ギガントマキアFP・リプレイ・ファネスプロジェクト
■ 第3話 『青に輝く』 ■
2006年11月28日




 何も知らない子ども達が笑い、唄う。
 多くの血と涙が流れた地。茜空と、夕日に赤く染まる海。

「ねぇお姉ちゃん、これ見て!
 あそこの秘密基地で見付けたんだ!
 みんなで発見したんだよ。不思議だね、凄くキレイだよ……」

 少年は微笑んだ。
 青い光をまとい、赤い空のもとで。


★オープニング


 戦艦内。ブライトインゼルに到着する数時間前。
 マシンネイチャー達は鉄板と野菜を運んでいた――。


GM/マシンネイチャーの一人がウイーンウイーンと動いてます。「ソースデータ、インストール完了……艦長、準備できました」「艦長、鉄板の熱が適度になりました。どうぞご指示を」「艦長! これがネタと、キャベツと、豚肉とイカでぇす!」(笑)
カミール/よし、そのボールはそこに置け。ジュージュー、ザクッ、サッサッサ!
クロード/あの……艦長、さっきから何やってるんですか?(笑)
クロン/艦長が料理してますね(笑) いいニオイがしますけれども、何でしょうかコレ。
カミール/見て判らないか、料理だ。スパッ、トス。お皿に盛りつけて、――食べろ、これがお好み焼きというものだ。マヨネーズは好みでかけろ。
クロン/あのヴァロードさん。何ですか、そのヘラっとしたやつ?
ヴァロード/これはヘラですよ。さあ、クロンさんもどうぞ頂いてください。艦長、ソースはどこですかー?(笑)
クロン/は、はあ……もっきゅもっきゅ。ハッ、コレは……凄く美味しいですね!
カミール/美味いだろう、次はヤキソバだ! 炒め麺だぞ、こっちも美味いぞ。食え!
クロード/……あのさ、艦長ってこんな人だったっけ(笑) サービスが良すぎで逆に怖いよ!
GM/怖いね、っていうかオープニングから何やってんですかアンタら(笑) では艦長が一仕事ついたところに、ヴァルゴがやって来ますよ。「艦長。お食事は続けたままで宜しいですので、この度の任務についてお話させて頂きます」
カミール/うむ、エプロンを外して席に着こう。
GM/「皆様もそのままで構いませんのでお聞きください。――皆様は、アンデッドブラッドという病はご存じでしょうか?」
ヴァロード/……あんでっどぶらんど?
GM/「アンデッドブラッドです。……血液の異常による病で、症状は息切れ、倦怠感、貧血、発熱、出血。魔術では回復することはできず、完全に発症してしまうと5年は生きられないと言われている病です。この病はウィルスによる感染なく、ある生物により被害が拡大していくものです。――『ブルーライ』と呼ばれる妖魔によって」
クロード/もぐもぐ……ブルーライ、ですか?
GM/「ブルーライとは青白く輝く妖精で、非常に数が少ない種ですが、とても危険な存在です。――ある意味、鋼魔よりタチが悪い存在かもしれませんね。妖魔は、不和を発生させるものですから」
クロード/……ふわふわ?
GM/調和を崩す、ということですね。「そういった治安の悪化を防ぐのもアークの任務の一つです。この地、ブライトインゼルにてアンデッドブラッドの発症例が数件、2週間ほど前から立て続けに発生しています。そして、患者の中にはブルーライと思われる『青白く光る物体を見た』という報告が入っています。不和を起こす妖魔は、……新たなマイナスの想い鋼魔を生むキッカケになりかねないものです」――いわゆる、人の悪意や、嫌な想いが形になってあらわれるのがこの世界のモンスターです。昼ドラのドロドロの三角関係や嫁姑問題が起こっている家庭の周りではモンスターが発生しやすいんですよ?
クロン/それって……「お義母さんなんて、死んでしまえばいいのよ!」ゴゴゴゴ、召喚! ってことですか?
GM/そうですね、そんな家族は危険です。「今回の任務は『ブルーライの捜索、そして討伐』でございます」
クロン/……口のまわりを青のりで汚しながら質問します。ヴァルゴさん、不和が生じるというのは具体的にはどういうことなんですか?
GM/「アンデットブラッドと呼ばれる病気は、とても強い病です。先程も言いましたように、完全に発症してしまうと5年は生きられないと言われています。不和……というより、もっと判りやすく言うならば『嫌な感情』が生まれやすいのです。人の心を犯す力がありますから……」
ヴァロード/どういうことですか……?
GM/「これは病気の症状の一つではございません。しかし、不和を生じる要素がある。――この病は、モンスターから人への感染ですから実際に人から人へ感染することがありません。しかし、近くにいるだけで感染してしまうという噂が一人歩きしてしまっているのです。だから患者は不必要な『嫌な目』で見られる。国は勿論そんな事例はないと積極的に訴えていますが、誤解を消すまでに至っていません。致死性の高い病気ですし、軽い症状でもあまり良いものではない。そんな病人の傍にいられるかと不快感を剥き出しにする者もいれば、同情の目で見られることもある。嫌な感情には変わりありません。……言い方を変えればそれは悪意になってしまう」
クロン/……何となくですけど判ります。治す方法はないんですか?
GM/「現在、この病は魔術でも回復できません。治療法としても確立されていないのです」……この世界は、西暦が滅んで文明がゼロからスタートしました。まだ千年ほどしか歴史が経っていないんです。だから医学の幅も狭い。おそらくそのうち解明されるんだろうけど、この世界ではまだ完全な治療法が見付かっていないのです。
クロン/現段階としては不治の病ということですか? じゃあ、感染してしまった人は隔離されるしか方法は無いんですね……。
GM/「発症した者達は、ブライトインゼル最大の総合病院にて入院しています。感染しないとは言え他の患者があまり良い顔をしないので……専門の病棟に隔離されています」
カミール/……まずは、何故彼らがブルーライとの接触したのか調べなければならんな。
GM/「では皆様、これを」と、ヴァルゴが皆さんにリングを渡します。「我々はコレを『カバードリング』と呼んでいます。これを装着した者の周囲に結界が貼られる仕組みです」……形は、艦長さんのアミュレットと同じで、好きな風に形を変えられますよ。
クロード/……クロンさんは首輪ですよね。ボクはどうしようかな?
クロン/……え? 何それ、確定事項なの?(笑)
クロード/クロンさんは首輪ですよねー、ガチャッ!(笑) 似合いますからもう二度と外さなくていいよ!
クロン/なんで!(笑) もしかしてイジメられてるか、俺っ!
ヴァロード/えーと、私は無難に指輪にします。
クロード/ボクは左腕にブレスレットにしますね。カポリ。
カミール/同じく私も腕輪にしよう。
GM/ゲーム的な説明をしますと、いかなるバッドステータスを解除させる力を持つものです。「非常に貴重なもので、数が作れないので一部の者しか持つ事ができません。主にこれを装着しているのは病院関係者ですね。今回はアンデッドブラッドを発症させるブルーライを探せという任務なので考慮して4人に用意しました」
カミール/これがあればブルーライに接触しても平気だと?
GM/「はい。毒物を探す人が毒にかかったら、ミイラ取りがミイラになるのと同じです」
クロン/……素朴な疑問なんですが、どうして病院関係者が首輪なんて着けるんですか?(笑)
クロード/えっと、自由にカスタマイズできるからじゃないですか?
クロン/わざわざ首輪形にカスタマイズする理由があるんですか!
GM/聖印持ちは基本、クルースニクでない一般人より多少ですが体が丈夫なのでそう簡単にバッドステータスに犯されるということもないんですが、念のためです。――そんな話をしていたら街から数分離れた所に到着しました。「それでは皆様、いってらっしゃいませ」


