ガープス・リプレイ・護神戦隊ガルディオン
■ 第5話 『親愛なる友へ』 ■
2006年6月10日




GM/某日、晶宅。お母さんに「たまには掃除しなさいよ」と部屋を掃除しているところです。ガタゴトと押入れをあさっていると、……中からアルバムが出てきた。
晶/おっ、懐かしい。
GM/何気なくパラパラめくってみると、昔の自分が写っている。幼い自分や、幼いナツミやトウヤ。小学生ぐらいの自分達が写真には写っていた。
晶/あの頃は戦隊物に憧れてごっこ遊びとかしてたけど。まさかマジでなるとは思わなかったな……。
GM/あの頃、遊びで「オレ、レッドやるー!」「アタシ、ピンクー!」とかやってたんだろうな。ちょっと懐かしく慕ってしまう。普通の子どもだった頃の晶やトウヤ君達。そんな思い出に慕ってしまう、ある日の晶くんであった――。


 ガープス・トランスフォーメーション 護神戦隊ガルディオン
 第5話「親愛なる友へ」


 ★土曜 放課後


GM/学校のHRが終わり、さぁ帰ろうという時。ナツミちゃんが真っ先にやってきて声を掛けてくる。「ねぇ、一緒の帰ろうよ」
晶/お、じゃあ一緒に帰るか。トウヤも誘ってみよう……なぁ、一緒に帰らねぇ?
GM/「……」
晶/トウヤ?
GM/「あ、……悪ぃ。今日はちょっと、俺……用事があるから」
晶/用事って何だよ。
GM/「いや、大した用事じゃ……ないんだけど……」
晶/そうか? じゃあ俺達先に帰るわ。
GM/「うん、バイバーイ」廊下を出る君達。……しかし、なんだか様子が変だな。
晶/その事は目に見て気付くぐらい?
GM/うん。「トウヤでもカノジョができたんじゃない? ってそれはありえないか!」(笑)
晶/ありえないってヒデェな。……少し気になる、けど帰ろう。
GM/気になる、けど今日は予定があるなら仕方ないね。――さて、所変わって桜さん。大学も終わり、毎週恒例になりつつある会議のためにシャノアールに向かっています。そこに、……ミャーミャー。
桜/あ、ネコ?
GM/いつもの道の所にいます。シャノアールで飼っている黒猫がミャーミャー。
桜/迷わず近付く。……今回の名前は何ですか?
成増/……じゃ、アリアン。
GM/毎回変わるんだっけ、それじゃ今日の名前はアリアンで。……ミャーミャー鳴いてるアリアンの後とついて行くと、トウジョウタケル君がいた。猫を抱き上げるタケル君。「あ、姉ちゃんだ。コイツといっしょだったの?」
桜/こんにちは。……今日はその子、アリアンだから。
GM/「え、そうなの? ……この後、姉ちゃんも一緒にシャノアールに来る?」
桜/うん、寄って行くよ。
GM/「じゃ行こうぜー!」桜さんとタケル君と猫がいっしょに歩いている。……そこに現れる成増さん。
成増/うーん、今日の猫の名前はゲヘナがいいかな、セブフォがいいかなー……って、やあ! 車の窓から乗り出して声を掛ける。シャノアールに行くなら乗っていくか?
GM/「あ、オッチャン! こんにちは、……猫もいっしょでも大丈夫なの?」
成増/炭水化物じゃなければ大丈夫だ。
GM/どんな理由だそれは(笑) ――じゃあ、その頃。水沢は一足早くにシャノアールにいた。
水沢/コーヒーを飲みながらキュー太と話してよう。……レガル=クラーテとはどんな場所だったんだ?
GM/「レガル=クラーテ。正しき光という意味で、理想郷と呼ばれていたっキュ。懐かしいっキュ。ネージュ様が統括していたんだけど、セルヴァーに封印されて……セルヴァーを倒せば復活するっキュ!」
水沢/そのためには、まだ力も完全に覚醒してない訳だが……。
GM/「キュ〜、そうなんだっキュ、まだ四人だけなんだっキュ。ところで……」――そこにやって来る車組と、ナツミちゃんと別れた晶がカランカラーン♪
水沢/あ、先に失礼してるぞ。
桜/こんにちは……お早いですね。
成増/いらっしゃいませー。
晶/よう、……何でお前が挨拶してんだよ! 真っ先にツッコむ!
成増/な、何故だ、何故私の正体が分かった!?(笑)
GM/マスターも冷静にツッコもうかな。「公務員のアルバイトは禁止されていますよ」
