器ヲ、ソノ血ニ流レル知恵ヲ、ソノ魂ヲ」

 「――さあ、儀式を始めよう――」

桐久雄/ちょっ!? ちょ、ちょっとそういう……そういう趣味は無いんです! ちょっとぉー!?
GM/指が君の首筋に触れてジクリとする。何者かも判らぬ人間に体を触れられた。君には不快感しか考えない。君にイベントキーを与えます

 『イベントキー:誘拐』
 PC1専用。何者かによって誘拐されたことを表わすイベントキー。
 狂気に触れたり、非常に恐ろしい事態に直面すると凄まじい妄想に囚われてしまう。【正気度】判定難易度15に成功すること。失敗した場合、PC1は『狂化』する。

 『狂化』ルール
 すべての【能力基本値】と【攻撃力】に+99され、即座に戦闘修正が変更される特別ルール。
 狂化中は「ダメージを与える行動」しか行なうことができず、また、命中対象が選択できなくなる。対象はシーンに登場しているPC、NPC、エキストラ、オブジェクト全てをランダムで決定する。
 狂化を解除するためには、『契約』しているマスターが「タイミング:オート」で【意志】判定難易度15に成功するか、令呪を1つ使用して狂化解除を命令しなければならない。


桐久雄/オレ、【正気度】はメッチャ低いんですよ!? 2D6で10も出さなきゃいけない……! 
GM/初回の【正気度】判定にいきましょう。大丈夫、オープニングフェイズだからこれで死ぬことはない。
桐久雄/(ころころ)達成値11です! 失敗! ダメじゃん!
GM/ヤベエ、殺されると君は思う。誘拐されたということは、自分は家族に対する交渉材料にされるのでは? 恐ろしい妄想が君の中を駆け巡る。家業的にこういうときにどうしたらいいか教わってきた筈だけど、全然思い出せない。
桐久雄/母さんに「縛られたら関節を外すのよ♪」って教わったけど、できるかーい!(一同笑) パニックでできません! やめてくださいうわあああん! 助けてーっ! ああああお願いしますどうか助けてくださいーっ!
GM/……あゆむちゃん。40年か50年の古い空家が立ち並ぶ場所を散歩していた君には、とある空家から悲鳴が聞こえるよ。
あゆむ/……はい。
桐久雄/おおおおお願いします助けてぇーっ! あああ手は手はそこはやめてぇー!(笑)
あゆむ/……キョロキョロと周りを見渡します。
GM/大きめな庭がある一軒家……見るからに古そうで、住んでいた人が手放して数年は経つであろう家屋の一階からドタンバタンと音がする。桐久雄くんは必死に悲鳴を上げる。この悲鳴によってPC2に助けてもらえなかったらシナリオ終了だからだ(一同笑)
桐久雄/あばばばばばそこはやめてああんそんなところは触らないでええぇー!?(笑)
あゆむ/……ポケットからICレコーダーを出します。「いざというときはこれで録音しながら行け!」とプロデューサーさんに教わっています!
日葵/おおっ。
あゆむ/スマホで……「11」まで押した状態にして、家屋に入ります。あと「0」さえ押せばいつでもおまわりさんに電話できます。「110」まで押すと勝手に通報されちゃうんで、その状態で突入します。
ルリチカ/へー、そうなんだー!
桐久雄/ああっ! もう無理っ! そういうの駄目だからー! 助けて助けてー! ちょっとぉ!? ふくらはぎはヤメロって言ってんだろ!?
あゆむ/一体、誘拐犯は何をする気なんだろ……(笑) 犯人の姿は見えます?
GM/全身黒コートで顔にはガスマスク、男か女か年寄りか子供か判らぬ人影です。
あゆむ/……あ、怪しい。では「おまわりさんこっちです!」という声が、私の居る反対側から聞こえてきます。
桐久雄/反対から?
あゆむ/≪彼方の音≫使いなので、音の操作ができます。
桐久雄/おお、スゴイな! ……おっ、おまわりさーん! 助けてくださーい!
GM/人影はピクッと反応。その後、コクリと頷く。……ブンッとゲイト的なもの、異空間に穴を開けてその中に入っていきます。コートの人影は無くなり、部屋に取り残されたのは椅子に縛られた少年のみ。
あゆむ/……助ける方が先だ。コンコンと窓を叩きます。……すみません、大丈夫ですか?
桐久雄/大丈夫じゃないです! 全然大丈夫じゃないです! 誰ぇ!? 誰なのー!? お前が犯人かぁー!?
あゆむ/た、助けた甲斐が無い!(笑) お、落ち着いてくださいー……。
桐久雄/落ち着くってどうすればいいんですか!?
あゆむ/ま、まずは窓から入りますねー……よいしょっと。元気そうで良かった……。ロープは取りました。大丈夫ですか? 無事で良かったです。
桐久雄/さっきの人は!? お嬢ちゃん、ここに居たらヤバイんじゃないの!? 殺されたりするんじゃないの!? オレと一緒に逃げた方がいいんじゃない!? ねえねえ今すぐここを離れよう! 行くよッ!
あゆむ/は、はい! ……あれ? なんでこの人が助けてくれたみたいな流れになってるの? まあいいや(一同笑)
GM/…………。
桐久雄/じゃあ家から出ます!
GM/…………。では、君達は縛られていたリビングを離れ……『小屋の庭』に出ました。一軒家の庭には人影はありません。怪しい人も騒ぐような通行人もいません。
あゆむ/あの……そういう特殊なプレイをしていた人じゃないですよね? とりあえず警察は呼びますので大丈夫ですけど……。
GM/あゆむちゃんの電話がプルプルと鳴る。高坂から電話だ。
あゆむ/ん? もしもし……?
GM/(高坂になって)「良かった、繋がった。あゆむちゃん。教会の高坂だけど」と、高坂は君達の状況を全然知らないのでのびのびと話をし始めます。
あゆむ/あっ、高坂さん。この間のゴミ掃除のときはお疲れ様です。
ルリチカ/まさか、『ウズマキ美化委員会』とかやってたんじゃ……(笑)
あゆむ/あ、あの……今、随分と状況が錯綜してまして……。今、変な人に襲われていた変な人を……。
GM/「えっ!? あゆむちゃんが変な人に襲われたって!?」 近くに居るルリチカくんと日葵ちゃんにも聞こえる声で叫びます。
日葵/なんだと!?(笑)
ルリチカ/あゆむちゃんが!?(笑)
桐久雄/オレは変な人じゃねーよ!?(笑)
GM/「あゆむちゃん!? 今、どこにいるんだい!?」
あゆむ/え、えっと……どこそこの林ですけど……。
GM/(日葵の方を向いて)「N市の雑木林方面!」
日葵/バイクを走らせて向かいます!
ルリチカ/メットを被ってバイクの後ろに乗ります!
GM/日葵ちゃんとルリチカくんが一軒家まで来てくれました。
あゆむ/……あれ……?(笑)
日葵/アイドルがこんな人気の無い危険な場所に居ちゃいけないだろ!?
ルリチカ/こっちは仲間が亡くなっているんだから過敏になってるんだよ!
桐久雄/3人に増えただとぉ!? なんだよいきなり仲間を呼んで!? やっぱりオレをどうにかするつもりだろ!? どうする気だよぉ!?(笑)
あゆむ/……あ、あれー……?(笑) ……とりあえず、縛られて痛そうな足首に絆創膏を貼りますね。
桐久雄/あ、優しい(笑)
ルリチカ/おや、大丈夫そうだ(笑) ……あゆむちゃん、無事? 襲ったっていうのは?
桐久雄/オレは襲ってねーからな!?
ルリチカ/本当かー? お前、嘘はついてないよなー!?(笑)
GM/後からブイーンと車に乗った高坂がやって来ます。ただ車なので庭に入ってくることはないですが。道の先から高坂が……「あゆむちゃん、大丈夫かーい!? 犯人は無傷で捕らえられたかーい!?」
あゆむ/た、高坂さん……重要な食い違いが起きてます(笑)
GM/あ、そうね、一旦CM入りまーす。……そうしてCMが終わった頃には、落ち着いて5人で話が出来るようになりました。
桐久雄/(いきなりCM明けのように)なんだよお前ら、犯人グループとは全然関係無いんだなー。
あゆむ/誤解がとけて良かったです……ご無事で何よりです。
桐久雄/その……遅くなっちゃったけど、助けてくれてありがとう。
あゆむ/い、いえ……! 私なんて全然です! すぐに犯人が逃げてくれて良かったですね! でも貴方ならすぐ逃げられたと思います、だって【反射】高くて足速そうだし……!(笑)
GM/この女、アゲるアゲる(笑)
桐久雄/すっげぇ気分良い!(笑)
あゆむ/えっと……高坂さん。彼は変な人に襲われていたんですけど、その人が能力を使って逃げたんですよ……。
GM/「なに? 能力者が……彼を攫ったと?」 高坂と名乗る男性は、桐久雄くんに今までの事情を尋ねます。
桐久雄/えっと……オレは昨夜電車に乗って寝ちゃって……起きたらいきなりここに連れて来られていて……そこからはよく判らない。
GM/「昨日というと?」
桐久雄/5月1日。
あゆむ/……昨日は、5月2日ですよ。
桐久雄/え? じゃあ、今日は?
あゆむ/今日は5月3日の日曜日です。ほら、とスマホのカレンダーを見せます。
桐久雄/え、でも……オレは金曜日に学校から帰って……ええっ……? そうだ、オレの荷物は!?
GM/桐久雄くんは手荷物は一つもありません。携帯電話も無いです。そんな桐久雄くんに高坂は尋ねてきます。「……5月1日。もしかして君はその日の夜、中央駅にいたかい?」
桐久雄/ああ、帰るときに使うけど……。
GM/「22:30ぐらいの電車に乗ったか?」
桐久雄/いつも22:27の電車に乗って帰るよ。
ルリチカ/……きっと、俺と日葵ちゃんの顔は固まってるだろうね。
GM/「……。桐久雄くん、君にも少しこの事件に協力してもらいたい」
桐久雄/えっ。
GM/「俺達はこういう者で……」と簡単に自己紹介をします。連絡先も交換しようと名乗り出てきます。
桐久雄/わわ、なんか凄い正義の人達っぽいぞ!?
日葵/……私達、一体何者だと思われているんだろうな(笑)
桐久雄/協力してくれなんて嬉しいに決まってるじゃん! オレは何もされなかったですけど、誘拐事件……ですもんね。オレに協力できることなら何でも……!
GM/「そうだな。まずは警察にもこのことは連絡しておいた方がいいか。一度君にも警察署にも行ってもらいたいんだが、いいかな?」
桐久雄/おっ、憧れの警察署に行ける! ラッキー(笑)
GM/いきなり桐久雄くん、【意志】判定難易度10をどうぞ。
桐久雄/(ころころ)……9。あと1、足りない。
あゆむ/……なんかこれ、重要な判定な気がしない?
ルリチカ/そうだね。なら≪悔改めよ≫を使うよ。振り直して。
桐久雄/(ころころ)よし、出た! ぴったり達成値10が出たよ!
ルリチカ/おお、良かっ……。
GM/『警察署に行ってはいけない!』 桐久雄くんは、直感的にそう思った。
桐久雄/え。
あゆむ/……え?
GM/第六感がそう働いた。何故行かない方がいいのか、君には説明できない。ただ、高坂の言う通り「警察に連れていくよ」という車に乗ったら最後……『絶対に後悔する』と思った。
桐久雄/…………。た、高坂さん、待って! あのさ!
GM/(高坂になって)「何だい?」
桐久雄/……オレさ、ちょっと混乱してて……。もう少しみんなと一緒に居たいんだけど……。その、実はオレ、家がヤクザで……。月見里組って知ってるかな?
ルリチカ/あ、察し……みたいな顔をします(笑)
日葵/月見里組の息子が誘拐……か。抗争の引き金だと思われても仕方ないな。
GM/「そ、そうだね。じゃあ君が良いなら行かないことにしよう」 高坂は提案を取り下げます。そしてPC4人全員に、イベントキーを配布します。

