アナザーワールドSRS・リプレイ
■ 『 ジェノサイド・デザート 』 2ページ ■
2018年1月16日




 ●マスターシーン

 ――そこは、薄暗く豪勢な一室。壁一面に、様々な映像カットが映し出される。
 華々しいステージがあり、テーブルには高価なワインや煌びやかなフルーツが置かれていた。高級スーツに身を包んだ男性やドレスで着飾った女性が楽しそうに談笑しながら映像を眺める。

 映し出された映像には……傷を負った夢叶、サジ、流羅、茂の姿。
 血まみれで戦うさまを、セレブな彼らは普通のことのように笑って眺めていた。


サジ/VIPルームってやつだ!
流羅/デスゲームものの作品で見たことあるー!(笑)

 一番ゴージャスで大きなソファーに悠々と腰掛けてるのは、ひとりの女性。
 金の髪に緑の目。豊満な体つきに、誰よりも美しい衣装を身に纏った彼女は、高級酒を口にしながら……つまらなそうにその映像を眺めている。
 「おやおや、今夜のゲームはお気に召しませんか。『金色の大太刀』様?」


 彼女の前に、同じように高級な着物に身を包み、酒を持って現れる男。名前は、器守 大山

 超人類開発研究所機関の第四部署『天足』の責任者。裏社会を牛耳る一人として有名な魔術師である。


流羅/やったー! 大山様だー!
GM/……「やったー!」なの?(笑)

 「ええ、つまらないわ。さすがに、n回目の開催となると。……同じことを繰り返してばかり。何度も何度も繰り返し。人間が死ぬところに何の変化も無し。つまらない死ばかり」
 「その『無情感』が楽しいのではないのですか、大太刀様。
 このクラブにお見えになったお客様達は、そういった『無限に繰り返される、ただの死』を娯楽として楽しみにいらっしゃったのですよ」

「……前のゲームも、ただただ人間が死ぬだけだった。魔導生命体に蹂躙され、死ぬ映像。
 そんなの元から見慣れているわ……それこそ、千年前からずっと」
「大太刀様は、千年前から人間の死を愉しんでおられますからね。千年前から邪神の眷属としてこの地に降り立ち、人の世を壊すために暗躍されてこられた。
 ですが、今は『機関』で骨休みをしているただの女性。仮の姿のまま、自分の手による死ではなく、映像として死をお楽しみください。
 もしかしたら今回のゲームは……一風変わった死が見られるかもしれませんよ? 
無限に繰り返しているうちに、人間が作る奇跡は、いつか起きるかもしれませんからね

「そう簡単に人間は奇跡なんて起こさないものよ。
 はあ、そろそろ、本物の死と終わりが見たいわ。……機関の彼らも、本気を出してくれないかしら。『我が神』を、『我が愛』を蘇らせるぐらいの本気を。
 ……本当の死を心待ちにしている私を、最高に楽しませる饗宴を始めてくれないかしら……」


GM/無限に繰り返される死。ただ愉悦のためだけに何度も続けられる死のステージ。ループとかタイムスリップとか関係無く、ただただ一部の我儘によって永遠と続くデスゲーム。それが、このシナリオのテーマです。
サジ/わ、分かっていたけど……どう考えても大山様が犯人じゃないですか、やだー!(笑)
GM/まあ、こんな楽しくて愉快なゲームをやると言ったら、アミューズメント部門の『天足』じゃないですか。能力者の調教・売買はお手の物、人で遊ぶことに特化した部署ですからね。デスゲームぐらいポンポン開きますよ。
夢叶/ひ、ひどい……ひどい人だ……(笑)
流羅/私はそんな大山様と恋愛したい。
サジ/マジで!? そうきたか!?(笑) 大山様だけどいいの!?
流羅/本当に好きなんです! 大山様はいいんですよ! この前、機関シナリオで私がGMしたとき、出目で機関のNPCを登場させたんですけど大山様しか出なかったんですよ。後輩に「ぽにー先輩がGMだから大山様しか出ないんじゃないですか?」って言われました!
サジ/大山テロじゃん!(笑)
GM/めっちゃ気になるな、それ! 頼むからリプレイを作って私にその卓の様子を見せてくれ!(笑)


