ギガントマキアFP・リプレイ・ファネスプロジェクト
■ 第4話 『朱に瞬く』 ■
2007年12月5日




 神秘の到達。魔術。唱えるは女。光を受けるは男。
 ――暴走する魔力。
 手は無くなり脚までも失し、ヒトではない羽を手に入れた彼。
 それは魔物。ひとりの青年が剣を抜いた。

 ザクリ。

 流れる血は赤く、……魔物は光になることなく、まるでヒトと同じように血を流し、倒れた。

「ああ、なんということだろう。彼は彼でないか。
 どんな姿になろうと彼は私の彼だった。だというのに、あの人は彼を……私の、彼、を」

 声にならない。
 けれども、女は、叫んだ。


 ★カミール



 ブライトインゼルからテレポートし、ウェストシティまでの間。戦艦サイレンスの自室にて。カミールはベッドに横たわり休息をとっていた。
 軍服を脱いで休んでいると、枕元の通信機が意識を覚醒させる。副官の声でカミールは目を覚ました。
「艦長。皆様にウェストシティについてご説明しようと思いますので、どうぞメインフロアにお集まり下さい」
「了解した。今すぐ行こう」
「……艦長。すいませんが、艦長にのみお話したいことがあります」
「何だ?」
「艦長がお探しになっているお方のことです」
 一瞬カミールの表情が固まる。だがヴァルゴは構わず言葉を続けた。
「こちらが艦長からの容貌・最後に見掛けた位置などの情報から部下らに調べさせてみました。任務とは別なので大きな力を使うことは出来ませんが、最大限調べてみた結果、――該当する人物がイーストエリア北部で発見されたとのことです」
 おそらくツーデルからハウフェトにかけてのイーストエリア北部。
 予想以上に近くにいたということに、カミールは唇を咬む。その情報を手に入れること、発見することは、カミールがアークに入った理由にだった。
「報告させて頂きます。……あの方は人魔の姿ではなく、人型――艦長がお探しになっている『そのままの姿』で目撃されました。イーストエリアには、ウェストシティでの滞在後に向かいます。もしかしたらハウフェトに……」
「……そうか。ご苦労、よくやってくれた」
「……。任務に関係無いことをお話してしまって申し訳ございません。メインフロアでお待ちしております」
 通信が切られる。カミールは一度目を閉じ、思い出した。だが直ぐに代わらぬ普段の軍服に袖を通す。
「……そこにいるのか、ミルティア」
 そして呟いた。


 ★ヴァロード


 嫌な夢を見た。
 満月の夜、魔法陣の中で呪文を唱えるは女。力を得ると、成功すると思われていた魔術。しかし、暴走する魔力。魔力の波動を一身に受けてしまったのは、友人の……。
「……ラメル!」
 友人の名はラメル。叫んだ時には彼は異端の姿に変わっていた。
 手には剣刀があった。人魔になった友人を、彼女の目の前で、彼を、剣を――!
 ……目を覚ました。
「……またあの夢か」
 それは、クルースニクとして目覚めた夜の夢。嫌な汗をかき、妙に手の刻印が疼く。頭を振るった時、通信が入った。
「ヴァロード様、メインフロアにお集まり下さい」
「あ……はい、わかりました」
「……ヴァロード様? 調子が宜しくないのですか? 少々顔色が優れないようですが」
「いえ、大丈夫です。……ちょっとヤな夢を見ただけです」
「そうですか、――ところでヴァロード様。カグラというお名前に聞き覚えはございませんか?」
 不意にその名前を言われ、体が震える。まさか今、副官の口から出るとは思わなかった――ラメルの恋人の名だった。
「……ええ、あります」
「我々がノーデンメーアとブライトインゼルに行っている間、別部隊がウェストシティの任務に就いておりまして。その中の一人がファルシオン隊の名簿を見て、お話ししてくれたもので。――ヴァロード様の、ご友人の、ご友人だと言っておりました」
「そ、そうですか……」
「もしかしたらお会いできるかもしれませんね。それでは、メインフロアで皆様が待っております」
 通信が切れる。
 出来れば再会したくない相手だった。
力を求めた過去、その結果の暴走、友人の死、……別離。
「彼女に、会うかもしれないのか……」
 ――自分をクルースニクにした彼女に、再び出会う。


 ★クロン


 その日、クロンは……体の不調を訴えた。
 医務室にて。ベッドで怠そうに眠るクロンを、クロン付きのマシンネイチャーのパイシースが覗き込む。
「だ、大丈夫ですかー? 最近北から南へ気温の変化が激しかったですから……動物は急激な気温の変化に弱いですし!」
「獣って言うな! ゲホ、ゲホッ……」
「えっと、ネコに効くのってなんだろう……ネギを巻くのっていいんだっけ?」
「い、いえ……ネギはちょっと苦手で」
「あ、そうですね。獣だからネギ系はダメでしたね!」
 ツッコみたいけどツッコむ気力が無い! 薬を飲み込んでクロンはベッドに伏せた。
「――あっ。クロン様、お手紙ですよ。どうぞ!」
「え? 誰からだ?」
「ノーデンメーアのミナ様からです」
 フラフラしながらそっと取った電子文。アーク本部経由で送られてきた、キツネ耳の少女の元気な手紙だった。
『連絡先を頂いたのでお手紙してみます、ミナです。アークのお仕事であっちこっち行くの、大変ですね。元気ですか? このフミといっしょにシャケをいっしょに送っておくから食べてください』
「……そのシャケ、どこにあるんだろう?」
『さて、ちょっと真面目な話になります。前に「私以外に一族で同じ神格機兵を召喚する者はいないか」って話をしましたよね? 私なりに街の人達と調べてみました。残念ながら私の一族……代々刻印を引き継いでいく私の血は、私で最後のようです。
 それで判ったことなのですが、私の一族は本当に古い一族らしいです。元々はヒューマンの一族で、何代か前にお母さん方がライカンスロープの血がまじり、私はライカンスロープになったみたいです。この機会がなかったら多分ずっと知らなかっただろうな。数百年……もしかしたら西暦の時代まで続いたりして?
 私が調べて判ったことはこれぐらいです。何かお力になれたでしょうか?
 それでは、皆さんがまた私のラーメンを食べに来てくれる日、楽しみにしてます。今度は任務じゃなくて、プライベートで来てね』
 ……読み終わり、満足そうに笑う。
「元気にしているみたいだね」
 その時、――全身の警報が鳴った。鋭い匂いに振り向くと、そこには……。
「あ、あの……パイシースさん。そのネギ、どうするつもりですか?」
「お風邪の時はネギを首に巻くんです、ネギの製油部分には、発熱、腫れ、痛みなどの炎症を鎮めます」
「俺、その独特の匂いが苦手でして……ちょっと遠ざけてくれませんか?
「そうですか、……ではそこの花瓶に挿しておきます」
「ちょっと待って! そのためにわざわざバラを捨てないで! 医務室がネギ臭くなったり弊害があるだろゲホ、ゲホッ!」
「――クロン様、ヴァルゴです。ミーティングを始めますのでメインフロアにお集まり下さいませ……って大丈夫ですか?」
「は、はい。今から行きます……ホラまたネギ挿さないのーっ!」


