ガープス・リプレイ・護神戦隊ガルディオン
■ 第6話 『ツバサ』 ■
2006年6月24日




GM/トウヤの最後の言葉によると、マレディクシオンの本拠地は跡見学園女子大学にある。
水沢/どんな風に行けるんだ?
GM/近くの大学なので判る。シャノアールは駅にあるので、その駅から跡見への直通バスが出ています。「車で行ってもいいけど駐車場がないから注意だっキュ。あと男子がいると「えっと、大学院の方ですよね?」と訊かれるから気を付けろっキュ!」
成増/……物凄く調べたんだな、キュー太(笑)
GM/君達が行っている間に何が起きるか判らないから、ボクはシャノアールで待機してるっキュ! あと、人に見付かるとヤバイから出来れば夜に行った方がいいね。「最終バスで行くっキュ。所沢52に乗って途中でピンポーンてやるれば着くっキュ!」
晶/ホントによく覚えたなキュー太!(笑)
GM/「でもこれがきっと最後になるっキュ。…だから明日までにやり残したことがあったらやってきてほしいっキュ」
成増/装備品を整理して、家族にさよなら言って、遺書を書いてくるのだ!
桜/猫に遺書渡すのもなんか……。
晶/猫にかよ!(笑) っていうか、必ず生きて帰るつもりだ!


 ガープス・トランスフォーメーション 護神戦隊ガルディオン
 第6話「ツバサ」


 ★土曜日 晶



晶/最後にやり直した事なんてしねぇって言ったけど、……学校の屋上で、いつものように昼を過ごす。ナツミといっしょに……。
GM/「ねえ晶。そういえば最近、トウヤ来ないね?」
晶/……。
GM/「アイツが風邪を引くとは思えないけど、見舞い行ってみようかなぁ?」
晶/……黙って聞いている。
GM/「でも、メロン買うのは高いしなー。どうしよっか」
晶/……別にいいんじゃねーの。俺がテキトーに買って持っていくよ。俺が行くからお前は別に行かなくていいよ。
GM/「そんな冷たいこと言わないでよ」
晶/お前だってそろそろバレーボールの試合があるだろ。だから俺が行っとく。
GM/「……じゃあ、お願いしよっかなー。でもメロンは流石に高いだろうし……そうだ」そう言ってナツミちゃんは、ジャラジャラつけている携帯電話のマスコットからキーホルダーを一つ、……イルカの物を君に渡す。
晶/ああ……こいつを見せて、ちゃんと学校来てナツミに返せよって言っておくから。お前はバレーボールで頑張って……優勝してこい。
GM/「うん頑張ってくるよ。次は関東大会だしね」
晶/おお、すげぇ。トウヤもきっと応援してるさ。ガンバレよ、マジで。――俺も頑張るから。
GM/「うん、ガンバレ!」……って、アレ? 剣道の試合ってまだだったような……考えるナツミちゃん。
晶/その場を去ろう。……そんで、帰りながら空を見上げて――ぜってぇに帰ってくる。誓う。


 ★土曜日 桜


桜/……猫とたわむれるしか思いつかない。
晶/人間関係を猫以外にも広げて!(笑) 人間の友達いるだろ!
成増/猫だけでも良い生活だぞ。「なんだミャー」「悲しそうな顔するなミャー」「何やってるミャー」「手伝うことあるならボクがやるミャー」「……ダメかミャ?」
GM/ミャーミャー。……君の方をジィーッとマジメに見てくる猫。
桜/ああ……今日の夕飯はテーブルの下に置いてあるからね。……今日の名前は何ですか
成増/じゃあガープス。……いや、最終回だから(笑)
桜/ガープス、行ってくるね。
GM/ミャーミャー……。そこに、頭の中に流れてくる声。「案ずることはない、人の子よ」
晶/……ぶっ!(笑)
成増/えーっ!?(笑)
GM/……そんなようなことが聞こえたような気がしたよ。
桜/あはは、……じゃあ頑張ってくるから!


 ★土曜日 水沢


水沢/とりあえず月曜提出の課題を片付ける。カリカリカリ……! ちゃんと終わらせて、サトミに話し掛けます。
GM/「お兄ちゃん、課題終わったの?」
水沢/終わったよ、今日は急がないといけないからね。今日は夜から出る予定なんだ。
GM/「そうなの? 実習かなんか?
水沢/夕飯は作ってあるし、朝ご飯はこっちに作り置きと冷凍食品があるから。暖めて食べなさい。
GM/「え、お兄ちゃん……明日も帰ってこないの?」
水沢/うーん、ちょっと難しいやつだからね。――でも必ず帰ってくる。だからお前はここでゆっくり待っていてくれ。
GM/「うん、判った。お兄ちゃんも頑張ってね!」
水沢/――お前の笑顔が俺の安らぎなんだ。あんまり心配させぬようそれ以上は言わずに行こう。……明らかに4〜5人分の弁当を持って。
GM/「きっと学科の人と食べるんだろうな。……で、一つには炭水化物を入れちゃいけないと念押しで言ってたし」
成増/ああ、凄く愛が感じられる……!(笑)


 ★土曜日 成増


成増/夜、家を出る前に妻のおツルと話そう。――すまないが、今夜は帰って来れそうにない……仕事の関係でな。
GM/「学校の先生も大変なお仕事ですからね」
成増/そう、お前は前世も判ってくれたな……。
GM/……。少し黙って『あー、そうだったわねー』と思って笑う。「いってらっしゃい」
成増/じゃあ、――行ってくる。生きて帰って来るからな。
GM/……そこで、只ならぬ気配を察しようか。「あなた、……本当はどこに行っているの?」
成増/……本当の事を言っていいのか?
GM/「だって、あなたの妻ですもの」
成増/素敵な妻を持てたものだ、私は。実はな。
GM/「はい」
成増/…………女子大に行ってくる。
一同/言った!(笑)
晶/お前、いいかげん見捨てられるぞ!(笑)
GM/「え。えっと……ど、どうして夜に?」
成増/それが仕事なのだ。
GM/「何しに?」
成増/女子大の仕事なのだ。
GM/……あなたは確か高校教師
成増/愛してるぞ。
GM/「……。はい、帰ってきてからゆっくりお話しましょうね」
成増/ああ、私も君ともっとゆっくり話がしたい。生きて帰ってくるよ。……女子大から!
GM/……なんだかなぁ、おっかしいなぁ(笑)「お腹が減ったらこの炭水化物の入っていないおにぎりでも食べてください」
成増/おぉ、ノリにぎり! 中には大好きなシャケ! コレを唐揚げにして帰ってくるよ、……女子大から!
GM/「はい、いってらっしゃいませ」
成増/ああ、愛してるぞおおおぉぉ!
GM/それには隣の部屋から息子達が「お父さん、うるさーい」
成増/息子達も愛してるぞおおおぉ生きて帰ってくるからなああぁぁ! ……女子大から!
GM/……そんな感じでおかしなテンションのお家でしたとさ(笑)


