アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 熾天の箱庭シリーズ『 エンジェルダスト 』2ページ目 ■
2015年5月24日




 ●クライマックスフェイズ 〜決意〜

GM/さて、今度こそクライマックスフェイズに突入します。その前にちょっと相談を設けていいけど、どうする?
元/……俺は、カズハちゃんもマサキくんもミライちゃんも、3人とも全員機関から逃がしたい。夜中だけどカズハちゃんに俺の部屋においでって言います。お兄ちゃんも連れてね。
GM/優しい人だねぇ。
カズハ/えっと……カズハは今、お兄ちゃんと寝ています。でもマスターの命令なので、パチリと目を覚まして向かいます。
GM/集団生活をしていたカズハちゃん達ですが、周囲の目を覚まさないように静かに元さんの個室に来ました。……深夜、小さなライトが点いているだけの元さんの私室に兄妹2人はやって来ます。
カズハ/元さんの前に座ります。お呼びですか?
元/うん。実は……何を隠そう、君達にはこれから大変な脱出劇をしてもらおうと思う。
カズハ/脱出? なんでまた?
元/今日はカズハちゃんには頑張ってもらったから、千載一遇のチャンスを与えようと思ったんだ。……ちょっと心が揺れ動いちゃった優しい元お兄さんが、一つのチャンスをあげるんだよ。
カズハ/元おじさんと呼ばない優しさ。
元/それな(笑) 3人で石段の下に走って行って逃げる筋書きはどうだろう?
カズハ/何を言ってるんです、そんなこと出来る訳が無いじゃないですか。お兄ちゃんが戻って来たというのにまた騒ぎを起こしたら、今度こそ大山様が……上の人達がプンプンですよ!
GM/マサキも「まったくです」とカズハちゃんに同意します。
元/あれ? マサキくんって外に出たくなかったっけ?
GM/「……今そんなことをしたら、カズハが……」 マサキはまず、妹のことを心配します。
カズハ/それに、どうして私達が逃げなくちゃいけないんですか?
元/……それを望んでいる子がいるからだよ。ミライちゃんの話をします。実はもうミライちゃんは俺の後ろに居ます!
GM/ええっ!? ……まあ、『イベントキー:ミライとの交流』を持っているのでOKです(笑)
カズハ/そ、その女が言うから何だっていうんですか!? ぷいっ!
元/カズハちゃんはお外に遊びに行ってどんな気持ちだった?
カズハ/うっ。……楽しかったです。
元/外に出れば、その楽しいことが毎日できるよ。
カズハ/……楽しみは、たまにだから良いんです。私は大山様のもとでお仕事をして毎日働くのがとっても好きです。
元/良い子だね。……でも俺はそれ、良くないことだと思う。ミライちゃんが言っていた通り、ここの人達はみんなおかしい人だ。カズハちゃんも外に出ればここがおかしいって気付く。
カズハ/……それは、つまり……マスターのご命令ということでしょうか? カズハは、大山様を信頼してるし尊敬しています。大好きです。なので外に出たいという気持ちがまず無いです。だから、言うことを聞かせたいなら、令呪を使ってください。
元/いいよ。令呪を使います。「3人で、全力で、機関から逃げなさい」。
GM/令呪を1つ消費してください。カズハちゃんは、「何が何でも機関から逃げる」ようにキャラロールしてください。
カズハ/……マスターのご命令ならば、仕方ないです。全力を尽くしましょう。……でもすぐに機関はチルドレンが逃げたとしたら、追っ手を放つのでは?
元/追っ手を振りきれるぐらいの俺がサポートはしてあげるよ。だから、仲良くして協力しながら生きていくんだよ。君達は若いから、ここがおかしいって言う人のところまで逃げて、幸せに生きるんだ。
カズハ/……元さんは、どうするんですか?
元/ここに残るよ。
カズハ/……死にますよ。
元/はなからそのつもりだけどね。
カズハ/……死んじゃ、嫌です。
元/その一言が聞けただけでも、充分俺は生きたわ。
GM/……あれ? 私が当初考えていたクライマックスフェイズよりも劇的なドラマになってるぞ? なんだか想定と違うものに変えたいんだけど。
元/どんな風に?
GM/元々のクライマックスフェイズでは、「なんとお兄ちゃんが空けてしまった結界の穴から怨霊が機関内に入ってきちゃった! チルドレン達が被害に! 騒ぎが起きてしまった君達は……」だったんだ。……それよりも「3人が逃げきれるかの撤退戦」の方が面白そうじゃない?
カズハ/面白そうですね!(笑)
GM/5分だけ待ってて! 戦闘マップを考え直す! 今から「カズハちゃん達がとあるマップに到達したら戦闘勝利になる撤退戦」に変更するね!

 突如、紙に即興でマップを書いていくGM。
 使う戦闘データはそのままで、演出を大きく変えて……想定外のシナリオを練っていく。
 名も無き怨霊の群れだった敵データは、機関の見張りをしている兵士達へと姿を変えていった。


GM/『アリアンロッドRPG』のスクウェア戦闘を応用したルールで、クライマックス戦闘をやります。≪籠脱け≫や≪クリエイトゲイト≫は誰か取得していますか?
カズハ/無いですね。
GM/ワープ系の特技が無いので、純粋に移動だけでスタートからゴールまで逃げ延びる戦闘をします。君達がスタート地点から、ゴールまで辿り着く前に兵士に倒されてしまったらゲームオーバーです。ゴール地点に到達できたら戦闘終了になります。
カズハ/た、楽しい! 即興での戦闘ってワクワクしますね!(笑)
元/俺はカズハちゃんが外を出たのを見送って、追っ手の前に一人で立ち塞がりたい!(笑)
GM/外出許可の無いチルドレンを逃がしてくれる兵士はおりません。逃げ出したカズハちゃん達を追ってくるでしょう。だけど、君達は戦う必要は無い。ゴールに向かって走ればいいだけです!

