アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 熾天の箱庭シリーズ『 マインドフォレスト´ 』 2ページ目 ■
2017年1月21日




 ●ミドルフェイズ1/菜絆 〜確信〜

菜絆/それでは、章子さんと過ごすを選択します。

『AF判定:章子と過ごす』
 ・使用能力値:【理知】【意志】
 ・難易度:30

※「章子と過ごす」演出に成功すること。
 成功した場合、シーンに見合ったイベントキーを入手する。


菜絆/まずは、アドのところにいきます。アドを章子さんのもとに連れていきたいからです。
GM/アドニスは君が信頼できるところに預けているという設定です。
菜絆/オープニングで頭垓の研究室に揺り籠を設置してもらっているので、スタッフが交代で見てくれていたことにしよう。航先生、アドニスに髪の毛を引っ張ってもらってませんか?
GM/航先生も、子供をあやしてくれるのだろうか……(笑)
菜絆/アドは何の夢を見ているんだろうな。≪夢の帝王≫+≪サイコメトリー≫でアドニスの夢を探ります。
GM/(アドニスになって)「ばぶー……はらへったー……」
菜絆/≪夢の帝王≫で良い夢にしてあげよう。お腹いっぱい食べな。もしパチッと目を覚ましたら、≪氷河の城≫で雪の結晶を作って笑わせます。
GM/「キャッキャ! キャッキャ!」
菜絆/施設を歩いていたら、不倫でイチャコラしている人達がいた! ≪愉悦の波≫を使っておきます。そこに人が入って聞こえてくる≪断末魔の叫び≫!
GM/何か変なものを挟むな(笑)
菜絆/しまった、赤ちゃんを抱いたら両手が塞がってしまった。≪彼方の音≫を使ってハルを呼んで扉を開けてもらいます。
晴比古/はあ? 意味判んない。
菜絆/開けて!
晴比古/ガチャッ。(本気で怒ったような声で)もう呼ばないでね。僕はこれから一本松様に会いに行くんだから。
侑莉/ほ、本気の顔で言われた!(一同笑)
菜絆/こ、今度美味しい唐揚げを奢ってあげるね!
晴比古/別に揚げなくてもいいよ……。
菜絆/い、行ってらっしゃーい! ……≪機関「頭垓 所属」≫の人達に世話されていたからか、アドニスの髪の毛がめっちゃワシャワシャになってる。
GM/きっと子供好きな研究スタッフがいたんだよ。
菜絆/とりあえず綺麗にしておこう、≪清浄の使者≫。そうして章子さんと対面します。……章子さん、久しぶり。
GM/(章子になって)「あ……菜絆ちゃん、久しぶり……」 療養していた部屋で、ベッドの上で横たわっていた章子が迎え入れます。
菜絆/怪我をしてないか≪全方位視覚≫で舐め回すように見ます。だ、大丈夫? 異端が討伐できてないなら私が≪大地の一撃≫で殺しに行くからね。はい、アド。渡します。
GM/久々にアドニスを抱いて、複雑だけど嬉しそうに笑って抱き上げます。アドニスは暴れることなく、お母さんを見て喜びます。そしてそのまますぐにスヤスヤと眠ってしまいます。「よしよし……」
菜絆/……その笑顔を見ながら、かつて自分が彼女から貰った≪空と心のリング≫を見ます。
侑莉/昔、買ってもらったリングなのね。
菜絆/私が14歳で≪強化手術:体力≫を受けたとき、彼女から貰った大切な物なんです。まだ私は頑張れる……彼女が生きている限りはまだ頑張れる……そう決意していたら、『現在難易度:6』になりました。
GM/章子の描写や台詞を入れたいところだけど、先に判定をしておこうか。
菜絆/(ころころ)よし、達成値10で成功です。
GM/「異端の集団に盗まれた物を奪い返せという任務だったの。奪い返すのは成功したんだけどね、クライマックスフェイズの大爆発から逃げるAF判定に大失敗しちゃった
菜絆/そうなんだ……。
GM/私がファンブルしちゃったからみんな殺しちゃったようなもの、と説明します。メタな説明ですが、そういうことです。「聯合されるのも当然だよね……」
菜絆/章子お姉さん……つらい? ……アドニスが残される訳だから余計に。
GM/「…………。アドニスを抱かせてくれてありがとね。アドニスの子育てを手伝ってくれた食導のおばちゃんから『アドニスのことなら心配しないでね』で気遣ってもらったの」
菜絆/うん……。
GM/「だから……この子は強いし、私がいなくても大丈夫よ」 しかし、AF判定の結果……実の子であるアドニスと顔を合わせて交流してしまい、失敗の責任によって聯合される決意を固めていた彼女の顔が、揺れます。
菜絆/やっぱりつらいんでしょう。
GM/「そりゃあ……やっぱり、つらいわね。……死刑宣告されたら、誰だって怖いものよ……。それに」
菜絆/それに?
GM/「……機関がどんなところか、分かっているつもりだった。でも、こんなに簡単に聯合ってされるものなのね。容赦なく上から死ねって命令されるのって、分かっていたけど、怖いわ。……菜絆ちゃんもこういう目に遭うかもしれないと思うと、余計に怖く思えてくる」
菜絆/……貴方は、昔からそうだ。
GM/死を覚悟していたけど、死にたくないと思ってしまった彼女。君やアドニスと時間を共にしたことで、機関で『自分がしたい実験や研究』があった筈の彼女は……心変わりをします。

