アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 熾天の箱庭シリーズ『 エヴァーラスティング 』 1ページ目 ■
2016年2月24日




 ●プリプレイ

 GM・マーサープレイヤー・ぷぇの2名が、「どどんとふ」にログインしました。
 『アナザーワールドSRS(以降、AW)』、ほぼ初オンラインセッション、初めての1on1シナリオ、始まります。


GM/テストプレイ卓だよ! オンセに来てくれてありがとう!
プレイヤー1・ぷぇ/こちらこそ、お誘いしてくれてありがとう!
GM/今回、「さくっと1ラウンドで終わるAWの機関シナリオ」を目指して作りました。プレイ時間が60分で終わる系、やっていきましょう!



 アナザーワールドSRS・シナリオ「エヴァーラスティング」



【レギュレーション】
 キャラクターレベル3で開始。
 PC1はスキルウェポンを自動取得できる。[稀人][異端者]以外のクラスを必ず1レベル以上編成すること。

【ハンドアウト:PC1】
 コネクション:監督者  関係:主従  推奨クラス:なし

 君は『機関』に囚われている能力者だ。
 酷い過去だった。もう自分に未来は無い。傷ついた肉体と精神は死を待つしかなかった。
 だが自分の腕には武器がある。この武器があれば自分は未来を変えられるのではないか。
 自分で死を選ぶか、監督者を殺すかという、自分で選択できる未来が掴めるのではないだろうか。
▼イベント:スキルウェポンを取得する
▼コネクションNPC1:監督者

 『機関』の研究員。君を見張る直属の上司。自分の命に口出しすることができる存在。
 何度も会話をした。憎しみを感じているか、愛情を抱いているかはPC1が決定していい。


 合初 利久(プレイヤー名:ぷぇ)
 クラス:[狩人2/稀人1]
  体力:12(+4)  反射:13(+4)  知覚:15(+5)
  理知:12(+4)  意志: 9(+3)  幸運:12(+4)
  HP最大値:19   MP最大値:15
重要キーワード:失敗作  背景:私の母は(巫女)だ  特徴:病弱である
ライフパス特技:≪L:タイマストバール≫  スキルウェポンのイメージ:破魔矢を射出する左腕
職業:機関のDランク  性別:男  年齢:25  身長:173cm  髪色:赤みがかった黒  瞳色:右目の瞳が赤、白い部分が反転して黒
 スキルウェポン→≪無の射撃≫
 狩人→≪悪雨≫ ≪弱点は悪≫ ≪違わぬ息吹≫ ≪ゼロの歩み≫
 稀人→≪却奪:目≫ ≪別れの刻≫
 一般特技→≪興奮剤EX≫(≪L:タイマストバール≫の効果で取得)

プレイヤー1・ぷぇ(以降、利久)/キャラクター名は、合初 利久(あいぞめ・りく)。タイマストバールの力を下ろす実験に使われたが失敗作です。
GM/ほう、邪神タイマストトバールの。
利久/神下ろしの巫女の家系出身で、機関に捕まって実験に使われたけど上手くいきませんでした。邪神の力で悪性変異していて、慢性的に体の一部が激痛が走っている状態に。むすーっとした顔の野郎で、左腕に破魔矢を込めて射出する武器を持っています。……所属するなら、一本松さんの傘下かなぁ。
GM/おおー、朱指所属か。クラス的にも戦闘特化ぽいしねえ。
利久/戦闘後、激痛と戦闘で受けた手傷でめっちゃしんどそうな顔してるし、多分そういう意味でも一本松さん的にはおいしかろう。
GM/ドSだし分かる。……あ、監督官になるNPCの設定を決めてきました。名前は、千賀 力渡(ちが・りきと)にします。男性で、年齢は30代前半ぐらい。性格はどうする?
利久/厳しい系がいいですね、いつも優しい方が多いので! でも利久の印象が暗めなので、明るめがいいのかな。
GM/厳しく真面目で、暗くない30代の男性ね。仲はどんな感じでいく?
利久/最初はわりと監督官さんに「フシャー!」ってしてたけど、最近ではぶっきらぼうながらもぽつぽつ応対するようになった、感じかな。隙あらばどうにかして死を待つばかりのここから解放されたい、とも、考えている……。
GM/ほうほう……じゃあこっちは無駄に明るくフレンドリーで愛称で呼ぼうかな。りっくんとか。外見イメージは『Mマス』の輝さんな感じでいきます!