【戦闘マップ】
 エンゲージ1:大山(機関施設入口)
 エンゲージ2:兵士A&B
 エンゲージ3:カズハ、元、マサキ、ミライ(スタート地点)
 エンゲージ4:
 エンゲージ5:兵士C&D
 エンゲージ6:
 エンゲージ7:
 エンゲージ8:
 エンゲージ9:
 エンゲージ10:(機関の外。ゴール地点)


GM/マサキとミライは戦闘データを用意してないので、2人は「【HP】50、【防御点】0点、【移動力】10メートル、【全力移動】20メートル」のモブにします。そして戦闘中できるには移動と、≪他人をかばう≫だけです。
カズハ/【全力移動】で逃げてもらうこともできるんですね。
GM/兵士のデータは、元々怨霊として使う予定だったものをそのまま流用します。それと、えっと、ちょっと待ってね……昔使った敵データのどっかに、大山さんのデータがあった筈だ。
元/お、大山さんも参戦するんですか!?(笑)
GM/本来なら使う予定は無かったけど、せっかくだからね。大山に逆らうという流れになるなら、参戦ぐらいしないと。
カズハ/ああっ、大山様大好きだから心が揺れる……。でも令呪を使われているから、私は逃げる!

【行動値】
 大山:17
 兵士A&B:12
 カズハ:11
 元:10
 マサキ&ミライ:特別に10で統一
 兵士C&D:9


元/大山さんの【行動値】17!? 高いな!(笑)
GM/元々は、キャラクターレベル20の4人パーティーで使ったセッションの敵キャラクターで作ったもんなんだ(笑)
元/わー、鬼が来るぞー!?
カズハ/大山さんは仏ですよーっ!(笑)
GM/あ、しかも兵士2人も先手を取っちゃってる。戦闘重視に作ったから意外と敵が速かった。……第1ラウンドセットアッププロセスだけど、先手だと戦意の無い大山さんは動かないな。
カズハ/ですよね、まだ私達が逃げてないもん!(笑)
GM/でも【行動値】12の兵士さん達は……話し掛けはするかな? 彼らは元さんの同僚です。外にチルドレン達を連れ出している元さんを見て、「お前さん? おーい中町、何をやってるんだい?」って尋ねてきます。
元/はーい。いやー、部屋に盗聴器があってさー!
GM/「はあ?」
元/多分大山さんのせいだと思うんだよー。ほら、盗聴器が見えないの? そこに浮かんでるじゃん! 盗聴器が襲ってくるんだよー。嫌だよねー。腕が生えてる盗聴器なんて怖いよねー。俺のこと嫌いな人がいるのかもしれないなー。やだなー!
GM/「おい、バカなこと言ってないで!」「お前がキチガイなのは判ったから、そいつらはどうするんだって訊いてるんだ!」
カズハ/「馬鹿な妄想に付き合わされている可哀想な子供達」の顔をします(笑)
GM/彼らはセットアッププロセスで、君達に声を掛けただけです。……この状況だと戦闘特技が何も使えないよ!(笑)
カズハ/次はカズハのセットアップですが、こっそりと≪異常鉱物≫でモブを作成します。カズハは大地と仲良しなので、小石に力を込めることによって1回の攻撃なら庇ってくれるガーディアンを作り出します。
GM/「お、おい、何をやらせてるんだ!?」 見張りさんは、監督者である元さんの方を責めるよ。
元/俺はセットアッププロセスで≪闇の衣≫を使用。自身を強化します。≪血の彫像≫を≪血のいざない≫でイニシアチブプロセスに動かす準備だけしておこうー。
GM/では……メインプロセスになったね。「……何か騒ぎかい?」 大山さんが、エンゲージ1に登場します。
カズハ/ふ、ふええ……(笑) 大山様を見られるのは多分これが最後!
GM/それと【行動値】12の兵士達は、挙動がおかしい大人と逃げ出そうとしていた子供達を見て……。
元/おかしい大人は、今にも暴れ出しそうですよ?
GM/……大人の方を狙って動きます(笑)

 兵士達は元に掴みかかろうとするが、無事回避に成功。そしてカズハ達は、外へと駆け出して行った。

GM/「お、おい!?」 大声で慌て出す兵士達。その声を聞かず走り出す子供達。……大山が「ゲームでも始めるのかい?」と低い声を出します。大山は、ゆっくり靴を履き始めます。
カズハ/大山様が靴を履き始めたぞー!(笑)
元/大山さんが靴を履いただけでめっちゃテンション上がったぞ!(笑)

 カズハ達は積極的に逃げることを選ぶ。
 元は一人でカズハ達を逃亡させるために、兵士達に立ち向かう。

元/(ころころ)≪乱舞≫で兵士2人に範囲攻撃。≪禍福のさざなみ≫を使用して、成功。38点の物理ダメージ!
GM/……あ、惜しい。まだ兵士達は生きてるな。一発で倒せなかったね。