 『イベントキー:章子の手続き』
 章子が、「機関を正式に退職する手続きを取りたい」と思っていることを表わすイベントキー。
 機関を無断に脱退すると『殲の刻』という処刑人に死ぬまで追いかけ回されることになる。そうならないようにするにはとても、長く複雑な準備が必要なのだが……。
 このイベントキーは、他者に譲渡することができる。


GM/章子には「研究員としてやりたいこと」がありました。だから機関にいました。でも退職したいと強く思うようになります。……と言っても、聯合はおそらく即日。正式な退職手続きを取るのは不可能ですね。
侑莉/章子ちゃん……機関を辞めたがってる……。
菜絆/辞めたいんだ、章子お姉さん。……でも。
侑莉/でも?
菜絆/それ、菜絆的には「……私を置いていくんだ?」って思っちゃいますね。……口には出さないけど。
GM/口には出さないんだ。
菜絆/章子お姉さんが思っていることを否定したくないもん。……死にたくないって思うのも、怖いと思うのも章子お姉さんらしいと思う。……とりあえず、今は寝なよ。背中ぽんぽんしてあげます。
GM/「……寝ていいかな?」
菜絆/寝て。私が≪サイコメトリー≫で「怖い」と思っている感情は引き受けてあげるから。
GM/「……菜絆ちゃんも、ここを出ていった方がいいと思うの」
菜絆/なんでそう思うの?
GM/「私と同じ怖いって感情、抱いてほしくないから」 君にも明るい未来があってほしいと、心から言います。
菜絆/…………。おやすみ、章子お姉さん。≪夢の帝王≫で良い夢を見せてあげます。


 ●ミドルフェイズ2/晴比古 〜聯合まで、あと……〜

晴比古/一本松様のシーンにいきます!
菜絆/素直でよろしい!(笑)