 ★ブライトインゼル街


GM/ブライトインゼルの中央街に来ました。一応【国際情勢】ふっておきますか。ブライトインゼルってどんな所だろう……目標値は軽く12以上。
カミール/(ころころ)16。
GM/相変わらず高めの艦長がベラベラと説明します。――ブライトインゼル=広島。面積は8,477.58km2。工業、商業を中心に、海、山の豊富な自然にも恵まれ、農業・漁業も盛んである。このため「列島の縮図」と呼ばれています。名産品はお好み焼き、カキなど貝の養殖も盛ん。昔から工業が盛んで、かつては軍事工業、今では滅んでしまった西暦の機械工業などで歴史をつくった国でもある。現在でも武器を作ったり、港では列島各地からやってくる色んなものが集まっていたりと、自然のノーデンメーアや、機関として活動するイーストシティとは別の華やかさがあります。
カミール/中央街には店が沢山あるんだな。そこで装備を揃えるか。
クロン/……それにしても、ほんわかして気持ちいい気候ですねぇ。
クロード/前回、吹雪にふかれましたからね?(笑) 列島でも南の方だけあって暖かいです。
カミール/惚けてると置いていくぞ。――まずは総合病院に向かう。カツカツカツ!
ヴァロード/……艦長、さっきまであんなに優しかったのに何でそんなに変わるんだろ(笑)
GM/不思議だなぁ。――では、そんな先を行く艦長についていく三人。その中でもクロードに声がかかります。「クロード……かい?」
クロード/はい?
GM/「クロードか、ひっさしぶりー!」元気な女性の声がクロードを止めます。
ヴァロード/えっと、……どなたですか?
GM/クロードには見覚えがある。貴方に久しぶりと話し掛けてくる女性の名は、サーラ。……元アークの一員だったミンストレルです。
クロード/ああ、サーラ。久しぶりだね!
GM/「ああ、久しぶり! 一緒にミンストレルの修業してた時も小さかったけど、やっぱり小さいねぇ! それでもちゃんと食べてるのかい?」
クロード/……グサッ!(笑) 身長小さいの気にしてるのに!
GM/「エルフってあんまり成長しないんだねぇ、あはは」とポンポンと頭を叩いてくる。エルフとはいえまだ小さかったクロードが何度かお世話になったことのある、姉御風の頼れる姐さんってカンジです。
クロード/こ、これでも少しは大きくなってるよ!
GM/「へぇ、ところでクロード。……良い人は見付かったんかい?」
クロード/……ブッ!(笑) さ、サーラ……『アレ』は内緒!
GM/「アレって? ア、あ……あー。まだ運命の人は見付かってないんだねぇ?」
ヴァロード/……うん? 何のことを言ってるのかな?
クロン/ヴァロードさんと一緒に首を傾げる。何ですか、アレって?
カミール/……一人だけ判るから笑ってよう。
クロード/艦長、笑わないでくださいよ!(笑)
GM/「あはは、ゴメンねクロード。……しっかし、イーストシティにいると思ったけど、こんな南の地まで任務かい?」
クロード/う、うん任務。……元アークの人だけど言っていいのかな? そもそも何で「元」なの?
GM/「ああ、元々私はブライトインゼル出身でね。両親が病で伏せちゃったから今は実家のレストランを継いだんだよ。家の事情でアークから脱退したのさ」
ヴァロード/……前回屋台で、今回レストランですか(笑)
クロン/しかも第1話は宿屋の食堂でバイト(笑) このパーティの周り、食い物集まるなぁ。
GM/「こっちの方にわざわざ仕事で来たんだからカキでも食べていくといいよ。ウチのメニューでも沢山あるからさ、もし良かったら食べに来ておくれ」
クロン/ええ、是非行きたいと思います。場所を教えてください。
GM/「ああ。……でも私はこれから今から行く所があるからちょっと失礼するよ。ちょっと病院の方に行かなきゃいけなくてさ」
クロード/……病院に?
GM/「今、休憩時間だからフラついてんのさ。ウチの隣の家の子が病気でね。その子のお母さんが大変だから私がお見舞いにさ……」サーラの手にはちょっと大きめな袋があります。おそらくその入院している子の服などが入っていると思われる。
ヴァロード/……あの、その子はどんな病気で入院してるんですか?
GM/「え? ……えーと、流行病とかそういうもんじゃないかな?」
クロン/実は俺達もその病院に用があったんですよ。……あまり大きな声で言えないんですけど、任務の関係で。もし良ければご一緒してもいいですか?
GM/「あ、そうなのかい。じゃあ一緒に行くか」
カミール/宜しくお願いします。……知り合いに案内された方が行きやすいしな。
GM/「判ったよ。こっちだ、ついてきな」――サーラと一緒に病院に向かいます。いいですね?
クロード/はーい、大人しくついていきますよー。
GM/「クロード、修業は頑張ってるんかい?」そんなおしゃべりをしながら病院に向かいます。――その途中でクロード、【知力】判定、目標値15をどうぞ。
クロード/(ころころ)16です。
GM/では、サーラが歩く後ろ姿を見てクロードは思った。……やはり魔術師のように気の鍛錬をしている人は歩き方も規律正しいなぁ。
クロード/……へ?
GM/やっぱり魔術使う人って普通の人とは違うな。でも……あれ?
クロード/うーん、それって……?
GM/などとおしゃべりしながらクロードは違和感を感じた。――では、病院に行く途中で、広場を通ります。時刻はお昼。芝生でほのぼのと昼食している人がいたり、ベンチで語らっているカップルがいたり、犬の散歩していたり。「前はここも子どもの遊び場だったんだけどね、ちょっと病気が流行っちゃってさ。……もう少し前に来たらもっと元気なこの街の姿を見せられたんだけどねぇ」
カミール/……病気はそんなに流行っているのか?
GM/「んー……ぶっちゃけた話、隣の子もソレで倒れちゃってさ。子供だけがかかる病気じゃないんだけどさ。でもいっつも遊んでる子供達がいないのも寂しいねぇ」
クロード/早く良くなるといいね……。
GM/そんな話をしながら広場を歩いていると、――ベンチの方からある学生風の男が二人が何かを見ながら話し合っているのが聞こえてくる。「……いや、これはネコだよ」「いいや、これは違うよ。これは……」
クロード/うん? そっちに寄ってみようかな、てこてこ……。
GM/「クロード、どこへ……? ああ、アンタらか。ウチのレストランにやって来る常連さ」
カミール/……彼らは何をしてるんでしょう?
GM/「また新しい史料でも見付けたんじゃないの? アイツらは史学科の学生だからね」――サーラに説明された二人は、まだ真剣に古文書を見ながら語り合っている。「これはネコだよ!」「ネコじゃねーよ!」「ネコだって……あ、本物のネコだ」
クロン/……にゃ?(笑)
カミール/失礼ですが、一体何を見ているのですか?
GM/「あ、すいません。……実はあそこの図書館で古い文献を発掘しましてね。コレは何だと討論してたところです」「僕は西暦の時代のネコだと思うんですけどね」「いや、俺は……タヌキだと思う!」