 ★跡見学園女子大学


成増/夜の学園に人はいないな?
GM/警備員がいる。隠密行動をどうぞ。
晶/(ころころ)普通に成功。……オッサン、着物は着てくんなよ。
成増/……私のアイデンティティを奪う気か?
桜/じゃあ、黒い着物にしたらどうですか?
晶/余計目立つ!(笑) 洋服着て来いよ!
成増/なんてことを言うんだ! 私は着物を脱ぐと槍レベルが下がるんだ!
水沢/そんな事言ったら、変身中も着てなきゃいけないじゃないか。
成増/ハッ、……頭良いな! じゃあガープスとおそろいの黒で行こう……ふははは敵を全員葬式送りにしてやるわぁーっ!
晶/だから意味わかんねーよ!(笑) 折角隠密行動してるのに高笑いすんじゃねーよ!
GM/それでもサササ……着いた。跡見花跡の色々あるところの裏。誰もみんな入らない場所だ。ちょっと木々が生い茂っていて判りづらいけど、草木に埋もれていて判らないようなところに……地下への階段が! フタには変な模様が刻まれている。戦闘員達のものと同じだ。
成増/……何か、爆発物のスキルを持っている者はいないか!
晶/それどこのデモリッションだよ、そこの教師!(笑)
水沢/あ、毒物だったらあるけど。
晶/なんか流すの!?(笑) ここ一応女子大なんだけど!
水沢/空気より重いものを流せばいいじゃないか。
成増/あー爆発物とれば良かった。ちぇっ。
GM/いや、持ってたら捕まるから。
成増/あ、そこは電波系だから!
晶/だからって許されないから!(笑)
成増/でもフタの上に重い物を乗っければ敵も「出られないよ〜」ってなるだろう!
GM/……ワープすると思うよ。
成増/あ、そっか。凄いねファンタジーの世界って!(笑)
水沢/ところでお弁当作ってきたんだけど、今食べるか?
成増/……勿論、私のおにぎりは……。
水沢/判っている。……愛ある手作りお弁当だ。
成増/……きゅんっ!
晶/なぁ、そこで薔薇が咲いてるんだけど!?(笑) どーでもいいからさっさと行くぞ!