 ★クロード


 クロードは悩んでいた。――自分の秘密を明かすか否かを!
 用意された自室にて頭を抱えて悩む。
カミールは何も言わず、サーラもなんとかバラさないでくれていた。……今後、自分はどうするべきか。
 悩んでいる最中、ヴァルゴからの通信が入った。
「クロード様、メインフロアにお集まり下さいませ。皆様にお話があります」
「あ、わかりました。そっちに行きますね」
「ところでクロード様。少々込み合った話になりますが……宜しいでしょうか?」
「は、はい?」
「今日から暫く、ウェストシティに滞在しますが、今後の予定ではハウフェトに参ります」
「はい」
「……ハウフェトに行きます」
「……はい」
「……ハウフェトに行くんです」
「……」
「ハウフェトはミンストレルのクロード様ならご存知でしょうが、イーストエリアの『霊地』であり、修業山があります。修業僧達は勿論体格差故に男女別に己を鍛えます。必然的に男女別コースを強いられる宗教的背景のある土地です。――ついでに、温泉がウリです」
「え、えっと? ヴァルゴさん、何を言いたいんですか……」
「クロード様。――よぉく、考えてくださいませ。そのままでいられるとお思いで?」
「……バレますよね、確実に。うわああぁん、どうしよーっ!」
 完全防音のサイレンス自室にて、泣き崩れる。
 どうにかして皆に話さないと……そう項垂れるクロードだった。


 ★メインフロア



GM/ちょっと落ち込んでいるヴァロードに、体調の悪いクロン、それと悩んでいるクロードに、嬉しいんだか良くないんだか判らない報告を聞いてしまったカミール……がそれぞれミーティング室へ集まってきます。
クロン/全員ずーんとしてるな!(笑) じゃあ、ゲホリゲホリと咳をしながらミナから手紙が来たことを言います。彼女、元気そうですよ。……シャケが届いたって聞いたんですけどどうしたんですか?
GM/届いておりますよ、じゃーんとシャケがデカデカ一本。
カミール/生臭っ!(笑) ……ヴァルゴ、格納庫に置いておけ。
クロン/……あとヴァルゴさん、なんでここの花瓶もネギが挿してあるんですか?(笑)
クロード/確かマシンネイチャーには『風邪にはネギがいい』と全員にデータを入れてあった筈です。全てクロンさんのためを思ってるやってるんでしょうね。……でもネギ臭い(笑)
カミール/ネギが嫌ならコレを飲め、ショウガ湯だ。
GM/「そうですね……クロン様、調子が悪い時はこれをお飲みください」とヴァルゴが青いガラスケースを取り出します。
クロン/……それは?
GM/トポトポと注がれる青い液体。
クロン/ポーションか!?(笑) ショウガ湯とポーションを受け取って、……まじまじと見た後ヴァロードさんのお茶に入れます。
ヴァロード/な、何するんですかー!(笑) 緑茶プラス紫プラス青ってどんなお茶!?
クロード/あ、でも大丈夫ですよ。多分それ毒じゃないと思うんで。
GM/お茶もショウガもポーションも体にいいですね。「では皆様、お集まり下さったところでご報告をします。……これは嬉しい内容かもしれません。皆様がノーデンメーアとブライトインゼルでの任務をこなしている間、別の部隊がウェストシティでの『鋼魔襲来食い止め・妖魔の退治』を解決したそうです」……1話で他の部隊が他の任務についていりとマスターが言ってましたね
ヴァロード/……その話を聞きながら、ちょっと苦い顔をしてる。
カミール/どうした、ヴァロード。
ヴァロード/な、なんでもありません。続けてください。
GM/「数日前、ウェストシティにも魔物が出たのですが、被害も別部隊の活躍によって最小限に食い止められました。これがその時のデータです」目の前のモニターにその様子が流し出されます。
カミール/やはりこちらにも被害が出ていたのか。
クロード/……というか、旧都にもやっぱりブロッコリーは出たんですね(笑)
カミール/アレはどこにでも出る魔物だ。
クロン/……野菜だ、じゃないんですか?(笑)
GM/でも毎回スタッフが美味しく頂いてるんですよね(笑) 「ウェストシティでの任務は解決したことになります。ということで今回はアークからの任務はありません。中間給油地点としてウェストシティに数日滞在しますが、直ぐにハウフェトに向かうことになります。それまではプライベートでお楽しみください」
カミール/……全員の脳裏に「――そうだ、京都へ行こう」というナレーションが過ぎった(笑)
GM/「そこで艦長。これは任務とは別の話になります。……先日、ブライトインゼルで回収した資料のことです。あの古文書はアークの最重要資料として預かるようブライトインゼル市に了解要請を出しました」
クロン/解読されましたか? ……彼女関係ということでピクリと耳が動きます。
GM/「まず図書館に保存されていた書物ですが、一言で申しますと『歴史書』です。西暦に起きたこと、歴史的な事件をまとめた本です。それも非常に優しい書き口で、一つの組織が作った大量出版本だと思われます」
クロード/……もしや、教科書ですか?
GM/「ええ。もう一つですが、文面が手書きであることからどうやら『西暦に生きた者の手記』のようです。……ノーデンメーアの街の一つ、サリポロのかつての名前などが記されていました」
カミール/確か、サッポロだったか?
GM/そうです。「艦長、ウェストシティに歴史学や神秘考古学を専門に研究している者がいます。その方に直接見てもらうというのはいかがでしょうか? 手記ですので癖があります。研究者自身に見せた方が良いかと」
カミール/……そうだな。クロン、どうだ?
クロン/はい。今回は任務がないんですし行きましょうか。この手記は俺達が持っていこう。……その人の名前は?
GM/「ヨリーです。ヨリー・オーステン。……我々と同じマシンネイチャーで、西暦からの知識を持った元西暦人です。

 マシンネイチャーとは西暦人の新たな姿である。
 西暦は終わった際に大地は一度滅び西暦人は滅びたが、ある一定の人々は自らを「データ」に置き換えて保存した。そのデータのいくつかは運良く現代に発掘され、新しいボディにインストールし、この地に立つことができている。多くのマシンネイチャーは西暦の知識に対しプロテクトがかかっているため西暦について語ることができない。


GM/「偶然にもプロテクトが甘く保存されてしまったのがヨリー・オーステンです。現在はアークの文明発掘研究の重要人物となっています」
カミール/大した知識は持っていないだろうと甘く見られていたけど、実は日本史が得意だった……とかか。
GM/数千年後の今、超役に立ってますね。「ヨリーは京都の寺院にいるでしょう」――とその時。緊急警報! ビー、ビーと艦内に鳴り響くっ!
カミール/何事だっ?
GM/オペレーターのアリエスから通信です。「艦長、ウェストシティ近郊の荒野にポール級鋼魔が出現! 数は、2機です!」
カミール/全艦に通達、第一級戦闘配備! 全軍出撃しろ!
クロン/艦長、ウェストシティには確かアークの別部隊がいましたよね? 援軍を呼べませんか?
カミール/できるか?
GM/「やってみま……あ、あれは!」
クロン/アリエスさん、どうしました!
GM/「神格機兵が1体! 照合します――確認。……アーク部隊クサナギ隊所属。どうやら救援を求めているようです!」
カミール/……わかった、無論救助する。パイロットの救出を優先、鋼魔を撃退する。全員出ろ!
クロン/ハイ! ……と言った瞬間に倒れます。ゲホゲホ!(笑)
カミール/おい!(笑) 起きろ、これぐらいでへこたれるお前じゃないだろう!
クロン/け、蹴らないでください……ぜーはー、ゲホゲホッ! いくよ、セレスティアルス!
ヴァロード/来たれ、マンジ!
クロード/人命救助ですね、おいでフェンリル!