クロン/あ、青いタヌキ!?(笑)
カミール/な、なるほど……これは謎の生き物だな(笑)
GM/「しかし、タヌキでも青はいないよ!」「ネコでも青いのはいないって!」
ヴァロード/見た感じタヌキですよね、でも首輪を着けてたりネコっぽいかな?(笑)
GM/「ほら、そこの黒猫だって首輪着けてるじゃないか!」
クロン/俺!?(笑) イヤな視線を感じるので後ろに下がる!
カミール/だがネコもタヌキもドラ焼きは食べないと思うぞ、それにネコもタヌキも耳があるのにコイツには無い!(笑)
GM/「この古文書は、あそこの……通称『ゴミ図書館』で見付けたんです。綺麗な建物じゃなくて、本当に『書物の森林』みたいな本しかない場所なんですが」「検索というより本を発掘するような図書館ですは、まさかこんな古い文献が見付かるだなんて……!」
クロード/へー……一回行ってみたいなぁ、そこ!(笑)
GM/「絵の資料しかなくて名前さえも判らないんですよコイツ。とりあえず古の動物だとは思うんですけどね!」「どんな鳴き声するのかな? 『ドラアアァ!』とか鳴くのかな?」「そんな鳴き声するワケないって!」(笑)
カミール/その書物には古代語がビッシリなんだな? ……【歴史学】か【神秘考古学】でふりたいんだが?(笑)
GM/では【歴史学】の目標値18でどうぞ。
クロード/(ころころ)知りたいらしい、18です。
カミール/(ころころ)あ、20越えだ。
GM/……エルフ二人には頭の中でひらめいた。『ぱんぱかぱんぱんぱんぱかぱんぱんぱーん!』
クロード/な、なんか昔……音声データで聞いたことがあるような気がする!(笑)
GM/正式名称「特定意志薄弱児童監視指導員」。体重129.3kg、身長129.3cm、胸囲129.3cm、座高100cm、頭の周り129.3cm、パワー129.3馬力。ネズミを見たときに飛び上がる高さ129.3cm、ネズミを見たときにネズミから逃げる速さ129.3km/h。一応分類的には、ネコだそうです。
カミール/ネコだ! そいつはネコだぞ、西暦の動物だ!(笑)
GM/な、なんだってー!」(笑)
クロン/……そう、盛り上がっている横で「病院ってどっちかなー」って行こうとします(笑) とりあえず! ……俺達は行く場所があったでしょう?
クロード/ああ、そうだった……ついつい貴重な史料に惹かれて(笑)
GM/「あの、博識な方々! 僕達といっしょに今から図書館に参りませんか! きっと図書館に来れば色々西暦のことがわかるかも!」
クロード/はい、行きます!
クロン/クロードさーん!(笑) ――その申し出はとてもとてもとても魅力的なんですが、俺達には行かなければならない場所がありますので!
クロード/クーローン!(笑) ああぁ引っ張られるうぅぅ……!
GM/「俺達、図書館の方にいますんで! お時間がありましたら来てくださーい!」
カミール/ああ、絶対行くぞ! ――謎の生命体、その正体はいかに!?(笑)
クロン/行きますよ皆さん、サーラさんはこの後お仕事があるんですから急ぎます!(笑)


 ★病院


GM/広場で脱線すること数分、大きな病院に到着しました。……そして学生達が言っていた『ゴミ図書館』はあちらだということも案内板を見て判る。
ヴァロード/とりあえず、艦長とクロードさんがあっちに行かないように監視してます(笑)
カミール/大丈夫だ。……任務は任務だ、行くぞ! ……行く、ぞ……ぉ……お!(笑)
クロン/普段はこんなことないのに!(笑) しっかりしてください二人とも!
GM/二人とも歴史マニアなんだな……。では病院に入ると、サーラは受付の方に行きます。「私はお見舞いに行ってくるよ。そっちはそっちで仕事があるんだろ?」
クロード/うん、ここまで案内してくれてありがとうね。
GM/「それじゃ、お仕事頑張るんだよ」――サーラはある病棟の方へ向かっていきます。
クロード/……その方向には、何があるの?
GM/案内板を見ると外科や内科ではなく、『ビーム科』と呼ばれる方向に歩いていきました。……PLの知識的には『放射能科』という分類の場所です。
クロン/じゃあこっちも受付に行きますか。すいませーん。
GM/「はい、往診ですか?」
カミール/アークから来た者です。――任務のことで二、三お訊きしたいことがありまして。上へ接いで頂けませんか。
GM/「あ、はい」……それでは受付から客室に通されます。そこで病院でも上の方の医者、看護士さん達が応対をしてくれます。「お待たせしました、どのようなご用件でしょうか?」
カミール/早速で申し訳ないのですが、この街で起こったアンデットブラッドについてお訊きしたいのです。現在、完全に発症してしまった人は?
GM/「今のところはおりません。ですが、数日前から数人の発症患者を収容しております。詳しい説明をしますと、ブライトインゼル中心部から離れた港地域の住民達にアンデットブラッドが発症しました。子供数人を含め成人の方も感染しています。患者の共通点は、港の周辺地域に住んでいる人達だということ。……なんでもブルーライに触れてしまい、手が黒くなったと言っております」
クロン/手が黒く? ……手が白くなったとか丸くなったとかではないですよね?(笑)
GM/違います(笑)「アンデットブラッドに接触した箇所から黒ずんでいくのです。そのような病気なら一般人でも認識している者もいますが、物の種類まで完全に把握している者はいません。ブルーライの形状は『光』です。その名の通り青い光で、その美しさに惹かれて手に取ってしまう者もいるのです」
クロード/わー、綺麗だねー、触っちゃえ……パシッ。みたいな?
GM/そうです。「直ぐに発症することはありませんが、触れ具合によって軽度重度が変わります。日にちをおいてどんどんと侵食されていく病なのです。……しかし幸いにも現段階では軽度患者しか出ていませんし、まだ亡くなった方もおりません」
クロード/その病院患者さんは今、どの棟にいますか?
GM/「ビーム科と呼ばれる棟におります。そこでの治療が一番ブルーライの対策に適しているからです」……癌の治療では放射能科が適しているようにですね。
ヴァロード/その方々とは面会できますか?
GM/「はい。面会謝絶ということはないので、普通の病室と変わりません。患者も説明すればおそらく面会してくれるでしょう」
カミール/実際にブルーライに接触した者に詳しい話を訊きたいな……では取り次ぎを頼めますか?
GM/「わかりました。少々お待ち下さい」――そう言って看護士が出ていって数分……ある病室へ案内されます。ごく普通の個室で、ベッドには青年がいます。
クロード/すいません、今大丈夫ですかー?
GM/少々貧血気味で気怠そうな男性ですが、コクリと頷きます。「先程、お医者さんから説明を受けました。研究者の方々なんですね……オレが判る範囲でお話しします」
カミール/ご協力ありがとうございます。では、……貴方はブルーライに接触したんですね?
GM/「は、はい……きっとあのコトだと思います。港で働いているんですが、その帰り道……いつもの道を歩いていたら、青白く光るものを見まして。何だろう、フシギなものだ……と手にとってしまったんです」
クロード/夜に、ですか?
GM/「仕事の後でしたからね、それに夜だったから光が見えたんです。あの光はふわふわと飛んでいて……その時は変なモノ見たなぁとしか思ってなかったんですが、一晩経ったら体に変なものが出て」
クロード/……貴方が見たのは1体だけですか?
GM/「1体だけです。オレの住んでいる家の周辺の人達も入院してるんで数がいたのかもしれません。発症したのは子供が多いんですが……綺麗な光だったんで子供は触りたがるものだと思います」
カミール/……そうですか、ありがとうございます。じゃあ同じものを見たのか、他の人の話も聞きに行くか。
ヴァロード/じゃあお隣へ行きましょう。コンコン。
GM/「はーい?」今度はちょっと幼げな声が応対します。個室のベッドにいるのは、十歳前後の少年です。
クロード/少しお話いいかな? ……変な青い光を君は見た?
GM/「うん、見たよ」
クロード/どこで見たの?
GM/「……」
ヴァロード/……ん?
GM/「え、えーと……うう、うーん……」
カミール/……何か困ることでもあるのか?
GM/「え、えーっと……お医者さんが言ってたよ。青白いモンスターで……それに触っちゃったから入院してるんだ。うん……」
カミール/……この子、何か隠してるな?
GM/「か、隠してなんかないよ! あの青い光、僕見たもん……」
クロン/だから、どこで見たの? ……あのさ、俺達は君達を助けたいんだ。
GM/「う、うーん……」
クロン/君の一言が誰かを救えるかもしれない。だからお願いだ……話してくれないか?
GM/「え、えっと……ハイ」
カミール/……クロン、子供心掴んでるな?(笑)
クロード/ボクからもお願い。君が知っていることがあったら何でも教えてほしいんだ。
GM/そこまで言ってくれるなら【話術】判定はいいや。「あ、あの……僕が初めて見たのは二週間前です。……秘密基地で見付けたの、箱を」
ヴァロード/……箱?
GM/「秘密基地だから本当は秘密なんです。僕達はいつも浜の方で遊んでるんだけど、ジョンとティーダとユーリとシンとね、一緒に箱を見付けて……空けてみたら青い光がパーッて」
クロン/……2週間前。もしかして、君達が最初か。
GM/「基地の中で箱を見付けて、綺麗だったから何回もそれで遊んでいたんだ。……多分、誰かがフタを開けっ放しにしちゃったんじゃないかな……」
カミール/そのまま港に出たと? その箱は……一体何なんだ?
GM/「浮かんできたものなの。……小型舟なんだ、秘密基地って」
カミール/舟が浜に漂着っ?
GM/「沈没していた舟っぽいんだけど、それが浜に流れ着いてきて、それが動かないから入って冒険してみたの。……岩場の所だから大人達も知らないし。だからその舟、僕達の秘密基地にしたんだ」
クロン/……その舟の中で箱を見付けた。箱にはブルーライが住んでいて、遊んでいたら……逃げちゃった。
ヴァロード/それは1匹、それとも……?
GM/「星みたいにいっぱいいたよ」
クロード/い、いっぱいいたんだ……どんな形だったの?
GM/「夜だと光って面白いんだけど、昼間はなんか虫みたいなんだ」……と絵を描いて説明してくれる。その絵は確かに虫っぽい。
カミール/秘密基地は大人には言ってないな? 子供の秘密だな?
GM/「……今さっきだって、言おうか言わないか本気で悩んだんだよ? でも……」
クロード/よく教えてくれたね、ありがとう。どこにあるか教えてくれないかな?
GM/「……ユーリが知ってるよ」
クロード/ユーリ?
GM/「うん。僕達と遊んでいるグループの中の一人なんだけど、今はここに入院してないから多分病気にかかってないんだと思う。きっとお家にいるよ」
カミール/ああ……一人だけ無事な子がいたのか。その子はどこに住んでるんだ?
GM/では少年は港の方のとある住所を言います。「ユーリは病気やケガをしても大丈夫なんだよ。多少ケガしてもお姉ちゃんが治してくれるから」
クロード/え、ユーリ君ってお姉ちゃんがいるの?
クロン/……ていうか、君さ。サーラさんて人は知ってる?
GM/「え? サーラさんならさっきお見舞いに来てくれたよ。お家が隣なんだ。だからその住所の隣の家が僕の家」
クロン/やっぱり? ……サーラさんとユーリ君は姉弟なんだね。
GM/「うん、サーラさんはお医者さんをしてたからケガしてもすぐ治してくれるんだ。擦り傷だってネクターで……でもあんまり使ってくれないんだよ?」……カードが必要だし(笑)
クロード/なるほど(笑) 本当にありがとう、話してくれて。――艦長、サーラさんのレストランに行ってみませんか?
カミール/私もそれを考えていた。後で食事に行くとも約束したことだしな、ユーリの話を聞く価値もある。
クロン/ありがとう、早く良くなるといいね。――では病院の外に出ます。出来れば今日中に図書館にも行きたいですから二手に分かれませんか?
カミール/そうだな、――ではサーラのレストランの方にはクロンと私が行く。図書館には知力の高いクロードと感知の高いヴァロードが行け。
ヴァロード/了解しました。クロードさん、宜しくお願いします。
クロード/お願いしますね、じゃあ古の動物を調べに行くぞ!(笑)
GM/行くぞ、……そう二手に分かれます。それでは、病院に近い図書館へ向かうクロード&ヴァロード組。艦長達と分かれたばっかりの道で――【気配察知】判定を、目標値15!
クロード/え?(ころころ)11です。
ヴァロード/(ころころ)カードの2を足して16にします!
GM/ではヴァロードのみ気付いた。「……ブロ
ヴァロード/ブロ!?(笑) 叫びます! か、艦長ーっ!
カミール/その声にサッと戻ってくる! どうした!?
クロード/え、ヴァロードさん? 何があったんですかっ?
ヴァロード/今さっき「ブロ」って声がしたんです、確かに! ……一体声はどこからだっ?
GM/では、成功したヴァロードのみ――同じく【気配察知】判定を、目標値18。
ヴァロード/(ころころ)え、えっと……【希望】3のカードを足して18にする!
GM/――外れの図書館の方向からだ。「……ブロ、ブロッ!」
ヴァロード/ゴミ図書館の方から聞こえます!
カミール/……全員戦闘態勢!(笑) 図書館に向かって全員【捜索】をしろ!
クロン/ハ、ハイ。(ころころ)20越えました、どこにいるっ?
GM/「ブロ、ブロォ……」――どうやら中から微かに声がする?
クロード/……艦長、図書館内ってさっきの二人組がいるんじゃ?
カミール/ああ、人命救出が最優先だ。行くぞ!
クロン/俺が先に行きます、艦長は後ろに!
カミール/当たり前だ、お前が盾になれ。
クロン/ヒドッ!(笑) それはそれでヒドイですよ艦長!