 ●ミドルフェイズ2 〜手がかり〜

GM/戦闘が終了しました。すると、どこからともなく……スピーカーがあったのか声が響きます。
夢叶/わわっ……?
GM/「開錠条件の達成を確認。プレイヤーを解放します」 その声と共に、サジくんの首に付けられていた首輪がガチャンと崩れ落ちます。
サジ/おわ!? ありがとうございます!?
流羅/えっ? どういうこと?
サジ/……これで安心して話せる。実は、俺のトランプにはこう書かれていたんだよ。

 サジが持っていたトランプのキング開錠条件:「狩人を討て」

夢叶/あー! そういうことかー!
GM/先ほどの敵が40メートルの遠距離武器を持っていたので、もうお分かりですね。この『AW』で40メートル先から攻撃できるのは……
サジ/[狩人]だけだよな。……はー、自分のクラスが[狩人]だったから、正直「俺を殺せ」だと思った!(笑)
GM/いやいや、それはキャラメの偶然ですよ。良かったですね。ところで、「開錠条件の達成不可を確認。爆破します」 その声と共に、女の子の首に付けられていた首輪が爆破されます。
夢叶/え?
流羅/……え?
GM/女の子、爆破されて死にました。
サジ/……はあ!?
GM/「開錠条件の達成を確認。プレイヤーを解放します」 その声と共に、流羅ちゃんの首輪がガチャンと落ちます。
流羅/え……?
夢叶/「灯を消せ」が……達成?
GM/スピーカーから声がします。「おめでとう、まさかあの狩人を倒せるなんて凄い子達だ。けれど、あかりちゃんは残念だったね。お姉ちゃんと同じところに行ったのだから幸せかな?
サジ/あかりか!?
流羅/な、名前を聞いてなかった!
夢叶/そ、そういえば……聞いてなかった!
GM/……うん。GMはプレイヤーのみんながNPCの名前を尋ねなくてビックリしてた(笑) しかし、【幸運】判定難易度20に成功すれば救えます。失敗したままだと即死です。どうしますか?
流羅/ワンチャンクリティカルを狙う!(ころころ)……無理だ。
サジ/(ころころ)サジも、15だから足りなかった……。
夢叶/……クリティカルか、令呪を使うか。≪幻想式≫を使おうかな……。
流羅/≪悔改めよ≫で判定を振り直すこともできますよ!
サジ/もし届きそうなら、≪交わる矢≫を使う!
GM/あら。みんな、NPCを助けようとするね?
夢叶/そりゃ助けたいですよ! ≪幻想式≫を使います。いけるかな……!(ころころ)あと2たりない!
サジ/あと2なら≪交わる矢≫を使用します!(ころころ)よし、プラス5して!
夢叶/それなら、達成値23で成功です!
GM/凄いなぁ、殺さず助けちゃった。……ドンッと首が爆発した。けど、すぐに夢叶ちゃんが蘇生行為をできたので彼女を救うことができました。
夢叶/良かった!
GM/九死に一生を得ましたが、これにより流羅ちゃんの開錠が無かったことにならないのでご安心してください。なお、彼女は名前を尋ねても普通の反応しかしませんが……PCが「どんな漢字か」と尋ねた場合、イベントキーを配布されます。こういう名前の子でした。

 『イベントキー:美倉 灯(みくら・あかり)』
 デスゲームを彩る駒として配置された子を表わすイベントキー。
 小学4年生。女子。美倉 葵(みくら・あおい)という女子高生の姉がいる。一般人。


流羅/灯ちゃん……。待って……私は、この子を殺さなきゃいけなかったの……?
サジ/落ち着け。これはそういうトラップだったんだ。お前が気にする必要は無い!
流羅/名前……先に聞いていたら、疑心暗鬼になって、ヤバかったかもしれない。逆に名前を聞いてなくて良かったかも……。
GM/……ちなみに、GMはこのシナリオにプレイヤー参加したとき「へー、あかりちゃんっていうんだ!」ってギミックに全然気付かなかったです。そのまま狩人を倒してしまい、普通に死なれてしまったよ……。
夢叶/うわ、それは酷い……(笑) あの、どうして彼女は爆破されたんですか? 開錠条件は判りませんか?
GM/現状、君達は開錠条件を知る手段を持っていません。あかりちゃんに尋ねても「……頭がポワポワして覚えてない」と言います。
サジ/覚えてない?
GM/はい。「覚えていない」です。どうやら誘拐されたときのことも記憶が曖昧だそうです。
流羅/……もしかして、あかりちゃんも記憶が消されている?
夢叶/茂オジサンといっしょで、記憶喪失にさせられてるってこと……?