 『イベントキー:警察に行かなかった』を入手。

あゆむ/ひえー!? なんだこのイベントキー!?
桐久雄/ズシッとくるイベントキーですね!? け、警察に何があるんだ!?
日葵/さっきの判定に成功して良かったかもしれないですね、これ……一体どういうことだ?
桐久雄/……あ、あの……いきなり変なこと言ってすみません。や、ヤクザって言ってもオレ、一般人だから! 人とか殺してないから大丈夫だよ!
あゆむ/もし殺してたらそれは寧ろ「警察、行きましょう……」って言いますよ(笑)
GM/では高坂は、桐久雄くんにいくつかの説明をしました。そしてあゆむちゃんに……ルリチカくんや日葵ちゃんに説明した資料を渡します。
あゆむ/事件の資料を受けとります。資料を読んで……。た、高坂さん!
GM/「なんだい?」
あゆむ/10月30日の失踪者リストをください!
GM/「それなら、今はルリチカくんが持ってるよ」
ルリチカ/これかな? 資料をあゆむちゃんに渡します。
あゆむ/パラパラパラ! 彼の名前を探します!
GM/ありますよ。……『榊原 始(29) 芸能プロダクションに所属』。11月1日に失踪届けが警察に提出。10月30日に中央駅近くの月極駐車場に社用車を置き、22:20に改札を通っていることが電子カードの履歴から判っている。
あゆむ/私、この仕事受けます! 見たこともない速度で言います。
GM/いつものんびりと受け答えをしていたあゆむちゃんしか知らない高坂は、驚きながらも「よろしく頼むよ」と言います。
あゆむ/はい! ありがとうございます! ……日葵さん達2人にも宜しくお願いしますと頭を下げます!
ルリチカ/よ、よろしく。
日葵/よろしく。守ってみせよう。
あゆむ/キューンッ!(笑) 流石です、頼りにしてますっ! 私も足を引っ張らないように頑張ります!
GM/……さて、PC1の立ち位置をご説明します。PC1は「事件の重要参考人」ということでPC2〜4や高坂が頻繁に話をしに行くという立場です。仕事を受け持ったという訳ではございませんが、そういう関わりがあるということを生かしてシナリオに参加してくれると嬉しいです。
桐久雄/はい。
GM/では、今回のシナリオの情報収集ルールをご説明します。調べてもらうAF判定は、以下の5つ……。