 ★図書館


GM/扉を開けますと、……そこは本の森林でした。司書なんてそんな大層なものはいないその名の通りの『ゴミ図書館』です。何かを捜すなら【気配察知】を、目標値は20。
ヴァロード/20……高いな!(ころころ)あ、18だ。
クロン/(ころころ)オッケー、こっちは21です! 声はどっちからする?
GM/……あっちの方から。本の山を倒さないようにして進んでいけばいいんじゃないでしょうか。
クロン/艦長達に声を掛けながらゆっくりと進んでいきます。というか、どうしてこんな所にブロッコリーが?
GM/声がどんどんハッキリと聞こえてきます、……独り言が。
クロン/……えっ?
GM/「昔の人はね、魔法なんてなかったの。外を飛ぶにも、遠くに行くにも機械が必要だっらの。今、この世界は機械が少なすぎて寂しいわ。でも素敵よね、想っただけで形になる世界って……」……そこには一人、床に座って本を読んでいる少女が。
一同/……そっちかよ!(笑)
クロード/ブロッコリーじゃなくて、そっちがいるんですか!(笑)
GM/そっちって何だよぉ(笑) 気付かれないように彼女が見ている本をチラリと見ると……す、すっげぇ全部古代語だー!
クロン/……よく判らないけどそちらまで歩いて行こう。特に気配も足音も消さずに、かつかつ。
GM/ズラリと並んだ古代語オンリーの本を淡々と読んでる黒髪の少女。……まだ座って誰かと話をしている。
クロン/……穏やかな声で話し掛ける。こんにちは。
GM/「――ん、……あっ?」
クロン/こんにちは、何をしているの?
GM/「……」
クロン/……。
GM/……クロンを見て少女、立ち上がり直ぐに駆け出す!
クロン/こらあぁっ、逃げるなあぁー!(笑)
GM/逃げます! 追い掛けたいなら【体力】判定、目標値18!
クロン/よし、体力なら自信あるぞ!(ころころ)【希望】カード使って19だ!
カミール/希望をもって走る!(笑) ネコの足の速さをなめるな!
GM/「な、なによーっ! この本は私が見付けたんだからね! インターネットも使えないし図書館なのにパソコンもないから検索システム使えないし、だから頑張って本ひとりで探して見つけたのに! なんでこういう時にいるワケぇ!?」
クロン/落ち着け!(笑) 別に俺は本を奪おうとしてる訳じゃ……。
GM/そこでストップ。――この世界には『インターネット』や『パソコン』などという言葉は、無い。
クロン/え? ……あ、それはともかく……落ち着け。その本を取り上げようとか考えてないよ。とりあえず――マナちゃんだっけ、久しぶり?
GM/「む……むぐ」
クロン/今日は随分と大人しいんだね。……どうしてこんな所にいるんだ?
GM/「むぐ、むぅー!」……悔しそうに顔を真っ赤にしてクロンを睨み付ける。
クロン/……どうして?
GM/両手で頬をパンパン! ――スッとダークでミステリアスな顔になる。
クロード/あ、いつものモードになった?(笑)
GM/「……答える理由が無いわ。でも折角出会えたんだもの、戦わなければいけないわね。――行きなさい、ブロッコリー!
一同/ブロッ!?(笑)
ブロッコリー/ブロ、ブロブロ! ヒロシマブロッコリーいくブロォーッ!



