ガープス・リプレイ・護神戦隊ガルディオン
■ 第1話 『守護者』 ■
2006年5月13日




●オープニング

GM/それでは、『ガープス・トランスフォーメーション』を始めたいと思います。まず、自己紹介をお願いします。
プレイヤー1(以下、晶)/プレイヤー名は楽田。キャラクター名、朱旺晶。十七歳の男で、ツンツン短髪の不良高校生です。特徴は【怖いものなし】【我慢強さ】などを持っている完全に前戦タイプで、弱点は【直情】なので考える事が苦手でぶっ飛んでいきます。煙草【中毒】で、【義務感/仲間】なので仲間を見捨てられません。……あと、貧乏なんで恵んでください! スキルはほぼ全部肉体系なので、前に出て戦います。
プレイヤー2(以下、成増)/じゃ次、プレイヤー名はマーサー。名前は成増みどり。男性三十五歳にしました。教師をやっております。
GM/教師って何の先生?
成増/【神秘学】を持ってますから、社会科の先生です。学校は、……高校にしときましょう。槍で攻撃して、【神秘学】や【尋問】【指揮】などを取ってます。【IQ】を高めにしましたので、後戦キャラにしていきたいと思います。……あと、【妄想】を持っていまして、この人は『炭水化物に襲われる』妄想に駆られます。ご飯中には気をつけて!
晶/……なんで炭水化物?(笑)
成増/なんで、……なんでだろうね。もしかしたらストーリーが進むにつれて謎が明かされていくのかもしれない。それと今さっき、ノリで「高校教師」って言っちゃったけど、プレイヤー1と同じ学校になるのかな?
GM/いや。今回初めて会う形になるね。じゃあお次どうぞ。
プレイヤー3(以下、桜)/プレイヤーはY。名前は弥生桜。特徴は……【朴訥】です。
成増/……すいませーん、ボクトツって何ですか?
GM/素直って事です。「宇宙人が攻めてくるんだってー」「えー、本当ー!」みたいな。天然で、『意思判定に成功しないと、言われたことを鵜呑みにしてしまう』そうです。
桜/他に【正直】で【アルビノ】。あと動物に共感したり、【柔軟】……って何だろ。技能はなぜか【歌唱】があり【読唇】があるそうです。。
GM/あと一人いますが、本日はお休みです。最初に説明しますが、このゲームはキャラクターの性格を演じるということが結構デカイです。CPをガジガジ使ったり使わなかったりして能力値を上げました。例えば、このキャラクターは【朴訥】なのに人の話を「それはおかしい!」と疑ったらおかしいと命じられるし、【怖いものなし】なのに「みんな、オバケ退治行くぞー!」「えー、俺イヤだよ」と言ったら「お前は怖いものなしだろう」とツッコミを喰らうよ。なので『意思判定』をしましょう。
成増/『意思判定』とは何でしょうか。
GM/成増さんの【サディスト】で例えると、「やめてよ〜、いじめないでよプルプル」というキャラに対して意思判定に成功すればいじめない。失敗するとウリウリ。
成増/そっか。【サディスト】は「不利な特徴」だからマイナスか。
GM/NPCはそれを見てマイナスの修正を受けたりもする。それでは、ガープス・トランスフォーメーション始めたいと思います。