【AF判定リスト】

(1)『AF判定:捜索「小屋」』
  ・使用能力値:【知覚】
  ・難易度:30
  ・ラウンド制限:1ラウンド

※小屋を調べる演出の判定に成功すること。

(2)『AF判定:調査「2225電車」』
  ・使用能力値:【体力】
  ・難易度:30
  ・ラウンド制限:なし

※22:25の電車について調べる演出の判定に成功すること。

(3)『AF判定:鑑定「ライバルの検死」』
  ・使用能力値:【幸運】
  ・難易度:30
  ・ラウンド制限:2ラウンド

※検死を調べる、調べてもらう演出の判定に成功すること。

(4)『AF判定:調査「高坂」』
  ・使用能力値:【理知】
  ・難易度:20
  ・ラウンド制限:1ラウンド

※高坂と話す演出の判定に成功すること。

(5)『AF判定:「月見里 桐久雄」』
  ・使用能力値:【意志】
  ・難易度:50
  ・ラウンド制限:なし

※PC1について調べる演出の判定に成功すること。


GM/そして、今回は……6つの『MAP』がございます。

【MAPリスト】

(A)中央駅
 謎の電車によって行方不明者が多数起きた事件現場8番ホームのある駅。

(B)教会
 礼拝堂、書庫、作戦会議室がある場所。

(C)小屋
 桐久雄が発見され、PC達のスタート地点。街中から外れた古い一軒家。

(D)警察署
 警察病院や霊安室、警視庁能力特命課がある場所。

(E)神社
 喜行の遺体発見現場。線路から少し離れた林道の中にある。

(F)PC達が落ち着ける場所
 自由記述。PC達が自由にたむろしている場所。


GM/今回のシナリオでは、「どの判定をするか」「どこでするか」が重要になってきます。AF判定とMAPを組み合わせることで、出てくる情報が変わります。例えば、『AF判定:高坂』×『MAP:教会』ならホームである教会で高坂と話ができますし、『AF判定:高坂』×『MAP:神社』なら神社で高坂が教会では話せない情報を話してくれるかもしれません。
桐久雄/おお!? それは面白い!
あゆむ/凄いパターン数ですね!?(笑)
ルリチカ/単純に考えて……5×6=30通りのイベントがあるってことですよね?(笑)
日葵/す、すっげぇ。……警察署に行ったらやっぱりイベントが起きるんだろうなぁ。『AF判定:桐久雄』×MAP:『警察署』とか何か起こりそう(笑)
GM/もちろん全部明かさなきゃシナリオクリアーできない訳でもなければ、全部明かしたってPC達が事件を解決しなきゃいつまで経っても終わりません。あとメタ発言で申し訳ないんだけど……このゲームは『AW』なので、「ループする前提」で考えてください。
桐久雄/は、はい……。
GM/最初は情報が何一つ無い状態だから、とにかく気になった情報を開示していくといいよ。……現在時刻は5月3日正午。11時を過ぎてそろそろ午後です。1ラウンドに1人1回動けます。時系列は同時ではないので、複数のシーンに何度も登場できます。
日葵/何ラウンドあるんですか?
GM/1ラウンドが終了したら、イベントが発生します。そのときのフラグ次第で「クライマックスフェイズに突入するか」「2ラウンド目が開始されるか」が決まります。
ルリチカ/いきなりクライマックスが始まる可能性もある、と……?
GM/ええ、強制的にエンディングに突入する可能性だってあります。第1話の今回、確認しておきたいことは3つ。

【第1話ルール】
(1)1ラウンド目が終了した段階で、フラグチェックイベントが発生する。
(2)ある条件を満たしていた場合、1ラウンド目終了後にクライマックスフェイズ、もしくはエンディングフェイズに突入する。満たしていない場合は、2ラウンド目に移行。
(3)2ラウンド目が終了したら、クライマックスフェイズに突入する。このときも2回目のフラグチェックイベントが発生し、その結果次第でクライマックスのシーン演出が変更される。


GM/なお、AF判定に1回でも成功した場合、難易度が半減した状態で再スタートができます。例えば、1ラウンド目に『AF判定:桐久雄(難易度:50)』を無事成功した後なら、2ラウンド目以降はMAPを変更しても『AF判定:桐久雄(難易度:25)』に挑戦できます。
あゆむ/おおー、調べやすくなっているんですね。
GM/一度調べたけど違った面から調べてみよう、でも知っている人だからとっつきやすい……みたいなイメージです。また、シーンプレイヤーによって内容が変更されることはありません。ただし、シナリオ中に手に入れたイベントキーを持っているかによる変更点はございます。
日葵/というと?
GM/凄く極端な例だけど……。高坂と駅に行っただけなら普通の会話イベントだったけど、『イベントキー:おなかすいた』を持ってる状態で駅に行ったら「何か食べるかい?」ってシュークリームを奢ってくれるとか(笑) イベントキーを持っていないからと言ってマイナスにはなりません。ただイベントキーを持っている状態なら、明確なプラスが発生します。
日葵/判りました。つまりは、情報はあればあるほど判りやすくなるってことですね。
GM/……ちなみに、(6)のMAPは自由記述だから、PC達が好きな場所を書いておいてね。
ルリチカ/「PC達が落ち着ける場所」だろ? ある程度、みんなで喋れる場所と言ったら……。
桐久雄/……シャノアールかな。
GM/『4版』の追加ライフパスのところに記載された場所だね。

 喫茶店シャノアール
 中央駅から歩いてすぐ、領域遣いのマスターが経営している喫茶店。
 一見ごく普通の喫茶店だが、マスターとの交渉すれば個室(≪テリトリー≫的な何か。教会に所属している能力者は自由にレンタル可能)で利用することができる。
 余談だが、現場復旧委員会メンバーの藤原 幸正はこの店のオーナーをしていたりもする。

GM/あとは、木ノ本アパートとかどうだろう。これは『4版』のNPCパーソナリティーズで掲載されている場所だね。木ノ本御月というおばあちゃんがやっている不動産だよ。

 木ノ本アパート
 舞台となっているN市を中心にいくつもある「教会のエージェント大歓迎不動産」。
 教会に登録している者なら、結界完備、使い魔ペットOK、エージェント同士のシェアハウス可能で家具一式全て揃った賃貸アパートを借りることができる。アパート、マンション、一軒家など幅広い。
 画像の人物は、木ノ本アパートのオーナー・木ノ本御月というおばあちゃん。

あゆむ/学生も気軽に入れるとなると……駅前のシャノアールがいいんじゃないかな。駅の近くだからカラオケや本屋もあるしね(笑)
ルリチカ/じゃあ、(6)はシャノアールに指定します。
GM/了解しました。あと、補足のルールだけど……。

 ▼AF判定は、メジャーアクションで行なう。
 ▼『契約』はミドルフェイズ開始前に可能。もしくは、マイナーアクションで行なう。
 ▼『供給』は1シナリオに1回まで可能。マイナーアクションで行なう。


GM/それでは、ミドルフェイズを始めていきましょう……!