 どうして死んだか判らないが、無事に生還したあかり。
 彼女を連れてPC4人は次のマップへ進む。その前に、茂が≪空間知識≫+≪興奮剤≫+≪肉体復元≫を使用して、全員の【MP】と【HP】を一度だけ回復した。


【ステージマップ】がPCの現在地点とする
Bの部屋
(倉庫っぽい部屋)
通路 Aの部屋
(PCのスタート地点)
隣の部屋
(少女が爆破された部屋)
Cの部屋
(広めの部屋)
通路
Dの部屋
(??の部屋)
Eの部屋
(??の部屋)
Fの部屋
(??の部屋)
通路
Gの部屋
(??の部屋)

GM/Cの部屋から通路に出ると、3つの部屋にそれぞれ行けるようです。そして所持しているマップでは、3つの部屋から次の通路に出られる扉があるみたいです。
夢叶/どの部屋に入っても、Gの部屋に向かう通路へ続く道があるってこと?
GM/そうです。Dに入って通路に出てGに行くことも、Eからの通路でも、Fからの通路でも全部繋がっているみたいです。
サジ/どこから行こうか。それぞれの部屋の前に立って、聞き耳をしてみます。

 探索能力に長けた[狩人]のサジが、3つの部屋をそれぞれ【知覚】判定してみた結果……。
 Dの部屋からは、特に物音はしない。ただし魔力結界が張られていると感知。
 Eの部屋は、ファンブルしたため何も判らない。
 Fの部屋からは、ミシミシと奇妙な音がして、まるで部屋が崩れて壊れそうな予感がし、しかも血生臭さを感じた。


流羅/Fの部屋はヤバそうですね!
夢叶/それなら……順当にDの部屋に行きましょう。
GM/Dの部屋に入室します。……そこにはベッドがあり、シャワールームがあり、流羅ちゃんが≪物品調達≫で欲しいと言っていた≪蘇生薬≫が置いてあり、冷蔵庫には飲料水があったりレーションがあるという休憩スペースです。
サジ/おおっ、安全ぽい!
GM/かつ、入室した瞬間に「癒される!」と思います。ちょっとした結界が張ってあり、ここなら安心できる……つまり、『供給』が可能な場所となります。ボーナスエリアですので、ここで回復行為を行なってください!
流羅/やったー!
サジ/円陣を組んで『供給』をしようー! ファイトー!(笑)

 早速PC達は、先ほどの戦闘で負傷した【HP】や【MP】を『供給』で回復することに。
 それでも全回復にはならなかったため、サジは≪鎮静剤≫を流羅に渡して使用させ、【HP】を全回復させる。茂も≪興奮剤≫を1回使用して、回復に努めた。


夢叶/GM。そろそろ私の「原稿判定」をしていいですか?
GM/「原稿がちゃんと入稿できてるか判定」をしたいんだったっけ?(笑) えっとねー……【幸運】判定で、難易度12ぐらいかな? 成功したら無事に原稿が印刷所に郵送されて発行できる。達成値10以上なら、友人が代理入稿してくれる。8以下だったら、もうダメ。
サジ/もうダメ! 落とした!(笑)
夢叶/判定します。(ころころ)……達成値、11!
GM/優しい友人が入稿してくれたね。
サジ/高校のときの漫研の友達が入稿してくれたんだ。
夢叶/優しい友人、ありがとう!(一同笑) それでは充分に休めましたので、次の部屋に行ってみますか。改めてEの部屋に……。
GM/その前に、代表者1名は1D6を振ってください。
夢叶/は、はい!?(ころころ)……6です。
GM/わっ、いきなり6か!? 「ミシミシミシミシィ!」 突如、どっかの部屋が崩れ落ちるような音が聞こえた。
流羅/ええっ!?
サジ/崩れ落ちた!? これって、もしかして……「時間経過で部屋の探索ができなくなる」のか?
GM/ぶっちゃけると、そうです。ある程度PC達を時間経過で急かしておかないと、「ずっとこの結界で安全な部屋で供給し続ける〜!」となっちゃいますので、一定のダイス進行度で部屋が次々行けなくなるというやつです。……「ある場所での情報入手が不可能になった」とお伝えしておきますね。
夢叶/だって6が出ましたもんね……すっごく長居しちゃいました(笑)
GM/でも、他の部屋に行くことはできるよ。どうする?
夢叶/……気を取り直して、隣のEの部屋へ行っていいですか!
流羅/Eを先に行きましょう。Dの部屋から通路を戻って、扉をガチャっと開きます!
GM/Eの部屋は……≪両手武器≫や≪魔法のローブ≫を見つけたあの部屋に似てますが、それよりもゴチャゴチャと木箱や棚や段ボールがいっぱいある雑多な部屋です。調査をしてみましょう。