晶/す、すげぇ!(笑) それにオッサン、サンドイッチとか炭水化物を客に運べるのか?
GM/無理だな。――「四人揃ったところでお話があるっキュ! 今、解放されているガルディオンは四人、五人揃えば真の力が目覚めるんだっキュ。ボクも五人目を探しているんだけどなかなか探せないっキュ……難しいっキュ」
成増/うむ、一人だけやたらと発見が遅いな。向こうが邪魔しているということはないか?
水沢/既に出会って気付いてないとかな。……そんなお約束、あるだろうか。
GM/「でも、今判らないんだっキュ……」そんな会話をしてるとこだけど、タケル君がいるんだよね。「なぁ、何の話してんの?」
成増/ゲヘナについて語り合っていたところだ。
GM/「ゲヘナって何?」
晶/こ、今度やる演劇の話だ!
GM/「演劇かぁ〜。オレも聞いていて平気?」
晶/いや、身内だけの話だから無理。
GM/「えーケチー。つまんないからあっち行くー。猫つれて行くからね、じゃあねー」
桜/あ、ネコ……。
成増/ではな、ゴーストハンター!
晶/一話ごとに変わるのに今回秒単位で変わってるぞ!(笑)
成増/更新ボタンずっと押しっぱなしなんだよ! 俺らはいつも電波受信!
GM/それはみどりだけだっキュ。……五人目の戦士の、最後のブレスレットがコレなんだっキュ」そう言ってキュー太はテーブルにコトンと置く……白い腕輪。「レガル=クラーテを護っていた頃のガルディオンは、ピンク以外は全員男だったっキュ」
水沢/だから多分、今回の白も男だと?
GM/多分、――と言っていたところに突然、白いブレスレットがピコーンピコーンと鳴り出す!
晶/え、俺達の腕輪は!?
GM/何事もない。けたたましく鳴り始める白のブレスレット……「な、なんだっキュ!?」……シュンッ! ――消えた。
桜/……消えました?
水沢/消えた……、この腕輪は消えることはあるのか?
GM/「そんな事、今までなかったっキュ! あわあわ……これは、もしかして近くにまだ覚醒していない奴がやって来たのかもしれないっキュ!」
成増/腕輪が反応して、その人の元へ行ったとでも? ……今のところ敵の反応は感じるか?
GM/特に無いです。「そうだ! みんな、腕の時計の一番右のボタンを押すっキュ!」
一同/はーい。
GM/あらわれたメニューの中から一番下から二番目のボタンを押してクダサイ。
一同/はーい(笑)
GM/それにすると、マナのモードになります。
成増/……マナーモードじゃなくて?(笑)
GM/マナモードです(笑) このモードでマナ濃度が強い人が近寄るとピコーンピコーンと鳴るようになりました。今は全員のブレスレットが鳴っているので、まず四人分を登録してください。
水沢/全員マナの力が強いから反応してるんだな。……携帯の赤外線みたいに離れて登録、っと。
GM/全員登録してもまだ鳴ってるけどね。ピコーンピコーン。
桜/あれ?
GM/……キュー太も登録してやってください(笑) という訳で五つ分を登録すると、腕輪は静かになる。「この状態で街をうろついて、鳴り出した人に腕輪を持っていないか聞くっキュ!」
晶/……それ、一見怪しい人じゃないか?
成増/……ふふふ、キミ……白い腕輪を持っていないかい……はぁはぁ……。
晶/怪しすぎる!(笑) もっと良い方法はないのかよ?
GM/「この際、背に腹はかえられないっキュ。それに、五人揃えば君達も強くなれるっキュよ?」普通の人間のマナモードは0なので、ちょっとでもあると鳴ります。特に女性にはマナが強い人が多くて、大体は遺伝でマナの濃さが変わります。
晶/なあオッサン、……もし家に帰って息子にピコーンって鳴ったらどうするよ?
成増/その時は、――ウェルカム父の胸の中へ!
水沢/さ、サトミは渡さないぞぉー!(笑)
晶/き、きっと大丈夫だから!(笑) 俺もオフクロに反応するのかな、やっぱ。
水沢/身内は入れない方が良いって事か、……オバケには反応しないのか?
GM/「オバケとマナは違うっキュ。……あれはプラズマだっキュ!