 二〇〇六年五月、世界は幾度目かの窮地に立たされようとしていた。


GM/では最初に先生さん。時刻は、お昼。
成増/お昼、……おひるだと!?(バッと構えて)
晶/いきなりか!(笑)
成増/昼か……では。私は日本武道愛好会顧問なので道場にいます。
GM/道場ですか。部員の皆さんはまだお昼ご飯食べてますけど。
成増/道場の中心でお弁当箱を広げます!
GM/……中心で?
成増/中心で! 広い道場に一人きりで呪文を唱える! そして雄叫び! ウオオオオォォ!
GM/別の愛好会の先生がやってきますよ。「やあ、こんにちは成増先生。またこんな所でお弁当を広げて……」
成増/これから……私は戦に出るのです。
GM/「いくさ、ですか。はは、面白いことを言いますなぁ。そうだ、戦と言えば、最近の戦隊物は知ってますかね?」
成増/一体何の話ですか、……と言いながら箸を構えます! ほわたぁー! 気合を入れる構え!
GM/変な先生だ!(笑)「……いやぁ、息子が戦隊物が好きでねぇ。ほら、日曜日にやっているじゃないですか。何と言いましたっけ……ボウケンピーでしたっけ」
成増/TV番組のことですかトリャアアアァァ! オーラを纏い弁当箱に攻撃、震える大地!
GM/「……今日の獲物は何ですか?」
成増/今日のエモノは、玄米のおにぎりです。だが私は負けん! こうやって私は日々戦う! ……CPのために!
GM/「……で、ですね。今度の日曜日に息子がショーに連れて行ってくれと頼まれまして。先生の方は家族サービス、ちゃんとしておりますか?
成増/ゴスッ、ええ勿論ですともゴスズシャアアアァ!
GM/……何を倒して何をしているやら。本当に何やってるの?
成増/いや、【妄想】で炭水化物に襲われるというモノを持っていますからそれを消化している訳ですが。やらなくていいんですか……だとしたら今までのタダのアホですか!(笑)
GM/そこまでして炭水化物食うか。いや面白いんで良しとしますが。
成増/GMの許可を貰えた!(笑) そう、毎日悪夢と戦うのは妻が握ってくれるものですから食べないといけないもので! 炭水化物嫌いを知っていて出すんですよ!
GM/面白い奥さんだ。他の顧問の先生は「私もたまには早く帰って家族サービスといきましょうかな。先生はこれから部活ですか?」
成増/そうですね、昼時ですし。土曜だから今から部活なのです。
GM/「ですが、まだ生徒は昼ですからお弁当でしょう」
成増/ええ、だから私もお弁当と格闘しているのですよ。なにか?
GM/「…………いいえ」
一同/諦めた!(笑)
GM/……はい、その先生はにっこりと笑って「それでは」と去っていきます。
成増/「レンジャー物が人気なんだ」や「子供達に流行っている」ということを覚えています。
晶/子供がいるんだから知ってるんじゃないか?
GM/じゃあ一番下の子供がボーケンピーボーケンピー言ってた気がする。それではこの後に何かしたいことはあります?
成増/死闘を続けます!
GM/……どうぞ。そこにやってくる部員。「先生、おはようございまーす!」
成増/おはようドシャアアァァ! ほとばしる良い汗!
GM/生徒達はきっと「先生いつも面白いなぁ」と思ってる。まだ格闘続けてるんだ。お弁当を食べ終えて「じゃあ先生、今日もよろしくお願いしまーす」……というところで先生のオープニングを終わりにします。……一方その頃。桜さん。お昼時ですが何をしていますか?
桜/……食堂でぼーっとしてます。
GM/そこでぼーっとしている貴方の目の前には、カレシ自慢をしている友人がいます。「近くに水族館あるじゃんそこにカレシといっしょに行ったんだけどペチャクチャクチャ!」
桜/……ずっと聞いてる。
GM/「そこでねー、なんかイルカが一匹いなくなったんだってペチャクチャペチャクチャ!」
桜/そんな話をずっと聞いているけど、イルカのところでちょっと反応する。
GM/「うん、イルカ。この間見てきたんだけどね〜」そこに、お友達の携帯電話が鳴り出す。「もしもし? え、今からですか、はい、わかりました〜」ぴっ。「ごめん桜、私これからバイトでシフト入っちゃってさー」
桜/うん。ばいばい、またね。
GM/「またね〜!」……うるさい女友達がいなくなって静かになりました。まだお昼時だけど何してる?
桜/暫くぼーっとしている。
GM/……だけ? じゃあそんなお昼風景。……一方その頃。晶くんのお昼にいきます。高校のお昼風景だし、野郎は野郎でサークルを組んで食べているね。晶にはお友達がいたな。
晶/ナツミという女の子と、トウヤという男の子がいます。名前はカッコイイけどバカな男と、ナツミはショートカットの明るい女の子希望です!
GM/それをGMにやれって言うのか? ……じゃあ、晶のグループの中にナツミが入ってきて、君のお弁当のタコさんウインナーを奪って去っていく。
晶/あ、待てお前ー! ……ちくしょう、後でタコさんウインナー奪い返す。別の日にな!
GM/そんな青春の光景を繰り広げている昼休み。平和にもぐもぐ食べていると、トウヤが話し出す。「そういや最近地震多いよな」
晶/あー、多いよな。なんだかな世紀も末って感じだよな。
GM/なんかさー。「お兄ちゃん、怖〜いっ!」とかいう妹いないのかよ。
晶/……お前さ、最近変なアニメとかに影響されてね?
GM/ああ、シ○タープ○ンセス面白いよね。
晶/お、お前ー! しっかりしろー!(笑) しかもちょっと古いし! もうちょっと最近のやつやれよお前、どうせ中古で買ったんだろ。
GM/「だって安かったんだもん」――そんな感じでお昼の間もウダウダやってる。そんなほのぼのお昼風景。軽い地震が何回も来てるけど大地震はまだ来てないし、津波の影響も来てないと言われている。
晶/……微妙に変な感覚に襲われるけど、それも直ぐに消えて、友人達とバカ話に興じている。
GM/では最後の一方その頃。――ある医大の授業にて、ちょっと電波入っている先生が、あと授業時間五分というところで変な話をし始めた。「最近またムーで読んだんですけどね。沈んだムー大陸やアトランティスの他に……通称レガル=クラーテと呼ばれる大陸があってね。日本とアメリカ大陸の……この辺にあったんだよ! 古代語で『正しき光』とされ……」生徒達はまた電波な話し始めやがったとか思っている訳で……早く終わらないかなーと思っているある医大生だった。