 兵士達は積極的に逃げ始めたカズハ達も、命中対象に加えていく。
 総攻撃をカズハに与えるが……。


GM/(ころころ)おっと、兵士のダメージロールの出目が低かった。カズハちゃんに11点の物理ダメージを与えます。
カズハ/ガキンと弾きました! カズハの【物理防御点】は11点です。兵士さんの武器の前にいきなり石が現れる! それがめっちゃ硬いです!
GM/弾いた!? この子、硬い!(笑) 小さな女の子だからと手加減していたのか、彼女達をとらえることができない。変わらず走り続けられます!
元/……どんどんカズハちゃん達は遠くに逃げて行くから、回復が無くなっていく。頑張らないと。
GM/第2ラウンドに参ります。……セットアッププロセスに靴を履き終えた大山は、≪心神解放≫を使って代償を0にします。
元/うわっ!? 怖いな!

 妨害行動をし始める兵士達。それでも逃げるカズハ達。
 元が兵士の≪啓発の鎖≫で縛られて【行動値】が2になり、早くも苦戦を強いられることになった。


カズハ/元さんっ! ……ドンパチ迎え討つより、私は逃げる方がいいですか?
元/うん、逃げな。そうしなさい。
カズハ/……カズハはセットアッププロセスで、≪異常鉱物≫を使ってモブを作ります。
GM/大山は≪啓発の鎖≫で縛られている元さんにマイナーアクションで近寄ってくるよ。オートアクションで話し掛けてもいい? 「何をしてるんだい? そこまで頭はイカれてないだろう、君?」
元/怒らないんですか?
GM/「懸命に仕事をしてきてくれた元くんには怒りたくないな」
元/今日はなんだか月がとっても明るいからこんな気分なんですよ。もしかしたら大山さんって狼男なんですか?
GM/「言っていることが判らないよ。……ほら、カズハちゃんがどっかに行っちゃうじゃないか」 大山は、カズハちゃんにメジャーアクションで≪這いよる混沌≫を使用します。元さんと話している真っ最中だけど、遠くに逃げたカズハちゃんに魔術をブッ放す。(ころころ)命中は32だよ。
カズハ/ひぃ!?(ころころ)回避13です!
元/令呪を使用します! その回避判定にプラス20をしてください!
カズハ/回避33で……避けます!
GM/「カズハ、どこに行く気だい……?」 大山は無数のメスを宙に出現させると50メートル先まで飛ばす。体中に刃を突き刺すようにするけれど……。
カズハ/元さんの令呪によって身体能力が飛躍的に向上したカズハは、華麗にその攻撃を全て避けきった! ……でもその間も大山さんの方を悲しそうに見ている……か、帰りたい……帰れない!

 兵士は、捕らわれの元や逃げるカズハを攻撃していく。
 モブに庇わせたり、≪血の媚薬≫でなんとかダメージを抑えていこうとする元。
 それでもカズハ達は全力移動で逃げていく……元は一人で【MP】を回復しながら範囲攻撃を繰り出す。その結果、兵士を1体だけ撃退できた。


GM/クリンナッププロセスになったら、大山が自分に≪紅蓮の指≫を使って≪這いよる混沌≫で攻撃するよ。……何も強化が無い素の攻撃を、カズハちゃんに!(ころころ)命中35!
カズハ/(ころころ)回避15!
元/最後の令呪を使用します。35ピッタリで避けましょう! 今日は大山さん、調子悪いっすねー!
カズハ/元さん、自分から死亡フラグを立てにいってるよ……許しがたい!(笑)

 第3ラウンドに移行。カズハは、自分の身を守るためにモブを作成。
 大山はメインプロセスで変わらず≪法則拡大≫+≪這いよる混沌≫。カズハ&マサキ&ミライの3人を範囲攻撃で仕留めようとした。


カズハ/(ころころ)ああっ、3人とも命中しちゃった……。カズハには≪大地の守護者≫があるけど、ダメージ0にするのは1体のみ。庇わせるモブは1体しかいない……どうしよう。
元/……あれ? 1体に庇わせてその後に≪大地の守護者≫を使用すれば、いけるんじゃね!?
カズハ/あ、そうだね!? いける! いけた!(笑)
GM/頭良いな。(ころころ)大山は霊力ダメージ73点をカズハ&マサキ&ミライに与えます。
カズハ/わーっ!? ……ミライちゃんにお兄ちゃんを庇ってもらおう! そんなミライちゃんに≪大地の守護者≫を使ってダメージ0化!
GM/なるほどな。……無数の刃が夜空から降ってくる。「危ない、マサキ!」 ミライはマサキを身を挺して守ろうとする。それを目撃したカズハは……。
カズハ/させてたまるかっ! ≪大地の守護者≫を使用、地面がもりっと盛り上がって大山様の刃を全部防ぐ土壁が出来上がります!
GM/ミライが受ける筈だった146点のダメージが全部0になります。
カズハ/強い!(笑) 全ての攻撃を受けきった土壁は、ボロボロと崩れ落ちていきます……。そしてカズハ自身は≪異常鉱物≫のモブでダメージを庇わせます!
元/すげえ。全員立ってる!
カズハ/……ただ、ミライちゃんが【全力移動】で行動する前に≪他人をかばう≫をしたから行動済になっちゃった。
元/そうだね。……でも生きてる。
カズハ/……はい……!