 ★帰宅


GM/街の状況を説明します。@商店街A、A商店街B、B住宅地A(水沢宅)、C住宅地B(成増・桜宅)、D住宅地C(晶宅)、E住宅地C近くの橋、F女子大学――です。
水沢/住宅街は家に帰る途中で探せば良いな。朱旺の仕事を増やすようで悪いが、橋を頼んでもいいか?
晶/了解。どうせ学校はもう時間的に行けないから、商店街ABを二手に分かれて探すか。
成増/では、私は商店街Aに行こう……桜、いっしょに来てくれ。
桜/わかりました。
GM/じゃあ、成増&桜組はAの商店街に行く。……現在、夕時だから人は結構いるよ。
成増/端から端まで歩き回ろう。こんなに人がいるなら誰かいるかもしれん。
GM/では、探すために【IQ】判定してください。二人が揃って歩いてるのか……アルビノと着物の凄く怪しいコンビが。
成増/着物は怪しくないぞ!(ころころ)成功、9だ。
桜/(ころころ)成功です。
GM/二人ともピコーン。
桜/あれ? ……見ます。
GM/微弱に反応している模様。一番目を引いたのは女の人、……見たことがあるからです。「あ、桜じゃんー!」成増も見たことある。先日、桜の大学で。ヨシダサキちゃんが「おーい!」とやって来ます。
桜/友達です。……お買い物?
GM/「うん、新作が……ってコレ誰?」
桜/えっと、知り合い。
成増/早速出失礼するが、白い腕輪を探しているんだが君は知らないか? このような物なんだが……と自分が着けている物を見せる。
GM/プッ、何それオモシローイ! 今ハヤリのナントカ戦隊ってヤツの? いい年してそんなのつけてんだ!」
成増/……失礼するが……ってお前が失礼じゃ!(笑) コレは息子がむすこがムスコガアアアァ!
桜/……えっと。落としちゃったみたいなんだけど、知らない?
GM/「それなら警察行った方が早くない?」
成増/全くだ! ……早く撒いて行くぞ!
GM/「エ。桜……あのオッサン、何? 変なヒト?」
桜/正直、変な人。
成増/変な人ってぶっちゃけて言うな、ガラスのハートが傷付いちゃうぞ!(笑)
GM/ヨシダサキを登録しない限りずっとピコーンピコーンいってるぞ。――ではその頃、商店街Bのぶらつく男二人組。二人とも【IQ】判定をお願いします。
晶/絶対見付からねー……(ころころ)失敗。
水沢/いや、こっちが高い自信があるからきっと見つかる。(ころころ)……って、ああっ! ダメでした!(笑)
成増/両方失敗か。……夕時「あっちでセールよー!」のオバサン連中の波にのまれる水沢であった!
水沢/うあああぁ!(笑) 重要なところで失敗しちゃったー!
GM/という訳で特にいないかな、見つからなかったとさ。
水沢/し、仕方ない……晶を住宅地Cの橋まで送って帰るよ……しくしく。
晶/じゃあな、何かあったら直ぐ連絡するから。
水沢/頼んだぞ、……では自分の地元の住宅地Aを調べます。(ころころ)11で今度は成功!
GM/ピコーンピコーン。
水沢/ん? ……その鳴った方向に歩いていく。
GM/ピコーンピコーン。……君の家の前だ。
水沢/……。
GM/「あ、おかえりお兄ちゃん!」……ピコーンピコーン。
水沢/い、遺伝だからか!?(笑) さ、サトミ……ただいま。
GM/ピコーンピコーン。「お兄ちゃん! 今日は私がゴハン作ったんだよっ」
水沢/お、おお偉いな……ちょ、ちょっと訊きたいんだが、変な腕輪を拾ったりはしてないか?
GM/「変な腕輪?」ピコーンピコーン。
水沢/実物を見せると可哀想な目で見られそうなので、大体の外見を……絵で説明します!(笑)
GM/【才能無し】なのに?(笑)「えっと、この絵のキュウリは判らないけど腕輪だったら……学校の図工の時間に作ったブレスレットがあるの! はい、お兄ちゃんにプレゼント!」
水沢/あ、ああ……ありがとう。
GM/「えへへ、ありがとうお兄ちゃん〜」ピコーンピコーン。「ところでお兄ちゃん、さっきからこの音なぁに?」ピコーンピコーン。
水沢/さっきからメールが鳴ってたな。直ぐにとめるよ!(笑)