 ★夕方


GM/時刻は学校が終わった夕方。自由に帰ってね。けど条件として三人とも帰宅する間、商店街を通ってください。
晶/じゃあ俺、ナツミとトウヤを誘って帰ろう。
GM/残念、トウヤは「悪ぃ、俺ちょっとバイト入ってんだよ!」、ナツミは部活の集まりでいっしょに帰れない様子だ。「今日、コーチが来てるから帰れないの。ごめん〜!」
晶/……あ、あっそ。じゃあ仕方ねーな。一人で帰るよ。
桜/私は、ぼーっとしながら猫と遊んでる。
GM/猫と遊んだ後に帰ってください。歩きでね。
晶/家までの帰り道に商店街に立ち寄って、適当に買い食いして帰ってる。コロッケとか買おうっと。
GM/おお、コロッケ。実に商店街ぽいね! ……じゃ、八十円払え。
晶/所持金から出さなきゃいけないのかよ!(笑) ……家に帰れば夕食が待っているだろうから我慢する。きっとバイトの給料日前だから切りつめてるんだ!
成増/うむ。では隣で「八十円かよ、ちぇ〜っ!」ってしている三十五歳のオッサンがいる。
GM/それは悲しすぎるよ!(笑) 所持金とか渋々しないで八十円ぐらい払ってください。
桜/……じゃあ私は、猫につられて商店街を歩いてる。待って〜、猫さん〜。
成増/(猫になりきって)ホゲエエエエェ! ボエエエエェ!
GM/可愛くない猫だな!(笑) ……じゃあ猫はコロッケをつまんで去っていった。
成増/な、猫に負けた!(笑) 私だってコロッケ我慢してるのに!

 そんなほのぼの商店街。
 高校生の晶、大学生の桜、教師の成増――各々が同じ場所を歩いていると、突然、ドーン! という爆発音が響いた。


晶/な、爆発っ?
GM/爆発音がした後、「キャーッ!」という人の叫びが商店街をつつむ。音がした方に振り向くと、――そこにはドロリとした奇妙な生物は、怪光線をマーッっと吐いていた!
桜/マーっ!?(笑)
GM/謎の生き物が、昔ながらの商店街の金物屋や洋服屋を溶かしてまわっている。それはみるみるうちに腐敗していき、デロデロと溶けていく。「キャー!」と叫び声が上がり、人々は逃げ、大パニックだ。
成増/一体何が起きているのか判らない……けど、【好奇心】に負けて謎の化け物に近寄る!
晶/同じくこっちも【好奇心】で逃げるのはやめる! そして竹刀に手をかける。
成増/……そうだ、失礼。こちらも日本武道愛好会の顧問故に、ナギナタを持っているから!
晶/持ってるの、商店街で!?(笑)
桜/こ、こっちはジリジリ逃げてます……それが普通だと思う。
GM/普通だね。――化け物によってあちこち腐敗していく商店街。うわー、大変だー、きゃー。
晶/逃げ遅れている人がいないか探すぞ!
GM/逃げ遅れている人は……いる。そこで猫を抱いてる。
成増/そこか!(笑) お嬢さん、逃げるんだ!
GM/オッサンが逃げろと叫ぶと、化け物がくるりとそちらの方を向き――襲いかかってきた!
晶/そこの女性は庇う! ……オッサンは無視!(笑)
成増/な、なんだこの無礼な少年は!(笑) でもとりあえず自分も女性を庇える位置に移動するぞ。
GM/その時、――君達は声を聞く。