『AF判定:調査』
 ・使用能力値:【体力】【反射】
 ・難易度:30

※「調査に成功して情報を得る」演出に成功すること。
 成功した場合、情報を得ることができる。
※協調行動OK。難易度:6。
※NPCの茂はAF判定に参加できないものとする。

夢叶/今度は流羅が【体力】で判定してみます。
流羅/流羅も協調行動で協力しますね。(ころころ)成功、問題無ーし。
サジ/(ころころ)サジも協調行動参加に問題無い。相変わらず≪痕跡発見≫+≪狩猟感覚≫+≪水鏡≫で部屋を見渡して調査を手伝います。オジサンがヘバっているので、≪トリックカーズ≫で癒します!
茂/はー。ふー。ほー。
サジ/オジサンずっと戦闘で頑張ったもんね、よーしよしよしよし!(笑)
流羅/みんな疲れてるねー。私はあかりちゃんを≪狂舞≫で子守唄を歌って落ち着かせます。
サジ/雑多な部屋をガサゴソやっていると……なんと部屋の隅から、G的なものを見つけてしまう! 思わず≪無の射撃≫+≪インドラ≫+≪ロキ≫で倒します!
夢叶/ひいっ、Gだー!(笑)
GM/G相手に異能で全力攻撃をするんですか(笑)
流羅/その頃、私はさっきの部屋から持ってきた水のペットボトルを飲んで……そのまま≪暴食≫+≪食鬼≫でバリボリとペットボトルを食べます。
夢叶/なんてことを!(笑) 疲れているであろうあかりちゃんに、≪ミラクルドロー≫で絵を描いて和ませます。これで『現在難易度:4』になったので、振っちゃいます。(ころころ)成功しました。
GM/探索をしていた夢叶ちゃんは、棚から……ではなく、棚と棚の隙間に、誰かが書いた手紙が挟んで隠してあることを発見します。
流羅/おやおやぁ?
GM/「私はこのデスゲームに参加してしまった参加者。この手紙が、善良な誰かに渡ることを祈って……」から始まる、前回のデスゲーム参加者が隠れて置いていった手紙です。
サジ/フムフム、これは……!
GM/本の隙間という見つかりにくい場所に隠したものを君達は読むことができます。「一緒に参加者として行動したAさんは、教会のエージェントだ。彼はこの悪しきゲームについて調べている人物だった。私は彼の信頼を得て、恐ろしいデスゲームの詳細を知った。この情報を今後の参加者にも伝えておきたい。……私は殺されるだろうから」
夢叶/ほ、ほう……?
GM/「別の参加者のBさんは、私を殺そうとしている。私は無事に外に出られる気がしない。高確率で死ぬかもしれない……」 どうやら「参加者の一人を殺せ」という開錠条件を持った参加者が、殺意に満ち溢れてこの手紙の主を殺そうとしていたようです。和解ができなかった参加チームなんでしょうね。
夢叶/あー、そういうことですか……悲しい。
GM/「このゲームの詳細を出来るだけ記しておく。デスゲームの参加者になってしまった貴方、どうか参考にしてほしい」

 『イベントキー:神成会』
 新魔導生命体を観察・解析・解明することを目的にした団体。
 元は「通常の異端よりレベルの高い上級魔族や邪神の眷属を収集し、その生体を測る」ために組織された『頭垓』のチームだった。