 兵士達は元を攻撃するが、受動側優先で避けきった。
 行動済になって動けなくなったミライにも、次第に魔の手が忍び寄っていく……。


元/あっ。もしクリンナッププロセスに≪紅蓮の指≫+≪這いよる混沌≫が来たら……君達は死ぬよ?
カズハ/あっ!? ま、待って……。あと1ラウンドあれば、私とお兄ちゃんはエンゲージ10に辿り着くから逃げられるんだよ。
GM/このまま自分のターンになれば、カズハちゃんとマサキくんは生き残るね。
カズハ/だから……。あ、でも、でも……マスターの令呪は「3人で逃げろ」だった。
元/……そうだね。
カズハ/だから、何か手段を講じないと……! ≪機関「チルドレン」≫がまだ使用回数が残ってるけど、≪這いよる混沌≫の命中はプラス10点程度じゃ避けられない……。えっと、【行動値】11のカズハのターンは……待機を選択します。
GM/カズハちゃんは待機しました。全員の行動が終わってから動くことになります。
カズハ/【行動値】10のお兄ちゃんは……先に逃げて!
GM/PCに言われた通りに逃げますが、マサキは「妹をおいていけないよ!」と一応抵抗する演出をするよ。
カズハ/は、早く! ……みんなで脱出するためだよ! だから先に逃げて!
GM/「……必ずお前を待ってるから!」 マサキはエンゲージ10に到達! 戦闘離脱します!
元/お兄ちゃん、逃げ出せたね!
カズハ/……ここで、初めてミライちゃんに声を掛けたいと思います。絶対にお兄ちゃんのところに行くよ!
GM/初めてミライも、カズハちゃんに対して好意的な目を向けます。
カズハ/これで初めて「仲間だ」という認識が芽生えたような気がします……。

 マサキは一足早くに逃亡成功した。
 兵士達の攻撃が始まる。しかし、みなぎってきたカズハ達は避け続ける……!


カズハ/やる気がみなぎってきた! 逃げる気満々だ!
元/それじゃあ元は≪乱舞≫+≪巨大武器≫で範囲攻撃で蹴散らします!(ころころ)……あれ!? 命中ファンブルでーす!
GM/マジで?(笑)
元/ここでぇ!? ウケる!(笑) 武器をぶんぶん振り回してスッ転んだんですね。元自身もゲラゲラ笑いながらそのままでいます!
GM/ここで倒せなかったかー。なんだか今日の出目は面白いね。……では、行動待機していたカズハちゃんの番です。今、カズハちゃんが全力移動すればエンゲージ10に到達して逃げ切ることができるよ。
カズハ/……でも……それだと、ミライちゃんだけを戦闘マップにおいていくことになる。……そうするとモブが無い今、ミライちゃんは死んじゃう可能性が高い。
元/まだ逃げないか。
カズハ/逃げる準備だけしておきますが、まだ戦闘離脱しません! セットアッププロセスにモブを作成すれば勝てる! ……マイナーアクションで≪恵みの蔦≫+≪興奮剤≫を3本まとめ飲みをします。(ころころ)【MP】を8点回復します。メジャーアクションで≪生命の叫び≫を使用。(ころころ)元さんを【HP】を15点回復しておきます。
GM/クリンナッププロセスになったので、大山が≪紅蓮の指≫+≪這いよる混沌≫を使用。
カズハ/……あっ!? ≪紅蓮の指≫の存在を忘れてた! しまった、死ぬかな……?
GM/でも≪法則拡大≫が使えないクリンナッププロセスでは範囲攻撃じゃないよ。(ころころ)だからカズハちゃんだけに命中33!
カズハ/……そうだよ! 自分がさっき逃げていたら、ミライちゃんが死んでた! だから仕方ない! でも……あ、死ぬ……。
元/うん、死にそうだ……。今残っている特技は?
カズハ/≪機関「チルドレン」≫ぐらい。……で、でも私はマスターに「3人で逃げろ」と言われていたから! く、クリティカル回避すればいいんだよ!(ころころ)……出目が、1・2だ。
元/低いっ!
カズハ/酷い! 回避値が8かよ!(笑)
元/大丈夫、「射程:視界」の≪逆転運命≫を使用! 回避判定を振り返して!
カズハ/クリティカれば避けられる! お兄ちゃんが待ってる、お兄ちゃんが待ってる!(ころころ)……ううん、達成値14だ……≪機関「チルドレン」≫を使っても回避24……。
元/……元の【HP】は29点。≪血の媚薬≫を使っても7点しか達成値を上げられない。どうしても2足りないね。
カズハ/≪大地の勅命≫は……何にも使えない。
元/…………。
カズハ/…………。
GM/…………。≪這いよる混沌≫のダメージロール、するよ。
元/……GM。≪異端堕ち:蘇生≫って、できますか?