「ガーディアンナックシールド展開!」

晶/…………え?
成増/…………は。
桜/…………はぁ。
晶/……えっと、なんだそりゃ?
GM/その瞬間、君達は乳白色の空間に包まれる。「これが最後の魔石だっキュー!」石が投げ込まれ――爆発! ドーン! 謎の生命体は消え去る。「ふぅ、危なかったっキュー」貴方の目の前に、光の輪が現れる。そこからキューっという鳴き声と共に……イルカが現れた。
桜/イルカっ?
GM/「ボクの名前はキュスティーク=キューテリア。キュー太って呼ぶっキュ。この世界は今、邪神帝国マレディクシオンによって危機に晒されているっキュ。君達はこの世界を護る素質を受け継いだ人間なんだっキュー!」
晶/……えーと。俺、頭は悪いけど気は狂ってない筈なんだけど?(笑)
GM/「そう思うのは仕方がないっキュ。でもこれは本当のことなんだっキュー!」
晶/はぁ? ちょっと待っ……頬を抓る。
GM/痛いね。他の二人は?
桜/イルカがカワイイなぁって思ってる!
成増/最近のCG技術は素晴らしいな!
GM/イイカンジにズレた人達だ。「あの魔石も最後だったっキュ。まずは、――場所を返るっキュ!」イルカは一枚の地図を出して……「この場所に来るっキュ!」
成増/は、はあ。地図を受け取って見るけど、……来いと呼ばれた場所まで時間がかかるか?
GM/すぐ傍だ。『シャノアール』と呼ばれる喫茶店で成増は知っている。――途端、乳白色の空間からふっと現実に戻ります。まだ人はザワザワしていて「ねぇ、今の何だったの……特撮?」と囁き合っている。……本当にお店の一部は溶けてるね。
桜/見回すと、……あの空間にいた人達が直ぐ近くにいるんだ。
晶/な、なぁ。「今の」アンタら、見た……?
成増/「今の」って何の事だ、少年。
晶/その、……イルカみたいのが……。
GM/額に星が付いているイルカでした。
桜/可愛かったですね。
成増/額に星か。……剥がしたいな。でもイルカってツルツルしてるんだよな。ツン、じゃなくて、ヌメ……なのかな(笑)
GM/剥がさないでください。あとマスコットにツンツンしないでください。
成増/さっきの地図を出します。……少年、『シャノアール』に行ってみるか?
晶/……しゃーないから行くっきゃないよな。バカげた夢だと思うけど、三人も見てるんじゃな。
成増/そろそろ警察がやって来るだろうから早くここを去った方がいいな。――お嬢さんもこれから行くので平気だな?
桜/ええ、はい……。あの、私は弥生桜って言います。大学生をしてます……一応。そちらは?
晶/ああ、俺は朱旺晶っていって、そこの高校に通ってる。
成増/ふむ、では私も名乗ろうか。……成増みどりだ。これでも教師をしている。
晶/げぇっ、センコー!?
成増/……なにか?(笑)
晶/な、何でもないです……。しかし、奇妙な三人組が一緒に歩いているんだな。一人学ラン、一人女子大生、一人着物の先生……。俺、3歩離れて歩くぞ!
成増/こら待て。何故離れるのだ少年。

 シャノアールに向かう三人。
 商店街から歩いて数分、『シャノアール』――フランス語で「黒い猫」という意味の喫茶店に入った。
 そこは、無駄に猫の置物がいっぱいあるこじんまりとしたごく普通の喫茶店だった。