 ●オープニングフェイズ

 利久は『機関』に所属している能力者だ。
 普段はとある古びた屋敷の中で過ごし、命令があったら駆り出され、あらゆる者を片付ける日々を過ごしている。
 かつては実験によって期待されていた身だったが、実験も失敗に終わった君は毎晩のように任務に駆り出されていた。


利久/任務があるとき以外は、宿舎のお部屋にカンヅメですな。猫缶してます。
GM/確かに猫っぽいけど(笑) 自室で自由なことをしていてください。監督官に頼めばゲームとか買ってくれるかも? 関係が良好ならね。
利久/良好かな……。遊びに行くのもOK?
GM/OKですとも。監督者と良好だと心が平和に機関暮らしができるねー。
利久/遊びに行く……というより、少しでも機関のことを忘れたくて遠方に散歩に行きたさはある。

 2月28日。今日は任務が無い、暇な一日だ。
 殺風景な部屋。辛うじてほんの数冊、本があるくらいの自室で、利久は武器であるクロスボウの手入れを終えて、扉をぼんやり見るともなしに見つめていた。


利久/こちらの手すきを見計らったように来る人がいるので、なんとなくそちらを気にしてはいる。
GM/じゃあ……洋室だったらドアを、和室なら障子の骨をコツコツとノックする音がする。「入ってもいい?」
利久/あんたか。来るだろうことは予想してたので、反応は早い。
GM/「おっす、元気かー?」 やわらかい笑みを浮かべてくる30歳の男性、力渡です。「昨日の任務で負傷そこそこしてたって聞いたけど、生きてるよなー?」
利久/……ちゃんと生きてる。死んでたまるか。負傷の他に今日は足が痛むので、座椅子の上に座ったまま答える。……怪我の様子、見に来たのか。
GM/「お前のことを見張るのが俺の仕事なんでな」 力渡は利久の近くにすっと寄って来て、椅子に座った君の前に膝をつきます。「動けないほどじゃないな? ずっと寝たきりって訳じゃなさそうだ。良かった」
利久/ほっとした声に、少しだけ複雑そうに眉を寄せる。
GM/「んー?」 怪我の様子を見ながら、君を上目遣いで見るよ。
利久/怪我よりいつもの痛みの発作が強いだけだ。……明日にはまた動けるようになってる。心配しなくても大丈夫だと言うかのように答えます。
GM/「明日には動けるようになるか。……利久、お前に話しておかなきゃいけないことがある」
利久/なんだ、任務の話か?
GM/「それなんだが……。お前、動けないわけじゃないんだろ? 外に出るぞ、ついて来い!
利久/……力渡、さん?
GM/「任務は明日だし今日は何も無いからな、俺に付き合えよ!」 言って手を差し伸べます。「あ、億劫だったらおぶってやろうか?」
利久/あ、ああ……? いや、まぁ、動けるが……なんだよ、いきなり。自分で立てる。何処へ行くんだ?
GM/「話をするならもっと良い場所でしよう」 手を掴んで立たせて外に出させます。車に乗って、助手席にりっくんポイッとな!
利久/ぽいっちょと助手席に放り込まれた。……遠出なのか?
GM/「さて、どこ行こうか」
利久/……行き先が、あるんじゃないのか? 話があるって言っただろうに。
GM/「特にお前からどっかでストレス発散がしたいってリクエストが無いなら、俺が行きたいところに行くけど、なんかある?」
利久/……昔から巫女の一家として、遊びの無い清廉な生活を送っていた。だから、どこか連れて行ってくれるならどこも珍しい。……強いていうなら、ハンバーガーが食べたい。
GM/「ハンバーガー?」
利久/前に、遊びの帰りにファーストフードの店へ連れて行ってくれただろう。あの時に、初めて食べたもので。
GM/「気に入ってたのか?」
利久/……初めて食べたが、なかなか
GM/「なんだよ、もっと早くに言ってくれよ。だったら毎日のように買い与えて元気にさせてたぞ」
利久/そんなには要らん。たまに食べるくらいでちょうど良いんだ。
GM/「元気にさせて、それで仕事に行かせた方が効率上がっただろうに」 ドライブスルーでぽぽいとファーストフードを買うよ。

 二人分の昼食を買って、力渡は再度、車を走らせる。
 ――そうして到着した場所は、随分昔から人がいないような廃屋だった。


利久/力渡さん……ここは? ここが、あんたの行きたい場所だったのか?
GM/車を降りて、まるで我が家のように中へ入って行く力渡。「入れよ。リクエスト無かったから俺の家にしたぜ」
利久/……まるで廃屋じゃないか。それとも魔術で、そうと見せかけているだけか? ……邪魔をする。

 正真正銘の、空家だった。もう何年も誰も立ち入ってないであろう廃墟である。
 だというのに力渡は「ただいま」と中へ入っていく。しんとした家に返ってくる声は無い。ファーストフードのあたたかい香りが漂う家になった。
 家には何も無い。かろうじて動かせずに放置された家具が残っている。
 骨組みだけのベッドに座り、力渡は「食べよう」と袋からハンバーガーを出した。