 始めは魔族の生態を調べることを目的としていたが、欲望の波はとどまることを知らず、魔族に食べさせる餌として誘拐してきた人外種族や、魔族との配合や人体実験の被験者として誘拐していた人々を弄ぶようになった。
 彼らの実験で生み出した魔物と、餌や被験者として使う人間達を同じ空間に配置し、戦わせるデスゲームを『天足』が開催。それを安全な場所から観察して楽しむ高級クラブを開いている。
 至るところに異能カメラ(≪望遠鏡≫や≪千里眼≫を用いて作られた、能力者相手でも決して壊れない、録画を止められない監視カメラ)を設置。「恐ろしい状況下で戸惑い嘆く姿を見たい」セレブな客を招き、高額な配当金ギャンブルを行なったり、セレブの様々な要求を叶える楽しい会場となっている。

 現状は、非人道的な愉悦を楽しむ者達によって開催されたデスゲームの主催が『神成会』と呼ばれる団体ということだ。
 彼らは記憶改変の能力≪忘却の末≫を用いて、適当に集められた者達の記憶を改変し、スタート地点に放置。脱出ゲームを強要され、苦しむ彼らを肴に楽しんでいる。


流羅/つまり主犯は、愉悦部か!(笑)
サジ/愉悦愉悦ゥ!(笑) あー、『天足』が、なるほどね……やっぱり大山様が犯人じゃねえかぁ!(笑)
夢叶/ほーん、なんということを……(笑)
GM/手紙は「ああ、私を殺しにBがやって来る。どうすればいいんだろう、誰か助けて……」 それから先は無い。手紙の主は急いでこの手紙を隠し、どこかに逃げて行ったのでしょう。多分この人は死んでるなーって直感的に思えます。
流羅/……隣のFの部屋で死んでるんじゃね?
サジ/……茂オジサンは、どんな反応してる?
茂/うーん怖いなー! みのりちゃんはどう思う? そっかそっか怖いかー!
流羅/オジサンが怖いよ!(一同笑)
茂/なんでGM、こんなキャラにしたんだ?
サジ/知らないよ! イマジナリー幼子設定を生やしちゃったからでしょ!?(笑)

 Eの部屋を出るとき、PC代表者の流羅が1D6をダイスロール。
 2を出した結果、また「ミシミシィ」と部屋が崩れるような音が聞こえ……たが、何も起こらず先に進むことができた。


【ステージマップ】がPCの現在地点とする
Bの部屋
(倉庫っぽい部屋)
通路 Aの部屋
(PCのスタート地点)
隣の部屋
(少女が爆破された部屋)
Cの部屋
(広めの部屋)
通路
Dの部屋
(結界の部屋)
Eの部屋
(雑多な部屋)
Fの部屋
(不穏な部屋)
通路
Gの部屋
(??の部屋)

夢叶/では……気を付けて、Fの部屋に向かいます!
GM/Fの部屋に続く扉を開けます。Eの部屋のような、棚や木箱や段ボールのある雑多な部屋……ですが血まみれ。大変激しい戦闘の痕跡が残り、ボロボロになって今にも天井が崩れそうな危険な部屋です。
サジ/お、おう……。
GM/既にこの部屋はだいぶ崩れかかっており、情報収集は困難です。入室するとき【HP】を1D6点消費し、退室するときも【HP】を1D6点消費しなければなりません。また、血まみれでボロボロでゴチャゴチャな部屋なので、とても転びやすくなっているなど中に入っても不安定です。
サジ/それでも、入るか。(1D6ころころ)【HP】を5点消費します。
流羅/私も【HP】は高いので入ります。(ころころ)【HP】1点だけ減少!
夢叶/夢叶と茂オジサンとあかりちゃんは、外の通路で待機しています。
GM/了解です。では……こんなボロボロの情報が入手できるのか、連続作業判定をしていきましょう。

 『イベントキー:Fの部屋』
 Fの部屋を捜索する連続作業判定を表わすイベントキー。
 【反射】判定(難易度10)→【知覚】判定(難易度10)→【幸運】判定(難易度10)に全て成功すれば、Fの部屋での情報が入手できる。
 一度でも失敗したら【HP】に1D6点のダメージを受け、シーン退場。3回連続して成功しなければならない。ファンブルした場合、【HP】に2D6点のダメージを受ける。


サジ/きっと、手紙の主が殺された部屋かな……!
GM/それでは3回連続で判定をしてください。順々にお願いします!