GM/入ると、中学生ぐらいの少年がいた。こっちに向かって手を振っている。その姿に誰一人として見覚えはないけれど、手を振って「来たっキュー。こっちだっキュー!」
晶/あっ、お前!
GM/カウンター席の方から手招きしてるよ。「人間界ではこっちの姿の方が便利なんだっキュー」
晶/人間の姿になれても、口調は直ってないんだな(笑)
成増/確か、名前はキュー太だったな?
GM/「そう、キュー太だっキュ」
晶/……マジでいるんだな?
GM/「マジでいるっキュ」
成増/あの不思議な空間で「来い」と言っていたが、……何か我らに話があるんだろう? 一体お前が何なのか、アレは何なのか……説明してくれるな?
GM/「勿論だっキュ。一応言っておくけどこの喫茶店のマスターは仲間だっキュ。安心するっキュ!」
晶/仲間って何の話だよ? ……しかも立ち話させる気か?
GM/じゃあ、座ればいいっキュ。さっさと座るっキュ
晶/お前、意外と性格悪いな!(笑) じゃあ水でも貰って話を聞くよ……。
GM/「詳しい話をさせてもらうっキュ。――この世界には昔々、高度な文明が築かれていたっキュ。ムー大陸、アトランティス、その他に……殆どの人は知らないんだけど『レガル=クラーテ』という地も存在していたっキュ。ボクはそのレガル=クラーテの者だっキュ。この近くにマーズと呼ばれる星があることは知ってるっキュ?」
晶/火星のことか?
GM/「そうだっキュ!」コクコク。「そこにかつて『邪神帝国マレディクシオン』が築かれていたっキュ」
成増/火星に……? 確かに生命体がいた可能性もあると噂されてはいるが……。
GM/「お互いの存在を知ってはいたけど、征服しようとか、戦争を起こそうだなんて考えていなかったっキュ。ところが事件は起こったっキュ」――その時、「あ、いつもの兄ちゃん〜!」と扉が開かれる。するとマスターが「タケル、大事なお話だから部屋に戻っていなさい」「あ、うんわかった。じゃあな兄ちゃんー!」「またキュ〜っ」
晶/……何気にキュー太もこの店の常連なんだな(笑)
GM/「今のはマスターの息子さんで、名前はタケルだっキュ。……何も知らない少年だからヒミツにしておくっキュ。話を戻すけど、その事件とは、火星の邪神帝国マレディクシオンの地球侵略だっキュ」
桜/……火星から、侵略?
GM/「この星にはかつて『マナ』と呼ばれる魔法エネルギーがあって、誰でも魔法を簡単に使用することができたっキュ。これは他の星にも存在はしていなくって、マーズにも無かった力だっキュ」
成増/GM、失礼。【神秘学】を持っているのでそのことに聞き覚えがありませんか?
GM/では、ふってみてください。
成増/了解。(ころころ)……7で成功。
GM/随分ファンタジックで素敵な先生だな。……魔法はマナという要素が必要であり、昔読んだムーやらメーと呼ばれる雑誌でそのようなことが書いてあったのを思い出した。
成増/昔、あの雑誌は実家の書物庫で愛読書だったのだ! ……って、何故遠ざかる少年ー!(笑)
晶/変な奴がいるよ……いっぱいいるよ……なんかもうここにいるのイヤになってきたぁー!(笑)
GM/「マレディクシオンの帝王セルヴァーは、国力を増幅する為に地球への侵略を謀ったんだっキュ。火星の連中は地球人より遥かに寿命が長いんだっキュ。奴らは地球を乗っ取り、地球人を奴隷にするつもりだったっキュ……。勿論、黙って侵略される訳にはいかなかったっキュ! 三つの国が力を合わせて戦ったっキュ!」
桜/三つ……?
GM/「ムーとアトランティスとレガル=クラーテだっキュ。ムーは海の底に沈んでしまったっキュ。次にアトランティス、……この戦争の時にマナは殆ど使われてしまったっキュ。形勢が明らかに地球側に不利だったっキュ。ボク達は最後の力を振り絞ってマレディクシオンの封印を試みたっキュ。それはレガル=クラーテ全部を捧げるほどの力が必要だったんだっキュ。……こうしてひとまず地球は護られたんだっキュ。
 だけど、セルヴァーは封印の間際、気になることを言ったんだっキュ。『三千年後――地球は我がマレディクシオンのものとなる……』という予言を聞いたレガル=クラーテの最後の女王、ネージュ=フルリール=レガル=クラーテがその呪いの言葉を危惧し、二つ未来に託したんだっキュ。
 一つはボク、三千年後に地球の危機を伝える役目。もう一つは今から今からみんなに渡すっキュー。みんな、手を出すっキュ!」ポンっとキュー太の手からブレスレットを渡された。「それはプレゼントだっキュー」
晶/プレゼント? 普通に腕に身につけるぞ。これは?
GM/「それはかつてマレディクシオンと戦った五人の戦士達が使っていた物だっキュー。マナの力が無くても『変身』できる優れものだっキュー」
晶/変身……、はぁ?
桜/まぁ、変身できるだなんてスゴイですね!
GM/「君達はさっきも言ったけど、この地球を救う戦士として選ばれたんだっキュー! その変身ブレスレットで戦士へ変身するんだっキュー!」
成増/すまない、……公務員はバイトできないのだが?(笑) 確認するようで悪いが、今年がその『三千年後』だというのか。
GM/さっき君達はあのモンスターを見たっキュね?
晶/すっげぇ見てないことにしたいんだけど俺!
桜/はい、見ましたよ。
晶/横でフツーに答えられた!(笑)
GM/「あれはマレディクシオンが、改めて地球を侵略する為に送り込んで来た使者だっキュ!」
成増/世界の危機だと言うが……ここには三人しかいないのだが?
GM/「それは、あと二人がまだ覚醒してないんだっキュ」
晶/いや、俺達もまだ覚醒したかどうか判らないんじゃないか?
GM/そのブレスレットを装備しちゃったから覚醒してるっキュ。
晶/……ああぁしまったぁ! ハメられたあああぁぁ!(笑)