 ●戦闘/1ターン目
GM/5マス先に出てきたのは2体の鋼魔と、1体の神格機兵。鋼魔はエクレールとグリタールに似ていて、神格機兵の方は――ヴァロードさんには見覚えがある。
ヴァロード/あ、あれはまさか……。
GM/「確認がとれました! クサナギ隊神格機兵ハナシロ。タイプはセア・クシポス。パイロットはカグラ・チールス――メイガスです!」
クロン/……知ってるんですか、ヴァロードさん?
ヴァロード/え、ええ……知り合いです。
カミール/そうか。……ではマンジ、戦艦に乗れ! 【チャクラフェイバリット/縮地】を使い至近まで移動する! セレスはどうする?
クロン/俺は移動力があるし射程長いから後ろから攻撃します。まず【宣言】、空に浮かぶ!
カミール/縮地、ワープ! その後に【フェイバリット/サルベージ】。神格機兵ハナシロを――収容する!
GM/収容されました、セア・クシポス戦闘離脱。……鋼魔2体の攻撃を受けていたようですが無事保護されます。
ヴァロード/鋼魔を撃退します! 戦艦から降りて移動、【フェイバリット/覇刃】!(ころころ)物理ダメージ37とAPマイナス5を与えます。
GM/覇気を込めた刀がエクレールに酷似した鋼魔を両断します。蹌踉ける機体は、矛先をマンジに向ける!
クロン/【フェイバリット/ウェポンパージ】【フェイバリット/ブレイブハート】を使用して……グリタールに【チャクラフェイバリット/裂風】!(ころころ)カードを足し45の物理ダメージ、どうだ!
GM/裂風を食らい、グゴゴゴ……エクレール撃墜!
クロン/よし、もう一匹に【メインアーム/エーテルランスランスモード】!(ころころ)40命中です。
GM/(ころころ)当たります。
クロン/たあぁっ!(ころころ)霊力ダメージ25、まだまだか。
クロード/じゃあ、ボクも後ろから撃ちます。(ころころ)……あ、クリった。装甲0にして(ころころ)ジャスト30物理ダメージ、ズゴシャ!
GM/グリタールはふらりふらりしながらも……マンジへ攻撃します。(ころころ)命中45!
ヴァロード/(ころころ)43、当たります。
GM/【メインアーム/エーテルアクス】で斬りつける!(ころころ)物理ダメージ51、ガンガーン!

 ●戦闘/2ターン目
カミール/【サブアーム/対艦レーザーブレード】使用!(ころころ)命中25……。
GM/(ころころ)避けます。
カミール/フッ、かかったな。――ヴァロードいけ!
ヴァロード/【メインアーム/ソードライフルソードモード】で仕留めます。(ころころ)命中32、どうだ!
GM/(ころころ)ぐ、当たります。戦艦は囮だったか!
ヴァロード/(ころころ)ダメージ20、斬りかかる!
GM/ガキイイィン! マンジの刀がグリタールの装甲を破って、爆発。……敵兵は消滅しました。「全機帰還して下さい。お疲れ様です」
ヴァロード/帰還します! ――戻って一番に彼女の元へ走る、大丈夫ですか!
GM/ヴァロードが戦艦の格納庫に駆けつけると、その時丁度よく……機体から降りてくる女性の姿が見えます。……古風で、着物のような格好をした女性が。
クロード/わー、綺麗なヒトだー。
ヴァロード/……やっぱり、彼女ですか?
GM/はい、『彼女』です。サムライの貴方とどこか雰囲気の似た、『和の魔術師』です。
クロン/……俺はコクピットからゼハゼハ言いながら降りてきます。
クロード/じゃあクロン、医務室へ一緒に行こうか(笑)
カミール/クロンはパイシース達が介抱してくれるからいいだろう。――ハナシロのパイロット、ご無事でしたか?
GM/「はい。貴方がファルシオン隊の艦長様ですか?」
カミール/ええ。貴方は確か別働隊の……。
GM/「クサナギ隊の一員だった、カグラと申します。助けて頂いてありがとうございます」
カミール/……『だった』? 何かあったのか。
GM/「……はい」
ヴァロード/カグラ。なんであんな所に一人でいたのか、話してもらえないか?
GM/少々口をどもらせながらも、話します。「……非常に愚かしい話だと思います。我々の部隊は……先程、皆様の手で浄化して貰いました」
ヴァロード/……え?
GM/「罪の無い人達を傷付けず、誰も手に掛ける前に浄化されたことは、きっと仲間達も本望だと思います……」
カミール/先程の鋼魔のように見えた神格機兵は、貴方のお仲間だったと? ……一体何があったんだ。
GM/淡々と話します。「……元々、私の部隊には不和が生じておりました。最初は些細な事でしたが、小さな事が重なり、一人のクルースニクが生じた悪しき想いは悪しき形になり、もう一人までを食らってしまいました。……我々は信じあい、手をとって行かねばならなかったのに」
カミール/先程は貴方も含め3機しか見えなかったのは……。
GM/「ミンストレルがフュージョナーとの不和により鋼魔化し、艦長を食らいました。それに同調しフュージョナーまで鋼魔となり、私一人が残ったのです」
カミール/……そこまでになるほどの不和とは何だったんだ。
GM/「それは……全く面白い話などではありません。単なる喧嘩で、不仲が積み重なり悲劇を生んだとしか言えません」――誤魔化すということもなく、真っ直ぐと二人に告げます。
クロード/(ミンストレルになりきって)「えーい、お前なんか死んじゃえー!」
クロン/(フュージョナーになりきって)「なにをー、テメーなんか返り討ちにしてやるー!」
カミール/(ロードになりきって)「や、やめろお前らー! ザク、グハァーッ!」
ヴァロード/(メイガスになりきって)「あぁっ、なんてことー。逃げなきゃー!」……こんなんですか?(笑)
GM/その通り、内乱ですね。それは決して貴方達にもありえない話ではない。――強すぎる感情が形になる世界、それがこの列島なのですから。
カミール/それは気の毒な……。艦長がやられたということはクサナギ隊は解散か。君しかいない訳だが。
GM/「申し訳ありませんが、ウェストシティ支部まで暫くここにおいてはもらえないでしょうか? 本部の方からの連絡を待ちたいのです」
カミール/ええ、いいですよ。貴方のお部屋も用意しますのでごゆるりとおくつろぎ下さい。
ヴァロード/部屋の位置はどうするんですか?
カミール/ヴァロードの隣でいいだろ。知り合いと一緒の方が安心するでしょうし。
ヴァロード/ああ……今は少しでも休んでくれ、カグラ。
GM/ふっとヴァロードの方を見る。……直ぐにカミールに向き直って「そうですね。カミール艦長、お心遣いありがとうございます」それではウェストシティの方に向かいます。