GM/広島なのでもんじゃ焼き風味に色々なものを混ぜてみました。でもブロッコリーです。少女の後ろからブローッと現れた2匹は彼女を庇うように前に立ちます――では戦闘開始!
クロン/……一つツッコミを入れさせてもらうなら。そいつら――お前の味方なのかああぁっ!(笑)

 ●戦闘/1ターン目
ブロッコリー/ブローといきなり襲いかかってきたのでこっちから攻撃するブロ! 目の前の黒猫に先制攻撃!(ころころ)命中20。
クロン/回避する!(ころころ)23。
ブロッコリー/あ、避けられたブロ……Bもそっちに行くブロよ。(ころころ)命中27。
クロン/(ころころ)くそ、22だ……食らう!
ブロッコリー/ブロー! 可愛い顔の口からミサイルらしきものが放つ。(ころころ)17のダメージ!
クロン/痛ぇっ、半分ぐらい減った! このブロッコリー、本当に食べられるのか!(笑)
GM/――では、ブロッコリーの後ろで黒髪の少女は走っていきます。
クロン/待て、君に聞きたいことがあるんだ!
GM/「私は話すことはないわ! ……ブロッコリー、そいつらは『私達の敵』よ、やっちゃいなさい!」
クロン/敵っ? それ、どういうだよ! ……っていうか何でブロッコリーなんだよ! いいかげんニンジンとか出してくれよ!(笑)
カミール/こらクロン、戦場で冷静さを失ってどうする!(笑)
クロン/あ、ごめんなさい艦長……またやってしまいました。気を取り直してブロッコリーAの方に接敵して【武器/セスタス】!(ころころ)命中17。
ブロッコリー/(ころころ)15で避けられなかったブロー。
クロン/(ころころ)【絶望】カードを使って、ダメージ19!
クロード/じゃあボク、一歩近付いて……クロンに【フェイバリット/ネクター】。全回復して!
ヴァロード/私も一歩近付くだけです、行動終了。
カミール/後ろ組は近付いて終わりだ、次はやるぞ!

 ●戦闘/2ターン目
ブロッコリー/なんか3匹も近付いて来たブロー。そっちに移動するブロ、てちてち……艦長の方へ。(ころころ)命中23。
カミール/(ころころ)25で回避する。……フッ、私の射程に入ったな!(笑)
ブロッコリー/ブロ、あの人やっぱ怖いブロ〜。……じゃあ黒猫に対して(ころころ)28ブロ!
クロン/(ころころ)【友情】6のカードを足して28、回避! お返しに攻撃するぞ(ころころ)命中が21。
ブロッコリー/(ころころ)回避が18、当たっちゃうブローッ!
クロン/(ころころ)ダメージ11で殴ります、おりゃっ!
クロード/ボクも続いて攻撃します。(ころころ)21、当たった?
ブロッコリー/(ころころ)あ、クリったブロ……36回避。
ヴァロード/私も行きます、一歩進み【フェイバリット/刀渡】!(ころころ)ダメージ31だ!
ブロッコリー/ブロッ! すっごいくらったブロ……なんか刀渡って使い勝手いいな、絶対成功だし。
カミール/追い打ちに、【魔術/シェードコード】!(ころころ)【勇気】の1カードを使い、命中20!
ブロッコリー/(ころころ)18、当たるブロ。
カミール/死ねえっ!(ころころ)【愛】を入れて霊力ダメージ14!
ブロッコリー/ブロオオォッ! やーらーれーた……ってやっぱり艦長が倒すんだ?(笑)
カミール/1匹撃退、もう1体の方に一歩前進するぞ。

 ●戦闘/3ターン目
ブロッコリー/ブーロロ、ブーロロ! クロンに向かって(ころころ)25命中!
クロン/(ころころ)くっ、18だ。
ブロッコリー/ブロロロ!(ころころ)……物凄い勢いでヒットしたブロ、ダメージ52。
クロン/……は? 52っ!?
クロード/そ、相殺してください! 死んじゃいます!
クロン/勿論します!(ころころ)14マイナス……その達成値にカードを足して23! ……よし、HP1で生き残る!(笑)
ブロッコリー/ブロ! 俺のこの手がシャーニングフィ……!(笑)
クロン/その拳を受け止めてみせる、ぐあああぁっ! ……血まみれのままでその場に立つ(笑)
ブロッコリー/ふ、強くなったなお前も……ブロ。
クロン/だが甘い、俺は負けん!(笑) お前は俺に届かない!(ころころ)命中26。
ブロッコリー/なにぃっ!(ころころ) こ、このブロが、このブロが当たるだとー!(笑)
クロン/俺の攻撃を受け止められるかな!(ころころ)10のダメージだ、うおおおぉ!
ブロッコリー/ブロオオオォ! ……ぱたんきゅー。
クロード/あ、倒れた。また【フェイバリット/ネクター】かけます、さっさと回復してください。
GM/……ではカミールとクロンの【勇気】に経験点10点差し上げます。図書館に四肢累々のブロッコリーの山。そこに「なんだなんだ」と学生達がやって来ます。
クロン/……少女は?
GM/――少女は窓際の方にいます。ブロッコリーを見てる。
クロン/ブロッコリーのヘタをぺんぺんとはたきながら、歩いて行き……対峙する。ねえ、君。
GM/……何も言わない。
クロン/さっき『敵』だって言ったけど、俺には意味が判らないよ。今も、前の君も、あまり邪悪な感情を受けない時があるんだ。
GM/「……心外だわ。これでも私、頑張っているんだけど」
クロン/頑張ってるって……どうして? どうして戦わなきゃいけないんだ。
GM/ふう、と息を吐いて改めてクロンを見る。「……判ってくれるかしらね。私は夢を叶えるために鋼魔を喚ぶ。鋼魔を倒そうとする貴方達は私のことを『敵』って思うんじゃない?」
クロン/……夢を叶えるために、鋼魔を?
GM/「この世界は想いがカタチになる。だからこそより強く夢を実現させたいと思う。この世界を望まずに来た者だから、余計に」――そう言いながら、彼女は赤い霧になって消えます。
クロン/ち、ちょっと待って! ……君の夢って、何だよ。
GM/それには答えず。――そこで【魔術】のスキルを持っている人は判定を。達成値は18。
クロード/(ころころ)14です。
カミール/(ころころ)ピッタリ18だ。
GM/ではカミールは少女が消える瞬間に見た。……少女が、消える前にポケットに手を突っ込み何かを押したのを。『あの消え方は魔術なんかじゃない!』と。
カミール/……確信した。
GM/彼女は跡形もなく消えた。残されたのはブロッコリーと、……2冊の本。
ヴァロード/近付いて手に取ります。どんなタイトルですか?
GM/読めません、古代語です。一つは図書館で探し当てたと言っていた古びた本。森林に眠っていた古文書でしょう……もう一つは、古さを感じない、手帳のようなもの。しかし中は古代語で書かれている。
クロン/彼女のもの? ……「私の夢を叶える」と言ってましたね。夢を叶えられる世界だとも言ってました。どういうことですか?
カミール/……私に聞くな、わからん。とにかく古文書を探しに来たんだろう、彼女が何を見ていたか調べてみるのもいいな。
クロン/そうですね、……じゃあ学生さん達にブロッコリーのことを説明しょうか。これ、ココで採れたブロッコリーです。バター炒めにすると美味しいですよ?(笑)
GM/「図書館でブロッコリーが採れた!? 流石森林と言われてただけはあるな!(笑)」……多分そのうちキノコも採れるんじゃないか(笑)
ヴァロード/それじゃあ、あの青いネコっぽい動物のもっと詳しい資料がないか探します。【捜索】で!
GM/似たような記事を探すということで、難易度は簡単に。目標値13です。
ヴァロード/(ころころ)ぴ、ピンゾロった! ……でも14だ。
クロード/(ころころ)こっちは普通に12です。ヴァロードさん、何かありました?
GM/……なんとなく似ているものが沢山書かれた本を発見した。
ヴァロード/あ、コレなんか似てますよ? どれどれ……。
GM/チョンマゲが頭にある、語尾に「ナリ」とかつくらしい動物について書かれている本を見付けた。
クロード/ち、ちょっとだけ似てる!(笑) 詳しく読みたいんだけど、調べていいかな?
GM/少し高めで目標値16です。隣には青いさっきの動物も描かれていますね。
クロード/(ころころ)19だ、どんなことが書いてあるのかなー?
GM/……この西暦の生き物の名前は、ドラ……ピーとか言うらしい。そして真面目な記事らしき部分が辛うじて読める。
クロード/どんな内容?
GM/『ニュース。ついに登場、科学の結晶! あの秘密道具シリーズ発売。あの国民的アニメの不思議アイテム発売間近。今なら抽選で三名様にタケコプターが――。来年にはとおりぬけフープ他、原作でも人気の高いどこでもドアを発表。魔法のように好きな場所へと瞬間移動! CMも好評放映中。こどもの頃に見たあのグッズがついに我が家にやってくる! ――二〇〇六年六月』。
クロード/……えっと、それがドラピーの隣に書いてある古文なんですか?
GM/です。隣で大学生が「二〇〇六年っていうのは、時を表す言葉ですよ」と教えてくれます。
クロード/へえ、魔術でもないのにそんなに便利な物があったんですねぇ。
ヴァロード/……そういえばさっきの少女、変な消え方しましたよね。
クロード/もしや関係あるのかな……まだ判らないですけど。まさかこのドラピー、キーアイテムなの……?(笑)