 ≪異端堕ち:蘇生≫
 対象の活力を回復させる異端堕ち状態。タイミング:イニシアチブ。
 対象を蘇生する。死亡から戦闘不能状態に、戦闘不能から【HP】を対象の【体力基本値】まで、また【MP】を【意志基本値】まで回復する。また、蘇生した対象は未行動にあんる。
 蘇生を終えたら、【正気度】を2D6点減少させる。


カズハ/い、異端堕ちの出番か……!
GM/異端堕ちは、可能です。まずは大山がダメージロールを振ります。(ころころ)カズハちゃんに、霊力ダメージ72点。
カズハ/61点のダメージが通り、カズハは【HP】0で倒れます。その瞬間、ミライに言います。……貴方は早く、逃げて……早くお兄ちゃんのもとへ……!
GM/だがしかしミライはすぐにカズハに駆け寄り、抱き上げ、一緒に逃げるように走り始める。だから彼女はこのラウンドで逃げられない。
カズハ/ううっ……!(笑)
GM/第4ラウンド、セットアッププロセスになります。
カズハ/……カズハは戦闘不能なので、モブが作成できません。
GM/セットアッププロセスは誰も行動をしないので、このまますぐにメインプロセスに移行。
元/その前にイニシアチブプロセスで、元がカズハちゃんを蘇生しに……。
カズハ/待って! ≪異端堕ち:蘇生≫は戦闘不能になった自分にもできるんですよね。なら私がやります!
元/けど、【正気度】が2D6減ったら死ぬよ?
カズハ/それでも……【正気度】5点の元さんより、【正気度】10点の私の方が減らすべきだよ! それに私が倒れたんだから、私がやるべき。……何故なら私は今、大好きな大山様に≪這いよる混沌≫で攻撃されました。とてもショックです。
元/ですよねー(笑)
カズハ/判ってはいたけど、判ってはいたけど大山様はきっと私のことを嫌いになっちゃったんだ……!
GM/「そんなことないよ! 君が死にもの狂いで逃げている恐怖の顔はペロペロしたいぐらい大好きだよ! ゾクゾクだよ! ちっちゃい女の子が私のことを見ながら怖がってる! 超かわいい!」
元/大山さんっ!?(一同爆笑) 嬉しそうだなー!?
カズハ/私は、大山様に見捨てられた……今縋れるのは、マスターの命令のみ……だから、生きる! ≪異端堕ち:蘇生≫をします! 【体力基本値】は9なので、【HP】9になります。
GM/……フラフラの状態で、カズハちゃんは立ち上がりました。カズハちゃんの【正気度】は、現在10点です。だから2D6振って10以下なら……。
カズハ/蘇生を終えたので【正気度】を2D6点減らします。……この世界が幸せだと思っていた。そんな世界が崩壊していく……。(ころころ)5でした、5だけ減少します。
元/まだ……生きてるよ!(笑)
GM/【行動値】最速の大山は、メインプロセスで≪這いよる混沌≫で攻撃! しかし4ラウンド目で【MP】が切れかけなので、範囲攻撃ではなくカズハちゃんだけを狙うよ!(ころころ)命中31!
カズハ/……≪異端堕ち:クリティカル値減少≫を使って、回避判定をします!
GM/使うんだ?
カズハ/使います! ……じゃないと、生き残れない!

 ≪異端堕ち:クリティカル値減少≫
 精神エネルギーを溜め込んで、一気に爆発させる異端堕ち状態。
 行為判定のクリティカル値−5。メインプロセス終了後に【正気度】を1D6減少させる。


カズハ/出目で7以上ならクリティカル成功だ!(ころころ)やった、クリティカル! 避けられた!
元/やったぁー!(笑)
GM/おめでとう! 次の君達の行動でゴールに到着だ! その前に【正気度】を減少させましょう。1D6減少をどうぞ。0になったら「人として生きていくことができなくなります」。
カズハ/カズハの残り【正気度】は5点です。1D6で5以下が出たら……(ころころ)あ。
元/あ。
GM/あ。

 1D6のダイスロールの結果、【正気度】は、6点減少。
 ……カズハの【正気度】は0になった。


GM/【正気度】が0になったキャラクターは暴走し、殺戮や破壊活動をし始める『狂化状態』になります。狂化されると、全【能力基本値】と【攻撃力】がプラス99点されます。
元/わ、わあ……。
GM/異端堕ちとは、運命を異端のように歪めることで生存率を上げるという禁じ手です。本来、異端によって歪められた運命を正していくのが『AW』のPC達の仕事。しかし君は……異端と同じことをしました。つまり君は、本能に従って殺戮と破壊を求める異端と同等ということ。世界が「君は異端である」と認識し、元からそうであったかのように書き替わっていきます。
カズハ/自分の意思を保ちつつも……カズハの体がビキビキと変化していきます。肌がビシビシとゴーレムのように硬くなっていきます。
元/どんどん石になっていく……!
GM/ちなみにルール的にはマスターが令呪を1つ消費して止める命令をすれば、無条件で狂化を解除できますが?
元/令呪は、もうありません。
GM/何らかの手段を講じない限り、『永続狂化』になり、キャラクターロストになります。元さんや、ここに居る兵士達や大山は『永続狂化』を解除できるすべを持っていると思いますか?
カズハ/…………。
元/…………。
GM/……ありませんね。もし都合良く解除できる方法が思いつくようなら、判定を用意してキャラロストは免れるのですが。この場にそんなものは無かった。カズハはキャラクターロストしました。

 カズハは、華麗に魔術を回避することができた。
 しかしいくら逃げても逃げても、大山は武器を向けてくる。もうどこにも逃げ場所など無いんだろうか。果てしない絶望が、この上ない恐怖がカズハに襲い掛かる。


