ギガントマキアFP・リプレイ・ファネスプロジェクト
■ 第6話 『茜を歩く』 ■
2006年12月19日




 機械的な空間。天井にまで広がるディスプレイ。
 少女が機械に触れるとトモシビが宿る――西暦の姿のままに。
「マナ、可能か……演説は?」
 カタカタとキーボードの音が返事をした。

「うーん、ちょっと難しいコンピュータだけど平気。それに全国の電波塔はちゃんと生きてたしね、これさえ動けば列島中のみんなに声が届くよ。
 ……けど、みんな聞いてくれるかな?」

 あまりにも明るい会話に、男はくすりと笑った。

「先日、君は一人の女を鋼魔に変えた。
 同じ要領で全国放送を行えば、世界中の者達が我らの声に集うだろう。列島中が鋼魔に満たされる日も遠くはない。
 ……寧ろ、今日、そうなるかもしれないぞ?」

 くすくす、くすくす。
 地上に届かない笑い声が、ただ静かに、静かに響いた……。


★遺跡内部


GM/長く長い階段を下りた先の戦闘、そして少女を二人連れて消えていった白い男。彼らは「奥に行くぞ」という言葉を残しテレポートコードで消えていきました。
クロン/奥に続く道はっ?
GM/あります。更に階段を下りていくことができる。――では下りますと改めて出来てきたのは少しひんやりとした空間。神格機兵が乗れるほど大きくはないですが、広い踊り場になっているらしい。少し歩けば更に下り階段が見える。
カミール/……一体どこまで続いているんだ? アミュレットの回線を繋ぐ。ヴァルゴ、外の様子は?
GM/「現在時刻は十六時、今のところハウフェトに問題などは起きていません。それに現在、ハウフェトには列島中のクルースニクが集まっているので鋼魔が現れたとしても平気でしょう」
クロン/外の様子は気にしなくていいということか……なら俺達は先を急ごう。
カミール/そのまま本部と連絡を取りつつ警戒にあたってくれ。
GM/「了解しました」回線を切る……と、カサカサという音。ゆらりと揺れる何かがある。
ヴァロード/なんだっ?
GM/バッと振り向き、向こうの方向に目を凝らすと……何かが動こうとしている影。そしてすっと前に立ちはだかる!
クロン/……誰だ!
ブロッコリー/ブロ!
クロン/……。
ブロッコリー/ブロ? 無反応ブロか?
カミール/ああブロッコリーだな、うん。……まだ引っ張るか(笑)
ブロッコリー/そうだともブロ! フッフッフ、暫くお前らの動きを止めるよう言われたブロ、そう簡単に通す訳にはいかないブロー!
カミール/扉の位置はあっちだったな。カツカツカツ……!
ブロッコリー/ブロっ!? 待って、置いてかないでブロ〜!
クロード/ゴメンね、今はちょっとボク達忙しいんだ。
ブロッコリー/ブロ達だって使命果たそうと頑張ってるブロ〜! シカトはイヤだブロ〜!
クロード/そうだね、使命果たそうとしてるんだよね、偉いねー。でもボク達行かなきゃいけないんだよ。ちょっと可哀想だけど行こ。
カミール/階段を下りてまで追ってこないだろう。さっさと通り抜けるぞ。時間がない、じゃっ。
ブロッコリー/ブロー!? ダ、ダメブロ待つブロ、ああどうか……僕らを助けて、カミサマー!
クロン/……カミサマ?
GM/少々薄暗かったシェルター内がパーッと明るくなる。空はないけど降ってくる何か! 天から射し込む神々しい光! 何故か明るくなるから松明いらず! ふあああああぁー。
クロード/あの、なんか上から落ちてきましたよ……?
ブロッコリー/……我は、カミサマだブロ!



クロン/……えっと、とりあえず説明を求めます。何ですかこれ。
GM/十二月二十四日に人んちのエントツにズボッと入って墨まみれの物体をおいて去っていく不法侵入者の格好をしたブロッコリーで、……その手にはノートを持っているものです。
クロン/それってまさか【死の宣告】ですか!(笑)
ブロッコリー/ブロは……新世界の神になる! ――いくブロ!

 ●戦闘/1ターン目
GM/扉までは5マス、ブロッコリーまでは4マス離れています。扉まで移動し戦闘離脱してもいいですし、倒してくださっても構いません。カミサマと呼ばれたブロッコリーはただ、ノートを手にして貴方達を見ています。
クロン/倒すと逃げる、どちらでもいいですね。クロードさんは退路を確保してください。俺は戦いに行きますね。……ということでブロッコリーに1マス寄って【武器/ライトボウ】。(ころころ)命中17、ぽすっ!
ブロッコリー/(ころころ)16、回避ならず!
クロン/アターック!(ころころ)【勇気】5と【友情】2カードを足して物理ダメージ20で、グサッ!
ヴァロード/クロンさんと一緒にブロッコリー退治します。1マス進んで……【武器/ライトボウ】(ころころ)命中20。
ブロッコリー/(ころころ)届いちゃったブロ。
ヴァロード/撃つ!(ころころ)ダメージ18だ!
クロード/カミサマを応援してる小さいブロッコリーはどこにいますか?
GM/普通にいますよ、「わーっ、カミサマガンバレブロー!」
クロード/あ、可愛い。一匹持って行こうかな?
カミール/やめろ。――では奴が何をしてくるか判らないが避けられる自信が無い。自分に【魔術/シルフィードコード】を使用、回避プラス5にしておこう。
ブロッコリー/こっちのターン、行くブロよ! ――4マスと宣言したブロ。艦長とサムライと黒猫に向かってノートを開く!
クロン/書くの!? 書くとやっぱり数ターン後に何か起こるの!?(笑)
ブロッコリー/お前の名前を書いてやるブロー!(ころころ)自分の霊格値プラス7以上を判定してください。……失敗したら名前を書かれますよ?
カミール/なんだそりゃ。(ころころ)17、成功!
ヴァロード/(ころころ)【希望】カードをプラスして18、成功させます!
クロン/(ころころ)2足りない、けど【愛】のカードをプラスして成功!
ブロッコリー/クックック、名前を書く! お前は、『カミール・クライアツ』!
クロード/……何も起こりませんよね?(笑)
ブロッコリー/あ、あれ? 名前を間違えた! 『カミール・クライアヌ』だったブロー!
カミール/おのれ、私の名前を間違えるとはお前、いい度胸だ(笑)

 ●戦闘/2ターン目
クロード/階段の方に1歩動きます。
ヴァロード/私は移動するだけでAPが無くなりました、すいません。
クロン/GM。……ブロッコリーの射程0に入ってノートを奪うことは可能ですか?
ブロッコリー/……ぶろ?
GM/それならブロッコリーとの【体力】判定で買ったら奪えることにします。
クロン/じゃあブロッコリーに1歩近付いて【武器/ライトボウ】いきます。(ころころ)命中17!
ブロッコリー/避けまーすブロ。(ころころ)19ブロ、スカッ!
クロン/くそ、もう一回撃つ!(ころころ)わ、15だ。
ブロッコリー/(ころころ)こっちは18ブロ、計画通り……我は神だブロー!
クロン/ナマイキなのでカードを足して18以上にします、当たれー!(ころころ)20の物理ダメージ!
ブロッコリー/ぺちこーん、食らったブロー! じゃブロの番だから……黒猫と僧侶の名前を書く!(ころころ)プラス9ブロ。
クロン/(ころころ)あ、ちょっとダメかも……【希望】と【愛】を使って17回避にします!
クロード/(ころころ)こっちもヤバイから【友情】4のカードを使います、回避19!
ブロッコリー/黒猫の名前は……『クロン・カッツォ』! く、まだ死なないかブロー!?