 ★街


GM/図書館を出るともう時刻は夕方、そろそろ日が暗くなってきた。――宿を探し予約して、これからどうしますか?
クロン/ユーリ君の話を聞いてみないと。そろそろお店人が入り込む時間ですけど、サーラさんのレストランに夕飯がてら行きますか。
カミール/……少女が持っていた古文書と手帳らしき物を持って出る。後でアーク本部からブライトインゼル図書館に連絡するようヴァルゴに伝えよう。
GM/了解しました、古文書の返却がアークが研究後、改めてということで。――では教えてもらったレストランに着きます。夕食時とあって人はそれなりに入ってますね。ウェイトレスさんがやって来ますよ。「いらっしゃいませー! ご注文は?」
カミール/生ガキと焼きガキとカキのお好み焼きを。
クロン/それとカキの味噌汁とカキ飯もお願いします。……ところで、このレストランにサーラさんという方はおりませんか?
GM/ウェイトレスが明るく答えてくれます。「ああ、サーラさんは店長さんですよ。お知り合いですか?」
クロード/はい。手が空いたらお話したいと伝えてくれませんか? 「クロードが来た」って言えば判ります。
GM/「クロードさんですね」注文用紙に名前を書いておきます。「もしかして、イーストシティにいた頃のお友達ですか?」
クロード/そうです、元仲間です。……ご両親がご病気でレストランを継いだと聞いたんですけど?
GM/「ええ、数年前にね……ご両親を共に亡くされて。弟さんを一人にする訳にもいかないし、親戚もいないって言うから実家に戻ってきたんですよ。お友達が来て頂けたならきっとサーラさん、喜びます!」
クロード/ボクはずっとイーストシティにいたんですよ。……最近は色んな所に行ってゴハン食べてまわってますけど(笑)
GM/食いしん坊万歳だよな、このパーティ(笑)「最近までイーストシティに? それじゃあ、ユーリ君は元気でした?」
クロード/……え?
GM/「今、イーストシティにいますよね。ユーリ君が元気でしたか?」
クロード/……ごめんなさい、それってどういうことですか?
GM/「あ、つい数日前にイーストシティに行ったって聞いたんで、もしかして知ってるかなーって……ごめんなさい。お仕事の方ですからお会いしませんよね」
クロード/ユーリ君が、イーストシティに行ったんですか?
GM/「そうサーラさんから聞いていましたけど? ……あ、すいません、私も仕事に戻りますね」――ウェイトレスは行ってしまいます。
カミール/……どういうことだ。病院の少年が知らなかっただけか。
クロード/いえ、……帰ったって言ってるだけじゃないですか? ……言ってるだけ、です。
ヴァロード/でも、だとしたら何故そんなこと言うんですか。
クロン/そういや、……どうしてユーリ君だけがアンデットブラッドに感染してないんでしょうかね。グループで遊んでいた子がみんな入院しているのに。
クロード/……発病しているんじゃないですか。
クロン/発病しているけれど、隠している。しかもアンデットブラッドには差別があると言っていました。それで……?
クロード/……まあ、サーラはミンストレルだしね。病気になっても手立てはいくらでもあるかな。……これはちょっとサーラに訊くべきだね、話を通さないとどうにもならないし。
GM/――では、突然ですがここで運判定をしてもらいます。【直感】目標値20!
ヴァロード/(ころころ)11。
クロン/(ころころ)15。
クロード/(ころころ)【希望】カードを使って21に上げます!
カミール/(ころころ)【友情】カード使用、20。
GM/それでは二人。慌ただしくウェイトレス業をしているサーラの姿を発見します。今が一番稼ぎの時間帯なので、料理を運んだり忙しく、ちょっと疲れているように見える。……いや、そんなんじゃない。
クロード/なんかおかしい?
GM/彼女の首もとに傷痕がある。運良くクロードとカミールはソレを見てしまった。……まるで、何かに咬まれたかのような痕を。
カミール/……クロード、見たか?
クロード/……こくり。弟さんが完全に発病している可能性があります。これは急いだ方がいいかもしれませんね。ちょっと待っているワケにはいかないようです。
ヴァロード/ご飯を手早く食べて、サーラさんのところへ向かいましょう。
GM/では食べ終わり、立ち上がってサーラを捜すと……彼女はレジにいた。「ありがとうございましたー! ……あ、クロードとお友達か。来てくれてありがと」
カミール/サーラさん。今、少し話がしたいのです。――外に出ませんか。
GM/「え? まあ、少しぐらいだったらいいけど」
ヴァロード/店の裏に行って……周りに人が来ないようにします。
GM/「何かな、混み合った話?」
クロード/うん、ちょっとサーラに訊きたいことがあってね。――その傷、どうしたの?
GM/「傷? ……あ、コレのことか。お客さんに不格好なもの見せちゃったね、気になるかい?」
クロード/うん、気になるよ。だってサーラのお友達だもん、大丈夫?
GM/「……あー、ホントにお前はイイコに育ったねぇ!」ガシガシと頭を撫でながら明るく言います。「コレはね、ちょっと虫に咬まれただけだよ。平気平気」
クロード/……ねぇ、それってどんな虫?
GM/「こーんなにおっきい虫だよ!」
クロード/えーっ、こーんなに大きな虫なの?
GM/「そうそう、お前みたいにちっちゃい子なんかパクリと一口で飲んじゃいそうなぐらいコワーイ虫だよ!」
クロード/へー。――冗談はおいといてさっさと教えて。
一同/……怖ッ!(笑)
クロード/怖くないよ普通だよ!(笑)
GM/冗談、……それを聞いて一呼吸サーラの表情が止まる。「あのさ、……虫ってことにしておいてくれないかな?」
クロード/ふーん、一応虫ってことにしておいてあげるよ。で、どうしたのソレ?
GM/「……」
クロード/サーラ。あとね、弟のユーリ君と会いたいんだ。今日お隣りの子に会ってね、ユーリ君は入院してないから家にいるんじゃないかって言ってたの。
GM/「……。ユーリは今、イーストシティの方にいるんだ」
クロード/イーストシティのどこにいるの?
GM/「……。セタガヤ区、って所だよ。……いや、チヨダ区だったかな」
クロード/どっち? 姉弟なんだから判るでしょ?
GM/「……。何でそんなこと訊くのかな?」
クロード/えっとね、調査のため。アークのお仕事って言えば判るよね?
GM/「……ああ、私もあそこにいたからね。なんとなく判るんだけどさ」
クロード/どうして隠そうとするの? ……悪いことした? 話してくれるよね、ちゃんと。
GM/「……アンタ、そんなに口がきくようになったんだね」観念したようにサーラは項垂れ、俯かせながら話し出します。「……ユーリが、あの子達と同じ症状になった」
カミール/……やはり。
GM/「それも、お医者さんが大丈夫だよって言ってくれないレベル。全身真っ黒くなって、きっと皆が見たらもうあんなのヒトじゃないって思われる。……いいや、姉の私がこんなこと言っちゃダメなんだろうけど、もう……。周辺の人達にはイーストシティの方に預けてあるって言ってあるけど勿論嘘だよ」
クロード/その子は今、どこにいるの?
GM/「ここにはいない。……あの子がいたいって場所に居させてる」
クロード/……それは、彼らの言う秘密基地?
GM/「あ、そこまで聞いてるんだ。……完全に取り込まれた者を助けられる可能性は無いって知ってる。成功するかどうかは判らない治療法に私は任せたくない。それに一生畏怖の目で見られるなんて可哀想で……病院には行かせられないよ」
クロード/……でも、治療の可能性にはかけてみるべきだと思うよ? もしかしたら無事に治るかもしれない。治らなければまたそれを探せばいいんだから。
GM/「……消えた文明の発掘もアークの任務だったね。いつか治るかもしれない病気だって言われてる、けど、やっぱり信用ならなかった」
クロード/……。
GM/「……ユーリは、彼らの言う秘密基地にいる。港の浜を歩いて、岩場を抜けた所に小型舟があるんだ。その中が一番落ち着くらしいからそこに居させてる」――艦長を見ます。「アンタが隊の責任者だっけ?」
カミール/……はい。
GM/「……アークを信用しなかった私が言うのもおかしいかもしれない。けど……絶対の自信があるアンタらに任せたい。お願いできるかな、弟のこと」
カミール/……わかりました。安心してください、我が隊ならば大丈夫ですよ。