カズハ/……マスターの元さんも、敵に囲まれている。もうこの後どうなるかなんて……判っている。
GM/ミライは変異していくカズハを見て、それでも一緒に逃げようとカズハに近寄ってきます。「カズハ……! 早く! 一緒に逃げるよ!」
カズハ/……なんとか自分を抑えつけて、暴れ回らないようにします。
GM/そんなヤバイものを見てしまった兵士は、ミライよりもカズハを狙おうと考えます。ですが今、カズハには全【能力値】にプラス99されている。
カズハ/えっと、全【能力基本値】がプラス99……されるんですよね? あれ、【回避値】が凄いことになるんじゃ?
GM/まだなんとかなると思った兵士は、「止めなきゃ!」と≪浄化の武器≫をカズハちゃんへと振るいます。(ころころ)ひるみながら、命中15。
カズハ/(ころころ)出目が1・2。でも回避41です。
元/出目が1と2なのに避ける!?(笑) っていうか、固定値だけで≪這いよる混沌≫の命中に勝ってる!
カズハ/スッと≪浄化の武器≫を避けて、背後にまわっているぐらいの素早い動きになってます!(笑)
GM/「なっ、見えない……!?」 さて、カズハちゃんのターンです。狂化した君は命中対象をダイスロールで決めてください。1D6を振って1が出たらミライ、2〜6が出たら兵士にしましょう。
カズハ/お願い! 1以外が出て! そうすればミライちゃんのターンが来れば逃げきれるから……!(ころころ)1。
GM/1。
元/ミライちゃんだ。
カズハ/待って! ……待ってぇ!(笑)
元/逃げられなかったね。
カズハ/待ってぇ! ふざけないで!(笑) ……そ、そうだ! まだ命中対象を決めただけ! 命中ファンブルする可能性がある! ……ファンブルすれば外せる! ファンブれ!(ころころ)ちょっとぉ!?
元/出目が5と6! 良い出目だね!(笑)
GM/殺す気満々の出目だね。……おそらくミライが、逃げようとせずに「カズハ!」と君をずっと一緒に逃げようとしていたからかな。
カズハ/……命中、59。
GM/見境なく破壊活動をした結果、ダメージロールを出そうか。言うまでもなくミライの【防御点】は0です。
カズハ/や、やだよぉ……。(ころころ)ふざけんな、出目高い……115点のダメージです……。
GM/……ミライは、カズハの腕に縋って最後まで「一緒に逃げよう!」と叫んでおりました。マサキには妹であるカズハが必要だ、なにより自分を助けようとしてくれるカズハを見捨てることができない。だから彼女はずっとカズハの名を呼んでおりました。
カズハ/……その腕はゴーレムのように硬くなり、魔力を帯びて青く光る。そのまま彼女をブンッと、地面に叩き付ける。
GM/ミライの体は、ミンチになります。
カズハ/……あ、ああああ……。
GM/大山もこれには「やべぇ!?」って顔をします。……元さんはどうなんです、この状況?
元/大爆笑ですね! 逃げられなかった上に狂化かぁ! カズハちゃんを指を差して笑っています!
GM/……≪血の媚薬≫を使って1人戦っていた元さんの現在【HP】はピンチ。カズハちゃんの狂化が元に戻る手段は無い。これはもう、ゲームオーバーでよろしいでしょうか?
カズハ/はい!(笑)
元/ゲームオーバーですね!(笑)
GM/PC達が戦闘に勝利できなかったので、GM側優位の演出をしたいと思います。
カズハ/お好きなように! おいしい悲劇の味付けをお願いします!
元/煮るなり焼くなりご自由に!
GM/変異したカズハを見た兵士達は「ひゃー!? 逃げろ逃げろー!」……と言いたいところだけど、暴走した異端を退治しなければ機関は大変なことになります。彼らは「す、すぐに応援を呼ぶんだ!」と動きます。変異したカズハは「人を害する」という本能に従い、生きているものを探して彷徨い始める……。
カズハ/ビキビキと暴走を続けるカズハの体は、判りやすく巨大化していきます。全身が石に覆われていきますね……。腕は地面につくぐらい大きくなって、その手をバッと払うだけで一面が消し飛びます。
GM/叩き付けられたミライは、もうピクリとも動かない。兵士達と大山は「あんなの勝てる訳がない!」とこの場から一旦逃げ始めた。……でも、元さんは?
カズハ/アハハハハ……と笑いながら、元さんの居るところに近づいていきますよ。
元/わー、ステキだなー。
カズハ/至る所を器物損壊させながら、機関の施設にまで……踏み入ろうとするかな?
元/じゃあ、4ラウンド間……俺は全然エンゲージを動いてなかったので、施設の入口に立っています。……帰ってきちゃったね、カズハちゃん。でも楽しそうだね? 全部壊しちゃっていいんじゃない?
カズハ/楽しそうと言われて、ピタッと止まります。……そんなことないわ。
元/おや? まだ正気があったんだね。
カズハ/私はお兄ちゃんと一緒に居たときが一番楽しかった。お兄ちゃんと居られればそれで幸せだった。その幸せを壊したのはマスターの令呪、貴方のせいよ。……腕を振り払って、周囲をドンっと破壊します。
元/うん。
カズハ/今度は研究施設の入口が吹っ飛んでいきました。……その吹っ飛んだ扉が、元さんの方へ。
GM/元さんのもとに扉が飛んでくるけど?
元/避けません。扉と共に吹っ飛ばされて、体中から血を流しながらも……ニヤニヤと笑っています。
カズハ/【攻撃力】はプラス99されています。
元/死んでるも同然だよな。でも、一生分笑う。……好きにすればいいよ! この世界を壊して壊して、君の好きな通りにすればいいんじゃないかな! 俺のことを憎みながらさ!
カズハ/アハハハハ! おかしなことを元さんが言ったかのように、笑いながら腕を振るいます。……何を言ってるの、貴方のことも大好きよ! マスター!
元/その狂ったように暴れる様子を、狂ったように笑いながら……小さい声で「ざまぁみろ」と呟きます。
GM/それは誰に向けての言葉だったのかな。……その後、機関で最も強い『白く高貴な着物を身に纏った人物』が現れ、周囲の兵士達に令呪で命じます。「全力で、命を代償に暴走する奴を止めろ」と。……こうして脱走したチルドレンの暴走事件は、多くの犠牲を払って終息したのでした。