 ★地下


GM/潜ると、そこはまるで神殿のようだ……かつて行ったレガル=クラーテの修業の場をもっと黒くしたような建物。
成増/ダークオーラが滲み出ている……。
桜/もう敵陣の中にいるんだから、変身しておいた方がいい?
晶/そうだな。『ブレイズ・アップ』!
GM/変身。……階段を下り、悪しき空間を歩いていくと、扉がある。
晶/……開ける。もう躊躇わない。
GM/ぎ、ギギギィ……。扉を開けると、そこには部屋一面びっしりとデカイ魔法陣が描いてある。
成増/罠か? ……足を踏み入れる。
GM/ブンッ。――各々の前にビジョンが浮かび上がる。
晶/なんだっ?
GM/薄いモニターが動き出す。そこに映し出されたのは――見たことのある影を見る。アーバン=デ=クラインを……。
晶/前のマレディクシオン!?
GM/場所は商店街。アーバン=デ=クラインが戦闘員達を引き連れてあちこち破壊している。逃げまどう人々。「キャー!」「助けてー!」そこに映っているのは確かに商店街の映像です。
成増/……キュー太、応答しろ!
GM/……繋がらない。映し出される虐殺される人々。
晶/くそっ、モニターに両手剣ぶっ叩きつける!
GM/目の前の映像が消える、……直前。桜の友人の女の子が「キャーッ!」と言ってるのが見えた。
桜/サキ……っ!?
GM/プツン。……その映像は消えてしまった。しかし、今度は晶の目の前にモニターが現れ、ある映像が流れる………晶の近くの家の映像だ。
晶/げ……っ!
GM/B住宅地の映像。……まさか応戦することもなく、晶のお母さんが斬り殺されていく。
晶/あ、ああぁ……!
GM/「キャアアア!」ザクゥ。そこにはナツミちゃんの姿も……「ちょ、ちょっと、なにこれー!?」ブスッ、ギャー!
晶/……呆然とする。
GM/「アハハハ、もっとやれ! 殺せ、破壊しろ……っ!」
晶/ガンッッ! モニターに殴りつける!
GM/パリ、……今度は真の目の前にビジョンが映ります。真が住んでいる所の映像だ。
水沢/よ、予測がついて目を瞑る!
GM/目を瞑った。――じゃあ他の人達は見る。「お兄ちゃん、おかえりな……」ストーン! 首が、落ち……恐怖の色に満ちた目がぎょろりとこちらを……。
水沢/あ、ああ……妹が心配なので帰りたい!
GM/帰りたい、そう強く考えてしまった君。そして母親と幼馴染みが殺される映像を見てしまった晶。――二人とも、恐怖判定をどうぞ。
晶/(ころころ)……15、ファンブル!
水沢/(ころころ)こ、こっちもファンブルだ!
GM/では、3点疲労してください。フラっ……って感じかな。
晶/一瞬意識が遠くなって、……ガンッとそれを斬る!
水沢/……も、もしかしたらこれは偽物かもしれない!
GM/しかし、今日の月の形……商店街にある時計が今の時間と同じものだ。
水沢/物凄い精密に作られて、時間だけを合成で作っているという可能性がある! ……多分次はみどりの番だと思うから気を付けろ!
成増/はは、大丈夫だ、おツルは【キュマイラ・キュマイラ】だから今頃「完全獣化」で応戦してるさ!
晶/お前の電波はそこまでかよ!(笑) 現れたらモニターを真っ先に壊していいか!
成増/おツルの勇姿を見ないのか貴様は!
晶/電波に付き合ってられるか、現実を見ろ!
GM/では、ブンッ……と、ご想像通り成増さんの奥さんが息子達を守るように……男達と綿棒で混戦中。
晶/オッサンの目を塞ぐ!
GM/奥さんは綿棒で戦います。が、敵はワープして攻撃して来ますからね、先に子供達が殺される。「わああぁっ、お父さんー!」
成増/……。
晶/……オッサン?
成増/あいつらは、ウチの子供じゃない。
一同/ええええぇ!?
成増/ウチの子供達は今頃アリアンの世界で戦士になっている! 立派なガンドッグになるのだぞぉー!
水沢/……電波が凄いことになってきた(笑) もうモニターを攻撃する!
GM/壊される前に、……棍棒で戦っていた奥さんの悲鳴も……。
成増/大丈夫だ、生きている! 奴らは絶対生きている。私の家族だから生きている! 生きて帰って愛していると言うんだ、私は――!
GM/……それなら、恐怖判定はいいや。
晶/電波強ぇ!(笑) それって、俺らの家族より絆深くね?
GM/という訳で、最後の映像。場所は……シャノアールのようだ。キュー太が「ガーディアンナックシールド展開! 今のうちに早く逃げるっキュ!」と叫んでいる。そして現れるアーバン=デ=クライン。「ここまでだ……」攻撃を受けるキュー太。「ミャーッ!」飛びかかる猫。
桜/猫、強い!?
GM/「ふんっ、やかましい猫だ……」振り落とされ、ベチッ――壁にベト、ズルズル……。
桜/あっ、ねこー!
GM/タケル君も「よくもキュー太をー!」とアーバン=デ=クラインに襲いかかる。だけど子供なのであっという間に……。
晶/……クッ。
GM/「仕方ない、最後の切り札を使うっキュ……」そう言ってキュー太は、胸に掛けてある星のペンダントを握った。「みんな、バイバイだっキュ……」走り出すキュー太、そして――爆発。
成増/特攻!?
GM/「こ、コイツ……!」ドカーン! ――静かになるシャノアール。「キュー太? ……キュー太あぁっ!」
晶/モニターをガンッ! と殴る……。
GM/シュンッ。消える映像。――もうモニターは出ない。
桜/ねこ……。
水沢/あ、あぁ……少し休んで気を落ち着けよう。休めば……。
成増/……ドラゴンボール希望。ともかく、先を進むぞ。
水沢/大丈夫か……?
桜/……大丈夫だと思います。
晶/……。
成増/少年、今の気分はどんなたれパンダだ?
晶/……オッサン。俺、今はお前のボケに凄い救われてる。
成増/そうか、……それは良かった。
水沢/……大変だろうが、大丈夫だ。みんないっしょなら乗り越えられるさ。


 ★最奥


GM/道は続いている。真っ直ぐ、どこまで行っても真っ直ぐ続く路。
成増/歩く。辿り着く場所までな……。
GM/歩いて、歩ききった一番奥の場所に、……装飾の施された扉がある。
晶/……。
水沢/行こう。開けるぞ……。
GM/ぎ、ぎぎぎ、嫌に重い音だ……精神的にも。
成増/……何がある?
GM/扉を開いた先は、黒いベルベットに覆われた空間だ。そこの真ん中に、立っている男がいる。……ノイエ=ザハリカイトだ。その視線の先にはモニター。「キャー!」「うわああぁっ!」「お母さーん……っ! 地上の地獄絵図が浮かび上がっている。
晶/……そこまでだ!
GM/シュン、消える映像。「――今まで見て来ただろう、そのモニター。アレ、地上で起こっていたことなんだよね。……守るべきもの、帰るべき場所が無くなったよ……君達はまだ戦う?」
晶/……うるせぇな。そんなのどうでもいいだろ。
GM/「ふふ、強がりだね。――ボクにはね、君達をこの現実から逃す手段を持っているよ。こっちの世界に来ないかい?」
水沢/それは、……どういうことだ?
GM/「君の妹さんや、桜さんの大好きな猫たち、ナツミちゃんどころか、トウヤくんだって生きてるさ。……それどころか炭水化物だって無い世界だ。……そんな場所に君達を招待してあげてもいいよ」
晶/――いいかげんにしろ! 俺達はなぁ、てめぇらに好き勝手にされたくないから戦ってんだよ! 俺はてめーにムカついてる! 戦う理由なんてそれでいい!
GM/「ふんふん。……じゃあ、他の人達はどうだい?」
桜/……悪い人は許せません。
GM/「なるほど、悪い事が許せない……何が善で何が悪なんか判別なんてできないのにね?」
桜/……帰る場所は、作ればいいんです……また。
GM/「また作る? ……じゃあ君は?」
水沢/……お前らのせいで、妹や友人の命が奪われている。……俺は妹がとても大切で、見守ってきた。幸せになってほしいと思っていた。……でも、俺がここでお前の甘言に乗ってしまったらアイツはきっと悲しむ。本当にあの子が死んでしまったとしても、俺は……妹に顔向けできる兄でいたい。
GM/「……そこの人は?」
成増/……帰る場所はいなくなったとしても、私の帰る場所はアイツらだけだと信じている。だから、そちらの世界でまた新しいアイツらを創るというのには頂けないな。――それに、そんな映像は嘘だと判っているからな! 槍を構える!
晶/――残念だったな、俺達はテメーの言葉になんか乗らねぇ!
GM/「……六月十七日。何のことだか判る?」
水沢/……先週?
GM/「永遠に繋がる空間を作った日だよ。そこに入れば君達はもう戦うこともない、誰もが蘇る、君達にとって最も良い結末が待っているんだよ。……それでも?」
晶/……んなもん、いるか。
水沢/……つまりそれは、マレディクシオンがレガル=クラーテの戦士達を封印するために作ったんだろう? 俺達が死んでもまた新たな戦士が現れる、それを封じるための手段だろう。
晶/そんな手に乗るか、――それに俺は、トウヤの力を受け継いでいる。負ける訳にはいかねー!
GM/……すると、君達の決断に反応したかのようにそれぞれ武器が光り出す。キュー太のツバサのようなものがそれぞれの武器に付与し……各々攻撃力がプラス3になりました。「みんな……頑張るっキュ!」
成増/……みんな聞こえたか、キュー太の声が。
水沢/ああ、キュー太の遺志を無駄にはしない!
GM/「ふん。――ほら、セルヴァー様がお待ちかねだよ」ノイエ=ザハリカイトが奥へ消え、薄青い空間がより広く広がっていく。周りには大きなコンピュータとコードの山、そして。――医者であるブルー以外は全員恐怖判定を!
晶/(ころころ)クリティカルした!
桜/(ころころ)大丈夫です。
成増/(ころころ)成功。
GM/全員、息を呑んだが何か判った。――巨大なカプセルに入った脳味噌だ。「これが邪神帝国マレディクシオンのセルヴァー様さ」
晶/……この、脳味噌クラゲか?
GM/ノイエが合図を出すと、手前のモニターにカタカタと文字が出始める。