『AF判定:一本松と過ごす』
 ・使用能力値:【知覚】【理知】
 ・難易度:30

※「一本松と過ごす」演出に成功すること。
 成功した場合、シーンに見合ったイベントキーを入手する。


晴比古/オネエ部屋から≪乱舞≫しながら帰ります!
侑莉/ランランランって踊りながら帰ったの?(笑)
晴比古/まずは自分の部屋に戻ります。部屋で、一本松様のスケジュール予定をチェック! 一本松様が暇な時間はいつ!?
GM/庄の強いストーカーは凄いなぁ、何でも分かってそうだもの……。
晴比古/諜報部の奴を呼びます。
菜絆/諜報部なんているの!?(笑)
GM/諜報部って、機関の諜報部? それを買収でもした?(笑)
晴比古/株で稼いでるのでお金ぐらいあるよ。だから諜報部の奴を動かして一本松様の情報を仕入れています。
GM/それなら……機関の諜報部っていうか食導や朱指を渡り歩いている御臓っぽい奴がいたよ。一本松の義弟で、越生(おごせ)って人ならスケジュールぐらい仕入れて売るぐらいしそうだし……。
晴比古/はあ? この時間空いてるとか言ったのに嘘だったじゃん? ≪食鬼≫+≪暴食≫でそいつ食べます。
侑莉/食べられちゃいました。
菜絆/か、可哀想に……!?(笑)
GM/だ、大丈夫! モブだから! モブだったらシーン終わったら帰ってくるから!(笑)
晴比古/ダメな奴はこうなるしかないよ。一本松様が確実に暇な時間帯に≪殺戮の身体≫+≪狂舞≫+≪百鬼夜行≫+≪獣王の爪牙≫で近道を作って向かいます。
侑莉/物理的に部屋に穴でも作るんかい(笑)
晴比古/え、他の朱指メンバーがいる? 自分と一本松様以外はエキストラ! ≪破壊者の孤独≫で2人きりの空間を作ります! 一本松様ぁー! 笑顔の≪会心の一撃≫っ!(一同爆笑)
侑莉/超笑顔!(笑)
晴比古/一本松様! 今、お暇ですか? 暇だって知ってるますけど! お暇なら僕とお話しましょ! ≪ダイス振り直し≫+≪不屈≫の根性で食いついていきます! もし一本松様が「予定ができた」と言ったならその考えの達成値を≪死線≫で1にします(一同笑)
侑莉/「無いですよね! 無・い・で・す・よ・ね!?」という圧(笑)
GM/(一本松になって)「……お前は、過激だなぁ……」(笑)
菜絆/あまりの押しの強さに、一本松さん……唖然としてそう(笑)
晴比古/返事されて≪狂舞≫をして、『難易度:6』です!(ころころ)達成値13で成功です。
GM/「……晴比古に報告しておこう。神崎 章子の聯合は、今夜行なう」
晴比古/そうなんですか。僕が食べるの?
GM/「いや、俺がやる」
晴比古/一本松様がやるのぉ!? わーい! 見に行っていいですかぁ!?
GM/なんでそんなに嬉しそうなんだ?(一同笑) 見ても構わんが……そんな、処刑なんて、楽しいものでもないだろ」
晴比古/一本松様が少し動くだけでも僕は喜びますよ! 今夜ですね、空けておきます!
GM/「……お前だって、知り合いが聯合にかけられると聞いたら、何か想うことはないのか」
晴比古/あ、そういや聯合を見に来たいっていう知り合いがいたんですけど。そういうのどうなんです?
GM/「…………」
晴比古/一本松様?
GM/静かに溜息を吐いて、晴比古の頭を撫でます。「……お前の知り合いなら、呼んで構わん。お前の知り合い、だしな……無碍に扱えん」
晴比古/わーい。ありがとうございます。僕は立ち会いとか別にいいですけどね。どうせみんな食べちゃうし。
GM/「……そうか。……お前は、自分に素直で良いな。羨ましい。……俺も機関に居るんだから、それぐらい吹っ切れてしまった方がいいんだろうな」

 『イベントキー:一本松』
 一本松と交流したことを表わすイベントキー。
 一本松に対しての交渉判定に達成値+4。
 また、≪零力射撃≫を使用可能になる。この≪零力射撃≫は一本松の行動キャンセル」としても使用可能。一本松が何かをしようとしたとき使用宣言することで、その行動を無かったことにできる。


菜絆/とうとう一本松さんが、デレた?
侑莉/とうとう!? 一体ハルくん何年掛けてここまでこられたの!?(笑)
晴比古/コロンビア。
侑莉/コロンビアだね、良かったね!(笑) ……というか、聯合って即日なんだ?
菜絆/……失敗して帰ってきて、すぐ処刑されるの? いくらなんでも早すぎだと思うんだけど?
GM/そうだね。菜絆ちゃんも侑莉ちゃんも機関生活が長いけど、こんなに聯合が早いだなんて、初めてだね。
侑莉/……違和感しかないわぁ。やっぱり何か怪しいと思えてきたんだけど!
晴比古/一本松様が殺さなくていい人を殺す。一本松様、傷つく。一本松様が傷ついた顔が見られる。とっても美味しい。そこを僕が食べる。良い!
GM/「お前は本当に過激だな?」(一同笑) 目の前で「傷ついたところを食べる」発言されたら一本松もどんな顔していいか判んないよ!?(笑)
晴比古/やだなー! 僕、一本松様のこと大好きですよ! 一本松様を食べなかったら朱指全員食べるだけです。
GM/ダメだ早くこいつ何とかしないと。……いや、朱指は戦闘部隊のPC達が多いから、みんな強いし何とかなるだろうけどね(笑)
侑莉/でも一本松さんがハルを押し留めておかないと大変なことになりますよ(笑)
晴比古/聯合は夜からですよね! それまでは暇なんですよね! 焼肉でも食べに行きましょ!
菜絆/さっき私の唐揚げパック食べたんじゃなかったっけ!?(笑)


 ●ミドルフェイズ3/侑莉 〜未来〜

侑莉/違和感の探索だ。何か引っかかるものがあった。という訳で、オネエ部屋からスタートします!