 ●戦闘/3ターン目
クロード/階段の方に1歩動きます。……出来るならさっさとやっちゃった方がいいですね、お願いします!
クロン/了解、0マスに接敵します。ノートを奪い取る!
ブロッコリー/【体力】で対抗するブロ!(ころころ)クリったブロ、29!
クロン/(ころころ)そりゃダメだ。2度目だ(ころころ)命中16!
ブロッコリー/(ころころ)23、全然大丈夫だったブロ!
クロン/相手は3Dふりか……ヴァロードさん、早く来て手伝ってくださいよ!
ヴァロード/え、APが足りないから近付けません!(笑)
クロン/俺一人で頑張るか、3度目いくぞ!(ころころ)15……。
ブロッコリー/(ころころ)25、さっきから出目がいいブロ。――では艦長と僧侶の名前を書く!(ころころ)プラス6です。
カミール/(ころころ)ふんっ、余裕でクリア。
クロード/(ころころ)【勇気】の1カードを入れて、15回避です!
ブロッコリー/ハハハ、覚悟! キサマは『クロード・イシュアール』だブロー!
クロード/……。
ブロッコリー/……あ、あれ?
クロード/死にませんよ。うーん、どうしたのかなブロッコリー?
ブロッコリー/何故……ハッ、偽名!?(笑)

 ●戦闘/4ターン目
クロード/クロンさーん、早くその変なノート奪ってくださーい! ……応援しながら階段方面に1歩前進。
クロン/はーい、良かったですね偽名で(笑) いくぞブロッコリー!
ブロッコリー/(ころころ)20で回避!
クロン/よしいける!(ころころ)【絶望】のカードを足して24! よこせコラアアァッ!
GM/ブローッ! ノートを奪えました、ぴょんぴょん返せと飛びかかってきます。――そしてクロンにだけ見えるようになる……『死神』。
クロン/……うわあぁっ!?(笑) な、なんだこれは化け物はー!(笑)
クロード/……クロンさん、どこ見てるんですかね?(笑)
カミール/あのノートには幻覚作用があるんだろうな(笑)
GM/クーックックックと中村S童な声がクロンだけには聞こえる。……さて、AP5消費して何か行動しますか?
クロン/……名前書いてみるか(笑) カキカキと20で「カミブロ」と書く!
ブロッコリー/【霊格】で対抗するブロ!(ころころ)25で回避成功ー!
クロード/ちょっとあの倒し方はギャンブルですね。……ヴァロードさん、接近して戦ってください。【フェイバリット/アネモス】!
ヴァロード/近寄って【武器/ライトブレード】で斬ります。(ころころ)命中25!
ブロッコリー/(ころころ)当たるブロ。
ヴァロード/(ころころ)ダメージ21、ざくり!
ブロッコリー/ブロロー! ……しょんぼり。
クロード/えっと、……もしかしたらノートを奪われたら何もできないの?(笑)
ブロッコリー/……ブロー。待機して次のターンいくブロ。

 ●戦闘/5ターン目
クロン/艦長、ノートを書いてください! AP5消費して艦長に投げまーす!
カミール/キャッチ。(ころころ)7プラスだ、死ね。
ブロッコリー/怖いヒトに渡っちゃったブロ! とりあえず19以上を出せば大丈夫……(ころころ)19で回避ブロ!
カミール/……そういや私、死神が見えてるんだよな。まあ放っておいて、(ころころ)2回目プラス9。
ブロッコリー/21以上を出せば勝てる!(ころころ)……19。
カミール/『ブロッコリー☆神』とカキカキ。……地獄に堕ちろ!
ブロッコリー/ぐはあああぁっ! ブロは死ぬのか、ブロは死ぬのかー! ……チーン。
クロン/え、これって名前書いたら1ターンで終わりなの!?(笑)
カミール/……倒したな? 魔術でボウッとノートを燃やす。名前を書くだけで殺せるような危険なものはこの世にあってはならん(笑)
GM/では死神は「ブロッコリー、面白ッ!」と笑いながら天へと昇っていくのでした。――戦闘終了です。
クロード/チビブロッコリーはどうしてる?
ブロッコリー/あー、カミサマがやられちゃったブロー。タイヘンだブロー。でもブロ達だけでも頑張るブロー。
クロード/やっぱ可愛い(笑) 艦長、一匹だけでも持って……。
カミール/絶対にダメだ。
クロード/足元に沢山いるチビブロッコリーに窘めておきます。命令だから仕方ないんだろうけど、いきなりヒトに襲いかかったりしちゃいけないよ?
ブロッコリー/ブ、ブロ……でもあの子達も頑張ってるブロ、だからブロも手伝ってるブロー。
クロード/うんそっか、大変だね。……あの子達って誰?
ブロッコリー/マナとかー、ミルティアとかー、シロネコとかー?
カミール/ガシッ。――お前ら、主人のところまで案内してもらおうか?
クロード/あっ、ダメですよイジメちゃ! 頭ガシッと持たないでやってくださいー!(笑)


 ★マスターシーン


 カタカタ、カタカタ。
 キーボードを走らせる音が機械の空間を埋め尽くす。少女が指を離せば静寂が満たす世界。マナはふぅと息をついた。
 隣の男が言う。
「西暦の種族は随分難しいことをするんだな。まぁ過去の種族から真実を聞かせてもらえること自体、幸福なんだろうな、オレは」
 少女は応える。
「私だって幸福よ。目覚めても貴方がいなきゃ、この漫画みたいな世界の仕組みだって判らないままだった。ありがとう」
 そして、もう一人の少女は……何も言わずに二人の傍らにいた。
「しかしオレは運がいい。君の助け、そして己の為の知恵が残っていてくれた。『片方』に体力を奪われたのは痛かったが、まぁ良い分裂だろう。知恵や、記憶が残ってくれてよかった。
 ……さぁもう一息だ、頑張ろうか」
 カタカタ、カタカタ。
 機械的な、西暦の音が地上に近付いていった……。