 ★ウェストシティ


GM/ウェストシティに到着しました。古めかしい、けど風情ある街並で、石をあわせた道路があったり顔を白く塗っている女の人が歩いていたりします。
クロン/……なんだか、今までとは街の雰囲気が違いますね。
カミール/【国際情勢】でふってみるか。(ころころ)あ、ピンゾロ。
クロード/じゃあ【歴史学】で思い出してみます。(ころころ)19。
GM/今回はクロードの方が高いですね。――ウェストシティ、かつて京都と呼ばれていた場所。今の都は東京ですが、大昔はここが都として発展していたようです。イーストシティがどんどん文明が開化していくものなら、ウェストシティは昔の街に近付けようと西暦の時代を再建していこうという街です。そのため古めかしいデザインばかりですが、実は建物自体は新しいものだったり……。
クロン/へえ、西暦はこういう風な街だったんですか。
GM/――そしてクロードは思い出した。この京都という町は、西暦の時代からモンスターが出現していた街だ。怨霊、という……。
クロード/……昔からいわくのある街、か。魔力の高い街なんですね。
GM/山の方では、先程のハウフェトの修業山のようにメイガスやミンストレルが鍛錬しているかもね。――ところでクロンは復活したんですか?
クロン/栄養剤でドーピングしてやや復活しました。今さっきミンストレルが隣にいてくれたから(笑)
カミール/しっかりしろよ。――ではヨリーのいるという寺の方に向かうか。
GM/その前に、カグラがヴァロードの手を引きます。
ヴァロード/……ん?
GM/「久しぶりい会えたんだもの、……一緒に街、見に行かない?」
ヴァロード/……二人きりでか?
GM/「別に……嫌ならいいけど」
カミール/……ヴァロード、行ってこい。何かあったら呼べばいい。
クロード/そうですよ、久しぶりに会えた友人なんでしょう? ごゆっくりしてください。
ヴァロード/は、はあ……じゃあ行こうか?
GM/「ええ」――ではヴァロードとカグラは別方向に、坂道を歩いていきます……。
クロン/お二人を邪魔したら悪いですよね、お寺に向かいましょうか。――あ、艦長、この髪飾りとか綺麗ですねー(笑)
カミール/そんなの私に言うな!(笑) ……気に入ったら買えばいいだろ。
クロン/うーん、でもこの髪飾り、女の人用ですね。お土産なら違うの選ばなきゃ……クロードさんはどれが良いと思います?
クロード/いません。
クロン/え?
クロード/クロードは消えました。あ、一時的に離れるだけですよ。ちょっと違うお店に行っちゃいました。
クロン/はあ。え、えーと……どうしますか艦長?
カミール/露店でも見てろ。アイツならそのうち帰ってくるだろ。
クロン/ええ……じゃあこのブレスレットなんかいいなーと思いつつ見てます。どこ行ったのかなー、クロードさん。
クロード/後ろからポンポン、――クロンさん!
クロン/あ、ハイ、クロードさんどうし……。
クロード/違いますよ、クロードではありません。
一同/……え?(笑)
クロード/声を掛けたのは上げ髪で綺麗な赤い着物を着ている『女の子』です。舞妓さんですよー。
カミール/……ブッ!(笑)
クロン/目を丸くして、えっ、ええぇっ? だ、誰ですかっ?
クロード/初めまして。ワタシ、カミールさんのお知り合いのクロウディアっていいます! 宜しくねっ♪(笑)
カミール/………………久しぶりだなぁ、ク・ロ・ウ・ディ・ア! すまない、長らく任務で離れていたもので忘れていた!(笑)
クロウディア/忘れてたなんてヒドイですよぉ、カミールさん〜。あ、カミールさんとは近くの村に住んでいたお友達ですよ〜。
クロン/あ、そうなんですか。いや、知り合いによく似ていたもので間違えちゃいました。
カミール/……クロン、ちょっとすまない。そこで待ってろ。
クロン/はい?
カミール/クロウディアを路地裏に引きずり込む! ――貴様、なんのマネだ?
クロウディア/いや、舞妓さんがとっても綺麗だったからつい。
カミール/ならコソコソやらずに堂々と名乗り出ればいいだろう、ややこしいことをするな! エルフの耳を引っ張る!
クロウディア/痛いですよ、やめてください〜!(笑)
カミール/で、結局どうしたいんだお前は? クロードはどうする。
クロウディア/えっと、――あのクロンさん! 実はクロードさんからお手紙を預かってます! どうぞ……と手紙を渡します。
クロン/読んでみていいですか……?
クロウディア/『クロンへ。急遽ボク、熱出しました。というか貴方の風邪がうつりました。代わりに同じエルフでミンストレルのクロウディアを宜しくお願いします』。
クロン/えぇっ、俺の風邪うつしちゃった!?(笑)
カミール/ああ、そのようだ。……という訳で、クロードは戦艦で休んでいる。急遽ミンストレルは『彼女』に頼むことになった。わかったか?
クロン/は、はい……ごめんなさいクロードさん。――露店で買い物します。コレはクロードさんへのお土産で、こっちはヴァロードさんで、艦長には綺麗な腕輪で、……クロウディアさんにはイヤリングをどうぞ。
クロウディア/わーい、ありがとうございます〜! ……やりぃ、儲けた(笑)
カミール/……この詐欺師め(笑) いいかげん寺に向かうぞ。


 ★ヴァロード


GM/一方その頃、古きよき町並みをヴァロードとカグラが二人、歩いています。「つい数日前まで任務でここにいたから、多少の地理は判るわ」
ヴァロード/そう、なんだ……じゃああっちの方に行ってみようか?
GM/「あっちは静かで良い場所よ。ここら辺は観光地だからどこに行っても人はいるけど」
ヴァロード/へえ、……何て言葉を掛けたらいいのか判らないからただ歩いている。
GM/じゃあポツポツとカグラが話し掛けます。「どっかで聖堂騎士をやってるって聞いたけど、まさか同じアークに所属してるとはね」
ヴァロード/う、うん。まあね……。
GM/「でも聖印を持っているのだからアークにスカウトされるのも必然か。……同じように力を得たんだもの、いない方がおかしいわね」
ヴァロード/……同じように?
GM/「あの時の魔術の実験よ。――貴方は、私と『彼』の魔術に手伝ってくれた。その時に私と貴方は聖印を手に入れた。貴方のクルースニクの力を開花させたのは私ってことね」
ヴァロード/……ああ。あれからもう何年経つんだっけ。
GM/「どれくらいかしら……3年ぐらいかな」
ヴァロード/あれからもうそんなに経つんだな……君の方は元気にしてたのか?
GM/「ちょっと割り当てられた部隊に馴染めなかったけど、別に不満はなかったわ。アークとしての任務も決して嫌なものじゃなかったし。そもそもあの魔術の実験を行ったのは、強い力を手にしたかったからだからだし、持てる力を活用できるアークは天職だと思ってる。貴方も一般人とは違う力を持てて嬉しかったでしょう?」
ヴァロード/……そうかな。
GM/「そうよ、人よりも己の腕を強く磨けたのだから。……ねえ、ヴァロード」
ヴァロード/うん?
GM/「貴方の艦で、カミール艦長がいたところで話したことなんだけど。……もう少し詳しく話させてもらっていいかしら」
ヴァロード/あ、ああ。
GM/「さっきの話の、……もっと混み合ったことを話しましょう?」