『AF判定:違和感の探索』
 ・使用能力値:【知覚】【幸運】
 ・難易度:35

※「一連の事件に対する違和感に気付く」演出に成功すること。
 成功した場合、シーンに見合ったイベントキーを入手する。


侑莉/アナタ達、さっきなーちゃんとハルと話していたこと、聞いてた!? ≪バベルの唄い手≫で部屋にいた動物達に言います。
GM/ワン! ニャー! カメ! トナカーイ! ネズ!
菜絆/動物がいっぱい返事した!(笑)
侑莉/アナタ達が隠れて機関中を冒険しているのは知ってるのよ! アナタ達に調べてもらいたいことがあるの。章子ちゃんのコトよ。
GM/ワンワン! ガオー! ヘビー!
侑莉/こういう恰幅の男がいたのよと、≪血の彫像≫で人形を作ります。≪血のいざない≫で動きも見せます。
GM/エビ! ギャース! カエール!
侑莉/≪掌の君≫で、動物達に調べる能力を付与します。そこのトナカイとヘビとコアラとカエル! ≪風舞う翼≫で空を飛んで行けー!
菜絆/……コアラも、いるの?(笑)
侑莉/木によじ登ってるわよ。
菜絆/部屋なのに木があるの? オネエ部屋はジャングルなの!?(笑)
侑莉/イヌとサルとキジ! チーム桃太郎のアナタ達は、この男をつきとめてきなさい。≪獲物を狙う眼≫! ハムスター5匹がお腹空いていたので……≪凶々しき武器≫で美味しいパンナコッタを作ります。
GM/パンナコッタって≪凶々しき武器≫で作るものだっけ!?(一同笑)
菜絆/凶々しい……鍋ですかね?(笑)
侑莉/これでみんなやる気出たでしょ! 出陣してるみんなを≪肉体復元≫してあげます。お姉ちゃんが失敗しないようにおまじないをかけてあげるから! ≪ファンブル無効化≫。
GM/ハムスター5匹、頑張ってくれー(笑)
晴比古/晴比古のシーンに現れたら食うよ。
侑莉/あら、ハムちゃんが足りないわ(笑)
菜絆/5匹いたのに、3匹しか帰ってこない……可哀想に(笑)
GM/なお、菜絆ちゃんと章子さんのシーンの端ではトナカイが走っていました。
菜絆/トナカイが無ければ凄いシリアスなシーンですよ!?(笑)
侑莉/トナカイが通ります、白線の内側までお下がりください(笑) ……オウムとウサギとウシ! まだ飛べない子もいたわね、≪テレキネシス≫! 何故こんな事件が起きたのか事実を逃すんじゃないわよ、≪死神の赤≫。
GM/牛もいたもかよ(笑)
侑莉/解散! ≪乱舞≫(一同爆笑)
晴比古/ある意味、ディズニープリンセス?(笑)
侑莉/踊って動物とお話してる時点でディズニープリンセスのオカマです!(笑) 『現在難易度:11』だから判定するわね。
晴比古/……このオカマ、ちゃんと神崎を助けようとしていた(笑)
侑莉/(ころころ)出目が悪い……けど、成功です。
GM/君の動物達が、様々なところから色んな話を持ち寄ってくれます。「そもそも産休明けで死亡の確率がある任務に行かされること自体がおかしいだろ」「生存してきたぐらいならそれを讃えられるべきじゃね?」「処刑の命令が即日下るの、おかしくね?」などなど。
侑莉/……やっぱりおかしいわ!
GM/明らかに違和感を覚えます。……というのを踏まえた上で『イベントキー:謎の人物』を配布する予定だったのですが、なんと君達はミドルフェイズ開始前から『イベントキー:謎の人物』をゲットできてました。なのでここは特別に、【幸運】判定で難易度10に成功したら、あるAF判定でゲットできる情報を特別に入手できる機会を作ろうと思います。
侑莉/ありがとうございます。出目がさっきから低めだけど、【幸運】判定をします。(ころころ)成功!
GM/おめでとう。動物達が機関中を確認したところ、章子と話していたあの男について誰も知らないと確定します。
菜絆/だ、誰だ、あれ……?
GM/章子は事件当日、満身創痍で発見されて保護された訳ですが……そこに「お前は、8人も味方を殺してきたのか!?」と、まるで事態を重い方へ誘導した男がいたと証言が取れます。
晴比古/……明らかにヤバい奴がいるぞ。
GM/しかし彼のことを尋ねるとみんなポカンとする。もしかしてあれは≪偽りの太陽≫で機関に紛れていたんじゃないだろうか。……そして、『イベントキー:謎の人物』を持っている侑莉ちゃん。君は今、誰かに見られているような気がした。≪望遠鏡≫と呼ばれる特技によって。
侑莉/誰よっ!?
GM/君は判定に成功したので、≪望遠鏡≫で自分を覗いている男を……隠れている男を、捕らえることが可能です。
侑莉/動物達に捕まえさせます! アタシの勘違いじゃなかったのね!?
GM/「……未来の殺人鬼を止めに来た者だ」 そう言って、『イベントキー:未来の殺人鬼』を差し上げます。