『コノ星ヲ我ガモノトスル サスレバ カツテ火星デアッタ我ガ意思ヲモッタ生命トナル』
『火星ハ我デアッタ アノ星ハ生キテイタノダ アノ星ノ寿命ガ訪レ 我ハ地球ノ存在ヲ知ッタ コノ星が我ノモノニナレバ 我ハマタ生キルコトガデキル』

『我ガ生ノ為ニ死スベシ』


水沢/命ある者はいつか死ぬ。その生命の流れに身を任せなければいけないことが……判らないのかっ?
晶/そんな理由で支配しようとしてんじゃねーよ。史上最強の我儘野郎――戦闘開始だ!

 ●戦闘/1ターン
GM/「ボクはこんなことも出来るんだよね」とノイエが呪文を唱えると、四人に増える。距離は遠距離です、ターンはそちらが全て優先、どうぞ!
晶/まずは移動、追撃頼む!
桜/はい! 奥のセルヴァーに向かって猫ビームいきます。(ころころ)成功、8点!
GM/カシャン……ッ、とケースが割れる。
成増/中距離なので、移動して槍いきます!(ころころ)ノイエAに、斬りで9のダメージ!
水沢/では、全員に3ターンかけて【氷結武器】かけます!(ころころ)……えっと、ファンブル表ふります(笑)
晶/……あの、今日疲れてる?(笑)
成増/っていうか、6・6・6? ある意味ラッキーデイだな!(笑)
水沢/い、妹の悪夢を見ちゃったから……!
GM/(ころころ)……けど何事も起きなかったようだ。魔法は不発だね。
水沢/よ、良かった……良くないけど!
GM/ではこっちいくよ。ノイエAとBとDは呪文を唱え始めた。Cは前に攻撃。(ころころ)斬りで10のダメージ。
晶/ち、5点もくらった……!
GM/奥のセルヴァーは、……繋がっているコードで攻撃。ヒュインッ!(ころころ)グリーンに9点の叩き!
成増/つまり奴は触手か! 4点……ぐはぁっ!

 ●戦闘/2ターン
水沢/ああ……今度から俺は大人しく回復します……しくしく。
晶/頼む! 呪文を唱えているDに普通に攻撃!(ころころ)斬りで11点。
桜/全体攻撃、猫レーザーいきます。(ころころ)……11!
GM/全員に当たります。……そして呪文の詠唱も全員途切れます。今の攻撃でセルヴァーの脳味噌がドロリとケースから溢れ出す。カタカタカタ、文字化けのようなものを映し出し、……泡がぶくぶく。
成増/槍いきます。(ころころ)ノイエAへ斬りで13のダメージ! 
水沢/回復する!「勇者達に光あれえぇ!」キラキラ……完全回復だ。
GM/回復された。……ではこちらのターン。Aは移動してグリーンに攻撃。(ころころ)爪で斬る、15!
成増/……無理だ! レッド
晶/か、庇う! ザクゥッ、……って俺も食らったらヤバイな!
成増/し、少年ーっ! 一撃でHPの半分以上を食らったから【朦朧】か……でも【我慢強さ】持ってるから倒れないな? ……始めのターンで回復してくれ。
晶/HP0になって、ぜーはー……!
GM/という訳で早めに回復した方がいい。それじゃあまた呪文を唱え始める面々、プラス、目の前を攻撃……。
晶/アクロバット避けいく!(ころころ)ヒラリ成功……あっぶね!

 ●戦闘/3ターン
晶/ターンの始めなので【生命力】判定!(ころころ)うん、大丈夫。血ダクダク流しながら痛ぇ……!
水沢/すぐ治すから持ちこたえてくれ!
晶/わかってる! Dを全力攻撃二回いくぞ。(ころころ)一回目ダメージは斬りで9点。二回目は必殺技……防護点無視6点だ!
桜/疲労点が危ないけど、あともう1回猫レーザーを放ちます!(ころころ)にゃーおー……5。
GM/(ころころ)B避けて、Dが死んだ。ぷしゅー。
成増/Aは生きてるのか、……必殺技使えば中距離からBへ攻撃できますか。
GM/可能です。
成増/呪文を使われるとヤバイから、一撃でいくぞ! 『砕けちれぇええ!』(ころころ)ダメージ11×2で22! ザクァアアッ!
GM/大分食らったので【朦朧】状態になります。そしてBの呪文詠唱は消えました。
成増/ぜーぜー、まだ倒れないか……後はガンバレ!
水沢/頑張る! 「光あれー!」全回復だ。
GM/それじゃあ、Bが攻撃をグリーンへしかける。(ころころ)ダメージ12点……斬り。
成増/ぼ、僕らの地球をまもってー!(笑)
晶/庇う! ……攻撃は全部こっちに来い!
GM/……それじゃあ、Cがレッドに攻撃。
晶/アクロバット避け!(ころころ)成功だ。
GM/くそぉ。では死にかけのAがもにょもにょ何かを唱え始め……その場でマナの力を呼び起こす。自分の命と引換に、全体攻撃をいきます。各々避けろ!
晶/(ころころ)失敗。
桜/(ころころ)ダメでした。
成増/(ころころ)ダメだ、失敗。
水沢/(ころころ)失敗!
GM/全員当たりか。(ころころ)各々10点。衝撃叩きダメージ!
晶/ぐあああぁっ! 俺と桜以外は【朦朧】だ!