利久/……いただきます。力渡さんは、普段はあの寺で部屋を借りて住んでるんだよな? 普段からここに住んでいるわけではないよな?
GM/「ああ。ここは俺が元々住んでいた家。実家ってやつだ」 ポテトもりもり。「天涯孤独で、自分の知恵を生かせる場所を求めたら機関に流れ着いた。俺、それなりに頭も良いからな。お前みたいなやつを何人か面倒してあそこでもう何年目かな」
利久/……無言で耳を傾ける。
GM/「利久は、あそこにどれくらいいる?」 何年いる設定か尋ねますね。
利久/……3年、だったかな。
GM/「3年間お疲れ様。利久、話したいことなんだが……連日のお前が訴える痛みの不調と昨日の怪我、総合的に見て、お前はお役御免だと見なされた。聯合処置は妥当だってよ」 ハンバーガーを食べながら告げる。
利久/…………。食べ終わってバーガーの包みを軽く畳んでいた手を、止める。
GM/聯合とは、機関に血肉を機関に奉納されること。役に立たないものは死んで役に立ちなさい、という最期の見せ場を作ってくれるありがたいシステムです。
利久/…………。まだ、動ける。
GM/「お前は珍しい実験をしてたしな、お前の武器はなかなかに無い性能ってことで再利用の価値がある。お褒めの言葉を結構頂いたぞ」 動ける、っていうのを抑え込むように「お前よくやったよ」って言うかのようにフォローを入れます。
利久/……なるほど。監督役として最期だから……俺に、楽しみを与えようと、していた訳か。
GM/「ハンバーガー、おいしいな」
利久/後味なんて忘れた。……褒められたとして、何だというんだ。
GM/「お前は死ぬんだ。なら最後ぐらい、多少甘い思いをしたっていいだろ」 お疲れさん、ご苦労って感じで言います。
利久/……この人なりの、慈悲だったんだろう。この人ができる、駒に対する、精一杯の優しさだったんだろう。頭では分かっている。……けど、ふざけるな。そんな運命、あってたまるか。死にたくないと、はっきり、口にする。
GM/「へえ。あそこの部屋に閉じこもってたら周囲を囲まれているからすんなり死を受け入れると思った。だから外に出してみたんだ。どんな顔をするのか、どんな反応をするのか、見てみたくてね。研究者なりの好奇心ってところかな。最後まで試料をちゃんと見ておきたくてな」
利久/何のために今まで3年もの間、痛みに耐えて這いずってきたと思っているんだ。……生きるためだ。そして、隙を見てあそこから逃れるためだ。だから、死ねと言われて、はいそうですかなどと言えるわけがないだろう!
GM/「死の運命が決定づけられた人間は、そういう顔をするんだな」
利久/最期の資料は、これだ。満足したか、力渡さん……いや、最期じゃない。最後の、だな。

 ――君の腕には、武器がある。改良に改良を重ねた武器が。
 その研究をずっと見ていたのは目の前の人だ。どんな力があるか、彼は一番知っている。
 だからと言ってそれを避けられるかという話ではない。堂々と笑うでもなく、挑発するでもなく乞うわけでもなく、力渡は利久の武器を見つめる。


利久/このまま、すんなり行かせてくれる……訳にもいかないだろう、が。さりとて、俺にも抗う力はある。……左腕と右目を喰い尽した、邪神八柱タイマストバールの力を発露させる。
GM/「お前の武器を物珍しいものにしていたのも、監督者である俺だからな。どんな風にそれを使うかは俺が熟知している訳だが」
利久/……力渡さん。去らせては、くれないか。

『AF判定:力渡』
 ・使用能力値:【理知】【意志】
 ・難易度:20
 ・ラウンド制限:1ラウンド

※「力渡と交流、または殺すなど、力渡と接触する」演出に成功すること。

『AF判定:スキルウェポンの解明』
 ・使用能力値:【体力】【幸運】
 ・難易度:20
 ・ラウンド制限:1ラウンド

※「手にした力を見つめ直す、思い留める」演出に成功すること。


GM/これからミドルフェイズが始まる訳ですが、猶予は1ラウンドしかなく、PCは1人だけなので1つのAF判定しか選択できません。判定が終わったらクライマックスです。
利久/まじかよ、2択かー! 悩ましいね!
GM/この状況でりっくんはどうしたいか、お考えくださいー。


 ●ミドルフェイズ

利久/……利久としては、あくまでも逃げたいだけで、殺したい訳ではないんだよねぇ。
GM/「力渡と接する」か「自分と接するか」の選択と考えるといいかもね。どうするかな?
利久/……相手か自分かでなら、力渡さんと接する方がいいかな。スキルウェポンも気になるけど、『AF判定:力渡』を選択します!