 入室したサジと流羅が3回の判定に挑戦したところ……。
 サジと流羅、両者とも全ての判定に成功。一度もダメージを受けることなく、重要な情報を入手できた。


GM/お見事です! では2人は……殺戮が行なわれ、血まみれの遺体を発見。その体の下に、とあるレポートがあることに気付きます。2人はそのレポートをゲットできます!
流羅/では……引き抜きます!
GM/≪忘却の末≫に関するレポート2を入手しました。

 『イベントキー:忘却の末レポート2』
 異端を捕らえた組織が≪忘却の末≫を究明し終えた完全なるレポートを表わすイベントキー。
 レポートには以下のことが書かれている。
 「対象:単体、射程:至近、代償:1D6MPで『奪った記憶を蘇らせる』ことができるようになった。
 これにより≪忘却の末≫で記憶を消した人物の記憶をまた思い出させることができる。応用的な使用方法がさらに可能になったぞ!」


サジ/記憶が……これで、読みがらせられる?
GM/ですです。使用回数はありませんので、このレポートを持っているPCが【MP】を1D6点減らすことで記憶を戻すことができるようになりました。……残念ながら君達がゲットできる情報は、以上です。

 重要なレポートを入手したサジと流羅。
 危険なFの部屋から退室するため、2人は【HP】を1D6点消費。夢叶達と合流を果たした。


サジ/……記憶を戻す手掛かりを見つけたぞ。
夢叶/お疲れ様でーす! これで……茂オジサンとあかりちゃんの記憶が戻せますね。
流羅/……記憶を、戻しますか? 私……オジサンが「前回のゲームの生存者」だとしたら、凄く怖いです。
サジ/それこそさ、記憶を取り戻して第二形態はワンチャンありうるよね?
夢叶/そ、そうなのかな……。でもデスゲーム的に「前回のゲームの生き残り」って、あるあるパターンですよね……?
GM/それが敵なのか味方なのか、デスゲーム作品ごとに違うけどね。
流羅/……あかりちゃんの記憶は、戻して悪くはないと思います。まずは、あかりちゃんから使用しませんか?
夢叶/そうですね。私の【MP】が高いので、私があかりちゃんの記憶を戻そうと思います。
GM/了解です。では夢叶ちゃんは【MP】を1D6減少させてください。
夢叶/(ころころ)5点マイナス……。あかりちゃん、記憶戻ってください! なむなむ〜。
サジ/できれば危険なものがありませんよーに!
GM/レポート2を読んだ夢叶ちゃんは、無事あかりちゃんの記憶を蘇らせてあげられます。……あかりちゃんは、泣き始めます。誘拐された前後の記憶が蘇るのだから、一番怖いときの記憶です。当然ですね。
サジ/よしよし、ごめんなー!
GM/(あかりになって)「あ、あたしと、お姉ちゃんが、歩いていたら、突然、車がやって来て……男の人達に、車に乗せられて……それで、それで……!」
夢叶/こ、怖かったよね、ごめんねー……!
GM/「それで、ここに連れてこられて、首輪を付けられて、お姉ちゃんはどっかに連れて行かれて……あたしの……首輪の開錠条件は……」
流羅/開錠条件は?
GM/「『プレイヤーの開錠条件の阻止』」 つまり、灯を消すな、誰も参加者を殺すな、狩人を倒すなです。
夢叶/え? ……そ、そんなの無理じゃん!
GM/無理じゃないよ。「襲い掛かる狩人を倒さない」という奇跡みたいな選択をプレイヤーが選べば、あかりちゃんは死ぬことはないよ。……なお、≪忘却の末≫がうまく働かなかったのか、働きすぎてしまったのか、あかりちゃんは開錠条件すら忘れてしまった訳ですが。
サジ/……本当にこれは、俺達を陥れるためのトラップとして設置されていたな。
GM/あかりちゃんは、ずっとしくしくと泣いています。……【理知】判定で難易度15に成功すれば、あかりちゃんは「あること」を話すかもしれません。
サジ/あかりちゃん、落ち着こう!(ころころ)12で失敗……。
夢叶&流羅/(ころころ)失敗です。
サジ/……≪交わる矢≫か≪機関「チルドレン」≫を使って成功させるか?
夢叶/あとは、令呪を使いますかね……。
サジ/……ここは令呪で成功させておくか。
GM/えっと、これから戦闘があるんですよ。それなのにシナリオ回数特技や令呪を使っちゃっていいんですか?
流羅/でもここは成功させておきたいし……。令呪を使用しましょう!
サジ/それじゃあ俺の令呪を1点消費して、達成値32で成功させる。