 ●ミドルフェイズ1/桐久雄 『AF判定:2225電車』×『MAP:教会』

GM/一番最初は、桐久雄くんのシーンからいきましょう。
桐久雄/まずはみんなとの交流をしたいです!
GM/桐久雄くん一人だけ教会所属スタートじゃないからね、ちゃんと自己紹介シーンをやろうか。……みんなで桐久雄を取り囲んで面接するの?
ルリチカ/まあ、そんな感じで(笑) 桐久雄をまず教会に連れてきます。
GM/なお、桐久雄くんのハンドアウトには「能力者の親がいる」と書いてあるよね。なので親御さんから「異端討伐をしている退魔組織がある」ということを教えてもらっていたことにしておいてください。能力者の自覚もあるけど、教会に登録してないってことね。
桐久雄/はい。じゃあ礼拝堂に来たら……「これが噂の!」って言います。親から名前だけ聞いてたけど、実際来るのは初めてだよ。
あゆむ/ヤクザさんってそういう方面にも顔が広いんですねー?
桐久雄/そ、そういうことになるのかなー?(笑) オレもよく判らない! でも礼拝堂なんてスゲー。カッコイイー!
ルリチカ/お茶を淹れようか。昆布茶でいい?
桐久雄/十字架がある神聖な場所っぽいけど昆布茶なんだ?(笑)
GM/PCのみんなが集まる会議室には、高坂の趣味で紅茶も緑茶もコーヒーも用意しているよ。ちなみに高坂の謎ルールで、「お菓子を一つ持って行く人は後でお菓子を一つ持って来ること」というものがある。今作った設定だけど。
日葵/か、可愛い!(笑)
あゆむ/あ、ルリチカさん……お茶淹れるの、お手伝いします。
ルリチカ/ありがとー。お茶菓子を戸棚から出してくれるかなー? で、何を飲むの?
桐久雄/……昆布茶でお願いします。じっちゃんが好きだったから!
ルリチカ/じっちゃんって?
桐久雄/つい最近亡くなったオレのじっちゃん。……そんな話をしながら、AF判定をしていきます。自己紹介をしながら。
GM/自己紹介をAF判定でするのか。それは良いアイディアだな。じゃあスタートしていこうか。
桐久雄/その、色々教えてほしいんだけど……って、人に訊く前に自分の紹介をしなくちゃだな!
日葵/そういえばちゃんとした自己紹介はまだだったな。
桐久雄/うん。オレは月見里 桐久雄。高校3年生で17歳。……昔から両親にある程度の教育は受けているよ。そう言いながら、ウズマキからナイフを複数出します。≪デスブリンガー≫+≪ソウルデバイス≫の演出です。
ルリチカ/おっ、スキルウェポンが使えるのか。
桐久雄/取り出したナイフを投げて、十字架にドスッと……するのは流石に駄目だよな?(笑)
GM/じゃあ、十字架の後ろにフォイがチラチラ隠れているよ。
桐久雄/フォイにアーミーナイフを投げつけます。
GM/トスッ。
ルリチカ/フォイーッ!? フォイくんが自然に大変なことに!?(一同爆笑)

 フォイ
 教会のエージェント・小鳥遊ルカ(画像 左)と契約している、一つ目玉の魔法生物(画像 右)。語尾に「フォイ」と喋る魔法少女(?)の召喚獣。
 その生態は謎。フォイと鳴く、ちったちったと歩く、爆発する、増殖する、体の中は異空間に繋がっている、意外と狡猾、肝臓色をしている……という謎の生き物。
 詳しくは『NPCパーソナリティーズ』か、リプレイ『アナザー イブ ウィークス』参照。