GM/いやいやいや。「それは潜在能力が無い人間でないと装備できない物だっキュ。スゴイんだっキュよ」ちなみに外見はいかにも変身できそうなメカメカしい感じ。通信もできるよ。あと、敵が出るとビービーと鳴ったりする。「――マレディクシオンがマナの無くなった今の地球に興味があるのか謎だっキュ。だけどさっきボクが倒した生物は、明らかにマレディクシオンのものだっキュ」
成増/そうだな……何故、マナを無くした地球にやってくるのか。奴らはただ地球を征服したいだけなのか? 奴隷としての労働力が必要だとか?
GM/「それはまだ判らないっキュ。――ボクは、みんなが護ろうとした星を奴らに奪われるのは黙って見てられないんだっキュ。君達にもいなくなったら困る人間がいるっキュ? このまま進めば……君達も判ると思うっキュ」
晶/それはつまり、ナツミやトウヤが危険な目に遭うかもしれない?
成増/私にも家族が、妻や息子達がいる。……お嬢さんにはいるか?
桜/……猫が……。
晶/ネコなの!? いや、俺も動物は好きだけどさ!(笑)
GM/別に動物でもいいと思うけどさ。「それらを護る力、それを君達に託されたんだっキュ。君達にはこの世界を救う力があるんだっキュ! この世界を救ってほしいんだっキュ!」――さぁ、どうする?
晶/……ああ、俺はやる! ナツミやトウヤ、家族を護れるんだったら!
成増/うむ、選ばれたからにはやってみようではないか。……しかし、火星人でも炭水化物なら滅してくれるのであればいいけどな!
晶/いや、それ俺が困る! 俺、今育ち盛りだからメシ食えないと超困る!(笑)
桜/……わたしに出来る事があるなら。やります。
GM/「ありがとうっキュー! ――という訳で、早速一つだけ仕事をお願いしたいっキュ。ボクの名前を考えてほしいっキュ!」
晶/へ、キュー太じゃなかったのか?
GM/キュー太はいいんだっキュけど……このまま町中に出てキュー太と呼ばれるのはちょっとおかしいらしいんだっキュ。
成増/それでは、――(暫し瞑想し)――『佐藤九太』とかどうだ?
晶/ちょっ! 【神秘学】持ってるなら神秘学に関連して何か付けてやれよ!(笑)
成増/えー、すっげー良い名前だと思うんだけどなー? じゃあ神秘学的に、……出川とか江頭……。
晶/ならさっきの方がいい!(笑) ……せめて『九』じゃなくて『久』の方にしようか。呼び名返るのは面倒だし、音が同じでもいいだろ。
GM/うわー、なんか軽く可哀想(笑)「でもボクはご主人様からずっとキュー太って呼ばれて来たんだっキュ。その名前が一番だっキュ! それじゃあ、今から簡単にその変身ブレスレットの使い方を説明するっキュ! マスター、例の部屋を!」パチーン。ゴゴゴゴゴ。
晶/おお、なんかマスターすげぇ!
GM/指をならして部屋が現れる。普通の部屋に来たところで、キュー太が「ガーディアンナックシールド、展開!」と叫ぶと、乳白色の空間に飛ぶよ。「まずはその変身ブレスレットを付けて、好きなポーズをテキトーに決めて好きな呪文を叫ぶっキュ!」
晶/テキトーなの?(笑)
GM/心のままに叫ぶっキュー! 一回言うと登録されちゃうから気を付けろだっキュー。
晶/じゃあ、――片方の拳を上げて「ブレイズ・アーップ!」と叫ぶ!
GM/『ブレイズ・アップ』、そう叫ぶと燃える焔が晶の体を包み――変身する。
成増/おお、凄いな。うむ……。
GM/「さぁ、変身するっキュ。早くするっキュ」
成増/いくぞっ、「マイナス・イオン・ガーディアン・トランス・フォーメーショーン!」
晶/ちょっ!?(笑)
GM/……マイナスイオン、なに?
成増/ガーディアントランスフォーメーション! ……テヘ、登録しちゃった☆
GM/……じゃあなんか、緑でイイカンジに変身。
成増/そう、私は草木が好きだし自然が好きだし名前もみどりだから……マイナスイオンな男になりたいと昔から語っていたのだ!
晶/マイナスイオンな男って何だよ!(笑)
GM/……では、桜さんどうぞ。
桜/「ニャー」。
一同/……え?
桜/「ニャー」。
GM/……にゃー?
桜/「ニャー」。
晶/ちょっとお前ら! ……マジメに考えた俺がバカみたいじゃねーかー!(爆笑)
GM/……それじゃ、桜さんはフニャーってカンジで変身します。
成増/よし、みんな! これから猫の鳴き声は「ニャー」って言っちゃいけないぞ! これからの時代、「ホゲエエエェェ!」か「ボアアアアァァ!」だ!
GM/全くだ。変身しちゃうから気を付けろ。
成増/うむ、NPCやる時もご利用は計画的にね!
晶/俺だけなのか! マトモなのは俺だけなのかああぁ!(笑)
成増/何を言うか少年、みんなマトモだぞ! ……けど少年がそうやって悩んでいくのも大人への成長の一歩か。よしもっと叫ぶがいい!
晶/アンタみたいな大人には絶対なんねーよ!(笑)
GM/では次に、武器の説明。「ブレスレットから各々の武器が出てくるっキュ。これで銃刀法にも引っかからないっキュ」
成増/……ちゃんと現代の言葉も覚えているんだな。ビックリだね。
晶/ビックリすぎるよ! ブレスレットから武器って、ファンタジックでカッコイイとか思ったのに!(笑)
GM/晶のブレスレットからは両手剣が出てくる。「名前は後で自分の好きに決めるっキュ」次は桜さん、出すと……先に猫が付いた杖が出てくる。
桜/か、カワイイ!
晶/カワイイのかそれ!?(笑)
GM/叩くことも可能だけど、後ろから遠距離攻撃がすることが可能の武器。……所謂『猫ビーム』的なものが出てくる。
一同/猫ビーム!?(笑)
GM/そして成増さん、出すと槍が出てくる。こっちもテキトーに名前決めておいてね。
成増/ところで変身後の外見的にはどういうのなんだ……普通にバトルスーツ?
GM/全身覆っている、いかにも戦隊物っぽいやつでしょう。顔も見えないやつ。「あ、あそこで戦ってるの、あの学校の不良Aだよ!」とかイヤでしょう?
晶/イヤすぎだ(笑) ベタな戦隊物って思っていいんだな。