『AF判定:力渡』
 ・使用能力値:【理知】【意志】
 ・難易度:20
 ・ラウンド制限:1ラウンド

※「力渡と交流、または殺すなど、力渡と接触する」演出に成功すること。


利久/……去らせてはくれないか? やるしかないのならやる。けれど、あんたとは……正直なところ、荒事は避けたい。
GM/じっと力渡さんは君を見つめてる。OKともNOとも言わずに。
利久/答えろ。それとも……返事する気も最早ないというのか。
GM/君は思う。彼と戦おうとすれば……きっと自分が勝利できると。「聯合されるという運命は、なかなかそう簡単に変わらないと思うぞ。それこそ、運命を捻じ曲げるぐらいの大きな力でもなければな」
利久/大きな、力……。フレーバー戦闘を始める! セットアップで≪違わぬ息吹≫、能力や特技的に自分の方に分がある情報を裏付けとして手に入れる。
GM/誰もいない廃墟の中、戦闘が始まる。力渡は能力者だから防衛手段はもちろんある。簡単にやられるような人じゃない。
利久/≪無の射撃≫であるクロスボウを構えて、マイナーで≪劫奪:目≫、至近にいても当たる≪悪雨≫。更に≪弱点把握≫で有利な部分を狙って撃ち込むこともできる。……最期を告げられた時は、せめて死体や魂まで良いようにされるまいと≪別れの刻≫で行方をくらますことも考えていた、けれども、自分は生きたい。
GM/生きたいか。
利久/この生きようとする意志。そして出来損ないであるとはいえ、己には≪L:タイマストバール≫の力がある。これらが運命を圧倒する大きな力でなくて、何だというんだ。構えた一撃を……≪ゼロの歩み≫で、あえて逸らせる。あくまでも牽制。運命を圧倒する力を彼に見せるために。
GM/クロスボウが畳にブスリ。
利久/逸れた一撃は急所スレスレを通って、畳に刺さる。
GM/りっくんは凄く凛々しい魂の形をしてるなぁ。……特技を8つ使って、難易度が16減少。『現在難易度:4』だよ。
利久/【理知】で振る!(ころころ)達成値11で成功だね、いけた!
GM/畳に刺さった矢を眺め見る2人。その威力は間違いなく君が、彼が磨いてきたもの。しかし、それだけじゃない……3年という長く閉鎖的な魔術結社での暮らしの中で、君は機関チルドレンとして常人ではない形に変えられていた。

 『AF判定:力渡』で判明する情報。
(1)この監督者に改良してもらったスキルウェポンがあれば、一撃で跡形も無く監督者を殺すことができる。
 監督者は自分の命を見張っているが、『機関』にいる配下の数はあまりにも多いため、この人以外自分のことを見ている人はいない。監督者さえ殺せば、自分は『機関』から解放されると言っても過言ではない。
 クライマックスフェイズに「監督者を殺す」と宣言すれば、クライマックスフェイズが終了できる。
(2)この監督者に改良してもらったスキルウェポンがあれば、一撃で跡形も無く自分を殺すことができる。
 痛みもなく、辛かった思い出も全て魂ごと消し去るぐらい呆気なく、終わらせることができる。
 クライマックスフェイズに「自分を殺す」と宣言すれば、クライマックスフェイズが終了できる。


利久/…………。あのー、質問があります。
GM/はいー。
利久/監督者を殺す、っていうのは! こう! 解釈自由でもいいのでしょうか!
GM/「死亡する」って意味です!
利久/ダメですか!(笑) 「監督者としての彼を殺す」みたいなことはできませんか!
GM/「死亡」です! あともう1つ情報が判ります!

 (3)監督者は、非常に深い愛情をこめた眼差しで君を見つめている。
 君を愛している彼は、君の選択をどんな形であれ、受け入れるつもりだ。


GM/以上です。
利久/ちくしょうううう!(笑) つらいいいい!

 矢を受けてもいいというかのように、力渡は避けようともしない。
 どうした、君の行く末どんなものなのか。そう言うかのような、でもどこか感情の読めない眼差しをじっと向けてくる。
 その眼差しは……研究者として、監督者としてのものだけじゃない。君を見守っていきたい、最後まで、という……身勝手極まりないものだった。


利久/……なんで、あんたは。避けられないどころか、本当に避けようともしなかった……そして、力渡さんのその顔に、視線に。あんなに強く宣言したのにも拘らず、途方に暮れたような悲しい顔をして……。
GM/「うん」
利久/俺をここに呼んだんだ? なんで避けなかったんだ、という言葉よりも、そちらの疑問が口をつく。
GM/「お前の行きたいところを訊いたが、リクエストが無かったから……ここに連れてきただけだよ」
利久/もっとあっただろう。最後に思い出を作るというのなら。だから……なんで、あんたの家なんだろう、って思って。気になった。
GM/「……特に行く宛もないからだよ。それに、ここなら誰にも邪魔することなくお前の本心を訊けると思った、から? 純粋な感情ってやつを見たい冷静な考えのもと、なんじゃないかな」
利久/……本心、か。
GM/「俺はいつだって真面目に受け答えする誠実な男だよ」
利久/どうだか、いや……そうかもな。……なあ、俺は、あんたも、自分も、殺したくない。あんたが先々まで俺を見ていたいというなら、一緒に来てほしい。
GM/「…………」
利久/本心が訊きたいというなら……今の本心は、それだ。