ルリチカ/一応、彼も教会の協力者なんだ! ≪肉体復元≫でフォイを回復!(笑)
あゆむ/でも大丈夫だよ、フォイなら(←ルカの中の人
GM/そうだよ。フォイならあゆむちゃんが出した戸棚のお菓子をもっちゃもっちゃ食べてるフォイ。
桐久雄/ご、ごめんなー。≪ヘル≫と≪インドラ≫を使ったナイフだから『麻痺』してシビシビしてるだろー?(笑)
GM/(フォイになって)「なんかビリビリするフォイ。罰としてアイドルが出したお菓子は全部食べちゃうフォイ」
日葵/……なんか私が参加しているセッションって、フォイくんの被害率が凄く高いんですけど?(笑)
桐久雄/だってフォイって使いやすいんだもん、フォイなら何があってもそのうち復活するし(笑) ……うーん、どうやって≪命の糧≫の演出をしよう?
あゆむ/それなら……。桐久雄さん、2日間も寝てたのに全然体が不調になっていないなんて頑丈なんですねって言います。
桐久雄/お、ありがたい!(笑) こ、こう見えてもオレ、ビシバシ鍛えてるから! ≪クイックコート≫と≪プロパゲイト:単一化≫で【反射】を上げているから、足もすっごく速いんだ!
あゆむ/わあ、体力派なんですね! ……なんだか人を褒めちぎり続けるロールが楽しくなってきた(笑)
桐久雄/やろうと思えば≪鳥躍≫もあるからビルぐらい駆け上がることだって出来るぜ!
ルリチカ/ニンジャか。
桐久雄/ニンジャになりたかったのもある。でもオレ的には警察になりたくって! 人を守る仕事がしたいんだ。ということで≪カバー≫も取っちゃいました。その、みんなの協力者として出会えた縁もあるし、何かあったら精一杯守らせてくれよ……という≪護りの契り≫。
あゆむ/おおー。いいですね、カッコイイです!
桐久雄/それに、教会に関わるっていうのも……なんか縁があるのかもしれないな。そう言いながら、≪機関「チルドレン」≫の存在をを少しほのめかす。
GM/今までに演出に使用した特技は12個。12×2=24も難易度が減少します。今のAF判定難易度は『6』。……ねえ、判定に成功する前に自己紹介のシーンを進めていいかな? みんなの紹介が終わったら判定にきましょう。
桐久雄/そうですね。……そこの兄ちゃんの名前は?
ルリチカ/俺は、二木 ルリチカ。
桐久雄/ルリーチカ?
ルリチカ/別にその呼び方でもいいよ(笑) 大学生だ。今は教会の書庫で司書のバイトをしている。大学卒業後はここに就職予定。……さっきフォイを≪肉体復元≫で治したように、人を癒すことが得意だ。あとは情報収集もな。
桐久雄/へえ、スゲエな。そっちの強そうな姉ちゃんは?
日葵/実際強いがな。私の名前は、晩間 日葵だ。年は29。この中では一番年増だな。
桐久雄/ひまちゃんか。
日葵/は?
桐久雄/ひーまちゃんっ。
あゆむ/綺麗なお名前ですよね!
日葵/……ありがとう。叶に言われると嫌な気がしない(笑) 職業は警備員だ。私は月見里のように器用なことはできないが、とにかく……蹴る。
GM/スキルウェポンはキックなんだ?
日葵/キックボクシングだ。
ルリチカ/つえーぞ、日葵ちゃんのキック技は(笑) それで敵を倒している。
桐久雄/へえ……倒さなきゃいけない敵がいるんだな。
日葵/まあな。話を聞いてくれない奴には力で語るしかない。
あゆむ/か、カッコイイ……日葵さんになんか投げて応援したい(笑)
GM/そこにフォイがいるフォイ。
日葵/フォイを投げられても困る!(笑)
桐久雄/ひまちゃん、カッコイイなぁ……。で、さっきの嬢ちゃんは?
あゆむ/は、はい! 高校1年生の叶 あゆむといいます。ひらがなで「あゆむ」って書きます。
桐久雄/あゆちゃんか。可愛い名前だね。
あゆむ/ありがとうございます。お父さんとお母さんが一生懸命つけてくれたんです。……能力者としてはそんなにって感じなんですけど、耳と目がきいて……あと、声を出すのも得意なんです!
日葵/叶はアイドルだからな。
桐久雄/マジで!? 凄いじゃん、サインちょうだいよ! サインペンで手に書いて!(笑)
あゆむ/い、いいんですか? ちょっと失礼しますね……キュキュキュッとサインします。
桐久雄/えへへ、今日手を洗えねー(笑) 未来のトップスターのサインを貰っちゃったよ!
あゆむ/そう言ってもらうと嬉しいです。でも今、お仕事ないんですけど……見かけたらよろしくお願いします! あの、教会のお仕事にはお手伝いとか応援ぐらいしかできませんけど、今回の事件は……知り合いが関わっているので……。
日葵/……ふむ?
ルリチカ/なんだって? それは聞いてなかったな、詳しく教えてくれよ。
あゆむ/……去年の10月30日の事件。あれでお仕事の知り合いが失踪したみたいなんです。先程ルリチカさんに見せてもらったリストに名前がありました。
桐久雄/や、ヤバイじゃん、それ……。いなくなっちゃった人って、あゆちゃんの大切な人?
あゆむ/…………。正直、私としてみれば桐久雄さんが助かっていることが希望に繋がっているんです。でも、プレッシャーに感じないでください。
桐久雄/……いないとツライっしょ? お、オレが出来ることだったらなんでもするよ。ちょっとでも関わらせてもらいたいっていうか……。今待って待って、から頑張って電車のこと思い出すからさ!
ルリチカ/そうだな、思い出してくれると助かる。タブレットにキーボードをくっつけて、桐久雄の証言をまとめたいと思います。
GM/それではそろそろAF判定にいきましょう。難易度は6まで下がったので、桐久雄くんはダイスロールをお願いします。
桐久雄/オレの【体力】は3。ファンブらなければOKだな。思い出してみよう!(ころころ)ファンブルです。
あゆむ/うそぉ!?(笑)
ルリチカ/≪悔改めよ≫! ファンブルでも振り直せる特技を持ってて良かった!(笑) ほらほら、お前はもっと頑張れる子だろう!?
桐久雄/な、なんにも思い出せねーなー?(笑) でももう一回!(ころころ)……1・2だ。
日葵/あぶねぇ! ファンブル一歩手前だ!(笑)
GM/出目で3だから……い、一応成功だよね?(笑)
あゆむ/ま、まだ疲れてるんですよー! ちゃんとお菓子を食べてください!
GM/……ダイスの出目が1・1と1・2だった桐久雄くんは、5月1日の電車のことを思い出そうとするけど、難しかったようです。どうやらここでは、『桐久雄くんの記憶に関することについては判りません』。
桐久雄/ご、ごめん……ちゃんと思い出せない……。
ルリチカ/もっと思い出せそうな場所に行った方がいいかもな。記憶って色んなことをキッカケに思い出すっていうし。
GM/そうだね。思い出せなかった桐久雄くんは書庫を紹介されて……以下の情報を得たことにしようか。『AF判定:2225電車』×『MAP:教会』で判明することは、これです。

 『AF判定:2225電車』×『MAP:教会』
▼2014年10月31日の45人失踪事件は未解決のまま、何も進展が無い。
▼大勢の失踪事件で進展が全く無く、世間が大混乱になるのを逸れた警察と教会の相談の末、現場復旧委員会の手によって≪特権階級≫+≪マインドロスト≫+≪記憶の香り≫などの記憶改竄能力を使用し、事件を揉み消した。
▼去年の事件には目撃者無し。なので早くも迷宮入りと言われていた。だが、5月1日に起きた事件に目撃者(高坂)がいたおかげで「ホームに入ってきた電車がおかしい」「あれは人工生命体である」「高坂の知人・小野 喜行が乗り込み、その後行方不明になり、遺体になって発見された」という異常を察知できた教会は、2014年の事件と同一のものと考え再始動することができた。
▼異端の中には「自らの外見を別のものに擬態し、餌となる生き物を体内に取り込む、もしくは別の場所に運んでしまう」というシェイプシフター型のものがいる。代表的なシェイプシフター型の異端の名前は、
『デイアス』

あゆむ/『デイアス』……?
GM/シェイプシフター……「何かそっくりの姿に化けて人間が油断したいるところを食べちゃうモンスター」型の異端の名称だね。過去にそういった名前の異端が存在していると、資料が貼り付けられているよ。それと、司書バイトであるルリチカくんは、こう思います。
ルリチカ/うん?

 ▼事件発覚から2日も経っていないのに、既に似たような異端の名称まで発覚している。資料が揃いすぎている。まるで自分達以外の別の勢力が事前に調べていたかのようだ。

あゆむ/「同じテーマで卒論を書いている奴がいるな」って思う感じ?(笑)
GM/そうだね。普段エージェントの皆さんは事件の依頼があってから書庫で書類を読みながら情報収集をします。そのときにある程度、協力者の手によって書類がまとめられているんですよ。「この辺のデータを見るといい」って。
桐久雄/ああ、いつもはアクセンさんやトキリンが事件の資料って用意してるんですよね(笑)

 ときわ、アクセン
 教会の協力者。小柄で年若い少年と、大柄で年齢不詳な男性。
 裏社会の事情に詳しく、ときわは情報収集能力に長けており、アクセンは過去の文献や世界各国に遺された禁書を研究しているため、『教会の資料』製作に携わっている。