 ★橋


GM/車からおろされて暫く歩くと、橋に来た。自分の住んでる住宅地Cまでもうすぐの場所、……男の子と女の子が遊んでいる。「あ、あぁーっ!」男の子の蹴ったボールが川へと大きく飛んでいく……!
晶/ボールを取る! 【DX】で……(ころころ)成功!
GM/キャッチ。「あ、ありがとうお兄ちゃん!」
晶/気を付けろよ。……あ、そうだ。お前ら、白い腕輪見掛けなかった? 腕輪拾ったヤツとかいないか?
GM/「え、……そんなの見付けたらおまわりさんに届けるもん」「あ、オレ、前に買ってもらったやつがあるぜー!」そう言って男の子が、ナントカライダーのブレスレットを見せてくる。
晶/ああ、カッコイイな。……そうだよな、無いか。じゃあな。
GM/そんな橋での君。――背後から声が掛かる。「よう、カッコイイじゃないか。晶」
晶/あっ?
GM/誰かはすぐ判る、……トウヤだ。「キサマの今までの行動は全て見させてもらった!」(笑)
晶/な、なんだよ、見てんじゃねーよ!
GM/「ハハ、正直者のお前にはこの勇者の斧を授けよう! いや、そんなの無いけどさ……って何かうるさくないか?」……ピコーンピコーン鳴っている。
晶/おっと? ……なぁ、トウヤ。最近白い腕輪を拾ってないか?
GM/「腕輪?」
晶/機械っぽいやつだよ。怪しまれたくないから実物は見せないけど。
GM/「知らない」
晶/え?
GM/――知らない、とちょっと黙ったような気がする。
晶/……本当に知らないか、知り合いの物なんだけど。
GM/「へぇ、そうなんだ……。と、とにかく俺はそんな腕輪なんて知らねぇよ」
晶/……そうかぁ? じゃあ見掛けたら教えてくれねー?
GM/「あ、ああ……わかった。ところで俺! ……今日、カレーだから帰るわ!」と、よく判らないことを言って走っていく。
晶/あ、トウヤ! ……、あやしい。