 ★寺院


GM/新メンバーを含んだ3名は、ヴァルゴの言っていたお寺に着きました。幾つか本殿があり、その一つの建物が研究所代わりになっているようです。……聖堂の受付っぽい、巫女さんがいますよ。
クロウディア/あ、あっちもカワイイ!(笑)
カミール/少しお前は黙ってろ!(笑) ――すいません。ヨリー・オーステンさんはいらっしゃるでしょうか? 少々面会をしたいのですが。
GM/「すいませんが、ヨリー・オーステンとの謁会は予約制です」
クロン/……え? 会えないんですか?
GM/「現在、ヨリー・オーステンには多くの考古学研究者達が会いにくるんです。アークの一部隊でもプライベートでのご用はお断りしております。急に来られても通す訳にはいきません」
カミール/別にアークの任務として来たのではないからな。――仕方ない。【愛】のカードを使用し【フェイバリット/ロイヤルパス】! 艦長として特別に優遇されるフェイバリットを使う。
GM/おお、ついに偉そうな人が偉そうな技使いましたな(笑)
カミール/申し訳ないが大至急お願いしたいことがあるのです。……宜しいですね?
GM/「あ、はい! 今すぐ〜!」――では奥の建物へと招待されます。木の廊下を渡り、どんどん本堂の奥へ進んでいくと、その先には大きな扉が。
カミール/案内ありがとうございます、……この中にいるのですね?
GM/「はい。では私はここで……」と巫女さんは一礼して去っていきます。やたら重そうな扉をゴゴゴゴと開け、見回すと――そこは本の森林でした。ゴミ図書館再来!(笑)
クロウディア/あー、懐かし……げふげふっ!(笑) なんか凄い所ですね、フラフラー……。
カミール/がしぃっ、――不用意に触るな。
クロン/あっ、ダメですよ艦長。女の子にそんな乱暴な扱いしちゃ。
カミール/……ああ、すまなかった。『女の子に』そんな扱いをしてす・ま・な・か・っ・た!(笑)
GM/偉いなぁ艦長(笑) 部屋の中に入り、本の山を通り抜けて行きますと、――誰かいます。本の森の中で座って本を読んでいる男の子がいました。
カミール/……すみません。
GM/「――ハイ」
カミール/貴方がヨリーさん……ですか?
GM/「――ドウモ」
カミール/アークのファルシオン隊艦長カミール・クライアスです。解読してほしいものがあるのです、これを。……と、古文書と手記を両方渡す。
GM/受け取って、古文書の方をパラパラ。「この本、解読すればいいの? ――読むよ。『あたらしいれきし 1ねんせい』」
クロン/……それは何ですか?
GM/「西暦の時代に、子供が学ぶ為に読んでいた本。教科書ってヤツ。……こっちに同じやつがある」
クロン/あ、ホントだ。全く同じ印刷だ……パラパラ捲っても字は読めないけど。
GM/ではもう一冊の方をパラパラ捲る。「……コレは、なかなか独特な字だな」あるページを捲って、3人にも見せます。「コレは『丸文字』と言って、主に子どもや若い女性が書く字なんです。そちらの教科書よりちょっと丸っこくって可愛いでしょ? 女・子どもが好みそうなのが判らない?」
クロン/ああ、そういえば……。
GM/「これはちょっと難易度高いから、時間くれない? こっちのゴシック体ってやつと違うんで、解読に時間がかかるんです」
カミール/それだけ難解な文字だということか。……良かったな、絵文字とか入ってなくて(笑)
GM/パラパラ、でも先程よりもゆっくりとヨリーは読んでいきます。「……ふぅん、2009年か。これはホントに西暦の手記だなぁ。貴重なもの、見付けましたね。どこで発掘したんです?」
クロン/……とある所から拾ったんです。
GM/「へえ。こんなのが発掘できる場所があるんだ」
クロン/……多少苦笑いして誤魔化します。
GM/「フムフム。……ああそうだ、アークの人達って聞いたけど先日来た人達と違うの?」
カミール/先日? クサナギ隊のことを言ってるなら我らは別働隊です。……その人達はどのようなことで貴方に?
GM/「先日、不和を起こす妖魔について調べに来たもんで。ブルーライのことを少々」
カミール/ああ、こっちが病院に行ったりゴミ図書館に行ったりしたのと同じか。
GM/「京都にも妖魔が現れちゃって、その人達がフヨフヨと戦ってくれたんです。……最後に青白く妖魔が光って、自爆しましてねぇ。流石にクサナギ隊の皆さんもやられたかと思いましたが、まさか生きてるなんてね。感染してなきゃいいけど」
クロウディア/……それって、どういうことですか?
GM/「うん? ブルーライと真っ正面から戦ってたから。辛うじてやっつけてくれたけど、あれだけ混戦してればだいぶ傷を負ったんじゃないかなーって思っただけ。でも元気なんでしょ?」
カミール/……。おそらく、ミンストレルやフュージョナーがその直撃を受けて感染してしまったんだろうな。
クロウディア/……あの。ヴァロードと一緒の彼女って……。
GM/「ところで。――ココ、ゴミ図書館なんだよね」
カミール/……そうですね?
GM/「ゴミゴミしいようね、ココ」
クロン/……そうですね。
GM/「君達にも聞こえないかな、あの声」
クロウディア/……そ、【捜索】でふりまーす!(ころころ)16です。まったくドコ行ったんだ、感知が一番高い人!(笑)
クロン/(ころころ)【絶望】のカードを使いまして、24にします! 何か聞こえてきますか?
GM/……貴方達には非常に聞き覚えのある声が聞こえる。「ブロ?」「ブロロー」「ブロッ、ブロッ!」
クロン/えっと、アレはキノコとかそういう繁殖する野菜ではないと思うんですが!(笑)
GM/「うーん、きっと森が好きなんだよ。長く住んでるしアイツラ」
クロン/なんでそんなに平常心保ってられるんですか!(笑) 荒らされたりはしないんですか!
GM/ふと見ると、そこにボロボロの本。
クロウディア/それってとても貴重な物じゃないですか、古文書ですよ!(笑) ……すいません皆さん、お掃除しますか。
GM/「だってアイツラ、すっごく京都っぽいんだよ。京都らしい形してるから倒すのもちょっと惜しくて……でも古文書食われるとやっぱり怒られるから困ってる」
クロウディア/困ってるなら退治しましょうよ!(笑) お掃除しますよ、来いー!
ブロッコリー/てーんちゅううう! 天誅ぶろおおぉ!



ブロッコリー/近藤ブロミ、土方トシブロ、沖田B総司、参・上!
クロン/……。あー、あの、アイツラって何でココにいるんですかー?
GM/「……京都だからじゃない?」
クロン/えっと……よく貴方、今まで無事でしたね。
GM/「……京都だから」
クロン/わかんねええぇ!(笑) もう会話になってねえよおおぉ!

 ●戦闘/1ターン目
GM/という訳で、ヴァロード抜き3人での戦闘です。青いハッピを着て刀を持ったブロッコリーが襲いかかってきます。「ああ、長い年月いたっぽいから体弱ってるよ? そんなに強くないからガンバレ」
クロン/そこまで判ってるならなんで仕留めないんだよ!(笑)
クロウディア/強くないならさっさと片付けましょうか。クロンさん、頑張ってくださいー……クロードの分まで(笑)
クロン/あ、後でクロードさんに風邪薬を買って帰ります(笑) ということで1マス動いて【チャクラフェイバリット/裂風】!(ころころ)ダメージ36物理!
ブロッコリー/天誅ブロー! 避けられないブロー、切り裂かれるブロー!
カミール/1歩動いてチャージ。――さっきから良い人な私のやるせなさを受けるがいい!
ブロッコリー/ワケが判らないブロ! では近藤ブロミ……3マス動いて艦長に接敵!(ころころ)ムダに39で命中。
カミール/早っ!(ころころ)しかも食らった。
ブロッコリー/天誅ブロオ!(ころころ)物理ダメージ20。次に沖田B総司は1歩動き……ゲホゲホガハァッ!
一同/吐いた!?(笑)
ブロッコリー/そ、総司、大丈夫かブロー! ガハァッ、そのまま吐血で全員へ範囲攻撃!(ころころ)命中25ブロ。
クロウディア/……ワタシ、コイツラ嫌いかもしれない。服が汚れます。(ころころ)避けられないや。
クロン/(ころころ)無理だった。
カミール/【勇気】と【希望】を捨てて25、貴様らの攻撃など食らうものかあぁっ!(笑)
ブロッコリー/(ころころ)物理12ダメージ、ブハアァッ! ……土方トシブロは2歩近付いて終わりだ……が。
クロン/……が?
ブロッコリー/ゲホゲホッ、ゲホガホガハァッ! ……ぽっくり。
カミール/あ、死んだ。
ブロッコリー/うおおおぉ、ソオオオジイイイイィ! ブロロロォオオー! キサマラ、総司のカタキイイイィ!
カミール/んなコト知るかああぁーっ!(笑)

 ●戦闘/2ターン目
カミール/先に動くぞ、チャージ! チャージ、チャージ……!
クロウディア/チャージ3回!? そんなに恨みがあるんですか?(笑)
カミール/合計4回分だ、食らえ【魔術/シェードコード】!(ころころ)命中20!
ブロッコリー/(ころころ)あ、当たるブロー……総司、見守っていてくれ、俺達を!
カミール/……死ね!(ころころ)(ころころ)28!
ブロッコリー/ブロオォ! 土方撃墜……っていうかオレなにもしてねええぇ!(笑)
カミール/土方トシブロ、お前の生き様確かに見届けた。――次、ブロミに【武器/白打】!(ころころ)14命中!
ブロッコリー/殴ってきた!?(ころころ)当たっちゃったブロ。
カミール/(ころころ)ダメージ6だ、バキッ!
クロン/なんか艦長が頑張ってるんでそのまま【武器/ライトボウ】いきまーす。(ころころ)命中20。
ブロッコリー/(ころころ)当たるブロッ、ブロミ死すとも……自由は死せず!
クロン/それ違う!(笑) 物理ダメージ(ころころ)13で。
クロウディア/半分削れてる艦長に【フェイバリット/ネクター】かけます。あとはクロンさんに【フェイバリット/アネモス】、動いてください。
クロン/どうも、それではもう一発【武器/ライトボウ】!(ころころ)20命中。
ブロッコリー/(ころころ)当たったブロー。
クロン/(ころころ)17物理ダメージ、パスッ!
ブロッコリー/ブロォーッ! 我は局長……近藤ブロミなりいぃ!
クロン/知るか!(笑) 案外あっさり倒してしまったけど……。
カミール/弱っていたのは確かだな。で、どうするんだこのブロッコリーの山(笑)
クロン/この後スタッフが美味しく頂くんですよね? ――という訳で今回は料理します! 実はさっき街で『毎日食べても飽きないブロッコリー料理』って本を買ったんですよー!(笑)
カミール/……。【気配消し】します。(ころころ)15で成功。
クロン/まず始めにソルトペッパーをかけてー……って艦長! どこ行ったんですかーっ!(笑)