GM/でも、今回はたった1日……どころかそれ以下の時間しかないのに、「まるで誰かが先に調べていたかのような整頓された並びで」、あっという間に資料が見つけられます。
ルリチカ/書類の手際が恐ろしく良い。一日でここまでの精度が出てくるとは。
桐久雄/教会に協力している……違う勢力って何?
あゆむ/私達以外に違うチームが動いているってこと? あとは……警察とか?
GM/警察で教会によく来る勢力となると、警視庁能力特命課がいるよ。
桐久雄/オレの憧れの部署だ!(笑)
あゆむ/きっとあそこ、人手不足だから歓迎してくれるよ(笑) ……違った視点で『MAP:教会』を調べてみたら、判るかもしれませんね。
桐久雄/……あのー、自己紹介も終わったことだし、せっかくだからここで『契約』していいですか? 
GM/本来なら『契約』はマイナーアクションで、メジャーアクションであるAF判定の前にやらなきゃいけないんだけど、今回は自己紹介のシーンだったし特別に良いよ。
ルリチカ/じゃあ、桐久雄と連絡先を交換しておこうか。ふるふる。……ルリチカは日葵ちゃんとよく仕事をしていたから、日葵ちゃんと『契約』したいな。
日葵/それなら死ににくい私がマスターの方がいいな。これからも頼む、と二木と握手しておこう。
桐久雄/お、オレも! けど、オレってカバー役だから結構死にやすいんだよね……。
あゆむ/なら、私が桐久雄さんのマスターになります。よろしくお願いします。ぎゅっぎゅ。握った後にまた強く握って、顔を見てニコッと笑う。これがプロの握手です。
桐久雄/わっ、握手が凄いアイドルっぽい握り方だった! 握手会って感じだった!(笑)
GM/すげー、プロすげー(笑) それでは「マスターは日葵、サーヴァントはルリチカ」、「マスターはあゆむ、サーヴァントは桐久雄」のコンビで『契約』が完了しました。キャラクターシートにそれぞれお互いの名前を書いてください。
あゆむ/はーい……。あ、自分の名前を「あゆぬ」って書いちゃった(笑)
GM/あれ、さっき「あゆみ」って書いてたよね?
あゆむ/もしかして……私、「む」って字が苦手なのかも。
日葵/でも「あゆぬ」って可愛いですね、ファンから「あゆぬん」って呼ばれてそう(笑)


 ●ミドルフェイズ2/あゆむ 『AF判定:小屋』×『MAP:小屋』

GM/じゃあ、次のシーンは……あゆぬちゃん、いこうか。
あゆむ/はい、あゆぬいきます(笑) みんなで小屋に行きましょう。現場を調べるとなったらプロい人がいてくれた方が安心です。
日葵/では車で行こう。
ルリチカ/次は俺が運転するから、日葵ちゃんは後ろの席で休んでなよ。
日葵/いいのか?
ルリチカ/さっきバイクに乗せてくれたじゃん。そのかわり道案内をよろしく!
あゆむ/2人ともイケめてるー(笑) 一度行った道を案内しながら小屋に向かいます。
GM/こうして4人は車で例の一軒家にやって来ました。ぬん……どうぞご自由にAF判定をしてください。
あゆむ/……ちょっとごめんなさい、集中しますね……と言ってイヤホンを耳につけます。曲を聴いているときは集中力が増すという≪マイガーデン≫の演出です。
日葵/おおーっ、いいなその演出!
あゆむ/GM、この≪マイガーデン≫は演出だけじゃなく特技使用にします。

 ≪マイガーデン≫
 いつでもどこでも集中して作業を行なうことを表わす[アーティスト]の副特技。
 AF判定での難易度を特技1つにつき−2から−4に変更する。1シナリオに1回まで使用可能。

GM/了解しました。1シナリオに1回までの特技なので、使用したことをキャラクターシートに書き込んでください。……きっとルリチカくんと日葵ちゃん的には「いつもの彼女になった」って感じなんだろうね。
日葵/ああ、始まったな。
桐久雄/初めて見るから、なんだなんだって思うよ(笑)
ルリチカ/まあまあ、見てろって。
あゆむ/曲にノリながら、誘拐犯がいた場所を調べていきます。確かここで誘拐犯は逃げたんだよな……と、目で見たことを思い出していく≪全方位視覚≫。この辺りにゲイトを作って逃げたから……でも私は魔法に関しては専門外なので……。すみません、ルリチカさん。
ルリチカ/なに?
あゆむ/この辺りが……とゲイトが開いた場所を見てもらいます。今まで見た文献の中で何か見覚えはありませんか?
ルリチカ/それだったら≪最奥の記憶≫で情報を引き出そうとします。
あゆむ/ルリチカさんが次々情報を出しているときに、「こういうものはありますか?」と、あゆむからもどんどんサポートを出して相手の達成値を上げさせます。≪ミネルヴァ≫の演出です。自分が相応しいサポートに徹するということで、≪アメノウズメ≫の演出もします。
ルリチカ/ああ、その意見があるならもしかしたら……と、ひらめいていくよ!
GM/……ぬんは、人の下に立つ子だなぁ。
あゆむ/ルリチカさん、ありがとうございます! と、癒しを与える≪ヒーロータイム≫。床をコンコン叩いたりして音を出し、その反響で部屋の大きさや何か物品が無いかを調べる≪彼方の音≫と≪箱庭の主≫……以上で使った特技は7つ。7×4=28も難易度が減少して……イケる。
日葵/やっぱり≪マイガーデン≫は強いな、特技が2つ分だし!
あゆむ/ファンブルが出なければ成功だ!(ころころ)あ、クリティカルです。
GM/え、クリティカル?
あゆむ/≪ツールマスタリー≫の効果で【知覚】と【意志】のクリティカル値が下がっているんです。だからクリティカルです。
GM/凄い、完璧に判ったって感じだね! ルリチカくんは調べ物のプロだけど、あゆぬちゃんは実際赴いて調べるのが得意なのかもね。
あゆむ/私が見て話せば、ルリチカさんがなんとか調べてくれますから!
ルリチカ/そうそう、調べ物なら任せて。
日葵/そして私は敵をただ潰すだけ。
ルリチカ/日葵ちゃんカッコイイよ!(笑)
GM/では、あゆぬは小屋を調べた結果……以下のことが判ります。

 『AF判定:小屋』×『MAP:小屋』
▼擦れて文字が読めなくなっているほど古い磁気カードを発見する。だが、そのカードは埃を被っていない。カードキーには『コーポ カートン 404』と書かれている。どうやらマンションのカードキーのようだ。
『イベントキー:カードキー』を入手。
▼瓶を発見する。瓶には底に少量の白い粉が付着している。瓶には『ユウストタディアス』という文字が刻まれている。
『イベントキー:瓶の粉』を入手。