 『イベントキー:未来の殺人鬼』
 男が未来に起こった事件を話したことを表わすイベントキー。
 機関の研究員・神崎 章子、自分の子供に既に強化手術を施して、大量殺人兵器を開発した。
 2人が生きていると人類に大打撃を被る。
 なんとしてでも研究員章子を早いうちに殺さなければならないと考えた時空を越える[魔術師/世界遣い/異端者]の男は、時間跳躍を行ない、この時代の機関に忍び込んだ。
 赤子はPC達が守っているため、手が出せなかった。
 『AW』史上最強の男・一本松の手で殺せば絶対に殺せるので聯合という手段で殺そうとしている。


侑莉/え……。
GM/男は「PC達に見つかったら元の世界に帰ってしまう」という契約だったのか、姿を消してしまいます。自分の使命を達成することができないまま、彼はこのセッションにもう二度と現れません。
侑莉/…………。章子ちゃんは、もう、『これ』をしているの?
GM/していますね。
侑莉/このまま、アドニスが成長すると……アドニスは、大量殺人兵器になる?
GM/なりますね。そういう才能がアドニスにはあるようです。それを実行に移すのは、機関の研究者の章子です。
侑莉/…………。
菜絆/……凄く深刻な顔になった。
侑莉/いや……こんなこと教えられたら、お姉ちゃんは真剣に考えるわ。
GM/いっぱい考えてくれて嬉しいなぁ。……では、全員のターンが終わりました。1ラウンドが終了したので、聯合の寸前まで時間を進めましょう。


 ●クライマックスフェイズ

GM/1日が終了したため、章子の聯合の時間がやってきました。そんなトリガーイベントをやっていきましょう。
菜絆/聯合の時間がやってきちゃった……。
GM/章子が休まされていた個室から処刑場に連れ出されようとするよ。……このままだと処刑されますが、何かアクションを起こす人はいますか?
菜絆/一本松さんと話がしたいです。どう考えてもおかしいですよ!
GM/時間は迫っています。ですが緊急時に対処してもらえるか、一本松に交渉判定です。【理知】判定で難易度10をお願いします。
菜絆/ハル! お願い! 時間を作って! ……せめて、相談する時間だけでも! 一本松さんはハルにしかデレないんだよ!
晴比古/お前、一本松さんと2人で会話をするとか何様なの?
菜絆/いや、そんなつもりはないよぉ!?(一同笑) ちなみにアドニスはこの場に居させたくないので、頭垓に……航先生に預けておきます。
GM/絶対に、航先生には赤ちゃんを預けない方が良い気がするんだが……(笑) いや、PCが預けると言えば預かりますけど。
侑莉/……アタシ、処刑場に行かないことにするわ。
GM/侑莉ちゃんは来ないんだ?
侑莉/行ったら、悲しくなるし。会ったら、行動を移しちゃいそうだし。
菜絆/なら……無理にでも侑莉さんを引き摺っていきます。
侑莉/もー、嫌だって言ってるのにー。章子ちゃんのもとにアタシを連れていくのー?
菜絆/侑莉さんだって本当は会いたいんでしょ? 私は章子お姉さんに会いたいから行く。
侑莉/……まさかアナタに引きずられる日が来るとはね。
晴比古/じゃあ……『イベントキー:一本松』を持っているので、【理知】で判定します。(ころころ)成功。少しお茶しませんかー!
菜絆/章子お姉さんに確認を取る話をしてから……一本松さんに「聞いてほしい話があります!」って言いに行きたいです!
GM/了解です。では、先に章子さんとの話をしましょうか。……処刑場に連れてこられた章子さんがいます。
侑莉/…………。
GM/……侑莉ちゃん。凄く、つらそうな顔してる。
侑莉/…………。お姉ちゃん、泣きそう。
GM/侑莉ちゃんが泣きそうなら、章子さんも泣きそうだよ。
侑莉/…………。実はね……章子もアドニスもどっちも大事なオカマだから、2人とも生かしたい。
GM/うん……。
侑莉/自分はどうなってもいい。だってお姉ちゃんだもの。
GM/……うん?
侑莉/壁を破壊します。