 ★ヴァロード


GM/石の坂道、木々の道路を抜けてカグラは話し出します。「もう少し、詳しくお話させてもらっていいかしら?」
ヴァロード/……詳しい話?
GM/「ミンストレルの子がちょっと頭イカレちゃってね、フュージョナーとそりが合わなかったみたい。助け合わなきゃいけない仲間同士だったのに信じ合うことができなくなっちゃったの。最初は本当に些細な喧嘩だったのに、心が弱かったのね。……同じクルースニクとして心が痛い話ね」
ヴァロード/……ああ。
GM/「その弱さが逆に悪しき力の強さに変換されて、……結果、ミンストレルの子は人魔に陥って、ロードは食われ、フュージョナーも悪の心に呑み込まれた。……あとは貴方達が来てくれたとおり。助けに来てくれなきゃ私もあの子達といっしょに悪意に呑み込まれていたかもしれない。――ありがとう、助けてくれて」
ヴァロード/いや、……君まであの時のように失う訳にはいかないからね。
GM/「そう言ってくれるの?」
ヴァロード/もう失う訳にはいかない。私はもう既に君の……彼を。
GM/「誰だって!」まるで貴方の言葉を止めるように話を続けます。「……誰だって、不和は起こす。私があの子達の不和に巻き込まれなかったのは、私自身あの部隊に馴染んでなかったからかもしれない。そんなに仲が良くなかったから助かった」
ヴァロード/そんな……。
GM/「……けど、今はどうかしら」
ヴァロード/……今?
GM/「そう、今。――とても親しかった貴方がいる」そう言って彼女は、メイガスの杖を構えます。
ヴァロード/カグラ、何を……っ?
GM/「ヴァロード。私、これでも何度も、気持ちを、抑えつけているんだけどね。ちょっと、……無理みたい」
ヴァロード/杖をしまってくれ。――周りを見渡すけど、一般人は?
GM/いません、寧ろ山に近い坂道ですね。「何で、貴方が、今ここにいるかな、私の親しい人が! 今は、何もかもが疑心暗鬼になっちゃう……貴方に対して悪い事ばかり考えてしまう! 普通ならこうして杖を構えちゃう時点でおかしいと思うのに、今は、貴方を殺したくて仕方がない!」
ヴァロード/……本来なら私は君に殺されるべきなのかもしれない。仕方なかったとはいえ、君の大切な人を殺したのだから。
GM/「そう、そうよ。貴方は……」
ヴァロード/でも! 今は、私はやられる訳にはいかないんだ。私には今アークのメンバーとしての任務がある。それに――仲間がいる!
GM/「仲間? 私はそのカテゴリーの中でも最も大切な位置を貴方に奪われたの。それでも?」
ヴァロード/それでも、私は……! 剣を構える。
GM/構えた、対峙する2人。――そこに足音が近寄ってきます。足音と、近寄ってくる声。「――待ちなさい」
ヴァロード/君は……っ?
GM/見覚えのある、黒髪の少女です。ヴァロードの方には目もくれず、カグラだけを見て少女は話し掛けます。「貴方はそこのお兄さんを殺したいんでしょう? 憎いなら、もっと確実な形で殺しなさいな。スナオになりなさい。今の貴方ならなれるでしょう? 大きな力を持った存在に……」
ヴァロード/……カグラ、耳を貸しちゃいけない!
GM/……だがしかし、その声は彼女には届かない。「……ええ、そうね。私の魔力でヴァロードを討つのもいいと思ったけど……巨神の力を借りれば、確実に貴方を殺せるわ」
ヴァロード/カグラ……っ!
GM/杖を天に掲げ、叫ぶ。「いでよ、ハナシロ! あの者を潰せ!」ヴァロードの目の前に現れる神格機兵。先程見たものと同じなのにどこか違う。……纏うオーラが黒い!
ヴァロード/艦長に通信を入れます、応答を!
GM/巨神が目の前に現れますが、……まだ少女は隣にいますよ?

「鋼魔ってホントにいくらでも増やせるのね、便利なの。あんなコト言っただけで変身するだなんてやっぱりココ、面白い世界ね」

ヴァロード/……君はこんなことして、何が面白いっていうんだ!
GM/「面白い? そうね……鋼魔になったらお話できないからあまり面白いとは思わない。けど『私達』には必要だから増やしてるの。作業の中で楽しさを見出すのはいいことじゃない?」
ヴァロード/不和を広げて何が楽しい!?
GM/「……不和なんて、全然楽しくないわね。でも私も『あの人』も、力が欲しいだけだから。――それじゃお兄さん、頑張ってね」そう言い残し、少女はポケットに手を入れ、フッと赤い霧になって消えます。――ところでヴァロードさん、【フェイバリット/サモンギガース】は持ってますか?
ヴァロード/持ってませんよ! 艦長、応答を……とにかく来て下さいー!

 ●戦闘/1ターン目
GM/現在艦長達は聖堂内で2ターンの戦闘をしております、なので2ターン経過しないと3名は出撃できません。敵は神格機兵1体ですが、ヴァロードは一人で召喚することはできないので生身戦闘です。
カミール/先程のヴァロードからの通信を聞いて外に出る! 確認はできるかっ?
GM/聖堂から出ると、山の方に巨神の姿が見えた。――では戦闘開始!
ヴァロード/一人で頑張るしかない……1歩進んで、チャージ!
GM/以上ですね。ではこちらのターンに……。
クロン/GM、俺は【フェイバリット/サモンギガース】持っているので、艦長達より一足早く出撃することはできませんか?
GM/では許可しましょう。クロンのみ1ターン経過したら神格機兵を召喚することが出来ます。
クロン/【勇気】3のカードを使いまして呼びます。――セレスティアルス、来い!
カミール/……クロンが去ったところでクロウディアだけに話し掛けようか。お前、どうする気だ?
クロウディア/いいじゃないですか、別に?(笑)
GM/――では、ハナシロが動きます。ヴァロードに向かって、射程3マスで【魔術/ヴァジュラコード】!(ころころ)命中28、炎が襲いかかる!
ヴァロード/回避!(ころころ)26……でも【勇気】3のカードを使って避けます!

 ●戦闘/2ターン目
ヴァロード/ハナシロに接敵して、攻撃!(ころころ)命中17です。
GM/(ころころ)あ、当たった。
ヴァロード/(ころころ)18のダメージ、【武器/ライトブレード】で斬りかかる!
GM/ヴァロードが飛び上がって神格機兵に斬りつける――もちろんハナシロは反撃します。さっきと同じく【魔術/ヴァジュラコード】!(ころころ)命中32。
ヴァロード/(ころころ)避けられないし、カード出してもダメです!
GM/では食らってくださいな!(ころころ)霊力ダメージ27。
ヴァロード/ぐあっ! ……か、辛うじて生きてる……血だらけだけど戦います!