桐久雄/この粉って……? ペロッ。これは、青酸カリ!?
GM/そうやってみてもいいんだよ。舐めずに中身が何なのか知りたいなら……[処刑人]の人はいます?
あゆむ/……いませんね。
GM/……でも、さっきあゆぬはクリティカル成功したから判っていいことにしよう! イケイケだし! これは薬は薬でも、[処刑人]が調合するような特殊な薬物だよ。……おいそれと触ってはいけない物だ。瓶には『ユウストタディアス』という字が刻まれている。
桐久雄/なんか、ヤバそうな名前……。
あゆむ/ユウストタディアスですか……誰かこれが何なのか知ってますかー?
GM/【理知】判定難易度15に成功すると判るよ。「この名称が何を表わすものか覚えているか」の判定です。これはかなり難しい判定だよ。
ルリチカ/ユウストタディアス……何だ?(ころころ)15。やった、成功です!
あゆむ/やっぱ読み上げるとルリチカさんがすぐ調べてくれますね!(笑)
GM/おお、誰も成功しない可能性もある難易度だったのに凄いよ。ユウストタディアスとは、異端を生み出す欺く神の名前です。死の神、安らぎの神、混沌の神と言われている『邪神八柱(じゃしんはっちゅう)』の一体です。
ルリチカ/……邪神!?
あゆむ/ペロッ。これは、ユウストタディアス!?(笑) ……お、オシャレな脱法ハーブですかね?
桐久雄/飲んだら人間をやめられる系じゃないの?(笑)
日葵/瓶を開けるんじゃないぞ、風に散ったらヤバそうだ。
あゆむ/……持って帰って、高坂さん達の手で解析してもらえませんかね?
ルリチカ/そうだな、詳しく調べてみるか。都合良くあったジップロックに入れて持ち帰ろう!(笑)
GM/『イベントキー:瓶の粉』を持った状態で違うアクションを起こせば何か判るかもね。それでは、ここで判ることは以上なので次のシーンに移行しましょう。
あゆむ/……あの、この埃のついてないカードキーって「ここに居た誰かが持っていた」ってことですよね? 犯人が取り戻しにくるんじゃ……。
桐久雄/じゃあ今見つけて良かったね! 時間が違ったら見つからなかったかもしれないよ、ラッキーじゃん!
あゆむ/ポジティブだ。なんだか気分が良くなりました!(笑)


 ●ミドルフェイズ3/日葵 『AF判定:ライバルの検死』×『MAP:神社』

日葵/では、そのまま車で神社に向かいます。
ルリチカ/先に桐久雄に説明をしておこう。……実は、5月1日の電車に乗った後に遺体となって発見された能力者がいるんだ。
桐久雄/マジで? ……なんでオレ、生きてるの?
ルリチカ/それは、俺達だって知りたいよ。俺達はそれを今、調べてるんだ。
日葵/すまんな、付き合わせて。さて、AF判定をしたいんだけど。[狂戦士]は戦うことしかできないんだよな(笑)
GM/狂戦士あるあるだね、AF判定でどうしたらいいか悩んじゃうって。
日葵/……さっき自己紹介で私はキックが得意と言った。むしろキックしかできない。そこで月見里、手合わせしないか?
桐久雄/神社で手合わせですか!?(笑)
日葵/実力を示してなかったしな。一緒に戦い背を預ける者として不安感を残したくはない。頼れる人間だと判ってもらうために手合わせをしよう。
ルリチカ/俺達としても、桐久雄がどんだけ戦えるか見ておきたい。
桐久雄/……よし、オレも体を動かしたかったしやりましょう!
日葵/では始めよう。まず、≪単一化≫と≪単一化2≫で戦いの呼吸を整える。≪強化手術:体力≫で、そもそも体力に自信がある。まずは月見里の実力を見よう。攻撃してこい。
桐久雄/め、めっちゃ強いオーラを感じる……!(笑) 懐から脇差を出しておきます。じゃあ……≪鳥躍≫でパッと飛んで、上空から振りかぶってくる!
日葵/それを腕でさばいてキック……≪殺戮の身体≫で弾き飛ばす。いくら食らってもなかなか倒れない≪戦神の巣≫。
桐久雄/な、なんだこいつー!?(笑)
日葵/≪狂舞≫と≪狂舞2≫を持っているので、柔道の要領で投げます。
桐久雄/ぐえっ!(笑) まだまだーっ!
日葵/≪破壊者の孤独≫で【攻撃力】が+1されているので……えーと。
桐久雄/ここに一般人がいたら死んでたぞー!(笑)
日葵/ナイスアシストだ(笑) 月見里が後ろからやって来ても≪乱舞≫で後ろも回し蹴り。
桐久雄/う、後ろに目が付いてるのかよー!? なんだこの人、とんでもねぇ!
日葵/桐久雄のサンプルボイス集か、これは(笑) ≪未完の奥義≫で攻撃は当たりにくいけど、当たるとめっちゃ痛い。たとえ命中が悪くても≪L:戦闘力上昇・命中値≫を持っているので、前衛に立つ身としては問題無い。
桐久雄/当たって吹っ飛んでイッテェーって叫んでますよ。
日葵/最後に、≪特攻≫で思いっきり背負い投げ。自分もダメージを受けながらもバァンと叩きつけます!
桐久雄/きゅうっ!(笑)
GM/これで使用特技は12個か。12×2=24の難易度減少です。
日葵/それなら成功する!(ころころ)よし、30ぴったり成功! ……月見里、立てるか?
桐久雄/ううっ。こ、今度は勝つぞ!
ルリチカ/おつかれさーん。ダメージを負ってたなら≪肉体復元≫で回復しておくよー。
あゆむ/昨日の今日でヘトヘトだろうし、日葵さんと手合わせするなんて……初めての相手にあれだけできるなんて桐久雄さんは凄いですよ!
桐久雄/あゆむちゃんはアゲるなぁ!(笑)
日葵/叶はとにかく人をアゲてくれるんだ(笑) 月見里に楽しみにしてると言って、仲間の力量も判ったところで……本題にいこう。
ルリチカ/ああ、2人が手合わせをしている間に神主さんから境内を調べていいって許可を貰ってきたよ。
日葵/二木は出来る男だ(笑) ということで、喜行が発見された現場に向かいます。
GM/既に調べが終わっている現場に赴きます。ルリチカくんの持っている資料によると……遺体は神社の裏側にある人気の無い竹林に、放置というよりは「隠されていた」ように置かれていたそうです。
日葵/隠されていた……か。
GM/第一発見者は、このN神社の巫女さんです。ここに立ち合っている巫女さんは能力者で教会に理解のある人なので、ご安心ください。それでは『AF判定:ライバルの検死』×『MAP:神社』で判る情報ですが……。

 『AF判定:ライバルの検死』×『MAP:神社』
▼神社の巫女いわく、「竹林に何者かがいる音や声がした。音がした方に行ってみると、人が倒れていた。声は男性のものだった。男性が何を喋っていたかは判らない。彼は急いで逃げていくようだった」。
▼喜行が倒れていた場所から、竹林に霊的な青い反応を発見する。[世界遣い]の≪クリエイトゲイト≫の痕跡であり、一時的にゲイトを作り、入り込んだ人物がいることが判明する。

ルリチカ/……[世界遣い]の特技の≪クリエイトゲイト≫。これって……。
GM/あゆぬちゃんは、これが小屋で誘拐犯が逃げて行ったものと同じだと判ります。
あゆむ/こくこく! あれです!