 ●クライマックスフェイズ

GM/クライマックスフェイズの、AF判定を提示します。

『AF判定:機関から逃げ延びる』
 ・使用能力値:【反射】【知覚】
 ・難易度:100
 ・ラウンド制限:nラウンド

※「機関から逃げて平和を手にする」演出に成功すること。


利久/お、おお?
GM/この難易度100に成功すれば、君は(1)でも(2)でもない選択ができるでしょう。
利久/マジかよ。クリティカルじゃないと成功できないじゃないか。
GM/なお、AF判定でのクリティカルは自動成功ではなく「達成値30として扱う」です。
利久/クリティカルだけじゃダメだった。……まだ何か必要な手順あったのかな、これ!?
GM/クライマックスフェイズの突入です。プレイヤーは(1)「監督官を殺す」を宣言、(2)「自分を殺す」を宣言、もしくは、(3)機関から逃げ延びるAF判定を選択して挑戦することができます。
利久/ぷぇん……マジか……唸っているけど、こういうの嫌いじゃない……(笑) 力渡さんは猫を拾って「よーしよしわしゃわしゃ」って手加減なく撫でて「フシャー!? フニャー!」される人でしょ。
GM/猫はいいねえ、リリンが生み出したなんかだよ。
利久/なんか?
GM/では……どうするのかな。宣言をしてね。
利久/…………。彼の手を引いて、すぐにここから去って、なるべく遠くへ行こうって、彼を殺さなくてもいい場所……≪別れの刻≫を使う羽目にならなくてもいい場所まで、向かおうとします。
GM/手を引かれて、ふっと無言でその腕に目を向けます。「どうあがいても逃げたいっていう心は変わらないみたいだな」
利久/ああ、変わらない。……少しでも可能性があるなら、俺は足掻き続ける、ずっと。……今から、連絡入れて誤魔化すことは難しいかな。少しでも先延ばしを試みつつも、素早く周囲に注意を巡らせて、≪違わぬ息吹≫で生体反応を見分けようとする。
GM/「誤魔化してほしい?」 少し微笑んで、尋ねてみる。
利久/できそうなら、お願いしたい。……少しでも、2人の安全の時間を、確保したいんだ。
GM/……力渡は電話を取り、機関に連絡をします。「うんうん、大事な聯合の素体なんだから……はい、大事にしますよ、とっても大事にしてますから」
利久/力渡さんが電話している間、息を潜めて辺りを伺い、彼を守るように≪無の射撃≫+≪劫奪:目≫+≪悪雨≫+≪弱点把握≫の準備はしっかりと心掛けておく。≪違わぬ息吹≫を≪ゼロの歩み≫でわざと失敗させて、ダメージ量に乗せるというコンボも考えつつ!
GM/総攻撃準備だ。……電話を終えます。一応は逃亡の手筈に手伝ってくれた力渡、という形です。「逃げられると本気で思っているのかな、利久は」
利久/……思いたい。そう信じている。じゃなかったら、早々に放り出していた。それに……駄目かもしれない時のことを考えると、諦念で足が止まるものだ。上手く行くことだけ考えるようにしている。
GM/夜。電話は車の中で、運転席と助手席で話してるんだろうな。
利久/……運転席にいる力渡さんの掌に、手を伸ばして、繋ぐでもなく軽く触れる。
GM/「……ん?」
利久/力渡さんは……逃げられると、思ってくれるか。
GM/「思わないよ」
利久/そうか。
GM/「この状況、冷静に考えなくても判らないかい」 難易度100、たった1ラウンドだけという現状をリアルに落としこむとどんだけ絶望的なもんかと。「それより手っ取り早い逃げ方はあると思うんだが」と言って、利久の腕を見るよ。
利久/研究者なのに、ロマンが無いんだな。……それをしない為に、ここにいるんだ。
GM/「俺は冷静に物事を判断できるんだよ」
利久/……冷静ばかりだと、しんどいぞ。もっと、夢見がちになればいい。疲れているとマイナス思考になる。……俺が、少し力を分ける。≪L:タイマストバール≫の≪興奮剤EX≫を、視線越しに付与する。
GM/供給ぽい! ……これで難易度減少は全部かな?
利久/んんん……これで、全部かなぁ。『現在難易度:84』で……【知覚】でいきます。(ころころ)達成値は14です!
GM/良い出目だ。『現在難易度:84分の14』、1ラウンド終了……AF判定が終了します。難易度に到達できていないため、失敗。クライマックスフェイズ終了です。
利久/はい……。
GM/今の君には選択肢があります。力渡を殺すエンドか、自分を殺すエンドか、AF判定失敗エンドのどれにしましょうか。
利久/んんんんん……。どうしても避けられないなら、やりたいことは、1個だけあるんですよ。
GM/ほう、どれを選ぶのかな。
利久/(1)なんだけどね、これ、できるかなーって……。

(1)この監督者に改良してもらったスキルウェポンがあれば、一撃で跡形も無く監督者を殺すことができる。
 監督者は自分の命を見張っているが、『機関』にいる配下の数はあまりにも多いため、この人以外自分のことを見ている人はいない。監督者さえ殺せば、自分は『機関』から解放されると言っても過言ではない。
 クライマックスフェイズに「監督者を殺す」と宣言すれば、クライマックスフェイズが終了できる。


GM/これを、どうしたいのかな?
利久/「跡形もなく」じゃなくて、殺すっていうか、なんというか、なんだけど……。殺し方はプレイヤーが決めてもいいの?
GM/いいよ。この文は「証拠隠滅できるよ、死体が残らないから便利だよ」の意味合いなだけです。
利久/タイマストバールって、愛・希望・欲望の神様なんだよね? 魂を、取り込みたい。
GM/……どういうこと?
利久/力渡さんが≪興奮剤EX≫で眠っている間に、そっとウェポン……タイマストバールに侵食された腕を使って、彼の魂を抜いて生物的に安らかに殺し、でも、自分の中に居て、見守ってもらいたい。見守っててもらいたい欲望と、彼の見守っていたい欲望を、叶えるならば、そういう風に発動しないかなって……殺す演出が自由ならば、そういうことが、できねぇかなって思いました。
GM/んん? んんんんー……ぽくぽくぽく……。
利久/これも愛なんだよね。死亡は死亡だし、キャラロストも同然の状態にはなる……。
GM/……OKとしましょう! 悩んだ理由は後でちゃんと説明する! という訳で、GMは(1)の方面でエンディング演出するけどいいかな!?
利久/はい!