 ●エンディングフェイズ 〜終わり、始まり〜

GM/大勢の自爆技によって異端カズハは退治されました。……その自爆の中に、元さんも入っています。
元/自爆しました!
GM/周囲は散々、破壊の限りを尽くした場所は粉々。嵐がここだけ起きたかのような、隕石が落ちたかのような光景になります。しかし機関の土地は治外法権。この騒ぎは新聞に載ることはない。死んだ人は誰に知れ渡ることもなく、表沙汰にされない亡き者とされたことでしょう。……お墓すら作られないんじゃないんですか?
元/でしょうねー。ちゃんちゃん!(笑)
GM/一人先に逃げたマサキは、どうなったか。……待っているかな。
カズハ/……待っている?
GM/2日もすれば騒ぎは鎮圧。ボロボロになった施設も修復が進んでいく。カズハが暴れ回った山奥の森林は、月日が経てばまた草木が元通りになっていくことでしょう。……とある道に、季節外れの花が咲いています。
元/……ん?
GM/子供達がカブトムシを取りに森を訪れるかもしれません。かくれんぼをしに迷い込むかもしれません。その花は、訪れた子供を一人一人確認します。「……違う、あれはカズハじゃない」 花はこの道を通る少女を、ずっと待っています。
カズハ/……あ……。
GM/あの花はここから動かない。遠くへ逃げることもしない。……妹達と一緒に逃げることを臨むマサキは≪組織変容≫で自分の姿を植物に変えながら、ずっと待ち続けるのです。
カズハ/……お兄ちゃん……。

    ◆

GM/さて。私はTRPGセッションで死亡者が出た場合、エンディングフェイズでは『回想シーンをする』か『魂だけの幽霊になって好きなことをしまくる』を推奨しております。
元/なら……俺は『過去シーン』をしたいです。こんなのになる前の、もうちょっとマトモだった頃をやりたいです。何年も前をやります。
GM/元さんの何年も前の話をしましょうか。
元/クライマックスフェイズでカズハちゃんに投げ出され、全身の骨が折れ、血を吐いて朦朧とした意識の中で、自分の過去を回想する。……俺、≪機関「一族出身」≫なんですよ。
GM/生まれてからずっと機関にいるのかな?
元/そうですね。ある日、この自分の家っておかしいんじゃないかって気付きます。15歳頃です。
GM/15歳ってことは中学生。学校のクラスメイトが「高校どこに決まった?」「○○くんと〇〇ちゃんが付き合ったんだって!」「昨日のアニメ面白かったな」などと無邪気に笑い合う時期。
元/……けど自分は、彼らと温度差を感じた。自分の家は、彼らの家とは何かが違うことに。
GM/どうして自分は下校したら家で魔術の勉強をしなきゃいけないんだ? 異端を狩りに行かなきゃいけないんだ? 非人道的な実験ってやつをしなきゃいけないんだ? 外で暮らすたびに疑問は膨れ上がっていく。
元/自分の家と他人の家が違うことに気付き始めて、ショッを受けます。そして大山さんに相談しに行きます。……大山さんはそれを指摘されたらどんな反応をします?
GM/大山は大らかに、君の悩みを聞いてくれます。そして「他のクラスメイト達と違う気がするんだ」という話を聞き終えた後に、「もうそのクラスメイト達と付き合うのはやめなさい」って笑顔で言ってくれるよ。
元/えっ……。でも、友達だし……。
GM/「元くんはここで生まれてここで死ぬんだろ? そういう風に産み落とされたんだから、使命に反することを考えてはいけないよ。……ああ、疑問を持ってしまった時点で辛いよね。じゃあもう明日から中学校に行かなくていい」 翌日、君は中学校に行かなくていいことになりました。
元/大山さん、俺、高校進学したいよ……。
GM/「そんなの君には必要無い。義務教育だけは行くべきだと思ったけど、やっぱり外と付き合うと迷いが生じるね。君は優秀な血を持って産まれたんだから、ずっと機関で研究していた方が有意義に暮らせるよ」
元/……そんな風に、ずっと機関の中で研究を強いられて……25年が経過しました。大山さんも優しいように見えて、あくまで研究の為に生きているんだなって判ってきます。そのうち……いつもニコニコしている大山さんが慌てる顔が見たいなって思い始めます。
カズハ/あっ……(笑)
元/一矢報いてやりたいな。そんな野望を持って、今まで生きてきました。……カズハちゃんが狂化して色んなものを薙ぎ倒していく中、大山さんは……。
GM/大山は狂化し暴走したカズハを見て、目を見開いた後に彼女に背を向けて逃げ出しておりました。応援を呼ぶために慌てて走って逃げていく姿を、元さんは見ることができたでしょう。
元/……俺は、それを見て大笑いしたんです。自分が出来ることはこれぐらいだ。でも彼のあの表情を見ることができて最高に満足だ。……だから最期に一言、ざまぁみろ。
GM/あの一言にはそのような意味が含まれていた、と。その言葉は……誰にも聞かれることはない。笑いながら死んでいく君の、誰にも届かない最期の言葉でした。