 ●戦闘/4ターン
成増/【朦朧】回復!(ころころ)成功。
水沢/(ころころ)ダメだ、動けない!
晶/回復が潰れた! ……ノイエCを普通の攻撃で斬る。(ころころ)7点!
桜/Cの方を猫ビーム(ころころ)成功、8。
成増/なんとか潰す、Bの方を槍で斬る!(ころころ)10ダメージ。
GM/……その攻撃を食らい、Bは死亡。ではCがレッドへ攻撃!(ころころ)ダメージは、8。

 ●戦闘/5ターン
水沢/【生命力】判定(ころころ)……10、失敗。
晶/あのーそろそろ俺半分なんだけど! ……仕方ない、全力攻撃でCに向かって二回攻撃!(ころころ)一回目11点、二回目必殺技使用で防御力無視14点! どうだ――っ!
GM/ザン、ザァンッ! ちょうど、今の攻撃でノイエCは消える。
晶/やった……!?
GM/「もう遅いよ、……君達の大切な人達はもういなくなったんだから」消える瞬間に、ノイエは呟く。
成増/不吉なことを。おい、大丈夫か……っ?
水沢/あ、ああ……奴らの言ってたことが真実とは限らない。まずは自分たちの目で確認して、それから後のことを考えよう。
成増/そうだな。――セルヴァーの方を見ます。
GM/ケースから飛び出した脳味噌はぐちゃぐちゃ。動きはない。
成増/……これでセルヴァーはやっつけられたのか? 随分アッサリしているように見えるが。
晶/判らねぇ。……コンピュータも壊しておく。
GM/剣を一降りされると、簡単に周りのコンピュータは壊れます。……もう、変な波動はもう感じることはない。
成増/全部、終わったのか……これで?
晶/……変身をといて、地上に戻ろう。それで何も無ければいい。


 ★夜明け


GM/地上に出た四人。外は暗く、とても静か。もう夜は明けるのかもしれないほど明るい。……炎で。
成増/人はいるか……誰か! おーい!
GM/おーいおーいおーい……。その場所はモニターの映像とそのまま。商店街の時計は、あの時と同じ時間のまま止まっている。
晶/そ、そんな……シャノアールに行く! タケルは!?
GM/カランカラーン……焼けこげた喫茶店。タケルの姿はなく、ボロボロになった店内。キュー太もいない……猫が倒れています。
桜/ね、ねこー……生きてる?
GM/どうやら息はあるようだ。……桜さんは気付く。猫の近くにキュー太の持っていた星のペンダントが落ちていることを。
桜/……拾います。
成増/……神社に行って女王に会おう。ここにいても……悲しくなるだけだ。
水沢/ワープ装置は可動しているな? そこから神社に行こう。
桜/……猫も連れて行きます。
GM/焼けたシャノアールの奥の部屋に進み、見よう見まねでワープを作動――。氷川神社の地下に飛びます。
晶/……キュー太はいるか?
GM/いない。そこにあるのは、白く光っている水晶……その中にいる一人の女性。
成増/女王、……終わったぞ。
GM/すると頭の中に直接語りかけるような女性の声が聞こえる。「ありがとう、護神戦隊ガルディオン。これですべてが終わりました」
晶/……。
成増/……すべてが終わったのか、本当に? 『この結果』も、すべてのうちに入るというのか?
GM/「悪は皆、滅しました。貴方達は本当によくやってくれました。この世界は救われたのです。……けれど」
桜/……けれど?
GM/「けれど違う結末を望むのならば方法があります」
水沢/……ゆっくり顔を上げる。
晶/……なんだよ、それ。
GM/「ブレスレットを私のもとへ」
晶/……外して渡す。
GM/「ありがとう。――今までのことは、何があっても誰にも秘密ですよ」


 そう言って光が生じる。
 強力な力――マナの渦。
 大きな力に意識を奪われそうになる中、女王の声が聞こえた。

「万物は流転し、物語は良き日に向かう。
 貴方達は……地球を救ってくれました。
 ならば、少しぐらいズルしても許されるでしょう?」

「世界が終わり、世界が滅ぶ。また世界が初まる」

「それは聖王都レガル=クラーテに護られし地球の再来なり。
 すべては戦士達の願い。すべては私の願い」

「さあ起きなさい、新しい世界へ――」



GM/「お兄ちゃん、お兄ちゃん、……もーっ。また夜中まで絵描いてたの?」
水沢/……サトミ?
GM/「うん、何?」目の前には妹の姿、窓からは青い空が覗ける。
水沢/え? あっ?
GM/「もう、寝過ぎだよお兄ちゃん」
水沢/……サトミ。今日何日だっけ?
GM/「今日ねー、六月二十四日。土曜日だよ」
水沢/……土曜日?
GM/「うん」
水沢/……飛び起きて、窓から周りを見る!
GM/「今日は天気が良いね」
水沢/……そうか。
GM/「お兄ちゃん、今日は予定ある? どっか行くの?」
水沢/ああ、……お兄ちゃん、これから行く所があるから。
GM/「どこに行くの?」
水沢/うん、――ちょっと友達の所にな。
GM/「そっか、いってらっしゃい。お兄ちゃん」