 ★最奥の間



GM/階段を下りて、時には横に歩き、長い道を歩いていくと、また大きなエリアに着く。「ココは、みんなのお知らせをする所ブロ」
カミール/平たい話、なんだ?
GM/ラジオ局とも言われていた場所です。……空は地下だから勿論見ることのできない閉鎖的な空間。機械的で無機質な空間を彩る色は、天井にまで広がるディスプレイ。――それをコントロールする中央部に少女がいる。
クロン/……マナ。
GM/少女の指が遺物に触れるたびにトモシビが踊る。その光景は……まさしく『西暦の世界』がこうであったと物語っているように見えた。人工的な光に包まれた不思議な空間。
カミール/……ブロッコリー、逃げたきゃ逃げろ。
ブロッコリー/ブロー? さらばだブロ、ぴょーんぴょーん!
GM/拉致ブロはぴょんぴょんどこかに消えていきます。――上を見上げれば、さっきは何も無かったところに映像が映し出されている。見たこともある街があれば、見たこともない土地もある。映し出された外の世界……そこはまだ平和な世界で、そびえ立つ……西暦の遺物・電波塔が映っていた。
クロン/……ココと同じようなものが列島中にあるんだな。
GM/そんな西暦のものが沢山眠っているからアークが支部にするのです。――さてこの映像を管理しているのは奥。マナは一呼吸入れながら指を走らせている。彼女の傍らに寄り添うようにして立つ女。それと……。
クロン/……目を細める。
GM/それと……白い髪の男がいる。くるりと振り向くと――クロンが夢の中で見たあの顔と同じだ。「オヤ、早かったな。足止めはそんなに時間を稼ぐことができなかったか。こちらはまだ作業だ」
クロン/……いや、そんなことはないよ。充分効果的な足止めだった。……何の作業をしているんだ。
GM/笑いながら男は答える。「世界のみんなに『覚醒の時間』を告げようと思ってな、その準備だよ」
クロン/覚醒……? 何だそれは。
GM/男はヴァロードの方を見る。「君は判るだろう? あの子にやってもらえたアレだ」
ヴァロード/……鋼魔化。
クロン/お前は……世界中の人達を鋼魔化させる気か。この世界を壊す気か!
GM/笑い頷きます。「ああ、そうだ。第三のビッグバンを起こすのが我らの夢。壊して新しい世界を創る。それがオレの使命でもある」
クロン/……使命? 何故そんなことをする。
GM/「……本当に忘れてしまったんだな」
クロード/え……?
GM/「全て忘れてしまったか。……それも仕方ないことだ、魔印にのみこまれてしまい鋼魔化したものは大きなショックを受ける。カラッポになっても仕方はない」
クロン/……お前は何を言ってる。
GM/「では、オレとおしゃべりに付き合っておくれ。時間を潰す為のおしゃべりだ。
 『聖者の系譜』――それは単純な話。力を求め、代々血を濃くし、親から子へ、子から孫へ受け継がれていこう使命を保たされた者。……証明の刻印。先を行き、より強く、より新しくと心付けていこうとした系譜があった。西暦の人間がよりよい力を求めていったように。
 ――ある男は生まれつき刻印があった。生まれた時からある才能。とても恵まれていたが、それでも更なる一族の使命を果たそうとした。力を得て、新境地に達し、限界にいく使命を持った系譜の為に……一つある力を増やそうと考えた。元から可能ではないかと思われていたんだ、一つある力が二つになったらとても強力だろう? ――考えた。
 儀式の日。新たな刻印の移植。体に二つ目の刻印。しかし印を埋め込んだ時、事は失敗した。……やっぱり一つの体に二つの刻印は無理だったらしい。
 一つは成功、元々の聖印の体。
 一つは失敗、新たな魔印の体。
 一つの体は二つの力に耐えきれず、二つの体に分裂した。
 額には継承の証、左肩には偽物。――ひとりの青年は、ふたつに分かれてしまった」
 ……前回第5話のラストに2D6をふってもらいましたがアレは、貴方の本当のライフパスを決めてもらったんです。
クロン/……63が出たんだよな。
GM/「聖者の系譜。オレは一族の曖昧な定義を『新たな世界』と定義づけている。これは人間と呼ばれた者達が種を残そうとして文明を発展させていった行為と同じだ。……運命の人々が開拓していく……優良な種の開発・存続の為の計画。
 この思想にはオレも同じ考えだ。オレとマナは同じ考えであるから、オレは今この世界の原理をマナに教えた。彼女は電波なるものを使い世界中に呼びかける。呼びかければ応えるのがこの世界だ。西暦の力を使い列島中の者達に語りかければ……。
 お前とオレは元々一つのモノだった。二つに増やそうとして結局失敗してしまった果ての姿。元からあるものと新しいものは共存できないらしい……判りやすいなオレ達は。この世界の旧い種と新しい種のようだ。
クロン/俺は、お前の影だった……ということか?
GM/「正確に言えば、ある男の影だった。オレは表に値する。……もう一つ自分が目の前にいるのには変わらん」
クロン/……不思議だ。その話を聞いても記憶の片隅にさえ思い出せない。
GM/「それは魔印にのまれ、聖印を得たものの症状。……彼女も同じ」――エルフの少女を見る。
カミール/こちらもミルティアを見る。
GM/ミルティアは俯いて男の話を黙って聞いているだけ。「魔印を暴走させ、鋼魔となった者は心身共に大きなショックを受け、カラの状態になってしまうらしい。ある青年の儀式は失敗した……その際にお前の左肩は鋼魔になりかけたということだろう」
クロン/俺が、鋼魔に……?
GM/「しかし左肩は鋼魔の破壊欲求を抑え、聖印として形を変えた。彼女はそれが肩ではなく舌になっているだけ、お前もミルティアもなんら変わらないな」
クロン/思わず左肩を押さえ……ミルティアさんを見る。このヒトが、鋼魔……?
GM/ミルティアは俯く。白い男は話を終わりに近付けていく。「随分とおしゃべりの時間がとれたな。マナも頑張ってくれてるし、……もう少し時間を潰すとするか」
クロード/えっ……?
GM/男は感情に起伏がないような声で語りかける。「食い止めろ、我らの夢を邪魔する者を。――前に出るんだ、ミルティア」
カミール/……キサマッ! 彼女を戦わせる気か!
GM/「気にするなミルティア。そいつらと戦って『もし生き残られたなら』またそのエルフの姿にヘンゲさせてやろう。いくらでも破壊しろ。……鋼魔に戻るがいい」
カミール/クッ……ミルティア、そいつの言うことなど聞くな!
GM/男の声を聞き前に出たミルティア、しかしそのカミールの叫びを聞いて止まります。「……カミールさん。私とあなたは知り合いだったんですか?」
カミール/……そうだ。
GM/「……どんな関係だったんですか?」
カミール/……。俺とお前は、同じ村の出身だ。俺の……恋人だ。
GM/それを聞いて驚きます。本当に驚いて、何度も口を開けますが、思い通り声が出ないらしく……カタコトで喋ります。「そう、だった、んですか? でも、今の私は……貴方の恋人では、ありませんね?」
カミール/……ああ。
GM/「私は今、貴方の敵、あの方の腕でございます。私は……今できることをするしかない!」彼女は前に出て、目を強く瞑り、叫んだ。「来たれ、クワイエット! 私の体を、食らいなさい……!

 神格機兵の光が彼女を包み込み巨人が現れるのではなく、まるで突如現れた魔物に呑み込まれたかのように彼女の姿が消えた。
 大きな凶悪は、……女を白い獣の姿へと変えていく。

カミール/ぐっ……! 全軍、神格機兵を呼べ!
GM/「戦闘態勢に入るか? ではオレも呼ばせてもらおうか……」
クロン/待て、……お前の名前は何て言うんだ?
GM/「お前は黒猫だからクロンなんだって? ならオレもそれでいこうか。白猫だからシロン……判りやすくていいだろう?」
クロン/俺達の、元の男というのは……。
GM/「全てがゼロからやり直しのお前にはもうどうでもよくなったことだ。一度鋼魔化し戻った時の頭はカラッポになるらしい。無い頭であまり考えるなよ」
クロン/……お前は、世界を滅ぼすか。そして俺は、お前だったのか。
GM/「ああ、オレはお前だったんだ」
クロン/……違う。
GM/「……違う?」
クロン/違うな。俺はこの世界を滅ぼしたいなんて思わない。――この世界は、とても綺麗だから。
 ……俺は最初から、カラッポだったんだな。だけど、この世界を滅ぼしたいなんてそんなことは思わなかった。初めからだ。カラッポだったからこそ判る。この世界はとても美しくて、とても愛おしいものだ! 絶対に、この世界を壊させなんかしない! セレスティアルス、来い――!

 クロンの元に現れる蒼のセア・クシポス、セレスティアルス。
 蒼い巨神は召喚され、クロンの声に応じる。

GM/「……ふ、ははは、神格機兵を呼んだか! つまりは自分を殺す準備が出来たということだな?
 お前がそう言っても、もう別物になってしまったというのは白と黒に分かれてしまった身。判っていたことさ。別にオレはお前を取り込もうなんて思っていない。元の色に戻りたいとも思っていない。……力が増えるのは惹かれることだがな。……オレの寿命は見えてるがまだ刃向かう力はある。やらせてもらおうか。
 ――戦場が広がる。神ヒトツ降り立つ。我に力を、導きを。さぁ愚鈍な輩よ跪け……ブリュンビルデ、召喚!

 静声と叫ぶ。辺りの空気がざわめく。
 途端降り立つ黒い巨神。――ブリュンビルデ、降臨。


クロード/クロンさん。クロンさんはそのヒトと同じなんかじゃないですよ。一人一人個性がある、決してカラッポじゃないよ、みんな。
 クロンさんやヴァロードさん、カミールさんもみんな仲間です。今までいっしょにいたんだもの。カラッポなんかじゃありません。――おいで、フェンリル!

 優しい声に誘われるように巨神フェンリルが現れる。
 緑のグリタールはクロードを守るように前に立ちふさがった。


ヴァロード/……私には一つ夢がある。クロンさんみたいに世界を救いたいとか、そういうんじゃなくてもっと個人的なものだ。……私がいることで無駄な命なんてないってことを証明すること。それが夢だった。今、証明してみせる――来たれ、マンジ!