 ★浜


GM/夜の浜を歩き、岩を飛ぶ。人が近寄らない岩場の合間に……小型舟がありました。薄汚れ、海草などにまみれた舟は何年も空気に当てられていなかったかのように感じます。……小さくても一種の遺跡のようだ。
クロン/見た感じ、一般的な舟か?
GM/いいえ。PL的には小型漁船を思い浮かべてくれて構いませんが、PC的には資料で見た西暦の不思議な建物に見えます。――その汚れた舟の中に、ふわり。……窓の先に浮かぶ青白いもの。
クロード/……危ないです、アレがあります。
ヴァロード/舟の中にいるんですね。開けますよ、……うーん!
GM/ヴァロードが力を入れて開けると、重い扉が開き、……中の幻想的に輝く世界が目に入ってくる。
クロン/早く入って閉めましょう! 中は、綺麗ですか?
GM/ええ、綺麗です。まるでプラネタリウムのようで、ただ違うのは……青白い星がもぞもぞ動いている。
クロード/……ユーリ君、いますか?
GM/呼びかける。――すると、奥の方の毛布の塊が揺れた。
クロード/君は、ユーリ君かな?
GM/「う、うう、うう……」呻き声と共に動く毛布。隙間からこっちを見ているようです。言葉にならぬ唸りの後、……流暢な言葉が聞こえてくる。
クロン/なんだっ?
GM/呻き声と同じ声です。「お兄ちゃん達は聞こえる? 声が」
クロード/……声?
GM/「聞こえないかな、この虫たちの声。……ううん、虫たちが集めてくる声。昔の人の声だよ。この子は……ホタルは死を繋ぐ虫だから」――ここで【直感】判定、15以上!
クロード/き、聞きたくないよぉ!(ころころ)21。
クロン/(ころころ)16。
ヴァロード/(ころころ)16。
カミール/(ころころ)18。
GM/……全員聞こえますよ、声が。「アツイ」「イタイ」「クルシイ」と言った悲鳴が。20越えしたクロードにはもう一つ、……とある時代の地獄絵図まで思い浮かんでくる。昔の人の叫びと共に、昔の映像が脳裏に過ぎる。
クロード/……ユーリ君、君は。
GM/「この子たちに触れていると凄く悲しい声が聞こえるよね、かわいそうだよね……助けてあげたいって思わない?」そう話し、ふっと顔を上げ、話し掛ける『少年』。「『この少年』は、この閉鎖された地に成仏できず彷徨っている『我ら』を助けてくれるようだ。なんて優しい少年だろう。数千年前の赤い悲劇に生まれた思念……あの爆弾によって天に昇れずにいた『我ら』。弱かった『我ら』はずっと形になれずにいた。しかし、この世界では……強き力を借りて新たな一歩を踏み出すことができる! 『この少年』を借りて、――我らは!」
クロード/……お前達、ユーリ君の体を乗っ取ってどうするつもりなの?
GM/「新たな一歩を踏み出す」
クロード/その少年が優しいと言ったけど、それは彼の意思ではないだろ?
GM/「……」
クロード/……ふざけんな。お前らが、勝手にユーリ君を核にして鋼魔化しようとしているだけだろ。
GM/「ふ、ふふふ、そうだ。少年の意思など我らには関係ない。カラダさえあればいい。――新しい足さえあれば我らは解き放たれる! 天へ!」バっと毛布を払い現れる黒い体が、左掌を広げる。「サモン・シャイニング!」

 黒い体を取り囲む異形のホタル、光が集結し巨神へと姿を変える。形ある悪意に、小さな舟はバキバキと崩されていく。
「後退だ……今すぐ呼べ、自分らの名前を! 全員出撃――カモン・サイレンス!」
「来たれ、マンジ!」
「セレスティアルス、来い!」
 光によって崩壊する西暦の残り香。壊していく過去の遺志。立ち向かうは、……今を生きる騎士。

「……優しい少年の心を踏みにじるなんて、許せない。――おいで、フェンリル」
 現れたる5体の巨神。暗い海に大きく光が舞った。


 ●戦闘/1ターン目
GM/3マス離れて鋼魔化した神格機兵シャイニング。モブらしき青白いホタルが4匹います。さあ、戦闘開始!
クロン/【フェイバリット/ウェポンパージ】【フェイバリット/機神融合】【フェイバリット/ブレイブハート】使用! ユーリ君を必ず守ってみせる! 艦長、オーバーロードを承認してください!
カミール/わかった、――我らは最善を尽くす。彼を助け、鋼魔を滅す。いけ、クロン!
クロン/クロードさん、今回は貴方の物語です。……俺は貴方の盾となり、貴方の剣となります。

「愛しき女神よ――この優しき人達に慈愛と、海の者へ安らぎの光を。私は貴方の足元にひざまづきましょう」
 セラフィム・オーバーロード、始動。
「ユーリ君を助ける、ボクがサーラの元に絶対返すんだ!」


クロード/補助かけます!【フェイバリット/フェイズアップ】でクロンにAP基本値プラス3。あと【フェイバリット/アネモス】をこっちもクロンに! ちゃかちゃか動いてさっさと倒すよ!
クロン/ありがとうございます。【フェイバリット/ソウルバーニング】を使用。――次から総攻撃いきます!
ヴァロード/私は光の方を潰します。1歩動いて戦闘準備!
カミール/では先にいくぞ、【サブアーム/対艦レーザーブレード】!(ころころ)命中31。続けて【メインアーム/精霊機銃】を(ころころ)26で撃つ!
GM/(ころころ)両方当たります。
カミール/(ころころ)物理ダメージ28! 同じく(ころころ)霊力ダメージ23! ドガアアアン!
GM/レーザーと銃弾の一斉砲火をくらい――ホタルは潰れました。ではホタルBはマンジに向かってふわりと攻撃。(ころころ)22。
ヴァロード/(ころころ)回避41です。
GM/く、流石避ける盾。Cも(ころころ)命中28です。
ヴァロード/(ころころ)36で余裕で避けます。
GM/一方、シャイニングは……浜から海の方へと離れていきました。