 ★翌日 シャノアール


GM/日曜日。その後、個々で色々歩き回ってみたものの、それらしい人は見付からなからずに全員はシャノアールで落ち合います。
水沢/俺の妹が微弱ながら感じたみたいだが……少しでも鳴るような人はいなかったんだな?
GM/成増さんの奥さんは微かに感じたような気がする。
成増/我が妻だからな。……少年の方にはいなかったか?
晶/鳴った奴は一人だけだ。……仕方ないからトウヤのことについて話す。本当に腕輪のことを知らないんだったら普通に「なんだそりゃ」って感じになると思うけど、「俺は知らない」って落ち着いてなかったような気がするんだ。……とにかくなんか変だった。
水沢/身内以外で反応したというのは彼だけか。近しい人物だから可能性は無いとは言えないだろうが……彼には会えないか?
晶/ちょっとメールしてみるか……いや、電話してみよう。ぷるるる。
GM/五回まわって……プツッ。『只今電話に出ることができません。ピーッという……』
晶/ブツッ。……今日、部活の試合とかあったっけ?
GM/特に無いと思われる。部活動事で日曜に学校に行くなんて聞いてないね。
晶/……メールを送る。「昨日様子変だったけど大丈夫か? 何か悩み事があるなら聞くぜ」
GM/……特にそれに返信は来ない。
晶/直ぐに返信は期待しない。――ところで、昨日夕方に商店街Bに行ったんだけど人が多すぎて判らなかったんだよ。もう一度調べに行かないか。
桜/……キュー太はどうする? ついて来る?
GM/「もし五人目を見付けたら覚醒の瞬間に立ち会いたいっキュ」
成増/では、歩いて商店街Bへ。それらしき人はいないものか……!(ころころ)【IQ】、普通に成功だ。
桜/(ころころ)うん、無理。
晶/(ころころ)俺に【IQ】を求めないでくれ!
水沢/(ころころ)ギリギリ……成功。
GM/では、成増と水沢は判る。……遠くの存在に微かだが反応したブレスレット。その先を見ると、……知っている顔がいた。
水沢/誰だ?
GM/――晶の友達、トウヤを発見。辺りを警戒するようにキョロキョロしながら歩いている。
成増/む? ……声は掛けないで、晶の方に小声で伝える。
晶/あ? ……言われた方を見る。
GM/辺りを見回して、どこかへ去っていくトウヤ。
晶/……【忍び】を使ってついて行く。(ころころ)成功、慎重に追い掛けるぞ。
GM/じゃあ気付かれずについて行ける。他の人は晶の後をついて行く形で、トコトコ……。
晶/何やってんだアイツ……どこに向かってるんだ?
GM/トコトコ、キョロキョロ。――どうやら晶の高校の方に向かっているようだけど。
晶/日曜に学校? 部活は日曜無いのに?
GM/周囲をバリバリ警戒しつつ……明らかに何かを隠しているような……黙ってついて行くと、バッと後ろを振り向く! ……キョロキョロ。学校の中へ入っていった。
晶/……建物の中へ? そのまま俺も入っていく!
水沢/朱旺が【直情】的な行動を取る前に止められるようこっちも追おう!
GM/学校に入ります。晶くん達が建物に入った瞬間――ぐにょり。学校から、色が無くなっていく――。
晶/あ……っ、いつぞやのネガポジ反転っ!
GM/毎日通っている晶なら判る。……確か昇降口はこんな形をしていなかった筈。
成増/……少年よ、お前の学校はこんな造りをしているのか?
晶/んな訳ねーだろ、学校が滅茶苦茶になってるんだよ!
GM/昇降口から入って目に入るのは、右の扉に「保健室」と書いてあるし、左の扉の「職員室」と書いてあり、正面が「音楽室」ある。……こんな構造の学校がある筈がないな。
水沢/最初はどこも下駄箱だろう、おかしいな。……トウヤ君の姿は完全に見失っている?
GM/もう判らない。……ここはかつて見た空間に酷似している。
晶/……ノイエ=ザハリカイトの結界内。
成増/……「ずもも」か。そういえば奴の人形を倒しただけで、奴自身を仕留めることができずにいたな。
晶/トウヤ……何でこんなトコにいるんだよ。
成増/仕方ない、進むぞ。――何があっても驚くな。いつでも戦えるよう変身しておこう。
晶/一体何と戦うんだよ……『ブレイズ・アップ』!