 剣を持ったエクレール・シュヴァリエが黒い影の前に降り立った。
 赤い光が舞う。――紅の巨神、参上。

カミール/……ミルティア。
 あの日、俺は約束を果たせなかった。お前を守ると言ったのに……だから今度こそ、お前を守ってみせる。
 ――神よ、あの日……大切なものを失ったあの日、貴方に祈るのをやめました。けれど、たった今一度だけ貴方に祈ります。
 どうか、我らに加護と勝利を。――カモン・サイレンス!

 ●戦闘/1ターン目
GM/ミルティアの機体クワイエット、シロンの機体ブリュンビルデともに2マス離れています。では戦闘開始、どうぞ!
クロン/【宣言】、全力でこの戦いを終わらせる! 【フェイバリット/機神融合】【フェイバリット/ウェポンパージ】【フェイバリット/ソウルバーニング】使用! ……艦長、オーバーロード承認してください。
カミール/承認した。本気を出せ、クロン!
クロン/オーバーロードいきます。……その前にシロン。一つだけ聞かせてほしい……君はこの世界に絶望しているのか?
GM/「絶望? 絶望なんてしてないさ。新しい力……新たな世界に進みたいだけ。それは『自分の想いが一番』というポリシーからだが、お前も同じなんじゃないか? 決して絶望なんてしていない、寧ろ新しい未来に希望を抱いているさ!」
クロン/……だがその新しい未来は、血壁を壊し、鋼魔に溢れ、この世界の人達を殺してしまうんだぞ。
GM/「新しい場所へ、新しい境地へ、……それが濃い血を求める【聖者の系譜】の使命ではないか? 単純にオレはそう考えてるよ」
クロン/……もっといい方法がある筈だ! 新しい場所、それはこんな悲しい方法なんかで手に入らない。……もっと、もっとみんなが笑っていけるような方法があるじゃないか……! それをなんで考えないんだよ! ――なあ、お前は俺だったんだろう!?
GM/「ではそれは何だというんだ? そんな曖昧なものでなく端的に表しておくれ」……ブリュンビルデは動き出します。
クロン/絶対にある筈なんだ、みんなが笑って暮らせる世界は……艦長、ヴァロードさん、クロードさん……俺が間違ってますか!?
クロード/……いいえ、クロンさんは間違っていませんよ。
ヴァロード/ヒトには色んな考えがある。今はただ考え方が違う者同士がぶつかってしまっただけ。気にすることはありません。
カミール/そうだ、お前はお前の道をいけ。――私達は全力で支えてやる。
クロン/……ホラ、こんなにも世界はあたたかい。だから……。なあ、いこうセレスティアルス、女神のつるぎをいだく者。――この世界を守る。俺は俺の道をいく……。

 セラフィム・オーバーロード承認。
 天使よ、降りそそげ。
 この世界を、守ろう……。


ヴァロード/1歩前に進みます。クワイエットに【フェイバリット/刀渡】×2!(ころころ)【絶望】のカードを足して物理ダメージ57!
カミール/同じく、クワイエットへ【メインアーム/噴進霊子弾】!(ころころ)命中30!
GM/(ころころ)当たります、ダメージどうぞ。
カミール/【愛】のカードと【武器/ライフコンバータ】使用、プラス4Dダメージ!(ころころ)霊力42点だ、撃てええぇ!
クロード/ボクは補助に徹します。クロンに向かって【フェイバリット/フォースシェル】! 物理・霊力装甲プラス5にしますよ。
GM/では敵のターンに参ります。……その前に。

 ゴゴ、ゴゴゴと軽い地響きが起きる。神格機兵とは違う重圧感、奥の方に現れたのは……紫のロボット。聞こえる声は、少女のものだった。
「シーナデヴィーネフィールド、起動。
 白猫! 用意はあるけどちょっと読み込みに時間かかってるの。私も手伝うよ、西暦の力でね!」


クロン/マナ、君まで……君まで戦うのか!?
GM/「私の夢はさっき教えてあげたでしょ? 叶えるためにも、貴方達を……倒すわ」
クロン/君まで、なんで……!
GM/「……だーからっ、何度も言ってるじゃない。私は悪役だって!」
クロン/…………ぷつん。
カミール/あ、キレた。
クロン/もういい、もういいよ。――艦長っ!
カミール/……なんだ。
クロン/暴走許可、ください!
カミール/ダメだ。
クロン/わ、ダメって言われちゃった(笑) ……でももういい、俺は決めました。
GM/なにを?
クロン/――全員まとめて救います。それが俺の道です!
GM/「は? ……えぇっ? 何言ってんのアンタ?」
クロン/たとえ自己満足だろうがなんでもいいです。君の願望……いや君達の願望を壊すことになっても構わない。全員救ってやる、全員生きて……全員でエンディングを迎えてやる! ――【フェイバリット/アブソルーター】発動!
GM/「はんっ、またおかしな事を言うなお前は……! 皆の者、西暦の力……存分に見たまえよ?」――では先にクワイエットが槍で攻撃を開始します。マンジに向かって(ころころ)命中47!
ヴァロード/(ころころ)45、【勇気】4のカードプラスさせます!
GM/避けられます。次にブリュンビルデがは【フェイバリット/テレポートコード】を使用!
クロード/わ、飛んできた。ズルーイ!
GM/という訳で、【魔術/イフリートコード】使用! サイレンス、マンジ、セレスを魔法で燃やし尽くす!
カミール/回避ー!(ころころ)42。
クロン/(ころころ)48!
ヴァロード/(ころころ)47です。
GM/(ころころ)命中45。(ころころ)霊力ダメージ62!「燃え尽きろ、灰になるがいい!」

 ●戦闘/2ターン目
クロード/【フェイバリット/シームルグコード】! 2回かけてクワイエットとブリュンビルデの物理装甲が0になります。さぁどんどんやって!
ヴァロード/物理ダメージのできるもので攻めます!【アウターモジュール/ランサーモジュール】で攻撃!(ころころ)ブリュンビルデに命中33!
GM/(ころころ)当たります。
ヴァロード/(ころころ)29ダメージ、素通しで食らわせます!
クロン/いくぞ、最大火力。【フェイバリット/ブレイブハート】&【オーバーロードスキル/フェニックスアロー】×2!(ころころ)両方に物理ダメージ153! 火の鳥よ、いけええぇっ!
カミール/では1歩進んで、ミルティアに向かい【フェイバリット/ブレッドミサイル】!(ころころ)25の物理素通しダメージ! どかーんどかーん!
GM/くっ、装甲0は流石に痛い! ――次にクワイエット、蹌踉けながらも前に行く。【フェイバリット/ロンギヌス】使用、サイレンスとフェンリルに対し、物質化した巨大な槍で串刺しをします!(ころころ)物理ダメージ71!
カミール/ぐあっ、残りHP18……次、回復を頼む!
GM/それをさせる前に、ブリュンビルデが動きます。……艦長さんに、【魔術/ヴァルキリーコード】!(ころころ)命中55。
カミール/か、回避ー!(ころころ)43!
GM/(ころころ)霊力ダメージ74、ヴァルキリー召喚、切り刻め!
カミール/オーバーキルだ! ……【フェイバリット/次元断層結界】使用!
GM/絶対防御展開を張られました。――それでは、奥のマナの機体はセレスティアルスに対して砲火!(ころころ)命中45。
クロン/セアぷーの名にかけて避ける!(ころころ)回避49だ!