 ●エンディングフェイズ

 ――夜。車の中でで電話を終えた力渡は、深呼吸をする。
 「……多分、無理だな。利久、お前はこのままでは逃げられない」
 告げられた言葉には、利久は無言で溜息を吐く。


利久/……逃げるさ。でも、あんたは……そうしたら、あんたは、どうなる?
GM/「利久の最期を、最期まで観察するっていうのが俺の見張りとしての仕事だけど? 運命でも捻じ曲げられない限り、お前は明日か翌日ぐらいには最期を迎えるからな」
利久/俺じゃなくて、あんたの方だ。連れ出した見張りに、咎めはないのかと思って。
GM/「いや、そんなの考える必要なんて無いだろ。俺の目がある限りお前は見張られてるし、見張りの仕事をしている以上俺は仕事を違えている訳じゃないし。俺を殺せば、お前は逃げられるかもしれないけどなあ?」 (1)を選んでくれたので煽っておくね。
利久/力渡さんは、俺のことをこの先も……ずっと、見守っていたいと思ってくれるか? 逃亡が成功するとか失敗するとか、そういうのを抜きにして。……一番、近くで。
GM/「愛した相手だから、そう簡単に、あっそサヨナラバイバイって言いたくねーな」 前を見てぼつり。
利久/そっ、かあ。
GM/「だからお前の最期を最後まで見届けようって思ってな。ほんと、最期まで」 自分らは別れる、それは変わらないと強く言いつけて。
利久/……見られる、方法がある。俺の最期を、あんたの最期まで。見れる方法が一つだけあるんだ。
GM/「どんな?」 助手席を向くよ。
利久/俺に、あんたの魂をくれないか。この左腕から俺の中に入って、ずっと、俺を見守っていてくれないか。……タイマストバールは、愛・希望・欲望を司る。それが、ここには、全部揃っている。俺を愛してくれたあんた、できると思い続けている俺、俺を見守っていたいというあんたの……あんたに見守られていたい俺の欲望。こんなにもあるんだ。
GM/「……やったことないからそんなの出来るか判んないな。そうすればずっと見守れるものなのかな?」
利久/魂を抜けば、あんたの身体は死ぬだろう。あんたをこの手で、死に至らしめることの傷みも。あれだけ、一緒に生きたいと言っておいて、結果、これしか思いつかなかった俺の不甲斐なさも、どれ程の痛みを生むのだろう。代償だから背負っていく、と薄く笑う。……だから、あんたを、俺にくれないか。
GM/「…………。おい、どんなに格好つけた言葉で飾ったって、俺を殺すには変わりないだろ。監督者の俺を憎くて殺したいんですって言ってくれた方が、スッキリしたぜ?」
利久/本当に、あんたは、朴念仁だな。
GM/「そんな、殺したくないんですみたいな顔してたら、引き金に強い感情を込められないだろ。やるなら一想いにして、さっさと忘れて逃亡した方が、よっぽど生きたいって願いが叶えられるだろうに」
利久/好意を抱いてくれた相手を、尽力してくれた相手を、憎めるわけがないだろう。嫌なのか?
GM/好意を抱いてくれた、ってところには、一瞬ぽかんとしておきますね。そして「あっやべ気付かれてた」って顔をします。好きとは言ってない。
利久/今度は苦みのない笑みで……。なんだ、気づかれてないと思っていたのか。
GM/GMとしては「監督者は、非常に深い愛情をこめた眼差しで君を見つめている。君を愛している彼は、君の選択をどんな形であれ受け入れるつもりだ」という、本人の口ではないってことを強調しよう!(笑)
利久/こっちは気づいたもんー! 気付いたからには見過ごせぬ案件だぜー!(笑)
GM/「……殺して奪えたら、俺をお前にくれてやるよ。そんなにでもして生きたいっていうなら、貰ってみろよ」 煽りの姿勢はやめずに、不敵に笑って……でもちょっと照れた顔ながら、どうぞと自分を差し出すように言っちゃうよ。
利久/わかった。あんたと2人で居る為に、そうする。

 しゅる、と封呪の札を解き、赤く変色したタイマストバールの左腕を露わにする。
 運転席に膝を掛けて、そっと彼を抱え込むようにして、背中から心臓の辺りに沈みこませる。
 彼に、血や痛みはない。代わりに、その分の苦痛を、全部自分が引き受けている。――それが代償だ。

 失神しそうな痛みを耐えきり、ぎり、と奥歯を噛んで……やがて、魂を引き抜く。
 引き抜く直前、力渡の顔を見て、
 我儘をきいてくれた感謝と、それから明確ではない同意を、ひとつずつ、告げて。