 ★天への道


GM/中に入ると、広い空間……その先に階段がある。晶には見覚えがある、屋上への階段だ。
晶/屋上という確証はない、……けど上っていく!
GM/階段を上った先は、……一応屋上への扉に見える。
晶/……ギィイイイ。
GM/ちょっと見た感じ、そこは屋上だ。空の色はぐにょぐにょしている。……そこに居るのは二人の影。両方見たことがある。
晶/……誰だ。
GM/一人は、ノイエ=ザハリカイト。この間人形を猫ビームで吹き飛ばされたから持っていないけど。もう一人は……晶なら判るだろう。
晶/……トウヤ。
GM/ノイエが話している。「君が覚醒してくれて良かったよ、リリック。ずっと人形を使っていたんだよ……」そしてトウヤが、何か持っている。
成増/……白い、腕輪か?
晶/前に出る! ――トウヤ! お前、何してんだよっ!
GM/声に気付きこちらをバッと見るトウヤ。「……晶、何でここに」
晶/トウヤ、そいつが何なのか判ってんのか。
GM/それには答えない。
晶/危ないからこっちに来い、トウヤ!
GM/トウヤが動く前に、……ノイエの方が話し出す。「何なのか……判ってるよね、判っている筈だよ。ねぇ、トウヤくん?」
晶/てめぇ……!
GM/「この子……トウヤくんはね、いや、リリックと言った方がいいか。元々は彼も邪神帝国のヒトだったんだよ。つい最近まで記憶を封印されていたようでねぇ、ようやくボクの仲間に戻ってくれたんだ」……トウヤは俯いたままだ。
成増/否定もしないとは、……本当に判っているからか。
GM/「けれど皮肉なもんだよねぇ、ガルディオンの力も彼に目覚めていたとは。――ねぇリリック?」
晶/トウヤをそんな名前で呼ぶんじゃねーよ! ……トウヤ!
GM/……トウヤ君は何も言わない。
晶/何か言えよ、……トウヤ!
GM/「言える訳ないよねぇ、友人だったんだから。……じゃあ、最後の後始末ぐらいは自分でつけておいでよ」そう言い、ノイエはシュンッと姿を消した。
晶/てめ……待てっ!
GM/消えて、トウヤは腕輪をカチッと腕にはめる。そしてその先から、……日本刀を出した。
晶/ちょ、待てよ! 俺は……!
GM/「なぁ晶。俺はお前の親友で良かったよ。だから……さよならだ」――戦闘開始だ!

 ●戦闘/1ターン
晶/親友だって言うならなんで……! こちらは攻撃できない、【義務感/仲間】持ってるから!
成増/……悪いな、少年。私は倒すことを優先させてもらうぞ! ……攻撃できる範囲まで移動する。
晶/でもアイツは……アイツは!
水沢/向こうに話を聞いてくれる気が起きるまではどうしようもないことだ、……って言って後ろにいる。日本刀には勝てる気がしない!
成増/懸命な判断だ、奴は戦闘体勢だ……一気に潰す。
桜/私は遠距離攻撃ができるので、……猫ビームいきます。(ころころ)ダメージ5。どうですか?
GM/食らいます。姿は君らと同じバトルスーツ……色は白。日本刀を構え、……レッド相手に斬りかかってくる!(ころころ)ダメージ2点!
晶/普通にとめる! ……傷は受けるけど痛くない、けど……。

 ●戦闘/2ターン
晶/……トウヤ、マジでやる気なんだな?
GM/「……ああ」
晶/そんな……、お前に全力攻撃はできない。(ころころ)9点ダメージ!
桜/猫ビームいきます。(ころころ)……ダメージ2。にゃー……ぽこり。
成増/すまん、槍で斬るぞ。(ころころ)8のダメージ、ザクリとな!
水沢/……レッド、致命傷さえ与えなければ俺が必ず治す。だから彼を!
晶/……わかった。
GM/こちらの攻撃ターン、日本刀突きいきます。(ころころ)グリーンに向かってダメージ3、突きだから2倍して6点!
成増/そんな大ダメージ食らえない! レッド、すまない……庇ってくれ!
晶/『アイアン・クラッド』オォォ! ……カッキーンだ。

 ●戦闘/3ターン
晶/オッサンの攻撃を庇って。……本気で攻撃してくるのか?
GM/「何度も言わせるな」……日本刀を構えるホワイト。
晶/クッ、攻撃!(ころころ)ダメージ7点。
桜/猫ビームいきます。(ころころ)6。
成増/槍いくぞ。(ころころ)ダメージ9、斬りで!
水沢/トウヤ、俺達は仲間だ! 過去がどうとか関係ない、俺達は友達なんだ!
GM/ブルーの言葉には答えることなく攻撃!(ころころ)6点!
晶/ッ! 一気にきた!