 ●戦闘/2ターン目
クロン/海に向かった? 行かせない方がいいな……【オーバーロードスキル/フェニックスアロー】使用!(ころころ)お、6・6が出た! 【絶望】カードを足して物理ダメージ83! 火の鳥が襲いかかる!
GM/青白く光る機体に向かっていくフェニックス。シャイニングは炎に囲まれ焼かれ……その時、クロンには聞こえた。『少年の』呻き声が。
クロン/……ユーリ君?
GM/「う、うう、ううう……」しかしシャイニングは構える。
クロン/……必ず、君を助ける! 【オーバーロードスキル/ゴッデスプレアー】女神の光が襲う!(ころころ)【絶望】カードを入れて霊力79ダメージ! それと【チャクラフェイバリット/裂風】、(ころころ)44の物理ダメージだ! いけえぇっ!
GM/女神の閃光、そして裂風。同時にくらい装甲が剥がれ落ちます。
クロード/ヴァロードさんに【フェイバリット/フォースシェル】をやります。戦闘終了時まで物理・霊力装甲プラス5しますよ!
ヴァロード/じゃあこっちは……ホタルへ1マス進み、【チャクラフェイバリット/烈火】!(ころころ)【絶望】物理30ダメージ!
GM/じゅわっ! しかしまだホタルはゆらゆら揺らめいています。――ではでは、揺れるホタルのターン行きますね。マンジが前に揺らめくのは、『西暦の遺跡から出ていた光』です。どんな物を持っていてもおかしくないのです……【防具/スーサイドボム】使用。
カミール/……あっ!
GM/エネルギーを暴発させ、自爆する。絶対命中で、1体に相殺不可物理50のダメージを……マンジに! ドカーン!
クロード/そ、装甲値上げて良かったー!
ヴァロード/物理装甲が合計で25になるから……ダメージ25くらいます。良かったぁー!
GM/……でも目の前にもう1体いますよ? Cも【防具/スーサイドボム】使用。ドカーン!
ヴァロード/ま、またしても25! 残りHPは10です!
GM/それでは次に、シャイニング。光る機体は海へと飛びます。――【宣言】機動力海に変更。射程4でマンジとセレスティアルスへ範囲攻撃、【魔術/閃光の乱舞】!
ヴァロード/か、回避しまーす!(ころころ)41!
クロン/(ころころ)44!
GM/命中(ころころ)57。ダメージ食らってください。
ヴァロード/こちらはカードを足すだけ足して……57にします! 避けたあぁ!
クロン/……カード足しても無理だ、食らう!
GM/ではセレスティアルスだけに(ころころ)シャイニングが閃光を放つ、霊力ダメージ79!
クロン/APギリギリで相殺する!【メインアーム/エーテルランスランスモード】で(ころころ)26マイナス、37点だけくらいます!
GM/光で目が眩み、一瞬止まると……そこで大爆発。セレスを呑み込みます。……そういやこの少年、左掌を開いて召喚してたね。
カミール/……神剣持ちか、また厄介な!

 ●戦闘/3ターン目
カミール/セレスとマンジに【フェイバリット/ネクター】! 上限まで回復しろ、君達に倒れられたら困る!
ヴァロード/艦長、ありがとうございます……!
クロード/クロンさん、【フェイバリット/フォースシェル】! 少しでも硬くなってくださいー。
クロン/あ、ありがとうクロードさん。モブはヴァロードさん達に任せました! 俺はシャイニングを倒す。……【オーバーロードスキル/ゴッデスプレアー】、(ころころ)【友情】カードを使って、霊力ダメージ82!
GM/ぐ、ぐぐぐ……バチバチと幻想的な光とは違う火花が散る。
クロン/【アウターモジュール/ライフサポートモジュール】でLPを1回復しときます。それでゴッデス女神様もう一度!(ころころ)ダメージ72だ!
GM/閃光の嵐か。それで終わりですか?
クロン/ああ、俺の攻撃は終わ……。
GM/【ブラックライトニング】使用! ゴッデスプレアー二段撃ちのダメージ合計をそのままセレスにも食らわせる! ……勿論シャイニングにもダメージは入ってますが、同じ分だけクロンも食らってください。
クロン/……え? それって、154のダメージ!?
GM/この1ターンのダメージ合計点分です。……アルシャードの言うところのタケミカヅチってコトで。
カミール/【防具/グラビティシールド】使用! セレスを庇う!
GM/いいんですか、艦長?
カミール/構わん、セレスが落ちてしまっては困る! よりにもよって霊力ダメージなのが痛いが……セレスティアルスの前に鏡が現れ、同時に後ろで戦艦が大爆発する!
GM/今のダメージが全て戦艦が引き留めます。落ちますね。「サイレンスロスト――ピー、ピー」と3機に通信が入ります。
クロン/か、艦長ーっ!
ヴァロード/艦長の仇ー! まだ死んでないけど、Dに【フェイバリット/刀渡】×2!(ころころ)物理76ダメージ!
GM/バス、バスッと真空刃を2回受け、Dは沈みます。これでホタルは一掃。……それではシャイニングが動きます。フェンリルとセレスに範囲攻撃【魔術/閃光の乱舞】! (ころころ)命中は50です。
クロード/(ころころ)42、当たっちゃった。
クロン/(ころころ)50、ギリギリ回避だ!
GM/あ、セレスに当たらなかった。ではフェンリルにのみ……物理ダメージ(ころころ)63を!
クロード/余裕っ、だって硬いもん。まだまだ平気だよ!

 ●戦闘/4ターン目
クロード/【フェイバリット/ネクター】。艦長……カミールさん、蘇って!
カミール/ジジ、ジ……大丈夫だクロード、心配するな。攻撃を再開する、【メインアーム/精霊機銃】!(ころころ)29。
GM/(ころころ)当たります。
カミール/キサマー!(ころころ)霊力ダメージ23だ、くらえぇっ!
ヴァロード/ご無事で何よりです、艦長。私もシャイニングへ……いきます!【メインアーム/ソードライフルライフルモード】(ころころ)29の命中!
GM/グラリグラリ……(ころころ)27で当たります。
ヴァロード/(ころころ)34のダメージ! 戦艦の機銃と同時にライフルを撃ち込みます!
GM/マンジのライフルを受けて、ドオーン! 爆発、崩れ落ちていくシャイニング……。
クロン/待った、【オーバーロードスキル/アブソルートソウル】を使用! 全カードを消費して、鋼魔のコアとなった人を救う! マンジのライフルを間をぬってセレスが突っ込みます! はああぁっ!
クロード/クロンさん、ユーリ君を救ってください!
GM/戦艦、マンジのビーム砲の爆発。しかし、シャイニングの心臓部をあたたかい光が包み込む。一瞬、目が眩むほど世界は真っ白になり、禍々しい巨神が形を消し、――少年の姿になった。
クロン/海に落ちていくところを受け取ります。
GM/海の上で飛ぶセレス、手には眠る少年。光はゆっくりと静かに消えていく……。
クロード/……任務完了です。艦長、帰りますね。
カミール/了解した、全機帰還せよ。

 海に舞い散った光。その力に、星の如く輝いていた使者たちも全て掻き消されていた。
 眩しい光を追ってサーラは浜辺へと走る。
 その途中、……誰にも聞こえない会話があった。

「悲しいわね。折角生まれた鋼魔が倒されちゃった、残念だわ。
 ところで、病気になった人達って鋼魔になるの? どうしようもなかったって悲しんで、きっと辛くて耐えきれなったら……新しい核の発見ってことね。ま、そんなの不幸なんて世界中たっくさんいるんだけど。着実に増えてるんだ……良かったね、『貴方も』嬉しい?」
 くすくす。くすくす。
 少女達の笑い声は、ただ白い光が舞う海に響くだけだった。


 ★エンディング


GM/光を見てやって来たんでしょう、サーラが走ってきます。「ユーリ!」
クロン/ユーリを抱いて向かいます。……大丈夫なんだよな?
GM/眠ったままです。ただ、舟の中で見た真っ黒の体ではない。いたるところ黒い部分はあるけど、クロードには判る。ミンストレルの勘で、……この子は絶対に大丈夫だ。
クロード/サーラ、ユーリ君は無事だよ。多少黒い痕が残ったけど平気。
GM/ユーリを抱き抱えます。未だ不安げな顔のまま。「ホントに……大丈夫なのかい?」
クロード/ボクが信じられない?
GM/「いや、そうじゃなくて……」
クロード/大丈夫だよ、信じて信じて!
GM/「……。はは、アンタってこんな強い子だったかな」
クロード/ヒドイなぁ、でも本当に大丈夫。ユーリ君は絶対元気になるから。
GM/「……うん、信じるよ。そんな強いアンタに言われたらさ、信じられない訳がないさ」サーラは笑顔で答えました。ぎゅっと、弟の体を抱きしめて――。