 ●戦闘/3ターン目
クロード/自分とサイレンスに【フェイバリット/ネクター】! 全回復です。今度はクワイエットだけに【フェイバリット/シームルグコード】!
ヴァロード/1歩離れてクワイエットに【フェイバリット/刀渡】!(ころころ)【勇気】のカードを入れて物理31、素通しダメージ!
GM/「ぐおおおお……!」神格機兵というより魔物に近いクワイエットは痛みに雄叫びを上げた。
クロン/2回連続いきます!【オーバーロードスキル/フェニックスアロー】(ころころ)物理ダメージ198! 2体分の大きさのフェニックスが襲いかかる!
GM/「ぎ、ぎぎぎ……!」炎にやかれ鋼鉄の装甲が剥がれ落ち無惨な姿に陥る……がまだクワイエットは動こうとしている。
カミール/……おそらくコレが最後だ。【フェイバリット/ブレッドミサイル】!(ころころ)物理で20、素通しダメージ! 撃てえぇ!
GM/「ぐあ、ああああ!」叫び上がる鋼魔。……ミルティア撃墜! 爆発するクワイエット、消え去ろうとしている……彼女の体。
カミール/【オーバーロードスキル/アブソルートソウル】! ミルティア……帰ってこい、俺の元へ!
GM/落ちていくミルティア。しかし、そこにあたたかい光がふわりと彼女をつつみ込み……倒れた。
カミール/【フェイバリット/サルベージ】! 即座にミルティアを回収する。……だが会いに行かない。今は戦闘中だ。
GM/戦闘継続。艦長はパイシースやタウロス達メディックがバタバタ動いているのが判った。
カミール/……彼女は絶対に生きている。今はまだ戦わねばならん。
GM/――ではブリュンビルデのターン! 範囲攻撃です、全員食らえ【フェイバリット/テュポーンコード】!(ころころ)「簡潔な言葉を贈ろう、――全て消え去れ」物理ダメージ127! 禍々しい魔物が襲いかかる!
クロン/間違いなく死ぬ! 【オーバーロードスキル/ナパームレイン】で相殺!(ころころ)……よし、ダメージ57で生き残ったー!
クロード/ボクは生き残ります……辛うじて!
ヴァロード/か、完全に撃墜されました。ガガガガ――!
カミール/まだ平気だ。クロード、次に全員分回復を頼む。
GM/マンジのみロスト。――では最後に、マナの機体が動き出します。またセレスに砲弾!(ころころ)命中は55ですよ。
クロン/(ころころ)回避41。……GM、精神コマンドのひらめきって使っていい!?(笑) 現在LPが4な状態です……。
GM/勿論ダメですよ。(ころころ)物理ダメージ38、ドカアーン!
クロン/あ……HPが1残った!(笑)

 ●戦闘/4ターン目
カミール/自己回復しよう、【フェイバリット/ネクター】使用!
クロード/残り3人に【フェイバリット/ネクター】! 全員全回復してくださーい!
カミール/クロン、一度戦艦に戻れ……【フェイバリット/サルベージ】、回収!
クロン/戦艦に戻って、その後に3マス移動します……ブリュンビルデに【オーバーロードスキル/ナパームレイン】!(ころころ)物理73ダメージ! 真紅の燃え立つ翼が雨のように敵に降りそそぎ、そして2回目を……。
GM/その前に。――【ブラックライトニング】使用!
クロン/来たか! 73ダメージ食らって……まだ生き残ります。でももうヤバイ!
クロード/じゃクロンに【フェイバリット/ネクター】かけますよー? また全回復!
クロン/よし、全快したら怖いものなしだ……もう一回いくぞ!(ころころ)71ダメージ!
GM/ではそちらはシーナが【防具/グラビティシールド】! ダメージそのままシロンからマナへいただきます。――ブリュンビルデのターンいきますよ。攻撃をマンジへ【魔術/ヴァルキリーコード】!!(ころころ)命中61!
ヴァロード/(ころころ)回避50! ダメージ下がれー!
GM/(ころころ)あ、ホントに下がった……霊力ダメージ49! そしてマナはセレスに攻撃(ころころ)命中41!
クロン/(ころころ)45……セアぷーの名にかけたよ……。

 ●戦闘/5ターン目
クロン/【アウターモジュール/ライフサポートモジュール】でLPを3に回復します。そして撃つ……女神の波動!【オーバーロードスキル/ゴッデスプレアー】(ころころ)霊力ダメージ109だ! 
クロード/クロンさんが頑張ってる横で、……さあ貴方の物理は0にしよう、【フェイバリット/シームルグコード】!
ヴァロード/ダブル炎いきます、【チャクラフェイバリット/烈火】×2!(ころころ)物理81のダメージ、燃やします!
GM/燃え上がるブリュンビルデ、崩れ落ち……る前にタケミカ、じゃなくて【ブラックライトニング】! 81そのままマンジへ返す!
ヴァロード/二回目っ!? ……燃やされて、また撃墜しました。
GM/しかしこちらもマンジと同時に燃え上がる。浮いていた機体は地をつき崩れていく。そのままパイロットも……。
クロン/【オーバーロードスキル/アブソルートソウル】。……救ってやる、お前を。
GM/「……いいのかな、そんなコトして?」
クロン/黙れ。……お前の意思なんか、関係ないんだよ。
GM/崩れゆくブリュンビルデは、セレスティアルスの蒼い光につつまれる。シェルターに蒼が広まり染まる機体、……落ちていくシロン。
クロン/パシリと受け止める。……艦長、ふんじまっといてください。
カミール/【フェイバリット/サルベージ】! ……アクエリアスとジェミニ、行ってこい。
GM/「はい!」慌ただしく走り出すマシンネイチャー達……。残された機体は1機のみ。
カミール/彼女に降伏の様子は、……ないか。1歩動いて【メインアーム/噴進霊子弾】を撃つ!(ころころ)命中31!
GM/(ころころ)残念、当たりませんでした! では艦長さんへビーム砲!(ころころ)命中45。
カミール/(ころころ)40……当たってしまった。
GM/(ころころ)物理ダメージ73です。ビームが一貫、焼かれる戦艦!
クロード/でも戦艦なら余裕だね。――ヴァロードさんに【フェイバリット/ネクター】! 生き返って!

 ●戦闘/6ターン目
クロード/ちょっとマナから距離が離れすぎてますね……艦長、頑張ってください。【フェイバリット/アネモス】!
カミール/離れたマナへと近付くぞ。全機、戦艦に戻って来い、ワープする!
ヴァロード/はい、乗ります。
クロード/あ、ボクも乗るー。
クロン/……すいません、強制搭乗してくれますか。
カミール/わかった。クロンを【フェイバリット/サルベージ】! マナの近くまで【チャクラフェイバリット/縮地】でワープする! 3マス離れたところにおりよう。
GM/シーナデヴィーネフィールドと呼ばれる西暦のロボットは砲身を戦艦に向けます。……神格機兵と違いより機械的な動きで。
クロン/戦艦から出て【オーバーロードスキル/ナパームレイン】を……3回撃ち!(ころころ)物理ダメージ……220だ! 降りそそげ、炎の雨!
GM/相殺!(ころころ)少しだけダメージを軽減させました。――それでは皆様、近付いてきてくれてありがとうございます。
カミール/……やはり迂闊に近付くのはヤバかったか?
GM/範囲攻撃、全員射程内! 戦艦に収容されているマンジは食らいません、3体だけダメージをどうぞ。――砲門から黒い負の閃光を放つ、【フェイバリット/ジエンドオブワールド】!(ころころ)物理ダメージ108!
カミール/大丈夫だ、まだ生きてる。
クロード/こちらも生きてます、平気!
クロン/……ああっ、もう計算考えるの辛くなってきた! 【オーバーロードスキル/アルティメットシールド】使用! LPマイナス2して受けるダメージ0にします。

 ●戦闘/7ターン目
カミール/フェンリルに【フェイバリット/ネクター】……マンジ、出撃しろ。もうすぐ終わる、叩け。
ヴァロード/戦艦を出て【メインアーム/ソードライフルライフルモード】いきます。(ころころ)31命中!
GM/(ころころ)当たります。
ヴァロード/(ころころ)物理ダメージ28! ……クロンさん、平気ですか!
クロード/クロンさんに【フェイバリット/オーバード】! LPを完全回復します……そして自分にLPマイナス3。次で倒して!
クロン/……きっともう終わる気がします、……いくよ、【オーバーロードスキル/ソードオブクゥーン】! 創世に司し女神の剣で……(ころころ)物理・霊力ダメージ142! 切り裂く――!
GM/きゃああぁっ!」機械の剛体を打ち破る聖剣、一瞬の静寂のあと――小さな爆発が起こり火花が散る!