 真の新しい未来――。

GM/「お父さん、お父さーん! おはようっ!」
成増/ん、んー……んんんっ?
GM/「なに、まだ寝惚けてるの。あんなに遅くまで飲んでるから!」
成増/む? ……私は、遅くまで飲んでいたのか?
GM/「えっ、僕達はそう見てたけど?」
成増/むぅ。……いつもの調子でテレビのリモコンをポチッとな。
GM/もう朝のニュースは終わって何かと特集がやっている。『イルカの赤ちゃんが産まれました』「もうっ、お父さん! テレビなんかおいといてさ」「親父、最近出張でいなかったじゃん? だから……ハイ、コレ!」もじもじと息子達から渡されるのは……細長いプレゼントボックス。
成増/何だ?
GM/「父の日だったじゃん? 忘れてた?」
成増/おう、忘れてた。……お前達が選んでくれたのか?
GM/「うん。俺達が選ばないで誰が選ぶんだよー」
成増/そうだな、そうだった……。三人ともギュッと抱きしめる!
GM/「わーっ、苦しー!」
成増/ああ、苦しいだろう……この苦しみを乗り越えて大人になっていくのだああぁ!
GM/それを遠目に見て笑う奥さん。「ふふっ、あなたったら……」
成増/……ところで今日は、六月二十四日か……出張続きだったし、今日明日と、どこかに行くか?
GM/「わーい、行く行くー!」「旅行だね、どこに行こうか!」
成増/伊香保温泉にでも行くか。……でもちょっと、今日は行く所があるからダメだな。
GM/「そうなの、あなた? 一体どこへ?」
成増/シャノアールだ。それと、――愛してるぞ。

 みどりの新しい道――。


GM/「ミャー」……どすどす。
桜/んー……。
GM/「ミャーミャー」……どすどすどす。
桜/みー……?
GM/体の上に、重いものが乗っかかっている感じだ。猫がドスドスしてる。及び、携帯電話がけたたましく鳴っている。
桜/なんだろう……とる。
GM/友人からのメールが入ってきた。『昨日学校来なかったけどどうしたの? 今日、甘いもん食いに行くって約束してたじゃんー!』
桜/……サキ?
GM/「ミャーミャー」猫が君を起こしてくれたみたいだ。……その猫には首輪がついている。星のペンダントのような……。
桜/……どこでそんな物つけて来たの?
GM/「ミャー?」
桜/……もしかしたら?
GM/「ミャー!」鳴いて、猫は下りる。そして玄関前で待っている。
桜/着替えて出ます。
GM/ミャー……トコトコ。どうやらシャノアールに向かっている。
桜/ま、待ってよー。
GM/ミャーミャー。「……しあわせそうだな、弥生桜」

 桜の新しい生活――。

GM/「晶ー! いつまで寝てるのー!」
晶/……って、どわああぁ! ヤッベ! いつもの通りに着替えて階段下りる!
GM/「アンタ、なんで制服着てんのよ?」 
晶/え? ……あれ、今日休み?
GM/「もう、何やってるのよ。今日は創立記念日でお休みでしょう? 大体今日はトウヤくんとナツミちゃんの3人で出掛ける予定があるって言ってたじゃない。それなのにこんなに遅くまで……」オカンがぷんすか怒ってる。
晶/……今、何時?
GM/朝9時。「もう目玉焼き冷めちゃったわよ! さっさと食べなさい!」
晶/……ご、ごめん。着替えてくる……。
GM/ぷんすか怒られ、部屋に戻るとちょうど電話の着信音が鳴る。
晶/取る。……ナツミからか?
GM/いや、トウヤくんからだ。『もしもーし?』
晶/……。
GM/『おーい聞こえてるかー? 電波の調子が悪いのか? 電波でんぱデンパ〜っ』
晶/俺に電波とか言うなああぁ!(笑)
GM/『ったく、何だよ。約束の時間忘れるなよー。……って、どうしたんだ?』
晶/あっ、いや……なんでもねえ。じゃあ……約束の時間に。
GM/『んっ? ああ、忘れるなよ?』
晶/……ああ、判った。絶対行く。
GM/『じゃあなー』プチッ。
晶/……着替えて、冷めた目玉焼きを食べて、それから――シャノアールに向かう。

 晶の新しいはじまり――。


桜/ねこー、待ってー。
GM/ミャーミャー……猫が走っていった先、一人の少年が猫を抱きかかえた。「あ、クロ! どこ行ってたんだよ。……お姉ちゃん、クロのお友達?」
桜/……うん、お友達。
GM/「そっか。猫好きの人に悪い人はいないっていうし、姉ちゃん良い人だよね? ……ハイッ! 本当はペット飼っちゃダメだってお父さんが言うんだけどさ。オレの家で飼ってたの」
桜/猫を抱いて。……君は喫茶店の子?
GM/「そうだけど? あ、ウチのお客さん? それならいらっしゃいませー」カランコローン♪
成増/――アルビノの女性が入ってきたのに気付いて、手を振ってみる。もう中で緑茶を飲んでるぞ。
水沢/同じく、みどりといっしょの席でコーヒーを飲んでる。
GM/「あ、ゴメン。姉ちゃん、誰かと待ち合わせしてたんだね」
桜/うん、ごめんね。……猫をつれて成増さんの方へ行く。
晶/カランカラーン! ……店内を探す。
成増/やぁ、こっちだ。
晶/……。
GM/「いらっしゃいませ。ご注文は何になさいますか?」
晶/……コーラで。
GM/「かしこまりました。……オマケにフロートをお付けしましょう」去っていくマスター。
晶/……よう。久しぶり、か?
成増/ああ。まずは状況を確認しよう。……私達は一体何だ?
水沢/お互い、あの記憶はあるんだな。……俺達の中だけではある、だが現実の世界では無かったことになっているみたいだ。
成増/さっきの様子を見るとタケルやマスターとの関係は途切れているようだがな……死んだ人が蘇ったとかそんな事はなかったか?
晶/……トウヤがいた。ここは、マレディクシオンが無かったら――という世界なんじゃねーか。
桜/でも、……キュー太の星が猫の首にあるんです。ミャー。
晶/……お前、キュー太なのか?
GM/「んみゃ?」
水沢/……なぁ、これから神社に行ってみないか? もう一度女王様と話がしたい。
成増/ああ。まだ時間があるから大丈夫だぞ。……それと。
晶/ん?
成増/こう言っておくべきなのかな、――『初めまして』。
晶/……初めまして。