    ◆

カズハ/カズハも過去のシーンをやりたいです。……まだ機関に来る前、両親が生きていた頃の幸せな頃の話。もうカズハ自身は覚えていないほど前のことです。
GM/物心つかない頃に機関に来たんだもんね。
カズハ/お家は[領域遣い]の能力に長けた家系でした。その異能を代々受け継いで、大きな組織に所属せずにこっそり生きていました。たまに困った異端が出たら退治する程度の……周囲の人達の為に自分の力を使い、独自の研究に熱を入れていたお家でした。……ですが、カズハが2〜3歳の頃。家の庭で、「むぅ〜」っとやっています。
元/むぅー?
カズハ/霊力を目の前の石に込めています。……ぽこんっ! ≪異常鉱物≫が出来上がります!
GM/すげぇ! お友達ができた!(笑)
カズハ/まだ[異端者]レベルが1、キャラクターレベルも1ぐらいの出来です(笑) それでも両親は、私の力にとても喜んでくれるんです。
GM/「凄いよお母さん、やっぱりうちの子だ!」「きっとカズハは凄い能力者になっていくのね!」
カズハ/両親が見守っていてくれる。お兄ちゃんの姿もある。……お兄ちゃんは私より3歳も年上なので、キャラクターレベル2ぐらいの能力が使えるのです!
GM/マサキは≪成長促進≫を使って、草をニョキニョキ成長させることができるのです。
元/トトロだ!(笑)
カズハ/お兄ちゃんの使う≪成長促進≫や≪組織変容≫などの[領域遣い]の技は、カズハには使えません。なので尊敬の眼差しで見ております! お兄ちゃんはやっぱり凄いー!
GM/妹にキラキラした目で見られたお兄ちゃんはエッヘンとしています。
カズハ/カズハね、将来はお兄ちゃんのお嫁さんになるー!
GM/「俺はお母さんと結婚する!」
カズハ/やだやだやだ! お兄ちゃんはカズハと結婚するのー!(笑)
GM/「でも俺、お母さんと結婚するー!」 言ってるとお父さんが「お母さんはお父さんのもんだ」って言い出す(笑)
カズハ/そうだよ! お母さんはお父さんのものだから、お兄ちゃんはカズハと結婚しようー!
GM/「……しょうがないなぁ〜」 なお自宅には、家族で行ったディズニーランドのお土産である……ネズミのぬいぐるみがあったりします(笑)
カズハ/恵まれた家族でした。……機関はそんな、恵まれた力の一族がいると聞きつけた。
GM/機関は「異端狩り」や「人外狩り」と称して、罪の無い能力者の人々の集落を襲ったり、珍しい能力やアーティストの持ち主を襲って連行していたという悪しき伝説があります。機関に所属した者達が押し寄せ、一族が集めた知識や能力を全て奪っていきました。
カズハ/両親達は目一杯抵抗し、訳の判らない妹はただ震えておりました。……そのときの記憶は、機関での新しい生活の中で無くなっていきました。
GM/カズハちゃんは機関での生活を始める。機関での暮らしが普通になっていく。……お兄ちゃんは死ぬ間際に両親に「カズハを頼む」と頼まれた。少し大きかったマサキは機関に順応しきれず……反抗の意思を育むことになりました。優等生を装いながら「また遊園地に行きたい」という心を消し去ることはできずにいたのです。
カズハ/……カズハは、順応していきます。監督者がついて、その監督者が死んだと言われてもショックは受けることもあったけど、どんどん順応していきます。……そしてある日、元さんに出会う。
GM/ある春の日。大山が彼に、会わせるんだね。(大山になって)「カズハの監督者が死んじゃったのかー。……元くんはちょっと変な子だけど、小さな女の子に危害は加えないかな?」
カズハ/次の監督者の人とも、仲良くできるといいな!
GM/そうしてカズハは大山の私室で、少年少女達と共にお客を待つ。カズハちゃんは知らないけど、同じようにどこからか誘拐されて飼われることになった子供達は、主人である大山の帰りを待つ。……すると大山は、とある青年を連れて帰って来た。
元/うぇーい、お酒ごちそうになりまーす(笑)
カズハ/……あの人が、私の次の……。このとき私、裸エプロンでしたよね?
元/そういやそうだった。
カズハ/まさかしんみりしたエンディングシーンが、裸エプロンで終わるとは!?(一同笑)
元/カメラが後ろから2人を写し出す良いシーンで、ケツが丸見え!(笑)
GM/「衝撃のラスト」ってタグが付くぞ!?(一同爆笑) ……君達は出会う。疑うことを知らない少女は、野心を胸に秘めた男と出会う。それが2人の、終わりへの始まり――。


 アナザーワールドSRS・リプレイ
  〜 エンジェルダスト 〜





END

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