 スピーカー越しの叫び声。ぷすぷす、バス……バチバチ。崩れ落ちるロボットは、煙を上げて西暦の機械の上に倒れ落ちた。
「はぁはぁ、ケホケホッ。頭打っちゃった……クラクラする……なんか、身体中痛いし……全身打撲ってやつ? 交通事故ってこんな風なのかな……」


クロン/……大丈夫かい?
GM/「全然大丈夫じゃなーい! ……私もガンダムとか乗れると思ったんだけどなー……痛い」パチ、パチッとロボットは火花を散らす。
クロード/多分重傷なんじゃないですか?
クロン/おそらく。……今救出するよ。
GM/「やめて。……このロボット、神格機兵と違って消えないの。これから爆発するのは判るよね?」
クロン/爆発するなら余計に、だから……。
GM/ブロッコリー!
一同/……えっ?
GM/マナが叫ぶと、……先程艦長が逃がしたブロッコリー……だけでなく、ブロッコリー達がわきゃわきゃ出てくる!
クロード/沢山っ!?(笑)
GM/そして、……ぎゅむっと神格機兵の足元につかまるブロッコリー!「行きなさい!」「ブロー!」ブロッコリー達の手には、スイッチが……カチッ。
カミール/……あっ!
GM/西暦の科学瞬間移動装置をオン! 消える神格機兵! ……消えるフェンリル、消えるマンジ、消えるサイレンス、……ぴょーん。
クロン/ぴょーん?
GM/ぴょーん、ぴょーん、ぴょーん! ……セレスの足元に向かってジャンプするブロッコリー。
クロード/あ、空にいるから?(笑)
ブロッコリー/届かないブロー! ぴょーんブロー! 外に出るブロー! 早く出ないと爆発するブロ、マナに怒られるブロー!
クロン/……えっと、どうしよう(笑) 
GM/「あはは……西暦のテレポートコードだと思えば怖くないでしょ? 早く行った方がいいわよ、爆発するわ」
クロン/君はどうする気だ。
GM/「私は体中痛いし動けないからこのままでいるわ。そっちには判らないかもしれないけど、実はちょっと血も吐いてるし」
クロン/そっか、コクピットはどこ?
GM/「……。そこでぴょんぴょんしてるでしょ、早く行きなさいよ」
クロン/つべこべ言うな、コックピットはどこだ?
GM/「教える訳ないでしょ! こっちが華麗に散ろうとしてるのに……」
クロン/……なあ、ブロッコリー。
カミール/(ブロッコリーになりきって)なーにー?(笑)
クロン/お前達の主人を助けたいだろ?
ヴァロード/(ブロッコリーになりきって)助けたーい!(笑)
クロン/コクピットはどこ?
クロード/(ブロッコリーになりきって)あそこーあそこだよー!(笑)
クロン/ちょっと待ってろ、直ぐに助けてやる。
GM/「あぁっ! もうブロッコリー、ダメでしょっ!」(笑)
カミール/(ブロッコリーになりきって)えーダメなのー?
クロード/(ブロッコリーになりきって)ダメだよマナ、死んじゃー。
クロン/コクピットのボタンをカチッとな。運び出せそうかな?
GM/開けると、いかにもメカメカしいコクピット……の中に、少女がボロボロで凭れ掛かっています。「……ぷんっ!」
クロン/……君、どうしてそんなに死にたいの?
GM/「ここの人達には悪いけど……元々、人間は千年前に滅びるもんだったからね。今更どうなっても誰も恨まないわ」
クロン/だからと言って君がその運命に従う理由はまったくないだろ?
GM/「……言ってることが判らないわ。外の人達を殺すなーって私を攻撃してきたんじゃない」
クロン/そうだね。……ねえ、俺はね、記憶が無かったんだよ。
GM/「え? ……ええ、さっき白猫がそう言ってたわね」
クロン/何にも無い、カラッポだったんだ。……そんな時にね、みんなと会えたんだ。この世界のみんなと。
GM/「……うん」
クロン/ねえ知ってる? ノーデンメーアの真っ白な雪。地平線の向こうまで真っ白なんだよ、雪ってさくさくして冷たいんだ!
GM/「……知ってるわよ。私、札幌にいたもの」
クロン/なあ、雪ってさ……遊べるってホントか?
GM/「雪合戦とかかまくらとか……ってそういう問題じゃないと思うんだけど」
クロン/そういう問題だろ。……あとさ、海って綺麗だと思わない? 血壁の向こうに何があるかよく判らないけどさ、やっぱりあの向こうは綺麗なんだろうな。
GM/「……」
クロン/それからさ、お好み焼きが美味いって知ってる? ウェストシティの綺麗な街だって、ハウフェトのあったかい温泉だって、この世界には沢山綺麗なものがあるんだよ。……ねぇ、もう少し目を見開いてこの世界を見てごらん。こんなに綺麗なものがあるじゃないか。
GM/「……」
クロン/みんなで笑える世界をみんなでつくろうよ。……大丈夫、君とならできると思う。……だって君、西暦の人間じゃないか! なんでもできるんだろ! それで、この世界壊さなくていいじゃないか! 壊さないで、……君の世界に続く路を探しにいこう。世界って広いんだろう、まだ見てないところが沢山あるんだ! ――なあ、いっしょに……いこう?
GM/「……あのさ」
クロン/……うん?
GM/「よく喋るわね、アンタ! ――でも、もう……遅いわ」
クロン/……え?


 ★エンディング


 3人は帰ってきた。――ハウフェトの、夜の山に。
 3つの神格機兵は森に降り立つ。外の世界は何も無かったかのように静かで、街の美しい灯りが見えた。本当に何も危機が無かったかのような平和な光景だ。
「ブロッ、ブロ……」
 神格機兵の足にくっついていたブロッコリーが離れ、森へと逃げていく。
「ブロッ、ブロブロ……」
 彼女を守っていた騎士達は、緑の中へと帰っていく。
 そして、……今の時代とは違う場所で、何かが起こる音がした。
 ――ドーン、という爆発音が。


 ★エンディング/カミール



GM/戦いが終わった戦艦の一室。……彼女は眠っています。あの戦いから2日も経ったというのに、それでも目覚めない彼女。
カミール/……只、傍らで膝をつき見守る。
GM/パイシース達が心配げに話し掛けてきます。「あの、もう少し艦長も休んだ方がいいのでは……」
カミール/いや、私はまだ大丈夫だ。お前達こそ休め。
GM/「あ、はい、えーっと……」困り顔のマシンネイチャーの横に、副官のヴァルゴがやって来る。「艦長」
カミール/なんだ。
GM/「明日の十六時、デシード寺での任務が始まります。その時には艦長としての顔を見せてくださいませ」
カミール/……判っている。それが私の仕事だ。
GM/「……。それまではどうぞお休み下さい、お身体に気を付けて」そう言い、他の者達を引きずり去っていくマシンネイチャー。……部屋に残るは貴方と眠っている彼女のみ。
カミール/……変わらない。彼女が目が覚めるまで私は待つ……。
GM/貴方が祈る、ただ一度の神への祈り……。強く想いを念じた時、――彼女の手がピクリと動いた。
カミール/ミルティア……っ?
GM/瞼を開け、天井を見て、周りを見渡し……傍にいるカミールを見る。「んん、えっと、私は……?」
カミール/目が覚めましたか、大丈夫ですか?
GM/「あ、はい……あの、ココはドコですか?」
カミール/私の艦の中です。
GM/「え? その、……どなた様ですか」
カミール/ご自分の名前は言えますか。
GM/「は、はい、ミルティアです。……えっと、貴方は誰で、私はどうしてココに?」
カミール/……申し遅れました、私はカミール・クライアスです、初めまして。……貴方は道で倒れていたんですよ。それを見付けて医務室まで運んだのです。
GM/「そうなんですか、ありがとうございます! ……あれ?」
カミール/どうかしましたか?
GM/「私、名前はミルティアといいます。……でも、私って、……誰なんでしょうか」
カミール/何も覚えていらっしゃらないのですか?
GM/「そ、そうみたいです……ごめんなさい、あれ、なんでだろう?」
カミール/謝ることではありません。……貴方は貴方ですよ。思い出せないのなら、思い出せるまでここにいませんか?
GM/「え……いいんですか?」
カミール/歓迎します。
GM/「ありがとうございます! ……その、今頭の中はカラッポですけど……少しずつ埋めていきます。ちゃんと思い出していきますから!」
カミール/ええ……また始めていきましょう、宜しくお願いしますよ。
GM/「はい、宜しくお願いします……カミールさん!」