 一同「…………!?」

GM/え!? うん! ……うん!?
菜絆/侑莉さん!? ……何したの!?
侑莉/章子ちゃん、ねえ、聞いたわよ。機関を出たいんですってね。
GM/(章子になって)「えっ……うん」
侑莉/アタシとアナタは友達だからね。この機関を出ましょうか! 機関を破壊します。
菜絆/待って! ……待ってぇ!?(笑)
GM/えっ、はい……侑莉ちゃん、処刑場を破壊しました。それどころか……なんか、機関の研究所ごと爆破したかのようなニュアンスだったんですけど……?
侑莉/はい。章子ちゃんと機関を出ていくため、アドニスも連れて行って破壊して出て行きます。
菜絆/こ、この際アドニスはおいといて! ……章子お姉さんどうされてるの!?
侑莉/侑莉が抱いて爆破してアドニスも連れて逃げます。
菜絆/それって……機関を裏切るってことだよね!?
侑莉/そう、アタシは機関を裏切るわ。手続きが必要で、それには長い時間が掛かるんでしょ。そんなの待っていることもできないぐらいすぐ処刑が始まっちゃう。なら章子とアドニスを連れて遠くに逃げるの。
GM/う……うん! そっか! そういう考えに至るのも仕方ないか!

 余談。このトリガーイベントシーンでは、
(1)『イベントキー:一本松』を持っているキャラクターが処刑を実行する一本松を止める。
(2)『イベントキー:未来の殺人鬼』で第三者の存在を提示。
(3)「章子は無罪」と見なされて、処刑が中止される。
 その後、どうするかを各自決める……という流れだった。

 実際、別卓ではある行動を選択することで「退職を可能にするイベントキー」をゲットできたり、一本松を制止させることで「もう1ラウンド分、行動できる」シナリオとして遊ばれてもいる。
 この卓でも「まずは晴比古が一本松を止め」、「章子と話し」……のところまで進め、この後にGMは「ではこれから新たに2ラウンド目を……」と話し始めるところだった。

 ところがどっこい。
 
侑莉は早かった。早とちりと言うのかもしれないが。

GM/えーと、本丸の研究所一区画が破壊されました。
晴比古/なんだありゃ。
菜絆/何やってるの……!?
侑莉/章子。アタシとアドニスと一緒に来て。動物達も連れてどっかに生きましょ。
GM/「ゆ、侑莉ちゃん……? どうして……」
侑莉/吹っ切れたわ。……章子は、生きたいんでしょ。アドニスを抱いて、生きたいって思っちゃったんでしょ。実験とか研究とか捨ててでも。ならその夢を叶えないと!
GM/「そ、そんなことしたら、貴方が……!」
侑莉/アタシはどうなってもいいのよ、独り身だもん。……アタシはアナタと、アナタが大切にしているアドニスも大事。殺人兵器になんかしたくない。だから機関ではないところで生きるのよ!
菜絆/何があったの!? 侑莉さん、話してくれないんだったら……!
晴比古/(本気の怒った声で)一本松様に恥をかかせることをしないでよ。
侑莉/ごめんね、私もアドニスくんと章子ちゃんを守りたいの。でもアナタ達2人も傷付けたくないのよね。
菜絆/…………。アドニスは、どうでもいい。でも私には章子お姉さんが必要。
晴比古/……さっきの発言を聞いてさ、出ていくってことでしょ。それだけで敵と認定するのは簡単だ。晴比古は……戦闘態勢に入るよ。
菜絆/私も戦闘態勢に入りますよ。私は! 章子お姉さんといっしょにいる! 章子お姉さんを救いたい!
侑莉/お姉ちゃん、PVPも惜しまない。……アタシが倒れてもアナタ達は逃げるのよ!