GM/わあ、本当に使っちゃった……(笑) サジさんは、達成値32という物凄い勢いであかりちゃんを落ち着かせます。彼女は安心したいのか、サジさんにぎゅーっと抱きつきます。
サジ/よしよし。
GM/そして、サジさんだけに聞こえる声で言う。「……あのオジサン、怖い」
流羅/……茂オジサン?
サジ/……そっか。
GM/それ以上は何も言いません。それを言うのが精一杯という感じです。……あかりちゃんと2人きりになるか、もしくは茂オジサンがいなければ話してくれるかもしれません。
流羅/……言ってくれれば、私達がオジサンの相手をしています。
サジ/そしたら……。もうちょっと灯りちゃんは一人で落ち着く時間が必要みたいだ。悪いんだけど、他のみんなは通路で見張りをしていてくれるかな? そう提案します。
茂/それなら癒し系の僕がついていようか? 妨害ではなく、提案として言います。
サジ/いや……この子のお姉ちゃんの年に近い俺の方が安心すると思う。
茂/はぁ、さすがに50代はダメかー。犯罪になっちゃうかー?
夢叶/年の近い子がいっしょにいた方が安心するよ、きっと。
流羅/ほら、オジサンは女2人組といっしょにいよう。
GM/……という訳で、あかりちゃんとサジくんは2人きりになれました。別に茂オジサンは抵抗しませんのでどうぞお話ください。
サジ/抵抗しようにも、茂オジサンには記憶が無いもんな。……それでは、小さい声で……あのオジサンが怖いってどういうことかなってあかりちゃんに尋ねます。
GM/「あのオジサンが、あたしの記憶を消した」
夢叶/……はあ?
サジ/なんでやねん?(笑) ……君の記憶をいじったのが、あのオジサンだったってこと?
GM/「そう。あの人は……あたし達を攫った人のひとりだよ」
流羅/……黒い人達、なの?
サジ/そっか。……ありがとう、教えてくれて。
GM/……あのですね。まさかこの子、ここまで生かしてもらえるとは思わなかったんですよ。ぶっちゃけ彼女のために≪幻想式≫や≪交わる矢≫や令呪まで使うとは思ってなかったです。
サジ/だって、せっかくなら助けたいじゃないですか……お姉ちゃんの死を止められなかった責任みたいなものがあるし。
夢叶/はい。愛着が、わいちゃったって言うか……。
流羅/この子といっしょに、みんなで生き残りたいです!
GM/マジっすか。別卓で、この子を見殺しにしちゃった過去の私の胸が痛くなる(笑) ……あの、ここまで優しくされるなんて考えてもいませんでした。突然ですけど救済措置を出していいですか?
夢叶/はい?
GM/プレイヤーさん達に提案をさせてください。選択肢を2つ提示します。お好きな方をお選びください。

 (1)あかりが全ての真相を知っていたことにして、全部吐露させる。
 残念ながら、現在プレイヤー達は「全ての情報」を得られない状況にある。その条件を全て払い、このシーンを「全ネタバレ開示ターン」にする。

 (2)一部、戦闘用データを回復する。
 「1シナリオに●回まで」のシナリオ回数制限特技の回復、令呪の回復などを行なう。


GM/これからつらいクライマックス戦闘が始まります。私はある卓で、この後の戦闘で全滅させられました。そんな戦闘が待っていると判った上で、選択してください。
流羅/ネタバレは……クリアーすれば聞けますよね? なら回復の方が……。
GM/いえ、君達は時間経過により情報を得られない上、そもそも戦闘をクリアーできなければPCは真相を聞くチャンスすら与えられません。次の戦闘でキャラロストしたPCは全部の真相を知らぬまま終わってしまいます。
夢叶/今ここで我々が知るか、そうでないか、か……。
GM/真相に辿り着くこと、これがPCへの真の報酬……ゴールだと思っています。この卓は、ゴールに到達できない可能性が非常に高いです。あかりちゃんという手を使って、先に報酬を得られるのは魅力的ではないかとGMは推します。
夢叶/な、なるほど……。
GM/……それと、「クライマックス戦闘の結果に限らず、あかりちゃんは生還する」ことを約束しましょう。これはGMからのボーナスです。
夢叶/それはありがたい! 我々が死んでもあかりちゃんは助かってほしい!
流羅/はい! 楽しく生きてほしい!
サジ/……正直、俺は「回復」の選択肢がありがたい。そっちでお願いしたい。
流羅/そうですね……私も「回復」がいいです。さっきの戦闘で、たくさん特技を使っちゃいました。
夢叶/私も「回復」に1票です!
GM/では、ネタバレはヤメておきます。では、3人のうち誰かの令呪を1点だけ回復してください。