 ★氷川神社


GM/境内に向かうと、鍵が掛かっている。そこで掃除をしているおばあさんが一人。「なに開けようとしてるべさ、ここはご神体があるんだべ」
晶/ご神体って、どんなやつなんだ?
GM/「それはそれはありがたいものでのー」
水沢/ちょっと見せて頂けますか?
GM/「んー、ちょっとだけだべ。社会科の見学だべか?」……がちゃがちゃ、開けてもらいました。
晶/中に入って様子を見る。変わったところは?
GM/特にない。ご神体があって、その隣に、……本があった。古い文字で書かれている古文書だ。
成増/【神秘学】……というか教員の知識として古語は読めるだろう。(ころころ)成功。
GM/始めの方はどうでもいいような内容の本だ。……だけど、後ろの方にコッソリ……女性の文字が付け加えられている。
成増/むむっ?
GM/一番最後のサインが目に入る。『ネージュ=フルヴィール=レガル=クラーテ』。
成増/……古文書と言っても、どう見たって日本語じゃないな?
GM/そうだね。まるでメモのような一文だ。

『これを発見したということは、私の魔法が成功したということでしょう。貴方達のおかげで世界は救われました。かつてマレディクシオンを封印した力を使って貴方達の大切なものを蘇らせました。
 私とキュスティーク=キューテリアはこの星に還ります。
 ありがとう』


成増/……ありがとう、と書いてある。
晶/蘇らせたって、偽物じゃないってことだよな?
水沢/この星に還る……ということは、俺達の何かが遅すぎたのかもしれない。犠牲として二人を失ってしまったということだろう。
GM/女王のメモの下に、もう一つ書かれている。『すべては私の願い』と……。
成増/これですべてが終わり、すべてが戻ったということか。
晶/ああ……。
桜/……。
水沢/……。


 ★シャノアール


成増/すべて終わった。けれど、――我らの関係はこれで終わらせてよいのか?
晶/……は?
水沢/……それは、キャラクターの質問? プレイヤーの質問? それとも電波の質問?
GM/じゃあ、電波な質問で。【電波】でふってください。
晶/えええぇ、ここで使うの!?(笑)
成増/はいいきまーす。(ころころ)……あははははは! 1・1・1でクリティカルだぁー!(笑)
一同/アンタ最強だああぁ!(笑)
晶/最後の最後で何やってるんだぁー!(笑)
GM/電波のクリティカル表なんてねーよ(笑) ――では、神様が現れました。
水沢/神様!? 電波で通じるのか、神様にも!(笑)
GM/神様です。「んー、キミタチの記憶を消さなかったのはナンデだと思うヨ?」
成増/な、何でですか?
GM/「この記憶キミタチは知っておいてイイコトだろうし、今まで築いた絆を失くしてほしくなかったからじゃないかなっ?」
成増/そ、そうか……ありがとうございますカミサマ!
GM/……みんなから見ると何この人な雰囲気だ。
桜/猫が威嚇してますよ(笑)
GM/「それじゃあな〜、オマエラしあわせに暮らせよ〜、たまにはワタシにもお参りしておくれ〜!」
晶/訳わかんねーよ!(笑)
成増/……ハッ! ここはどこの世界だったかな? ――ともあれ、私達のこの関係は切って良いものかな?
晶/……俺、ぶっちゃけこのオッサンとは切りたい!(笑)
成増/いやいやもうメールアドレスも交換した仲じゃないか! ロイスは結んでるぜ、タイタスにしないで!
水沢/じゃ、じゃあ……。席から立ち上がって言う。――俺達はこの戦いで多くのものを失ってそれでも平和のため、みんなで力を合わせて戦ってきた。その結果、救えなかったものもある……レガル=クラーテの存在を無いものにしてしまったのかもしれない。だから、俺は救えなかった人達の命より多くの命を救いたい。俺は今以上に医師への道を目指すことになるだろう。お前達と会うこともできないぐらい忙しくなるかもしれない。けど、お前達が困った時はいつでも呼んでくれ。
晶/ああ、……ガンバレよ!
桜/……またね。
水沢/後ろ手に手を振って、去ります。
成増/……絆は、これからも深くなっていくものだ。……お前のおにぎり、美味しかったぞ。
桜/……あ、そうだ。私、甘い物を食べに行くって約束してた!
GM/そんな桜さんの元に、ぷるぷるぷる……電話が。『桜ー、まだー? 今日ケーキバイキング食べに行くって言ったじゃんー! もうみんな揃ってるってー! 今日はアタシがカレシにフラれた話聞く約束でしょー』
桜/うん、今行く!
晶/じゃあな、そっちも頑張れ。
桜/うん。……猫、また来るね。
GM/バイバイミャー。……ばたん。
成増/さらばだ桜、君のビームは素敵だった!
晶/……。
成増/……。
晶/……あのさ、オッサンも今日は予定があるんじゃねーの?
成増/……ふぅ、良い茶だ。
晶/だから何かあるんじゃないかって訊いてるんだよ!(笑)
成増/ああそうだ。私は行かなければならない、――違う世界へ!
晶/行くの!?(笑) 
成増/君には助けられた、本当に役に立っ……げふげふっ!
晶/俺、アイテム扱いかよ!?(笑)
成増/いやいや、お前のおかげで何度も私は助けられた。……そこは本当に感謝してるんだぞ?
晶/……本当にオッサンを庇って俺、何度も死にかけたな。
成増/あー、ちょー心が痛い(笑) しかし、この心の強さを元に羽ばたいていくんだ少年は! 大志を抱いちゃえよー!
晶/……じゃあな。
成増/冷たいなぁ。――私は、君の心の中にいつまでも生き続けるからなあぁぁ!
晶/とっとと帰れえええぇ!(笑) 灰皿投げる!
成増/ガンッ! 【跳躍】でヒョイヒョイ帰ります!
晶/マジ怪しい!(笑) ぜぇーぜぇーっ!
成増/あはははは愛してるぞおおおぉぉ!
晶/うるせええぇぇ!(笑)

    ◆

水沢/ただいま、サトミ。
GM/「おかえりなさい、お兄ちゃま」
水沢/……はうあっ!(笑)
GM/「ご、ごめん、お兄ちゃん……ビックリした?」
水沢/お、お兄ちゃん心の弱い人間だから(笑) ……さっきまでちょっと懐かしい友達に会ってきたんだ。……なぁサトミ。
GM/「うん?」
水沢/……俺はこの数ヶ月、色んなことがあったんだ。サトミには言ってないけどな。その中でいっぱい傷付いたり傷付けたり失敗したり失敗したり……色々したんだ。
GM/「そうなんだ……?」
水沢/兄ちゃんは格好いい兄ちゃんでありたかったけど、本当は全然格好良くない。……失敗しまくりだしな。でも、兄ちゃん……これからも頑張る。そして色んなものを大切にしていきたいんだ。だからサトミも……兄ちゃんなんかに負けないぐらいの大人になってくれ。
GM/「……うんっ、わかった!」
水沢/――という事で兄ちゃん、レポート出しに行くわ(笑) 頑張るぞーっ!