 ……こうして、3人の対決は始まってしまったのだった。


    ◆


    ◆


    ◆


 均等な条件での戦い。
 三つ巴戦闘の結果は……。

 ……晴比古の勝利で、幕を下ろした。



 ●エンディングフェイズ 〜ただの終わり〜

GM/……侑莉ちゃんは敗北し、晴比古くんに捕まりました。戦闘不能の侑莉ちゃん、何かやっておきたいことはありますか?
侑莉/ずっとニコニコしてますね。アタシのことなんか殺したければ殺せばいいんじゃない?
晴比古/…………。そういうことしたら、食べられるって、分かってやったでしょ。
侑莉/まさかハルくんに食べられる日が来るなんてねー。
晴比古/……この場で食べていいんですか?
侑莉/最期に章子を逃がしてやれなくて残念だったわ。さあ、どうぞ。
晴比古/オカマってどんな味がするんだろうね。……じゃあ、仲良くしてくれてありがとね。バイバイ。足から食べます。
GM/男認定だ……(笑)
晴比古/痛みは……ちゃんと味わって。それが生きた証拠だから。
侑莉/一瞬つらそうな顔をするけど、普通にニコニコしてる。声は出さないわ。
菜絆/……その様子を、複雑そうな顔で見ておこう。
晴比古/…………。思ったより、美味しくなかったな。
菜絆/……章子お姉さんは、どういう扱いになりますか?
GM/聯合されようとしていたら、侑莉に邪魔されて誘拐されそうになった被害者です。それ以上から変わることはありません。……PCが何かアクションを起こさない限り。
菜絆/じゃあ、「機関の者ではない男が入り込んで章子お姉さんを陥れようとしていた」ことを報告します! 章子お姉さんはわざと任務を失敗するように仕向けられてたんです! そう一本松さんに報告します。
GM/ありがとう、その情報をNPCに渡したならば……朱指が全面調査をすることになります。「このまま章子を殺すのおかしい、御臓ストップしろよ」という陳情が届くことでしょう。章子は聯合されずに済むかもしれません。ずっと機関にいられます。色んなものが進みます。
侑莉/……でも、それだと……。
GM/……うん。侑莉ちゃんの懸念はそこだよね。この世界線では「アドニスを大量殺人兵器にしないように止める」というアクションを起こすPCがいないので、未来にアドニスは殺人鬼になるでしょう。章子が機関を抜ける手段をエンディング段階で得てないのでそうなります。
菜絆/でも、それでもいいです。アドニスがどうなろうがどうでもいい。私には章子お姉さんが必要なので、出て行くのを止めただけ。
GM/……先に、菜絆ちゃんと章子お姉さんのお話をしようか。章子お姉さんに「侑莉ちゃんは死んだよ」と教えたならば、傷ついて泣きます。アドニスを抱きながら。
菜絆/お姉さん、大丈夫? 頭ポンポンします。
GM/「侑莉ちゃんが……先に逝くなんて、そんな……。私が先だったのに。そもそも、あんなことしなければ……」
菜絆/んー……しょうがないじゃない、あんなことしたんだもの。早とちりしたのが悪いんだよ。大丈夫だよ、私がいるし。何かあったらこれからは私が守ってあげるからね。笑顔で言います。
GM/その笑顔は、自分を励ますための笑顔だと思うことにしましょう。
菜絆/侑莉ちゃんの分まで私達は頑張って生きないとね。ポンポンと触った頭に≪サイコメトリー≫をして、嫌な感情を引き抜きます。そして良い夢を≪夢の帝王≫で見させます。章子お姉さんには、ずっと機関に、私の傍にいてほしいから! 多くの人が死ぬ未来になったとしても!