利久/「見守ってくれているあんたが、好きだ」

 「…………。ようやく、終わらせてくれたか」
 死ぬ間際、完全に途切れる前に口を開く力渡。
 「……それだけ強い感情をこめてくれたなら…………安心して、逝ける。じゃあ、見守ってあげてやるからな……」

 掌に、とくん、と仄かな暖かさを感じる。そこから、ゆっくりと力渡の魂を中に招き入れる。
 ――生きろよ、と大事な一言を言う前に、力渡は動かなくなった。

 彼の魂を吸収した後、徐に彼の身体も、ほろほろと崩れていく。
 タイマストバールの欲深な腕は、愛しいそれらをもまた、吸収していく。
 彼を左腕で取り込みながら。彼の、言えずじまいの、さいごの言葉が聞こえた訳ではないけれど。

 「……生きる、さ」
 誰に告げる訳でもなく、ぽつ、と呟いて。
 車を降りて、そのまま、遠くへ、遠くへ――。


GM/瞬間、視界が一瞬だけ真っ白くなる。一瞬だけ。
利久/お、おお?

 なんだと思って瞬きすれば、そこは普通の山道。
 何も変哲もない、君が遠くへ去って行こうとした道に過ぎない。
 振り返っても車があるだけ、前には歩いていく道があるのみ。それだけだった。

 一瞬、驚いて、警戒して――けれども、何もない。
 だから、振り返ったのはその一瞬だけ。あとは、真っ直ぐに歩いていく……。


GM/……翌日。君は機関が追い詰めにくると思っただろう。
利久/ん? はい。
GM/『殲の刻』と呼ばれる鎧の処刑人が現れ、すぐに自分を狩りにくるだろうと思っただろう。だけどそれが無い。また翌日。機関は自分を求めてくると思っただろう。何人かの部隊が逃げた聯合の素体を見つけて連れ戻しにくると思っただろう。だけど、一向に無い。
利久/……へい、わ?
GM/1週間が過ぎ、まだ自分を捕まえにくる者はいない。1ヶ月が過ぎ、まだ自分は殺されることはない。その頃から予感がするのではないか。「死ぬ運命など、無かったのではないか」と。
利久/……死ぬ運命が、無かった、か……。
GM/さて質問です。もし、逃げて逃げて1ヶ月無事だとしたら、利久くんはどうしてるかな? どこに逃げる、どうやって逃げてる、どのような生活をしているなど教えてください。
利久/そろそろ、腰を据えられる場所を探すかな。日雇いで出来そうな仕事を探したりして、細々と、点々と、あちこち旅していたけれど。あ、逃げ方は徒歩です。多分免許持ってないし、車は動かせられそうにない。
GM/ほうほう。異能とか関係無い、普通の仕事を探して暮らそうとする感じ?
利久/とりあえず街中に落ち着いたかな。異能関係はなんとなく避けて……肉体労働系のお仕事とか探してる。
GM/ほうほう! では「数ヶ月後」ではなく「数年後」にします。
利久/(1D6ころころ)1……1年後だ。無難にアパートでも借りて住んでるかな。

 ……機関の生活が忘れられるぐらいには、違う日常を送れるようになった。
 肉体労働で生活して、汗水流して働いてふうと深呼吸できる我が家を持てている。
 二人分の物が置いてあった。歯ブラシ、コップ。一人暮らしの筈なのに、なんとなく二人分揃ってた。


GM/そんな生活を送れるようになった利久くん。ふと思う。なんでこんな生活を送れるようになったのか。
利久/せやね。ほんそれ。
GM/君は全てが終わった今、あの判定をすることができる。……もう1つの判定を、「スキルウェポンの解明」を「難易度:6」で挑戦してみてくださいな。
利久/あ、あれか。じゃあ【体力】で!(ころころ)出目が1・2!? でも【体力】は4あるからセーフ!(笑)
GM/ファンブル一歩手前だけど判定成功!(笑)

 『スキルウェポンの解明』で判明する情報。
(2)君のスキルウェポンは特注品だ。世界を歪める最大の邪神≪ドーマサキエル≫の力が込められている。
 「とても強い感情を込めた一撃」を放った者は、相手の運命も捻じ曲げて自分の者へと変えてしまうだろう。
 例えば自分が死ぬ運命だったら、相手の生を奪ってでも生きる運命へと改変してしまうぐらいには――。


利久/…………。

 自分の武器は、他人の運命を奪う力があると。自分は死ぬ運命だった。それを他人から奪うことができるのだと。
 力渡という命を奪って、自分が生きるという運命、捻じ曲げることができるのだと。
 君は、数年後に気付いてしまう。


利久/……愛や希望、欲望だけじゃなくて……運命を変える力、か。そのことに気が付いたら、彼ではなく、他の誰かの命を奪っていただろう。 ……あのときに気付いていたら。
GM/そうです。そして君は気付くかもしれない……彼が、煽っていたことも。
利久/……自分のことを、懸命に、生かそうとしていたんだな、と。
GM/わざわざ遠い場所で殺す機会を与えたのも、そういう考えだったんだろう。
利久/……ここ一年、生きることに精一杯で、眠ると彼の魂をこの腕で抜いたことを夢に見たり、今の今までこの腕と向き合うことができなかったけれど。……ばかなひと、だなぁ。あんた。