    ◆

GM/「つーか桜、どっかカッコイイ人知らないワケー?」
桜/……カッコイイ人?
GM/「うん、チョーカッコイイ人!」
桜/……赤い人と緑の人と青い人がいるけど。
GM/「何そのカラー?」(笑)
桜/最近知り合った人がいるよ。熱血な人と、変な人と、真面目な人。
GM/「真面目な人ねー……どんな顔?」
桜/カッコイイよ、とりあえず。
GM/「カッコイイのマジで! 写メない?」
桜/無かったかな……直接連絡してみる?
GM/「その人何歳? どんな人ー?」
桜/医大生。
GM/「マージーデー!? それチョー玉の輿じゃねー! ……あ、今度何食べる? 私取ってくるよ」
桜/あ、じゃあイチゴのケーキお願い。
GM/「うん、わかったー。桜もちゃんとコイバナ聞かせなよー!」

    ◆

成増/さっきまでちょっとした知り合いに会ってきのだが、……人の絆とは良いものだな。
GM/「そうね、人の絆は良いものですよ」
成増/そうだ。……だけど、一番大切なのはお前達だよ。
GM/「やだ、何言ってるんですか……つーん!」
成増/あははは、流石白兵の攻撃は強いな! 指先一つぜダウンさー! それじゃあ温泉までとばすぞー。みんなでお湯をかければ怖くないさー!

    ◆

GM/「私、まだネズミの国って行ったことなくってさ。今日本当に楽しみだっったんだ!」
晶/あーそっか。今日土曜だから思う存分遊べるな。
GM/「うん、流石に泊まりはマズイけど、いっぱい遊ぶぞー! ゴーゴー!」
晶/こっちはテキトーに遊ぶか。……トウヤ?
GM/「ん、何だよ?」
晶/……そういえば、お前さ。
GM/「……晶?」
晶/……いや、なんでもねぇ。
GM/「何だよ、変な奴だなぁ。おい、ナツミ呼んでるぞ。さっさと行こうぜ。
晶/――ああ!

 晶、桜、みどり、真。
 各々の六月二十四日が始まる――。



 ★後日談



桜/「友達のカレシが欲しいんでなってください」というよく判らないメールを大学生へ送信します(笑)
水沢/そっちの子と妙なフラグが立った! お、俺は妹のような奴がああぁ!(笑)
晶/それはどうかと思う!(笑)
水沢/い、いや、妹と結婚したいのではなく! 妹のように優しくて可愛くて純粋なような子がああぁ!
成増/それも激しくどうかと思うぞ……(笑)
GM/そういや、マコッチはナツミちゃんともフラグ立ってたね。モテモテだ。
成増/そうだ。……水沢に私もフラグ立てていいか、きゅーんっ!
水沢/あ、じゃあ……。時々みどりの家には訪ねに行ってると思う。
GM/奥さんと面識あるかもね。「そういえばこの間のノリおにぎり、主人に好評でしたわ」
水沢/いやいや、こちらこそいつもみどりさんによくして頂いて……炭水化物を使わない食材にはナンタラとカンタラと……ということでこんなレシピがオススメなんですよ。
成増/あー、ノリウマー。もぐもぐ。
GM/「うーんなるほどー。最近はシャケの代わりにタラコとか入れているんですけど」
水沢/ああ、それは大変宜しいですね。これに食物繊維を合わせると……ノリばっかり与えてると栄養が偏ってしまいますからねぇ。
GM/そこにピロピロピロン♪ メールが鳴る……。
桜/「教えちゃった☆」お勉強もサキにも頑張ってくださいねー。
水沢/あぁあ! 余計なことを!(笑)
成増/もぐもぐもぐ。……おーい水沢ー、おかわり。
水沢/ああっ、奥さんちょっと失礼しますね……。大盛りでぎゅっぎゅっ。メールは緊張しながら送信! みどり、もっと食生活を改めるべきだぞ! カチカチカチ……! はい、召し上がれ。大きくなりなさいみどりー。
晶/どっちが奥さんだよ!(笑) ……じゃあ、三人の携帯に同時に写メールを送る。ネズミの国で撮った写真で3人イエーイ。
GM/みんな、デカイ耳をつけて笑顔で映っている高校生三人。笑顔が眩しいね。
水沢/そのトウヤやナツミの姿に安心しつつ、「良かったな」と一言だけメールを送る。
成増/おお、ここがエリンディルか! お土産待ってるぞとメール。
晶/……水沢には「サンキュ」と送って、オッサンには「誰がやるかああぁぁっ!」貧乏学生に頼るんじゃねぇ!(笑)
成増/返信。三文字で、「米以外」。
晶/いつか米を送りつけてやる!
成増/あっ、いじめっこがそこにいるー! ……仲間だな、【サディスト】の……にや。
晶/いやだあぁ! いっしょにすんなー!(笑)
GM/――そんな感じで、四人の和気藹々とした日常は続くのでした。シャノアールの黒猫がミャーと鳴いて……。


 『ガープストランスフォーメーション 護神戦隊ガルディオン』   終


GM/使命「世界を救う」、特殊な背景「変身できる」、その他必殺技を消して一般人に戻ってください。お疲れ様でしたー!
一同/お疲れ様でしたー!(ぱちぱち)




おわり