 ●戦闘/4ターン
晶/殺さずに済む方法はないのかよ!
成増/殺す気で襲いかかってくる相手を器用に仕留めるほど我らは強いか? ……今はこちらがやられることの無いよう専念しろ。
晶/チッ、普通に攻撃!(ころころ)
GM/(ころころ)避けた。レッドに迷いが見えるぞ。
桜/猫ビーム……!(ころころ)容赦なく8。
成増/槍で攻撃、(ころころ)斬りで7点!
水沢/レッドを【大治癒】で回復。(ころころ)6点、マックスまで回復してくれ!
GM/「普通の攻撃じゃ倒せないか……」ホワイトの目つきが変わる。――全力攻撃で二回グリーンの方にいきます。
成増/二回攻撃!? 敵もできるのか!
水沢/ちょ、グリーン……! 愛しの彼の方に攻撃したくないんだ!
GM/どんな気持ちかは不明。ザク、ザクゥッ!(ころころ)ダメージ4……【朦朧】はしないだろうけど大ダメージかな?
成増/クッ……! 辛いが、あちらも息が上がってる筈だ!

 ●戦闘/5ターン
晶/なぁトウヤ……なんでだよ。友達だろ、なぁ……なんで殺し合わなきゃなんねーんだよ!
GM/……とても悲しそうな目で君を見る。
晶/それにお前さ……ガルディオンの力に目覚めたんだろ? ならこっちに来いよ!
GM/……黙ったまま、君を見るだけだ。
桜/レッドは行動終了、……猫ビームいきます。(ころころ)2。
水沢/グリーンを【小回復】する。(ころころ)3点回復!
成増/レッドの叫びを聞いて心苦しいが、槍いくぞ……(ころころ)クリティカルだ、10点の斬り!
GM/クリティカルなので2倍ダメージです。……ホワイトは槍を食らって足をついた。
晶/トウヤッ!
成増/……少年、もうこれで終わりにしないか。
GM/「終わりにしないか……か」そんな言葉は聞かない。――必殺技、『防護点無視の突き』をいく! レッドに!
晶/必殺技っ!?

「月の光よ――!」

GM/(ころころ)ダメージ10点! 防護点無視の素通しでレッドにザシュッ!
晶/ダメージでけぇ、……でも受ける! ガスッ!
水沢/朱旺!?
成増/レェーッド!?
GM/――ドス、と君に突き立てられる刀。……ずるりと崩れるトウヤの体。
晶/ぐ、意識朦朧としかけながら……受け止める。
水沢/なぁトウヤ……、お前がマレディクシオンとしてどういう風に生きてきたのか俺達は知らない。だけど、この地球で……朱旺と一緒に過ごしてきたこの十年間もしあわせなものだったんじゃないか?
GM/「……」
晶/トウヤ……俺さ。昨日、アルバム見付けたんだよ。
GM/「……アルバム?」
晶/ああ、十年前のさ。まだ俺達、すっげぇガキでさ……こういうのがマジでいるって信じていてさ、……本当はいると思わなかったし、まさか俺がそうなると思わなかった。 けどさ、……お前もなれるんじゃないのか。お前もさ、悪役なんかやるんじゃねーよ! ――あの時の特撮ごっこみたいにさ、いっしょに地球を救おう!
GM/……フッと笑って、「俺もヒーローになりたかったよ……」
晶/……。
GM/「あの頃、ヒーローごっこやってた時にさ、俺が怪人でお前がヒーローで……戦ったけど、また負けちまったな」――そう言い、屋上から飛び降りる。
晶/トウヤ! ……追っかける!
GM/もう飛び降りた後だ。……飛び降りた真ん中で、――その体は消え、雪になり、サーッと降り注ぐ。……そして、反転していた世界が元に戻った。
晶/フェンスから身を乗り出して手を伸ばす! ……トウヤ……!
GM/……最期に、声が聞こえた。
『一個だけ、イイコト教えてやるよ。敵のボスの居場所だ。……近くに女子大学があるのは知ってるな? 跡見学園女子大学っていうところの地下だ。――それと、お前にコレをやるよ』
 ……晶の頭上に何かが降ってくる。
晶/あ……っ?
GM/雪の結晶のようだ。手に取ろうとするとフッと消える――必殺技、『敵の防護点を無視してダメージを与える』ものです。及び、全員のバトルスーツに変化が。背中に羽が生え、『防護点が5点』になります。レッドは【頑強】を持っているので7点。

『それじゃあな……また会えるといいな』

晶/……結晶を受け止めた手を握りしめる。
 ――ぜってぇ倒す。この世界を救う。欲張りだろうがなんだろうがどうでもいい、ぜってぇやってやる!