 ●戦闘/3ターン目
クロン/よし、クロン・カッツェ――出撃します!
カミール/こちらはまず召喚だ……しかし何故通信の際に「出撃許可を」と言わなかったんだヴァロード!(笑) カモン・サイレンス!
GM/残念ながら艦長とクロウディアさんはこのターンで召喚し、4ターン目から戦闘開始です。……では戦艦が出撃しましたので、ヴァロードさんも神格機兵が呼べるようになりました。
ヴァロード/乗ります! ――来たれ、マンジ!
GM/ゴゴゴゴ……と全身傷だらけのままマンジに乗り込むヴァロード。ヴァロード自身は重傷、HPはマンジのものになるので無傷状態です。――で、クロウディアさんはどう召喚するんですか?
カミール/……クロン! 私はブロッコリー料理は絶対に食わないからな、いくら作っても頂かんぞ!
クロン/艦長、何言ってるんですか、今そんなこと言ってる場合じゃないでしょう!
クロウディア/あ、艦長がクロンさんと通信している間に。――おいで(笑)
GM/ドーン! いつの間にやらサイレンスの隣に、見覚えのあるグリタール・ファンタズマが召喚されました(笑)
クロン/艦長、その話はおいといて! ――オーバーロード、承認してください!
カミール/ああ、する。……ったく、本当に優しいな私は(笑)
クロン/オーバーロード、承認されました! ヴァロードさん、今助けに行きますからねー! ――愛しき女神よ、どうか俺に力を! 【フェイバリット/機神融合】【フェイバリット/ソウルバーニング】【フェイバリット/ウェポンパージ】使用!
GM/オーバーロード、発動。――そこに艦長へ通信が入る。
カミール/……誰だ?
GM/ガガガガ、ミミミミ――ジジジ。「やいやーい、オレオレ」
カミール/……ヨリーか? お前どこの詐欺だ!(笑)
GM/「うん。一応ココ、街も近いし重要文化財なの。あんまりオレんちの方、攻撃くらわせないようにしてくれませんかー?」
カミール/……つまりは、聖堂の方に敵を近寄らせなければいいんだな? 最善を尽くそう。――ヴァルゴ、本部に連絡しろ! クサナギ隊は全メンバー、アンデットブラッドに感染していた模様。戦闘はファルシオン隊がなんとかするが、復興作業員を求む!
GM/「了解」それと、ヨリーからの通信が勝手に切れます。またかかってくるかもね? ――それでは、こちらのターンいきますよ。マンジとセレスに魔術!
クロン/……あ、【宣言】してない。陸のままだった!(笑)
クロウディア/本格的に風邪が進行してるよクロンさん! 落ち着いて(笑)
GM/いやー、風邪の力って恐ろしいですねー。(ころころ)命中は33です。
クロン/(ころころ)回避40、元値が高いから助かった……!
ヴァロード/(ころころ)回避40、私も平気です。

 ●戦闘/4ターン目
クロン/わ、忘れずに【宣言】! その後に【フェイバリット/ブレイブハート】&【オーバーロードスキル/ゴッデスプレアー】参ります!(ころころ)霊力ダメージ89――愛しき女神よ、俺に力を!
GM/「グッ、邪魔が入った……!」女神の閃光を受けてハナシロはよろけます。
クロウディア/それじゃ、クロンに【フェイバリット/フェイズアップ】。AP基本値プラス3してから【フェイバリット/アネモス】あげるよ。
クロン/グリタールからとても懐かしい波動が……あ、あれ、クロードさんですか?
クロウディア/違います、クロウディアですよ。
クロン/あっ……クロウディアさんですか。機体の傷までフェンリルと同じなんでビックリしました。
カミール/……彼女の機体に傷があるのは、彼女がそれなりに場数を踏んだということだ。彼女はアークの共に戦う仲間だ、気にせず存分に戦え!(笑)
クロウディア/……艦長、ありがとうございます(笑)
クロン/はい、今はヴァロードさんを助けなきゃ……【チャクラフェイバリット/裂風】使用!(ころころ)切り裂け、物理ダメージ43!
ヴァロード/そうだ、今はカグラを倒すことを優先するんだ……1歩進んで【フェイバリット/刀渡】!(ころころ)33の物理ダメージ!
カミール/こちらも総攻撃を開始する。チャージを2回して、【フェイバリット/ブレッドミサイル】!(ころころ)物理35ダメージ!
GM/疾風、真空刃、そしてミサイルを食らう! 猛攻撃に圧されながらも――ハナシロは呪文を唱え始めます。「この地に眠る悪霊……怨霊よ。いざ我が元へ宿れ、今……解放の時!」――使い魔が出現。
クロウディア/あ、敵が増えましたねー。
GM/呪文の後、ハナシロがマンジに攻撃、【魔術/死の宣告】! ヴァロードさん、【霊格】判定をどうぞ。目標値13以上!
ヴァロード/(ころころ)17……です!
GM/チッ、避けられた。しかし……この呪文を唱えられた対象は、全機動力が1段階下がります!
ヴァロード/ええっ、陸Bになりました! 2Dしかふれなくなる!

 ●戦闘/5ターン目
GM/ターンの最初です。ガガガガ、ミミミミ――ジジジ、ぷすんぷすん。
カミール/うん?
GM/「やいやーい、オレオレ」
カミール/……とりあえずそのオレオレはやめろ(笑)
GM/「君達の苦労を見てた、大変だね。ちょっと助けてあげる――ガンバレ」そう言ってヨリーは何やら変な電波を送ります。――これからカード使いまわし可能になります。
カミール/おお、ありがとう友よ。
クロウディア/でもなんか、物凄く感情こもってないっぽいよ(笑)
カミール/マシンネイチャーなりに心を込めたんだろう。――クロン、後衛の敵部隊を殲滅せよ。ヨリーのいる文化財に使い魔を寄せるな。
クロン/了解しました、……けどそろそろエネルギー切れ起こしてますよ、俺。
カミール/ドリンク剤を飲め。ちなみにウチの艦ではドーピングは認められていない。あまり体に宜しくないから常用されても困るが。
クロン/ゴクゴク、ぷはーっ!(笑) ……パイシースさん、次を用意しといてください。それでは使い魔へ【オーバーロードスキル/フェニックスアロー】×2! 文化財の上と通り越して火の鳥で攻撃!(ころころ)【絶望】カードを2枚足して、物理ダメージ175! 巨大な大きさの不死鳥で、――焼き殺せ!
カミール/……クロン、今日はノリノリなのは判るが他のものまで燃やすなよ?
クロン/……さあね、コイツラは気紛れなんでちょっと判りませんよ。
カミール/……ヴァルゴ、本部に書状を書け。私は一切責任は負わん。
GM/「花瓶のネギを増やしておきましょうか?」
カミール/今日の夕食はカレーにしろ、タマネギたっぷりのな。
クロウディア/それじゃ艦長、新しいドリンク剤開発しておきますね。マムシとニンニクを入れたから今度は何にしようかなー(笑) ではヴァロードさんに【フェイバリット/アネモス】! APプラス5してくださーい。
ヴァロード/はい、ありが……あれ?
クロウディア/あっ、初めまして。クロウディアです! 今後ともよろ……。
カミール/無理矢理回線に割り込む!(笑) アレは私の友人のクロウディアだ、クロードが風邪で寝込んだため急遽入ってもらったミンストレルだ。気にせず戦闘を続けろ!
ヴァロード/あの……クロードさんではないんですね?
カミール/断じて違う。エルフでミンストレルだから似てるように見えるが奴はクロウディアだ、騙されるな!(笑)
ヴァロード/は、はあ……とにかく、カグラに【フェイバリット/覇刃】。カードを全部つぎこんで、斬る!(ころころ)43のダメージ!
カミール/私も行こう、ハナシロに向けて【フェイバリット/ブレットミサイル】!(ころころ)お、全部6だ……物理28点!
GM/全部6!? 激しく刀やミサイルの連続攻撃を受け装甲が剥がれ落ちる。――それでは、ハナシロ攻撃開始。【魔術/炎の海】、全員に範囲攻撃!(ころころ)命中45!
クロン/(ころころ)42。
カミール/(ころころ)35。
クロウディア/(ころころ)46です。やった、避けたー!
ヴァロード/(ころころ)40。
GM/クロウディア以外は食らってください。「さあ怨霊達よ、皆に死を与えましょう――」(ころころ)霊力ダメージ70。
クロン/ちっ! ……残りHP9です。
ヴァロード/結構食らいましたが、まだいけます!