 能力の確かめ合いをし合う三人。
 そこに、突然ビービーとブレスレットな鳴り始めた!


GM/「こ、これは敵が現れる時に鳴り出す敵アラームだっキュ! 場所は……商店街だっキュ!」
成増/商店街、またかっ?
GM/「そのようだっキュ。――マスター!」キュー太が叫ぶとマスターがボタンを押して、ガガガガガ……とハイテクなものが出てきた。「ガルディオン、出動ー!」


 ★商店街


GM/さっきまで大騒ぎだった商店街。そこには――美形な兄ちゃんと、さっき見たザコ達が破壊活動を行っていた!
晶/ちっ、アイツら、また……!
GM/「ふん。奴の消息を見失ったのはここか……既にマナの波動は無くなったものと思っていたが、この星には未だに……」何か男はブツブツ言っている。
晶/うわー、何あれ頭のヤバイ人だー……ってこっちにも頭のヤバイ人いるけどな!(笑)
成増/何のことかな、少年?(笑)
GM/男は人間ぽいがエルフ耳で、地球人とは違う気がする。そしてさっきキュー太が倒したデロデロしたモンスターを従えている。
成増/破壊活動を行っているところに、ザッと現れよう!
GM/キュー太が「ガーディアンナックシールド展開!」と叫ぶと、辺りが乳白色な空間となる! ――説明しよう。ガーディアンナックシールドとは、世界の存在次元をずらすことによって外部への影響を防ぐ結界だ! ちなみにキュー太にしか使えないよ♪
晶/なんか誰かに説明された!(笑)
GM/キュー太のシールドにつつまれた男は声をあげる。「な、何者だ!」
成増/私達は、……何者だー!?(笑)
晶/知らねーよ!(笑) キュー太、何なんだよ!?
GM/キュー太がコッソリと耳打ちする……。「ここで『ガーディアンレエーッド!』とか『ガーディアンピーンク!』とか名乗るっキュ」
晶/が、ガーディアンレッド! 見参ー!(ばばーん!)
桜/ガーディアンピンクです。
成増/……がーでぃあんぐりぃーん。
晶/ヤル気ねええぇ!(笑) もっとカッコつけようぜお前らさ!
GM/あとは最後に『護神戦隊ガルディオン!』って言うっキュ!
成増/えーと、それじゃあ……せーのっ。

一同/護神戦隊ガルディオーン!