 ばかだ、と、もう一度だけ。……少しだけ、目元を掌で押さえて。
 「生きるよ」
 自分の体に向けて。
 今度は、きちんと、彼に向けて。「ちゃんと、見ててくれ」 そこにいる、彼に。


 アパートで一人佇み、声を掛ける。
 答えてくる声は無い。頷いてくれる影も無い。
 けど、「見守ってあげてやるからな」と言っていた。
 それを違えるような人だったかは、3年間一緒に過ごし、見守られて生きていた君なら知っている。


GM/アパートの窓の外を見る。空が歪む。あの日、車で飛び出た曇り空が変貌していく。
利久/……きれいな、空。
GM/数年を過ごして手にして、奪って手に入れた生活は。違う景色へと、確実に変わっていた。


 アナザーワールドSRS
    『 エヴァーラスティング 』   END





GM/……そんなところですかね! 『エヴァーラスティング』おしまいにします。お疲れ様でした!
利久/ありがとうー! お疲れ様でしたー! 力渡さーん!(笑)
GM/シナリオ名にした『ガンダムUC』の主題歌の歌詞を見てくれ。テーマソングはこれだ。
利久/良い曲だ!(笑)
GM/もし『AF判定:スキルウェポンの解明』を先に調べていたらどうなっていたか、ネタ晴らししていいですか? さっきエンディングフェイズでは(2)しか提示しなかったけど……。

 『スキルウェポンの解明』で判明する情報。
(1)監督者は自分を道具としか扱っていないと君は確信してしまう。
 最期に優しくしてくれたようだがそんなのは嘘だと君は思った。そう断言してしまうぐらいに。彼は本気で冷酷に、自分の最期を見届けるだけに違いない!


GM/そして『AF判定;力渡』で判明する(3)は判りません。

 (3)監督者は、非常に深い愛情をこめた眼差しで君を見つめている。君を愛している彼は、君の選択をどんな形であれ受け入れるつもりだ。

GM/この文が判らないまま、「殺せばいいよ」と出ます。
利久/げふぁ。先に力渡さん調べて良かった! 気がする!
GM/力渡と交流すると愛情が判って自分の力が判らず、自分の力を把握すると愛情には気付かないっていうAF判定選択でした。
利久/自分の力が判んない方がいいっす! 相方のラブに気付きたい!
GM/ちなみに、自分のスキルウェポンで自分を殺す(自殺→2の選択)をすると、「死ぬ人が死を奪って死を得る」なので、PCの意思を尊重するとおりに「死にます」。死にたいって思えたら死なせてくれるGMの優しさ!
利久/ワァー、ヤサシイ。
GM/そしてAF判定失敗のまま、(1)も(2)も選ばない場合、鎧の処刑人『殲の刻』という機関シナリオ常連の殺すマンに無事殺されます。更に言うと、殺された後に『とある人』が手を差し伸ばしてくれて世界が巻き戻り……。
利久/ふええ!? マジで!?
GM/『AW』の世界ではループは「異端に殺された命を救うために時間を戻す」仕組みです。自殺や人間の手による死ではループできなんですよ。だけど……「機関=異端の一族に殺される」、それは条件を満たす訳ですから……。
利久/そのまま判定失敗ルートに行ってた方が2人で幸せになれたんだな、これ……!?
GM/この辺はセッションと関係無い設定なので、セッション中には明かすつもりは一切ありませんでした。「ラウンド:nラウンド」は、ループした回数を匂わせる「1回しかできないのに複数できるっぽいのは何回目の世界ってこと?」って匂わせるためのものです。
利久/なるほど!
GM/ただし代償を払わなきゃいけないし、短時間のミニセッションで終わらせる場合、「何者かが手を差し伸ばした。君は無限に続く死の恐怖に耐えられるか……?」という終わりにします。長時間セッションなら、3ラウンド……3ループぐらいすればキャラクターレベル3のPCでも「難易度:100」をクリアーできるようになります。そうやって周回プレイして「何度もセカイを繰り返して、2人で生き延びる世界線を作る」という遊びもできる……けど、オンセでしていたら10時間ぐらい掛かっちゃうよ(笑)
利久/それな!(笑) それでもやっぱ長考して時間が掛かったね。
GM/という訳で、このシナリオは「どう死ぬか」「死のうと思ったら実は」を味わってもらうミニセッションでした。
利久/ふええええ楽しかった! ……今回、腕に奇しくも邪神が二柱もおったのだな。
GM/邪神の力が2つもある。すっごい格好良すぎるわ。あ、力渡のクラスは[処刑人]で≪完全演技≫を持ってるだろうね。すぐバレたけど。そんな彼と一緒にいてくれたりっくん、ありがとう。生きてねー。
利久/≪完全演技≫持ちってキュンとくるよね……(笑) ありがとー、生きる!




END

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