 ★エンディング/ヴァロード


GM/あれから3日、任務の日。一人でアークの任務があるデシード寺に向かう。寺への道である大きな石段を歩いて行きます、とっとっと……。
ヴァロード/うー、長いなぁ。ちょっと疲れてきた……。
GM/クルースニク他、観光客も数人……それなりに人はいるようです。同じように隣には石段を登るメイガスのおじいさんがいたり。「ぜはー! 確か西暦にはエレベーターなるものがあったというのぉー……!」(笑)
ヴァロード/だ、大丈夫ですかー(笑)
GM/「もう儂も年でのぉ、そんな便利なものが早く発掘されんかのぉ。……いいですなぁ、子供はあんなに元気で」――と言ったところで上を向くと、男の子がたったったと降りて来ます。「ヴァロ兄ーっ!」
ヴァロード/……エルクかっ?
GM/「やっぱりヴァロ兄だー!」タッタッタと石段を駆け下りてくる男の子。トットット、こけっ!
ヴァロード/落ちる落ちる!(笑) キャッチ!
GM/「わあ、ヴァロ兄、久しぶりー!」
ヴァロード/う、うん……なんで君がここにいるんだ?
GM/「おばあちゃんのお参り! オレんちはツーデルだけど、おばあちゃんはハウフェト生まれだからここにお墓があるの。でもってね、これから温泉に入りに行くんだー!」
ヴァロード/お参りか……ここに眠っているのか?
GM/「うん、お寺の先にお墓があったよ」……そう話していると上の方からエルクの父、宿屋のオヤジさん達がやって来る。「やぁ、久しぶりだな! 元気にやってるか?」
ヴァロード/お久しぶりです。
GM/「なんでヴァロ兄はここにいるの? お参りに来たの?」
ヴァロード/いや、ちょっとね。色々とココでやらなきゃならなくて。
GM/「お仕事? お墓で?」
ヴァロード/ううん、お寺の方でね。
GM/「ふーん。さっきオレね、おばあちゃんのお参り行ってきたんだ。死んだ人にはちゃんと敬意を払わなきゃいけないんだぞってお寺のヒトに言われたよ。ちゃんとヴァロ兄は払ってるう?」(笑)
ヴァロード/し、失礼だなぁ……ちゃんとそれぐらい弁えているよ。
GM/……そう、死んだ人達。貴方の手の刻印が少し疼く。――貴方は人の死を乗り越え、力を手に入れ……今の自分があるのです。「ちゃんと亡くなった人にお参りしなきゃダメだよー」
ヴァロード/……そうだね。私もお参り、行くかな。
GM/「そうだヴァロ兄! 早くツーデル村に戻ってきてよ。カブト虫狩りに付き合ってくれる騎士がいないんだよ!」(笑)
ヴァロード/んー……じゃあ、任務が終わったら戻るさ。
GM/「ホント?」
ヴァロード/うん、約束する。
GM/「それじゃあ約束、――男の約束!」がつっ! 貴方がツーデル村に出た時と同じように、誓いの拳をぶつけ合ったのでした。


 ★エンディング/クロード


GM/クロードはアークの任務、血壁修復作業のためにデシード寺に集まっております。……まだ一人です。
クロード/ヴァロードさん達が来ませんねぇ……まあ艦長とかは訳アリだから仕方ないんですけど。艦長とか艦長とかは、艦長だし?(笑)
GM/訳あって一人な貴方。でも寺には多くのクルースニクが集まっています。そろそろカミールやヴァロードも集まろうとしてるんじゃないかなと思い始めた頃。――後ろからポンポンと頭を叩く手が!
クロード/わぁっ! こ、怖々振り向きます。
GM/振り向くと、女の人が笑って立っています。「やぁ、クロード。相変わらず小さいねぇ!」
クロード/小さいは余計ですっ、……サーラさん!(笑)
GM/ご名答、ブライトインゼルのサーラです。「やっぱりアンタも集まってたんだね。一人かい?」
クロード/うん……今のところね。
GM/「でもどうせ来るんだろ、3人とも?」
クロード/……うん、多分ね。
GM/「私もねえ、アークから脱退したのにクルースニクの力をとにかく集めたいって伝令が来てさ、連れて来られたんだよ。――まっ、ユーリも早くみんなと遊びたいって言ってるぐらい回復したからさ、治療は進んでいるしイーストエリアに出張しても大丈夫だと思って」
クロード/そうなんだ、良かった! ……サーラの方は大丈夫?
GM/「私はちょっとやそっとじゃへこたれないさ、大丈夫だよ」
クロード/何かあったらちゃんと言ってね?
GM/「強い女だからね、私は」ふふんと笑うサーラ……と話してるところで、後ろからドーン!
クロード/うわぁっ!(笑) い、痛い……今度は何っ?
GM/「クロード君だよね、久しぶりー!」振り返ると背中に張り付いている……キツネ耳の少女。
クロード/あ、ミナちゃんですね、シャケ送ってくれた(笑) お久しぶりです。
GM/「わー、ホントに久しぶりだね。相変わらずクロード君、小さいなぁ!」
クロード/小さいは余計だよ、みんなっ!(笑) ミナちゃんも来てたんだね。
GM/「うん。でもそっちは列島中をまわってるからいないかなって思ってたんだけど、会えて嬉しいな! そういえば聞いた?」
クロード/なにを?
GM/「本部からの話なんだけど、急に増えていた鋼魔がね……ここ3日間で殆ど現れなくなったんだって! 新しい鋼魔情報が全然入ってこないらしいよ。最近ヤケにいっぱい出現してたのに急に数が減ったからみんなビックリしてるみたい」
クロード/……3日前って、あの爆発から?
GM/「でもまだ3日だから、気を引き締めていかないとダメだね。任務は怠らないようにしなきゃ!」
クロード/そうだね。……でも大丈夫だよ。もう、何事もなくなるよ。
GM/「そうなるといいね……そうだクロード君、良かったら後でハウフェト名物食べに行こうよ。焼き饅頭とか、蒟蒻とかさ!」
クロード/あの……ミナちゃん。――今までクロードと名乗ってきましたが、改めまして。ワタシはクロウディア・イシュアールといいます。今まで黙っていてごめんなさい。
GM/ミナは「えっ?」と素っ頓狂な声を出す。それを聞いてる後ろのサーラはニヤニヤ。「えっ、えっと、女の子だったの?」
クロード/そうなんだ。故郷の風習でね。
GM/「そうだったんだ! ……でもいいの? 女の子なのに男の子ばっかの部隊にいて」
クロード/うん、いいの。みんな優しいしね。
GM/「そっか。……もしかして気になる人とかいるのー?」……コイバナに発展します、女3人いればね(笑)
クロード/みんな優しいから、みーんな大好きだよ。
GM/「……あははは! クロード、アンタ一皮むけたねぇ! まだ恋人とか早いだろうけど、アンタはきっといい女になるよ!」サーラが馬鹿笑いしながら頭をガシガシッ!
クロード/うぅ〜っ! いいもん、これから素敵なヒト見付けるからいいんだもん〜っ!


 ★エンディング/???