 ●戦闘/6ターン目
クロウディア/頑張ってるヴァロードさんに【フェイバリット/ネクター】。もっとガンバレ〜♪
カミール/こちらはクロンに【フェイバリット/ネクター】、全回復しろ!
クロン/ぜー、はー! ……キサマ、俺を墜とすか?
カミール/……クロン?
クロン/俺を墜とすのか、――なら貴様を冥界まで堕としてやる! 冥界の女神よ、かの者に――死を!【オーバーロードスキル/ゴッデスプレアー】!
ヴァロード/その攻撃に【コンバインアタック】します! 【フェイバリット/刀渡】、(ころころ)【絶望】カードを入れて36ダメージ!
クロン/(ころころ)マンジの力も合わせて物理ダメージ98! ――虫ケラめ、消えろおおぉ!
クロウディア/……きっと熱で朦朧としてるんですね。クロンさん?
クロン/返事をしない。
カミール/……キレたか。クロン?
クロン/返事しません。
カミール/……アイツには後で話をしなければならんな。ハナシロの様子はどうだ?
GM/ぐ、ぐぐぐ……100近いダメージをくらってハナシロの腕や頭がもげる。「じゃま、ジャマ、邪魔よ! ……コレが最後ぉっ!【フェイバリット/タナトスコード】」! 射程内の全敵――マンジ・セレス・サイレンス、食らえ!
カミール/フェイバリット!? 避けられんっ!
GM/ブラックホールを作りだし、全てを殲滅させる!(ころころ)くらえ、霊力ダメージ119!
クロン/……間違いなくオーバーキルです。
ヴァロード/同じく、倒れます!
カミール/ちっ、すまんマンジ……戦艦はセレスを庇う!【防具/グラビティシールド】&【フェイバリット/次元断層結界】使用! セレスの方に鏡が現れ全ての攻撃を戦艦に、……だが全部次元の果てへと消え去る!
GM/セレスは鏡に守られ、サイレンスはLPマイナス1。――食らったのはマンジだけですね? ではカグラが叫ぶ。「他の人達なんて興味ないわ、……貴方の命も連れて行く!」
ヴァロード/ぐ――ッ!

 ヴァロードが息を呑んだ瞬間、全機兵とマンジの通信が途切れた。
 黒い炎につつまれるマンジ。魂までをも連れて行く波。
「思い知りなさい。――ラメル、今、貴方の元に……」
 彼女の声が聞こえた、しかしその声は遠離っていく。――助けることもできず、ヴァロードは、意識を失った。


 
★エンディング


GM/ハナシロはコンバインアタックを食らい塵と化しました。……そしてマンジの姿もふっと消え、地面に叩きつけられるヴァロード!
クロウディア/駆けつけます! だ、大丈夫ですかヴァロードさん……確か生身も血まみれだったっけ? 生き返ってください〜!
GM/マシンネイチャーのメディックが駆けつけ、戦艦に収容されます。しかし大丈夫、まだ生きてますから。
クロン/機体から降りて、無表情で立ってます。
カミール/――つかつかつか。
クロン/……くそ、足りない、まだ力が足りない……。
カミール/バシッ! 殴る。
クロウディア/わわっ! 音がしたからそっちに振り返ります……。
カミール/――戦場では冷静でいろ、感情的に動くなと何度も言っただろう!
クロン/……。ハッ、あれ艦長……どうしたんですか? なんか俺、額が凄く熱い……。
カミール/気が付いたか、馬鹿。首ねっこ掴んで懲罰室まで連れて行く!
クロン/わわ、待ってくだ……バタン! 高熱で倒れます。
カミール/メディック、この馬鹿も連れて行け。――それと、ヨリーに連絡を入れろ。
GM/ミー、ミミミミミ……「やいやーい、オレオレ。呼んだ?」
カミール/ああ、オレオレ。呼んだ。
GM/「手記のコト? 解読できたよ、オレ」
カミール/そうか、オレ。
GM/「手こずったけどさ、そこの人達に任せておいて来なよ」
カミール/クロウディア、任せていいか?
クロウディア/はい。ヴァロードさん達が心配ですのでワタシは残ってます。何かあれば通信をください。
カミール/何かあったら私は死ぬ。では聖堂に戻るぞ。
GM/カミールはヨリーの元へ、クロンは風邪で医務室へ、ヴァロードは怪我で医務室へ、クロードは二人の看護をします。――カミールが京都版ゴミ図書館に戻ってくると、やっぱり普通にヨリーが本を読んでます。「やっ」
カミール/や。
GM/「読む?」
カミール/読む。
GM/「大体読めるからオレ読む?」
カミール/頼む。
GM/「カタコトかもしれないけど許して」
カミール/気にしない。

 カミールは積み上げられた本の椅子に座る。淡々と朗読される手記、ヨリーはとある西暦人の日記を読み始めた――。

●2009年9月
  今日からアメリカ生活のはじまり。英語なんて喋る自信ないよぉ。キョウちゃんやマユちゃんに会えないのはサビシイな。でもTV電話があるじゃないってお母さんに言われた。どうせメールもするんでしょって。アメリカにもお好み焼きあるし、そんなにサビシイものじゃないかも?


GM/「アメリカっていうのは地名」
カミール/へえ。

●2010年10月
 そういやネバダに来てもう一年経ったんだ。読み直して今気付いたよ。日本が懐かしいってついお母さんに言ったら、年末に帰りましょうって話になった。飛行機で帰るかゲイトで帰るかまだ迷ってるけど、私は飛行機がいいな。ゲイトはいくら安全だからって、次元の中に置いてけぼりくらいそうで怖いんだもん。クリスマスはお母さんの日本の教会で過ごせそう。


GM/「クリスマス、行事」
カミール/おう。

●2010年11月
 家族全員で戻ろうって話だったのに、お母さんの仕事が忙しいからって私一人で一足先に日本へ帰ることになった。お父さんは心配してるけど一人で飛行機に乗ることになった。飛行機の方がいいよね。どこでも行けるワープって言ってるけど怖いもん。でも一人だからって帰れないワケじゃないし、空港で気を付ければ大丈夫だよね。


GM/「空港、手段」
カミール/イエス。

●2010年12月
 日本に帰ってきた。久しぶり! お父さんの群馬のお山も寒かったけど、札幌もやっぱり寒いや。


GM/「サリポロ」
カミール/オーイエ。

●2010年12月
 大変なニュースが放映されてる。どうなるのかな?
 大丈夫だよね? 怖い。


GM/「……コワイ」
カミール/……ああ。

●2010年12月
 怖い。こんなことってあるの? 怖い。みんな怖いよ。お母さんとお父さんに会いたい。アメリカに戻りたい。日本はふるさとだけどお母さん達がいるのはアメリカだ。なんでこっちで一人でいなきゃいけないの。どうして行けないの! 毎日大丈夫だってメールしてるけど、何が大丈夫なんだろう。


GM/「……」
カミール/……。

●2010年12月
 2011年って、来るのかな。


GM/「……こんなカンジです。謎は何か解けた?」
カミール/……そうだな。
GM/「あ、そうそう。これ言わなきゃダメだね…………この手記をつけた人物、名前は――マナ」