    ◆

晴比古/一本松様ー! 終わっちゃいました!
GM/「…………」
晴比古/一本松様のお仕事を邪魔してしまってすみませんでした! やっぱり知り合いを仕事場に入れるのダメでしたね。これからはもう近づけません!
GM/「……晴比古」
晴比古/はい!
GM/「機関の規則を破った者を、危害を加える者を、殺す……それは俺達に与えられた使命なのだから、全うしたお前を褒めてやる。だが」
菜絆/だが?
GM/「だが、もしお前が。…………。いや、お前は何も変わらないか。機関が在り続けられる日まで、食べる自分を続けていくんだろうな」
晴比古/食事は生きている限り未来永劫ずっと続くものですからね。
GM/「…………。お前がかつての仲間を食べている顔は、それなりにそそるものがあったぞ」 今回の戦闘勝利者を、褒め称えます。
晴比古/わあっ……!(笑) 一本松様、この後はお暇ですか?
GM/「お前が暇にしてくれたんだ」
晴比古/じゃあ一緒に遊んでください! あ、さっきの戦闘で髪が解けたので結んでくれますか? 僕が髪を束ねているのは一本松様をリスペクトしてるからなんです! 前髪だってですね……!

    ◆

GM/侑莉ちゃん、キャラロストです。おめでとうございます。
侑莉/わーい! キャラロストです!(笑)
菜絆/オカマ、好きだよ! ごめんね本気でボコって!(笑) 途中で「あー、これもうみんな仲良くって無理だ」と思ったから私も「章子お姉さん大好き!」のヤンデレ思考にシフトしたよ!
晴比古/PVPも辞さない流れにしたの、ビックリしたよ(笑)
侑莉/くうっ、純粋に出目が低くて負けた……条件は同じだったのに、負けちゃったなぁ。
GM/えーと、[狂戦士]特化の晴比古くん相手だからとかじゃなく……シンプルに侑莉ちゃんは出目が悪くて負けちゃったね。あとは達成値上昇系特技を持ってなかったのも敗因かな。いやでも、このシナリオの流れに持っていったのは間違いなくMVPってことで(笑)
侑莉/はい!
GM/さて、死亡したキャラクターはエンディングシーンで「幽霊になって好きなことをする」か「生きているときの回想シーン」をやってもらうようにしてます。侑莉ちゃんのラストは、何をしたいですか?
侑莉/幽霊ではなくて……回想シーンをしたいですね。
菜絆/いつ頃のシーン?
侑莉/章子ちゃんと出会った頃の話。……侑莉は、ずっと一人だけで研究をしていたんですよ。お家でもずっと、代々動物医と見せかけて動物使役の異能を研究をしていた。
GM/お家としても、動物医はあくまでカモフラージュの顔だったんだね。
侑莉/そういう一族だったんですよ。ずっとそれをしていて、されていて、続けされて、「もう出て行ってやるー! 自由だー!」って後も……結局、機関に入って動物使役の研究を続けちゃった。一人で。
GM/一人で……。
侑莉/でもそこに、初めてちゃんと話し掛けてくれた人が章子ちゃんだった。
晴比古/それは懐く。
菜絆/完全に……菜絆と同じじゃん。
GM/「みんなを放っておけない女性」だったんだね、章子さん……。初めて会ったときの彼女は、「今度任務で一緒になるけど仲良くしてね! あ、動物がお好きなんですか? 私も動物、大好きなんですよ!」って気さくに話し掛けてくれた。
侑莉/それが最初だった。動物の相手だけをしている研究生活の中で、普通に話し掛けてくれた。たったそれだけだし、その後は普通になーちゃんやハルくんに話したけど……それが、外で、アタシという存在を解放できる一歩だった。
GM/「あの、私、まだまだ至らないところはあるかと思います。そのときは助けてください! 私もやりたいことがあって機関に来たけど、一人だと心細いから……」 そのような言葉を思い出しながら、君は食べられた。
侑莉/章子ちゃんを、ギューッと抱き締めます。いつもそうやって抱きついてました。……聯合から逃がそうとしたときも、いつものように抱き締めてましたね。
GM/君は抱き締めた。そして、前に立った。彼女が大切に抱き締めていた赤子の未来を良きものにするために。
侑莉/……モチロン! アタシは女の味方よ! もう何でもお姉ちゃんに頼りなさい! アナタの大切な物は守るし、アナタを守るために前に立つことだってできるんだから……!


 アナザーワールドSRS
   『 マインドフォレスト´ 』   END





END

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