GM/どーん。わー。(ぱちぱち)
晶/なんかグダグダだなぁ!(笑)
GM/男がその決めシーンを見て叫ぶよ。「三千年前にガルディオンは死んだ! 貴様らなど恐れるに足りぬ! この地はアーバン=デ=クラインの手によって落ちたのだー!」そう言って敵が襲いかかってくる。……えっと、特に敵の名前無いんだよね。
桜/無いんですか?
GM/うん、無い。だってオリジナルの敵だもん。
成増/うむ、じゃあ。……ハッ! 今【神秘学】のお告げが舞い降りた! あれはそう…………『MOGERA』と言う!
晶/モゲラ!?(笑)
GM/よし、採用。「では、行けモゲラー! 貴様らごとき、モゲラで充分だー!」もげー!
晶/ああっ、もうどーでもいいや! いくぞー!

 ●戦闘/1ターン目
GM/モゲラ(仮)は1匹のみ。外見はちょっとワニっぽくて、口から怪光線を出すっぽい。敏捷は14……一番最初に行動だね。(ころころ)グリーンに向かって噛みます。
成増/受け流すぞ。(ころころ)ちっ、失敗した。
GM/(ころころ)4点の斬りダメージ。防護点でとまらなかったので……4のダメージそのままくらってください。
晶/二人とも、後ろに下がれー! 前に出て攻撃をする。(ころころ)斬りで成功、7のダメージ!
桜/こっちもいきます。猫のビームを出します。(ころころ)叩き成功で、ダメージは8。結構大きいな。
成増/ニャアアア! 少しダメージ入ったところかな。じゃあ槍で斬るぞ!(ころころ)7のダメージ!

 ●戦闘/2ターン目
GM/次は朱旺にいく。(ころころ)あ、ファンブったよ。……一番記念すべき最初のファンブル表はザコ敵になっちゃった。(ぺらぺら)ファンブル結果は『武器を落とす』。無いから、意味が無い。
晶/ふんっ、攻撃っていうのはこうやるんだよー!(ころころ)刺しで……失敗だ。カッコ悪ぃっ!
桜/続けて攻撃します。(ころころ)成功。
GM/(ころころ)あ、避けた。――猫ビームがネコネコネコネコきたのをサッと避けるワニ。
晶/ビームの効果音が変わった!(笑)
成増/変わったから避けられたんだ。(ころころ)斬りで成功、7のダメージをくらわせる!

 ●戦闘/3ターン目
GM/お次は桜さん。(ころころ)成功。
桜/避けるよ……(ころころ)成功、避けられちゃった。
晶/今度も突きで!(ころころ)ショボイ、2点のダメージ!
桜/やっぱり猫ビームで(ころころ)……失敗しちゃった。しょんぼり。
晶/ミャアア……ポスッ。失敗だから(笑)
成増/毎回ビームの効果音って変わるんだな。じゃあ槍で刺すぞ!(ころころ)成功、8のダメージで刺す!
GM/……ヤバイ。もうフラフラだ。

 ●戦闘/4ターン目
GM/今度は朱旺。今度は噛むだけでなく牙も使って攻撃するぞー。(ころころ)成功。斬りで4のダメージ。
晶/こっちは【頑強】持ってるから、3点ダメージを受け止めて1点! ちょっと痛いぐらいだ、このヤロー!(ころころ)6点ダメージで斬りにいく!
GM/う、トドメだ。今の攻撃で「もげらあぁ〜……」と叫んでシュワシュワ消えていく……。
晶/よっし! ……それを見た男の反応はっ?
GM/「お、おのれガルディオン! ――今回は貴様らに勝利を預けよう。しかし、我らマレディクシオンの攻撃に耐えられると思うな――!」シュンッと男はどこかへ消えていく。
晶/あ、逃げやがった!
GM/戦闘は終了、安全だとキュー太が確認してガーディアンナックシールドの効果をとけます。
……周囲はザワザワしてる。少年の姿にキュー太は戻って「よくやったっキュー! やっぱり君達は選ばれし戦士だったっキュ。これからも戦っていくんだっキュー!」
晶/あー。なんつーか……大変なことになっちまったけど。まぁいっか、カッコイイし!
成増/大変なことには違いないが。これから宜しく頼むぞ。
桜/ええ、お願いしますね。


 エンディングテーマ。
 スタッフロールが流れ……。

  ★次回予告!

 晶、桜、みどり。三人の戦士が覚醒した。
 そしてまた、世界の危機を救う一人の戦士が目覚めようとしていた。
 次回ガープス・トランスフォーメーション
 護神戦隊ガルディオン

 第2話「悠久なる水面」

 来週もまた見るっキュ〜!