 相談の結果、既に消費してしまった流羅を令呪を1点回復した。

GM/次に、1D6ダイスを振ってください。
サジ/(ころころ)2ですね。
GM/3人の特技の中で2つまで、既に使用した「シナリオ回数特技」を回復してください。

 これも相談の結果、夢叶の≪幻想式≫1回分と、サジの≪インドラ≫1回分を、回復することにした。

GM/Dの休憩室であかりちゃんが発見したねるねるねるねでも食べて≪幻想式≫と≪インドラ≫が回復したことにしてください。
流羅/ねるねるねるねで回復したんですか!?(笑)
GM/ねるねるねるねは魔法使いの薬だもん。特技回復ぐらいするよ。
サジ/機関、なんでデスゲーム会場にこんな美味しい駄菓子を置いておいたんだ……(笑)
流羅/フランス人、ねるねるねるねを知ってるんですね?(笑)
サジ/機関に捕らわれていたときにテレビで観たんだよ(笑)
GM/では、3つ目の部屋のイベントを終えたので……代表者1名は1D6を振ってください。
流羅/はーい。(ころころ)6が出ました。
GM/「バキバキバキッ!」 ……はい、Fの部屋が完全に崩れて入室不可能になりました。時間制限以内に大事なアイテムがゲットできるかというやつでしたー。
サジ/レポートはゲットできたもんな。じゃあ、最後のGの部屋に行こう。茂オジサンのことには触れずさりげなくラスボスに行こうぜという提案をします(笑)
茂/茂は妨害する気は無いので、普通にそうだねって頷きます。
流羅/……あかりちゃん。次の部屋にはきっと怖いのがいると思うから、覚悟しておいてね。
夢叶/事前にあかりちゃんに連絡先とか、紙に書いて持っておいてもらおうか?
GM/機関の連絡先を?
サジ/機関はダメでしょ!(一同笑)
流羅/教会にいる私の知り合いの連絡先を教えておきます!(笑)
サジ/「機関でこういうことがあったので、調査してください」ってメモしておいて、あかりちゃんに畳んで持たせておく。何かあったらDの部屋に逃げて! もしかしたら次のデスゲームの参加者がDの部屋に逃げてくるかもしれないから。そしたらその人達と協力して、ここから逃げ出せるように……頑張れる?
GM/あかりは「うん……」と涙ながらに頷きます。死に逝く者達に「生きて帰ってきてね……!」と約束しておきます。
流羅/フラグ立った!
サジ/ヤメろ!(一同笑) 何言ってるんだ、生きて帰るんだよ! ……オジサンの記憶を後回しにしたのは、申し訳無い。
茂/おや、それをちゃんと謝るんだ。ちょっと驚こう。
サジ/ただ、みんなでここを生き残るためには、オジサンの協力がどうしても必要だ。ここだけは悪いんだけどこのまま俺達を信じてくれないか。
茂/はぁ……いつ僕が君達を信じないとか裏切るとか言ったかな? 生き残るためにみんなで手を取ったんだ。記憶が無いから不安なこともあるけど、君達に協力する気満々だよ。……それと、きっとなんだかんだ言って、僕の記憶は大したことないものだと思うなぁ。みんなを安心させるように笑います。
サジ/いい人かよ……。
夢叶/いい人かも……(笑)
サジ/……後で記憶が戻ったとき、俺達のことをなじってもいい。恨んでもいい。けど、生きるか死ぬかのところだけは何とか仲間でいさせてもらいたい!
夢叶/よし、頑張ろう! 地味にフラグを立てたので、Gの部屋にレッツゴー!