 戦艦の医務室。
「クッ! ……はあ」
 ……耳が垂れ力無くベッドに横たわったまま、男は天井を見上げている。溜息。それと口から出るのは不満の詞。
「……何も起きていないということは、放送はできなかったということか」
 その部屋には誰もいない。只、男の独り言だけが空間を作る。
「強さを求める……新たな力を求める、それは血を種を繁栄させようとする高貴な我らにとって当然のことだろう? なのに――ふんっ、オレとアイツは別物ってことか。
 うざいな。……どっちかいなくなった方がスッキリする。なら、オレの方からいなくなるとするか……」
 真っ白な医務室。白い男は天へと手を伸ばした。
 しかし伸ばした手は落ちてくる。
 力無く、男はゆっくりと目を閉じた。
「……二つに分けられ、体力を全てあちらに持っていかれた。……そのオレが、そんなに、もつわけ、ない……だろう……?」
 ――停止する体。部屋は、何もいなくなった。


 ★エンディング/クロン


 淀んだ世界にいる。
 体は無い。手を見ることもできなければ、足を知覚することもできない。意識体の貴方。
 ―――貴方は、誰だろう?
 淀んだ世界。灰色の世界。
 そんな貴方に、二つの光を与えよう。
 一つは白。神々しく白い光が浮かび上がる路。それはあちら。
 一つは黒。禍々しく黒い光が浮かび上がる路。それはあちら。
 ――さぁ、貴方はどちらを選ぶ?


クロン/……普通に考えて。神々しい白い光の路に進む。
GM/でも貴方はさっきまで『黒』だったのに?
クロン/けど禍々しいんだろ? ……ここは迷わない、ハッピーエンドにしよう。
GM/……では貴方は路を選んだ。
 灰色の世界から、新しい色の世界へ。白く輝く世界へ……。

 ――気付いた。
 鴉の鳴き声。涼しい風。
 真っ赤な大地に、……茜色の空。
 無の世界から有の世界へ。
 選んだ世界は色に溢れた世界。
 選んだ自分は、自分は誰、……貴方は、誰?


『……クロン。俺は、クロンだ』

 呼ぶ、自分の名を。
 ――上から覗き込む顔に向かって。


GM/「……なによ。私が名前呼ぼうとしたのに、なんで自分で呼んでるのよ!」
クロン/……にゃー?
GM/「……ぺちぺち!」
クロン/にゃーあ! ふるふる!
GM/――で、貴方の姿は、如何なる形ですか?
クロン/多分、黒い猫になってるんじゃ?
GM/そうですか。……少女が話し出します。「私の話、聞く?」
クロン/みゃーっ。
GM/茜色の空の森の中にて、彼女は言います。「何故助かったか、私もよく判らないけど説明した方がいいよね。
 まぁ、どうやってかと言ったら魔法の力のおかげでしょ。ファンタジーの世界っていいよね、私がいた世界じゃ考えられないわ。あの爆発の中で生きてるなんて……本当におかしな世界。
 でも、終わりよければ全てよしって言うでしょう?
 ……こんな終わり方は、気にくわないかしら?」
クロン/……いいや、悪くない終わり方じゃない? 多分ね、きっとこういうの『奇跡』っていうんだよ。……ところでココ、どこ?
GM/「どっかの森でしょ。……でもこの空の色を見る限り夜になる前にどうにかしないとヤバいんじゃない?」
クロン/……にゃあ。でもなんとかなるよ。何があっても、君は俺が守るから。
GM/「ふーん? ……猫のくせにナマイキ」デコピン!(笑)
クロン/ふみゃあぁっ!(笑) ころころ回って痛がる!
GM/「……ねえ。人間ってさ、この世界ではどう生きたらいいと思う?」
クロン/みゃ? そうだね、……俺の知り合いにカミール艦長ってヒトがいるんだよ。冷酷で仏頂面でさ、頼んでもいっつもダメダメ言ってさ、でも凄く親切で優しい人なんだ。あのヒトなら何か知ってるかな。……まあこの世界が俺達の世界か知らないけど、俺達は生きてる。――探しにいこうか?
GM/「……そう、ね。それにしてもアンタ、猫になってもおしゃべりね?」
クロン/ところで俺、ヒトの姿に戻りたいな。出来ると思う?
GM/「ここってファンタジーの世界でしょ? ヘンゲの呪文ぐらいあるんじゃない?」
クロン/クロードさんに訊けば判るかな? そういやクロードさんてね、最初は男の子の格好しててさ、実は女の子で凄くビックリしたんだ。ちょっと照れ屋でさ、昨日なんか凄く可愛かったなぁ!
GM/「……アンタ、これから森をどうにか抜けるのよ? そんなに喋ってるとお腹空くでしょ」
クロン/あ、ゴメン。
GM/「……さっさと探しに行きましょうか」
クロン/探しにいこう、みんなを。――ところでヴァロードさんがさぁ……!(笑)

 茜色の空の下。
 一人と一匹は、歩き出したのでした。
 いつかは判らぬ時の中で。

 光が世界をつつむ。人々は祈る。

 血壁を創ることはまだできません。
鋼魔が消える日はないでしょう。
それは人々に争いが起きる限り続くものです。
 繁栄は、永遠に続くものではない。
長く続く国もいつかは滅んでしまう。
花のように、世界は滅んでしまうものです。

 しかし、今を生きるこの時が大切なのです。
 戦い続ける貴方達がいる限り。

 平和を望む貴方達がいる限り――。


GM/『ギガントマキア・ファネスプロジェクト』これにて、終わりにさせていただきます!
一同/おつかれさまでしたーっ!(一同拍手)

クロン/……あのさ。結局これってハッピーエンドなの?
カミール/ハッピーエンドだろ。というか、真の黒猫になったなクロン!(笑)
GM/いやあビックリしました。まさか本当に猫になるって言うとは思わなかったもので。
クロン/……え? なにそれ?
GM/GMとしては普通に「ヒトの形で森に倒れているクロンをマナちゃんが上から覗いている」描写つもりでした。猫にさせる気なんて全然ありませんでしたよ。
クロン/……い、いや、なんか小さくなってたじゃん? だから……あうちっ! しまった! 猫にならなきゃ良かった! やり直してええぇー!(笑)
クロード/別にいいじゃん、猫になって帰ってきてよ。いっぱい遊んであげるー(笑)
クロン/遊ばれる!(笑) 頼む、ヒトに戻してくれー!(笑)
カミール/過ぎたことは仕方ない。クロン、痛恨のミスだな(笑) ……さぁ、最後に一人一言言い残せ!

クロード/今回皆さんお疲れ様でした。とっても楽しかったですよ……特に仲間とか、GMが凄い楽しかった(笑) きっとクロウディアはこれからなんとかなってるんじゃない? みんなといっしょにいて幸せになっていることでしょう。……白猫を追っかけてるかもしれないけれど。でも黒猫は黒猫でワタシは遊んでいることだろう!(笑) みんなとやれて良かったと思います。

ヴァロード/皆さん、お疲れ様でしたー。何にも判っていなくて……ご協力ありがとうございました、艦長! とても感謝しております。そして素敵な時間を過ごすことが出来たのも、これまた皆さんのおかげです。ありがとうございました!

カミール/ハイ、艦長をやらせて頂きました。けど特に指示は出せませんでした!(笑) 訊きたいことは全てクロンが訊いてくれました、ヤーッ! 私の態度にご不満があった方、ごめんなさい。あとGM、お疲れさん。面白かった、ありがとう! ……でもこれで週の生き甲斐が消えたんだ、どうしよう(笑) という訳で皆さんお疲れ様でしたー!

クロン/ゴメン、最後……勘違いした。そうか、ヒトだったのかー! あーあ……あーあ! ホントにあーあ!(笑) まぁ何というか……楽しかったです、本当にありがとうございました。みんながカッコイイプレイをしてくれましたので良かったと思います。GMもお疲れ様です、みんながみんなで楽しくやれたことをとても嬉しく思います。お疲れ様でした。

GM/最後に、GMのマーサーでございます。今回の目標『ライフパスを解消する』『ストーリーものでやってみよう』というものでした。できてた、できてた? 皆さんができてたと言ってくれたので大満足でございます、ワーイ! とにかくありがとうございました。
そして皆さん、本当にお疲れ様でしたー!(一同拍手)