 ≪クリエイトゲイト≫
 空間をねじ曲げて、遠く離れた場所に繋がるゲイトを作り出す[世界遣い]の主特技。
 ゲイトは固定しておくことも可能で、使用者以外の他人も利用できる。


桐久雄/つまり……オレを誘拐した犯人と、喜行の遺体を隠そうとした犯人は同一犯の可能性? ねえ、遺体を隠したかったのは判るんだけど……なんで喜行だけここにいるんだろう?
ルリチカ/喜行だけ?
桐久雄/50人が行方不明になってるんでしょ? なのになんで喜行だけ遺体が見つかっているの?
日葵/……彼が能力者だから、かな?
あゆむ/能力者は生きている? 能力者は……生かされてる? 桐久雄さん、何か誘拐犯に言われたりしてませんか?
桐久雄/……あっ! そういやあいつ、「儀式を始める」って言ってた!
あゆむ/そ、それって結構重要なワードじゃないですか!? 順繰りにゆっくり思い出していきましょう!(笑)
桐久雄/で、でもオレ、あのときパニックだったからしょうがないじゃん!(笑) それに……儀式って、何の儀式なの? さっきの瓶と何か関係があるのかな?
ルリチカ/そうだね、『ユウストタディアス 儀式』で検索したいよ(笑)
日葵/結果は『召喚』って出てくるかもな(笑)
桐久雄/それはありえるかも……邪神召喚の儀式なのかな?
GM/以上で、初めてここに来て判ることは全部お話したけど、最後に……神社で何かしておくことはありますか?
日葵/特に何もありませんね。
GM/……了解しました。それじゃあ、1ラウンド目最後にいきましょう。


 ●ミドルフェイズ4/ルリチカ 『AF判定:高坂』×『MAP:中央駅』

GM/では、最後にルリーチカのシーン。
桐久雄/かしこい! かっこいい! ルリーチカ!
ルリチカ/ありがとう、「かわいい」じゃなくて「かっこいい」にしてくれて(笑) とりあえずもう一つの現場にも行こう。教会に立ち寄って高坂さんを拾って、駅に向かいます。
GM/ルリチカくん達は高坂と駅にやって来ます。……1ラウンドを1日と換算していたので、4シーン目の今は夕方ぐらいかな。夏が近いからまだまだ空は明るいけど、少しだけ日が落ちてきました。
ルリチカ/高坂さん、調べ終わったらメシに行きましょうか?
あゆむ/いっぱい調べたらお腹が減りました(笑)
GM/(高坂になって)「ああ、いいね。何が食べたい?」
桐久雄/オレ、ハンバーグが食べたい!(笑)
日葵/それなら良いメシ屋を知ってるぞ(笑)
ルリチカ/まずはこのラウンドを終わらせよう。……ホームで、鳩を探します。ホームに居る鳩なら現場を見ているかもしれない。≪バベルの唄い手≫で話し掛け……。
あゆむ/鳥だから夜はダメじゃないかな?
ルリチカ/詰んだ。
日葵/……二木って、鳩と話すんだ(笑)
あゆむ/る、ルリチカさんの隣に立って、鳩に話しかけている不審者に見えないようにカモフラージュをします!(笑)
ルリチカ/くるっぽー、そっかー、寝てたかー(笑) うーん、じゃあどういう演出にしよう……。
桐久雄/じゃ、じゃあ……オレ、唐突に階段から転ぶね! うおっとー!? このホーム、鬼門だわ!(笑)
ルリチカ/えっ!? そのダメージを≪念動障壁≫と≪念動障壁2≫! いや、それだけじゃ足りない! 階段から落ちたら大怪我だ! ……ブレスレットの≪覚醒具≫に触れて、パワーを増す! ……どっか挫いてないか? ああ、これならすぐ治るよ。≪肉体復元1≫と≪肉体復元2≫を使用。
あゆむ/優しいですね、ルリチカさん(笑)
ルリチカ/≪最奥の記憶≫を使って、高坂さんと桐久雄の記憶を呼び起こす演出をします。自分でもぐるりと≪空間知識≫でホームを確認する。あの日一体何が起こったのか、その正体を暴こうということで≪霧暴き≫を使用。
GM/良い演出だね。特技を9つ使ったので、9×2=18も難易度が減少します。
ルリチカ/これなら大丈夫……(ころころ)よし、成功! さっきから出目が低いから成功して良かった(笑)
GM/高坂もホーム内を探索します。[霊媒師]として少しでも残り香を探ろうとしているのでしょう。そしてルリチカくんの的確なアドバイスを聞いて、とある方向を見つめ始めます。
ルリチカ/とある方向?
GM/……下り方面。電車が向かっていった先です。(高坂になって)「……少し、線路沿いに歩いてみないか?」 中央駅の中ではなく、駅の外に出ようという提案をしてきます。
あゆむ/線路沿いに歩くんですか?
ルリチカ/電車が消えていった方角だな。ええ、行きましょう。
GM/線路沿いには、車が一車線通れればいいぐらいの細い道があります。君達5人は線路を下っていきます。(高坂になって)「……やっぱり、この辺りに霊的な青い波動がするな……」
ルリチカ/高坂さん、視えるんですか?
GM/「ああ」と頷きますが、苦い顔。線路沿いに君達はずっとずっと歩いて行きます。駅からはだいぶ遠くなり、さっき君達が車で向かったN神社近くになってきます。「なあ、[魔術師]か[霊媒師]の子なら判るんじゃないか?」
あゆむ/このパーティー、[魔術師]と[霊媒師]がいないんですよ。
GM/[世界遣い]もいないんだったな……。それでは、そろそろ『AF判定:高坂』×『MAP:中央駅』の結果を見せましょうか。

 『AF判定:高坂』×『MAP:中央駅』
▼中央駅から線路沿いを歩いていくと神社近くの線路にて、『巨大な空間の歪み』を発見する。線路の真ん中に≪クリエイトゲイト≫があることが発覚する。
▼次のラウンドから、
『MAP:線路沿いのゲイト』が追加される。

GM/高坂は下り線路を見ながら言います。「これ……線路に何も無いように見えているけど、ゲイトがある! 線路の真ん中に≪クリエイトゲイト≫があるよ!」
ルリチカ/線路に!? じ、実は神社の方でもゲイトがあったんですよ……!
あゆむ/小屋と神社にもあって、こっちにもゲイトが……?
GM/今は電車は来る時間ではありません。だから高坂は周囲を確かめ、安全第一に線路内に近づいていきます。「……これ、ゲイトを開けることができるぞ」
あゆむ/えっ……。そっか、≪クリエイトゲイト≫は使用者じゃない他者でも通れるんですよね。
GM/「ああ。ここにあるゲイトは、人が入ればいいサイズとは違う。電車という巨体を通すほどの大きなゲイトだ。だから完全に隠しきれなかったんだろう。……多分このゲイトを開けば、電車が向かった先に行ける。つまり、電車に乗った50人が向かった先に行けるんじゃないか?」
ルリチカ/なんだって!?
桐久雄/すごーい! ゲイトの先に行けるぞー!
あゆむ/ゲイトに……行方不明者がいるかもしれない。ぜひ行きましょう!
GM/「このパーティーに[魔術師]か[世界遣い]はいなかったな? じゃあ俺がゲイトを開ける手段を見つけよう」 高坂がゲイトをこじ開ける手段を教えてくれます。でも今は先に行けないよ。2ラウンド目に移行できたら行ってみてください。
ルリチカ/すみません高坂さん、お願いします!(笑)
日葵/……そっか、次のラウンドに行けない可能性もあるんだよな。なんとか先に行きたいなー(笑)
GM/ということで、高坂を駅に連れてくるのはエクセレントな選択でした。追加マップ登場、おめでとうございます。