 エンディングテーマ。
 スタッフロールが流れ……。

  ★次回予告

「ガーディアンナックシールド、展開だっキュ!」
 ついに判明した敵の本拠地。
 晶、桜、みどり、真は跡見学園へと向かった。
 次回ガープス・トランスフォーメーション
 護神戦隊ガルディオン

 第6話「ツバサ」

 次回もまた見るっキュ〜!



GM/ここで番組からのお知らせだっキュ! 来週は『ぷりてぃ魔女ッコ☆ミルクとミント』スペシャルにつきお休みとさせて頂きます。
一同/ええええぇ!(笑)
GM/という訳で、来週はセッションお休みね。再来週が最終回だからレベルアップさせるように!


  ★ガープストランスフォーメーション小話


GM/――ところで、小麦粉って炭水化物? それなら成増さん、ハンバーグもダメなんだ。
成増/でも肉は食べますよ、肉百%のものなら。
水沢/だとピカタは平気か。麺もダメだったから……ってどこまで平気なんだ?
晶/……なぁオッサン。前から思ってたんだけど、何でそんなに炭水化物が嫌いなんだよ?
成増/色々あるんだよ、炭水化物が嫌いな理由! ――あれは、十五の時だった……。
晶/はぁっ?(笑)
成増/実家が寺なんだ、私は。…………そうなの?
水沢/自問自答するなよ!(笑) ……あ、だから着物なんだな!
成増/成程! ――その寺には地下室があってな、そこで冒険するのが幼心に一番の楽しみだったんだ。
晶/あぁ、わかるわかる。
成増/そこに宝箱があったのだ!
桜/……あったんだ?(笑)
水沢/……ある物なの?(笑)
成増/開いてはいけない、決して開けてはならないと親父は言っていた! その中には、絶望や……失望や……悪魔とかが住んでいる恐ろしい箱だったのだ!
晶/……パンドラの箱?
成増/しかし、幼い私は開いてしまったのだ。……実は特徴のところに【好奇心】とか【正直】があるし。……ソックリだったのだよ、少年と!
晶/嫌だいっしょにすんな!(笑)
成増/はぁっしまったぁ、開けてしまったぁ! 悪魔を何か憑依させなくてはー! 具体的に言うとハガレンの弟! ……そういえば今日、一月三日じゃん! ……餅だ! 私は両手を合わせ、地面に手をつき、パァーン、光る我が手! ――そうして戦が始まった。これがのちの一年戦争である……。
晶/オッサン、どっからお前の妄想だ!(笑) お前、本気で言ってるんじゃないよな、マジで信じてるんじゃねーよな!? がっくんがっくん!
GM/ガックンガックン。――そんなところにオカンがやって来たのです。「まぁ、この餅まだ残っているわ。じゃあ今夜はこれにしましょうね」と切り始めるオカン。
成増/ハッ、その正体は悪魔だ! ……そ、そうだ、腹に入ってしまえば悪魔なんていなくなるんだああぁーモグモグ!
GM/「まぁ、今日はいっぱいお餅を食べるのね」
成増/くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ! ――その時、一心同体となった悪魔が私にこう言った! 『アハハハ、コレで終わったと思うナヨー!』……それ以後、襲いかかってくるようになったのだが実に良い話だろう?
晶/全然良くねぇ!(笑)
成増/一年戦争の後にスターダストメモリーってやつがあったんだぞー? あ、パンドラの箱は少年にも桜にもマコッチのお家にもあるから気を付けるんだ!
水沢/い、いや……俺のウチはマンションだから地下は無いんだ。
成増/床底があるじゃないか! そういえば妹さんが今、たくあんをコッソリ漬けている筈だ! ほーら開けてごらん! ……あ、もち男に追われるから【神秘学】を習い始めたのか。なるほどー!
晶/なぁオッサン……俺、アンタみたいな大人になりたくない(笑)
成増/混ざり合わないのか赤と緑は! ウェルカムトゥオレのセカーイ!
晶/オッサン近寄るなああぁぁ!
GM/……という訳で、みんなもパンドラの箱には気を付けようね! また次回だっキュ!